JP6633027B2 - 糸通し器具及びその使用方法 - Google Patents

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Description

本開示は、縫合糸を組織に通す方法に関する。より具体的には、本開示は、縫合糸を組織に双方向に通す方法に関する。
本開示は、複合アプローチを用いて縫合糸を双方向に通す方法及びデバイスを対象とする。そのようなアプローチには、縫合糸のシャトル又はフェルールへの結合を必要とせずに、縫合撚糸を一方向に直接的に移動させることを含み、一方で、縫合糸のもう一方の方向への移動は、縫合糸を捕捉する縫合糸捕捉部を使用し、縫合糸と共に縫合糸捕捉部を移動させることによって達成される。
本明細書の以下に記載するもの等の複合方法は、これまで公知ではなく、認識されていなかったいくつかの利点をもたらす。これらは、限定はしないが以下を含む:縫合糸を遠位先端部に搬送し、遠位先端部から搬送するためにシャトル又はフェルールを利用する設計では、先端部へのシャトルの第1の通過は、何らかの様式で遠位先端部にシャトルを結合する必要がある。いくつかの例では、この結合は、デバイスに入り込む組織又は体液によって損なわれるか、又はユーザが損傷を与える恐れがあり、捕捉部の固定性及び統合性が少なくなる。更に、第1の通過の間に縫合糸が意図せずに切断されると、シャトル又はフェルールが患者の体内で自由に浮動することになる。それに対して、縫合糸の1つの通過をシャトル又はフェルールを必要とせずに行う複合アプローチは、縫合糸は同様に失敗しても比較的わずかな縫合糸の区域しか残らない。更に、シャトル又はフェルールを利用せずに縫合糸を両方向に通す設計では、縫合糸が体内に入った後、縫合糸を確実に把持する能力を、一貫性のある再現可能な様式で実装するのは困難である。第2の通過で移動させる前に縫合糸を縫合糸捕捉部によって捕捉する複合アプローチは、縫合糸捕捉部の取り出しがよりはるかに達成可能であるので利点を提供する。
縫合糸を捕捉又は保持するように構成した部品である縫合糸捕捉部を利用すると、縫合糸が縫合すべき材料に通された後に、縫合糸を事前に取り付けたシャトル及びフェルールより優れた、独特の思いがけない利点をもたらす。というのは、縫合糸捕捉部の利用は、本明細書の以下で説明するように、複合アプローチを利用する特定の方法を容易にするためである。
1つの広範な態様では、本明細書に記載する方法の実施形態は、縫合糸を少なくとも部分的に組織に前進させるステップ;及び縫合糸を取り出すステップを含み;前進させるステップ及び取り出すステップのうち1つは、縫合糸を直接操作することを含み、前進させるステップ及び取り出すステップのうちもう1つは、縫合糸が結合した縫合糸捕捉部を操作することを含む。
別の広範な態様では、本方法実施形態を実践するのに使用できるデバイスの実施形態は、双方向縫合糸通し器を含み、この双方向縫合糸通し器は、縫合糸の一部分を中に保持する近位部分;近位部分に結合し、近位部分との間に組織受入れ間隙を画成する遠位先端部;縫合糸部分が近位部分と遠位先端部との間に移動するように、近位部分内に収容した往復移動可能な縫合糸通し部材;及び縫合糸通し部材によって通した縫合糸を捕捉するための、遠位先端部に着脱可能に結合するように動作可能な縫合糸捕捉部を有する。
この態様の様々な特徴部について説明し、これらは、限定はしないが、深さ選択機構、部品を結合、分離する連結特徴部、及び縫合糸通し手順の間に縫合糸を損傷する危険を最小にする縫合糸送り特徴部を含む。
本発明の広範な態様に加えて、医療器具等のデバイスから事前縛り結び目等の結び目を制御配置するデバイス及び方法を開示する。この態様の特徴部は、結び目搬送器又は摺動器、張力を縫合撚糸の一部分に維持する保持要素、及び結び目を制御配置するための縫合糸送り手段を含む。
本発明を容易に理解するために、本発明の実施形態を添付の図面で例として示す。
本発明の一実施形態に従った方法を実践するデバイスの図である。 本発明の一実施形態に従った方法を実践するデバイスの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法の更なるステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法の更なるステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法の更なるステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法の更なるステップの図である。 本発明に従ったデバイス及び方法の代替実施形態の図である。 本発明に従ったデバイス及び方法の代替実施形態の図である。 本発明に従ったデバイス及び方法の代替実施形態の図である。 本発明に従ったデバイス及び方法の代替実施形態の図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従ったデバイスの様々な部品の図である。 本発明の一実施形態に従ったデバイスの様々な部品の図である。 本発明の一実施形態に従ったデバイスの様々な部品の図である。 本発明の一実施形態に従ったデバイスの様々な部品の図である。 本発明の一実施形態に従ったデバイスの様々な部品の図である。 本発明の代替実施形態に従ったデバイスの図である。 本発明の代替実施形態に従ったデバイスの図である。 本発明の代替実施形態に従ったデバイスの図である。 本発明の代替実施形態に従ったデバイスの図である。 本発明の代替実施形態に従ったデバイスの図である。 本発明の代替実施形態に従ったデバイスの図である。 本発明の代替実施形態に従ったデバイスの図である。 本発明の代替実施形態に従ったデバイスの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 本発明の一実施形態に従った方法のステップの図である。 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本発明の1つの広範な態様の実施形態によれば、組織領域内の欠損を処置する方法を提供する。本方法は、縫合糸保持器を組織の遠位側に位置決めし、近位側から縫合糸を組織に通し、縫合糸を縫合糸保持器に結合することで実行される。次に、縫合糸保持器を組織を通して組織の近位側へ向けて取り出す。
次に、図面を具体的に詳細に参照するが、図示する細目は例としてのものであり、本発明の特定の実施形態の例示的説明の目的にすぎないことを強調する。本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明又は図面に示す部品の構造及び構成の詳細に限定されないことは理解されよう。本発明は、他の実施形態が可能であり、又は様々に実践又は実行できる。また、本明細書で用いられる言い回し及び用語は、説明の目的であり、限定としてみなすべきではないことを理解されよう。
全体のデバイス構造
縫合糸通しデバイス
図1a〜図1bは、組織の欠損を処置するデバイスの一態様を示し、本明細書ではデバイス100と呼ぶ。デバイス100は、欠損を有する組織(例えば椎間板線維輪組織)にアクセスし、縫合糸240等の要素を組織に送達して欠損を処置するように構成できる。いくつかの実施形態では、縫合糸は、吸収性があってもよい。デバイス100は、近位部分14(本明細書では「デバイス近位部分14」とも呼ぶ)、並びに首部分15及び遠位先端部12(本明細書では「デバイス遠位先端部12」とも呼ぶ)を有する遠位部分13を含む。遠位先端部12は、近位部分14から長手方向において離間し、長手方向延在首部分15を介して近位部分14に結合する。一実施形態によれば、遠位先端部12は、近位部分14のシャフト16に結合し、近位部分14との間に組織受入れ間隙10を形成する。デバイス100は、遠位先端部12が処置する組織の遠位側に位置決めされ、近位部分14が組織の近位側に位置決めされるように位置決めすることができる。
デバイス100は、作動器、作動部材又は作動機構(図1aに示すトリガ218等)を備えることができ、本明細書で以下に説明する針116及びスタイレット319等の様々な部品をデバイス100の近位部分14から遠位先端部12に向かってデバイス内を前進させる。トリガ218は、デバイス100の前後に沿った方向に針116及びスタイレット319の両方を前進させるのに使用することができる。トリガ218を作動すると、針116及びスタイレット319の両方が近位部分14から遠位先端部12に向かって長手方向に移動する。針116及びスタイレット319は、トリガ118を解放するとデバイス100の近位部分14に向かって近位に後退するように構成できる。本明細書の以下で更に説明するように、作動部材は、デバイス100の様々な部品を異なる量で前進させる少なくとも2つの操作度を可能にする。
ここで、ハンドル100の内部の構造を図1a及び図1bを参照して説明する。図1aに示すように、ハンドル100は、内側室140(この中にはスタイレット・ハブ430及び針ハブ130が位置する)を画成するハンドル本体14を備え、スタイレット・ハブ430はスタイレット319に結合し、針ハブ130は、針116に結合する。トリガ218は、スタイレット・ハブ430のギア・ラック434と協働的に係合するギア部分220を有し、スタイレット・ハブ430及びスタイレット・ハブ430に結合した針ハブをデバイス100のハンドルによって画成される室140内で摺動可能にする。
連結又は針解放ボタン
いくつかの実施形態では、移動中に2つの同軸部材を分離/結合する手段、(i)縫合糸通し又は縫合糸保持器取出し部材(例えばスタイレット319)、及び(ii)組織穿刺部材(例えば針116)等が開示される。分離/結合手段は、1つの部材を他方よりも遠く進行させ、一方で両部材の移動は、単一のトリガによって行われる。図1aに示すように、針116及びスタイレット319は、針解放ボタン600を使用して結合され、針ハブ130をスタイレット・ハブ430と協働的に係合させ、針116及びスタイレット319の組合せが一緒に前進可能になる。
深さ選択機構
いくつかの実施形態では、スタイレット319等の縫合糸通し要素/縫合糸保持器取出し要素の移動距離を制御する要素が設けられ、それにより、トリガの第1の作動でのスタイレット319の移動距離は、トリガの第2の作動でのスタイレット319の移動距離とは異なる。トリガ218を作動したときにスタイレット319を前進させる距離を変更可能にするために、本発明のいくつかの実施形態は、図1aに示す深さ選択機構(深さ選択器)500を設ける。したがって、深さ選択器500は、スタイレット319が針116に対してどのくらい移動できるかという点におけるスタイレット319の様々な前進度を可能にする。いくつかの実施形態では、深さ選択器500は、図示するようにスタイレット・ハブ430内に嵌合する。
組織穿刺部材
いくつかの実施形態では、デバイス近位部分14内に収容できる針116等の組織穿刺部材は、組織を穿刺するのに使用することができ、スタイレット319等の縫合糸通し部材を組織に貫通可能にする。針116は、中空であってもよく、針を通る内腔を画成することができ、スタイレット319及び縫合糸240を針116の中に収容する。1つの特定例では、針116は、その遠位端で傾斜を付けてもよく、縫合糸保持器316との係合又は相互作用を可能にし、縫合糸をそれらの間に形成された通路に通すのを可能にする。いくつかの実施形態では、縫合糸通し部材(例えばスタイレット319)は、手順の少なくとも一部の間、組織穿刺部材(例えば針116)に結合することができる。
縫合糸通し部材
デバイス100は、近位部分14から遠位先端部12に(縫合糸240を組織の近位側から組織の遠位側に通すために)縫合糸240等の要素を通すことができる縫合糸通し機構を有する。縫合糸通し機構は、スタイレット319等の可動縫合糸通し部材を含むことができ、近位部分14内に収容される。スタイレット319は、近位位置と第1の所定遠位位置又は第2の所定遠位位置との間を移動可能である。スタイレット319は、縫合糸結び目250を組織200に通し、遠位先端部12に取り付けた縫合糸保持器316に縫合糸結び目250を結合するように構成する。これにより、縫合糸240を組織200に通すことを可能にする。デバイス100は、縫合糸保持器316(及び縫合糸保持器316に結合した縫合糸)を遠位側から組織200を通して近位側に通すように、遠位先端部12から縫合糸保持器316を取り出す機構を更に含む。そのような機構は、スタイレット319等の縫合糸保持器取出し部材を含むことができる。したがって、スタイレット319は、縫合糸保持器316(ひいては縫合糸保持器316に結合した縫合糸結び目250)を遠位先端部12から取り出すように更に構成する。縫合糸保持器取出し部材は、近位部分14と遠位先端部12との間を長手方向に移動可能であり、任意選択で往復運動可能である。したがって、いくつかの実施形態では、スタイレット319は、近位部分14から遠位先端部12の縫合糸保持器316に縫合糸240の一部分(結び目250を含むことができる)を通し、遠位先端部12から近位部分14に縫合糸保持器316を取り出すことができる。
縫合糸部分
縫合糸240等の要素は、デバイス100の近位部分14内に収容される。一例によれば、結び目250等の縫合糸の一部分240は、スタイレット319等の縫合糸通し部材に近接するデバイス近位部分14内に保持され、それにより、縫合糸の一部分240は、デバイス近位部分14から遠位先端部12に前進するときにスタイレット319によって組織に通ることができる。他の実施形態では、縫合糸通し部材によって通される要素は、縫合糸通し部材に動作可能に結合できるアンカーであってもよい。
スロット付針及びシャフト
図1bに示すいくつかの実施形態では、説明するデバイス100は、針116内のスロット117、及びシャフト内の同様のスロット117’を備え、送られた縫合糸240を所定位置に固定可能にする。縫合糸240は、スロット117を通して針の外側に案内され、後に図28a及び図28bに示すように、シャフト16内に形成した同様のスロットに存在する。針及びシャフト・スロットは、互いからずれることができる。縫合糸240の結び目250は、針内のスロットを貫通できないので、結び目250は、針内腔内に固定する。
縫合糸保持器/縫合糸捕捉部
デバイス100は、遠位先端部12に取り外し可能に取り付けられる縫合糸保持器316を更に含む。縫合糸保持器316は、デバイス100の近位部分14からの結び目250等の縫合糸の一部分240をスタイレット319等の縫合糸通し部材から受け入れ、遠位先端部12に保持することができる。
1つの特定例では、図1aに示すように、縫合糸保持器316は、ワイヤ20等の捕捉係合特徴部を介してデバイス100の遠位先端部12に取り外し可能に取り付けられ、捕捉係合特徴部は、捕捉部の先端係合特徴部(窓、スロット又はアパーチャ等)と相互作用し、縫合糸保持器316をデバイス遠位先端部12によって画成した受入れ室12B内に保持可能にする。ワイヤ20は、遠位先端部から縫合糸保持器316を分離するワイヤの取り外しを可能にするワイヤ停止部18に取り付けることができる。
デバイス構造の詳細
デバイス100の構造体を図2a〜図7eを参照して本明細書の以下で更に詳細に説明する。
遠位先端部
図2a〜図3dで説明する実施形態では、デバイスは、遠位先端部12を備える。遠位先端部12は、縫合糸保持器316を受け入れるための室12B(図3d)を備えることができる。室12Bは、室12Bを通る内腔を画成でき、その長手方向の対向端部の両方で開放できる。一実施形態では、図1a〜図1bに更に示すように、遠位先端部12は、その遠位端の方へテーパ付けされ、デバイス100の組織領域内への位置決め又は前進を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、デバイス100は、縫合糸結び目250等の縫合糸の一部分240を組織の遠位側に保持する縫合糸保持要素を含む。一実施形態では、縫合糸保持要素は、遠位先端部12の部品であってもよい。いくつかの実施形態では、図2dに示すように、縫合糸保持要素は、例えば縫合糸保持器の部品、例えばその遠位開口とすることができ、縫合糸保持器は遠位先端部12内に受け入れられる。
1つの特定例では、デバイス100の遠位先端部12は、縫合糸保持器316を中に保持する受入れ室12Bを画成する。上述したように、縫合糸保持器316は、遠位先端部12に着脱可能に結合することができる。縫合糸保持器316は、縫合糸保持器316を遠位先端部12に着脱可能に結合する係合特徴部を備える。1つの特定例では、縫合糸保持器316は、図2a〜図2f及び図3a〜図3cに更に示すように、縫合糸保持器316の開口又は通路320内に受け入れたワイヤ20を使用して受入れ室12B内で遠位先端部12に最初に着脱可能に結合する。ワイヤ20は、遠位先端部12の開口又はアパーチャを貫通し、受入れ室12B内に入る。ワイヤ20は、縫合糸保持器316の開口320内に受け入れられ、受入れ室12B内の縫合糸保持器316を固定する。ワイヤ20は、ワイヤ停止部に取り付けることができ、ワイヤ停止部を作動させるとワイヤ20を取外し可能にする。図3dに示すように、ワイヤ20は、ワイヤ20が縫合糸保持器316にそれ以上結合しないように少なくとも部分的に取り外すか、後退することができ、遠位先端部12の受入れ室12Bから縫合糸保持器316を分離可能にする。これにより、この例では、スタイレット319を備える縫合糸保持器取出し部材によって縫合糸保持器316を後退又は取出し可能にする。
針及びスタイレットの差動前進を可能にする機構
係合及び解放機構の様々な実施形態又は実装形態が、スタイレット319を選択的に針116と係合させ、針116から分離させるために提供される。一例では、結合/分離機構は、(i)スタイレット・ハブ430を針ハブ130に結合して針116及びスタイレット319を一緒に組立体として移動するようにするために、(ii)後で針ハブ130をスタイレット・ハブ430から分離してスタイレット319自体で前進可能にするために、提供される。
スタイレット及び針を結合、分離するための手動連結又は針解放ボタン
結合/分離機構は、図4a〜図4gに示すように針解放ボタン600の形態でも良い。ボタン600は、その初期の位置では結合した針ハブ130及びスタイレット・ハブ430の両方を有する。ボタンは、2つのハブを分離するために手で押圧することができる。針解放ボタン600は、ばねがその第1の/初期の位置又は名目位置600Aで針ハブ130から離れて付勢される、ばね荷重ボタンとすることができる。一例では、ボタン600は、針ハブ130に接続しても、針ハブ130の一部であってもよい。ばねの名目位置600Aでは、ボタン600は、スタイレット・ハブ430の経路(ひいてはスタイレット・ハブ近位部分432)を遮断する干渉ブロック601を設け、更に図4dに示すように、スタイレット319の移動を遮断/妨害する。より具体的には、まず、位置600Aにある針解放ボタン600は、針ハブ130をスタイレット・ハブ430(トリガの作動により駆動される)に結合する。2つのハブを結合することで、トリガの作動は、スタイレット319及び針116の両方を前に駆動する。この前への移動は、針116が縫合糸保持器316にぶつかると停止する。この点では、針解放ボタン600の干渉ブロック601は、スタイレット・ハブ430を遮断/妨害する。
ボタン600を押圧する(ばね603を圧縮する)と、ボタン600は、その第1の位置600Aから第2の位置600Bに図4e及び図4fに示すように移動する。ボタン600の押圧により、干渉ブロック601によって作出された遮断が取り除かれ、スタイレット・ハブ430、ひいてはスタイレット・ハブ近位部分432を針ハブ130に対して移動可能にし(図4gに示すように)、スタイレット・ハブ近位部分432は、ばね605を付勢力に抗して押圧する。これにより、トリガ218を押圧し続けると、スタイレット319が針116を越えて前進可能になる(上記で図2d及び3cに示すように)。スタイレット・ハブ430は、前進するとき、針解放ボタン600を第2の位置又は押圧位置600Bに保って針解放ボタン600を押圧し続ける。
スタイレット及び針を結合及び分離するための自動連結又は針解放ボタン
代替実施形態では、図4h〜図4iに示すように、針116及びスタイレット319を結合、分離する自動システムが開示される。上記した針解放ボタン600の実施形態と同様に、針解放ボタン600は、その初期位置ではスタイレット・ハブ430を針ハブ130に結合する。ボタン600は、自動的に押圧され2つのハブを分離することができる。より具体的には、ボタン600の干渉ブロック601は、図4hに示すその名目上又は初期位置600Aではスタイレット・ハブ430と係合して、前方に移動する間に針ハブ130をスタイレット・ハブ430に結合させる。いくつかの実施形態では、ボタン600は、針ハブ130に結合するか、又は針ハブ130の一部である。したがって、スタイレット・ハブ430がトリガの作動によって前進すると、針ハブ130及びボタン600は、それと共に前進する。ボタン600は、デバイスのハンドル本体14’の上に載る突出部又はフック604を備える。換言すれば、フック604は、内側室140を画成するハンドル本体に載置される(内側室140内には、スタイレット・ハブ430及び針ハブ130が位置する)。ボタン600は、針ハブ130内に格納可能であるが、フック604がハンドル本体14’内に画成された切欠き部142内に位置決めされるまでは格納できない。
例えば図4iに示すように、ランプ602が干渉ブロック601の近位面に設けられ、対応ランプ402は、スタイレット・ハブ430の遠位面に設けられ、干渉ブロック601のランプ602と相互作用する。スタイレット・ハブ430が、例えばトリガを押すことによって前進すると、スタイレット・ハブ430のランプ402は、干渉ブロック601のランプ602を係合し、スタイレット・ハブ430と共にボタン600(干渉ブロック601を含む)を遠位に前進可能にする。ボタン600は、図4j及び図4kに示すように、ボタン600が切欠き部142と位置合わせされるまで前進する。換言すれば、針ハブ130は、ボタン600が外れて針ハブ130内に格納できるまでスタイレット・ハブ430/ボタン600によって押し進められる/前進する。干渉ブロック601が切欠き部142内に位置決めされると、干渉ブロック601は、干渉ブロック601のランプ602と相互作用するので、スタイレット・ハブ430のランプ402によって強制的に下げられる。ボタン600は、ここで、その初期位置600Aから第2の位置600Bに移動する。これにより、図4l及び図4mに示すように、スタイレット・ハブ430が針ハブ130に対して更に遠位に前進する。換言すれば、ランプ402を画成するスタイレット・ハブ430の部分は、針ハブ130上を摺動し、そして針ハブ130をスタイレット・ハブ430から分離する。図4n及び図4oに更に示すように、スタイレット・ハブ430は前進した一方で、針ハブ130は前進していない。
スタイレットを結合、分離するための自動針解放ボタン(以下で説明する可聴フィードバックを有する自動深さ選択器と共に使用)
いくつかの実施形態では、針解放ボタン600’は、ハンドル本体14’の内部に設けられる。針解放ボタン600’は、最初は針ハブ130及びスタイレット・ハブ430を係止し、自動的に押圧され、2つのハブを分離し、針116を越えてスタイレット319を前進可能にする(一方で、針は縫合糸保持器316によって阻止される(図2d))。針/スタイレット連結又は針解放ボタン600’の実施形態は、図6m〜図6x’に示される。図4j〜図4kに対してすでに本明細書で説明した実施形態と同様に、トリガの作動は、スタイレット・ハブ430を前進可能にし、その初期又は係合位置600A’では、連結又は針解放ボタン600’は、スタイレット・ハブ430と同時に針ハブ130を前進可能にするか、又は強制的に前進させる。すでに説明したように、図6mは、トリガの第1の作動前のデバイス100を示し、その第1の位置600A’における連結部600’を更に示す。更に、図6m(i)、図6m(ii)及び6m(iii)は、初期位置600A’における針解放ボタン600’を示すデバイス100の側底図を示す。図6m(i)及び図6m(iii)は、干渉ブロック601’の近位面に設けられたランプ602’、及びスタイレット・ハブ430の遠位部分に設けられ、干渉ブロック601のランプ602’と相互作用する、対応ランプ402’を示す破断図を示す。一実施形態では、近位ハウジング又はハンドル本体14’は、タブ1408を備え、このタブ1408は、ハンドル本体14’から、ハンドル本体14’によって画成したハンドル内側室140内に延在する。針解放ボタン600’が、図6m(ii)に示すその初期位置にあるとき、ボタン600’の突出部分又はフック604’は、デバイス100のハンドル本体14’のタブ1408の下に位置決めされる。タブ1408は、針解放ボタン600’がその第2の位置600B’で上方に早期に押圧されるのを防止し、スタイレット・ハブ430及び針ハブ130を一緒に前進可能にする。一例では、タブ1408は、フック604’をタブ1408に当接させるか、又はタブ1408と係合させることによって、ボタン600’が解放されるのを防止するように機能する。ボタン600’は、針ハブ130に結合し、針ハブ130内に後退することができる。しかし、ボタン600’は、フック604がハンドル本体14’内に画成したタブ1408を越えて位置決めされる/移動するまでは、後退することができない。いくつかの実施形態では、針解放ボタン600’は、針ハブ130に結合する。針解放ボタン600’は、付勢手段によりその初期位置600A’の方に付勢することができる。いくつかの例では、針解放ボタン600’の付勢手段は、ばね付勢機構を備える。この具体例では、針解放ボタン600’のフック604’は、ばねを使用してその初期位置600A’の方に付勢される。針解放ボタン600’、及び具体的にはフック604’は、針解放ボタン600’がその押圧又は第2の位置600B’にあるとき、例えば力を付与したときに後退することができる。これにより、スタイレット・ハブ430が針ハブ130に対して更に遠位に前進可能になる。針解放ボタンのこれら実施形態のそれぞれは、使用中のデバイスを参照して以下でより詳細に説明する。
スタイレットの移動距離を制御する機構
いくつかの実施形態では、スタイレット319等の縫合糸通し要素/縫合糸保持器取出し要素の移動距離を制御する要素が設けられ、それによりトリガの第1の作動における縫合糸通し要素の移動距離は、トリガの第2の作動における縫合糸保持器取出し要素の移動距離とは異なるようになる。トリガ218を作動したときにスタイレット319が前進する距離を変動可能にするために、本発明の特定の実施形態は、図5a〜図5e、図6a〜h、図6i〜図6l及び図6m〜図6xに示す深さ選択機構(深さ選択器)500、500’を設ける。したがって、深さ選択器500は、スタイレット319が針116に対してどのくらい遠くに移動できるかということに関して、スタイレット319の様々な前進度を可能にする。いくつかの実施形態では、深さ選択器500は、スタイレット・ハブ430内に嵌合する。深さ選択器は、スタイレット319の完全な前進を干渉する部品を備え、この部品は、スタイレット・ハブ430に隣接して、スタイレット・ハブ430に対して遠位に位置決めすることができる。この干渉部品は、タブ(図5a〜e及び図6a〜hに示すように)であってもよく、図6i〜図6lを参照して更に説明する。他の実施形態では、干渉部品は、図6m〜図6xに示す停止部を有するアームを備えることができる。深さ選択器は、手動又は自動で作動することができる。
スタイレットの移動距離を制御する手動深さ選択器(手動深さ選択器は、上記で説明した手動針解放ボタンと共に動作する)
図5a及び図5bは、第1の/初期若しくは開始位置又は深さ設定500Aにおける深さ選択器500を示し、ハンドル・ハウジングに対する深さ選択又は調節機構500の開始場所及び最終(トリガ作動後)場所を例示する。図5cを参照すると、深さ選択器500は、デバイス100の長手軸に対して横方向に延在し、スタイレット・ハブ430に結合する。深さ選択器500は、2つの位置、第1の位置500A及び第2の位置500Bを画成する。初期位置500Aでは、深さ選択器500の突出部又はタブTは、スタイレット・ハブ430の近位部分432に隣接して位置決めされ、スタイレット・ハブ430の近位部分432の遠位面に当接する。図5c及び図5dに示すように、深さ選択器500をその第1の位置500Aに保持するために、突起部501が深さ選択器に設けられ、この突起部501は、スタイレット・ハブ430内の凹み502内にスナップ嵌めされるか、又は別の方法で凹み502と係合する。突起部501は、横向きの力が深さ選択器に付与されるまで凹み502内に保持され、深さ選択器をその第2の位置500Bに移動させる。
