本発明に係るコネクタは、基板対FPC(Flexible Printed Circuits)接続、或いは、基板対FFC(Flexible Flat Cable)接続用のコネクタであり、以下にその実施形態について図1〜図8を参照しながら説明する。なお、以下の説明では特に断りがない限り、図2に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、さらに図2における紙面に垂直な方向を前後方向(手前側が前側)として説明を行う。従って、図3(a)における左側が前側、図3(a)における右側が後側となる。
本実施形態のコネクタ1は基板(図示せず)に実装され、図5(b)に示すように板状の接続対象物であるFPC100と基板との間を電気的に接続するために用いられる。FPC100は、絶縁性の合成樹脂によりシート状に形成されたフレキシブル基板101と、フレキシブル基板101の表面に形成された導体パターン102と、フレキシブル基板101の裏面に取り付けられた補強板103とを備える。
なお、導体パターン102は、コネクタ1の挿入部31a内に挿入される先端部分が他の部位よりも細幅に形成されており、この細幅部(図示せず)によって寄生容量の低減を図っている。
フレキシブル基板101は、裏面に取り付けられた補強板103によって剛性が高められているため、FPC100を挿入部31a内に差し込む作業を容易に行うことができる。なお、コネクタ1の接続対象物はFPC100に限らず、FFCであってもよい。
コネクタ1は、図1及び図5に示すように、複数(本実施形態では例えば7本)のコンタクト2と、ハウジング3と、レバー4とを備える。
各コンタクト2は、導電性が高く且つばね性が比較的大きい材料により形成され、FPC100の表面に設けられた複数の導体パターン102のうち対応する位置に設けられた導体パターン102に電気的に接続される。また、各コンタクト2は同一の形状に形成されており、板金にプレス加工を施すことによって、図1及び図3に示すように、第1コンタクト部21と第2コンタクト部22と連結部23とが連続一体に形成されている。
そして、各コンタクト2は、長手方向が前後方向と並行し、且つ、第1コンタクト部21が下側、第2コンタクト部22が上側に位置するようにして、ハウジング3に取り付けられる。
連結部23はばね性を有し、第1コンタクト部21の長手方向における中間部と、第2コンタクト部22の長手方向における中間部との間を連結する。
第1コンタクト部21は細幅の帯板状に形成され、ハウジング3の下側面(挿入部31aの底面)に一部が接触した状態で、ハウジング3に取り付けられている。第1コンタクト部21の長手方向における一端部(前端部)には、ハウジング3内に挿入されたFPC100と接触する第1接触部21aが設けられている。また、第1コンタクト部21の長手方向における他端部(後端部)には、被実装部である基板(図示せず)にロウ付け(例えば半田付け)される第1端子21bが設けられている。
第2コンタクト部22は帯板状に形成されており、さらに連結部23より前側の部位は、連結部23より後側の部位に比べて細幅に形成されている。したがって、連結部23より後側の部位はほぼ剛体とみなせるのに対し、連結部23より前側の部位はばね性を有している。
第2コンタクト部22の長手方向における一端部(前端部)には、ハウジング3内に挿入されたFPC100と接触する第2接触部22aが設けられている。また、第2コンタクト部22の長手方向における他端部(後端部)には、後述するレバー4と接触する接触部22bが設けられている。なお、接触部22bには半円状に窪んだ凹部22cが設けられており、レバー4を倒した状態ではレバー4の軸部43が凹部22cに接触し、レバー4を起こした状態ではレバー4の軸部43が凹部22cから離れる。
ハウジング3は合成樹脂成形品からなり、前後方向の寸法及び左右方向の寸法に比べて上下方向の寸法が小さい扁平な直方体状に形成されている。ハウジング3の前部には、前面側から前後方向の中間付近まで、FPC100が前側から挿入される挿入部31aが設けられており、この挿入部31aは前面(一面)及び左右両側面にそれぞれ開口している。
