以下に、本発明の一実施形態に係る位置情報管理装置及び位置情報管理方法の一例を、図面を参照しながら説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
<位置情報管理システムの全体構成>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る位置情報管理装置を含む位置情報管理システムの全体構成について説明する。図1は、本実施形態の位置情報管理システム100の全体構成を示す概略構成図である。
位置情報管理システム100は、保守員M1が所持する携帯端末1、位置情報管理サーバー2(位置情報管理装置の一例)、及び、営業所4に設置されたPC(Personal Computer)5を備える。携帯端末1及び位置情報管理サーバー2は、公衆回線網Nを介して接続され、位置情報管理サーバー2及び営業所4内のPC5は、不図示の専用線又はLAN(Local Area Network)等を介して接続される。
保守員M1は、現場3にて設備(不図示)の保守を行う保守員であり、携帯端末1を所持して現場3に向かう。現場3は、顧客の建屋3a(建物の一例)、駐車場3d及び駐輪場3e(保守員が使用する乗り物を停める場所の一例)を備える。建屋3aは、入館場所3b及び入館場所3cを有する。入館場所3bは、昼間の時間帯に使用される(保守員M1が訪れるべき)入館場所であり、入館場所3cは、夜間の時間帯に使用される(保守員M1が訪れるべき)入館場所である。営業所4は、保守員M1の拠点であり、例えば保守員M1の上司等である管理者M2が所在する。
[携帯端末の構成]
携帯端末1は、例えば携帯電話端末やスマートフォン等で構成され、測位部11、表示入力部12、記憶部13、制御部14及びネットワークI/F(Interface)部15を備える。携帯端末1を構成するこれらの各部は、バス10を介して互いに接続される。
測位部11は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)等で構成され、緯度経度で示される現在位置情報(測位位置情報の一例)を取得する。なお、本実施形態では測位部11をGNSSで構成する例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。測位部11を、携帯電話端末の基地局や、無線通信のアクセスポイント等の位置情報を用いた測位など、他の手法を用いて測位を行うように構成してもよい。
表示入力部12は、例えばタッチセンサと表示パネルとが一体に形成されたタッチパネル等で構成される。表示入力部12は、保守員M1による操作入力を受け付けてその内容に応じた操作信号を生成して制御部14に供給するとともに、制御部14の制御に基づいて、画面に表示パネル(不図示)の画面に地図などの画像や文字等を表示する。
記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)又はHDD(Hard Disk Drive)と、RAM(Random Access Memory)とを含む。ROM又はHDDには、制御部14によって行われる演算を実行するためのプログラム(ソフトウェア)が格納される。RAMは、制御部14がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。また、記憶部13は、現場情報記憶部13a(位置情報記憶部の一例)を有する。現場情報記憶部13aには、位置情報データD1が格納される。位置情報データD1は、現場3毎の入館場所や駐車場、駐輪場等の、建物に関連する(建物に入館するための)各場所の位置情報が記されたデータであり、位置情報管理サーバー2によって管理されるデータである。位置情報データD1については、図2を参照して詳述する。
制御部14は、例えば各種演算機能を備えたCPU(Central Processing Unit)等で構成され、携帯端末1を構成する各部の動作を制御する。制御部14は、処理機能部として、現場情報取得処理部14a、入館登録処理部14b、入館場所異常判定処理部14c(位置情報異常判定処理部の一例)、表示処理部14d、入館場所登録処理部14e及びデータ送受信処理部14fを備える。処理機能部を構成する上記各部の機能は、例えば、記憶部13に格納されたプログラムをCPUが読み込んで実行することにより実現される。
現場情報取得処理部14aは、現場3に向かう前に保守員M1によって行われる操作に基づいて、位置情報管理サーバー2から位置情報データD1を取得し、取得した位置情報データD1を、記憶部13の現場情報記憶部13aに格納する。
入館登録処理部14bは、入館場所3b又は3cから建屋3aに始めて入館する保守員M1によって行われる入館操作に基づいて、入館登録処理を行う。入館登録処理では、保守員M1が入館操作を行った時刻(入館時刻)、入館操作を行った保守員M1(登録者)の氏名、測位部11が測位して得た入館場所3b又は3cの現在位置情報が取得される。入館登録処理部14bが入館登録処理によって取得したこれらの情報(以下、「入館情報」とも称する)は、データ送受信処理部14fの制御に基づいて、ネットワークI/F部15を介して、位置情報管理サーバー2に送信される。
入館場所異常判定処理部14cは、測位部11が取得した入館場所3b又は3cの現在位置情報と、現場情報記憶部13a内の位置情報データD1に記載された入館場所の位置情報とのずれ(差)の大きさを測定する。なお、これまでに建屋3aを保守員M1が訪問した実績がない場合等には、建屋3aの入館場所3b又は3cの位置情報が、位置情報データD1にまだ登録されていないこともある。この場合、入館場所異常判定処理部14cは、建屋3aの住所を変換して得た位置情報と、測位部11が取得した現在位置情報とを比較する。
入館場所異常判定処理部14cは、測位部11が取得した現在位置情報と、位置情報データに登録された入館場所の位置情報とのずれが大きい場合には、位置情報登録確認メッセージを、表示処理部14dを介して表示入力部12の画面上に表示させる。位置情報登録確認メッセージは、位置情報データD1に登録済みの入館場所3b又は3cの位置情報を、測位部11が取得した現在位置情報で更新(もしくは新たに登録)するか否かの判断を、保守員M1に促すメッセージである。
表示処理部14dは、表示入力部12の画面上に文字又は画像等を表示する処理を行う。具体的には、表示処理部14dは、位置情報データD1に登録されている位置情報を地図上にプロットする処理や、入館登録処理時のGUIを画面上に表示させる処理、位置情報登録確認メッセージ等の各種メッセージを画面上に表示させる処理等を行う。
入館場所登録処理部14eは、保守員M1による操作に基づいて、位置情報データD1に登録済みの位置情報の補正(更新)を行う。位置情報データD1に登録されている位置情報を補正する場合の保守員M1による操作例については、後述の図5及び図6を参照して詳述する。
データ送受信処理部14fは、ネットワークI/F部15及び公衆回線網Nを介して接続される位置情報管理サーバー2との間で、データを送受信する処理を行う。
