以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図13は、本発明の画像形成装置、画像濃度調整方法及びプログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像濃度調整方法及びプログラムの一実施例を適用したカラー画像形成装置1の概略構成図である。なお、以下の説明では、カラー画像形成装置1は、外部からLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して受信した印刷ジョブの印刷データを印刷処理するものとして説明するが、スキャナ部やファクシミリ部等の画像データ入力部を備えて、これらの画像データ入力部からの画像データに基づいて印刷処理を行ってもよい。
図1において、カラー画像形成装置1は、本体筐体2内に、給紙部10、搬送部20、プロッタ部30等が収納され、本体筐体2の上部に、排紙トレイ3及び操作パネル59(図2参照)等が設けられている。
給紙部10は、給紙トレイ11、給紙ローラ12及び図示しない分離パッド等を備えており、給紙トレイ11内には、複数枚の用紙(被記録媒体)Pが収納される。給紙部10は、給紙トレイ11内の用紙Pを給紙ローラ12と分離パッドで1枚ずつ分離して、搬送部20に送り出す。
搬送部20は、レジストローラ21、2次転写ローラ22、定着部23及び排紙ローラ24等を備えているとともに、図示しない複数の搬送ローラ等を備えている。
搬送部20は、給紙部10から送り出されてきた用紙Pを、レジストローラ21に搬送し、レジストローラ21に搬送される用紙Pを図示しないレジストセンサによって検出する。カラー画像形成装置1は、レジストローラ21で一時用紙Pの搬送を停止させた後、レジストセンサによる用紙Pの検出結果とプロッタ部30でのトナー画像形成状況に基づいて、レジストローラ21の駆動を制御する。カラー画像形成装置1は、レジストローラ21によって、用紙Pをプロッタ部30によって形成されたトナー画像とのタイミングを調整して、2次転写ローラ22に搬送する。搬送部20は、2次転写ローラ22によって、プロッタ部30で形成されたカラートナー画像をレジストローラ21から搬送されてきた用紙P上に転写させつつ、用紙Pを定着部23に搬送する。定着部23は、定着ローラ23aと加圧ローラ23bを備えていて、定着ローラ23aと加圧ローラ23bとの間に用紙Pを挟んで用紙Pを搬送しつつ加熱・加圧し、用紙P上のトナー画像を用紙Pに定着させて、定着の完了した用紙Pを排紙ローラ24に搬送する。
搬送部20は、排紙ローラ24に搬送される用紙Pを、図示しない排紙センサによって検出し、排紙ローラ24によって排紙トレイ3上に排出する。
プロッタ部30は、中間転写ユニット31、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色用のプロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32K、露光部33、濃度センサ34、ベルトクリーニング部35及び廃トナーボックス36等を備えており、中間転写ユニット31は、中間転写ベルト41、2次転写駆動ローラ42、テンションローラ43及びCMYK各色用の転写ローラ44Y、44M、44C、44K等を備えている。中間転写ユニット31は、無端帯状でリング状に形成されている中間転写ベルト(中間転写部材)41が、略水平方向に張り渡された2次転写駆動ローラ42とテンションローラ43とに張り渡されている。2次転写駆動ローラ42は、中間転写ベルト41を挟んで2次転写ローラ22に当接する状態で配設されている。中間転写ベルト41に沿ってCMYKの各プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kが配設されている。各プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kは、図1において時計方向に回転駆動される感光体45Y、45M、45C、45Kを中心に、符号を付与しない帯電ローラ、現像/トナー収納部及びクリーニング部等が配設された状態で、図示しないカートリッジケース内に収納されている。各プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kは、その感光体45Y、45M、45C、45Kが上記中間転写ベルト41を挟んで、各色用の転写ローラ44Y、44M、44C、44Kと対向して接触する状態で、カラー画像形成装置1の本体筐体2内に収納されて装着されている。プロッタ部30は、各プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kの感光体45Y、45M、45C、45Kと転写ローラ44Y、44M、44C、44Kとの間を中間転写ベルト41が搬送される。
露光部33は、符号を付さないが、ポリゴンモータ、ポリゴンミラー、Fθレンズ、レーザダイオード及びミラー等を備えている。露光部33は、各色の画像データに基づいて変調した各色のプロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32K用の書込光をレーザダイオードからポリゴンモータにより回転駆動されているポリゴンミラーへ出射させる。露光部33は、この書込光を、ポリゴンミラーによって主走査方向に偏向させて、fθレンズやミラー等を経由させて、図1に一点鎖線矢印で示すように、各プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kの一様に帯電されている感光体45Y、45C、45M、45Kに照射する。露光部33は、書込光を照射することで、各色の感光体45Y、45C、45M、45K上に静電潜像を形成する。
プロッタ部30は、静電潜像の形成された感光体45Y、45C、45M、45Kを時計方向に回転させつつ、現像/トナー収納部によって各色のトナーを感光体45Y、45C、45M、45K上に供給して静電潜像を現像してトナー画像(現像剤像)を形成する。プロッタ部30は、各色のトナー画像の形成された感光体45Y、45C、45M、45Kに転写ローラ44Y、44M、44C、44Kによって中間転写ベルト41上に順次重ね合わせて転写してカラーのトナー画像を形成する。プロッタ部30は、トナー画像の転写の完了した各感光体45Y、45C、45M、45Kをさらに回転させてクリーニング部で残留トナーを除去した後、再度、帯電ローラで帯電させて、画像形成に供する。
中間転写ベルト41は、2次転写駆動ローラ42によって反時計方向に回転駆動され、2次転写駆動ローラ42部分で、2次転写ローラ22との間にレジストローラ21から搬送されてきた用紙Pにトナー画像を転写する。
