JP2017161420A - 軌道計算装置及び軌道計算プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】人工衛星の軌道の推定において、計算機の処理負荷を抑え、推定に要する処理時間の短い計算装置を提供する。
【解決手段】軌道計算装置10は、基準軌道情報11Aを格納する格納部11と、基準軌道情報11Aを用いて人工衛星の軌道の推定値を計算する計算部12を備える。基準軌道情報11Aは、人工衛星が定められた周期で同一の位置を通過する軌道である基準軌道における人工衛星の位置と、速度と、力学パラメータとを表す状態量である基準軌道状態量と、基準軌道状態量の微小変化の時間的な遷移を表す状態遷移行列である基準軌道状態遷移行列とを含む情報である。計算部12は、基準軌道情報11Aと、人工衛星の観測量とを用いて、状態量の推定値を計算する。
【選択図】図4

Description

本発明は、衛星が定められた周期で同一の位置を通過する基準軌道の近傍を飛行する場合において、観測により取得されたデータに基づいて衛星の軌道を推定・予測・制御する演算処理を行う装置に関する。
衛星の利用分野の拡大に伴い、衛星の軌道を推定・予測・制御する性能に対して要求される精度が高くなっている。宇宙から地球の状態をモニタする地球観測衛星においては、観測した地球上の対象位置を特定したり、衛星に作用する加速度を測定したりするために、衛星が飛行した位置を高い精度で推定する必要がある。複数の衛星が定められた間隔で飛行し観測したデータを合成することにより地球上の3次元的な情報を得ることができるため、衛星が定められた位置を飛行するように軌道を予測・制御する技術が求められている。既に市民生活へ浸透している技術であるGPSをはじめとする全地球航法衛星システムにおいては、衛星の電波を受信するユーザが自らの位置を特定するために衛星の軌道情報を利用する必要があり、衛星から配信される軌道情報の精度が測位精度に直接影響する。
特許第3550520号公報 特開2013−3093号公報
衛星の軌道を高い精度で推定する方法として、特許文献1および特許文献2で利用されているバッチ最小二乗推定法が用いられることが多い。この方法を用いる場合には、衛星の軌道力学モデルに基づく数値積分等の計算を繰り返し実施する必要があるため計算機の処理負荷が高く、推定に要する処理時間が長くなるという課題があった。
この発明の軌道計算装置は、人工衛星が定められた周期で同一の位置を通過する軌道である基準軌道における前記人工衛星の位置と、速度と、力学パラメータとを表す状態量である基準軌道状態量と、前記基準軌道状態量の微小変化の時間的な遷移を表す状態遷移行列である基準軌道状態遷移行列とを含む基準軌道情報を格納する格納部と、
前記基準軌道情報と、前記人工衛星に対して観測された物理量である観測量とを用いて、前記人工衛星の状態量の推定値を計算する計算部と
を備えることを特徴とする。
本発明の軌道計算装置では、基準軌道情報をあらかじめ計算し、格納部にデータとして記録し、記録されたデータを利用して、観測量から状態量の推定値を計算する。よって、処理が簡略化され、計算機である軌道計算装置の処理負荷を低減できる。
実施の形態1の図で、一般的なバッチ最小二乗推定法の処理のフローチャート。 実施の形態1の図で、基準軌道を説明する図。 実施の形態1の図で、状態量の推定値xの計算方法を模式的に示す図。 実施の形態1の図で、軌道計算装置10,基準軌道情報生成装置20のブロック図。 実施の形態1の図で、軌道計算装置10,基準軌道情報生成装置20のハードウェア構成図。 実施の形態1の図で、計算部12の処理を示すフローチャート。 実施の形態1の図で、基準軌道情報11Aの取得経路を示す図。 実施の形態2の図で、推定値xから予測値xを計算する場合を示す図。 実施の形態3の図で、予測値xを変更する場合を説明する図。
実施の形態1.
