JP6946813B2 - 状態推定装置及びプログラム - Google Patents

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本発明は、状態推定装置及びプログラムに関する。
従来より、観測を正常値と異常値の確率分布として表現する研究がなされている(非特許文献1)。また、複数の仮説を統合して、複数の仮説の追跡に利用する技術がある(非特許文献2)。
また、GPS観測の異常値を判定し、取り除く技術がある(特許文献1)。
M.Wuthrich et al. "Robust Gaussian filtering using a pseudo measurement", 2016 ACC (2016) Andrew R. Runnalls, "A Kullback-Leibler Approach to Gaussian Mixture Reduction", IEEE Trans. on Aerospace and Electronic Systems, 2007, 43.3,pp989-999.
特開2012−063313号広報
上記非特許文献1の技術は、重ね合わせた分布をもとの1つの分布としてしか追跡しないため、瞬間的な異常値は判定できるが、時間的追跡をしなければ異常値を判定することができない観測値に対して有用でない。
また、非特許文献2では、観測を正常値と異常値の確率分布として表現するものではないため、非特許文献1に適用して、時系列的に異常値を取り除くことは困難である。
特許文献1では、異常値を取り除いているが、非特許文献1と同様に時間的追跡をしなければ異常値を判定することができない観測値に対して有用でない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、時間的追跡をしなければ異常が判定できない観測値であっても、ロバストに状態を推定することができる状態推定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の状態推定装置は、センサの観測値に基づいて推定対象の状態を推定する状態推定装置であって、前記センサによる観測値が入力される毎に、前記推定対象の状態を表す仮説の各々について、観測時点における、前記仮説が表す状態を予測する状態予測部と、前記仮説の各々について、前記入力された観測値及び前記状態予測部による予測結果に基づいて、前記観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、前記観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成する仮説生成部と、前記仮説生成部によって生成された仮説の数が規定数より多い場合に、前記規定数以下になるように前記仮説を統合する仮説統合部と、前記仮説の各々が表す状態に基づいて、前記推定対象の状態を推定する状態推定部と、を含んで構成されている。
また、本発明のプログラムは、センサの観測値に基づいて推定対象の状態を推定するためのプログラムであって、コンピュータを、前記センサによる観測値が入力される毎に、前記推定対象の状態を表す仮説の各々について、観測時点における、前記仮説が表す状態を予測する状態予測部、前記仮説の各々について、前記入力された観測値及び前記状態予測部による予測結果に基づいて、前記観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、前記観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成する仮説生成部、前記仮説生成部によって生成された仮説の数が規定数より多い場合に、前記規定数以下になるように前記仮説を統合する仮説統合部、及び前記仮説の各々が表す状態に基づいて、前記推定対象の状態を推定する状態推定部として機能させるためのプログラムである。
本発明の状態予測装置及びプログラムによれば、状態予測部が、前記センサによる観測値が入力される毎に、前記推定対象の状態を表す仮説の各々について、観測時点における、前記仮説が表す状態を予測し、仮説生成部が、前記仮説の各々について、前記入力された観測値及び前記状態予測部による予測結果に基づいて、前記観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、前記観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成する。
そして、前記仮説生成部によって生成された仮説の数が規定数より多い場合に、前記規定数以下になるように前記仮説を統合する仮説統合部と、前記仮説の各々が表す状態に基づいて、前記推定対象の状態を推定する状態推定部する。
このように、推定対象の状態を表す仮説の各々について、観測時点における、前記仮説が表す状態を予測し、仮説の各々について、観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成し、生成された仮説の数が規定数より多い場合には、規定数以下になるように仮説を統合することにより、時間的追跡をしなければ異常が判定できない観測値であっても、ロバストに状態を推定することができる。