ここで図5dを参照すると、第1の位置又は初期深さ設定500Aにおける深さ選択器500は、タブTがスタイレット・ハブ近位部分432に隣接して位置決めされるように位置決めする。したがって、タブTは、スタイレット・ハブ近位部分432の遠位表面と針ハブ130との間でスタイレット・ハブ近位部分432に対して遠位に位置決めされ、スタイレットが針に対してどのくらい遠くに移動できるかということに関してスタイレットの完全な前進を干渉する。これにより、スタイレット319は第1の所定距離に前進し、縫合糸結び目250を縫合糸保持器316内に納置可能にする(縫合糸保持器316との係合ではない)。深さ選択器500は、深さ選択器500に対して横向きの力Fの付与によって第2の位置内に移動可能であり、それにより深さ選択器の突起部501をスタイレット・ハブ内の第2の凹み503内に移動させ、深さ選択器は、第2の位置500Bに留まることを可能にする。ここで図6eを参照すると、深さ選択器500の深さ設定500Bは、第2の位置にあるとき、深さ選択器500のタブTは、スタイレット・ハブ近位部分432の遠位表面と針ハブ130との間に位置しない。この位置では、深さ選択器タブTは、針ハブ130に対するスタイレット・ハブ430の前進を干渉せず、スタイレット319を第2の所定距離に前進させて縫合糸保持器316を取り出す縫合糸保持器と係合可能にする。
スタイレットの移動距離を制御する自動深さ選択器(自動深さ選択器は上記で説明した自動針解放ボタンと共に動作する)
いくつかの実施形態では、図6i〜図6lに示すように、深さ調節又は選択機構は、自動化できる。しかし、深さ選択器500をその初期位置500Aから500Bに移動させるのに手動の横向きの力を必要とする代わりに、自動機構を設けて、深さ選択器をその第1の位置500Aから第2の位置500Bに移動する。図6iに示すように、深さ選択器500は、トリガの第1のトリガを作動する前は第1の位置500Aに示される。デバイス近位部分又はハウジング14は、アーム505及びタブ506を更に備える。深さ選択器がその第1の位置にあるとき、タブ506は、アーム505の第1の側に載置され、深さ選択器の突起部501は、スタイレット・ハブ430内の第1の凹み502内に位置決めされる。タブ506は、トリガの作動時にアーム505を越えて移動可能であり、スタイレット・ハブ430を前進させる。自動深さ選択器500は、上記した手動の実施形態と同様に機能して、スタイレット・ハブ近位部分432がハンドル室140内で遠位に移動するのを制限し、したがって縫合糸保持器316内に縫合糸結び目240を納置するようにスタイレット319を前進可能にする。図6k及び図6lに示すように、トリガの解放時に、スタイレット・ハブ430が自動的に針ハブ130と共にその初期位置に後退すると、タブ506はアーム505のランプ505bにぶつかるように動作可能であり、深さ選択器500をその第2の位置500Bに強制的に移動させる。タブ506は、アーム505の第2の側に位置決めされる。深さ選択器500の突起部501は、スタイレット・ハブ430内の第2の凹みと係合する。次に、スタイレット・ハブ近位部分432は、トリガの第2の作動により再前進することができ、スタイレット319を更に前進させて縫合糸保持器316を係合し、それによってスタイレット319は、縫合糸保持器316と共に後退することができる。
可聴フィードバックを有する、スタイレットの移動距離を制御する自動深さ選択器(可聴フィードバックを有する自動深さ選択器は、上記で説明した自動針解放ボタンと共に動作する)
いくつかの実施形態では、可聴フィードバック生成のための追加機構が設けられた深さ選択器が示され、この追加機構は、縫合糸通し要素及び縫合糸保持器取出し要素の(それぞれの距離に対する)それぞれの移動が完了した時を示す。縫合糸保持器通し要素及び縫合糸保持器取出し要素は、作動時に両方とも異なる距離で移動することができる。一実施形態では、図6m〜図6wに示すように、U字形深さ停止部又は深さ選択器500’が示される。図6mに示すように、深さ選択器500’は、下側アーム507、及び停止部509を更に備える上側アーム508を備える。特定例では、深さ選択器500’は例えばピンを使用してスタイレット・ハブ近位部分432に枢動結合する。深さ選択器500’の上方への回転移動は、深さ選択器500’がスタイレット・ハブ近位部分432に当接するので防止される。深さ選択器500’の下方への回転移動もまた、スタイレット・ハブ430と係合する深さ選択器500’にタブを設けることによって制限することができる。デバイスのハンドル本体14’は、深さ選択器制御部又は案内リブ1403、1405及びクリック・リブ1404、1406を備え、これらはハンドル本体14’によって画成した室140の内部の方に面する/突出する。偏向可能アームのタブ510は、初期位置では制御リブ1403の上側表面1403aに載置される。
深さ選択器500’は、初期位置ではアーム508が針ハブ130とスタイレット・ハブ近位部分432との間に位置決めされるように位置決めする。アーム508の停止部509は、トリガの第1の作動時に針ハブ130と接触又は針ハブ130に当接するように動作可能であり、スタイレット・ハブ430が針ハブ130に対して完全に移動するのを防止する。これにより、スタイレット319が第1の所定位置に対し遠位に前進可能にして遠位先端部12で縫合糸保持器316内に縫合糸結び目250を納置する。更に、深さ選択器500’は、タブ510を有する下側アーム507を備え、トリガの第1の作動の間、この下側アーム507は、その偏向位置内に移動することができ、その後、非偏向位置に移動することができ、タブ510がハンドル本体14’のリブ制御部1404にぶつかるのを可能にする。これにより、深さ選択器500’はスタイレットの第1の所望距離への前進が完了したことを示す「クリック」音を発生可能になる。
深さ選択器500’は、その第2の位置ではアーム508がスタイレット・ハブ近位部分432と針ハブ130との間に位置決めされないように下方に枢動し、スタイレット430の完全な前進を干渉しない。これにより、スタイレット319を第2の位置に対して遠位に前進させて縫合糸保持器と係合可能にする。更に、下側アーム507は、トリガの第2の作動の間その偏向位置内に更に移動することができ、その後、その非偏向位置内に移動することができ、タブ510がハンドル本体14’の制御リブ1406にぶつかるのを可能にする。これにより、深さ選択器は、スタイレットのその第2の所望距離への前進が完了したことを示す「クリック」音を発生可能になる。
いくつかの実施形態では、スタイレット・ハブ近位部分432は、スタイレット・ハブ430の統合部分であってもよい。他の実施形態では、スタイレット・ハブ近位部分432は、個別の部品であってもよいが、スタイレット・ハブ430と一体に結合する。いくつかの例では、スタイレット・ハブ近位部分432は、スタイレット・ハブ430とは異なる材料を含むことができる。特定例では、スタイレット・ハブ近位部分432は、ステンレス鋼を含む。
深さ選択器500を説明するこれらの実施形態のそれぞれは、使用中のデバイスを参照して本明細書の以下でより詳細に説明する。
偏向補正機構
本発明のデバイスは、縫合糸通し要素又は縫合糸取出し要素を組織に通してデバイス近位部分14からデバイス遠位先端部12に移動させる際の偏向補正機構を含むことができる。いくつかの例では、デバイスは、針116等、デバイスの組織穿刺部材の移動時の偏向補正機構を備えることができる。他の例では、デバイス100は、遠位先端部12を偏向させる、デバイスの長手方向延在首部分15(デバイス近位部分のシャフト16の一部であってもよい)等の別の部品内に偏向補正機構を備えることができる。偏向は、組織が針116若しくはスタイレット319の前進に抵抗する結果、又は遠位先端部12で作用する組織の抵抗力であることがある。いくつかの例では、針116又は遠位先端部12の偏向は、針116を室12Bからずれさせることがあり、これにより、例えば針116内に収容したスタイレット等の縫合糸通し要素が縫合糸を遠位先端部12内に通すのを妨げることがある。
一実施形態では、組織穿刺部材の偏向を補正する特徴部が設けられる。1つの特定例では、組織穿刺部材は、シャフト16内に収容した針116を備える。針116の偏向を補正する特徴部は、針116と室12Bとの間にオフセットをもたらす。図3eに示すように、針116は、デバイス近位部分14のシャフト16から遠位先端部12に前進して組織受入れ間隙10内に位置決めした組織を穿刺する。針116が組織を貫通すると、組織は、針116に抵抗力(F組織)を付与する。図示される特定例では、針116は、非対称(例えば傾斜)形状を有する。その結果、抵抗力(F組織)が加えられた部品は、針(F反応)の長手軸又は中心線に対して垂直に作用する。この垂直な力(F反応)は、針116をその中心線から偏向させる。その結果、針116は、組織の穿刺又は貫通に使用されるときに曲がることができ、したがって遠位先端部12の室12Bと位置合わせすることができる。いくつかの例では、針116は方向矢印M1で示すようにデバイスの上部に向かって偏向する。したがって、次に、針116は、室12Bと実質的に同一線上に位置合わせすることができる。或いは、針116は、針116の先端部が室12Bの開口を係合するように偏向させ、針116を連続的に前進させることで、室12Bと針116を実質的に同一線上に位置合わせする。というのは、針116の傾斜は、方向矢印M1に示すようにデバイスの上部に向かって偏向をもたらすためである。
別の実施形態では、デバイス遠位先端部12の偏向補正手段を提供する。上記した実施形態と同様に、針116の偏向補正特徴部は、針116と室12Bとの間にずれをもたらすことを含む。別の特定例では、図3fに示すように、デバイス100が組織200内に位置決めされると、遠位先端部12は、遠位先端部が骨にぶつかった際の抵抗力(F)等の抵抗に遭うことがある。デバイス先端部12を使用するユーザによって反力がこの抵抗力に付与された場合、長手方向延在首部分15等のシャフト16の薄い部分は、曲がることができる。いくつかの例では、遠位先端部12は、デバイスの底部から離れて曲がるか、デバイスの底部の方に偏向することができる(方向矢印M2に示すように)。その結果、遠位先端部12(針116が標的とする)によって画成した遠位ハウジング又は室12Bは、移動することができる。したがって、遠位先端部12を使用してユーザによって付与された力は、シャフト16の一部分を曲げ、遠位先端部12の室12Bを針116と位置合わせできる。換言すれば、針116及び室12Bは、実質的に同一線上になることができる。
更なる詳細では、図3gに示す本発明の一実施形態によれば、デバイス100は、針116をその意図する軌道で遠位先端部12の室12Bと位置合わせ可能にすることを提供する。より具体的には、遠位先端部12及び針116がずれるため、遠位先端部12又は針116のいずれかの偏向によって作出されたずれを補正するために、デバイスが提供される。より具体的には、デバイス100は、近位ハウジングのシャフト16によって画成した室又は通路16Bを備え、室16Bは長手軸又は中心線Lを有する。デバイス100は、遠位ハウジングの遠位先端部12によって画成した室12Bを更に備え、室12Bは長手軸又は中心線Lを有する。本発明の一実施形態によれば、デバイス100は、シャフト室16Bの中心線Lが遠位先端部室12Bの中心線Lからずれることを提供する。室12Bは、図示する針及びシャフト偏向方向でオフセットするか、又はずれ、それによって偏向針116は遠位先端部12内の室12B内を依然として標的にする。
代替実施形態では、組織穿刺部材又はシャフトの一部分の偏向に対処するために他の特徴部を備えることができる。図3hに示す1つの特定例では、事前湾曲針116’が備えられる。図3hに示すデバイス100は、室12Bを画成する遠位先端部12、及び室16Bを画成するシャフト16を備え、室16Bの中心線Lは室12Bの中心線Lと位置合わせされるか、又は実質的に同一線上にある。湾曲針116’は、首部分15の曲がりによる遠位先端部12の偏向、又は組織によって付与された抵抗力による針自体の偏向のいずれかを適合又は補正することができる。遠位先端部12が下方に偏向する一例では、湾曲針116’の軌道は、組織受入れ間隙10内に偏向するようなものであるので、湾曲針116’の遠位端は、遠位先端部12と位置合わせされる。湾曲針116’が組織抵抗により組織受入れ間隙10から離れて偏向する別の例では、組織によって付与された抵抗力は、針116’の湾曲を真っ直ぐにすることができ、したがって針116’を遠位先端部12と位置合わせ可能にする。
上記したいくつかの実施形態では、針116の遠位端又は先端部が遠位先端部12内の室12Bに入った後、更なる遠位移動は、針116を室12B内に押し込む/摺動する。いくつかの例では、針端部面に設けられた傾斜が針116を室12B内に摺動可能にし、針の遠位端が実質的に室12Bと同一線上になることを可能にする。いくつかの実施形態では、針116は、室12B内に押し込む又は摺動するようにわずかな湾曲又はS字形状を取る。
本発明の一実施形態に従った例示的縫合糸通し部材
スタイレット319の一実施形態を図7a〜図7dを参照して説明する。スタイレット319は、縫合糸保持器316を係合する特徴部を備える。スタイレット319等の縫合糸保持器取出し部材と捕捉部416との係合は、スタイレット319の断面又は形状によって更に向上させることができる。いくつかの実施形態では、スタイレット319等の縫合糸保持器取出し要素は、捕捉部416等の縫合糸保持器316と協働的に係合する係合特徴部を備えることができる。係合特徴部は、捕捉部416の指部と係合する窪み又は溝を備えることができる。他の実施形態では、係合特徴部は、捕捉部416の指部と係合する突起部を備えることができる。一例では、スタイレット419は図7a〜図7eに示すように設けられる。スタイレット419は、スタイレット先端部420及びスタイレット・シャフト424を備える。スタイレット先端部420の一部分は、幅W2を有する。スタイレット先端部420に近接し、近位のスタイレット・シャフト424の一部分は、幅W1を有する。スタイレット先端部420の一部分に沿った幅W2は、スタイレット・シャフト424の一部分に沿った幅W1よりも大きい。幅W2を有するスタイレット先端部420の一部分は、スタイレット先端部幅広領域421として画成される。及び、幅W1を有するスタイレット・シャフト424の一部分は、シャフト幅狭領域423として画成される。肩部又は縁部426は、スタイレット先端部幅広領域421とスタイレット・シャフト幅狭領域423との間の境界部で形成することができる。換言すれば、スタイレット先端部幅広領域421は、肩部又は縁部426を画成する。上述したように、いくつかの実施形態では、突起部はスタイレット419の係合特徴部を形成する。この一例として、突起部はスタイレット先端部幅広領域421によって形成される。特定例では、係合特徴部は、スタイレット先端部幅広領域421によって画成した肩部又は縁部426を備える。スタイレット419が実質的に円形断面を有する一実施形態では、スタイレット先端部幅広領域421は、スタイレット・シャフト幅狭領域423よりも実質的に大きな直径である。
スタイレットがスタイレット・シャフト424の長さ部に沿って実質的に低減する断面を有する一例では、スタイレット・シャフトは、その部分に沿って略長方形断面又は部分的に長方形断面を有することができる。この特定例では、図7eに更に示すように、スタイレット・シャフト424は、シャフト幅狭領域423に沿ったシャフト424の遠位部分に沿って低減した長方形断面を形成する4つの平部又は平面425を有する。更に、シャフト424は、シャフト部分427に沿った部分的に長方形断面を有し、シャフト断面の一部分は、丸みがあるか、円形である。他の実施形態では、シャフト幅狭領域423は、あらゆる他の断面形状を有することができ、非限定的に円形、楕円若しくは正方形断面又はそれらの組合せのうちいずれか1つを含むことができる。
縫合糸保持器取出し部材として機能するスタイレット419は、動作時に捕捉部416を捕捉するために前進する。スタイレットは、スタイレット先端部幅広領域421によって画成した肩部又は縁部426が捕捉部416の遠位開口を越えて前進するように捕捉部416に前進する(図7d)。捕捉部416の遠位開口は、遠位端で実質的に集束する指部322によって画成され、この指部322は、名目上の形状及び位置を有する。いくつかの実施形態では、捕捉部416は弾性であり、指部322はスタイレット先端部420が捕捉部416の遠位開口を越えて前進するにつれて撓み、スタイレット先端部420が捕捉部416に対して遠位に位置決めされたとき(即ち肩部又は縁部426が捕捉部416に対して遠位に位置決めされたとき)名目上の形状/位置に実質的に戻る。捕捉部416が実質的にその名目上の形状/位置に戻ったとき、捕捉部416の遠位開口は、スタイレット先端部幅広領域421に沿った幅よりも小さい幅を有する。したがって、スタイレット419が後退すると、スタイレット先端部幅広領域421の肩部又は縁部426は、捕捉部416の狭い遠位端部に当接し、それによりスタイレット先端部420が捕捉部416を通って後退するのを防止する。次に、スタイレット419及び捕捉部416は、組織200の第2の区分を通る組織部位P2を通ってユニットとして一緒に後退する。代替実施形態では、縫合糸保持器316は、指部322を有する捕捉部416を備えることができ、スタイレット319等の縫合糸保持器取出し部材は、捕捉部416の指部と係合する凹みを備えることができる。或いは、スタイレット319は、スタイレット319を縫合糸保持器316に係合可能にするあらゆる他の特徴部を備えることができる。
係合機構は、図3dに示すように、上記とは異なって置いて、スタイレット319と捕捉部416との間に備えることができ、スタイレット319が後退するときに捕捉部416をスタイレット319と共に後退可能にし、遠位先端部12から捕捉部416を分離可能にする。これにより、捕捉部416を使用して、縫合糸結び目250を組織の第2の側、例えば組織部位P2を通して近位に引き抜くことができる。縫合糸240は、組織の遠位側から第2の組織区分を通って近位側に通される。したがって、これにより、縫合糸240は欠損の両側の組織を通り、実質的に欠損を封止するように組織の2つの側を近づけることを可能にする。
本発明の一実施形態に従った例示的縫合糸捕捉部
以下でより詳細に例示し、説明するように、いくつかの実施形態では、縫合糸保持器316は、その遠位側に開口を画成する。縫合糸保持器316は、結び目250が開口を通って出るように結び目250を押し進めるスタイレット319を受け入れることができる。そのような例では、縫合糸保持器316の遠位側の開口は、縫合糸保持手段によって画成される。換言すれば、縫合糸保持手段は、結び目250が位置決めされる遠位開口を画成する縫合糸保持器の一部分であると理解することができる。結び目250を受け入れる縫合糸保持器316の1つの特定実施形態は、図7a〜図7cを参照して説明する。1つの特定例では、図7aに示すように、本明細書の上記で説明した縫合糸保持器316は、捕捉部416を備えることができる。捕捉部416により、スタイレット319が第2の所定距離に前進したとき、又は第2の通過にあるときにスタイレット319等の縫合糸保持器取出し部材が捕捉部416を係合可能になり(図3c〜図3d及び図7d)、捕捉部416をスタイレット319と共に後退可能になる。捕捉部416は、可撓先端部又は指部322で終端する管状中空細長部材から形成される。弾力性又は弾性とすることができる先端部又は指部322は、捕捉部416の縫合糸保持部品を形成する。上述したように、第1の通過では、スタイレット319は第1の側の欠損の組織を通って前進して、縫合糸240を通す。スタイレット319が捕捉部416を通って前進すると、縫合糸保持部品を形成する捕捉部416の可撓性弾力指部322は撓み、スタイレット319が捕捉部416を通して結び目250を通すのを可能にする(図7b)。続いて、指部322は、スタイレット319が後退すると名目位置に戻り、結び目250を捕捉部416に対して遠位の位置に捕捉、保持し(図7c)、一例では、結び目250は、デバイス遠位先端部12を越えていてもよい。したがって、捕捉部416は、一方向で結び目250を捕捉部に進行可能にし、結び目250を保持することで、結び目250が捕捉部416を通って近位移動するのを防止する。一実施形態では、捕捉部416の縫合糸保持部品は、少なくとも4つの指部322を備える。代替実施形態では、捕捉部416の縫合糸保持部品は、少なくとも3つの指部322を備える。縫合糸保持器316が捕捉部416を含む1つの特定例では、捕捉部416は、その近位端部面(傾斜近位面)に傾斜を有し、上記した一実施形態に従って針116の遠位端の傾斜(傾斜遠位面)と係合可能にする。
遠位先端部内での縫合糸捕捉部及び対応する係合特徴部の代替実施形態
本発明のデバイスの代替実施形態を図9〜図19を参照して以下に示す。これらの実施形態のそれぞれは、図2及び図3を参照して本明細書の以下で説明する方法と共に使用することができる。全体を通して使用する用語「縫合糸保持器」は、縫合糸捕捉部316に言及し、この縫合糸捕捉部316は、縫合糸通し部材によって縫合糸保持器に通された縫合糸を捕捉するように動作可能である。
更なる実施形態では、図9a〜図9fに示すように、デバイス100は、欠損を処置する本発明の方法を実践するために使用する。デバイス100は、その遠位先端部に縫合糸保持器316を備える。縫合糸保持器316は、本明細書に記載の部材係合特徴部のいずれかを使用して遠位先端部12に解放可能に結合することができる。例えば、縫合糸保持器316は、縫合糸保持器316と遠位先端部12との間の協働係合部を使用して、又は遠位先端部12を通って縫合糸保持器316のアパーチャ内に入るワイヤを使用して、遠位先端部12に結合することができる。縫合糸保持器316は、縫合糸保持器316に通る内腔を少なくとも部分的に画成することができる。一実施形態では、縫合糸保持器316は、縫合糸の一部分を遠隔で捕捉及び/又は保持する縫合糸保持部品を有する。縫合糸部分は、医療措置の間にユーザによって遠隔で捕捉してもよい。一例では、縫合糸保持/捕捉部品は、縫合糸保持器に対して内側に付勢される1つ又は複数の弾性指部(又は「ばね付勢付属器」)を備える。縫合糸保持部品は、縫合糸保持器(の表面)から突出する1つ又は複数の弾性部材又は指部を備え、第2の物体と接触したときに直接的又は規制運動を行う。別の例では、1つ又は複数の弾性指部は、縫合糸の一部分の直接的又は規制運動を行う。この特定例では、指部は、縫合糸部分の後退を防止するように十分内側に突出する。一例では、縫合糸部分は、縫合糸結び目、縫合糸ボール、金属タブ又はプラスチックタブからなる群から採用する。縫合糸保持部品は、1つの指部を備えてもよい。或いは、縫合糸保持部品は、2つ以上の指部を備えてもよい。いくつかの例では、縫合糸保持部品は、2、3又は4つの指部を備えることができる。一実施形態では、内側に付勢される指部は、縫合糸保持器の遠位端に位置する。代替実施形態では、1つ又は複数の指部は、縫合糸保持器の長手方向の長さ部に沿った場所に位置決めされる。この一例では、図9a〜図9b及び図9cに示すように、縫合糸保持器316は、縫合糸保持器316の中間長さ部の周囲で縫合糸保持器316の内部の方に曲がるか、テーパ付けすることができる1つ又は複数の弾性アーム又は指部322を有する。特定例では、縫合糸保持器316は、1本のアーム又は指部322を有する。いくつかの実施形態では、指部322は、突起部、部材又は先端部と呼ぶことができる。
デバイス100は、その遠位部分に沿った溝428を有するスタイレット319の形態の縫合糸通し部材を更に備える。スタイレット319は、組織穿刺部材として機能する中空針116内に収容される。結び目250等の縫合糸240の一部分は、図9a〜図9b及び図9cに示すようにデバイス近位部分で針116内に保持される。スタイレット319の遠位端は、図9dに示すように、スタイレット319を第1の所定距離に前進させるときに縫合糸結び目250を縫合糸保持器316内に押し込むために備えられる。縫合糸保持器316の弾性アーム又は指部322は、図9eに示すように撓むことができ、スタイレットを縫合糸保持器316に通すことを可能にする。したがって、縫合糸保持器316は、スタイレット319等の縫合糸通し部材の移動を制限するように更に機能することができ、これにより、縫合糸結び目250が縫合糸保持部品を係合可能にするまで縫合糸通し部材を前進可能にし、縫合糸通し部材は、図9eに示すようにそこから自由に後退できる。縫合糸保持器316は、スタイレット319等の縫合糸保持器取出し部材の移動を制限するように更に機能し、それによりスタイレット319が第2の距離に再前進した際にスタイレット319を係合することができる。これにより、図9fに示すように縫合糸スタイレット319を縫合糸保持器316から後退可能にする。縫合糸保持器316の弾性アーム又は指部322は、スタイレット319の溝428内に受け入れられ、それと係合し、スタイレット319によって縫合糸保持器316を捕捉可能にする(図9g)。この位置では、縫合糸保持器316は、溝428が縫合糸保持器316の指部322と係合させることによってスタイレット319の移動を制限する。一実施形態では、図9fに示すように、縫合糸保持器は、遠位先端部12の窓128内に保持されるタブを備えることができ、縫合糸保持器を遠位先端部12に結合可能にする。上記した実施形態の代替形態では、スタイレット319は第1の向きと第2の向きとの間の向きを回転可能に変更することができる。その第1の向きでは、スタイレット319のそのような溝428は、図9hに示すようにアーム又は指部322から離れて面する。このことは、スタイレット319の溝428がスタイレット319の初期前進の間にアーム又は指部322を係合するのを防止するのに役立つことができ、したがってスタイレット319は、結び目250が縫合糸保持器316で納置された後に自由に後退できることが保証される。したがって、スタイレット319は、その第1の向きでは非係合向きにあり、前進するときには縫合糸保持器316を係合できない。スタイレット319は、その第2の向きでは縫合糸保持器係合向きにあり、溝428がアーム又は指部322と同じ側に位置決めされ、そのためスタイレット319は、再前進する際に縫合糸保持器316を係合することができる。縫合糸保持器316のアーム又は指部322は、図9iに示すようにスタイレット319の溝428内に嵌合又は係合するように動作可能であり、これによりスタイレットが後退時に縫合糸保持器316を取り出し可能にする。したがって、縫合糸保持器316のアーム又は指部322は、スタイレット319の運動を制限又は規制するように機能し、スタイレット319を縫合糸保持器316と係合可能にする。
図10a〜図10fに示す本発明の一実施形態の別の例では、デバイス100は、デバイス遠位先端部12に配置した縫合糸保持器316を備える。縫合糸保持器316は、縫合糸保持器316を通る内腔を画成する中空管状部材を備える。縫合糸保持器316は、1つ又は複数の内側に付勢される弾性指部等の縫合糸保持部品を備え、この縫合糸保持部品は、その遠位端で縫合糸保持器316の表面から突出する。指部322は、縫合糸保持器316に通る縫合糸の一部分の直接又は規制運動を行うように機能する。更に、指部322は、縫合糸部分を縫合糸保持器316に通すのに使用する縫合糸通し部材の運動を制限するように機能し、縫合糸保持器取出し部材を係合するように更に機能し、この縫合糸保持器取出し部材は、その後、縫合糸保持器316を通して縫合糸保持器取出し部材に結合した縫合糸部分と共に取り出される。
更に、縫合糸保持器316は、縫合糸保持器316をデバイス遠位先端部12に解放可能に結合する係合特徴部を備える。係合特徴部は、縫合糸保持器316とデバイス遠位先端部12との間の協働係合部を備える。一例では、縫合糸保持器316は、図10aに示すように遠位先端部12の突出部121と協働的に係合する凹み、窪み又は溝321を有し、縫合糸保持器316が遠位先端部12に解放可能に結合するのを可能にする。係合特徴部は、図10b及び図10cに示すように縫合糸保持器316がスタイレット319が前進する間に縫合糸保持器316と着脱可能に係合したままにして、縫合糸240を通し、その後、後退させる。縫合糸保持器316の凹み、窪み又は溝321との遠位先端部12の突出部121の分離は、図10d及び図10eに示すように、縫合糸保持器316に再前進させた後にスタイレット319を使用して縫合糸保持器316を回転することにより実行でき、それにより、図10fに示すようにスタイレット319等の縫合糸保持器後退部材を使用して縫合糸保持器316を欠損の反対側の組織を通して後退可能にする。
