JP6640615B2 - 軌道計算装置及び軌道計算プログラム - Google Patents
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Description
前記基準軌道情報と、前記人工衛星に対して観測された物理量である観測量とを用いて、前記人工衛星の状態量の推定値を計算する計算部と
を備えることを特徴とする。
はじめに、一般的なバッチ最小二乗推定法について説明する。
状態量x(t)は時刻t0における状態量x0=x(t0)から軌道力学モデルを用いて計算することができる。
状態量x(t)に対する観測モデルをy(t)とする。
ここで、T0kとT0(k+1)には次の式5の関係がある。
ステップS16において、それに対してヤコビアンJと重み行列Wとを用いて、状態量x0の変化量Δx0を計算する。
衛星があらかじめ定められた基準軌道の近傍を飛行する場合には、以下のように推定処理を簡略化することができる。図2では人工衛星30の実際の軌道31を破線で示している。基準軌道40は理想化された軌道である。
時刻tにおける状態量をx’(t)、
観測モデルをy’(t)と表すと、
x’(t+P)=x’(t)、
y’(t+P)=y’(t)が成り立つ。
なおx’は基準軌道状態量である。
従って、
t(k+m)=tk+Pのとき、
基準軌道40におけるYk、Tk(k+1)をそれぞれY’k、T’k(k+1)と表すと、
Y’(k+m)=Y’k、
T’(k+m)(k+m+1)=T’k(k+1)
が成り立つ。
なおT’は基準軌道状態遷移行列である。
x(t)≒x’(t)
と近似することができる。
また同様に、
y(tk)≒y’(tk)、
Tk(k+1)≒T’k(k+1)
と近似することができる。
つまり、x0=x’0+Δx’0 (式6)
で計算することができる。
式6のΔx’0は、以下の式7、式8、式9、式10で計算する。
x’(ts)、y’(ts)、Y’s、T’(s−1)sは、
あらかじめ計算された時刻tk(k=1,2,...,n)に対して周期Pの整数(ns)倍を加算しts=tk+nsPが成り立つ時刻tkのデータから得ることができる。
ts=tk+nsP
が成り立つ時刻tkが存在せず
ts=tk+Δtk+nsP
となる場合には、|Δtk|が最も小さくなる時刻tkを含む1つまたは複数の時刻のデータを用いて、外挿あるいは内挿等の方法により計算することができる。
図4は、軌道計算装置10及び基準軌道情報生成装置20の機能ブロック図を示す。
図5は、軌道計算装置10及び基準軌道情報生成装置20のハードウェア構成を示す。
軌道計算装置10、基準軌道情報生成装置20はいずれもコンピュータである。
受信部13は、後述のように、基準軌道情報生成装置20の生成した基準軌道情報11Aを受信する。格納部11は受信部13が受信した基準軌道情報11Aを格納する。これは格納部11に基準軌道情報11Aがない場合の他、現在の基準軌道情報11Aを新しい基準軌道情報11Aに更新する場合である。
基準軌道情報生成装置20にも当てはまる。軌道計算装置10は、プロセッサ81、メモリ82、通信装置83を備える。プロセッサ81は、プログラムを実行する。メモリ82は格納部11(基準軌道情報生成装置20では格納部21)を実現する。メモリ82には、軌道計算装置10の場合は基準軌道情報11Aが記憶されており、基準軌道情報生成装置20の場合はオリジナル情報21A、基準軌道情報11Aが記憶されている。またメモリ82には、図4に示す「計算部12」(基準軌道情報生成装置20では「生成部22」)の機能を実現するプログラムが記憶されている。そして、プロセッサ81がプログラムを実行して、計算部12(基準軌道情報生成装置20では生成部22)の動作を実行する。通信装置83は受信部13(基準軌道情報生成装置20では送信部23)を実現する。プロセッサ81は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ81は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。図5に示すメモリ82は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等である。メモリ82には、計算部12(基準軌道情報生成装置20では生成部22)を実現するプログラムの他にOS(Operating System)も記憶されている。そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ81により実行される。図5では1つのプロセッサが図示されているが複数のプロセッサを備えていてもよい。計算部12(基準軌道情報生成装置20では生成部22)の処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値が、メモリ82、又は、プロセッサ81内のレジスタ又はキャッシュメモリに記憶される。
図6は、計算部12の処理を示すフローチャートである。図6を用いて、軌道計算装置10の計算部12が格納部11に格納されている基準軌道情報11Aを用いて実行する、「簡略化されたバッチ最小二乗推定法」の処理フローについて説明する。
