以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
<第1の実施例>
本実施例では、本発明を適用した投影装置の説明を行なう。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例の全体構成を説明する。図1(a)は、プロジェクタによって画像を部屋の壁に投影表示する構成を示す斜視図である。
100a、bは、夫々同一のプロジェクタであり、夫々の異なる方向を向いている様子を表す。以降、100にa、bといった符号を付記する場合は、符号に示される位置にあるプロジェクタであることを示す。また、100に、a、bといった符号を付記しない場合は位置に関わらない説明であることを示す。プロジェクタ100は、部屋の天井に接続されて設置されており、回転可能に構成されている(詳細は後述する)。プロジェクタ100は、不図示の信号源から入力された画像信号を光学的に投射し、部屋の壁面に投影画像101a、bとして表示させる。プロジェクタ100aの場合には投影画像101aが紙面に向かって左の壁に投影表示され、プロジェクタ100bの場合には投影画像101bが紙面に向かって右の壁に投影表示される。また、部屋内には使用者102が存在する。使用者102は、リモートコントローラとしての操作端末103を所持し、投影方向の変更のための回転指示等、プロジェクタ100の操作を操作端末103経由で行なうことができる。
図1(b)は、プロジェクタ100の斜視図である。プロジェクタ100は、部屋の天井と接続するための接続部104と、画像を投射する本体部105とから構成される。ここで、天井や床と平行であり、プロジェクタ100の正面方向をX軸、X軸と垂直な方向をY軸(紙面の左右方向)、接続部104と平行であり部屋内の鉛直方向をZ軸(紙面の上下方向)とする。詳細は後述するが、接続部104と本体部105は、回転可能に接続されており、本体部105は、Y軸周り、Z軸周りに回転可能である。ここで、Y軸周りの回転をチルト、Z軸周りの回転をパンと呼ぶ。このように2軸の回転が可能であるため、例示した投影画像101a、b以外にも、部屋内の様々な場所に向き、投影可能となっている。また、プロジェクタ100は、光を投射するための投影部205と、同じ方向を撮像するカメラ208を有する(詳細は後述する)。
<プロジェクタの詳細構成>
次に、プロジェクタ100の内部のブロック構成を、図2を用いて説明する。
プロジェクタ100を構成する本体部105は以下から構成される。
200は、制御部である。制御部200は、マイクロコンピュータから構成され、プロジェクタ100全体を制御する。制御部200の動作については後述する。
201は、バスである。バス201を介し、制御部200は、プロジェクタ100内の各部と通信可能である。
202は、映像入力部である。映像入力部202は、不図示の信号源から画像信号を入力し、後段の回路が処理できる形式に画像データを変換し、画像処理部203に対し出力する。
203は、画像処理部である。画像処理部203は、映像入力部202から受信した画像データに対し、制御部200の指示に従い、画像処理を行なう。画像処理部203は、画像処理として、ゲインやオフセット、ガンマ補正といった階調変換処理、フレーム間引き処理、フレーム補間処理、解像度変換処理、画像合成処理、幾何学補正処理(キーストン補正処理、曲面補正)、パネル補正等を実行可能である。特に、画像処理部203は、画像合成処理として、制御部200から指示された画像を出力画像に重畳することができる。それにより、例えば、使用者にプロジェクタ100に対して設定を行なってもらうためのメニュー画像を投影画像中に重畳表示することが可能となる。更に、画像処理部203は、制御部200からの指示に従った画像を出力することも可能である。画像処理部203は、処理後の画像データを、後述するパネル駆動部204に出力する。
204は、パネル駆動部である。パネル駆動部204は、入力された画像データを、後述する液晶パネル223上に像を形成させるための駆動信号に変換し、液晶パネル223に出力する。
205は、投影部である。投影部205は、後述する光源221や、液晶パネル223等を含む。投影部205により、光源221からの光は、液晶パネル223で変調されて、紙面右方向のプロジェクタ100外部に投射され、画像として投影表示される。
206は、ROMである。ROM206は、不揮発性のメモリであり、制御部200が動作するためのプログラムコードやデータが格納されている。また、ROM206は、プロジェクタ100が動作するために必要なデータを記憶する。
207は、RAMである。RAM207は、揮発性のメモリであり、制御部200が動作するためのワークメモリとして使用される。
