JP6633935B2 - パワー半導体モジュール - Google Patents

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本発明は、パワー半導体モジュールに関する。
鉄道車両の駆動用モータの制御装置として、パワー半導体素子を用いて電車線電圧を交流から直流に変換する装置(コンバータ)、あるいは直流から交流に変換する装置(インバータ)がある。パワー半導体素子は変換時損失に起因して発熱するため、パワー半導体素子を適切に冷却して温度上昇を低減する必要がある。その冷却方法は、高速車両運行や通勤車両運行などの負荷の違いに応じて選択され、負荷の大きい高速車両では効率良く冷却できる水冷装置を用いる場合がある。
パワー半導体素子を複数搭載するパワー半導体モジュールの従来水冷技術は、パワー半導体モジュールに、例えば熱伝導グリースを介して放熱フィン付きのヒートシンクが取り付けられ、その放熱フィンが冷却水流路の中に浸漬されて放熱する方式(間接水冷方式)である。ところが、熱伝導グリースは、金属に比べて熱伝導率が低いことから熱抵抗が大きく、温度上昇低減の妨げとなっている。
これに対して、より高い冷却能力を確保するために、熱伝導グリースを介さずにパワー半導体素子から冷却水へと熱伝達する方式(直接水冷方式)を適用したパワー半導体モジュールが知られている。その直接水冷方式のパワー半導体モジュールによれば、ベース板の一方の面に絶縁層を介してパワー半導体素子が搭載され、他方の面に放熱フィンが設けられている。そのパワー半導体モジュールは、ボルトやビス等を用いて水路形成体に固定され、水路形成体の開口部がベース板の放熱フィン形成面によって覆い塞がれる構造であるので、放熱フィン形成面を冷却水で直接冷やすことになり、パワー半導体素子の発熱を効率良く放熱できる利点を有する。
ところで、システム電圧の高い鉄道の高耐圧インバータを高出力化するために、パワー半導体モジュールの多並列使用が重要となっている。パワー半導体モジュールの多並列使用は、パワー半導体モジュール一つあたりの電流負荷を小さくし、パワー半導体素子の温度上昇を低減する効果がある。しかし、パワー半導体モジュールの搭載数に応じて冷却水流路を設計することになり、搭載数が多くなるほど冷却水流路の流動抵抗が増加する。その流動抵抗の大きさに適した冷却水流量を確保するために水冷装置のポンプを大型化すると、直接水冷方式のパワー半導体モジュールのベース板にかかる水圧が大きくなる。ベース板にかかる水圧が大きくなると、ベース板の変形量が大きくなり、ベース板と水路形成体との間で液漏れが生じやすくなる。
特許文献1には、金属ベース板と冷却ジャケットとの間に挟持され、開口からの冷媒の漏れを封止するシール部材と、を備えた電力変換装置であって、前記金属ベース板は、前記半導体素子が実装される実装領域と、前記シール部材を押圧して前記冷却ジャケットに固定する固定領域とを有し、前記実装領域の厚さを、前記半導体素子から発生する熱を前記冷媒に放熱するための放熱量に応じて定め、前記固定領域の剛性を前記実装領域の剛性よりも大きく設定した電力変換装置が記載されている。特許文献1に記載の電力変換装置は、固定領域を実装領域よりも肉厚化することによって、固定領域の剛性を高めてシール部材を押圧している。
特許文献2には、金属支持板上に絶縁板を有し、該絶縁板上に半導体素子が搭載された半導体装置において、前記金属支持板は、剛性金属板内の前記半導体素子の直下またはその近傍に位置する個所に高熱伝導性材料が押圧接合された複合金属支持板からなる半導体装置が記載されている。特許文献2に記載の半導体装置は、半導体素子の周辺における金属支持板の材料剛性を高くして、温度上昇の大きい半導体素子直下の冷却性能を向上している。
高耐圧のパワー半導体モジュールのベース板には、アルミニウム(Al)と炭化ケイ素(SiC:Silicon Carbide)の複合材AlSiCが適用されることも多い。AlSiCは、銅に比べて低熱膨張かつ高剛性であることに加えて、アルミニウムに近い熱伝導率を有するため、絶縁基板とベース板との接合信頼性と冷却能力の向上に寄与する。高剛性を有する点は、ベース板の曲げ剛性を高めることにつながり、水圧による変形の抑制に貢献する。一方、銅やアルミニウムに比べて高価なSiCを使用するため、部材コストが上昇してしまう問題がある。
特開2010−178581号公報 特開平09−082858号公報
特許文献1に記載の電力変換装置では、固定領域を部分的に肉厚化するためには、金属ベース板の切削加工や鍛造加工などが必要となる。ベース板材としてよく用いられる銅やアルミニウムは、加工性の良さから肉厚化しやすいが、高熱膨張材料であることから、絶縁基板とベース板との接合信頼性が問題となる。低熱膨張材料であるAlSiCは、高い耐摩耗性を有することから、特許文献1で図示される形状への加工が難しい。また、銅やアルミニウムに比べて高価なAlSiCを使って肉厚化すると、単純平板形状のベース板に比べて製造コストが著しく上がる。
また、特許文献2に記載の半導体装置では、AlSiCをベース板に適用する場合、穴加工することの難しさに加えて、金属支持板における面内熱拡散が小さいという問題が生じる。剛性金属板と高熱伝導性材料との間には、熱伝導率の小さい空気が表面粗さに起因して介在するため、高熱伝導性材料から剛性金属板への熱伝導が妨げられる。空気が介在しないように剛性金属板と高熱伝導性材料との間に新生面を形成するには、押圧接合と同時に高温処理を必要とするため、製造工程が増えてしまう。
