以下、本発明によるコジェネレーションシステムの一実施形態について説明する。本実施形態のコジェネレーションシステムは、燃料電池システムである。燃料電池システム1は、図1に示すように、発電ユニット10および貯湯槽21を備えている。発電ユニット10は、筐体10a、燃料電池モジュール11(30)、熱交換器12、電力変換装置13、水タンク14、および制御装置15を備えている。
燃料電池モジュール30(本発明の熱源装置に相当)は、ケーシング31、蒸発部32、改質部33および燃料電池34を備えている。ケーシング31は、断熱性材料で箱状に形成されている。
燃料電池モジュール30は、蒸発部32に、一端が供給源Gsに接続されて改質用原料が供給される改質用原料供給管11aの他端が接続されている。供給源Gsは、例えば都市ガスのガス供給管、LPガスのガスボンベである。改質用原料供給管11aは、原料ポンプ11a1が設けられている。原料ポンプ11a1は、改質用原料を送るポンプである。また、蒸発部32には、一端(下端)が水タンク14に接続されて改質水が供給される水供給管11bの他端が接続されている。水供給管11bは、改質水を送る改質水ポンプ11b1が設けられている。
また、燃料電池モジュール30は、一端がカソードエアブロワ11c1に接続されてケーシング31内に酸化剤ガスであるカソードエア(空気)が供給されるカソードエア供給管11cの他端が接続されている。カソードエアブロワ11c1は、カソードエアを送るポンプである。
蒸発部32は、改質水から水蒸気を生成するものである。蒸発部32は、具体的には、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成する。また、蒸発部32は、供給された改質用原料を予熱する。蒸発部32は、このように生成された水蒸気と予熱された改質用原料とを混合して改質部33に供給する。改質用原料としては天然ガス、LPガスなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料があり、本実施形態においては天然ガスにて説明する。
改質部33は、供給源Gsからの改質用原料と蒸発部32からの水蒸気とから改質ガスを生成して燃料電池34に供給するものである。改質部33は、具体的には、後述する燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給されることで、蒸発部32から供給された混合ガス(改質用原料、水蒸気)から改質ガスを生成して導出する。改質部33内には、触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が充填されており、混合ガスが触媒によって反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素などを含んだ改質ガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。改質ガスは、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の天然ガス(メタンガス)、改質に使用されなかった改質水(水蒸気)を含んでいる。なお、水蒸気改質反応は吸熱反応である。
燃料電池34は、燃料と酸化剤ガスにより発電するものである。燃料は、改質ガスである。燃料電池34は、燃料極、空気極(酸化剤極)、および両極の間に介装された電解質からなる複数のセル34aが積層されて構成されている。本実施形態の燃料電池34は、固体酸化物形燃料電池であり、電解質として固体酸化物の一種である酸化ジルコニウムを使用している。燃料電池34の燃料極には、燃料として改質ガス(水素、一酸化炭素、メタンガスなど)が供給される。セル34aの燃料極側には、燃料(改質ガス)が流通する燃料流路34bが形成されている。セル34aの空気極側には、酸化剤ガスである空気(カソードエア)が流通する空気流路34cが形成されている。燃料電池34は、比較的高温の動作温度(およそ750℃〜1000℃)にて発電が行われる。