挿入部31aの下側面には、コンタクト2の第1コンタクト部21がそれぞれ配置される複数(本実施形態では例えば7個)の第1溝32が左右方向に並べて設けられている。また、隣接する第1溝32の間には、第1溝32内に配置される第1コンタクト部21の間を仕切る第1仕切り壁33が設けられている。
同様に、挿入部31aの上側面には、コンタクト2の第2コンタクト部22がそれぞれ配置される複数(本実施形態では例えば7個)の第2溝34が、挿入部31aの下側面に設けられた第1溝32に対向する位置にそれぞれ設けられている。また、隣接する第2溝34の間には、第2溝34内に配置される第2コンタクト部22の間を仕切る第2仕切り壁35が設けられている。
第1溝32は、第1コンタクト部21の第1接触部21aから底面までの距離が、第1コンタクト部21における連結部23との連結部位から底面までの距離よりも大きくなるように、溝の深さが設定されている。本実施形態では、図3(a)及び図3(b)に示すように、第1溝32において第1接触部21aよりも後方位置に段部32aが設けられており、この段部32aにより第1溝32の底面との間に高さがH1の隙間を空けた状態で第1接触部21aが配置される。
上述のように、第1コンタクト部21の第1接触部21aと第1溝32の底面との間に高さがH1の隙間を空けることで、第1コンタクト部21の底面と第1溝32の底面とが略同じ高さである場合に比べて、隣接するコンタクト2の間の浮遊容量が低下する。これにより、隣接するコンタクト2の間の端子間容量が低下し、コンタクト2のインピーダンスが増加することから、信号の反射などを抑制して、損失を低減することができる。
なお、第1溝32の底面の形状は、上述のように前後方向の途中位置に段部32aを設けたものに限らず、第1コンタクト部21における連結部23との連結部位側から第1接触部21a側に向けて高さが低くなるように傾斜するテーパ面であってもよい。また、上述の第1溝32の底面において、第1接触部21aと段部32aとの間の一部が上向きに突出していてもよい。
また、第1溝32は、第1コンタクト部21の第1接触部21aから側面までの距離が、第1コンタクト部21における連結部23との連結部位から側面までの距離よりも大きくなるように、溝の幅が設定されている。本実施形態では、図4(a)に示すように、第1溝32において、第1接触部21aが配置される位置の溝幅D1が、第1コンタクト部21における連結部23との連結部位が配置される位置の溝幅D2よりも大きく設定されている。
さらに、第2溝34は、第2コンタクト部22の第2接触部22aから側面までの距離が、第2コンタクト部22における連結部23との連結部位から側面までの距離よりも大きくなるように、溝の幅が設定されている。本実施形態では、図4(b)に示すように、第2溝34において、第2接触部22aが配置される位置の溝幅D3が、第2コンタクト部22における連結部23との連結部位が配置される位置の溝幅D4よりも大きく設定されている。
上述のように、連結部23側の溝幅を小さくし且つ第1接触部21a及び第2接触部22a側の溝幅を大きくすることで、左右方向(コンタクト2の配列方向)へのコンタクト2の位置ずれを抑えつつ、隣接するコンタクト2の間の浮遊容量が低下する。これにより、隣接するコンタクト2の間の端子間容量が低下し、コンタクト2のインピーダンスが増加することから、信号の反射などを抑制して、損失を低減することができる。
なお、第1溝32の側面の形状は、上述のように前後方向の途中位置に段部を設けたものに限らず、第1コンタクト部21における連結部23との連結部位側から第1接触部21a側に向けて外側に拡がるように傾斜するテーパ面であってもよい。また、上述の第1溝32の側面において、第1接触部21aと段部との間の一部が内向きに突出していてもよい。さらに、第2溝34の側面の形状についても同様である。
