JP6642118B2 - 耐サワー鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、硫化水素を含む天然ガス、石油等を輸送する耐サワー鋼管などの素材に好適な、サワー環境で使用される耐サワー鋼板に関するものである。
近年、原油・天然ガス井戸への海水の注入や、品質が劣る資源の開発に伴って、硫化水素が存在するサワー環境に鋼材が曝される機会が増えている。サワー環境で鋼材を使用する際には、水素誘起割れ(Hydrogen Induced Cracking:HIC)の発生が問題になる場合がある。また、ラインパイプに使用される耐サワー鋼板には、優れた耐水素誘起割れ特性(耐HIC特性)だけでなく、輸送効率の向上などの観点から高強度化、厚手化が要求される。更には、エネルギー資源開発の寒冷地化が進んでおり、耐サワー鋼板には低温靭性も要求されるようになっている。
優れた耐HIC特性を有する鋼板を得るためには、S、Oなどの不純物の制限による鋼の高純度化や高清浄度化、Ca添加による硫化物系介在物の形態制御が有効である。また、加速冷却による中心偏析部のミクロ組織の改善、特に硬化組織の生成の抑制によって、耐HIC特性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献1、参照)。更に、連続鋳造時の軽圧下による中心偏析の低減や、熱間圧延前の鋼片の水素量の制限により、中心偏析部の未圧着部の残存を防止し、耐HIC特性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献2、参照)。
ところで、高強度化を達成するためにNbを添加した鋼では、鋳片の加熱時に固溶せずに溶け残った粗大なNb析出物(Nb炭窒化物)が鋼板中でクラスターを形成し、これらが起点となって耐HIC特性を劣化させる場合がある。これに対して、Nb析出物を鋳片加熱時の限定された時間内で完全に固溶させるために、かなりの高温に鋳片を加熱すると、オーステナイト(γ)粒の粗大化やエネルギーコストの増大を招く。このような問題に対して、Nb量を制限した厚鋼板が提案されている(例えば、特許文献3、参照)。
一方、本発明者らの一部は、Nbを添加しない鋼に加速冷却を適用することにより、高強度の耐サワー鋼板を製造する方法を提案している(例えば、特許文献4、参照)。これは、−45℃以下の低温の環境で使用される耐サワー鋼板の製造技術を提案するものである。特許文献4は、(1)Nb量の制限による耐HIC特性の向上、(2)加熱温度の低温化によるγ粒の粗大化抑制、(3)1パス当りの圧下率を高めた低温域での圧延によるγ組織の微細化、(4)圧延後の加速冷却による耐HIC特性の確保と変態強化、を実現する製造技術である。
また、本発明者らの一部は、CaとZrとを主成分とする酸化物(以下、CaZr系酸化物と略称することがある。)を利用して、鋳片の等軸晶率を高める技術を提案している(例えば、特許文献5、参照)。これは、δ凝固する前の溶鋼にCaZr系酸化物を分散させ、鋼の凝固時にこれらを接種核として機能させる技術である。接種核の分散により、鋳片の等軸晶率が高まり、これと同時に等軸晶粒径が微細化し、偏析やポロシティなどの鋳造欠陥の悪影響が軽減される。
特開2000−199029号公報 特開2010−209460号公報 特開2011−1607号公報 特開平7−316652号公報 特開2008−127599号公報
特許文献3には、−17℃〜−23℃のDWTT(Drop Weight Tear Test)特性を有し、API 5L X65の強度を満たす板厚35.5mmの厚手耐サワー鋼板が示されている。ここで、DWTT特性は、ラインパイプの低温靱性として重要な脆性亀裂伝播停止特性である。また、特許文献4には、−45℃という低温での靱性に優れ、API 5L X65の強度を満たす、板厚35mmの厚手耐サワー鋼板が示されている。
特許文献4では、耐HIC特性の安定化を図るため、Nbを添加せず、鋳片を低温加熱し、圧延終了温度をAr3(冷却時の変態開始温度)よりも20〜30℃程度高めて、Ar3以上から加速冷却を開始する耐サワー鋼板の製造技術が提案されている。しかし、耐HIC特性を向上させる対策のうち、Nb無添加及び圧延終了温度の高温化は、熱加工制御プロセス(Thermo-Mechanical Control Process、TMCP)の効果を減じて、鋼板の金属組織の粗大化を招く。
