JP6625235B2 - 電動機駆動装置 - Google Patents
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Description
結線状態の切替えの例として、スター(Y)結線とデルタ(Δ)結線との切替え、並列結線と直列結線との切替えがある。
例えば、スター結線においては、インバータ出力電流と巻線電流とは大きさが同じであるが、デルタ結線においては、インバータ出力電流は巻線電流の√3倍になる。
従って、減磁の防止を目的としてインバータ電流の検出値が一定の閾値を超えないようにインバータを制御する場合、デルタ結線の際の閾値に対して、スター結線の際の閾値を1/√3倍にする必要がある。
また、異なる結線状態に対応する比較回路を別個に設け、それらの出力をCPUに入力し、CPUで異常判定を行うことも提案されている(特許文献1、段落0042、第14図(b))。
複数の結線状態のいずれかで運転可能な電動機の前記複数の結線状態のうちのいずれかを選択する結線切替手段と、
前記電動機に交流電力を供給して、前記電動機を運転させるインバータと、
前記結線切替手段に前記結線状態の選択を行わせ、前記インバータを制御する制御装置と、
前記インバータを保護する過電流保護回路とを備え、
前記過電流保護回路は、
前記複数の結線状態にそれぞれ対応して設けられた複数の判定回路と、
前記複数の判定回路での比較の結果を合成する合成回路と、
前記複数の判定回路における比較のうちの一部を無効化する無効化回路とを有する
ことを特徴とする。
また、複数の判定回路の出力を合成回路で合成することとしているので、過電流保護回路の出力が一つとなり、インバータの駆動及び停止を制御する装置の、上記過電流保護回路の出力を受ける端子は一つだけで良い。
しかも、過電流保護回路がハードウェアで構成されているので、高速に保護を行うことができる。
以下の実施の形態は、本発明を、空気調和機の圧縮機を駆動する電動機の駆動装置に適用したものである。
図1は、本発明の実施の形態1の電動機駆動装置を、電動機とともに示す概略配線図である。
図示の電動機駆動装置2は、電動機4を駆動するためのものであり、コンバータ20と、インバータ30と、インバータ駆動回路32と、結線切替手段40と、制御装置50と、過電流保護回路60とを有する。
切替スイッチ41vの共通接点41vcは、リード線44vを介して端子4vdに接続され、常閉接点41vbは、中性点ノード42に接続され、常開接点41vaは、インバータ30のW相の出力線30wに接続されている。
切替スイッチ41wの共通接点41wcは、リード線44wを介して端子4wdに接続され、常閉接点41wbは、中性点ノード42に接続され、常開接点41waは、インバータ30のU相の出力線30uに接続されている。
図示しない励磁コイルに電流が流されると、切替スイッチ41u、41v、41wが図示とは逆に、常開接点側に切替わった状態、即ち、共通接点41uc、41vc、41wcが常開接点41ua、41va、41waに接続された状態にある。この状態では、電動機4は、デルタ結線状態にある。
以下では、オン・オフ制御として例えばPWM制御が行われる場合について説明する。PWM制御が行われる場合には、制御信号としてPWM信号Sm1〜Sm6がインバータ駆動回路32に供給される。この場合、インバータ30から周波数可変で電圧可変の3相交流電流を発生させることができる。オン・オフ制御の他の例としては、矩形波駆動制御がある。矩形波駆動制御の場合には、例えば各相の巻線に120度ずつ通電させるための制御信号が供給される。この場合、インバータ30から周波数可変の3相交流電流を発生させることができる。
マイコン52は、結線切替制御部521と、PWM信号生成部524と、強制遮断部525とを有する。
例えば、結線選択信号Swは、スター結線を指定するときはLowとなり、デルタ結線を指定するときはHighとなる。
PWM信号Sm1〜Sm6は、それぞれ対応するスイッチング素子をオン状態に維持したい期間にHighの状態を維持し、それぞれ対応するスイッチング素子をオフ状態に維持したい期間にLowの状態を維持する。
PWM信号Sm1〜Sm6が論理回路の信号レベルの大きさ(0〜5V)のものであるのに対し、駆動信号Sr1〜Sr6は、スイッチング素子を制御するのに必要な電圧レベル、例えば15Vの大きさを持つ。
スイッチング素子がオフとなる結果、インバータ30は交流電力の出力を停止する(インバータ30が停止状態になる)。