第1仕切り壁33の上端部には、図1及び図2に示すように、上向きに突出する矩形の凸部33aが左右方向における中間部に設けられており、第1仕切り壁33において凸部33aの左右両側は凸部33aよりも高さが低くなっている。また、凸部33aは、第1仕切り壁33の長手方向(前後方向)に沿って後述する第3仕切り壁31cまで設けられている。
同様に、第2仕切り壁35の下端部には、図1及び図2に示すように、下向きに突出する矩形の凸部35aが左右方向における中間部に設けられており、第2仕切り壁35において凸部35aの左右両側は凸部35aよりも高さが低くなっている。また、凸部35aは、第2仕切り壁35の長手方向(前後方向)に沿って後述する第3仕切り壁31cまで設けられている。
上述のように、第1仕切り壁33において凸部33aの左右両側の高さを凸部33aよりも低くし、第2仕切り壁35において凸部35aの左右両側の高さを凸部35aよりも低くすることで、隣接するコンタクト2の間の浮遊容量が低下する。これにより、隣接するコンタクト2の間の端子間容量が低下し、コンタクト2のインピーダンスが増加することから、信号の反射などを抑制して、損失を低減することができる。
また、ハウジング3の後部には、後面側から前後方向の中間付近まで、後面、上面及び左右両側面に開口した開口部31bが設けられている。ハウジング3において、前側の挿入部31aと後側の開口部31bとの間には、隣接するコンタクト2の連結部23の間を仕切る第3仕切り壁31cが左右方向に沿って設けられている。
この第3仕切り壁31cには、第3仕切り壁31cをそれぞれ前後方向に貫通する孔31d,31eが設けられている。孔31d,31eのうち下側の孔31dには、第1コンタクト部21の前側部分が後側から挿入され、上側の孔31eには、第2コンタクト部22の前側部分が後側から挿入される。ここで、第1コンタクト部21の上側縁に設けられた突起21cが孔31dの上側面に食い込むことによって、コンタクト2がハウジング3に圧入固定される。
また、第3仕切り壁31cにおいて、各コンタクト2の連結部23との対向面には、第1溝32及び第2溝34につながる凹部31fが設けられている。そのため、隣接する連結部23,23の間の浮遊容量が低下し、これによりコンタクト2のインピーダンスが増加することから、信号の反射などを抑制して、損失を低減することができる。
レバー4は合成樹脂成形品からなり、横長且つ扁平な直方体状に形成されており、レバー4の左右方向の寸法及び上下方向の寸法はハウジング3と同程度に形成されている。レバー4には、図1(a)及び図3(a)に示すように、レバー4が起こされた状態で第2コンタクト部22の後端部がそれぞれ挿入される複数(本実施形態では例えば7個)の孔41が左右方向に並べて設けられている。
レバー4の上面において孔41よりも前側の部位には、図3(b)に示すようにレバー4が倒された状態で、第2コンタクト部22の後部が入り込む溝42が、レバー4の前面から孔41まで形成されている。ここで、溝42の底面となる部位には、表面が半円筒面に形成された軸部43が設けられており、レバー4を倒した状態では軸部43が第2コンタクト部22の凹部22cに接触し、レバー4を起こした状態では軸部43が凹部22cから離れる。
このコネクタ1を組み立てる際は、先ず、第1コンタクト部21が孔31dに、第2コンタクト部22が孔31eにそれぞれ後側から挿入され、突起21cが孔31dの上側面に圧入されることによって、コンタクト2がハウジング3に圧入固定される。そして、コンタクト2がハウジング3に固定された後に、図3(a)に示すようにレバー4を起こした状態で、ハウジング3の後側からレバー4をハウジング3に組み付けると、レバー4がハウジング3に回転自在に保持される。
このコネクタ1にFPC100を接続する際は、図3(a)及び図5(a)に示すように、レバー4が略直角に起こされた位置までレバー4を回転させ、第2コンタクト部22の前端側を上側へ移動させた状態にする。この状態で、FPC100を前側から挿入部31a内に所定位置まで差し込み、各コンタクト2の第1接触部21aと第2接触部22aとの間でFPC100を挟ませ、第2接触部22aをFPC100の対応する導体パターン102に接触させる。
