以下に添付図面を参照して、この発明に係る点検システムの各実施の形態を詳細に説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
本発明に係る点検システムは、対象設備を点検するためのシステムであり、例えば、サーバ装置、及び点検用端末を備えるシステムである。
ここで、「対象設備」とは、点検の対象の設備であり、具体的には、点検を要するものであって、インフラ設備、工場設備、又は住宅設備等であり、例えば、インフラ設備としての電柱、マンホール、及び橋梁等、工場設備としての工場建屋等、及び住宅設備としての家屋等を含む概念である。
また、「点検」とは、対象設備を検査することであり、具体的には、点検用端末を保持しているユーザが対象設備に訪れて行う検査であり、例えば、対象設備毎に予め定められている手順に従って行う検査である。
また、「サーバ装置」とは、対象設備を点検するための装置であり、具体的には、点検用端末との間で無線又は有線の通信ネットワークを介して通信を行う装置であって、対象設備を管理する管理事務所あるいは管理センター等に設けられている装置であり、例えば、公知の汎用情報サーバ装置に点検機能を付加して実現した装置、あるいは、点検を行うための専用装置等を含む概念である。
また、「点検用端末」とは、対象設備を点検するための装置であり、具体的には、点検を行う点検者によって保持される装置であり、例えば、点検のための専用端末、及び、点検のためのみならず他の汎用的な目的(例えば、通話等)のためにも用いられる汎用端末等を含む概念である。この「点検用端末」とは、詳細には例えば、スマートフォンを含む携帯電話端末、タブレット型コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、メガネ型コンピュータ(つまり、いわゆるスマートグラス)や腕時計型コンピュータの如きウェアラブルデバイス等を含む概念である。
そして、以下に示す実施の形態1においては、「点検用端末」が「メガネ型コンピュータ」である場合において、音声にて点検用端末を操作して点検を行う場合について説明し、実施の形態2においては、「点検用端末」が「タブレット型コンピュータ」である場合において、主に、対象設備の損傷に関する点検を行う場合について説明し、実施の形態3においては、「点検用端末」が「タブレット型コンピュータ」である場合において、主に、対象設備を叩いて出る音に基づいて当該対象設備の状態の良否を確認する点検である「打音点検」を行う場合について説明する。
(実施の形態1)
初めに、実施の形態1について説明する。この実施の形態においては、「点検用端末」が「メガネ型コンピュータ」である場合において、音声にて点検用端末を操作して点検を行う場合について説明する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る点検システム100について説明する。この点検システム100は、サーバ装置1、及び点検用端末2を備えている。図1は、本発明の実施の形態に係る点検システムを例示するブロック図である。なお、点検システム100には、実際には、図示されている点検用端末2以外にも、この点検用端末2と同様な構成の他の点検用端末2が含まれているが、以下では、図示されている点検用端末2に主に着目して説明する(他の実施の形態でも同様とする)。
(構成−サーバ装置)
最初に、サーバ装置1の構成について説明する。サーバ装置1は、点検を管理する管理手段であり、具体的には、点検を管理する管理事務所に設けられている装置であり、図1に示すように、概略的に、通信部11、入力部12、表示部13、サーバ側記録部14、及びサーバ側制御部15を備えている。
(構成−サーバ装置−通信部)
通信部11は、点検用端末2との間でネットワークを介した通信を行う通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の移動体無線通信手段を用いて構成することができる。
(構成−サーバ装置−入力部)
入力部12は、ユーザからの各種操作入力を受け付ける操作手段である。この入力部12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、マウスやキーボード等の公知の入力装置を用いて構成することができる。
(構成−サーバ装置−表示部)
表示部13は、後述する制御部15の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。この表示部13の具体的な構成は任意であり、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いて構成することができる。
(構成−サーバ装置−サーバ側記録部)
サーバ側記録部14は、サーバ装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はフラッシュメモリ等を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述する端末側記録部26、及び他の実施の形態の同一名称の構成も同様とする)。
また、このサーバ側記録部14は、地図情報データベース141(以下、データベースを「DB」と称する)、点検特定情報DB142、点検計画情報DB143、及び点検結果履歴DB144を備えている。
地図情報DB141は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。ここで、地図情報DB141に格納されている「地図情報」とは、対象設備が設置されている場所を含む地図を特定する情報であり、例えば、道路、道路の交差点、道路構造物、施設、川、及び設備(例えば、インフラ設備、工場設備、又は住宅設備等)等を含む各種の位置の特定に必要な情報である。そして、この地図情報DB141の地図情報については、任意の手法を用いて格納されるが、ここでは、例えば、通信部11又は入力部12を介して、あるいは、メモリスティクの如き記録媒体を介して、ユーザがサーバ装置1に入力することにより格納されるものとして、以下説明する(後述する点検特定情報、点検計画情報も同様とする)。
点検特定情報DB142は、点検特定情報を格納する点検特定情報格納手段である。ここで、この点検特定情報DB142に格納されている「点検特定情報」とは、点検を特定する情報であり、具体的には、点検を行う場合に必要な事項を特定する情報である。図2は、点検特定情報を例示した図である。この図2に示すように、点検特定情報は、項目「設備ID」、項目「設備種別情報」、項目「場所情報」、項目「構成画像情報」、項目「点検項目情報」、項目「点検項目ID」、及び項目「点検順序情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「設備ID」に対応する情報は、対象設備を一意に識別するための設備識別情報(以下では、「識別情報」を適宜「ID」と称する)である(図2では、「F1」、「F2」)。なお、ここでは、「F1」は、対象設備である電柱の設備IDであり、「F2」は、対象設備であるマンホールの設備IDであるものとする。また、項目「設備種別情報」に対応する情報は、対象設備の種別を特定する情報である(図2では、「電柱」、「マンホール」)。また、項目「場所情報」に対応する情報は、対象設備が設置されている場所を特定する場所情報である(図2では、経度及び緯度の座標であり、「X1、Y1」、「X2、Y2」)。なお、ここでは、「X1、Y1」は、対象設備である電柱の座標であり、「X2、Y2」は、対象設備であるマンホールの座標であるものとする。また、項目「構成画像情報」に対応する情報は、対象設備の構成を特定する構成情報であり、具体的には、少なくとも対象設備の外観を特定する画像を示す構成情報である(図2では、対象設備の外観の構造、形状、及び寸法を示す外観図面の画像情報であり「M1」、「M2」)。なお、ここでは、「M1」は、対象設備である電柱の図面の画像情報であり、「M2」は、対象設備であるマンホールの図面の画像情報であるものとする。また、項目「点検項目情報」に対応する情報は、点検するべき点検項目を特定する点検項目情報である(図2では、点検項目の名称であり、(「コンクリート剥離」、「曲がり」、「打音」、「蓋の段差」)。なお、ここでは、「コンクリート剥離」は、対象設備におけるコンクリートの剥離の有無、剥離している面積及び深さ等を、確認又は計測する点検ある。また、「曲がり」は、対象設備が曲がっているか否か等を確認する点検である。また、「打音」は、前述の打音点検である。また、「蓋の段差」は、対象設備としてのマンホールの蓋と道路面との間の段差を計測する点検である。また、項目「点検項目ID」に対応する情報は、点検項目を一意に識別するための点検項目IDある(図2では、「I1」〜「I5」)。なお、ここでは、「I1」〜「I5」は各々、項目「点検項目情報」に示される点検項目の点検項目ID(つまり、例えば、「I1」は、「コンクリート剥離」の点検項目ID)であるものとする。また、項目「点検順序情報」に対応する情報は、項目「点検項目情報」が特定する複数の点検項目の相互間の点検順序を特定する点検順序情報である。この点検順序情報については、複数の点検項目の相互間の点検順序を特定できる限りにおいて、任意の構成の情報を用いることができるが、ここでは、例えば、各点検項目において直後の点検項目を特定することにより、全体として各点検項目の相互間の点検順序を特定する情報を用いる場合について説明する。具体的には、図2に示すように、点検順序情報は、「I2」〜「I5」等であり、「点検順序情報」=「I2」については、「I1」の点検項目の直後に「I2」の点検項目を実施することを示しており、同様にして、「点検順序情報」=「I3」〜「I5」各々については、「I2」〜「I4」の点検項目の直後に「I3」〜「I5」の点検項目を実施することを示している。従って、図2に具体的に示されている点検順序情報によって、全体として、「I1」の点検項目を最初に実施し、「I2」の点検項目を「I1」の点検項目の直後に実施し、以降、「I3」〜「I5」の点検項目を順次実施することを特定することが可能になる。そして、この点検特定情報DB142の点検特定情報については、点検ニーズに従う限りにおいて任意の手法を用いて生成した上で格納することができる。
点検計画情報DB143は、点検計画情報を格納する点検計画情報格納手段である。ここで、この点検計画情報DB143に格納されている「点検計画情報」とは、点検の計画の情報であり、例えば、点検を管理する点検管理者によって作成される情報である。図3は、点検計画情報を例示した図である。この図3に示すように、点検計画情報は、項目「点検者ID」、及び項目「点検項目ID」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「点検者ID」に対応する情報は、点検者を一意に識別するための点検者IDである(図3では、「C1」)。なお、ここでは、「C1」は、図1の点検用端末2を保持して点検を行う点検者に対応するものであるものとする。また、項目「点検項目ID」に対応する情報は、図2の同一名称の項目に対応する情報と共通である。そして、このような点検計画情報DB143の点検計画情報については、点検ニーズに従う限りにおいて任意の手法を用いて生成した上で格納することができる。
点検結果履歴DB144は、点検結果情報の履歴を格納する点検結果情報格納手段である。ここで、この点検結果履歴DB144に格納されている「点検結果情報」とは、点検の結果を特定する情報である。図4は、点検結果情報を例示した図である。この図4に示すように、点検結果情報は、項目「点検者ID」、項目「点検項目ID」、項目「日時情報」、及び項目「結果情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「点検者ID」、及び項目「点検項目ID」に対応する情報は、図3の同一名称の項目に対応する情報と共通である。また、項目「日時情報」に対応する情報は、点検が行われた日時を特定するための日時情報である(図4では、「2015年10月1日10時5分」等)。また、項目「結果情報」に対応する情報は、点検の結果を特定する結果情報である(図4では、「OK」等)。なお、ここでは、「OK」は、点検の結果として正常であることを示している。また、図4には示されていないが、結果情報として、「NG」が格納される場合があり、この「NG」は、点検の結果として正常でないことを示すものとする。そして、このような点検結果履歴DB144の点検結果情報については、後述する結果情報送信処理を実行することにより格納されて蓄積される。
(構成−サーバ装置−サーバ側制御部)
図1に戻って、サーバ側制御部15は、サーバ装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(後述する端末側制御部27、及び他の実施の形態の同一名称の構成も同様とする)。特に、実施の形態に係る点検プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介しサーバ装置1にインストールされることで、サーバ側制御部15の各部を実質的に構成する(後述する端末側制御部27、及び他の実施の形態の同一名称の構成も同様とする)。なお、このサーバ側制御部15により行われる処理については、後述する。
(構成−点検用端末)
次に、点検用端末2の構成について説明する。図1に示すように、点検用端末2は、メガネ型コンピュータであり、概略的に、通信部21、入力部22、表示部23、カメラ24、現在位置検出部25、端末側記録部26、及び端末側制御部27を備えている。
(構成−点検用端末−通信部)
通信部21は、サーバ装置1との間でネットワークを介した通信を行う通信手段である。この通信部21の具体的な種類や構成は任意であるが、サーバ装置1の通信部11と同様である。
(構成−点検用端末−入力部)
入力部22は、情報を受け付ける入力手段であり、具体的には、音声を受け付けるものである。この入力部22の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知のマイクロフォンの如き集音装置等を用いて構成することができる。
(構成−点検用端末−表示部)
表示部23は、後述する端末側制御部27の制御に基づいて各種の情報を表示する表示手段である。この表示部23の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、点検用端末2が点検者によって保持された場合に、点検者の目と対向する位置に設けられてることになる公知の光学系(例えば、表示板、導光板等)、あるいは、公知の光源としてのLEDバックライト等を用いて構成することができる。なお、この表示部23については、表示板に情報が表示されて、点検用端末2を保持している点検者は、この表示板の情報を視認できるように構成されているものとして、以下説明する。