また、特許文献1および特許文献2のいずれの装置であってもAlSiCを用いた場合、銅やアルミニウムに比べて高価なSiCを使用するため、部材コストが上昇してしまう課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、冷却性能に優れ信頼性を向上させたパワー半導体モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子および絶縁基板と、前記パワー半導体素子の発熱を液体冷媒へ放熱するベース板と、を備え、前記ベース板は、強化材料と当該強化材料を支持する母材との複合材からなり、前記絶縁基板が実装されるパワー半導体素子実装領域と、前記パワー半導体素子実装領域以外の領域である周辺領域とから構成され、前記周辺領域は、前記パワー半導体素子実装領域より前記強化材料の配合が高められたことを特徴とする。
本発明によれば、冷却性能に優れ信頼性を向上させたパワー半導体モジュールを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールを備える鉄道車両の主電力変換装置の回路図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールを備える主電力変換装置を構成するコンバータの回路図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールを備える主電力変換装置を構成するインバータの回路図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールを備える主電力変換装置を構成するコンバータとインバータを構成する冷却装置の冷却系統図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールを備える主電力変換装置を構成するパワーユニットの外観図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールの回路図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールの外観図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールの側面図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールのパワーユニットの分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールの水路形成体における冷却水の流れ方向を示す図である。 図5のA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールの分解図である。 本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールのAlSiCでベース板を製造する場合の工程概略図である。 本発明の第2の実施形態に係るパワー半導体モジュールの分解図である。 本発明の第3の実施形態に係るパワー半導体モジュールの分解図である。 本発明の第4の実施形態に係るパワー半導体モジュールの分解図である。 第1の実形態ないし第4の実施形態に係るパワー半導体モジュールのベース板の変形量の比較図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパワー半導体モジュールを備える鉄道車両の主電力変換装置10の回路図である。本実施形態のパワー半導体モジュールは、電力変換装置に搭載される直接水冷方式のパワー半導体モジュールに適用した例である。
図1に示すように、電車線1から供給された交流電力は、整流回路であるコンバータ4によって直流電力へ変換される。主電力変換装置10を構成するコンバータ4での整流後、平滑コンデンサ3によって平滑化された直流電力がインバータ5へ印加され、所望の電圧と周波数の交流電力へと逆変換される。逆変換後、インバータ5が出力する三相交流電力は交流電動機6への出力となり、所望の回転速度で交流電動機6を駆動する。
図2は、主電力変換装置10を構成するコンバータ4の回路図である。
図2に示すように、コンバータ4は、電車線1からの交流電力を直流電力に変換させるものである。入力となる交流電力を、コンバータ4の交流配線40r、40sに供給し、各相に備えられた上アームのスイッチング素子31および整流素子33と、下アームのスイッチング素子32および整流素子34と、を用いて整流させる。本実施形態では、スイッチング素子としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、整流素子としてダイオードを用いているが、これらに限らず、他の種類の素子を適用することも可能である。コンバータ4のスイッチング素子31、33は、制御回路200からの駆動信号210によって駆動される。
図3は、主電力変換装置10を構成するインバータ5の回路図である。
図3に示すように、インバータ5は、平滑コンデンサ3で平滑化された直流電力を三相交流電力に変換させるものである。コンバータ4により変換された直流電力を、各相に備えられた上アームのスイッチング素子31および整流素子33と、下アームのスイッチング素子32および整流素子34と、を用いて三相交流電力に変換させ、交流配線40u、40v、40wに出力する。インバータ5のスイッチング素子31、32は、制御回路201からの駆動信号211によって駆動される。
コンバータ4とインバータ5において、スイッチング素子31、32および整流素子33、34を搭載するパワー半導体モジュールは、その電力変換動作に際して熱が発生し、温度が上昇する。この温度上昇を抑制するために、パワー半導体モジュールには冷却装置が取り付けられて冷却される。
