以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る基板処理装置としてのプラズマ処理装置の構成を概略的に示す平面図である。
図1において、プラズマ処理装置10は、例えば、直径がφ300mmのウエハWを所定枚数収容したキャリアであるフープ(図示しない)を載置するために設けられた3つのロードポート11を備える。
このプラズマ処理装置10には、ロードポート11に隣接し、フープに対してウエハWの搬入出を行うためのローダー室12が配置される。ローダー室12の内部は常に大気圧雰囲気であり、ローダー室12内にはウエハWを搬送する搬送ロボット(図示しない)が配置されている。
また、ローダー室12を挟んでロードポート11の反対側には、基板受け渡し室としての2つのロードロック室13が配置されている。ローダー室12は、ロードポート11に載置されたフープ及びロードロック室13の間でウエハWを搬送する。ロードロック室13は、その内部が選択的に真空雰囲気又は大気圧雰囲気に切り換え可能に構成され、ロードロック室13の内部は、ローダー室12と連通する際には大気圧雰囲気とされ、後述の基板搬送室14と連通する際には真空雰囲気とされる。ロードロック室13は、ローダー室12及び基板搬送室14の間でウエハWを搬送するための中間搬送室としての役割を担う。
ロードロック室13を挟んで、ローダー室12の反対側には、例えば、平面視五角形を呈する基板搬送室14が配置される。基板搬送室14の周りには、放射状に配置されて基板搬送室14に接続される6つの基板処理室15が配置されている。基板搬送室14の内部は常に所定の真空度に保たれ、ウエハWを搬送する搬送ロボット16が配置されている。搬送ロボット16は各基板処理室15の間や基板処理室15及びロードロック室13の間のウエハWの搬送を行う。
また、プラズマ処理装置10は、当該プラズマ処理装置10の各構成要素の動作を制御する制御部17を備える。制御部17はCPUやメモリ等を有し、CPUはメモリ等に格納されたプログラムに従って後述する基板搬送方法を実行する。
プラズマ処理装置10において、各基板処理室15及び基板搬送室14はゲートバルブ18を介して接続され、ゲートバルブ18は各基板処理室15及び基板搬送室14の連通を制御する。各基板処理室15の内部は所定の真空度に真空に保たれ、ウエハWを内部に配置された載置台19に載置し、当該ウエハWに所定のプラズマ処理、例えば、プラズマエッチング処理を施す。
図2は、図1における搬送ロボットの構成を概略的に示す平面図である。
図2において、搬送ロボット16は、水平面内において回転自在な平面視略三角形の台座20と、該台座20に対して水平方向に伸縮自在な多関節アーム21と、多関節アーム21の先端に取り付けられてウエハWを載置する平面視略U字状のフォーク22とを有する。また、台座20は水平方向、具体的には図1の上下方向に移動可能にも構成される。搬送ロボット16は、台座20の回転及び移動、並びに、多関節アーム21の伸縮のそれぞれを実行する3つのモータ(図示しない)を内蔵し、台座20の回転及び移動、並びに、多関節アーム21の伸縮により、フォーク22に載置されたウエハWを所望の箇所へ搬送する。
ところで、基板処理室15でウエハWへプラズマエッチング処理等を施す場合、載置台19においてウエハWを所定の位置へ正確に載置する必要があるが、ウエハWの位置はローダー室12に付随するアライメント室(図示しない)によって調整されるため、ウエハWをローダー室12からロードロック室13を介して基板処理室15へ搬送する際に、ウエハWに作用する慣性モーメント等によってウエハWの位置が所望の位置、例えば、ウエハWの中心位置がフォーク22の重心位置からずれる可能性がある。そのため、ウエハWを搬送する際に、ウエハWの所望の位置からのずれ(以下、単に「位置ずれ」という。)を算出し、算出された位置ずれを解消するようにウエハWの位置を補正する必要がある。
位置ずれの解消に関し、載置台19はウエハWの位置を補正する機能を有さないため、ウエハWの位置は搬送ロボット16がウエハWを搬送する際に、当該搬送ロボット16によって補正される必要がある。具体的には、搬送ロボット16によるウエハWの搬送経路を修正する必要があるため、本実施の形態では、後述するように、ウエハWの位置ずれが算出された後、ウエハWの搬送経路が修正される。また、位置ずれの算出に関し、基板処理室15へ搬送されるウエハWの位置を測定(取得)する必要があるため、本実施の形態では、図1に示すように、基板搬送室14の内部において各基板処理室15の前、より具体的には、各ゲートバルブ18に対向するように2つの位置センサからなるセンサ対23が配置される。以下、一のセンサ対23において基板処理室15に向かって右側の位置センサを右側センサ23aと称し、基板処理室15に向かって左側の位置センサを左側センサ23bと称する。
