JP6639907B2 - 組紐状圧電素子を固定化したデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、圧電性繊維を用いた組紐状圧電素子、組紐状圧電素子を用いた布帛状圧電素子およびそれらが固定化されたデバイスに関する。
近年、いわゆるウェアラブルセンサーが注目を浴びており、眼鏡型や腕時計といった形状の商品が世に出始めた。しかし、これらのデバイスは、装着しているという感覚があり、究極のウェアラブルである、布状、つまり衣類のような形状のものが望まれている。そのようなセンサーとして、圧電性繊維の圧電効果を用いた圧電素子が知られている。例えば、特許文献1には、2本の導電性繊維および1本の圧電性繊維を含み、これらが互いに接点を有しつつ、略同一平面上に配置されている圧電単位を含む圧電素子が開示されている。また、特許文献2には、圧電高分子からなる繊維状物、または成形物であり、これの軸方向に付加される張力によって圧電性を発生させるために、かかる張力の付加方向と異なる方向に捩りを加えて構成したことを特徴とする圧電材が開示されている。
ウェアラブルセンサーを装着する目的として、対象物のセンサー装着箇所の動きをデータ化すること、歪みや曲がりなどの変形を検出すること、等がある。例えば、特許文献3には、人体に装着されることを想定した曲げ変形センサーが開示されており、また、特許文献4には、手袋状の歪みセンサーが開示されている。
これらウェアラブルセンサーは、センサーを装着したときに対象物の状態や動きを阻害せず、できる限り自然な状態をデータ化できることが望まれる。より自然な状態に近いデータをとるためには、動きの阻害原因となりうるセンサー部分をできる限り小さくすることが望まれ、例えば特許文献5には、紐状の圧電センサーが開示されている。
特許文献1の圧電性繊維は、様々な用途に適用可能な優れた素材であるが、比較的小さな変形で生じる応力に対して大きい電気信号を出力できるとは必ずしもいえず、大きな電気信号を得る技術についても明示していない。また、特許文献1の圧電性繊維は、布帛にしてはじめてその効果を発揮するものであり、センサーの微調整やデータを取得したい環境や条件によって布帛の構造を設計しなおし、織り工程まで遡って布を作り直す必要があり、実用性の面で課題があった。
特許文献2の圧電性繊維は、特殊な製造方法で圧電性繊維をあらかじめ捩じらせておくことにより、圧電性繊維への引張や圧縮に対して電気信号を出力できる。しかし、特許文献2には、圧電性繊維を曲げたり伸ばしたりする屈曲や、圧電性繊維の表面を擦る行為によるせん断応力に対して十分な電気信号を発生させる技術は開示されていない。したがって、このような圧電性繊維を用いた場合、表面を擦るような比較的小さい変形で生じる応力だけで十分な電気信号を取り出すことは困難である。
特許文献3、4の歪みセンサーは、確かに無機の圧電素子を使ったセンサーに比べて柔軟性があり、人体に装着した際の違和感が軽減されているが、例えば、特許文献3はフィルム状のセンサーであるため、ウェアラブルセンサーとしては繊維状のセンサーに比べると違和感があり、小さい面積の箇所の測定に使うには工夫が必要である。また、特許文献4の手袋型センサーは、伸縮を伴う動きをディテクトするため、適度に対象物にフィットする手袋である必要があり、センサーのサイズや形状、貼り付ける位置などには工夫が必要である。
特許文献5には、生体情報検出装置として紐状の圧電センサーが開示されているが、首からかけるストラップのような形態を想定しており、動きや歪み、曲がりなどの状態を検出するセンサーとして使用することについては認識が一切ない。
国際公開第2014/058077号 特許第3540208号公報 特許第4427665号公報 特開2014-25179号公報 特開2002−102186号公報
本発明の目的は、動きや風合いを制限せず、後からセンサー機能の追加が可能な繊維状の圧電素子デバイスを提供することになる。
本発明者らは、導電性繊維と圧電性繊維との組み合わせとして、芯となる導電性繊維の表面を組紐状の圧電性繊維で被覆した組紐状圧電素子が、対象物の動きや状態を阻害しないセンサーとして、また、対象物に後からセンサー機能を追加できる自由度の高いセンサーとして利用できることを発見し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
1.組紐状圧電素子が繊維状構造体に固定化されたセンサー。
2.組紐状圧電素子が繊維構造体に接着物質によって固定化された、上記1記載のセンサー。
3.組紐状圧電素子が繊維構造体に縫着によって固定化された、上記1記載のセンサー。
4.組紐状圧電素子が紐状構造体の一部となっている、上記1または2に記載のセンサー。
5.組紐状圧電素子が、導電性繊維で形成された芯部と、前記芯部を被覆するように組紐状の圧電性繊維で形成された鞘部と、を備え、前記圧電性繊維が主成分としてポリ乳酸を含み、前記導電性繊維に対する前記圧電性繊維の巻きつけ角度は15°以上、75°以下である、上記1〜4のいずれか1項に記載のセンサー。
6.圧電性繊維の総繊度は、前記導電性繊維の総繊度の1/2倍以上、20倍以下である、上記5記載のセンサー。
7.圧電性繊維の一本あたり繊度は、前記導電性繊維の総繊度の1/20倍以上、2倍以下である、上記5記載のセンサー。
本発明により、動きや風合いを制限せず、後からセンサー機能の追加が可能な繊維状の圧電素子デバイスを提供できる。
実施形態に係る組紐状圧電素子の構成例を示す模式図である。 実施形態に係る布帛状圧電素子の構成例を示す模式図である。 実施形態に係る圧電素子を備えるデバイスを示すブロック図である。 実施形態に係る布帛状圧電素子を備えるデバイスの構成例を示す模式図である。 実施形態に係る布帛状圧電素子を備えるデバイスの他の構成例を示す模式図である。 比較例に係る圧電繊維を含む織物の構成例を示す模式図である。
(組紐状圧電素子)
図1は実施形態に係る組紐状圧電素子の構成例を示す模式図である。
組紐状圧電素子1は、導電性繊維Bで形成された芯部3と、芯部3を被覆するように組紐状の圧電性繊維Aで形成された鞘部2と、を備えている。圧電性繊維Aは主成分としてポリ乳酸を含むことができる。導電性繊維Bに対する圧電性繊維Aの巻きつけ角度αは15°以上、75°以下である。
組紐状圧電素子1では、少なくとも一本の導電性繊維Bの外周面を多数の圧電性繊維Aが緻密に取り巻いている。特定の理論に束縛されるものではないが、組紐状圧電素子1に変形が生じると、多数の圧電性繊維Aそれぞれに変形による応力が生じ、それにより多数の圧電性繊維Aそれぞれに電場が生じ(圧電効果)、その結果、導電性繊維Bを取り巻く多数の圧電性繊維Aの電場を重畳した電圧変化が導電性繊維Bに生じるものと推測される。すなわち圧電性繊維Aの組紐状の鞘部2を用いない場合と比較して導電性繊維Bからの電気信号が増大する。それにより、組紐状圧電素子1では、比較的小さな変形で生じる応力によっても、大きな電気信号を取り出すことが可能となる。なお、導電性繊維Bは複数本であってもよい。