図4は、コンバータ4とインバータ5を構成する冷却装置20の冷却系統図である。
本実施形態の冷却装置20の冷却系統は、循環する冷却水がパワー半導体モジュール100の発熱を取り去ることによって、主電力変換装置10を安定的に動作させる。冷却水には、水やエチレングリコール水溶液がよく使用されるが、他の液体であってもよい。
本実施形態では、4並列のパワー半導体モジュール100から成るパワーユニット53を3並列として冷却する構成を示す。定格出力に応じて、パワー半導体モジュール100の並列数、あるいはパワーユニット53の並列数を変えてもよい。また、並列・直列は任意に設定される。
図4に示すように、ポンプ50から吐き出される低温冷却水51(液体冷媒)は、低温側分配管52によって、各パワーユニット53へ分配される。分配された低温冷却水51は、各パワーユニット53上のパワー半導体モジュール100の発熱を取り去り、水温が上昇した高温冷却水54となる。高温冷却水54は、パワーユニット53から排出された後に高温側分配管55によって集約され、ラジエータ56へと送水される。ラジエータ56内を通る高温冷却水54は、ファン57によって導入される冷却風58と熱交換し、水温が下降した低温冷却水51となる。冷却系統内の温度変化により生じる冷却水の体積変化は、膨張タンク59によって吸収される。ラジエータ56から排出された低温冷却水51は、ポンプ50で送水されて、冷却系統内を循環する。
図5は、パワーユニット53の外観図である。
図5に示すように、パワーユニット53は、4並列のパワー半導体モジュール100と、水路形成体70とから構成される。
図6は、本実施形態で用いられるパワー半導体モジュール100の回路図である。
図6に示すように、パワー半導体モジュール100には、絶縁基板上にマウントされたスイッチング素子31、32と整流素子33、34とが含まれる。各々のパワー半導体素子間は、図2、図3に示されるレグ35を構成するように接続される。また、絶縁基板には、正極直流端子110p、負極直流端子110n、交流端子110ac、スイッチング素子のオンとオフとを制御するゲート端子110gが取り付けられる。
図7は、本実施形態で用いられるパワー半導体モジュール100の外観図である。
図7に示すように、パワー半導体モジュール100の外郭は、パワー半導体素子101の発熱を冷却水へ放熱するベース板130と、パワー半導体素子101と絶縁基板102(後記図12(a)参照)とを保護する筐体113で構成される。
パワー半導体モジュール100は、図12(a)で後記するように、複数のパワー半導体素子101と絶縁基板102および単一のベース板120を備える。パワー半導体モジュール100は、絶縁基板102の一方の面にはパワー半導体素子101を搭載し、絶縁基板102の他方の面はベース板130の表面に接合されている。ベース板130の他方の面は、パワー半導体モジュール100の底面を成し、当該底面を直接低温冷却水51(液体冷媒)に接触させて冷却する構造となっている。
ベース板130は、強化材料と当該強化材料を支持する母材との複合材からなる。本実施形態では、強化材料は、炭化ケイ素(SiC)、母材は、アルミニウム(Al)の複合材AlSiCを基材として用いる。SiCは、アルミニウムよりもヤング率が大きい。また、SiCは、アルミニウムよりも線膨張率が小さい特徴がある。本実施形態では、SiCを用いているが、SiC以外のセラミックスまたはセラミックス粒子であってもよい。また、複合材の母材は、アルミニウムのほか、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、ベリリウム(Be)またはこれらを少なくとも1種含む合金であってもよい。
ベース板130は、絶縁基板102が実装されるパワー半導体素子実装領域(後記図12(b)の領域140)と、パワー半導体素子実装領域以外の領域である周辺領域(後記図12(b)の周辺領域133)とから構成され、周辺領域は、パワー半導体素子実装領域よりSiCの配合が高められている。ここで、パワー半導体素子実装領域は、絶縁基板102(後記図12(a)参照)の枚数および/または絶縁基板102の平面形状に応じて形成されている。
ベース板130は、水路形成体70に固定するための固定用通し穴114を備える。
筐体113は、ポリフェニレンサルファイド樹脂などの樹脂材料で形成される。筐体113は、金属などの他の材料であってもよい。パワー半導体モジュール100の片方の辺には、正極直流端子110pと負極直流端子110nを設け、直流端子110p、110nが配置される辺とは反対の辺に交流端子110acを設け、強電系の端子(直流端子110p、110nおよび交流端子110ac)とは別に、弱電系の端子(ゲート端子110gおよび弱電系電極111)が設けられている。
図8は、パワー半導体モジュール100の側面図であり、図8(a)は、図7のB−B方向の側面図、図8(b)は、C−C方向の側面図である。
図8に示すように、ベース板130が水路形成体70に当接する面135には、微小円柱状の突起であるピンフィン131(放熱フィン)が、多数(例えば、合計約200以上)突出している。ピンフィン131は、図8に示すようなピン形状の他にも平板形状など、面135から突出させてなる凸部であればよい。また、図8では、ピンフィン131をパワー半導体素子101の直下の領域だけに配置しており、直流端子110p、110n側と、交流端子110ac側との二つの群に分けて形成したが、分けずに一つの群として形成してもよい。