(構成−点検用端末−カメラ)
カメラ24は、後述する端末側制御部27の制御に基づいて被写体を撮影して被写体の撮影画像を取得する撮影手段である。このカメラ24としては、例えば、イメージセンサ等を用いて構成することができる。
(構成−点検用端末−現在位置検出部)
現在位置検出部25は、点検用端末2の現在位置(現在地)を検出する検出手段である。この現在位置検出部25は、GPS又は地磁気センサ(いずれも図示省略)を用いて構成することができ、現在の点検用端末2の位置(例えば、経度及び緯度の座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
(構成−点検用端末−端末側記録部)
端末側記録部26は、点検用端末2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この端末側記録部26は、音声認識情報DB261を備えており、また、点検用端末2を一意に識別するための装置ID(以下、点検用端末2の装置IDを「ID2」と称する)が記録されている。
音声認識情報DB261は、音声認識情報を格納する音声認識情報格納手段である。ここで、音声認識情報DB261に格納されている「音声認識情報」とは、点検用端末2にて認識されるべき音声を特定する情報である。図5は、音声認識情報を例示した図である。この図5に示すように、音声認識情報は、項目「単語情報」、項目「画面ID」、及び項目「コマンド情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「単語情報」に対応する情報は、音声にて認識されるべき単語を特定する単語情報である(図5では、「デンチュウ」、「※1」等)。なお、「※1」については、(図5に記載されているか否かに関わらず)全ての単語を示しているものとする。また、項目「画面ID」に対応する情報は、画面を一意に識別するための画面IDである(図5では、「GUI1」、「GUI2」、「GUI3」、「※2」等)。なお、「GUI1」、「GUI2」、「GUI3」は各々、後述するログイン画面、点検案内画面、結果入力画面の画面IDを示しており、「※2」は、(図5に記載されているか否かに関わらず)全ての画面の画面IDを示しているものとする。また、項目「コマンド情報」に対応する情報は、点検用端末2を制御するためのコマンド(つまり、制御命令)を特定するコマンド情報である(図5では、「CMD00」、「CMD11」等)。なお、「CMD00」は、発話された音声を当該音声に対応する文字情報として受け付けるためのコマンドである。「CMD11」及び「CMD12」は、後述する点検案内画面中の所定の画像を選択するためのコマンドである。「CMD21」及び「CMD22」は、後述する結果入力画面中の所定の領域を選択するためのコマンドであり、「CMD23」は、点検の結果として正常であることを示す「OK」を入力するためのコマンドであり、「CMD24」は、点検の結果として正常でないことを示す「NG」を入力するためのコマンドである。「CMD31」は、各コマンドの実行を停止したり、各コマンドを実行する前の状態に戻すためのコマンドである。「CMD32」は、表示されている画面を上側にスクロールするためのコマンドであり、「CMD33」は、表示されている画面を下側にスクロールするためのコマンドである。そして、この音声認識情報DB261の音声認識情報については、任意の手法を用いて格納されるが、ここでは、例えば、「画面ID」=「GUI1」及び「※2」に対応する情報については、通信部21、あるいは、メモリスティクの如き記録媒体を介して、ユーザが点検用端末2に入力することにより格納され、「画面ID」=「GUI2」及び「GUI3」に対応する情報については、後述する点検処理において格納されるものとして、以下説明する。
(構成−点検用端末−端末側制御部)
端末側制御部27は、点検用端末2を制御する制御手段である。なお、この端末側制御部27により行われる処理については、後述する。
(処理)
次に、このように構成される点検システム100によって実行される、点検処理、及び結果情報送信処理について説明する。
(処理−点検処理)
まず、点検処理について説明する。図6は、点検処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「点検処理」とは、点検を行うための処理であり、具体的には、点検の案内及び結果入力等を行うための処理である(他の実施の形態でも同様とする)。この点検処理を実行するタイミングは任意のタイミングであるが、例えば、点検システム100のの電源が投入された場合に起動されて実行するものとして、当該処理が起動したところから説明する(他の実施の形態でも同様とする)。なお、図3の点検計画情報が、点検管理者によって入力されて格納されている場合において、この図3において例示した、「点検者ID」=「C1」の点検者であるユーザが、図1の点検用端末2を保持(具体的には、顔に装着)して点検を行う場合について説明する。
まず、図6に示すように、SA1において端末側制御部27は、ログイン画面を表示部23に表示等させる。ここで、「ログイン画面」とは、音声によって制御可能な画面であり、具体的には、ユーザが点検用端末2を用いてサーバ装置1にアクセスするための画面である。図7は、ログイン画面の表示例である。この図7のログイン画面は、例えば、メッセージ表示領域A1を備えている。メッセージ表示領域A1は、操作を案内するメッセージである案内メッセージを表示する領域であり、例えば、「点検者ID及び認証情報を順次発話して下さい」とのテキスト情報が表示されている。このSA1について具体的には、ログイン画面を表示部23に表示させた上で、点検者ID及び認証情報を互いに分けて入力できるように、点検用端末2の不図示のスピーカから「点検者IDを発話してください」、及び「認証情報を発話して下さい」とのメッセージを、所定時間(例えば、5〜10秒等)を隔てて交互に繰り返し音声出力させる。
図6に戻って、SA2において端末側制御部27は、情報を取得する。具体的には、図1の入力部22を介して音声にて入力された点検者ID及び認証情報を取得し、また、端末側記録部26に記録されている装置IDを取得する。点検者ID及び認証情報の取得について詳細には、図5の音声認識情報を参照した上で、現在表示されている画面に対応する単語情報のみを認識た上で、コマンド情報の制御を行う。より詳細には、現在はログイン画面が表示されているので、「※1」に対応する単語情報として、全ての単語情報(つまり、図5に具体的に示されている単語情報及び示されていない単語情報の全て)を認識することが可能となっており、認識した場合に「CMD00」の制御を行う。
ここでは、例えば、ユーザが、点検用端末2の不図示のスピーカから「点検者IDを発話してください」とのメッセージが音声出力された後に、「シーイチ」を発話し、「認証情報を発話して下さい」とのメッセージが音声出力された後に、「パスワードピーダブリュディ」を発話した場合を例示する。この場合、端末側制御部27は、入力部22を介してこれらの発話が入力され、「シーイチ」の音声を認識した上で「C1」の文字情報として受け付け、また、「パスワードピーダブリュディ」の音声を認識した上で「パスワードPWD」の文字情報として受け付け、受け付けた「C1」を点検者IDとして取得し、受け付けた「パスワードPWD」を認証情報として取得し、また、端末側記録部26に記録されている「ID2」を装置IDとして取得する。なお、ここでの処理については、全ての単語情報が認識の対象となっているので、周囲の騒音により誤認識等が行われないように、ユーザが点検の現場到着前、あるいは、点検の現場での比較的静かな場所(例えば、作業待機室等)等にて行うようにしてもよい。
図6に戻って、SA3において端末側制御部27は、サーバ装置1側の情報であるサーバ側情報を送信することの要求であるサーバ側情報要求を、図1の通信部21を介して、サーバ装置1に送信する。このSA3について具体的には、SA2で取得した情報を含むサーバ側情報要求を生成し、生成したサーバ側情報要求を送信する。ここでは、例えば、「装置ID」=「ID2」、「点検者ID」=「C1」、及び「認証情報」=「パスワードPWD」を含むサーバ側情報要求(以下、例示のサーバ側情報要求)を生成して送信する。
図6に戻って、一方、SB1においてサーバ側制御部15は、サーバ側情報要求を受信したか否かを判定する。具体的には、通信部11を監視して判定する。そして、サーバ側情報要求を受信していないものと判定した場合(SB1のNO)、サーバ側情報要求を受信するまでSB1を繰り返し実行する。また、サーバ側情報要求を受信したものと判定した場合(SB1のYES)、SB2に移行する。ここでは、例えば、「例示のサーバ側情報要求」を受信したものと判定した場合、SB2に移行する。
次に、SB2においてサーバ側制御部15は、点検者の認証を行う。なお、認証の手法としては、任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、図1のサーバ装置1のサーバ側記録部14に、点検者IDと認証情報としてのパスワードとの組合せが、適正な組み合わせとして複数含まれているパスワード情報が記録されており、このパスワード情報を用いて認証するものとして、以下説明する。ここでは、例えば、このパスワード情報には、「C1」及び「パスワードPWD」の組合せが存在するものとして、以下説明する。SB2について具体的には、SB1で受信したサーバ側情報要求から「認証情報」及び「点検者ID」を取得し、取得した「認証情報」及び「点検者ID」の組合せに合致する組み合わせがパスワード情報に存在するか否かに基づいて認証する。そして、合致する組合せがパスワード情報に存在しなかった場合(SB2のNO)、不正な要求であるものとしてSB1に移行する。また、合致する組合せがパスワード情報に存在した場合(SB2のYES)、正当な要求であるものとしてSB3に移行する。ここでは、例えば、パスワード情報に、「C1」及び「パスワードPWD」の組合せが存在しているので、「例示のサーバ側情報要求」を受信した場合については、SB3に移行する。
次に、SB3においてサーバ側制御部15は、サーバ側情報を取得する。具体的には、SB1で受信したサーバ側情報要求から「装置ID」を「サーバ側情報」として取得する。また、SB1で受信したサーバ側情報要求から「点検者ID」を取得し、図3の点検計画情報を参照して、前述の取得した「点検者ID」に対応する「点検項目ID」を特定する。この特定の後に、図2の点検特定情報を参照して、この参照した点検特定情報から、前述の特定した「点検項目ID」に対応する情報を(点検項目ID自身も含めて)互いに対応付けられた状態で全て、「サーバ側情報」として取得する。また、図1の地図情報DB141に格納されている地図情報を「サーバ側情報」として取得する。ここでは、例えば、図6のSB1で「例示のサーバ側情報要求」を受信した場合、「ID2」を「サーバ側情報」として取得する。また、図3において「点検者ID」=「C1」に対応する点検項目IDとして、「I1」〜「I5」を特定する。この特定の後に、図2において「点検項目ID」=「I1」に対応する情報として、「設備ID」=「F1」、「設備種別情報」=「電柱」、「場所情報」=「X1、Y1」、「構成画像情報」=「M1」、「点検項目情報」=「コンクリート剥離」、「点検項目ID」=「I1」及び「点検順序情報」=「I2」を互いに対応付けられた状態で「サーバ側情報」として取得し、同様にして、「点検ID」=「I2」〜「I5」各々に対応する情報についても、互いに対応付けられた状態で「サーバ側情報」として全て取得する。また、図1の地図情報DB141に格納されている地図情報を「サーバ側情報」として取得する。
図6に戻って、SB4においてサーバ側制御部15は、サーバ側情報を図1の通信部11を介して点検用端末2に送信する。具体的には、SB3で取得したサーバ側情報を送信する。ここでは、例えば、SB1で「例示のサーバ側情報要求」を受信した場合、「ID2」と、図2の点検特定情報に具体的に示されている情報全てと、図1の地図情報DB141に格納されている地図情報とを含むサーバ側情報(以下、例示のサーバ側情報)を送信する。
図6に戻って、一方、SA4において端末側制御部27は、サーバ側情報を、図1の通信部21を介して受信して格納する。具体的には、図6のSB4で送信されたサーバ側情報のうちの自己の装置ID(つまり、「ID2」)が含まれているサーバ側情報を受信して、受信したサーバ側情報を図1の端末側記録部26に格納する。ここでは、例えば、「例示のサーバ側情報」を受信して格納する。
図6に戻って、SA5において端末側制御27は、点検案内画面を、図1の表示部23に表示させる。ここで、「点検案内画面」とは、音声によって制御可能な画面であり、具体的には、点検を案内するための画面である。SA5について具体的には、現在位置検出部25の検出結果を取得し、取得した検出結果と、図6のSA4で格納したサーバ側情報等に基づいて点検案内画面を生成して、生成した点検案内画面を表示部23に表示させる。なお、この点検案内画面については、対象設備の場所と点検者の位置とを視認でき、且つ、点検順序に従って点検を案内できる限りにおいて、任意に構成して表示させことができるが、ここでは、例えば、以下に示すように構成して表示させるものとして説明する。
図8は、点検案内画面の表示例である。この図8の点検案内画面は、例えば、地図表示領域A2を備えている。地図表示領域A2は、地図を表示する領域であり、例えば、道路画像31、建屋画像32、対象設備画像33、34、及び現在位置特定画像35が表示されている。ここで、「道路画像」31は、地図情報であり、具体的には、地図上の道路を示す画像である。また、「建屋画像」32は、地図情報であり、具体的には、地図上の建屋を示す画像である。また、「対象設備画像」33、34は、場所情報であり、具体的には、対象設備が設置されている場所に対応する位置に表示される画像であり、例えば、対象設備画像33は図2の「設備ID」=「F1」の電柱を示しており、図8の対象設備画像34は図2の「設備ID」=「F2」のマンホールを示している。また、「現在位置特定画像」35は、点検用端末2の位置を特定する点検用端末位置情報であり、具体的には、点検用端末2(つまり、点検用端末2を保持している点検者)の現在位置に対応する位置に表示される画像である。
ここでは、例えば、図6のSA4で格納した「例示のサーバ側情報」に基づいて、図8の道路画像31、建屋画像32、及び対象設備画像33、34を生成して表示させ、現在位置検出部25の検出結果に基づいて、現在位置特定画像35を生成して表示させる。
道路画像31及び建屋画像32についてより詳細には、「例示のサーバ側情報」の「地図情報」に基づいて、道路画像31及び建屋画像32を生成して表示させる。