各センサ対23において、右側センサ23a及び左側センサ23bはウエハWの直径よりも小さい間隔で互いに離間し、いずれも搬送ロボット16によって搬送されるウエハWの裏面に対向するように配置される。右側センサ23a及び左側センサ23bの各々は、上方におけるウエハWの外縁(以下、単に「エッジ」という。)の通過を検知する。制御部17は、ウエハWのエッジが右側センサ23aや左側センサ23bの上方を通過したときのウエハWの搬送ロボット16の位置、具体的には、フォーク22の重心位置を搬送ロボット16の3つのモータのエンコーダ値から算出する。
図3は、図1におけるセンサ対によるウエハのエッジの通過の検知タイミングについて説明するための図であり、図4は、本実施の形態における右側センサの位置及び左側センサの位置の取得方法を説明するための図である。
図3において、センサ対23がウエハWの搬送方向(図中の矢印)に対して右にオフセットしている場合、まず、ウエハWの左エッジが左側センサ23bの上方を通過し、このときのフォーク22の重心位置24aが算出される(図3(B))。次いで、ウエハWの右エッジが右側センサ23aの上方を通過し、このときのフォーク22の重心位置24bが算出される(図3(C))。その後、再度、ウエハWの右エッジが右側センサ23aの上方を通過し、このときのフォーク22の重心位置24cが算出され(図3(D))、さらに、再度、ウエハWの左エッジが左側センサ23bの上方を通過し、このときのフォーク22の重心位置24dが算出される(図3(E))。すなわち、ウエハWがセンサ対23の上方を通過する際、4つのフォーク22の重心位置24a〜24dが算出される。
次に、図4において、搬送ロボット16のフォーク22の重心位置の移動を示す座標系(以下、「搬送ロボット座標系」という。)において算出された4つのフォーク22の重心位置をプロットし、まず、左側センサ23bがウエハWの左側エッジを通過したときのフォーク22の重心位置24a,24dを中心にウエハWの半径と同じ半径rの2つの円25a,25d(図中において一点鎖線で示す)を描き、2つの円25a,25dの交差点を搬送ロボット座標系における左側センサ23bの位置26bとして取得する。また、右側センサ23aがウエハWの右側エッジを通過したときのフォーク22の重心位置24b,24cを中心にウエハWの半径と同じ半径rの2つの円25b,25c(図中において二点鎖線で示す)を描き、2つの円25b,25cの交差点を搬送ロボット座標系における右側センサ23aの位置26aとして取得する。
図5は、本実施の形態に係る基板搬送方法におけるウエハ位置補正処理を示すフローチャートである。
本実施の形態では、図5の処理は搬送ロボット16がウエハWを基板処理室15へ搬送する度に実行されるが、図5の処理の実行前に、予め搬送ロボット座標系における右側センサ23aの位置及び左側センサ23bの位置をそれぞれ基準右側センサ位置及び基準左側センサ位置として取得することを前提とする。なお、基準右側センサ位置及び基準左側センサ位置の取得方法としては、上述した図4の取得方法を用いることもできる。
まず、搬送ロボット16がウエハWを搬送し、該搬送されるウエハWがセンサ対23の上方を通過する際、上述したように、フォーク22の重心位置24a〜24dを算出し、最初に、図4の取得方法を用いて重心位置24b,24cから右側センサ23aの位置26aを取得する(ステップS51)。
次いで、基準右側センサ位置(予め取得された搬送ロボット座標系における右側センサ23aの位置)及び右側センサ23aの位置26aの差分(位置ずれ)を算出する(ステップS52)。ここで、右側センサ23aの位置26aは右側センサ23aとウエハWの右側エッジが交差する位置に左右され、さらに、当該交差する位置は搬送されるウエハWの位置に左右される。したがって、右側センサ23aの位置26aには搬送されるウエハWの位置が反映されるため、基準右側センサ位置及び右側センサ23aの位置26aの位置ずれはウエハWの位置ずれに対応する。そこで、本実施の形態では、基準右側センサ位置及び右側センサ23aの位置26aの位置ずれ(基準右側センサ位置に対する右側センサ23aによって検出された位置26aの位置ずれ)をウエハWの位置ずれとみなす。
次いで、図4の取得方法を用いて重心位置24a,24dから左側センサ23bの位置26bを取得し(ステップS53)、さらに、基準左側センサ位置(予め取得された搬送ロボット座標系における左側センサ23bの位置)及び左側センサ23bの位置26bの差分(位置ずれ)を算出する(ステップS54)。左側センサ23bの位置26bにも搬送されるウエハWの位置が反映されるため、本実施の形態では、基準左側センサ位置及び左側センサ23bの位置26bの位置ずれをウエハWの位置ずれ(基準左側センサ位置に対する左側センサ23bによって検出された位置26bの位置ずれ)とみなす。
次いで、基準右側センサ位置に対する右側センサ23aによって検出された位置26aの位置ずれ、並びに、基準左側センサ位置に対する左側センサ23bによって検出された位置26bの位置ずれを平均化し(ステップS55)、該平均化された位置ずれをウエハWの位置を補正する際に用いるウエハWの位置ずれ(以下、「補正用位置ずれ」という。)δとして取得する。
