JP6635289B2 - 無線受信装置および受信データ復元装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線受信装置および受信データ復元装置に関し、特に、MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)方式によってマルチキャリア伝送を行う無線通信システムに用いられる無線受信装置および受信データ復元装置に関する。
マルチキャリア伝送を行う無線通信システムにおいて、送信機および受信機双方の局部発振回路により生成されるキャリア周波数は、理想的には同一として設計されるが、実環境では異なる。同様に、送信機および受信機において、D/AコンバータやA/Dコンバータのサンプリング周波数も、実環境では異なる。すなわち、受信機側で処理される受信信号には、これらの周波数オフセットが含まれる。
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、直交周波数分割多重)方式を用いた無線通信では、受信信号の周波数オフセットに起因してサブキャリア間の直交性が崩れるため、それに伴いキャリア間干渉が生じる。そのため、従来から、OFDM受信装置において、周波数オフセットを補正する技術が提案されている。
たとえば、国際公開第2007/091320号公報(特許文献1)には、GI(ガードインターバル)法を用いてシンボルの位相回転量を推定し、位相回転量から得られるキャリア周波数のオフセット量に応じて、RF部に出力する発振信号の発振周波数をアナログ補正することが開示されている。
また、特開2000−224134号公報(特許文献2)には、キャリアの周波数誤差とガードインターバル期間とに起因するシンボルの位相誤差をデジタル補正することが開示されている。
さらに、特開2006−108763号公報(特許文献3)には、送受信機間におけるサンプリング周波数のずれにより生ずるOFDMシンボルの位相変化をデジタル補正することが開示されている。
国際公開第2007/091320号公報 特開2000−224134号公報 特開2006−108763号公報
送信アンテナおよび受信アンテナが1対1である、いわゆるSISO(Single Input Single Output)方式を採用した無線通信システムにおいては、周波数オフセットを固定値とみなし、粗く補正するだけでも、サブキャリア間の干渉が低減される。たとえば5GHz帯のキャリア周波数を生成する装置では、5ppm程度まで補正すれば、十分な復元精度を得られることが知られている。
一方で、MIMO方式を採用した無線通信システムにおいては、多重ストリームによる複雑なチャネル推定と高精度なMIMOデコーディングが必要であるため、従来の周波数オフセット補正では十分な復元精度が得られない。特に、ストリーム数が多い場合には、周波数オフセットの状況やその補正精度が、MIMOデコーディングに影響を及ぼすからである。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ストリーム数が多い場合であっても、受信データの復元率を高めることのできる無線受信装置、および、受信データ復元装置を提供することである。
この発明のある局面に従う無線受信装置は、MIMO方式によってマルチキャリア伝送を行う無線通信システムに用いられる受信装置であって、複数ストリームの送信信号を受信する複数の受信アンテナと、各受信アンテナにおいて受信されたRF帯域の信号を復調し、ベースバンド帯域の信号を出力する復調手段と、ストリーム単位で、ベースバンド帯域の伝送信号をデジタル処理することによって、受信データを復元するデジタル処理手段とを備える。デジタル処理手段は、抽出手段と、推定手段と、補正手段と、変換手段とを含む。抽出手段は、伝送信号を構成するシンボルごとに、冗長部の信号を除去してデータ部の信号を抽出する。推定手段は、シンボルごとに、冗長部の信号を用いて算出されたシンボル全体の位相回転の変化量を線形近似することによって、データ部の時間単位の位相回転量を推定する。補正手段は、推定手段により推定された時間単位の位相回転量に基づいて、データ部の信号を信号ごとに個々に補正して、パケット単位で、1シンボル内および複数シンボルに亘りデータ部の信号を追従補正する。変換手段は、補正手段により補正されたデータ部の信号を、サブキャリア信号に変換する。
好ましくは、補正手段は、各シンボルにおいて、時間単位の位相回転量に前のシンボルの位相回転量を加算することによって、データ部の各信号の位相ずれ補償量を算出する。補正手段は、算出した位相ずれ補償量分だけ、データ部の各信号に逆回転をかけることによって、データ部の信号を補正することが望ましい。
好ましくは、デジタル処理手段は、複数のストリームそれぞれに対し冗長部の信号を用いて算出される回転量の平均値として、シンボル全体の位相回転の変化量を算出する手段をさらに含む。
好ましくは、デジタル処理手段は、MIMO処理手段と、線形近似手段と、サブキャリア補正手段とをさらに含む。MIMO処理手段は、変換手段から得られるサブキャリア信号をストリームごとに分離して、分離後サブキャリア信号に変換する。線形近似手段は、周波数領域シンボルごとに、分離後サブキャリア信号に含まれるパイロットサブキャリアに基づき位相回転の変化量を線形近似し、一次式を算出する。サブキャリア補正手段は、線形近似手段により算出された一次式に基づいて、周波数領域シンボルごとの、分離後サブキャリア信号に含まれるデータサブキャリアそれぞれの位相ずれを算出し、位相ずれ分、データサブキャリアをそれぞれ逆回転させる。