図9は、図5のパワーユニット53の分解斜視図である。
図9に示すように、パワーユニット53は、水路形成体70の上面に位置する開口部75を塞ぐように、Oリング73を介して、パワー半導体モジュール固定用ボルト穴76にボルトを通し、パワー半導体モジュール100を設けることによって構成される。本実施形態では、封止部材としてOリング73を用いたが、他のシール材であってもよい。上面から、Oリング73とパワー半導体モジュール100を取り付けることにより、組み付け時にOリング73がOリング用溝74から外れることがないため、組立性が向上する。
図10は、水路形成体70における冷却水の流れ方向を示す図である。
図10に示すように、低温冷却水51は、低温側冷却水継手71から水路形成体70に流入する。水路形成体内の冷却水60(液体冷媒)は、開口部75と、ベース板130のピンフィン131とで形成される空間を流れ、ベース板130を直接冷却する。冷却水60は、ピンフィン131と熱交換することによって水温上昇し、高温側冷却水継手72から排出される高温冷却水54となる。
図11は、図5のA−A断面図である。
図11に示すように、筐体113と、ベース板130との間に据え込まれる押さえ部材115は、ベース板130と共締めされて、筐体113の強度を高めるとともに、ベース板130の変形を抑制する。ピンフィン131が形成する間隙では、流路断面積が小さいことに起因して、冷却水60の流動抵抗が増加する。ポンプ50の送水能力は、冷却系統の全流動抵抗を鑑みて決定されるため、パワー半導体モジュール100の並列数が多くなるほど、大流量の冷却水60が必要となる。ベース板130の領域132にかかる水圧は、冷却水60の流量に応じて変化し、方向230の向きを凸にしてベース板130が変形する。ベース板130が変形すると、ベース板130によって圧潰されるOリング73のつぶし率が減少する。
図12は、パワー半導体モジュール100の分解図であり、図12(a)は、図8(b)分解図、図12(b)は、ベース板130の放熱フィン形成面の平面図である。
図12(a)に示すように、パワー半導体素子101を搭載した絶縁基板102は、ベース板130と接合材(図示省略)を介して接合される。ここで、絶縁基板102の平面形状は、パワー半導体素子実装領域の形状と略等しい。
本発明者らは、ベース板130全体のSiC配合率を高めると部材コストが上昇してしまうことに着目した。ただし、ベース板130の基材として、AlSiCは優れた特徴を有する。すなわち、AlSiCは、低熱膨張かつ高剛性であることに加えて、アルミニウムに近い熱伝導率を有するため、絶縁基板102とベース板130との接合信頼性と冷却能力の向上に寄与する。
そこで、本実施形態では、ベース板130の基材には、AlSiC(複合材)を用いるものの、パワー半導体素子実装領域とそれ以外の周辺領域とでSiC配合率を変える。具体的には、ベース板130は、絶縁基板102が位置する領域140(パワー半導体素子実装領域;本実施形態では、絶縁基板直下領域)内をSiC配合率の低いSiC低配合部302で構成するとともに、領域140外の周辺領域133をSiC配合率の高いSiC高配合部301で構成する。例えば、領域140内を40%SiCの配合(AlSiC基材100%に対するSiCの配合率40% 以下同様)で構成し、周辺領域133を60%SiCの配合(AlSiC基材100%に対するSiCの配合率60% 以下同様)で構成する。この配合率は、一例であり、周辺領域133が領域140よりSiC配合率の高いものであればよく、他の配合率の組み合わせであってもよい。
SiC(強化材料)のヤング率はアルミニウム(母材)の約6倍である。また、SiCはアルミニウムよりも線膨張率が小さい。
本実施形態では、ベース板130の周辺領域133は中央部より変形量が大きい。そこで、ベース板130の周辺領域133のSiCの配合率を高めることによって、ベース板130の周辺領域133の剛性が高くなるようにする。ベース板130の高剛性化は、水圧によるベース板130の変形量を小さくし、Oリング73のつぶし率減少を抑制するため、液漏れ信頼性を向上させる。
このように、本実施形態では、ベース板130のSiC配合率を部分的に高めており、ベース板130全体のSiC配合率を高める場合よりもSiCの必要量が少ないため、部材コストが安くなる。また、SiC高配合部301とSiC低配合部302の熱伝導率が同等であるため、パワー半導体モジュール100の冷却性能に影響しない。
次に、パワー半導体モジュール100のベース板130の作製方法について説明する。
図13は、AlSiCでベース板130を製造する場合の工程概略図である。
<第1工程>
第1工程では、コロイド状のSiC溶液を2種類作製し、それぞれのSiCの配合率を設定する。SiCの配合率の低い(40%SiCの配合)SiC溶液Aと、SiCの配合率の高い(60%SiCの配合)SiC溶液Bとを作製する。
<第2工程>
第2工程では、ベース板130の型となる2つの金型A,Bを用いる。金型Aは、パワー半導体素子実装領域に対応する形状の金型であり、上面視して、図12(b)の領域140の平面形状と同一形状である。金型Bは、パワー半導体素子実装領域以外の周辺領域に対応する形状の金型であり、上面視して、図12(b)の周辺領域133のフレーム形状と同一形状である。
金型Aに対して、第1工程で配合したSiCの配合率の低いコロイド状SiC溶液Aの冷間射出成形を行い、ベース板130のうち、パワー半導体素子実装領域に対応する形状を模した成形物を作製する。
