以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図9を参照して、本発明の第1実施形態によるウォーターフェンス100の構成について説明する。
(ウォーターフェンスの構成)
図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態によるウォーターフェンス100は、建物への浸水を防いだり、工事現場などにおいて水を長時間せき止めたり、流れを有する河川などをせき止めたりするために用いられる。ウォーターフェンス100は、図1および図2に示すように、ウォーターフェンス本体部1と、設置力増強部材2とを備えている。ウォーターフェンス100は、X方向に延びるように形成されており、Y方向の水を止めるように設置される。また、図1に示すように、ウォーターフェンス100には、自吸機能を有した自吸ポンプ(以下「ポンプ」と称す)3が接続されている。ポンプ3は、急な増水に対しても信頼性の高い水没使用が可能な防水構造を有するポンプとすることが望ましい。また、ウォーターフェンス100は、図3に示すように、設置力増強部材2の底面に配置されたチューブ材21aおよび22aを備えている。なお、ポンプ3は、特許請求の範囲の「吸水装置」の一例である。
ウォーターフェンス本体部1は、図1に示すように、底面部材11と、背面部材12と、吸水装置取付部13と、シール材14とを含んでいる。ウォーターフェンス本体部1は、浸水を防止するための堰を形成している。具体的には、ウォーターフェンス本体部1は、柱10や壁或いは扉(図示せず)などの前面側(Y2方向側)に配置され、背面側(Y1方向側)への浸水を防止する堰を形成している。ウォーターフェンス本体部1は、底面部材11と背面部材12とにより、X方向に見て、略L字形状を有している。ウォーターフェンス本体部1は、底面部材11および背面部材12に沿って、L字形状の重しを配置することが可能に構成されている。
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、底面部材11は、設置面に沿って配置されている。具体的には、底面部材11は、水平方向(XY方向)に沿って延びる板状に形成されている。また、底面部材11は、X方向に延びる矩形形状に形成されている。また、底面部材11は、水を透過させない素材により形成されている。また、底面部材11は、折り畳み可能な部材により形成されている。底面部材11は、たとえば、プラスチック製段ボールにより形成されている。プラスチック製段ボールの厚さは、3mm以上5mm以下程度である。プラスチック製段ボールは、ポリプロピレンなどのプラスチックにより形成されている。プラスチック製段ボールは、波状の芯部材を外側の一対の平板状の部材により挟み込んで形成されている。つまり、プラスチック製段ボールは、芯部材の波の筋方向により、異なる機械的強度を有している。具体的には、プラスチック製段ボールの筋方向の圧縮強度は、筋方向と直交する方向の圧縮強度より強い。
底面部材11の略中央には、底面部材11と設置面との間の水を吸い取るポンプ3を取り付けるための吸水装置取付部13が配置されている。具体的には、図2に示すように、底面部材11には、下方から吸水装置取付部13が取り付けられた板材211が取り付けられている。また、図4に示すように、吸水装置取付部13は、底面部材11に設けられた孔11aに挿入されている。また、底面部材11のプラスチック製段ボールの筋は、前面から背面に向かう方向(X方向)に沿って延びるように配置されている。これにより、底面部材11のY方向の機械的強度を高めることが可能である。
また、第1実施形態では、背面部材12は、底面部材11に接続されて鉛直方向(Z方向)に沿って延びるように配置されている。具体的には、背面部材12は、鉛直方向に沿って延びる板状に形成されている。また、背面部材12は、X方向に延びる矩形形状に形成されている。また、背面部材12は、両面テープやマジックテープ(登録商標)などにより、背面側(Y1方向側)の柱10に密着するように配置されている。
また、背面部材12は、水を透過させない素材により形成されている。また、背面部材12は、折り畳み可能な部材により形成されている。背面部材12は、底面部材11と同様に、プラスチック製段ボールにより形成されている。また、背面部材12のプラスチック製段ボールの筋は、鉛直方向(Z方向)に沿って延びるように配置されている。これにより、背面部材12のZ方向の機械的強度を高めることが可能である。
吸水装置取付部13は、底面と設置面との間の水を吸い取るポンプ3を取り付けるために設けられている。具体的には、吸水装置取付部13の上側(Z1方向側)の端部には、ポンプ3に接続される管31(ホースなど)が接続されるように構成されている。
吸水装置取付部13は、図4に示すように、底面部材11の孔11aおよび板材211の孔211aに挿入されている。吸水装置取付部13は、底面部材11に当接する当接部131を含んでいる。吸水装置取付部13の下側(Z2方向側)の端部には、ウォーターフェンス本体部1の底面と設置面との間の水を吸い取るための吸水パイプ132が接続されている。これにより、ウォーターフェンス本体部1の底面と設置面との間の水が、ポンプ3により吸水される。なお、吸水パイプ132に、異物除去用のフィルターを設けてもよい。これにより、ポンプ3によって吸い込み、排出される水からゴミなどの異物を除去することができるので、緊急時の水として活用することも可能である。なお、フィルターは吸込みから排出までの間に設けられれば良いので、ポンプ3の吸水用ホースなどに設けてもよい。