縫合糸保持器316がデバイス遠位先端部12に配置され、遠位先端部12の受入れ室内に受け入れられた、更なる代替実施形態を図11aに示す。縫合糸保持器316は、すでに説明したように、1つ又は複数の指部322の形態の縫合糸保持要素を備え、縫合糸通し部材によって縫合糸保持器316内に通された縫合糸の一部分240を保持する。縫合糸保持器316は、係合特徴部を更に備え、デバイス遠位先端部12に着脱可能に結合可能にする。係合特徴部は、遠位先端部12で突出部と協働的に係合する切欠き部又は係合表面330を備え、遠位先端部12の受入れ室内に縫合糸保持器316を保持する。1つの特定例では、遠位先端部12にある突出部は、ばねクリップ132の突出部131であり、ばねクリップ132は、図11aに示すように遠位先端部12に結合する。縫合糸保持器316は、指部322等の縫合糸保持部材を備え、縫合糸結び目250を捕捉し、中に保持する。更に、スタイレット319は、図11bに示すようにスタイレット319が縫合糸保持器316を係合可能にするように係合特徴部を備えることができる。例えばすでに説明した実施形態と同様に、スタイレット319は、縫合糸保持器316の遠位端に沿った幅よりも大きい幅を有する先端部幅広領域を有することができ、スタイレット先端部幅広領域を縫合糸保持器316を通して且つ遠位に前進させるときに縫合糸保持器と係合する。縫合糸保持器316を後退可能にするために、縫合糸保持器316を遠位先端部12から分離する機構が備えられる。図11c及び図11dに示すように、一例では、スタイレット319を収容する針116は、回転可能(例えば90度)であってもよく、縫合糸保持器316を針116と共に回転させ、切欠き部又は係合表面330をばねクリップ132の突出部との係合から外れて回転可能にし、したがって縫合糸保持器316を遠位先端部12から分離する。これにより、切欠き部又は係合表面330は、もはやクリップ132に面するのではなく、ばねクリップ132は、縫合糸保持器316の非係合表面(1つの特定例では、縫合糸保持器316の円滑外側表面であってもよい)に近接し、それと接触することが保証される。これにより、支障を制限、低減するか、又は実質的に支障なくスタイレット319(縫合糸保持器取出し部材としての)、及び縫合糸保持器316を後退可能にする。
本発明の方法の代替実施形態によれば、図12aに示すデバイス100を使用することができる。縫合糸保持器316は、協働係合部を使用して遠位先端部12に着脱可能に結合することができる。縫合糸保持器316は、縫合糸保持部品を更に備え、縫合糸保持/捕捉部品は、少なくとも部分的にアパーチャを画成する縫合糸保持器316の要素を備える。いくつかの実施形態では、縫合糸保持部品は、アパーチャを画成する縫合糸保持器316の壁を備える。いくつかの実施形態では、壁の縁部327bは、アパーチャを画成し、アパーチャの近位境界を形成する。代替実施形態では、アパーチャは、長方形アパーチャ、楕円アパーチャ又は鍵形アパーチャのうちいずれか1つであってもよい。いくつかの実施形態では、アパーチャは、スロット、窓、アパーチャ又は穴と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、縫合糸保持器316は、少なくとも部分的に縫合糸保持器316を通る中空内腔を画成する。一例では、縫合糸保持器316は、完全に縫合糸保持器316を貫通する内腔を画成する。いくつかの実施形態では、縫合糸保持部品は、縫合糸保持器316の壁の遠位面を備え、遠位面はアパーチャを画成する。一例では、アパーチャは、縫合糸保持器316の壁内で横方向に延在する。他の例では、アパーチャは、縫合糸保持器316の壁内で長手方向に延在する。いくつかの実施形態では、アパーチャは、横方向及び長手方向の両方に延在する。1つの特定例では、アパーチャは、横方向延在部分323bを有するL字形スロット323であり、長手方向延在開口323aに対して遠位に形成される。縫合糸240の一部分は、長手方向延在開口323aを通ってスロット323内に通すことができる。次に、縫合糸部分は、縫合糸保持部品によってスロットの横方向延在部分323b内に保持することができる。1つの特定例では、縫合糸保持部品は、スロット323の近位境界を形成する縫合糸保持器壁の縁部327bを備える。
図12a〜図12dに示すように、デバイス近位部分から遠位先端部12の縫合糸保持器316への縫合糸部分の伝達を容易にするために、デバイス100は、縫合糸通し部材を更に備える。1つの特定実施形態では、縫合糸通し部材は、縫合糸の一部分240を搬送する開口123を画成する細長針116を備える。一例では、縫合糸部分は、縫合糸結び目250である。代替実施形態では、縫合糸部分は、縫合糸の自由端に付着させた金属又はプラスチックタブであってもよいタブ260を備える。
動作に際して、デバイス100は、縫合糸保持器316(デバイス遠位先端部12に結合)が第1の組織区分(図示せず)の遠位側に位置決めされるように組織の一領域内の欠損に挿入可能である。針116(縫合糸通し部材として機能)は、第1の組織区分を通して前進させて縫合糸保持器316内に縫合糸部分を納置できる。図12bに示すように、針は、縫合糸タブ260又は結び目250を縫合糸保持器316のスロット323の長手方向延在開口323a内に受け入れるように第1の距離(所定距離とすることができる)に前進可能である。針116の遠位部分は、縫合糸保持器316内に受け入れられるが、針116の隆起部分又は突出部125は、縫合糸保持器316と係合しない。次に、図12cに示すように、針116を180度回転させて(例えば反時計回り)、縫合糸タブ260又は結び目250をスロット部分323b内にスロット開口323aから離して移動させ、縫合糸保持器316内に縫合糸タブ260を固定することができる。次に、図12dに示すように、縫合糸240を欠損の一方の側の第1の組織区分に通した後、針116を後退させ、別の180度(例えば時計回り)回転させることができる。
動作に際して、次に、デバイス100は欠損のもう一方の側に再位置決めすることができる。換言すれば、デバイス100は、縫合糸保持器316が現在第2の組織区分の遠位側に位置決めされるように再位置決めする。次に、針116(今は縫合糸保持器取出し部材として動作する)を再前進させ、第2の組織区分に通す。図12eに示すように、針116は、第2の距離(所定距離とすることができる)に前進可能である。針116は、図12bの針116が進行する距離に対して遠位に更に前進させる。これにより、針116の隆起部分又は突出部125を縫合糸保持器316内に位置決め可能にする。次に、針116を180度(例えば反時計回り)回転して針116及び縫合糸保持器316を一緒に係止することができる。この特定例では、針116が回転するとき、針116の突出部125は、図示する窪み又は溝若しくは窓317等の縫合糸保持器の一部分316内に受け入れられる/縫合糸保持器の一部分316と係合する。次に、針116を後退させ、遠位先端部12から縫合糸保持器316を分離する。次に、針116及び縫合糸保持器316の両方は、欠損(図12f)を通して一緒に引き抜くことができ、それによって縫合糸保持器316に結合した縫合糸240が欠損の第2の側又は反対側の組織に通される。したがって、デバイス100は、組織の第1の区分、及び欠損の反対側の第2の区分に縫合糸240を通すことを可能にする。図13a〜図13dは、本発明の更に別の実施形態に従った、使用する組織に縫合糸を通すデバイス100を示す。本明細書の上記で説明した実施形態と同様に、デバイス100は、デバイス遠位先端部12(図示せず)に結合した縫合糸保持器316を備える。デバイス100は、デバイス近位部分からデバイス遠位先端部12の縫合糸保持器316に縫合糸の一部分を通す手段を更に備える。すでに説明したように、縫合糸保持器316は、縫合糸保持器316をデバイス遠位先端部12に着脱可能に結合する係合特徴部、及び縫合糸部分を受け入れ、保持する縫合糸保持部品の両方を備える。一般的には、縫合糸保持器316の縫合糸保持部品は、縫合糸保持器316のアパーチャ画成要素を備える。一実施形態では、縫合糸保持部品は、縫合糸保持器316のアパーチャ画成壁を備える。この一例として、縫合糸保持部品は、アパーチャの縁部を形成/画成する。
1つの特定実施形態では、縫合糸保持部品は、ドア、即ちアパーチャの縁部を形成するヒンジ付、摺動式、回転式障壁を備える。障壁は、アパーチャの対向縁部の間に実質的に直角に位置決めされる。更に、障壁は、開位置と閉位置との間を移動可能であり、その開位置では、障壁は中に縫合糸部分を受けるためのアパーチャにアクセス可能である。この特定例では、障壁は、アパーチャの側縁部を形成する。別の例では、障壁はアパーチャの近位縁部を形成する。より具体的には、縫合糸保持器316は、長手方向延在スロット323を画成し、縫合糸保持部品は、スロット323の近位開口に障壁又はフラップ325を備える。いくつかの実施形態では、障壁はヒンジ付であっても、枢動可能であってもよい。この一例として、障壁は、その閉位置に向かって付勢される。更に、付勢力は、ばね付勢機構を使用して提供することができる。一例では、障壁325は、障壁をその閉位置の方に付勢するばねを使用して縫合糸保持器316に結合する。
使用に際してのデバイスの動作を本明細書の以下で説明する。図13bに示すように、針116(搬送結び目250)を組織の第1の側を通して前進させ、縫合糸保持器316内に入れると、結び目250は、ヒンジ障壁325を押し付け、ヒンジ障壁325をスロット323の内側に向かって開放して結び目250を受け入れる。結び目250が開放ヒンジ障壁325を越えて移動すると、ヒンジ障壁325は閉鎖し、その名目上閉位置に戻る(図13c)。一例では、停止器Sを設けることができ、障壁が捕捉部の外側に向かって開くのを防止し、障壁を閉位置に維持可能にする。針116が近位に後退すると、縫合糸結び目250は、ヒンジ障壁325によってスロット323に保持される(図13d)。次に、縫合糸保持器316、及び続いて、その中に保持した結び目250は、本明細書で記載した実施形態のうちいずれかで説明したように、縫合糸保持器取出し部材を使用して欠損の反対側の組織を通して後退させることができる。1つの特定例では、縫合糸保持器取出し部材は針116を備える。針116は、突出部又は歯部125を備える。針116を前進させて縫合糸保持器316を取り出す。針116が縫合糸保持器316内に前進すると、歯部125は、縫合糸保持器316内の長手方向延在シャフト13の内腔13’内に受け入れられる。針116は、針116の移動は歯部125の内腔13’との相互作用により長手方向前進に制限されているので、自由に回転できない。針116が縫合糸保持器316内に完全に前進すると、歯部125は縫合糸保持器316の溝又は窓317を隣接して位置決めされる。次に、針116が回転すると、歯部125は溝又は窓317内に受け入れられ、それと係合する。この係合により、針116を縫合糸保持器316に結合させ、針116及び縫合糸保持器316が一緒に後退可能になる。
代替実施形態では、ヒンジ障壁325は、図13eに示すように弾性部材又はタブ1325Aと置き換えることができる。タブ1325Aの材料特性により、タブ1325Aの名目上又は載置位置に実質的に戻ることを可能にする。いくつかの実施形態では、タブ1325Aは、エラストマを含むことができる。1つの特定例では、タブ1325Aは、シリコーンを含む。いくつかの実施形態では、縫合糸保持器316は、複数のタブを備えることができる。1つの特定例では、縫合糸保持器316は、図13f及び図13gに示すタブ1325A及び1325B等の2つのタブを備える。別の例では、縫合糸保持器316は、3つのタブを備える。他の実施形態では、縫合糸保持器316は、4つ以上のタブを備えることができる。
更なる別の実施形態では、図14a〜図14fに示すように、例えば欠損を処置するために縫合糸を通すデバイス100が開示され、このデバイスは、デバイス100の遠位先端部に結合した縫合糸保持器316を備える。いくつかの実施形態では、縫合糸保持器316は、少なくとも部分的に縫合糸保持器316を通る内腔を画成することができる。縫合糸保持器は、縫合糸を捕捉し保持する縫合糸保持部品を備える。いくつかの実施形態では、縫合糸保持部品は、スロット327等のアパーチャを画成する壁を備え、一例では、縫合糸保持器316の遠位端に、又は遠位端に近接して位置決めされる。スロットは、スロット327に対し近位である壁の縁部327bによって画成され、スロット327の近位境界を形成する。換言すれば、縫合糸保持部品は、遠位面がアパーチャを画成する縫合糸保持器316の壁の遠位面を備える。更に、縫合糸保持器316は、例えば協働を通して縫合糸保持器316をデバイス遠位先端部12に結合する係合特徴部を更に備える。いくつかの実施形態では、縫合糸保持器316は、遠位先端部12の切欠き部又は窪み内に受け入れられる突出部を備える。この一例として、縫合糸保持器316の突出部は、フィン328を備える。したがって、縫合糸保持器316は、デバイス遠位先端部内にフィン328によって保持され、フィン328は、遠位先端部12のスロット又は溝内に受け入れられる。デバイス100は、図14aに示すように、縫合撚糸240の縫合糸結び目250を搬送する針116を更に備える。
動作に際して、デバイス100は、組織内の欠損を処置するために欠損に挿入される。デバイス遠位先端部12は、組織の遠い側に位置決めされ、組織200の第1の区分が組織受入れ間隙10(図示せず)を受け入れるように位置決めする。次に、図14bに示すように、針116を欠損の一方の側の第1の組織区分を通して第1の距離に前進させ、それによって針116は縫合糸保持器316内に受け入れられ、結び目250は図14bに示すように縫合糸保持器316に対して遠位に位置決めされる。次に、図14c及び図14dに示すように針116は、結び目250がスロット327と長手方向に位置合わせするように縫合糸保持器316に対して180度(例えば反時計回り)回転し、そして引き抜かれる。次に、針116を後退させるときに、結び目250は縁部327bと当接し、スロット327の近位境界を形成し、スロット327内に保持される。次に、針を例えば時計回りに180度回転させる。次に、デバイス100を欠損の第2の側で組織に再位置決めする。デバイスは、近位部分内に収容され、遠位に前進させて縫合糸保持器316を取り出す縫合糸保持器取出し部材を更に備える。1つの特定例では、図14eに示すように、針116もまた、縫合糸保持器取出し部材として機能し、次に、針116は、組織を通って、縫合糸保持器316内に入り、第2の場所(図14bに関して、針116が進行した距離に対して(遠位に)より大きい距離を前進することが要求される)に再前進する。針116の隆起部分又は突出部125は、縫合糸保持器316内に受け入れられ、次に、針116は180度(例えば反時計回り)回転し、突出部125が縫合糸保持器316の壁によって画成した窓又はアパーチャを係合可能にする。これにより、針116が縫合糸保持器316を係合可能にし、一方で実質的に同時に縫合糸保持器316のフィン328をデバイス遠位先端部から分離可能にする。次に、針116は、引き抜くか、後退させることができ、それによって縫合糸保持器316及び縫合糸240が欠損の第2の側で組織を通って引っ張られる。
本発明の別の実施形態では、デバイス遠位先端部12に結合した縫合糸保持器316を有するデバイス100が開示される。縫合糸保持器316は、エラストマ、プラスチック等の弾性材料又はステンレス鋼等の金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、縫合糸保持器316は、力が付与されたときに弾力変形でき、力が除去されると元の位置に実質的に戻ることができる弾性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、縫合糸保持器316は、弁1516を備える。一例では、材料/物体が第1の方向で弁1516を通ると、弁1516を開放させる内側力が加えられる。一方で、材料/物体が反対方向に後退すると、弁1516を通って材料/物体が逆に通るのを防止する外側からの力が弁1516に加えられる。1つの特定例では、弁1516は、シリコーン等のエラストマから形成される。別の特定例では、弁1516は、ステンレス鋼等の金属から形成される。
図15aは、弾性材料を含む弁1516の図である。図15aは、力が付与されていない静止時の、指部又はフラップ1522a及び1522bを有する弁1516を示す。いくつかの例では、力が弁の内側に付与されたとき又は内側圧力が付与されたときに、弁は、2つの指部1522a及び1522bを分離させ、図15bに示すように、その2つの面を互いから広げることができる。例えば、すでに記載したように、2つの指部1522a及び1522bは、結び目250が例えばスタイレット319を使用して弁1516に押し進められるときに分離する。結び目250が弁516を通った後、指部1522a及び1522bは元の静止位置に実質的に戻る。いくつかの実施形態では、図15cに示すように、内力を取り除くと、弁を静止/名目位置に実質的に戻ることができる。更に、いくつかの実施形態では、図15cに更に示すように、外力を指部1522a、1522bに付与することができ、指部が名目位置に実質的に戻るのを支援することができる。一例では、弁1516は、引張りワイヤを使用して閉鎖することができる。他の例では、電磁手段又は機械駆動手段等の代替手段を使用して弁1516を閉鎖することができる。
代替実施形態では、図16に示すように、縫合糸保持器316は、弁、例えばダックビル弁1616を備えることができる。いくつかの例では、ダックビル弁1616は、全体的にエラストマ材料を含むことができる。他の例では、ダックビル弁1616は、プラスチック等の他の材料又はステンレス鋼等の金属を含むことができる。一例では、ダックビル弁は、2つの指部又はフラップ1622a及び1622bを備え、ダックビル弁1616の長さ部に沿った側部に沿って一緒に接合される。スリット又は開口1627は、弁1616の遠位端に形成される。スリット1627の開口は、2つの指部又はフラップ1622aと1622bとの間で弁の遠位面に沿って形成される。
いくつかの実施形態では、縫合糸保持器316は、図17に示すように2つの指部又はフラップ1722a及び1722bを備える弁1716を備え、長手方向延在スロット1729は、指部又はフラップ間で長さ部の一部分に沿って延在する。弁1716は、第1の方向で材料又は物体を通すように機能するが、材料又は物体が、第1の方向とは実質的に反対の第2の方向に移動又は流れるのを防止する。一例では、スロット1729は、弁1716の長さ部に沿って実質的に延在する。2つの指部1722a及び1722bは、弁1716の近位部分1720によって結合する。一例では、近位部分1720は、弾力特性を備える。これにより、2つの指部1722a及び1722bは、静止位置では閉鎖したままであるが、例えばスタイレット319を2つの指部1722a及び1722bに通すときは、開放可能である。1つの特定例では、図17に示すように、スロット1729は、弁1716の近位部分1720に沿って延在せず、近位部分1720は、2つの指部1722a、1722bの周りに周方向に延在する連続円筒/管状区域を備える。この特定例では、円筒/管状区域は、第1の指部1722a及び第2の指部1722bを接続する金属及び連続金属円筒体を備え、実質的にばねのように機能する。他の例では、スロット1729は、近位部分1720まで弁1716の長さ部に沿って実質的に延在することができる。更なる部品、2つの指部1722a、1722bを固定する金属リング等を弁1716の近位部分1720で使用することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、弁1716は、エラストマ等の弾性材料、プラスチック又は金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、弁1716は、弾性材料及び非弾性材料の組合せから形成することができる。この一例として、弁1716は、近位部分1720に沿って剛性金属リング1721に結合する弾性指部1722a、1722bを有する。この組合せにより、弾性指部1722a及び1722bが撓むことができ、スロット1729を広げ、材料/物体が弾性指部を通って第1の方向に通るのを可能にする。その後、剛性リング1721は、指部1722a及び1722bを閉鎖して、材料/物体が弾性指部を通って第2の方向に通るのを防止することを可能にする。代替例では、指部1722a及び1722bは、剛性材料を含むことができ、弁1716の近位部分1720は、弾性材料を含むことができる。次に、近位部分1720は、指部1722a及び1722bを開放して材料/物体が弁1716を通って前進するようにし、その後、実質的に静止位置に戻り、材料/物体が弁に逆に流れるのを防止可能にするように機能する。
動作に際して、デバイス100は、弁1716が組織の遠位側に位置決めされるように位置決めする。次に、縫合糸通し部材を使用して結び目250等の縫合糸240の一部分をデバイス近位部分からデバイス遠位先端部12に通すことができる。1つの特定例では、縫合糸通し部材は、デバイス近位部分14内に収容できるスタイレット319を備える。動作に際して、スタイレット319は、第1の組織区分に前進させ、次に、弁1716に更に前進させる。弁1716は、拡張又は開放してスタイレット319が結び目を弁1716に押し進めるのを可能にする(図15b)。換言すれば、弁の遠位端に形成した遠位開口は、スタイレット319が通過するときに拡大する。一例では、弁1716の全体は、撓むことができ、スタイレット319が結び目を弁に押し進めるのを可能にする。次に、図15cに示すようにスタイレット319が後退すると、弁1716は、その閉位置に実質的にはね返る。弁の遠位端での遠位開口は、戻って閉鎖し、又は換言すれば、実質的に名目上の大きさに戻り、したがって結び目250及び縫合糸240が弁1716を通って近位に移動するのを防止する。名目上の大きさとは、結び目250の大きさと同じ縮尺で比較したものであり、結び目が弁1716を通って近位に進行するのを防止するように結び目250よりも実質的に小さい。
次に、デバイス100は、第2の組織区分が組織受入れ間隙10内に位置決めされるように再位置決め又は回転する。次に、弁1716は、本明細書で上記した実施形態のいずれかを使用して欠損の反対側にある第2の組織区分を通して取り出すことができる。
別の例では、図18a〜図18cに示すように、縫合糸240を組織の一領域に通すデバイス100を示す。デバイスは、デバイス遠位先端部12に結合した捕捉部1816を備える縫合糸保持器316を備え、捕捉部1816は、縫合糸の一部分240を受け入れ、保持する縫合糸保持部品を備える。縫合糸240の一部分は、スタイレット519等の縫合糸通し部材を使用してデバイスの近位部分14から組織を通ってデバイス遠位先端部12に通す。スタイレット519は、デバイス近位部分内の針116内に収容することができる。1つの特定例では、スタイレット519は、中空針116内の更なる細長部材519’内に収容することができる。スタイレット519は、細長部材519’と共にデバイス近位部分から遠位先端部12に前進することができる。スタイレット519は、縫合糸部分を通し、縫合糸部分を捕捉部1816内に押し進める遠位先端部520を備える。いくつかの実施形態では、スタイレット519の遠位先端部520は、縫合糸部分を搬送する鋭利な先端部又は端部521を有する。この特定例では、スタイレット519は、縫合糸部分を係合し、搬送する1つ又は複数の歯部522を更に有する掛かり付スタイレットである。遠位先端部520の鋭利な端部521及び歯部522により、縫合糸結び目250をデバイス近位部分14から(第1の場所の)組織を通して移動させ、デバイス遠位先端部12で捕捉部1816に納置可能にする。いくつかの実施形態では、結び目250は、スタイレット319に取り外し可能に固定することができる。この特定例では、結び目250は、スタイレット519の鋭利な端部521を使用して結び目250を突くことにより、スタイレット519に取り外し可能に固定する。結び目250は、組織の近位側から組織の遠位側に通しても、捕捉部1816の縫合糸保持部品等の縫合糸保持手段によってデバイス遠位先端部12(図18b)に保持してもよい。一例では、縫合糸保持部品は、捕捉部1816内に指部1822を備えることができ、この指部1822は、撓むことができ、スタイレット519が結び目250を捕捉部1816に通すのを可能にする。その後、指部1822は、スタイレット519が後退すると、名目位置に戻り、結び目250を捕捉部1816内に捕捉、保持する(図18c)。次に、捕捉部1816を(第1の位置とは異なる第2の場所の)組織を通して後退させ、組織の遠位側から組織の近位側に通すことができる。捕捉部1816は、本明細書で上記した実施形態のうちいずれかの縫合糸保持器取出し部材を使用して後退することができ、縫合糸240を第2の組織場所に通すことができる。縫合糸240が第1の組織場所及び第2の組織場所を貫通すると、縫合糸の対向自由端が一緒になり、閉鎖結び目が実現されて、欠損を近づけるように2つの端部を所定位置に固定することができる。
本発明の代替実施形態では、図19Aに示すデバイス100が開示される。本明細書で上記した実施形態と同様に、デバイス100は、長手方向延在首部15を介して遠位先端部12に結合するシャフト16を有する。シャフト16は、デバイス近位部分14の一部である。組織受入れ間隙10は、遠位先端部12と近位部分14との間に形成される。遠位先端部12は、縫合糸保持器316を受け入れる室12Bを画成する。最初に、縫合糸保持器316を室12B内に収容する。遠位先端部12は、スロット1940を画成する。1つの特定例では、遠位先端部12内のスロット1940は、その外側面に沿って軸方向及び周方向に配置されたL字形スロットである。L字形スロット1940は、遠位先端部12の外側に沿って長手方向又は軸方向に配置された略長方形のスロット1940aを備える。長方形スロット1940aは、遠位先端部12の外側に沿って周方向に配置された実質的に正方形のスロット1940bと連通する。1つの特定例では、縫合糸保持器316は、2つ以上の指部1922を有する捕捉部1916を備える。他の例では、縫合糸保持器316は、本明細書ですでに説明した実施形態に記載の種類のものであってもよい。捕捉部1916は、図19B及び図19Cに示すように、捕捉部1916の外側表面に沿って軸方向に配置した実質的に長方形のスロット1942も画成する。捕捉部1916は、捕捉部のスロット1942が遠位先端部12のスロット1940aに実質的に近接して位置決めされるように位置決めする。換言すれば、長方形スロット1940a、1942は、互いに対して実質的に同軸方向に位置合わせする。図19Dに示すように、針116は、シャフト16の近位部分14内に配置する。