燃料電池34は、マニホールド35上に設けられている。マニホールド35には、改質部33からの改質ガスが改質ガス供給管38を介して供給される。燃料流路34bは、その下端(一端)がマニホールド35の燃料導出口(図示なし)に接続されており、その燃料導出口から導出される改質ガスが下端から導入され上端から導出されるようになっている。カソードエアブロワ11c1によって送出されたカソードエアはカソードエア供給管11cを介して供給され、空気流路34cの下端から導入され上端から導出されるようになっている。
また、燃料電池34と蒸発部32および改質部33との間には、燃焼部36が設けられている。燃焼部36は、燃料電池34からのアノードオフガス(燃料オフガス)と燃料電池34からのカソードオフガス(酸化剤オフガス)とが燃焼されて燃焼ガス(火炎37)が発生している。その燃焼ガスが蒸発部32および改質部33を加熱する。燃焼部36には、アノードオフガスを着火させるための一対の着火ヒータ36a1,36a2が設けられている。また、燃焼部36では、アノードオフガスが燃焼されて、比較的高温の燃焼排ガスが発生している。比較的高温の燃焼排ガスは、熱交換器12に導出される。すなわち、熱交換器12は、燃焼排ガスによって燃料電池モジュール30からの排熱が供給される。また、燃焼部36は、燃料電池モジュール30内の温度を燃料電池34の動作温度にする。このように、燃料電池34および燃焼部36は、熱を発生する。燃料電池34および燃焼部36は、本発明の熱源部に相当する。
貯湯槽21は、湯を貯湯するものである。貯湯槽21には、貯湯槽21に貯湯された湯が循環する(図にて矢印の方向に循環する)管である湯循環路22が設けられている。湯循環路22上には、貯湯槽21の下端から上端に向かって順番に、循環ポンプ22aおよび熱交換器12(本発明の加熱装置に相当)が配設されている。貯湯槽21、湯循環路22、循環ポンプ22aおよび熱交換器12から、排熱回収システム20が構成されている。排熱回収システム20は、燃料電池モジュール30の排熱を湯に回収して蓄える。
循環ポンプ22aは、湯循環路22に設けられ、湯を循環させるポンプである。
熱交換器12は、燃料電池モジュール30からの排熱を用いて、貯湯槽21に貯湯された湯を加熱するものである。熱交換器12は、具体的には、湯循環路22に設けられ、燃料電池モジュール30からの排熱を含む燃焼排ガスと貯湯槽21からの湯とが熱交換する熱交換器である。
熱交換器12は、燃料電池モジュール30からの排気管11dが接続(貫設)されている。熱交換器12には、凝縮水供給管12aの一端が接続されている。熱交換器12において、燃料電池モジュール30からの燃焼排ガスは、排気管11dを通って熱交換器12内に導入され、貯湯槽21から供給される湯との間で熱交換が行われ冷却されるとともに燃焼排ガス中の水蒸気が凝縮される。冷却後の燃焼排ガスは排気管11dを通って外部に排出される。また、凝縮された凝縮水は、凝縮水供給管12aを通って水タンク14に供給される。なお、水タンク14は、凝縮水を、イオン交換樹脂によって純水化し、かつ、改質水として貯留する。
また、貯湯槽21は、給水路23および湯供給装置24が設けられている。給水路23は、水源Wからの水を貯湯槽21に供給する管である。給水路23は、一端が水源Wに接続され、他端が貯湯槽21に接続されている。水源Wは、例えば上水道である。給水路23には、第一温度センサ23aが設けられている。第一温度センサ23aは、貯湯槽21に供給される水の温度を検出するものである。第一温度センサ23aは、配置された位置の水の温度を検出する。第一温度センサ23aによって検出された温度である第一検出温度は、制御装置15に送信される。
湯供給装置24は、貯湯槽21に貯湯された湯の給湯装置40への供給を行うものである。給湯装置40は、貯湯槽21に貯湯された湯を給湯として利用するものである。給湯装置40は、例えば、浴槽、シャワ、キッチン(キッチンの蛇口)である。給湯装置40の給湯が開始された場合、給湯が開始された旨の給湯開始信号が制御装置15に送信される。また、給湯装置40の給湯が停止した場合、給湯が停止した旨の給湯停止信号が制御装置15に送信される。湯供給装置24は、湯導出路24a、水供給路24b、混合弁24c(50)および混合湯導出路24dを備えている。
湯導出路24aは、貯湯槽21の湯が導出される管である。湯導出路24aは、一端が貯湯槽21に接続され、他端が混合弁24cに接続されている。水供給路24bは、一端が給水路23に接続され、水源Wからの水を他端に接続された混合弁24cに供給する管である。