インバータ出力異常遮断ポートPOEへの信号に応じてPWM信号生成部524からPWM信号Sm1〜Sm6の出力を停止させる処理は、ハードウェアで構成された強制遮断部525で行われ、マイコン52のソフトウェアによる処理を介さないので、高速に行われる。
図4は、過電流保護回路60の概略構成を示すブロック図、図5は、過電流保護回路60の配線図である。
図4に示されるように、過電流保護回路60は、電流値検出回路61と、第1の判定回路62と、第2の判定回路63と、無効化回路65と、合成回路66とを有する。
抵抗R611は、コンバータ20の出力端子と、インバータ30の入力端子とを結ぶ母線に挿入され、第1の端部がグランドに接続されている。
平滑回路612は、抵抗R613、R614とコンデンサC615とを有する。
抵抗R613の第1の端部は抵抗R611の第2の端部に接続されている。
抵抗R614の第1の端部は制御電源Vdに接続され、抵抗R614の第2の端部は抵抗R613の第2に端部に接続されている。
コンデンサC615の第1の端子は抵抗R613の第2の端部に接続され、コンデンサC615の第2の端子は、グランドに接続されている。
電流値検出回路61では、抵抗R611の両端間の電圧を平滑化した電圧がコンデンサC615の両端子間に現れ、コンデンサC615の両端子間の電圧が、電流検出値を示す信号(電流値信号)Scとして第1の判定回路62及び第2の判定回路63に供給される。
第1の閾値生成回路621は、互いに直列接続された抵抗R623及びR624から成る分圧回路と、平滑用コンデンサC625とを有する。
抵抗R623の第1の端部は制御電源Vdに接続され、抵抗R624の第1の端部は抵抗R623の第2の端部に接続され、抵抗R624の第2の端部は、グランドに接続されている。コンデンサC625は、抵抗R624に並列接続されている。
電圧VtΔは、
VtΔ=Vd×R624/(R623+R624) (1)
で与えられる。
電圧VtΔがデルタ結線用の閾値(第1の閾値)であり、第1の基準値Vref1として比較器622の非反転入力端子(+端子)に供給される。
比較器622は、電流値信号Scを基準値Vref1と比較し、電流値信号Scが基準値Vref1よりも高ければ、その出力がLowとなり、そうでなければその出力がHighとなる。
比較器632は例えば演算増幅器で構成されている。
第2の閾値生成回路631は、互いに直列接続された抵抗R633及びR634から成る分圧回路と、平滑用コンデンサC635とを有する。
抵抗R633の第1の端部は、制御電源Vdに接続され、抵抗R634の第1の端部は抵抗R633の第2の端部に接続され、抵抗R634の第2の端部は、グランドに接続されている。コンデンサC635は、抵抗R634に並列接続されている。
電圧VtYは、
VtY=Vd×R634/(R633+R634) (2)
で与えられる。
電圧VtYがスター結線用の閾値(第2の閾値)であり、スター結線時には、第2の基準値Vref2として、比較器632の非反転入力端子(+端子)に供給される。
VtΔ=√3×VtY (3)
即ち、式(3)の関係が満たされるように、抵抗R623、R624、R633、R634の抵抗値が定められている。
比較器632は、電流値信号Scを基準値Vref2と比較し、電流値信号Scが基準値Vref2よりも高ければ、その出力がLowとなり、そうでなければその出力がHighとなる。
比較器632は、閾値VtYの代わりに、Vp=(Vd−Von)を第2の基準値Vref2として用いて、電流値信号Scとの比較を行う。
ワイヤードOR回路661は、第1の端部が制御電源Vdに接続され、第2の端部が比較器622及び632の出力端子に接続された抵抗R663で構成されている。
ワイヤードOR回路661では、比較器622及び632の出力端子の少なくとも一方がLow(出力端子とグランドとの間がLowインピーダンス)となれば、その出力(抵抗R663の第2の端部)がLow(Lowレベル)となり、比較器622及び632の出力端子の双方がHighとなれば、その出力(抵抗R663の第2の端部)がHighとなる。
デジタルトランジスタQ664のコレクタ端子には、ワイヤードOR回路661の出力の論理状態を反転した信号が現れる。
この信号(過電流検出信号)Seが、反転回路662の出力であり、かつ合成回路66の出力であり、従って、過電流保護回路60の出力である。
また、マイコン52のインバータ出力異常遮断ポートPOEに信号が供給されると(該信号がHighとなると)、強制遮断部525の動作により、PWM信号生成部524からのPWM信号Sm1〜Sm6の出力が停止され、その結果、インバータ駆動回路32には、PWM信号が供給されなくなる。すると、インバータ駆動回路32は、インバータ30のすべてのアームのスイッチング素子をオフさせる。