また、対象設備画像33、34についてより詳細には、対象設備画像33、34の表示位置、及び表示態様を決定した後に、この決定結果に従って対象設備画像33、34を生成して表示させる。具体的には、まず、「例示のサーバ側情報」における「点検特定情報」の「設置場所情報(つまり、図2の場所情報に対応する情報)」に基づいて、地図上における対象設備の設置場所を特定し、特定した設置場所を対象設備画像33、34の表示位置として決定する。ここでは、例えば、「経度及び緯度の座標」=「X1、Y1」に対応する位置を、対象設備画像33の表示位置として決定し、「経度及び緯度の座標」=「X2、Y2」に対応する位置を、対象設備画像34の表示位置として決定する。次に、図6のSA4で格納した点検特定情報の点検順序情報(つまり、図2の点検順序情報に対応する情報)及び後述する点検結果の入力に基づいて、点検項目の点検順序を特定し、特定した点検順序に基づいて、対象設備画像33、34の表示態様を決定する。対象設備画像33、34の表示態様の決定について具体的には、まず、図2の点検項目ID及び点検順序情報を参照して、各点検項目を点検順序に従ってソートし、各点検項目に対して点検順序に対応する数値(ここでは、「1」〜「5」であり、値が小さいものほど先に実施されることを示している数値)(以下、点検順序特定番号)を付し、付した点検順序特定番号及び後述する点検結果の入力に基づいて、「直近設備」及び「点検未実施設備」を特定し、特定した「直近設備」及び「点検未実施設備」毎に表示態様を決定する。ここで、「直近設備」とは、直近に点検を行うべき対象設備であり、具体的には、点検が未終了の対象設備のうち前述の付した「点検順序特定番号」の値が最も小さい対象設備である。また、「点検未実施設備」とは、直近設備以外の対象設備であって点検が未終了の対象設備である。特定した「直近設備」及び「点検未実施設備」の表示態様について具体的には、「直近設備」及び「点検未実施設備」を互いに区別するために、「直近設備」と「点検未実施設備」とが互いに異なる表示態様になるように決定する。ここでは、例えば、図2の「点検項目ID」=「I1」に対して、「点検順序特定番号」=「1」を付し、「点検項目ID」=「I2」に対して、「点検順序特定番号」=「2」を付し、同様にして、「点検項目ID」=「I3」〜「I5」に対して、「点検順序特定番号」=「3」〜「5」を付す。そして、付した「点検順序特定番号」=「1」に対応する「設備ID」=「F1」の電柱を「直近設備」として特定し、特定した「直近設備」に対応する図8の対象設備画像33の表示態様として、「赤色及び背景色を交互に表示させる点滅表示」を決定し、図2の設備IDが「直近設備」の「F1」以外のもの(つまり、図2の「F2」)のマンホールを「点検未実施設備」として特定し、特定した「点検未実施設備」に対応する図8の対象設備画像34の表示態様として、「赤色の点灯表示」を決定する。そして、前述の決定した表示位置に対して、決定した表示態様にて表示されるように、対象設備画像33、34を生成して表示させる。
また、現在位置特定画像35についてより詳細には、図1の現在位置検出部25の検出結果に基づいて、地図上における点検用端末2の現在位置を特定し、特定した現在位置に対応する表示位置に表示されるように、現在位置特定画像35を生成して表示させる。なお、最新の現在位置を表示できるように、図1の現在位置検出部25が所定時間毎(例えば、1秒毎等)に点検用端末2の現在位置を検出するものとし、現在位置検出部25が現在位置を検出する毎に、最新の現在位置が反映されるように、現在位置特定画像35を更新するものとする。点検案内画面をこのように構成することにより、点検者自身の位置、及び点検するべき対象設備の場所を点検者に対して案内することができるので、点検に対する点検者の習熟度の度合いに関わらず確実に点検を行わせることができ、点検効率を向上させることができる。
図6に戻って、SA6において端末側制御部27は、音声認識情報の一部の情報を生成して格納する。ここでの各情報の生成手法については任意の手法を用いることができるが、以下のように生成することもできる。
図5の「画面ID」=「GUI2」に対応する情報について具体的には、図6のSA5で生成して表示させた点検案内画面に基づいて、生成して格納する。より具体的には、まず、図8の対象設備画像33、34に対応するの名称を、対象設備画像33、34が特定する対象設備の種別に基づいて決定し、決定した名称を図8に示す名称欄33a、34aに表示させた上で、図5の単語情報に格納し、また、コマンド情報を格納する。ここでは、例えば、図8の対象設備画像33、34に対応するの名称として、「電柱」及び「マンホール」を決定し、名称欄33aに「電柱」を表示させ、名称欄34aに「マンホール」を表示させた上で、図5の「単語情報」=「デンチュウ」及び「マンホール」を生成して格納し、また、対象設備画像33を選択するためのコマンドである「CMD11」、及び対象設備画像34を選択するためのコマンドである「CMD12」を生成して格納する。
また、図5の「画面ID」=「GUI3」に対応する情報について具体的には、図8の対象設備画像33、34を選択した場合に、予め定められているフォーマットの結果入力画面が表示されるものとし、このフォーマットに従って、生成して格納する。ここで、「結果入力画面」とは、音声によって制御可能な画面であり、具体的には、点検の結果を入力するための画面である。図9は、結果入力画面の表示例である。ここでは、例えば、図5の「コウセイガゾウヒョウジ」、「ケッカニュウリョク」、「オッケイ」、及び「エヌジー」を生成して格納し、また、図9の画像表示ボタン領域A31を選択するためのコマンドである「CMD21」、図9の結果入力領域A32を選択するためのコマンドである「CMD22」、「OK」を入力するためのコマンド「CMD23」、「NG」を入力するための「CMD24」を生成して格納する。なお、図9の結果入力画面の詳細については後述する。
図6に戻って、SA7において端末側制御部27は、点検結果の入力を受け付けたか否かを判定する。具体的には、概要としては、図9の結果入力画面を表示させた上で、この結果入力画面の項目「結果」の領域に「OK」又は「NG」の点検結果が入力されたか否かに基づいて判定する。そして、点検結果が入力されていないものと判定した場合、点検結果を受け付けていないものと判定し(SA7のNO)、点検結果を受け付けたものと判定するまで、繰り返しSA7を実行する。また、点検結果が入力されたものと判定した場合、点検結果を受け付けたものと判定し(SA7のYES)、SA8に移行する。ここでのSA7の処理について詳細に説明する。
まず、SA7においては、図8の点検案内画面が表示されているので、図5の「画面ID」=「GUI2」に対応する「単語情報」=「デンチュウ」及び「マンホール」等を認識することが可能な状態になっている。この状態において、ユーザが、図8において「直近設備」として表示されている対象設備画像33に対応する名称欄33aを視認した上で、「デンチュウ」を発話した場合、図1の端末側制御部27は、入力部22を介してこの発話が入力され、「デンチュウ」の音声を認識した上、図5の「コマンド情報」=「CMD11」の制御を行って、図8の対象設備画像33を選択する。なお、ここでは、ユーザが「マンホール」を発話した場合、対象設備画像34の対象設備が「直近設備」でないので、エラーメッセージ(例えば、「点検対象を確認して下さい」)等を表示して、再度の発話を求めてもよい。そして、ここでは、認識可能な単語情報が絞られるために、騒音等により音声の誤認識が発生するのを抑制することができる。
次に、端末側制御部27は、図9の結果入力画面を生成して表示させる。この結果入力画面は、例えば、図8において選択した対象設備画像33に対応する点検項目等についての詳細の情報であり、点検順序(つまり、前述の図6のSA5において付した「点検順序特定番号」の値が小さいものほど先に表示されるように「点検順序特定番号」の値)に従って順次表示される情報である。そして、この結果入力画面については、ユーザによる視認性等を考慮して任意の態様にて表示することができるが、ここでは、例えば、図8の点検案内画面における対象設備画像33の周辺にポップアップ画面として表示されるものとして、以下説明する。この結果入力画面は、図9に示すように、項目「設備ID」、項目「設備種別」、項目「構成画像」、項目「点検順序」、項目「点検項目ID」、項目「点検項目」、及び項目「結果」と、各項目に対応する領域とが、相互に関連付けて構成されている。この項目「設備ID」、項目「設備種別」、項目「点検項目ID」、項目「点検項目」に対応する領域は、図2の「設備ID」、「設備種別情報」、「点検項目ID」、及び「点検項目情報」が表示される領域である。また、図9の項目「構成画像」に対応する画像表示ボタン領域A31は、構成情報を表示するために選択される領域であり、選択した場合に、図2の「構成情報」が結果入力画面の隣にポップアップして表示されるように構成されている。また、項目「点検順序」に対応する領域には、点検順序を特定する情報が表示される領域であり、具体的には、前述の図6のSA5において付した「点検順序特定番号」の値が表示される領域である。また、図9の項目「結果」に対応する結果入力領域A32は、点検結果を入力するために選択される領域であり、選択した場合に、選択した領域に対応する点検項目の点検結果を入力できるように構成されている。
この図9の結果入力画面の生成及び表示について具体的には、端末側制御部27は、図8の点検案内画面において選択された対象設備画像に対応する設備IDを特定し、特定した設備IDに対応する情報を、図6のSA4で格納したサーバ側情報としての図2の点検特定情報から取得し、取得した情報等に基づいて結果入力画面を生成及び表示させる。ここでは、例えば、図9に示す結果入力画面を生成及び表示する。
このように図9の結果入力画面がポップアップ表示された場合、図5の「画面ID」=「GUI3」に対応する「単語情報」=「コウセイガゾウヒョウジ」、「ケッカニュウリョク」、「オッケイ」、及び「エヌジー」を認識することが可能な状態になっている。この状態において、ユーザが、「ケッカニュウリョク」を発話した場合、図1の端末側制御部27は、入力部22を介してこの発話が入力され、「ケッカニュウリョク」の音声を認識した上、図5の「コマンド情報」=「CMD22」の制御を行って、図9の結果入力領域A32を選択する。
次に、結果入力領域A32が選択されている状態において、ユーザが「オッケイ」を発話した場合、図1の端末側制御部27は、入力部22を介してこの発話が入力され、「オッケイ」の音声を認識した上、図5の「コマンド情報」=「CMD23」の制御を行うことにより、「OK」を受け付けて、図9の結果入力領域A32に「OK」との文字情報を表示させる。一方、結果入力領域A32が選択されている状態において、ユーザが「エヌジー」を発話した場合、図1の端末側制御部27は、「NG」を受け付けて、図9の結果入力領域A32に「NG」との文字情報を表示させる。そして、概要として説明したように、図6のSA7において、「OK」又は「NG」の点検結果が入力されたか否かに基づいて、点検結果の入力を受け付けたか否かを判定する。
図6に戻って、SA8においての端末側制御部27は、点検結果を格納する。具体的には、SA2で取得した点検者ID、SA7において選択した図9の結果入力領域A32に対応する点検項目IDと、入力した点検結果(つまり、「OK」、「NG」)と、点検結果を入力した時に点検用端末2の不図示の計時手段が計時した日時とを互いに関連付けて、図1の端末側記録部26に格納する。ここでは、例えば、図6のSA2にて点検者IDとして「C1」を取得し、図9において結果入力領域A32が選択されて、点検結果として「OK」が、「2015年11月1日9時5分」に入力された場合、「C1」と、「結果入力領域A32」に対応する「I1」と、「OK」と、「2015年11月1日9時5分」とを互いに関連付けて格納する。
図6に戻って、SA9において端末側制御部27は、全ての点検項目についての点検が終了したか否かを判定する。具体的には、SA4で受信した図2の点検特定情報の点検項目IDの点検項目の全てに対して、図6のSA7において点検結果を入力したか否か基づいて判定する。そして、全てに対して点検結果を入力したものと判定した場合(SA9のYES)、全ての点検項目についての点検が終了したものと判定し、点検処理を終了する。また、全てに対して点検結果を入力したものではないと判定した場合(つまり、SA4で受信した図2の点検特定情報の点検項目IDの点検項目のうちの少なくとも一部の点検項目については、点検結果を入力していないものと判定した場合)(SA9のNO)、全ての点検項目についての点検が終了したわけではないものと判定し(つまり、少なくとも一部の点検項目についての点検が未終了であるものと判定し)、SA5に移行して、「SA9のYES」となるまで、各処理を繰り返し実行する。
なお、「SA9のNO」の後のSA5においては、「直近設備」である図2の項目「設備ID」=「F1」の点検結果のうちの、未だ点検結果が入力されていない点検項目がある場合には、図8の点検案内画面を更新せずに、図6のSA7に移行して、前述の図6のSA4において付した「点検順序特定番号」に従って、「点検順序特定番号」=「2」に対応する結果入力画面を切り替えて表示させる。なお、ここでの図6のSA6については、既に音声認識情報が格納されているので、スキップするものとする。図10は、図9の結果入力画面の次に表示される結果入力画面の表示例である。この図10の結果入力画面を表示させた上で、前述の場合と同様にして各処理を行う。そして、この後、「点検順序特定番号」=「3」に対応する処理において図2の「設備ID」=「F1」の点検結果が全て入力された後に、繰り返しの処理においてSA5に移行した場合、この「設備ID」=「F1」の対象設備を点検が終了した対象設備である「点検済設備」として特定し、特定した「点検済設備」に対応する図8の対象設備画像33の表示態様として、「直近設備」及び「点検未実施設備」と区別するために、「直近設備」及び「点検未実施設備」とは異なる表示態様である「青色の点灯表示」を決定する。また、「点検順序特定番号」=「4」に対応する図2の「設備ID」=「F2」のマンホールを「直近設備」として特定し、特定した「直近設備」に対応する図8の対象設備画像34の表示態様として、「赤色及び背景色を交互に表示する点滅表示」を決定する。そして、前述の決定した表示態様にて表示されるように、対象設備画像33、34の表示態様を更新した後、各処理を実行する。これにて点検処理を終了する。
(処理−結果情報送信処理)