208は、カメラである。カメラ208は、プロジェクタ100の投影表示方向を撮像することで、投影画像及びその周辺の撮像画像を得ることができる。カメラ208は、制御部200から指示を受けることで、撮像を行ない、得られた撮像画像データを制御部200に送信する。
209は、通信部である。通信部209は、不図示のケーブルを介した有線通信モジュールや、無線通信モジュールから構成される。通信部209により、外部機器との間でデータを送受信する通信が可能である。それにより、外部の機器から入力画像を受信することや、プロジェクタ100に対する指示を受信することが可能である。特に、後述する操作端末103から操作に応じた信号を受信することで、使用者の操作指示を受け付けることができる。
210は、天井に固定された接続部104に対して、本体部105を回転させるためのアクチュエータである。アクチュエータ210は、バス201経由で制御部200からの指示に従い、Y軸(紙面に垂直な軸)周りのチルト回転と、Z軸(紙面の上下方向の軸)周りのパン回転との動作をさせることが可能である。
次いで、プロジェクタ100の操作のための操作端末103について、引き続き図2を用いて説明する。操作端末103は、プロジェクタ100から分離されて構成され、使用者からの操作指示を入力されて、その操作指示を、端末側通信部211を介して、無線通信でプロジェクタ100に送信する。
操作端末103には、使用者からの操作指示を入力するための、電源釦212、メニュー釦213、上釦214、下釦215、左釦216、右釦217、決定釦218を持たせてもよい。
また、操作端末103に、表示部219を持たせて、使用者にメニュー画像を提示するようにしてもよい。更に、表示部219を例えば静電容量方式のタッチセンサを有するように構成させて、使用者のタッチ操作による操作指示を受け入れてもよい。
続いて、図3を用いて、投影部205の詳細構成を説明する。
220は、光源制御部である。光源制御部220は、バス201経由で受信する制御部200の指示に従い、後述する光源221のオン/オフを制御や光量の制御をするものである。
221は、光源である。光源221は、画像の投影、若しくは、照明のための光を発する。光源221には、高圧水銀ランプやハロゲンランプ、レーザ光源を用いることができる。
222は、照明光学系である。照明光学系222は、複数のレンズからなり、光源221からの光を均一化、平行光化して、後述する液晶パネル223を照明するためのものである。
223は、液晶パネルである。液晶パネル223上には、パネル駆動部204で生成された駆動信号により像が形成される。液晶パネル223としては、透過型液晶パネルや、反射型液晶パネルを用いることができる。
224は、光学系制御部である。光学系制御部224は、バス201経由で受信する制御部200の指示に従い、後述する投影光学系225の投影画像の拡大、縮小、焦点調整、レンズシフトなどの制御するためのものである。また、投影光学系225からの投射光を超広角化するための魚眼レンズを光路に挿入するように制御するようにしてもよい。
225は、投影光学系である。投影光学系225は、液晶パネル223で変調された光を外部に投影するためのものである。投影光学系225は、複数のレンズ、レンズ駆動用のアクチュエータからなり、レンズをアクチュエータにより駆動することで、投影画像の拡大、縮小、焦点調整、レンズシフトなどを行うことができる。また、投射光を超広角化するための魚眼レンズ、及び、魚眼レンズを光路内外に移動させるアクチュエータを有するように構成してもよい。
226は、拡散制御部である。拡散制御部226は、バス201経由で受信する制御部200の指示に従い、後述する拡散部227の拡散度合いを制御するものである。
227は、拡散部である。拡散部227は、投影光学系225から出力された光を拡散、或いは、透過させるためのものであり、例えば、印加する電圧に応じて拡散、透過を制御可能な高分子分散型液晶を用いることができる。また、投射光を拡散させるための拡散板、及び、拡散板を光路内外に移動させるアクチュエータを有するように構成してもよい。この場合は、拡散板を光路内に配置すると投射光が拡散して外部に照射され、拡散板を光路外に配置すると投射光がそのまま外部に投射されることになる。
<プロジェクタの基本的な動作フロー>
次に、プロジェクタ100の基本的な動作フローについて説明する。