特に、鋼板の板厚が36.0mm以上になると、鋼板の金属組織の微細化が不十分となり、−30℃以下のような低温環境でDWTT特性を安定的に達成することは困難であった。また、CaZr系酸化物による鋳片の等軸晶の微細化が、耐HIC特性に及ぼす効果は不明である。例えば、凝固組織を微細化した場合、亀裂がミクロ偏析を伝播することにより、耐HIC性を劣化させる場合も有り得る。したがって、特許文献5の技術を耐サワー鋼板に適用するためには具体的な検討が必要である。
本発明は、このような実情に鑑み、硫化水素を含む天然ガス、石油等のエネルギー資源を輸送するラインパイプに用いられる、板厚が36.0mm以上45.0mm以下のAPI 5L X65級以上の耐HIC特性に優れた耐サワー鋼板において、−30℃以下の低温における鋼板の母材のDWTT特性を確保することを課題とするものである。
本発明者らは、CaZr系酸化物による鋳片の等軸晶化及びその微細化の技術を高強度厚手耐サワー鋼板に適用するための検討を行った。その結果、CaZr系酸化物によって最終凝固部(鋳片の中心部近傍)の等軸晶粒径の平均値は3mm以下に微細化し、Nbの含有量を制限すれば、耐HIC特性が劣化しないことがわかった。Nbを実質的に無添加とした場合、CaZr系酸化物によって微細化された等軸晶の間に形成される凝固偏析部が微細化すれば、凝固偏析部に濃化したCやMnは、通常の鋳片加熱条件によって拡散し、鋼板の中心偏析部において局部的な硬化組織の生成が抑制される。
一方、Nbを添加した場合は、等軸晶を微細化しても耐HIC特性が劣化することがわかった。これは、Nbの凝固偏析が極めて大きく、かつ、凝固後のNbの拡散速度が小さいためである。即ち、通常の鋳片加熱条件では、特に鋳片の中心部近傍(中心偏析部)において、凝固偏析部のNb濃度の低下が不十分になり、鋼板の中心偏析部において局部的に硬化組織が生成し、HICが発生、伝播し易くなり、耐HIC特性が劣化する。
また、Nbを実質的に無添加とし、CaZr系酸化物によって鋳造組織を微細化することに加え、更にTiN粒子を微細分散させると、熱間圧延後の鋼板の有効結晶粒径の微細化が顕著になり、同時に、鋼板の中心偏析部において局所的な硬化組織の生成も抑制され、靱性が著しく向上することがわかった。TiN粒子は、凝固冷却時にTiとNが濃化する凝固偏析部に優先析出することから、CaZr系酸化物によって凝固偏析部が微細化すると、より微細なTiN粒子が分散し、鋳片加熱時のγ粒成長におけるピン止め効果が強化され、鋼板における有効結晶粒径が微細化する。このピン止め効果は、HAZの有効結晶粒径微細化にも効果的であり、HAZ靭性の向上にも寄与する。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、以下の通りである。
本発明の一態様に係る耐サワー鋼板は、
(1)質量%で、C:0.040%以上、0.150%以下、Mn:1.00%以上、2.00%以下、S:0.0001%以上、0.0010%以下、Ca:0.0005%以上、0.0030%以下、Zr:0.0005%以上、0.030%以下、O:0.0010%以上、0.0030%以下、Al:0.001%以上、0.050%以下、Ti:0.005%以上、0.020%以下、N:0.0015%以上、0.0050%以下を含有し、Si:0.40%以下、P:0.015%以下、Nb:0.004%以下に制限し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、Ca、Zr、O、Sの含有量が下記(1)式を満足し、板厚方向で表面から板厚の1/2の位置における有効結晶粒径の平均値が25μm以下である耐サワー鋼板である。
1.0≦(Ca−0.83×O)/(1.25×S)
+(Zr−1.90×O)/(2.85×S)≦10.0・・・ (1)
上記(1)式において、(Ca−0.83×O)、(Zr−1.90×O)が負の値になる場合は各項をゼロとして計算する。
(2)また、上記(1)に記載の耐サワー鋼板において、更に、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:0.5%以下、W:0.5%以下、Co:0.5%以下に制限してもよい。
(3)また、上記(2)に記載の耐サワー鋼板において、更に、質量%で、V:0.10%以下、B:0.0030%以下に制限してもよい。
(4)また、上記(1)〜(3)の何れかに記載の耐サワー鋼板において、板厚が36.0mm以上45.0mm以下、降伏応力が448MPa以上、引張強さが535MPa以上であってもよい。