動作に際して、デバイス100は、欠損の部位における組織の一領域内に挿入する。デバイス100は、欠損の一方の側の第1の組織区分が組織受入れ間隙10内に位置決めされるように位置決めする。針116は、縫合糸240をデバイス近位領域14から第1の組織区分を通ってデバイス遠位先端部12に搬送するのに使用する。1つの特定例では、針116は、縫合撚糸240が着脱可能に固定する切欠き部又はスロット117を備え、縫合撚糸240は、その遠位端に結び目250を備える。針116をデバイス近位部分14から遠位先端部12に前進させる。いくつかの実施形態では、針116は、捕捉部1916内に受け入れられるような大きさとすることができ、スロット1940、1942に移送するために、切欠き部117内に保持した縫合糸240を移送するのに使用することができる。他の実施形態では、針116は、縫合糸240を第1の組織区分に搬送し、針116が捕捉部1916と当接するまで更に前進させる。スタイレット319は、針116内に収容され、縫合糸240を遠位先端部12内に納置するために使用する。スタイレット319を捕捉部1916内に受け入れられるまで遠位に移動させる。スタイレット319は、図19Dに示すようにスロット1940a、1942を通るように結び目250を押し進める。より具体的には、縫合糸240は、結び目が針116の外側に置かれるように針116内のスロット117内に位置決めする。針116のスロット117は、遠位先端部12のスロット1940、1942及び縫合糸保持器のそれぞれと位置合わせされ、それにより、針116が前進し、捕捉部1916に当接したときにスタイレット319は縫合糸240をスロット1940、1942内に前進させる。したがって、縫合糸240の結び目250は、スタイレット319を使用して針116によって搬送され、次に、捕捉部1916内及びスロット1940a、1942内に前進し、それにより遠位先端部12の外側に載置される。スタイレット319は、結び目250がスロット1940a及び1942のそれぞれの遠位端で位置決めされるまで更に前進する。次に、捕捉部1916を、スタイレット319又は針116を使用して例えば時計回りに回転させる(すでに本明細書に記載した実施形態と同様に)。針116又はスタイレット319を回転可能にする機構をデバイス近位部分14内に設けることができる。捕捉部1916の時計回りの回転により、スロット1942が径方向に移動可能になる。これにより、捕捉部1916のスロット1942は、現在遠位先端部12の実質的に正方形のスロット1940bと位置合わせ可能になり、図19E及び図19Fに示すようにスロット1940b内に結び目250を捕捉又は係止する。結び目は、スロット1940b内に保持され、スロット1940bの近位壁に載置/当接する。これは、結び目250が近位に移動するのを防止する。次に、針116及びスタイレット319を後退させる。
次に、デバイス100は、第2の組織区分が組織受入れ間隙10内に位置決めされるように回転させ、再位置決めする。次に、針116及びスタイレット319は、針116が捕捉部1916に当接するまで第2の組織区分に再前進させる。次に、スタイレット319は、スタイレット319の先端部が捕捉部に遠位に位置決めされ、スタイレット319が捕捉部1916と係合するまで更に前進させる。次に、スタイレット319は、反時計回りに回転してスロット1942を径方向に移動させ、それにより遠位先端部12のスロット1940aと再度位置合わせされる。結び目250は、スロット1940bの近位壁ともはや当接しておらず、針のスロット117及び捕捉部のスロット1942内で近位方向に自由に移動できる。したがって、次に、図19Gに示すようにスタイレット319を後退させて結び目250と共に捕捉部1916を引き抜く。これにより縫合糸240を第2の組織区分に通すことが可能になる。次に、縫合糸240は、欠損を近づけるために使用することができる。
縫合糸結び目を配置するデバイスの実施形態
本発明の別の広範な態様では、デバイス100は、図21〜図27に示す様々な実施形態で例示する、一部事前縛り縫合糸結び目等の縫合糸結び目を配置する特徴部を含む。デバイス100のいくつかの実施形態は、保持要素を含み、この保持要素は、結び目配置手順の少なくとも一部の間、縫合糸の一部分を保持するようにデバイス100に結合される。
一部事前縛り結び目をデバイスに直接結合する特徴部
具体的には図21aに示すように、いくつかの実施形態では、デバイスは、それに配置した保持又は張設要素900を有する細長部材110を備える。いくつかの実施形態では、デバイス100は、縫合糸結び目を配置することに加えて、結び目を配置する前に組織の一領域200に縫合糸240を通すために使用することができる。例えば、デバイス100は、本明細書で記載したように、欠損300を有する組織の一領域200の第1の区分201及び第2の区分202に縫合糸を通すために使用することができる。他の実施形態では、別のデバイスは、縫合糸240を組織の領域200に通すために使用することができ、デバイス100は、縫合糸結び目を配置するのに使用される。
図示する実施形態では、縫合糸240は、細長部材110周囲の1つ又は複数のループ700内に形成される。1つの特定例では、保持又は張設要素900は、1つ又は複数の縫合糸ループ700の場所に近位(ユーザに対して)にデバイス100に結合することができる。1つ又は複数のループ700から延在する縫合糸240の第1の部分701は、デバイス100の遠位端部に結合する。1つの特定例では、第1の部分701は、ポスト703を画成する。ポスト703の区分703aは、全体が組織200、具体的には組織の区分202から、それが結合するデバイス100に延在する。一方で区分703bは、組織200、具体的には組織200の区分201から縫合糸240のループ700に延在する。使用中、区分703a、703bのそれぞれの長さ部は、手順の間の様々な点で異なってもよい。縫合糸240の第2の部分702は、1つ又は複数のループ700から延在し、保持又は張設要素900と相互作用し、第2の部分702は、第1の部分701に実質的に長手方向に対向する(即ち縫合糸がデバイスから解放される場合、例えば真っ直ぐな部分702は、部分701に実質的に長手方向に対向することになる)。1つの特定例では、縫合糸240の第2の部分702は、係止器704を形成する。1つの特定例では、第2の部分702は、保持又は張設要素900の下を通され、保持又は張設要素900と細長部材110との間で摩擦係合状態で保持される。他の実施形態では、縫合糸240は、他の様式で保持又は張設要素900を通して送られ、保持することができる。図24及び図26に示す代替実施形態では、一部事前縛り結び目のループ700は、シャフト16の一部分に形成することができる。
弾性ばね部材の形態の保持又は張設要素を備える、結び目配置デバイスの代替実施形態
代替実施形態では、保持又は張設要素は、図24に示す弾性ばね部材912を備えることができる。ポスト703がループ700を通して引っ張られたときの、事前縛り結び目のループ700が、デバイス100から、ダインズ・ノット(Dines knot)720を形成する縫合糸240のポスト703上に配置された後のデバイス100を例示する。すでに説明した実施形態と同様に、縫合糸240の第1の部分701は、ポスト703を形成し、縫合糸240の第2の部分702は、係止器704を形成し、ポストは区分703a及び703bを備える。係止器704は、デバイス100に結合する弾性ばね部材912によって張力状態で保持される。1つの特定例では、弾性ばね部材912は、フック形であってもよい。係止器は、ループY内に形成することができ、ループYは、ループYを通る弾性フック形部材912によって係合して保持することができる。
代替実施形態では、係止器704等の、縫合糸の第2の部分702を保持する保持又は張設要素900は、連結機械部品を含んでいてもよい。一例では、保持又は張設要素900は、2つの連結機械部品を備えることができ、第1の機械部品は、係止器704に結合し、係止器704に張力を維持する。換言すれば、保持又は張設要素900は、係止器704の移動に対する抵抗をもたらす。保持又は張設要素は、係止器704に対して摩擦力をもたらすことができる。第1の機械部品は、第2の機械部品と相互作用する(即ち2つの部品は互いに協働的に係合する)。
一部事前縛り結び目をデバイスに間接的に結合する特徴部
デバイス100に関して以下で概説する特徴部が、図22aに示すように開示する。この図22aは、図1、図4〜図6に関して本明細書で上記した種類のものである。デバイス100は、長手方向延在首部15を介して遠位先端部12に結合したシャフト16を有する。シャフト16は、デバイス近位部分14の一部である。組織受入れ間隙10は、遠位先端部12とシャフト16との間に形成される。針116は、デバイス近位領域14内に収容され、縫合糸又は縫合撚糸240の一部分は、デバイス100、例えば針116に結合する。いくつかの実施形態では、縫合糸240は、例えば針先端部の近傍に針116内に固定することができる。この特定例では、縫合糸240は、結び目を形成し、針先端部内のスロット内に保持することができる。
縫合糸240は、シャフト16の一部分の周囲に巻かれた1つ又は複数のループ700を形成/構成することができる。換言すれば、縫合糸240は、一部又は全部事前縛り結び目を形成することができる。1つの広範な態様では、本発明の実施形態は、一部又は全部事前縛り結び目のループ700をデバイス100に間接的に結合する手段を提供する。換言すれば、一部又は全部事前縛り結び目は、一部事前縛り結び目のループ700をデバイス100に直接結合又は縛りすることなく設けられる。図22a〜図22gに示すそのような1つの例では、一部又は全部事前縛り結び目の1つ又は複数のループ700は、結び目摺動器800の周囲に形成され、この結び目摺動器800は、シャフト16に組み付けられ、そこに着脱可能に結合する。1つの特定例では、ループ700は、結び目摺動器800の可撓性アーム818に対し近位に結び目摺動器の外側周囲に巻かれる。図22c及び図22d(iii)では、アーム818をその初期位置で示す。アーム818は、その第1の位置818Aでは、ループ700が結び目摺動器800から外れて摺動するのを防止し、したがって遮断部材818としての役割を果たす。
図22cに関して、縫合糸240は、針116から出て近位に延在し、サービス・ループLを形成する。次に、縫合糸240は、結び目摺動器800の一部分の周囲に1つ又は複数のループ700を構成する。ループ700に対し遠位に針116に結合した縫合糸240の部分を、縫合糸240の第1の部分701と呼ぶことができる。縫合糸240の実質的に長手方向に対向する第2の部分702は、縫合糸ループ700から近位に延在する。1つの特定例では、縫合糸240の第2の部分702は、係止器又は結び目係止器を形成する。1つの特定例では、縫合糸の第1の部分701はポストを画成する。
特定例では、図22d(i)に示すように、結び目摺動器800は、内側摺動器本体802及び外側摺動器本体(又は外部結び目摺動器)804を備える。内側摺動器本体802は、実質的に円筒の突出部806を備える。突出部806は、内腔810及び遠位開口812を画成する。長手方向延在スロット814は、突出部806の長さ部に実質的に沿って延び、遠位開口812及び内腔810と連通する。更に、結び目摺動器800の背面図を示す図22d(ii)に示すように、部分円形スロット816は、突出部806の基部で内側摺動器本体802内に形成され、突出部806を部分的に囲む。境界又は縁部817は、スロット816を画成する。スロット816は、結び目摺動器800の背面透視図を示す図22d(iii)にも示すようにスロット814及びデバイス内腔810と連通する。いくつかの実施形態では、保持又は張設要素は、突出部806に組み付けられる。いくつかの例では、保持又は張設要素は、Oリング(「エラストマ・リング」)等の弾性材料、又は断面の短いチューブを含む。図22a〜図22hに示す特定の実施形態では、保持又は張設要素は、Oリング910を備える。1つの特定例では、Oリング910によって付与される保持力は、摩擦力を含むことができる。いくつかの実施形態では、保持力は、垂直力及び摩擦係数を変更することにより変動させることができる(摩擦係数は、材料特性又は表面粗さを変更することにより変えることができる)。
すでに述べたように、ループ700は、結び目摺動器800上に形成され、図22cに示すように、縫合糸240の第1の部分701及び第2の部分702は、ループ700から延在する。いくつかの実施形態では、縫合糸240の第2の部分702の一区分は、保持又は張設要素(Oリング910等)によって所定位置に規制又は実質的に保持することができる。他の実施形態では、保持又は張設要素(Oリング910等)は、縫合糸240の第1の部分701及び第2の部分702の両方を固定するのに使用することができる。例示的実施形態では、図22d(i)〜図22d(iii)に示すように、縫合糸240の第2の部分702は、外部結び目摺動器804内の開口805を通り、内側摺動器本体802の突出部806内に形成した開口812内に入る。次に、縫合糸240は突出部806の内腔810を通る。Oリングを使用して縫合糸部分702を固定するために、縫合糸240は、図22d(iv)に示すスロット816に沿った方向Gに案内することができ、それにより、縫合糸240は、Oリング910によって保持され、突出部806とOリング910との間に挟まれる。
このことを、縫合糸240が、長手方向延在スロット814から出るように外側横方向に(方向矢印Aで示すように)案内する図22eに更に示す。次に、縫合糸240は、突出部806とOリング910との間に位置決めされるように円形運動(方向矢印Bで示すように)でスロット816に案内することができる。弾性Oリング910は、縫合糸240の第2の部分702への張力を維持する力を付与することによって縫合糸240の第2の部分702を実質的に保持又は規制する。具体的には、Oリングは、縫合糸の第2の部分702を摩擦係合することによって縫合糸の第2の部分702に張力を維持するように機能する。第2の部分702を保持することに加えて、Oリング910等の縫合糸保持要素は、縫合糸第1の部分701のサービス・ループL等の縫合糸240の1つ又は複数の他の部分を保持することができる。そのような1つの例では、第1の部分701のサービス・ループLは、上記したように第2の部分702と共にOリングに通すことができる。第1の部分701のサービス・ループL及び第2の部分702の両方は、Oリングに通した後、デバイス近位部分14、例えば図22fに示す管を通って送ることができる。そのような1つの例では、Oリングは、サービス・ループLを張って保つように機能し、縫合糸部分701の一端がデバイス・シャフト16内に収容した針116に結合したままであることを可能にする。特定例では、縫合糸部分701は、縫合糸部分701の端部で形成した結び目を介して針先端部に結合する。Oリングは、縫合糸部分701を張って保ち、結び目を針先端部内スロット内に保持するのに役立つ。
一部事前縛り結び目を制御配置する特徴部
1つの広範な態様では、本発明の実施形態は、一部又は全部事前縛り結び目の制御配置を可能にする手段を提供する。この広範な態様の特徴部として、解放可能結合部を介してデバイスのシャフト/ハンドルに結合する結び目摺動器が設けられる。この広範な態様の更なる特徴部として、所定力が解放可能結合部に付与されるまで、一部又は全部事前縛り結び目が摺動するのを防止する手段が提供される。
結び目摺動器を解放可能に結合する特徴部
アームの突出部を使用する着脱可能結合部
1つの特定例では、近位部分14のシャフト16は、結び目摺動器800の突出部820と協働的に係合する、図22jに示す切欠き部又は窪み1601を備える。一例では、突出部820は、外側摺動器本体804の可撓性アーム818に形成され、この可撓性アーム818は、窪み1601と協働的に係合して結び目摺動器800をシャフト16に着脱可能に結合するようにする。いくつかの実施形態では、突出部820は、結び目摺動器800のあらゆる他の適切な場所で形成することができる。他の実施形態では、突出部は、結び目摺動器800内で窪みを係合することができるシャフト16に形成することができる。或いは、結び目摺動器800をデバイス100に着脱可能に結合可能にする、あらゆる他の係合機構を備えることができる。
摺動器の突出部及びデバイス近位部分を使用する着脱可能結合
1つの特定例では、図22i及び図22jに示すように、突出部820’は、中空キャビティ823を画成する外側摺動器本体804の一部分822内に形成することができる。次に、結び目摺動器800の部分822をデバイス近位部分14の隆起区分1401に組み付ける。換言すれば、デバイス近位部分14の隆起区分1401は、結び目摺動器800によって画成した中空キャビティ823内に受け入れられる。一例では、隆起区分1401は、デバイス近位部分14の一部を形成するハンドル本体の上に形成される。更なる突出部1402が隆起部分1401の上に形成される。結び目摺動器800が隆起部分1401に組み付けられると、デバイス近位部分の突出部1402及び結び目摺動器の突出部820’は、スナップ嵌合係合を形成し、摺動器800をデバイス近位部分14に着脱可能に結合する。このことは、デバイスの出荷及び/又は取扱いの間、並びに使用中、結び目摺動器800をその近位位置から解放することが望まれるとき等まで、近位位置のままにするのを保証するのに役立つ。
結び目摺動器とデバイス近位部分との間の受動結合
図22kに示す1つの特定例では、結び目摺動器800は、デバイス100のシャフト16に受動的に結合される。図示するように、Oリング910は、突出部806及び更なる突出部806’に組み付けられる。シャフト16は、Oリング内に押し込み、Oリングを撓ませる。したがって、Oリングとシャフト16との間に接点がある。結び目摺動器800は、Oリング910とシャフト16との間の干渉又は摩擦係合を介してシャフト16に受動的に結合する。Oリングとシャフト16との間の摩擦係合は、結び目摺動器800がシャフト16から早期に配置又は分離するのを防止するのに十分である。
一部事前縛り結び目をデバイスに遠位に配置する特徴部
別の広範な態様では、本発明の実施形態は、一部事前縛り結び目をデバイスから外して遠位に配置させる特徴部を提供する。この広範な態様の特徴として、本発明の実施形態は、配置前に、一部事前縛り結び目のループがデバイス内(例えばデバイスの組織受入れ間隙内)に引っ掛かるのを防止する手段を提供する。この特徴部の一例として、デバイスに着脱可能に結合する結び目摺動器が設けられ、この結び目摺動器は、遠位位置に摺動して組織受け入れ間隙を覆い、ループは、間隙が覆われた後に解放され、ループが間隙内で係合するのを防止する。結び目摺動器は、結び目摺動器が間隙を越えて遠位位置に存在するまでにループが外れて摺動するのを防止し、結び目摺動器が間隙を越えて遠位位置に存在する点では、結び目摺動器はループを配置又は解放可能にする。1つの特定例では、結び目摺動器は、可撓性アームを有し、摺動器が組織受入れ間隙に対して遠位位置に存在するまでにループが外れて摺動するのを阻止/防止し、摺動器が組織受入れ間隙に対して遠位位置に存在する点では、アームは組織受入れ間隙内に曲がることができ、結び目摺動器からループを外して摺動可能にする。更なる例では、アーム及び結び目摺動器は、縫合糸の摺動を容易にするテーパ部を有する。
結び目摺動器をその遠位位置に位置決めするための停止機構
停止機構は、結び目摺動器に後部フックを備える
結び目摺動器800がシャフト16に沿って遠位に移動するときに、停止機構は、結び目摺動器800を組織受入れ間隙10を覆って位置決め可能にすることを実現できる。この遠位位置では、結び目摺動器800は、この遠位位置で組織受入れ間隙10を覆っているので、ループ700が組織受入れ間隙10内で解放され、その中で引っ掛かるのを防止する。一実施形態では、結び目摺動器800は、後部フック824を備える。特定例では、後部フック824は、内側摺動器本体802の一部である。後部フック824は、図23b(i)に示すように、窪み又は溝1603に沿って摺動するように動作可能であり、シャフト16の一部分に沿って延びる。後部フック824が窪み又は溝1603の端部に到達すると、結び目摺動器800が更に遠位に移動することは妨害される。後部フック824は、シャフト16の一部分と当接又は係合し、結び目摺動器800を組織受入れ間隙10を覆って遠位位置に位置決め可能にする。後部フック824は、可撓性アーム818が組織間隙10と整列/組織間隙10に近接するように結び目摺動器800を正確な位置で停止させ、それによって、可撓性アーム818は、張力が縫合糸240に付与されたときに組織受入れ間隙10内で偏向することができ、ループ700を解放可能にする。更に、後部フック824は、結び目摺動器800がシャフト16から脱落するのを更に防止することができる。
停止機構はスナップを備える
他の実施形態では、結び目摺動器の遠位移動を停止する代替手段を設けることができる。一例では、スナップ又はスナップ・アームが、後部フックの代わりに設けられ、結び目摺動器800を所望の遠位位置で停止可能にする。スナップは、シャフトの方に能動的に付勢することができ、付勢力でシャフトを挟む又は掴む係合特徴部を備えることができる。結び目摺動器800がシャフトに沿って遠位に移動するとき、スナップは、組織受入れ間隙に到達するまでシャフトと共に進み、付勢力のために組織受入れ間隙の中で偏向する(又は組織間隙内に嵌合する)。その結果、スナップは、遠位先端部12の近位面に当接/近接面を停止する。1つの特定例では、2つのスナップ又はスナップ・アームは、組織受入れ間隙10と遭遇する縫合糸部分701のぴんと張った区分703aに干渉する一つのスナップの危険性を緩和するために設けることができる。これによりスナップのうち少なくとも1つが組織受入れ間隙10内に偏向し、その所望の遠位位置で結び目摺動器800を停止可能にする。
ループを解放可能にする特徴部
偏向可能な可撓性アーム
本明細書で上記したように、ループ700は、アーム818によって所定位置に保持され、ループ700が外れて摺動するのを防止する。可撓性アーム818は、結び目摺動器800がその遠位位置にあるまでシャフト16に位置決めされ、そこに載置されている。アーム818がその初期位置818Aにある間、アーム818は、シャフト16によって作出した障害物によって内側に曲がることはない。しかし、結び目摺動器が遠位位置にあるときに可撓性アーム818の内側運動はシャフト16によってもはや阻止されない。というのは、可撓性アーム818は、現在組織受入れ間隙10隣接して位置決めされるからである。したがって、図23b(ii)に示すようにデバイス100が引っ張られるにつれて、縫合糸240への連続張力により、可撓性アーム818を組織受入れ間隙10内の第2の又は曲げ位置818Bで内側に曲げるか又は偏向させる。ループ700は、アーム818によってもはや実質的に阻止されず、アーム818から外れて遠位に自由に摺動できる。一例では、図示するように、結び目摺動器800のアーム818は、角度が付けられるか、テーパ付けされ、ループ700をアーム818のテーパ表面に沿って摺動可能にすることによりループ700の取り外しを容易にする。特定例では、図示するように、アーム818は、遠位テーパ及び近位テーパを備える略三角の形状である。いくつかの実施形態では、アーム818は、能動的に付勢され、アーム818が組織受入れ間隙10に近接して位置すると、シャフト16が作出する遮断/障害物が何もない場合に、アーム818は、アーム818が組織受入れ間隙10内に位置決めされるようにアーム818の付勢位置に向かって内側に移動する。いくつかの実施形態では、アーム818は、デバイス遠位先端部12に対して遠位のその第2の位置内でアームを偏向可能にするような大きさとすることができる。換言すれば、アーム818は、組織受入れ間隙10内に偏向するのではなく、アーム818は、デバイス100に対し遠位のスペース内で偏向する。いくつかの実施形態では、ループ700を解放するための自動機構を備えることができる。そのような1つの例では、ループ700は、ユーザがボタンを押したときに解放することができる。或いは、いくつかの実施形態では、ループ700は、トリガの第3の引き等、トリガを更に引くことによって解放することができる。
結び目摺動器のテーパ
更に、いくつかの実施形態では、結び目摺動器800は、その一部分に沿って、遠位端に向かって下に角度及びテーパが付けられており、換言すれば、結び目摺動器800の直径は、その近位端部から遠位端部に低減する。いくつかの実施形態では、結び目摺動器800は、テーパ部分の間に下方段を含むことができる。ループ700は、結び目摺動器800周囲に巻かれており、したがって、結び目摺動器800周囲を締めつけるので、結び目摺動器800の下方テーパがループ700を比較的容易に解放/摺動可能にする。更に、結び目摺動器800の下方テーパは、ループ700が結び目摺動器800に引っ掛かる(又は、把持/縛る)のを防止することができ、したがってループ700を解放可能にする。いくつかの実施形態では、遠位方向は、ユーザから離れたデバイス100の長手軸に沿った方向として画成され、近位方向は、デバイスの長手軸に沿ったユーザへ向かう方向として画成される。更に、結び目摺動器800の上部は、アーム818が位置決めされる結び目摺動器800の側部として画成され、一方で結び目摺動器800の底部はその反対側として画成される。いくつかの実施形態では、図23aに示すようにループを結び目摺動器800に設置するとき、側部から見たときにループ700は、シャフト16に対して垂直/直角ではない場合がある。ループ700は、図示するように、垂直又は直角からのある角度で配向することができる。ループの底部分は、結び目摺動器800の底部と接触するループ700の部分として画成し、ループの上部分は、結び目摺動器800の上部分と接触するループ700の部分として画成される。いくつかの実施形態では、ループ700の底部分が上部分に近位に位置決めされる場合、張力がループ700に付与されてループ700を解放するので、上部分が移動し始め、ループは結び目摺動器800に把持/縛ることができ、外れない。したがって、いくつかの実施形態では、ループ700は、結び目摺動器800の底部におけるループ700の底部分が結び目摺動器800の上部におけるループ700の上部分に遠位に位置決めされるように配向することができる。
代替形態
間隙を受け入れる組織に及ぶ針
いくつかの実施形態では、一部事前縛り結び目を配置する前に組織受入れ間隙10にわたって針116が及ぶようにする手段を備えることができる。1つの特定例では、デバイス100を引き抜いて、一部事前縛り結び目を配置する。デバイス100を引き抜く際に、事前縛り結び目の縫合糸ループ700は、最初にシャフト16に沿って遠位に摺動し、次に、組織受入れ間隙10にわたって及ぶ針116に沿って摺動する。次に、ループ700は、遠位先端部12に摺動することができ、その後、デバイス100に対して遠位に解放される。更なる特徴部を備えて、針116と遠位先端部12との間の移行部で縫合糸ループ700の移動を容易にすることができる。
組織受入れ間隙を覆う管
いくつかの実施形態では、デバイス100は、シャフト16周囲に位置決めした鞘状の覆い又は管を備えることができる。一部事前縛り結び目を配置する前に、鞘状の覆い又は管は、組織受入れ間隙10にわたって及ぶか、又はそれを覆うように前進させることができる。上記で説明した実施形態と同様に、1つの特定例では、デバイスを引き抜いて、一部事前縛り結び目のループ700を解放/配置することができる。ループ700は、組織受入れ間隙10にわたって及ぶ鞘状の覆い又は管に到達するまでシャフト16に沿って遠位に摺動することができる。次に、ループ700は、鞘状の覆い又は管に沿って、及び遠位先端部12上に摺動することができる。次に、ループ700は、デバイス遠位先端部12に対して遠位に解放することができる。1つの特定例では、鞘状の覆い又は管は、透明な管を含むことができる。
デバイス遠位先端部の操作
デバイス遠位先端部の後退
いくつかの実施形態では、デバイス100の遠位先端部12は、組織受入れ間隙10を閉鎖するように後退させてことができ、一部事前縛り結び目のループ700を組織受入れ間隙10内に引っ掛かることなく解放可能にする。したがって、一例では、デバイス100を後退させてループ700を解放したとき、ループ700は、シャフト16に沿って遠位に摺動し、次に、組織受入れ間隙10を取り除いた/閉鎖した遠位先端部12に沿って摺動することができる。次に、ループをデバイス遠位先端部12に対して遠位に解放することができる。
デバイス遠位先端部の旋回
代替実施形態では、デバイス100の遠位先端部12は、シャフト16に枢動可能に結合し、事前縛り結び目を配置/解放する前にシャフト16に対して枢動又は旋回することができる。したがって、遠位先端部12は、ループ700の経路から離れて枢動(又は回転)することができる。次に、ループ700を解放し、組織受入れ間隙10内で引っ掛かることなくシャフト16に沿って遠位に摺動させることができる。
これらの実施形態のそれぞれは、使用中のデバイスを参照して本明細書の以下でより詳細に説明する。
いくつかの実施形態では、デバイス100は、図28a〜図28h及び図29a〜図29eを参照して本明細書の以下で説明するように、縫合糸を管理する特徴部を含む通し縫合糸を備えることができる。
縫合糸管理のための特徴部
1つの広範な態様では、本発明のデバイスは、縫合糸管理のための特徴部を備える。特定の特徴部は、導入手段によって縫合糸への損傷を防止するデバイス内に組み込まれている一方で、他の特徴部は、縫合糸を送るデバイス内に組み込まれている。一層更に、デバイスが閉塞するのを防止する特徴部を備える。
いくつかの実施形態では、本発明は、縫合糸を拘束せずに送らせる構造体/特徴部を備える。この一例として、本発明の実施形態はスロットを備える。