ここで、圧電性繊維Aは主成分としてポリ乳酸を含むことが好ましい。「主成分として」とは、圧電性繊維Aの成分のうち最も多い成分がポリ乳酸であるとの意味である。ポリ乳酸中の乳酸ユニットは90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがより好ましく、98モル%以上がさらに好ましい。
また、導電性繊維Bに対する圧電性繊維Aの巻きつけ角度αは15°以上、75°以下である。すなわち、導電性繊維B(芯部3)の中心軸CLの方向に対して、圧電性繊維Aの巻きつけ角度αは15°以上、75°以下である。ただし、本実施形態では、導電性繊維Bの中心軸CLは、圧電性繊維Aの組紐(鞘部2)の中心軸(以下、「組紐軸」ともいう。)と重なることから、圧電性繊維Aの組紐軸の方向に対して、圧電性繊維Aの巻きつけ角度αは15°以上、75°以下である、ということもできる。より大きな電気信号を取り出す観点からは、角度αは25°以上、65°以下であることが好ましく、35°以上、55°以下であることがより好ましく、40°以上、50°以下であることがさらに好ましい。角度αがこの角度範囲を外れると、圧電性繊維Aに生じる電界が著しく低下し、それにより導電性繊維Bで得られる電気信号が著しく低下してしまうからである。
なお、上記角度αについては、鞘部2を形成する圧電性繊維Aの主方向と導電性繊維Bの中心軸CLとのなす角ともいうことができ、圧電性繊維Aの一部が弛んでいたり、毛羽だっていてもよい。
ここで、圧電性繊維Aに生じる電界が著しく低下する理由は以下のとおりである。圧電性繊維Aはポリ乳酸を主成分とし、圧電性繊維Aの繊維軸の方向に一軸配向している。ここで、ポリ乳酸は、その配向方向(この場合には圧電性繊維Aの繊維軸の方向)に対してせん断応力が生じた場合に電界を生じるが、その配向方向に対して引張応力や圧縮応力が生じた場合に電界をあまり生じない。したがって、組紐軸の方向に平行に変形したときに圧電性繊維Aにせん断応力が生じるようにするためには、圧電性繊維A(ポリ乳酸)の配向方向が組紐軸に対して所定の角度範囲にあることがよいと推測される。
なお、組紐状圧電素子1では、本発明の目的を達成する限り、鞘部2では圧電性繊維A以外の他の繊維と組み合わせて混繊等を行ってもよいし、芯部3では導電性繊維B以外の他の繊維と組み合わせて混繊等を行ってもよい。
導電性繊維Bの芯部3と組紐状の圧電性繊維Aの鞘部2とで構成される組紐状圧電素子の長さは特に限定はない。例えば、その組紐状圧電素子は製造において連続的に製造され、その後に必要な長さに切断して利用してもよい。組紐状圧電素子の長さは1mm〜10m、好ましくは、5mm〜2m、より好ましくは1cm〜1mである。長さが短過ぎると繊維形状である利便性が失われ、また、長さが長過ぎると導電性繊維Bの抵抗値を考慮する必要が出てくるであろう。
(組紐状圧電素子の固定化法)
組紐状圧電素子の固定化法としては、対象物やその目的に合わせて任意の方法をとることができる。例えば、糊や接着材などの粘着物を使って貼り付ける方法や、磁石、熱、クリップなどによって固定化する方法、布帛状の対象物に対して、刺繍のように縫い付け又はかがる方法、また、紐状の対象物に対して、表面もしくは内部に組紐状圧電素子が位置するように撚ることで固定化する方法、対象物に組紐を這わせて対象物と組紐を一緒にパッキングする方法などが挙げられるが、この限りではない。また、組紐状圧電素子は直線になるように固定化する必要はなく、対象物や目的に合わせて曲線など任意に固定できる。
以下、各構成について詳細に説明する。
(導電性繊維)
導電性繊維Bとしては、導電性を示すものであればよく、公知のあらゆるものが用いられる。導電性繊維Bとしては、例えば、金属繊維、導電性高分子からなる繊維、炭素繊維、繊維状あるいは粒状の導電性フィラーを分散させた高分子からなる繊維、あるいは繊維状物の表面に導電性を有する層を設けた繊維が挙げられる。繊維状物の表面に導電性を有する層を設ける方法としては、金属コート、導電性高分子コート、導電性繊維の巻付けなどが挙げられる。なかでも金属コートが導電性、耐久性、柔軟性などの観点から好ましい。金属をコートする具体的な方法としては、蒸着、スパッタ、電解メッキ、無電解メッキなどが挙げられるが生産性などの観点からメッキが好ましい。このような金属をメッキされた繊維は金属メッキ繊維ということができる。
金属をコートされるベースの繊維として、導電性の有無によらず公知の繊維を用いることができ、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ポリスルホン繊維、ポリエーテル繊維、ポリウレタン繊維等の合成繊維の他、綿、麻、絹等の天然繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維を用いることができる。ベースの繊維はこれらに限定されるものではなく、公知の繊維を任意に用いることができ、これらの繊維を組み合わせて用いてもよい。
ベースの繊維にコートされる金属は導電性を示し、本発明の効果を奏する限り、いずれを用いてもよい。例えば、金、銀、白金、銅、ニッケル、スズ、亜鉛、パラジウム、酸化インジウム錫、硫化銅など、およびこれらの混合物や合金などを用いることができる。
導電性繊維Bに屈曲耐性のある金属コートした有機繊維を使用すると、導電性繊維が折れることが非常に少なく、圧電素子を用いたセンサーとしての耐久性や安全性に優れる。
導電性繊維Bはフィラメントを複数本束ねたマルチフィラメントであっても、また、フィラメント一本からなるモノフィラメントであってもよい。マルチフィラメントの方が電気特性の長尺安定性の観点で好ましい。モノフィラメント(紡績糸を含む)の場合、その単糸径は1μm〜5000μmであり、好ましくは2μm〜100μmである。さらに好ましくは3μm〜50μmである。マルチフィラメントの場合、フィラメント数としては、1本〜100000本が好ましく、より好ましくは5本〜500本、さらに好ましくは10本〜100本である。ただし、導電性繊維Bの繊度・本数とは、組紐を作製する際に用いる芯部3の繊度・本数であり、複数本の単糸(モノフィラメント)で形成されるマルチフィラメントも一本の導電性繊維Bと数えるものとする。ここで芯部3とは、導電性繊維以外の繊維を用いた場合であっても、それを含めた全体の量とする。
繊維の直径が小さいと強度が低下しハンドリングが困難となり、また、直径が大きい場合にはフレキシブル性が犠牲になる。導電性繊維Bの断面形状としては円または楕円であることが、圧電素子の設計および製造の観点で好ましいが、これに限定されない。