また、本発明の状態推定装置は、前記仮説生成部によって生成された複数の仮説のうち、前記観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説については、前記観測値が正常値である場合の観測分布に基づいて、前記仮説の重みを算出し、前記観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説については、前記観測値が異常値である場合の観測分布に基づいて仮説の重みを算出する重み算出部を更に含み、前記状態推定部は、前記仮説の各々が表す状態と、前記仮説の各々の重みとに基づいて、前記推定対象の状態を推定することができる。
また、本発明の状態推定装置の前記推定部は、前記仮説統合部は、前記仮説生成部によって生成された仮説の数が規定数より多い場合に、前記規定数以下になるように前記仮説のうちの2つの仮説を統合することを繰り返すことができる。
また、本発明の状態推定装置の前記仮説統合部は、前記仮説統合部は、統合後の仮説と、統合前の2つの仮説とが類似することを表す評価関数の値が最も高い値を示す2つの仮説を統合することができる。
また、本発明の状態推定装置は、前記センサが、GPSセンサであり、前記推定対象の状態が、自装置の位置であるとすることができる。
また、本発明の状態推定装置は、前記仮説が表す状態が、ガウス分布で表現されることができる。
以上説明したように、本発明の状態推定装置及びプログラムによれば、推定対象の状態を表す仮説の各々について、観測時点における、前記仮説が表す状態を予測し、仮説の各々について、観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成し、生成された仮説の数が規定数より多い場合には、規定数以下になるように仮説を統合することにより、時間的追跡をしなければ異常が判定できない観測値であっても、ロバストに状態を推定することができる、という効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態における概略構成を示すブロック図である。 観測分布の例を示す図である。 仮説を適宜統合する例を示す図である。 観測毎に仮説の数が変化する例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における状態推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるCANデータによる状態更新処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるGPSデータによる状態更新処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<本発明の実施の形態の概要>
本発明の実施の形態では、車両に搭載されたCAN受信機及びGPSセンサからの観測値に基づいて、車両の位置を推定する状態推定装置に本発明を適用した場合を例に説明する。
本実施形態では、複数のセンサ間でフレーム同期をしないアプローチをとっている。GPSセンサやCAN経由で得られる車速計等の車載センサのセンシング結果である観測値を受信したタイミング毎に、受信した観測値に基づいて、車両の位置を示す状態量の仮説を生成し、車両の位置を推定する。
ここで、時間的追跡をしなければ、観測値がマルチパス等によって異常値を含むことを判定できないが、1台のセンサの観測値を使って逐次車両の位置を推定するため、異常値を判定することができない、という問題がある。
この問題を解決するために、本発明の実施の形態では、観測値が正常値である場合と、観測値が異常値である場合の仮説をそれぞれ生成する。
また、仮説の数が増加し過ぎた場合には、計算が困難になったり、不可能になったりするため、適宜仮説を統合する。
<状態推定システムのシステム構成>
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る状態推定システムは、CAN受信機100と、GPSセンサ200と、状態推定装置300とを備えて構成される。
CAN受信機100は、CAN(Controller Area Network)から得られる車載センサ(車速計、ジャイロ)が観測した観測値を受信する。受信した観測値のうち、少なくとも車両速度及びヨーレートを含んだものをCANデータとする。
そして、CAN受信機100は、受信したCANデータを状態推定装置300に出力する。
GPSセンサ200は、各GPS衛星から得られる観測値であるGPSデータを受信する。GPSデータには、疑似距離及びドップラー周波数が含まれている。そして、GPSセンサ200は、受信したGPSデータを状態推定装置300に出力する。
状態推定装置300は、センサの観測値に基づいて自車両の位置を推定する装置である。本発明の実施の形態では、状態推定装置300の内部において、自車両の位置を含む、以下の状態xを推定する。
Figure 0006946813
ここで、x、y、zは地球中心座標での位置を表し、
Figure 0006946813

はGPS受信機の時刻のずれ量を表し、
Figure 0006946813

はヨーレートセンサの零点のずれ量(オフセット)を表す。