プロジェクタ100に不図示の電源ケーブルにてAC電源が供給されると、制御部200、ROM206、RAM207、通信部209に電源が供給され、制御部200は起動し待機状態となる。ここで、使用者から起動指示があったことを制御部200が検知すると、制御部200は、プロジェクタ100の各部の起動処理を行なう。具体的には、各部に電源を供給するように制御を行ない、映像入力部202、画像処理部203、パネル駆動部204、アクチュエータ210、光源制御部220、光学系制御部224、拡散制御部226が動作可能にように設定を行なう。次いで、制御部200は、光源221を発光させ、不図示の冷却ファンを作動させる。これにより、プロジェクタ100は、映像入力部202から入力された画像の投影表示が開始されるようになる。また、制御部200は、画像処理部203の初期設定時には、画質調整値の初期値を画像処理部203に与える。また、制御部200は、拡散制御部226の初期設定時には、拡散部227を透過状態にするように指示する。なお、起動指示の例としては、本体部105の不図示の電源スイッチの押下、通信部209経由で検知した操作端末103の電源釦212の押下や表示部219のタッチ操作、通信部209経由で受信した他の制御装置の制御コマンド等を用いることができる。
ここで、以降、拡散部227が透過状態であり、画像が投影表示されている状態を投影モードと呼ぶ。また、拡散部227が拡散状態であり、投影部205から拡散した光が出力されている状態を照明モードと呼ぶ。
起動中に、制御部200は、使用者からゲイン調整やオフセット調整、ガンマ調整といった画質調整指示を受信すると、対応する画像処理を画像処理部203に指示する。
起動中に、制御部200は、使用者から明るさの調整といった光源調整指示を受信すると、対応する処理を光源制御部220に指示する。
起動中に、制御部200は、使用者からズーム比調整、フォーカス調整といった投射調整指示を受信すると、対応する処理を投影光学系225に指示する。
起動中に、制御部200は、使用者から照明モードへの切り替え指示を受信すると、拡散制御部226に対し、拡散部227に投射光を拡散させるように指示を出す。更に、制御部200は、画像処理部203に白ラスター画像を出力するように指示を出す。これにより、プロジェクタ100は、白い光が投影部205から拡散されて出力される状態(照明モード)となる。なお、投影部205の光路上に可動のミラーを設けることで、光源221からの光を選択的に、液晶パネル223に入射させるか、ミラーにより別の光学系に導き未変調の光を投射するようにしてもよい。こうすれば、照明モード時には白ラスター表示をしなくとも、未変調の光を投射すればよい。
起動中に、制御部200は、使用者から投影モードへの切り替え指示を受信すると、拡散制御部226に対し、拡散部227に投射光を透過させるように指示を出す。更に、制御部200は、映像入力部202から入力された画像に対して画像処理して出力するように指示を出す。これにより、プロジェクタ100は、画像が投影部205から投影表示される状態(投影モード)となる。
なお、以上に示した使用者からの各種指示としては、本体部105の不図示のスイッチ押下や、通信部209経由で受信する操作端末103の操作指示、通信部209経由で受け付けるその他の制御装置の制御コマンドを用いることができる。
起動中に、使用者から終了指示があったことを制御部200が検知すると、制御部200は、プロジェクタ100の各部の終了処理を行なう。具体的には、制御部200は、光源221に指示を出し発光を停止させ、プロジェクタ100各部の電源をシャットダウンさせて、制御部200、ROM206、RAM207、通信部209のみ電源が供給される状態とする。これにより、制御部200は待機状態に戻る。なお、終了指示の例としては、本体部105の不図示の電源スイッチの押下、通信部209経由で検知した操作端末103の電源釦212の押下や表示部219のタッチ操作、通信部209経由で受け付けた他の制御装置の制御コマンド等を用いることができる。
<プロジェクタの特徴的な動作フロー>
次に、プロジェクタ100の特徴的な動作フローについて、図4を用いて説明する。
起動中に、制御部200は、使用者から、操作指示を受け付けると図4のフローを開始する。
S100にて、制御部200は、受け付けた操作指示に基づき、投影方向を変更するか判定する。この判定は、画像処理部203が重畳しているメニュー画像と、それに対する使用者の操作指示との対応により、判定してもよい。
例えば、メニュー画像が重畳表示されていない状態で、操作端末103のメニュー釦213の押下があった場合、制御部200は、それをメニュー表示指示と判定する。即ち、投影方向の変更はしないと判定する。
例えば、メニュー画像が重畳表示されている状態に、操作端末103のメニュー釦213の押下があった場合、制御部200は、それをメニュー消去指示と判定する。即ち、投影方向の変更はしないと判定する。
例えば、メニュー画像が重畳表示されている状態に、操作端末103の上釦214か下釦215の押下があった場合、制御部200は、それをカーソル移動指示と判定する。即ち、投影方向の変更はしないと判定する。
