JP6633432B2 - ダストドラム - Google Patents

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Description

本発明は、内部に投入された塵芥を貯留及び排出可能なダストドラムに関する。
従来より、例えば特許文献1のように、水平方向に延びる回転中心軸に対して回転可能に配置されると共に、その回転中心軸方向の一端が開口しかつ、他端が開閉可能な排出口とされた筒状であって、開口側から内部に投入された塵芥を、所定の回転方向に回転するに伴い排出口側に送り込むことによって、当該塵芥を圧縮してその内部に貯留する回転ドラムと、回転ドラムの開口から回転中心軸方向に挿入されることによって回転ドラム内における開口の近傍に配置されかつ、回転ドラム内に塵芥を導入するための導入部材(インナードラム)とを備えた塵芥貯留装置が知られている。
この塵芥貯留装置では、投入口側の閉塞プレートの裏面から突出するフランジを回転ドラムの開口よりも小径でかつ、開口と同軸の環状となるように設け、その環状のフランジの外周面の全域に亘って、所定の断面形状を有するシール部材を取り付けている。シール部材は、回転ドラムの開口を横切るように、その開口内に挿入されており、これによって、その外周面に取り付けられたシール部材が、回転ドラムの開口の縁部における内壁に対して摺動可能に当接し、このことで、回転する回転ドラムと、静止している導入部材(インナードラム)との間のシールが行われる。
特許第5426858号公報
従来の塵芥貯留装置(以下ダストドラムという)のように、例えば図13に示すように、インナードラム230の外周230aにシール部材211aを設けて投入された塵芥から生じる汚水の漏れを防止すると、回転ドラム220内には汚水が溜まりやすくなる。
投入された塵芥は、主に投入順に排出口に送り込まれ、排出口に近い塵芥ほど回転ドラム220内で圧密状態となる。一方で、投入口に近い塵芥ほど圧縮されておらず、圧密された塵芥から生じた汚水を吸い込みやすい。塵芥の排出は、回転ドラム220内に所定量貯留された時点で行われるため、汚水を吸い込んだ投入口に近い塵芥は、圧縮を受けることなく回転ドラム220の外部にかき出される。つまり、塵芥を圧縮したにも関わらず、シール部材211aで汚水を封止するために、回転ドラム220外に排出する塵芥の重量低減が不十分となる。このため、回転ドラム220内で汚水を吸収した塵芥を回収して運搬する必要が生じ、収集効率が悪くなるという問題がある。
一方で、回転ドラムに貫通孔を設けて単純に生じた汚水を排出するようにすると、汚水を生じる塵芥の圧密作業が回転ドラム220の回転時に行われるため、その回転と共に汚水が飛び散って衛生的ではない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、塵芥が含む汚水を適度に排出して効率よく塵芥を収集きるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、適度に汚水を排水するための排水部を設けた。
具体的には、本発明では、一軸を中心に回転可能で内部に投入された塵芥を貯留及び排出可能なダストドラムを前提とし、
上記ダストドラムは、
上記一軸方向における一端部側に塵芥が投入される投入口、他端部側に塵芥が排出される排出口を有し、上記一軸を中心に回転可能に支持された円筒状の回転ドラムと、
上記回転ドラムの内面に形成され、投入された塵芥を上記排出口に向かって送り出す内部ブレードと、
上記回転ドラムの内部で発生した汚水を排出するための排水部とを備えており、
上記排水部は、
上記回転ドラムにおいて該回転ドラムの内周側に向かって立設された突条と、
上記一軸方向において、上記突条と同じ位置又は少なくとも上記突条よりも離れた位置となるように上記回転ドラムの投入口側に形成された排水用隙間とを有する。
上記の構成によると、突条によって塵芥から発生した汚水はある程度の高さになるまで堰き止められる。そして、所定の高さを超えると、排水用隙間を通って回転ドラム外へ汚水が排出される。このため、塵芥から汚水が適度に排出される。
また、上記突条は、上記回転ドラムにおける上記排水用隙間の上記排出口側に凸設されたリング状突条よりなる。この構成によると、リング状突条とすることで、塵芥から発生した汚水はある程度の高さになるまで確実に堰き止められる。