また、吸水装置取付部13の外周には、ネジ山が切られている。吸水装置取付部13には、当接部131とともに底面部材11および板材211を挟み込んで固定する締結部材133が締結される。つまり、吸水装置取付部13は、締結部材133と締結されて、底面部材11と、板材211とを固定している。締結部材133は、たとえば、ナットである。また、当接部131および板材211の間と、底面部材11および締結部材133の間とには、それぞれ、ガスケット134が配置されている。これにより、孔11aおよび211aから底面部材11の下側(設置面側)に水が入り込むのを抑制することが可能である。
シール材14は、図1および図3に示すように、底面部材11の背面側(Y1方向側)に配置されている。シール材14は、背面部材12と、設置力増強部材2と、柱10との間の隙間を埋めるために設けられている。シール材14は、水を通しにくい材料により形成されている。また、シール材14は、弾性を有する(柔らかい)部材により形成されている。また、シール材14は、柱10に対応する部分に配置されている。シール材14は、たとえば、設置力増強部材2と同じ材料により形成されている。
図1に示すように、設置力増強部材2は、ウォーターフェンス本体部1の底面に配置され、ウォーターフェンス本体部1(底面部材11)の設置面への設置性を向上させるように構成されている。つまり、ウォーターフェンス本体部1の設置時の自重と、ポンプ3が吸水することとによって、設置力増強部材2は、弾性圧縮変形するとともに、外部の水を所定量透過させることにより、ウォーターフェンス本体部1の設置面内の圧力を低圧安定させるように構成されている。
具体的には、設置力増強部材2は、ウォーターフェンス本体部1の自重と、ポンプ3が吸水することにより生じる負圧と、柱10の前に押し寄せる水の重さとにより、圧縮されて、水の透過率が所定の値となることにより、ウォーターフェンス本体部1の底面と設置面との間に外部からの水を所定量透過させてポンプ3の自吸水を確保するように構成されている。
設置力増強部材2は、半連続気泡構造を有しており、圧縮変形されることにより水の透過率が変化するように構成されている。設置力増強部材2は、たとえば、半連続気泡構造の気孔率50%〜60%程度のやわらかいスポンジ材により形成されている。また、設置力増強部材2は、半連続気泡構造のスポンジが圧縮されることによりスポンジの孔が小さくなり、水の透過率が変わるように構成されている。また、設置力増強部材2は、圧縮力がかからない状態において、たとえば、約20mm以上約30mm以下の高さを有する。ポンプ3が駆動された場合、半連続気泡構造のスポンジは50〜80%程度圧縮されることが望ましい。
また、ポンプ3は設置力増強部材2を透過した水を、設置面内側の空間の空気とともに吸引するように構成されている。つまり、設置力増強部材2により吸水された水が吸水パイプ132を介してポンプ3に吸引されるように構成されている。なお、ポンプ3は、空気とともに水を吸い込むので、ポンプ3の吐出口から水を吐き出す状態と、ポンプ3の吐出口から少しの水を空気とともに吐き出す状態とを数秒程度の周期で繰り返す間欠運転となる。
また、ポンプ3により、設置力増強部材2を透過した水を、設置面内側の空間の空気とともに吸引することにより、ウォーターフェンス本体部1(底面部材11)と設置面との間の空間の真空度が上げられる(空間の気圧が下がる)。これにより、設置面に対してウォーターフェンス本体部1を安定させて配置することが可能に構成されている。その結果、ウォーターフェンス本体部1が水により押されて変形したり、流されたりすることを効果的に抑制することが可能である。
また、設置力増強部材2は、両面テープなどの接着層を介して、底面部材11および板材211に取り付けられる。また、図3に示すように、設置力増強部材2は、平面視において(Z方向から見て)、ウォーターフェンス本体部1の底面の外周部に環状に配置されている。
また、設置力増強部材2は、図2に示すように、分割可能に構成されている。具体的には、設置力増強部材2は、板材211に貼り付けられる設置力増強部材21と、底面部材11に直接貼り付けられる設置力増強部材22とに分割可能に構成されている。設置力増強部材21は、板材211とともに、底面部材11に対して着脱可能に構成されている。
また、設置力増強部材21は、組み立てる前において、端部が板材211からX方向にはみ出して構成していることが望ましい。たとえば、設置力増強部材21は、X1側およびX2側の端部が、板材211の端部よりも5〜10mm程度突出して構成してもよい。なお、突出量は、ウォーターフェンス100のX方向の長さ、設置力増強部材2の硬さなどに応じて適宜設定してもよい。これにより、設置力増強部材21および22のX方向の端部同士を合わせた場合に、設置力増強部材21および22が圧縮されて端部同士が合わされる。これにより、設置力増強部材21および22の端部間に隙間が生じるのを抑制して、密着させた状態でウォーターフェンス100を組み立てることができるので、ウォーターフェンス本体部1と設置面との間の気密性を高めることができる。その結果、ポンプ3の吸引により、ウォーターフェンス本体部1と設置面との間の空間の真空度を効果的に上げる(空間の気圧を下げる)ことが可能である。
図3に示すように、チューブ材21aおよび22aは、設置力増強部材2の底面に配置されている。具体的には、チューブ材21aは、設置力増強部材21の底面に配置されている。チューブ材22aは、設置力増強部材22の底面に配置されている。また、チューブ材21aおよび22aは、設置力増強部材2よりも低い吸水率を有するとともに、設置力増強部材2よりも柔らかい。具体的には、チューブ材21aおよび22aは、中空形状を有する管状部材である。また、チューブ材21aおよび22aは、外力により変形しやすい材料により形成されている。たとえば、チューブ材21aおよび22aは、ゴムにより形成されている。また、チューブ材21aおよび22aは、断面形状が楕円形状を有している。また、チューブ材21aおよび22aは、たとえば、1.5mm程度の肉厚を有する管状部材である。また、チューブ材21aおよび22aは、設置力増強部材2に、接着層を介して貼りつけられている。たとえば、チューブ材21aおよび22aは、ゲル状の瞬間接着材により設置力増強部材2に接着されている。なお、接着層は、テープ等であってもよい。また、接着層は、耐水性があるものが好ましい。
