JP6625146B2 - コンクリート部材接続方法 - Google Patents

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本発明は、ループ状の継手が備えられたコンクリート部材を接続するためのコンクリート部材接続方法に関するものである。
従来、橋梁などにおいて主桁に架設されるプレキャストコンクリートの床版として、例えば下記特許文献1に記載されたコンクリート部材がある。このコンクリート部材は平板状であり、側部から橋軸方向に向けて、継手であるループ状の鉄筋(以下、「ループ継手」と記す。)が張り出している(図1参照)。
また、例えば下記特許文献2に記載された高架軌道のように、ループ継手が柱状のコンクリート部材から鉛直方向に張り出しているものもある。すなわち、例えば、図2に示されているとおり、柱部材210の上部または下部からループ継手220が張り出しているものもある。
また、例えば、図3に示されているとおり、壁部材310の側部からループ継手320が張り出しているものもある。
上記したループ継手同士が重なることで継手構造が実現する。例えば、図1、図2および図3に示されている従来のループ継手が備えられたコンクリート部材では、ループ継手の形状によってコンクリート部材の厚みが決定される。
特開2002−227130号公報 特開2004−270150号公報
ところで、架設年度の古い橋の鉄筋コンクリート床版(以下、「RC床版」と記す。)は、過去の基準で設計されているため、現行の基準で規定される厚みよりも薄い場合がある。そのような橋において、補修などで床版を更新する場合、現行の基準に従って床版の厚みを設計すると、床版の厚みが既設の床版よりも厚くなる。更新した床版が既設の床版よりも厚いと、死荷重が増加し、既設の鋼桁や下部工に負担がかかる。そのため、RC床版の更新工事では、既設の鋼桁や下部工の耐荷力による制限や、橋の耐震性の確保の観点から、更新用に軽量化した床版が必要となる。
RC床版を軽量化する手法のひとつとして、薄いプレストレストコンクリート床版(以下、「PC床版」と記す。)に替えることが考えられる。ループ継手を用いたPC床版の設計では、一般的に、ループ継手の大きさによってPC床版の厚みが決定される。ここで、従来のループ継手を図面に基づいて説明する。図1は、従来のPC床版110およびループ継手120が示されている。図1において、ループ継手120の曲げ直径は、鉄筋の太さによって決定され、曲げ直径によって、PC床版110の厚み方向において対面する鉄筋同士の間隔(以下、「鉄筋間隔」と記す。)Xが決定される。一方で、コンクリート部材の鉄筋の最小かぶりは、鉄筋の太さ、コンクリート部材の種類、コンクリート部材がおかれる環境条件などに応じて所定値が定められている。したがって、PC床版110の厚みは、鉄筋間隔X、PC床版110の上面側における鉄筋に対するかぶり(以下、「床版上側かぶり」と記す。)X、および、PC床版の下面側における鉄筋に対するかぶり(以下、「床版下側かぶり」と記す。)Xの和で求められる。
このように、ループ継手120を用いたPC床版110は、設計方法が確立されており、PC床版110の厚みが、ループ継手120の仕様に依拠するため、仕様に基づいて、鉄筋間隔X、床版上側かぶりXおよび床版下側かぶりXの各値を最小値とすれば、PC床版110を薄くすることができる。しかし、それ以上にPC床版110を薄くして軽量化を実現するためには、ループ継手120の仕様を変更して、鉄筋の太さや曲げ直径を変える必要がある。
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、継手の仕様を変更せずに厚みを薄くすることで軽量化を実現することができ、また、継手の配置の許容範囲を広げることができ、さらに、継手に占有されない領域を確保してこの領域を有効に用いることができるコンクリート部材、コンクリート部材を軽量化することができる継手、および、適切にコンクリート部材を接続することができるコンクリート部材接続方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るコンクリート部材は、コンクリート部材本体の側部にループ状の継手が備えられたコンクリート部材において、前記コンクリート部材本体の側方から視して、前記継手が、前記コンクリート部材本体の平面部に対して傾斜している、ことを特徴とする。
本発明に係るコンクリート部材は、前記コンクリート部材本体の厚みが、前記継手の傾斜の度合によって決定される、ことを特徴とする。
本発明に係る継手は、コンクリート部材本体の側部に備えられたループ状の継手において、前記コンクリート部材本体の側方から視して、前記コンクリート部材本体の平面部に対して傾斜している、ことを特徴とする。