ここで、メニュー画像の一例として図5(a)について説明する。500aは、メニュー画像の一例である。メニュー画像500aには、複数の設定項目が存在し、カーソル501aによって、何れかの設定項目を選択可能となっている。この例では、パン調整を行なうための設定項目502a、チルト調整を行なうため設定項目503bの2つの設定項目が存在する。
例えば、メニュー画像500aが重畳表示されている状態で、カーソル501aが設定項目502aの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを左パン指示、右パン指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、メニュー画像500aが重畳表示されている状態で、カーソル501aが設定項目503aの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを上チルト指示、下チルト指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
このような判定を行ない、投影方向の変更をすると判定した場合はS103に遷移し、しないと判定した場合にはS101に遷移する。
なお、以上のような釦押下という操作指示は一例に過ぎず、他の操作指示を受信してもよい。例えば、通信部209経由で、操作端末103や不図示の外部機器から、直接パンやチルトの移動量といった制御コマンドを受けるようにしてもよい。更に、その場合には、操作端末103や不図示の外部機器にて、図5で示したメニュー画像を表示するようにし、プロジェクタ100ではメニュー画像の表示を省略するようにしてもよい。
S101にて、制御部200は、現在の動作モードが照明モードであるか判定する。照明モードであれば、本フローを終了する。投影モードであれば、S102に遷移する。
S102にて、制御部200は、S100で判定した操作指示に基づき、新規生成したメニュー画像の重畳指示、カーソル位置を変更したメニュー画像の重畳指示、或いは、メニュー画像の消去指示を、画像処理部203に対して行なう。この後、本フローを終了する。
一方、S103にて、制御部200は、現在の動作モードが照明モードであるか判定する。照明モードであれば、S108に遷移する。投影モードであれば、S104に遷移する。
S104にて、制御部200は、動作モードを低照度モードに変更する。低照度モードとは、投影モードに比べて、投射光の照射箇所において減光処理されて、より低照度になるようなモードである。
低照度モードに切り替える処理の第一の例として、制御部200は光源に対して、出力する光量を低減させる指示をしてもよい。これにより、投影モードに比べて、投射光の光束が少なくなり、結果として低照度となる。
低照度モードに切り替える処理の第二の例として、制御部200は画像処理部203に対して、階調値に1.0未満のゲインを掛ける画像処理を行なうよう指示してもよい。これにより、液晶パネル223から出力される光量が少なくなり、投影モードに比べて、投射光の光束が少なくなり、結果として減光され、低照度となる。
低照度モードに切り替える処理の第三の例として、制御部200は拡散制御部226に対して、拡散部227が投射光を拡散させるように指示してもよい。これにより、投影部205から出力される光が、投影モードに比べて広範囲に拡散することになり、結果として減光され、低照度となる。
低照度モードに切り替える処理の第四の例として、制御部200は光学系制御部224に対して、投影光学系225のズームレンズがワイド端になるように指示してもよい。これにより、投影部205から出力される光が、投影モードに比べ、より広い画角で投射されることになり減光され、結果として低照度となる。
低照度モードに切り替える処理の第五の例として、制御部200は光学系制御部224に対して、投影光学系225でデフォーカスさせるように指示してもよい。これにより、投影部205から出力される光が、投影モードに比べ、より拡散されて投射されることになり、結果として減光され、低照度となる。
低照度モードに切り替える処理の第六の例として、制御部200は光学系制御部224に対して、投影光学系225で魚眼レンズを光路上に配置させるように指示してもよい。これにより、投影部205から出力される光が、投影モードに比べ、より広い画角で投射されることになり、結果として減光され、低照度となる。
なお、本発明は、以上の例に限定されない。以上の例の2つ以上の組み合わせであってもよい。また、低照度モードを、前述の照明モードと同じ制御にしてもよい。また、低照度モード時の照度が、直前までの投射モードでの照度より低くなるようなモードであれば、どのようなものであっても低照度モードとして適用できる。