いくつかの実施形態では、本発明は、縫合糸が操作される間に縫合糸への損傷を制限する手段を提供する。この一例として、本発明の実施形態は、縫合糸を擦り切らすことなく自由に通すスペーシング/間隙を提供する。別の例では、本発明の実施形態は、擦り切れ等、縫合糸への損傷を防止する切込み等の表面変形部を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、デバイスが閉塞又は係止するのを防止する手段を提供する。この一例として、本発明の実施形態は、縫合糸がデバイス機構を縛るのを防止する、縫合糸用スペーシング/間隙を提供する。別の例では、本発明の実施形態は、切込み等の表面変形部を提供して、縫合糸がデバイス機構を縛るのを防止するような縫合糸のためのスペースを設ける。
例1
上記した様々な特徴部を図28a〜図28hに示すデバイスの使用法を参照して説明する。縫合糸管理に関するデバイスの特定の特徴部を1つ又は複数の段階の医療措置を参照して説明することがある(即ち、同じ特徴部が2回以上の段階の措置で役割を果たす場合は、その特徴部を2回以上説明する場合がある)。
縫合糸240を組織の一領域に通すデバイス100を開示する。デバイス100は、シャフト16を備えるデバイス近位部分14を備え、このシャフト16は、遠位先端部12を有するデバイス遠位先端部部分に結合する。デバイス100は、デバイス100内に収容した縫合糸移動組立体2822を更に備え、縫合糸240をデバイス近位部分14と遠位先端部12との間で移動させる。縫合糸移動組立体2822は、スタイレット2819が位置決めされる針116を備える。スタイレット2819及び針116は、シャフト16によって画成した室又は通路16B内に収容される。縫合糸240(結び目250等の拡大部分を備える)は、一方の端部で針116に保持され、結び目250は、針内に保持され、スタイレット2819は、結び目250に対して近位に位置決めされる。
例えば最初に組織に縫合糸を遠位に通す間に使用する特徴部
縫合糸の送りを容易にする特徴部
いくつかの実施形態では、記載するデバイス100は、縫合糸の拘束を制限して縫合糸240を送るのを可能にする構造体/特徴部を備える。1つの特定例では、縫合糸240の送りを容易にする特徴部は、スロットを備える。縫合糸240は、スロット2817を通して針の外部に案内され、図28bに示すようにシャフト16内に形成したスロット2817’と同様のスロットを通って存在する。針スロット2817及びシャフト・スロット2817’は、図28a及び28bに示すように互いに対して90度回転する。換言すれば、針スロット2817及びシャフト・スロット2817’は、互いに径方向にずれる。結び目250等の縫合糸240の拡大部分は、針内のスロット2817を通ることができず、したがって縫合糸の拡大部分の位置は針内腔内に維持される。針内のスロット2817は、近位に、例えば針116の遠位端に近接して位置決めすることができる。
一例では、スロット2817及び2817’は、縫合糸240をシャフト16の外部へ送るように設計され、それにより縫合糸240は、縫合糸移動組立体2822の前への移動を干渉せず、したがって縫合糸240への損傷が実質的に最小になる。したがって、図示する特定の実施形態では、縫合糸240が擦り切れる、又はこすれる危険が実質的に低減する。というのは、針/スタイレット組立体は、遠位に前進して、縫合糸240を組織の区分(組織受入れ間隙2810内に位置決めした)に通し、縫合糸保持器内に入れるからである。いくつかの実施形態では、スロット2817は、尖っていない面を備え、この面は、縫合糸240がスロットに送られるときに縫合糸240を損傷する危険を更に最小にすることができる。更に、スロット2817は、縫合糸240が針116の鋭い先端部にわたって送られるのを防止することによって縫合糸240への損傷を防止するのにも役立ち得る。更に、スロット2817は、縫合糸240が挟まれることによって損傷するのを最小にし、デバイス100が閉塞又は係止されるのを防止する。シャフト16のスロット2817’は、針スロット2817と共に作用して、デバイスが縛られ/ロックされることによってデバイスが故障する危険を減らすことを含めた、同様の機能を実施する。いくつかの実施形態では、図28aに示すように、縫合糸をスタイレット319と針116との間に摩擦接触させて保持することができる。
いくつかの実施形態では、スロット2817は更なる利点を提供することができる。1つの特定例では、縫合糸240は、針116の傾斜端部面の後ろのスロット2817に位置させるので、針のスロット2817は、縫合糸240に張力を付与することが可能になり、一方で結び目250を針内に留めることができる(縫合糸240が針116の内側壁に引っ張られたとき)。スロット2817がない場合は、縫合糸240は、張力が縫合糸240に付与されたときに針116から出ることができる。換言すれば、スロット2817がない場合は、張力により縫合糸240を針116から引っ張ることができる。したがって、針スロット2817は、縫合糸240を針スロット2817内に維持可能にし、それにより、針116を捕捉部2816の方に前進させるときに(即ち配置中)縫合糸位置は針116に対して実質的に固定されたままである。そのような実施形態では、縫合糸は、針116内で保持される一方で、針116に実質的に直接結合していても、していなくてもよい。これは、縫合糸240が前進するときに、縫合糸240が損傷する危険性又は、縫合糸移動組立体との干渉(即ちデバイス機構のロック/縛り)を更に最小にするのに役立つことができる。
いくつかの代替実施形態では、スロットはシャフトにのみ存在し、針には存在せず、その逆も同様である。
縫合糸管理のための間隙又はスペーシング
縫合糸240を組織に通すために、デバイス100は、第1の組織区分が組織受入れ間隙内に受け入れられるように位置決めする。次に、縫合糸移動組立体2822(針116、スタイレット2819、及びそれに動作可能に結合した縫合糸240を備える)は、遠位に移動し、それにより、図28cに示すように、縫合糸移動組立体2822は、針116が捕捉部2816等の縫合糸保持器と当接するまで第1の組織区分を通る。次に、図28dに示すように、スタイレット2819は、更に前進して縫合糸結び目250、したがって捕捉部2816内の縫合糸240を納置させ、一方で針116は捕捉部2816による干渉によって更に前進できない。すでに上記したように、捕捉部2816は、縫合糸240を捕捉する特徴部を備えることができる。ここで、スタイレット2819は、捕捉部2816内に位置決めされる。
針遠位端面と捕捉部近位端部面との間に設けた間隙又はスペーシング
1つの特定例では、図28c及び図28dに示すように、間隙又はスペーシング2834は、針の遠位端面と縫合糸クリアランス用捕捉部の近位端部面との間に設けられる。縫合糸240は、実質的に損傷又は擦り切れることなく間隙又はスペーシング2834に送られる。換言すれば、スタイレット2819が前進するにつれて、縫合糸240は針116及び捕捉部2816に対して移動する。間隙又はスペーシング2834を針116と捕捉部2816との間に有することにより、縫合糸240は、実質的に自由に移動できる。
図示する1つの特定例では、図28c及び図28dに示すように、間隙又はスペーシング2834は、針116の遠位端面と捕捉部2816の近位端部面との間に不整合部を設けることによって作出される。より具体的には、間隙又はスペーシング2834は、捕捉部面及び針面に広がり角度を設けることによって作出する。一例では、面取り部を捕捉部縁部に更に設ける。1つの特定例では、間隙又はスペーシング2834は、逃がし切込み2830rを設けることで作出する。逃がし切込み2830rは、図28d及び図28fに示すように、捕捉部2816と針116との間に通路を提供し、縫合糸240が捕捉部2816と針116との間に挟まれて縫合糸240が擦り切れる又は擦れるのを防止する。したがって、逃がし切込み2830rは、縫合糸240への損傷を最小にするのに役立つ。縫合糸240が挟まれる危険を最小にすることによって、逃がし切込みは、デバイス100が係止/閉塞するのも防止することができる。
間隙/スペーシングが縫合糸への損傷を防止する利点
図28c及び図28dに示すように、針116の遠位端面と捕捉部2816の近位端
部面との間に形成した間隙又はスペーシング2834は、縫合糸240が針116と捕捉部2816との間に挟まれるのを防止するのに十分なクリアランスを提供し、縫合糸240の擦れ、擦り切れ又は切断を防止するのに役立つことができる。
間隙/スペーシングがデバイスの縛り/詰まりを防止する利点
更に、間隙又はスペーシング2834は、縫合糸240が挟まれるのを防止することによって、デバイスの閉塞/係止を防止する。換言すれば、いくつかの実施形態では、間隙又はスペーシング2834は、縫合糸240の送りを改良することを可能にし、デバイス100が故障する危険を実質的に減らすことができる。より具体的には、針116と捕捉部2816との間の間隙又はスペーシング2834は、縫合糸移動組立体2822(針116及びスタイレット2819を含む)又はデバイス100内の移動部品のいずれかが、縫合糸240がそれらの間に引っ掛かることによって縛り又は詰まりを防止するのに役立つことができる。
スタイレットと捕捉部との間に設けられた間隙又はスペーシング
更に、縫合糸移動組立体2822(又はその一部)は、縫合糸240への損傷を実質的に最小にする特徴部を備えることもできる。1つの特定例では、図28c〜図28dに示すように、スタイレット2819の断面は、その遠位部分に沿って低減する(すでに記載したように、且つ図7a〜図7eに示すように)。スタイレット2819を捕捉部2816内に位置決めして縫合糸240を捕捉部2816内に納置するとき、間隙又はスペーシング2836は、断面が減少したスタイレット2819の遠位部分と捕捉部2816の内側壁との間に形成される。換言すれば、スタイレット2819に近接して、縫合糸240用のクリアランスが存在する。いくつかの実施形態では、間隙又はスペース2836は、図28d(ii)に示すように対称クリアランスの形態で設けることができ、スタイレット2819の断面は、その外側外周に沿って実質的に減少する。他の実施形態では、間隙又はスペーシング2836は、図28d(i)に示すように、スタイレット2819外周の一部分の断面が減少した、非対称クリアランスの形態で設けることができる。
間隙/スペーシングの利点
動作に際して、スタイレット2819が針116から移動し、捕捉部2816に入るとき、縫合糸240は、結び目250がスタイレット2819によって押されるのでスタイレット2819と共に前進する。スタイレット2819に実質的に近接してクリアランス又は間隙/スペーシング2836があることで、縫合糸240が捕捉部2816内で挟まれる又は縛ることなく摺動可能になり、スタイレット2819が縫合糸結び目250を捕捉部2816内に配置可能にし、それにより、縫合糸結び目250は捕捉部2816に結合する。換言すれば、間隙又はスペーシング2836により縫合糸240を送ることが可能になる。したがって、間隙又はスペーシング2836は、縫合糸240が捕捉部2816とスタイレット2819との間を送られるときに、スタイレット2819が前進するので縫合糸240の擦り切れを実質的に防止する。更に、間隙又はスペーシング2836は、縫合糸がスタイレット2819と捕捉部2816との間に挟まれる又は引っ掛かるのを防止することで、デバイスが閉塞するのも防止する。次に、スタイレット2819は、遠位先端部12からシャフト16に引き抜かれる。間隙/スペーシング2836のクリアランスは、縫合糸240への損傷を防止し、スタイレット2819を引き抜くときにデバイスが閉塞するのを防止することによって、スタイレット2819の引き抜きを促進することができる。1つの特定例では、上記した利点を提供するのに十分な最小量のクリアランスを捕捉部2816と遠位先端部12の内部との間に設け、捕捉部2816と遠位先端部12の内部との間に縫合糸240が引っ掛かる危険を最小にする。
縫合糸管理のための表面変形部
スタイレット3019を遠位先端部12からシャフト16に引き抜いた後、デバイス100は、縫合糸240を第2の組織区分に通すように再位置決めする。図28eに示すように、デバイス100は、例えば180度回転するときに、縫合糸240は、デバイスの回転軸の方に、例えばデバイス100の長手方向延在首部15に沿って引っ張られる。いくつかの実施形態では、すでに説明したように、縫合糸240が引っ掛かり、擦れるのを防止するために、逃がし切込み2830r(この特徴部は、図28eによりはっきりと示される)が縫合糸移動組立体3022の捕捉部2816内に設けられる。いくつかの実施形態では、逃がし切込み2830rは、縫合糸240が遠位先端部12を離れるときに引っ張られ、位置決めされる場所に設けられ、したがって縫合糸240が損傷するのを実質的に防止する。より具体的には、いくつかの実施形態では、図28eに示すように、逃がし切込み2830rは、デバイス100の回転軸に向けて捕捉部2816内に設けられる。換言すれば、逃がし切込み2830rは、図示するように、首部15が面する又は近接する場所で捕捉部2816内に設けられ、縫合糸240が遠位先端部12から離れて送られる際に、縫合糸240が捕捉部2816の鋭い角又は縁部に接して擦り切れる又は切れるのを防止する。更に、切込み2830rは、縫合糸を送るのに更なる余地を与え、それにより、デバイスの閉塞又は係止を引き起こす縫合糸の危険性を減少させる。
縫合糸を組織を通して近位に引き抜く際に使用する特徴部
遠位部分の特徴部
縫合糸管理のための間隙又はスペーシング
スタイレット、針及び捕捉部の間の間隙/スペーシング
図28fに示すように、次に、スタイレット先端部2820を有するスタイレット2819は、縫合糸240が第2の組織区分を通って遠位先端部12の方に通るように再度遠位に再前進する。スタイレット2819の2回目の前進では、スタイレット先端部2820の実質的に全てが捕捉部2816を貫通して、捕捉部2816をスタイレット先端部2820に結合させる。スタイレット2819と捕捉部2816との間の間隙又はスペース2836、並びに針端部面と捕捉部2816との間の間隙2834(すでに示した両方の間隙)は、スタイレット2819が前進する際に縫合糸240への損傷を制限又は防止するのにも更に役立ち得る。間隙2834は、切込み2830rによって更に強化され、針116及びスタイレット2819が前進するときに縫合糸240が損傷又は拘束されないことを保証する。その結果、デバイス100が縛られ/詰まる危険性を減少することができる。更に、スタイレット先端部2820を捕捉部2816内に収容するために、スタイレット先端部2820が捕捉部2816を貫通するときに結び目250(及びしたがって縫合糸240)をスタイレット先端部2820と共に遠位に前進させる。間隙又はスペース2836(上記で図示し、説明した)は、挟まれる又は縛られることなく、結び目250及び縫合糸240を実質的に遠位に前進可能にする。間隙又はスペース2836は、縫合糸240が損傷するのを実質的に防止し、縫合糸240の擦れ又は擦り切れを最小にすることもできる。
捕捉部に対し遠位に形成した間隙又はスペーシング
図28fに更に示すように、スペース又は間隙は、結び目250を収容するために遠位先端部12内で捕捉部2816に対し遠位に設けることができる。1つの特定例では、スペース又は間隙は、通路2838の形態で設けることができ、図28gでより容易に見ることができる。通路2838は、縫合糸移動組立体2822(即ち縫合糸移動組立体2822の捕捉部2816)と遠位先端部12の壁との間に設けられ、室12Bを画成する。通路は、結び目250がスタイレット2819の前の十分な距離を前進できることを確実にするのに十分な長さである。換言すれば、通路2838は、スタイレット先端部2820の長さ部と実質的に等しい距離で結び目250を前進可能にする。通路2838は、結び目250がスタイレット2819の側に落ちるのを防止するに役立ち得る。通路2838は、縫合糸240が捕捉部2816を通って遠位に引っ張られるのを可能にし、縫合糸240が捕捉部2816を通るときにスタイレット先端部2820によって縫合糸240が挟まれるのを最小にする。このことは、デバイス100の故障の危険を最小にする助けとなり得る。より具体的には、通路2838の寸法は、デバイス機構の縛りを防止するのに役立ち得る。というのは、スタイレット2819、捕捉部2816及び縫合糸結び目250は、縫合糸240がそれらの間で引っ掛かるのを防ぎ、遠位先端部を通して後ろに引き抜かれるからである。スタイレットと捕捉部3106との間の間隙又はスペース2836、並びに針端部面と捕捉部2816との間の間隙2834は、スタイレットを引き抜くときに縫合糸への損傷を防止するのに更に役立ち得る。更に、通路2838(具体的にはその長さ部)は、スタイレット2819がデバイス遠位先端部12の遠位面に不意に結合するのも防止する。
縫合糸管理のための表面変形部
更なる特徴部をデバイス100内に設けることができ、捕捉部2816及びしたがって縫合糸結び目250が、スタイレット2819を使用して第2の組織区分を通って近位部分14の方に引き抜かれる際に縫合糸240への損傷を最小にするのを支援する。図28gに示すように、針116及びスタイレット2819が後退する際に捕捉部2816(及びしたがって縫合糸240)が第2の組織区分を通って引き抜かれるときに縫合糸240は、捕捉部2816周囲を約180度で曲がる。したがって、縫合糸240は捕捉部2816の面の周りで急激に曲がる。逃げ又は切込みは、切込み2830r等の捕捉部2816内に設けることができる(すでに説明したように)。切込み2830rは、捕捉部2816の鋭い縁部に接して縫合糸240が擦過又は切れるのを最小にするために、実質的に鋭くない縁部をもたらすことができる。
近位部分の特徴部
縫合糸管理のための間隙又はスペーシング
デバイス近位部分内に形成した座ぐり穴
捕捉部2816が近位ハウジングのシャフト16内に引き抜かれるとき(すでに説明したように)、縫合糸240は、逆戻りする又は縫合糸240自体に折り重なることがある。上記で説明したように、間隙又はスペーシング2830pは、座ぐり穴2832の形態で捕捉部2816の外側とシャフト16の内側との間に設けて、縫合糸240を収容することができる。更に、座ぐり穴2832は、結び目250をスタイレット及び捕捉部2816に隣接して位置決めさせるのに十分な余地/スペースをもたらすこともできる。
より具体的には、結び目250は、スタイレット2819が引き抜かれるときにスタイレット先端部2820周囲に位置決めされ、捕捉部2816に対して留まることができる。スタイレットが引き抜かれるとき、張力が縫合糸240に付与されて縫合糸240を組織を通して引っ張るが、これは結び目250によって抵抗される。というのは、結び目250は、捕捉部2816(例えば捕捉部2816の指部間)を通って戻ることができない(近位に移動できない)からである。したがって、結び目250は、張力がかかっているが、捕捉部を通って戻れないので、スタイレット2819のそばに位置決めすることができる。その結果、スペーシング又は間隙(座ぐり穴2832等)は、シャフト16内に設けられてスタイレット2819のそばに結び目250を収容し、一方で針/捕捉部/スタイレットは、組織受入れ間隙2810から出て後退する。したがって、座ぐり穴2832は、縫合糸240への損傷を実質的に防止し、デバイス100が故障する(例えば縫合糸240が捕捉部及び/又はスタイレットとシャフト16の内部との間に挟まることにより、例えば機構が縛られることで)のを更に防止する十分なスペースをもたらす。
したがって、いくつかの本発明の実施形態は、デバイス100が故障するのを実質的に防止する手段を提供する。より具体的には、いくつかの本発明の実施形態は、縫合糸240が様々な部品間で挟まるのを防止する手段を提供し、デバイス機構が縛られるのを防止する(又は換言すれば、デバイスの可動部品が閉塞するのを防止する)ようにする。
縫合糸の送りを容易にするための特徴部
更に、いくつかの実施形態では、デバイス100は、縫合糸240を近位部分又はハウジング14内に送らせる特徴部を備え、縫合糸240が絡まったり、又は損傷するのを防止する。1つのそのような実施形態では、すでに説明したように、且つ図22gに示すように、縫合糸240は、サービス・ループを有するポストを形成する第1の部分、及び係止器を形成する長手方向に対向する第2の部分を備える。一例では、ポストのサービス・ループ及び係止器は、縫合糸240が絡まる危険を最小にするために比較的長くてもよく、デバイス近位部分14のハンドル内に格納することができる。しかし、係止器及びポストは、縫合糸240が使用中比較的容易に配置できるように格納することができる。この実施形態の特定例では、縫合糸送りチューブをハンドル内に設け、縫合糸240の第1の部分及び第2の部分を個別にチューブのうちの1つに送り、その中に収容する。代替実施形態では、縫合糸240は、糸巻き分配(spool payout)機構を通して送ることができる。更に他の実施形態では、縫合糸240の第1の部分及び第2の部分は、クリップ又は個別の通路を通して近位部分14内に案内し、縫合糸が絡まるのを防止することができる。
例2
ここで、代替縫合糸管理特徴部を縫合糸通しデバイスの代替実施形態を参照して説明する。この代替実施形態では、デバイスは、「縫合糸通し組立体」2922を組み込み、例えば以下のいずれかを含むことができる:針116、スタイレット2919及び/又は縫合糸保持器2916等。換言すれば、この代替実施形態では、スタイレットはあっても、なくてもよく、縫合糸保持器2916は、組織に両方向で通してもよい(即ち、組織を通して近位に、次に、戻して遠位に)。
1つの特定例では、細長部材は、スタイレット2919及び針116の組合せを備えることができる。別の例では、縫合糸移動組立体2922を形成する細長部材は、スタイレット伴わずに針116を備えることができる。いくつかの実施形態では、縫合糸移動組立体2922は、シャフト16と遠位先端部12との間に(遠位に又は近位に)縫合糸240を通し、縫合糸240を組織に通すように動作可能であってもよい。他の実施形態では、縫合糸移動組立体2922は、縫合糸保持器2916を通すように動作可能であってもよく、縫合糸240は、シャフト16と遠位先端部12との間で(遠位に又は近位に)縫合糸保持器2916に結合又は固定する。いくつかの実施形態では、縫合糸移動組立体2922は、最初に遠位先端部12とシャフト16との間で第1の組織区分を通して近位に縫合糸240を引き、次に、第2の組織区分を通して遠位に縫合糸240(縫合糸保持器2916と共に、又は縫合糸保持器2916を伴わずに)を通すように動作可能であってもよい。
例1に関して上記で説明したように、様々な特徴部は、図29に示すデバイス100の実施形態を使用した縫合糸240の移動を参照して認識されるであろう。
例えば縫合糸を最初に通す間に遠位に組織に通すのに使用する特徴部
縫合糸管理のための間隙又はスペーシング
近位シャフト内に形成した間隙又はスペーシング
図29aに示す一例では、縫合糸240を組織の一領域に通すデバイス100を開示する。デバイス100は、シャフト16を備えるデバイス近位部分14を備え、このシャフト16は、遠位先端部12を有するデバイス遠位先端部部分に結合する。デバイス100は、デバイス100内に収容した縫合糸移動組立体2922を更に備え、縫合糸240をデバイス近位部分14と遠位先端部12との間に移動させる。縫合糸移動組立体2922の一部は、デバイス近位部分14内(例えば近位部分14のシャフト16によって画成した内腔又は室16B内に)に収容することができ、縫合糸移動組立体2922の一部は、遠位先端部12内(例えば遠位先端部12によって画成した室12B内)に少なくとも部分的に受け入れることができる。縫合糸240は、縫合糸移動組立体2922の1つ又は複数の部品に動作可能に結合することができる。本発明のいくつかの実施形態では、(デバイス近位部分14の)シャフト16内の室16B及び遠位先端部12内の室12Bは、スペーシング又は間隙(縫合糸移動組立体2922の部品と、シャフト16又は遠位先端部12いずれかの内側壁との間にそれぞれ形成)をそれぞれ含み、実質的に損傷がなく縫合糸240を通すことを可能にする。いくつかの実施形態では、室16Bの幅は、シャフト16の長さ部に沿って様々であってもよい。したがって、シャフト内腔の幅狭近位部分と呼ぶ、図29aの室16Bを示す一方で、例えば図29dで示すようにシャフト内腔の幅広の更なる遠位部分にも言及する。
一実施形態では、デバイス100は、組織201の第1の区分が組織受入れ間隙2910内に受け入れられるように組織内に位置決めする。図29bに示すように、縫合糸移動組立体2922をシャフト16内に収容したとき、(最小)間隙又はスペーシングは、縫合糸移動組立体2922の外側表面と、シャフト16の内側壁との間に形成される。図示する特定例では、間隙又はスペーシングは、参照番号2930pで示される。いくつかの実施形態では、間隙2930pは、座ぐり穴又はずらした窪みを備えることができる。
間隙/スペーシングが縫合糸への損傷を防止する利点
図29bに示すように、縫合糸移動組立体2922とシャフト16との間の間隙又はスペーシング2930pは、縫合糸240が例えば図29bに示すように縫合糸240自体が折り重なることによって、縫合糸移動組立体2922(縫合糸移動組立体2922が前進する場合)とシャフト16との間に挟まれるのを防止するのに十分な余地をもたらし、したがって、縫合糸の擦れ、擦り切れ、又は他の損傷を引き起こし得る、縫合糸の挟まりを実質的に防止することができる。
間隙/スペーシングがデバイスの縛り/詰まりを防止する利点
更に、間隙又はスペーシング2930pは、縫合糸の挟まりを防止することによってデバイスが閉塞/係止するのを実質的に防止する(又はその危険性を最小にする)。換言すれば、いくつかの実施形態では、間隙又はスペーシング2930pは、縫合糸240の送りを改良可能にし、デバイス100の故障する危険を実質的に減少することができる。より具体的には、間隙又はスペーシング2930pは、縫合糸移動組立体2922、又はデバイス100内の移動部品のうちいずれかが縫合糸240によって縛られ又は詰まるのを防止するのに役立ち得る。換言すれば、間隙又はスペーシング2930pは、縫合糸240が縫合糸移動組立体2922とシャフト16との間で引っ掛かることにより縫合糸移動組立体2922が係止し、したがってその前進を干渉するのを防止する。
遠位先端部内に形成した間隙又はスペーシング
近位ハウジング14のシャフト16の室16B内に存在する間隙又はスペーシング2930pと同様に、遠位先端部12によって画成した室12Bは、図29cにおいて2930dで示すスペーシング又は間隙も画成する。縫合糸移動組立体2922は、遠位に前進して縫合糸240を組織の一区分に通し、遠位先端部12の方に更に前進して遠位先端部12に縫合糸240を結合させる。図29cに示す実施形態では、縫合糸移動組立体2922は、組立体2922の一部分がデバイス遠位先端部12内に受け入れられるまで前進する。1つの特定例では、縫合糸移動組立体2922の縫合糸保持器2916は、遠位ハウジングの室12B内に位置決めされる。間隙2930dは、縫合糸保持器2916の外側直径部と遠位先端部12の内側壁との間に形成され、室12Bを画成する。間隙2930dにより、縫合糸240が遠位先端部12の一部分と縫合糸移動組立体2922との間に挟まれず、又は引っ掛からないように縫合糸240を送ることが可能になる。いくつかの例では、縫合糸移動組立体は、回転して縫合糸保持器2916を遠位先端部12に結合し、且つ、更なる逃げ又は間隙を設けて、実質的に縫合糸240を損傷せずに縫合糸保持器2916を遠位先端部12に結合可能にする。縫合糸保持器2916を遠位先端部12で納置した後、(このように機能するこれらの実施形態では)次に、スタイレット2919又は他の細長部材は、近位に引き抜かれ、近位部分14内に受け入れられる。間隙2930dは、細長部材が近位に引き抜かれる際に縫合糸への損傷を最小にするのに役立つこともできる。図面は一定の縮尺で描かれてなく、したがっていくつかの実施形態では、間隙2930dは、本明細書に記載の様々な部品を操作するのに十分なスペースを与え、一方で縫合糸240が拘束又は損傷するのを制限/防止するのに十分な大きさでもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、例えば、間隙2930dは、縫合糸240が縫合糸移動組立体2922の部品と遠位先端部12の内側壁との間の位置内で動くのを防止するように適切な寸法である。
縫合糸を組織に通して近位に引き抜く間に使用する特徴部
縫合糸管理のための表面変形部