その後、取得された補正用位置ずれδに基づいてウエハWの搬送経路を修正する(ステップS56)。具体的には、図6に示すように、ウエハWの搬送経路33における当初の目標位置33aから補正用位置ずれδだけオフセットさせた修正目標位置33bへ向けてウエハWが搬送されるようにウエハWの搬送経路を修正する。ウエハWの搬送経路の修正は、ウエハWがセンサ対23の上方を通過してウエハWの位置ずれδが取得された後から修正目標位置33bへ至るまでの間に亘って行われ、ウエハWに加わる力の変化を緩やかにするように多くの時間をかけて行われる。
次いで、ウエハWが修正目標位置33bまで搬送された後、本処理を終了する。
図5の処理によれば、ウエハWの基板処理室15への搬送経路において、2つの右側センサ23a及び左側センサ23bがウエハWの直径よりも小さい間隔で互いに離間し、且つ搬送されるウエハWに対向するように配置され、ウエハWの右エッジや左エッジが2つの右側センサ23a及び左側センサ23bの上方を通過する際、4つのフォーク22の重心位置24a〜24dが算出され、これらの重心位置24a〜24に基づいて搬送ロボット座標系における右側センサ23aの位置26a及び左側センサ23bの位置26bが取得され、該取得された右側センサ23aの位置26a及び左側センサ23bの位置26bに基づいて補正用位置ずれδが取得される。
すなわち、ウエハWが基板処理室15へ搬送される際、ウエハWの搬送経路に配置された2つの右側センサ23a及び左側センサ23bを用いて補正用位置ずれδが取得されるため、補正用位置ずれδを取得するために、基板処理室15から離れた位置に配置される位置センサを用いる必要を無くすことができる。したがって、ウエハWの位置ずれを取得した後、ウエハWを基板処理室15へ移動するために一定の時間を要することがない。
また、ウエハWの搬送経路に配置された2つの右側センサ23a及び左側センサ23bを用いて補正用位置ずれδが取得されると、補正用位置ずれδを解消するように基板処理室15までのウエハWの搬送経路が修正される。すなわち、ウエハWが2つの右側センサ23a及び左側センサ23bの上方を通過してからウエハWの搬送経路が修正されるため、基板処理室15から離れた位置に配置される位置センサから基板処理室15へウエハWが移動する場合に比して、搬送経路においてウエハWの進路が大きく変更されることがない。また、ウエハWの搬送経路の修正は、ウエハWがセンサ対23の上方を通過して補正用位置ずれδが取得された後、予め設定された修正時間に行われるが、補正用位置ずれδの大小にかかわらず、上記修正時間の全てを使用してウエハWの搬送経路の修正が行われる。これにより、単位時間当たりの搬送経路の修正量を減らすことができ、搬送経路においてウエハWの進路が大きく変更されるのを防止することができる。
以上より、ウエハWの搬送のスループットを向上することができるとともに、ウエハWの搬送中にウエハWのさらなるずれが生じるのを抑制することができる。
また、図5の処理では、補正用位置ずれδが取得される際、基準右側センサ位置及び右側センサ23aの位置26aの位置ずれ、並びに、基準左側センサ位置及び左側センサ23bの位置26bの位置ずれが平均化される。これにより、補正用位置ずれδの信頼性を向上することができ、ひいては、ウエハWの搬送経路の修正の信頼性を向上することができる。
さらに、2つの右側センサ23a及び左側センサ23bはウエハWのエッジの通過を検知することにより、実質的にフォーク22に載置されたウエハWの有無を検知することができるため、2つの右側センサ23a及び左側センサ23bとは別にウエハWの有無を検知するためのセンサを設ける必要を無くすことができる。
また、図5の処理は搬送ロボット16がウエハWを基板処理室15へ搬送する度に実行されるため、搬送される各ウエハWを基板処理室15の載置台19における所定の位置へ正確に載置することができ、もって、各ウエハWの各箇所へ正確にプラズマエッチング処理を施すことができる。
本実施の形態では、ウエハWが基板処理室15へ向けて搬送される際に2つの右側センサ23a及び左側センサ23bを用いて補正用位置ずれδが取得されたが、ウエハWが基板処理室15から搬出される際に2つの右側センサ23a及び左側センサ23bを用いて補正用位置ずれδを取得してもよい。この場合、取得された補正用位置ずれδを用い、次に搬送されるウエハWの搬送経路が修正される。
また、ウエハWの位置ずれは、ウエハWに作用する慣性モーメントだけでなく、搬送ロボット16の経年劣化、具体的には、多関節アーム21に内蔵される駆動ベルトの経年伸びによっても生じるおそれがあるが、搬送ロボット16の経年劣化が予測される時点において、図5の処理を実行することにより、搬送ロボット16の経年劣化に起因するウエハWの位置ずれも解消することができ、もって、搬送ロボット16が経年劣化しても、ウエハWを基板処理室15の載置台19における所定の位置へ正確に載置することができる。