S105にて、制御部200は、S100で判定した操作指示に基づき、アクチュエータ210に対し、パン、チルトの駆動指示を行なう。
S106にて、制御部200は、S100で判定した操作指示が継続しているか判定する。例えば、S100から、引き続き、操作端末103の左釦216、或いは、右釦217が押下され続けているなら、操作指示が継続していると判定する。操作指示が継続しているなら、S105に戻る。継続していないなら、S107に遷移する。
S107にて、制御部200は、投影方向の変更が終了したと判断し、S104での各部への指示を終了させる指示を行なうことで、低照度モードから投影モードに戻すようにする。この後、本フローは終了する。
一方、S103にて現在の動作モードが照明モードであると判定された場合、S108からのフローが実施される。
S108は、S105と同様の処理を行なうステップである。
S109にて、制御部200は、S106と同様の判定を行なう。操作指示が継続しているなら、S108に戻る。継続していないなら、本フローは終了する。
図4のフローでは、投影方向の変更期間の全部が、投影する光を減光して低照度の状態になるが、変更期間の一部(例えば変更操作の最初の数秒間)は高照度の状態であるが、さらにそれ以上の期間、変更操作が継続した場合に、低照度の状態にしてもよい。
<プロジェクタの投影方向変更時の挙動>
使用者が操作端末103を使って、メニュー画像500等を操作し、プロジェクタ100の投影方向を変更した場合の斜視図を図6に示す。
図6(a)は、S104で説明した、低照度モードの第一及び第二の例での挙動を示す図である。この図は画像表示中の投影画像を、101aから101bに移動させるため、プロジェクタ100に対して、投影方向の変更指示した例を示している。投影方向の変更期間の中で、プロジェクタ100cの向きに達した時点の投影画像が、101cである。このとき、移動開始時にはプロジェクタ100は投影モードであるため、S103の判定はNoとなり、S104の処理が実施されることになる。即ち、投影モード時の光に比べ、投射される光束が少ないため、低照度の光が照射される。そのため、使用者に投影部205からの光が照射されるものの、眩しさの低減ができるとともに、部屋内を暗黒状態、若しくは、それに近い状態にしてしまうことを防ぐことができる。
図6(b)は、S104で説明した、低照度モードの第三から第六までの例での挙動を示す図である。この図は、画像表示中の投影画像を、101aから101bに移動させるため、プロジェクタ100に対して、投影方向の変更指示した例を示している。投影方向の変更中、プロジェクタ100dの向きに達した時点の投影画像が、101dである。このとき、移動開始時にはプロジェクタ100は投影モードであるため、S103の判定はNoとなり、S104の処理が実施されることになる。即ち、投影モード時の光に比べ、拡散、或いは、広角化された光が投射されるため、低照度の光が照射される。そのため、使用者に投影部205からの光が照射されるものの、眩しさの低減ができるとともに、部屋内を暗黒状態、若しくは、それに近い状態にしてしまうことを防ぐことができる。
<その他の変形>
なお、以上、投影方向の変更形態として、パン、チルトの例を説明したが、本発明はそれに限定されない。投射画面が移動する形態であればどのような変更形態であっても、本発明を適用できる。例えば、ロール回転(図1(b)のX軸周りの回転)であってもよい。その場合は、アクチュエータ210をX軸周りの回転を可能とする構成としてもよい。また、プロジェクタ100が、天井と平行にスライドする変更形態であってもよい。その場合は、配線ダクトやレールといった部材と接続部104が接続する構成としてもよい。
なお、光源の出力や画像の階調を低減させることで投射光の明るさを低減させる方法を説明したが、その他の方法を適用することもできる。例えば、投影部205内の何れかの光路上にアイリスや液晶等の調光部材を持たせ、それにより光を低減させてもよい。
<第2の実施例>
実施例1を変形した構成においても、本発明を適用可能である。実施例1との差分を説明する。
<プロジェクタの特徴的な動作フロー>
実施例1で説明した制御部200の特徴的なフローを図7のように変形する。以下、共通点の説明を省きながら、変形点を中心に説明する。
S200、S201、S202、S203、S204、S205は、夫々、S100、S101、S102、S103、S108、S109と対応しており、同様の処理を行なうため、説明を省略する。ただし、S203に関しては、現在の動作モードが照明モードでなかった場合に、S206に遷移するように変形する。
S206にて、制御部200は、必要に応じて、メニュー画像を更新して画像処理部203に重畳指示を行なう。例えば、メニュー上、パンやチルトの変更量の表示を行なうようにしてもよい。