いくつかの実施形態では、図29dに示すように、デバイス100は、再位置決めすることができ、それにより組織202の第2の区分は組織受入れ間隙2910内に受け入れられる。一例では、デバイス100は、縫合糸240をデバイスの回転軸の方に引っ張ることで回転する。図示する実施例では、縫合糸240は、首部15の方に引っ張られる。縫合糸240が引っ掛かり、擦れるのを防止するために、逃がし切込み2930rを設けることができる。逃がし2930rは、首部15に近接して遠位先端部12内に形成することができる(図示するように)。或いは、又は更に、切込みは、縫合糸保持器2916内等の縫合糸移動組立体2922の一部内に存在することができる。逃がし切込み2930rは、遠位先端部12の鋭い角又は縁部及び/又は縫合糸保持器2916等の縫合糸移動組立体2922の一部の角によって縫合糸240が擦り切れる又は切れるのを防止する又は制限する。
デバイス100(遠位先端部12に結合した縫合糸保持器2916を有する)は、その軸に沿って回転して、組織受入れ間隙2910内の第2の組織区分202を受け入れた後、縫合糸移動組立体2922の部品は、遠位先端部12の方に再前進して縫合糸を取り出す。これらの部品が2回目に遠位先端部12に入るとき、擦り切れ等の縫合糸への損傷の危険、又はデバイスが縫合糸240の挟まりによって閉塞/係止する危険がある場合がある。遠位先端部12内のスペーシング又は間隙2930d、並びに例えば遠位先端部及び/又は縫合糸保持器内に存在する切込みがあれば、縫合糸240への損傷の危険及び/又はデバイス100の故障を最小にするのに役立ち得る。
次に、縫合糸移動組立体2922は、引き抜かれ、それにより縫合糸240がここでデバイス遠位先端部12から第2の組織区分202を通ってデバイス近位部分14に引かれる/通る。スペーシング又は間隙2930d(前に説明した)、並びに切込み2930r等の逃がし切込みは、縫合糸移動組立体2922が近位に引き抜かれるときに縫合糸への損傷を防止し、デバイス100が閉塞する危険を低減するのに更に役立ち得る。
換言すれば、間隙2930d並びに逃がし切込み又は他の表面変形部は、縫合糸移動組立体が遠位先端部に入るとき、並びに縫合糸移動組立体が縫合糸と共に後退するときに縫合糸の損傷、及び/又はデバイスの故障の危険の両方を緩和するのに役立つ。
縫合糸管理のための間隙又はスペーシング
縫合糸移動組立体2922を近位ハウジングのシャフト16内に引き戻すときに、スペーシングは、縫合糸移動組立体2922のそばで縫合糸240を収容するように設けられる。すでに上記したように、間隙又はスペーシング2930pは、近位シャフト16内に設けられ、これは、縫合糸240の擦れ又は擦り切れを実質的に最小にするのに十分なスペースをもたらす。1つの特定例では、スペーシング2930pは、図29eに示す座ぐり穴2932の形態である。座ぐり穴2032は、シャフト16内に十分な余地をもたらして、縫合糸240が縫合糸移動組立体2922の一部(後退する際に)とシャフト16との間に挟まれるのを防止する。
縫合糸を通すデバイスの代替実施形態
図20Aに示す代替実施形態では、デバイス100は、上記で説明した実施形態と同様に設けられる。遠位先端部12は、捕捉部2016等の縫合糸保持器を中に受け入れ、保持する受入れ室12Bを有する。遠位先端部12は、その外側表面に沿って軸方向に配置したスロット2040を備える。スロット2040は、2つの実質的に長方形のスロット2040a及び2040bから形成され、スロット2040bは、スロット2040aに対して遠位に位置決めされる。2つのスロット2040a、2040bは、スロット2040内に延在する内側向きの一対のタブ2040cによって離間される。一例では、タブ2040cは、弾性材料を含む。
同様に、捕捉部2016は、図20B、20C及び20Dに示すように、その外側表面に沿って軸方向に配置したスロット2042も備える。捕捉部2016は、スロット2042内に延在する内側向きの一対のタブ2042cを備える。タブ2042cは、弾性材料から形成してもよく、十分な力が付与されると変形することができる。捕捉部2016は、スロット2042及びスロット2040が互いに位置合わせされるように遠位先端部12の室12B内に保持される。スロット2042及び2040は、タブ2042c、2040cが互いからずれるように位置決めする。捕捉部2016のタブ2042cは、遠位先端部12のタブ2040cに対して遠位に位置決めされ、それにより、縫合糸240をスロット2042を通ってスロット2040b内に通す/送るためのクリアランスがもたらされる。デバイスの使用の代替方法は、図20Aに示す実施形態に関して説明し、本明細書の以下で説明する。
使用方法
複合方法
本発明の一実施形態に従ったデバイス100は、組織の欠損を修復するのに使用することができる。したがって、本発明の別の態様によれば、組織の欠損を処置する方法を提供する。方法は、縫合糸の一部分を、欠損周囲に位置決めした第1の組織領域に通し、縫合糸部分を縫合糸保持器に結合することによって行われる。次に、縫合糸保持器は第2の組織領域を通って取り出され、第1の領域からの欠損を横断し、それによって結ぶことができるループを形成する。次に、ループを欠損の近くに結ぶ。
組織欠損を修復するデバイス100の使用は、図2a〜図3dを参照して以下でより詳細に説明する。本発明のデバイスによって修復する組織欠損は、例えば線維輪組織の裂傷、又は椎間板切除術の一部として線維輪に形成された欠損とすることができる。本発明の実施形態を使用して処置できる組織には、限定はしないが、椎間板の線維輪組織、膝の半月板組織、筋組織、靱帯、腱、又は肩部の他の組織、又は患者体内の他の軟組織、例えば、関節鏡処置を受け入れられるか、又は縫合を受け入れられる組織を含む。半月板内の欠損を処置する方法の1つの特定例では、欠損は、半月板の剥離又は裂傷(前述のように)を非限定的に含み、本発明の方法は、剥離を元に戻し、又は裂傷を固定/包含するのに有用となり得る。
本発明の方法の他の適用は、靱帯内の裂傷等の欠損、経皮組織内の欠損、又は皮膚等の組織の外側表面内の欠損の処置を含むことができる。本発明の方法の更なる例は、外科手術内の使用、又は血管修復、肩部若しくは臀部修復での使用を含むことができる。
例えば、椎間板の線維輪組織の欠損を処置するとき、デバイス100を図2aに示すように欠損300の部位に挿入する。いくつかの実施形態では、デバイス100は、外科用ポータルを介して使用可能である大きさであり、そのように構成され、椎間板切除又は他の外科手術の一部として処置現場に置くことができる。デバイス100は、組織200が組織受入れ間隙10内に受け入れられるように欠損300に挿入する。遠位先端部12を欠損に挿入し、実質的に髄核内に位置決めし、一方で近位部分14は、線維輪の外に実質的に位置決めし、デバイス100の首部分15は、欠損を通して位置決めする。縫合糸通し部材(例えばスタイレット319)は、組織200の近位側200aで近位部分14内に最初に位置決めされ、遠位先端部12に結合した縫合糸保持器316は、組織200bの遠位側に位置決めする。一例では、欠損300の第1の側の組織(本明細書では組織の「第1の区分」201と呼ぶ)を図2aに示すように組織受入れ間隙10内に位置決めする。トリガ218を起動すると(図1a〜図1bに示す)スタイレット319を近位側200aから組織領域又は部位P1で組織を通して遠位側200bに移動させる。図2bに示すように、針116等の組織穿刺部材は、スタイレット319を前進する前に穿刺部位P1で組織200を貫通するために使用できる。或いは、針116及びスタイレット319を一緒に前進させることができる。針116は、穿刺部位P1を通して所望の第1の穿刺部を作出することができる。穿刺は、欠損300の第1の側にある欠損300からのある距離で組織201の第1の区分内の第1の場所を通して作出する。
デバイス100は、上記したように組織200内に位置決めされ、欠損300と穿刺部位P1(「バイト(bite)の深さ」)との間の組織量が最大になるように角度を付けることができる。これは、縫合糸240を組織に通す距離(欠損300からの)を最大にするのに役立ち、それによって張力が縫合糸240に付与されたときに縫合糸240が組織を裂く可能性を低減する。そのような角度付けを使用して、欠損300に近接する組織よりも、厚く、又は縫合糸をより良好に保持できる組織(例えばより線維質な組織等)に縫合糸240を通すこともできる。いくつかの例では、縫合糸240をより良好に保持又は支持できるという点で好ましい場合がある組織に縫合糸240を通す。
結び目250を図2dに示すように縫合糸保持器316によって保持した後、スタイレット319は後退し、結び目250を遠位先端部12で縫合糸保持器316に結合したままにする(図2e及び2fを参照)。次に、デバイス100を、組織200の領域P2(欠損300を横断する)が組織受入れ間隙10内に位置決めされるように再位置決めすることができる。
図2cに示すように、P1を通して穿刺した後、針116及びスタイレット319を一緒に前進させて、遠位先端部12に位置決めした縫合糸保持器316の近位面に当接し停止することができる。1つの特定例では、上述のように、縫合糸保持器316は、その近位端部面に傾斜を有する捕捉部416を含み、針116もその遠位端に傾斜が付けられ、捕捉部416の傾斜端部面と係合可能にする。いくつかの例では、捕捉部416の傾斜端部面と針116の傾斜遠位端との間に部分的相互作用部があってもよい。換言すれば、捕捉部及び針は、それらの端部面の一部分に沿ってのみ接することができる。1つのそのような実施形態では、図3bに示すように、針116と捕捉部416との間の部分的相互作用部により、通路又は間隙334をそれらの間に形成することを可能にする。これにより、縫合糸240の一部分を通路又は間隙334に通すことが可能になり、縫合糸240の切れ、擦り切れ、又は切断を防止するのに役立つ。いくつかの実施形態では、針116と捕捉部416との間の相互作用部は、縫合糸結び目250が不意に通路334を通って逃れるのを防止すれば十分であり得る。別の例では、捕捉部の傾斜端部面と針116の傾斜遠位端との間に端から端までの完全な相互作用があってもよい。換言すれば、捕捉部416及び針116は、それらの全端部面に沿って実質的に接することができる。
一例では、縫合糸結び目250を前進させるスタイレット319は、縫合糸保持器316を通って遠位に前進し、それにより、縫合糸結び目250は縫合糸保持器316の縫合糸保持要素に結合、又はそれと又は係合する。スタイレット319の遠位端は、縫合糸結び目250を縫合糸保持器316内に押し込み、縫合糸結び目250が組織200の遠位側に位置決めされるのを可能にする。縫合糸保持器316は、縫合糸結び目250の実質的に一方向への進行を可能にし、即ち縫合糸保持器316は、縫合糸結び目250を縫合糸保持器316を通して実質的に遠位に通すことを可能にする(例えば縫合糸保持器316の遠位端の開口を通して)一方で、結び目250がその開口を通った後は、同じ開口を通って後退するのを妨害又は防止する。
以下でより詳細に示し、説明するように、スタイレット319は、結び目250を縫合糸保持器316に通して押し進め、それによりスタイレット319は、縫合糸保持器316の遠位側の開口を通って出る。スタイレット319の遠位部分は、縫合糸保持器316内に永続的に結合又は固定することなく受け入れられる。換言すれば、スタイレットは、スタイレット319が縫合糸保持器316とは無関係に自由に後退するように受け入れられる。具体的な実施形態では、縫合糸保持器316は、結び目250が縫合糸保持器316の遠位側に保持されるように、スタイレット319を縫合糸保持器316内に移動させ、結び目250を縫合糸保持器316に押し入れ可能にする弾性材料を備える。
結び目250を図2dに示すように縫合糸保持器316によって保持した後、スタイレット319は後退し、結び目250を遠位先端部12で縫合糸保持器316に結合したままにする(図2e及び図2fを参照)。次に、デバイス100は、組織202の第2の区分の領域P2(欠損300を横断する)が組織受入れ間隙10内に位置決めされるように再位置決めすることができる。1つの特定例では、図3aに示すように、デバイス100は約180度回転してデバイス100を欠損300の反対側の領域P2に位置決めする。いくつかのそのような実施形態では、デバイスは、縫合糸を領域P2に通す前に約180度回転する。デバイス100は、縫合糸保持器316が欠損の同じ側(P3)の第1の組織区分201を通る第2の場所を通って後退するように再位置決めすることができる。
縫合糸保持器316を取り出すために、次に、スタイレット319等の縫合糸保持器取出し要素は、例えば組織部位P2を通して針116等の組織穿刺要素と共に再前進させるか、又は針116によって組織200を穿刺した後に再前進させる。針116が組織200を通った後、針116は縫合糸保持器316の表面に当接し、図3bに示すように針116が更に前進するのを妨害する。次に、スタイレット319は、図3cに示すように、縫合糸保持器316を通って更に前進し、縫合糸保持器316を係合する。縫合糸保持器316は、スタイレット319の縫合糸保持器316に対する実質的な一方向進行を可能にし、それによりスタイレット319が縫合糸保持器316を通って遠位に進行可能にし、一方ではスタイレット319が縫合糸保持器316を通って近位に移動するのを実質的に制限又は防止する(スタイレットが、スタイレットと係合するように構成した縫合糸保持器の一部分を越えて前進した後に)。次に、スタイレット319は、組織部位P2(P1から欠損300を横切って変位する)を通って、例えば欠損の第2の側202に後退するが、スタイレット319が後退する前に、縫合糸保持器は遠位先端部12から分離し、図3dに示すようにスタイレット319と共に後退可能にする。縫合糸240の端部は、実質的に360°縫合糸ループを欠損300周囲に置くことを可能にするように結ばれる。いくつかの例では、縫合糸保持器316は、弾性であり、可撓性及び弾力性の両方をもたらす構造体及び/又は材料を備える一方で、スタイレット319の後退中、スタイレット319が縫合糸保持器316を遠位先端部12から除去可能にするのに十分な剛性を有する。こうした剛性及び可撓性の特性は、スタイレット319が上記のように縫合糸保持器316に対して後方又は近位に移動するのを防止するのに役立ち得る。
したがって、スタイレット319が組織部位P2を通って後退するとき縫合糸保持器316は、スタイレット319と共に後退する。これにより、縫合糸結び目250は、縫合糸保持器316を使用して組織部位P2を通って近位に引き抜き可能になる。一実施形態では、図3dに示すように、縫合糸保持器は、組織200の遠位側(例えば組織の内側表面)から組織200の近位側(例えば組織の外部表面)に引かれる。したがって、縫合糸240は、組織部位P1及びP2を通って、組織200の一領域を横断するか、又は組織欠損300を横断している。
いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスを組織から引き抜く前に例えば90度回転することができる。1つの特定例では、デバイス100が、第2の組織区分に縫合糸240を通す前にすでに時計回り方向に回転していた場合は、デバイス100は、デバイス100を組織から引き抜く前に時計回り方向に再度約90度回転することができる。或いは、デバイス100がすでに縫合糸240を第2の組織区分に通す前に反時計回り方向に回転していた場合には、デバイス100は、デバイス100を組織から引き抜く前に約90度反時計回り方向に回転することができる。換言すれば、デバイス100は、デバイス100を組織から引き抜く前にすでに回転したのと同じ方向に約90度回転することができる。これにより、デバイスを患者体内から引き抜くときに、デバイスの一部分が、縫合糸240の一部分を捕えない又は引っ掛けないことが保証される。他の実施形態では、デバイス100は、後退する際に縫合糸を引掛ける又は把持しないように注意して、回転せずに後退させことができる。
次に、閉鎖結び目252を欠損300側面に位置する組織を近づけるように設けることができる。いくつかの例では、閉鎖結び目252は、事前縛り結び目として設ける。別の例では、閉鎖結び目252は、縫合糸240の端部を結ぶことによって形成する。上記したデバイス及び方法の実施形態は、欠損を組織内で近づける助けとなることができ、例えば欠損を実質的に完全に取り囲むように縫合糸ループを設けるように使用することができる。より具体的には、次に、欠損300は、縫合撚糸を固定することによって欠損300を近づけ、処置することができ、この縫合撚糸は、閉鎖結び目を使用して、欠損300の第1の側の領域P1及び反対側のP2の両方に通してある。閉鎖結び目は、処置中に形成しても、組織の第1の側及び第2の側の組織を一緒にすることによって組織を近づけるように締結する事前縛り結び目の形態であってもよい。
上記した本発明の方法の特定実施形態の概要を図8a及び図8bに示す。図8aは、本発明の方法に従って縫合糸結び目を遠位先端部に納置するのに関わるステップを示す。ステップは、上から、下に順に示す。まず、デバイスをその開始位置で所望の組織場所に位置決めする。次に、針を組織に貫通させる(スタイレット及び縫合糸は、針内に収容)。その後、スタイレットを前進させ、捕捉部に縫合糸結び目を押し進める。次に、スタイレット及び針を組織から後退させ、縫合糸結び目等の縫合糸端部は、捕捉部に通したままにする。図8bは、捕捉部を遠位先端部から取り出すのに関与するステップを示す。ステップは、上から下まで順に示す。次に、外科医は2番目の針刺しのためにデバイスを再位置決めする。針は組織を貫通する(スタイレットは、針内に収容)。次に、スタイレットをその先端部が捕捉部によって捕捉されるまで前進させる。次に、保持ワイヤを捕捉部から後退させる。次に、針、捕捉部、スタイレット及び縫合糸を組織から後退させる。
本明細書において上記した方法の様々な実施形態に従って、ステップのうち1つ又は複数は、自動化することができる。
縫合糸の一部分を欠損の一方の側の組織部位に通して縫合糸部分を縫合糸保持器に結合し、縫合糸保持器を欠損の反対側を通して取り出すことを含む方法の一実施形態を本明細書で上記したが、本発明を実践する代替実施形態が存在する。特定の代替形態を本明細書で説明するが、他の代替形態も同様に可能である。
一代替実施形態では、本発明の方法は、まず、縫合糸保持器(縫合糸の一部分は縫合糸保持器に着脱可能に結合する)を欠損の一方の側の第1の組織部位に通し、その後、縫合糸部分を欠損の反対側である第2の組織部位に取り出すことを含み、即ち上記順番とは逆である。
別の代替実施形態では、本発明の方法は、縫合糸の一部分を例えば組織の遠位側に置いたデバイス遠位先端部から取り出し、縫合糸が組織の遠位側から組織の近位側に通るように第1の組織部位に縫合糸を通し、縫合糸を縫合糸保持器(例えばデバイス近位部分内に)捕捉することを含む。方法は、縫合糸保持器が組織の近位側から組織の遠位側に通るように第2の組織部位に縫合糸保持器を通し、縫合糸保持器をデバイス遠位先端部に結合することを更に含むことができる。一例では、これにより内側結び目を組織内に置くことができる。
別の代替実施形態では、本発明の方法は縫合糸の一部分を欠損の一方の側の軟組織に通し、縫合糸アンカーを備える縫合糸保持器に縫合糸部分を結合することを含むことができ、その後、縫合糸アンカーは、欠損の反対側を通して取り出す。
本発明の様々な実施形態に従って縫合糸結び目を外す又は配置する方法
縫合糸保持部材を使用して、細長部材に配置した縫合糸結び目を配置する方法
本明細書で上記したように、いくつかの実施形態では、デバイス100は、一部又は全部事前縛り結び目を配置するように設けることができ、デバイスは、図21a〜図21eに示すように縫合糸の一部分を保持する縫合糸保持部品900を更に備える。図2及び図3に関して上記で説明した本発明のいくつかの実施形態では、デバイス100は、縫合糸が例えば、欠損300の両側にある組織を再び近づけるために欠損の両側の第1の組織区分及び第2の組織区分を通った後に、閉鎖結び目を配置するのに使用できる。換言すれば、デバイスは、欠損300周囲の第1の組織区分及び第2の組織区分を一緒にすることにより、欠損300を実質的に再度近づけるために結び目を配置するのに使用することができる。上記したデバイス及び方法の実施形態は、欠損を組織内で近づけるのを支援し、例えば、360度の縫合糸ループ、即ち、実質的に欠損を囲む縫合糸ループを使用することができる。
使用中、デバイス100は、縫合糸240がぴんと張るまで、デバイス100に結合したポスト703の区分703aと共に近位に引き抜かれ、したがって、縫合糸240を張った状態にする。システムは、張った状態にあるので、デバイス100(及びしたがってポスト703の区分703a)は、更に、引っ張られるか、又は後退し、ループ700は、デバイス100から外れて遠位に落ちる又は解放され、ポスト703の区分703aは、ループ700を通って近位に引っ張られる。換言すれば、ループ700は、ポスト703の区分703aを越えて配置又は解放される。ループをポスト703を越えて位置決めしたとき、ループは結び目720を形成する(図21b)。図21bに示すように、ループは組織200からの距離dで配置する。デバイス100が近位に引き抜かれる距離は、ループ700を遠位に変位させる距離と実質的に等しい。より具体的には、縫合糸240は、ポスト703の区分703aがデバイス100の遠位端から組織200に延在するように送られ、ポストは組織200を貫通し、区分703bは、組織200から、一体的に結合するループ700の方に引き返して近位に延在する。その結果、ポスト703の区分703aに付与される近位向きの力により、遠位向きの力がポスト703の区分703bに付与されることになり、ループ700に付与した遠位向きの力を移動させ、したがって、ループ700をデバイス100から外し、ポスト703に引っ張る。
次に、デバイス100は、係止器704を形成する縫合糸240の第2の部分702が保持又は張設要素900によって保持される間に更に後退する。換言すれば、保持又は張設要素900は、例えば係止器704に対する摩擦力F(図示せず)をもたらすことによって移動への抵抗をもたらし、したがって、係止器704がずれるのを防止する。図21cに示すように、デバイス100が引っ張られ/後退するにつれて、デバイス100(及びしたがって、ポスト703の区分703a)は、組織200に対して近位に引き抜かれ、一方で結び目720のループ700は、ポスト703周囲で実質的に潰れる又は堅く締まる。いくつかの実施形態では、結び目720は、デバイス100の遠位端に近傍の組織200からの距離d(上記図21bの距離「d」とは必ずしも同じではない)で実質的に堅く締まる。いくつかの実施形態では、組織200に対する結び目720の位置は、結び目720が潰れる又は堅く締まるときに変化がないままである。したがって、本明細書で記載したいくつかの実施形態では、保持又は張設要素900に縫合撚糸240の第2の部分702(係止器704等)への張力を保持又は維持可能にする一方で、結び目720は、堅く締まる又は潰れる。
したがって、いくつかの実施形態では、デバイスは、結び目配置手順の少なくとも一部の間、縫合撚糸240の第2の部分702等の、縫合撚糸240の一部分の運動を、縫合撚糸の第1の部分701の一部等の縫合撚糸の別の位置に対して制限/防止する手段(保持又は張設要素900等)を含む。例えば、デバイスは、デバイス100に固定する第1の部分701の一部に対する第2の部分702の運動を制限することができ、一方で結び目720を潰す。より具体的には、保持又は張設要素900は、デバイス100に結合したポスト703の区分703aの一部に対する係止器704の移動を制限することができる。換言すれば、保持又は張設要素900は、縫合撚糸240の第2の部分702のデバイス100に対する運動を防止する。いくつかの実施形態では、運動を制限/防止する手段(保持要素900等)は、縫合糸の一部分240に摩擦力を付与し、及び/又は張力を維持することができる。保持要素900内に第2の部分702を保持することは、保持した縫合糸部分702に対する縫合糸部分701の部分の運動を可能にすることは理解できよう。縫合糸部分702が、上記とは異なって置いて、保持されずに自由に動くことができる場合、縫合糸部分702は、縫合糸の他の部品と同じ速度で動くことになり、したがって、それらの縫合糸部分間には相対的な運動が存在しない。しかし、部分702の運動を制限すると、縫合糸の他の部品は、部分702に対して移動可能になる。したがって、縫合糸部分702を保持要素900内に保持すると、縫合糸のどの部分を調べるかに応じて、縫合糸部分間の相対運動を可能にするか、又は防止/制限するように機能することができる。
結び目720が堅く締まる又は潰れるとき、デバイス100は、組織200に対して更に引き抜かれるか、又は後退する。図21dに示すように、結び目720を更に潰すには、張力又は保持要素900によって係止器704に付与された力Fよりも大きい力が必要であり、結び目720は、ポスト703に沿って遠位に移動又は摺動し始め(したがってデバイス100を引抜き可能にする)、係止器704は張力又は保持要素900から開放される。いくつかの実施形態は、例えば結び目が摺動するときに保持要素900から係止器704を自動的に解放又は引抜き可能にして、結び目720の早期の係止、過剰な締結又は堅く締まるのを回避する。係止器704の解放により、デバイス100に固定した係止器704及びポスト703の部分は、互いに対して移動可能になる。図21eに示すいくつかの実施形態では、デバイス100は、結び目720が摺動して組織200に実質的に近接/接して載置するまで引き抜かれる。これにより、例えば、欠損300を近づけるように、縫合糸240が組織200の第1の区分201及び第2の区分202に張力をかけることが可能になる。
したがって、1つの広範な態様では、本発明の実施形態は、1つ又は複数の特徴:a)縫合撚糸の一部分を保持/規制する一方で、張力を縫合撚糸の別の位置に付与して結び目を堅く締結すること、及びb)結び目が係止されるか、又は過度に締まる若しくは堅く締まる前に縫合撚糸の部分を解放すること、を有するデバイスを備える。いくつかの実施形態では、縫合糸全体は、縫合糸長さ部に沿った異なる場所で、デバイスによって依然として保持される。換言すれば、デバイスの保持特徴部によって保持される縫合糸の特定部分は、自由に移動できるように解放される一方で、縫合撚糸の他の部分は、デバイスに結合/保持されたままにすることができる。用語「解放」(及びその同系統)は、能動行為又は受動行為の解放(又は2つの組合せ)を含むことができ、例えば縫合撚糸の2つの部分間の相対運動を可能にする/容易にすることを理解されたい。したがって、「縫合撚糸の一部分を解放する」と、それによって縫合撚糸の一部分(例えば係止器704)を縫合撚糸の別の位置(例えばデバイス100に結合したポスト703の区分703aの一部)に対して移動可能にする。
デバイスを間接的に結合する、一部分又は全部事前縛り結び目の配置方法
図22a〜図22fに関して上記で説明したように、デバイスは、縫合糸240が組織200の第1の区分201及び第2の区分202(例えば欠損300の周囲)に通した後に事前縛り結び目を配置するように設けることができ、組織区分を一緒にするようにする。図22a〜図22fのデバイス100は、デバイス・シャフト16に間接的に結合するループ700に関して事前縛り結び目を備える。ループ700は、デバイス・シャフト16に組み付けた結び目摺動器800に配置される。縫合糸が組織201、202の第1の区分及び第2の区分を通った後、図22gに示すように、近位部分又は近位ハウジング14内のサービス・ループLに存在する縫合糸の量がわずかに減るのが観察できる。次に、デバイス100は、近位に引き抜かれ、患者から離して引っ張られる(近位方向を矢印pで示す)。サービス・ループL内の縫合糸は、初めにサービス・ループLのOリングによって付与された摩擦力Fによって保持される。サービス・ループLのOリングによって付与された力Fは、結び目摺動器800をシャフト16から分離するのに必要な力よりも小さい。図22kに示すように、結び目摺動器800がシャフト16に受動的に結合される実施形態では、Oリングによって付与された力Fは、Oリング910とシャフト16との間の摩擦係合力よりも小さい。デバイスが近位に引っ張られると、縫合糸部分701は、張力がかけられ、サービス・ループLで縫合糸に力Fを付与する。力FがOリングによって付与された力Fを超えると、サービス・ループLは、Oリングとの係合から外れて引っ張られる。サービス・ループLは、図22hに示すように、Oリング910と突出部806との間から抜け出る。したがって、デバイス100を引くと、余分な縫合糸、即ちサービス・ループLを形成する縫合糸部分701の区分は、近位ハウジング14から配置又は引っ張られる。