さらに、塵芥が投入される投入用扉を有し、先端側が上記回転ドラムの投入口側に挿入された状態で該回転ドラムの内面と間隔を空けて設けられ、上記投入用扉から投入された塵芥を上記回転ドラムの内部へ送り出すインナードラムをさらに備え、上記排水用隙間は、上記インナードラムと上記回転ドラムの内周面との間に形成されている。この構成によると、インナードラムを有する構成の場合に、容易に排水用隙間の作成が可能となる。
さらに、上記排水用隙間の少なくとも一部を覆うように、上記回転ドラム内において上記突条に排出阻止部が設けられていてもよい。また、上記排水用隙間の一部を覆うように、上記インナードラムには、上記リング状突条の上記排出口側に排出阻止部が設けられていてもよい。この構成によると、排出阻止部によって、塵芥がリング状突条及び排水用隙間の方へ侵入するのが阻止されるので、塵芥が回転ドラム外へはみ出したり、排水用隙間を塞いだりするのが防止される。
また、上記排出阻止部は、上記インナードラムの外周の少なくとも下側に設けた円弧状部材で構成してもよい。こうすれば、簡単な構成で塵芥が排水用隙間に侵入するのを防止できる。さらに、上記排出阻止部は、上記投入口から見たときの左右中心線からの上記回転ドラムの回転方向側の長さが、回転ドラムの回転方向と反対側の長さよりも長くてもよい。すなわち、回転方向側の方が、塵芥が勢いよく回転されるので、排水用隙間の方へ流れ込みやすい。上記の構成によると、排出阻止部を必要な箇所にのみ設けることで、必要とされる材料をできるだけ減らすことができ、軽量化が図られる。
また、上記排水用隙間の外側には、下方に向かって左右中央へ傾斜した汚水レールが設けられ、上記左右一対の汚水レールの下方には、汚水パンが設けられていてもよい。この構成によると、排水用隙間から排出された汚水が汚水レールに誘導されて汚水パンに蓄えられるので、汚水をまき散らすことがない。
以上説明したように、本発明によれば、回転ドラムの内周面との間に排水用隙間を形成し、回転ドラムにおける排水用隙間の排出口側に突条を設けたことにより、塵芥が含む汚水を適度に排出して効率よく塵芥を収集できるようにすることができる。
本発明の実施形態1に係るダストドラムを示す側面図である。 本発明の実施形態1に係るダストドラムを示す平面図である。 本発明の実施形態1に係るダストドラムを拡大して示す正面図である。 本発明の実施形態1に係るダストドラムを拡大して示す背面図である。 投入側及び排出側ローラを示す側面図である。 排出側ローラを示す背面図である。 回転ドラムを示す側面図である。 排水部及びその周辺を示す正面図である。 排水パンを示す平面図である。 排水部及びその周辺を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る図1相当側面図である。 本発明の実施形態2に係る排出部を拡大して示す図11のXII部拡大断面図である。 従来技術に係るシール部を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1〜図4は、本発明の実施形態1のダストドラム1を示し、このダストドラム1は、内部に投入された塵芥を貯留及び排出可能に構成されている。具体的には、ダストドラム1は、建物の載置面などに載置するためのフレーム状のベース部2を有する。図5及び図6にも示すように、このベース部2は、水平に延びる左右の前後フレーム2aと、この前後フレーム2aをつなぐように左右に延びるクロスバー2bとを備えている。また、例えば左右側板2cが設けられ、上側前後フレーム2dも設けられている。ベース部2は、左右側板2c及び上側前後フレーム2dだけでなく、左右側面及び上面の全体を覆うように構成してもよい。前後フレーム2a及びクロスバー2bの下面には、排出側脚部3aと投入側脚部3bとが設けられている。本実施形態では、排出側脚部3aの高さが投入側脚部3bよりも高くなっている。
図3に示すように、ベース部2の正面側には、インナードラム30が固定されている。このインナードラム30は、塵芥が投入される開閉可能な投入用扉30aが設けられた略矩形状の投入側プレート30bと、この投入側プレート30bに固定された一部断面が円弧状のインナードラム本体30cとを有する。図4に示すように、背面側には、塵芥を排出する、例えば円形の排出用扉5bが開閉機構5aによって開閉可能に設けられている。排出用扉5bの下方には、塵芥を誘導する排出シュート6が設けられている。この排出シュート6の角度は、変更可能に構成されていてもよい。そうすれば、塵芥を回収する塵芥収集車の投入口の高さに合わせたり、コンベアの高さに合わせたりする作業が容易となる。