金型Bに対して、第1工程で配合したSiCの配合率の高いコロイド状SiC溶液Bの冷間射出成形を行い、ベース板130のうち、周辺領域に対応するフレーム形状を模した成形物を作製する。
<第3工程>
第3工程では、2つの冷間射出成形物をそれぞれ凍結乾燥し、コロイド状SiC溶液の溶媒である液体を昇華させる。凍結乾燥後の冷間射出成形物は、SiCだけで構成される多孔質体となる。SiCの密度の低いSiC多孔質体AとSiCの密度の高いSiC多孔質体Bとが作製される。
<第4工程>
第4工程では、2つのSiC多孔質体をそれぞれ焼結して固める。焼結によりSiCの密度の低い焼結SiC多孔質体AとSiCの密度の高い焼結SiC多孔質体Bとが作製される。
<第5工程>
第5工程では、SiCの密度の高い焼結SiC多孔質体Bに、SiCの密度の低い焼結SiC多孔質体Aを嵌め込み、一体化させる。すなわち、焼結SiC多孔質体Aの外周部に、周辺領域に対応する形状の焼結SiC多孔質体Bが取り囲むように一体化させる。
<第6工程>
第6工程では、一体化したSiC多孔質体のSiC粒子間をアルミニウムで固結するために、アルミニウムの溶湯に含浸した後に凝固成形する。
<第7工程>
第7工程では、ベース板130に仕上げ処理(例えば,所定寸法に合わせるための加工や防食を目的としたニッケルめっき等)を施す。
<第8工程>
第8工程では、一体成形のベース板130の完成に至る。
完成したベース板130は、図12(b)に示すように、絶縁基板102が位置する領域140はSiC配合率の低いSiC低配合部302で形成され、その周辺領域133はSiC配合率の高いSiC高配合部301で形成されている。
なお、本実施形態では、AlSiCをベース板130の製造に適用する例を示したが、アルミニウムの代わりにマグネシウム(Mg)を用いて、MgとSiCの複合材MgSiCをベース板130の製造に適用してもよい。MgSiCをベース板130の製造に適用する場合、図13の製造工程における第1工程から第4工程までの一部を省略できる。具体的には、コロイド状SiC溶液からSiC多孔質体を凍結乾燥によって作製する必要がなく、粉末状のSiCを金型へ充填してMgを溶浸させた後に凝固成形される。
以上説明したように、本実施形態に係るパワー半導体モジュール100は、パワー半導体素子101および絶縁基板102と、パワー半導体素子101の発熱を液体冷媒へ直接放熱するベース板130と、を備える。ベース板130は、SiC(強化材料)とAl(母材)とのAlSiC(複合材)を基材として用いるとともに、絶縁基板102が位置する領域140(絶縁基板直下領域)内をSiC配合率の低いSiC低配合部302で構成するとともに、領域140外の周辺領域133をSiC配合率の高いSiC高配合部301で構成する。すなわち、周辺領域133は、絶縁基板102が位置する領域140よりSiCの配合が高められている。
この構成により、ベース板130の中央部より変形量が大きくなる周辺領域133のSiCの配合率を高めることで、ベース板130の周辺領域133の剛性を高くすることができる。ベース板130の高剛性化は、水圧によるベース板130の変形量を小さくし、Oリング73のつぶし率減少を抑制するため、液漏れ信頼性を向上させることができる。
特に、本実施形態では、ベース板130のSiC配合率を部分的に高めており、ベース板130全体のSiC配合率を高める場合よりもSiCの必要量が少ないため、部材コストが安くなる。また、SiC高配合部301とSiC低配合部302の熱伝導率が同等であるため、パワー半導体モジュール100の冷却性能に影響しない。
このように、パワー半導体モジュール100の冷却性能と絶縁基板とベース板130との接合信頼性に影響しない範囲で直接水冷方式のパワー半導体モジュール100と水路形成体70(図5参照)との間の液漏れ信頼性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
図14は、本発明の第2の実施形態に係るパワー半導体モジュール100の分解図であり、図14(a)は、その分解図、図14(b)は、ベース板130Aの放熱フィン形成面の平面図である。図12と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図14(a)に示すように、パワー半導体素子101を搭載した絶縁基板102Aは、ベース板130Aと接合材(図示省略)を介して接合される。ここで、絶縁基板102Aは、パワー半導体素子実装領域を覆うように配置された4枚の基板である。
図14(b)に示すように、ベース板130Aは、4枚の絶縁基板102Aの配置に応じて、領域145(パワー半導体素子実装領域;本実施形態では、4枚絶縁基板直下領域)を4ヵ所に分割して設ける。ベース板130Aは、4枚の絶縁基板102Aが位置する4ヵ所の領域145内をSiC配合率の低いSiC低配合部302Aで構成するとともに、4ヵ所の領域145外の周辺領域133AをSiC配合率の高いSiC高配合部301Aで構成する。本実施形態では、4ヵ所の領域145内を40%SiCの配合で形成し、周辺領域133Aを60%SiCの配合で形成する。
この構成により、領域145の周囲は、SiC配合率の高いSiC高配合部301Aで囲まれることになる。特に、ベース板130Aの中央部Pとこの中央部Pに縦横に交差する部分においても周辺領域133Aが形成され、この周辺領域133AはSiC配合率の高いSiC高配合部301Aで構成される。
ここで、ベース板130Aは、図13の製造工程と略同様にして製造することができる。すなわち、図13の第2工程で、ベース板130Aの型となる2つの金型A,Bを用いる場合、この金型A,Bを、図14(b)の4ヵ所の領域145に対応する形状の金型Aと、周辺領域133に対応する形状の金型Bと、を用いるようにすればよい。
