以下に説明する実施例の主要な特徴を列記する。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものである。
(特徴1)本明細書に開示の蒸発燃料処理装置では、パージ通路に分岐通路が接続されており、その分岐通路の経路上にパージガスの濃度を検出する濃度検出部が設けられていてもよい。この場合、濃度検出部の下流側が、ベンチュリ部の絞り部分に接続されていてよい。分岐通路に濃度検出部を設けることにより、パージ通路に濃度検出部を設けることなく、パージ通路を通過するパージガスの濃度を検出することができる。パージ通路の流路抵抗が増大することを抑制することができる。なお、濃度検出部の下流側を絞り部分に接続することにより、パージ通路をパージガスが通過しているときに、濃度検出部の上流側と下流側に圧力差が生じ、分岐通路にポンプ等を配置することなく、パージガスが分岐通路を通過することができる。
(特徴2)分岐通路に濃度検出部が設けられている場合、本明細書に開示の蒸発燃料処理装置では、濃度検出部は、分岐通路内の音速に基づいてパージガスの濃度を検出してもよい。分岐通路の流路抵抗を小さくすることができる。また、分岐通路の中間部に、分岐通路の流路面積を局所的に狭くして上流側と下流側に圧力差を生じさせる機構が設けられていてもよい。この場合、濃度検出部は、上流側と下流側の圧力差を測定し、その差圧に基づいてパージガスの濃度を検出することができる。
(特徴3)本明細書に開示の蒸発燃料処理装置では、ベンチュリ部の絞り部分と、ベンチュリ部の絞り部分以外の部分との圧力差に基づいてパージガスの濃度を検出してもよい。この場合、濃度検出部を流路抵抗の小さいベンチュリ部で構成することができ、パージ通路の流路抵抗が増大することを抑制することができる。
(特徴4)本明細書に開示の蒸発燃料処理装置では、パージ通路の経路上に、パージガスを内燃機関の吸気経路に送り出すポンプが設けられていてもよい。ポンプを設けることにより、吸気経路内の圧力の状態(正圧、負圧、常圧)に依らず、吸気経路にパージガスを導入することができる。例えば、過給機を有する車両において、吸気経路内が正圧の状態のときであっても、吸気経路にパージガスを導入することができる。
(特徴5)分岐通路に濃度検出部が設けられており、パージ通路の経路上にポンプが設けられている場合、本明細書に開示の蒸発燃料処理装置では、濃度検出部の上流側が、ベンチュリ部の絞り部分よりパージ通路の下流側に接続されていてよい。この場合、パージガスが、パージ通路と分岐通路の間で循環することができる。その結果、吸気経路にパージガスを供給していない場合でも、ポンプを駆動することにより、パージガスの濃度を検出することができる。
(特徴6)パージ通路の経路上にポンプが設けられている場合、本明細書に開示の蒸発燃料処理装置では、パージ通路の経路上に切換手段が設けられていてもよい。この切換手段は、切換手段よりも下流側のパージ経路がキャニスタに接続されている第1状態と、切換手段よりも下流側のパージ経路が大気に接続されている第2状態を切替える。これにより、パージ通路内に大気を導入することができる。ポンプを所定条件(所定回転数)で駆動し、濃度検出部を大気が通過するときとパージガスが通過するときの各々の差圧を測定することにより、ポンプの流量特性を知ることができる。
(第1実施例)
図1を参照し、蒸発燃料処理装置20を備える燃料供給システム6について説明する。燃料供給システム6は、燃料タンク14内に貯留されている燃料をエンジン2に供給するためのメイン供給経路10と、燃料タンク14内で発生した蒸発燃料をエンジン2に供給するためのパージ供給経路22を備えている。
メイン供給経路10には、燃料ポンプユニット16と、供給管12と、インジェクタ4が設けられている。燃料ポンプユニット16は、燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ、制御回路等を備えている。燃料ポンプユニット16は、ECU(Engine Control Unit,図示省略)から供給される信号に応じて燃料ポンプを制御する。燃料ポンプは、燃料タンク14内の燃料を昇圧して吐出する。燃料ポンプから吐出される燃料は、プレッシャレギュレータで調圧され、燃料ポンプユニット16から供給管12に供給される。供給管12は、燃料ポンプユニット16とインジェクタ4に接続されている。供給管12に供給された燃料は、供給管12を通過してインジェクタ4に達する。インジェクタ4は、ECUによって開度がコントロールされる弁(図示省略)を有している。インジェクタ4の弁が開かれると、供給管12内の燃料が、エンジン2に接続されている吸気管34に供給される。
なお、吸気管34は、エアクリーナ30に接続されている。エアクリーナ30は、吸気管34に流入する空気の異物を除去するフィルタを備えている。吸気管34内に、スロットルバルブ32が設けられている。スロットルバルブ32が開くと、エアクリーナ30からエンジン2に向けて吸気が行われる。スロットルバルブ32は、吸気管34の開度を調整し、エンジン2に流入する空気量を調整する。スロットルバルブ32は、インジェクタ4より上流側(エアクリーナ30側)に設けられている。