ネットワークI/F部15は、例えばモデム等で構成され、不図示のアンテナを介して受信した電波を復調する処理や、制御部14から供給されたデータ等を変調してアンテナに出力する処理等を行う。
[位置情報管理サーバーの構成]
位置情報管理サーバー2は、ネットワークI/F部21、記憶部22及び制御部23を備える。ネットワークI/F部21、記憶部22及び制御部23は、バス20を介して互いに接続される。位置情報管理サーバー2は、実環境に構築される実サーバーで構成してもよいが、クラウド環境に構築されるクラウドサーバーで構成してもよい。
ネットワークI/F部21は、例えばNIC(Network Interface Card)等で構成され、その端子が接続されたLAN(Local Area Network)、専用線等を介して各種のデータを送受信することが可能である。
記憶部22は、例えば、ROM又はHDDと、RAMとを含む。ROM又はHDDには、制御部23によって行われる演算を実行するためのプログラムが格納される。RAMは、制御部23がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。また、記憶部22は、現場入館場所記憶部22a、入館情報記憶部22b及び異常情報記憶部22cを有する。
現場入館場所記憶部22aには、位置情報データD1が格納される。位置情報データD1は、現場3毎の入館場所3b又は3c、駐車場3d、駐輪場3e等の場所の、位置に関する情報が登録されたデータベースである。
入館情報記憶部22bには、入館履歴情報D2が格納される。入館履歴情報D2は、携帯端末1の入館登録処理部14bによって取得されて位置情報管理サーバー2に送信された入館情報が蓄積されるデータベースである。入館情報は、上述したように、入館時刻、登録者(保守員M1)の氏名、並びに、測位部11が測位して得た入館場所3b又は3cの現在位置情報の情報を含む。入館履歴情報D2については、後述の図3を参照して詳述する。
異常情報記憶部22cには、異常検出履歴情報D3が格納される。異常検出履歴情報D3は、位置情報の異常に関する情報が蓄積されるデータベースである。位置情報の異常は、携帯端末1から送信された現在位置情報と、位置情報データD1に登録済みの位置情報とのずれが所定以上である場合に、後述の入館場所異常判定処理部23bによって検知される。異常検出履歴情報D3については、後述の図4を参照して詳述する。
制御部23は、例えば各種演算機能を備えたCPU等で構成され、位置情報管理サーバー2を構成する各部の動作を制御する。また、制御部23は、データ送受信処理部23a、入館場所異常判定処理部23b及び入館場所登録処理部23c(位置情報登録処理部の一例)を備える。データ送受信処理部23aは、ネットワークI/F部21及び公衆回線網Nを介して接続される携帯端末1との間、又は、不図示の専用線又はLAN等を介して接続される営業所4内のPC5との間で、データを送受信する処理を行う。
入館場所異常判定処理部23bは、保守員M1の入館時に携帯端末1の測位部11によって取得されて入館履歴情報D2に記録された(現在)位置情報と、位置情報データD1に登録済みの位置情報とのずれの大きさを、定期的に測定する。以下、この処理を「位置情報異常検出処理」と称する。位置情報異常検出処理で検出されたずれが大きい場合、入館場所異常判定処理部23bは、ずれに関する情報を異常情報記憶部22c内の異常検出履歴情報D3に書き込むとともに、管理者M2、もしくは保守員M1に対して、アラーム(位置情報を補正するためのアラームの一例)の通知を行う。アラームの通知は、例えばメール等の手段を用いて行うことができる。なお、位置情報データD1内に位置情報が未登録である場合には、入館場所異常判定処理部23bは、位置情報異常検出処理において、現場3(建屋3a)の住所から変換して得られる位置情報と、入館履歴情報D2に記録されている位置情報とを比較する。
入館場所登録処理部23cは、保守員M1もしくは管理者M2によって行われる操作の内容に基づいて、位置情報データD1内の位置情報の修正を行う。
[営業所内のPCの構成]
営業所4内のPC5は、ネットワークI/F部51、制御部52、記憶部53、入力部54及び表示部55を備える。ネットワークI/F部51、制御部52、記憶部53、入力部54及び表示部55は、バス50を介して互いに接続される。
ネットワークI/F部51は、例えばNIC等で構成され、その端子が接続された専用線又はLAN等を介して各種のデータを送受信することが可能である。制御部52は、例えばCPUで構成され、PC5を構成する各部の動作を制御する。記憶部53は、例えば、ROM又はHDDと、RAMとを含む。ROM又はHDDには、制御部52によって行われる演算を実行するためのプログラムが格納される。RAMは、制御部52がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。
入力部54は、例えばマウス等のポインティングデバイスで構成され、管理者M2による操作内容に応じた操作信号を生成して制御部52に供給する。表示部55は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。表示部55の画面には、位置情報管理サーバー2の入館場所異常判定処理部23bで生成されてデータ送受信処理部23aによって送信されたアラームや、位置情報管理サーバー2の記憶部22に記憶された各種データベースのデータ等が表示される。
位置情報管理サーバー2から送信されたアラームを見た管理者M2は、例えば、位置情報管理サーバー2の異常情報記憶部22c内の異常検出履歴情報D3を参照しながら、入力部54を操作することにより、位置情報データD1内の位置情報の修正を行える。なお、アラームを受信していない場合であっても、入力部54を操作することにより、管理者M2は任意のタイミングで位置情報データD1内の位置情報を修正することができる。
<各種データベースの構成例>
次に、位置情報管理サーバー2の記憶部22又は携帯端末1の記憶部13内に記憶される各種データ(位置情報データD1、入館履歴情報D2及び異常検出履歴情報D3)の構成例について、図2〜図4を参照して説明する。図2は、位置情報データD1の構成例を示す説明図であり、図3は、入館履歴情報D2の構成例を示す説明図であり、図4は、異常検出履歴情報D3の構成例を示す説明図である。
(位置情報データの構成例)
まず、図2を参照して、位置情報データD1の構成例について説明する。位置情報データD1は、位置情報管理サーバー2の記憶部22の現場入館場所記憶部22a内に格納される。また、現場3に向かう保守員M1による操作が行われた場合には、位置情報データD1は携帯端末1の現場情報取得処理部14aによって測位部11から取得され、携帯端末1の記憶部13の現場情報記憶部13aに格納される。なお、本実施形態では、位置情報管理サーバー2の現場入館場所記憶部22aに格納される位置情報データD1と、携帯端末1の現場情報記憶部13aに格納される位置情報データD1とが同一である場合を例に挙げるが、本発明はこれに限定されない。例えば、携帯端末1の現場情報記憶部13aに格納される位置情報データD1は、保守員M1が向かう現場3に関する位置情報のみが抽出された位置情報データであってもよい。