このように、本実施形態では、ベース板130Aは、4枚の絶縁基板102Aの配置に応じて、領域145を4ヵ所に分割して設けるとともに、4枚の絶縁基板102Aが位置する4ヵ所の領域145内をSiC配合率の低いSiC低配合部302Aで構成し、4ヵ所の領域145外の周辺領域133AをSiC配合率の高いSiC高配合部301Aで構成する。この構成により、さらにパワー半導体素子実装領域の中央部P(ベース板130Aの中央)のSiC配合率を高くする。これにより、ベース板130A全体の線膨張率が小さくなるため、ベース板130Aと絶縁基板102Aとの接合信頼性をより向上させることができる。
また、SiC高配合部301AとSiC低配合部302Aの熱伝導率が同等であるため、パワー半導体モジュール100の冷却性能に影響しない。また、ベース板130AのSiC配合率を部分的に高めることで、第1の実施形態と同様に、ベース板130A全体のSiC配合率を高める場合よりもSiCの必要量が少ないため、部材コストが安くなる効果がある。
なお、本実施形態では、領域145を40%SiCの配合で形成し、周辺領域133Aを60%SiCの配合で構成しているが、他の配合率の組み合わせであってもよい。
(第3の実施形態)
図15は、本発明の第3の実施形態に係るパワー半導体モジュール100の分解図であり、図15(a)は、その分解図、図15(b)は、ベース板130Bの放熱フィン形成面の平面図である。図14と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図15(a)に示すように、パワー半導体素子101を搭載した絶縁基板102Aは、ベース板130Bと接合材(図示省略)を介して接合される。ここで、絶縁基板102Aは、パワー半導体素子実装領域を覆うように配置された4枚の基板である。また、図15(a)(b)に示すように、パワー半導体素子101の直下の領域150は、横方向(冷却水流路と直交方向)に配置した2枚の絶縁基板102Aの略中央に配置されている。
図15(b)に示すように、ベース板130Bは、パワー半導体素子101の直下の領域150内をSiC配合率の低いSiC低配合部302Bで構成するとともに、領域150外の周辺領域133BをSiC配合率の高いSiC高配合部301Bで構成する。本実施形態では、領域150内を40%SiCの配合で形成し、周辺領域133Bを60%SiCの配合で形成する。
この構成により、パワー半導体素子101の直下の領域150がSiC配合率の低いSiC低配合部302Bで形成され、その周辺領域133BがSiC配合率の高いSiC高配合部301Bで形成される。本実施形態のベース板130Bと図14のベース板130Aとを比較して分かるように、ベース板130Bは、SiC高配合部301Bを有する周辺領域133Bがより大きく、特に、ベース板130Bの周辺部(端部)と中央部に、周辺領域133Bが拡大している。
ここで、ベース板130Bは、図13の製造工程と略同様にして製造することができる。すなわち、図13の第2工程で、ベース板130Aの型となる2つの金型A,Bを用いる場合、この金型A,Bを、図15(b)の領域150に対応する形状の金型Aと、周辺領域133Bに対応する形状の金型Bと、を用いるようにすればよい。
このように、本実施形態では、ベース板130Bは、パワー半導体素子101の直下の領域150と、直下の領域150以外の領域である周辺領域133Bとから構成され、周辺領域133Bは、直下の領域150よりSiCの配合が高められている。
ここで、本実施形態のベース板130Bの周辺領域133Bと、図14(a)のベース板130Aの周辺領域Aとを比較して分かるように、SiCの配合が高められている周辺領域は、本実施形態のベース板130Bの方が大きい。したがって、周辺領域133Bの線膨張率がより小さくなるため、ベース板130Bと絶縁基板102Aとの接合信頼性をより一層向上させることができる。液漏れ信頼性に加えて、絶縁基板102Aとベース板130Bとの接合信頼性を向上させることができる。また、SiC高配合部301とSiC低配合部302の熱伝導率が同等であるため、パワー半導体モジュール100の冷却性能に影響しない。さらに、ベース板130BのSiC配合率を部分的に高めており、ベース板130B全体のSiC配合率を高める場合よりもSiCの必要量が少ないため、部材コストが安くなる。
本実施形態によれば、上記各実施の形態と同様に、パワー半導体モジュール100の冷却性能と絶縁基板とベース板130Bとの接合信頼性に影響しない範囲で直接水冷方式のパワー半導体モジュール100と水路形成体70(図5参照)との間の液漏れ信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、領域150を40%SiCの配合で形成し、周辺領域133を60%SiCの配合で構成しているが、他の配合率の組み合わせであってもよい。
(第4の実施形態)
図16は、本発明の第4の実施形態に係るパワー半導体モジュール100の分解図であり、図16(a)は、その分解図、図16(b)は、ベース板130Cの放熱フィン形成面の平面図である。図12と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図16(a)に示すように、パワー半導体素子101を搭載した絶縁基板102は、ベース板130Cと接合材(図示省略)を介して接合される。ここで、絶縁基板102の形状は、パワー半導体素子実装領域の形状と略等しい。