また、チューブ材21aおよび22aは、設置面の目地などの凹凸に食い込むように構成されている。つまり、チューブ材21aおよび22aは、ウォーターフェンス本体部1の自重と、ポンプ3の吸引力によって生じる負圧と、柱10の前に押し寄せる水の重さとにより圧縮されるように構成されている。これにより、チューブ材21aおよび22aが設置面の凹凸にフィッティングするように構成されている。また、チューブ材21aおよび22aが圧縮されて変形することにより、設置力増強部材2も設置面に密着して接するように構成されている。
また、チューブ材21aおよび22aは、設置力増強部材2よりも小さい幅を有する。たとえば、チューブ材21aおよび22aは、設置力増強部材2の1/4程度の幅を有する。また、チューブ材21aおよび22aは、設置面の目地などの凹凸の深さと同程度、または、少し大きい高さを有する。たとえば、チューブ材21aおよび22aは、10mm以下の高さを有する。
また、チューブ材21aおよび22aは、設置力増強部材2に沿って配置されている。具体的には、チューブ材21aおよび22aは、平面視において(Z方向に見て)略ロ字形状に配置された設置力増強部材2に沿って、略ロ字形状に配置されている。また、チューブ材21aおよび22aは、設置力増強部材2の略中央に配置されている。また、チューブ材21aおよび22aは、分割可能に構成されている。
また、分割されたチューブ材21aおよび22aは、平面視において(Z方向に見て)、互いに端部がずれた状態で配置されている。具体的には、X方向外側に配置されたチューブ材22aのX方向内側の端部は、Y方向における外側に曲げられて、X方向中央に配置されたチューブ材21aに対して端部がずれるように配置されている。
ここで、第1実施形態では、図5に示すように、底面部材11は、設置力増強部材2が取り付けられた状態で、設置力増強部材2を内側にして折り畳むことが可能に構成されている。具体的には、底面部材11は、板材211、吸水装置取付部13および中央の設置力増強部材21が取り外された状態で、設置力増強部材22を内側にして折り畳むことが可能に構成されている。
ポンプ3は、ウォーターフェンス本体部1の底面と設置面との間の水を吸い取るように構成されている。また、ポンプ3は、水深が浅い水を吸水可能に構成されている。これにより、ポンプ3は、設置面とウォーターフェンス本体部1の底面との間に浸水した少量の水を効果的に排水することが可能である。
図6を参照して、底面部材11および背面部材12の特性の一例について説明する。
図6に示すように、底面部材11および背面部材12は、たとえば、見掛け密度が167kg/m3であり、エンドクラッシュが、筋方向において63Nであり、筋と垂直方向において6Nである。なお、エンドクラッシュは、プラスチック製ダンボールの板方向に沿って、圧縮荷重をかけて、折れる際の機械的強度を測定したものである。また、このエンドクラッシュは、50mm間隔で測定している。また、フラットクラッシュが、300kPaである。なお、フラットクラッシュは、プラスチック製段ボールの板方向と直交する方向に荷重をかけて、座屈する際の機械的強度を測定したものである。
図7を参照して、設置力増強部材2の特性の一例について説明する。
図7に示すように、設置力増強部材2は、たとえば、見掛け密度が110kg/m3であり、引張強さが80kPaであり、伸びが450%である。また、設置力増強部材2は、圧縮硬さが、圧縮率が25%の場合、3.3kPaであり、圧縮率が50%の場合、4.5kPaである。
図8を参照して、設置力増強部材2の特性(水透過)の一例について説明する。
図8に示すように、水透過について、設置力増強部材2は、圧縮率が60%の場合、水深100mmの水頭圧(100mmH2O=0.01kgf/cm2≒0.98kPa)に対して、10分以内に水漏れがあった。また、設置力増強部材2は、圧縮率が70%の場合、水深100mmの水頭圧(100mmH2O=0.01kgf/cm2≒0.98kPa)に対して、10分を超えて30分以内に水漏れがあった。また、設置力増強部材2は、圧縮率が80%および90%の場合、水深100mmの水頭圧(100mmH2O=0.01kgf/cm2≒0.98kPa)に対して、30分間水漏れしなかった。なお、水透過について、10分以内に水漏れがあった場合、「△」と示し、10分を超えて30分以内に水漏れがあった場合、「○」と示し、30分間水漏れしなかった場合、「◎」と示している。
設置力増強部材2に用いる気孔率50%〜60%程度の半連続気泡構造のスポンジ材は、図8に示す一例のように、圧縮率に応じた透過率となる。また、設置力増強部材2は、50%以上80%以下の圧縮率になるように圧縮抑制することにより、半連続気泡構造のスポンジを透過する水量をポンプ3の呼び水として適度な透過水量に抑えることが可能である。また、設置力増強部材2(スポンジ)を透過した水をポンプ3で排水するのでウォーターフェンス本体部1を越えて浸水させないようにすることが可能である。つまり、柱10の前に水が押し寄せ、水の重量が設置力増強部材2に加わり、ポンプ3を駆動させた場合に、設置力増強部材2の圧縮率が50%以上80%以下になることが好ましい。
図9を参照して、チューブ材21aおよび22aの特性の一例について説明する。