デバイス100を更に引き抜く又は後退させると、サービス・ループLからの余分な縫合糸も結果として引き抜かれる。過剰な縫合糸を引き抜いた後、縫合糸部分701のたるみは除去され、縫合糸部分701に張力がかかる。デバイス100が更に後退すると、ぴんと張った縫合糸部分701は、結び目摺動器800周囲に巻かれたループ700に張力をかける。換言すれば、縫合糸部分701に張力がかかると、力が結び目摺動器800周囲に形成されたループ700に付与され、したがって結び目摺動器800に力F(図示せず)が付与される。力Fは、シャフト16、又は近位部分14のあらゆる他の部品、若しくは部品が着脱可能に結合するデバイス100から結び目摺動器800を分離すれば十分である。
したがって、張力を縫合糸240にかけるような十分な力Fが結び目摺動器800に加えられると、結び目摺動器800の突出部820は、デバイス近位部分の突出部1402から係合を外して移動することになる。結び目摺動器800は、デバイス近位部分14から分離し、デバイス100が後退/引っ張られると、結び目摺動器800は、シャフト16に沿って遠位に摺動する。結び目摺動器の後部フック824は、結び目摺動器800が溝1603の端部に到達するまでシャフト16の窪み又は溝1603に沿って摺動する。後部フックは、シャフト16の一部分と当接又は係合する。図23aに示すように、次に、結び目摺動器800は、その第2の構成でデバイス100の組織受入れ間隙10内に位置決めされる。結び目摺動器800は、可撓性アーム818が組織受入れ間隙10と整列する又はそれに近接するように位置決めする。
したがって、デバイス100が上記で説明したように近位に引き抜かれると、縫合糸240への連続張力により、可撓性アーム818を(ループ700を阻止するその初期位置818Aから)内側に第2の位置818B内の組織受入れ間隙10内に曲げるか、又は偏向させ、ループ700を解放する。アーム818のテーパ部は、ループ700の配置を容易にすることができる。更に、結び目摺動器800の下方テーパ部も、ループ700の取り外しを容易にすることができる。アームが間隙10内に移動すると、縫合糸240によってループ700の上部分に付与された張力は、ループ700を結び目摺動器800から外して配置を可能にする。ループ700の上部分への張力は、上部分を前に引っ張ることになり、ループの底部分はすでに上部分より先に遠位にあることができる、テーパ部に位置決めされるので、ループ700は、結び目摺動器800から外れてかなり容易に抜ける/摺動することができる。
本明細書の以下で説明する結び目配置方法の残りは、保持又は張設要素900の機能に関するものであり、保持又は張設要素900は、この特定実施例ではすでに説明したOリング910を備える。図21a〜図21eに関し、更に図23a及び図23bに示すいくつかの実施形態では、縫合糸部分701は、ポスト703を形成し、縫合糸部分702は係止器704を形成し、ポスト703は、区分703a及び703bを備える。結び目摺動器800がその第2の又は遠位位置にあるとき、デバイスは、縫合糸部分701(703)に張力がかかるように引き抜かれている。次に、図23bに示すように、デバイス100は一部事前縛り結び目のループ700が解放されるように近位方向に更に引っ張られる。
更に詳細には、いくつかの実施形態では、ポスト703は、ポスト703の区分703aがデバイス遠位先端部12から組織200の第2の区分202に遠位に延びるように送られる。次に、ポスト703は、組織200の反対側/面に沿って第2の区分202を通り、組織200の第1の区分201を通る。次に、ポスト区分703bは、組織200の第1の区分201からループ700に近位に延びる。したがって、デバイス100(及びしたがってポスト703の区分703a)は、近位に後退/引っ張られ、一方で係止器704(縫合糸部分702の)は、Oリング910によって保持され、ポスト703の区分703bは、ループ700に遠位に「引張り」力を加え、デバイス遠位先端部12の近傍のポスト703にループ700を配置又は解放可能にする。結び目摺動器800の組織受入れ間隙10内への位置決めにより、ループ700が組織受入れ間隙10内で解放されるのが防止される。このことは、ループがデバイスの首部15で配置し、ループが締結されるときに潰れる又は堅く締まるのを防止する。結び目摺動器800は、組織受入れ間隙10内に位置決めされるので、デバイスが後退する/引っ張られると、ループ700は結び目摺動器800から外れて縫合糸240の第1の部分701に遠位に配置し、第1の部分701は、デバイス100、即ちポスト区分703aに結合する。したがって、ループ700は、結び目720を形成するポスト区分703aに対し遠位に配置する一方で、張力はOリング910によって係止器に維持される。一例では、図23bに示すように、ループ700は、組織200からの距離dで配置する。
デバイス100が更に近位に移動すると、Oリングは、縫合糸240を張設するように更に機能して、結び目720のループ700を潰すのを支援する。デバイス100が後退するにつれて、ポスト703の区分703aは、近位に引き抜かれ、一方で張力はOリング910によって係止器704に維持される。ポスト703の区分703aの近位移動は、係止器704を保持する一方で、力F(図示せず)をループ700を形成する縫合糸240に付与し、ループ700を第1の直径から第2のより小さい直径に潰し、したがってポスト703周囲の結び目720を潰す。結び目720を潰すために縫合糸に付与した力Fは、Oリング910によって係止器704に付与したFよりも小さい。したがって、Oリング910等の保持又は張設要素は、縫合糸240の第2の部分702(係止器704を形成)を保持及び/又は規制する一方で、張力が縫合糸240の第1の部分701(ポスト703を形成)に付与され、結び目720を堅く締結する又は部分的に堅く締結する。
より具体的には、Oリング910は、係止器704の移動に抵抗を与え、係止器704が移動するのを防止し、これは結び目720を潰すのを支援する。換言すれば、Oリング910は、係止器704に対して摩擦力F等の保持力を付与する一方で、ポスト703は、張設される。結び目720は、結び目を更に潰す力がOリングによって係止器704に付与する力/張力よりも大きくなるまで潰れる。結び目720は、図23cに示すように、デバイス遠位先端部12の近傍でデバイス100に対し遠位に潰れる。デバイス100が引っ張られるとき、結び目720は、組織200に対して実質的に固定されたままであり、デバイス100は、組織200に対して近位に移動する。縫合糸の長さ部の増加は、ループ700が潰れるとループ700の長さ部lは減少するために、結び目720とデバイス遠位先端部12との間で結び目720に対して近位に観察される。Oリング910は、係止器704に十分な張力をかけて、結び目720が潰れるのを可能にするが、この張力は結び目720を係止するのに必要な力よりも小さい。
結び目720が潰れると、更なる力が結び目720を締結する又は係止するのに必要とされる。デバイス100は、近位に更に後退し、それによってポスト区分703aを後退/引っ張り、ループ700に力Fを付与する。力FがOリング910によって係止器704に付与される力Fよりも大きいとき、係止器704は解放され、潰れたループ700と、更に結び目720は図23dに示すようにポスト703に沿って遠位に摺動する。換言すれば、付与される縫合糸張力は、Oリングによって付与される摩擦力よりも大きい。これにより、係止器704をOリング910に対して遠位に移動させ、係止器704をOリング910に対して摺動させる。したがって、Oリング910等の保持又は張設要素は、結び目720が係止される又は過度に締結される若しくは堅く締まる前に第2の部分702(係止器704を形成)を解放する。より具体的には、いくつかの実施形態は、縫合糸240の係止器704を保持可能にする一方で、結び目は堅く締め、同時に、係止器704を例えば結び目が摺動するときに保持又は張設要素から自動的に解放又は引き抜き、結び目720の早期の係止、過剰な締結、又は堅く締まるのを回避する。特定例では、結び目720が摺動し始めると、係止器704はOリング910と摩擦接触でもはや保持されず、Oリングから完全に抜け出る。他の例では、係止器704は、Oリング910に対して遠位に自由に摺動又は移動できるが、処置中はOリング910によって保持される。Oリングが係止器704を解放すると、係止器704は、係止器704と、デバイス100に結合されるポスト703の区分703aの部分との間の相対移動が可能になる。ループ700は、ループ700が図23eに示すように組織200の近傍にあるまでポスト703に沿って遠位に進行し続ける。
更なる力を、結び目720を更に締結する及び/又は係止するために、例えば欠損300を近づけるために係止器704及び/又はポスト703に付与することができる。更に、係止器704及びポスト703を使用して、結び目720を更に固定するために更なる結び目を作出することができる。1つの特定例では、更なる結び目は、ハーフ・ヒッチ(half−hitches)である。特定の実施形態では、フォー・ハーフ・ヒッチ(four half−hitches)を作出する。別の例では、更なる結び目は、一つ結び又は外科結びである。1つの特定例では、更なる結び目は、ポスト又は係止器のいずれかが引っ張られて結び目を係止することができるダブル結びである。或いは、ポスト及び係止器の両方を、結び目を係止するために同時に引っ張ることができる。1つの特定例では、結び目720は、結び目を摺動式に係止する。1つの特定例では、結び目720は、ダインズ・ノットである。
ばね部材の形態の保持又は張設要素を備えるデバイスを使用して事前縛り結び目を配置する方法の代替実施形態
図24に示す事前縛り結び目を配置する方法の代替実施形態。動作に際して、デバイス100を引き抜き、組織200からのある距離で、デバイス100から外してループ700を遠位に配置する。ループ700は、デバイス100(及びしたがってポストの区分703a)が近位に進行したのと同じ距離だけ実質的に遠位に変位する。ダインズ・ノット720等の結び目を形成するループ700が配置した後、デバイス100は、近位に引っ張られ、デバイス100に結合したポスト区分703aを引き抜き、一方で係止器704は弾性部材912によって保持する。いくつかの実施形態では、力がポスト703に付与されると、ダインズ・ノット720は、ループ700が配置した組織200からの距離と実質的に同じ距離で、デバイスの近傍でデバイス100に対し遠位に潰れる。ダインズ・ノット720は、結び目を更に潰すためにポスト703に付与した力が弾性部材912によって係止器704に付与された保持力よりも大きくなるまで潰れる。この点では、結び目720は、組織の方に摺動し始め、係止器704のループYは、弾性部材912との係合から抜け出る。したがって、弾性部材912は係止器704を保持する一方で、張力がポスト703に付与されて結び目720を潰す又は堅く締めるが、弾性部材912は、結び目が係止又は過度に締結若しくは堅く締まる前に結び目720が摺動し始めると、係止器704を解放する。デバイス100は、結び目720が組織に実質的に近接する位置に摺動するまで継続して引かれる。次に、結び目720は、係止器704及び/又はポスト703に力を付与することによって係止することができる。
デバイスの説明に関して上記した代替実施形態では、係止器704等の縫合糸の第2の部分702を保持する保持又は張設要素900は、2つの連結機械部品を含むことができる。第1の機械部品は、第2の機械部品と相互作用する(即ち2つの部品は、互いに協働的に係合する)。縫合糸240は、本明細書で上記した実施形態ですでに説明したように組織に通される。次に、デバイス100を近位に引き抜いて結び目720を形成するポスト703にループ700を配置する。デバイス100を近位に更に引っ張り、結び目720を更に潰すのに必要な力が2つの機械部品の保持力よりも大きくなるときまで結び目720を潰す。したがって、上記した実施形態と同様に、保持又は張設要素900は、縫合糸240の第2の部分702を保持し、一方で張力が縫合糸の第1の部分701に付与されて結び目720を堅く締めるが、結び目が摺動されると第2の部分702を例えば自動式に、解放又は引き抜き可能にし、結び目720が早期の係止又は過剰な締結又は堅く締まるのを回避する。この例は、係止器704に結合した第1の弾性部材を備え、第1の弾性部材は、図24に示す例と同様のデバイス本体に取り付けられた第2の弾性部材に結合する。
事前縛り結び目のループを配置する代替方法は、図25〜図27に関して本明細書の以下で更に説明する。
図25aに示すいくつかの実施形態では、一部又は全部事前縛り結び目のループ700は、シャフト16の一部分に形成される。ループ700は、デバイス・シャフト16に組み付けた保持又は張設要素900に遠位に形成される。一例では、保持又は張設要素は、Oリング910を備える。本明細書の上記で説明したように、ループ700から延在する縫合糸240の第1の部分701は、ポスト703を形成し、ポストは区分703a及び703bを備える。第2の部分702はループ700から延在するが、係止器704を形成する。すでに説明した実施形態と同様に、デバイス100は、縫合糸を組織200に通すために使用される。縫合糸240は、第1の組織区分201及び第2の区分202に通され、次に、デバイスは近位に引き抜かれ、一部事前縛り結び目のループ700を図25bに示すようにポスト703を越えて配置又は解放可能にし、組織200からのある距離で結び目720を形成する。ポスト703は、デバイスに接続され、組織を通して遠位に、且つループ700に戻って近位に延在するので、ポスト区分703aが近位に後退する/引っ張られると、ポスト区分703bを遠位に引っ張り、ループ700をデバイスから外して遠位に引っ張り、結び目720を形成する。ループ700を形成する縫合糸の一部分240の長さ部は、lと示す。
デバイスを更に引き抜くと、ポスト区分703aは引っ張られ、ポスト703を張設し、一方で、Oリング910の形態の保持又は張設要素900は、係止器704を規制する。Oリングは、係止器704を摩擦係合し、ポスト703の張力がループ700、したがって結び目720を潰すことを可能にする。より具体的には、ポスト区分703aが組織200に対して近位に引っ張られると、ポスト区分703a及び係止器704のそれぞれにおいて長さの増加が観察される。長さの増加は、結び目720とデバイス遠位先端部12との間で結び目720に近位で見られ、実質的にループ700の直径又は長さlの減少の結果である。図25cに示すように、潰れた結び目720に対し近位である、ポスト区分703a及び係止器704に現在見られる余分な縫合糸240は、ループ700を本来形成する縫合糸の長さlと全体的には実質的に等しく、703a及び704のそれぞれに対してl/2と示す。したがって、まとめると、デバイス100が近位に引っ張られると、デバイス100はループ700を潰し、したがって結び目720を部分的に堅く締める(図25d、25eにも示す)。結び目720は、遠位に潰され、デバイス100の遠位先端部に実質的に近接する。ループ700は、Oリング910が係止器704の移動に抵抗しなくなるまで潰れ続ける。
結び目を潰すのに関与する機構を図26a及び図26bで更に説明する。デバイス100が後退するにつれて、ポスト区分703aはデバイス100と共に後退する。ポスト区分703aが後退する力をF(図示せず)と示す。係止器704を保持するためにOリングによって付与される力をFと示す。ポスト区分703aが近位に後退する/引っ張られると、結び目720に付与される力Fを生じ、この力は、保持又は張設要素900によって係止器704に付与される摩擦力Fよりも小さい。これにより、図26a及び図26bに示すように、ポスト703が結び目720を潰すのを可能にする。結び目が潰れると、より大きな力が結び目を締結するのに必要になり、最終的にはポスト703によって付与されるFは、保持又は張設要素900によって付与されるFよりも大きくなる。次に、係止器704は、保持又は張設要素900から解放され、結び目720はポスト703に沿って遠位に摺動する。デバイス100は、結び目720が組織に実質的に近接する位置に摺動するまで後退/引っ張られる/引き抜かれる。したがって、上記した実施形態と同様に、保持又は張設要素900は、係止器704を保持し、一方で張力はポスト703に付与され、結び目720を堅く締めるが、結び目が摺動すると係止器704を例えば自動的に、解放又は引き抜き可能にし、結び目720の早期の係止又は過度の締結又は堅く締まるのを回避する。結び目720が組織200に近接する位置に摺動すると、縫合糸240の張力は、組織の第1の区分701及び第2の区分702を例えば組織内の欠損の近くに近づけることを可能にする。結び目720は、係止器704及び/又はポスト703を引っ張ることにより締結することができる。更なる結び目を、結び目720を更に固定するために結び目720の上部に形成してもよい。
上記した実施形態と同様に、別の実施形態を図27aに示す。部分結び目のループ700は、シャフト16の部品、又は摺動器800’等のシャフト16に組み付けた部品等、デバイス100の一部分を越えて位置決めするか、又はデバイス100の一部分の周囲に保管する。ループ700から延在する縫合糸240の第1の部分及び第2の部分は、ループ700に対して近位にデバイス・シャフト16に位置決めした保持若しくは張設要素又は張力器900の下に送られ、デバイス100のハンドル内等のデバイス近位部分14内に保管することができる。縫合糸240の第1の端部及び第2の端部は、ポスト703及び係止器704をそれぞれ形成し、ポスト703は、区分703a及び703bを備える。デバイス100は、すでに説明した実施形態と同様に、欠損300周囲の組織200の第1の区分201及び第2の区分202に縫合糸を通すために使用することができる。次に、デバイス100を、部分結び目のループ700がポストを越えて/その周りで位置決めされるように後退させる/引っ張る/引き抜き、図27bに示すように結び目720を完成させる又は形成する。特定例では、摺動器800’等、ループ700が組み付けられる部品は、デバイスの遠位端部に位置決めされるまで摺動し、ループ700は、現在ポスト703を越えて位置決めされ、結び目720を形成する。デバイス100は、ループがデバイス100の遠位端から外れて、デバイス100に対して遠位にポスト703上で配置するように更に引っ張られる。すでに上記したようにデバイスを更に引くと、ポスト区分703aは引っ張られ、ポスト703は結び目720に力を付与する結果となり、一方で保持又は張設要素900は、係止器704に張力を維持するか、又は係止器704を引っ張って結び目を堅く締める。これにより、図27cに示すように結び目720の堅く締まる又は潰すことを可能にする。デバイスが更に後退するにつれて、ポスト703によって付与される力は、張設又は保持要素900によって係止器704に付与される力Fよりも最終的に大きくなる。係止器704は、解放され、結び目720は、組織200の方に下に摺動し始める。したがって、上記した実施形態と同様に、保持又は張設要素900は、係止器704を保持し、一方で結び目720を堅く締め、同時に、結び目が摺動すると係止器704を保持要素から解放又は引き抜き可能にし、結び目720の早期の係止又は過剰な締結若しくは堅く締まるのを回避する。係止器は、張設又は保持要素を介して完全に引っ張ることができる。結び目720が組織200の方に摺動するとき、縫合糸240は、図27dに示すように欠損300を近づけるように組織200の第1の区分201及び第2の区分202に張力をかける。1つの特定例では、縫合糸に結合することができる縫合糸結び目250(縫合糸を通すのを支援する)は、デバイス・シャフト16に留まることができ、一方でポスト703は器具から分離する。
様々な深さ選択及び連結機構の使用方法
手動針解放ボタン及び手動深さ選択器に関するデバイス100の使用方法は、本明細書の上記で説明したとおりである。
手動針解放ボタン
上記したように、スタイレットは、一連の手順の間、様々な量だけ針を越えて前進する。様々な連結及び深さ選択特徴部(スタイレット319を針116から分離させて様々な距離に前進可能にする)は、すでに上記した様々な方法で具現することができる。手動針解放ボタンの特定実施形態は、デバイスの動作に関して更に説明する。デバイス100の機構の詳細は、図1aを参照して更に説明する。トリガ218は、スタイレット・ハブ430のギア・ラック434と協働的に係合するギア部分220を有し、ギア・ラック434は、デバイス100のハンドルによって画成した室140内で摺動することができる。トリガ218は、ばね付勢機構等の付勢機構に結合する。トリガ218は、ニュートラル位置にあるとき、ばねは付勢力に抗して保持される。トリガが作動すると(図4aにも示す)、トリガ218のギア部分220は、ばね付勢力に抗する力を更に加えるギア・ラック434を前進させる。スタイレット・ハブ430は、ギア・ラック434と共に遠位に移動し、針ハブ130(その初期位置600Aにおけるボタン600によってスタイレット・ハブ430に結合)をハンドル室に対して遠位に移動させる。更に、針116は、針ハブ130と共に前進する。
針は、組織穿刺部材として機能し、一例では、針116が前進すると、針116が部位P1で組織200を穿刺するのを可能にする。すでに述べたように、図2bの実施形態では、スタイレット319は、針116内に収容され、更に部位P1で組織200を通る。スタイレット319は、縫合糸通し部材として機能し、結び目250を有する縫合糸240は、スタイレット319を使用して組織に通す。縫合糸結び目250は、スタイレット先端部に隣接して位置決めされ、スタイレット先端部が前進するときにスタイレット先端部によって遠位に搬送される。針116は、更に前進すると、遠位先端部12で縫合糸保持器316の近位面に当接し、トリガ218は、図2cによって更に図示するように作動することができない。次に、針解放ボタン600を押圧し(図4bに示すように位置600Bに)、針ハブ130をスタイレット・ハブ430から分離可能にする。これにより、トリガ218を更に押圧可能になり、スタイレット・ハブ430を針ハブ130に対して遠位に移動させる。これにより、スタイレット319が縫合糸保持器316内に受け入れられるように、スタイレット・ハブ430が遠位に前進可能になり、縫合糸保持器316に縫合糸結び目250を納置する。
図2dを参照すると、スタイレット319は、結び目250が縫合糸保持器316に結合するように、縫合糸結び目250を納置するのに必要な所定距離に遠位に前進する。縫合糸保持器316は、縫合糸結び目250を保持する縫合糸保持部品を備える。図4a〜図4gは、縫合糸240を組織201の第1の区分に通すのを可能にする、針116に対するスタイレット319の選択的前進に関するデバイス100の動作を示す。本発明の方法(上記で説明)によれば、次に、デバイス100は、再位置決めして次に、縫合糸240を図3a〜図3dに示すように組織202の第2の区分に通すのを可能にする。トリガ218は、再作動して針116が縫合糸保持器316と当接するまで再前進させることができる(図3b)。上記した機構と同様に、針解放ボタン600は、位置600Bに再度押圧して、干渉ブロック601からの遮断を取り除き、スタイレット・ハブ430を前進可能にすることができる。次に、スタイレット319は、縫合糸結び目250を納置するのに必要な所定距離よりも更に遠位に前進し、それによりスタイレット319は、スタイレット319と共に縫合糸保持器316を後退させるために縫合糸保持器316に結合する(図3c〜図3d)。したがって、図2d及び図3cからわかるように、本発明のこの特定実施形態では、トリガの第1の作動時、スタイレット319は、最初に特定距離を前進して、結び目250等の縫合糸部分を縫合糸保持器316に納置する(図2d)。更に、トリガの第2の作動時(欠損のもう一方の側でデバイスを再位置決めした後)、次に、スタイレット319は、より大きな距離を前進して縫合糸保持器316を捕捉する(図3c)。トリガ218を作動するときにスタイレット319が前進する距離を変動可能にするために、本発明の特定実施形態は、図5a、図5b及び図6a〜図6eに示す深さ選択機構(深さ選択器)500を提供する。
手動深さ選択器
ここで、デバイス100の機構を深さ選択器500を参照して説明する。図5a〜図5eは、デバイス100の動作を示し、深さ選択器500(深さ選択又は調節機構とも呼ぶ)を使用することで、スタイレット319を組織の第1の領域に前進させ、縫合糸保持器316内に結び目250を納置し、その結果、スタイレット319は、縫合糸通し部材として機能する。更に、図6a〜図6hは、デバイス100の動作を示し、深さ選択器500を使用することで、スタイレット319を更に前進させ、縫合糸保持器316を組織200の第2の領域を通して取り出し、その結果、スタイレットは、縫合糸保持器取出し部材として機能する。本発明のデバイスの一実施形態に関して述べたように、図5a及び図5bは、その第1の/初期若しくは開始位置又は深さ設定500Aにおける深さ選択器500を示し、ハンドル・ハウジングに対する深さ選択又は調節機構500の開始及び最終(トリガ作動後)場所を示す。本方法によれば、デバイスは、トリガ218を作動する前に図2a〜図2dに示す欠損300に組織受入れ間隙10の組織201の第1の区分を受け入れるように位置決めすることができ、それにより、縫合糸240を穿刺部位P1に近接した組織に通すことができる。ここで図5dを参照すると、深さ選択器500は、最初に第1の位置又は初期深さ設定500Aであり、タブTがスタイレット・ハブ近位部分432に隣接して位置決めされるように位置決めする。したがって、タブTは、スタイレット・ハブ近位部分432に対して遠位に位置決めされる。トリガを作動して針116及びスタイレット319を前進させると、針解放ボタン600が上記で説明したように押圧される。ボタン600は、その初期位置600Aから600B(図示せず)に移動して、スタイレット319が針116よりも更に進行可能にする。初期深さ設定500Aでは、タブTは、スタイレット・ハブ近位部分432の遠位表面と針ハブ130との間に位置決め又は収容され、スタイレット・ハブ近位部分432が更に前進するのを防止し、針ハブ130と面一に位置決めされる。したがって、ハンドル室140内でスタイレット・ハブ430が遠位に進行するのは、タブTによって作出した干渉により制限され、スタイレット・ハブ近位部分432がハンドル室140の遠位端から距離Y2(図5b)で位置決めされることになる。これは、スタイレット319を縫合糸保持器316(例えば、捕捉部416)内に延在可能にし、それにより、スタイレットの遠位部分のみ、及びしたがって縫合糸結び目250が図2dに示すように縫合糸保持器316を通される。したがって、スタイレット319を縫合糸通し部材として機能可能にする。スタイレット319は、縫合糸保持器316に結合せず、トリガ218が解放されたとき自由に戻ることができる。
図5eは、図2e及び図2fに関して上記したステップを示し、トリガ218は解放され、スタイレット319を後退可能にする一方で、縫合糸結び目250を遠位先端部12で捕捉部416と係合したままにする。縫合糸結び目250を組織部位P1に通して納置した後、トリガ218を後退すると、スタイレット・ハブ430は近位に移動可能になり、トリガ218を更に後退することで、針解放ボタン600がその第1の又は元の位置600Aに戻ることができ、図5eに示すように、針ハブ130をスタイレット・ハブ430に再係合させる。更に詳細には、トリガが解放されると、スタイレット・ハブ430は近位に移動し、ばね605は、その非圧縮状態に戻り、針ハブ130がスタイレット・ハブ近位部分432に対して名目上の距離で離間可能にする。換言すれば、図5eでは、針ハブ130及びスタイレット・ハブ430の両方は、トリガ作動前に図5cで占めていた位置と実質的に同じ位置に戻る。すでに、ボタン600は、それを押し付けるスタイレット・ハブ430によって押圧位置600Bに保たれている。スタイレット・ハブが後退すると、スタイレット・ハブは、ボタン600を押さなくなる。次に、スタイレット319は、針116を再係合させ、ボタン600をその第1の位置600A(ばね負荷ボタン600でばね603がその非圧縮状態に跳ね返って戻るので)に移動させ、次に、スタイレット及び針116の両方は、近位部分14内のそれらの初期位置に一緒に自動的に後退することができる。