本発明によれば、米国石油協会(API)規格X65級以上の強度を有し、かつ、−30℃以下の低温において優れたDWTT特性を有する、板厚が36.0mm以上45.0mm以下の、耐HIC特性に優れた耐サワー鋼板の提供が可能になる。そして、本発明によれば、低温のサワー環境における原油・天然ガスの生産、輸送に使用されるラインパイプを合理的に設計することが可能になる。したがって、本発明は産業上の貢献が極めて顕著である。
本発明は、(a)ZrとCaとの複合添加(CaZr系酸化物生成)、(b)Nb無添加、(c)極低S化、(d)TiとNとの複合添加(TiN粒子の微細分散)、という特徴を有する。そして、本発明は、これらの特徴により、従来に比べて凝固等軸晶が微細化することで凝固偏析部も微細化され、耐HIC特性に対して有害な局所的な硬化組織の生成が鋼板の中心偏析部において抑制され、耐サワー特性及び靱性が向上するという知見に基づくものである。なお、中心偏析部は、巨視的にみたときの最終凝固部であり鋳片の板厚中心部である。この中心偏析部を微視的にみると、凝固等軸晶から構成されている。凝固偏析部は、凝固等軸晶の間であり、合金元素が微視的に濃化している。
CaZr系酸化物は、凝固初相がδ−Feである鋳片の製造において、接種核(凝固核)として有効に作用する。電子線回折で同定されたCaZr系酸化物の結晶構造は、個々の酸化物粒子の全体あるいは一部がペロブスカイト構造を有する特徴がある。CaZrO3はペロブスカイト構造を有しており、TiN、Ce23に比べてδ−Feに対する格子不整合度が小さく接種能が高い。
CaZr系酸化物の接種効果によって、等軸晶率が高くなり、凝固組織が微細化され、特に鋳片の中心偏析部においては凝固等軸晶が微細になる。その結果、凝固偏析部が微細になり、濃化した元素、特にCやMnが、通常の鋳片加熱条件によって拡散し、濃度が低下する。そして、熱間圧延後、鋼板の有効結晶粒径が小さくなるのに加え、特に中心偏析部において、局部的な硬化組織が生成しにくくなり、靱性及び耐HIC特性が向上する。
このように、上記(a)〜(d)により、本発明の耐サワー鋼板は、36.0mm以上の板厚であっても鋼板の金属組織が微細化され、中心偏析部の硬度の上昇も抑制され、−30℃以下の低温でのDWTT特性及び耐HIC特性を達成することが可能になる。このとき、板厚方向で板厚の1/2の位置(以下、板厚1/2位置ということがある。)における有効結晶粒径の平均値は25μm以下である。
ここで、有効結晶粒径とは、例えば、結晶方向の角度差が3度以内の領域の寸法であり、電子線後方散乱回折法(EBSD)によって測定することができる。金属組織がフェライトの場合は、結晶粒径が有効結晶粒径と同等である。一方、ベイナイトやマルテンサイトのような針状結晶である場合、有効結晶粒径は針状結晶の束の中で結晶の方向がほぼ揃った領域の寸法である。
以下、本発明の一実施形態に係る耐サワー鋼板について説明する。
(C:0.040%以上、0.150%以下)
Cは、鋼の強度を高める元素であり、X65以上の高強度を得るためにC量を0.040%以上とする。好ましくはC量を0.050%以上、より好ましくは0.060%以上、更に好ましくは0.070%以上とする。しかし、C量の増加は鋳片の中心偏析におけるMnやPの偏析を強めて耐HIC特性を劣化させるため、その上限は0.150%である。好ましくはC量を0.140%以下、より好ましくは0.130%以下とする。
(Si:0.40%以下)
Siは、脱酸のために鋼に含有される場合があるが、Si量が多すぎると溶接性及びHAZ靭性が劣化するため、0.40%以下に制限する。本発明の鋼では、Al、Tiによって脱酸が可能であるから、下限は0%でもよいが、0.01%以上のSiを含有させることができる。HAZ靭性を考慮するとSi量を0.30%以下にすることが望ましい。より好ましくはSi量を0.20%以下とする。
(Mn:1.00%以上、2.00%以下)
Mnは、焼入れ性を高めて鋼の強化に寄与する元素であり、X65以上の高強度を得るためにMn量を1.00%以上とする。好ましくはMn量を1.05%以上、より好ましくは1.10%以上、更に好ましくは1.15%以上とする。しかし、Mn量の増加は鋳片の中心偏析を強めて耐HIC特性を劣化させるため、その上限は2.00%である。好ましくはMn量を1.90%以下、より好ましくは1.80%以下、更に好ましくは1.70%以下とする。
(P:0.015%以下)