図9に示すように、チューブ材21aおよび22aは、たとえば、見掛け密度が780kg/m3であり、引張強さが340kPaであり、伸びが750%である。つまり、チューブ材21aおよび22aは、設置力増強部材2よりも柔らかい。また、チューブ材21aおよび22aは、200%に伸ばした際の引張応力が80kPaである。なお、引張強さ、伸び率、200%引張応力は、長さ10cmのチューブ材21aおよび22aに2.5mmほどの切り込みを入れて試験を行った。また、チューブ材21aおよび22aは、吸水率が1.0%以下である。つまり、チューブ材21aおよび22aは、設置力増強部材2よりも低い吸水率を有する。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、設置面に沿って配置された底面部材11と、底面部材11に接続されて鉛直方向に沿って延びる背面部材12とを設ける。また、底面部材11には、底面部材11と設置面との間の水を吸い取るポンプ3を取り付けるための吸水装置取付部13を設ける。これにより、ポンプ3によりウォーターフェンス100の底面部材11と設置面との間の水が空気とともに吸い取られるので、ウォーターフェンス100の底面部材11と設置面との間に負圧を発生させることができる。これにより、底面部材11および底面部材11に接続された背面部材12が設置面に対して浮き上がるのを抑制することができるので、ウォーターフェンス100の総重量を小さくした場合でも、ウォーターフェンス100が水に流されるのを抑制することができる。これにより、ウォーターフェンス100を高く積み上げる必要がない。また、ポンプ3により、侵入しようとする水を排出することができるので、浸水を効果的に抑制することができる。また、底面部材11と背面部材12とによりウォーターフェンス100を構成することにより、ウォーターフェンス100を箱型形状に形成する場合に比べて、堰としての有効面積が同じ場合、保管時のスペースを小さくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、底面部材11および背面部材12を、それぞれ、折り畳み可能な部材により形成する。これにより、ウォーターフェンス100を構成する底面部材11および背面部材12を折り畳むことができるので、ウォーターフェンス100の保管時のスペースが大きくなるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、底面部材11の底面に配置し、底面部材11の設置面への設置性を向上させる設置力増強部材2を設ける。これにより、凹凸のある設置面に対しての設置性や水密性を向上させることができるので、安定してウォーターフェンス100を設置することができる。その結果、ウォーターフェンス100の底面からの浸水を効果的に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、底面部材11を、設置力増強部材2が取り付けられた状態で、設置力増強部材2を内側にして折り畳むことが可能に構成する。これにより、設置力増強部材2に比べて硬くすることができる底面部材11を外側にして折り畳むことができるので、ウォーターフェンス100が保管時に変形することを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、底面部材11および背面部材12を、それぞれ、プラスチック製段ボールにより形成する。また、底面部材11のプラスチック製段ボールの筋を、前面から背面に向かう方向(Y方向)に沿って延びるように配置し、背面部材12のプラスチック製段ボールの筋を、鉛直方向(Z方向)に沿って延びるように配置する。これにより、プラスチック製段ボールにより、ウォーターフェンス100を容易に組み立てることができる。また、底面部材11のプラスチック製段ボールの筋を前面から背面に向かう方向(Y方向)に配置することにより、水が押し寄せる方向のウォーターフェンス100の機械的強度を高めることができるので、ウォーターフェンス100が、押し寄せる水により変形するのを抑制することができる。また、背面部材12のプラスチック製段ボールの筋を鉛直方向に配置することにより、背面部材12の上下方向(Z方向)の機械的強度を高めることができるので、背面部材12が上下方向に折れ曲がるのを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図10〜図12を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、設置力増強部材が分割可能に構成されている上記第1実施形態とは異なり、設置力増強部材が一体的に設けられている構成の例について説明する。
(ウォーターフェンスの構成)
本発明の第2実施形態によるウォーターフェンス200は、図10に示すように、ウォーターフェンス本体部201と、設置力増強部材2とを備えている。また、ウォーターフェンス本体部201には、自吸機能を有したポンプ3が接続されている。また、ウォーターフェンス本体部201は、底面部材11と、背面部材12と、吸水装置取付部13と、シール材14とを含んでいる。なお、ポンプ3は、特許請求の範囲の「吸水装置」の一例である。
ここで、第2実施形態では、図11に示すように、設置力増強部材2は、底面部材11に一体的に取り付けられている。また、設置力増強部材2の底面には、1本のチューブ材2aが貼り付けられている。1本のチューブ材2aは、設置力増強部材2に沿って、円環状に配置されている。また、1本のチューブ材2aの端部同士は、互いにオフセットした状態で、隣接して配置されている。
