JP6631800B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置に係わり、特に、多色感熱記録シートを用いて第1の温度と第2の温度とで濃さの異なる発色印刷を行うようにした印刷装置に関する。
感熱記録シートは、サーマルヘッドからの加熱によって発色し、その加熱温度によって発色するようになっている。一方、このような感熱記録シートには、第1の加熱温度と第2の加熱温度とで発色の濃さを異ならせるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、発色の濃さとは、例えば、上述した単色の感熱記録シートにおける加熱の過程における同系色間における濃さの変化(例えば、グレー→黒)を意味するものではない。すなわち、「発色の濃い・薄い」とは、多色感熱記録シートの加熱温度の相違によって変化する発色特性上における濃い・薄いであって、設定されている温度領域に応じて変化する加熱前のシート表面の元色(例えば、白)から所定温度以上で変化しなくなる最終色に至る過程における濃淡を意味する。一例として、多色感熱記録シートでは、元色(白)から最終色(黒)に至る発色変化の中間色としては、サーマルヘッドの加熱温度が高くなるにつれて、白→黄土色→赤色→茶色→焦げ茶色→濃い灰色→黒、のような順で所謂あぶり出しのように色相が変化する。
これにより、印刷装置では、例えば、所望の色として、発色の濃い「黒」を第1の温度で発色させるとともに、発色の薄い「赤」を第2の温度で発色させることができる。
このような、多色印字(発色)を可能とする印刷装置としては、ロール状に巻回した多色感熱記録シートからなる被印字媒体を収納するロール収納部と、ロール収納部に収納した被印字媒体の巻回終端を繰り出して搬送する搬送手段と、印字データに基づいて搬送手段により搬送した被印字媒体を搬送手段と被印字媒体を挟んで対向する印字手段と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平09−050238号公報 特開2012−157986号公報
しかしながら、このような印刷装置にあっては、被印字媒体を搬送手段と印字手段とによるニップ搬送としている。したがって、印字が終わった後でも、次に被印字媒体に印字をする際のニップ搬送のために、搬送手段と印字手段との間には被印字媒体がそのまま残った状態となる。
このため、搬送手段と印字手段との間には、搬送されないままの状態で被印字媒体が残ったままの状態となってしまい、搬送手段と印字手段との間に加わる押圧力(ニップ力)によって経時的に変形したニップ跡が発生する。このようなニップ跡は、次の印字のために印字手段から熱を加えた時に、ニップ跡周辺の被印字媒体に加える熱よりも低くなってしまうという問題が発生する。
ここで、所定温度以上の加熱であれば発色がそれ以上変化しない濃い色(例えば、黒)の場合、ニップ跡への加熱温度は所定温度以上を容易に確保することができるため、濃い色での発色には問題は発生し難い。一方、中間色に発色させるために濃い色のときよりも低い温度を加える場合、ニップ跡とその周辺とに加える熱が異なってしまうと、所望の色に発色させることができず、あたかも色むらのような印字結果となってしまうという問題が生じていた。
なお、「色むら」とは、ニップ跡は被印字媒体の搬送方向に沿ってある程度の長さを有し、かつ、印字手段が被印字媒体の搬送方向と直行する全幅に対して加熱する可能性があるために被印字媒体の全幅に跨っている。このため、ある程度の長さと巾とを有するニップ跡とその前後に跨るように文字等を印字した場合、文字の発色がまばらな状態となってしまい、見掛け上の「色むら」のように見えるという意味である。また、このような「色むら」は、ニップ跡のみに限定されず、次の印字までに時間的な間が発生すればするほど、例えば、印刷装置の内部に設定した被印字媒体の搬送経路の経路中に存在する折返部や屈曲部、或は、搬送経路周辺の部品等への接触、によって被印字媒体が部分的に屈曲変形することによって、その変形部分と周辺部分とで加熱温度に差が発生摺る場合にも起こり得る。
本発明の目的は、被印字媒体の変形部で生じうる発色不良を抑制し、印刷物の美観を向上することができる印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、第1温度で第1色に発色し前記第1温度よりも低い第2温度で前記第1色よりも薄い第2色に発色可能な被印字媒体を、所定の搬送方向(排紙方向)に搬送させるための搬送手段と、印字データに基づき、前記搬送手段により搬送される前記被印字媒体を、前記第1色及び前記第2色のうち少なくとも一方に発色させた印字を形成する印字手段と、を有し、所望の印字が前記被印字媒体に形成された印刷物を作成する印刷装置であって、前記印刷物の作成動作の開始前に、前記印字データに基づき、前記被印字媒体の湾曲変形部に対し前記第2色を用いた印字が行われるか否かを判定する第1判定手段と、前記第1判定手段により、前記湾曲変形部に前記第2色を用いた印字が行われると判定されたことを契機に、前記印字データ全体を反転させて、前記搬送方向の上流側部分を下流側に位置させかつ前記搬送方向の下流側部分を上流側に位置させた反転後データとする、反転処理手段と、を有するものである。
本願発明の印刷装置では、搬送手段によって被印字媒体が搬送され、その搬送される被印字媒体に対し印字手段によって印字が形成されることで、印刷物が形成される。このとき用いられる被印字媒体は、温度の高・低によって少なくとも2色に発色可能である。すなわち、温度が高いほど濃い色彩に発色可能であり、相対的に高い第1温度では第1色(例えば黒色)に発色し、相対的に低い第2温度では第1色よりも薄い第2色(例えば中間色である赤色)に発色する。これにより、例えば印字手段から被印字媒体への加熱量を大きくすれば黒色、加熱量を小さくすれば赤色の印字を形成することができる。