さらに、センサ対23を交換すると、交換前後のセンサ対23の測定誤差の違いに起因し、例えば、搬送ロボット座標系における同じ位置のウエハWの位置を取得する際、交換後のセンサ対23を用いて取得したウエハWの位置が、交換前のセンサ対23を用いて取得したウエハWの位置に対してずれることがある。この場合、センサ対23の交換後に図5の処理を実行することにより、交換後のセンサ対23の測定結果に対する補正用位置ずれδを取得することができる。その後、交換後のセンサ対23を用いて測定を行う際、この補正用位置ずれδを用いてウエハWの搬送経路を修正することにより、交換前後のセンサ対23の測定誤差の違いを解消することができ、もって、センサ対23を交換しても、ウエハWを基板処理室15の載置台19における所定の位置へ正確に載置することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、その構成、作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであるので、重複した構成、作用については説明を省略し、以下、異なる構成、作用についてのみ説明する。
図7(A)に示すように、搬送ロボット座標系では、搬送ロボット16がウエハWを搬送する際、右側センサ23aに対してウエハWが移動し、右側センサ23aがウエハWの右側エッジの通過を2回検知するが、ウエハWを固定した座標系(以下、「ウエハ座標系」という。)では、図7(B)に示すように、右側センサ23aに対するウエハWの移動が、ウエハWに対する右側センサ23aの移動に換算され、右側センサ23aは、当該右側センサ23a及びウエハWの右側エッジの交差を2回検知する。これらの右側センサ23a及びウエハWの右側エッジの交差点(以下、「エッジ交差点」という。)は、搬送ロボット座標系におけるウエハWの右側エッジの通過が検知されたときのウエハWの中心位置(以下、「エッジ通過検知点」という。)に対応する。具体的には、搬送ロボット座標系において最初にウエハWの右側エッジの通過が検知されたときのエッジ通過検知点27aは、ウエハ座標系において最初に検知されるエッジ交差点28aに対応し、搬送ロボット座標系において次にウエハWの右側エッジの通過が検知されたときのエッジ通過検知点27bは、ウエハ座標系において次に検知されるエッジ交差点28bに対応する。また、ウエハ座標系では、搬送ロボット座標系における右側センサ23aに対するウエハWの移動がウエハWに対する右側センサ23aの移動に換算されるため、搬送ロボット座標系における原点27cからエッジ通過検知点27a,27bへの移動ベクトルの逆ベクトルが、ウエハ座標系における原点28cからエッジ交差点28a,28bへの移動ベクトルに該当する。
ところで、フォーク22の重心位置がウエハWの中心位置と合致する場合、搬送ロボット座標系におけるエッジ通過検知点27a,27bの座標は搬送ロボット16の3つのモータのエンコーダ値から算出することができ、さらに、上述したように、ウエハ座標系における原点からエッジ交差点28a,28bへの移動ベクトルは搬送ロボット座標系における原点からエッジ通過検知点27a,27bへの移動ベクトルから算出することができる。したがって、エッジ通過検知点27a,27bの座標からウエハ座標系におけるエッジ交差点28a,28bの座標を算出することができる。そこで、本実施の形態では、ウエハ座標系におけるエッジ交差点28a,28bの座標からウエハWの中心位置を算出する。
図8は、本実施の形態におけるウエハの中心位置の取得方法を説明するための図である。
まず、ウエハ座標系においてエッジ交差点28a,28bの中点28gの座標を算出する。ここで、エッジ交差点28a,28bはいずれもウエハWのエッジに存在するため、ウエハWの中心位置28h、中点28g及びエッジ交差点28a(又はエッジ交差点28b)は、斜辺の長さがウエハWの半径rと合致する直角三角形を構成する。そこで、エッジ交差点28aから中点28gへのベクトルをベクトル29aとし、中点28gからウエハWの中心位置28hへのベクトルをベクトル29bとすると、ベクトル29aのスカラー量はエッジ交差点28aの座標及び中点28gの座標から算出可能であるため、三平方の定理からベクトル29bのスカラー量を算出することができる。また、ベクトル29bはベクトル29aに対して垂直であるため、ベクトル29bを算出することができる。中点28gからベクトル29bだけ移動した点がウエハWの中心位置28hとなるため、本実施の形態では、算出された中点28gの座標及びベクトル29bからウエハWの中心位置28hを取得する。
なお、図7及び図8において、ウエハ座標系は右側センサ23aを基準としたが、左側センサ23b(他の位置センサ)を基準とするウエハ座標系も存在し、当該ウエハ座標系においても図8と同様な取得方法でウエハWの中心位置の座標を算出することができる。以下、本実施の形態において、右側センサ23aを基準するウエハ座標系(以下、「第1のウエハ座標系」という。)におけるウエハWの中心位置28hを「第1のウエハ中心位置」(搬送時基板位置)と称し、左側センサ23bを基準するウエハ座標系(以下、「第2のウエハ座標系」という。)におけるウエハWの中心位置を「第2のウエハ中心位置」(他の搬送時基板位置)と称する。
