JP6631326B2 - コークス炉の炉体設備における火入れ時の炉体乾燥方法 - Google Patents
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Description
また、前記側壁部及び前記天井部に複数の開口部が設けられており、前記側壁部における開口率が10%以上15%以下、前記天井部における開口率が25%以上30%以下とされているので、炭化室の奥行き方向における温度偏差の発生を抑制したまま、燃焼フレームの熱を炭化室の炉壁に効率良く伝達することが可能となる。
本実施形態であるコークス炉1は、図1に示すように、並列された複数の炭化室10を備えており、隣接する2つの炭化室10の間に、燃焼室20が配置されている。
そして、図2に示すように、並列する炭化室10及び燃焼室20の下方側に、蓄熱室30が配設されている。
また、炭化室10は、並列する炭化室10の間に設けられた燃焼室20からの熱を効率的に石炭へと伝達するために、図5に示すように、炭化室10の一対の炉壁11,11(燃焼室20側に位置する炉壁)の距離が比較的短くされている。すなわち、炭化室10の炉幅が狭くされているのである。
蓄熱室30は、燃焼室20に対して燃焼ガス及びエアを導入するとともに、燃焼室20内の排ガスが排出される構成とされており、図2に示すように、燃焼ガス及びエアの供給管5及び煙道7に接続されている。
コークス炉1の炉体設備の乾燥は、図3に示すように、炭化室10の炉蓋15から仮設バーナー40を挿入し、この仮設バーナー40の燃焼排ガスを炭化室10から燃焼室20及び蓄熱室30を含む炉体設備全体に導入することで実施される。
この輻射壁50は、図4に示すように、耐火煉瓦51を積み上げることで構成されており、本実施形態では、シャモット系煉瓦を用いている。また、この輻射壁50は、乾燥後に解体することから、解体時の作業性を確保するために、モルタル等を用いて接着されておらず耐火煉瓦51を単に積み上げた構造とされている。
ここで、輻射壁50は、図4および図5に示すように、炭化室10の炉壁11との隙間Sが0.05m以上0.1m以下となる幅方向長さWと、仮設バーナー40の設置高さhから上方に0.4m以上0.8m以下となる高さ方向長さHと、1.5m以上2.5m以下となる奥行き長さLと、を有している。
また、仮設バーナー40の先端位置が、輻射壁50の仮設バーナー40側端面から距離Dの位置とされており、本実施形態では距離Dが−0.15m以上0.05m以下の範囲内に配置されている。なお、仮設バーナー40の先端が輻射壁50の内部に位置する場合の距離Dをマイナスで表示しており、−0.15mは、仮設バーナー40の先端が輻射壁50の内部に0.15m入りこんだ位置となる。
本実施形態では、図4および図5に示すように、耐火煉瓦51の積み上げ時に隙間を形成することにより、上述の開口部57が形成されている。
このとき、乾燥時の温度管理は、珪石煉瓦の相転移に伴う体積変化に起因する亀裂の発生を抑制するために、炭化室10の炉壁のうち最も高温となる領域の温度を監視することになる。
よって、昇温速度の管理を炭化室10全体の適正な温度に応じて行うことができ、火入れ時の炉体乾燥の乾燥期間の短縮を図ることができる。また、炭化室10の炉壁11の耐火煉瓦の亀裂の発生を抑制することができる。
また、側壁部54及び天井部55に複数の開口部57が設けられており、側壁部54における開口率が10%以上15%以下、天井部55における開口率が25%以上30%以下とされているので、炭化室10の奥行き方向における温度偏差の発生を抑制したまま、燃焼フレームの熱を炭化室10の炉壁11に効率良く伝達することが可能となる。
例えば、本実施形態では、輻射壁をシャモット系煉瓦で構成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、仮設バーナーの燃焼フレームに対して耐性を有する材質で構成されていればよい。
また、本実施形態では、輻射壁を、モルタル等を用いて接着せずシャモット系煉瓦を単に積み上げた構成としたものとして説明したが、モルタルを用いて耐火煉瓦を接着してもよい。
従来例としては、輻射壁を設けずに仮設バーナーを用いて炉体の乾燥を実施した。また、本発明例としては、実施の形態で説明した輻射壁を仮設バーナーの先端側に配設して、炉体の乾燥を実施した。そして、このときの管理温度の推移を図6に示す。
以上のことから、本発明例によれば、仮設バーナーで加熱する場合であっても、炭化室の奥行き方向における温度偏差の発生を抑制し、昇温速度の調整を適正に行うことで、乾燥期間の短縮を図ることが可能であることが確認された。
10 炭化室
11 炉壁
15 炉蓋
20 燃焼室
40 仮設バーナー
50 輻射壁
51 耐火煉瓦
54 側壁部
55 天井部
57 開口部
Claims (1)
- 蓄熱室の上部に燃焼室と炭化室とが交互に配列された構造を有するコークス炉の炉体設備における火入れ時の炉体乾燥方法であって、
前記炭化室に仮設バーナーを設置するとともに、前記仮設バーナーの先端側に、前記仮設バーナーの燃焼フレームを囲む輻射壁を設け、
前記輻射壁は、前記炭化室の炉壁との隙間が0.05m以上0.1m以下となる幅方向長さと、前記仮設バーナーの設置高さから上方に0.4m以上0.8m以下となる高さ方向長さと、1.5m以上2.5m以下となる奥行き長さと、を有し、前記仮設バーナーの先端位置が、前記輻射壁の前記仮設バーナー側端面に対して−0.15m以上0.05m以下の範囲内に配置されており、
前記輻射壁は、前記炭化室の奥行き方向に向けて延在する側壁部及び天井部を有する門型構造とされ、前記側壁部及び前記天井部には、複数の開口部が設けられ、前記側壁部における開口率が10%以上15%以下、前記天井部における開口率が25%以上30%以下とされており、
前記輻射壁からの輻射熱によって前記炭化室の炉壁を加熱乾燥するとともに、前記仮設バーナーの燃焼排ガスを、前記燃焼室及び前記蓄熱室を含む炉体全体に導くことによって、前記炉体設備を乾燥することを特徴とするコークス炉の炉体設備における火入れ時の炉体乾燥方法。
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