このとき、上記のように搬送される被印字媒体において、何らかの理由(例えば、装置不動作時に、搬送手段としての搬送ローラとこれに対向する印字手段としてのサーマルヘッドとの間に長期間挟まれたままであった、若しくは、被印字媒体の搬送経路上流側にあるピンやガイド等に当接された)により、略U字形状若しくは略W字形状等の湾曲変形部が含まれる場合がある。このような湾曲変形部に対し上記印字形成が行われる際、その印字が上記中間色である第2色(上記の例では赤色)で形成される場合には、上記湾曲した形状により当該湾曲変形部では熱が十分に伝わらず、その周辺の部位(例えば通常の赤色)に比べて発色不良が生じて淡い色彩(例えば薄い赤色)となってしまう場合があり、色むらのような見栄えとなって美観を損ねるおそれがあった。
そこで本願発明では、第1判定手段と反転処理手段とが設けられる。第1判定手段は、印刷物の作成動作の開始前に、その時点で装置に入力されている当該印刷物作成用の印字データに基づき、被印字媒体の上記湾曲変形部に対し上記第2色の印字が行われるか否かを判定する。そしてこの判定が満たされたことを契機に、反転処理手段が、搬送方向上流側データと搬送方向下流側データとが入れ替わるように上記印字データ全体を反転させる(反転後データ)とする。
これにより、印刷物を作成するのに消費される被印字媒体の印字領域のうち、例えば、下流側に位置する上記湾曲変形部に対して第2色(赤色)の印字が形成されそれよりも上流側の部分に対して第1色の印字が形成される設定となっていた場合には、上記反転後データにおいては、下流側に位置する上記湾曲変形部に対して第1色(黒色)の印字が形成されそれよりも上流側の部分に対して第2色の印字が形成される設定となる。
同様に、例えば、上流側に位置する上記湾曲変形部に対して第2色(赤色)の印字が形成されそれよりも下流側の部分に対して第1色の印字が形成される設定となっていた場合には、上記反転後データにおいては、上流側に位置する上記湾曲変形部に対して第1色(黒色)の印字が形成されそれよりも下流側の部分に対して第2色の印字が形成される設定となる。
すなわち、以上のような印字データ全体の反転処理により、上記湾曲変形部に対する第2色の印字形成を回避することが可能となる。なお、反転処理後は上記湾曲変形部には第1色の印字形成が行われるが、上記第1色は第2色よりも高温での発色(すなわちかなり多めの加熱量が加えられている)でありもともと第2色よりも濃い色(上記の例では黒色)である。したがって、上記のような湾曲形状による伝熱の低下が多少生じたとしても視覚上の発色の色彩変化は少ない(又はほとんどない)。また、上記のような印字データ「全体」を反転処理することにより、生成された印刷物における外観上の印字内容(色彩を除く)は上記反転処理を行わない場合と変わらない。
以上の結果、本願発明によれば、被印字媒体の変形部で生じうる発色不良を抑制し、印刷物の美観を向上することができる。
本発明によれば、被印字媒体の変形部で生じうる発色不良を抑制し、印刷物の美観を向上することができる。
印刷装置の前方側上方からの外観を示す斜視図である。 印刷装置の上カバーを開放してロール状の被印字媒体を装着した状態の前方側上方からの外観を示す斜視図である。 要部の概略構成を作用的に示す説明図である。 印刷装置のブロック図である。 印刷装置の制御ルーチンの一例を示すフロー図である。 多色印字と色むらと関係を示し、(A)は濃い第1色でベタ印字した印字結果の説明図、(B)は薄い第2色でベタ印字した場合のニップ跡の色むら発生状態の印字結果の説明図である。 印字データを反転した一例の説明図である。 印字データを印字率に基づいて反転した例の説明図である。 印字データをフォントサイズで反転した例の説明図である。 印字データを反転した後の再反転した例の説明図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、図1を用いて、本実施形態の印刷装置1の外観を説明する。図1は、印刷装置1の前方側上方からの外観を示す斜視図である。なお、以下の説明において上下左右前後方向は、図1等の各図中に適宜示す矢印方向を表すものとする。
図1において、印刷装置1は、装置外郭を構成する筐体2と、筐体2の後方寄りの上面及び側面において装置外郭の一部を構成する上カバー3と、を有している。これら筐体2及び上カバー3は樹脂製である。
図2に示すように、上カバー3は、筐体2の後方中央付近を回動軸線として回動する。上カバー3は、筐体2の後方寄り上部を開閉する上カバー本体3Aと、筐体2の後方寄り左右側面を開閉する略円形状の左右一対の側面カバー部材3Bと、を有している。
上カバー本体3Aは、その左右にネジ止め等によって側面カバー部材3Bを固定している。上カバー本体3Aは、例えば、一対(図2では一方のみ図示)のヒンジ4を介して後方端部において筐体2に回動可能に連結している。これにより、上カバー3は、筐体2の内部に多色感熱記録シート材をロール状に巻回した被印字媒体ロール5を収納するロール収納部6を開閉するよう、筐体2に対し開閉可能な構造となっている。上カバー本体3Aは、被印字媒体ロール5のロール径から使用状態(残り)の確認が可能な透明な除き窓3Cと、被印字媒体ロール5の上面と圧接するロール状の弾性体からなる搬送手段としての搬送ローラ7と、を有している。被印字媒体ロール5は、両側面の中心をロール支持軸8を介してロール収納部6の内部で回転可能となっている。これにより、被印字媒体ロール5を巻回終端部側から繰り出すことが可能となっている。