線形近似手段は、パイロットサブキャリアそれぞれについて複数のストリームの平均値を用いて、周波数領域シンボルごとの一次式を算出することが望ましい。
この発明の他の局面に従う受信データ復元装置は、ストリーム単位で、ベースバンド帯域の伝送信号をデジタル処理することによって、受信データを復元する装置であって、抽出手段と、推定手段と、補正手段と、変換手段とを備える。抽出手段は、伝送信号を構成するシンボルごとに、冗長部の信号を除去してデータ部の信号を抽出する。推定手段は、シンボルごとに、冗長部の信号を用いて算出されたシンボル全体の位相回転の変化量を線形近似することによって、データ部の時間単位の位相回転量を推定する。補正手段は、推定手段により推定された時間単位の位相回転量に基づいて、データ部の信号を信号ごとに個々に補正して、パケット単位で、1シンボル内および複数シンボルに亘りデータ部の信号を追従補正する。変換手段は、補正手段により補正されたデータ部の信号を、サブキャリア信号に変換する。
本発明によれば、ストリーム数が多い場合であっても、受信データの復元率を高めることができる。
本発明の実施の形態1に係るMIMO−OFDM通信システムの概要を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るMIMO−OFDM受信装置において、キャリア周波数がMIMO−OFDM送信装置のキャリア周波数と異なる場合に、受信信号が受ける影響を説明するための図である。 本発明の実施の形態1に係るMIMO−OFDM受信装置の回路構成を示すブロック図である。 図3に示す復元処理回路の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1において、同期部から出力されるOFDM信号のデータ構造を示す図である。 本発明の実施の形態1において、シンボル全体の位相回転の変化量の算出方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において、シンボルごとに算出されるデータ部の信号の位相ずれを説明するための図である。 本発明の実施の形態1において、シンボルごとに行われるデータ部の信号の補正方法を示す図である。 本発明の実施の形態1において、あるパケットに対して、解析により算出された位相回転の変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における受信データ復元処理を示すフローチャートである。 キャリア周波数のオフセットがない場合とある場合とにおける、デマッピング部の出力の違いを示す図である。 本発明の実施の形態2に係るMIMO−OFDM受信装置において、復元処理回路の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係るMIMO−OFDM受信装置において、サンプリング周波数がMIMO−OFDM送信装置のサンプリング周波数と異なる場合に、受信信号が受ける影響を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実行される、周波数領域補正処理を示すフローチャートである。 図14のステップS34の処理を模式的に示す図である。 サンプリング周波数のオフセットがある場合における、デマッピング部の出力例を示す図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
<実施の形態1>
はじめに、本実施の形態に係るMIMO−OFDM受信装置の概要について説明する。
図1を参照して、MIMO−OFDM受信装置(以下「OFDM受信装置」と略す)10は、MIMO−OFDM送信装置(以下「OFDM送信装置」と略す)90から無線送信された信号を受信する。OFDM送信装置90およびOFDM受信装置10はいずれも複数本のアンテナを有しており、MIMO方式によって映像データなどのデータ伝送が行われる。本実施の形態の無線通信システムは、たとえば8×8MIMO方式を採用し、サブキャリア単位でアンテナを割り当ててストリーム伝送を行う。
この場合、OFDM送信装置90が8本のアンテナ91(91a〜91h)を備え、OFDM受信装置10が8本のアンテナ11(11a〜11h)を備える。OFDM送信装置90は、送信データを複数のストリームに分割し、アンテナ91a〜91hから異なるストリームを同時送信する。OFDM受信装置10のアンテナ11a〜11hは、OFDM送信装置90の各アンテナ91から送信されたストリームの信号列を、同時受信する。OFDM受信装置10は、各アンテナ11が受信した信号を復調し、復調後の受信信号から混ざり合ったストリームデータを分離して取り出す。
OFDM受信装置10およびOFDM送信装置90は、直角位相振幅変調方式を採用し、たとえば256QAM、64QAM、16QAM、QPSKのうちのいずれか1つの変調方式が選択的または固定的に用いられる。
OFDM受信装置10は、復調後の受信信号をデジタル処理することによってデータを復元する。そのため、デジタル回路に入力される受信信号に歪みがあると、正しいデータを取り出すことができない。このことについて、図2を参照しながら説明する。なお、図2においては、理解の容易のためにアンテナ数(ストリーム数)が1対1の場合のデータ伝送を例にしている。
図2を参照して、OFDM送信装置90のアンテナ91からRF帯域の信号(以下「RF信号」という)r(t)が送信される。RF信号r(t)は、キャリアCWをベースバンド帯域の信号x(t)で変調することによって生成される。具体的には、RF信号r(t)は、キャリアCWに信号x(t)を乗算することで得られる。