次に、結果情報送信処理について説明する。図11は、結果情報送信処理のフローチャートである。「結果情報送信処理」とは、点検の結果を図1の点検用端末2からサーバ装置1に送信する処理である(他の実施の形態でも同様とする)。この結果情報送信処理を実行するタイミングは任意のタイミングであるが、例えば、点検システム100のの電源が投入された後に、所定時間(例えば、30分〜3時間等)毎に繰り返し起動されて実行するものとして、当該処理が起動したところから説明する(他の実施の形態でも同様とする)。
まず、図11に示すように、SC1において端末側制御部27は、点検結果を取得する。具体的には、図6のSA8で格納した点検結果を取得する。ここでは、例えば、図1の端末側記録部26にアクセスして、一例として前述した「C1」、「I1」、「OK」、及び「2015年11月1日9時5分」の情報(以下、例示の点検結果)等の、未送信の情報を全て取得する。
図11に戻って、SC2において端末側制御部27は、SC1で取得した点検結果を送信する。具体的には、図1の通信部21を介して、サーバ装置1に送信する。ここでは、例えば、「例示の点検結果」を送信する。
図11に戻って、一方、SD1においてサーバ側制御部15は、点検結果を受信したか否かを判定する。具体的には、図1の通信部11を監視し、監視結果に基づいて判定する。そして、通信部11が点検結果を受信していない場合、点検結果を受信していないものと判定し(SD1のNO)、点検結果を受信したものと判定するまで、繰り返しSD1を実行する。また、通信部11が点検結果を受信した場合、点検結果を受信したものと判定し(SD1のYES)、SD2に移行する。ここでは、例えば、SC2で端末側制御部27が送信した「例示の点検結果」を受信した場合、点検結果を受信したものと判定する。
図11に戻って、SD2においてサーバ側制御部15は、点検結果を格納する。具体的には、SD1で受信した点検結果を、図1のサーバ側記録部14の点検結果履歴DB144に格納する。ここでは、例えば、SD1で「例示の点検結果」を受信した場合、図4において「点検者ID」=「C1」、「点検項目ID」=「I1」、「日時情報」=「2015年11月1日9時5分」、及び「結果情報」=「OK」を格納する(なお、図4では不図示)。これにて結果情報送信処理を終了する。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、音声にて制御することができるので、例えば高所での点検作業等の、両手がふさがっており点検用端末2をマニュアルにて操作するのが困難な作業を行っている場合においても、スムーズに点検作業を行うことができ、点検作業の安全性を確保しつつ作業効率を向上させることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態においては、「点検用端末」が「タブレット型コンピュータ」である場合において、主に、対象設備の損傷に関する点検を行う場合について説明する。実施の形態2の構成(同一文言の定義も含む)は、音声を用いずに手入力にて操作を行う点、及び、損傷に関する詳細の点検を行う点以外の点については、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはその旨を記載し、詳細の説明を省略する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る点検システム400について説明する。この点検システム400は、サーバ装置4、及び点検用端末5を備えている。図12は、実施の形態2に係る点検システムを例示するブロック図である。
(構成−サーバ装置)
最初に、サーバ装置4の構成について説明する。サーバ装置4は、点検を管理する管理手段であり、具体的には、点検を管理する管理事務所に設けられている装置であり、図12に示すように、概略的に、通信部41、入力部42、表示部43、サーバ側記録部44、及びサーバ側制御部45を備えている。なお、通信部41、入力部42、及び表示部43は、実施の形態1の同一名称の各部の構成と同様である。
(構成−サーバ装置−サーバ側記録部)
サーバ側記録部44は、サーバ装置4の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、地図情報DB441、点検特定情報DB442、点検計画情報DB443、点検結果履歴DB444、及びサーバ側損傷履歴情報DB445を備えている。
地図情報DB441は、実施の形態1の同一名称のDBの構成と同様である。
点検特定情報DB442は、点検特定情報を格納する点検特定情報格納手段であって、対象設備の構成を特定する対象設備構成情報を格納する構成情報格納手段であり、例えば、対象設備の外観の画像である対象設備外観画像を格納するものである。この点検特定情報DB442は、例示する点検特定情報の具体的な内容が異なっている点を除いて、実施の形態1の同一名称の各部の構成と同様である。図13は、点検特定情報を例示した図である。なお、「点検項目情報」の「外観目視」は、対象設備を目視確認することにより行う点検であり、例えば、ひび割れの状態、剥離の状態、あるいは腐食の状態等を目視にて確認する点検である。点検特定情報DB442は、例えば、図13の点検特定情報を格納している。なお、この図13における「構成画像情報」が、「対象設備構成情報」に相当し、また、「対象設備外観画像」にも相当する。
図12の点検計画情報DB443は、例示する点検計画情報の具体的な内容が異なっている点を除いて、実施の形態1の同一名称のDBの構成と同様である。図14は、点検計画情報を例示した図である。点検計画情報DB443は、例えば、図14の点検計画情報を格納している。
図12の点検結果履歴DB444は、例示する点検結果情報の具体的な内容が異なっている点を除いて、実施の形態1の同一名称のDBの構成と同様である。図15は、点検結果情報を例示した図である。なお、「結果情報」の「済」は、外観目視情報を実施済みであることを示している。点検結果履歴DB444は、例えば、図15の点検結果情報を格納している。
サーバ側損傷履歴情報DB445は、サーバ側損傷履歴情報を格納するサーバ側損傷履歴情報格納手段であり、特に、少なくとも、他設備の構成を特定する他設備構成情報と、他設備の損傷の履歴を特定する他設備損傷履歴情報とを互いに対応付けて格納する他設備情報格納手段である。ここで、「他設備」とは、対象設備と比較される設備であって、対象設備に対応する構成の設備であり、例えば、後述する損傷予測を行うために対象設備と比較される設備である。なお、「対応する構成」とは、構成が似ていることであり、例えば、構造、形状、及び寸法等の各構成の一致度が高い(最高、あるいは、所定の順位(5〜6番目等)以内等)ことである。つまり、「他設備」とは、現在点検の対象となっていない設備(具体的には、後述する損傷予測を行う時に損傷予測の対象となっていない設備)であり、具体的には、点検を要するものであって、インフラ設備、工場設備、又は住宅設備等であり、例えば、インフラ設備としての電柱、マンホール、及び橋梁等、工場設備としての工場建屋等、及び住宅設備としての家屋等を含む概念である。また、「損傷」とは、対象設備又は他設備の外観上の損傷であり、例えば、ひび割れの損傷、剥離の損傷、あるいは腐食の損傷等を含む概念である。このサーバ側損傷履歴情報DB445に格納されている「サーバ側損傷履歴情報」とは、サーバ装置4側の情報であり、具体的には、少なくとも、他設備構成情報と他設備損傷履歴情報とを含む情報である。図16は、サーバ側損傷履歴情報を例示した図である。この図16に示すように、サーバ側損傷履歴情報は、項目「履歴設備ID」、項目「竣工日情報」、項目「構成画像情報」、項目「日時情報」、項目「損傷種別情報」及び項目「損傷位置特定情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「構成画像情報」、及び項目「日時情報」に対応する情報は各々、対象設備又は他設備の情報であり、図13又は図15の同一名称の項目に対応する情報と同様である。項目「履歴設備ID」とは、対象設備又は他設備各々を一意に識別するための履歴設備IDである(図16では、「F11」、「F11a」等)。また、項目「竣工日情報」に対応する情報は、対象設備の竣工日を特定する竣工日情報である(図16では、「2000年1月1日」等)。また、項目「損傷種別情報」に対応する情報は、対象設備又は他設備の外観上の損傷の種別を特定する損傷種別情報である(図16では、「なし」、「ひび割れ」、「剥離」、「腐食」等)。なお、ここでは、「なし」は、外観上の損傷がないことを示しており、「ひび割れ」は、損傷がひび割れであることを示しており、「剥離」は、損傷が外面の剥離であることを示しており、「腐食」は、損傷が腐食であることを示しているものとする。項目「損傷位置特定情報」に対応する情報は、対象設備又は他設備の外観における損傷している位置を特定する損傷位置特定情報である(図16では、対象設備又は他設備の所定位置を基準とした場合の座標群であり、「(Xa1、Ya1)、(Xa2、Ya2)・・・」等)。なお、ここで、「対象設備又は他設備の所定位置」とは、対象設備又は他設備における予め定められた位置であり、例えば、橋梁の橋桁における一方の端部等であるものとする。また、「座標群」とは、座標の集合であり、例えば、「ひび割れ」における始点、終点、及び当該始点及び終点の間の1つ以上の中間点の座標の集合であり、「剥離」及び「腐食」における剥離範囲及び腐食範囲の外周を形成する座標の集合であるものとする。そして、このサーバ側損傷履歴情報DB445のサーバ側損傷履歴情報については、後述する結果情報送信処理において格納されるものとして、以下説明する。なお、この図16における「構成画像情報」が「他設備構成情報」に相当し、「日時情報」、「損傷種別情報」及び「損傷位置特定情報」が「他設備損傷履歴情報」に相当する。
(構成−サーバ装置−サーバ側制御部)
図12に戻って、サーバ側制御部45は、サーバ装置4を制御する制御手段である。なお、このサーバ側制御部45により行われる処理については、後述する。
(構成−点検用端末)
次に、点検用端末5の構成について説明する。図12に示すように、点検用端末5は、タブレット型コンピュータであり、概略的に、通信部51、入力部52、表示部53、カメラ54、現在位置検出部55、端末側記録部56、及び端末側制御部57を備えている。なお、通信部51、カメラ54、現在位置検出部55は、実施の形態1の同一名称の各部の構成と同様である。
(構成−点検用端末−入力部)
入力部52は、情報を受け付ける入力手段であり、特に、対象設備の損傷を特定する対象設備損傷情報を受け付ける入力手段であり、具体的には、損傷位置特定情報を対象設備損傷情報として受け付けるものであり、例えば、対象設備のひび割れの状態を特定するひび割れ情報、対象設備の剥離の状態を特定する剥離情報、又は、対象設備の腐食の状態を特定する腐食情報を受け付けるものである。この入力部52の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種入力を受け付けるタッチパッド(一例としては、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のタッチパッド)として構成されており、詳細には、表示部53のディスプレイの表示面と重畳するように設けられて、当該ディスプレイと共にタッチパネルとして機能するように構成されている。なお、ここでの「損傷位置特定情報」、「割れ情報」、「剥離情報」、及び「腐食情報」が、「対象設備損傷情報」に相当する。
(構成−点検用端末−表示部)
表示部53は、後述する表示制御部571の制御に基づいて各種の情報を表示する表示手段である。この表示部53の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
(構成−点検用端末−端末側記録部)
端末側記録部56は、点検用端末5の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この端末側記録部56は、端末側損傷履歴情報DB561、及び損傷情報DB562を備えており、また、点検用端末5を一意に識別するための装置ID(以下、点検用端末5の装置IDを「ID5」と称する)が記録されている。
端末側損傷履歴情報DB561は、端末側損傷履歴情報を格納する端末側損傷履歴情報格納手段であり、特に、少なくとも、他設備の構成を特定する他設備構成情報と、他設備の損傷の履歴を特定する他設備損傷履歴情報とを互いに対応付けて格納する他設備情報格納手段である。この端末側損傷履歴情報DB561に格納されている「端末側損傷履歴情報」とは、点検用端末5側の情報であり、具体的には、少なくとも、他設備構成情報と他設備損傷履歴情報とを含む情報であり、例えば、図16のサーバ側損傷履歴情報と同一内容の情報である。そして、このような端末側損傷履歴情報DB561の端末側損傷履歴情報については、後述する点検処理において格納されるものとして、以下説明する。
図12の損傷情報DB562は、入力部52が受け付けた対象設備損傷情報を格納する損傷情報格納手段である。そして、このよう損傷情報DB562の対象設備損傷情報については、後述する点検処理において格納されるものとして、以下説明する。
(構成−点検用端末−端末側制御部)
端末側制御部57は、点検用端末5を制御する制御手段であり、機能概念的に、表示制御部571、予測部572を備えている。表示制御部571は、サーバ装置4の点検特定情報DB442が格納している対象設備構成情報(具体的には、図13の構成画像情報)と、入力部52が受け付けた対象設備損傷情報とを表示部53に表示させる表示制御手段である。また、予測部572は、サーバ装置4の点検特定情報DB442が格納している対象設備構成情報(具体的には、図13の構成画像情報)と、損傷情報DB562が格納している対象設備損傷情報と、サーバ側損傷履歴情報DB445又は端末側損傷履歴情報DB561が格納している他設備構成情報及び他設備損傷履歴情報とに基づいて、損傷予測を行う予測手段である。ここで、「損傷予測」とは、対象設備の損傷に関する予測であり、例えば、現時点から対象設備の改修が必要になる時点までの期間の予測である。この端末側制御部57の各部により行われる処理については、後述する。
(処理)
次に、このように構成される点検システム400によって実行される、点検処理、及び結果情報送信処理について説明する。なお、これらの処理については、実施の形態1の同一名称の処理と、少なくとも一部の処理が共通しているので、共通しているものについては、適宜説明を省略する。
(処理−点検処理)
まず、点検処理について説明する。図17は、点検処理のフローチャートである。なお、図14の点検計画情報が、点検管理者によって入力されて格納されている場合において、この図14において例示した、「点検者ID」=「C11」の点検者であるユーザが、図12の点検用端末5を保持して点検を行う場合について説明する。また、図16の履歴設備IDが特定している設備(具体的に例示していないもの含む)の中で、「履歴設備ID」=「F11」の設備の構成と最も一致度が高い設備が、「履歴設備ID」=「F11a」の設備であるものとして、以下説明する。