筐体2の左右の両側壁(図1及び図2において一方側のみ図示)には、上方に押し上げる(又は下方に押し下げる)ことによって筐体2への上カバー3の係止を解除して、上カバー3を開放可能な状態にする解除つまみ9を設けている。また筐体2の左右一方の側方、この例では右側前方寄りの上面位置には、印刷装置1の電源スイッチ10Aと、カッタ11(後述の図3(A)を参照)によって被印字媒体ロール5のうち巻回終端側の繰り出し部分である被印字テープ5Aを切断するカットスイッチ10Bと、被印字媒体ロール5の巻回終端側を所定の長さ分だけ繰り出して被印字テープ5Aを筐体2の前面上方に設けた排出口2Aに向けて排出するフィードスイッチ10Cと、電源のON/OFF状態を認識させるためのLEDランプ10Dと、が配置されている。排出口2Aは、印字済の被印字テープ5Aをカッタ11で切断した印字ラベルL(後述の図3(A)を参照)を筐体2の内部から外部へと排出するためのものである。
搬送手段としての搬送ローラ7は、軸方向両端に設けたローラ軸7Aが上カバー本体3Aの前端部下面側に回転可能軸支されている。ローラ軸7Aの一端には搬送ローラ7を回転駆動させる動力伝達用の従動ギヤ7Bを固定している。図3(A)に示すように、上カバー3における搬送ローラ7の取付位置は、筐体2の内部であって排出口2Aの近傍に配置したカッタ11よりも被印字テープ5Aの搬送方向上流側にて印字手段としての印字ヘッド12と対向する位置にあり、上カバー3を閉じることによって、上カバー3に設けた搬送ローラ7と、筐体2に設けた印字ヘッド12とで被印字テープ5Aが挟持され、搬送ローラ7の回転によって下流へと搬送しつつ印字ヘッド12による印字が可能な状態になる。上カバー3を閉じることによって、搬送ローラ7のギアが筐体2に設けた図示しないギア列等の動力伝達系と連繋している。
印字ヘッド12は、図示しないバネ部材によって上方、すなわち、搬送ローラ7に向けて付勢した支持部材(図示せず)を介して筐体2に支持されている。一方、搬送ローラ7は上カバー3に取り付けられている。よって、解除つまみ9によって上カバー3を開放状態にすると印字ヘッド12は搬送ローラ7から離間した状態となり、上カバー3を閉じることによって、バネ部材の付勢力により印字ヘッド12は被印字テープ5Aを搬送ローラ7に押圧付勢し印字可能な状態となる。
さらに、印字ヘッド12のテープ搬送方向下流側であって排出口2Aよりもテープ搬送方向上流側には、カッタ11が位置している。尚、図3ではカッタ11は一方側(下記の可動刃)のみを図示しているが、例えば、被印字テープ5Aの長手方向(搬送方向)と略直交する切断方向(左右方向)に移動可能に配置したされた可動刃と、この可動刃と対向する固定刃とを有する平行移動式のカッタユニット、或は、互いに対向して少なくとも一方が他方側に向けて変位するギロチン式のカッタユニット等を用いることができる。
被印字テープ5Aは、図3(A)の二点鎖線の楕円で囲む部分を拡大した図3(B)に示すように、この例では3層構造となっており、基材層5a、発色層5b、オーバーコート層5cが積層されている。搬送ローラ7と印字ヘッド12との間に挟まれた被印字テープ5Aは、多色印刷時において、搬送ローラ7の回転により下流側に向けて搬送する。その際、搬送ローラ7と印字ヘッド12との間に挟まれた被印字テープ5Aは、印字ヘッド12によって、搬送ローラ7に向けて押し付けられる。
このとき、被印字テープ5Aは、オーバーコート層5cの側が印字ヘッド12に押し付けられる。つまり、発色層5bは、例えば、MCの発色層やMCYの発色層のように多層であり、オーバーコート層5cの側から所定の順で配置している。基材層5aには、貼り付け用の粘着剤層と剥離材層とを有しており、印字が完了した被印字テープ5Aがカッタ11により切断されて生成された印字ラベルLは、最終的に剥離材層を剥がすことで所定の商品等に貼り付けることができる。
なお、被印字媒体ロール5は、オーバーコート層5cが径方向内側となるように、被印字テープ5Aがロール状に巻回されて構成されている。その結果、被印字テープ5Aはオーバーコート層5cを下方とした状態で被印字媒体ロール5の上側から繰り出され、被印字テープ5Aの下側に配置した印字ヘッド12からの加熱によって発色層5bが発色して印字されるようになっている。
印刷装置1では、上カバー3を閉じた状態で搬送ローラ7が正転(図示矢印参照)すると、被印字テープ5Aが引っ張られる。これにより、被印字テープ5Aが被印字媒体ロール5から繰り出される。
その後、被印字テープ5Aは、搬送ローラ7及び印字ヘッド12との間に形成されたニップ位置まで搬送される。このとき、印字ヘッド12が駆動制御されることによって、被印字テープ5Aを構成するオーバーコート層5cの印刷面に所定の印字が行われる。その後、被印字テープ5Aが排出口2Aから排出される。そして、被印字テープ5Aがカッタ11から所定長延出された時点で、ユーザがカットスイッチ10Bを操作することによって、被印字テープ5Aがカッタ11により切断され、印字ラベルLが生成される。ユーザは印字ラベルLの基材層5aの剥離紙を剥がすことにより粘着層を露出させ、所望の部位に貼り付けて使用する。なお、具体的な印字の手順は後述する。
また、排出口2Aから被印字テープ5Aの巻回終端部を排出させる際には、例えば、被印字媒体をロール状に巻回しているため、そのロール径に応じたカール癖がついている場合がある。そこで、筐体2の少なくとも排出口2Aの近傍の内壁面には、搬送方向に沿って延びるとともに、搬送方向と直行する幅方向(左右方向)に隣接する複数のガイドリブ2aを形成している。
図4に示すように、印刷装置1は、筐体2に設けた電源スイッチ10A,カットスイッチ10B、フィードスイッチ10Cからのスイッチ信号に加え、例えば、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部端末によって作成した印字データを受信するデータ受信部21、印刷装置1を作動させるためのアプリケーションやデータ受信部21で受信した印字データを一時的に保管する記憶部22、外部電力又は内蔵電池等のバッテリから各種電子部品等に電力を供給する電力供給部23などからの入力を受ける制御部20を有する。制御部20は、例えば、ユーザの操作によって電源スイッチ10Aが投入されると、LEDランプ10Dを点灯させるとともに、搬送ローラ7、印字ヘッド12、カッタ11をそれぞれ駆動させるための搬送モータ24、加熱ヒータ25、カッタモータ26を制御する。