OFDM受信装置10は、アンテナ11において受信したRF信号r(t)を復調してベースバンド帯域の受信信号y(t)を取り出す。受信信号y(t)は、RF信号r(t)にキャリアCWを乗算することで得られる。
理想的には、送信側のキャリア周波数fcと受信側のキャリア周波数fcとが同じ値fcであるため、送信側のキャリアCWおよび受信側のキャリアCWは、
として表される。
この場合、次式(1)で表わされるように、受信信号y(t)は送信信号x(t)と同じである。
しかしながら、実環境においては、送信機側のキャリア周波数fcと受信機側のキャリア周波数fcとが同じ値fcとならず、送信機側のキャリアCWおよび受信機側のキャリアCWは、
として表される。
この場合、受信信号y(t)は送信信号x(t)と同じにならず、次式(2)で表わされるように、受信信号y(t)には、送信機側のキャリア周波数fcと受信機側のキャリア周波数fcとの差、すなわちオフセットΔfの誤差が乗ってしまう。つまり、受信信号y(t)は位相回転する。
そこで、本実施の形態に係るOFDM受信装置10は、キャリア周波数オフセットΔfに起因する位相回転を補償する機能を有している。以下に、このような機能を有するOFDM受信装置10の構成および動作について、詳細に説明する。
(構成について)
図3は、本実施の形態に係るOFDM受信装置10の回路構成を概略的に示すブロック図である。なお、図3には、8本のアンテナ11a〜11hのうち2本のアンテナ11a,11bが受信するRF信号から受信データ1,2をそれぞれ復元するのに必要な構成が、代表的に示されている。
図3を参照して、OFDM受信装置10は、各受信アンテナ11で受信したRF信号を増幅するローノイズアンプ(LNA)12(12a,12b,・・・)と、キャリアを生成する局部発振回路14と、キャリアを元にRF信号を復調し、アナログOFDM信号を取り出す直交復調器13(13a,13b,・・・)とを備える。本実施の形態では、各チャネルに生じる周波数の揺らぎを一様にするため、アナログRF回路には、局部発振回路14が1つだけ設けられている。OFDM送信装置90においても同様に、1つの局部発振回路のみが設けられている。局部発振回路14は、水晶発振器(OSC)21、位相同期回路(PLL)22、および電圧制御発振器(VCO)23で構成される。
OFDM受信装置10は、さらに、アナログOFDM信号をデジタルOFDM信号に変換する一対のA/Dコンバータ(ADC)15(15a,15b,・・・)と、変換したデジタルOFDM信号をデジタル処理することによって受信データを取り出す復元処理回路30(30a,30b,・・・)とを備える。アンテナ11の個数(ストリーム数)分の復元処理回路30は、デジタル処理手段としてのデジタル受信回路16に搭載される。デジタル受信回路16には、各A/Dコンバータ15に対し、サンプリングクロックを与える発振回路24が1つ含まれる。
復元処理回路30の詳細な機能構成は、図4に示されている。図4を参照して、各復元処理回路30は、同期部31と、GI除去部32と、位相回転補償部33と、FFT部34と、MIMO処理部35と、デマッピング部36と、デインターリーブ部37と、ビタビ復号部38と、デスクランブル部39とを含む。
同期部31は、A/Dコンバータ15からデジタルOFDM信号(伝送信号)を受信する。同期部31は、OFDM送信装置90とOFDM受信装置10との間でデータの同期を取って、デジタルOFDM信号に含まれるシンボルの位置を決定する。OFDM信号は、図5に示されるように、プリアンブル51と、複数個(たとえば20個)のシンボル52とで構成されている。各シンボル52は、冗長部としてのGI(ガードインターバル)部61と、データ部62とで構成されている。GI部61の信号は、データ部62の後端部620の信号が複写されることによって生成された冗長信号である。
GI除去部32は、シンボル52からGI部61を除去し、データ部62の信号(有効OFDM信号)を抽出する。FFT部34は、有効OFDM信号を、フーリエ変換でデータ列に変換する。つまり、各シンボル52の有効OFDM信号を、サブキャリア信号に変換し、チャネル等化する。なお、GI除去部32およびFFT部34の機能は、共通の回路によって実現されてもよい。
MIMO処理部35は、MIMO検出およびMIMO等化を行う。具体的には、FFT部34から得られるサブキャリア信号に基づき、公知のMIMO検出により伝搬路の推定を行い、ウェイト行列を算出する。また、算出したウェイト行列の逆行列をデータ信号に乗算して、必要な信号(送信信号)のみを分離して取り出す。つまり、MIMO処理部35によって、サブキャリア信号が、ストリームごとに分離される。この分離後のサブキャリア信号を、ここでは「分離後サブキャリア信号」という。なお、MIMO処理部35は、デジタル受信回路16に含まれる複数の復元処理回路30に跨って配置される。
デマッピング部36は、複素平面上の信号点の配置、すなわち分離後サブキャリア信号の位相と振幅の情報を、デジタルビット列に変換する。デインターリーブ部37は、通信時に発生したデータの誤りを訂正する。ビタビ復号部38は、送信時に符号化されたデータをビタビアルゴリズムに基づいて復号する。デスクランブル部39は、送信時にランダムに変換されたデータ列を元に戻し、受信データを取り出す。デスクランブル部39で取り出された受信データが、各復元処理回路30から出力される。