なお、上述のように、レバー4が図3(a)及び図5(a)に示す位置まで回転した状態では、第2コンタクト部22の一端側(前端側)は、第1コンタクト部21の一端側から最も離れた位置に移動している。そのため、第1コンタクト部21と第2コンタクト部22の間にFPC100を少ない力で容易に差し込むことができる。
そして、FPC100が挿入部31a内の所定位置に挿入された状態で、レバー4を図3(b)及び図5(b)に示す位置まで回転させると、レバー4の回転に伴い、軸部43は、ハウジング3の底面からの高さが最も高くなる位置まで移動する。
このとき、第2コンタクト部22の凹部22cが軸部43によって上向きに押され、第2コンタクト部22の一端側(前端側)が下側に移動するように連結部23が変形する。第2コンタクト部22の一端側が下側に移動するように連結部23が変形した場合、第2接触部22aが導体パターン102と接触することによって、第2コンタクト部22の一端側はそれ以上下側へ移動できなくなり、第2コンタクト部22の先端側が撓められる。
これにより、第2コンタクト部22の先端側にばね力が蓄積され、このばね力によって第2接触部22aと導体パターン102との接触圧が確保されるとともに、FPC100がコネクタ1に電気的に接続された状態で保持される。
一方、コネクタ1からFPC100を取り外す際は、レバー4を図3(a)及び図5(a)に示す位置まで約90度回転させると、レバー4の回転に伴い、軸部43は、ハウジング3の底面からの高さが最も低くなる位置まで移動する。
このとき、軸部43が接触部22bから離れる方向(下側)へ移動することから、連結部23が弾性によって変形前の状態に戻り、それに応じて接触部22bが下側へ移動し、第2接触部22aがFPC100から離れる方向(上側)へ移動する。これにより、コネクタ1がFPC100を保持する力が低下し、FPC100をコネクタ1から容易に引き抜くことができる。
図7(a)は、TDR(Time Domain Reflectometry:時間領域反射)法を用いてコンタクト2のインピーダンスを解析した結果を示している。なお、図7(a)において横軸は時間を、縦軸はコンタクト2のインピーダンスをそれぞれ表しているが、横軸については、実質的に、基板(図示せず)、コンタクト2及びFPC100を通る信号経路の各位置を表している。また、図7(a)中の実線a1は従来のコネクタの解析結果、図7(a)中の実線a2は本実施形態のコネクタ1の解析結果である。
この解析結果から、FPC100との接触部分におけるコンタクト2のインピーダンスが、従来のコネクタでは85.2Ωであったのに対して、本実施形態のコネクタ1では94.1Ωとなっており、従来のコネクタに対して改善されている。ここに、本実施形態では、コンタクト2の目標インピーダンスを100Ωに設定しており、以下の各コネクタ1においても同様とする。
ところで、第1溝32及び第2溝34の溝の幅を設定することは本実施形態のコネクタ1において必須の構成ではなく、省略することができる。この場合、図7(b)中の実線b2に示すように、FPC100との接触部分におけるコンタクト2のインピーダンスが92.6Ωとなり、この場合も従来のコネクタに対して改善されている。
また、第1溝32及び第2溝34の溝の幅を設定することだけでなく、第1溝32の溝の深さを設定することも本実施形態のコネクタ1において必須の構成ではなく、省略することができる。この場合、図7(c)中の実線c2に示すように、FPC100との接触部分におけるコンタクト2のインピーダンスが91.9Ωとなり、この場合も従来のコネクタに対して改善されている。
さらに、第1溝32及び第2溝34の溝の幅及び第1溝32の溝の深さを設定することだけでなく、第3仕切り壁31cにおいて連結部23との対向面に凹部31fを設けることも本実施形態のコネクタ1において必須の構成ではなく、省略することができる。この場合、図7(d)中の実線d2に示すように、FPC100との接触部分におけるコンタクト2のインピーダンスが87.9Ωとなり、この場合も従来のコネクタに対して改善されている。