インバータ30のそれぞれのアームのスイッチング素子がオフとなると、インバータ30は交流電力を出力しない状態(停止状態)となる。
上記のように、合成回路66の出力がHighとなると、インバータを停止させる処理が二重に行われる。
この信号Ssは、スター結線時には、図6(a)に示すようにHighとなり、デルタ結線時には、図6(b)に示すようにLowとなる。
そのため、デジタルトランジスタQ651は、スター結線時には、図6(a)に示すようにオフとなり、デルタ結線時には、図6(b)に示すようにオンとなる。
このため、インバータ30の入力電流が次第に大きくなり、これに伴い、電流値信号Scが次第に大きくなっていくと、比較器632で、電流値信号Scが基準値Vref2よりも大きくなったとの判定がなされ、その出力がLowとなる。
するとその時点で、ワイヤードOR回路661の出力がLowとなる。その結果、反転回路662の出力(従って、合成回路66の出力)SeがHighとなる。
電流値信号ScはVp=(Vd−Von)を上回ることがないように構成されており、比較器632の出力は、Highに維持される。
するとその時点で、ワイヤードOR回路661の出力がLowとなる。その結果、反転回路662の出力(従って、合成回路66の出力)SeがHighとなる。
これに対して、本発明では複数の判定回路での判定結果を合成して出力しているため、マイコンとしてインバータ出力異常遮断ポートPOEを一つしか備えていないものを用いることができ、IPMとして過電流遮断ポートCinを一つしか備えていないものを用いることができる。
従って、信頼性の高いシステムを得ることができる。
図7は、実施の形態2で用いられる過電流保護回路を示す配線図である。
実施の形態2の過電流保護回路60は、図4及び図5に示すのと概して同じである。但し、以下の点で異なる。
まず、電流値検出回路61から出力される電流値信号Scが、比較器622及び比較器632の+端子に供給され、第1の閾値生成回路621からの基準値Vref1が、比較器622の−端子に供給され、第2の閾値生成回路631からの基準値Vref2が、比較器632の−端子に供給される。
ダイオードOR回路671は、抵抗R672、R673と、ダイオードD674、D675と、抵抗R676とを有する。
抵抗R673は第1の端部が制御電源Vdに接続され、第2の端部が比較器632の出力端子に接続されている。ダイオードD675は、アノードが比較器632の出力端子に接続され、カソードが抵抗R676の第1の端部に接続されている。
抵抗R676の第2の端部はグランドに接続されている。
抵抗R676の第1の端部の信号が、ダイオードOR回路671の出力であり、かつ合成回路66の出力であり、従って過電流保護回路60の出力である。
インバータ電流が次第に大きくなっていくときの図7の回路の動作は、実施の形態1に関し図6(a)及び(b)を参照して説明したのと同様である。但し、比較器622、632の出力の論理値が図6(a)及び(b)とは逆になる。
上記の実施の形態2では、合成回路66がダイオードOR回路671で構成されているが、代わりに、トランジスタ、例えばMOSトランジスタを組み合わせることで構成されたOR回路681を用いてもよい。その場合の構成例を図8に示す。
実施の形態1〜3では、第2の判定回路63における閾値VtYを用いた比較を無効にする際に、第2の判定回路63の閾値生成回路631の分圧ノードにVp=(Vd−Von)が現れるように構成している。しかしこの点は、必須ではない。要するに、第1の判定回路62の閾値生成回路621から出力される閾値VtΔよりも高い電位Vpが第2の判定回路63の閾値生成回路の分圧ノードに現れて、基準値Vref2として比較器632に供給されるように構成すれば良い。
図9に示される閾値生成回路631bは、図5に示される閾値生成回路631と同様であるが、抵抗R633の代わりに、抵抗R633A及びR633Bの直列接続が用いられ、従って、互いに直列接続された抵抗R633A、R633B、R634により分圧回路が構成されており、デジタルトランジスタQ651が、抵抗R633A (分圧ノードと制御電源との間に接続された抵抗)を短絡するように設けられている。
R633A+R633B=R633 (4)
という関係を満たすように定められている。