本実施の形態では、上述のように、復元処理回路30は位相回転補償部33を含んでいる。位相回転補償部33は、同期部31とFFT部34との間に配置されており、時間領域において、有効OFDM信号の位相回転を補償する。つまり、図2に示した受信信号y(t)を補正する。
図11は、キャリア周波数のオフセットΔfがない場合とある場合とにおけるデマッピング部36の出力の違いを示す図である。
図11(A)にはオフセットΔfがない場合の理想的な出力例が示され、図11(B)にはオフセットΔfがある場合の出力例が示されている。図11では、8×8MIMO方式で1パケットのデータをQPSK伝送したときの、全ての分離後サブキャリア信号におけるデータ値がプロットされている。受信1〜受信8はそれぞれ、アンテナ11a〜11hで受信するストリームの伝送データを表わしている。1パケットにたとえば20シンボル含まれる場合、伝送時系列としては、受信1〜受信8は同時に、シンボル1のデータ、シンボル2のデータ、・・・、シンボル20のデータを順に受信する。
図11(A)の理想的な出力例では、どの伝送データにおいてもプロット値は一定であるのに対し、キャリア周波数オフセットΔfがあると、有効OFDM信号の位相回転の影響を受けるため、図11(B)の出力例に示すようにプロット値が変化する。図11(B)のような出力値のままデータを復元すると、正しい受信データが取り出せない。なお、図11(B)の出力例においては、アナログRF回路の雑音の影響により、プロット点にばらつきが生じている。
本実施の形態では、局部発振回路14の水晶発振器21として、市販されている水晶発振器の中でも比較的高性能のものが搭載されており、キャリア周波数の精度は0.5ppm程度まで向上されている。アナログRF回路での周波数オフセットΔfを0.5ppm程度まで向上させると、デバイスの安定性に起因した、僅かな周波数揺らぎが顕在化する。
このような僅かな周波数揺らぎは、アナログRF回路において調整可能な最小ステップ以下の揺らぎであり、SISO方式では問題とならないが、MIMO方式においてはデータ復元率に影響する。たとえば8×8MIMO方式では、アナログRF回路で向上させた周波数オフセットΔfの1/10程度(0.05ppm)にまで補正することが求められる。
本実施の形態の位相回転補償部33は、送受信機間のこのような僅かな周波数揺らぎ(以下「動的周波数オフセット」ともいう)の影響を低減させるため、次のような処理を行う。
位相回転補償部33は、まず、シンボル52ごとに、GI部61の信号を用いてシンボル52全体の位相回転の変化量θを算出する。この算出方法については、図6を参照して説明する。
図6に示されるように、各シンボル52において、GI部61は、TGIポイント分のガードインターバルデータを含み、データ部62は、Tsymポイント分の有効データを含んでいる。一例として、データ部62の全ポイント数が160であり、TGIポイントが32ポイント、Tsymポイントが128ポイントであると仮定する。Tsymポイント分の有効データのうちの後端部620のTGIポイントにも、ガードインターバルデータと同じデータが含まれるため、GI部61のあるデータyGI(t)と、そのデータよりTsymポイント後のデータydata(t)とは同じである。そのため、これらのデータyGI(t)とデータydata(t)とを比較することによって、シンボル52ごとに、Tsymポイント単位(つまり全体)の有効OFDM信号の位相回転の変化量θが算出可能である。
具体的には、GI部61の比較データyGI(t)をs(t)とすると、TSYMポイント分離れたデータ部の比較データydata(t)は、位相回転の影響を受けるため、次式(3)で表わされる。
比較データyGI(t)およびydata(t)は複素数であり、比較データyGI(t)と、その複素共役yGI(t)とを乗算すると、乗算後の信号d(t)は、次式(4)で表わされ、複素平面上での信号の回転が得られる。
シンボル52ごとのTsym当たりの位相回転の変化量θは、ストリーム1〜8の回転量d(t)の平均値として求められる。すなわち、1シンボル全体の位相回転の変化量θは、次式(5)によって表わされる。この式(5)より、キャリア周波数オフセットΔfは、θ/2πTsymとして表すことができる。
なお、ガードインターバルデータはマルチパスフェージングによるシンボル52間の干渉の影響を抑えるために挿入されるデータであることから、シンボル52の端のデータ、すなわち連続するシンボル52の境界付近のデータは、信頼性が低い。したがって、GI部61およびデータ部62の後端部620のいずれにおいても、中央部のデータのみを比較データとして用いる。中央部のデータとは、各部の両端1ポイント分以上のデータをそれぞれ除いたデータであって、たとえば、両端の8ポイント分のデータをそれぞれ除いたデータである。この場合、GI部61のポイント9〜24のデータが、それぞれGI部61の比較データyGI(t)となり、データ部62の後端部620のポイント137〜152のデータが、それぞれデータ部62の比較データydata(t)となる。比較に用いるデータは、GI部61およびデータ部62の後端部620共に、1ポイント分のデータであってもよい。
次に、位相回転補償部33は、シンボル52全体の位相回転の変化量θを線形近似することによって、図7に示すデータ部62の各信号y(t)の位相ずれθ(t)´を算出する。上述のように、アナログRF回路でのキャリア周波数オフセットを0.5ppm程度まで向上させると、1シンボル52内での周波数オフセットの変化が緩やかになるため、1シンボル52内における1t当たりの位相回転量を、θ/Tsymとみなすことができる(Tsym=128)。したがって、1シンボル52内において、データ部62の各信号y(t)の位相ずれθ(t)´は、次式(6)で表わされる。