図9は、本実施の形態に係る基板搬送方法におけるウエハ位置補正処理を示すフローチャートである。
本実施の形態でも、図9の処理は搬送ロボット16がウエハWを基板処理室15へ搬送する度に実行されるが、図9の処理の実行前に、予め、第1のウエハ座標系及び第2のウエハ座標系におけるウエハWの中心位置をそれぞれ第1の基準ウエハ位置(基準基板位置)及び第2の基準ウエハ位置(基準基板位置)として取得することを前提とする。なお、第1の基準ウエハ位置の取得方法としては図8の取得方法を用いることもでき、第2の基準ウエハ位置の取得方法としては図8と同様な取得方法を用いることもできる。
まず、搬送ロボット16がウエハWを搬送し、該搬送されるウエハWがセンサ対23の上方を通過する際、第1のウエハ座標系におけるエッジ交差点28a,28bを取得し、さらに、図8の取得方法によって第1のウエハ中心位置を取得する(ステップS91)。その後、第1の基準ウエハ位置及び第1のウエハ中心位置の差分(第1のウエハ位置ずれ)を算出する(ステップS92)。
次いで、搬送されるウエハWがセンサ対23の上方を通過する際、同様に、第2のウエハ座標系における2つのエッジ交差点(他の交差点)を取得し、さらに、図8と同様な取得方法によって第2のウエハ中心位置を取得する(ステップS93)。その後、第2の基準ウエハ位置及び第2のウエハ中心位置の差分(第2のウエハ位置ずれ)を算出する(ステップS94)。
次いで、第1のウエハ位置ずれ及び第2のウエハ位置ずれを平均化し(ステップS95)、該平均化された位置ずれを補正用位置ずれδ(平均基板位置)として取得する。その後、取得された補正用位置ずれδに基づいてウエハWの搬送経路を修正し(ステップS96)、ウエハWが修正目標位置33bまで搬送された後、本処理を終了する。
図9の処理によれば、ウエハWの基板処理室15への搬送経路に配置された右側センサ23aの上方をウエハWのエッジに通過させることにより、第1のウエハ座標系においてエッジ交差点28a,28bが取得され、エッジ交差点28a,28b及び搬送されるウエハWの半径rに基づいて第1のウエハ中心位置が幾何学的に取得される。また、同様に、ウエハWの基板処理室15への搬送経路に配置された左側センサ23bの上方をウエハWのエッジに通過させることにより、第2のウエハ座標系において2つのエッジ交差点が取得され、該2つのエッジ交差点及び搬送されるウエハWの半径rに基づいて第2のウエハ中心位置が幾何学的に取得される。すなわち、ウエハWが基板処理室15へ搬送される際、ウエハWの搬送経路に配置された2つの右側センサ23a及び左側センサ23bを用いて第1のウエハ中心位置及び第2のウエハ中心位置が取得されるため、基板処理室15から離れた位置に配置される位置センサを用いてウエハWの中心位置を取得する必要を無くすことができる。したがって、第1のウエハ中心位置や第2のウエハ中心位置を取得した後、ウエハWを基板処理室15へ移動するために一定の時間を要することがない。
また、第1の実施の形態と同様に、ウエハWが2つの右側センサ23a及び左側センサ23bの上方を通過してからウエハWの搬送経路の修正が行われるが、ウエハWの搬送経路の修正は、ウエハWがセンサ対23の上方を通過して補正用位置ずれδが取得された後、補正用位置ずれδの大小にかかわらず、予め設定された修正時間の全てを使用して行われる。これにより、第1の実施の形態と同様に、単位時間当たりの搬送経路の修正量を減らすことができ、搬送経路においてウエハWの進路が大きく変更されるのを防止することができる。
以上より、ウエハWの搬送のスループットを向上することができるとともに、ウエハWの搬送中にウエハWのさらなるずれが生じるのを抑制することができる。
また、図9の処理では、補正用位置ずれδが取得される際、補正用位置ずれδは第1のウエハ位置ずれ及び第2のウエハ位置ずれを平均して取得されるため、当該補正用位置ずれδの信頼性を向上することができ、ひいては、ウエハWの搬送経路の修正の信頼性を向上することができる。なお、センサ対23において右側センサ23a又は左側センサ23bが故障した場合、第1のウエハ中心位置又は第2のウエハ中心位置のみを取得し、第1の基準ウエハ位置及び第1のウエハ中心位置の差分、又は第2の基準ウエハ位置及び第2のウエハ中心位置の差分のみを補正用位置ずれδとして取得してもよい。これにより、ティーチングを伴うために所定のメンテナンス時間を要するセンサ対23の交換を直ちに行う必要を無くすことができる。特に、ティーチングを行う際には、直径が予め分かっているウエハ(以下、「ティーチング用ウエハ」という。)