本発明に係るコンクリート部材接続方法は、コンクリート部材本体の側部に備えられると共に、前記コンクリート部材本体の側方から視して、前記コンクリート部材本体の平面部に対して傾斜しているループ状の継手を有するコンクリート部材を接続するコンクリート部材接続方法であって、既設した前記コンクリート部材である第一コンクリート部材の前記継手同士の間に、前記コンクリート部材の厚みよりも長手であるガイド部材の一方部を取り付ける手順と、前記第一コンクリート部材に連結させる前記コンクリート部材である第二コンクリート部材の前記継手を、前記ガイド部材の他方部に対面させる手順と、前記ガイド部材に沿わせて前記第二コンクリート部材を前記第一コンクリート部材に近づけることで、前記第二コンクリート部材の前記継手と前記第一コンクリート部材の前記継手とを交互に配置させる手順と、を経る、ことを特徴とする。
本発明に係るコンクリート部材は、コンクリート部材本体の側方から視して、継手が、コンクリート部材本体の平面部に対して傾斜している。すなわち、継手が傾斜している分、コンクリート部材本体の厚み方向において、継手が占める縦幅が狭くなり、このことに伴ってコンクリート部材が薄くなる。一方で、継手の鉄筋間隔は、継手が傾斜していない場合と同じである。したがって、従来の設計方法に基づいて、継手の仕様を変更せずにコンクリート部材を薄くすることで、軽量化を実現することができる。また、直径が大きい継手を用いた場合であっても、継手が傾斜している分、コンクリート部材本体の厚み方向において、継手が占める縦幅が狭くなる。したがって、コンクリート部材の厚みを変えずに、継手の直径を大きくすることができ、所要の耐荷力を確保することができる。また、継手が傾斜している分、側面において、継手に占有されない領域が増え、この領域を有効に用いることができる。
本発明に係るコンクリート部材は、コンクリート部材本体の厚みが、継手の傾斜の度合によって決定される。すなわち、傾斜の度合いが大きい程、コンクリート部材が薄い。したがって、コンクリート部材を薄くすることで軽量化を実現することができる。
本発明に係る継手は、コンクリート部材本体の側方から視して、コンクリート部材本体の平面部に対して傾斜している。したがって、継手の仕様を変更せずにコンクリート部材を薄くすることで、軽量化を実現することができる。
本発明に係るコンクリート部材接続方法は、既設したコンクリート部材である第一コンクリート部材の継手同士の間に、コンクリート部材の厚みよりも長手であるガイド部材の一方部を取り付ける手順と、第一コンクリート部材に連結させるコンクリート部材である第二コンクリート部材の継手を、ガイド部材の他方部に対面させる手順と、ガイド部材に沿わせて第二コンクリート部材を前記第一コンクリート部材に近づけることで、第二コンクリート部材の継手と第一コンクリート部材の継手とを交互に配置させる手順と、を経る。すなわち、ガイド部材を介在させることで、第一コンクリート部材と第二コンクリート部材とを連結させる際、第一コンクリート部材と第二コンクリート部材との接触、第一コンクリート部材の継手と第二コンクリート部材の継手との接触、各コンクリート部材と各継手との接触が妨げられる。したがって、破損を避けて適切にコンクリート部材を接続することができる。
従来のPC床版においてループ継手が拡大されて示され、(a)はPC床版の正面透し図、(b)はPC床版の側面図である。 従来のループ継手が備えられた柱部材が示され、(a)は斜視図、(b)は(c)のA−A断面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。 従来のループ継手が備えられた壁部材が示され、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は(c)のA−A断面図である。 本発明の第一実施形態に係るコンクリート部材の外観斜視図である。 本発明の第一実施形態に係るコンクリート部材の外観が示され、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。 本発明の第一実施形態に係るコンクリート部材の継手が拡大されて示され、(a)(c)(e)はコンクリート部材の正面透し図、(b)(d)(f)はコンクリート部材の側面図である。 本発明の第一実施形態の変形例に係るコンクリート部材の拡大側面図である。 本発明の第一実施形態に係るコンクリート部材の施工過程の一部が示され、(a)(b)はコンクリート部材を床版とした場合の施工過程説明図である。 本発明の第一実施形態に係るコンクリート部材接続方法による床版の施工過程の一部が示された施工過程説明図である。 本発明の第一実施形態に係るコンクリート部材接続方法による床版の施工過程の一部が示された施工過程説明図である。 本発明の第一実施形態に係るコンクリート部材が連結された状態において継手が拡大されて示され、(a)(c)(e)はコンクリート部材の正面透し図、(b)(d)(f)は間詰め部から視したコンクリート部材の側面図である。 本発明の第二実施形態に係るコンクリート部材の外観が示され、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は(c)のA−A断面図である。 本発明の第三実施形態に係るコンクリート部材の外観が示され、(a)は斜視図、(b)は(c)のA−A断面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