混合弁50は、貯湯槽21の湯が導出される湯導出路24aおよび給水路23にそれぞれ接続され、貯湯槽21からの湯と給水路23からの水とを混合し、かつ、弁体52の駆動により貯湯槽21からの湯の量(単位時間当たりの量)と給水路23からの水の量(単位時間当たりの量)との比(以下、混合比とする。)を調整した混合湯を生成するとともに、混合湯を導出するものである。混合弁50は、図2に示すように、ハウジング51、弁体52およびモータ53を備えている。
ハウジング51は、円筒状に形成され、内部に弁体52を軸線周りに回動可能に収容するものである。ハウジング51は、湯導出路24aに接続され、貯湯槽21からの湯を内部に導入する第一ポート51a、水供給路24bに接続され、水供給路24bからの水を内部に導入する第二ポート51b、および、混合湯を導出する第三ポート51cが形成されている。また、混合弁50には、弁体52の回動を規制する規制部51dが設けられている(後述する)。
弁体52は、一端に開口部52aが形成された円筒状に形成されている。弁体52の側壁には、第一ポート51aからの湯を内側に導入する第一開口52b、第二ポート51bからの水を内側に導入する第二開口52c、および、上端(図2の上側の端)に規制部51dに接触可能な凸部52dが形成されている。弁体52がハウジング51に対して軸線回りに回動駆動し、湯の流路および水の流路の開口面積がそれぞれ変化することにより、混合比が調整された混合湯が弁体52の内側にて生成される。生成された混合湯は、開口部52aから第三ポート51cに導出される。
また、弁体52は、図3に示すように、湯全閉位置P1と湯全開位置P2(弁体52が湯全開位置P2に位置する場合の凸部52dを図3に一点破線にて示す)との間を回動駆動する(図3の矢印参照)。湯全閉位置P1は、湯の量がゼロとなり、かつ、混合湯の全部が水となる位置である。湯全閉位置P1は、本発明の第二位置に相当する。湯全開位置P2は、混合比が所定の比となる位置である。弁体52が湯全閉位置P1から湯全開位置P2に向けて回動するにしたがって、湯の量の割合が徐々に大きくなる。
また、弁体52が湯全閉位置P1に位置した場合、凸部52dと規制部51dとが接触し、湯全閉位置P1から湯全開位置P2側に向かう方向と反対方向への弁体52の回動が規制される。また、弁体52が湯全開位置P2に位置した場合、凸部52dと規制部51dとが接触し、湯全開位置P2から湯全閉位置P1側に向かう方向と反対方向への弁体52の回動が規制される。
モータ53は、弁体52を回動させるものである。モータ53は、例えば、ステッピングモータである。
また、混合弁50には、混合弁50における弁体52の位置を検出する弁体位置検出装置60が設けられている。本実施形態における弁体位置検出装置60は、弁体52が湯全閉位置P1に位置した場合、弁体52が湯全閉位置P1に位置したことを検出する。弁体位置検出装置60は、図2および図3に示すように、磁石61および磁気スイッチ62を備えている。磁石61は、例えばフェライト系磁石であり、混合弁50の弁体52に埋設されている。磁気スイッチ62は、例えばホールICを含んで構成されている。磁気スイッチ62は、混合弁50のハウジング51における弁体52が湯全閉位置P1に位置した場合に磁石61と対向する位置に設けられている。磁気スイッチ62は、弁体52が湯全閉位置P1に位置した場合、磁石61の磁場がかかることによってオンとなる。一方、磁気スイッチ62は、弁体52が湯全閉位置P1に位置していない場合、磁石61の磁場がかからないためオフとなる。弁体位置検出装置60は、磁気スイッチ62がオンした場合、オン信号を制御装置15に送信する。
混合湯導出路24dは、図1に示すように、混合弁50から導出された混合湯を給湯装置40に導出(供給)する管である。混合湯導出路24dは、一端が混合弁50の第三ポート51cに接続され、他端が給湯装置40に接続されている。混合湯導出路24dは、給湯装置40が給湯を行う場合、混合湯を給湯装置40に導出する。また、混合湯導出路24dには、第二温度センサ24d1が設けられている。
第二温度センサ24d1(本発明の温度センサに相当)は、具体的には、混合湯導出路24dにおける後述するバイパス路25との接続部より給湯装置40側に設けられ、混合湯の温度を検出する。第二温度センサ24d1は、配置された位置の混合湯の温度を検出する。第二温度センサ24d1によって検出された温度である第二検出温度は、制御装置15に送信される。