ベース部2の排出口5側には、駆動モータ7が設けられている。そして、図5及び図6に示すように、ベース部2には、投入口4側に左右一対の投入側ローラ8が設けられ、排出口5側に左右一対の排出側ローラ9が設けられている。これら投入側ローラ8及び排出側ローラ9には、駆動モータ7で回転駆動される断面円形の回転ドラム10が回転可能に支持されている。回転ドラム10は、投入口4側が鋼板を円筒状に製缶して構成された円筒部11であり、排出口5側が先端に向かって外径が小さくなるテーパ状のテーパ部12となっている。円筒部11の端部に円形の投入口4が形成され、反対側のテーパ部12の先端に円形の排出口5が形成されている。そして、投入口4の内部にインナードラム30のインナードラム本体30cが挿入されたような配置となっている。インナードラム30は、先端側が回転ドラム10の投入口4側に挿入された状態で、回転ドラム10の内面と間隔を空けて設けられ、投入用扉30aから投入された塵芥を回転ドラム10の内部へ送り出す役割を果たす。
そして、本実施形態では、図1及び図7に示すように、この回転ドラム10は、その回転中心軸10aが、水平面Hに対して排出口5側が角度αだけ高くなるように設けられており、排出口5が投入口4と比較して高くなっている。具体的には、排出口5は回転中心軸10aがその中央部分を通過するように設けられているのに対し、投入口4は投入口4側で回転中心軸10aが通過する領域が排出口5側よりも低くなっているのに加えて、図示するように回転ドラム10の下底部に寄った状態で設けられている。投入口4が排出口5よりも低い位置に設けられていることで、塵芥を手で直接投入するユーザはその作業が簡易となる。また、投入口4の高さに合わせてユーザ用の台座や階段等の施設設置を省略することも可能となる。さらに、排出口5は投入口4よりも高い位置で設置床面から所定高さだけ離れているので、排出口5からの排出によって、塵芥収集車などの運搬車両に直接的に排出することも可能となる。
円筒部11の外周には、例えば2つのリング状の被支持部13が間隔を空けて形成されている。この被支持部13は回転ドラム10の補強の役目を果たすと共に、投入側ローラ8及び排出側ローラ9が当接するようになっている。排出口5側の被支持部13は、排出側ローラ9に回転支持されるが、この排出側ローラ9は、図6に示すように、被支持部13の外周面を支持する底部ローラ9aと、被支持部13の側面を支持する、側方支持部としての前後一対の側部ローラ9bとを備えている。側部ローラ9bは、常に被支持部13の側面に当接して回転する必要はなく、回転ドラム10が揺れてずれそうになったときに当接してそのずれを防止するようになっていればよい。なお、この側部ローラ9bは、回転体ではなく、摩擦抵抗の低い摺動体でもよい。一方、投入側ローラ8は、図5に示すように、被支持部13の外周面を支持する底部ローラ8aのみを備えている。なお、投入側ローラ8においても側部ローラ9bと同様のローラを設けてもよい。
なお、回転ドラム10の傾きに合わせて投入用扉30aを水平面H(載置面)に対して垂直に設けていてもよい。このようにすれば、投入口4を塞ぐ扉の開閉が容易で投入時の作業性がよくなる。
また、テーパ部12の先端側には、スプロケット14が設けられており、駆動モータ7で回転されたチェーン(図示せず)によって回転力を伝達されることで、回転ドラム10が回転するようになっている。
図7に示すように、回転ドラム10の内面には、投入口4から投入された塵芥を排出口5に向かって送り出す内部ブレード15が、例えば溶接により設けられている。この内部ブレード15は、例えば帯状平板を投入口4側から排出口5側に向かってほぼ螺旋状の線に沿って回転ドラム10の内面に配置することによって形成されている。例えば、投入口4側から見たときに時計回りに内部ブレード15が配置されている。このように配置することで、回転ドラム10を時計回りに回転させると、この内部ブレード15により、塵芥が排出口5側へ送り込まれるようになっている。この内部ブレード15は、円筒状の投入口4の近傍からテーパ状の排出口5の近傍まで設けられている。このように構成すれば、円筒部11の内部において、投入口4付近に載置された塵芥も内部ブレード15を介して排出口5側に確実に送り込むことができる。また、本実施形態のように回転中心軸10aが傾斜していても塵芥が投入口4側に残ることもない。さらに、塵芥を圧縮しない投入口4側が縮径されていない(テーパ状になっていない)ので、回転ドラム10における塵芥の収容量の低減も防止できる。しかも、投入口4側の近傍まで内部ブレード15を設けることで、投入口4から見て手前側に塵芥が溜まらない。