以下に、本発明の第一実施形態に係るコンクリート部材、継手およびコンクリート部材接続方法を図面に基づいて説明する。図4および図5は、コンクリート部材としての床版10の外観が示されている。なお、以下の説明では、橋梁に用いられることを想定して、橋軸方向を側方とする。橋軸直角方向を長手方向とし、正面または背面とする。垂直方向を厚み方向の上方および下方とし、上面を平面、下面を底面とする。また、以下では、コンクリート部材の一例として床版が説明されているが、本発明のコンクリート部材は、床版に限定されず、ブロック状のプレキャストコンクリート全般が含まれる。また、現場打ちコンクリートとプレキャストコンクリートとを接合させる場合もあるため、この場合、コンクリート部材は、現場打ちコンクリートも含まれる。
床版10は、プレキャストコンクリートであり、図4および図5に示されているとおり、ほぼ長方形の平板状に形成された床版本体11の両側部12に、複数の継手20が取り付けられている。図5(c)に示されているとおり、床版本体11の両側部12は、厚み方向において傾斜しており、下方に向かうにしたがって側方に向けて張り出している。なお、両側部12は、厚み方向において傾斜せず真っすぐであってもよい。また、床版本体11の下部は、側部12よりも両側方に向けて突出し、いわゆるアゴ部が形成されていてもよい。
図4および図5に示されているとおり、継手20はループ状であり、床版本体11の長手方向に向けて並べられている。詳説すれば、継手20はU字状の鉄筋であり、湾曲した湾曲部21の両端から、直線状の平面側直線部22および底面側直線部23が平行に伸びている。両直線部22,23の一部は、床版本体11に埋設されて定着されている。図5(b)に示されているとおり、継手20は、床版本体11に対する平面側直線部22の定着起点部Z22と底面側直線部23の定着起点部Z23とが、側部12の長手方向に向けてずれていることで、側方から視して、継手20が床版本体11の平面部14(または底面部15)に対して傾斜している。換言すれば、図4に示されているとおり、任意の継手20において、湾曲部21と両直線部22,23とを含む面を仮想面Vとした場合に、この仮想面Vと平面部14とが交差している。仮想面Vと平面部14とのなす角θ,θは、直角ではなく、鈍角または鋭角である。したがって、図5(a)に示されているとおり、平面から視して、継手20は、底面側直線部23が可視される。
上記のとおり構成された床版10は、床版本体11の厚みが、継手20の傾斜の度合いによって決定される。ここで、床版本体11の厚みと継手20の傾斜の度合いとの関係を図面に基づいて説明する。図6は、継手20の傾斜の度合いが異なる種々の床版10において継手20が拡大されて示されている。
図6に示されているとおり、継手20は、湾曲部21に内接する円の直径(以下、「内接円直径」と記す。)がDである。この継手20の傾斜の度合いに応じて、長手方向に投影された投影鉄筋間隔Y(鉄筋の太さを除く)が増減し、このことによって床版10の厚みが決定される。図6(a)(b)に示されているとおり、例えば、傾斜の度合いが75度である場合、内接円直径Dを1としたときの投影鉄筋間隔Yは約0.96であり、内接円直径Dよりも小さい。この投影鉄筋間隔Yに、鉄筋の太さ、床版上側かぶりおよび床版下側かぶりの厚みが加えられ、床版10の厚みTは、継手20が傾斜していない場合と比較して、約2%薄くなる。
図6(c)(d)に示されているとおり、例えば、傾斜の度合いが60度である場合、内接円直径Dを1としたときの投影鉄筋間隔Yは約0.84であり、内接円直径Dよりも小さい。この投影鉄筋間隔Yに、鉄筋の太さ、床版上側かぶりおよび床版下側かぶりの厚みが加えられ、床版10の厚みTは、継手20が傾斜していない場合と比較して、約8%薄くなる。
図6(e)(f)に示されているとおり、例えば、傾斜の度合いが45度である場合、内接円直径Dを1としたときの投影鉄筋間隔Yは約0.66であり、内接円直径Dよりも小さい。この投影鉄筋間隔Yに、鉄筋の太さ、床版上側かぶりおよび床版下側かぶりの厚みが加えられ、床版10の厚みTは、継手20が傾斜していない場合と比較して、約17%薄くなる。
上記のとおり、継手20の傾斜の度合いが増すにしたがって、床版本体11が薄く形成される。継手20の傾斜の度合いが増すと、床版本体11は、側部12において、継手20に占有されない非占有領域が形成される。ここで、非占有領域を図面に基づいて説明する。図7は、非占有領域が示されている。