はじめに、一般的なバッチ最小二乗推定法について説明する。
時刻tにおける衛星の状態量をx(t)と表し、次の式1のように定義する。
Figure 2017161420
ただし、式1のp(t)、v(t)は、それぞれ時刻tにおける衛星の位置、速度であり、d(t)は衛星の加速度モデルにおいて推定すべき力学パラメータである。
状態量x(t)は時刻tにおける状態量x=x(t)から軌道力学モデルを用いて計算することができる。
状態量x(t)に対する観測モデルをy(t)とする。
いま、時刻t(k=1,2,...,n)において観測量z(t)が得られたとき、時刻tにおける状態量の推定値はxに次の式2の変化量Δxを加算することで得られる。
Figure 2017161420
ただし、式2において、y、z、Jは次の式3のように表され、Wはzの各成分に対する重みを表す行列である。
Figure 2017161420
式3のJ(k=1,2,...,n)はヤコビアンであり、次の式4により計算される。
Figure 2017161420
式4のTijは状態遷移行列と呼ばれ、状態量の時刻tにおける微小変化δxに対して時刻tに生じる微小変化δxの関係δx=Tijδxを表す行列である。
ここで、T0kとT0(k+1)には次の式5の関係がある。
Figure 2017161420
従って、T01とTk(k+1)(k=1,2,...,n−1)を計算することによりT0k(k=1,2,...,n)を得ることができる。
以上のようにして、時刻tにおける状態量の推定値が(x+Δx)として得られる。その推定値を用いて軌道力学モデルに基づく数値積分等により時刻tにおける状態量x(t)を推定することができる。
状態量の推定値を高い精度で得るためには、推定された状態量x(t)を用いて同様の計算を繰り返し、Δxの各成分の絶対値があらかじめ定めた閾値より小さくなると計算が収束したと判定し、推定処理を終了して状態量の推定値を得る。
一般的には、時刻tにおける状態量xから時刻t(k=1,2,...,n)における状態量と状態遷移行列を計算するには軌道力学モデルに基づく数値積分等の方法が用いられ、計算機の処理負荷が高くなることがこの方式の課題となっている。
図1は、一般的なバッチ最小二乗推定法を示すフローチャートである。次に、図1を用いて一般的なバッチ最小二乗推定法の処理フローについて説明する。
ステップS11において、推定処理の開始時に、時刻tにおける状態量(初期値)を与える。この時点では状態量の変化量は零であり、ステップS12において、状態量(初期値)を状態量(推定値)とする。
ステップS12の状態量(推定値)から、軌道力学モデルに基づいた数値積分等を行い、ステップS13で観測モデルyを計算し、ステップS14でヤコビアンJを計算する。
ステップS15において、観測により取得された観測量zからステップS13で計算された観測モデルyを差し引く。なお観測量zとは人工衛星に対して観測された物理量である。
ステップS16において、それに対してヤコビアンJと重み行列Wとを用いて、状態量xの変化量Δxを計算する。
ステップS17において、ステップS16で計算された状態量の変化量Δxの各成分p、v、dの絶対値と閾値とを比較することにより収束判定を行い、閾値より小さい場合には収束と判定し推定処理を終了する。
ステップS17の収束判定において状態量の変化量Δxの各成分p、v、dの絶対値が閾値より大きい場合には、ステップS12の状態量(推定値)に状態量の変化量Δxを加算し、それを改めてステップS12の状態量(推定値)として同様の処理を繰り返す。
以下、実施の形態1に係る発明の具体的な実施の形態を説明する。
図2は、基準軌道を説明する概略図である。人工衛星が周期Pで同一の位置を通過する軌道は基準軌道と称される。図2は、人工衛星が周期Pで同一の位置を通過する基準軌道40を示している。人工衛星30は、周期Pで位置51を通過し、同様に周期Pで位置52を通過し、同様に周期Pで位置53を通過する。同一の位置とは、位置51、位置52、位置53である。
衛星があらかじめ定められた基準軌道の近傍を飛行する場合には、以下のように推定処理を簡略化することができる。図2では人工衛星30の実際の軌道31を破線で示している。基準軌道40は理想化された軌道である。
人工衛星30が基準軌道40を飛行する場合には、状態量は周期Pで同一の値になる。 このため、
時刻tにおける状態量をx’(t)、
観測モデルをy’(t)と表すと、