また、プロッタ部30は、所定の色ずれ補正処理や濃度調整処理等のキャリブレーション処理を行うために、中間転写ベルト41上にパターン画像を形成し、このパターン画像を濃度センサ34で検出する。濃度センサ34は、例えば、反射型光センサが用いられており、プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kによって中間転写ベルト41上に形成されたパターン画像の位置及び濃度、さらには、中間転写ベルト41の画像が形成されていない非形性領域の濃度を検出する。
さらに、プロッタ部30は、中間転写ベルト41の右端側の外周面に、ベルトクリーニング部35が配設されている。ベルトクリーニング部35は、図示しない廃トナー移送ホースによって、中間転写ベルト41の下方に配設されている廃トナーボックス36に接続されている。
プロッタ部30は、転写後の中間転写ベルト41上に残留するトナーを、ベルトクリーニング部35によって除去し、廃トナーボックス36へ搬送して、回収する。
また、プロッタ部30は、プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32K内でトナー(現像剤)が長期間滞留したトナーを排出するトナー排出処理を行う。すなわち、プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32K内にトナーが長期間滞留すると、トナーが劣化して、現像できなくなることがある。そこで、プロッタ部30は、この劣化トナーをプロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kの外に排出するトナー排出処理を行う。プロッタ部30は、トナー排出処理では、排出したいトナーを用いて感光体45Y、45C、45M、45Kの表面に濃度の濃い静電潜像を形成し、中間転写ベルト41に転写して、ベルトクリーニング部35により回収させる。したがって、プロッタ部30は、このトナー排出処理では、一旦、中間転写ベルト41上に、濃度の濃い画像を形成することになる。
すなわち、カラー画像形成装置1は、上記濃度調整処理時の他に、位置調整処理時及びトナー排出処理時に、中間転写ベルト41上に、濃い濃度のトナー画像を形成する。
そして、カラー画像形成装置1は、上述のように、プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kによって感光体45Y、45C、45M、45K上に形成した各色のトナー画像を、中間転写ベルト41上に順次重ね合わせてカラーのトナー画像を形成する。カラー画像形成装置1は、中間転写ベルト41上に形成したトナー画像を、用紙P上に転写することで、用紙Pに画像形成しているが、用紙Pに転写するトナー画像の濃度は、部品の劣化や環境(温度・湿度等)の変化によってばらつきが発生する。
そこで、カラー画像形成装置1は、トナー画像作成回数(プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kの走行距離)や環境変化に応じて、トナー濃度を調整する濃度調整処理を実施する。濃度調整処理としては、例えば、感光体45Y、45C、45M、45Kへの帯電ローラによる帯電バイアスは一定にしておき、露光部33から露光を行って、現像/トナー収納部の現像バイアスを可変にして濃度調整用パターン画像Pn(図4参照)を形成し、この濃度調整用パターン画像を濃度センサ34で読み取る。カラー画像形成装置1は、この濃度センサ34の出力電圧値を、トナー濃度(電圧が小さいほどトナーが高濃度であることを表す)に変換する。カラー画像形成装置1は、後述するように、カラー画像形成装置1の目標トナー濃度になるように、現像バイアスを計算して、現像/トナー収納部の現像バイアス値として設定する濃度調整処理を行って、安定した濃度のトナー画像を作成する。
また、カラー画像形成装置1では、トナー画像は、部品の劣化や環境(温度・湿度)変化により、主走査方向、副走査方向及び斜め方向の色ずれが発生するため、プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32Kによって、例えば、中間転写ベルト41の主走査方向の両側に色が互いに異なる4色の短冊状の位置合わせ用パターン画像Pi(図5参照)を形成し、この位置合わせ用パターン画像Piを濃度センサ34で検出する。そして、カラー画像形成装置1は、検出した各色の位置合わせ用パターン画像Piの位置ずれ量(色ずれ量)を検出する。カラー画像形成装置1は、その位置ずれ量が所定の値以下になるように露光部33による光書込タイミング等を調整することで位置ずれ(色ずれ)を補正する位置ずれ調整処理を行う。
さらに、カラー画像形成装置1は、上述のように、プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32K内で長期間滞留したトナーを排出するトナー排出処理を行う。カラー画像形成装置1は、このトナー排出処理において、プロセスカートリッジ32Y、32M、32C、32K内のトナーを、中間転写ベルト41上に塗布して濃いトナー排出用パターン画像Pt(図6参照)を形成し、該トナー排出用パターン画像Ptをベルトクリーニング部35で除去して、廃トナーボックス36へ排出する。
なお、本実施例では、カラー画像形成装置1は、プロッタ部30が、中間転写ベルト41を備え、中間転写ベルト41を介して感光体45Y、45C、45M、45K上のトナー画像を用紙Pに転写している。本発明においては、カラー画像形成装置1のプロッタ部30としては、感光体45Y、45C、45M、45K上の各色のトナー画像を、順次、用紙P上に直接重ね合わせて転写するものであってもよい。
そして、カラー画像形成装置1は、その制御系が、図2に示すようにブロック構成されている。カラー画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit )51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、外部I/F54、NVRAM(Nonvolatile Random Access Memory)55、I/O56、画像処理IC57、操作I/F58、操作パネル59及び上記濃度センサ34等を備えており、各部は、システムバス60によって接続されている。
ROM52は、カラー画像形成装置1としての基本プログラム及び本発明の画像濃度調整方法のプログラム及びこれらのプログラムを実行するのに必要なデータ等を格納している。
CPU51は、ROM52内のプログラムに基づいてRAM53をワークメモリとして利用して、カラー画像形成装置1の各部を制御して、カラー画像形成装置1としての処理を実行するとともに、後述する画像濃度調整方法を実行する。
外部I/F54は、ネットワーク、専用回線等によって、ホストコンピュータ等の外部装置(図示略)と接続され、CPU51の制御下で、外部装置との通信処理を行う。