また、湯供給装置24には、バイパス路25およびバイパス弁25aがさらに設けられている。
バイパス路25は、給水路23と混合湯導出路24dとを接続することにより、混合弁50を迂回し、かつ、水源Wからの水を混合湯導出路24dに供給する管である。
バイパス弁25aは、バイパス路25に設けられ、バイパス路25の水の流れを許容する開状態およびバイパス路25の水の流れを規制する閉状態を有する電磁弁である。また、バイパス弁25aは、通電状態である場合に閉状態となり、かつ、非通電状態である場合に開状態となるノーマルオープン型の電磁弁である。
電力変換装置13(本発明の電源に相当)は、燃料電池34から出力される直流電圧を入力し所定の交流電圧に変換して、交流の系統電源16aおよび負荷装置16c(例えば電化製品)に接続されている第一電源ライン16bに出力する。
また、電力変換装置13は、系統電源16aからの交流電圧を、第一電源ライン16bを介して入力し所定の直流電圧に変換し、かつ、第二電源ライン17(図4参照)を介して各補機および制御装置15(内部負荷)に出力する。各補機は、バイパス弁25a、混合弁50、原料ポンプ11a1、改質水ポンプ11b1およびカソードエアブロワ11c1である。
第二電源ライン17は、図4に示すように、複数の分岐点を介して電力変換装置13と各補機とをそれぞれ接続する。バイパス弁25aは、分岐点17aを経由して、電力変換装置13と電気的に接続される。また、第二電源ライン17には、第一開閉器18aおよび第二開閉器18bが設けられている。
第一開閉器18aは、バイパス弁25aと電力変換装置13との間に設けられ、オン状態である場合にバイパス弁25aを通電状態とし、かつ、オフ状態である場合にバイパス弁25aを非通電状態とする開閉器(スイッチ)である。第一開閉器18aは、具体的には、第二電源ライン17における電力変換装置13と分岐点17aとの間に設けられ、オン状態である場合に第二電源ライン17を閉路(電気的に接続)し、オフ状態である場合に第二電源ライン17を開路(電気的に遮断)する。よって、第一開閉器18aは、オン状態である場合に各補機の全部を通電状態とし、オフ状態である場合に各補機の全部を非通電状態とする。
第二開閉器18bは、第一開閉器18aとバイパス弁25aとの間に設けられ、オン状態である場合にバイパス弁25aを通電状態とし、かつ、オフ状態である場合にバイパス弁25aを非通電状態とする開閉器(スイッチ)である。第二開閉器18bは、具体的には、第二電源ライン17における分岐点17aとバイパス弁25aとの間に設けられ、オン状態である場合に第二電源ライン17を閉路(電気的に接続)し、オフ状態である場合に第二電源ライン17を開路(電気的に遮断)する。よって、第二開閉器18bは、オン状態である場合にバイパス弁25aだけを通電状態とし、オフ状態である場合にバイパス弁25aだけを非通電状態とする。
燃料電池システム1が電源オンであり、かつ、各開閉器18a,18bが共にオン状態である場合、電力変換装置13とバイパス弁25aとが電気的に接続されることにより、バイパス弁25aが通電状態となるため、バイパス弁25aが閉状態となる。また、各開閉器18a,18bの少なくとも一方がオフである場合、電力変換装置13とバイパス弁25aとが電気的に遮断されることにより、バイパス弁25aが非通電状態となるため、バイパス弁25aが開状態となる。
制御装置15は、補機を駆動して燃料電池システム1の運転を制御するものである。制御装置15は、演算処理を実行するCPU部(図示なし)およびROMなどの記憶部(図示なし)を備えている。制御装置15は、混合弁50の異常、バイパス弁25aの異常およびセンサ異常が発生したか否かを判定する制御である異常判定制御を実行する(後述する)。
また、制御装置15は、図5に示すように、給湯装置40、第一温度センサ23a、第二温度センサ24d1、弁体位置検出装置60、混合弁50、第一開閉器18aおよび第二開閉器18bと接続されている。また、制御装置15は、給湯情報取得部15a、温度調整制御部15b、混合弁制御部15c、バイパス弁制御部15d、温度判定部15e、温度低下制御部15f、第一異常判定部15g、第二異常判定部15hおよび第三異常判定部15iを備えている。