1つのシンボル52のみに注目した場合、データ部62の各受信信号y(t)を、位相ずれθ(t)´分だけ逆回転をかけることで、補正後の受信信号(以下「補正信号」という)y^(t)が得られる。つまり、データ部62の受信信号y(1)〜y(128)は、一例として、次のように、信号ごとに個々に補正される。
しかしながら、本実施の形態のようにMIMO方式の無線通信の場合、シンボル52内の位相ずれθ(t)´だけを用いて受信信号y(t)の補正を行うだけでは不十分である。動的周波数オフセットは、複数のシンボル52に亘って影響しているためである。
そのため、本実施の形態の位相回転補償部33は、各シンボル52において算出した信号ごとの位相ずれθ(t)´に基づいて、1シンボル52内および複数シンボル52に亘り受信信号y(t)を追従補正することとしている。つまり、パケットを1単位として、前のシンボル52の受信信号y(t)の補正に追従して、次のシンボル52における受信信号y(t)の補正を行う。
この場合、n番目のシンボル52の各受信信号y(t)の補正に用いる位相ずれθ(t)は、n番目のシンボル52の時間単位の位相回転量θTn/Tsymに、それよりも前(1番目〜n−1番目)のシンボル52の位相回転量を加算した値とする。このような、前のシンボル52の位相回転量を加算して得られる位相ずれθ(t)を、ここでは「位相ずれ補償量θ(t)」という。
このような受信信号y(t)の追従補正について、図8を参照して具体的に説明する。GI法によって算出されたシンボル1,2,3,…の全体(128t当たり)の位相回転の変化量を、それぞれ、θT1,θT2,θT3,・・・とする。この場合、各パケットにおいて、最初のシンボル1の位相ずれ補償量θ(t)は、上記式(6)と同様に、シンボル1の1t当たりの位相回転量(θT1/Tsym)・tのみに基づいて算出される。つまり、シンボル1の位相ずれ補償量θ(t)は、
として表される。したがって、あるパケットにおいて最初のシンボル1の有効OFDM信号の各データの補正は、シンボル1内においてのみ行われる。
一方、シンボル1の次のシンボル2の位相ずれ補償量θ(t)は、シンボル2の1t当たりの位相回転量((θT2/Tsym)・t)に、その前のシンボル1の位相回転量((θT1/Tsym)・128)を加算して算出される。したがって、シンボル2の位相ずれ補償量θ(t)は、
として表され、シンボル2内の位相ずれθ(t)´に、1つ前のシンボル1全体の位相ずれ補償量θ(128)を乗算することで算出される。
同様に、シンボル2の次のシンボル3の位相ずれ補償量θ(t)は、シンボル3の1t当たりの位相回転量((θT3/Tsym)・t)に、その前のシンボル1,2の位相回転量((θT1/Tsym)・128),(θT2/Tsym)・128))を加算して算出される。したがって、シンボル3の位相ずれ補償量θ(t)は、
として表され、シンボル3内の位相ずれθ(t)´に、1つ前のシンボル2全体の位相ずれ補償量θ(128)を乗算することで算出される。
以上より、シンボルnにおいて、t=1〜Tsymのデータ(受信信号)を補正する場合、位相ずれ補償量θn(t)は、次式(7)により表わされ、各データの補正信号y(t)^は、次式(8)により表わされる。このようにして得られる各データの補正信号y(t)^は、理想的には、OFDM送信装置90から送信された元の送信信号x(t)に相当または近似する。
なお、式(7)の算出式は、シンボルnにおけるキャリア周波数オフセットΔfを用いた次式(9)と同義である。
図9のグラフには、あるパケットにおいて、解析により算出した位相回転の変化が時間軸に沿って示されている。このグラフの傾きの変化から、1シンボル52内および複数のシンボル52に亘ってキャリア周波数オフセットΔfが動的に変化していることが分かる。
このように、本実施の形態によれば、シンボルごとに算出される、1シンボル内および複数シンボルに亘る位相ずれ補償量θ(t)を用いて、データ部の信号が個々に補正される。これにより、パケットごとに、最初のシンボル1を基準として、複数シンボルの位相回転が統制的に補償される。したがって、キャリア周波数の僅かな揺らぎに起因した受信信号の歪みを低減することができる。その結果、MIMO−OFDM信号の復元率を向上させることができる。
また、シンボル52全体の位相回転の変化量θとして、複数ストリームの回転量d(t)の平均値が用いられるため、ストリームごとに位相回転の変化量を算出して各ストリームの受信信号を補正するよりも、回路規模を小さくすることができる。
(動作について)
本実施の形態に係るOFDM受信装置10の動作について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1においてOFDM受信装置10のデジタル受信回路16が実行する受信データ復元処理を示すフローチャートである。
図10を参照して、同期部31は、タイミング同期により、受信したOFDM信号に含まれるシンボルの位置を決定する(ステップS(以下「S」と略す)2)。具体的には、OFDM信号に含まれる複数のシンボル52が順に切出される。
位相回転補償部33は、シンボル52ごとに、GI部61の信号(一部)とコピー元であるデータ部62の後端部620の信号(一部)とを抽出する(S4)。