NVRAM55は、不揮発性メモリであり、カラー画像形成装置1の電源がオフのときにも記憶しておくべき各種データを記憶する。NVRAM55は、例えば、上記濃度調整処理、位置合わせ処理及びトナー排出処理において形成するパターンデータ、濃度調整値、位置補正値、トナー経時時間等を、CPU51の制御下で記憶する。
また、NVRAM55は、濃度調整処理時に、中間転写ベルト41に形成された濃度調整用パターン画像を濃度センサ34が検出した検出結果を、トナー濃度を変換する変換テーブルまたは関数等のトナー濃度変換情報を記憶している。
画像処理IC57は、印刷対象(画像形成対象)の画像データに対して、上記プロッタ部30で画像形成するのに必要な画像処理を行い、露光部33に画像データを送信する。また、画像処理IC57は、CPU51の制御下で、上記濃度調整処理、位置合わせ処理及びトナー排出処理において形成するパターン画像データを生成し、CPU51へ渡す。
操作I/F58には、操作パネル59が接続され、操作I/F58は、CPU51と操作パネル59との間の信号の授受を行う。
操作パネル59は、各種操作キーや表示パネル(例えば、液晶パネル等)等を備えている。操作パネル59の操作キーからはカラー画像形成装置1に動作指示を行うのに必要な各種キー操作が行われ、表示パネルには、操作I/F58を介してCPU51の制御下で操作キーの操作内容や各種情報を表示出力する。特に、操作パネル59は、CPU51の制御下で、所定の警告を報知出力する。
I/O56には、濃度センサ34等の各種センサが接続され、センサ、特に、濃度センサ34からの検出電圧をCPU51へ渡す。
濃度センサ34は、例えば、図3に示すような反射型濃度センサが用いられている。濃度センサ34は、ケース34a内に、発光素子34bと受光素子34cが収納されており、発光素子34bとしては、LED(Light Emitting Diode)等が、受光素子34cとしては、フォトトランジスタまたはフォトダイオードが用いられている。濃度センサ34は、発光素子34bから中間転写ベルト41上に照射した検出光の反射光を、受光素子34cが受光する。受光素子34cは、入射光の光量に応じた電圧の検知電圧Vsを出力する。濃度センサ34は、発光素子34bから中間転写ベルト41に照射した検出光の反射光を受光素子34cで受光するが、この反射光は、正反射光である。すなわち、中間転写ベルト41の表面は、トナー画像が形成されているときのトナー層と比較して、光沢が十分に高く、中間転写ベルト41の表面に照射された検出光は、ほぼ正反射される。一方、トナー層に照射された検出光は、トナー層に吸収されたり、拡散されたりして、正反射する割合が、減少するが、その正反射する割合が、トナー濃度が濃くなるに従って小さくなる。すなわち、濃度センサ34は、中間転写ベルト41の表面(非形成領域)での反射光を検出したときの表面検出電圧Vsgと、中間転写ベルト41の表面に形成されたトナー画像(形成領域)での反射光を検出したときのトナー検出電圧Vspと、を出力する。
そして、濃度センサ34は、上記表面検出電圧Vsgとトナー検出電圧Vspを、I/O56を介してCPU51へ出力する。
CPU51は、上記位置合わせ処理、トナー排出処理及び濃度調整処理において中間転写ベルト41に濃い濃度のトナー画像(パターン画像)を形成したときの上記表面検出電圧Vsgとトナー検出電圧Vspの比Vr(Vr=Vsp/Vsg)を算出する。CPU51は、算出した高濃度検出電圧比Vrを、高濃度感度補正値として、NVRAM55に記憶する。
カラー画像形成装置1は、図4〜図6に示すように、2つの上記濃度センサ34が、主走査方向に並んで所定間隔離れた状態で、中間転写ベルト41の非画像領域の画像を検出する位置に配設されている。なお、本実施例では、濃度センサ34は、2つ設けられているが、中間転写ベルト41とトナー画像(パターン画像)を適切に検出することができれば、その数は、いくつであってもよく、例えば、1個または3個以上であってもよい。
図4は、一対の濃度センサ34と中間転写ベルト41上に濃度調整用パターン画像Pnが形成されている状態を示す図であり、図5は、一対の濃度センサ34と中間転写ベルト41上に位置合わせ用パターン画像Piが形成されている状態を示す図である。また、図6は、一対の濃度センサ34と中間転写ベルト41上にトナー排出用パターン画像Ptが形成されている状態を示す図である。これらの濃度調整用パターン画像Pn、位置合わせ用パターン画像Pi及びトナー排出用パターン画像Ptの元パターンデータは、上述のように、NVRAM55に格納されている。
図4〜図6では、例として、像高中心から左右均等に配置した2つの濃度センサ34を用いて各パターン画像Pn、Pi、Ptを検出する状態を示す図となっている。
図4の場合、濃度調整用パターン画像Pnは、副走査方向に均等な間隔で濃度の異なるパッチ画像が配列されており、YMCKの4色のパッチ画像が左右2色ずつYC、MKの組み合わせでパターン形成されている。カラー画像形成装置1は、濃度調整処理のタイミングで、プロッタ部30により中間転写ベルト41上の非画像領域に、この濃度調整用パターン画像Pnを形成し、2つの濃度センサ34で、同時に、中間転写ベルト41の画像の非形成領域と形成領域、すなわち、濃度調整用パターン画像Pnを検出する。CPU51は、濃度センサ34の検出電圧に基づいて、上記高濃度検出電圧比Vrを算出し、算出した高濃度検出電圧比VrをNVRAM55に保管する。
図5の場合、位置合わせ用パターン画像Piは、YMCK各色の画像の重ね合わせ位置を揃えるためのパターン画像であり、主走査、副走査それぞれの書き込み位置を、基準となる色に合わせ込むためのパターン画像である。カラー画像形成装置1は、濃度調整処理のタイミングで、プロッタ部30により中間転写ベルト41上の非画像領域に、この位置合わせ用パターン画像Piを形成し、2つの濃度センサ34で、同時に短時間に、斜めのパターン画像Piを検出して、副走査方向のズレ量を、横方向に形成されているパターン画像Piを検出して、副走査方向のズレ量を検出する。CPU51は、濃度センサ34の検出電圧に基づいて、上記高濃度検出電圧比Vrを算出し、算出した高濃度検出電圧比VrをNVRAM55に保管する。
図6の場合、トナー排出用パターン画像Ptは、YMCK各色のトナーをリフレッシュするための各色必要な副走査長を有するパターン画像である。カラー画像形成装置1は、トナー排出処理のタイミングで、プロッタ部30により中間転写ベルト41上の画像領域と非画像領域にわたって、このトナー排出用パターン画像Ptを形成して、トナー排出を行う。また、カラー画像形成装置1は、後述するように、このトナー排出用パターン画像Ptを、2つの濃度センサ34で、同時に短時間に検出する。CPU51は、濃度センサ34の検出電圧に基づいて、上記高濃度検出電圧比Vrを算出し、算出した高濃度検出電圧比VrをNVRAM55に保管する。