Pは、不純物であり、鋳片の中心偏析を強めて耐HIC特性を劣化させるため、P量を0.015%以下に制限する。Pは少ないほど耐HIC特性が向上するため、下限は特に規定しないが、製造コストの観点からP量は0.001%以上が好ましい。
(S:0.0001%以上、0.0010%以下)
Sは、耐HIC特性に有害な、圧延によって延伸するMnSを形成する元素であり、S量を0.0010%以下に制限する必要がある。好ましくはS量を0.0008%以下、より好ましくは0.0006%以下とする。Sを低減することは母材及びHAZの靭性の観点からも好ましいが、製造コストの観点からS量を0.0001%以上とする。
(Nb:0.004%以下)
本発明では、耐HIC特性を確保するために、Nbを実質的に含有しないことが望ましい。Nb量が0.004%を超えると、鋳片を加熱する際に中心偏析部で溶け残ったNb炭窒化物が耐HIC特性を劣化させる。したがって、Nb量は0.004%に制限することが必要である。本発明はDWTT特性を確保する観点から、鋳片を例えば1100℃以下のような低温加熱することが好ましく、この場合、Nb炭窒化物の溶け残りを防止するためにNb量を0.003%以下に低減することが好ましい。より好ましくはNb量を0.002%以下とする。NbはHAZ靭性にも有害であるから、Nbを実質的に含有しないことはHAZ靭性を高める効果がある。
(Ca:0.0005%以上、0.0030%以下)
Caは、ZrとCaZr系酸化物を形成する重要な元素である。溶鋼中に生成するCaZr系酸化物は接種核(凝固核)となり、鋳造組織を微細化し、特に中心偏析部において凝固偏析部を微細化する。その結果、凝固偏析部に濃化した元素の拡散が容易になり、特に鋼板の中心偏析部において硬化組織の生成が抑制される。このようにして、Caは靭性及び耐サワー特性を向上させる元素であり、効果を得るために、Ca量を0.0005%以上とする。好ましくはCa量を0.0007%以上、より好ましくは0.0010%以上とする。しかし、Ca量が0.0030%を超えると、Ca系介在物が増加して、HICや脆性破壊の発生起点となるので、これが上限である。好ましくはCa量を0.0025%以下、より好ましくは0.0020%以下とする。
(Zr:0.0005%以上、0.03%以下)
Zrは、Caとともに添加することにより、CaZr系酸化物を形成する重要な元素である。CaZr系酸化物による靭性及び耐サワー特性の向上は上述のとおりであり、効果を得るために、Zrを0.0005%以上含有させることが必要である。しかし、Zrを、0.03%を超えて含有させると、Zr系介在物が増加して、HICや脆性破壊の発生起点となる場合があるので、これが上限である。好ましくはZrの含有量を0.02%以下、より好ましくは0.01%以下とする。
(O:0.0010%以上、0.0030%以下)
Oは、Ca、Zrと結合し、CaZr系酸化物を形成する元素である。上述のCaZr系酸化物の効果により靱性及び耐HIC特性を高めるために、0.0010%以上のO量が必要である。しかし、Oが0.0030%を超えると、鋼の清浄度が低下して母材やHAZの靭性が劣化する。HICの発生起点となる酸化物系介在物を低減し、Caによる硫化物形態制御を行うためにも、O量の上限は0.0030%である。O量は0.0025%以下が好ましい。
(1.0≦(Ca−0.83×O)/(1.25×S)
+(Zr−1.90×O)/(2.85×S)≦10.0
本発明の耐サワー鋼板では、耐HIC特性を確保するために、Sを可能な限り低減し、Ca、Zrを添加し、HIC発生起点となる延伸MnSの生成を抑えて、Sを(Ca、Zr)S又は(Ca、Zr)(O、S)として固定する。このとき、SとCaとZrとOのバランスが、1.0≦(Ca−0.83×O)/(1.25×S)+(Zr−1.90×O)/(2.85×S)を満たさない場合、延伸MnSが残存してHICが発生する。一方、(Ca−0.83×O)/(1.25×S)+(Zr−1.90×O)/(2.85×S)≦10.0を満たさない場合、OやSに対してCaやZrが過剰に含まれることから、Ca系介在物やZr系介在物が増加して、HICが発生する。
ここで、(Ca−0.83×O)/(1.25×S)+(Zr−1.90×O)/(2.85×S)の項は、脱酸によって接種核であるCaZrO3が生成すると仮定した場合に、脱酸反応で消費されずに残存するCa及びZrによってSが固定されるか否かを判断する指標である。即ち、1.0≦(Ca−0.83×O)/(1.25×S)+(Zr−1.90×O)/(2.85×S)を満たす場合は、脱酸反応で消費されずに残存するCa及びZrによって、鋼中の全てのSがCaSやZrSとして析出し、延伸MnSは生成しない。