また、第2実施形態では、図12に示すように、底面部材11は、設置力増強部材2が取り付けられた状態で、設置力増強部材2を内側にして折り畳むことが可能に構成されている。具体的には、背面部材12が底面部材11に対して合わされた状態で、設置力増強部材2を内側にして折り畳むことが可能に構成されている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、設置面に沿って配置された底面部材11と、底面部材11に接続されて鉛直方向に沿って延びる背面部材12とを設ける。また、底面部材11には、底面部材11と設置面との間の水を吸い取るポンプ3を取り付けるための吸水装置取付部13を設ける。これにより、ポンプ3によりウォーターフェンス200の底面部材11と設置面との間の水が空気とともに吸い取られるので、ウォーターフェンス200の底面部材11と設置面との間に負圧を発生させることができる。これにより、底面部材11および底面部材11に接続された背面部材12が設置面に対して浮き上がるのを抑制することができるので、ウォーターフェンス200の総重量を小さくした場合でも、ウォーターフェンス200が水に流されるのを抑制することができる。これにより、ウォーターフェンス200を高く積み上げる必要がない。また、ポンプ3により、侵入しようとする水を排出することができるので、浸水を効果的に抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
次に、図13〜図15を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、底面部材と背面部材とが一体的に設けられている上記第1および第2実施形態とは異なり、底面部材と背面部材とが互いに着脱可能に構成されている例について説明する。
(ウォーターフェンスの構成)
本発明の第3実施形態によるウォーターフェンス300は、図13に示すように、ウォーターフェンス本体部301と、設置力増強部材2とを備えている。また、ウォーターフェンス本体部301には、自吸機能を有したポンプ3が接続されている。また、ウォーターフェンス本体部301は、底面部材11と、背面部材12と、吸水装置取付部13と、シール材14と、支持棒15とを含んでいる。なお、ポンプ3は、特許請求の範囲の「吸水装置」の一例である。
ここで、第3実施形態では、図14に示すように、底面部材11と、背面部材12とは、互いに着脱可能に構成されている。具体的には、底面部材11の背面側(Y1方向側)の辺には、防水ファスナ111が設けられている。背面部材12の下側(Z2方向側)の辺には、防水ファスナ121が設けられている。そして、防水ファスナ111および121を係合することにより、底面部材11と、背面部材12とが互いに接続されるように構成されている。また、防水ファスナ111および121の係合を解除することにより、底面部材11と、背面部材12とが互いに分離されるように構成されている。
また、第3実施形態では、図13に示すように、支持棒15は、底面部材11および背面部材12に係合して、背面部材12が前面側(Y2方向側)に倒れないように支持するように構成されている。具体的には、支持棒15は、底面部材11の前面側(Y2方向側)に設けられた係合部11bに係合するように構成されている。また、支持棒15は、背面部材12の上側(Z1方向側)に設けられた係合部12aに係合するように構成されている。そして、支持棒15は、係合部11bと係合部12aとの間で突っ張り棒のようにして、背面部材12を支持するように構成されている。
また、第3実施形態では、図15に示すように、底面部材11は、設置力増強部材2が取り付けられた状態で、設置力増強部材2を外側にして折り畳むことが可能に構成されている。具体的には、背面部材12が底面部材11に対して取り外された状態で、底面部材11は、設置力増強部材2を外側にして折り畳むことが可能に構成されている。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、設置面に沿って配置された底面部材11と、底面部材11に接続されて鉛直方向に沿って延びる背面部材12とを設ける。また、底面部材11には、底面部材11と設置面との間の水を吸い取るポンプ3を取り付けるための吸水装置取付部13を設ける。これにより、ポンプ3によりウォーターフェンス300の底面部材11と設置面との間の水が空気とともに吸い取られるので、ウォーターフェンス300の底面部材11と設置面との間に負圧を発生させることができる。これにより、底面部材11および底面部材11に接続された背面部材12が設置面に対して浮き上がるのを抑制することができるので、ウォーターフェンス300の総重量を小さくした場合でも、ウォーターフェンス300が水に流されるのを抑制することができる。これにより、ウォーターフェンス300を高く積み上げる必要がない。また、ポンプ3により、侵入しようとする水を排出することができるので、浸水を効果的に抑制することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、底面部材11と、背面部材12とを、互いに着脱可能に構成する。これにより、底面部材11と背面部材12とを分離させた状態で保管することができるので、ウォーターフェンス300の保管時の自由度を向上させることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、図16および図17を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、底面部材および背面部材がX方向において、それぞれ、一体的に設けられている上記第1〜第3実施形態とは異なり、底面部材および背面部材がX方向において、それぞれ、分割可能に構成されている例について説明する。
(ウォーターフェンスの構成)