この場合、デジタルトランジスタQ651がオフのときの動作(スター結線時の動作)は、図5の回路に関し、図6(a)を参照して説明したのと同じである。
Vp=(Vd−Von)×R634/(R633B+R634)
(5)
で与えられる電位Vpが閾値生成回路631bの分圧ノードに現れ、基準値Vref2として比較器632に供給される。
以上のように、実施の形態1、2、3では、デルタ結線の際に第2の判定回路63における、電流値信号Scとスター結線用閾値VtYとの比較を無効化している。代わりに、スター結線の際に第1の判定回路62における、電流値信号Scと、デルタ結線用閾値VtΔとの比較を無効化することとしてもよい。この場合、例えば、スター結線の際には、第1の判定回路62では、基準値を極めて低くすることで、「電流値信号Scが基準値を上回っている」との判定結果が常時得られるようにし、第1の判定回路62の判定結果と、第2の判定回路63の判定結果とを合成回路66で、AND合成するようにしてもよい。
その場合にも、上記と同様の効果を得ることができる。
図11は、実施の形態4の過電流保護回路60bの概略構成を示すブロック図、図12は、過電流保護回路60bの配線図である。
図11に示される過電流保護回路60bは、実施の形態1〜3で用いられる過電流保護回路60と概して同じであるが、無効化回路65の代わりに、無効化回路65bを備えている。
また、実施の形態1〜3の無効化回路65がpnp型のデジタルトランジスタQ651で構成されているのに対し、本実施の形態の無効化回路65bは、npn型のデジタルトランジスタQ653で構成されている。
電圧VtYは、
VtY=Vd×R634/(R633+R634) (6)
で与えられる。
電圧VtYはスター結線用の閾値(第2の閾値)であり、第2の基準値Vref2として比較器632の反転入力端子(−端子)に供給される。
電圧VtΔは、
VtΔ=Vd×R624/(R623+R624) (7)
で与えられる。
電圧VtΔは、デルタ結線用の閾値(第1の閾値)であり、デルタ結線時には第1の基準値Vref1として、比較器622の反転入力端子(−端子)に供給される。
この電位Vq(=Von)が、閾値VtΔの代わりに、第1の基準値Vref1として、比較器622の反転入力端子(−端子)に供給される。
比較器622は、電流値信号Scを第1の基準値Vref1と比較し、電流値信号Scが第1の基準値Vref1よりも高ければ、その出力がHighとなり、そうでなければその出力がLowとなる。
デジタルトランジスタQ653がオフのとき(デルタ結線時)には、第1の閾値VtΔが第1の基準値Vref1として用いられ、デジタルトランジスタQ653がオンのとき(スター結線時)には、Vq=Vonが第1の基準値Vref1として用いられる。
閾値生成回路631には、デジタルトランジスタQ653が接続されていないので、比較器632では、デルタ結線時もスター結線時も、VtYが第2の基準値Vref2として用いられる。
AND回路683では、比較器622及び632の出力端子の双方がHighとなれば、その出力がHighとなり、比較器622及び632の出力端子の少なくとも一方がLowとなれば、その出力がLowとなる。
AND回路683の出力Seは、合成回路66の出力であり、従って過電流保護回路60bの出力である。
この信号Ssは、スター結線時には、図13(a)に示すようにHighとなり、デルタ結線時には、図13(b)に示すようにLowとなる。
そのため、デジタルトランジスタQ653は、スター結線時には、図13(a)に示すようにオンとなり、デルタ結線時には、図13(b)に示すようにオフとなる。
このため、インバータ30の入力電流が次第に大きくなり、これに伴い、電流値信号Scが次第に大きくなっていくと、比較器632で、電流値信号Scが基準値Vref2よりも大きくなったとの判定がなされ、その出力がHighとなり、そのあとで、比較器622で、電流値信号Scが基準値Vref1よりも大きくなったとの判定がなされて、その出力がHighとなる。
するとその時点で、AND回路683の出力(過電流検出信号)SeがHighとなる。
電流値信号ScはVq(=Von)以下となることがないように構成されており、比較器622の出力は、Highに維持される。
すると、その時点で、AND回路683の出力SeがHighとなる。
実施の形態4では、第1の判定回路62における閾値VtΔを用いた判定を無効にする際に、第1の判定回路62の閾値生成回路621の分圧ノードにVq(=Von)が現れるように構成している。しかしこの点は、必須ではない。要するに、第2の判定回路63の閾値生成回路631から出力される閾値VtYよりも低い電位Vqが第1の判定回路62の閾値生成回路の分圧ノードに現れるように構成すれば良い。