図16(b)に示すように、絶縁基板102が位置する領域140は、その領域内にさらにピンフィン131が形成されるフィン形成領域155を有する。ベース板130Cは、絶縁基板102が位置する領域140内で、かつ、フィン形成領域155外の領域(ピンフィンを除く絶縁基板直下領域)160をSiC配合率の低いSiC低配合部302Cで構成するとともに、フィン形成領域155内と領域140外の周辺領域133CをSiC配合率の高いSiC高配合部301で構成する。本実施形態では、領域160を40%SiCの配合で形成し、フィン形成領域155内と領域140外の周辺領域133Cを60%SiCの配合で形成する。
この構成により、フィン形成領域155内と領域140外の周辺領域133CがSiC配合率の高いSiC高配合部301Cで構成される。また、ピンフィン131は、アルミニウムで形成される。アルミニウムの熱伝導率は、AlSiC(40%SiC)の約1.2倍であることから、熱伝導率が高いほどピンフィン131のフィン効率が向上し、ピンフィン131と冷却水60との間の熱抵抗が小さくなる。
本実施形態では、絶縁基板102が位置する領域140内であっても、フィン形成領域155内についてはSiC配合率の高いSiC高配合部301Cで構成される。フィン形成領域155内がSiC高配合部301Cで構成されることで、ピンフィン131への熱伝導がより向上する。したがって、パワー半導体素子101から冷却水60までの熱抵抗がより低減され、パワー半導体モジュール100の冷却性能がより一層向上する。
このように、本実施形態では、ベース板130Cは、絶縁基板102が位置する領域140内で、かつ、フィン形成領域155外の領域160をSiC配合率の低いSiC低配合部302Cで構成し、フィン形成領域155内と領域140外の周辺領域133CをSiC配合率の高いSiC高配合部301で構成するので、パワー半導体素子101から冷却水60までの熱抵抗がより低減され、パワー半導体モジュール100の冷却性能がより一層向上する。
また、上記各実施の形態と同様に、パワー半導体モジュール100の冷却性能と絶縁基板とベース板130Cとの接合信頼性に影響しない範囲で直接水冷方式のパワー半導体モジュール100と水路形成体70(図5参照)との間の液漏れ信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、SiC低配合部302Cを40%SiCの配合で形成し、SiC高配合部301Cを60%SiCの配合で構成しているが、他の配合率の組み合わせであってもよい。
また、本実施形態では、フィン形成領域155内と領域140外の周辺領域133Cとを、同じ配合率のSiC高配合部301Cで構成しているが、配合率を変えてもよい。なお、配合率を変える場合、図13の製造工程の第1工程で、コロイド状のSiC溶液を3種類作製し、それぞれのSiCの配合率を設定する。そして、図13の第2工程で、ベース板130Cの型となる2つの金型A,B,C(図示省略)を用いる。以下、図13の第2工程および第3工程を経て、第5工程で、SiCの密度の低い焼結SiC多孔質体Aと、SiCの密度の高い焼結SiC多孔質体Bと、SiCの密度の高い焼結SiC多孔質体Cと一体化させる。
図17は、第1の実施形態ないし第4の実施形態のベース板130,130A,130B,130Cの変形量の比較図である。縦軸は、40%SiC配合で一様に形成されたベース板の変形量を1とし、正規化した値(変形量比)を示している。
図17は、ベース板130,130A,130B,130Cの放熱フィン形成面から水圧を負荷する有限要素解析を行い、ベース板130,130A,130B,130Cの縁部での最大の変形量を比較したものである。
図17に示すように、第1の実施形態ないし第4の実施形態のベース板130,130A,130B,130Cのいずれかを適用した場合であっても、40%SiC配合で一様に形成されたベース板に比べて、ベース板の縁部での最大の変形量は小さくなっており、水圧によるベース板の変形量を低減できることがわかる。ちなみに、当該変形量は、第3の実施形態のベース板130B(周辺部(端部)と中央部のSiC配合率を高くしたベース板)が最も小さく、中央部でのSiC高配合が変形量のさらなる低減に寄与していることが分かった。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
上記各実施形態では、SiC(強化材料)とアルミニウム(母材)の複合材AlSiCを基材として用いるが、強化材料と当該強化材料を支持する母材との複合材からなるものであればよい。例えば、強化材料は、SiC以外のセラミックスまたはセラミックス粒子であってもよく、母材は、マグネシウム、チタン、ベリリウムまたはこれらを少なくとも1種含む合金であってもよい。
また、上記各実施形態では、SiC低配合部を40%SiCの配合で形成し、SiC高配合部を60%SiCの配合で構成しているが、他の配合率の組み合わせであってもよい。
上記各実施形態は鉄道車両向けの主電力変換装置を例に示したが、自動車やトラックなどの電力変換装置、船舶や航空機などの電力変換装置、工場設備を駆動する電動機の制御装置として用いられる産業用電力変換装置、家庭の太陽光発電システムや家庭の電化製品を駆動する電動機の制御装置に用いられる家庭用電力変換装置に対しても適用することができる。
上記各実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 電車線
2 変圧器
3 平滑コンデンサ
4 コンバータ
5 インバータ
6 交流電動機