ところで、多色感熱記録シートは、単色感熱記録シートに比べて単価が高い。したがって、搬送ローラ7と印字ヘッド12とのニップ位置からカッタ11の切断位置までの距離Wを次の印字の際の余白としてしまうと無駄が発生してしまう。また、被印字テープ5Aは、搬送ローラ7及び印字ヘッド12とによってニップ搬送するため、次の印字の際に被印字テープ5Aの搬送を可能とするためには、ニップ状態は維持している必要がある。このため、次の印字を行うためには、余白分をできるだけ少なくするように、最大で距離Wだけ被印字テープ5Aを引き戻したうえで印字を行うのが望ましい。
一方、次の印字を開始する場合、印字ヘッド12から搬送ローラ7に向けてばね付勢されており、例えば、前の印字終了時に印字ヘッド12が余熱を有していることと相俟って、ニップ範囲Nに位置する被印字テープ5Aに湾曲したニップ跡が残ることがある。このニップ跡は経時的に強い癖のような湾曲跡として残り易いという問題が生じていた
そこで、制御部20は、受信した印字データをデータ解析部27で解析させ、その解析結果を反転判定部28で判定させ、その判定結果に応じて反転処理部29で印字データを反転させる。
この際、制御部20は、加熱ヒータ25を制御して、印字データに応じて、多色感熱記録シートである被印字テープ5Aに対して、第1温度(高温)で第1色(黒色)に発色させる場合と、第1温度よりも低い第2温度(中間温度)で第1色よりも薄い第2色(赤色)に発色させる場合とに加熱ヒータ25を制御する。これにより、制御部20は、印字データに基づき、搬送ローラ7により搬送される被印字テープ5Aに対して、第1色及び第2色のうち少なくとも一方に発色させた印字を形成するよう、加熱ヒータ25の加熱温度を制御して印字ヘッド12による印字を行わせる。
また、制御部20は、その印字動作中において、被印字媒体ロール5から被印字テープ5Aを繰り出しつつ被印字テープ5Aを搬送方向下流側に向けて送り出し搬送するよう、搬送モータ24の回転方向及び回転速度を制御する。また、制御部20は、印字開始前に、被印字テープ5Aを搬送方向上流側に距離W以下の範囲で被印字テープ5Aを搬送方向上流側に向けて引き戻し搬送するよう、搬送モータ24の回転方向及び回転速度を制御する。さらに、制御部20は、ユーザによるフィードスイッチ10Cの操作が行われている場合には、所定距離又はスイッチ操作の間、被印字テープ5Aを繰り出しつつ被印字テープ5Aを搬送方向下流側に向けて送り出し搬送するよう、搬送モータ24の回転方向及び回転速度を制御する。
さらに、制御部20は、印字データに基づく印字が終了して印字終端部がカッタ11の切断位置よりも搬送方向下流側に位置したとき、例えば、距離Wだけ搬送したとき、或は、ユーザによってカットスイッチ10Bが操作されたとき、カッタモータ26を駆動させて被印字テープ5Aをカッタ11で切断して印字ラベルLを分離させる。
このような所望の印字を被印字テープ5Aに形成して印刷物としての印字ラベルLを作成する印刷装置1の基本構成において、制御部20は、
印字ラベルLの作成動作の開始前に、印字データに基づき、被印字テープ5Aに形成されたニップ跡等の湾曲変形部に対し第2色を用いた印字が行われるか否かを第1判定手段としての反転判定部28で判定させ、反転判定部28により、湾曲変形部に第2色を用いた印字が行われると判定されたことを契機として、反転処理部29で印字データ全体を反転させて、搬送方向の上流側部分を下流側に位置させかつ搬送方向の下流側部分を上流側に位置させた反転後データとする、ものである。
具体的に、印刷装置1では、搬送ローラ7によって被印字テープ5Aが搬送され、その搬送される被印字テープ5Aに対し印字ヘッド12によって印字が形成されることで、印字ラベルLが形成される。このとき用いられる被印字テープ5Aは、温度の高・低によって少なくとも2色に発色可能である。すなわち、温度が高いほど濃い色彩に発色可能であり、相対的に高い第1温度では第1色(例えば、黒色)に発色し、相対的に低い第2温度では第1色よりも薄い第2色(例えば、中間色である赤色)に発色する。これにより、例えば、印字ヘッド12から被印字テープ5Aへの加熱量を大きくすれば黒色、加熱量を小さくすれば赤色の印字を形成することができる。
このとき、このように搬送される被印字テープ5Aにおいて、何らかの理由、例えば、装置不動作時に、搬送ローラ7とこれに対向する印字ヘッド12との間に長期間挟まれたまま(ニップされたまま)であった、若しくは、被印字テープ5Aの搬送経路上流側にあるピンやガイド等に当接された等に起因して、略Uの字形状若しくは略Wの字形状等の湾曲変形部(以下、単に「ニップ跡」と称する)が含まれる場合がある。このようなニップ跡に対し印字形成が行われる際、その印字が中間色である第2色(の例では赤色)で形成される場合には、湾曲した形状により当該ニップ跡では熱が十分に伝わらず、その周辺の部位(例えば、通常の赤色)に比べて発色不良が生じて淡い色彩(例えば、薄い赤色)となってしまう場合があり、美観を損ねるおそれがあった。
そこで本願発明では、第1判定手段と反転処理手段とが設けられる。第1判定手段は、印字ラベルLの作成動作の開始前に、その時点で装置に入力されている当該印字ラベルL作成用の印字データに基づき、被印字テープ5Aのニップ跡に対し第2色の印字が行われるか否かを判定する。そしてこの判定が満たされたことを契機に、反転処理手段が、搬送方向上流側データと搬送方向下流側データとが入れ替わるように印字データ全体を反転させる(反転後データ)とする。