また、圧電性高分子からの電気出力を効率よく取り出すため、電気抵抗は低いことが好ましく、体積抵抗率としては10−1Ω・cm以下であることが好ましく、より好ましくは10−2Ω・cm以下、さらに好ましくは10−3Ω・cm以下である。ただし、電気信号の検出で十分な強度が得られるのであれば導電性繊維Bの抵抗率はこの限りではない。
導電性繊維Bは、本発明の用途から、繰り返しの曲げやねじりといった動きに対して耐性がなければならない。その指標としては、結節強さが、より大きいものが好まれる。結節強さはJIS L1013 8.6の方法で測定することができる。本発明に適当な結節強さの程度としては、0.5cN/dtex以上であることが好ましく、1.0cN/dtex以上であることがより好ましく、1.5cN/dtex以上であることがさらに好ましく、2.0cN/dtex以上であることが最も好ましい。また、別の指標としては、曲げ剛性が、より小さいものが好まれる。曲げ剛性は、カトーテック(株)製KES―FB2純曲げ試験機などの測定装置で測定されるのが一般的である。本発明に適当な曲げ剛性の程度としては、東邦テナックス(株)製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)HTS40−3Kよりも小さいほうが好ましい。具体的には、導電性繊維の曲げ剛性が0.05×10−4N・m/m以下であることが好ましく、0.02×10−4N・m/m以下であることがより好ましく、0.01×10−4N・m/m以下であることがさらに好ましい。
(圧電性繊維)
圧電性繊維Aの材料である圧電性高分子としてはポリフッ化ビニリデンやポリ乳酸のような圧電性を示す高分子を利用できるが、本実施形態では上記のように圧電性繊維Aは主成分としてポリ乳酸を含むことが好適である。ポリ乳酸は、例えば溶融紡糸後に延伸によって容易に配向して圧電性を示し、ポリフッ化ビニリデンなどで必要となる電界配向処理が不要な点で生産性に優れている。しかしこのことは、本発明を実施するに際してポリフッ化ビニリデンその他の圧電性材料の使用を排除することを意図するものではない。
ポリ乳酸としては、その結晶構造によって、L−乳酸、L−ラクチドを重合してなるポリ−L−乳酸、D−乳酸、D−ラクチドを重合してなるポリ−D−乳酸、さらに、それらのハイブリッド構造からなるステレオコンプレックスポリ乳酸などがあるが、圧電性を示すものであればいずれも利用できる。圧電率の高さの観点で好ましくは、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸である。ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸はそれぞれ、同じ応力に対して分極が逆になるために、目的に応じてこれらを組み合わせて使用することも可能である。
ポリ乳酸の光学純度は99%以上であることが好ましく、99.3%以上であることがより好ましく、99.5%以上であることがさらに好ましい。光学純度が99%未満であると著しく圧電率が低下する場合があり、圧電性繊維Aの形状変化よって十分な電気信号を得ることが難しくなる場合がある。特に、圧電性繊維Aは、主成分としてポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸を含み、これらの光学純度が99%以上であることが好ましい。
ポリ乳酸を主成分とする圧電性繊維Aは、製造時に延伸されて、その繊維軸方向に一軸配向している。さらに、圧電性繊維Aは、その繊維軸方向に一軸配向しているだけでなく、ポリ乳酸の結晶を含むものであることが好ましく、一軸配向したポリ乳酸の結晶を含むものであることがより好ましい。なぜなら、ポリ乳酸はその結晶性が高いことおよび一軸配向していることでより大きな圧電性を示すためである。
結晶性および一軸配向性はホモPLA結晶化度Xhomo(%)および結晶配向度Ao(%)で求められる。本発明の圧電性繊維Aとしては、ホモPLA結晶化度Xhomo(%)および結晶配向度Ao(%)が下記式(1)を満たすことが好ましい。
homo×Ao×Ao÷10≧0.26 (1)
上記式(1)を満たさない場合、結晶性および/または一軸配向性が十分でなく、動作に対する電気信号の出力値が低下したり、特定方向の動作に対する信号の感度が低下したりするおそれがある。上記式(1)の左辺の値は、0.28以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましい。ここで、各々の値は下記に従って求める。
ホモポリ乳酸結晶化度Xhomo
ホモポリ乳酸結晶化度Xhomoについては、広角X線回折分析(WAXD)による結晶構造解析から求める。広角X線回折分析(WAXD)では、リガク製ultrax18型X線回折装置を用いて透過法により、以下条件でサンプルのX線回折図形をイメージングプレートに記録する。
X線源: Cu−Kα線(コンフォーカル ミラー)
出力: 45kV×60mA
スリット: 1st:1mmΦ,2nd:0.8mmΦ
カメラ長: 120mm
積算時間: 10分
サンプル: 35mgのポリ乳酸繊維を引き揃え3cmの繊維束とする。
得られるX線回折図形において方位角にわたって全散乱強度Itotalを求め、ここで2θ=16.5°,18.5°,24.3°付近に現れるホモポリ乳酸結晶に由来する各回折ピークの積分強度の総和ΣIHMiを求める。これらの値から下式(2)に従い、ホモポリ乳酸結晶化度Xhomoを求める。
ホモポリ乳酸結晶化度Xhomo(%)=ΣIHMi/Itotal×100 (2)
なお、ΣIHMiは、全散乱強度においてバックグランドや非晶による散漫散乱を差し引くことによって算出する。
(2)結晶配向度Ao:
結晶配向度Aoについては、上記の広角X線回折分析(WAXD)により得られるX線回折図形において、動径方向の2θ=16.5°付近に現れるホモポリ乳酸結晶に由来する回折ピークについて、方位角(°)に対する強度分布をとり、得られた分布プロファイルの半値幅の総計ΣWi(°)から次式(3)より算出する。
結晶配向度Ao(%)=(360−ΣW)÷360×100 (3)
なお、ポリ乳酸は加水分解が比較的速いポリエステルであるから、耐湿熱性が問題となる場合においては、公知の、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物などの加水分解防止剤を添加してもよい。また、必要に応じてリン酸系化合物などの酸化防止剤、可塑剤、光劣化防止剤などを添加して物性改良してもよい。
また、ポリ乳酸は他のポリマーとのアロイとして用いてもよいが、ポリ乳酸を主たる圧電性高分子として用いるならば、アロイの全質量を基準として少なくとも50質量%以上でポリ乳酸を含有していることが好ましく、さらに好ましくは70質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