軌道計算装置10では、基準軌道情報11Aをあらかじめ計算し、メモリにデータとして記録し、記録されたデータを利用したバッチ最小二乗推定法により、観測量から状態量の推定処理を行う。よって、処理が簡略化され計算機の処理負荷を低減できる。
図8は、実施の形態2を説明するための図である。実施の形態2では、実施の形態1のステップS26で計算された時刻t0の状態量の推定値x0を用いて、計算部12が、時刻t0よりも未来の時刻である時刻tcにおける状態量の予測値xcを計算する。推定値が観測量zzから計算されるのに対して、「予測値」とは、観測量zzを用いることなく計算される状態量の予測結果である。なお実施の形態2は計算部12による処理である。
図9は、実施の形態3を説明するための図である。実施の形態2では予測値xcを計算した。実施の形態3では、計算部12は、時刻tcでの予測値xcを予測値xtにしたい場合の、時刻tf(t0<tf<tc)における状態量の変化量Δxfを計算する場合を説明する。実施の形態3も計算部12による処理である。
Claims (7)
- 人工衛星が定められた周期で同一の位置を通過する軌道である基準軌道における前記人工衛星の位置と、速度と、力学パラメータとを表す状態量である基準軌道状態量と、前記基準軌道状態量の微小変化の時間的な遷移を表す状態遷移行列である基準軌道状態遷移行列とを含む基準軌道情報を格納する格納部と、
前記基準軌道情報と、前記人工衛星に対して観測された物理量である観測量とを用いることにより、時刻t0における状態量の変化量Δx’0を収束判定をすることなく計算し、時刻t0における基準軌道状態量x’0に、計算した前記変化量Δx’0を加算することにより、時刻t0における前記人工衛星の状態量の推定値である推定値x0を計算する計算部と
を備える軌道計算装置。 - 前記計算部は、
前記格納部に格納された前記基準軌道情報と、計算された前記状態量の前記推定値とを用いて、前記推定値の計算に用いられた前記観測量の存在する時刻よりも未来の時刻における前記人工衛星の状態量であり、新たな観測量を用いることなく計算される前記人工衛星の状態量である予測値を計算する請求項1に記載の軌道計算装置。 - 前記計算部は、
前記基準軌道情報と、前記状態量の前記予測値とを用いて、前記観測量の存在する前記時刻よりも前記未来の時刻における前記人工衛星の前記予測値を異なる予測値に変更するための状態量の変化量であって、前記未来の時刻と前記観測量の存在する前記時刻との間の時刻における状態量の変化量である中間変化量を計算する請求項2に記載の軌道計算装置。 - 前記軌道計算装置は、
前記基準軌道情報を生成する基準軌道情報生成装置から前記基準軌道情報を受信する受信部を備え、
前記格納部は、
前記受信部が受信した前記基準軌道情報を格納する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の軌道計算装置。 - コンピュータに、
人工衛星が定められた周期で同一の位置を通過する軌道である基準軌道における前記人工衛星の位置と、速度と、力学パラメータとを表す状態量である基準軌道状態量と、前記基準軌道状態量の微小変化の時間的な遷移を表す状態遷移行列である基準軌道状態遷移行列とを含む基準軌道情報を格納する処理、
前記基準軌道情報と、前記人工衛星に対して観測された物理量である観測量とを用いることにより、時刻t0における状態量の変化量Δx’0を収束判定をすることなく計算し、時刻t0における基準軌道状態量x’0に、計算した前記変化量Δx’0を加算することにより、時刻t0における前記人工衛星の状態量の推定値である推定値x0を計算する処理
を実行させるための軌道計算プログラム。 - 人工衛星が定められた周期で同一の位置を通過する軌道である基準軌道における前記人工衛星の位置と、速度と、力学パラメータとを表す状態量である基準軌道状態量と、前記基準軌道状態量の微小変化の時間的な遷移を表す状態遷移行列である基準軌道状態遷移行列と、重み行列とを含む基準軌道情報を格納する格納部と、
前記基準軌道情報を用いることにより基準軌道のヤコビアンを求め、前記人工衛星に対して観測された物理量である観測量とヤコビアンと重み行列とを用いて時刻t0における状態量の変化量Δx’0を計算し、時刻t0における基準軌道状態量x’0に、計算した前記変化量Δx’0を加算することにより、時刻t0における前記人工衛星の状態量の推定値である推定値x0を計算する計算部と
を備える軌道計算装置。 - コンピュータに、
人工衛星が定められた周期で同一の位置を通過する軌道である基準軌道における前記人工衛星の位置と、速度と、力学パラメータとを表す状態量である基準軌道状態量と、前記基準軌道状態量の微小変化の時間的な遷移を表す状態遷移行列である基準軌道状態遷移行列と、重み行列とを含む基準軌道情報を格納する処理、
前記基準軌道情報を用いることにより基準軌道のヤコビアンを求め、前記人工衛星に対して観測された物理量である観測量とヤコビアンと重み行列とを用いて時刻t0における状態量の変化量Δx’0を計算し、時刻t0における基準軌道状態量x’0に、計算した前記変化量Δx’0を加算することにより、時刻t0における前記人工衛星の状態量の推定値である推定値x0を計算する処理
を実行させるための軌道計算プログラム。
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