位置情報データD1は、図2に示すように、現場ID I1、現場名I2、住所I3、入館場所(昼間)I4、入館場所(夜間)I5、駐車場(昼間)I6、駐車場(夜間)I7、駐輪場(昼間)I8、駐輪場(夜間)I9及び夜間時間I10の各項目を有する。
現場ID I1は、現場3毎に割り振られたユニークなコードであり、位置情報データD1を構成する各項目は、この現場IDに紐付けて管理される。現場名I2は、現場3の名称を示す。図2に示す例では、「Aビル」、「B学校」及び「Cショッピングセンター」の3つの現場3の名称が登録されている。住所I3には、各現場の住所が登録される。
入館場所(昼間)I4には、昼間に使用される入館場所の位置情報に関する情報が登録され、入館場所(夜間)I5には、夜間に使用される入館場所の位置情報に関する情報が登録される。また、駐車場(昼間)I6には、昼間に使用される駐車場の位置情報に関する情報が登録され、駐車場(夜間)I7には、夜間に使用される駐車場の位置情報に関する情報が登録される。さらに、駐輪場(昼間)I8には、昼間に使用される駐輪場の位置情報に関する情報が登録され、駐輪場(夜間)I9には、夜間に使用される駐輪場の位置情報に関する情報が登録される。
入館場所(昼間)I4、入館場所(夜間)I5、駐車場(昼間)I6、駐車場(夜間)I7、駐輪場(昼間)I8及び駐輪場(夜間)I9は、それぞれ、「位置情報」、「登録時刻」、「登録者」及び「登録デバイス」の項目を有する。
「位置情報」は、緯度・経度で示されるその場所(以下、「登録場所」とも称する)の位置情報である。図2に示す例では、“Aビル”の入館場所(昼間)I4には、“35.768456,139.850338”が登録され、入館場所(夜間)には、“35.768456,139.850338”が登録されている。一方、“B学校”においては、入館場所(昼間)I4、入館場所(夜間)I5、駐車場(昼間)I6、駐車場(夜間)I7、駐輪場(昼間)I8及び駐輪場(夜間)I9のいずれの項目においても、位置情報は“未登録”となっている。
「登録時刻」には、「位置情報」が位置情報データD1に登録された日時が書き込まれる。「登録者」には、「位置情報」に書き込まれた現在位置情報を取得した(入館処理を行った)携帯端末1を所持している保守員M1の名称が登録される。「登録デバイス」には、「位置情報」の登録を行った登録デバイスの情報が登録される。
なお、位置情報データD1の初期状態においては、住所I3の情報のみが登録されており、入館場所(昼間)I4、入館場所(夜間)I5、駐車場(昼間)I6、駐車場(夜間)I7、駐輪場(昼間)I8及び駐輪場(夜間)I9の情報は登録されていない。現場3を最初に訪れた保守員M1がこれらの場所の情報を登録することにより、「位置情報」、「登録時間」、「登録者」及び「登録デバイス」の各項目が位置情報データD1に登録される。
夜間時間I10には、入館場所(夜間)I5、駐車場(夜間)I7及び駐輪場(夜間)I9における「夜間」の時間帯に関する情報が登録される。夜間時間I10は、「設定有無」、「開始時間」、「終了時間」、「登録者」及び「登録デバイス」の各項目を有する。
「設定有無」には、各登録場所における夜間時間の設定の有無が登録され、設定がある場合には“あり”が、設定がない場合には“なし”が登録される。「開始時間」には、夜間時間の開始時間が登録され、「終了時間」には、夜間時間の終了時間が登録される。図2に示す例では、“Aビル”における夜間時間の開始時間は“22:00:00”であり、終了時間は“06:30:00”である。したがって、例えば、22時から翌朝の6時30分までの時間帯に保守員M1が“Aビル”を訪問する場合には、夜間に使用される場所を訪れる必要がある。具体的には、保守M1は、入館場所(夜間)I5、駐車場(夜間)I7又は駐輪場(夜間)I9を訪れる必要がある。それ以外の時間帯に訪問する場合には、保守M1は、昼間に使用される場所である、入館場所(昼間)I4、駐車場(昼間)I6、又は駐輪場(昼間)I8を訪れる必要がある。
(入館履歴情報の構成例)
次いで、図3を参照して、入館履歴情報D2の構成例について説明する。入館履歴情報D2は、携帯端末1の入館登録処理部14bによる入館登録処理に基づいて登録されるデータであり、位置情報管理サーバー2の記憶部22の入館情報記憶部22b内に格納される。
図3に示すように、入館履歴情報D2は、入館履歴ID I11、現場ID I12、現場名I13、入館日時I14、登録者I15及び入館場所I16の各項目を有する。入館履歴ID I11には、携帯端末1の入館登録処理部14bによって入館登録処理が行われた各案件に対して割り振られるIDが格納される。現場ID I12には、現場3毎に割り振られたIDが記録され、現場名I13には、現場3の名称が記録される。入館日時I14には、保守員M1が入館場所3b又は3cに入館した日時、すなわち、携帯端末1の入館登録処理部14bによって入館登録処理が行われた日時が記録される。登録者I15には、入館操作を行った保守員M1の名称が記録され、入館場所I16には、保守員M1による入館操作に基づいて、携帯端末1の測位部11で取得された現在位置情報が記録される。
図3に示す例では、入館履歴ID“0001”に紐付けて、現場名が“Aビル”である建物に保守員M1が入館した日時は“2016/6/22 10:05:35”であり、入館操作を行った保守員M1(登録者)は“日立 一郎”である情報が記録されている。さらに、入館場所3b又は3cの位置情報は“35.768458,139.850336”であることも記録されている。
(異常検出履歴情報の構成例)
次いで、図4を参照して、異常検出履歴情報D3の構成例について説明する。異常検出履歴情報D3には、位置情報管理サーバー2の入館場所異常判定処理部23bによって行われる位置情報異常検出処理の結果の情報が記録される。さらに、異常検出履歴情報D3には、入館場所異常判定処理部23bでアラームが生成された案件に対する、保守員M1又は管理者M2の対応に関する情報も記録される。
図4に示すように、異常検出履歴情報D3は、異常検出ID I21、現場ID I22、現場名I23、入館日時I24、登録者I25、入館場所I26、比較位置情報I27、種別I28、位置のずれI29、メッセージI30及び対応I31の各項目を有する。
異常検出ID I21には、入館場所異常判定処理部23bによる位置情報異常検出処理の結果、異常として検出された各案件に対して個別に割り振られるIDが格納される。現場ID I22には、各現場3に対して割り振られたIDが記録され、現場名I23には、各現場3の名称が記録される。入館日時I24には、保守員M1が入館場所3b又は3cに入館した日時が記録され、登録者I25には、入館操作を行った保守員M1の名称が記録される。入館場所I16には、携帯端末1の測位部11で取得された現在位置情報が記録される。