そして、図7に示すように、側方から見たときに内部ブレード15の回転中心軸10aに対する角度βは、所定角度以上に確保されている。例えば、内部ブレード15は、円筒部11の壁面に対しては特許文献1などで既知の角度と少なくとも同等の角度が確保されている。そのため、回転中心軸10aが傾斜している本実施形態では、βは上述した既知の角度よりも大きくなる。なお、テーパ部12にある内部ブレード15の角度γは、側方から見たときそれよりも緩い角度とすると、円筒部11では急な角度βの内部ブレード15を介して送り込まれた塵芥は、テーパ部12では緩い角度γの内部ブレード15で送り込み力が僅かに抑制される。つまり、圧縮効果を生じるテーパ部12において、過度の圧縮が生じることを事前に防止でき、回転ドラム10のテーパ部12に合わせて圧縮された塵芥が隆起する、いわゆるブリッジ現象の防止と併せて相乗的な効果を奏する。ブリッジ現象が生じると、ダストドラムの円筒部にはまだ余裕があるのに、排出口側に塵芥が蓄積して排出しにくくなるという偏った状態となる。要は、投入口4側から排出口5側(送り込み方向)に向かって回転ドラム10が後ろ下がりに傾斜した状態でも、内部ブレード15による塵芥の送り込み力が低下することを抑制している。このように設定することで、回転中心軸10aが水平から傾斜した場合でも適切な速度及び力で塵芥が投入口4から排出口5へ送り込まれる。
また、図8〜図10に拡大して示すように、回転ドラム10の投入口4側には、この回転ドラム10の内部で発生した汚水を排出するための排水部20が形成されている。具体的には、投入側プレート30bには、例えば、排出口5側へ円形に突出したリング状の円形リブ30dが全周に亘って形成されている。排水部20は、円筒部11の投入口4近傍の内面には、ほぼ垂直にリング状突条11aが全周に亘って立設されている。このリング状突条11aと、上記円形リブ30dとの間に意図的に排水用隙間21が全周に亘って確保されている。そして、投入側プレート30bには、その排水用隙間21から塵芥が排出されないように、排出阻止部30eが設けられている。排出阻止部30eは、例えば、インナードラム30の外周の全周にではなく、少なくとも下側に設けたアングル状の円弧状部材で構成されている。また、排出阻止部30eは、投入口4から見て回転ドラム10の回転方向側の長さL1が、回転ドラム10の回転方向と反対側の長さL2よりも長くなっている(L1>L2)。
そして、この排水用隙間21が設けられている領域には、図8及び図10に示すように、その排水用隙間21の左右外側に下方に向かって左右中央へ傾斜した汚水レール22が設けられている。左右一対の汚水レール22の下方には、アングル等で形成された略水平な汚水ガイド部23が設けられ、その下に設けた汚水パン24に汚水レール22及び汚水ガイド部23から流れてきた汚水が溜められるようになっている。汚水パン24は、例えばハンドル24aを有し、汚水パン24を収容する汚水パン収容部24bから出し入れしやすくなっている。
以上説明したように、本実施形態では、排水部20を設けたので、本実施形態のように回転中心軸10aを排出口5側が高くなるように傾けた場合、円筒部11の投入口4の手前側に汚水が溜まってくると、リング状突条11aを超えた分の汚水が排水部20の排水用隙間21から汚水レール22側へ流出し、汚水ガイド部23を通って汚水パン24に蓄えられる。このため回転ドラム10内にリング状突条11aを超える嵩までは汚水が溜まらない。また、リング状突条11aを超える分の汚水に関しては、汚水パン24を用いて処理すればよいので、汚水を処理しやすい。特に、回転ドラム10内の汚水が排されることで、投入できる塵芥貯留量の増加にもつながる。その他にも、回転ドラム10内の汚水が排水されると、貯留重量を低減できるので回転ドラム10の回転駆動に要する電力量の抑制も可能となる。
リング状突条11aにおいて、テーパ部12などで圧縮された塵芥から投入口4付近のリング状突条11aまで汚水をある程度溜めることができるので、その汚水は、圧縮されて回転ドラム10の内壁に密接する塵芥を排出口5側に送り込む(ブリッジ現象を緩和する)潤滑の役目を果たす。また、リング状突条11aが投入口4付近(塵芥が圧縮されて汚水が生じる排出口5側から離れた位置)に設けられているので、汚水の貯留高さを低く抑えることもできる。そして、汚水の貯留高さを低く抑えることができると、その分だけリング状突条11aの高さも低くすることができ、塵芥を投入口4側から排出口5側に送り込む際の送り込み効率の低下の防止にも役立つ。