位相回転補償部33は、S4で抽出した2つの信号から、上記した式(4)および式(5)に基づいて、シンボル52ごとにその全体の位相回転の変化量θTnを算出する(S5)。また、シンボル52ごとに、全体の位相回転の変化量θTnを線形近似することによって、シンボル52内における時間単位の位相ずれθ(t)´を推定(算出)する(S6)。
その後、位相回転補償部33は、1番目のシンボル52から順に、上記した式(7)によってシンボル52間に亘る位相ずれ補償量θ(t)を算出する(S7)。すなわち、S6で算出した、シンボル52内の位相ずれθ(t)´に、1つ前のシンボル52の位相ずれ補償量θn−1(Tsym)を乗算することによって、データ部62の各信号の、シンボル内およびシンボル間に亘る位相ずれ補償量θ(t)が算出される。
位相回転補償部33のこれらの処理と並行して、または直列的に、GI除去部32が、シンボル52内のGI部61を除去し、データ部62の有効OFDM信号のみを抽出する(S8)。
続いて、位相回転補償部33は、シンボル52ごとに、式(8)に基づいて、S7で算出した位相ずれ補償量θ(t)分、S8で抽出されたデータ部62の各信号に逆回転をかけることによって、有効OFDM信号を補正する(S10)。これにより、パケット単位で、時間単位の位相回転量に応じて、データ部62の信号が、1シンボル内および複数シンボルに亘り追従補正される。
次に、FFT部34は、補正後のデータ部62の信号に対しフーリエ変換を行うことで、有効OFDM信号をサブキャリア信号(ストリーム分離前のサブキャリア信号)に変換してチャネル等化する(S12)。
MIMO処理部35は、MIMO検出により伝搬路を推定した後(S14)、MIMO等化を行う(S16)。つまり、受信信号から必要な信号(送信信号)のみが分離して取り出される。
デマッピング部36は、MIMO処理部35から出力される分離後サブキャリア信号の複素平面上の信号点配置をデジタルビット列に変換する(S18)。
その後、デインターリーブ部37、ビタビ復号部38、およびデスクランブル部39による後処理が実行されることで(S20)、受信データが出力される。
以上説明したように、本実施の形態に係るOFDM受信装置10では、位相回転補償部33によって動的キャリア周波数オフセットの影響が低減されるため、最終的に取り出される受信データの復元率を高めることができる。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2に係るOFDM受信装置は、受信信号の位相回転を、時間領域だけでなく周波数領域においても補償する機能を有している。以下に、本実施の形態に係るOFDM受信装置について、実施の形態1と異なる点のみ詳細に説明する。
図12は、本実施の形態に係るOFDM受信装置10のデジタル受信回路16に含まれる復元処理回路30Aの回路構成例を示すブロック図である。復元処理回路30Aは、図4に示した構成に加え、もう1つ位相回転補償部40を含んでいる。位相回転補償部40は、MIMO処理部35とデマッピング部36との間に配置され、位相回転補償部33による時間領域補正では対応できない(または対応できなかった)受信信号の位相回転を、周波数領域において補償する。すなわち、位相回転補償部40は、少なくとも送受信機間のサンプリング周波数のオフセットの影響を受けた受信信号の位相回転を、周波数領域において補償する。
位相回転補償部40の詳細な機能の説明に先立ち、サンプリング周波数オフセットおよびその影響について説明する。図3に示したように、OFDM受信装置10は、A/Dコンバータ15にサンプリングクロックを与える発振回路24を含んでいる。OFDM送信装置90(図1)にも、IFFT(逆フーリエ変換)後の信号をD/A変換する際にサンプリングクロックを与える発振回路(図示せず)が含まれている。双方の発振回路はよほど高性能なものでない限り、サンプリング周波数にオフセットが生じる。サンプリング周波数のオフセットは、FFT後の受信信号に影響を及ぼす。
具体的には、サンプリング周波数のオフセットが存在すると、i)切出したOFDMシンボル長が伸縮する、ii)パケットの後半になるにつれ、OFDMシンボルの切出し位置がずれる、という2つの影響が現れる。
i)の影響は、キャリア周波数のオフセットΔfと同じく、キャリア間干渉を発生させる。その影響は、オフセット周波数をベースバンド帯域幅で除した値が大きいほど大きくなる。しかし、一般にベースバンド帯域幅はサブキャリア周波数間隔に比べて大きいため、サンプリング周波数オフセットの影響は、キャリア周波数オフセットの影響よりも小さいため無視できる。
一方、ii)の影響は、特にIEEE802.11規格のように、パケット先頭のプリアンブルでチャネル等化を行うシステムにおいて、長いパケットを伝送する場合に影響が大きくなる。シンボル数が増加するにつれて切出し位置のずれが大きくなるためである。
図13に示されるように、あるシンボル52yにおいて本来のシンボル52xの開始点からΔtだけ時間ずれが発生したとき、FFTの時間シフトが発生し、シンボル長に差異Δtが生じる。すなわち、FFT後の受信信号Y(f)は、元の送信信号X(f)より以下のように位相回転を受ける。
この場合、MIMO処理によって得られる各分離後サブキャリア信号に、位相回転が加わる。そうすると、複素平面上の信号点の配置に誤差が生じる。サンプリング周波数オフセット(Δt)がある場合、各ストリーム(受信1〜8)には、誤った位相回転が加わる。図16では、サンプリング周波数オフセットがある場合の分離後サブキャリア信号のプロット値の典型例が示されている。図16に示されるように、受信1〜8の全てのストリームにおいて周波数オフセットの影響を受けるため、全てのストリームにおいて、誤った位相回転が加わる。