まず、図17に示すように、SE1において表示制御部571は、点検者ID及び認証情報の入力させるために、不図示の公知のログイン画面を表示部53に表示させる。ここでは、例えば、点検者ID及び認証情報を入力するための入力欄を有するログイン画面を表示させる。
次に、SE2において端末側制御部57は、情報を取得する。具体的には、図12の入力部52を介して操作入力された点検者ID及び認証情報を取得し、また、端末側記録部56に記録されている装置IDを取得する。「点検者ID」=「C11」、及び「認証情報」=「パスワードPWD11」を取得し、また、「装置ID」=「ID5」を取得する。
図17に戻って、SE3において端末側制御部57は、図6のSA3の場合と同様にして、サーバ側情報要求を送信する。ここでは、例えば、「装置ID」=「ID5」、「点検者ID」=「C11」、及び「認証情報」=「パスワードPWD11」を含むサーバ側情報要求(以下、例示のサーバ側情報要求)を生成して送信する。
図17に戻って、一方、SF1及びSF2においてサーバ側制御部45は、図6のSB1及びSB2の場合と同様な処理を行う。
図17に戻って、SF3においてサーバ側制御部45は、図6のSB3で取得した情報と同様な情報に加えて、図12のサーバ側損傷履歴情報DB445のサーバ側損傷履歴情報を、サーバ側情報として取得する。ここでは、例えば、「ID5」を「サーバ側情報」として取得し、また、図13の点検特定情報のうちの、「点検項目ID」=「I11」及び「I12」に対応する情報全て(つまり、図13の図面最上段及び上から2段目の情報)を「サーバ側情報」として取得し、また、図12の地図情報DB441に格納されている地図情報を「サーバ側情報」として取得し、また、図16のサーバ側損傷履歴情報を「サーバ側情報」として取得する。なお、ここで取得したサーバ側情報を、「例示のサーバ側情報」とも称する。
図17に戻って、SF4においてサーバ側制御部45は、図6のSB4の場合と同様にして、SF3で取得したサーバ側情報を点検用端末5に送信する。ここでは、例えば、「例示のサーバ側情報」を送信する。
図17に戻って、一方、SE4において端末側制御部57は、図6のSA4の場合と同様にして、サーバ側情報を受信して、受信したサーバ側情報を図12の端末側記録部56に格納する。ここでは、例えば、「例示のサーバ側情報」を受信して、「ID5」を図13の図面最上段及び上から2段目の情報、図12の地図情報DB441に格納されている地図情報を端末側記録部56に格納し、また、図16のサーバ側損傷履歴情報を、端末側損傷履歴情報として端末側損傷履歴情報DB561に格納する。
図17に戻って、SE5において表示制御部571は、図6のSA5の場合と同様にして、点検を案内するための画面である点検案内画面を、図12の表示部53に表示させる。図18は、点検案内画面の表示例である。この図18の点検案内画面は、例えば、地図表示領域A2aを備えている。地図表示領域A2aは、地図を表示する領域であり、例えば、道路画像61、建屋画像62、対象設備画像63及び現在位置特定画像64が表示されている。これら各画像は、実施の形態1の図8の各画像と同様な画像であり、特に、対象設備画像63は、図13の「設備ID」=「F11」の橋梁を示している。
図17に戻って、SE6において端末側制御部57は、点検結果の入力を受け付けたか否かを判定する。具体的には、概要としては、図6のSA7と同様にして、結果入力画面を表示させた上で、点検結果が入力されたか否かに基づいて判定する。そして、点検結果が入力されていないものと判定した場合、点検結果を受け付けていないものと判定し(SE6のNO)、点検結果を受け付けたものと判定するまで、繰り返しSE6を実行する。また、点検結果が入力されたものと判定した場合、点検結果を受け付けたものと判定し(SE6のYES)、SE7に移行する。ここでのSE6の処理を詳細に説明する。
まず、表示制御部571は、図18において「直近設備」として表示されている対象設備画像63を、図12の入力部52を介する所定操作により長押し(例えば、3〜5秒間等)して選択した場合に、結果入力画面を生成して表示させる。ここで、「結果入力画面」とは、点検の結果を入力するための画面である。図19は、結果入力画面の表示例である。この結果入力画面は、実施の形態1の図9の点検結果画面と同様にして表示される画面でであり、画像表示ボタン領域A31a、及び結果入力領域A32aが選択可能となっている。
そして、この結果入力画面において、入力部52を介して結果入力領域A32aを選択した場合、現在点検中の点検項目に対応する点検結果を入力することが可能になるが、例えば、図13の「点検項目情報」において「外観目視」以外の点検項目については、「OK」又は「NG」を入力することが可能となり、また、「点検項目情報」の「外観目視」の点検項目については、「対象設備損傷情報」等を入力することが可能となる。「OK」又は「NG」については、実施の形態1の処理を、音声による処理からマニュアル入力による処理に変更した公知の処理を用いて入力することができるので、ここでは、「対象設備損傷情報」等を入力する手法についてのみ説明する。
具体的には、ユーザが、入力部52の所定操作により、図19の結果入力領域A32aを選択した場合、表示制御部571は、損傷情報入力画面を、表示部53に表示させる。ここで、「損傷情報入力画面」とは、対象設備損傷情報を入力するための画面である。図20は、損傷情報入力画面の表示例である。この図20の損傷入力画面は、例えば、操作メニュー領域601、及び画像表示領域602を備えている。操作ニュー領域601は、所定の操作を行うために選択される各種ボタンが表示されている領域であり、例えば、ひび割れ情報入力ボタン601a、剥離情報入力ボタン601b、腐食情報入力ボタン601c、履歴表示ボタン601d、保存ボタン601e、及び終了ボタン601fを備えている。これら各ボタンについては、タッチパッドとして構成されている入力部52における、図20の各ボタンが表示されている部分に、例えばユーザの指等で触れて選択操作することにより、選択可能になっている。そして、ひび割れ情報入力ボタン601aが選択された場合、ひび割れ情報を入力可能な状態になり、剥離情報入力ボタン601bが選択された場合、剥離情報を入力可能な状態になり、腐食情報入力ボタン601cが選択された場合、腐食情報を入力可能な状態になり、履歴表示ボタン601dが選択された場合、過去の対象設備損傷情報が画像表示領域602に表示され、保存ボタン601eが選択された場合、入力部52を介して入力された対象設備損傷情報が格納され、終了ボタン601fが選択した場合、損傷情報入力画面が閉じられる。また、画像表示領域602は、構成画像情報、及び入力部52が受け付けた対象設備損傷情報に対応する画像が表示される領域領域である。この画像表示領域602については、タッチパッドとして構成されている入力部52における、画像表示領域602に対応する部分に、例えばユーザの指等で触れて入力操作することが可能になっている。
ここでは、例えば、表示制御部571は、図17のSE4で格納した「例示のサーバ側情報」の構成画像情報(具体的には、図13の「構成画像情報」)のうちの、図19で表示している点検項目IDに対応するものを取得し、取得した構成画像情報を図20の画像表示領域602に表示する。具体的には、図13の「M11」を取得し、取得した「M11」を図20において、例えば、橋梁の真下から橋梁を見上げた場合の画像に対応する橋桁底面画像603として表示させる。ここで、ひび割れ情報、剥離情報、及び腐食情報を入力する場合の処理は、入力部52を介して行う具体的な操作(例えば、ひび割れ情報については直線又は曲線を入力する操作、剥離情報又は腐食情報については領域の外縁を入力する操作)が異なるのみであるので、ここでは、ユーザが、実際の点検対象である橋梁の橋桁の底を目視確認した上で、図20において過去の対象設備損傷情報を表示し、前述の目視確認の結果に基づいてひび割れ情報を入力した後に、情報を格納する場合の処理について説明する。
図21は、履歴表示ボタンが選択された場合の、損傷情報入力画面の表示例である。図22は、ひび割れ情報が入力された場合の、損傷情報入力画面の表示例である。この例について具体的には、図20において、まず、ユーザが自己の指を用いて入力部52を介して、履歴表示ボタン601dを選択した場合、表示制御部571は、画像表示領域602に表示されている画像に対応する情報を、図12の端末側損傷履歴情報DB561を参照して取得し、取得した各情報に対応する画像を、画像表示領域602に表示させる。ここでは、例えば、橋桁底面画像603に対応する各情報として、図16の図面最上段、上から3段目及び4段目の全ての情報を取得し、取得した情報の「損傷位置特定情報」に基づいてひび割れの位置を特定した上で、特定したひび割れの位置が表示されるように、図21に示すように、ひび割れの画像である直線又は曲線を、画面表示領域602の橋桁底面画像603に重畳して表示させる。なお、ここでは、詳細情報をユーザに提示する観点から、ひび割れの位置を示す各線を選択して所定操作(例えば、3〜5秒等の長押し等)を行った場合、選択された各線の情報(例えば、日時情報等)に対応付けられている情報が、任意の表示態様にて表示されるように構成されているものとする。また、ここでは、ユーザによる視認性を向上させる観点から、ひび割れの位置を示す各線を選択して所定操作(例えば、ダブルクリック等)を行った場合、所定操作が行われた線が非表示になるように構成されているものとする。
この図21において、次に、ユーザが自己の指を用いて入力部52を介して、ひび割れ情報入力ボタン601aを選択した上で、画像表示領域602の破線で示されている部分に対応する部分に連続的に触れることにより、ひび割れ情報についての損傷位置特定情報を入力した場合、表示制御部571は、画像表示領域602に入力されたひび割れ情報に基づいて、ひび割れの始点、終点及び1つ以上の中間点の座標を特定し、更に、特定結果に基づいて入力されたひび割れ情報に対応するひび割れの位置を特定した上で、ひび割れに対応する画像を、画像表示領域602に表示させる。ここでは、例えば、図22に示すように、ひび割れの画像である曲線L1を、画面表示領域602の橋桁底面画像603に重畳して表示させる。なお、ここでは、過去のひび割れの画像と、直近に入力したひび割れの画像とを、互いに目視にて識別できるように、曲線L1と他の曲線又は直線とを互いの異なる色(例えば、曲線L1が赤色で、他の曲線又は直線が黒色等)にて表示してもよい。
この図22において、次に、ユーザが自己の指を用いて入力部52を介して、保存ボタン601eを選択した場合、表示制御部571は、入力部52を介して入力された対象設備損傷情報を、図12の損傷情報DB562に格納する。具体的には、入力部52を介して入力された対象設備損傷情報に関して、図16の各情報に対応する情報を特定する。ここでは、例えば、曲線L1を表示する場合に、ひび割れ情報入力ボタン601aが選択されたので、「損傷種別情報」=「ひび割れ」を特定し、また、「損傷位置特定情報」=「曲線L1を表示するために特定した座標」を特定し、また、「日時情報」=「不図示の計時手段が計時している現在の日時」を特定し、また、「構成画像情報」=「橋桁底面画像603に対応する構成画像情報」を特定し、また、「履歴設備ID」=「橋桁底面画像603に対応する設備ID」を特定する。また、「設備ID」と「竣工日情報」とが互いに組み合わされている設備ID竣工日情報組み合わせ情報が、図12の端末側記録部56に予め、あるいは、サーバ装置4との通信により格納されているものとし、この格納されている設備ID竣工日情報組み合わせ情報を参照して、図16の「竣工日情報」=「設備ID竣工日情報組み合わせ情報の、橋桁底面画像603に対応する設備IDに対応する竣工日情報」を特定する。そして、これらの特定した情報を、互いに対応付けた上で格納する。
図22において、ユーザが自己の指を用いて入力部52を介して、終了ボタン601fを選択した場合、表示制御部571は、損傷情報入力画面を閉じる。
そして、図17のSE6において対象設備損傷情報に関する処理について具体的には、損傷情報入力画面が表示されて閉じられたか否かに基づいて、点検結果の入力を受け付けたか否かを判定する。より具体的には、損傷情報入力画面が表示されて閉じられていない場合(つまり、終了ボタン601fが未だ選択されていない場合)、点検結果を受け付けていないものと判定し(SE6のNO)、点検結果を受け付けたものと判定するまで、繰り返しSE6を実行する。また、損傷情報入力画面が表示されて閉じられた場合(つまり、終了ボタン601fが既に選択された場合)、点検結果を受け付けたものと判定し(SE6のYES)、図19の結果入力領域A32aに「済」を表示させた上で、SE7に移行する。
SE7において端末側制御部57は、図6のSA8の場合と同様にして、点検結果を格納する。ここでは、例えば、「C11」と、「I11」と、「済」と、「2016年3月1日9時5分」とを互いに関連付けて格納する。
図17に戻って、SE8において予測部572は、損傷予測を行うか否かを判定する。具体的には、実施した点検項目に基づいて、損傷予測を行うか否かを判定する。詳細には、SE7で格納した点検結果が「OK」又は「NG」である場合、外観目視以外の点検が行われたものとして、損傷予測を行わないものと判定し(SE8のNO)、SE10に移行する。また、SE7で格納した点検結果が「済」である場合、外観目視の点検が行われたものとして、損傷予測を行うものと判定し(SE8のYES)、SE9に移行する。
次に、SE9において予測部572は、損傷予測を行う。具体的には、SE4で格納したサーバ側情報(具体的には、図13の構成画像情報等)と、SE6で格納した対象設備損傷情報と、SE4で格納した端末側損傷履歴情報(具体的には、図16の構成画像情報、日時情報、損傷種別情報、及び損傷位置特定情報等)に基づいて、損傷予測を行う。具体的な予測手法については、任意であるが、以下に示す予想を行ってもよい。
具体的には、まず、予測部572は、SE6で格納した対象設備損傷情報の「損傷種別情報」及び「損傷位置特定情報」を取得し、また、SE6で格納した対象設備損傷情報対応する「構成画像情報」を、SE4で格納したサーバ側情報(具体的には、図13の構成画像情報)から取得し、この取得結果に基づいて、対象設備の構成、及び当該対象設備の今回の点検での損傷を把握する。ここでは、例えば、「損傷種別情報」=「ひび割れ」及び「損傷位置特定情報」=「曲線L1を表示するために特定した座標」を取得し、また、「構成画像情報=「M11」を取得した上で、図22に示す曲線L1のひび割れを今回の点検での損傷として把握する。
