JP6636389B2 - インキ吸入装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、プッシュ式のインキ吸入装置では、インキの吸入時に、パイプに連結した駒が自重で落下してインキ収容筒に形成した内段に当接する必要があることから、駒と内段との間に特許文献2に記載されているような移動駒部材を配設した場合には、移動駒部材が駒と内段との当接状態を阻害してしまい、インキの吸入が十分に行えなくなる。また、前記プッシュ式のインキ吸入装置では、ペン先を上に向けた状態でスリーブと駒との間に空間があり、インキ収容室内のインキが減少してインキの表面がスリーブと駒との間に位置するようになった際には、ペンを下に向けて筆記を行う時に、駒よりペン芯側にある移動駒部材がインキに触れることなく前方へ移動することとなり、インキの種類によっては、インキの自重のみでペン芯側へ移動することができない場合がある。
「前方が開口し内方にインキ収容室を有したインキ収容筒に、前記インキ収容筒の内面に密接して移動するスリーブを前方に設けた押棒が配設され、前記スリーブに形成した孔に、前記インキ収容筒に形成した内段に当接する駒を前方に設けたパイプが挿通され、前記押棒を上方に向けた状態で該押棒を前進させることにより、前記駒を自重で前進させて前記インキ収容室の内段に当接させ、前記インキ収容室の空気を前記パイプを通して前方へ排出した上で前記押棒を後退させることにより、前記インキ収容室にインキを吸入するプッシュ式のインキ吸入装置において、前記インキ収容室に、前記パイプが挿通し、前記スリーブと前記駒との間で前記パイプに摺接しながら前後動し、前記押棒を下方に向けた状態で自重により前記スリーブの前方に設けた前方凹部に収容される移動駒部材を配設したことを特徴とするインキ吸入装置。」である。
したがって、移動駒部材とインキ収容筒の内面との間には隙間が形成されることから、筆記によるインキ収容室内のインキの減少に伴いペン芯から入る気泡の後方への移動が妨げられることはなく、移動駒部材が前後動する際にインキ収容筒の内面と接触しないことから、透明なインキ収容筒の内面が傷付くこともない。
移動駒部材は、ペンを上に向けた状態から筆記のためにペンを下に向けた状態にした時に、インキ収容室の後方に溜まったインキをペン芯側へ移動させる重さが必要であり、インキにより腐食されない材質で形成することが好ましい。パイプをステンレスで形成した場合には、移動駒部材もステンレスで形成することで、異種金属接触腐食が防止できる。
また、移動駒部材の外表面に梨地加工やローレット加工を施すことにより、インキの濡れ性がよくなり、さらにインキを移動させ易くなる。
図1に示すようにインキ吸入装置1は万年筆11に装着してある。万年筆11は、首部材12の内方に内首部材13を挿着してあり、内首部材13の内方にペン芯14とペン15とを挿着してある。インキ吸入装置1は、インキ収容筒2の前方小径部2bを、首部材12と内首部材13との間に挿着しており、インキ収容室2cの内部のインキ(図示せず)をペン芯14に供給してペン15で筆記を行うことができる。
押棒6は、前記スプリング7によって常時後方へ弾発された状態になっており、押棒本体4は、側面に形成した突部4aを尾筒3の後端開口3aに形成した内鍔3bに当接させて押棒6の後退を規制させ、押棒本体4の後部を尾筒3の後端開口3aから露出させて、押棒6のプッシュ操作を行う操作部4bとしてある。本実施例の押棒6は前述の通り押棒本体4とスリーブ5とからなり、押棒本体4の前方に形成した係止凹部4cに前記スリーブ5の後方に形成した小径部5dを圧入することで一体に形成してある。スリーブ5の前端外周には外鍔5eを形成してあり、外鍔5eがインキ収容筒2の内周面に密着した状態でスリーブ5が前後動することで、インキ収容室2c内の空気を加圧したり負圧にしたりすることができる。
尚、本実施例のパイプ8及び移動駒部材10はステンレスで形成してあり、駒9はフッ素ゴムで形成してある。
インキ吸入装置1は、駒9が内段2dに当接した状態からさらに押棒6の操作部4bをプッシュすることによって、インキ収容室2c内の空気がスリーブ5により加圧されながら、パイプ8の窓孔8bから前端開口8cを通り、前端開口8cに隣設したペン芯14を通って外部へ抜ける。この状態からペン芯14をインキ16に浸けて押棒6の操作部4bを開放することによって、図3に示すようにスプリング7の弾発力でスリーブ5が後退し、負圧になったインキ収容室2c内にインキ16を吸入することができる。本実施例のインキ吸入装置1は、図2の状態と図3の状態とが交互になるよう操作部4bへのプッシュ操作を繰り返し行うことで、インキ収容室2cにインキ16を充填することができる。
2…インキ収容筒、2a…後端部、2b…前方小径部、2c…インキ収容室、2d…内段、
3…尾筒、3a…後端開口、3b…内鍔、
4…押棒本体、4a…突部、4b…操作部、4c…係止凹部、
5…スリーブ、5a…前方凹部、5b…孔、5c…周縁部、5d…小径部、5e…外鍔、
6…押棒、
7…スプリング、
8…パイプ、8a…突出部、8b…窓孔、8c…前端開口、8d…後端開口、
9…駒、9a…傾斜面、
10…移動駒部材、10a…前端、
11…万年筆、
12…首部材、13…内首部材、14…ペン芯、
15…ペン、
16…インキ、16a…表面。
Claims (1)
- 前方が開口し内方にインキ収容室を有したインキ収容筒に、前記インキ収容筒の内面に密接して移動するスリーブを前方に設けた押棒が配設され、前記スリーブに形成した孔に、前記インキ収容筒に形成した内段に当接する駒を前方に設けたパイプが挿通され、前記押棒を上方に向けた状態で該押棒を前進させることにより、前記駒を自重で前進させて前記インキ収容室の内段に当接させ、前記インキ収容室の空気を前記パイプを通して前方へ排出した上で前記押棒を後退させることにより、前記インキ収容室にインキを吸入するプッシュ式のインキ吸入装置において、前記インキ収容室に、前記パイプが挿通し、前記スリーブと前記駒との間で前記パイプに摺接しながら前後動し、前記押棒を下方に向けた状態で自重により前記スリーブの前方に設けた前方凹部に収容される移動駒部材を配設したことを特徴とするインキ吸入装置。
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JP2016104295A JP6636389B2 (ja) | 2016-05-25 | 2016-05-25 | インキ吸入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016104295A JP6636389B2 (ja) | 2016-05-25 | 2016-05-25 | インキ吸入装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP6636389B2 true JP6636389B2 (ja) | 2020-01-29 |
Family
ID=60475879
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016104295A Active JP6636389B2 (ja) | 2016-05-25 | 2016-05-25 | インキ吸入装置 |
Country Status (1)
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2016
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