MIMO処理後に得られる分離後サブキャリア信号の位相回転は、キャリア周波数の残留オフセットがある場合にも生じる。時間領域で補正しきれていないキャリア周波数のオフセットが残っている場合、複素平面上の信号点配置に、残留位相差による収束点の偏移が現れるためである。
したがって、受信データの復元率を向上させるためには、実施の形態1で示したキャリア周波数の補正のみでは限界がある。そこで、本実施の形態では、位相回転補償部40によって、サンプリング周波数オフセットおよびキャリア周波数の残留オフセットについてもデジタル補正することとしている。
位相回転補償部40は、各シンボルに埋め込まれた既知信号であるパイロットサブキャリアに基づき、周波数領域において、シンボル52yごとに、位相回転の変化量を線形近似(一次近似)し、その一次式に基づいてデータサブキャリアを補正する。なお、周波数領域におけるシンボル52yは、時間領域におけるシンボル52と区別して、「周波数領域シンボル」ともいう。位相回転補償部40の具体的な処理例については、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
図14は、本実施の形態において実行される周波数領域補正処理を示すフローチャートである。この補正処理は、図10に示した受信データ復元処理におけるMIMO等化処理(S16)とデマッピング処理(S18)との間に挿入されるものとする。
図14を参照して、位相回転補償部40は、MIMO処理部35から出力される分離後サブキャリア信号を、データサブキャリア(データ信号)とパイロットサブキャリア(パイロット信号)とに分割する(S32)。ここでは、たとえば、MIMO処理部35から出力される分離後サブキャリア信号が1シンボル52y当たり114個であり、108個のデータサブキャリアと6個のパイロットサブキャリアとに分割されるものとする。一例として、6,34,48,67,81,109番目のサブキャリアにパイロット信号が埋め込まれている。なお、パイロットサブキャリアの数は伝送帯域幅によって異なる。
次に、位相回転補償部40は、各ストリームの6個のパイロットサブキャリアから、周波数領域シンボル52yごとに、位相回転の変化量(平均)を一次近似で算出する(S34)。具体的には、まず、パイロットサブキャリアそれぞれについて、ストリーム1〜8の平均をとる。すなわち、記号k(=1,2,3,4,5,6)をパイロット番号、記号n(=1,2,3,4,5,6,7,8)をストリーム番号、記号P(k)を受信パイロット信号とすると、k番目の受信パイロット信号の平均PAVG(k)は、次式(10)で表わされる。
次に、k番目の受信パイロット信号のストリーム平均と既知のパイロット信号とを比較して、誤差を算出する。言い換えると、次式(11)に示されるように、k番目の受信パイロット信号のストリーム平均と既知のパイロット信号の複素共役PREF(k)とを乗算して、位相回転した信号P(k)を算出する。
この場合、平均の位相回転の変化量θ(k)は、算出した信号P(k)の偏角として、次式(12)として表される。
位相回転補償部40は、図15に示されるように、6個のパイロット信号の位相回転量(平均)から、シンボル単位の位相回転の変化量を線形近似する。線形近似された一次式の傾きは、あるシンボルにおけるサンプリング周波数オフセットΔtによる影響を表わしている。
このようにしてシンボル単位で一次式が算出されると、位相回転補償部40は、各ストリームにおいて、周波数領域シンボル52yごとの、データサブキャリアy(f)の位相ずれθ(f)をそれぞれ算出する(S35)。記号f(=1,2,・・・108)はデータサブキャリア番号を示す。その後、位相回転補償部40は、各ストリームにおいて、算出された位相ずれθ(f)に応じて、データサブキャリアy(f)をそれぞれ補正する(S36)。具体的には、次式(13)によって、全てのデータサブキャリアy(f)に対して、算出された位相ずれθ(f)分だけ逆回転を行う。
このように、位相回転補償部40は、周波数領域シンボル52y単位で、全ストリームに共通の一次式を作成した後、その一次式と各データサブキャリアとの位相差(位相ずれ)を算出する。そして、1シンボル内において、算出された位相差によってデータサブキャリアの追従補正を行う。したがって、周波数領域シンボル52yごとに最適な位相逆回転が行われるため、動的に変化するサンプリング周波数オフセット、および、キャリア周波数の残留オフセットを、適切にデジタル補正することができる。
また、周波数領域においても、シンボル52yの位相回転の変化量θ(k)として、複数ストリームの回転量の平均値が用いられるため、ストリームごとに位相回転の変化量を算出して各ストリームの受信信号を補正するよりも、回路規模を小さくすることができる。
以上説明したように、本実施の形態では、時間領域だけでなく、周波数領域においても受信信号の位相回転を補償するため、デマッピング部のプロット値の変化を最大限抑えることができる。したがって、受信データを正しく取り出すことができる。
なお、各実施の形態では、ストリーム数が8個である例を示したが、それより多い場合であっても(たとえば、16×16MIMO方式)、受信データの劣化を最小限に抑えることができる。
また、各実施の形態では、OFDM受信装置10を例に説明したが、受信する伝送信号が冗長部とデータ部とで構成されたシンボルを伝送単位とし、時間領域において、冗長部の信号を用いてシンボル全体の位相回転の変化量が算出できる装置であれば、OFDM方式以外のマルチキャリア伝送方式の無線受信装置であってもよい。