図6は本実施形態の別のコネクタ1の断面図である。上述の実施例では、複数のコンタクト2が同じ長さに形成されている。これに対して、本実施例では、複数のコンタクト2として、信号伝送用コンタクト2aと、信号伝送用コンタクト2aよりも先端部が長いグランド接続用コンタクト2bとを備えている。
したがって、コンタクト2をハウジング3に組み付けた状態では、グランド接続用コンタクト2bの先端は挿入部31aの前面開口から距離L1の位置にあり、信号伝送用コンタクト2aの先端は挿入部31aの前面開口から距離L2(L2<L1)の位置にある。言い換えれば、グランド接続用コンタクト2bの先端は、挿入部31a内において、信号伝送用コンタクト2aの先端よりも挿入部31aの開口側(前側)に位置している。
なお、本実施形態では、差動信号を伝送するために信号伝送用コンタクト2aを2本使用しており、2本で1組の信号伝送用コンタクト2aの両側にグランド接続用コンタクト2bが配置されている。また、差動信号ではなく、1本の信号伝送用コンタクト2aで1つの信号を伝送する場合は、1本の信号伝送用コンタクト2aの両側にグランド接続用コンタクト2bが配置されていればよい。
上述のように、グランド接続用コンタクト2bの先端は、信号伝送用コンタクト2aの先端よりも挿入部31aの開口側に位置しており、これにより隣接する信号伝送用コンタクト2aとグランド接続用コンタクト2bとの間の浮遊容量を小さくすることができる。その結果、信号伝送用コンタクト2aの端子間容量が低下し、信号伝送用コンタクト2aのインピーダンスが増加することから、信号の反射などを抑制して、損失を低減することができる。
図7(e)は、図6に示すコネクタ1についてTDR法を用いてコンタクト2のインピーダンスを解析した結果を示している。この解析結果から、FPC100との接触部分におけるコンタクト2のインピーダンスが、従来のコネクタでは85.2Ωであったのに対して、本例のコネクタ1では95.2Ωとなっており、従来のコネクタに対して改善されている。ここに、本例においても、コンタクト2の目標インピーダンスを100Ωに設定している。
なお、本実施形態では、図8(a)に示すように、第1仕切り壁33の上端部に凸部33aを設け、第2仕切り壁35の下端部に凸部35aを設けたが、第1仕切り壁33及び第2仕切り壁35の先端形状は本実施形態に限定されない。例えば、第1仕切り壁33及び第2仕切り壁35の先端形状を、図8(b)又は図8(d)に示すように、コンタクト2の配列方向(左右方向)における中央側から両端側に傾斜する傾斜面を有する台形形状や三角形状としてもよい。
また、第1仕切り壁33及び第2仕切り壁35の先端形状を、図8(c)に示すように円弧状としてもいいし、図8(e)に示すようにコンタクト2の配列方向における一端側に凸部33a及び凸部35aを設けてもよい。さらに、第1仕切り壁33及び第2仕切り壁35の先端形状は、図8(a)〜図8(e)以外の形状であってもよい。つまり、第1仕切り壁33及び第2仕切り壁35は、接続対象物の挿入方向及びコンタクト2の配列方向の双方に直交する方向の高さが、上記配列方向における両端間の一部よりも上記配列方向における少なくとも一方の端部で低くなっていればよい。
また、本実施形態のように、第1仕切り壁33及び第2仕切り壁35の双方の先端形状を上述のような形状にしてもいいし、第1仕切り壁33又は第2仕切り壁35の何れか一方の先端形状を上述のような形状にしてもよい。さらに、本実施形態では、連結部23との対向面に設けられた凹部31fが第1溝32と第2溝34の双方につながっているが、凹部31fは第1溝32と第2溝34の少なくとも一方につながっていればよく、本実施形態に限定されない。
また、本実施形態では、コンタクト2の目標インピーダンスを100Ωに設定したが、コンタクト2の目標インピーダンスは100Ωに限らず、任意の値(例えば85Ωや90Ω)でもよい。