これにより、印字ラベルLを作成するのに消費される被印字テープ5Aの印字領域のうち、例えば、下流側に位置するニップ跡に対して第2色(赤色)の印字が形成されそれよりも上流側の部分に対して第1色の印字が形成される設定となっていた場合には、反転後データにおいては、下流側に位置するニップ跡に対して第1色(黒色)の印字が形成されそれよりも上流側の部分に対して第2色の印字が形成される設定となる。
同様に、例えば、上流側に位置するニップ跡に対して第2色(赤色)の印字が形成されそれよりも下流側の部分に対して第1色の印字が形成される設定となっていた場合には、反転後データにおいては、上流側に位置するニップ跡に対して第1色(黒色)の印字が形成されそれよりも下流側の部分に対して第2色の印字が形成される設定となる。
すなわち、以上のような印字データ全体の反転処理により、ニップ跡に対する第2色の印字形成を回避することが可能となる。なお、反転処理後はニップ跡には第1色の印字形成が行われるが、第1色は第2色よりも高温での発色(すなわちかなり多めの加熱量が加えられている)でありもともと第2色よりも濃い色(の例では黒色)である。したがって、上述したような湾曲形状による伝熱の低下が多少生じたとしても視覚上の発色の色彩変化は少ない(又はほとんどない)。また、上述したような印字データ「全体」を反転処理することにより、生成された印字ラベルLにおける外観上の印字内容(色彩を除く)は反転処理を行わない場合と変わらない。
このように、印字データをデータ解析部27で解析したうえで、その解析結果の印字データに含まれる第2色での発色位置がニップ跡と重なる可能性があるか否かを反転判定部28で判定する。そして、重なる可能性があると判定した場合には、印字データの全体を、ニップ跡がないとしてそのまま印字を行って印字ラベルLとした場合と見掛け上の印字結果が同じ印字ラベルLとなるように、印字の開始の前後を入れ替えるように反転させる。すなわち、反転処理部29は、印字ラベルLの印字結果が搬送方向の上流側部分が下流側に位置し、かつ、搬送方向の下流側部分が上流側に位置した反転後データを生成し、この反転後データに基づいて印字を実行する。なお、印字データのすべてを反転とは、上述したように、見掛け上の印字ラベルLが反転前の状態と同じとなるということを意味し、表裏が反転するという意味を含むものではない。
以上の結果、ニップ跡で生じうる発色不良を抑制し、印字ラベルLの美観を向上することができる。
また、反転判定部28は、ニップ跡に第2色を用いた印字が行われると判定した場合には、さらにニップ跡における第2色による印字率が所定のしきい値より大きいか否かを判定する。
この場合、反転処理部29は、反転判定部28によりニップ跡における第2色の印字率がしきい値より大きいと判定した場合には印字データ全体を反転させて反転後データとし、反転判定部28によりニップ跡における第2色の印字率がしきい値以下であると判定した場合には印字データ全体の反転を行わない。
すなわち、第2色は中間色であることから発色不良による美観低下が生じやすいが、その第2色の印字となる領域の割合(印字率)が比較的小さい場合には、発色不良による悪影響も限定的にとどまり、それほど印字ラベルL全体の美観を損ねない。そこで反転判定部28は、ニップ跡における第2色の印字率が比較的大きいか(所定のしきい値より大きいか)否かを判定すると共に、判定が満たされた場合のみ反転処理を行うようにする。これにより、実質的に美観を損ねる場合に限定して、反転処理を行うことができる。
また、反転判定部28は、ニップ跡に第2色を用いた印字が行われると判定した場合に、ニップ跡における第2色の印字に、所定のフォントサイズ以下の文字が含まれるか否かを判定する。
この際、反転処理部29は、反転判定部28によりニップ跡における第2色の印字に所定のフォントサイズ以下の文字が含まれると判定した場合には印字データ全体を反転させて反転後データとし、反転判定部28によりニップ跡における第2色の印字に所定のフォントサイズ以下の文字が含まれないと判定した場合には印字データ全体の反転を行わない。
すなわち、第2色は中間色であることから発色不良による美観低下が生じやすいが、その第2色の印字が比較的大きいフォントサイズの文字である場合には、発色不良による悪影響があっても視覚的に文字を読み取れる可能性高く、それほど印字ラベルL全体の美観を損ねない。そこで反転判定部28は、ニップ跡における第2色の印字文字が比較的大きいか(所定のフォントサイズより大きいか)否かを判定すると共に、判定が満たされた場合のみ反転処理を行うようにする。これにより、実質的に美観を損ねる場合に限定して、反転処理を行うことができる。
なお、反転判定部28は、反転処理部29による反転後データに基づき、ニップ跡に対し第2色を用いた印字が行われるか否かを再度判定してもよい。そして、反転判定部28の再判定によりニップ跡に対し第2色を用いた印字が行われると判定したことを契機に、カッタ11及び印字ヘッド12を連携して制御し、被印字テープ5Aのうちニップ跡の搬送方向上流側部分を切断すると共に、その切断部位よりも搬送方向上流側に、印字データ又は反転後データによる印字を形成することができる。
すなわち、被印字テープ5Aの印字領域の、ニップ跡に対して第2色(例えば、赤色)の印字、それよりも上流側又は下流側の部分に第1色(例えば、黒色)の印字が形成されるような印字データの場合、反転処理を行うことで美観低下を防止できる。
しかしながら、例えば、被印字テープ5Aの印字領域の、ニップ跡に対しても、それよりも上流側又は下流側の部分に対しても、第2色(例えば、赤色)の印字が行われる場合には、反転処理を行った後の反転後データにおいても、ニップ跡に対して第2色の印字形成が行われることとなるため、結果的に美観低下を回避できない。