そして、CPU51は、濃度調整処理時に、中間転写ベルト41に形成した濃度調整用パターン画像Pnと非形成領域を濃度センサ34が検出したときの高濃度検出電圧比Vrを、NVRAM55に保管されている高濃度検出電圧比Vrと比較する。CPU51は、この比較結果に基づいて、濃度センサ34の感度補正値を決定する。すなわち、濃度センサ34から同じ検知電圧の検出光を中間転写ベルト41の表面(非形成領域)に照射しても、中間転写ベルト41の耐久劣化等で表面状態が変化すると、中間転写ベルト41の表面の表面検出電圧Vsgも変化する。一方、濃度センサ34は、その検出光の発光量については、発光素子34bに供給する発光電圧を調整することで、調整することができる。
そして、CPU51は、決定した感度補正値で、感度補正した値を用いて補正した高濃度検出電圧比Vrと上記NVRAM55のトナー濃度変換情報(高濃度感度補正値)を用いて、濃度調整時における濃度調整用パターン画像Pnのトナー濃度を求める。
カラー画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像濃度調整方法を実行するプログラムを読み込んでROM52、NVRAM55等に導入することで、後述する濃度調整時に形成する感度補正値算出用の濃度の濃い濃度調整用パターン画像に画像欠損が生じた場合にも、高精度に各色の現像剤像の現像剤量を算出して、濃度調整の精度を向上させる画像濃度調整方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像濃度調整方法のプログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
そして、カラー画像形成装置1は、上記画像濃度調整方法のプログラムが導入されることで、図7に示すような機能ブロックが構築される。すなわち、カラー画像形成装置1は、上記プログラムが導入されることで、図7に示すように、作像部71、濃度検出部72、感度補正値算出部73、感度補正値記憶部74、濃度調整制御部75、感度補正値設定部76、現像剤量算出部77、濃度調整部78及び報知部79が構築される。
作像部71は、プロッタ部30、特に、プロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32Kにより構築され、所定の搬送方向に搬送される中間転写ベルト(中間転写部材)41に、トナー画像(現像剤像)を形成する複数の色用の作像手段として機能している。なお、作像部71は、被記録媒体である用紙Pに直接トナー画像を形成するものであってもよい。
濃度検出部72は、濃度センサ34により構築されている。濃度検出部72は、中間転写ベルト41の搬送方向と直交する主走査方向の所定位置に配設され、該中間転写ベルト41の作像部71によるトナー画像の非形成領域と形成領域に照射された検出光の反射光量を、非形成領域光量と形成領域光量として検出する。ここで、トナー画像の非形成領域とは、中間転写ベルト41のトナー画像の形成されていない地肌部分であり、形成領域とは、トナー画像部分である。したがって、濃度検出部72は、濃度検出手段として機能している。なお、濃度検出部72は、反射光を検出する反射型に限るものではなく、中間転写ベルト41が透過部材で構成されている場合に、中間転写ベルト41の非形性領域を透過した非形成領域光量と、形成領域を透過した形成領域光量を検出するものであってもよい。
感度補正値算出部73は、CPU51により構築され、前記非形成領域光量と前記形成領域光量から濃度検出部72の感度補正値を算出する。したがって、感度補正値算出部73は、感度補正値算出手段として機能している。
感度補正値記憶部74は、NVRAM55により構築されている。感度補正値記憶部74は、作像部71により濃度が所定程度以上濃い画像を中間転写ベルト41に形成する高濃度画像形成時において濃度検出部72の検出する前記非形成領域光量と前記形成領域光量から感度補正値算出部73の算出する感度補正値を高濃度感度補正値として記憶する。したがって、感度補正値記憶部74は、感度補正値記憶手段として機能している。
濃度調整制御部75は、CPU51により構築されている。濃度調整制御部75は、中間転写ベルト41に各色の濃度調整用パターン画像Pnを作像部71に形成させて、該濃度調整用パターン画像Pnの前記非形成領域光量と前記形成領域光量から感度補正値算出部73に濃度調整パターン検出時感度補正値を算出させる。したがって、濃度調整制御部75は、濃度調整制御手段として機能している。
感度補正値設定部76は、CPU51により構築されている。感度補正値設定部76は、前記濃度調整パターン検出時感度補正値を、感度補正値記憶部74の前記高濃度感度補正値と比較して、作像部71の濃度調整を行うための濃度調整用感度補正値を設定する。したがって、感度補正値設定部76は、感度補正値設定手段として機能している。
現像剤量算出部77は、CPU51により構築され、濃度検出部72の検出する濃度調整用パターン画像Pnの形成領域光量と前記濃度調整用感度補正値から各色の該濃度調整用パターン画像Pnの現像剤量を算出する。したがって、現像剤量算出部77は、現像剤量算出手段として機能している。
濃度調整部78は、CPU51により構築されており、現像剤量算出部77の算出した現像剤量に基づいて作像部71によるトナー画像濃度(現像剤像濃度)を調整する。したがって、濃度調整部78は、濃度調整手段として機能している。
報知部79は、操作パネル59、特に、操作パネル59の表示パネルにより構築されており、所定の警告を表示出力する。したがって、報知部79は、報知手段として機能している。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のカラー画像形成装置1は、濃度調整時に形成する感度補正値算出用の濃度の濃い濃度調整用パターン画像Pnに画像欠損が生じた場合にも、高精度に各色のトナー画像のトナー量を算出して、濃度調整の精度を向上させる。
すなわち、カラー画像形成装置1は、濃度調整処理時に、作像部71によって中間転写ベルト41へ濃度調整用パターン画像Pnを形成する。カラー画像形成装置1は、濃度調整用パターン画像Pnと中間転写ベルト41の表面の反射光を、濃度検出部72で検出し、その検出結果に基づいて、作像部71によるトナー画像の濃度調整を行う。
ところが、濃度調整用パターン画像Pnに画像のかすれ、欠け等の画像欠損があると、濃度調整を適切に行うことができない。