本発明の第4実施形態によるウォーターフェンス400は、図16に示すように、ウォーターフェンス本体部401と、設置力増強部材2とを備えている。また、ウォーターフェンス本体部401には、自吸機能を有したポンプ3が接続されている。また、ウォーターフェンス本体部401は、底面部材411と、背面部材412と、吸水装置取付部13と、シール材14と、底板16とを含んでいる。なお、ポンプ3は、特許請求の範囲の「吸水装置」の一例である。
ここで、第4実施形態では、ウォーターフェンス本体部401は、互いに分割可能に構成されている、第1ウォーターフェンス本体部401aと、第2ウォーターフェンス本体部401bとを含んでいる。底面部材411は、第1底面部材411aと、第2底面部材411bとを含んでいる。背面部材412は、第1背面部材412aと、第2背面部材412bとを含んでいる。そして、第1底面部材411aおよび第1背面部材412aにより構成される第1ウォーターフェンス本体部401aと、第2底面部材411bおよび第2背面部材412bにより構成される第2ウォーターフェンス本体部401bとは、互いに着脱可能に構成されている。
第1底面部材411aの第2底面部材411b側(X1方向側)の辺には、防水ファスナ112が設けられている。第2底面部材411bの第1底面部材411a側(X2方向側)の辺には、防水ファスナ112が設けられている。そして、防水ファスナ112同士を係合することにより、第1底面部材411aと、第2底面部材411bとが互いに接続されるように構成されている。また、防水ファスナ112同士の係合を解除することにより、第1底面部材411aと、第2底面部材411bとが互いに分離されるように構成されている。
第1背面部材412aの第2背面部材412b側(X1方向側)の辺には、防水ファスナ122が設けられている。第2背面部材412bの第1背面部材412a側(X2方向側)の辺には、防水ファスナ122が設けられている。そして、防水ファスナ122同士を係合することにより、第1背面部材412aと、第2背面部材412bとが互いに接続されるように構成されている。また、防水ファスナ122同士の係合を解除することにより、第1背面部材412aと、第2背面部材412bとが互いに分離されるように構成されている。
吸水装置取付部13は、第1底面部材411aに設けられている。つまり、吸水装置取付部13は、第1底面部材411aおよび第2底面部材411bのいずれか一方に設けられている。
底板16は、図16に示すように、底面部材411と、設置力増強部材2との間に配置されている。また、底板16は、底面部材411の底面を覆うように配置されている。また、底板16は、X方向に分割されて、2つ設けられている。具体的には、底板16は、吸水装置取付部13を中心に第1ウォーターフェンス本体部401aおよび第2ウォーターフェンス本体部401bの底面に設けられている。この図16に示す第4実施形態においては、底板16は、X方向において、ウォーターフェンス本体部401の半分の長さに対応する長さを有するように形成されていることが望ましい。また、底板16は、吸水装置取付部13を中心として底面部材411の底面に配置されており、図4と同様に、当接部131とともに第1底面部材411aおよび第2底面部材411bおよび底板16を挟み込んで固定する締結部材133によって締結される。また、底板16には、吸水装置取付部13を通すための切り欠きが設けられている。また、底板16には、設置力増強部材2が貼り付けられている。具体的には、設置力増強部材2は、両面テープなどの接着層を介して、底板16に取り付けられる。また、底板16は、樹脂などにより形成されている。また、底板16の厚さは、0.5mm以上1mm以下程度である。
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、設置面に沿って配置された底面部材411と、底面部材411に接続されて鉛直方向に沿って延びる背面部材412とを設ける。また、底面部材411には、底面部材411と設置面との間の水を吸い取るポンプ3を取り付けるための吸水装置取付部13を設ける。これにより、ポンプ3によりウォーターフェンス400の底面部材411と設置面との間の水が空気とともに吸い取られるので、ウォーターフェンス400の底面部材411と設置面との間に負圧を発生させることができる。これにより、底面部材411および底面部材411に接続された背面部材412が設置面に対して浮き上がるのを抑制することができるので、ウォーターフェンス400の総重量を小さくした場合でも、ウォーターフェンス400が水に流されるのを抑制することができる。これにより、ウォーターフェンス400を高く積み上げる必要がない。また、ポンプ3により、侵入しようとする水を排出することができるので、浸水を効果的に抑制することができる。
また、第4実施形態では、上記のように、第1底面部材411aおよび第1背面部材412aにより構成される第1ウォーターフェンス本体部401aと、第2底面部材411bおよび第2背面部材412bにより構成される第2ウォーターフェンス本体部401bとを、互いに着脱可能に構成する。これにより、浸水を防ぎたい場所の大きさに合わせてウォーターフェンス400の長さを調整することができるので、必要以上にウォーターフェンスを長くする必要がない。
また、第4実施形態では、上記のように、吸水装置取付部13を、第1底面部材411aおよび第2底面部材411bのうち第1底面部材411aに設ける。これにより、第1ウォーターフェンス本体部401aのみでウォーターフェンス400を構成することができる。なお、第1ウォーターフェンス本体部401aのみでウォーターフェンス400を構成する場合、第1ウォーターフェンス本体部401a底面の、X1方向側の開放端側に設置力増強部材2を設け、設置力増強部材2により囲まれた領域を形成する必要がある。また、第1ウォーターフェンス本体部401aのみでウォーターフェンス400を構成する場合、底板16のX方向における長さは、第1ウォーターフェンス本体部401aのX方向の長さに対応する長さを有するように形成してもよい。