また、(Zr−1.90×O)が負の値であっても、1.0≦(Ca−0.83×O)/(1.25×S)を満たす場合、脱酸反応で消費されるCa(Oと結合するCa)を差し引いた残りのCaにより、鋼中のほぼ全てのSがCaSとして析出し、延伸MnSは生成しない。同様に、(Ca−0.83×O)が負の値であっても、1.0≦(Zr−1.90×O)/(2.85×S)を満たす場合、脱酸反応で消費されるZr(Oと結合するZr)を差し引いた残りのZrにより、鋼中のほぼ全てのSがZrSとして析出し、延伸MnSは生成しない。したがって、(Ca−0.83×O)、(Zr−1.90×O)が負の値になる場合は各項をゼロとする。
このように、(Ca−0.83×O)/(1.25×S)+(Zr−1.90×O)/(2.85×S)の項は、硫化物形態制御の指標であり、HIC特性を確保するために下記式(1)を満たす必要がある。耐HIC特性を高めるために、(Ca−0.83×O)/(1.25×S)+(Zr−1.90×O)/(2.85×S)の下限を好ましくは1.5、より好ましくは2.0、上限を好ましくは9.5、より好ましくは9.0とする。
1.0≦(Ca−0.83×O)/(1.25×S)
+(Zr−1.90×O)/(2.85×S)≦10.0・・・ (1)
上記(1)式において、(Ca−0.83×O)、(Zr−1.90×O)が負の値になる場合は各項をゼロとして計算する。
(Al:0.001%以上、0.050%以下)
Alは、脱酸元素であり、Al量は0.001%以上が必要である。好ましくはAl量を0.002%以上、より好ましくは0.003%以上とする。しかし、Al量が0.050%を超えると介在物が増加して靱性を損なうため、これが上限である。好ましくはAl量を0.030%以下、より好ましくは0.020%以下とする。
(Ti:0.005%以上、0.020%以下)
Tiは、鋳片やHAZのγ粒成長をピン止め効果によって抑制するTiN粒子を形成する元素である。ピン止め効果によって十分なγ粒成長抑制効果を発現させるために、Ti量の下限を0.005%とする。好ましくはTi量を0.007%以上する。しかし、Ti量が0.020%を超えると母材やHAZの靭性が劣化したり、鋳片の表面品質が劣化するため、これが上限である。好ましくはTi量を0.018%以下、より好ましくは0.016%以下とする。
(N:0.0015%以上、0.0050%以下)
Nは、鋳片やHAZのγ粒成長をピン止めするTiN粒子を構成する元素である。ピン止め効果によって十分なγ粒成長抑制効果を発現するために、N量の下限を0.0015%として最低限のTiN粒子個数を確保する必要がある。好ましくはN量を0.0020%以上、より好ましくは0.0025%以上とする。一方、N量が0.0050%を超えると母材やHAZの靭性が劣化したり、鋳片の表面品質が劣化するため、これが上限である。好ましくはN量を0.0045%以下、より好ましくは0.0040%以下とする。
必要に応じて、Cu、Ni、Cr、Mo、W、Co、Ti、V、Bの1種又は2種以上を含有させてもよい。なお、工業的に使用されるZr原料には、微量のHfが含まれる場合がある。Zrの同属元素であるHfは、Zrと同様の作用を有しており、鋼中に微量のHfが不純物として含有されても特に問題はない。
(Cu:1.0%以下)
Cuは、溶接性及びHAZ靱性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、靱性を向上させるため、0.1%以上を含有させてもよい。ただし、過剰な添加は熱間圧延時にCuクラックを発生し製造が困難となる場合や、溶接性に好ましくない場合があるため、Cu量の上限は1.0%が好ましい。より好ましくはCu量を0.5%以下、更に好ましくは0.3%以下とする。
(Ni:1.0%以下)
Niは、溶接性及びHAZ靱性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、靱性を向上させるため、0.1%以上を含有させてもよい。ただし、過剰な添加は経済性を損ない、溶接性に好ましくない場合があるため、Ni量の上限は1.0%が好ましい。より好ましくはNi量を0.8%以下、更に好ましくは0.5%以下とする。
(Cr:1.0%以下)