そこで、カラー画像形成装置1は、濃度調整用パターン画像Pn以外の濃度の濃い画像を形成するタイミングに、その画像形成時の非形性領域光量と形成領域光量から濃度検出部72の感度を検出して、高濃度感度補正値として感度補正値記憶部74に保存する。そして、カラー画像形成装置1は、濃度調整時に、濃度調整用パターン画像Pnを形成して、濃度検出部72の検出する非形性領域光量と形成領域光量から濃度検出部72の感度補正値を求めて、感度補正値記憶部74の高濃度感度補正値と比較して、濃度調整用感度補正値を求める。カラー画像形成装置1は、濃度調整用感度補正値を求めることで、濃度調整用パターン画像Pnに画像欠損があっても、過去の感度から適切な感度補正値を求めることができる。そして、カラー画像形成装置1は、求めた感度補正値と濃度検出部72の検出する形成領域光量から濃度調整用パターン画像Pnのトナー量(現像剤量)を求めて、作像部71によって形成するトナー画像濃度を調整する。
そして、カラー画像形成装置1は、濃度の濃い画像を形成するタイミングとして、図8に示す位置合わせ処理タイミングと、図9に示すトナー排出処理タイミングを、採用しているが、これらのタイミングに限るものではない。また、画像濃度を調整する濃度調整タイミングをも、濃度の濃い画像を形成するタイミングとしてもよい。
カラー画像形成装置1は、これらのタイミングにおいて形成される濃度の濃い画像の形成領域と非形成領域の濃度検出部72の検出結果から濃度検出部72の感度補正値を算出して、最新のN個の感度補正値を、感度補正値記憶部74に保管する。
すなわち、カラー画像形成装置1は、位置合わせ処理タイミングにおいては、図8に示すように、作像部71によって、図5に示したような位置合わせ用パターン画像Piを、中間転写ベルト41に形成する(ステップS101)。
次に、カラー画像形成装置1は、濃度検出部72により中間転写ベルト41に形成された位置合わせ用パターン画像Piを検出する(ステップS102)。具体的には、濃度検出部72は、位置合わせ用パターン画像Piからの反射光量に応じたトナー検出電圧Vsを出力する。
カラー画像形成装置1は、位置合わせ用パターン画像Piの濃度検出部72の検出結果(トナー検出電圧Vs)から、位置合わせ補正量を算出し、感度補正値記憶部74に保存する(ステップS103)。
次に、カラー画像形成装置1は、位置合せ用パターン画像Piが濃度検出部72、すなわち、濃度センサ34の直下に到達する前後に濃度検出部72が出力するトナー検出電圧Vsから、各濃度センサ34の感度補正値を算出する(ステップS104)。すなわち、カラー画像形成装置1は、表面検出電圧Vsgとトナー検出電圧Vspから比Vrを、感度補正値として算出する。なお、位置合せ用パターン画像Piは、図5に示したように、複数のパッチから構成されているため、いずれかのパッチから感度補正値を算出してもよいし、全てのパッチで算出したデータから最も小さい値を選択して、濃度調整実行時の感度補正値としてもよい。
カラー画像形成装置1は、過去N回分の感度補正値の履歴を残すために、(N−i)回前の結果を(N+1−i)回前の結果として保存する処理を、iが、(N−1)になるまで順次繰り返し行う(iは、0〜N−1)(ステップS105〜S107)。
カラー画像形成装置1は、繰り返し処理を行って、感度補正値記憶部74に最新N回分の感度補正値を格納すると、今回算出した最新の感度補正値を1回前の感度補正値として感度補正値記憶部74に保管して、位置合わせ/感度補正値保管処理を終了する(ステップS108)。
カラー画像形成装置1は、ステップS105で、感度補正値記憶部74に感度補正値が保管されていないときには、繰り返し処理を行わない。カラー画像形成装置1は、今回算出した感度補正値を1回前の感度補正値として、感度補正値記憶部74に保管して、位置合わせ/感度補正値保管処理を終了する(ステップS108)。
また、カラー画像形成装置1は、トナー排出処理タイミングにおいては、図9に示すように、まず、トナー排出処理で排出するトナー排出量を算出する(ステップS201)。カラー画像形成装置1は、トナー排出量が、算出したトナー排出量となるトナー排出パターンを生成する。カラー画像形成装置1は、生成したトナー排出パターンに基づいて、作像部71によって、例えば、図6に示したようなトナー排出用パターン画像Ptを、中間転写ベルト41に形成する(ステップS202)。
次に、カラー画像形成装置1は、濃度検出部72により中間転写ベルト41に形成されたトナー排出用パターン画像Ptを検出する(ステップS203)。具体的には、濃度検出部72は、トナー排出用パターン画像Ptからの反射光量に応じたトナー検出電圧Vsを出力する。
カラー画像形成装置1は、トナー排出用パターン画像Ptが濃度検出部72、すなわち、濃度センサ34の直下に到達する前後に濃度検出部72が出力するトナー検出電圧Vsから、各濃度センサ34の感度補正値を算出する(ステップS204)。なお、この場合も、トナー排出用パターン画像Ptは、図6に示したように、複数のパッチから構成されているため、いずれかのパッチから感度補正値を算出してもよいし、全てのパッチで算出したデータから最も小さい値を選択して、濃度調整実行時の感度補正値としてもよい。
カラー画像形成装置1は、過去N回分の感度補正値の履歴を残すために、(N−i)回前の結果を(N+1−i)回前の結果として保存する処理を、iが、(N−1)になるまで順次繰り返し行う(iは、0〜N−1)(ステップS205〜S207)。
カラー画像形成装置1は、繰り返し処理を行って、感度補正値記憶部74に最新N回分の感度補正値を格納すると、今回算出した最新の感度補正値を1回前の感度補正値として感度補正値記憶部74に保管して、トナー排出/感度補正値保管処理を終了する(ステップS208)。
カラー画像形成装置1は、ステップS205で、感度補正値記憶部74に感度補正値が保管されていないときには、繰り返し処理を行わない。カラー画像形成装置1は、今回算出した感度補正値を1回前の感度補正値として、感度補正値記憶部74に保管して、トナー排出/感度補正値保管処理を終了する(ステップS208)。
なお、上記位置合わせ/感度補正値保管処理で保管した感度補正値と、上記トナー排出/感度補正値保管処理で保管した感度補正値とは、位置合せ処理時とトナー排出処理時それぞれの履歴として保管してもよいし、感度補正値の履歴として一緒に保管してもよい。
そして、カラー画像形成装置1は、図10に示すように、濃度調整/感度補正値保管処理を行う。すなわち、カラー画像形成装置1は、濃度調整タイミングになると、図10に示すように、作像部71によって、図4に示したような濃度調整用パターン画像(濃度調整用階調パターン画像)Pnを、中間転写ベルト41に形成する(ステップS301)。
次に、カラー画像形成装置1は、濃度検出部72により中間転写ベルト41に形成された濃度調整用パターン画像Pnを検出する(ステップS302)。具体的には、濃度検出部72は、濃度調整用パターン画像Pnからの反射光量に応じたトナー検出電圧Vsを出力する。
カラー画像形成装置1は、濃度調整用パターン画像Pnが濃度検出部72、すなわち、濃度センサ34の直下に到達する前後に濃度検出部72が出力するトナー検出電圧Vsから、各濃度センサ34の感度補正値を算出する(ステップS303)。なお、この場合も、濃度調整用パターン画像Pnは、図4に示したように、複数のパッチから構成されているため、いずれかのパッチから感度補正値を算出してもよいし、全てのパッチで算出したデータから最も小さい値を選択して、感度補正値としてもよい。