S207にて、制御部200は、RAM207にカウンタ変数を用意し、0をセットする。
S208にて、制御部200は、S200で判定した操作指示に基づき、アクチュエータ210に対し、パン、チルトの駆動指示を行なう。
S209にて、制御部200は、S106と同様の判定を行なう。操作指示が継続しているなら、S210に戻る。継続していないなら、本フローは終了する。
S210にて、制御部200は、RAM207に用意したカウンタ変数に1を加算する。
S211にて、制御部200は、カウンタ変数の値が所定値N以下であるか判定する。N以下であれば、S208に遷移する。そうでなければ、S212に遷移する。
S212にて、制御部200は、カメラ208に撮像指示を行ない、投影方向の撮像画像を得る。撮像画像の例を図8に示す。800は、撮像画像である。撮像画像800は、投影画像101より広角に部屋内を撮像したものである。制御部200は、撮像画像800の中から、パンやチルトの方向に基づいた領域にて、人間の顔が含まれているかを検知する。例えば、左方向のパンをしている場合には撮像画像800の中で、投影画像101より左側の領域801に人間の顔が含まれているか検知する。例えば、右方向のパンをしている場合には撮像画像800の中で、投影画像101より右側の領域802に人間の顔が含まれているか検知する。例えば、上方向のチルトをしている場合には撮像画像800の中で、投影画像101より上側の領域803に人間の顔が含まれているか検知する。例えば、下方向のチルトをしている場合には撮像画像800の中で、投影画像101より下側の領域804に人間の顔が含まれているか検知する。結果、人間の顔が検出されなかった場合には、S204に遷移する。そうでなければ、S213に遷移する。
S213、S214、S215、S216は、夫々、S104、S105、S106、S107と対応しており、同様の処理を行なうため、説明を省略する。
本例によれば、実施例1と同様に、使用者に投影部205からの光が照射されるものの、眩しさの低減ができるとともに、部屋内を暗黒状態、若しくは、それに近い状態にしてしまうことを防ぐことができる。
更に、人間が投影方向の変更方向にいる場合のみ、低照度モードに変えることができる。
更に、本実施例によれば、パンやチルトをしばらく継続した後に(カウンタ値がNを越えてから)、低照度モードに代わる挙動となる。そのため、パンやチルトの微調整をする場合に、低照度モードにならず微調整の利便性が向上する。
なお上記実施例では、人感手段として、撮影手段により得られた画像を解析することで人の存在を判定したが、赤外線センサなど他の人感センサに基づき、人の存在を判断してもよい。
<第3の実施例>
実施例2を変形した構成においても、本発明を適用可能である。実施例2との差分を説明する。
<プロジェクタの特徴的な動作フロー>
実施例2で説明した制御部200の特徴的なフローを図9のように変形する。以下、共通点の説明を省きながら、変形点を中心に説明する。
S200を変形してS300とする。本実施例では、実施例2と表示されるメニュー画像が異なるため、メニュー画像が異なることによる差異について説明する。本実施例で表示するメニュー画像を図5(b)に示す。500bは、メニュー画像の一例である。メニュー画像500bには、複数の設定項目が存在し、カーソル501bによって、何れかの設定項目を選択可能となっている。この例では、パンの粗調整を行なうための設定項目502b、パンの微調整を行なうための設定項目503b、チルトの粗調整を行なうための設定項目504b、チルトの微調整を行なうための設定項目505bの4つの設定項目が存在する。
前述したように、メニュー釦213や上釦214、下釦215の押下に基づく、メニュー表示指示、メニュー消去指示、カーソル移動指示があった場合には、投影方向の変更はしないと判定する。
一方、例えば、カーソル501bが設定項目502bの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを、時間当たりの変更量の多い、左パン指示、右パン指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501bが設定項目503bの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを、時間当たりの変更量の少ない、左パン指示、右パン指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501bが設定項目504bの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを、時間当たりの変更量の多い、上チルト指示、下チルト指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501bが設定項目505bの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを、時間当たりの変更量の少ない、上チルト指示、下チルト指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