本実施形態のコネクタ1は、複数のコンタクト2と、ハウジング3と、レバー4とを備える。複数のコンタクト2は、板状の接続対象物(例えばFPCやFFC)の表面に設けられた複数の端子のそれぞれに電気的に接続される。ハウジング3は、絶縁性の材料により形成され、接続対象物の先端側が挿入される挿入部31aを有し、挿入部31a内に複数のコンタクト2が配置されている。レバー4は、ハウジング3に対して回転自在に取り付けられている。コンタクト2は、第1コンタクト部21と、第2コンタクト部22と、連結部23とを備える。第1コンタクト部21は、棒状に形成され、挿入部31a内に固定的に配置される。第2コンタクト部22は、棒状に形成され、第1コンタクト部21と対向するようにして挿入部31a内に配置される。連結部23は、ばね性を有し、第1コンタクト部21及び第2コンタクト部22を長手方向の中間部同士で連結する。第1コンタクト部21の長手方向における一端部には、挿入部31aに挿入される接続対象物と接触する第1接触部21aが、第1コンタクト部21の長手方向における他端部には、被実装部にロウ付けされる第1端子21bが、それぞれ設けられている。第2コンタクト部22の長手方向における一端部には、挿入部31aに挿入される接続対象物と接触する第2接触部22aが、第2コンタクト部22の長手方向における他端部には、レバー4と接触する接触部22bが、それぞれ設けられている。レバー4を一方向に回転させる操作に伴い、レバー4が接触部22bを第1コンタクト部21から離れる方向へ押すことによって連結部23が撓められると、第2接触部22aが接続対象物に接触する方向へ第2コンタクト部22が移動する。また、レバー4を反対方向に回転させる操作に伴い、レバー4が接触部22bから離れる方向へ移動すると、連結部23の弾性によって、第2接触部22aが接続対象物から離れる方向へ第2コンタクト部22が移動する。ハウジング3は、複数の第1溝32と、複数の第2溝34と、第1仕切り壁33と、第2仕切り壁35とを備える。複数の第1溝32は、接続対象物の挿入方向と直交する配列方向に沿って並ぶように挿入部31a内に設けられ、第1コンタクト部21がそれぞれ配置される。複数の第2溝34は、第1溝32と対向するようにして挿入部31a内に設けられ、第2コンタクト部22がそれぞれ配置される。第1仕切り壁33は、隣接する第1コンタクト部21の間を仕切り、第2仕切り壁35は、隣接する第2コンタクト部22の間を仕切る。そして、第1仕切り壁33と第2仕切り壁35の少なくとも一方は、挿入方向及び配列方向の双方に直交する方向の高さが、配列方向における両端間の一部よりも配列方向における少なくとも一方の端部で低くなっている。
また、本実施形態のコネクタ1のように、ハウジング3は、隣接する連結部23の間を仕切る第3仕切り壁31cをさらに備えるのが好ましい。この場合、第3仕切り壁31cは、第1溝32と第2溝34の少なくとも一方につながる凹部31fを、連結部23との対向面に有している。
また、本実施形態のコネクタ1のように、第1接触部21aから第1溝32の底面までの距離が、第1コンタクト部21における連結部23との連結部位から第1溝32の底面までの距離よりも大きくなるように、第1溝32の深さが設定されているのが好ましい。
また、本実施形態のコネクタ1のように、第1接触部21aから第1溝32の側面までの距離が、第1コンタクト部21における連結部23との連結部位から第1溝32の側面までの距離よりも大きくなるように、第1溝32の幅が設定されているのが好ましい。
また、本実施形態のコネクタ1のように、第2接触部22aから第2溝34の側面までの距離が、第2コンタクト部22における連結部23との連結部位から第2溝34の側面までの距離よりも大きくなるように、第2溝34の幅が設定されているのが好ましい。
また、本実施形態のコネクタ1のように、複数のコンタクト2として、信号伝送用コンタクト2aとグランド接続用コンタクト2bとを備えるのが好ましい。この場合、ハウジング3は、挿入方向の一面に挿入部31aの開口を有し、グランド接続用コンタクト2bの先端部は、信号伝送用コンタクト2aの先端部よりも挿入部31aの開口側に位置している。