図7に示されているとおり、継手20が傾斜していることにより、側部12は、床版本体11の長手方向の端部と、長手方向の最端の継手20との間が空けられ、継手20に占有されない領域である非占有領域13が形成される。非占有領域13は、例えば、鉄筋16が配置される。非占有領域13の広さは、傾斜の度合いに応じて変化する。図7(a)は、図6(c)(d)の床版10に相当し、図7(b)は、図6(e)(f)の床版10に相当する。
次に、本実施形態のコンクリート部材接続方法として、上記の床版10を架設する場合の床版架設方法を図面に基づいて説明する。図8〜図11は、床版架設方法による施工の過程が示されている。
図8に示されているとおり、床版10は、主桁1の上に設置され、橋軸方向に向けて並べられる。主桁1の上に既設された第一床版10aに対し、この第一床版10aに連結させる第二床版10bを近接させる方法は様々である。例えば、図8(a)に示されているとおり、第二床版10bを主桁1に載置した後、この第二床版10bを主桁1に沿って橋軸方向に滑らせて、第一床版10aに近接させる方法がある。一方で、図8(b)に示されているとおり、第二床版10bを浮かせ、この第二床版10bを下降させる際、継手20bを第一床版10aの継手20aに重ねる方法がある。ただし、いずれの方法であっても、各床版10a,10b同士、各継手20a,20b同士、各床版10a,10bと各継手20a,20bとが接触した場合、各床版本体11や継手20a,20bが破損する可能性がある。
そこで、床版架設方法では、図9に示されているとおり、ガイド部材としての板部材30が用いられる。板部材30は、ほぼ長方形であり、各床版10a,10bの厚みよりも長手であり、継手20a,20b同士の間隔よりも薄く、継手20a,20bの長さよりも幅が短い。板部材30は、半分よりも下側が一方部としての下部32であり、半分よりも上側が他方部としての上部31である。板状部材30は、摩擦が少なく、継手20a,20bとの接触による抵抗が少ない素材で構成され、または、そのような加工が施されているなお、ガイド部材は、長方形に限られず、例えば、長方形の角が面取りされてアール状に形成された形状、長円形、楕円形などであってもよい。
まず、第一床版10aの継手20a同士の間に、板部材30の下部32を取り付け、板部材30を継手20aに立てかける。次に、浮かせた状態の第二床版10bの継手20bを、板部材30の上部31に対面させることで、第二床版10bの継手20b同士の間に、板部材30の上部31を取り付ける。この状態では、板部材30の背面側に、第一床版10aの継手20aが当たり、板部材30の正面側に、第二床版10bの継手20bが当たっている。最後に、板部材30に沿わせて第二床版10bを下降させる。その際、各床版10a,10bの継手20a,20bは、板部材30を隔てているため、接触が妨げられる。図10に示されているとおり、第二床版10bが第一床版10aと水平に配置されると共に、第二床版10bの継手20bと第一床版10aの継手20aとが交互に配置される。なお、架設後に板部材30は取り外される。
図11に示されているとおり、各床版10a,10bの継手20a,20b同士が重ねられた状態で、継手20a,20bに複数の主筋2が直交して配筋される。間詰め部3にコンクリート4が打設されることで、継手20a,20bを介して床版10a,10b同士が連結される。床版10a,10bが薄い程、打設するコンクリート4の量も少なくて済む。なお、図11では、継手20a,20bの傾斜の度合いが、主筋2と継手20aとのなす角で表されているが、通常、主筋2は水平に配筋されるため、図4および図5(b)に示されているなす角θ,θと異なるものではない。したがって、図11に示された各床版10a,10bは、図6に示されている床版10と同じである。
上記のとおり、床版10および継手20が構成され、この床版10を用いた床版架設方法が実現される。次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態によれば、継手20は、床版本体11に対する平面側直線部22の定着起点部Z22と底面側直線部23の定着起点部Z23とが、側部12の長手方向に向けてずれていることで、側方から視して、継手20が床版本体11の平面部14(または底面部15)に対して傾斜している(図5(b)参照)。すなわち、継手20が傾斜している分、床版本体11の厚み方向において、継手20が占める投影鉄筋間隔Yが、内接円直径Dよりも狭くなり(図6参照)、このことに伴って床版10が薄くなる。一方で、継手20の鉄筋間隔は、継手20が傾斜していない場合と同じである。したがって、従来の設計方法に基づいて、継手20の仕様を変更せずに床版10を薄くすることで、軽量化を実現することができる。また、直径が大きい継手20を用いた場合であっても、継手20が傾斜している分、床版本体11の厚み方向において、継手20が占める縦幅が狭くなる。したがって、床版本体11の厚みを変えずに、継手20の直径を大きくすることができ、所要の耐荷力を確保することができる。さらに、継手20の配置の許容範囲を広げることができる。