パージ供給経路22には、蒸発燃料処理装置20と、制御弁26が設けられている。蒸発燃料処理装置20は、キャニスタ19と濃度検出部21を備えている。燃料タンク14とキャニスタ19が、連通管18によって接続されている。キャニスタ19と濃度検出部21が、連通管23によって接続されている。濃度検出部21と制御弁26が、連通管24によって接続されている。制御弁26と吸気管34が、連通管28によって接続されている。連通管28は、インジェクタ4とスロットルバルブ32の間で、吸気管34に接続されている。なお、制御弁26は、ECUによって制御される電磁弁であり、連通状態と遮断状態の切替えがECUによってデューティ制御される弁である。制御弁26は、開閉時間を制御(連通状態と遮断状態の切替えタイミングを制御)することにより、蒸発燃料(パージガス)の流量を調整する。また、制御弁26に代えて、ステッピングモータ式制御弁等の開度を調整することが可能な弁を用いてもよい。
キャニスタ19は、燃料タンク14内で発生した蒸発燃料を吸着する。キャニスタ19は、パージポート,大気ポート及びタンクポートを備えている。タンクポートは、連通管18に接続されている。パージポートは、連通管23に接続されている。キャニスタ19は、蒸発燃料を吸着することが可能な活性炭を収容している。活性炭は、燃料タンク14から連通管18を介してキャニスタ19の内部に流入する気体から蒸発燃料を吸着する。蒸発燃料が吸着された後の気体は、大気ポートを通過して大気に放出される。キャニスタ19は、燃料タンク14内の蒸発燃料が大気に放出されることを防止することができる。
なお、パージ供給経路22上に、ポンプが設けられていることがある。ポンプは、キャニスタ19と制御弁26の間に配置され、連通管24に蒸発燃料(パージガス)を圧送する。この場合、ポンプは、蒸発燃料処理装置20の一部を構成する。なお、エンジン2が駆動している場合、吸気管34内は負圧である。そのため、キャニスタ19に吸着された蒸発燃料は、吸気管34とキャニスタ19の圧力差によって吸気管34に導入することができる。しかしながら、蒸発燃料処理装置20がポンプを備えていると、吸気管34内の圧力がパージガスを引き込むために十分でない圧力の場合(過給時の正圧、あるいは、負圧であるがその圧力の絶対値が小さい)であっても、キャニスタ19に吸着された蒸発燃料を吸気管34に供給することができる。また、蒸発燃料処理装置20がポンプを備えていると、吸気管34に所望量の蒸発燃料を供給することができる。
図2を参照し、蒸発燃料処理装置20について説明する。なお、図2は、蒸発燃料処理装置20の各構成要素を模式的に示しており、各構成要素のサイズ等を正確に示すものではない。また、図2は、キャニスタ19の図示を省略している。連通管23と連通管24の間に、ベンチュリ管50とポンプ52が接続されている。連通管23は、ベンチュリ管50の一方の端部50aに接続にされている。連通管24は、ベンチュリ管50の他方の端部50cに接続にされている。ポンプ52は、ベンチュリ管50より下流側で、連通管24の中間部に配置されている。連通管23,ベンチュリ管50,ポンプ52及び連通管24と繋がる通路は、パージ通路22aを構成している。
連通管23に第1分岐管56の一方端が接続されており、ベンチュリ管50の中央部50bに第2分岐管58の一方端が接続されている。分岐管56,58の他方端に、濃度センサ57が接続されている。分岐管56,58と繋がる通路は、分岐通路22bを構成している。すなわち、濃度センサ57は、分岐通路22b上に設けられている。ベンチュリ管50の中央部50bは、端部50a,50cと比較して流路が狭い。第2分岐管58の一方端は、第1分岐管56の一方端より低圧である。そのため、連通管23を矢印60方向に移動するパージガスは、連通管23と第1分岐管56の接続部分において、矢印62方向と矢印64方向に分流する。分流したガスは、ベンチュリ管50の中央部50bで合流し、矢印66方向に移動して吸気管34に導入される。濃度センサ57は、分岐通路22bを通過するバージガスの濃度を検出する。ベンチュリ管50は、分岐通路22bにパージガスを移動させる駆動源として機能している。
上記したように、蒸発燃料処理装置20では、分岐通路22b上に濃度センサ57が設けられている。すなわち、パージ通路22aには、濃度センサは設けられていない。パージ通路22aに設けられているベンチュリ管50は、端部50aから中央部50bに向けて流路面積が連続的に減少し、流路面積の減少に伴い流速が増加する特徴を有しており、圧力損失が小さいという特性を有している。蒸発燃料処理装置20は、パージ通路22aの抵抗が増大することが抑制され、吸気管34に供給するパージガスの量が減少することを抑制することができる。なお、蒸発燃料処理装置20では、パージガスがパージ通路22aと分岐通路22bに分流するので、吸気管34にパージガスを供給しながら、パージガスの濃度を検出することができる。吸気管34に供給されるパージガスの濃度をリアルタイムで検出することができ、A/F(空燃比)が所望する値からずれることを抑制することができる。