次に、予測部572は、SE4で格納した端末側損傷履歴情報から、SE6で格納した対象設備損傷情報の対象施設との間で構成の一致度が最も高い設備を他設備として選択し、選択した他設備の「構成画像情報」を、SE4で格納した端末側損傷履歴情報から取得し、また、当該他設備の「日時情報」、「損傷種別情報」及び「損傷位置特定情報」の履歴を、SE4で格納した端末側損傷履歴情報から取得し、この取得結果に基づいて、他設備における時間の経過に対する損傷の変化を把握する。ここでは、例えば、図16の「履歴設備ID」=「F11a」の設備を他設備として選択し、当該「履歴設備ID」=「F11a」に対応付けられている「日時情報」、「損傷種別情報」及び「損傷位置特定情報」を全て取得し、この取得結果に基づいて、例えば、竣工から10年間は損傷はないが、竣工から20年程度で20cm程度のひび割れが発生しだし、竣工から30年程度で30cm程度のひび割れが発生しだし、竣工から40年程度で50cm程度のひび割れが発生しだす等の、損傷の変化を把握する。
次に、予測部572は、前述のようにして把握した、対象設備の今回の点検での損傷と、他設備の損傷の変化との比較に基づいて、現時点から対象設備の改修が必要になる時点までの期間を予測して、表示制御部571が、予測結果を表示部53に表示させる。ここでは、例えば、時間の経過と共に長いひび割れが発生し、且つ、50cm程度のひび割れが発生し出す時点が、改修が必要な時点であるものと規定されていることとし、例えば、図22に示す曲線L1のひび割れが40cm程度である場合、対象設備については、他設備の損傷の変化を基準にした場合、既に竣工から30年〜40年程度経過した場合に対応する損傷を受けているために、現時点から対象設備の改修が必要になる時点までの期間として、一例として「1〜5年程度」を予測して表示させる。
図17に戻って、SE10において端末側制御部57は、図6のSA9の場合と同様の処理を行う。これにて、点検処理を終了する。
(処理−結果情報送信処理)
次に、結果情報送信処理について説明する。図23は、結果情報送信処理のフローチャートである。
まず、図23に示すように、SG1において端末側制御部57は、点検結果を取得する。具体的には、図17のSE7で格納した点検結果等を取得する。ここでは、例えば、図12の端末側記録部56にアクセスして、一例として前述した「C11」、「I11」、「済」、及び「2016年3月1日9時5分」の情報(以下、例示の点検結果)等の、未送信の情報を全て取得し、また、損傷情報DB562にアクセスして、図17のSE6において格納した履歴設備ID、竣工日情報、構成画像情報、日時情報、損傷種別情報、及び損傷位置特定情報(以下、例示の損傷に関する情報)等の、未送信の情報を全て取得する。
図23に戻って、SG2において端末側制御部57は、図11のSC2の場合と同様にして、SG1で取得した点検結果を送信する。ここでは、例えば、「例示の点検結果」、及び「例示の損傷に関する情報」を送信する。
図23に戻って、一方、SH1においてサーバ側制御部45は、図11のSD1の場合と同様にして、点検結果を受信したか否かを判定する。そして、図12の通信部41が点検結果を受信していない場合、点検結果を受信していないものと判定し(SH1のNO)、点検結果を受信したものと判定するまで、繰り返しSH1を実行する。また、通信部41が点検結果を受信した場合、点検結果を受信したものと判定し(SH1のYES)、SH2に移行する。ここでは、例えば、SG2で端末側制御部57が送信した「例示の点検結果」及び(任意で)「例示の損傷に関する情報」を受信した場合、点検結果を受信したものと判定する。
図23に戻って、SH2においてサーバ側制御部45は、図11のSD2の場合と同様にして、点検結果を格納する。具体的には、SH1で受信した点検結果を、図12のサーバ側記録部44の点検結果履歴DB444又はサーバ側損傷履歴情報DB445に格納する。ここでは、例えば、SH1で「例示の点検結果」及び「例示の損傷に関する情報」を受信した場合、「例示の点検結果」に関して、図15において「点検者ID」=「C11」、「点検項目ID」=「I11」、「日時情報」=「2016年3月1日9時5分」、及び「結果情報」=「済」を格納し、「例示の損傷に関する情報」に関して、図16において対応する各項目の情報を格納する。これにて結果情報送信処理を終了する。
そして、このような、点検処理及び結果情報送信処理の実行回数が増加するに従って、サーバ装置4側に点検のために有用が情報が多数記憶されることになり(つまり、機械学習が行われ)、点検(具体的には、損傷予測)の精度が向上することになる。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、入力部52が、対象設備の損傷を特定する対象設備損傷情報を受け付け、また、損傷情報DB562が、入力部52が受け付けた対象設備損傷情報を格納することにより、例えば、対象設備損傷情報に対応する画像を紙面に手書きにて記すことが不要となるので、対象設備についての点検作業の作業効率を向上させることができる。また、点検特定情報DB442が格納している構成画像情報と、入力部52が受け付けた対象設備損傷情報とを表示部53に表示させることにより、例えば、入力部52が受け付けた対象設備損傷情報を目視確認することができるので、対象設備損傷情報の誤入力を防止することができ、点検結果を正確に格納することができる。
また、点検特定情報DB442が格納している構成画像情報に、入力部52が受け付けた損傷位置特定情報に対応する画像を重畳して表示させることにより、例えば、対象設備の外観における損傷している位置を、対象設備の外観に対する相対位置として目視確認することができるので、実際の損傷と比較しつつ、損傷位置特定情報を正確に入力することができる。また、点検特定情報DB442が格納している構成画像情報と、入力部52が受け付けた損傷位置特定情報とを互いに対応付けて格納することにより、例えば、構成画像情報及び損傷位置特定情報を互いに対応付けて管理することができるので、点検結果の情報の管理効率を向上させることができる。
また、少なくとも、ひび割れ情報、剥離情報、又は、腐食情報を対象設備損傷情報として受け付けることにより、例えば、対象設備の外観の損傷を複数の種別に分けて把握することができるので、対象設備の現在の状態を正確に把握することができる。
また、予測部572が対象設備の損傷に関する予測である損傷予測を行うことにより、例えば、対象設備の改修が必要な時期を事前に把握することができるので、改修が実際に必要になる前に、例えば改修費用等の計画をたてることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態においては、「点検用端末」が「タブレット型コンピュータ」である場合において、主に、打音点検を行う場合について説明する。実施の形態3の構成(同一文言の定義も含む)は、音声を用いずに手入力にて操作を行う点、及び、打音点検において点検結果を自動判定する点以外の点については、実施の形態1の構成と略同一であり、また、実施の形態2の損傷に関する点検を行わずに、打音点検において点検結果を自動判定する点以外の点については、実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態1又は2の構成と略同一の構成についてはその旨を記載し、詳細の説明を省略する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る点検システム700について説明する。この点検システム700は、サーバ装置7、及び点検用端末8を備えている。図24は、実施の形態3に係る点検システムを例示するブロック図である。
(構成−サーバ装置)
最初に、サーバ装置7の構成について説明する。サーバ装置7は、点検を管理する管理手段であり、具体的には、点検を管理する管理事務所に設けられている装置であり、図24に示すように、概略的に、通信部71、入力部72、表示部73、サーバ側記録部74、及びサーバ側制御部75を備えている。なお、通信部71、入力部72、表示部73は、実施の形態2の同一名称の各部の構成と同様である。
(構成−サーバ装置−サーバ側記録部)
サーバ側記録部74は、サーバ装置7の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、地図情報DB741、点検特定情報DB742、点検計画情報DB743、点検結果履歴DB744、及びサーバ側音響履歴情報DB745を備えている。
地図情報DB741は、実施の形態2の同一名称のDBの構成と同様である。
また、点検特定情報DB742は、例示する点検特定情報の具体的な内容が異なっている点を除いて、実施の形態2の同一名称のDBの構成と同様である。図25は、点検特定情報を例示した図である。点検特定情報DB742は、例えば、図25の点検特定情報を格納している。
図24の点検計画情報DB743は、例示する点検計画情報の具体的な内容が異なっている点を除いて、実施の形態2の同一名称のDBの構成と同様である。図26は、点検計画情報を例示した図である。点検計画情報DB743は、例えば、図26の点検計画情報を格納している。
図24の点検結果履歴DB744は、例示する点検結果情報の具体的な内容が異なっている点を除いて、実施の形態2の同一名称のDBの構成と同様である。図27は、点検結果情報を例示した図である。点検結果履歴DB744は、例えば、図27の点検結果情報を格納している。
図24のサーバ側音響履歴情報DB745は、サーバ側音響履歴情報を格納するサーバ側音響履歴情報格納手段である。ここで、サーバ側音響履歴情報DB745に格納されている「サーバ側音響履歴情報」とは、サーバ装置7側の情報であり、具体的には、対象設備を含む様々な設備を叩いて出た音に関する情報と、叩いた当該設備の状態の情報とを対応付けた情報である。図28は、サーバ側音響履歴情報を例示した図である。この図28に示すように、サーバ側音響履歴情報は、項目「波形画像情報」、及び項目「結果情報」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「結果情報」に対応する情報は、図4の同一名称の項目に対応する情報と同様である。項目「波形画像情報」は、音の態様を識別するために所定の解析を行った後の、当該音の態様を示す波形画像情報であり、例えば、周波数及び強度についての解析を行った場合の、周波数−強度の2次元グラフの画像、あるいは、周波数、時間(位相)、及び強度についての解析を行った場合の、周波数−時間−強度の3次元グラフの画像等を含む概念である。図29は、2次元グラフの画像を例示したイメージ図である。この図29に示すように、図28の波形画像情報として、2次元グラフの画像である「W11」等を用いるものとして、以下説明する。そして、このサーバ側音響履歴情報DB745のサーバ側音響歴情報については、ユーザが、点検の結果として正常であるものと想定される設備、あるいは、点検の結果として正常でないものと想定される設備を含む複数の設備を、実際に叩いた上で、叩かれた場合の当該設備のからの音響を公知の音響解析装置を用いて解析した上で、周波数−強度の2次元グラフの画像を生成して、生成した画像及び叩かれた設備の点検結果の想定を、通信部71又は入力部72を介して、あるいは、メモリスティクの如き記録媒体を介して、サーバ装置7に入力することにより初期値として格納される。また、このサーバ側音響履歴情報DB745のサーバ側音響歴情報については、後述する結果情報送信処理により格納されて蓄積される。
(構成−サーバ装置−サーバ側制御部)
図24に戻って、サーバ側制御部75は、サーバ装置7を制御する制御手段である。なお、このサーバ側制御部75により行われる処理については、後述する。
(構成−点検用端末)
次に、点検用端末8の構成について説明する。図24に示すように、点検用端末8は、タブレット型コンピュータであり、概略的に、通信部81、入力部82、表示部83、カメラ84、現在位置検出部85、端末側記録部86、及び端末側制御部87を備えている。なお、通信部81、表示部83、カメラ84、現在位置検出部85は、実施の形態2の同一名称の各部の構成と同様である。
(構成−点検用端末−入力部)
入力部82は、情報を受け付ける入力手段であり、具体的には、音響又はマニュアル操作を受け付けるものである。この入力部82の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、実施の形態1の入力部22の公知のマイクロフォンの如き集音装置等、及び、実施の形態2の入力部52のタッチパッド等を用いて構成することができる。
(構成−点検用端末−端末側記録部)
端末側記録部86は、点検用端末8の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この端末側記録部86は、端末側音響履歴情報DB861、及び音響情報DB862を備えており、また、点検用端末8を一意に識別するための装置ID(以下、点検用端末8の装置IDを「ID8」と称する)が記録されている。
端末側音響履歴情報DB861は、端末側音響履歴情報を格納する端末側音響履歴情報格納手段である。この端末側音響履歴情報DB861に格納されている「端末側音響履歴情報」とは、点検用端末8側の情報であり、具体的には、対象設備を含む様々な設備を叩いて出た音に関する情報と、叩いた当該設備の状態の情報とを対応付けた情報である。そして、このような端末側音響歴情報DB861の端末側音響履歴情報については、後述する点検処理において格納されるものとして、以下説明する。
図24の音響情報DB862は、入力部82が受け付けた音響についての2次元グラフの画像を格納する音響情報格納手段である。そして、このよう音響情報DB862の2次元グラフの画像については、後述する点検処理において格納されるものとして、以下説明する。
(構成−点検用端末−端末側制御部)
端末側制御部87は、点検用端末8を制御する制御手段である。なお、この端末側制御部87により行われる処理については、後述する。
(処理)
次に、このように構成される点検システム700によって実行される、点検処理、及び結果情報送信処理について説明する。なお、これらの処理については、実施の形態1又は2の同一名称の処理と、少なくとも一部の処理が共通しているので、共通しているものについては、適宜説明を省略する。
(処理−点検処理)
まず、点検処理について説明する。図30は、点検処理のフローチャートである。なお、図26の点検計画情報が、点検管理者によって入力されて格納されている場合において、この図26において例示した、「点検者ID」=「C11」の点検者であるユーザが、図24の点検用端末8を保持して点検を行う場合について説明する。