図3aによれば、デバイス100は、回転することができ、調節したデバイス100の位置により、縫合糸240を欠損300のもう一方の側で第2の組織区分を通して引き抜き可能にする。例えば、欠損300を実質的に封止するために、縫合糸240は、穿刺部位P2に近接する組織に通すことができる。ここで、図6aに示すように、深さ選択器をその第2の位置又は深さ設定500Bに設定することができる(図4c及び図4eにも示す)。
図6bを参照すると、トリガが作動され、スタイレット319及び針116をそれらの初期位置から再前進させ、それにより針116が欠損のもう一方の側における穿刺部位P2で組織を穿刺する。すでに概説したように、針116は、遠位先端部12で縫合糸保持器316に当接するまで前進させる。図6cに示すように、次に、針解放ボタン600を押圧し、それにより第1の位置600Aから第2の位置600Bに移動する。これによりスタイレット319を針116から分離させ、スタイレットをデバイス遠位先端部12で縫合糸保持器316内に前進可能にし、図6dに示し、且つ図3cを参照してすでに上記したように、縫合糸保持器316を係合する。したがって、スタイレット319を縫合糸保持器取出し部材として機能させることができる。図6aに示すように、深さ選択器500をその第2の深さ設定500Bに作動すると、スタイレット319が、図2d及び図5bを参照して上記した位置に対して更に遠位である第2の遠位位置(例えば第2の所定遠位位置)に前進可能になり、スタイレット319を縫合糸保持器316に係合又は結合可能にする。
図6eに示すように、深さ選択器500は、深さ選択器500に対して横向きの力Fを付与することによってその第2の位置内に移動することができ、それにより深さ選択器の突起部501をスタイレット・ハブ内の第2の凹み503内に移動させ、深さ選択器がその第2の位置500Bに留まるのを可能にする(反力が付与され、深さ選択器をその第1の位置に戻すまで)。図6eを参照すると、深さ選択器500の深さ設定500Bがその第2の位置にあるとき、深さ選択器500のタブTは、スタイレット・ハブ近位部分432の遠位表面と針ハブ130との間にもはや位置しない。この位置では、深さ選択器タブTは、針ハブ130に対するスタイレット・ハブ430の前進に対して干渉しない。換言すれば、タブTは、スタイレット・ハブ430の進行経路に対して外部に位置する。スタイレット・ハブ430が針ハブ130に対してハンドル室140内で前進すると、スタイレット・ハブ430が遠位に進行する距離は、深さ選択器500によって制限されない。代替実施形態では、第2のトリガ作動中、スタイレット319は2度前進し、スタイレット・ハブ430が進行する距離は、深さ選択器500によって制限することができる。これにより、スタイレット・ハブ近位部分432を針ハブ130の近位表面に対して面一に位置決め可能にし、即ちスタイレット・ハブ近位部分432は図6fに示すようにハンドル室140内で針ハブ130に対して最大に進行する。したがって、図6gに示すように、第2の深さ設定500Bを使用すると、スタイレット・ハブ近位部分432は、第1の深さ設定500Aを使用する距離Y2と比較してハンドル室140の遠位端からのより近い距離Y1で位置決めされることになる。これにより、スタイレットは更に前進可能になり、スタイレット319が縫合糸保持器316(捕捉部416等)内に延在させ、それによりスタイレット319は、図3cに示すように縫合糸保持器316を係合する。
ここで図6hを参照すると、トリガ218が解放されると、ばね付勢機構等の、トリガ218に結合した付勢機構は、スタイレット・ハブ430のギア・ラック434を自動的に付勢してハンドル室140内に近位に移動させる。次に、スタイレット319は、トリガ218が解放されると後退し、縫合糸保持器316をスタイレット319に沿って後退可能にする(図3dに関してすでに説明したように)。
図3dに関する上記のように、デバイス100の遠位先端部12は、受入れ室12Bを画成する。受入れ室12Bは、その中に縫合糸保持器316を受け入れる。縫合糸保持器316は、縫合糸保持器316を遠位先端部12に解放可能に結合する係合特徴部を備える。これの1つの特定例では、縫合糸保持器316は、まず、縫合糸保持器316を係合するワイヤ20を使用して受入れ室内に固定する。ワイヤ20は、図6hに示すワイヤ停止部18に取り付けることができる。ワイヤ20は、ワイヤ停止部18を引っ張ることにより取り外すことができ、縫合糸保持器316を受入れ室12Bと分離可能にする。これにより、トリガ218の解放時に縫合糸保持器316を後退可能にする(図6h)。
本明細書で上記した可聴フィードバック生成機構を有する自動深さ選択器と共に自動針解放ボタンを使用する方法。
可聴フィードバック生成機構を有する自動深さ選択器
深さ選択器500’の代替実施形態を図6m〜図6xを参照して説明する。深さ選択器500’は、第1の移動距離及び第2の移動距離それぞれのスタイレット319の移動が完了したときを示す可聴フィードバックを生成する更なる機構を備える。トリガの第1の作動中、スタイレット・ハブ近位部分432は、遠位に移動し、それに結合した深さ選択器500’が遠位に移動可能になる。図6nに示すように、深さ選択器500’の下側アーム507は、偏向可能であり、タブ510が制御リブ1403(テーパ区分1403tを含む)の上側表面1403aに沿って載るにつれて撓む。したがって、下側アーム507は、その非偏向位置から偏向位置に移動する。これとは反対に、上側アーム508は、撓まず、その初期位置に留まることもできる。一例では、上側アーム508は、スタイレット・ハブ近位部分432と接触し、アーム508の上方移動を制限する。
スタイレット・ハブ近位部分432及び深さ選択器500’が更に前進すると、下側アーム507のタブ510は、図6oに示すように針ハブ130と接触する停止部509の直前で制御リブ1403の端部に到達する。下側アーム507のタブ510が制御リブ1403の端部を越えて前進すると、アーム507は、図6pに示すその非偏向初期位置に跳ね返って戻る。アーム507は、その初期位置に偏向して戻るので、クリック・リブ1404とぶつかり、それゆえ「クリック」音をたてる。「クリック」音は、スタイレット319等の縫合糸通し要素のその所望の移動距離への移動が完了したことを示す。例えば、「クリック」は、スタイレットが縫合糸を縫合糸保持器に通して納置可能にするような距離をスタイレット319が前進したことを示す。図6qに示すように(部品は図6pに示すのと同様の位置である)、上側アーム508の停止部509は、針ハブ130と接触し、したがってスタイレット・ハブ近位部分432が更に前進又は遠位移動するのを制限する。図6rに示すように、トリガを解放すると、スタイレット・ハブ430は、その初期/開始位置に向かって近位に後退する。深さ選択器500’がスタイレット・ハブ430と共に後退すると、下側アーム507のタブ510は、クリック・リブ1404の近位端部に沿って、且つそれを越えて摺動し、次に、制御リブ1405の上側表面1405aに沿って案内される。次に、下側アーム507のタブ510は、深さ選択器500’を下方に枢動する制御リブ1403と係合する。テーパ区分1403tに沿った制御リブ1403の下側表面1403bは、更に、下側アーム507のタブ510を下に案内する/強制的に下げることができ、したがって深さ選択器500’をその第2の位置内に案内/強制的に偏向又は枢動する。図6sに示すように、トリガの解放時にスタイレット・ハブ430が完全に後退した後、深さ選択器500’は、現在その第2の位置にあり、トリガの第2の作動の準備ができている。深さ選択器500’は、針ハブ130と接触しないように下方に回転しており、スタイレット・ハブ430の移動を妨害/制限しない。
トリガを再度作動させてスタイレット・ハブ430を前進させると、深さ選択器500’は、案内又は制御リブ1405の下側表面1405bに当接又は係合するまで、図6tに示すように遠位に移動させた下側アーム507のタブ510と共に依然として第2の位置にある。下側アーム507のタブ510が、制御リブ1405の下側表面1405bのテーパ部分の下に/に沿って載ると、図6uに示すように、下側アーム507が撓む一方で、上側アーム508は撓まず、その位置に留まる。上側アーム508の位置は、スタイレット・ハブ430と接触させて維持する。下側アーム507が撓むと、上側アーム508及び下側アーム507は互いから離れて押される。下側アーム507のタブ510が制御リブ1405の端部に到達すると、下側アーム507は、その非偏向位置にはね戻り、図6vに示す「クリック」音を出すクリック・リブ1406とぶつかる。「クリック」音は、スタイレット319等の縫合糸保持器取出し部材のその所望移動距離への移動が完了したことを示す。そのような実施形態では、アーム507及びリブ1406は、縫合糸通し部材が所望量だけ前進したという表示をもたらす特徴の部品であると理解することができる。例えば、「クリック」は、スタイレット319が、スタイレット319が縫合糸保持器と係合可能になるような距離に前進したことを示し、スタイレット318が後退するときに、スタイレット318と共に縫合糸保持器を引き抜き可能にする。図6vに示すように、トリガの第2の作動中、深さ選択器500’は、針ハブ130と接触せず、スタイレット・ハブ430を更に移動可能にし、このスタイレット・ハブ430は、スタイレットを更に前進可能にし、縫合糸保持器と係合させる。スタイレット・ハブ430の移動は、図6vにも示すワイヤ引き器1801によって制限される。次に、トリガは解放され、スタイレット・ハブ430を後退可能にし、深さ選択器500’をスタイレット・ハブ430と共に後退可能にする。図6w及び図6xに示すように、深さ選択器500’は、後退する際に制御リブ1405及び1403によって案内され、深さ選択器500’の第2の位置に枢動して戻るのを可能にする。
現在上記した深さ選択器と共に、自動針解放ボタンを使用する方法。
トリガの第1の作動中、スタイレット・ハブ430が遠位に移動すると、針ハブ130を図6nに示す位置に対して遠位に移動可能にする。スタイレット・ハブ430のランプ402’は、図6n(i)に示す針ハブ130に結合したボタン600’のランプ602’を係合し、針ハブ130を遠位に押し進める。ボタン600’のフック604’は、ここで、図6n(ii)に示すタブ1408を越えて位置決めされる。
トリガを更に作動すると、針ハブ130に結合した針は、組織抵抗と遭遇する場合がある。いくつかの実施形態では、抵抗は、針がデバイスの遠位端で縫合糸保持器に当接するときに観察されることがある。これにより、スタイレット・ハブ430のランプ402’がランプ602’を図6o(i)に示す針ハブ130に押圧する。タブ1408は針解放ボタン600’のフック604’が後退するのをもはや防止せず、針解放ボタン600’は、図6o(i)及び図6o(ii)に示すその押圧又は第2の位置600B’に移動する。スタイレット・ハブ430及び針ハブ130は互いに分離し、もはや動作的に結合しない。図6o、図6p及び図6qに示すように、これによりスタイレット・ハブ430が針ハブ130に対して前進可能になり、一方で針解放ボタン600’をその押圧位置600B’に保持する。これは、針解放ボタン600及び針ハブ130を過ぎるスタイレット・ハブ430のランプ402’の移動に関する、図6q(i)及び図6q(ii)に更に示される。いくつかの実施形態では、これによりスタイレットを移動可能にし、デバイスの遠位先端部における縫合糸保持器内に縫合糸を納置する。次に、トリガは解放され、スタイレット・ハブ430が近位に後退又は移動可能になる。図6r、図6r(i)及び図6r(ii)に示すように、スタイレット・ハブ430が後退すると、スタイレット・ハブ430は針解放ボタン600’を押圧しなくなり、これにより、針解放ボタン600’がその名目位置600Aに戻ることが可能になる。針ハブ130及びスタイレット・ハブ430は再度結合する。図6s、図6s(i)及び6s(ii)に示すように、次に、スタイレット・ハブ430及び針ハブ130は更に近位に移動する。この近位移動の間、針解放ボタン600’のフック604’は、図6s(ii)に示すハウジング14’のタブ1408下に載り、ボタン600’はその名目位置600Aに留まる。
トリガの第2の作動時、スタイレット・ハブ430は再前進する。スタイレット・ハブ430のランプ402’と針解放ボタン600’(針ハブ130に結合)のランプ602’との間の相互作用により、スタイレット・ハブ430及び針ハブ130を一緒に前進可能にする、又は強制的に前進させる。針解放ボタン600’のフック604’は、タブ1408を越えて前進するまでタブ1408の下に載る。図6t、図6t(i)及び図6t(ii)に示すように、フック604’はタブ1408を越えて位置決めされ、トリガの更なる作動によりスタイレット・ハブ430が針解放ボタン600’をその第2の又は押圧位置600B’内に押圧する。いくつかの実施形態では、これは、針が遭遇する抵抗の結果であり、前進することはできない。これにより、針ハブ130がスタイレット・ハブ430から分離し、スタイレット・ハブ430を針ハブ130に対して前進可能にする。トリガを更に作動すると、スタイレット・ハブ430は、すでに図6u及び図6vで示し、図6v(i)及び図6v(ii)で更に示すように、針ハブ130に対して更に前進する。1つの特定の実施形態では、スタイレット・ハブ430は前進して、スタイレットが遠位先端部で縫合糸保持器を係合するのを可能にし、スタイレットと共に縫合糸保持器を後退可能にする。次に、トリガが解放されると、スタイレット・ハブ430及び針130は、ユニットとして一緒に後退する。針解放ボタン600’は、依然として押圧位置600B’にあり、針解放ボタン600’のフック604’は、図6w及び更に図6w(i)及び図6w(ii)に示すように、タブ1408の上に載る。トリガを完全に解放すると、図6xに示すように、スタイレット・ハブ430及び針ハブ130は、近位に後退しており、スタイレットは、後退するときに縫合糸保持器を近位に引き抜く。針解放ボタン600’は、依然としてその押圧又は第2の位置600B’にある。
図6m〜図6xに関して上記した実施形態のいくつかでは、図示したばねは、非圧縮状態で示されるが、当業者には公知であるように、ばねは、それぞれの部品間で圧縮されることになる。
縫合糸を遠位先端部に通し、縫合糸捕捉部を使用して縫合糸を捕捉する代替実施形態
本発明の代替実施形態によれば、縫合糸を通す方法であって、デバイス近位部分から遠位先端部に縫合糸を通して遠位先端部の中に保持し、縫合糸保持器を使用して縫合糸を捕捉する一方で、縫合糸保持器を遠位先端部から取り出すことを含む方法を開示する。動作に際して、デバイス100は、欠損を有する組織の一領域内に位置決めされる。デバイスは、第1の組織区分がデバイス100の組織受入れ間隙10内に位置決めされるように位置決めする。縫合糸240は、図20Bに示すように針116内、例えば切欠き部117内に保持することができ、次に針116を前進させて縫合糸240を第1の組織区分に通すことができる。スタイレット319は、針内に更に収容でき、針116と共に縫合糸240を捕捉部2016内に摺動させるように使用することができる。一例では、図20Cに破線で示すように、スタイレット319は、針116よりも更に遠位に前進させて、遠位先端部12のスロット2040a及び捕捉部2016のスロット2042aの両方に縫合糸240を通すことができる。次に、スタイレット319は、スタイレット319が遠位先端部12の弾性タブ2040cに縫合糸240を押し進めるように更に移動させることができる。次に、針116及びスタイレット319を後退させることができる。縫合糸240は、遠位先端部12内のスロット2040b内に保持され、結び目250は、遠位先端部12の外側表面に載置される。結び目は、スロット2040bによって画成する開口よりも大きくすることができ、縫合糸240が遠位先端部12から分離するのを防止するのに役立つ。縫合糸240は、図20Cに示す2つのセットのタブ2040c及び2042cとの間に保持される。或いは、針116は、捕捉部2016内に受け入れられるようなサイズであってもよく、タブ2040cを通して遠位先端部12のスロット2040b内に縫合糸240を押し進めるのに使用でき、縫合糸240は針内の切欠き部を通して送られる。
次に、デバイス100は、第2の組織区分が組織受入れ間隙10内に受け入れられるように再位置決めすることができる。針116内に収容した針116及びスタイレット319の両方は、第2の組織区分に前進させることができる。針116は、捕捉部2016に当接するまで長手方向に移動することができる。次に、スタイレット319は、捕捉部2016と係合するように捕捉部2016に更に前進させることができる。この点での縫合糸240は、2つのセットのタブ2040cとタブ2042cとの間に保持される。縫合糸240は、タブ2040cに遠位に、タブ2042cに近位に位置決めされる。次に、スタイレット319を後退させ、スタイレット319と共に捕捉部2016を引っ張ることを可能にする。捕捉部2016が後退すると、捕捉部2016の遠位先端部12に対する移動により、縫合糸240は第2のセットのタブ2042cに通され、捕捉部2016のスロット2042b内に入る。スタイレット319、及びしたがって捕捉部2016は、更に後退し、縫合糸240は、第1のセットのタブ2040cを通って分離する又は抜け出る/押し分けて通り、スロット2040a内に移動する。したがって、縫合糸240は、ここで捕捉部2016のスロット2042b内に保持又は捕捉され、図20Eに示すように遠位先端部12から分離している。次に、スタイレット319、捕捉部2016、及びしたがって縫合糸240は、第2の組織区分を通って更に引き抜かれる。したがって、縫合糸340は、欠損周囲の第1の組織区分及び第2の区分両方を貫通している。欠損は、結び目を配置して締結し、縫合糸の2つの端部を縛ることによって近づけることができる。他の実施形態では、デバイス遠位先端部のスロット2040は、1対のタブ2040cを備えなくてもよい。1つのそのような実施形態では、縫合糸240は、すでに説明したように、デバイス近位部分から第1の組織区分を通って遠位先端部12に通される。縫合糸240は、スタイレット319を使用して捕捉部2016の1対のタブ2042cに縫合糸240を通すことによって遠位先端部12に結合し、捕捉部2016は、遠位先端部12に結合する。次に、すでに説明したように、捕捉部2016は、スタイレット319を使用して遠位先端部12から分離、後退して、縫合糸240を第2の組織区分に通すことができる。
上記で説明した本発明の実施形態は、例示を目的とするにすぎない。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定することを意図する。
明確にするために個別の実施形態の文脈で説明した本発明の特定の特徴を、単一実施形態で組み合わせても実現できることは了解されよう。反対に、簡潔にするために単一実施形態の文脈で説明した本発明の様々な特徴を個別に、又はあらゆる適切な部分組合せで実現することもできる。
本発明を本発明の特定の実施形態と共に説明してきたが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者に明らかであることは明白である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の広範な範囲内にある全てのそのような代替形態、修正形態及び変形形態を包含することを意図する。本明細書で言及した全ての刊行物、特許、特許出願は、各個別の刊行物、特許、特許出願が具体的且つ個別に参照によって本明細書に組み込まれるように示されるのと同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。更に、本出願におけるあらゆる引用文献の引用又は識別情報は、そのような引用文献が本発明に対する従来技術として利用可能であることの承認として解釈すべきではない。
12 遠位先端部
14 近位部分
16 シャフト
100 デバイス
116 針
218 トリガ
240 縫合糸
316 縫合糸保持器
319 スタイレット
416 捕捉部
432 近位部分
500 深さ選択器

Claims (20)

  1. 組織の一領域に縫合糸を通す縫合糸通し器であって:
    縫合糸の一部分を中に保持する近位部分;
    前記近位部分に結合し、前記近位部分との間に組織受入れ間隙を形成する遠位先端部;
    前記遠位先端部に着脱可能に結合する縫合糸捕捉部;
    前記縫合糸部分を前記デバイス近位部分と前記縫合糸捕捉部との間に移動させるように、前記近位部分内に保持された往復移動可能な縫合糸通し部材;及び
    前記縫合糸通し部材を往復移動させるトリガ
    を備える縫合糸通し器であり;
    前記トリガの第1の作動時、前記縫合糸通し部材は、前記縫合糸部分を前記縫合糸捕捉部と係合させる第1の所定位置まで遠位に前進するように構成され;及び
    前記トリガの第2の作動時、前記縫合糸通し部材は、前記縫合糸捕捉部を係合する第2の所定位置まで遠位に前進するように構成された、縫合糸通し器。
  2. 第1の構成及び第2の構成を有する深さ選択器を更に備える、請求項1に記載の縫合糸通し器であって、前記深さ選択器は、前記第1の構成では、前記トリガの前記第1の作動時に前記縫合糸通し部材を前記第1の所定位置に前進可能にし、前記深さ選択器は、前記第2の構成では、前記トリガの前記第2の作動時に前記縫合糸通し部材を前記第2の所定位置に前進可能にする、縫合糸通し器。
  3. 前記深さ選択器は、前記縫合糸通し部材の移動距離を制御する手動深さ選択器を有する、請求項2に記載の縫合糸通し器。
  4. 前記深さ選択器は、前記第1の構成では、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉し、
    前記深さ選択器は、前記第2の構成では、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉しない、請求項3に記載の縫合糸通し器。
  5. 前記深さ選択器は、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉する干渉部品を備え、
    前記深さ選択器の前記第1の構成において、前記干渉部品は、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉し、
    前記深さ選択器の前記第2の構成において、前記干渉部品は、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉しない、請求項3または請求項4に記載の縫合糸通し器。
  6. 前記深さ選択器の前記干渉部品は、タブを備え、
    前記深さ選択器の前記第1の構成において、前記タブは、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉し、
    前記深さ選択器の前記第2の構成において、前記タブは、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉しない、請求項に記載の縫合糸通し器。
  7. 前記深さ選択器は、前記縫合糸通し部材の移動距離を制御する自動深さ選択器を有する、請求項2に記載の縫合糸通し器。
  8. 前記深さ選択器は、前記第1の構成では、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉し、
    前記深さ選択器は、前記第2の構成では、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉しない、請求項7に記載の縫合糸通し器。
  9. 前記深さ選択器は、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉する干渉部品を備え、
    前記深さ選択器の前記第1の構成において、前記干渉部品は、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉し、
    前記深さ選択器の前記第2の構成において、前記干渉部品は、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉しない、請求項7または請求項8に記載の縫合糸通し器。
  10. 前記深さ選択器の前記干渉部品は、タブ、停止部、またはアームを備え、
    前記深さ選択器の前記第1の構成において、前記タブ、前記停止部、または前記アームは、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉し、
    前記深さ選択器の前記第2の構成において、前記タブ、前記停止部、または前記アームは、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉しない、請求項9に記載の縫合糸通し器。
  11. 前記深さ選択器は、前記停止部を有するアームを備える、請求項10に記載の縫合糸通し器。
  12. 前記深さ選択器は、前記第2の構成に自動的に移動可能である、請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の縫合糸通し器。
  13. 前記深さ選択器は、前記トリガの前記第1の作動時に、前記第2の構成に自動的に移動可能である、請求項7から請求項12のいずれか一項に記載の縫合糸通し器。
  14. 前記深さ選択器は、前記トリガの前記第1の作動後、前記トリガの解放時に、前記第2の構成に自動的に移動可能である、請求項7から請求項13のいずれか一項に記載の縫合糸通し器。
  15. 前記深さ選択器は、前記自動深さ選択器を有し、
    前記第1の構成において、前記深さ選択器は、第1の位置にあり、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉し、
    前記第2の構成において、前記深さ選択器は、第2の位置にあり、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉しない、請求項7から請求項14のいずれか一項に記載の縫合糸通し器。
  16. 前記自動深さ選択器は、前記自動深さ選択器が前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉しない前記第2の構成に自動的に移動するように枢動する、請求項7から請求項15のいずれか一項に記載の縫合糸通し器。
  17. 前記深さ選択器は、前記自動深さ選択器を有し、
    前記深さ選択器の前記第1の構成において、前記タブ、前記停止部、または前記アームは、第1の位置にあり、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉し、
    前記深さ選択器の前記第2の構成において、前記タブ、前記停止部、または前記アームは、第2の位置にあり、前記縫合糸通し部材の完全な前進を干渉しない、請求項10または請求項11に記載の縫合糸通し器。
  18. 前記自動深さ選択器は、可聴フィードバック生成のための機構を備え、
    前記可聴フィードバックは、前記第1の所定位置および前記第2の所定位置それぞれへの前記縫合糸通し部材の移動が完了したこと示す、請求項7から請求項17のいずれか一項に記載の縫合糸通し器。
  19. 可聴フィードバック生成のための前記機構は、タブを有する偏向可能アームと制御リブとを備え、
    前記偏向可能アームは、前記トリガの前記第1の作動時および前記第2の作動時の間、前記偏向可能アームの偏向位置内に移動することができ、その後、前記縫合糸通し部材の前記第1の所定位置および前記第2の所定位置へのそれぞれの移動が完了したこと示すために、前記偏向可能アームの非偏向位置に移動することができ、前記タブを有する前記偏向可能アームが前記制御リブにぶつかるのを可能にする、請求項18に記載の縫合糸通し器。
  20. 前記自動深さ選択器は、下側アームおよび上側アームを備え、
    前記上側アームは、前記停止部を備え、前記下側アームは、前記可聴フィードバック生成のための前記偏向可能アームを備える、請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の縫合糸通し器。
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