濃度センサ57として、様々な種類のセンサを利用することができる。ここで、図3から図6を参照し、蒸発燃料処理装置20で利用可能な濃度センサ57の幾つかを説明する。図3は、ベンチュリ管72を内蔵した濃度センサ57aを示している。ベンチュリ管72の一方の端部72aが第1分岐管56に接続されている。ベンチュリ管72の他方の端部72cが第2分岐管58に接続されている。ベンチュリ管の端部72aと中央部(絞り部)72bの間に差圧センサ70が接続されている。濃度センサ57aは、端部72aと中央部72bの圧力差を差圧センサ70で検出する。端部72aと中央部72bの差圧を検出すれば、ベルヌーイの式よりバージガスの密度(バージガス濃度)を算出することができる。
図4は、オリフィス管74を内蔵した濃度センサ57bを示している。オリフィス管74の一端は第1分岐管56に接続され、他端は第2分岐管58に接続されている。オリフィス管74の中央に、開孔74aを有するオリフィス板74bが設けられている。オリフィス板74bの上流側と下流側に、差圧センサ70が接続されている。濃度センサ57bは、オリフィス板74bの上流側と下流側の圧力差を差圧センサ70で検出し、バージガス濃度を算出する。
図5は、毛細管式粘度計76を内蔵した濃度センサ57cを示している。毛細管式粘度計76の一端は第1分岐管56に接続され、他端は第2分岐管58に接続されている。毛細管式粘度計76の内部には、複数の毛細管76aが配置されている。毛細管76aの上流側と下流側に、差圧センサ70が接続されている。濃度センサ57cは、毛細管76aの上流側と下流側の圧力差を差圧センサ70で検出し、毛細管式粘度計76を通過する流体(パージガス)の粘性を測定する。毛細管76aの上流側と下流側の差圧を検出すれば、ハーゲン・ポアズイユの式より、流体の粘性を算出することができる。パージガスの粘性は、パージガスの濃度と相関関係がある。そのため、パージガスの粘性を算出することにより、パージガスの濃度を検出することができる。
図6は、音波式濃度計78を内蔵した濃度センサ57dを示している。音波式濃度計78は、筒状であり、一端が第1分岐管56に接続され、他端が第2分岐管58に接続されている。音波式濃度計78は、管内に向けて信号を発信する発信器78aと、発信器78aが発信した信号を受信する受信器78bを備えている。音波式濃度計78では、信号が発信器78aから受信器78bに到達するまでの時間tを検出する。時間tと、発信器78aと受信器78bの距離Lに基づいて、管内の音速vを算出する。管内の音速vは、管内を通過しているパージガスの濃度と相関関係がある。管内の音速vを測定することにより、パージガスの濃度(バージガスの分子量)を検出することができる。具体的には、音速v,パージガスの分子量M,比熱比γ,気体定数R及び絶対温度Tとしたときに、下記式(1)が成立することが知られている。下記式(1)を用いて、パージガスの濃度を検出することができる。
式(1):v=(γ×R×T/M)0.5
以上、4種の濃度センサ57(57a〜57d)について説明したが、蒸発燃料処理装置20では、他の種類の濃度センサを用いることもできる。重要なことは、濃度センサ57が分岐通路22bに設けられており、パージ通路22aに設けられていないことである。また、濃度センサ57の下流側(第2分岐管58)がベンチュリ管50の中央部(絞り部)50bに接続されていることである。これにより、パージ中にパージ通路22aを通過しているパージガスの濃度を検出することができるとともに、パージ通路22aの通気抵抗を抑制することができる。
(第2実施例)
図7を参照し、蒸発燃料処理装置20aについて説明する。蒸発燃料処理装置20aは蒸発燃料処理装置20の変形例であり、具体的には、蒸発燃料処理装置20aは、ポンプ52が接続されている位置が蒸発燃料処理装置20と異なる。なお、蒸発燃料処理装置20aについて、蒸発燃料処理装置20と同じ部品には同じ参照番号を付し、説明を省略することがある。
蒸発燃料処理装置20aでは、ポンプ52が、ベンチュリ管50及び第1分岐管56より上流側で、連通管23の中間部に配置されている。この場合、ポンプ52から吐出されたバージガスは、矢印60方向に移動し、ベンチュリ管50と第1分岐管56の接続部分で矢印62,64方向に分流する。このように、ポンプ52は、キャニスタ19と制御弁26の間のパージ通路22a上であれば、配置する位置は制限されない。なお、ポンプ52は、ベンチュリ管50と第1分岐管56の間(ベンチュリ管50より上流側で第1分岐管56より下流側)に配置されていてもよい。この場合でも、第2分岐管58がベンチュリ管50の中間部50bに接続されているので、第1分岐管56にパージガスが流れる。
(第3実施例)
図8を参照し、蒸発燃料処理装置20bについて説明する。蒸発燃料処理装置20bは蒸発燃料処理装置20の変形例であり、具体的には、蒸発燃料処理装置20bは、分岐通路22bの構成が蒸発燃料処理装置20と異なる。なお、蒸発燃料処理装置20bについて、蒸発燃料処理装置20と同じ部品には同じ参照番号を付し、説明を省略することがある。