まず、図30に示すように、SI1〜SI3において端末側制御部87は、図17のSE1〜SE3と同様な処理を行い、SJ1〜SJ2においてサーバ側制御部75は、図17のSF1〜SF2と同様な処理を行う。
図30に戻って、SJ3においてサーバ側制御部75は、図6のSB3で取得した情報と同様な情報に加えて、図24のサーバ側音響履歴情報DB745のサーバ側音響履歴情報を、サーバ側情報として取得する。ここでは、例えば、「ID8」を「サーバ側情報」として取得し、また、図25の点検特定情報のうちの、「点検項目ID」=「I12」に対応する情報全て(つまり、図25の図面上から2段目の情報)を「サーバ側情報」として取得し、また、図24の地図情報DB741に格納されている地図情報を「サーバ側情報」として取得し、また、図28のサーバ側音響履歴情報を「サーバ側情報」として取得する。なお、ここで取得したサーバ側情報を、「例示のサーバ側情報」とも称する。
図30に戻って、SJ4においてサーバ側制御部75は、図6のSB4の場合と同様にして、SJ3で取得したサーバ側情報を点検用端末8に送信する。ここでは、例えば、「例示のサーバ側情報」を送信する。
図30に戻って、一方、SI4において端末側制御部87は、図6のSA4の場合と同様にして、サーバ側情報を受信して、受信したサーバ側情報を図24の端末側記録部86に格納する。ここでは、例えば、「例示のサーバ側情報」を受信して、「ID8」、図25の図面上から2段目の情報、図24の地図情報DB741に格納されている地図情報を端末側記録部86に格納し、また、図28のサーバ側音響履歴情報を、端末側音響履歴情報として端末側音響履歴情報DB861に格納する。
図30に戻って、SI5において端末側制御部87は、図17のSE5と同様な処理を行って、例えば図18の点検案内画面を表示させる。
図30に戻って、SI6において端末側制御部87は、後述する点検結果の入力を受け付けたか否かを判定する。具体的には、概要としては、図6のSA7(又は、図17のSE6)と同様にして、結果入力画面を表示させた上で、点検結果が入力されたか否かに基づいて判定する。そして、点検結果が入力されていないものと判定した場合、点検結果を受け付けていないものと判定し(SI6のNO)、点検結果を受け付けたものと判定するまで、繰り返しSI6を実行する。また、点検結果が入力されたものと判定した場合、点検結果を受け付けたものと判定し(SI6のYES)、SI7に移行する。ここでのSI6の処理について詳細に説明する。
図31は、結果入力画面の表示例である。まず、端末側制御部87は、図18において「直近設備」として表示されている対象設備画像63を、図24の入力部82を介する所定操作により長押し(例えば、3〜5秒間等)して選択した場合に、図31の結果入力画面を生成して表示させる。
そして、この結果入力画面において、入力部82を介して結果入力領域A32bを選択した場合、現在点検中の点検項目に対応する点検結果を入力することが可能になるが、例えば、図25の「点検項目情報」において「打音」以外の点検項目については、「OK」又は「NG」を入力することが可能となり、また、図25の「点検項目情報」の「打音」の点検項目については、音響を入力することが可能となる。「OK」又は「NG」については、実施の形態1の処理を、音声による処理からマニュアル入力による処理に変更した公知の処理を用いて入力することができるので、ここでは、音響を入力する手法についてのみ説明する。
具体的には、ユーザが、入力部82のタッチパッドの所定操作により、図31の結果入力領域A32bを選択した場合、入力部82のマイクロフォンによる音響の受け付けを開始する。この後に、ユーザが対象設備を叩くことにより発生した対象設備からの音響を、入力部82のマイクロフォンを介して受け付ける。そして、入力部82のタッチパッドの所定操作(例えば、表示部83に受付終了ボタンが表示されることとし、この受付終了ボタンを選択する操作等)により、入力部82のマイクロフォンによる音響の受け付けを終了する。ここでは、例えば、ユーザが、図31の「設備ID」=「F11」に対応する橋梁の橋桁を叩いて、この橋梁からの音響を受け付けるものとする。
そして、図30のSI6において音響を入力する処理について具体的には、入力部82のマイクロフォンを監視して、監視結果に基づいて、点検結果の入力を受け付けたか否かを判定する。より具体的には、入力部82のマイクロフォンを介して音響を受け付けていない場合、点検結果を受け付けていないものと判定し(SI6のNO)、点検結果を受け付けたものと判定するまで、繰り返しSI6を実行する。また、入力部82のマイクロフォンを介して音響を受け付けた場合、点検結果を受け付けたものと判定し(SI6のYES)、SI7に移行する。
次に、SI7において端末側制御部87は、打音点検が行われたか否かを判定する。具体的には、SI6で受け付けた情報に基づいて、判定する。そして、IS6で「OK」又は「NG」を受け付けた場合、打音点検が行われていないものと判定し(SI7のNO)、SI12に移行する。また、IS6で音響を受け付けた場合、打音点検が行われてたものと判定し(SI7のYES)、SI8に移行する。ここでは、例えば、SI6において、橋梁からの音響を受け付けた場合、打音点検が行われてたものと判定する。
次に、SI8において端末側制御部87は、打音点検の結果を判定する。具体的な判定手法については、任意であるが、以下に示す判定を行ってもよい。この手法は、SI6において受け付けた音響と、SI4で端末側音響履歴情報DB861に格納した端末側音響履歴情報とに基づいて、判定する手法である。
具体的には、まず、端末側制御部87は、SI6において受け付けた音響について、周波数及び強度についての解析(例えば、FFT等の解析)を行って、当該受け付けた音響に対応する周波数−強度の2次元グラフの画像を生成した上で、当該生成した画像の所定の特徴点(説明の便宜上、一例として、強度がピークとなっている周波数)を取得する。ここでは、例えば、橋梁からの音響について、解析を行って2次元グラフの画像を生成した上で、特徴点として「強度がピークとなっている周波数」=「6(kHz)」を取得する。なお、以下では、単位「kHz」については、適宜省略する。
次に、端末側制御部87は、図28の波形画像情報及び結果情報を取得し、この取得した情報に基づいて任意の解析を行って、前述の所定の特徴点と点検結果との関係を特定する。ここでは、例えば、図28に示されている情報を取得し、特徴点(つまり、強度がピークとなっている周波数)が、5以上〜7以下の場合に「OK」であり、特徴点が5未満、あるいは、7より大きい場合に「NG」であることを特定する。
次に、この特定した所定の特徴点と点検結果との関係を基準に、前述の取得した特徴点の判定を行う。具体的には、取得した特徴点が5以上〜7以下である場合に、「OK」と判定し、取得した特徴点が5未満、あるいは、7より大きい場合に「NG」と判定する。ここでは、例えば、「OK」と判定する。
図30に戻って、SI9において端末側制御部87は、点検結果を格納する。具体的には、SI2で取得した点検者ID、SI6において選択した図31の結果入力領域A32bに対応する点検項目IDと、SI8の判定結果(つまり、「OK」、「NG」)と、点検用端末8の不図示の計時手段が計時した現在の日時とを互いに関連付けて、図24の端末側記録部86に格納する。また、図30のSI8の判定を行う過程で生成した2次元グラフの画像(具体的には、SI6において受け付けた音響に対応する周波数−強度の2次元グラフの画像)と、SI8の判定結果(つまり、「OK」、「NG」)とを互いに関連付けて、図24の音響情報DB862に格納する。ここでは、例えば、「C11」と、「I12」と、「OK」と、「2016年4月1日9時5分」とを互いに関連付けて、端末側記録部86に格納し、また、「SI8の判定を行う過程で生成した2次元グラフの画像」と、「OK」とを互いに関連付けて、音響情報DB862に格納する。
図30に戻って、SI10において端末側制御部87は、点検結果を表示させる。具体的には、SI9で格納した判定結果を点検結果として取得した上で、取得した点検結果を、SI6において選択した図31の結果入力領域A32bに表示させる。ここでは、例えば、「OK」を表示させる。
次に、SI11において端末側制御部87は、図6のSA9の場合と同様の処理を行う。また、図30のSI7で打音点検が行われていないものと判定(SI7のNO)した後のSI12において端末側制御部87は、SI9及びSI10の場合と同様な処理を行って、点検結果の格納及び表示を行う(なお、点検結果としては、入力された「OK」又は「NG」を格納及び表示させる)。これにて、点検処理を終了する。
(処理−結果情報送信処理)
次に、結果情報送信処理について説明する。図32は、結果情報送信処理のフローチャートである。
まず、図32に示すように、SK1において端末側制御部87は、点検結果を取得する。具体的には、図30のSI9又はSI12で格納した点検結果を取得する。ここでは、例えば、図24の端末側記録部86にアクセスして、一例として前述した「C11」、「I12」、「OK」、及び「2016年4月1日9時5分」の情報(以下、例示の点検結果)等の、未送信の情報を全て取得し、また、音響情報DB862にアクセスして、図30のSI9において格納した「SI8の判定を行う過程で生成した2次元グラフの画像」、及び「OK」(以下、例示の音響に関する情報)等の、未送信の情報を全て取得する。
図32に戻って、SK2において端末側制御部87は、図11のSC2の場合と同様にして、SK1で取得した点検結果を送信する。ここでは、例えば、「例示の点検結果」、及び「例示の音響に関する情報」を送信する。
図32に戻って、一方、SL1においてサーバ側制御部75は、図11のSD1の場合と同様にして、点検結果を受信したか否かを判定する。そして、図24の通信部71が点検結果を受信していない場合、点検結果を受信していないものと判定し(SL1のNO)、点検結果を受信したものと判定するまで、繰り返しSL1を実行する。また、通信部71が点検結果を受信した場合、点検結果を受信したものと判定し(SL1のYES)、SL2に移行する。ここでは、例えば、SK2で端末側制御部87が送信した「例示の点検結果」及び(任意で)「例示の音響に関する情報」を受信した場合、点検結果を受信したものと判定する。
図32に戻って、SL2においてサーバ側制御部75は、図11のSD2の場合と同様にして、点検結果を格納する。具体的には、SL1で受信した点検結果を、図24のサーバ側記録部74の点検結果履歴DB744又はサーバ側音響履歴情報DB745に格納する。ここでは、例えば、SL1で「例示の点検結果」及び「例示の音響に関する情報」を受信した場合、「例示の点検結果」に関して、図27において「点検者ID」=「C11」、「点検項目ID」=「I12」、「日時情報」=「2016年4月1日9時5分」、及び「結果情報」=「OK」を格納し、「例示の音響に関する情報」に関して、図28において「波形画像情報」=「SI8の判定を行う過程で生成した2次元グラフの画像」、及び「結果情報」=「OK」を格納する。これにて結果情報送信処理を終了する。
そして、このような、点検処理及び結果情報送信処理の実行回数が増加するに従って、サーバ装置7側に点検のために有用が情報が多数記憶されることになり(つまり、機械学習が行われ)、点検(具体的には、打音点検の判定精度)の精度が向上することになる。
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、打音点検の点検結果を自動的に判定することにより、例えば、打音点検を行った作業者の主観を排除することができるので、打音点検の点検結果の入力について作業者間においてばらつきが生じるのを防止し、打音点検の客観性を担保することができる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る点検システムを用いて行われる点検作業の作業効率が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の作業効率を有している場合には、本願発明の課題は解決されている。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、各実施の形態の各装置のDBを統合したり分散したりしてもよい。詳細には、実施の形態2の点検結果履歴情報DB444及びサーバ側損傷履歴情報445を互いに統合してもよい。
(実施の形態1:音声認識について(その1))
また、実施の形態1では、図5に示す「GUI2」及び「GUI3」において、認識可能な単語情報を制限する場合について説明したが、これに限らない。例えば、点検作業を行う場所が静粛である場合等には、認識可能な単語情報を制限しないくてもよい。
(実施の形態1:音声認識について(その2))
また、実施の形態1の音声の認識に対して、ある程度の曖昧性を持たせてもよい。例えば、図5の単語情報とユーザからの音声とが、互いに1〜2文字のみ異なっている場合には、最も一致度が高い単語情報を認識してもよい。
(実施の形態1:音声認識について(その3))
また、実施の形態1では、図5に示す「GUI1」〜「GUI3」について音声認識する場合について説明したが、これに限らない。例えば、制御内容に対応する階層化された表に対応するテーブルビューの画面において、当該画面上の項目あるいはボタン等を選択して制御するために音声認識するように構成してもよい。
(実施の形態2:損傷予測について(その1))
また、実施の形態2の図17のSE9において、予測部572が、実施の形態2において説明した情報に加えて、設置環境情報も考慮して(つまり、後述する対象設備設置環境情報及び他設備設置環境情報も考慮して)、損傷予測を行ってもよい。ここで、「設置環境情報」とは、設備の設置環境を特定する情報であり、例えば、塩害を考慮した設置環境を特定する情報であって、海岸からの距離を特定する情報である海岸距離情報(例えば、1〜2(km)等)、あるいは、負荷を考慮した橋梁に関する設置環境を特定する情報であって、交通量を特定する情報である交通量情報(例えば、800〜1000(台/日)等)等を含む概念である。この場合の構成について具体的には、海岸距離情報及び交通量情報を事前調査で把握し、図13の点検特定情報(つまり、図12の点検特定情報DB442)、及び図16のサーバ側損傷履歴情報(つまり、図12のサーバ側損傷履歴情報DB445)に対して、把握した海岸距離情報及び交通量情報を格納した上で、これらの海岸距離情報及び交通量情報を考慮して図17の各処理を行い、SE9にて損傷予測の予測対象となっている対象設備に対する他設備を、海岸距離情報及び交通量情報について設備間の一致度を考慮して選択した上で、選択した他設備を基準に、実施の形態2の場合と同様にして、損傷予測を行ってもよい。なお、この場合において、図12の点検特定情報DB442の「海岸距離情報」及び「交通量情報」であって、対象設備に対応付けられているものが「対象設備設置環境情報」に相当し、この場合の「海岸距離情報」及び「交通量情報」が格納されている、点検特定情報DB442が「設置環境情報格納手段」に相当する。また、サーバ側損傷履歴情報DB445の「海岸距離情報」及び「交通量情報」であって、他設備に対応付けられているものが「他設備設置環境情報」に相当する。このように構成することにより、対象設備設置環境情報及び他設備設置環境情報にも基づいて損傷予測を行うことにより、例えば、設置環境を考慮して損傷予測を行うことができるので、損傷予測の予測精度を向上させることができる。