アロイとする場合のポリ乳酸以外のポリマーとしては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート共重合体、ポリメタクリレート等が好適な例として挙げられるが、これらに限定されるものではなく、本発明で目的とする圧電性を奏する限り、どのようなポリマーを用いてもよい。
圧電性繊維Aはフィラメントを複数本束ねたマルチフィラメントであっても、また、フィラメント一本からなるモノフィラメントであってもよい。モノフィラメント(紡績糸を含む)の場合、その単糸径は1μm〜5mmであり、好ましくは5μm〜2mm、さらに好ましくは10μm〜1mmである。マルチフィラメントの場合、その単糸径は0.1μm〜5mmであり、好ましくは2μm〜100μm、さらに好ましくは3μm〜50μmである。マルチフィラメントのフィラメント数としては、1本〜100000本が好ましく、より好ましくは50本〜50000本、さらに好ましくは100本〜20000本である。ただし、圧電性繊維Aの繊度や本数については、組紐を作製する際のキャリア1つあたりの繊度、本数であり、複数本の単糸(モノフィラメント)で形成されるマルチフィラメントも一本の圧電性繊維Aと数えるものとする。ここで、キャリア1つの中に、圧電性繊維以外の繊維を用いた場合であっても、それを含めた全体の量とする。
このような圧電性高分子を圧電性繊維Aとするためには、高分子から繊維化するための公知の手法を、本発明の効果を奏する限りいずれも採用することができる。例えば、圧電性高分子を押し出し成型して繊維化する手法、圧電性高分子を溶融紡糸して繊維化する手法、圧電性高分子を乾式あるいは湿式紡糸により繊維化する手法、圧電性高分子を静電紡糸により繊維化する手法、フィルムを形成した後に細くカットする手法、などを採用することができる。これらの紡糸条件は、採用する圧電性高分子に応じて公知の手法を適用すればよく、通常は工業的に生産の容易な溶融紡糸法を採用すればよい。さらに、繊維を形成後には形成された繊維を延伸する。それにより一軸延伸配向しかつ結晶を含む大きな圧電性を示す圧電性繊維Aが形成される。
また、圧電性繊維Aは、上記のように作製されたものを組紐とする前に、染色、撚糸、合糸、熱処理などの処理をすることができる。
さらに、圧電性繊維Aは、組紐を形成する際に繊維同士が擦れて断糸したり、毛羽が出たりする場合があるため、その強度と耐摩耗性は高い方が好ましく、強度は1.5cN/dtex以上であることが好ましく、2.0cN/dtex以上であることがより好ましく、2.5cN/dtex以上であることがさらに好ましく、3.0cN/dtex以上であることが最も好ましい。耐摩耗性は、JIS L1095 9.10.2 B法などで評価することができ、摩擦回数は100回以上が好ましく、1000回以上であることがより好ましく、5000回以上であることがさらに好ましく、10000回以上であることが最も好ましい。耐摩耗性を向上させるための方法は特に限定されるものではなく、公知のあらゆる方法を用いることができ、例えば、結晶化度を向上させたり、微粒子を添加したり、表面加工したりすることができる。また、組紐に加工する際に、繊維に潤滑剤を塗布して摩擦を低減させることもできる。
また、圧電性繊維の収縮率は、前述した導電性繊維の収縮率との差が小さいことが好ましい。収縮率差が大きいと、組紐作製後や布帛作製後の後処理工程や実使用時に熱がかかった時や経時変化により組紐が曲がったり、布帛の平坦性が悪くなったり、圧電信号が弱くなってしまう場合がある。収縮率を後述の沸水収縮率で定量化した場合、圧電性繊維の沸水収縮率S(p)および導電性繊維の沸水収縮率S(c)が下記式(4)を満たすことが好適である。
|S(p)−S(c)|≦10 (4)
上記式(4)の左辺は5以下であることがより好ましく、3以下であればさらに好ましい。
また、圧電性繊維の収縮率は、導電性繊維以外の繊維、例えば絶縁性繊維の収縮率との差も小さいことが好ましい。収縮率差が大きいと、組紐作製後や布帛作製後の後処理工程や実使用時に熱がかかった時や経時変化により組紐が曲がったり、布帛の平坦性が悪くなったり、圧電信号が弱くなってしまう場合がある。収縮率を沸水収縮率で定量化した場合、圧電性繊維の沸水収縮率S(p)および絶縁性繊維の沸水収縮率S(i)が下記式(5)を満たすことが好適である。
|S(p)−S(i)|≦10 (5)
上記式(5)の左辺は5以下であることがより好ましく、3以下であればさらに好ましい。
また、圧電性繊維の収縮率は小さい方が好ましい。例えば収縮率を沸水収縮率で定量化した場合、圧電性繊維の収縮率は15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下、最も好ましくは3%以下である。収縮率を下げる手段としては、公知のあらゆる方法を適用することができ、例えば、熱処理により非晶部の配向緩和や結晶化度を上げることにより収縮率を低減することができ、熱処理を実施するタイミングは特に限定されず、延伸後、撚糸後、組紐化後、布帛化後などが挙げられる。なお、上述の沸水収縮率は以下の方法で測定するものとする。枠周1.125mの検尺機で捲数20回のカセを作り、0.022cN/dtexの荷重を掛けて、スケール板に吊るして初期のカセ長L0を測定した。その後、このカセを100℃の沸騰水浴中で30分間処理後、放冷し再び上記荷重を掛けてスケール板に吊るし収縮後のカセ長長Lを測定した。測定されたL0およびLを用いて下記式(6)により沸水収縮率を計算する。
沸水収縮率=(L0−L)/L0×100(%) (6)
(被覆)
導電性繊維B、すなわち芯部3は、圧電性繊維A、すなわち組紐状の鞘部2で表面が被覆されている。導電性繊維Bを被覆する鞘部2の厚みは1μm〜10mmであることが好ましく、5μm〜5mmであることがより好ましく、10μm〜3mmであることがさらに好ましい、20μm〜1mmであることが最も好ましい。薄すぎると強度の点で問題となる場合があり、また、厚すぎると組紐状圧電素子1が硬くなり変形し難くなる場合がある。なお、ここで言う鞘部2とは芯部3に隣接する層のことを指す。
組紐状圧電素子1において、鞘部2の圧電性繊維Aの総繊度は、芯部3の導電性繊維Bの総繊度の1/2倍以上、20倍以下であることが好ましく、1倍以上、15倍以下であることがより好ましく、2倍以上、10倍以下であることがさらに好ましい。圧電性繊維Aの総繊度が導電性繊維Bの総繊度に対して小さ過ぎると、導電性繊維Bを囲む圧電性繊維Aが少な過ぎて導電性繊維Bが十分な電気信号を出力できず、さらに導電性繊維Bが近接する他の導電性繊維に接触するおそれがある。圧電性繊維Aの総繊度が導電性繊維Bの総繊度に対して大き過ぎると、導電性繊維Bを囲む圧電性繊維Aが多過ぎて組紐状圧電素子1が硬くなり変形し難くなる。すなわち、いずれの場合にも組紐状圧電素子1がセンサーとして十分に機能しなくなる。