そこで、反転判定部28により、反転後データにおいてもニップ跡に対して第2色の印字形成が行われると判定した場合には、制御部20がカッタ11及び印字ヘッド12を制御して、被印字テープ5Aのうちニップ跡の上流側部分を切断すると共に、その切断部位よりも上流側に、もともとの印字データ(又は反転後データでもよい)による印字を形成する。これにより、被印字テープ5Aのうちニップ跡には印字形成が行われずに切断除去されるとともに、除去された部分の上流側に(湾曲形状の影響のない)印字形成を行って印字ラベルLを作成することができる。この結果、印字ラベルLの美観を確実に向上することができる。
次に、このような第1〜第4判定手段を兼用した反転判定部28を主とする印字データから反転語データを生成する一連のフローを図5に基づいて説明する。ここで、一例として、多色感熱記録シートには、元色(白)から最終色(黒)に至る発色変化の中間色として、印字ヘッド12による加熱温度が高くなるにつれて、白→黄土色→赤色→茶色→焦げ茶色→濃い灰色→黒、のような順で所謂あぶり出しのように色相が変化する場合で説明する。
したがって、ベタ塗りの発色として、図6(A)に示すように、濃い第1色を黒とした場合にはニップ跡(ニップ範囲N)に影響を受けずに黒を顕現することができ、薄い第2色を赤とした場合にはニップ跡(ニップ範囲N)はニップ跡の無いターケット発色である赤よりも薄い黄土色に発色するものとして説明する。なお、この赤や黄土色は、印字ヘッド12から被印字テープ5Aへの加熱温度に由来するため、厳密な「赤」や「黄土色」となることを意味するものではない。図6において、これら第1色(黒)、第2色(赤)、加熱温度不足による第2色よりも薄い色(不足色=黄土色)の図面の表現上における例を示す。
(ステップ1)
ステップ1において、制御部20は、データ受信部21で受信した外部端末からの印字データをデータ解析部27によって解析させ、ステップS2へと移行する。なお、このデータ解析部27による印字データの解析とは、例えば、制御部20による、印字ヘッド12の加熱ヒータ25に対する加熱温度制御、搬送ローラ7を正転又は逆転させるための搬送モータに対する駆動制御、等に用いるためのデータ解析を含む。
(ステップS2)
ステップS2において、制御部20は、解析した印字データに第2色による印字データを含むか否かを反転判定部28に判定させる。制御部20は、反転判定部28が印字データに第2色による印字データを含むと判定した場合(Yes)には、ステップS3へと移行する。制御部20は、反転判定部28が印字データに第2色による発色のための印字データを含むと判定しなかった場合(No)には、印字データを反転後データとする必要はないとしてステップS8へとスキップする。
(ステップS3)
ステップS3において、制御部20は、反転判定部28に、印字データに第2色による発色のための印字データを含むと判定したことにより、その第2色による発色のための印字データがニップ範囲Nの範囲内にあるか、すなわち、ニップ跡と一部でも重なるか否かを判定させる。制御部20は、反転判定部28がニップ跡と一部でも重なると判定した場合(Yes)にはステップS4へと移行する。制御部20は、反転判定部28がニップ跡と一部でも重なると判定しなかった場合(No)には、印字データを反転後データとする必要はないとしてステップS8へとスキップする。
(ステップS4)
ステップS4において、制御部20は、反転判定部28に、第2色による発色のための印字データのニップ範囲Nの全面積を基準とする印字率がしきい値以上であるか否かを判定させる。すなわち、印字データは、通常ベタ塗りとは限らないことが多いため、ニップ跡に起因する印字不良がどれ位の影響を受けるのかを判定する、制御部20は、反転判定部28がしきい値以上と判定した場合(Yes)にはステップS6へとスキップする。制御部20は、反転判定部28がしきい値以上と判定しなかった場合(No)にはステップS5へと移行する。
(ステップS5)
ステップS5において、制御部20は、反転判定部28に、印字データに含まれるフォントサイズが指定サイズ以下か否かを判定させる。制御部20は、反転判定部28が所定のフォントサイズ以下であると判定した場合(Yes)にはステップS6へと移行する。制御部20は、反転判定部28が所定のフォントサイズ以下であると判定しなかった場合(No)には、印字データを反転後データとする必要はないとしてステップS8へとスキップする。
(ステップS6)
ステップS6において、制御部20は、反転処理部29に、印字データのすべてを反転させた反転後データを生成させ、ステップS7へと移行する。
(ステップS7)
ステップS7において、制御部20は、反転判定部28に、反転後データの第2色による発色のための反転後データがニップ跡と重なるか否かを判定させる。すなわち、印字データを反転させたものの、その結果においてもニップ跡と第2色とが重なる場合、印字データ及び反転後データのどちらを用いてもニップ跡に第2色による印字が重なってしまうと判定したことにより、ニップ跡には印字を行わない回避対策を実行する。このため、制御部20は、反転判定部28がニップ跡を重なると判定した場合(Yes)には、ステップS9へと移行する。一方、制御部20は、反転判定部28がニップ跡と重なると判定しなかった場合(No)には、反転後データに基づく印字を実行するためにステップS8へと移行する。
(ステップS8)
ステップS8において、制御部20は、ニップ跡に第2色が重ならないと下印字データ若しくは反転後データに基づいて印字処理を実行するために、搬送モータ24を逆転制御して被印字テープ5Aを距離Wの範囲内で引き戻し、ステップS10へと移行する。
(ステップS9)