(実施の形態2:損傷予測について(その2))
また、実施の形態2では、1つのみの設備を他設備として選択した上で損傷予測を行う場合について説明したが、これに限らない。例えば、複数の設備を他設備として選択した上で、当該選択した複数の他設備について損傷の変化の統計値を演算した上で、当該演算結果を用いて、実施の形態2と同様にして損傷予測を行ってもよい。この場合について具体的には、対象施設との間で構成の一致度が最も高いものから5番目に高いものを他設備として選択してもよい。
(実施の形態2:損傷予測について(その3))
また、実施の形態2及び変形例で示した損傷予測の予測手法については、一例であるので、この一例の他の公知の方法を適用して、損傷予測を行ってもよい。
(実施の形態2:グループ情報について)
また、実施の形態2において、図12の点検用端末5の入力部52が、グループ情報を受け付け、損傷情報DB562が、入力部52が受け付けたグループ情報を格納するように構成してもよい。ここで、「グループ情報」とは、対象設備損傷情報をグループ化するための情報であり、例えば、対象設備損傷情報を損傷情報DB562に格納する前に予めグループ化する情報、あるいは、損傷情報DB562に格納された後に対象設備損傷情報をグループ化する情報等を含む概念である。なお、「グループ化」とは、単一の基準で扱われるように集団に分けることであり、例えば、表示又は非表示、編集等を同時に行うことが可能な集団に分けること等である。この場合の構成について具体的には、以下の第1の構成又は第2の構成のようにしてもよい。第1の構成について具体的には、図21の損傷入力画面のメニュー領域601に、グループ入力開始ボタン、及びグループ入力終了ボタンを設けた上で、グループ入力開始ボタンを選択してから、グループ入力終了ボタンを選択するまでの間に、画像表示領域602に入力された対象設備損情報をグループ化して、保存ボタン601eを選択した場合に、このグループ化した対象設備損情報を格納するように構成してもよい。また、第2の構成について具体的には、図21の損傷入力画面のメニュー領域601に、グループ選択ボタンを設けた上で、当該グループ選択ボタンを押下した後に、損傷情報DB562に格納された対象設備損傷情報であって、画像表示領域602に表示されているものを選択することにより、グループ化するように構成してもよい。このように構成することにより、対象設備損傷情報をグループ化するためのグループ情報を受け付けることにより、例えば、対象設備損傷情報をグループ単位で管理することができるので、複数の対象設備損傷情報を1つのみの操作で非表示にしたり編集したりすることができ、対象設備損傷情報の管理効率を向上させることができる。
(実施の形態2:損傷入力画面について)
また、実施の形態2では、図20の損傷入力画面の画像表示領域602に、橋桁底面画像603を表示させる場合について説明したが、これに限らない。例えば、橋桁の平面、側面等の画像、あるいは、斜視図等の任意の2次元データの画像を表示させてもよく、自由に回転又は拡大縮小表示を行うことができる橋梁全体についての任意の3次元データの画像を表示させてもよい。また、例えば、3次元データの画像において所定部分がユーザによって選択された場合に、選択した部分に対応する2次元データの画像を表示させてもよい。また、例えば、表示データ(2次元データ又は3次元データ)をユーザが予め選択できるように構成した上で、ユーザが選択したデータの画像を表示させてもよい。
(実施の形態2:対象設備損情報の入力について)
また、実施の形態2の、図22の損傷入力画面の画像表示領域602において、詳細情報をマニュアル入力できるように構成してもよい。例えば、曲線L1を選択した上で、ひび割れの幅又は長さ等を入力できるように構成してもよい。更に、この場合において、入力したひび割れの幅又は長さ等を考慮して、損傷予測を行ってもよい。
(実施の形態2:対象設備損情報の格納について)
また、実施の形態2では、図22の保存ボタン601eを選択した場合に、損傷種別情報、損傷位置特定情報、日時情報、構成画像情報、履歴設備ID、及び竣工日情報を格納する場合について説明したが、これに限らない。例えば、これらのうちの、少なくとも損傷位置特定情報を格納すればよく、一例としては前述の構成画像情報を格納しないくてもよい。
(実施の形態2:サーバ側損傷履歴情報の格納について)
また、実施の形態2では、図16のサーバ側損傷履歴情報が、結果情報送信処理において格納される場合について説明したが、これに限らない。例えば、図12のサーバ装置4の通信部41又は入力部42を介して、あるいは、メモリスティクの如き記録媒体を介して、ユーザがサーバ装置4に入力することにより格納してもよいし、この変形例の手法と実施の形態2の手法とを組み合わせて格納してもよい。
(実施の形態2:対象設備及び他設備の用語について)
また、実施の形態2における「対象設備」及び「他設備」については、特に図17のSE9での損傷予測を行う場合の比較対象を明確にするために、便宜上用いた文言であるものと解してよく、1つのみ設備に関して、図17のSE9での損傷予測の対象となっている場合は、当該1つのみの設備を「対象設備」として参照することができ、一方、図17のSE9での損傷予測の対象となっていない場合は、当該1つのみの設備を「他設備」として参照することができものと解してよい。
(実施の形態2:点検結果レポートについて)
また、実施の形態2の図17のSE7で格納した情報、あるいは、SE9の予測結果を特定する点検結果レポートを、点検用端末5が自動的に生成して出力してもよい。
(実施の形態3:サーバ側音響履歴情報について)
また、実施の形態3の図28のサーバ側音響履歴情報として、図示されている情報に加えて、設備ID、又は打音位置情報も対応付けて格納してもよい。ここで、「打音位置情報」とは、打音点検用の器具を用いて叩かれる対象設備の位置(例えば、橋梁における橋桁の端部等)である。そして、図30のSI6において、入力部82のマイクロフォンによる音響の受け付けを行う場合に、打音点検用の器具を用いて叩かれる対象設備の位置を、入力部82のタッチパッドを介して入力するように構成した上で、SI8において、設備ID、又は打音位置情報も考慮した上で、判定してもよい。このように構成した場合、設備ID、又は打音位置情報に基づいて図28の波形画像情報を絞り込んだ上で、絞り込まれた波形画像情報に基づいて、打音点検の結果の判定を行うことができるので、判定精度を向上させることができる。
(実施の形態3:波形画像情報について)
また、実施の形態3においては、図28の波形画像情報として、FFTの解析を行った場合の画像である、周波数−強度の2次元グラフの画像を用いる場合について説明したが、これに限らない。例えば、連続ウェーブレット変換の解析を行った場合の画像である、周波数−時間−強度の2次元グラフの画像を用いてもよい。この2次元グラフの画像について具体的には、縦軸に周波数を割り当て、また、横軸に時間を割り当てた上で、強度を各情報のプロットあるいはバーの明度にて表してもよい。このように構成することにより、機械学習に適した2次元グラフの画像にて、周波数−時間−強度を示すことができるので、例えば、対象設備(例えば、コンクリート柱等)に伝わる周波数毎の減衰状態や鉄筋で反射してくる波の状態を把握することができ、複雑な構造の対象設備(一例としては、手抜き工事のコンクリート柱等)を診断する等の、より詳細な診断を行うことができる。
(ステップについて)
また、点検ニーズに応じて、各実施の形態の各処理において、一部のステップを削除したり、変形例において記載した事項を新たなステップとして加えたりしてもよい。
(特徴について)
また、各実施の形態の特徴、及び変形例の特徴を任意に組合わせてもよい。
(文言について)
また、各実施の形態及び変形例における、「相当する」という文言については、対応付けの一例を示しているのみであり、ここに示されている対応付けに限定さるものではない。すなわち、「相当する」という文言について対応付けられているもの以外の対応付けも想定され得る。
(付記)
付記1の点検システムは、点検の対象の設備である対象設備を点検するための点検システムであって、前記対象設備の構成を特定する対象設備構成情報を格納する構成情報格納手段と、前記対象設備の損傷を特定する対象設備損傷情報を受け付ける入力手段と、情報を表示する表示手段と、前記構成情報格納手段が格納している前記対象設備構成情報と、前記入力手段が受け付けた前記対象設備損傷情報とを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記入力手段が受け付けた前記対象設備損傷情報を格納する損傷情報格納手段と、を備える。
付記2の点検システムは、付記1に記載の点検システムにおいて、前記構成情報格納手段は、少なくとも、前記対象設備の外観の画像である対象設備外観画像を前記対象設備構成情報として格納し、前記入力手段は、前記対象設備の外観における損傷している位置を特定する情報である損傷位置特定情報を前記対象設備損傷情報として受け付け、前記表示制御手段は、前記構成情報格納手段が格納している前記対象設備外観画像に、前記入力手段が受け付けた前記損傷位置特定情報に対応する画像を重畳して前記表示手段に表示させ、前記損傷情報格納手段は、前記構成情報格納手段が格納している前記対象設備外観画像と、前記入力手段が受け付けた前記損傷位置特定情報とを互いに対応付けて格納する。
付記3の点検システムは、付記1又は2に記載の点検システムおいて、前記入力手段は、少なくとも、前記対象設備のひび割れの状態を特定するひび割れ情報、前記対象設備の剥離の状態を特定する剥離情報、又は、前記対象設備の腐食の状態を特定する腐食情報を、前記対象設備損傷情報として受け付ける。
付記4の点検システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の点検システムにおいて、少なくとも、前記対象設備と比較される他設備であって、前記対象設備に対応する構成の設備である前記他設備の構成を特定する他設備構成情報と、前記他設備の損傷の履歴を特定する他設備損傷履歴情報と、を互いに対応付けて格納する他設備情報格納手段と、前記構成情報格納手段が格納している前記対象設備構成情報と、前記損傷情報格納手段が格納している前記対象設備損傷情報と、前記他設備情報格納手段が格納している前記他設備構成情報及び前記他設備損傷履歴情報とに基づいて、前記対象設備の損傷に関する予測である損傷予測を行う予測手段と、を備える。
付記5の点検システムは、付記4に記載の点検システムにおいて、前記対象設備の設置環境を特定する対象設備設置環境情報を格納する設置環境情報格納手段、を備え、前記他設備情報格納手段は、前記他設備の設置環境を特定する他設備設置環境情報を、更に格納し、前記予測手段は、前記構成情報格納手段が格納している前記対象設備構成情報と、前記損傷情報格納手段が格納している前記対象設備損傷情報と、前記設置環境情報格納手段が格納している前記対象設備設置環境情報と、前記他設備情報格納手段が格納している前記他設備構成情報、前記他設備損傷履歴情報、及び前記他設備設置環境情報とに基づいて、前記損傷予測を行う。
付記6の点検システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の点検システムにおいて、前記入力手段は、前記対象設備損傷情報をグループ化するためのグループ情報を受け付け、前記損傷情報格納手段は、前記入力手段が受け付けた前記グループ情報を格納する。
(付記の効果)
付記1に記載の点検システムによれば、入力手段が、対象設備の損傷を特定する対象設備損傷情報を受け付け、また、損傷情報格納手段が、入力手段が受け付けた対象設備損傷情報を格納することにより、例えば、対象設備損傷情報に対応する画像を紙面に手書きにて記すことが不要となるので、対象設備についての点検作業の作業効率を向上させることができる。また、構成情報格納手段が格納している対象設備構成情報と、入力手段が受け付けた対象設備損傷情報とを表示手段に表示させることにより、例えば、入力手段が受け付けた対象設備損傷情報を目視確認することができるので、対象設備損傷情報の誤入力を防止することができ、点検結果を正確に格納することができる。
付記2に記載の点検システムによれば、構成情報格納手段が格納している対象設備外観画像に、入力手段が受け付けた損傷位置特定情報に対応する画像を重畳して表示させることにより、例えば、対象設備の外観における損傷している位置を、対象設備の外観に対する相対位置として目視確認することができるので、実際の損傷と比較しつつ、損傷位置特定情報を正確に入力することができる。また、構成情報格納手段が格納している対象設備外観画像と、入力手段が受け付けた損傷位置特定情報とを互いに対応付けて格納することにより、例えば、対象設備外観画像及び損傷位置特定情報を互いに対応付けて管理することができるので、点検結果の情報の管理効率を向上させることができる。
付記3に記載の点検システムによれば、少なくとも、ひび割れ情報、剥離情報、又は、腐食情報を対象設備損傷情報として受け付けることにより、例えば、対象設備の外観の損傷を複数の種別に分けて把握することができるので、対象設備の現在の状態を正確に把握することができる。
付記4に記載の点検システムによれば、予測手段が対象設備の損傷に関する予測である損傷予測を行うことにより、例えば、対象設備の改修が必要な時期を事前に把握することができるので、改修が実際に必要になる前に、例えば改修費用等の計画をたてることができる。
付記5に記載の点検システムによれば、対象設備設置環境情報及び他設備設置環境情報にも基づいて損傷予測を行うことにより、例えば、設置環境を考慮して損傷予測を行うことができるので、損傷予測の予測精度を向上させることができる。
付記6に記載の点検システムによれば、対象設備損傷情報をグループ化するためのグループ情報を受け付けることにより、例えば、対象設備損傷情報をグループ単位で管理することができるので、複数の対象設備損傷情報を1つのみの操作で非表示にしたり編集したりすることができ、対象設備損傷情報の管理効率を向上させることができる。