ここでいう総繊度とは、鞘部2を構成する圧電性繊維A全ての繊度の和であり、例えば、一般的な8打組紐の場合には、8本の繊維の繊度の総和となる。
また、組紐状圧電素子1において、鞘部2の圧電性繊維Aの一本あたりの繊度は、導電性繊維Bの総繊度の1/20倍以上、2倍以下であることが好ましく、1/15倍以上、1.5倍以下であることがより好ましく、1/10倍以上、1倍以下であることがさらに好ましい。圧電性繊維A一本あたりの繊度が導電性繊維Bの総繊度に対して小さ過ぎると、圧電性繊維Aが少な過ぎて導電性繊維Bが十分な電気信号を出力できず、さらに圧電性繊維Aが切断するおそれがある。圧電性繊維A一本あたりの繊度が導電性繊維Bの総繊度に対して大き過ぎると、圧電性繊維Aが太過ぎて組紐状圧電素子1が硬くなり変形し難くなる。すなわち、いずれの場合にも組紐状圧電素子1がセンサーとして十分に機能しなくなる。
なお、導電性繊維Bに金属繊維を用いた場合や、金属繊維を導電性繊維Aあるいは圧電性繊維Bに混繊した場合は、繊度の比率は上記の限りではない。本発明において、上記比率は、接触面積や被覆率、すなわち、面積および体積の観点で重要であるからである。例えば、それぞれの繊維の比重が2を超えるような場合には、繊維の平均断面積の比率が上記繊度の比率であることが好ましい。
圧電性繊維Aと導電性繊維Bとはできるだけ密着していることが好ましいが、密着性を改良するために、導電性繊維Bと圧電性繊維Aとの間にアンカー層や接着層などを設けてもよい。
被覆の方法は導電性繊維Bを芯糸として、その周りに圧電性繊維Aを組紐状に巻きつける方法が取られる。一方、圧電性繊維Aの組紐の形状は、印加された荷重で生じる応力に対して電気信号を出力することが出来れば特に限定されるものではないが、芯部3を有する8打組紐や16打組紐が好ましい。
導電性繊維Bと圧電性繊維Aの形状としては特に限定されるものではないが、できるだけ同心円状に近いことが、好ましい。なお、導電性繊維Bとしてマルチフィラメントを用いる場合、圧電性繊維Aは、導電性繊維Bのマルチフィラメントの表面(繊維周面)の少なくとも一部が接触しているように被覆していればよく、マルチフィラメントを構成するすべてのフィラメント表面(繊維周面)に圧電性繊維Aが被覆していてもよいし、被覆していなくともよい。導電性繊維Bのマルチフィラメントを構成する内部の各フィラメントへの圧電性繊維Aの被覆状態は、圧電性素子としての性能、取扱い性等を考慮して、適宜設定すればよい。
本発明の組紐状圧電素子1は、その表面に電極を存在させる必要が無いため、組紐状圧電素子1自体をさらに被覆する必要がなく、また、誤動作しにくいという利点がある。
(製造方法)
本発明の組紐状圧電素子1は少なくとも1本の導電性繊維Bの表面を組紐状の圧電性繊維Aで被覆しているが、その製造方法としては例えば以下の方法が挙げられる。すなわち、導電性繊維Bと圧電性繊維Aを別々の工程で作製し、導電性繊維Bに圧電性繊維Aを組紐状に巻きつけて被覆する方法である。この場合には、できるだけ同心円状に近くなるように被覆することが好ましい。
この場合、圧電性繊維Aを形成する圧電性高分子としてポリ乳酸を用いる場合の好ましい紡糸、延伸条件として、溶融紡糸温度は150℃〜250℃が好ましく、延伸温度は40℃〜150℃が好ましく、延伸倍率は1.1倍から5.0倍が好ましく、結晶化温度は80℃〜170℃が好ましい。
導電性繊維Bに巻きつける圧電性繊維Aとしては、複数のフィラメントを束ねたマルチフィラメントを用いてもよく、また、モノフィラメント(紡績糸を含む)を用いても良い。また、圧電性繊維Aを巻きつけられる導電性繊維Bとしては、複数のフィラメントを束ねたマルチフィラメントを用いてもよく、また、モノフィラメント(紡績糸を含む)を用いても良い。
被覆の好ましい形態としては、導電性繊維Bを芯糸とし、その周囲に圧電性繊維Aを組紐状に製紐して、丸打組物(Tubular Braid)を作製することで被覆することができる。より具体的には芯部3を有する8打組紐や16打組紐が挙げられる。ただし、例えば、圧電性繊維Aを編組チューブのような形態とし、導電性繊維Bを芯として当該編組チューブに挿入することで被覆してもよい。
以上のような製造方法により、導電性繊維Bの表面を組紐状の圧電性繊維Aで被覆した組紐状圧電素子1を得ることができる。
本発明の組紐状圧電素子1は、表面に電気信号を検出するための電極の形成を必要としないため、比較的簡単に製造することができる。
(保護層)
本発明の組紐状圧電素子1の最表面には保護層を設けてもよい。この保護層は絶縁性であることが好ましく、フレキシブル性などの観点から高分子からなるものがより好ましい。保護層に絶縁性を持たせる場合には、もちろん、この場合には保護層ごと変形させたり、保護層上を擦ったりすることになるが、これらの外力が圧電性繊維Aまで到達し、その分極を誘起できるものであれば特に限定はない。保護層としては、高分子などのコーティングによって形成されるものに限定されず、フィルム、布帛、繊維などを巻付けてもよく、あるいは、それらが組み合わされたものであってもよい。
保護層の厚みとしては出来るだけ薄い方が、せん断応力を圧電性繊維Aに伝えやすいが、薄すぎると保護層自体が破壊される等の問題が発生しやすくなるため、好ましくは10nm〜200μm、より好ましくは50nm〜50μm、さらに好ましくは70nm〜30μm、最も好ましくは100nm〜10μmである。この保護層により圧電素子の形状を形成することもできる。
また、ノイズ低減を目的として電磁波シールド層を組紐構造に取り入れることも可能である。電磁波シールド層は特に限定されるものではないが、導電性の物質をコーティングしてもよいし、導電性を有するフィルム、布帛、繊維などを巻付けてもよい。電磁波シールド層の体積抵抗率としては10−1Ω・cm以下であることが好ましく、より好ましくは10−2Ω・cm以下、さらに好ましくは10−3Ω・cm以下である。ただし、電磁波シールド層の効果が得られるのであれば抵抗率はこの限りではない。この電磁波シールド層は、鞘の圧電性繊維Aの表面に設けてもよく、前述の保護層の外側に設けてもよい。もちろん、電磁波シールド層と保護層が複数層積層されていてもよく、その順番も目的に応じて適宜決められる。
さらには、圧電性繊維からなる層を複数層設けたり、信号を取り出すための導電性繊維からなる層を複数層設けたりすることもできる。もちろん、これらの保護層、電磁波シールド層、圧電性繊維からなる層、導電性繊維からなる層は、その目的に応じて、その順番および層数は適宜決められる。なお、巻付ける方法としては、鞘部2のさらに外層に組紐構造を形成したり、カバーリングしたりする方法が挙げられる。