蒸発燃料処理装置20bでは、第1分岐管56が、第2分岐管58よりパージ通路22aの下流側に接続されている。より具体的には、第1分岐管56がポンプ52より下流側で連通管24に接続されており、第2分岐管58がベンチュリ管の50中間部50bに接続されている。この場合、パージガスは、第1分岐管56と連通管24の接続部分で矢印62,64方向に分流する。矢印64の分流は吸気管34に導入され、矢印62の分流は濃度センサ57を通過してベンチュリ管50の中間部50bに導入される。キャニスタ19から矢印60方向に移動してきたパージガスと、分岐通路22bから中間部50bに導入されたパージガスの合流が、ポンプ52に移動する。
なお、蒸発燃料処理装置20bでは、制御弁26(図1を参照)を閉じた状態であっても、分岐通路22bにパージガスを流すことができる。すなわち、蒸発燃料処理装置20bは、パージガスが矢印64方向に移動しない(吸気管34に導入されていない)状態であっても、分岐通路22bをパージガスが循環し、パージガスの濃度を検出することができる。パージガスが吸気管34に導入される前にパージガスの濃度を検出することができ、吸気管34に導入するパージガスの量(流量)を正確に決定することができる。
(第4実施例)
図9を参照し、蒸発燃料処理装置20cについて説明する。蒸発燃料処理装置20cは蒸発燃料処理装置20bの変形例であり、具体的には、蒸発燃料処理装置20cは、連通管23に切替弁90が設けられている。なお、蒸発燃料処理装置20cについて、蒸発燃料処理装置20bと同じ部品には同じ参照番号を付し、説明を省略することがある。
切替弁90には、大気導入管92が接続されている。切替弁90は、連通管23がキャニスタ19に接続されている状態と、連通管23が大気導入管92に接続されている状態とを切替えることができる。なお、蒸発燃料処理装置20cでは、濃度センサ57として、センサ前後の差圧を検出するタイプの濃度センサ57(濃度センサ57a〜57c)が用いられている。蒸発燃料処理装置20cも、制御弁26を閉じた状態であっても、分岐通路22bにパージガスを流すことができ、パージガスの濃度を検出することができる。
また、上述したように、蒸発燃料処理装置20cは、センサ前後の差圧を検出するタイプの濃度センサ57が用いられている。蒸発燃料処理装置20cは、切替弁90を切り替えることにより、分岐通路22bを空気が通過するときのセンサ前後の差圧と、分岐通路22bをパージガスが通過するときの差圧を比較することができる。両者の差圧を比較することにより、ポンプ52の特性(所定の回転数においてポンプを通過する流量)を算出することができる。ポンプ52の出力(回転数)が同一であっても、ポンプ52を通過する流体の流量は、通過する流体の密度(濃度)によって変化する。蒸発燃料処理装置20cでは、濃度センサ70を通過する空気の差圧とパージガスの差圧とを比較することにより、ポンプ52の流量特性を得ることができ、パージガス濃度の検出精度が向上するので、より正確な量のパージガスを吸気管34に導入することができる。なお、切替弁90及び大気導入管92は、パージガス濃度の検出精度を向上させるために寄与するものであり、切替弁90及び大気導入管92を省略してもパージガスの濃度を検出することはできる。
図10に示す蒸発燃料処理装置20dのように、分岐経路22b上に濃度センサ57と温度センサ59が配置されていてもよい。また、図11に示す蒸発燃料処理装置20eのように、分岐経路22b上に濃度センサ57と圧力計71が配置されていてもよい。圧力計71は、濃度センサ57の上流に設ける。蒸発燃料処理装置20eは、さらに分岐経路22b上に温度センサ(図10を参照)が配置されていてもよい。なお、蒸発燃料処理装置20bに、切替弁90を設けることもできる。制御弁26を閉じた状態でパージガスを循環させることが可能な構造であれば、切替弁90,大気導入管92を設けることにより、ポンプ52の流量特性を得ることができる。また、蒸発燃料処理装置20bに切替弁90を設ける場合、さらに、分岐経路22b上に温度センサ,圧力計等を配置してもよい。
(第5実施例)
図12を参照し、蒸発燃料処理装置20fについて説明する。蒸発燃料処理装置20fは、ベンチュリ管50自身が濃度センサ57の一部を構成している。蒸発燃料処理装置20fは、連通管23又は24に、分岐管が接続されていない。すなわち、蒸発燃料処理装置20fは、分岐通路22b(図2,7,8等を参照)を備えていない。蒸発燃料処理装置20fでは、ベンチュリ管50の端部50aと中央部(絞り部)50bの間に差圧センサ70が接続されている。端部50aと中央部50bの差圧を検出することにより、バージガスの密度(バージガス濃度)を算出することができる。なお、蒸発燃料処理装置20fの場合、パージ通路22a内に濃度センサが配置されている構造であるが、ベンチュリ管50自身が濃度センサを構成することにより、パージ通路22a内の圧力損失が増大することを抑制することができる。