x’(t+P)=x’(t)、
y’(t+P)=y’(t)が成り立つ。
なおx’は基準軌道状態量である。
従って、
(k+m)=t+Pのとき、
基準軌道40におけるY、Tk(k+1)をそれぞれY’、T’k(k+1)と表すと、
Y’(k+m)=Y’
T’(k+m)(k+m+1)=T’k(k+1)
が成り立つ。
なおT’は基準軌道状態遷移行列である。
人工衛星30が基準軌道40の近傍を飛行する場合には、
x(t)≒x’(t)
と近似することができる。
また同様に、
y(t)≒y’(t)、
k(k+1)≒T’k(k+1)
と近似することができる。
時刻tにおける状態量の推定値xは、基準軌道40における状態量x’に次の式6のように、変化量Δx’を加算することにより計算する。
つまり、x=x’+Δx’ (式6)
で計算することができる。
式6のΔx’は、以下の式7、式8、式9、式10で計算する。
Figure 2017161420
x’(t)、y’(t)、Y’、T’(k−1)kは、あらかじめ定められた基準軌道40から計算できる。このため、その全て又は一部をあらかじめ計算して計算機の記憶装置にデータとして予め記録しておくことが可能である。また、これらの値は状態量の推定値に依存しないため、繰り返し計算による収束処理を行う必要がない。
図3は、上記の式6を模式的に示す図である。上記のように、基準軌道40から計算できるデータを計算機の記憶装置に予め記憶しておき、実施の形態1では、このデータを用いて時刻tにおける状態量の推定値xを計算する。図3において、四角の破線で囲んだデータが、記憶装置に予め記憶されているデータである。これらをまとめて基準軌道情報11Aと呼ぶ。
観測量を取得する時刻tにおける
x’(t)、y’(t)、Y’、T’(s−1)sは、
あらかじめ計算された時刻t(k=1,2,...,n)に対して周期Pの整数(n)倍を加算しt=t+nPが成り立つ時刻tのデータから得ることができる。
もし、
=t+n
が成り立つ時刻tkが存在せず
=t+Δt+n
となる場合には、|Δt|が最も小さくなる時刻tを含む1つまたは複数の時刻のデータを用いて、外挿あるいは内挿等の方法により計算することができる。
以上のようにして、記憶装置に記録したデータである基準軌道情報11Aを用いて推定処理を行うことにより、計算機の処理負荷を低減することができる。
以下に、記憶装置に基準軌道40から得られたx’(t)、y’(t)、Y’、T’(k−1)k等を含む基準軌道情報11Aを予め記憶しておき、基準軌道情報11Aのデータ用いて人工衛星30の軌道の推定値を計算する軌道計算装置10を説明する。
(***構成の説明***)
図4は、軌道計算装置10及び基準軌道情報生成装置20の機能ブロック図を示す。
図5は、軌道計算装置10及び基準軌道情報生成装置20のハードウェア構成を示す。
軌道計算装置10、基準軌道情報生成装置20はいずれもコンピュータである。
まず図4の軌道計算装置10を説明する。軌道計算装置10は、格納部11、計算部12、受信部13を備えている。格納部11は、基準軌道情報11Aを格納している。基準軌道情報11Aとは上記のように、基準軌道40における人工衛星30の位置p(t)、速度v(t)、力学パラメータp(t)とを表す状態量である基準軌道状態量x’(t)と、基準軌道状態量x’(t)の微小変化の時間的な遷移を表す状態遷移行列である基準軌道状態遷移行列T’ijとを含む情報である。計算部12は、基準軌道情報11Aと、人工衛星30に対して観測された物理量である観測量zとを用いて、人工衛星30の状態量の推定値x(t)を計算する。
受信部13は、後述のように、基準軌道情報生成装置20の生成した基準軌道情報11Aを受信する。格納部11は受信部13が受信した基準軌道情報11Aを格納する。これは格納部11に基準軌道情報11Aがない場合の他、現在の基準軌道情報11Aを新しい基準軌道情報11Aに更新する場合である。
次に図4の基準軌道情報生成装置20を説明する。基準軌道情報生成装置20は、格納部21、生成部22、送信部23を備えている。格納部21は、基準軌道情報11Aを生成するための元データであるオリジナル情報21Aを格納している。生成部22は、オリジナル情報21Aを用いて基準軌道情報11Aを生成する。格納部21が格納している基準軌道情報11Aは生成部22が生成したものである。送信部23は基準軌道情報11Aを軌道計算装置10へ送信する。