(作用)
本発明の組紐状圧電素子1は、例えば組紐状圧電素子1の表面を擦るなどで、組紐状圧電素子1に荷重が印加されて生じる応力、すなわち組紐状圧電素子1に印加される応力について、その大きさおよび/又は印加位置を検出するセンサーとして利用することができる。また、本発明の組紐状圧電素子1は、擦る以外の押圧力や曲げ変形などによっても圧電性繊維Aにせん断応力が与えられるならば、電気信号を取り出すことはもちろん可能である。例えば、組紐状圧電素子1に「印加される応力」としては、圧電素子の表面、すなわち圧電性繊維Aの表面と指のような被接触物の表面との間の摩擦力や、圧電性繊維Aの表面または先端部に対する垂直方向の抵抗力、圧電性繊維Aの曲げ変形に対する抵抗力などが挙げられる。特に、本発明の組紐状圧電素子1は、導電性繊維Bに対して平行方向に屈曲させた場合や擦った場合に大きな電気信号を効率的に出力することができる。
ここで、組紐状圧電素子1に「印加された応力」とは、例えば表面を指で擦る程度の大きさの応力の場合、その目安としては、おおよそ1〜1000Paである。もちろん、これ以上であっても印加された応力の大きさおよびその印加位置を検出することが可能であることはいうまでもない。指などで入力する場合には、1Pa以上500Pa以下の荷重であっても動作することが好ましく、さらに好ましくは1Pa以上100Pa以下の荷重で動作することが好ましい。もちろん、500Paを超える荷重であっても動作することは、上述の通りである。
(布帛状圧電素子)
図2は実施形態に係る組紐状圧電素子を用いた布帛状圧電素子の構成例を示す模式図である。
布帛状圧電素子5は、少なくとも1本の組紐状圧電素子1を含む布帛6を備えている。布帛6は、布帛を構成する繊維(組紐を含む)の少なくとも1本が組紐状圧電素子1であり、組紐状圧電素子1が圧電素子としての機能を発揮可能である限り何らの限定は無く、どのような織編物であってもよい。布状にするにあたっては、本発明の目的を達成する限り、他の繊維(組紐を含む)と組み合わせて、交織、交編等を行ってもよい。もちろん、組紐状圧電素子1を、布帛を構成する繊維(例えば、経糸や緯糸)の一部として用いてもよいし、組紐状圧電素子1を布帛に刺繍してもよいし、接着してもよい。図2に示す例では、布帛状圧電素子5は、経糸として、少なくとも1本の組紐状圧電素子1および絶縁性繊維7を配し、緯糸として導電性繊維8および絶縁性繊維7を交互に配した平織物である。導電性繊維8は導電性繊維Bと同一種であっても異種の導電性繊維であってもよく、また絶縁性繊維7については後述される。なお、絶縁性繊維7及び/又は導電性繊維8の全部又は一部が組紐形態であってもよい。
この場合、布帛状圧電素子5が曲げられるなどして変形したとき、その変形に伴い組紐状圧電素子1も変形するので、組紐状圧電素子1から出力される電気信号により、布帛状圧電素子5の変形を検出できる。そして、布帛状圧電素子5は、布帛(織編物)として用いることができるので、例えば衣類形状のウェアラブルセンサーに適用することができる。
また、図2に示す布帛状圧電素子5では、組紐状圧電素子1に導電性繊維8が交差して接触している。したがって、導電性繊維8は、組紐状圧電素子1の少なくとも一部と交差して接触し、それを覆っており、外部から組紐状圧電素子1へ向かおうとする電磁波の少なくとも一部を遮っている、と見ることができる。このような導電性繊維8は、接地(アース)されることにより、組紐状圧電素子1への電磁波の影響を軽減する機能を有している。すなわち導電性繊維8は組紐状圧電素子1の電磁波シールドとして機能することができる。それにより、例えば布帛状圧電素子5の上下に電磁波シールド用の導電性の布帛を重ねなくても、布帛状圧電素子5のS/N比を著しく向上させることができる。この場合、電磁波シールドの観点から組紐状圧電素子1と交差する緯糸(図2の場合)における導電性繊維8の割合が高いほど好ましい。具体的には、布帛6を形成する繊維であり且つ組紐状圧電素子1と交差する繊維のうちの30%以上が導電性繊維であることが好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましい。このように布帛状圧電素子5において、布帛を構成する繊維の少なくとも一部として導電性繊維を入れることで、電磁波シールド付の布帛状圧電素子5とすることができる。
織物の織組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。編物の種類は、丸編物(緯編物)であってもよいし経編物であってもよい。丸編物(緯編物)の組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示される。経編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。更には、カットパイルおよび/またはループパイルからなる立毛部と地組織部とで構成される立毛織物、立毛編み物であってもよい。
(複数の圧電素子)
また、布帛状圧電素子5では、組紐状圧電素子1を複数並べて用いることも可能である。並べ方としては、例えば経糸または緯糸としてすべてに組紐状圧電素子1を用いてもよいし、数本ごとや一部分に組紐状圧電素子1を用いてもよい。また、ある部分では経糸として組紐状圧電素子1を用い、他の部分では緯糸として組紐状圧電素子1を用いてもよい。
このように組紐状圧電素子1を複数本並べて布帛状圧電素子5を形成するときには、組紐状圧電素子1は表面に電極を有さないため、その並べ方、編み方が広範に選択することができるという利点がある。
また、組紐状圧電素子1を複数並べて用いる場合、導電性繊維B間の距離が短いため電気信号の取り出しにおいて効率的である。
(絶縁性繊維)
布帛状圧電素子5では、組紐状圧電素子1(及び導電性繊維8)以外の部分には、絶縁性繊維を使用することができる。この際、絶縁性繊維は布帛状圧電素子5の柔軟性を向上する目的で伸縮性のある素材、形状を有する繊維を用いることができる。
このように組紐状圧電素子1(及び導電性繊維8)以外にこのように絶縁性繊維を配置することで、布帛状圧電素子5の操作性(例示:ウェアラブルセンサーとしての動き易さ)を向上させることが可能である。
このような絶縁性繊維としては、体積抵抗率が10Ω・cm以上であれば用いることができ、より好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1010Ω・cm以上がよい。
絶縁性繊維として例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ポリスルホン繊維、ポリエーテル繊維、ポリウレタン繊維等の合成繊維他、綿、麻、絹等の天然繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン、キュプラ等の再生繊維を用いることができる。これらに限定されるものではなく、公知の絶縁性繊維を任意に用いることができる。さらに、これらの絶縁性繊維を組み合わせて用いてもよく、絶縁性を有しない繊維と組み合わせ、全体として絶縁性を有する繊維としてもよい。