比較位置情報I27には、入館場所異常判定処理部23bが位置情報異常検出処理において、入館時に取得された入館場所3b又は3cの位置情報(現在位置情報)との比較を行った位置情報が記録される。種別I28には、該比較を行った位置情報の種別が記録される。
例えば、入館場所異常判定処理部23bが現在位置情報と比較した位置情報が、位置情報データD1に予め登録された位置情報である場合には、比較位置情報I27には、位置情報データD1内の位置情報が記録される。そして、種別I28には、「登録済み位置情報」の情報が記録される。一方、入館場所異常判定処理部23bが現在位置情報と比較した位置情報が、位置情報データD1に予め登録済みの住所を変換して得られた位置情報である場合には、比較位置情報I27には、住所を変換して得られる位置情報が記録される。そして、種別I28には、「住所」の情報が記録される。
位置のずれI29には、入館場所異常判定処理部23bの位置情報異常検出処理によって検出された、入館時に取得された入館場所3b又は3cの位置情報、及び、登録済みの位置情報(又は住所を変換して得た位置情報)とのずれの大きさ(km)が記録される。
メッセージI30には、入館場所異常判定処理部23bによって生成されたアラーム中のメッセージ(位置情報登録確認メッセージ)の内容が記録される。位置情報登録確認メッセージには、例えば、「入館場所が未登録です。」、「登録済み入館場所と入館時の位置情報とが異なります。」等がある。
対応I31には、位置情報登録確認メッセージを受け取った保守員M1又は管理者M2が、アラームを消すために行った対応の内容が記録される。例えば、現場3に居る保守員M1が、アラームを受信したその時ではなく、例えば営業所4に戻ってから等の、時間的に後の段階で修正を行う場合には、保守員M1は、対応の内容として携帯端末1を操作して「次回変更」を選択する。この場合、対応I31には、「次回変更」の情報が記録される。一方、保守員M1又は管理者M2によって、携帯端末1又はPC5を介して位置情報の修正が実施された場合には、対応I31には「修正実施」の情報が記録される。
なお、入館場所異常判定処理部23bによる位置情報異常検出処理で、位置情報にずれ生じていると判定する際の閾値には、例えば、保守員M1が目視でその登録場所(入館場所3b、3c等)を確認できる範囲、具体的には“5m”等を設定することができる。つまり、位置情報異常検出処理で比較した両位置情報が、5m以上ずれている場合に、入館場所異常判定処理部23bは、位置情報にずれが生じていると判定する。位置情報の判定に用いる上記閾値は、固定値として設定してもよいが、現場3の立地条件、例えば、密集地であるか否か、測位部11が取得する現在位置情報に誤差が生じやすいか否か等の情報に応じて、適宜変更可能としてもよい。
<携帯端末の画面に表示される位置情報表示画面の構成例>
次に、保守員M1が所持する携帯端末1の表示入力部12(図1参照)に表示される位置情報表示画面の構成例について、図5〜図7を参照して説明する。図5及び図6は、携帯端末1の表示入力部12に表示される位置情報表示画面Sc1の構成例を示す説明図であり、図7は、保守員M1が入館操作等を行う保守作業支援システムのメニュー画面の構成例を示す説明図である。
まず、図5及び図6を参照して、携帯端末1の表示入力部12に表示される位置情報表示画面Sc1の構成例について説明する。図5は、現場3の位置情報(位置情報データD1内の「位置情報」(図2参照))が未登録である場合に表示される位置情報表示画面Sc1の例を示す。過去に保守員M1が訪問した実績のない現場3に保守員M1が初めて訪れる場合には、位置情報データD1内の「位置情報」には位置情報が登録されていないため、携帯端末1の表示入力部12には、図5に示す位置情報表示画面Sc1が表示される。
図5に示す位置情報表示画面Sc1の上側の領域121には、現場3周辺の地図が表示される。地図には、現場3の建屋3aや入館場所(昼間)3bの形とともに、住所情報変換位置情報表示ピンP1及び現在位置表示ピンP2が表示される。住所情報変換位置情報表示ピンP1は、位置情報データD1内の現場3の住所を緯度・経度に変換して得られる位置情報が示す位置に表示される。現在位置表示ピンP2は、携帯端末1の測位部11にて測定した保守員M1の現在位置に表示される。
領域121の下方の領域122には、現場3の現場名及び住所が表示される。さらにその下方の領域123には、登録場所の位置情報を表示させるための表示ボタン123d、及び、位置情報を登録するための登録ボタン123e、並びに、その登録場所に関する情報が表示される。登録場所に関する情報としては、番号123a、登録場所123b及び時間帯123cの情報が表示される。番号123aには、現場3の現場IDに対応する番号が表示される。登録場所123bには、登録場所の名称(「入館場所」、「駐車場」又は「駐輪場」)が表示される。時間帯123cには、「昼間」又は「夜間」の時間帯が表示される。
番号123a、登録場所123b及び時間帯123cの各項目では、保守員M1が任意の値を選択することが可能である。値は、文字や数字の直接入力によって設定されてもよく、プルダウンメニューとして表示したものの中から保守員M1に任意のものを選択させることによって設定されてもよい。番号123a、登録場所123b及び時間帯123cの各項目において選択された値に基づいて、登録場所の位置情報が地図上にピンで表示される。
例えば、現場3の入館場所3bに到着した保守員M1が、番号123aとして“001”を、登録場所123bとして“入館場所”を、時間帯123cとして“昼間”を選択し、表示ボタン123dを押下したとする。この場合、位置情報データD1に昼間の入館場所3bの位置情報が登録済みであれば、地図上に、昼間の入館場所3bの位置を示すピン(以下、「登録済み位置情報表示ピン」と称する)が表示される。しかしながら、図5に示す例では、入館場所3bの位置情報が未登録である場合を挙げているため、登録済み位置情報表示ピンは表示されず、住所情報変換位置情報表示ピンP1が表示される。
このとき、現在位置表示ピンP2が、正しく入館場所3bの位置を示していれば、保守員M1は、登録ボタン123eを押下することにより、現在位置表示ピンP2が示す位置の位置情報が、昼間の入館場所3bの位置情報として登録される。より詳細には、入館場所登録処理部14eが、携帯端末1の現場情報記憶部13a内の位置情報データD1における入館場所(昼間)の位置情報を、現在位置表示ピンP2が示す位置の位置情報で更新する。この位置情報の更新に伴って、位置情報データD1内の登録時刻も更新される。
さらに、更新された情報は、携帯端末1のデータ送受信処理部14fの処理に基づいて、ネットワークI/F15及び公衆回線網Nを経由して、位置情報管理サーバー2に送信される。そして、位置情報管理サーバー2では、データ送受信処理部23aの制御に基づいてネットワークI/F21が受信した情報(データ)で、現場入館場所記憶部22a内の位置情報データD1のデータが更新される。位置情報データD1内のデータの更新は、位置情報管理サーバー2の入館場所登録処理部23cによって行われる。