Crは、連続鋳造鋳片において中心偏析し難く、かつ母材の強度を向上させるため、0.1%以上を含有させてもよい。ただし、過剰な添加は母材及びHAZの靱性、溶接性を劣化させる場合があるため、Cr量の上限は1.0%が好ましい。より好ましくはCr量を0.8%以下、更に好ましくは0.5%以下とする。
(Mo:0.5%以下)
Moは、母材の強度、靱性をともに向上させるため、0.1%以上を含有させてもよい。ただし、過剰な添加は母材及びHAZの靱性、溶接性の劣化を招く場合があるため、Mo量の上限は0.5%が好ましい。より好ましくはMo量を0.3%以下とする。
(W:0.5%以下)
Wは、母材の強度、靱性をともに向上させるため、0.1%以上を含有させてもよい。ただし、過剰な添加は経済性を損ない、母材及びHAZの靱性、溶接性の劣化を招く場合があるため、W量の上限は0.5%が好ましい。より好ましくはW量を0.3%以下とする。
(Co:0.5%以下)
Coは、溶接性及びHAZ靱性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、靱性を向上させるため、0.1%以上を含有させてもよい。ただし、過剰な添加は経済性を損ない、溶接性に好ましくない場合があるため、Co量の上限は0.5%が好ましい。より好ましくはCo量を0.3%以下とする。
(V:0.10%以下)
Vは、析出硬化による高強度化とミクロ組織の微細化による低温靱性の向上を可能にするため、0.01%以上を含有させてもよい。ただし、過剰な添加はHAZ靱性や溶接性の劣化を招く場合があるため、V量の上限は0.10%が好ましい。より好ましくはV量を0.08%以下、更に好ましくは0.05%以下とする。
(B:0.0030%以下)
Bは、焼き入れ性を高めて母材やHAZの強度、靭性を向上させるため、0.0003%以上を含有させてもよい。ただし、過剰な添加によってHAZ靭性や溶接性が劣化する場合があるため、B量の上限は0.0030%が好ましい。より好ましくはB量を0.0020%以下、更に好ましくは0.0015%以下とする。
本発明の耐サワー鋼板の金属組織は、フェライト、ベイナイト、マルテンサイト、パーライトの1種又は2種以上からなる。これらの混合組織である場合、光学顕微鏡によって観察される結晶粒径よりも、有効結晶粒径の方が靱性との相関が強い。靭性を向上させるためには、有効結晶粒径を微細化することが望ましく、本発明の耐サワー鋼板は、板厚方向で表面から板厚の1/2の位置における有効結晶粒径の平均値が25μm以下であることが必要である。有効結晶粒径の25μmを超えて粗大化すると、−30℃以下の低温でDWTT特性を安定的に達成することができない。板厚1/2位置における有効結晶粒径は小さい方が好ましいため下限は規定しないが、製造コストの観点から5μm以上であってもよい。
次に、本実施形態に係る耐サワー鋼板の製造方法を説明する。
上述した化学成分から構成される厚み200mm以上の連続鋳造鋳片を、400℃以下に冷却した後、900℃以上1050℃以下に加熱し、熱間圧延を施すことが好ましい。
鋳片を400℃以下に冷却せずにホットチャージで加熱炉に挿入すると、鋳造時に生成した粗大γ組織が加熱後に残存し、組織が十分に微細化せず低温靱性が劣化する場合がある。
鋼片の加熱温度は、圧延終了温度をAr3以上にするため、900℃以上が好ましい。一方、加熱温度が高いと、加熱γ粒が粗大化し、組織が十分に微細化せず低温靱性が劣化する場合があるため、1050℃以下が好ましい。より好ましくは、加熱温度を1000℃以下とする。
その後の熱間圧延では、γ低温域で1パス当りの圧下率の大きい圧下を数多く累積することによって、ミクロ組織が十分に微細化し、非常に良好な低温靱性が得られる。そのため、熱間圧延では、900℃以下の累積圧下率が60%以上であることが好ましく、パス回数の60%以上は、1パスあたりの圧下率が15%以上であることが好ましい。900℃以下での累積圧下率が60%未満であったり、1パス当りの圧下率が15%以上となるパス回数の割合が60%未満であったりすると、変態後のミクロ組織が微細化せず、良好な低温靱性が得られない場合がある。
板厚が36.0mm以上45.0mm以下になるように熱間圧延を行い、Ar3以上で圧延を終了することが好ましい。熱間圧延の終了温度がAr3未満であると、フェライト変態に伴って中心偏析部へCが濃化し、硬化組織が形成されて耐HIC特性が劣化する場合がある。また、加速冷却をAr3以上の温度から開始するためにも、熱間圧延をAr3以上で終了することが好ましい。