また、各実施の形態に示したOFDM受信装置10のうち、受信データを復元する受信データ復元装置として、デジタル受信回路16の機能だけを提供してもよい。このような受信データ復元装置は、ストリーム単位で、ベースバンド帯域の伝送信号をデジタル処理することによって、受信データを復元する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 OFDM受信装置(無線受信装置)、11(11a〜11h) 受信アンテナ、13 直交復調器、14 局部発振回路、15 A/Dコンバータ、16 デジタル受信回路(受信データ復元装置)、21 水晶発振器、22 位相同期回路、23 電圧制御発振器、24 発振回路、30,30A 復元処理回路、31 同期部、32 GI除去部、33,40 位相回転補償部、34 FFT部、35 MIMO処理部、36 デマッピング部、37 デインターリーブ部、38 ビタビ復号部、39 デスクランブル部、90 OFDM送信装置、91(91a〜91h) 送信アンテナ。

Claims (6)

  1. MIMO方式によってマルチキャリア伝送を行う無線通信システムに用いられる受信装置であって、
    複数ストリームの送信信号を受信する複数の受信アンテナと、
    前記各受信アンテナにおいて受信されたRF帯域の信号を復調し、ベースバンド帯域の信号を出力する復調手段と、
    前記ストリーム単位で、前記ベースバンド帯域の伝送信号をデジタル処理することによって、受信データを復元するデジタル処理手段とを備え、
    前記デジタル処理手段は、
    前記伝送信号を構成するシンボルごとに、冗長部の信号を除去してデータ部の信号を抽出する抽出手段と、
    前記シンボルごとに、前記冗長部の信号を用いて算出された前記シンボル全体の位相回転の変化量を線形近似することによって、前記データ部の時間単位の位相回転量を推定する推定手段と、
    前記推定手段により推定された時間単位の位相回転量に基づいて、前記データ部の信号を信号ごとに個々に補正して、パケット単位で、1シンボル内および複数シンボルに亘り前記データ部の信号を追従補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された前記データ部の信号を、サブキャリア信号に変換する変換手段とを含み、
    前記補正手段は、各シンボルにおいて、前記時間単位の位相回転量に前のシンボルの位相回転量を加算することによって、前記データ部の各信号の位相ずれ補償量を算出し、算出した前記位相ずれ補償量分だけ、前記データ部の各信号に逆回転をかけることによって、前記データ部の信号を補正する、無線受信装置。
  2. シンボルnにおける位相ずれ補償量θn(t)は、
    として算出される、請求項に記載の無線受信装置。
  3. 前記デジタル処理手段は、前記複数のストリームそれぞれに対し前記冗長部の信号を用いて算出される回転量の平均値として、前記シンボル全体の位相回転の変化量を算出する手段をさらに含む、請求項1または2に記載の無線受信装置。
  4. 前記デジタル処理手段は、
    前記変換手段から得られるサブキャリア信号をストリームごとに分離して、分離後サブキャリア信号に変換するMIMO処理手段と、
    周波数領域シンボルごとに、前記分離後サブキャリア信号に含まれるパイロットサブキャリアに基づき位相回転の変化量を線形近似し、一次式を算出する線形近似手段と、
    前記線形近似手段により算出された一次式に基づいて、前記周波数領域シンボルごとの、前記分離後サブキャリア信号に含まれるデータサブキャリアそれぞれの位相ずれを算出し、前記位相ずれ分、前記データサブキャリアをそれぞれ逆回転させるサブキャリア補正手段とをさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の無線受信装置。
  5. 前記線形近似手段は、前記パイロットサブキャリアそれぞれについて前記複数のストリームの平均値を用いて、前記周波数領域シンボルごとの一次式を算出する、請求項に記載の無線受信装置。
  6. ストリーム単位で、ベースバンド帯域の伝送信号をデジタル処理することによって、受信データを復元する装置であって、
    前記伝送信号を構成するシンボルごとに、冗長部の信号を除去してデータ部の信号を抽出する抽出手段と、
    前記シンボルごとに、前記冗長部の信号を用いて算出された前記シンボル全体の位相回転の変化量を線形近似することによって、前記データ部の時間単位の位相回転量を推定する推定手段と、
    前記推定手段により推定された時間単位の位相回転量に基づいて、前記データ部の信号を信号ごとに個々に補正して、パケット単位で、1シンボル内および複数シンボルに亘り前記データ部の信号を追従補正する補正手段と、
    前記補正手段により補正された前記データ部の信号を、サブキャリア信号に変換する変換手段とを備え、
    前記補正手段は、各シンボルにおいて、前記時間単位の位相回転量に前のシンボルの位相回転量を加算することによって、前記データ部の各信号の位相ずれ補償量を算出し、算出した前記位相ずれ補償量分だけ、前記データ部の各信号に逆回転をかけることによって、前記データ部の信号を補正する、受信データ復元装置。
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