カラー画像形成装置1は、感度補正値を算出すると、感度補正値記憶部74に保管されている1回前の感度補正値を取得し(ステップS304)、算出感度補正値が1回前の感度補正値(最新感度補正値)よりも大きいかチェックする(ステップS305)。
ステップS305で、算出感度補正値が1回前の感度補正値よりも大きいと(ステップS305で、YESのとき)、カラー画像形成装置1は、濃度調整の感度補正値として、小さい方の1回前の感度補正値(最新感度補正値)を設定する(ステップS306)。
ステップS305で、算出感度補正値が1回前の感度補正値以下であると(ステップS305で、NOのとき)、カラー画像形成装置1は、濃度調整の感度補正値として、小さい方、または、最新の算出感度補正値を設定する(ステップS307)。
カラー画像形成装置1は、感度補正値を設定すると、該感度補正値を用いて、トナー検出電圧Vsから濃度調整用パターン画像Pnのトナー付着量を算出する(ステップS308)。
カラー画像形成装置1は、階調画像である濃度調整用パターン画像Pnを作成したときの作像負荷出力と、トナー付着量に基づいて、作像部71、すなわち、プロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32Kによる現像特性を算出する(ステップS309)。
カラー画像形成装置1は、算出した現像特性と目標付着量より、適正な作像負荷出力を算出し、設定して濃度調整処理を行う(ステップS310)。
カラー画像形成装置1は、過去N回分の感度補正値の履歴を残すために、(N−i)回前の結果を(N+1−i)回前の結果として保存する処理を、iが、(N−1)になるまで順次繰り返し行う(iは、0〜N−1)(ステップS311〜S313)。
カラー画像形成装置1は、繰り返し処理を行って、感度補正値記憶部74に最新N回分の感度補正値を格納すると、今回算出した最新の感度補正値を1回前の感度補正値として感度補正値記憶部74に保管して、濃度調整/感度補正値保管処理を終了する(ステップS314)。
カラー画像形成装置1は、ステップS311で、感度補正値記憶部74に感度補正値が保管されていないときには、繰り返し処理を行わない。カラー画像形成装置1は、今回算出した感度補正値を1回前の感度補正値として、感度補正値記憶部74に保管して、濃度調整/感度補正値保管処理を終了する(ステップS314)。
したがって、濃度調整処理において、中間転写ベルト41に形成した濃度調整用パターン画像Pnに欠損等があっても、感度補正値記憶部74に保管されている過去の感度補正値を用いて、高精度に各色の現像剤像の現像剤量を算出することができる。その結果、濃度調整の精度を向上させることができる。
なお、カラー画像形成装置1は、作像部71、すなわち、プロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32Kの作像能力が、所定以上に低下すると、濃度調整及び感度補正値の算出を中止し、また、所定回数中止すると、警告を出力してもよい。
すなわち、カラー画像形成装置1は、図11及び図12に示すように、作像部71、すなわち、プロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32Kの作像能力判定を伴う濃度調整/感度補正値保管処理を行う。なお、図11及び図12において、図10と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を省略または簡略化する。
カラー画像形成装置1は、まず、感度補正値記憶部74に保管されている最新感度補正値を取得し(ステップS401)、該最新感度補正値が予め設定されている感度補正値上限以下であるかチェックする(ステップS402)。すなわち、プロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32Kである作像部71は、作像能力が劣化してくると、形成画像が薄くなって感度補正値が大きくなり、濃度調整に失敗するおそれがある。そこで、カラー画像形成装置1は、最新感度補正値が、作像部71の作像能力の劣化が限度まで劣化していることを示す感度補正値上限を設定し、最新感度補正値が感度補正値上限以下であるか、すなわち、作像能力の劣化が限度になっていないかチェックする。
ステップS402で、最新感度補正値が感度補正値上限以下であると(ステップS402で、YESのとき)、カラー画像形成装置1は、図10の場合と同様の濃度調整/感度補正値保管処理を行う(ステップS301〜S314)。すなわち、この場合、カラー画像形成装置1は、作像部71の劣化は進んでいないと判定している。
カラー画像形成装置1は、濃度調整/感度補正値保管処理を行うと、図12に示すように、後述する濃度調整スキップ回数をクリアして、作像能力判定を伴う濃度調整/感度補正値保管処理を終了する(ステップS403)。
ステップS402で、最新感度補正値が感度補正値上限を越えていると(ステップS402で、NOのとき)、カラー画像形成装置1は、図12に示すように、濃度調整スキップ回数を、「1」だけインクリメントする(ステップS404)。この濃度調整スキップ回数は、例えば、内部カウンタ等でカウントする。すなわち、この場合、カラー画像形成装置1は、まず、濃度調整/感度補正値保管処理をスキップし、濃度調整スキップ回数を「1」だけインクリメントする。
カラー画像形成装置1は、インクリメントした濃度調整スキップ回数が、予め設定されているスキップ回数上限を越えているかチェックする(ステップS405)。このスキップ回数上限は、プロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32Kである作像部71が限界にきていると判断することのできる回数である。
ステップS405で、濃度調整スキップ回数がスキップ回数以下であると(ステップS405で、NOのとき)、カラー画像形成装置1は、そのまま作像能力判定を伴う濃度調整/感度補正値保管処理を終了する。
ステップS405で、濃度調整スキップ回数がスキップ回数を越えていると(ステップS405で、YESのとき)、カラー画像形成装置1は、報知部79に、所定の警告を報知出力させて、作像能力判定を伴う濃度調整/感度補正値保管処理を終了する(ステップS406)。
したがって、プロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32Kである作像部71が、劣化してきているときに、誤った濃度調整を行ってしまうことを防止することができ、濃度調整を適正化することができる。また、作像部71が劣化してくると、濃度調整用パターン画像Pnを作成する前に、濃度調整を未然に中止するので、濃度調整用パターン画像Pnを作成してトナーを無駄にすることを防止することができる。さらに、プロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32Kである作像部71が、劣化の程度が限度を越えていると、その旨の警告を出力することができ、作像部71に対する対応の適正化を図ることができる。