ステップS9において、制御部20は、印字データのすべてを反転させたにもかかわらず、結果的にニップ跡に第2色の印字を行う結果となってしまうことから、被印字テープ5Aの引き戻しは実行せず、少なくともニップ跡がニップ範囲Nよりも下流側に位置するように搬送モータ24を正転させて送り出し、不要部分をカッタ11で切断するようカッタモータ26の駆動を制御してステップS10へと移行する。なお、ここでのカッタ11の駆動タイミングは、例えば、印字を行いつつニップ跡が切断位置を通過したとき、或は、送り出したのちの印字開始位置が切断位置に到達したとき、などのように適宜設定することができる。また、例えば、距離W以上を送り出してニップ跡を除去したうえで、被印字テープ5Aを引き戻してから印字を実行してもよい。
(ステップS10)
ステップS10において、制御部20は、印字を開始し、印字データ若しくは反転後データに基づいて印字処理が終了したら、所定の送り出しや切断処理を行ってこのルーチンを終了する。
図7〜図10は、上述した制御部20による制御を実行する反転後データを生成するか否かの根拠となる例を示す。なお、この図示例は、印字データに基づいて印字を実行したと仮定した場合と、反転後データに基づいて印字を実行したと仮定した場合の、それぞれの印字結果である。
図7に示した例は、上段に示すように、印字データに基づいて印字を実行した場合、被印字テープ5Aには、ニップ跡(ニップ範囲N)に第2色である赤のベタ塗りが存在している。一方、反転後データに基づいて印字を実行した場合、ニップ跡に相当する部分には、第2色による印字が存在せず、第1色による印字が存在していることから、印字ヘッド12から高温な第2温度による加熱によってムラの無い印字結果を得ることができる。
このように、ニップ跡に第2色が存在してしまう場合、搬送方向の上流側部分を下流側に位置させかつ搬送方向の下流側部分を上流側に位置させた反転後データに基づいて印字を実行することにより、ニップ跡による影響を受けないと仮定して印字データに基づいて印字したときの印字ラベルLと見掛け上において同じ印字ラベルLを作成することができる。
このような基本的な反転後データの生成手順において、制御部20は、反転判定部28によって印字率がしきい値以上であるか否かを判定させている(ステップS4)。すなわち、図8に示すように、ニップ跡に第2色による印字を行った場合に、印字率が高いと所望の第2色よりも薄い印字が目立ってしまう。このような場合に、反転語データに基づいて印字を行った方が、第2色による印字率の低い部分に対して第2色の印字を行った方が目立ちにくく、見栄えもよくなる。したがって、印字率が閾値よりも大きい場合には印字データのすべてを反転させて反転後データとした方が良い。なお、上記フローでは、ステップS7において反転後データとした場合であってもニップ跡に第2色が存在している場合にはニップ跡を切断する場合で説明したが、このようなニップ跡に印字率の異なるような大小関係にある場合、反転判定部28で印字率の大小関係を判定させ、小さい方の印字率がニップ跡に来るように判定して印字データ若しくは反転後データを用いた印刷としてもよい。なお、反転後データとした場合にニップ跡に第2色が存在しないような場合には上述した基本的な反転後データの生成の場合と同じ結果とすることができる。
また、制御部20は、反転判定部28によってフォントサイズが所定サイズ以下であるか否かを判定させている(ステップS5)。すなわち、図9に示すように、印字データに基づいて印字を実行したときに、ニップ跡に存在するフォントのサイズが小さい場合、フォントの大きい場合よりも文字の識別力は低くなってしまう。したがって、このような場合においても、反転後データに基づいて印字を行えば、フォントサイズの大きい方をニップ跡に位置させることができ、文字の認識率という観点で向上することができる。なお、上記フローでは、ステップS7において反転後データとした場合であってもニップ跡に第2色が存在している場合にはニップ跡を切断する場合で説明したが、このようなニップ跡にフォントサイズの異なるような大小関係にある場合、反転判定部28でフォントサイズの大小関係を判定させ、大きい方のフォントサイズがニップ跡に来るように判定して印字データ若しくは反転後データを用いた印刷としてもよい。なお、反転後データとした場合にニップ跡に第2色が存在しないような場合には上述した基本的な反転後データの生成の場合と同じ結果とすることができる。
そして、このような例外を含め、必要に応じて、例えば、図10に示すように、印字データ(図10の上段)又は反転後データ(図10の中段)の何れを用いてもニップ跡に第2色による地又は文字(図示例では、地)の印字が来てしまうような場合、ニップ跡を含む部分5A’をカッタ11でカット(図10の下段)し、ニップ跡を含まない状態での被印字テープ5Aを用いた印字とする。ここで、図10に示した地を第2色としたときに、全体の見掛け上において色合いのバランスが明らかに崩れているような場合、印字データではニップ跡に文字が位置せず、反転後データではニップ跡の影響を受け難い第1色が位置していても、周辺領域が地の第2色であるため、カッタ11によるカットを実行している。しかしながら、例えば、反転後データとしたときにニップ跡に位置する第1色の文字の割合(例えば、面積率)が地の第2色の割合(例えば、面積率)よりも大きい場合には、カッタ11によるカットを実行しなくてもよい。このように、「必要に応じて」とは、印字データ又は反転後データの何れか一方を用いても、見掛け上の色合いのバランスが崩れているか否かによってニップ跡を含む部分5A’をカッタ11でカットするか否かを判定させる場合を含む。また、被印字テープ5Aの利用目的に応じて見栄えの重要度(ランク)をユーザ設定し、重要度に応じて印字データ、反転後データ、切断(部分5A’のカット)の何れを実行するかの判定基準を変更することも可能である。