を、基板処理室15の蓋(図示しない)を開蓋して基板処理室15の載置台19へ直接載置することにより、間接的にティーチング用ウエハを基板搬送室14へ投入するが、このとき、基板処理室15は大気開放されるため、ウエハの処理が可能な状態に復帰するために必要な基板処理室15の内部のクリーニング及び汚染チェック(パーティクルの確認)に時間を要することがある。したがって、センサ対23の交換を直ちに行わずにティーチングの実行を先送りすることにより、基板処理室15の内部のクリーニング及び汚染チェックの実行を回避して基板処理室15におけるウエハの処理に関する効率を向上することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態も、その構成、作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであるので、重複した構成、作用については説明を省略し、以下、異なる構成、作用についてのみ説明する。
図10(A)に示すように、第2の実施の形態と同様、搬送ロボット座標系では、搬送ロボット16がウエハWを搬送する際、右側センサ23a及び左側センサ23bに対してウエハWが移動し、右側センサ23aがウエハWの右側エッジの通過を2回検知し、左側センサ23bがウエハWの左側エッジの通過を2回検知するが、第1のウエハ座標系では、図10(B)に示すように、右側センサ23aに対するウエハWの移動がウエハWに対する右側センサ23aの移動に換算され、右側センサ23aは、当該右側センサ23a及びウエハWの右側エッジの交差を2回検知する。また、第2のウエハ座標系では、左側センサ23bに対するウエハWの移動がウエハWに対する左側センサ23bの移動に換算され、左側センサ23bは、当該左側センサ23b及びウエハWの左側エッジの交差を2回検知する。
このとき、第2のウエハ座標系を第1のウエハ座標系に統合すると、搬送ロボット座標系におけるエッジ通過検知点27aは、第1のウエハ座標系において右側センサ23aが最初にウエハの右側エッジと交差するエッジ交差点28aに対応し、搬送ロボット座標系におけるエッジ通過検知点27bは、第1のウエハ座標系において右側センサ23aが次にウエハの右側エッジと交差するエッジ交差点28bに対応する。また、搬送ロボット座標系において最初にウエハWの左側エッジの通過が左側センサ23bによって検知されたときのエッジ通過検知点27dは、第1のウエハ座標系において左側センサ23bが最初にウエハの左側エッジと交差するエッジ交差点28dに対応し、搬送ロボット座標系において次にウエハWの左側エッジの通過が左側センサ23bによって検知されたときのエッジ通過検知点27eは、第1のウエハ座標系において左側センサ23bが次にウエハの左側エッジと交差するエッジ交差点28eに対応する。
また、第2の実施の形態で説明したように、搬送ロボット座標系における原点27cからエッジ通過検知点27a,27bへの移動ベクトルの逆ベクトルが、第1のウエハ座標系における右側センサ23aの原点28cからエッジ交差点28a,28bへの移動ベクトルに該当するが、同様に、搬送ロボット座標系における原点27cからエッジ通過検知点27d,27eへの移動ベクトルの逆ベクトルが、第1のウエハ座標系における左側センサ23bの原点28fからエッジ交差点28d,28eへの移動ベクトルに該当する。
さらに、フォーク22の重心位置がウエハWの中心位置と合致する場合、搬送ロボット座標系におけるエッジ通過検知点27a,27b,27d,27eの座標は搬送ロボット16の3つのモータのエンコーダ値から算出することができるため、第1のウエハ座標系におけるエッジ交差点28a,28b,28d,28eの座標も算出することができる。そこで、本実施の形態では、第1のウエハ座標系におけるエッジ交差点28a,28b,28d,28eの座標からウエハWの中心位置を算出する。
ところで、幾何学上、3点の座標が規定されると、当該3点を通過する円を規定することができる。したがって、本実施の形態においても、ウエハWの中心位置を算出するために、4つのエッジ交差点28a,28b,28d,28eから少なくとも3つのエッジ交差点を選別すればよい。そこで、本実施の形態では、4つのエッジ交差点28a,28b,28d,28eのうちの2つのエッジ交差点を基準として残りの2つのエッジ交差点からウエハWの中心位置を算出するために用いるエッジ交差点(以下、「有効エッジ交差点」という。)を選別する。
図11は、本実施の形態におけるエッジ交差点の選別方法を説明するための図である。
まず、第1のウエハ座標系におけるエッジ交差点28a,28b,28d,28eを取得し(図11(A))の座標から基準となる2つのエッジ交差点、例えば、エッジ交差点28a,28dを基準エッジ交差点として選別し、選別されたエッジ交差点28a,28dを通過し且つ互いに直径が異なる2つの円30a,30bを規定する。2つの円30a,30bの直径はプラズマ処理装置10のユーザ等によって予め設定される。なお、本実施の形態では、円30bの直径が円30aの直径よりも大きく設定される。