本実施の形態では、状態推定装置300はガウシアンフィルタリングを用いて、状態xをガウス分布として推定する。このため、状態xとして、確率分布の平均
Figure 0006946813

と分散Vとを推定する。
状態推定装置300は、CPUと、RAMと、後述する状態推定処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備え、機能的には次に示すように構成されている。
状態推定装置300は、観測値受信部310と、状態予測部320と、仮説生成部330と、重み算出部340と、仮説統合部350と、状態推定部360と、出力部370とを備えて構成される。
観測値受信部310は、CAN受信機100から出力されたCANデータ、及びGPSセンサ200から出力されたGPSデータを受信する。
Figure 0006946813
ここで、ysatはGPSデータ、yCANはCANデータにおける観測値である。
そして、観測値受信部310は、各データを受信する毎に、受信したデータを状態予測部320へ送る。
状態予測部320は、GPSデータ又はCANデータが入力される毎に、推定対象の状態を表す仮説の各々について、観測時点における、当該仮説が表す状態を予測する。
具体的には、状態予測部320は、GPSデータ又はCANデータを観測値受信部310から受け取ると、各データが入力される毎に、推定対象である自車両の位置を含む状態xの仮説の各々について、以下のように観測時点における状態xを予測する。
まず、状態予測部320は、前回生成された仮説の全てを、仮説統合部350から取得しておく。
そして、状態予測部320は、取得した仮説の各々について、等速予測モデルなどの物理モデルを用いて当該状態xの予測を行う。本実施形態では、下記の予測モデルを用いて観測時点における仮説の状態xを予測する。
Figure 0006946813
ここで、Qは予測モデルの誤差共分散行列、kはステップを表し、Δtはステップ間の時間幅を表す。また、vxyzはxyz座標での速度ベクトル、Vvxyzはその分散共分散行列を表す。
また、
Figure 0006946813

は、前回生成された仮説の状態における確率分布の平均及び分散を表す。
仮説生成部330は、GPSデータが入力された場合には、仮説の各々について、入力された観測値及び状態予測部320による予測結果に基づいて、観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成する。
GPSデータによる状態の更新では、GPS衛星から受信した信号がマルチパス等の影響により、異常な値になっている可能性がある。そこで、本実施の形態の仮説生成部330では、GPSデータによる観測値が正常値の場合と異常値である場合の2つの仮説をそれぞれ生成し、正常・異常のそれぞれの可能性を考慮しながら状態を追跡する。
具体的には、仮説生成部330は、仮説毎に、状態予測部320が求めた当該仮説の状態の予測結果
Figure 0006946813

と、観測値ysatから、下記のように観測値が正常値であると仮定して更新された状態の仮説と、異常値であると仮定して更新された状態の仮説を求める。
Figure 0006946813
ここで、x(1) k|kは観測値が正常値の場合の仮説の状態における確率分布の平均であり、V(1) k|kは観測値が正常の場合の仮説の状態における分散である。また、x(2) k|kは観測値が異常値の場合の仮説の状態における確率分布の平均であり、V(2) k|kは、観測値が異常値の場合の仮説の状態における分散である。また、Rは観測誤差分散行列である。
また、hsatはGPS衛星の観測モデルであり、以下の式で表される。
Figure 0006946813
ここで、rは衛星とGPSセンサ200との距離、Iは電離層遅延、Tは対流圏遅延、Cは光速、fはL1ドップラーシフト周波数を表す。
観測値が異常値の場合の仮説は、観測値ysatが異常値である場合を想定しているため、観測値ysatを使用しない仮説となる。
また、CANデータは異常値が無い観測値であるため、仮説生成部330は、CANデータが入力された場合には、仮説の各々について、入力された観測値及び状態予測部320による予測結果に基づいて、観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説を生成する。
具体的には、仮説生成部330は、状態予測部320によって予測された仮説の状態xにおける確率分布の平均及び分散
Figure 0006946813

と、観測値yCANから、下記のように仮説が表す状態を更新する。
Figure 0006946813
そして、仮説生成部330は、生成した全ての仮説を、重み算出部340へ渡す。
重み算出部340は、仮説生成部330によって生成された複数の仮説のうち、観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説については、観測値が正常値である場合の観測分布に基づいて、仮説の重みを算出し、観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説については、観測値が異常値である場合の観測分布に基づいて仮説の重みを算出する。
具体的には、重み算出部340は、観測値が正常値である場合の観測分布として正規分布を用い、観測値が異常値である場合の観測分布としてコーシー分布を用い、下記式により、仮説の重みを算出する。