熱間圧延後は、Ar3以上から加速冷却を行うことが好ましい。加速冷却は中心偏析部のミクロ組織を改善して耐HIC特性を向上させるとともに、変態強化による高強度化と結晶粒微細化による高靭性化を可能にする。加速冷却の冷却速度は3℃/秒以上50℃/秒以下が好ましく、550℃以下300℃以上の範囲内で加速冷却を終了し、その後空冷することが好ましい。
冷却開始温度がAr3未満であったり、冷却速度が3℃/秒未満であったり、冷却停止温度が550℃を超えたりすると、フェライト変態に伴う中心偏析部へのCの濃化によって硬化組織が形成されて耐HIC特性が劣化するとともに、変態強化が不十分となって強度が不足する場合がある。一方、冷却速度が50℃/秒を超えたり水冷停止温度が300℃未満であったりすると、低温変態生成物が大量に生成して耐HIC特性及び低温靱性が劣化する場合がある。
ここで、Ar3は下記で計算される冷却時の変態開始温度であり、鋼の化学成分を用いて計算される。
Ar3(℃)=868−396×C+24.6×Si−68.1×Mn
−36.1×Ni−20.7×Cu−24.8×Cr
+29.1×Mo
上式におけるC、Si、Mn,Ni,Cu,Cr,Moは質量%で表した含有量を意味する。
なお、本発明による鋼板をAc1(加熱時の変態開始温度)以下の温度に焼戻し処理することは何ら本発明鋼の特性を損なうものではない。本発明による鋼板は耐サワーラインパイプのほか、耐サワー圧力容器用としても適用できる。
以下に本発明の実施例を示すが、以下に示す実施例は本発明の一例であり、本発明は以下に説明する実施例に制限されるものではない。
転炉により鋼を溶製し、連続鋳造により表1と表2に示す化学成分を有する厚さ240mmの鋳片を製造した。得られた鋳片を、室温まで冷却した後、980〜1030℃に加熱し、熱間圧延を行った。このとき、900℃以下の累積圧下率を75〜80%、そのときのパス回数の60%以上は、1パスあたり圧下率を15%以上とした。また、圧延終了温度を770〜790℃とし、熱間圧延に引き続き、750〜770℃の範囲内から5〜35℃/秒の加速冷却を適用し、330〜430℃の範囲内で加速冷却を停止し、その後、空冷した。表1及び2から明らかであるように、圧延終了温度及び加速冷却の開始温度は、鋼のAr3よりも高温である。
Figure 0006642118
Figure 0006642118
得られた鋼板から圧延方向に垂直な幅方向を長手方向として、API5L規格に準拠した全厚試験片を採取し、API規格の2000に準拠して、室温で引張試験を行った。また、DWTT試験片を採取し、片側表面を切削して3/4インチに減厚して落重引裂試験を行った。低温靭性は延性破面率遷移温度(DWTT85%SATT[℃])で評価した。
板厚1/2位置における有効結晶粒径は、その部分のミクロ試験片の断面において、EBSDを用いて測定した。EBSDによって0.02mm2以上の面積にわたって結晶方位測定を行い、結晶方位差が3度以内の領域を有効結晶粒とみなし、円相当直径の平均値を有効結晶粒径として求めた。
また、母材のHIC試験は、NACE TM0284に準拠し、NACE溶液(H2Sを1気圧で飽和した5%NaCl+0.5%酢酸水溶液、pH2.7)を用いて実施し、HIC面積率CARとHIC長さ率CLRを測定した。
更に、HAZ靭性を評価するためにUO鋼管のシーム溶接部に相当する内面1パスと外面1パスのサブマージアーク溶接を行い、溶接継手を作製した。なお、溶接金属は、−30℃で100J以上の靭性が得られるように、低温仕様の溶接材料を用いた。溶接継手の会合部を基準にシャルピー衝撃試験片を採取し、溶接金属とHAZとの比率が50:50になるように2mmVノッチを施し、−30℃で3本の試験を行って平均値と最低値を測定した。表3、表4に鋼板の板厚、機械的性質、耐HIC特性、HAZ靭性を示す。
Figure 0006642118
Figure 0006642118
表3に示すように、本発明鋼は、板厚36.0〜45.0mmの鋼板において、API 5L X65以上(降伏強度YS:448MPa以上、引張強度TS:535MPa以上)を満足する母材の強度と、落重引裂試験における延性破面率遷移温度が−30℃以下の低温となっており、良好なDWTT特性を有する。有効結晶粒径は25μm以下に微細化している。同時に、本発明鋼は優れた耐HIC特性、HAZ靭性を有する。