また、公知のあらゆる断面形状の繊維も用いることができる。
(圧電素子の適用技術)
本発明の組紐状圧電素子1や布帛状圧電素子5のような圧電素子はいずれの様態であっても、表面への接触、圧力、形状変化を電気信号として出力することができるので、その圧電素子に印加された応力の大きさおよび/又は印加された位置を検出するセンサー(デバイス)として利用することができる。また、この電気信号を他のデバイスを動かすための電力源あるいは蓄電するなど、発電素子として用いることもできる。具体的には、人、動物、ロボット、機械など自発的に動くものの可動部に用いることによる発電、靴底、敷物、外部から圧力を受ける構造物の表面での発電、流体中での形状変化による発電、などが挙げられる。また、流体中での形状変化により電気信号を発するために、流体中の帯電性物質を吸着させたり付着を抑制させたりすることも可能である。
図3は、本発明の圧電素子11を備えるデバイス10を示すブロック図である。デバイス10は、圧電素子11(例示:組紐状圧電素子1、布帛状圧電素子5)と、印加された圧力に応じて圧電素子11から出力される電気信号を増幅する増幅手段12と、増幅手段12で増幅された電気信号を出力する出力手段13と、出力手段13から出力された電気信号を外部機器(図示せず)へ送信する送信手段14とを備える。このデバイス10を用いれば、圧電素子11の表面への接触、圧力、形状変化により出力された電気信号に基づき、外部機器(図示せず)における演算処理にて、圧電素子に印加された応力の大きさおよび/又は印加された位置を検出することができる。あるいは、デバイス10内に、出力手段13から出力された電気信号に基づき圧電素子11に印加された応力の大きさおよび/又は印加された位置を演算する演算手段(図示せず)を設けてもよい。なお、送信手段14による送信方式を無線によるもの有線によるものにするかは、構成するセンサーに応じて適宜決定すればよい。
また、増幅手段だけではなく、ノイズを除去する手段や他の信号と組み合わせて処理する手段などの公知の信号処理手段を組み合わせて用いることができる。これらの手段の接続の順序は目的に応じて適宜変えることができる。もちろん、圧電素子11から出力される電気信号をそのまま外部機器へ送信した後で信号処理してもよい。
図4および図5は、実施の形態に係る組紐布帛状圧電素子を備えるデバイスの構成例を示す模式図である。図4および図5の増幅手段12は、図3を参照して説明したものに相当するが、図3の出力手段13および送信手段14については図4および図5では図示を省略している。布帛状圧電素子5を備えるデバイスを構成する場合、増幅手段12の入力端子に組紐状圧電素子1の芯部3からの引出し線を接続し、接地(アース)端子には、増幅手段12の入力端子に接続した組紐状圧電素子1とは別の組紐状圧電素子または導電性繊維8を接続する。例えば、図4に示すように、布帛状圧電素子5において、組紐状圧電素子1の芯部3からの引出し線を増幅手段12の入力端子に接続し、組紐状圧電素子1に交差して接触した導電性繊維8を接地(アース)する。また例えば、図5に示すように、布帛状圧電素子5において組紐状圧電素子1を複数並べている場合、1本の組紐状圧電素子1の芯部3からの引出し線を増幅手段12の入力端子に接続し、当該組紐状圧電素子1に並んだ別の組紐状圧電素子1の芯部3からの引出し線を、接地(アース)する。
本発明のデバイス10は柔軟性があり、紐状および布帛状いずれの形態でも使用できるため、非常に広範な用途が考えられる。本発明のデバイス10の具体的な例としては、帽子や手袋、靴下などを含む着衣、サポーター、ハンカチ状などの形状をした、タッチパネル、人や動物の表面感圧センサー、例えば、手袋やバンド、サポーターなどの形状をした関節部の曲げ、捩じり、伸縮を感知するセンサーが挙げられる。例えば人に用いる場合には、接触や動きを検出し、医療用途などの関節などの動きの情報収集、アミューズメント用途、失われた組織やロボットを動かすためのインターフェースとして用いることができる。他には、動物や人型を模したぬいぐるみやロボットの表面感圧センサー、関節部の曲げ、捩じり、伸縮を感知するセンサーとして用いることができる。他には、シーツや枕などの寝具、靴底、手袋、椅子、敷物、袋、旗などの表面感圧センサーや形状変化センサーとして用いることができる。
さらに、本発明のデバイス10は組紐状あるいは布帛状であり、柔軟性があるので、あらゆる構造物の全体あるいは一部の表面に貼付あるいは被覆することにより表面感圧センサー、形状変化センサーとして用いることができる。
さらに、本発明のデバイス10は、組紐状圧電素子1の表面を擦るだけで十分な電気信号を発生することができるので、タッチセンサーのようなタッチ式入力装置やポインティングデバイスなどに用いることができる。また、組紐状圧電素子1で被計測物の表面を擦ることによって被計測物の高さ方向の位置情報や形状情報を得ることができるので、表面形状計測などに用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に記載するが本発明はこれによって何らの限定を受けるものではない。
圧電素子用の布帛は以下の方法で製造した。
(ポリ乳酸の製造)
実施例において用いたポリ乳酸は以下の方法で製造した。
L−ラクチド((株)武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100質量部に対し、オクチル酸スズを0.005質量部加え、窒素雰囲気下、撹拌翼のついた反応機にて180℃で2時間反応させ、オクチル酸スズに対し1.2倍当量のリン酸を添加しその後、13.3Paで残存するラクチドを減圧除去し、チップ化し、ポリ−L−乳酸(PLLA1)を得た。得られたPLLA1の質量平均分子量は15.2万、ガラス転移点(Tg)は55℃、融点は175℃であった。
(圧電性繊維)
240℃にて溶融させたPLLA1を24ホールのキャップから20g/minで吐出し、887m/minにて引き取った。この未延伸マルチフィラメント糸を80℃、2.3倍に延伸し、100℃で熱固定処理することにより84dTex/24フィラメントのマルチフィラメント一軸延伸糸を得た。
(導電性繊維)
ミツフジ(株)製の銀メッキナイロン、品名『AGposs』100d34fを導電性繊維Bとして使用した。この繊維の体積抵抗率は1.1×10−3Ω・cmであった。
(絶縁性繊維)