Figure 0006946813
ここで、p(x(1) k|k)が、観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説の重み、p(x(2) k|k)が、観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説の重みである。
また、p(xk|k−1)は、1時刻前(k−1)に更新された当該仮説の重みである。また、Werrは、異常値である観測値の重み係数を表す定数であり、esatは、GPSデータとGPS衛星の観測モデルとの差である。
また、Hsatは、GPS衛星の観測モデルを、状態予測部320が観測時刻における状態xの予測の平均
Figure 0006946813

でベクトル微分した行列である。Rbodyは、正常値の観測分布の誤差分散、Rtailは、異常値の観測分布の誤差分散を表す。
図2は、観測値が正常値である場合の観測分布と観測値が異常値である場合の観測分布とを示している。図2に示すように、観測値が正常値である場合の観測分布では、中心付近での値の確率密度が高い。一方、観測値が異常値である場合の観測分布では、中心より離れた値の確率密度が比較的高い。
すなわち、重み算出部340は、観測分布から得られる確率密度を用いて、仮説の重みを算出する。
ここでは、観測値が正常値である場合の観測分布を正規分布としてモデル化し、観測値が異常値である場合の観測分布をコーシー分布としてモデル化しているが、観測値が異常値である場合の観測分布が、観測値が正常値である場合の観測分布よりも裾の重い分布であれば、他の分布を用いてモデル化してもよい。
また、重み算出部340は、CANデータが入力された場合には、観測値が正常値である場合の観測分布(正規分布)を用いて、各仮説の重みを算出する。
仮説統合部350は、仮説生成部330によって生成された仮説の数が規定数より多い場合に、規定数以下になるように仮説を統合する。
具体的には、仮説統合部350は、仮説生成部330によって生成された仮説の数が規定数より多い場合に、規定数以下になるように複数の仮説のうちの2つの仮説を統合することを繰り返す。このとき、仮説統合部350は、統合後の仮説と、統合前の2つの仮説とが類似することを表す評価関数の値が最も高い値を示す2つの仮説を統合する。
図3に示すように、仮説生成部330によって正常値の場合と異常値のそれぞれの仮説が生成されると、仮説が倍々に増え続けるため、計算できなくなってしまう。このため、観測する度に増える仮説を、適宜統合して、適正な数を保つようにする。
また、単に仮説を減らしたとすると、時系列に追跡する仮説において、有効な仮説をも減らしてしまう可能性がある。
そこで、仮説統合部350では、統合しても影響が少ない仮説を統合する。
まず、仮説統合部350は、全ての仮説の重みの和が1になるように、各仮説の正規化を行う。具体的には、各仮説の重みの比を計算して正規化を行う。
そして、仮説統合部350は、仮説の数が規定数以下になるまで、(1)全ての仮説から最も評価関数を小さくする2つの仮説の組を探索し、(2)探索された2つの仮説を統合して、1つの仮説とする。
i番目の仮説とj番目の仮説との組み合わせに対する評価関数としては、例えば、カルバックライブラー情報量の差の上限を元に導出された下記の評価関数Bを用いることができる。
Figure 0006946813
ここで、V(i)(j) k|kは、i番目の仮説とj番目の仮説とを統合した後の分散共分散行列である。
上記の評価関数では、2つの仮説が統合された場合の統合後の仮説のカルバックライブラー情報量と、2つの仮説のカルバックライブラー情報量との差が小さい場合、統合後の仮説と元の2つの仮説とは、確率分布として類似していることを示す。
すなわち、統合後の仮説と確率分布が類似する2つの仮説は、統合してもほとんど分布の形に影響が無いため、この2つの仮説を統合することにより、仮説の数を適切に減少させることができる。
仮説は確率分布で表されるため、2つ仮説を統合する場合には、2つの確率分布の混合分布として統合することができる。
また、統合後の仮説の重みとして、統合前の2つの仮説の重みを加算する。仮説の重みは正規化されているため、そのまま足し合わせることで、統合後の仮説の重みとすることができる。
このように、仮説統合部350は、仮説の数が規定数より多い場合に、規定数以下になるように複数の仮説のうちの2つの仮説を統合することを繰り返す。
図4は観測毎に仮説の数が変化する例を示す図である。図4では、規定数を3として、GPSデータを受信した場合の観測が行われた場合に仮説の数が3を超えると、仮説統合部350は、適宜仮説を統合して、仮説の数が3になるように調整している。
また、CANデータを受信した場合の観測が行われた場合には、仮説の数は増減しないため、仮説統合部350は、仮説の統合を行わない。
そして、仮説統合部350は、全ての仮説とそれらの重みを状態推定部360に送る。また、全ての仮説を、状態予測部320に送る。
状態推定部360は、仮説の各々が表す状態と、当該仮説の各々の重みとに基づいて、推定対象の状態を推定する。