31 上アームスイッチング素子
32 下アームスイッチング素子
33 上アーム整流素子
34 下アーム整流素子
35 レグ
50 ポンプ
51 低温冷却水(液体冷媒)
52 低温側分配管
53 パワーユニット
54 高温冷却水
55 高温側分配管
56 ラジエータ
57 ファン
58 冷却風
59 膨張タンク
60 水路形成体内冷却水(液体冷媒)
70 水路形成体
71 低温側冷却水継手
72 高温側冷却水継手
73 Oリング
74 Oリング溝
75 開口部
76 パワー半導体モジュール固定用ボルト穴
100 パワー半導体モジュール
101 パワー半導体素子
102,102A 絶縁基板
110p 正極直流端子
110n 負極直流端子
110ac 交流端子
110g ゲート端子
111 弱電系電極
112 ゲートドライブ基板固定用ネジ穴
113 筐体
114 パワー半導体モジュール固定用通し穴
115 押さえ部材
116 筐体取付用通し穴
130,130A,130B,130C ベース板
131 ピンフィン(放熱フィン)
132 水圧がかかる領域
133,133A 周辺領域
135 水路形成体との当接面
140 絶縁基板直下領域(パワー半導体素子実装領域)
145 4枚絶縁基板直下領域(パワー半導体素子実装領域)
150 パワー半導体素子直下領域
155 ピンフィンを除く絶縁基板直下領域
155 フィン形成領域
160 絶縁基板が位置する領域内で、かつ、フィン形成領域外の領域(ピンフィンを除く絶縁基板直下領域)
200 コンバータ制御回路
201 インバータ制御回路
230 ベース板の反り方向
301,301A,301B SiC高配合部
302,302A,302B SiC低配合部
303 100%Al配合部
P パワー半導体素子実装領域の中央部

Claims (13)

  1. パワー半導体素子および絶縁基板と、前記パワー半導体素子の発熱を液体冷媒へ放熱するベース板と、を備え、
    前記ベース板は、
    強化材料と当該強化材料を支持する母材との複合材からなり、
    前記絶縁基板が実装されるパワー半導体素子実装領域と、
    前記パワー半導体素子実装領域以外の領域である周辺領域とから構成され、
    前記周辺領域は、
    前記パワー半導体素子実装領域より前記強化材料の配合が高められたことを特徴とするパワー半導体モジュール。
  2. パワー半導体素子および絶縁基板と、前記パワー半導体素子の発熱を液体冷媒へ放熱するベース板と、を備え、
    前記ベース板は、
    強化材料と当該強化材料を支持する母材との複合材からなり、
    前記ベース板は、
    前記パワー半導体素子の直下の領域と、前記直下の領域以外の領域である周辺領域とから構成され、
    前記周辺領域は、
    前記直下の領域より前記強化材料の配合が高められたことを特徴とするパワー半導体モジュール。
  3. 前記パワー半導体素子実装領域は、
    前記絶縁基板の枚数および/または前記絶縁基板の平面形状に応じて形成されたことを特徴とする請求項1に記載のパワー半導体モジュール。
  4. 前記絶縁基板の直下に位置する前記パワー半導体素子実装領域の中央部が、前記強化材料の配合が高められた
    ことを特徴とする請求項1に記載のパワー半導体モジュール。
  5. 前記強化材料は、前記母材よりもヤング率が大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワー半導体モジュール。
  6. 前記強化材料は、前記母材よりも線膨張率が小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワー半導体モジュール。
  7. 前記周辺領域の前記強化材料の配合率が前記母材の配合率よりも高いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワー半導体モジュール。
  8. 前記強化材料は、炭化ケイ素を含むセラミックスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワー半導体モジュール。
  9. 前記母材は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ベリリウムまたはこれらを少なくとも1種含む合金であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワー半導体
    モジュール。
  10. 前記ベース板の前記絶縁基板が接合される面とは反対側の面に放熱フィンが形成され、
    前記放熱フィンが形成されたフィン形成領域は、前記強化材料の配合が高められたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワー半導体モジュール。
  11. 前記放熱フィンが、前記母材で構成されることを特徴とする請求項10に記載のパワー半導体モジュール。
  12. 前記ベース板は、前記パワー半導体素子実装領域の前記強化材料を40体積%とし、前記周辺領域の前記強化材料を60体積%とすることを特徴とする請求項に記載のパワー半導体モジュール。
  13. 前記パワー半導体素子を保護する筐体と、前記ベース板と前記筐体との間に据え込まれて該ベース板と共締めされる押さえ部材とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワー半導体モジュール。
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