図13を参照し、パージガスを吸気管34に供給するときのパージ供給経路22の動作について説明する。エンジン2が始動すると、ECU100の制御により、ポンプ52が駆動を開始し、制御弁26の開閉が開始する。ECU100は、濃度検出部21で検出したパージガスの濃度に基づいて、ポンプ52の出力及び制御弁26の開度(デューティ比)を制御する。なお、ECU100は、スロットルバルブ32の開度も制御する。キャニスタ19には、燃料タンク14の蒸発燃料が吸着されている。ポンプ52が始動すると、キャニスタ19に吸着されていたパージガス及びエアクリーナ30を通過した空気が、エンジン2に導入される。以下に、パージガスの濃度を検出する方法について幾つか説明する。
図14は、パージガスの濃度、及び、パージガスの流量の検出方法を説明するフローチャートを示している。この方法は、ポンプ52の流量特性を算出し、ポンプ52が所定の回転数のときにポンプ52を通過するパージガスの流量を検出するときに行われる。この方法は、制御弁26を閉じた(パージガスが吸気管34に導入されない)状態で行われる。この方法は、図9〜図11に示す蒸発燃料処理装置20c〜20eのように、切替弁90と大気導入管92を有する蒸発燃料処理装置で実行することができる。但し、この方法は、濃度センサ57a〜57cのようなセンサ前後の差圧を検出するタイプの濃度センサを含む濃度検出部21を備えていることが必要である。
まず、ECU100から出力される制御信号により、ポンプ52を所定の回転数で駆動する(ステップS2)。なお、ECU100は、制御弁26を閉じた状態に維持する。次に、ECU100の制御信号により、切替弁90が連通管23と大気導入管92を接続するように切り替わる(ステップS4)。これにより、連通管23には大気が導入される。連通管23に導入された大気は、分岐通路56,58を通過する。すなわち、ポンプ52を駆動することにより、大気が、パージ通路22aと分岐通路22bを循環する。このときに、濃度センサ57(濃度検出部21)が、センサ前後の差圧P0を検出する(ステップS6)。差圧P0の検出が終了した後、ECU100の制御信号により、切替弁90が連通管23とキャニスタ19を接続するように切り替わる(ステップS8)。これにより、連通管23にパージガスが導入される。パージガスが、パージ通路22aと分岐通路22bを循環する。濃度センサ57が、センサ前後の差圧P1を検出する(ステップS10)。差圧P1を検出した後、パージガスの濃度,流量を算出し(ステップS12)、ポンプ52の駆動を停止する(ステップS14)。
大気中には、パージガスが含まれていない。すなわち、大気の密度は既知である。そのため、差圧P0,P1を検出することにより、パージガスの濃度を検出することができる。例えば、P1/P0を計算することにより、パージガスの濃度を算出することができる。また、上記したように、パージガスの濃度は、ベルヌーイの式より算出することができる。そのため、ガス(パージガス,大気)の濃度より、濃度センサを通過するガスの流量を正確に算出することができる。ポンプ52を所定の回転数で駆動したときのパージガスと大気の流量の相違を比較することにより、ポンプ52の流量特性を得ることができ、パージを行っているときのパージガスの供給量をより正確に調整することができる。なお、上記方法(ステップS2〜S14)を行うことにより、ポンプ52の流量特性が得られ、パージガス濃度の検出精度を向上させることができる。そのため、必要に応じて、パージ通路22aに大気を導入してセンサ前後の差圧P0を測定する工程(ステップS4〜S8)を省略してもよい。ステップS4〜S8を省略しても、パージガスの濃度を検出することができる。
次に、図15を参照し、パージ中のパージガスの濃度が変化したときに、パージガスの供給量を調整する方法について説明する。この方法は、上記した蒸発燃料処理装置20a〜20fのいずれのタイプの蒸発燃料処理装置でも行うことができる。すなわち、パージガスを吸気管34に供給しながらパージガスの濃度を検出するタイプの蒸発燃料処理装置で行うことができる。
ECU100は、濃度検出部21で検出されたパージガスの濃度C1を記憶し、濃度C1に基づいて、ポンプ52を所定回転数で駆動し、さらに制御弁26を制御して吸気管34へのパージ量を調整する。なお、ECU100は、ポンプ52を所定回転数で駆動するときに供給される電流値I1も記憶している。以下、濃度C1を記憶濃度C1と称し、電流値I1を記憶電流値I1と称することがある。ステップS20で現在の測定濃度C2を検出し、ステップS21で記憶濃度C1と測定濃度C2の比較を行う。記憶濃度C1と測定濃度C2の差が所定値αより小さい場合(ステップS21:NO)、パージガスの濃度変化が許容範囲内であるとして、記憶濃度C1に基づいて吸気管34へのパージを継続する。記憶濃度C1と測定濃度C2の差が所定値αより大きい場合(ステップS21:YES)、ステップS22に進み、ポンプ52に供給されている現在の測定電流値I2を測定する。その後、ポンプ52に供給されている測定電流値I2と記憶電流値I1の比較を行う(ステップS23)。測定電流値I2と電流値I1の差が所定値βより小さい場合(ステップS23:NO)、パージガスの濃度変化が許容範囲内であるとして、記憶濃度C1に基づいて吸気管34へのパージを継続する。