また、第4実施形態では、上記のように、底面部材411と、設置力増強部材2との間に配置され、底面部材411の底面を覆う底板16を設け、設置力増強部材2を、底板16に貼り付けている。これにより、設置力増強部材2を底面部材411の底面に容易に取り付けることができるので、ウォーターフェンス400を短時間で組み立てることができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
次に、図18を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、底面部材および背面部材を被覆材により覆われた部材により形成されている例について説明する。
(ウォーターフェンスの構成)
本発明の第5実施形態によるウォーターフェンス500は、図18に示すように、ウォーターフェンス本体部501と、設置力増強部材2とを備えている。また、ウォーターフェンス本体部501には、自吸機能を有したポンプ3が接続されている。また、ウォーターフェンス本体部501は、底面部材511と、背面部材512と、吸水装置取付部13と、シール材14と、底板16とを含んでいる。なお、ポンプ3は、特許請求の範囲の「吸水装置」の一例である。
ここで、第5実施形態では、底面部材511および背面部材512は、それぞれ、被覆材513に覆われている。また、ウォーターフェンス本体部501は、互いに分割可能に構成されている、第1ウォーターフェンス本体部501aと、第2ウォーターフェンス本体部501bとを含んでいる。底面部材511は、第1底面部材511aと、第2底面部材511bとを含んでいる。背面部材512は、第1背面部材512aと、第2背面部材512bとを含んでいる。そして、第1底面部材511aおよび第1背面部材512aにより構成される第1ウォーターフェンス本体部501aと、第2底面部材511bおよび第2背面部材512bにより構成される第2ウォーターフェンス本体部501bとは、互いに着脱可能に構成されている。
第1底面部材511aおよび第1背面部材512aは、共通の被覆材513に覆われている。これにより、第1底面部材511aおよび第1背面部材512aは、境界を折り目として容易に折り畳むことが可能に連結されている。また、第2底面部材511bおよび第2背面部材512bは、共通の被覆材513に覆われている。これにより、第2底面部材511bおよび第2背面部材512bは、境界を折り目として容易に折り畳むことが可能に連結されている。
また、第5実施形態では、被覆材513は、防水性および耐摩耗性に優れた材料により形成されている。たとえば、被覆材513は、樹脂製繊維を織ったシート状の材料により形成されている。また、被覆材513は、第1底面部材511a、第1背面部材512a、第2底面部材511bおよび第2背面部材512bよりも小さい厚みを有している。たとえば、被覆材513は、2mm程度の厚さを有している。また、被覆材513は、第1底面部材511a、第1背面部材512a、第2底面部材511bおよび第2背面部材512bよりも折り畳みやすい材料により形成されている。
第1底面部材511aの第2底面部材511b側(X1方向側)の辺には、防水ファスナ112が設けられている。防水ファスナ112は、第1底面部材511aを覆う被覆材513に溶着されている。第2底面部材511bの第1底面部材511a側(X2方向側)の辺には、防水ファスナ112が設けられている。防水ファスナ112は、第2底面部材511bを覆う被覆材513に溶着されている。そして、防水ファスナ112同士を係合することにより、第1底面部材511aと、第2底面部材511bとが互いに接続されるように構成されている。また、防水ファスナ112同士の係合を解除することにより、第1底面部材511aと、第2底面部材511bとが互いに分離されるように構成されている。
第1背面部材512aの第2背面部材512b側(X1方向側)の辺には、防水ファスナ122が設けられている。防水ファスナ122は、第1背面部材512aを覆う被覆材513に溶着されている。第2背面部材512bの第1背面部材512a側(X2方向側)の辺には、防水ファスナ122が設けられている。防水ファスナ122は、第2背面部材512bを覆う被覆材513に溶着されている。そして、防水ファスナ122同士を係合することにより、第1背面部材512aと、第2背面部材512bとが互いに接続されるように構成されている。また、防水ファスナ122同士の係合を解除することにより、第1背面部材512aと、第2背面部材512bとが互いに分離されるように構成されている。
底板16は、第4実施形態と同様に構成されている。具体的には、底板16は、底面部材511と、設置力増強部材2との間に配置されている。また、底板16は、底面部材511の底面を覆うように配置されている。また、底板16には、設置力増強部材2が貼り付けられている。
なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第5実施形態では、上記第1実施形態と同様に、設置面に沿って配置された底面部材511と、底面部材511に接続されて鉛直方向に沿って延びる背面部材512とを設ける。また、底面部材511には、底面部材511と設置面との間の水を吸い取るポンプ3を取り付けるための吸水装置取付部13を設ける。これにより、ポンプ3によりウォーターフェンス500の底面部材511と設置面との間の水が空気とともに吸い取られるので、ウォーターフェンス500の底面部材511と設置面との間に負圧を発生させることができる。これにより、底面部材511および底面部材511に接続された背面部材512が設置面に対して浮き上がるのを抑制することができるので、ウォーターフェンス500の総重量を小さくした場合でも、ウォーターフェンス500が水に流されるのを抑制することができる。これにより、ウォーターフェンス500を高く積み上げる必要がない。また、ポンプ3により、侵入しようとする水を排出することができるので、浸水を効果的に抑制することができる。