図14に示される閾値生成回路621cは、図12に示される閾値生成回路621と同様であるが、抵抗R624の代わりに、抵抗R624A及びR624Bの直列接続が用いられ、従って、互いに直列接続された抵抗R623、R624A、R624Bにより分圧回路が構成されており、デジタルトランジスタQ653が、抵抗R624B(分圧ノードとグランドの間に接続された抵抗)を短絡するように設けられている。
R624A+R624B=R624 (8)
という関係を満たすように定められている。
この場合、デジタルトランジスタQ653がオフのときの動作(デルタ結線時の動作)は、図12の回路に関し、図13(b)を参照して説明したのと同じである。
Vq={(Vd−Von)×R624A/(R623+R624A)}+Von
(9)
で与えられる電位Vqが閾値生成回路621cの分圧ノードに現れ、基準値Vref1として比較器622に供給される。
実施の形態1〜4では結線切替手段40として、切替スイッチを用いている。代わりに、常閉スイッチと常開スイッチとの組み合わせで結線切替手段を構成してもよい。その場合の結線切替手段の構成例を図16に示す。
しかしながら、図16に示すように、常閉スイッチと常開スイッチとの組合せを用いる場合、SiCやGaNといったWBG半導体を用いてもよい。これらは、オン抵抗が小さく、低損失で素子発熱も少ない。これらはまた、切替え動作を高速に行うことができる。従って、電動機の駆動中に結線状態を切替えるには半導体で構成した方が好適である。
実施の形態1〜5では、固定子巻線をスター結線又はデルタ結線に切替え得る電動機に本発明を適用している。
本発明は、結線の切替えが他の方法で行われる場合にも適用できる。
例えば各相の巻線として2以上の巻線部分から成るものを用い、並列結線及び直列結線のいずれかに切替え得る電動機にも適用できる。
この場合、各相の巻線を構成する2以上の巻線部分の各々の両端部を、電動機の外部に接続可能として、結線切替手段で結線状態を切替える。
巻線部分4ue、4ve、4weの第1の端部は、外部端子4uc、4vc、4wcを介してインバータ30の出力線30u、30v、30wに接続されている。
巻線部分4ue、4ve、4weの第2の端部は、外部端子4ug、4vg、4wgを介して切替スイッチ48u、48v、48wの共通接点に接続されている。
巻線部分4uf、4vf、4wfの第1の端部は、外部端子4uh、4vh、4whを介して切替スイッチ49u、49v、49wの共通接点に接続されている。
巻線部分4uf、4vf、4wfの第2の端部は、外部端子4ud、4vd、4wdを介して中性点ノード42に接続されている。
切替スイッチ48u、48v、48wの常閉接点は、切替スイッチ49u、49v、49wの常閉接点に接続されている。
切替スイッチ48u、48v、48wの常開接点は、中性点ノード42に接続されている。
切替スイッチ49u、49v、49wの常開接点は、インバータ30の出力線30u、30v、30wに接続されている。
切替スイッチ48u、48v、48w、49u、49v、49wにより、結線切替手段40が構成されている。
従って、減磁の防止を目的として、インバータ電流の検出値が一定の閾値を超えないようにインバータを制御する場合、直列結線の際の閾値に対して、並列結線の際の閾値を2倍にする必要がある。即ち、それぞれの結線状態に対応する判定回路を設ける場合、直列結線に対応する判定回路で用いる閾値に対して、並列結線に対応する判定回路で用いる閾値を2倍に定める。
なお、実施の形態6でも実施の形態5で述べたように、切替スイッチの代わりに常閉スイッチと、常開スイッチとの組合せを用いることができる。
以上の実施の形態1〜6では、インバータ30の入力電流を検出している。
代わりに、インバータ30の出力電流を検出してもよい。この場合、一つの相にのみ電流検出素子、例えば変流器を設けて、該一つの相の電流に基づいて過電流の検出を行ってもよい。代わりに、3つの相にそれぞれ電流検出素子、例えば変流器を設け、3つの相についての電流の平均を用いて過電流の検出を行ってもよく、3つの相の電流の各瞬時における最大値を用いて過電流の検出を行ってもよい。さらにまた、2つの相にそれぞれ電流検出素子、例えば変流器を設け、2つの相についての電流の平均を用いて過電流の検出を行ってもよく、2つの相の電流の各瞬時における最大値を用いて過電流の検出を行ってもよい。