電流値I2と記憶電流値I1の差が所定値βより大きい場合(ステップS23:YES)、ECU100は、制御弁26の開閉を停止し、吸気管34へのパージガスの供給を停止する(ステップS24)。その後、制御弁を閉じた状態でパージガスの濃度測定を行い(ステップS25)、ステップS25で得たパージガスの濃度に応じて制御弁26の開度またはデューティ比を決定する(ステップS26)。その後、パージを再開する(ステップS27)。
上記方法では、測定濃度C2と測定電流値I2の双方の変化が大きい場合に、パージガスの濃度変化が許容範囲を超えているとして、パージガスの濃度を再度検出する。上記したように、ポンプ52の流量は、パージガスの濃度に依存する。すなわち、パージガスの濃度が増加すると、ガスの粘性が増加し、ポンプ52を所定回数で駆動するための電流値が増加する。ポンプ52の電流値の変化が所定値βを超えることは、パージガスの濃度変化が大きいことを示している。この場合、このままパージを継続していると、A/Fが制御値から大きく乱れる。そのため、制御弁26を閉じた状態で再度パージガスの濃度を測定することにより、A/Fが乱れることを抑制することができる。
なお、図16に示すように、測定濃度C2と測定電流値I2の一方の変化が大きい場合に、パージガスの濃度変化が許容範囲を超えているものとして、パージガスの濃度を再度検出してもよい。この場合、ステップS20aで測定濃度C2を検出し、ステップS22aで測定電流値I2を測定する。その後、記憶濃度C1と測定濃度C2の比較、及び、定電流値I2と記憶電流値I1の比較を行う(ステップS23a)。記憶濃度C1と測定濃度C2の差が所定値αより大きいか、電流値I2と記憶電流値I1の差が所定値βより大きい場合に、制御弁26の開閉を停止し(ステップS24a)、パージガスの濃度測定を行い(ステップS25a)、制御弁26の開度(デューティ比)を決定し(ステップS26a)、パージを再開する(ステップS27a)。この場合、パージガスの濃度が変化したときに、より確実にその変化を検出することができる。
図17から図20を参照し、パージ中のパージガスの濃度が変化したときに、パージガスの供給量を調整する他の方法について説明する。この方法は、上記した蒸発燃料処理装置20b〜20eのように、制御弁26をオフした(閉じた)状態でパージガスの濃度を検出することができるタイプの蒸発燃料処理装置で行うことができる。この方法では、吸気管34にパージを行う前に、パージ通路内に残存しているガス(前回のパージを終了した際に残存しているパージガス)を掃気する(すなわち、吸気管34に排出する)。なお、パージ通路内に残存しているガスを掃気すると、キャニスタ19に吸着されている蒸発燃料がパージ通路内に導入される。図19及び図20は、パージを行うタイミングと、ポンプ52及び制御弁26のオン・オフ状態を示すタイミングチャートである。ポンプ52及び制御弁26は、ECU100の制御信号によってオン・オフ状態が制御される。
タイミングt0は、車両が走行可能な状態になったタイミングを示している。例えば、エンジン2が始動した時がタイミングt0に相当する。タイミングt0では、パージ通路内にガスが残存しており、ECU100はパージ通路内のガスが掃気されていないことを記憶している。タイミングt0では、ECU100は、ガス掃気完了履歴がOFF状態であることを記憶している。タイミングt0では、ポンプ52及び制御弁26がオフしている。エンジン2を始動(ステップS30)した後、制御弁26がオフの状態のままポンプ52を駆動する(ステップS31:タイミングt1)。制御弁26をオフしたまま、タイミングt1からタイミングt2の間にパージガスの濃度を測定する(ステップS32)。パージガスの濃度の測定方法は、上述した方法を用いることができる。
ステップS32で検出したパージガス濃度C11が所定値より薄い場合(ステップS33:YES)、ステップS34に進み、ポンプ52をオンしたまま、制御弁26を所定時間オンする(タイミングt2〜t3)。これにより、パージ通路内に滞留していたガス(前回パージを終了した際に残存していたパージガス)を、パージ通路内から掃気することができる。なお、制御弁26をオンする期間(タイミングt2〜t3)は、タイミングt1〜t2の間に検出したパージガス濃度C11に基づいて決定する。これにより、吸気管34内に掃気されるパージガスにより、A/Fが大きく乱れることを抑制することができる。
残存ガスの掃気が完了すると、ガス掃気完了履歴をON状態にする(ステップS35,タイミングt3)。ガス掃気完了履歴は、エンジン2が駆動している間ON状態に維持し続ける。また、残存ガスの掃気が完了した後、ポンプ52を駆動したまま、制御弁26をオフする(ステップS36,タイミングt3)。その後、パージ通路内のパージガス濃度C12を検出する(ステップS37)。パージガス濃度C12を検出した後、ポンプ52をオフする(ステップS38,タイミングt4)。タイミングt3〜t4の間に検出したガス濃度C12の値は、ECU100がパージオン信号を出力するとき(実際にパージを開始するとき:ステップS39,タイミングt5)で用いる。すなわち、パージを開始する際は、ガス濃度C12の値に基づき、制御弁26の開度、ポンプ52の出力等を決定する。