さらに、カラー画像形成装置1は、図13に示すように、濃度変動要因の発生の有無を考慮した濃度調整/感度補正値保管処理を行ってもよい。なお、図13において、図10と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付与して、その説明を省略または簡略化する。
この場合、カラー画像形成装置1は、まず、濃度変動要因が発生したか否かチェックする(ステップS501)。カラー画像形成装置1は、この濃度変動要因の発生の有無を、例えば、周囲環境の変化、プロセスカートリッジ32C、32M、32Y、32K、特に、感光体45Y、45C、45M、45Kの走行距離変化が所定値以上であったか等によって判断する。
ステップS501で、濃度変動要因が発生していると(ステップS501で、YESのとき)、カラー画像形成装置1は、図10の場合と同様に、図10の場合と同様の濃度調整/感度補正値保管処理を行う(ステップS301〜S314)。
ただし、カラー画像形成装置1は、図10のステップS305の代わりに、算出感度補正値が、画像欠損のないと判断される範囲内の値に入っているかどうかを確認する処理を、ステップS502として実行する。
ステップS502で、算出感度補正値が範囲内であると(ステップS502で、YESであると)、カラー画像形成装置1は、算出した感度補正値を濃度調整用の感度補正値に設定する(ステップS306)。
ステップS502で、算出感度補正値が範囲外であると(ステップS502で、NOのとき)、カラー画像形成装置1は、感度補正値記憶部74の最新の感度補正値を、濃度調整用の感度補正値に設定する(ステップS307)。
すなわち、濃度調整用パターン画像Pnがかすれて算出感度補正値が正常範囲内に入っていない場合にのみ、最新感度補正値を用いてカラートナー付着量を算出する。
このように、濃度変動要因が発生したときにのみ、濃度調整/感度補正値保管処理を行うことで、無駄な濃度調整処理時間を削減することができ、濃度調整処理の適正化とカラー画像形成装置1の利用性の向上を図ることができる。
ステップS501で、濃度変動要因が発生していないと(ステップS501で、NOのとき)、カラー画像形成装置1は、濃い濃度のパッチを省いた濃度調整用パターン画像Pnを中間転写ベルト41に形成する(ステップS503)。
次に、カラー画像形成装置1は、濃度検出部72により中間転写ベルト41に形成された濃度調整用パターン画像Pnを検出する(ステップS504)。カラー画像形成装置1は、ステップS503及びステップS504の処理を、ステップS308以降の処理を実施するために行う。
カラー画像形成装置1は、その後、感度補正値記憶部74の最新の感度補正値を、濃度調整用の感度補正値に設定し(ステップS307)、ステップS308へ移行して、上記同様の処理を実行する(ステップS308〜S314)。
このように、本実施例のカラー画像形成装置1は、所定の搬送方向に搬送される中間転写ベルト41に、トナー画像(現像剤像)を形成する複数の色用の作像部(作像手段)71と、前記中間転写ベルト41の搬送方向と直交する主走査方向の所定位置に配設され、該中間転写ベルト41への前記作像部71によるトナー画像の非形成領域と形成領域に照射された検出光の反射光量を、非形成領域光量と形成領域光量として検出する濃度検出部(濃度検出手段)72と、前記非形成領域光量と前記形成領域光量から前記濃度検出部72の感度補正値を算出する感度補正値算出部(感度補正値算出手段)73と、前記作像部71により濃度が所定程度以上濃い画像を前記中間転写ベルト41に形成する高濃度画像形成時において前記濃度検出部72の検出する前記非形成領域光量と前記形成領域光量から前記感度補正値算出部73の算出する感度補正値を高濃度感度補正値として記憶する感度補正値記憶部(感度補正値記憶手段)74と、前記中間転写ベルト41に各色の濃度調整用パターン画像Pnを前記作像部71に形成させて、該濃度調整用パターン画像Pnの前記非形成領域光量と前記形成領域光量から前記感度補正値算出部73に濃度調整パターン検出時感度補正値を算出させる濃度調整制御部(濃度調整制御手段)75と、前記濃度調整パターン検出時感度補正値を、前記高濃度感度補正値と比較して、前記作像部71の濃度調整を行うための濃度調整用感度補正値を設定する感度補正値設定部(感度補正値設定手段)76と、前記濃度検出部72の検出する前記濃度調整用パターン画像Pnの前記形成領域光量と前記濃度調整用感度補正値に基づいて各色の該濃度調整用パターン画像Pnのトナー量(現像剤量)を算出する現像剤量算出部(現像剤量算出手段)77と、前記トナー量に基づいて前記作像部71によるトナー画像濃度(現像剤像濃度)を調整する濃度調整部(濃度調整手段)78と、を備えている。
したがって、濃度調整処理において、中間転写ベルト41に形成した濃度調整用パターン画像Pnに欠損等があっても、感度補正値記憶部74に保管されている過去の感度補正値を用いて、高精度に各色の現像剤像の現像剤量を算出することができる。その結果、濃度調整の精度を向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、所定の搬送方向に搬送される中間転写ベルト41に、トナー画像を形成する複数の色用の作像処理ステップと、前記中間転写ベルト41の搬送方向と直交する主走査方向の所定位置に配設され、該中間転写ベルト41への前記作像処理ステップでの前記トナー画像の非形成領域と形成領域に照射された検出光の反射光量または透過光量を、非形成領域光量と形成領域光量として検出する濃度検出処理ステップと、前記非形成領域光量と前記形成領域光量から前記濃度検出処理ステップでの感度補正値を算出する感度補正値算出処理ステップと、前記作像処理ステップで濃度が所定程度以上濃い画像を前記中間転写ベルト41に形成する高濃度画像形成時において前記濃度検出処理ステップで検出される前記非形成領域光量と前記形成領域光量から前記感度補正値算出処理ステップで算出される感度補正値を高濃度感度補正値として感度補正値記憶部74へ記憶する感度補正値記憶処理ステップと、前記中間転写ベルト41に各色の濃度調整用パターン画像Pnを前記作像処理ステップで形成させて、該濃度調整用パターン画像Pnの前記非形成領域光量と前記形成領域光量から前記感度補正値算出処理ステップで濃度調整パターン検出時感度補正値を算出させる濃度調整制御処理ステップと、前記濃度調整パターン検出時感度補正値を、前記高濃度感度補正値と比較して、前記作像処理ステップの濃度調整を行うための濃度調整用感度補正値を設定する感度補正値設定処理ステップと、前記濃度検出処理ステップで検出される前記濃度調整用パターン画像Pnの前記形成領域光量と前記濃度調整用感度補正値に基づいて各色の該濃度調整用パターン画像Pnのトナー量を算出する現像剤量算出処理ステップと、前記トナー量に基づいて前記作像処理ステップでのトナー画像濃度を調整する濃度調整処理ステップと、を有する画像濃度調整方法を実行する。