280℃にて溶融させたポリエチレンテレフタレートを24ホールのキャップから45g/minで吐出し、800m/minにて引き取った。この未延伸糸を80℃、2.5倍に延伸し、180℃で熱固定処理することによりすることにより84dTex/24フィラメントのマルチフィラメント延伸糸を得、これを絶縁性繊維とした。
(組紐状圧電素子)
実施例1の試料として、図1に示すように、上記の導電性繊維Bを芯糸とし、上記の圧電性繊維A8本を芯糸の周りに組紐状に巻きつけて、八打組紐とし、組紐状圧電素子1を形成した。ここで、導電性繊維Bの繊維軸CLに対する圧電性繊維Aの巻きつけ角度αは45°とした。
(組紐状圧電素子の固定)
実施例1の試料として、1本の組紐状圧電素子1を、10cm四方のポリエステル布帛(ポリエステル100%の綾組織織物)のほぼ中央部において、当該正方形の一辺に略平行に一端から他端まで、波縫いの要領で目のサイズ1cm程度の間隔で縫い付け、組紐状圧電素子固定サンプル10−1を用意した。
また、実施例2の試料として、長さ50mの1本の組紐状圧電素子1を1本と、長さ50mの59綿番手のポリエステル糸を9本用意し、それを5本と5本に分け、手で縄をなう要領で一緒にねじることで、組紐状圧電素子1を固定化したロープ状圧電素子固定サンプル10−2を用意した。
(製織)
実施例3の試料として、図2に示すように経糸に絶縁性繊維7および一本の組紐状圧電素子1(実施例1の試料と同じ)を配し、緯糸に絶縁性繊維7および導電性繊維8を交互に配して平織物を作製し、布帛状圧電素子5を作成した。この平織物から、組紐状圧電素子1を長手方向に含む幅3cm、長さ10cmの織物片を切りだし、この織物片を、10cm四方のポリエステル布帛(ポリエステル100%の綾組織織物)の片面側のほぼ中央部において、当該正方形の一辺に略平行にほぼ一端から他端まで糊で固定し、布帛状圧電素子固定サンプル10−3とした。
比較例1の試料として、図6に示すように絶縁性繊維Cを経糸に配し、絶縁性繊維C、圧電性繊維Aおよび導電性繊維Bを緯糸に配した平織物100を作製し、実施例2と同じ要領で、圧電性繊維Aを長手方向に含む幅3cm、長さ10cmの織物片を切りだし、上記と同種の10cm四方のポリエステル布帛に糊で固定し、布帛状圧電素子固定サンプル10−4を作成した。
(性能評価及び評価結果)
組紐状圧電素子固定サンプル10−1、布帛状圧電素子固定サンプル10−2、ロープ状圧電素子固定サンプル10−3、および平織物固定サンプル10−4の性能評価及び評価結果は以下のとおりである。
(実施例1)
組紐状圧電素子固定サンプル10−1中の導電性繊維Bを信号線としてオシロスコープ(横河電機(株)製デジタルオシロスコープDL6000シリーズ商品名『DL6000』)に配線を介して1000倍増幅回路を経由して接続した。組紐状圧電素子1を接地(アース)された金属金網で保護された電磁波シールドボックス内で90度折り曲げた。
その結果、組紐状圧電素子1からの出力として、オシロスコープにより約100mVの電位差が検出され、組紐状圧電素子固定サンプル10−1の変形により十分な大きさの電気信号を検出できることが確認された。
(実施例2)
ロープ状圧電素子固定サンプル10−2中の導電性繊維Bを信号線としてオシロスコープ(横河電機(株)製デジタルオシロスコープDL6000シリーズ商品名『DL6000』)に配線を介して1000倍増幅回路を経由して接続した。ロープ状圧電素子固定サンプル10−2を接地(アース)された金属金網で保護された電磁波シールドボックス内で90度折り曲げた。
その結果、ロープ状圧電素子固定サンプル10−2からの出力として、オシロスコープにより約100mVの電位差が検出され、ロープ状圧電素子固定サンプル10−2の変形により十分な大きさの電気信号を検出できることが確認された。
(実施例3)
布帛状圧電素子固定サンプル10−3の組紐状圧電素子1中の導電性繊維3を信号線としてオシロスコープ(横河電機(株)製デジタルオシロスコープDL6000シリーズ商品名『DL6000』)に配線を介して1000倍増幅回路を経由して接続した。また、布帛状圧電素子5の緯糸の導電性繊維8を接地(アース)線として接地した。この状態で、組紐状圧電素子1に対して垂直な方向に布帛状圧電素子固定サンプル10−3を90度折り曲げた。
その結果、布帛状圧電素子固定サンプル10−3の組紐状圧電素子1からの出力として、オシロスコープによりノイズのほとんどない電気信号が得られ、約100mVの電位差が検出された。以上の結果から、布帛状圧電素子固定サンプル10−3の変形により十分な大きさの電気信号を低ノイズで検出できることが確認された。
(比較例1)
平織物固定サンプル10−4中の導電性繊維Bを信号線としてオシロスコープ(横河電機(株)製デジタルオシロスコープDL6000シリーズ商品名『DL6000』)に配線を介して1000倍増幅回路を経由して接続した。
その結果、導電性繊維Bからの出力として、約30mVの電位差が検出されたが、S/Nの小さい信号であった。平織物固定サンプル10−4に組紐状圧電素子1が組み込まれていないためと考えられる。
A 圧電性繊維
B 導電性繊維
C 絶縁性繊維
1 組紐状圧電素子
2 鞘部
3 芯部
5 布帛状圧電素子
6 布帛
7 絶縁性繊維
8 導電性繊維
10 デバイス
11 圧電素子
12 増幅手段
13 出力手段
14 送信手段
CL 繊維軸
α 巻きつけ角度
100 平織物

Claims (7)

  1. 組紐状圧電素子が繊維状構造体に固定化されたセンサーであって、前記組紐状圧電素子は、導電性繊維で形成された芯部と、前記芯部を被覆するように組紐状の圧電性繊維で形成された鞘部とを備え、前記導電性繊維の曲げ剛性が0.05×10 -4 N・m 2 /m以下である、センサー
  2. 組紐状圧電素子が繊維構造体に接着物質によって固定化された、請求項1記載のセンサー。
  3. 組紐状圧電素子が繊維構造体に縫着によって固定化された、請求項1記載のセンサー。
  4. 組紐状圧電素子が紐状構造体の一部となっている、請求項1または2に記載のセンサー。
  5. 記圧電性繊維が主成分としてポリ乳酸を含み、前記導電性繊維に対する前記圧電性繊維の巻きつけ角度は15°以上、75°以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサー。
  6. 前記圧電性繊維の総繊度は、前記導電性繊維の総繊度の1/2倍以上、20倍以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のセンサー。
  7. 前記圧電性繊維の一本あたり繊度は、前記導電性繊維の総繊度の1/20倍以上、2倍以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサー。
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