給湯情報取得部15aは、給湯装置40からの給湯開始信号および給湯停止信号を取得するとともに、これらの信号を温度調整制御部15bおよび第三異常判定部15iに出力する。
温度調整制御部15bは、給湯装置40に混合湯が供給されている場合、温度調整制御を行うものである。すなわち、温度調整制御部15bは、給湯情報取得部15aから給湯開始信号が入力された時点に温度調整制御を開始し、給湯停止信号が入力された時点に温度調整制御を停止する。温度調整制御は、バイパス弁25aを閉状態とし、かつ、第二温度センサ24d1の第二検出温度を所定温度(例えば、30℃)とするように、混合弁50の弁体52を駆動させる制御である。温度調整制御が行われる場合、温度調整制御部15bは、バイパス弁25aを閉状態とする制御指令をバイパス弁制御部15dに出力する。そして、温度調整制御部15bは、第二温度センサ24d1の第二検出温度を取得するとともに、第二検出温度と所定温度との差分に基づいて、弁体52の目標駆動量を導出する。さらに、温度調整制御部15bは、この弁体52の目標駆動量を制御指令として混合弁制御部15cに出力する。また、温度調整制御部15bは、温度調整制御が開始された旨の開始信号および温度調整制御が停止された旨の停止信号を温度判定部15eに出力する。
混合弁制御部15cは、弁体52の目標駆動量に相当する制御信号を混合弁50に出力することにより、混合弁50を制御するものである。
バイパス弁制御部15dは、第一開閉器18aおよび第二開閉器18bによってバイパス弁25aの通電状態と非通電状態との切替を制御するものである。バイパス弁制御部15dは、具体的には、温度調整制御部15bがバイパス弁25aを閉状態とする場合、第一開閉器18aをオン状態、かつ、第二開閉器18bをオン状態とすることによりバイパス弁25aを通電状態とする。また、バイパス弁制御部15dは、温度低下制御部15fがバイパス弁25aを開状態とする場合(後述する)、第一開閉器18aをオン状態とし、かつ、第二開閉器18bをオフ状態とすることによりバイパス弁25aを非通電状態とする。そして、バイパス弁制御部15dは、第二異常判定部15hによってバイパス弁25aの異常が有ると判定され、燃料電池システム1の即時停止が行われる場合(後述する)、第一開閉器18aをオフ状態とすることにより、バイパス弁25aを非通電とする。なお、第一開閉器18aは、燃料電池システム1の即時停止(後述する)が行われる場合を除き、オン状態とされている。
温度判定部15eは、温度調整制御部15bによって温度調整制御が行われている場合において、第二温度センサ24d1の第二検出温度が所定温度より高い第一判定温度(例えば、45℃)以上であるか否かを判定する。温度判定部15eは、具体的には、温度調整制御部15bから開始信号が入力された時点から停止信号が入力される時点までの間、第二温度センサ24d1の第二検出温度を取得するとともに、第二検出温度が第一判定温度以上であるか否かを判定する。第一判定温度は、混合弁50の異常が発生した場合における第二検出温度に基づいて設定されている。混合弁50の異常は、弁体52の目標駆動量に対して弁体52の実際の駆動量が異なる異常である。混合弁50の異常は、例えば、モータ53の異常、弁体52とハウジング51との間の異物に噛み込み、混合弁50への電源供給異常や制御装置15と混合弁50との通信異常である。第一判定温度は、具体的には、貯湯槽21からの湯の温度範囲、水源Wからの水の温度範囲および弁体52の位置に基づいて、予め実験等によって実測されて導出されている。温度判定部15eは、判定結果を温度低下制御部15fに出力する。また、温度判定部15eは、第二検出温度が第一判定温度以上であると判定した場合、温度調整制御を停止させる信号を温度調整制御部15bに出力する。
温度低下制御部15fは、温度判定部15eによって第二温度センサ24d1の第二検出温度が第一判定温度以上であると判定された場合、温度低下制御を行うものである。温度低下制御は、バイパス弁25aを開状態とし、かつ、温度判定部15eによって第二温度センサ24d1の第二検出温度が第一判定温度以上であると判定された時点の弁体52の第一位置から、第一位置より湯の量の割合が低下する弁体52の湯全閉位置P1に弁体52を駆動することにより、給湯装置40に供給される混合湯の温度を低下させる制御である。第二温度センサ24d1の第二検出温度が第一判定温度以上であることにより、混合湯には水供給路24bからの水だけでなく湯導出路24aからの湯が混合されている。すなわち、第一位置は、湯全閉位置P1より湯全開位置P2側に位置する。よって、湯全閉位置P1は、第一位置より湯の量の割合が低い。