一方、表2に示すように、従来鋼は化学成分が本発明の範囲から外れているため、表4に示すように、母材の機械的性質、耐HIC特性、溶接部のHAZ靭性が劣ったりする問題がある。
符号B1はC量が低すぎ、符号B4はMn量が低すぎるために強度が不足している。符号B2はC量が高すぎるために耐HIC特性が劣化し、HAZ靭性も劣化傾向にある。符号B3はSi量が高すぎるためにHAZ靭性が劣化している。符号B5はMn量が高すぎるために耐HIC特性が劣化している。
符号B6はP量が高すぎるために耐HIC特性が劣化し、HAZ靭性も劣化傾向にある。符号B7はS量が高すぎるために耐HIC特性が劣化し、DWTT特性も劣化傾向にある。符号B8はAl量が低すぎるために脱酸が不十分となってO量が高すぎ、耐HIC特性とHAZ靭性が劣化し、DWTT特性も劣化傾向にある。符号B9はAl量が高すぎるためにHAZ靭性が劣化し、DWTT特性も劣化傾向にある。符号B10はTi量が低すぎ、符号B17はN量が低すぎるためにDWTT特性とHAZ靭性が劣化している。符号B11はTi量が高すぎ、符号B18はN量が高すぎるためにHAZ靭性が劣化し、DWTT特性も劣化傾向にある。
符号B12はNb量が高すぎるために耐HIC特性が劣化し、HAZ靭性も劣化傾向にある。符号B13はCa量が低すぎ、符号B15はZr量が低すぎるために耐HIC特性とDWTT特性が劣化し、HAZ靭性も劣化傾向にある。符号B14はCa量が高すぎ、符号B16はZr量が高すぎるために耐HIC特性とHAZ靭性が劣化し、DWTT特性も劣化傾向にある。
符号B19はO量が低すぎるため耐HIC特性とDWTT特性が劣化し、HAZ靭性も劣化傾向にある。符号B20はO量が高すぎるために耐HIC特性とHAZ靭性が劣化し、DWTT特性も劣化傾向にある。符号B21は硫化物形態制御の指標である式(1)の値が低すぎ、符号B22は式(1)の値が高すぎるため、耐HIC特性が劣化している。
本発明は、優れた耐HIC特性とAPI 5L X65以上の強度を有し、かつ従来よりも優れた低温靱性を有する厚手のラインパイプ用鋼板の製造に関するものであり、鉄鋼業においては厚板ミルに適用することが望ましい。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C :0.040%以上、0.150%以下、
    Mn:1.00%以上、2.00%以下、
    S :0.0001%以上、0.0010%以下、
    Ca:0.0005%以上、0.0030%以下、
    Zr:0.0005%以上、0.030%以下、
    O :0.0010%以上、0.0030%以下、
    Al:0.001%以上、0.050%以下、
    Ti:0.005%以上、0.020%以下、
    N :0.0015%以上、0.0050%以下
    を含有し、
    Si:0.40%以下、
    P :0.015%以下、
    Nb:0.004%以下
    に制限し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、Ca、Zr、O、Sの含有量が下記(1)式を満足し、板厚方向で表面から板厚の1/2の位置における有効結晶粒径の平均値が25μm以下であり、
    板厚が36.0mm以上、45.0mm以下であり、
    降伏応力が448MPa以上であり、
    引張強さが535MPa以上
    であることを特徴とする耐サワー鋼板。
    1.0≦(Ca−0.83×O)/(1.25×S)
    +(Zr−1.90×O)/(2.85×S)
    ≦10.0・・・ (1)
    上記(1)式において、(Ca−0.83×O)、(Zr−1.90×O)が負の値になる場合は各項をゼロとして計算する。
  2. 更に、質量%で、
    Cu:1.0%以下、
    Ni:1.0%以下、
    Cr:1.0%以下、
    Mo:0.5%以下、
    W :0.5%以下、
    Co:0.5%以下
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐サワー鋼板。
  3. 更に、質量%で、
    V :0.10%以下、
    B :0.0030%以下
    の一方又は両方を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐サワー鋼板。
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