図5に示すように、軌道計算装置10、基準軌道情報生成装置20はコンピュータである。
以下では軌道計算装置10を主体に説明するが、この説明は同じコンピュータである
基準軌道情報生成装置20にも当てはまる。軌道計算装置10は、プロセッサ81、メモリ82、通信装置83を備える。プロセッサ81は、プログラムを実行する。メモリ82は格納部11(基準軌道情報生成装置20では格納部21)を実現する。メモリ82には、軌道計算装置10の場合は基準軌道情報11Aが記憶されており、基準軌道情報生成装置20の場合はオリジナル情報21A、基準軌道情報11Aが記憶されている。またメモリ82には、図4に示す「計算部12」(基準軌道情報生成装置20では「生成部22」)の機能を実現するプログラムが記憶されている。そして、プロセッサ81がプログラムを実行して、計算部12(基準軌道情報生成装置20では生成部22)の動作を実行する。通信装置83は受信部13(基準軌道情報生成装置20では送信部23)を実現する。プロセッサ81は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ81は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。図5に示すメモリ82は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等である。メモリ82には、計算部12(基準軌道情報生成装置20では生成部22)を実現するプログラムの他にOS(Operating System)も記憶されている。そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ81により実行される。図5では1つのプロセッサが図示されているが複数のプロセッサを備えていてもよい。計算部12(基準軌道情報生成装置20では生成部22)の処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値が、メモリ82、又は、プロセッサ81内のレジスタ又はキャッシュメモリに記憶される。
計算部12あるいは生成部22の「部」を、「回路」又は「工程」又は「手順」又は「処理」に読み替えてもよい。また、計算部12あるいは生成部22は、ロジックIC(Integrated Circuit)、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)といった電子回路により実現されてもよい。なお、プロセッサ及び上記の電子回路を総称してプロセッシングサーキットリーともいう。
(***動作の説明***)
図6は、計算部12の処理を示すフローチャートである。図6を用いて、軌道計算装置10の計算部12が格納部11に格納されている基準軌道情報11Aを用いて実行する、「簡略化されたバッチ最小二乗推定法」の処理フローについて説明する。
ステップS20において、基準軌道情報生成装置20は、軌道計算装置10による推定処理の開始前に、基準軌道40における人工衛星30の状態量x’、状態遷移行列T’等を計算し、軌道計算装置10に送信する。軌道計算装置10は基準軌道情報11Aを格納部11に記録する。なお、軌道計算装置10が基準軌道情報生成装置20を内蔵する構成でも構わない。つまり、軌道計算装置10が基準軌道情報生成装置20でもある構成でもよい。
ステップS21において、計算部12は、推定処理の開始時に、格納部11に記録された基準軌道40における状態量x’、状態遷移行列T’等のデータ読み出しを行い、基準軌道40の観測モデルy’を求め(ステップS22)、また基準軌道40のヤコビアンJ’を求める(ステップS23)。
ステップS24において、計算部12は、観測により取得された観測量zから基準軌道40の観測モデルy’を差し引く。ステップS25において、計算部12は、その(z−y’)に対して、基準軌道40のヤコビアンJ’と重み行列W’を用いて、状態量の変化量Δx’の計算を行う。
ステップS26において、計算された状態量の変化量Δx’を、格納部11に記録されている基準軌道40における時刻tの状態量x’に加算し、それを状態量の推定値x(図3)として推定処理を終了する。
図3、図6に示すように、計算部12は、基準軌道情報11Aを用いて、時刻tにおける、状態量の変化量Δx’を計算し、時刻tにおける基準軌道状態量x’に、計算した変化量Δx’を加算することにより、時刻tの推定値xを計算する。