なお、携帯端末1の測位部11により取得される現在位置に誤差が含まれている場合もあるため、本実施形態では、現在位置表示ピンP2の位置を、登録場所の実際の位置と一致する位置に保守員M1が修正できるように構成している。現在位置表示ピンP2の位置の修正は、保守員M1の指やタッチペン(不図示)によって、現在位置表示ピンP2の位置を所望の位置にずらすこと等により行うことができる。また、保守員M1によって登録ボタン123eが押下された際に、公衆回線網N経由での位置情報管理サーバー2との通信が正常に行えなかった場合には、後から更新情報の送信のみ再実行することとする。
次いで、図6を参照して、現場3の位置情報(位置情報データD1内の「位置情報」)が登録済みである場合の位置情報表示画面Sc1の構成例について説明する。図6は、現場3の位置情報が登録済みである場合の位置情報表示画面Sc1の構成例を示す説明図である。図6において、図5と対応する箇所には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図6に示す位置情報表示画面Sc1は、保守員M1が番号123aとして“001”を、登録場所123bとして“入館場所”を、時間帯123cとして“昼間”を選択し、表示ボタン123dを押下した場合に表示される画面である。地図上には、保守員M1の現在位置を示す現在位置表示ピンP2とともに、位置情報データD1に登録済みの昼間の入館場所3bの位置を示す、登録済み位置情報表示ピンP3が表示されている。
保守員M1は入館場所3bに位置しており、現在位置表示ピンP2が、正しく入館場所3bの位置を指しているとする。つまり、登録済み位置情報表示ピンP3によって示される登録済みの入館場所3bの位置は、実際の入館場所3bの位置と一致していない。この場合、保守員M1は、登録済み位置情報表示ピンP3の位置を現在位置表示ピンP2が示す入館場所3bの位置に移動させて、登録ボタン123eを押下することにより、入館場所3bの位置情報を補正することができる。もしくは、登録済み位置情報表示ピンP3の位置を移動させなくても、現在位置表示ピンP2が指す位置で、登録場所の位置情報を更新するように予め設定しておき、登録ボタン123eの押下を検知した場合に、入館場所3bの位置情報の補正を実施してもよい。
なお、図5及び図6に示した例では、位置情報表示画面Sc1に表示させたい登録場所を、保守員M1が登録場所123bで選択する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、保守作業支援システムのメニュー画面等において、保守員M1が現場3に向かう際に使用する交通手段が選択された場合に、選択された交通手段に対応する登録場所の位置情報を、位置情報表示画面Sc1に表示させてもよい。
図7に、保守作業支援システムのメニュー画面の例を示す。図7Aは、保守作業支援システムのメニュー画面Sc2の例を示す説明図であり、図7Bは、保守作業支援システムのメニュー画面において“出発”の項目が選択された後に表示される画面の例を示す説明図である。
図7Aに示す保守作業支援システムのメニュー画面Sc2には、出発ボタン124、入館ボタン125、退館ボタン126及び帰着ボタン127の各ボタンが形成される。出発ボタン124は、現場3に向かって出発するタイミングで保守員M1によって押下されるボタンであり、入館ボタン125は、入館場所3b又は3cに入館するタイミングで保守員M1によって押下されるボタンである。退館ボタン126は、現場3の建屋3aから退館するタイミングで保守員M1によって押下されるボタンであり、帰着ボタン127は、現場3から戻ってきて営業所4に到着したタイミングで保守員M1によって押下されるボタンである。
保守員M1によって出発ボタン124が押下されると、図7Bに示す画面に遷移する。図7Bには、交通手段選択プルダウンメニュー128が表示されており、選択肢として、「徒歩」、「自転車」及び「車」の3つの交通手段が表示されている。図7Bに示す画面で、保守員M1によって例えば「車」が選択された場合、図5及び図6に示した位置情報表示画面Sc1の領域123内の登録場所123bでは「駐車場」が選択される。そして、位置情報表示画面Sc1の地図上には、駐車場3dの位置を示す登録済み位置情報表示ピンP3が表示される。また、交通手段として例えば「自転車」が選択された場合、図5及び図6に示した位置情報表示画面Sc1の登録場所123bでは「駐輪場」が選択され、地図上には、駐輪場3eの位置を示す登録済み位置情報表示ピンP3が表示される。
なお、交通手段選択プルダウンメニュー128で選択された交通手段の情報だけでなく、測位部11が取得した保守員M1の現在位置情報も併せて、位置情報表示画面Sc1に表示する登録場所を変更するように構成してもよい。例えば、交通手段として「車」を選択した保守員M1が、駐車場3dの位置に到達した時点で、測位部11が取得した現在位置情報に基づいて、保守員M1が次に訪れるべき入館場所3b又は3cの位置を、登録済み位置情報表示ピンP3で示してもよい。このとき、登録済み位置情報表示ピンP3を点滅させる等により、保守員M1が次に訪れるべき場所(入館場所3b又は3c)を分かりやすく表示してもよい。
また、携帯端末1に対して保守員M1によって入力される操作の内容に応じて、対応する登録場所の位置情報を取得し、該取得した位置情報を表示入力部12に表示させる処理は、携帯端末1内で行ってもよいが、位置情報管理サーバー2側で行ってもよい。携帯端末1に対して保守員M1によって入力される操作には、例えば、図5又は図6の位置情報表示画面Sc1にて保守員M1が登録場所123bや時間帯123c等を指定する操作、又は、図7Bの画面で交通手段を選択する操作等がある。
位置情報管理サーバー2側で処理を行う場合においては、携帯端末1のデータ送受信処理部14fが、保守員M1による操作の内容を位置情報管理サーバー2に送信する。そして、位置情報管理サーバー2の制御部23が、受信した保守員M1による操作の内容と対応する登録場所の位置情報を位置情報データD1から抽出する。さらに、制御部23が抽出した登録場所の位置情報を、データ送受信処理部23aが携帯端末1に送信する。
<PCの画面に表示される位置情報補正画面の構成例>
次に、営業所4内のPC5の表示部55に表示される位置情報補正画面の構成例について、図8を参照して説明する。図8は、PC5の表示部55に表示される位置情報補正画面Sc2の構成例を示す説明図である。
図8に示す位置情報補正画面Sc3には、住所情報変換位置情報表示ピンP11、入館位置表示ピンP12及び登録済み入館場所表示ピンP13が表示されている。住所情報変換位置情報表示ピンP11は、現場入館場所記憶部22a内の位置情報データD1の住所I3(図2参照)に登録済みの住所を変換して得られる位置情報と対応する位置に表示される。入館位置表示ピンP12は、保守員M1が実際に入館操作(入館登録)を行った場所の位置情報と対応する位置に表示される。登録済み入館場所表示ピンP13は、位置情報データD1の各登録場所の「位置情報」に登録済みの位置情報と対応する位置に表示される。