なお、以上において、図4のブロック図に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図5に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
例えば、ステップS4における印字率とステップS5におけるフォントサイズとは、印字データによっては逆、若しくは一方を削除した方が良い場合もある。また、上述した例外(図7〜図9)のように、印字データ又は反転後データのどちらであっても第2色による印字が存在してしまうような場合、見栄えや文字の認識性の観点から優先度を設けて、無駄な切断を行わないようにすることも可能である。
さらに、カッタ11による切断を行うか否かの判定をステップS7で行った場合で説明したが、反転後データを生成せずに印字データに基づいて上流側の印字末端から距離Wだけ離れた位置にニップ跡が存在するか否かを判定するようにしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 印刷装置
5 被印字媒体ロール
5A 被印字テープ(被印字媒体)
7 搬送ローラ(搬送手段)
11 カッタ(切断手段)
12 印字ヘッド(印字手段)
20 制御部(制御手段)
28 反転判定部(第1〜第4判定手段)

Claims (6)

  1. 第1温度で第1色に発色し前記第1温度よりも低い第2温度で前記第1色よりも薄い第2色に発色可能な被印字媒体を、所定の搬送方向に搬送させるための搬送手段と、
    印字データに基づき、前記搬送手段により搬送される前記被印字媒体を、前記第1色及び前記第2色のうち少なくとも一方に発色させた印字を形成する印字手段と、
    を有し、
    所望の印字が前記被印字媒体に形成された印刷物を作成する印刷装置であって、
    前記印刷物の作成動作の開始前に、前記印字データに基づき、前記被印字媒体の湾曲変形部に対し前記第2色を用いた印字が行われるか否かを判定する第1判定手段と、
    前記第1判定手段により、前記湾曲変形部に前記第2色を用いた印字が行われると判定されたことを契機に、前記印字データ全体を反転させて、前記搬送方向の上流側部分を下流側に位置させかつ前記搬送方向の下流側部分を上流側に位置させた反転後データとする、反転処理手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置において、
    前記第1判定手段により、前記湾曲変形部に前記第2色を用いた印字が行われると判定された場合に、当該湾曲変形部における前記第2色による印字率が所定のしきい値より大きいか否かを判定する第2判定手段をさらに有し、
    前記反転処理手段は、
    前記第2判定手段により前記湾曲変形部における前記第2色の印字率が前記しきい値より大きいと判定された場合には、前記印字データ全体を反転させて前記反転後データとし、
    前記第2判定手段により前記湾曲変形部における前記第2色の印字率が前記しきい値以下であると判定された場合には、前記印字データ全体の反転を行わない
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の印刷装置において、
    前記第1判定手段により、前記湾曲変形部に前記第2色を用いた印字が行われると判定された場合に、当該湾曲変形部における前記第2色の印字に、所定のフォントサイズ以下の文字が含まれるか否かを判定する第3判定手段をさらに有し、
    前記反転処理手段は、
    前記第3判定手段により前記湾曲変形部における前記第2色の印字に前記所定のフォントサイズ以下の文字が含まれると判定された場合には、前記印字データ全体を反転させて前記反転後データとし、
    前記第3判定手段により前記湾曲変形部における前記第2色の印字に前記所定のフォントサイズ以下の文字が含まれないと判定された場合には、前記印字データ全体の反転を行わない
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の印刷装置において、
    前記印字手段により印字が形成された前記被印字媒体を切断して前記印刷物とする切断手段と、
    前記反転処理手段による前記反転後データに基づき、前記湾曲変形部に対し前記第2色を用いた印字が行われるか否かを判定するか否かを判定する第4判定手段と、
    前記第4判定手段により前記湾曲変形部に対し前記第2色を用いた印字が行われると判定されたことを契機に、前記切断手段及び前記印字手段を連携して制御し、前記被印字媒体のうち前記湾曲変形部の前記搬送方向上流側部分を切断すると共に、その切断部位よりも搬送方向上流側に、前記印字データ又は前記反転後データによる印字を形成する、制御手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の印刷装置において、
    前記搬送手段は、
    前記搬送方向とは逆方向にも前記被印字媒体を搬送可能に構成された搬送ローラであり、
    前記印字手段は、
    前記搬送ローラとの間に前記被印字媒体を挟みつつ当該被印字媒体を加熱するサーマルヘッドであり、
    前記被印字媒体の前記湾曲変形部は、
    前記印刷装置の動作停止時に前記搬送ローラと前記サーマルヘッドとの間に挟まれて生じた押圧痕である
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の印刷装置において、
    前記被印字媒体の前記湾曲変形部は、
    前記搬送方向に沿って前記被印字媒体よりも上流側に位置する当接部の前記被印字媒体への当接時に生じた当接痕である
    ことを特徴とする印刷装置。
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