具体的には、状態推定部360は、仮説統合部350から複数の仮説と当該仮説の重みとを受け取ると、複数の仮説の各々が表す状態を重み付け加算することで、状態xを推定する。
そして、出力部370は、状態推定部360が推定した状態xに含まれる自車両の位置(緯度・経度)を出力する。
<状態推定装置300の動作>
次に、図5を参照して、本実施形態の状態推定装置300の状態推定処理ルーチンについて説明する。
まず、ステップS100において、観測値受信部310は、CANデータを受信したか否かを判定する。
CANデータを受信していた場合(ステップS100のYES)、ステップS102において、状態予測部320が、推定対象の状態を表す仮説の各々について、受信したCANデータの観測時点における、当該仮説が表す状態を予測する。
ステップS104において、受信したCANデータの観測値yCANと、上記ステップS102による予測結果とに基づいて、仮説の各々の状態を更新する状態更新処理を行う。
そして、ステップS106において、状態推定部360は、仮説の各々が表す状態と、仮説の各々の重みとに基づいて、状態を推定し、推定した状態に含まれる自車両の位置を出力して、ステップS100に戻る。
CANデータを受信していない場合(ステップS100のNO)、ステップS108において、観測値受信部310は、GPSデータを受信したか否かを判定する。
GPSデータを受信していた場合(ステップS108のYES)、ステップS110において、状態予測部320が、推定対象の状態を表す仮説の各々について、受信したGPSデータの観測時点における、当該仮説が表す状態を予測する。
ステップS112において、GPSデータの観測値ysatと、上記ステップS110による予測結果とに基づいて、仮説の各々の状態を更新する状態更新処理を行う。
そして、ステップS114において、状態推定部360は、仮説の各々が表す状態と、仮説の各々の重みとに基づいて、状態を推定し、推定した状態に含まれる自車両の位置を出力して、ステップS100に戻る。
また、GPSデータを受信していない場合(ステップS108のNO)、再度ステップS100に戻り、CANデータ又はGPSデータを受信するまで、観測値受信部310は、待機する。
また、上記ステップS104は、図6に示すCANデータによる状態更新処理ルーチンによって実現される。
ステップS200において、仮説生成部330は、仮説の各々について、CANデータの観測値yCANと、上記ステップS102による予測結果とに基づいて、観測値yCANが正常値であると仮定して、当該仮説が表す状態を更新する。
ステップS210において、重み算出部340は、上記ステップS200で更新された仮説の各々について、観測値yCANが正常値である場合の観測分布に基づいて、当該仮説の重みを算出して、リターンする。
また、上記ステップS112は、図7に示すGPSデータによる状態更新処理ルーチンにより実現される。
ステップS300において、仮説生成部330は、仮説の各々について、GPSデータの観測値ysatと、上記ステップS110による予測結果とに基づいて、観測値ysatが正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、観測値ysatが異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成する。
ステップS310において、重み算出部340は、上記ステップS300で生成された複数の仮説のうち、観測値ysatが正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説の各々については、観測値ysatが正常値である場合の観測分布に基づいて、当該仮説の重みを算出し、観測値ysatが異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説の各々については、観測値ysatが異常値である場合の観測分布に基づいて当該仮説の重みを算出する。
ステップS320において、仮説統合部350は、上記ステップS300で生成された仮説の数が、規定数以下か否かを判定する。
仮説の数が規定数よりも大きい場合(ステップS320のNO)、ステップS330において、仮説統合部350は、統合後の仮説と、統合前の2つの仮説とが類似することを表す評価関数の値が最も高い値を示す2つの仮説を探索する。
そして、ステップS340において、仮説統合部350は、探索した2つの仮説を統合する。
ステップS350において、重み算出部340は、仮説統合部350が統合した仮説の重みを算出し、ステップS320へ戻る。
仮説の数が規定数以下である場合(ステップS320のYES)、リターンする。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る状態推定装置によれば、推定対象の状態を表す仮説の各々について、観測時点における、当該仮説が表す状態を予測し、仮説の各々について、入力された観測値及び状態予測部による予測結果に基づいて、観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成し、生成された仮説の数が規定数より多い場合には、規定数以下になるように仮説を統合するため、時間的追跡をしなければ異常が判定できない観測値であっても、ロバストに状態を推定することができる。