入館位置表示ピンP12及び登録済み入館場所表示ピンP13には、それぞれの位置情報に付随する情報がバルーンB1及びB2で表示される。具体的には、入館位置表示ピンP12の位置に示されたバルーンB1には、“入館現場:Cショッピングセンター、入館日:2016/06/30、入館時刻:17:03:05”の情報が表示されている。また、登録済み入館場所表示ピンP13の位置に示されたバルーンB2には、“[比較位置情報]登録時刻:2016/06/22 10:05:35、登録者:日立 次郎”の情報が表示されている。
図8に示す例の様に、登録済み入館場所表示ピンP13が示す位置情報が、入館位置表示ピンP12からずれていたとする。この場合、管理者M2は、登録済み入館場所表示ピンP13の位置を入館位置表示ピンP12の位置までずらすことにより、現場入館場所記憶部22a内の位置情報データD1の位置情報を、入館位置表示ピンP12が示す位置情報で補正することができる。登録済み入館場所表示ピンP13の位置の移動は、マウス等で構成される入力部54を管理者M2が操作することにより、行うことができる。
<位置情報管理システムによる位置情報管理手法>
次に、本実施形態の位置情報管理システムによる位置情報管理手法について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、本実施形態の位置情報管理システム100を構成する携帯端末1による位置情報管理手法の手順を示すフローチャートである。図10は、本実施形態の位置情報管理システム100を構成する位置情報管理サーバー2による位置情報管理手法の手順を示すフローチャートである。図9及び図10では、保守員M1が昼間の入館場所3bを訪れた場合を挙げて説明する。
[携帯端末における位置情報管理手法]
まず、図9を参照して、携帯端末1における位置情報管理手法について説明する。まず、携帯端末1の入館場所異常判定処理部14cは、入館登録処理部14bにおいて入館処理(入館登録処理)が実施されたか否かを確認する(ステップS1)。ステップS1で、入館処理が実施されていないと判定された場合(ステップS1がNO判定の場合)、入館場所異常判定処理部14cは、ステップS1の判定を繰り返す。一方、ステップS1で、入館処理は実施されたと判断された場合(ステップS1がYES判定の場合)、入館場所異常判定処理部14cは、測位部11に現在位置情報を取得させる(ステップS2)。
次いで、入館場所異常判定処理部14cは、記憶部13内の現場情報記憶部13aにアクセスして、位置情報データD1に入館場所3bが登録済みか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3で、入館場所が登録済みであると判定された場合(ステップS3がYES判定の場合)、入館場所異常判定処理部14cは、登録済み入館場所3bの位置情報と、現在位置情報とのずれが正常範囲内か否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4で、位置情報のずれが正常範囲内であると判定された場合(ステップS4がYES判定の場合)、入館場所異常判定処理部14cは、入館情報を、データ送受信処理部14fを介して位置情報管理サーバー2に送信する(ステップS5)。一方、ステップS4で、位置情報のずれが正常範囲内でないと判定された場合(ステップS4がNO判定の場合)、表示処理部14dは、表示入力部12の画面に位置情報登録確認メッセージを表示する(ステップS6)。ここで表示入力部12の画面に表示する位置情報登録確認メッセージは、現在位置情報で入館場所3bの位置情報を更新するか否かを確認するメッセージである。具体的には、例えば「登録済みの入館場所と現在地とが異なります。現在地を入館場所として更新しますか。」等のメッセージが表示される。
次いで、入館場所異常判定処理部14cは、保守員M1によって、現在位置情報で入館場所3bの位置情報を更新する指示が入力されたか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7で、現在位置情報で入館場所3bの位置情報を更新する指示が入力されたと判定された場合(ステップS7がYES判定の場合)、入館場所登録処理部14e及びデータ送受信処理部14fは、位置情報更新処理を行う(ステップS8)。位置情報更新処理は、入館場所登録処理部14eが、現場情報記憶部13aに格納された位置情報データD1に登録済みの入館場所3bの位置情報を、測位部11が取得した現在位置情報で更新する処理である。また、データ送受信処理部14fが、入館場所登録処理部14eで更新された位置情報を、ネットワークI/F部15及び公衆回線網Nを経由して、位置情報管理サーバー2に送信する処理である。
一方、ステップS7で、現在位置情報で入館場所3bの位置情報を更新する指示が入力されていないと判定された場合(ステップS7がNO判定の場合)、入館場所異常判定処理部14cは、ステップS5に処理を移す。そして、ステップS5において、入館処理で生成された入館情報が、データ送受信処理部14fを介して位置情報管理サーバー2に送信される。
ステップS3で、入館場所3bが未登録であると判定された場合(ステップS3がNO判定の場合)、入館場所異常判定処理部14cは、現場3の住所から変換した位置情報と、現在位置情報とのずれが正常範囲内であるか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9で、位置情報のずれが正常範囲内であると判定された場合(ステップS9がYES判定の場合)、表示処理部14dは、表示入力部12の画面に位置情報登録確認メッセージを表示する(ステップS10)。ここで表示入力部12の画面に表示する位置情報登録確認メッセージは、現在位置情報を入館場所3bの位置情報として登録するか否かを確認するメッセージである。具体的には、例えば「現在の場所を入館場所として登録しますか。」等のメッセージが表示される。
次いで、入館場所異常判定処理部14cは、保守員M1によって現在位置情報を入館場所3bの位置情報として登録する指示が入力されたか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11で、現在位置情報を入館場所3bの位置情報として登録する指示が入力されたと判定された場合(ステップS11がYES判定の場合)、入館場所登録処理部14e及びデータ送受信処理部14fは、位置情報更新処理を行う(ステップS8)。
一方、ステップS11で、現在位置情報を入館場所3bの位置情報として登録する指示が入力されていないと判定された場合(ステップS11がNO判定の場合)、入館場所異常判定処理部14cは、入館処理で生成された入館情報を、データ送受信処理部14fを介して位置情報管理サーバー2に送信する(ステップS5)。
ステップS9で、位置情報のずれが正常範囲内でないと判定された場合(ステップS9がNO判定の場合)、表示処理部14dは、表示入力部12の画面に位置情報登録確認メッセージを表示する(ステップS12)。ここで表示入力部12の画面に表示する位置情報登録確認メッセージは、現在位置情報を入館場所3bの位置情報として登録するか否かを確認するメッセージである。具体的には、例えば「住所情報と現在地とが違いますが、ここを入館現場として登録しますか。」等のメッセージが表示される。