2つの円30a,30bが規定された後、残り2つのエッジ交差点28b,28eのうち2つの円30a,30bによって囲われた領域内に存在するエッジ交差点を有効エッジ交差点としてさらに選別する。なお、図11(B)はエッジ交差点28eのみが有効エッジ交差点として選別された場合を示す。
その後、基準エッジ交差点及び有効エッジ交差点として選別されたエッジ交差点28a,28d,28eを通過する円31を規定し、該円31の中心位置をウエハWの中心位置(搬送時基板位置)として取得する。
図12は、本実施の形態に係る基板搬送方法におけるウエハ位置補正処理を示すフローチャートである。
本実施の形態でも、図12の処理は搬送ロボット16がウエハWを基板処理室15へ搬送する度に実行されるが、図12の処理の実行前に、予め、第1のウエハ座標系におけるウエハWの中心位置を基準ウエハ位置(基準基板位置)として取得することを前提とする。なお、基準ウエハ位置の取得方法としては図11の選別方法を用いることもできる。
まず、第1のウエハ座標系における4つのエッジ交差点28a,28b,28d,28eを取得し(ステップS121)、これらのエッジ交差点から任意の2つのエッジ交差点を選別して基準エッジ交差点の組を作成する。このとき、4つのエッジ交差点28a,28b,28d,28eのうち互いに隣接する2つのエッジ交差点からなる4つの基準エッジ交差点の組(具体的には、エッジ交差点28a,28bの組、エッジ交差点28b,28eの組、エッジ交差点28e,28dの組及びエッジ交差点28d,28aの組、)を作成する(ステップS122)。
次いで、例えば、エッジ交差点28a,28bの組を構成する2つのエッジ交差点を通過し且つ互いに直径が異なる2つの円を規定する。2つの円が規定された後、エッジ交差点28a,28bの組を構成しない残り2つのエッジ交差点28e,28dのうち、規定された2つの円によって囲われた領域内に存在するエッジ交差点を有効エッジ交差点としてさらに選別し(ステップS123)、基準エッジ交差点及び有効エッジ交差点として選別された合計3つのエッジ交差点を通過する円を規定し、該円の中心位置をウエハWの中心位置として取得する(ステップS124)。なお、有効エッジ交差点として2つのエッジ交差点が選別された場合は、2つの有効エッジ交差点のそれぞれと2つの基準エッジ交差点を組合せる。このとき、3つのエッジ交差点からなるエッジ交差点の組合せが2つ作成されるが、2つのエッジ交差点の組合せのそれぞれにおいて、3つのエッジ交差点を通過する円を規定し、該円の中心位置をウエハWの中心位置として取得する。
次いで、ステップS122において作成された全ての基準エッジ交差点の組についてウエハWの中心位置が取得されたか否かを判別し、ウエハWの中心位置が取得されていない基準エッジ交差点の組が存在するときはステップS123に戻り、全ての基準エッジ交差点の組についてウエハWの中心位置が取得されているときは、ステップS124が繰り返されたことによって取得された複数のウエハWの中心位置を平均化する(ステップS126)。
次いで、基準ウエハ位置及び平均化されたウエハ中心位置の差分を補正用位置ずれδとして算出し(ステップS127)、算出された補正用位置ずれδに基づいてウエハWの搬送経路を修正し(ステップS128)、ウエハWが修正目標位置33bまで搬送された後、本処理を終了する。
図12の処理によれば、ウエハWの基板処理室15への搬送経路に配置された右側センサ23a及び左側センサ23bの上方をウエハWのエッジに通過させることにより、第1のウエハ座標系において4つのエッジ交差点28a,28b,28d,28eが取得され、4つのエッジ交差点28a,28b,28d,28eから選別された3つのエッジ交差点を通過する円が規定され、該円の中心位置がウエハWの中心位置として取得される。すなわち、ウエハWが基板処理室15へ搬送される際、ウエハWの搬送経路に配置された2つの右側センサ23a及び左側センサ23bを用いてウエハWの中心位置が取得されるため、基板処理室15から離れた位置に配置される位置センサを用いてウエハWの中心位置を取得する必要を無くすことができる。したがって、ウエハ中心位置を取得した後、ウエハWを基板処理室15へ移動するために一定の時間を要することがない。
また、第1の実施の形態と同様に、ウエハWが2つの右側センサ23a及び左側センサ23bの上方を通過してからウエハWの搬送経路の修正が行われるが、ウエハWの搬送経路の修正は、ウエハWがセンサ対23の上方を通過して補正用位置ずれδが取得された後、補正用位置ずれδの大小にかかわらず、予め設定された修正時間の全てを使用して行われる。これにより、第1の実施の形態と同様に、単位時間当たりの搬送経路の修正量を減らすことができ、搬送経路においてウエハWの進路が大きく変更されるのを防止することができる。
以上より、ウエハWの搬送のスループットを向上することができるとともに、ウエハWの搬送中にウエハWのさらなるずれが生じるのを抑制することができる。