図7は、軌道計算装置10の基準軌道情報11Aの取得経路を示す図である。図7の(a)は、軌道計算装置10が地上側に存在し、軌道計算装置10が地上側に存在する基準軌道情報生成装置20から基準軌道情報11Aを取得する場合を示している。図7の(b)は、軌道計算装置10が人工衛星30に搭載されており、軌道計算装置10は地上側に存在する基準軌道情報生成装置20から基準軌道情報11Aを取得する場合を示している。なお、軌道計算装置10が基準軌道情報生成装置20を内蔵しても良いことは上記で述べたとおりである。
(***実施の形態1の効果***)
軌道計算装置10では、基準軌道情報11Aをあらかじめ計算し、メモリにデータとして記録し、記録されたデータを利用したバッチ最小二乗推定法により、観測量から状態量の推定処理を行う。よって、処理が簡略化され計算機の処理負荷を低減できる。
また、軌道計算装置10では、図1のステップS17の判定処理が不要であるので、状態量の推定値を迅速に得ることができる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2を説明するための図である。実施の形態2では、実施の形態1のステップS26で計算された時刻tの状態量の推定値xを用いて、計算部12が、時刻tよりも未来の時刻である時刻tにおける状態量の予測値xを計算する。推定値が観測量zから計算されるのに対して、「予測値」とは、観測量zを用いることなく計算される状態量の予測結果である。なお実施の形態2は計算部12による処理である。
図8に示すように、時刻tにおける状態量の推定値xが得られると、それに基づいて時刻tよりも未来の時刻tにおける状態量の予測値xを、次の式11に従って計算部12が計算する。
Figure 2017161420
時刻tにおけるx’(t)、T’(k−1)cは、あらかじめ計算された時刻t(k=1,2,...,n)に対して周期Pの整数(n)倍を加算しt=t+nPが成り立つ時刻tのデータから得ることができる。
もし、t=t+nPが成り立つ時刻tが存在せずt=t+Δt+nPとなる場合には、|Δt|が最も小さくなる時刻tを含む1つまたは複数の時刻のデータを用いて、外挿あるいは内挿等の方法により計算することができる。
以上のように計算部12は、実施の形態2によれば、格納部11に記録されたデータと観測量とから推定された衛星の状態量xを用いて、観測量zの存在する時刻tに対して未来の時刻tにおける人工衛星30の状態量xを簡便に予測することができる。
以上のように、計算部12は、格納部11に格納された基準軌道情報11Aと、計算された状態量の推定値xとを用いて、新たな観測量を用いることなく計算される人工衛星30の状態量である予測値xを計算する。予測値xは、推定値xの計算に用いられた観測量zの存在する時刻よりも未来の時刻tにおける人工衛星30の状態量である。
実施の形態3.
図9は、実施の形態3を説明するための図である。実施の形態2では予測値xを計算した。実施の形態3では、計算部12は、時刻tでの予測値xを予測値xにしたい場合の、時刻t(t<t<t)における状態量の変化量Δxを計算する場合を説明する。実施の形態3も計算部12による処理である。
時刻tにおける状態量の推定値xと時刻tにおける状態量の予測値xが得られたとき、時刻tにおける状態量を目標値xに変更するためには、時刻t(t<t<t)において次の式12の変化量Δxを時刻tの状態量xに加える。変化量Δxは中間変化量である。
Figure 2017161420
時刻tにおけるT’f(L+1)は、あらかじめ計算された時刻t(L=1,2,...,n)に対して周期Pの整数(n)倍を加算しt=t+nPが成り立つ時刻tのデータから得ることができる。
もしt=t+nPが成り立つ時刻tが存在せずt=t+Δt+nPとなる場合には、|Δt|が最も小さくなる時刻tを含む1つまたは複数の時刻のデータを用いて、外挿あるいは内挿等の方法により計算することができる。
実際に人工衛星30が飛行する軌道を制御する際には、時刻tにおける状態量の目標値として与えられるのは位置pあるいは位置pと速度vであり、一方、時刻tにおいて状態量に加えることができるのは速度の変化量Δvである。
実施の形態3によれば、格納部11に記録されたデータと、未来の時刻において予測された衛星の状態量を用いて、その時刻における衛星の状態量を簡便に制御することができる。