このような判定を行ない、投影方向の変更をすると判定した場合はS203に遷移し、しないと判定した場合にはS201に遷移する。
S301、S302、S303、S304は、夫々、S201、S202、S203、S206と対応しており、同様の処理を行なうため、説明を省略する。ただし、S304の遷移先をS305とする。
S305にて、制御部200は、S200で判定した操作指示に基づき、モード切替すべき設定項目があるか判定する。具体的には、時間当たりの変更量が多いパン、チルト設定(設定項目502b、504bに対応する)であれば、モード切替すべきと判定して、S306に遷移する。一方、時間当たりの変更量が少ないパン、チルト設定(設定項目503b、505bに対応する)であれば、モード切替すべきでないと判定して、S311に遷移する。
S306、S307、S308、S309、S310、S311、S312は、夫々、S212、S213、S214、S215、S216、S204、S205と対応しており、同様の処理を行なうため、説明を省略する。
なお、上記の「変更量の多い」「変更量の少ない」の判定は、操作メニューの種類によって切り替えるものだけでなく、所定量との比較に基づき決定するようにしてもよい。
また、変更量の絶対値に基づき、「多い」「少ない」を判定する以外に、単位時間当たりの変更量に基づき判定してもよい。そして、単位時間当たりの変更省が所定量よりも大きいか少ないかで、変更量の多い」「変更量の少ない」の判定するようにしてもよい。
本例によれば、実施例1と同様に、使用者に投影部205からの光が照射されるものの、眩しさの低減ができるとともに、部屋内を暗黒状態、若しくは、それに近い状態にしてしまうことを防ぐことができる。
更に、本実施例によれば、パンやチルトの微調整時には低照度モードにならず微調整の利便性が向上する。
<第4の実施例>
実施例3を変形した構成においても、本発明を適用可能である。実施例3との差分を説明する。
<プロジェクタの特徴的な動作フロー>
実施例3で説明した制御部200の特徴的なフローを次のように変形する。以下、共通点の説明を省きながら、変形点を中心に説明する。
S300を次のように変形する。本実施例では、実施例3と表示されるメニュー画像が異なるため、メニュー画像が異なることによる差異について説明する。本実施例で表示するメニュー画像を図5(c)に示す。500cは、メニュー画像の一例である。メニュー画像500cには、複数の設定項目が存在し、カーソル501cによって、何れかの設定項目を選択可能となっている。この例では、パンの調整を行なうための設定項目502c、チルトの調整を行なうための設定項目503c、水平レンズシフトの調整を行なうための設定項目504cが存在する。またさらに、垂直レンズシフトの調整を行なうための設定項目505c、水平画像シフトの調整を行なうための設定項目506c、垂直画像シフトを行なうための設定項目507cの設定項目が存在する。
前述したように、メニュー釦213や上釦214、下釦215の押下に基づく、メニュー表示指示、メニュー消去指示、カーソル移動指示があった場合には、投影方向の変更はしないと判定する。
一方、例えば、カーソル501cが設定項目502cの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを左パン指示、右パン指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501cが設定項目503cの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを上チルト指示、下チルト指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501cが設定項目504cの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを左レンズシフト指示、右レンズシフト指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501cが設定項目505cの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを上レンズシフト指示、下レンズシフト指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501cが設定項目506cの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを左画像シフト指示、右画像シフト指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501cが設定項目507cの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを上画像シフト指示、下画像シフト指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