また、排出阻止部30eをインナードラム30の外周及び排水用隙間21に沿って回転ドラム10の1/3程度の高さまでに設けたアングル状の円弧状部材で構成したので、簡単な構成で塵芥が排水用隙間21に侵入するのを防止できる。
また、回転ドラム10内では、回転ドラム10の回転によって回転方向側(図において投入口4から見て右側)に塵芥が勢いよく回転されて集まる。本実施形態では、排出阻止部30eの回転方向側の長さL1を回転ドラム10の回転方向と反対側の長さL2よりも長くしたので、塵芥が集まりやすい領域の方で広く塵芥の排出を防止することができる。さらに、塵芥が集まる領域が比較的狭い領域(図において投入口4から見て左側)では長さL2(<L1)の排出阻止部30eとすることで、排出阻止部30eを必要な箇所に重点的に設け、必要とされる材料をできるだけ減らすことができることから、軽量化を図ることができる。
また、排水部20を設けることで排水を行えるので、汚水がこぼれないようにするためだけに投入口4側に下記実施形態2のテーパ部112のようなテーパ部を設ける必要がなく、テーパ部を省くことができた。回転ドラム10の投入口側の形状をテーパ部に限定されないことで、本実施形態のように円筒形状にすることができ、塵芥の貯留量増加にもつながっている。
したがって、本実施形態に係るダストドラム1によると、塵芥が含む汚水を適度に排出して効率よく塵芥を収集できるだけでなく、汚水の排水で貯留重量の抑制、さらには円筒形状の回転ドラム適用による貯留量増加の効果を同時に得ることができる。
(実施形態2)
図11及び図12は本発明の実施形態2を示し、回転中心軸110aの角度や、回転ドラム110の形状が異なる点で上記実施形態1と異なる。なお、本実施形態では、図1〜図10と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
本実施形態のダストドラム101は、回転ドラム110の回転中心軸110aが上記実施形態1と異なり、水平となっている。また、回転ドラム110の投入口104側は、投入口104に向かって内径が小さくなるテーパ部112を含んでいる。本実施形態では、駆動モータ7を図示していないが、この駆動モータ7は、投入口104側に配置されている。そして、この駆動モータ7の駆動力を回転ドラム110に伝達するために、テーパ部112における投入口104側端部に全周に亘ってスプロケット114が設けられている。本実施形態では、そのスプロケット114において、テーパ部112の内面よりも内側へ突出する基端側がリング状突条111aを構成している。
本実施形態においても、回転ドラム110の投入口104にインナードラム本体30c側が挿入されている。本実施形態の排水部120は、インナードラム本体30cの外周面と回転ドラム110の内周面との間に全周に亘って形成された排水用隙間121と、この排水用隙間121の排出口5側に立設されたリング状突条111aとで構成されている。
このように構成することで、本実施形態においても、リング状突条111aによって塵芥から発生した汚水はある程度の高さになるまで堰き止められる。そして、所定の高さを超えると、排水用隙間121を通って回転ドラム110外へ汚水が排出される。このため、塵芥から汚水が適度に排出される。
細かい構成は異なるが、本実施形態においても、排水用隙間121を覆うように、インナードラム30の外周のリング状突条111aの排出口5側に排出阻止部30eを設けたので、この排出阻止部30eによって、塵芥がリング状突条111a及び排水用隙間121の方へ侵入するのが阻止される。このため、塵芥が回転ドラム110外へはみ出したり、排水用隙間21を塞いだりするのが防止される。
また図示しないが、実施形態1同様、汚水レール22及び汚水パン24が設けられている。
(その他の実施形態)
本発明は、上記各実施形態について、以下のような構成としてもよい。
例えば、実施形態2において図10に例示するように、回転ドラム10の回転中心軸10a方向の中間内周面に一対の堰11a'を対向して設け、その一対の堰11a'の間に排水用の開口21a'を形成してもよい。実施形態1においても同様である。そうすれば、堰11a'がリング状突条11a,111aと同様に機能し、回転ドラム10の回転中心軸10a方向中間においても開口21a'から汚水を適度に排出でき、回収する塵芥に含まれる汚水を効果的に減少させることができる。この場合も、上記実施形態1と同様に開口21a'に対応させて汚水レール22等の汚水の回収機構を設けるとよい。