なお、ステップS33でパージ通路内のパージガスの濃度C11が所定値より濃い場合(ステップS33:NO)、図20に示すように、タイミングt2で制御弁26をオンしない。また、実際にはパージ通路内の掃気が終わっていないが、ステップS35に進み、ガス掃気完了履歴をON状態にする。この場合、実際にパージを開始するとき(タイミングt5)は、ガス濃度C11の値に基づき、制御弁26の開度、ポンプ52の出力等を決定する。パージ通路内のガス濃度(残存ガスの濃度)が濃い場合、そのガスを吸気管34に掃気すると、A/Fがリッチになる傾向がある。その場合、排気ガス中に窒素酸化物が生じやすい傾向がある。そのため、パージ通路内の残存ガスの濃度が所定値より濃い場合、パージ通路内の掃気を行わず、ガス濃度C11に基づいて、制御弁26の開度、ポンプ52の出力等を決定する。
図18は、図19のタイミングt5以降のパージガスの供給量を調整方法を示している。タイミングt5でパージが開始されると、タイミングt5〜t6の間、ポンプ52が駆動し、制御弁26がオンし、吸気管34にパージガスが供給される。ステップS40では、タイミングt5以降に、パージオフの信号が出力された否かを判定する。パージオフの信号が出力されると(ステップS40:YES)、制御弁26をオフする(ステップS41,タイミングt6)。タイミングt6では、ポンプ52の駆動を維持する(タイミングt6〜t7)。タイミングt6〜t7の間に、パージ通路内のガス濃度C13を検出する(ステップS42)。ガス濃度C13を検出後、ポンプをオフする(ステップS43,タイミングt7)。その後、パージオンの信号が出力されたときに(タイミングt8)、制御弁26をオンし、ポンプ52をオンする(ステップS44)。
タイミングt8〜t9の間、ガス濃度C13に基づいて、制御弁26の開度、ポンプ52の出力等を決定する。タイミングt9〜t11では、タイミングt6〜t8と同じ動作を行う。すなわち、パージがオフの状態(t9〜t11)で所定時間ポンプ52を駆動(t9〜t10)し、ガス濃度C14を検出する。
上記方法は、パージオフ(制御弁閉)の状態でパージガスの濃度を検出し、そのガス濃度に基づいてパージオンのときの制御弁26の開度,ポンプ52の出力を制御する。パージを開始するときにパージガスの濃度が既知であるので、より正確にパージガスの供給量を調整することができる。また、エンジン2が始動してパージを開始するまでの間にパージ通路内を掃気するので、パージが開始されるときには、キャニスタ19から供給されるパージガスの濃度を、パージ供給量によく反映させることができる。また、パージ通路内を掃気する際も、掃気前にパージ通路内に残留しているパージガスの濃度を検出するので、掃気の際にA/Fが大きく乱れることも防止することができる。
図21から図25を参照し、パージ中のパージガスの濃度が変化したときに、パージガスの供給量を調整する他の方法について説明する。この方法は、上記した蒸発燃料処理装置20b〜20eのように、制御弁26をオフした状態でパージガスの濃度を検出することができるタイプの蒸発燃料処理装置で行うことができる。この方法では、エンジン2の温度変化に基づいて、パージガスの濃度を補正しながら、吸気管34にパージガスを供給する。図23及び図24は、パージを行うタイミングと、制御弁26のオン・オフ状態を示すタイミングチャートである。制御弁26は、ECU100の制御信号によってオン・オフ状態が制御される。
典型的に、エンジンを始動した後、エンジンの温度が上昇する。エンジンの温度が上昇すると、パージ通路の温度も上昇し、パージ通路内のパージガスの濃度が変化する。エンジンの温度変化に基づいてパージガスの濃度を検出することにより、パージガスの濃度を正確に検出することができ、A/Fが大きく乱れることを防止することができる。なお、エンジンの駆動に伴い、エンジン水温(冷却水の温度)は上昇する。本方法では、エンジン水温が所定値を超えているか否かにより、パージガス濃度の検出方法を変更する。
図21のステップS50では、エンジン水温が第1所定値(例えば15℃)を超えたか否かを判断する。エンジン水温が第1所定値を超えていない場合(ステップS50:NO)、エンジン水温が第1所定値を超えるまでエンジン水温の計測を繰り返す。エンジン水温が第1所定値を超えた後(ステップS50:YES)ECU100にパージガスのガス濃度履歴が記憶されていない場合(ステップS51:YES)、制御弁26を閉じた状態で、パージガスの濃度の測定を開始する(ステップS52,タイミングt20〜t21)。制御弁26を閉じた状態でのパージガス濃度の測定は、上述した方法で行うことができる。パージガスの濃度が安定したときのガス濃度C15を、ガス濃度履歴としてECU100に記憶し、ガス濃度記憶履歴をON状態にする(ステップS53,タイミングt21)。