S305を次のように変形する。即ち、S300で判定した設定がパン、シフトであれば、制御部200は、モード切替すべきと判定してS306に遷移する。S300で判定した設定がレンズシフト、画像シフトであれば、モード切替すべきでないと判定してS311に遷移する。
S311を次のように変形する。即ち、S300で判定した設定がパン、シフトであれば、同様の処理を行なう。一方、S300で判定した設定が、レンズシフトであれば、制御部200は光学系制御部224に使用者の指示に基づいたレンズシフト指示を行なう。一方、S300で判定した設定が、画像シフトであれば、制御部200はパネル駆動部204に対し、液晶パネル223上に形成する画像の位置を、使用者に指示に基づいてシフトするように指示を行なう。
本例によれば、実施例1と同様に、使用者に投影部205からの光が照射されるものの、眩しさの低減ができるとともに、部屋内を暗黒状態、若しくは、それに近い状態にしてしまうことを防ぐことができる。
更に、本実施例によれば、レンズシフトや画像シフトによる、投影画像の表示位置の微調整時には低照度モードにならず微調整の利便性が向上する。
<第5の実施例>
実施例3を変形した構成においても、本発明を適用可能である。実施例3との差分を説明する。
<プロジェクタの特徴的な動作フロー>
実施例3で説明した制御部200の特徴的なフローを次のように変形する。以下、共通点の説明を省きながら、変形点を中心に説明する。
S300を次のように変形する。本実施例では、実施例3と表示されるメニュー画像が異なるため、メニュー画像が異なることによる差異について説明する。本実施例で表示するメニュー画像を図5(d)に示す。500dは、メニュー画像の一例である。メニュー画像500dには、複数の設定項目が存在し、カーソル501dによって、何れかの設定項目を選択可能となっている。この例では、パンの調整を行なうための設定項目502d、チルトの調整を行なうための設定項目503d、予めプリセットされた投影方向を設定するための設定項目504dの3つの設定項目が存在する。
前述したように、メニュー釦213や上釦214、下釦215の押下に基づく、メニュー表示指示、メニュー消去指示、カーソル移動指示があった場合には、投影方向の変更はしないと判定する。
一方、例えば、カーソル501dが設定項目502dの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを左パン指示、右パン指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501dが設定項目503dの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、それらを上チルト指示、下チルト指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。
例えば、カーソル501dが設定項目504dの位置に存在している場合に、操作端末103の左釦216、右釦217の押下があった場合、制御部200は、予めプリセットされた6つの選択肢、正面の壁、後ろの壁、左の壁、右の壁、天井、床の何れかを選択する指示と判定する。即ち、投影方向の変更をすると判定する。なお、これら選択肢には、夫々、パン、チルト、ズーム、フォーカスの変更量をセットとして予め記憶されているものとする。
S305を次のように変形する。即ち、S300で判定した設定がプリセットされた選択肢を選択するという絶対値による指定であれば、制御部200は、モード切替すべきと判定してS306に遷移する。一方、S300で判定した設定がパンやチルトの相対的な指定であれば、モード切替すべきでないと判定してS311に遷移する。
本例によれば、実施例1と同様に、使用者に投影部205からの光が照射されるものの、眩しさの低減ができるとともに、部屋内を暗黒状態、若しくは、それに近い状態にしてしまうことを防ぐことができる。
更に、本実施例によれば、パンやチルトが微調整であり、粗調整はプリセットされた選択肢を選び形式であった場合において、微調整時には低照度モードにならず微調整の利便性が向上する。