また、第5実施形態では、上記のように、第1底面部材511a、第1背面部材512a、第2底面部材511bおよび第2背面部材512bを、被覆材513により覆う。これにより、ウォーターフェンス本体部501の耐摩耗性を高めることができるとともに、底面部材511と背面部材512の境界を折り目として容易に折り畳むことが可能に構成することができる。
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第5実施形態では、底面部材および背面部材をプラスチック製段ボールにより形成する構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、底面部材および背面部材を、水を透過させないで、かつ、折り畳み可能で自立する素材であれば、プラスチック製段ボール以外により形成してもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、底面部材および背面部材を、折り畳み可能な部材により形成する構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、底面部材および背面部材を、硬質の板状の部材により形成してもよい。また、底面部材および背面部材を、巻き回してコンパクトにすることが可能な部材により形成してもよい。
また、上記第4および第5実施形態では、底板を設け、底板に設置力増強部材を貼り付ける構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、図19に示す第4および第5実施形態の変形例によるウォーターフェンス600のように、第1ウォーターフェンス本体部401aおよび第2ウォーターフェンス本体部401bを分割可能な構成において、設置力増強部材2を直接第1底面部材411aおよび第2底面部材411bに貼り付けてもよい。
また、上記第4実施形態では、吸水装置取付部を第1底面部材に設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、吸水装置取付部を第2底面部材に設けてもよいし、第1底面部材および第2底面部材の両方に設けてもよい。
また、上記第5実施形態では、被覆材に覆われたプラスチック製の段ボールを被覆材とともに折り畳む構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、図20に示す第5実施形態の変形例によるウォーターフェンス700のように、底面部材711および背面部材712の折り畳む部分にプラスチック製の段ボールを配置せずに、被覆材713のみを設けるようにしてもよい。具体的には、底面部材711は、プラスチック製の段ボールにより形成された底面部材711a、711b、711cおよび711dを含んでいてもよい。また、背面部材712は、プラスチック製の段ボールにより形成された背面部材712a、712b、712cおよび712dを含んでいてもよい。これにより、ウォーターフェンス本体部701を、底面部材711および背面部材712の間を折り目にして容易に折り畳むことが可能である。また、底面部材711を、底面部材711aおよび711bの間と、底面部材711cおよび711dの間とを折り目にして容易に折り畳むことが可能である。また、背面部材712を、背面部材712aおよび712bの間と、背面部材712cおよび712dの間とを折り目にして容易に折り畳むことが可能である。その結果、この第5実施形態の変形例では、第1ウォーターフェンス本体部701aおよび第2ウォーターフェンス本体部701bのそれぞれを4つ折にすることが可能となる。もちろん、この変形例以上に折り畳み可能に構成する境界を増やしてもよい。
また、上記第5実施形態では、被覆材により底面部材および背面部材が覆われた構成の例を示したが、第1〜第4実施形態における底面部材および背面部材についても、第5実施形態と同様に被覆材により覆ってもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、ウォーターフェンスが直線的に形成されている構成の例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、ウォーターフェンスが折れ曲がるように形成されていてもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、設置力増強部材が、1層により形成されている例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、設置力増強部材を2層以上により形成してもよい。また、設置力増強部材を、気孔率80%〜90%程度のスポンジ材により形成してもよい。また、設置力増強部材を、吸水率が大きい材料により形成してもよい。たとえば、設置力増強部材を、PVA(ポリビニールアルコール)製のスポンジ材により形成してもよい。
また、上記第1〜第5実施形態では、吸水装置として自吸式のポンプを用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、自吸式に限らず、吸水機能を有するポンプであれば特に限定されない。また、真空ポンプや掃除機などの真空吸引方式の吸引装置を用いてもよい。