本発明は、電動機が取り得る結線状態が3つ以上の場合にも適用可能である。即ち、一般化していえば、本発明は、電動機が、複数の(n個の)結線状態のいずれかを選択可能なものである場合に適用可能である。
上記複数の結線状態にそれぞれ対応して設けられた複数の判定回路と、
上記複数の判定回路での比較の結果を合成する合成回路と、
上記複数の判定回路における比較のうちの一部を無効化する無効化回路とを有する
ものを用いれば良い。
また、上記複数の判定回路としては、上記複数の結線状態にそれぞれ対応して設けられ、上記複数の結線状態にそれぞれ対応する閾値を基準値として用いて、上記検出された電流との比較を行うものが用いられる。
また、上記無効化回路としては、上記複数の判定回路における比較のうち、選択されている結線状態に対応する閾値以外の閾値を用いた比較を必要に応じて無効化し、該無効化により、上記複数の判定回路のうち、上記選択されている結線状態に対応する判定回路の出力に、上記合成回路の出力が一致するようにするものが用いられる。
上記合成回路としては、上記複数の判定回路の出力の論理和を取るOR回路を有するものを用い、
上記無効化回路としては、上記選択された結線状態に対応する閾値よりも小さい閾値の代わりに、上記選択された結線状態に対応する閾値よりも大きい値を上記基準値として用いた比較を行わせるものを用いることとすれば良い。
上記閾値生成回路から出力された上記閾値を基準値として、上記検出された電流が該基準値よりも大きいか否かを判定する比較器とを有し、
上記分圧回路が、上記制御電源とグランドとの間に直列接続された複数の抵抗を有し、
上記無効化回路が、上記直列接続された複数の抵抗のうちの一つを短絡して、上記閾値の代わりに、上記選択された結線状態に対応する閾値よりも大きい値を上記分圧ノードから出力させることとすれば良い。
上記の短絡される抵抗は、例えば、上記分圧ノードと上記制御電源との間に接続された抵抗である。
上記合成回路としては、上記複数の判定回路の出力の論理積を取るAND回路を有するものを用い、
上記無効化回路としては、上記選択された結線状態に対応する閾値よりも大きい閾値の代わりに、上記選択された結線状態に対応する閾値よりも小さい値を上記基準値として用いた比較を行わせるものを用いることとすれば良い。
上記閾値生成回路から出力された上記閾値を基準値として、上記検出された電流が該基準値よりも大きいか否かを判定する比較器とを有し、
上記分圧回路が、上記制御電源とグランドとの間に直列接続された複数の抵抗を有し、
上記無効化回路が、上記直列接続された複数の抵抗のうちの一つを短絡して、上記閾値の代わりに、上記選択された結線状態に対応する閾値よりも小さい値を上記分圧ノードから出力させることとすれば良い。
上記の短絡される抵抗は、例えば、上記分圧ノードと上記グランドとの間に接続された抵抗である。
Claims (17)
- 複数の結線状態のいずれかで運転可能な電動機の前記複数の結線状態のうちのいずれかを選択する結線切替手段と、
前記電動機に交流電力を供給して、前記電動機を運転させるインバータと、
前記結線切替手段に前記結線状態の選択を行わせ、前記インバータを制御する制御装置と、
前記インバータを保護する過電流保護回路とを備え、
前記過電流保護回路は、
前記複数の結線状態にそれぞれ対応して設けられた複数の判定回路と、
前記複数の判定回路での比較の結果を合成する合成回路と、
前記複数の判定回路における比較のうちの一部を無効化する無効化回路とを有する
ことを特徴とする電動機駆動装置。 - 前記インバータは、前記電動機に周波数可変の交流電力を供給して、前記電動機を可変速運転させ、
前記制御装置は、前記結線切替手段を制御して前記結線状態の選択を行わせ、前記インバータをオン・オフ制御して前記電動機に前記交流電力を供給させる
ことを特徴とする請求項1に記載の電動機駆動装置。 - 前記過電流保護回路は、前記インバータの入力電流又は出力電流を検出し、検出された電流が過大になったときに、前記インバータを停止させ
前記複数の判定回路は、
前記複数の結線状態にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の結線状態にそれぞれ対応する閾値を基準値として用いて、前記検出された電流との比較を行い、
前記無効化回路は、
前記複数の判定回路における比較のうち、選択されている結線状態に対応する閾値以外の閾値を用いた比較を必要に応じて無効化し、該無効化により、前記複数の判定回路のうち、前記選択されている結線状態に対応する判定回路の出力に、前記合成回路の出力が一致するようにする