したがって、濃度調整処理において、中間転写ベルト41に形成した濃度調整用パターン画像Pnに欠損等があっても、感度補正値記憶部74に保管されている過去の感度補正値を用いて、高精度に各色の現像剤像の現像剤量を算出することができる。その結果、濃度調整の精度を向上させることができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、制御プロセッサに、所定の搬送方向に搬送される中間転写ベルト41に、トナー画像を形成する複数の色用の作像処理と、前記中間転写ベルト41の搬送方向と直交する主走査方向の所定位置に配設され、該中間転写ベルト41への前記作像処理での前記トナー画像の非形成領域と形成領域に照射された検出光の反射光量を、非形成領域光量と形成領域光量として検出する濃度検出処理と、前記非形成領域光量と前記形成領域光量から前記濃度検出処理での感度補正値を算出する感度補正値算出処理と、前記作像処理で濃度が所定程度以上濃い画像を前記中間転写ベルト41に形成する高濃度画像形成時において前記濃度検出処理で検出される前記非形成領域光量と前記形成領域光量から前記感度補正値算出処理で算出される感度補正値を高濃度感度補正値として感度補正値記憶部74へ記憶する感度補正値記憶処理と、前記中間転写ベルト41に各色の濃度調整用パターン画像Pnを前記作像処理で形成させて、該濃度調整用パターン画像Pnの前記非形成領域光量と前記形成領域光量から前記感度補正値算出処理で濃度調整パターン検出時感度補正値を算出させる濃度調整制御処理と、前記濃度調整パターン検出時感度補正値を、前記高濃度感度補正値と比較して、前記作像処理の濃度調整を行うための濃度調整用感度補正値を設定する感度補正値設定処理と、前記濃度検出処理で検出される前記濃度調整用パターン画像Pnの前記形成領域光量と前記濃度調整用感度補正値に基づいて各色の該濃度調整用パターン画像Pnのトナー量を算出する現像剤量算出処理と、前記トナー量に基づいて前記作像処理でのトナー画像濃度を調整する濃度調整処理と、を実行させるプログラムを搭載している。
したがって、濃度調整処理において、中間転写ベルト41に形成した濃度調整用パターン画像Pnに欠損等があっても、感度補正値記憶部74に保管されている過去の感度補正値を用いて、高精度に各色の現像剤像の現像剤量を算出することができる。その結果、濃度調整の精度を向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、前記感度補正値記憶部74が、前記濃度調整パターン検出時感度補正値をも、前記高濃度感度補正値として記憶する。
したがって、過去に濃度調整用パターン画像Pnを形成したときの濃度調整パターン検出時感度補正値をも、高濃度感度補正値として利用して、中間転写ベルト41に形成した濃度調整用パターン画像Pnに欠損等があっても、より一層高精度に各色の現像剤像の現像剤量を算出することができる。その結果、濃度調整の精度をより一層向上させることができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、前記感度補正値設定部76が、前記感度補正値記憶部74の記憶する最新の前記高濃度感度補正値と前記濃度調整パターン検出時感度補正値とを比較して、小さい方の感度補正値を前記濃度調整用感度補正値として設定する。
したがって、劣化がより少ない画像に基づく感度補正値を、濃度調整用感度補正値として用いて濃度調整することができ、濃度調整の精度をより一層向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、前記感度補正値算出部73が、前記形成領域光量として、前記画像の欠損が非発生の部分の画像形成領域における光量を用いて前記感度補正値を算出する。
したがって、画像欠損のない画像に基づく感度補正値を、濃度調整用感度補正値として用いて濃度調整することができ、濃度調整の精度をより一層向上させることができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、前記濃度調整制御部75が、前記感度補正値記憶部74の前記高濃度感度補正値が所定の閾値である感度補正値上限を超えていると、前記作像部71による前記濃度調整用パターン画像Pnの形成及び前記感度補正値算出部73による前記濃度調整パターン検出時感度補正値の算出を中止する。
したがって、無駄な濃度調整用パターン画像Pnを形成するためのトナーの消費を抑制しつつ、濃度調整パターン検出時感度補正値の精度を向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、情報を報知出力する報知部(報知手段)79を、さらに備え、前記濃度調整制御部75が、前記濃度調整用パターン画像Pnの形成及び前記濃度調整パターン検出時感度補正値の算出を、所定回数中止すると、前記報知部79に所定の警告を報知出力させる。
したがって、作像部71の劣化等の異常をユーザに通知して、速やかな対応を促すことができ、カラー画像形成装置1の運用の適正化を図ることができる。
さらに、本実施例のカラー画像形成装置1は、前記濃度調整制御部75が、前記作像部71による前記トナー画像の濃度が所定値を超えて変動する要因が発生したときにのみ、前記濃度調整用パターン画像Pnの形成及び前記濃度調整パターン検出時感度補正値の算出を行わせる。
したがって、濃度調整処理や濃度調整パターン検出時感度補正値の算出を必要なときにのみ行い、無駄なトナー消費や処理時間を省くことができるとともに、カラー画像形成装置1の利用性を向上させることができる。
また、本実施例のカラー画像形成装置1は、前記感度補正値記憶部74が、前記濃度調整用パターン画像Pnの形成以外の前記高濃度画像形成時のタイミングとして、各色の画像位置調整タイミング、長期滞留トナーを用いて前記作像部71が前記中間転写ベルト41へ高濃度画像を形成した後に排出する現像剤排出タイミングを採用して、該タイミングにおける前記高濃度感度補正値を記憶する。
したがって、画像位置合わせ処理タイミングやトナー排出タイミングにおいて、高濃度感度補正値を求めて感度補正値記憶部74に記憶する。その結果、濃度調整処理時に、濃度調整パターン画像Pnに画素欠陥等がある場合にも、感度補正値記憶部74のこれらの高濃度感度補正値を用いて濃度調整を行うことができ、濃度調整処理を適切に行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。