本実施形態によれば、床版本体11の厚みが、継手20の傾斜の度合によって決定される。すなわち、継手20の傾斜の度合いが増すにしたがって、床版本体11が薄く形成される。したがって、床版10を薄くすることで軽量化を実現することができる。例えば、継手20の太さが“D19”であり、かつ、傾斜の度合いが90度であった場合と比較して、継手20の太さが“D22”であり、かつ、傾斜の度合いが55度〜57度である場合、床版本体11の厚みは同じとなる。すなわち、床版の厚みを変えずに継手20を太くすることができる。
本実施形態によれば、継手20の傾斜の度合いが増すことで、側部12は、床版本体11の長手方向の端部と、長手方向の最端の継手20との間が空けられ、継手20に占有されない領域である非占有領域13が形成される(図7参照)。したがって、非占有領域13に、例えば、鉄筋16を配置することができる。
本実施形態によれば、第一床版10aの継手20a同士の間に、板部材30の下部32を取り付け、板部材30を継手20aに立てかける。次に、浮かせた状態の第二床版10bの継手20bを、板部材30の上部31に対面させることで、第二床版10bの継手20b同士の間に、板部材30の上部31を取り付ける。最後に、板部材30に沿わせて第二床版10bを下降させる。その際、各床版10a,10bの継手20a,20bは、板部材30を隔てているため、接触が妨げられる。したがって、破損を避けて適切に床版10を架設することができる。また、床版10a,10bが薄い程、間詰め部3に打設するコンクリート4の量も少なくて済む。
本発明は、図12に示された第二実施形態に係るコンクリート部材および継手として、壁部材40の側面部に継手41が張り出した構成であってもよい。なお、壁部材40および継手41の構成は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第二実施形態の接続方法でも、第一実施形態と同様に、板状部材30が用いられる。この場合、板状部材30は、半分よりも前側または後側の片方が一方部であり、もう片方が他方部となる。なお、接続方法は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
本発明は、図13に示された第三実施形態に係るコンクリート部材および継手として、柱部材50の上部または下部から継手51が張り出した構成であってもよい。なお、柱部材50および継手51の構成は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第三実施形態の接続方法でも、第一実施形態と同様に、板状部材30が用いられる。板状部材30の構成は、第二実施形態と同様である。なお、接続方法は、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第二実施形態および第三実施形態も、第一実施形態と同様の効果を奏する。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
1 主桁
2 主筋
3 間詰め部
4 コンクリート
10 床版(コンクリート部材)
10a 第一床版(第一コンクリート部材)
10b 第二床版(第二コンクリート部材)
11 床版本体(コンクリート部材本体)
12 側部
13 非占有領域
14 平面部
15 底面部
16 鉄筋
20,20a,20b 継手
21 湾曲部
22 平面側直線部
23 底面側直線部
30 板部材(ガイド部材)
31 上部
32 下部
40 壁部材(コンクリート部材)
41,51 継手
50 柱部材(コンクリート部材)
110 PC床版
120,220,320 ループ継手
210 柱部材
310 壁部材
D 内接円直径
T 厚み
V 仮想面
X 鉄筋間隔
床版上側かぶり
床版下側かぶり
Y 投影鉄筋間隔
22,Z23 定着起点部
θ,θ なす角

Claims (1)

  1. コンクリート部材本体の側部に備えられると共に、前記コンクリート部材本体の側方から視して、前記コンクリート部材本体の平面部に対して傾斜しているループ状の継手を有するコンクリート部材を接続するコンクリート部材接続方法であって、
    既設した前記コンクリート部材である第一コンクリート部材の前記継手同士の間に、前記コンクリート部材の厚みよりも長手であるガイド部材の一方部を取り付ける手順と、
    前記第一コンクリート部材に連結させる前記コンクリート部材である第二コンクリート部材の前記継手を、前記ガイド部材の他方部に対面させる手順と、
    前記ガイド部材に沿わせて前記第二コンクリート部材を前記第一コンクリート部材に近づけることで、前記第二コンクリート部材の前記継手と前記第一コンクリート部材の前記継手とを交互に配置させる手順と、を経る、
    ことを特徴とするコンクリート部材接続方法
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