また、図9の処理では、基準エッジ交差点の組を構成しない残り2つのエッジ交差点のうち、基準エッジ交差点の組を構成する2つのエッジ交差点に基づいて規定された2つの円によって囲われた領域内に存在するエッジ交差点が有効エッジ交差点としてさらに選別されるので、異常な位置に存在するエッジ交差点を除外した上で、ウエハWの中心位置を取得することができる。これにより、取得されるウエハWの中心位置の信頼性を向上させることができる。
また、図9の処理では、全ての基準エッジ交差点の組について取得されたウエハWの複数の中心位置が平均化されたウエハ中心位置が算出され、該平均化されたウエハ中心位置に基づいて補正用位置ずれδが算出されるため、当該補正用位置ずれδの信頼性を向上することができ、ひいては、ウエハWの搬送経路の修正の信頼性を向上することができる。
さらに、図9の処理では、ウエハWの中心位置を取得する際にウエハWの半径rを必要としないため、搬送されるウエハWの半径rのばらつきが取得されるウエハWの中心位置へ影響を与えることがなく、これによっても、ウエハ中心位置に基づいて算出される補正用位置ずれδの信頼性を向上することができる。
上述した図9の処理では、互いに隣接する2つのエッジ交差点からなる基準エッジ交差点の組を用いてウエハWの中心位置を取得したが、3つのエッジ交差点からなるエッジ交差点の組を用いてウエハWの中心位置を取得してもよい。
図13は、本実施の形態におけるウエハの中心位置の取得方法の変形例を説明するための図である。
まず、第1のウエハ座標系におけるエッジ交差点28a,28b,28d,28eを取得し、3つのエッジ交差点28a,28e,28dを通過する円32aを規定し、該円32aの半径r1を取得する(図13(A))。次いで、3つのエッジ交差点28a,28b,28eを通過する円32bを規定し、該円32bの半径r2を取得し(図13(B))、3つのエッジ交差点28b,28e,28dを通過する円32cを規定し、該円32cの半径r3を取得し(図13(C))、さらに、3つのエッジ交差点28a,28b,28dを通過する円32dを規定し、該円32dの半径r4を取得する(図13(D))。その後、ウエハWの半径rに最も近い半径を有する円を円32a〜32dから選択し、該選択された円の中心位置をウエハWの中心位置として取得する。
なお、円32a〜32dの半径r1〜r4の取得方法は以下の通りである。例えば、第1のウエハ座標系における円32aの方程式を下記式(1)とした場合、
X2+Y2+lX+mY+n=0 … (1)
各エッジ交差点28a,28e,28dの第1のウエハ座標系におけるそれぞれの座標を(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3)とすると、上記(1)は行列A及び行列Bを用いて下記式(2)の様に表される。
上記式(2)に左から逆行Aの逆行列A
−1を乗算すると下記式(3)となり、逆行列A
−1及び逆行B、すなわち、各エッジ交差点28a,28e,28dの座標から上記式(1)の係数l,m,nを求めることができる。
これにより、円32aを規定することができ、円32aの半径r
1を取得することができる。円32b〜32dの半径r
2〜r
4も同様に取得することができる。
図13のウエハの中心位置の取得方法の変形例では、4つのエッジ交差点28a,28b,28d,28eから選別された3つのエッジ交差点によって規定される円32a〜32dのうちウエハWの半径rに最も近い半径を有する円の中心位置がウエハWの中心位置として取得されるので、ウエハWの中心位置を取得する際に異常な位置に存在するエッジ交差点を除外することができる。これにより、取得されるウエハWの中心位置の信頼性を向上させることができる。
以上、本発明について、各実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではない。
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、制御部17等が備えるコンピュータ(図示しない)に供給し、コンピュータのCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、プログラムコード及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムコードを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムコードは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることによりコンピュータに供給されてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記各実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
上記プログラムコードの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。