ガス濃度記憶履歴をON状態にした後、制御弁26をオンし、パージを開始する(ステップS54,タイミングt22)。パージを開始する際、ガス濃度C15に基づいて、制御弁26の開度及びポンプ52の流量(出力)を決定する。なお、ECU100にパージガスのガス濃度が記憶されている場合(ステップS51:NO)、記憶されているガス濃度に基づいてパージを開始する。すなわち、ガス濃度が記憶されていない状態(ガス濃度記憶履歴OFF)の場合は、パージ(エンジン始動後の最初のパージ)を開始しないで、ガス濃度を測定し、パージを開始する。パージ中は、エンジン水温が第2所定値(例えば60℃)未満か(ステップS55:YES)、第2所定値以上(ステップS55:NO)かを測定する。本方法では、エンジン水温が第2所定値未満か否かにより、パージガス濃度の補正方法が異なる。第2所定値未満の場合、図22のステップ56の処理に進む。ステップS56でパージオン(制御弁26オン)の場合(ステップS56:YES)、A/Fセンサからのフィードバックずれ量が所定値A1以下の場合(ステップS57:NO)は、パージを継続する(ステップS58)。A/Fセンサからのフィードバックずれ量が所定値A1より大きい場合(ステップS57:YES)については後述する。なお、A/Fセンサからのフィードバックずれ量を利用し、パージを停止することなく(パージを継続したまま)、フィードバックずれ量に基づいてECU100に記憶されているパージガスの濃度を補正してもよい。ガス濃度を補正することによって、より正確にパージガスの供給量を調整することができる。
ステップS56において、パージがオフの場合(タイミングt23,ステップS56:NO)、ステップS59に進み、パージオフの期間(タイミングt23〜t24)が所定時間T1より長いか否かを判断する。期間t23−t24が所定時間T1より長い場合(ステップS59:YES)、パージオフの状態でパージガスの濃度を測定する(ステップS60)。パージガスの濃度が安定したときのガス濃度C16をECU100に記憶し(ステップS61)、次のパージ開始のタイミングt24において、図21のステップS54に戻り、濃度C16に基づいて、制御弁26の開度及びポンプ52の流量を制御し、パージを継続する。
ステップS59において、例えば期間t25−t26のように、パージオフの期間が所定時間T1より短い場合(ステップS59:NO)、パージオフ中にパージガスの濃度を検出することができない。この場合、パージをオフした時(タイミングt25)のときにECU100に記憶されているガス濃度C16(前回パージオフしたときに測定したガス濃度)を、次のパージのタイミング(タイミングt26)で用いるガス濃度C17として記憶する(ステップS62)。その後、図21のステップS54に戻り、ガス濃度C17(ガス濃度C16)に基づいて、制御弁26の開度(デューティ比)及びポンプ52の流量を制御し、パージを継続する。
ここで、図25を参照し、図22のステップS57にてA/Fセンサからのフィードバックずれ量が所定値A1より大きい場合(ステップS57:YES)について説明する。この場合、パージオン状態であっても(タイミングt22〜t23)、所定時間制御弁26をオフし(ステップS63,タイミングt22a)、パージガスの濃度C19を測定する(ステップS64)。すなわち、実質的にパージをオフする。パージガスの濃度が安定したときのガス濃度C19をECU100に記憶し(ステップS65)、パージを再開(制御弁をオン)する(ステップS66,タイミングt22b)。タイミングt22bで図21のステップS54に戻り、ガス濃度C19に基づいて、制御弁26の開度及びポンプ52の流量を制御し、パージを継続する。
次に、図23及び図24を参照し、図21のエンジン水温が第2所定値以上(ステップS55:NO)の場合について説明する。典型的に、車両では、エンジン水温が第2所定値(例えば60℃)以上になると、A/F学習を開始する。エンジン水温が第2所定値以上(ステップS55:NO)になると、制御弁26をオフしてパージを停止する(ステップS70,タイミングt27)。パージを停止した状態で、パージガス濃度の測定及びA/F学習を開始する(ステップS71)。パージガスの濃度が安定しない場合(ステップS72:NO)、パージガスの濃度が安定するまで検出を続ける。パージガスの濃度が安定した後(ステップS72:YES)、検出したガス濃度C18をECU100に記憶する(ステップS73)。その後、A/F学習が完了しているか否かを判定する(ステップS74)。A/F学習が完了している場合(ステップS74:YES)、制御弁26をオンし(ステップS75,タイミングt28)し、ガス濃度C18をA/Fフィードバックにより補正した濃度に基づいて、制御弁26の開度(デューティ比)及びポンプ52の流量を制御し、パージを継続する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。