次いで、入館場所異常判定処理部14cは、保守員M1によって現在位置情報を入館場所3bの位置情報として登録する指示が入力されたか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13で、現在位置情報を入館場所3bの位置情報として登録する指示が入力されたと判定された場合(ステップS13がYES判定の場合)、入館場所登録処理部14e及びデータ送受信処理部14fは、位置情報更新処理を行う(ステップS8)。
一方、ステップS13で、現在位置情報を登録する指示は入力されていないと判定された場合(ステップS13がNO判定の場合)、入館場所異常判定処理部14cは、入館処理で生成された入館情報を、位置情報管理サーバー2に送信する(ステップS5)。
[位置情報管理サーバーにおける位置情報管理手法]
次に、図10を参照して、位置情報管理サーバー2における位置情報管理手法について説明する。図10は、位置情報管理サーバー2における位置情報管理手法の手順を示すフローチャートである。
まず、位置情報管理サーバー2の入館場所異常判定処理部23bは、新規に登録された入館情報があるか否かを判定する(ステップS21)。具体的には、入館場所異常判定処理部23bは、記憶部22の入館情報記憶部22bに格納された入館履歴情報D2において、新たに追加された入館情報があるか否かを判定する。
ステップS21で、新たに登録された入館情報はないと判定された場合(ステップS21がNO判定の場合)、入館場所異常判定処理部23bは、ステップS21の判定を繰り返す。一方、ステップS21で、新たに登録された入館情報があると判定された場合(ステップS21がYES判定の場合)、入館場所異常判定処理部23bは、入館場所3bの位置情報が登録済みであるか否かを判定する(ステップS22)。具体的には、入館場所異常判定処理部23bは、現場入館場所記憶部22aにアクセスして、位置情報データD1に、入館場所3bの位置情報が登録されているか否かを判定する。
ステップS22で、入館場所3bの位置情報が登録済みであると判定された場合(ステップS22がYES判定の場合)、入館場所異常判定処理部23bは、位置情報データD1に登録済み入館場所と入館時に取得された位置情報とのずれが正常範囲内か否かを確認する(ステップS23)。ステップS23で、位置情報のずれは正常範囲内であると判定された場合(ステップS23がYES判定の場合)、入館場所異常判定処理部23bは、ステップS21に処理を戻す。
一方、ステップS23で、位置情報のずれは正常範囲内でないと判定された場合(ステップS23がNO判定の場合)、入館場所異常判定処理部23bは、位置情報異常確認要求メッセージを異常検出履歴情報D3に登録する(ステップS24)。ここで異常検出履歴情報D3に登録される位置情報異常確認要求メッセージは、位置情報データD1に登録済みの入館場所3bの位置情報と、入館時に取得された位置情報とが異なることを示すメッセージである。このメッセージは、例えば、「登録済み入館場所と入館時の位置情報とが異なります。」等の文章で構成される。
ステップS22で、位置情報は未登録であると判定された場合(ステップS22がNO判定の場合)、入館場所異常判定処理部23bは、現場3の住所から変換した位置情報と、入館時に取得された位置情報とのずれが正常範囲内か否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25で、位置情報のずれは正常範囲内であると判定された場合(ステップS25がYES判定の場合)、入館場所異常判定処理部23bは、位置情報異常確認要求メッセージを異常情報記憶部22c内の異常検出履歴情報D3に登録する(ステップS26)。ここで異常検出履歴情報D3に登録される位置情報異常確認要求メッセージは、入館場所3bの位置情報が位置情報データD1に未登録であることを通知するメッセージであるこのメッセージは、例えば、「入館場所が未登録です。」等の文章で構成される。
ステップS25で、位置情報のずれは正常範囲内でないと判定された場合(ステップS25がNO判定の場合)、入館場所異常判定処理部23bは、位置情報異常確認要求メッセージを異常検出履歴情報D3に登録する(ステップS27)。ここで異常検出履歴情報D3に登録される位置情報異常確認要求メッセージは、入館場所3bの住所から変換して得られた位置情報と、入館時に取得された位置情報とが異なることを示すメッセージである。このメッセージは、例えば、「住所情報と入館時の位置情報とが異なります。」等の文章で構成される。
ステップS24、26又は27の処理後、入館場所異常判定処理部23bは、位置情報異常発生アラームを、データ送受信処理部23aを介して、携帯端末1及び/又は営業所4内のPC5に送信する(ステップS28)。位置情報異常発生アラームは、アラームを受け取った保守員M1及び/又は管理者M2に対して、上述の位置情報異常確認要求メッセージに示されるような異常が発生していることを通知し、位置情報の登録状況の確認を促すメッセージで構成される。位置情報異常発生アラームは、例えば、「位置情報異常が発生しています。状況を確認して下さい。」等の文章で構成される。
次いで、位置情報管理サーバー2の制御部23は、携帯端末1又はPC5から、入館場所3bの位置情報を受信したか否かを判定する(ステップS29)。ステップS29で、位置情報を受信していないと判定された場合(ステップS29がNO判定の場合)、制御部23は、ステップS29の判定を繰り返す。
一方、ステップS29で、携帯端末1又はPC5から位置情報を受信したと判定された場合(ステップS29がYES判定の場合)、入館場所登録処理部23cは、受信した位置情報で、登録済みの位置情報を更新(補正)する。入館場所の位置情報が位置情報データD1に登録されていない場合には、入館場所登録処理部23cは、受信した位置情報を位置情報データD1の位置情報として登録する(ステップS30)。
なお、図10に示した例では、入館場所異常判定処理部23bは、ステップS28で位置情報異常発生アラームを送信後に、入館場所の位置情報を受信したか否かのステップS29の判定を行うが、本発明はこれに限定されない。入館場所異常判定処理部23bは、位置情報異常発生アラームを送信したか否かにかかわらず、ステップS29の判定を常に行うようにしてもよい。
また、図10に示した例では、入館場所異常判定処理部23bが入館場所3bの位置情報を対象として異常(位置情報のずれ)の発生の有無を判定する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。入館場所異常判定処理部23bが異常の発生の有無を判定する対象は、入館場所3bに限定されず、位置情報データD1に登録済みの登録場所であれば、いずれの場所であってもよい。例えば、携帯端末1から受信した位置情報が駐輪場3eの位置情報であれば、入館場所異常判定処理部23bは、受信した位置情報と、位置情報データD1内に登録済みの駐輪場の位置情報とを比較し、両位置情報のずれが所定範囲外である場合にアラームを生成する。