また、異常値が混在するセンサデータのうち、特に時間的に追跡しないと異常が判定できないデータに対して、観測値が正常値の場合と異常値の場合、双方の仮説を追跡することにより、ロバストに状態を推定することができる。特に、マルチパス(建物などに反射した電波)が発生するGPSデータによる測位において有効である。
また、観測毎に仮説が増大してしまうため、それらの仮説を適宜統合することにより、仮説が増大することにより弊害を防ぐことができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上記実施の形態では、センサとして、GPSセンサとCANセンサとを用いた場合を例に説明したが、センサとして、GPSセンサのみを用いて構成してもよい。
また、センサとして、ミリ波センサ、レーザー、カメラなどを用いて、物体検出を行うための物体検出装置に、本発明を適用してもよい。この場合には、推定対象の状態が、検出された物体の位置や大きさなどを含んでいればよい。
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
100 CAN受信機
200 GPSセンサ
300 状態推定装置
310 観測値受信部
320 状態予測部
330 仮説生成部
340 算出部
350 仮説統合部
360 状態推定部
370 出力部

Claims (6)

  1. センサの観測値に基づいて推定対象の状態を推定する状態推定装置であって、
    前記センサによる観測値が入力される毎に、前記推定対象の状態を表す仮説の各々について、観測時点における、前記仮説が表す状態を予測する状態予測部と、
    前記仮説の各々について、前記入力された観測値及び前記状態予測部による予測結果に基づいて、前記観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、前記観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成する仮説生成部と、
    前記仮説生成部によって生成された仮説の数が規定数より多い場合に、前記規定数以下になるように前記仮説を統合する仮説統合部と、
    複数の前記仮説のうち、前記観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説については、前記観測値が正常値である場合の観測分布に基づいて、前記仮説の重みを算出し、前記観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説については、前記観測値が異常値である場合の観測分布として正常値の観測分布よりも裾の重い分布に基づいて仮説の重みを算出する重み算出部と、
    前記仮説の各々が表す状態と、前記仮説の各々の重みとに基づいて、前記推定対象の状態を推定する状態推定部と、
    を含む状態推定装置。
  2. 前記仮説の各々が表す状態は、ガウシアンフィルタリングを用いて、ガウス分布で表現される請求項1記載の状態推定装置。
  3. 前記仮説統合部は、前記仮説生成部によって生成された仮説の数が規定数より多い場合に、前記規定数以下になるように前記仮説のうちの2つの仮説を統合することを繰り返す請求項1又は2記載の状態推定装置。
  4. 前記仮説統合部は、統合後の仮説と、統合前の2つの仮説とが類似することを表す評価関数の値が最も高い値を示す2つの仮説を統合する請求項1乃至3の何れか1項記載の状態推定装置。
  5. 前記センサが、GPSセンサであり、
    前記推定対象の状態が、自装置の位置である請求項1乃至4の何れか1項記載の状態推定装置。
  6. センサの観測値に基づいて推定対象の状態を推定するためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記センサによる観測値が入力される毎に、前記推定対象の状態を表す仮説の各々について、観測時点における、前記仮説が表す状態を予測する状態予測部、
    前記仮説の各々について、前記入力された観測値及び前記状態予測部による予測結果に基づいて、前記観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説と、前記観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説とを生成する仮説生成部、
    前記仮説生成部によって生成された仮説の数が規定数より多い場合に、前記規定数以下になるように前記仮説を統合する仮説統合部、
    複数の前記仮説のうち、前記観測値が正常値であると仮定して更新された状態を表す仮説については、前記観測値が正常値である場合の観測分布に基づいて、前記仮説の重みを算出し、前記観測値が異常値であると仮定して更新された状態を表す仮説については、前記観測値が異常値である場合の観測分布として正常値の観測分布よりも裾の重い分布に基づいて仮説の重みを算出する重み算出部、及び
    前記仮説の各々が表す状態と、前記仮説の各々の重みとに基づいて、前記推定対象の状態を推定する状態推定部
    として機能させるためのプログラム。
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