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動機駆動装置。 - 前記合成回路が前記複数の判定回路の出力の論理和を取るOR回路を有し、
前記無効化回路は、前記選択された結線状態に対応する閾値よりも小さい閾値の代わりに、前記選択された結線状態に対応する閾値よりも大きい値を前記基準値として用いた比較を行わせることを特徴とする請求項3に記載の電動機駆動装置。 - 前記複数の判定回路の各々が、制御電源の電圧を分圧する分圧回路を備え、該分圧により前記分圧回路の分圧ノードに現れる電圧を、前記閾値として出力する閾値生成回路と、
前記閾値生成回路から出力された前記閾値を基準値として、前記検出された電流が該基準値よりも大きいか否かを判定する比較器とを有し、
前記分圧回路が、前記制御電源とグランドとの間に直列接続された複数の抵抗を有し、
前記無効化回路が、前記直列接続された複数の抵抗のうちの一つを短絡して、前記閾値の代わりに、前記選択された結線状態に対応する閾値よりも大きい値を前記分圧ノードから出力させる
ことを特徴とする請求項4に記載の電動機駆動装置。 - 短絡される抵抗が、前記分圧ノードと前記制御電源との間に接続された抵抗であることを特徴とする請求項5に記載の電動機駆動装置。
- 前記合成回路が前記複数の判定回路の出力の論理積を取るAND回路を有し、
前記無効化回路は、前記選択された結線状態に対応する閾値よりも大きい閾値の代わりに、前記選択された結線状態に対応する閾値よりも小さい値を前記基準値として用いた比較を行わせることを特徴とする請求項3に記載の電動機駆動装置。 - 前記複数の判定回路の各々が、制御電源の電圧を分圧する分圧回路を備え、該分圧により前記分圧回路の分圧ノードに現れる電圧を、前記閾値として出力する閾値生成回路と、
前記閾値生成回路から出力された前記閾値を基準値として、前記検出された電流が該基準値よりも大きいか否かを判定する比較器とを有し、
前記分圧回路が、前記制御電源とグランドとの間に直列接続された複数の抵抗を有し、
前記無効化回路が、前記直列接続された複数の抵抗のうちの一つを短絡して、前記閾値の代わりに、前記選択された結線状態に対応する閾値よりも小さい値を前記分圧ノードから出力させる
ことを特徴とする請求項7に記載の電動機駆動装置。 - 短絡される抵抗が、前記分圧ノードと前記グランドとの間に接続された抵抗であることを特徴とする請求項8に記載の電動機駆動装置。
- 前記無効化回路は、前記抵抗の短絡を行うためのトランジスタを有する
ことを特徴とする請求項5、6、8又は9に記載の電動機駆動装置。 - 前記トランジスタがデジタルトランジスタである
ことを特徴とする請求項10に記載の電動機駆動装置。 - 前記複数の結線状態が、第1の結線状態及び第2の結線状態を含み、
前記第1の結線状態がスター結線状態であり、前記第2の結線状態がデルタ結線状態である
ことを特徴とする請求項3から11のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。 - 前記デルタ結線状態に対応する閾値が前記スター結線状態に対応する閾値の√3倍以下であることを特徴とする請求項12に記載の電動機駆動装置。
- 前記結線切替手段のスイッチ素子が半導体素子で構成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
- 前記半導体素子としてWBG半導体素子が用いられていることを特徴とする請求項14に記載の電動機駆動装置。
- 前記インバータに駆動信号を供給するインバータ駆動回路をさらに備え、
前記インバータと前記インバータ駆動回路とがIPMで構成され、
前記合成回路の出力が、前記IPMの過電流遮断ポートに入力され、
前記インバータ駆動回路は、前記過電流遮断ポートに入力された前記合成回路の出力に応じて前記インバータを停止させる
ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。 - 前記制御装置は、インバータをオン・オフ制御するためのオン・オフ制御信号を出力して、前記インバータ駆動回路に供給するマイコンを備え、
前記合成回路の出力が前記マイコンに供給され、
前記マイコンは、前記合成回路の出力に応じて前記オン・オフ制御信号の出力を停止することを特徴とする請求項16に記載の電動機駆動装置。
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