<各種効果>
上記実施形態では、保守員M1の入館時に携帯端末1で取得された現在位置情報と、位置情報データD1に予め登録された入館場所3b又は3c等の登録場所の位置情報とのずれ(差)が所定の範囲内であるか否かが、入館場所異常判定処理部23bで判定される。そして、両位置情報間の差が所定の範囲外である場合、入館場所異常判定処理部23bによってアラーム(異常確認要求メッセージ)が生成され、該アラームが携帯端末1及び/又は営業所4内のPC5に送信される。そして、携帯端末1又はPC5から補正用の位置情報(入館時に測位部11で取得された測位位置情報、又は該測位位置情報を微調整した位置情報)が送信された場合に、入館場所登録処理部23cは、受信した位置情報で、登録済みの位置情報を更新する。位置情報データD1に位置情報が未登録である場合には、入館場所登録処理部23cは、受信した位置情報を新たに位置情報データD1に登録する。
これにより、位置情報データD1内の入館場所3b又は3c等の登録場所の位置情報が、実際に現場3を訪れた保守員M1が所持する携帯端末1によって取得された位置情報で補正(又は新規登録)される。つまり、本実施形態によれば、位置情報データD1内の登録場所の位置情報が定期的に是正(補正)され、現場3の実際の位置情報を正確に反映したものとなる。そして、保守員M1が現場3を訪れる際に表示入力部12に表示する位置情報表示画面Sc1(図5又は図6参照)においては、位置情報データD1内の登録位置の位置情報が地図上にバルーン等で表示される。したがって、保守員M1は、現場3を訪問する際に位置情報表示画面Sc1上の地図を確認することにより、目的とする場所、例えば入館場所3bの位置を正確に把握することができ、入館場所3bに迅速に向かうことができる。
また、上記実施形態では、位置情報データD1の登録場所として、入館場所3b又は3cだけでなく、駐車場3dや駐輪場3e等の情報も登録される。そして、表示入力部12に対して、登録場所123b(図5又は図6参照)を選択する操作が入力された場合に、入力された操作内容に応じて、駐車場3d又は駐輪場3eのいずれかの位置情報が地図上に表示される。それゆえ、保守員M1は、駐車場3dや駐輪場3e等を訪れる際にも、地図を参照して迅速にその場所を訪れることが可能となる。
また、位置情報管理システム100を、図7A及びBに示した保守作業支援システムと連携して位置情報を表示するように構成した場合には、保守員M1は、保守作業支援システムに対する操作を行うだけで、自分が訪れるべき場所の位置情報も地図上で確認できる。つまり、本実施形態によれば、保守員M1に手間をかけることなく、保守員M1が訪れるべき場所の位置情報を地図上に示すことができる。
また、上記実施形態では、位置情報データD1の登録場所に関する情報として、登録場所を使用可能な時間帯の情報も登録される。そして、表示入力部12に対して、任意の時間帯123c(図5又は図6参照)を選択する操作が入力された場合に、入力された操作内容に応じて、昼間又は夜間のそれぞれの使用時間帯と対応付けられた各登録場所の位置情報が地図上に表示される。それゆえ、保守員M1は、昼間と夜間とで訪問すべき入館場所、駐車場、駐輪場の場所が異なる現場3を訪れる際にも、地図を参照して迅速に目的の場所を訪れることが可能となる。
また、上記実施形態では、位置データD1に入館場所3b又は3c等の場所の位置情報が登録されていない場合には、入館場所異常判定処理部23bは、現場3の住所から変換して得た位置情報と、入館処理時に取得された現在位置情報とを比較する。これにより、例えば、まだ保守員M1がその現場3に訪問したことのない場合等の理由で、その入館場所3b又は3c等の場所の位置情報が位置情報データD1に登録されていない場合であっても、位置情報の是正処理を行えるようになる。より詳細には、位置情報の是正を促すアラーム(異常確認要求メッセージ)を生成及び通知できるようになる。
また、上記実施形態では、携帯端末1だけでなく、営業所4内のPC5からも、入館場所等の各登録場所の位置情報を更新(補正)する指示を行える。これにより、保守員M1が時間不足等で現場3において位置情報の更新処理を行えなかった場合にも、保守員M1は、営業所4に帰着後に位置情報の補正処理を行うことができる。したがって、本実施形態によれば、位置情報の補正処理が確実に実行されるため、位置情報が適切に管理される。
また、上記実施形態では、現場3で取得されて入館履歴情報D2に登録された位置情報と、登録済みの位置情報とのずれが所定の範囲外である場合、入館場所異常判定処理部23bによってアラーム(異常確認要求メッセージ)が生成される。そして、そのアラームが携帯端末1及び/又は営業所4内のPC5に送信される。これにより、例えば保守員M1が位置情報の補正処理を行うことを忘れている場合であっても、アラームを見た管理者M2が、保守員M1に位置情報の補正を行うよう促すことが可能となる。したがって、本実施形態によれば、位置情報の補正処理が確実に実行されるため、位置情報が適切に管理される。
[各種変形例]
以上、本発明の一実施形態に係る位置情報管理システム100及びその位置情報管理手法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の変形例、応用例を取り得る。例えば、次のような各種変形例も本発明に含まれる。
上記実施形態では、入館場所異常判定処理部23bが位置情報の異常を検知した場合に必ずアラームを生成する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。保守員M1の操作等に基づいて、携帯端末1に対するアラームの通知は行わないように設定することも可能に構成してもよい。
また、上記実施形態では、携帯端末1と位置情報管理サーバー2とが協調して位置情報の管理を行う例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、携帯端末1では、保守員M1による操作入力内容を位置情報管理サーバー2に送信する処理、及び、位置情報管理サーバー2から送信された情報を表示入力部12に表示する処理のみを行うように構成してもよい。
なお、上述した実施形態及び各種変形例は本発明を分かりやすく説明するために装置(位置情報管理装置)の構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上述した位置情報管理装置の制御に係る各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現されてもよい。また、上述した制御に係る各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより、すなわちソフトウェアにより実現されてもよい。なお、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報(データ)は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。