なお、図9の場合は時刻tにおける状態量の変化、つまり、状態量(p、v、d)の変化を計算したが、状態量のうちp、vを用いて以下のように計算してもよい。
時刻tにおける状態量の目標値として位置pが与えられたとき、時刻tにおいて状態量に加える速度の変化量Δvは次の式13により計算できる。
Figure 2017161420
ただし、T’fc_p/vはT’fcの部分行列であり、次の式14により表される。
Figure 2017161420
時刻tにおける状態量の目標値として位置pと速度vが与えられたとき、2回以上の時刻で状態量に速度の変化量を加える必要がある。時刻tfj(j=1,2,...,N)において状態量に加える速度の変化量Δvfjは次の式15により計算できる。
Figure 2017161420
ただし、行列の右肩の記号#は一般逆行列を意味する。T’fjc_pv/vはT’fjcの部分行列であり、次の式16により表される。
Figure 2017161420
時刻tfjにおけるT’fjcについても、時刻tにおけるT’fcと同様の方法で計算することができる。
以上のように、計算部12は、基準軌道情報11Aと、状態量の予測値xとを用いて、中間変化量Δxを計算する。中間変化量Δxは、観測量zの存在する時刻tよりも未来の時刻tにおける人工衛星30の予測値xを異なる予測値xに変更するための状態量の変化量であり、未来の時刻tと観測量zの存在する時刻tとの間の時刻tにおける状態量の変化量である。
10 軌道計算装置、11 格納部、12 計算部、13 受信部、20 基準軌道情報生成装置、21 格納部、22 生成部、23 送信部、30 人工衛星、40 基準軌道、81 プロセッサ、82 メモリ、83 通信装置。

Claims (6)

  1. 人工衛星が定められた周期で同一の位置を通過する軌道である基準軌道における前記人工衛星の位置と、速度と、力学パラメータとを表す状態量である基準軌道状態量と、前記基準軌道状態量の微小変化の時間的な遷移を表す状態遷移行列である基準軌道状態遷移行列とを含む基準軌道情報を格納する格納部と、
    前記基準軌道情報と、前記人工衛星に対して観測された物理量である観測量とを用いて、前記人工衛星の状態量の推定値を計算する計算部と
    を備える軌道計算装置。
  2. 前記計算部は、
    前記基準軌道情報を用いて、時刻tにおける、状態量の変化量Δx’を計算し、時刻tにおける基準軌道状態量x’に、計算した変化量Δx’を加算することにより、時刻tの前記推定値である推定値xを計算する請求項1に記載の軌道計算装置。
  3. 前記計算部は、
    前記格納部に格納された前記基準軌道情報と、計算された前記状態量の前記推定値とを用いて、前記推定値の計算に用いられた前記観測量の存在する時刻よりも未来の時刻における前記人工衛星の状態量であり、新たな観測量を用いることなく計算される前記人工衛星の状態量である予測値を計算する請求項1または請求項2に記載の軌道計算装置。
  4. 前記計算部は、
    前記基準軌道情報と、前記状態量の前記予測値とを用いて、前記観測量の存在する前記時刻よりも前記未来の時刻における前記人工衛星の前記予測値を異なる予測値に変更するための状態量の変化量であって、前記未来の時刻と前記観測量の存在する前記時刻との間の時刻における状態量の変化量である中間変化量を計算する請求項3に記載の軌道計算装置。
  5. 前記軌道計算装置は、
    前記基準軌道情報を生成する基準軌道情報生成装置から前記基準軌道情報を受信する受信部を備え、
    前記格納部は、
    前記受信部が受信した前記基準軌道情報を格納する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の軌道計算装置。
  6. コンピュータに、
    人工衛星が定められた周期で同一の位置を通過する軌道である基準軌道における前記人工衛星の位置と、速度と、力学パラメータとを表す状態量である基準軌道状態量と、前記基準軌道状態量の微小変化の時間的な遷移を表す状態遷移行列である基準軌道状態遷移行列とを含む基準軌道情報を格納する処理、
    前記基準軌道情報と、前記人工衛星に対して観測された物理量である観測量とを用いて、前記人工衛星の状態量の推定値を計算する処理
    を実行させるための軌道計算プログラム。
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