上記各実施形態では、排水用隙間21,121を全周に亘って設けているが、周方向に離散的、又は周方向の一部に設けてもよい。また、リング状突条11a,111aも全周に亘って設けているが、排水用隙間21,121に合わせて周方向に離散的、又は周方向の一部に設けてもよい。なお、リング状突条11a,111aの形状に関してもリング状又は円弧状に限定されず、堰状であってもかまわない。
上記各実施形態では、リング状突条11a又は111aと排出阻止部30eとの間でそれぞれ排水のための流路が多段階で屈折するようにしているが、この構成は特に限定されず、複数の多段階で屈折する部分を設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態において、排水用隙間21,121及び11a,111a又は堰11a'は投入口4側や回転ドラム10の中間内周面の位置に設けているが、これらの位置も特に限定されず、排出口5側に設けるようにしてもよい。また、上記実施形態1及び2において、排水用隙間21,121を設けずに、一対の堰11a'と排水用の開口21a'のみを設けてもよい。さらに、回転ドラム10の外周面だけでなく、インナードラム30と僅かに離れた状態、例えば実施形態1のように排水用隙間21を形成した状態でもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
1 ダストドラム
2 ベース部
2a 前後フレーム
2b クロスバー
2c 左右側板
2d 上側前後フレーム
3a 排出側脚部
3b 投入側脚部
4 投入口
5 排出口
5a 開閉機構
5b 排出用扉
6 排出シュート
7 駆動モータ
8 投入側ローラ
8a 底部ローラ
9 排出側ローラ
9a 底部ローラ
9b 側部ローラ
10 回転ドラム
10a 回転中心軸(一軸)
11 円筒部
11a リング状突条
12 テーパ部
13 被支持部
14 スプロケット
15 内部ブレード
20 排水部
21 排水用隙間
22 汚水レール
23 汚水ガイド部
24 汚水パン
24a ハンドル
24b 汚水パン収容部
30 インナードラム
30a 投入用扉
30b 正面側壁部
30c インナードラム本体
30d 円形リブ
30e 排出阻止部
101 ダストドラム
104 投入口
110 回転ドラム
110a 回転中心軸
111a リング状突条
112 テーパ部
114 スプロケット
120 排水部
121 排水用隙間

Claims (3)

  1. 一軸を中心に回転可能で内部に投入された塵芥を貯留及び排出可能なダストドラムにおいて、
    上記一軸方向における一端部側に塵芥が投入される投入口、他端部側に塵芥が排出される排出口を有し、上記一軸を中心に回転可能に支持された円筒状の回転ドラムと、
    上記回転ドラムの内面に形成され、投入された塵芥を上記排出口に向かって送り出す内部ブレードと、
    上記回転ドラムの内部で発生した汚水を排出するための排水部とを備えており、
    上記排水部は、
    上記回転ドラムにおいて該回転ドラムの内周側に向かって立設された突条と、
    上記一軸方向において、上記突条と同じ位置又は少なくとも上記突条よりも離れた位置となるように上記回転ドラムの投入口側に形成された排水用隙間とを有し、
    塵芥が投入される投入用扉を有し、先端側が上記回転ドラムの投入口側に挿入された状態で該回転ドラムの内面と間隔を空けて設けられ、上記投入用扉から投入された塵芥を上記回転ドラムの内部へ送り出すインナードラムをさらに備え、
    上記排水用隙間は、上記インナードラムと上記回転ドラムの内周面との間に形成されており、
    上記排水用隙間の少なくとも一部を覆うように、上記回転ドラム内において上記突条に上記インナードラムの外周の少なくとも下側に設けた円弧状部材よりなる排出阻止部が設けられており、
    上記排出阻止部は、上記投入口から見たときの左右中心線からの上記回転ドラムの回転方向側の円周方向の長さが、回転ドラムの回転方向と反対側の長さよりも長い
    ことを特徴とするダストドラム。
  2. 請求項1に記載のダストドラムにおいて、
    上記突条は、上記回転ドラムにおける上記排水用隙間の上記排出口側に凸設されたリング状突条よりなる
    ことを特徴とするダストドラム。
  3. 請求項1又は2に記載のダストドラムにおいて、
    上記排水用隙間の外側には、下方に向かって左右中央へ傾斜した汚水レールが設けられ、
    左右一対の上記汚水レールの下方には、汚水パンが設けられている
    ことを特徴とするダストドラム。
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