温度低下制御が行われる場合、温度低下制御部15fは、具体的には、バイパス弁25aを開状態とする制御指令をバイパス弁制御部15dに出力する。さらに、温度低下制御部15fは、弁体52に回動方向における湯全閉位置P1側に所定駆動量駆動させる目標駆動量を制御指令として混合弁制御部15cに出力する。所定駆動量は、弁体52が湯全開位置P2から湯全閉位置P1まで回動駆動する駆動量である。弁体52が第一位置(湯全閉位置P1より湯全開位置P2側の位置)に位置し、かつ、混合弁50の異常が無い場合、所定駆動量駆動させる制御指令によって弁体52が駆動したとき、弁体52が規制部51dに接触することにより湯全閉位置P1に位置する。温度低下制御部15fは、温度低下制御を行った旨の信号を第一異常判定部15gに出力する。
第一異常判定部15gは、温度低下制御部15fによって温度低下制御が行われた場合において、弁体位置検出装置60によって検出された弁体52の位置が弁体52の湯全閉位置P1でないとき、混合弁50の異常が有ると判定するものである。第一異常判定部15gは、弁体位置検出装置60からのオン信号および温度低下制御部15fからの温度低下制御を行った旨の信号を取得する。
第一異常判定部15gは、弁体位置検出装置60からのオン信号が入力されている場合、弁体52の位置が弁体52の湯全閉位置P1であると判定する。一方、第一異常判定部15gは、弁体位置検出装置60からのオン信号が入力されていない場合、弁体52の位置が弁体52の湯全閉位置P1でないと判定する。そして、第一異常判定部15gは、温度低下制御部15fからの温度低下制御を行った旨の信号が入力された場合において、弁体52の位置が弁体52の湯全閉位置P1であると判定するとき、混合弁50の異常が無いと判定する。一方、第一異常判定部15gは、温度低下制御部15fからの温度低下制御を行った旨の信号が入力された場合において、弁体52の位置が弁体52の湯全閉位置P1でないと判定するとき、混合弁50の異常が有ると判定する。第一異常判定部15gの判定結果は、第二異常判定部15hおよび第三異常判定部15iに出力される。
第二異常判定部15hは、第二温度センサ24d1の第二検出温度を取得するとともに、第一異常判定部15gによって、混合弁50の異常が有ると判定された場合において、第二温度センサ24d1の第二検出温度が第二判定温度(例えば、40℃)以上であるとき、バイパス弁25aの異常が有ると判定するものである。バイパス弁25aの異常は、バイパス弁25aの開状態と閉状態とが切り替わらない異常である。バイパス弁25aの異常は、例えば、バイパス弁25aの異物噛み込み、第二開閉器18bの故障を含むバイパス弁25aへの電源供給異常や、制御装置15と各開閉器18a,18bとの通信異常である。第二判定温度は、混合弁50の異常およびバイパス弁25aの異常の両方が発生した場合における第二検出温度に基づいて設定されている。第二判定温度は、具体的には、貯湯槽21からの湯の温度範囲、水源Wからの水の温度範囲および弁体52の位置に基づいて、予め実験等によって実測されて導出されている。第二異常判定部15hは、第二温度センサ24d1の第二検出温度が第二判定温度より低いとき、バイパス弁25aの異常が無いと判定する。
第三異常判定部15iは、給湯情報取得部15aからの給湯開始信号、第一温度センサ23aの第一検出温度および第二温度センサ24d1の第二検出温度を取得するとともに、第一異常判定部15gによって混合弁50の異常が無いと判定された後に、給湯装置40の給湯が行われた場合(給湯開始信号が入力された場合)、第一温度センサ23aおよび第二温度センサ24d1の少なくとも一方にセンサ異常が有るか否かを判定するものである。センサ異常は、素子の劣化等による各検出温度の異常や各温度センサと制御装置15との通信異常である。第三異常判定部15iは、具体的には、第一検出温度と第二検出温度との差が判定温度差以上である場合、第一温度センサ23aおよび第二温度センサ24d1の少なくとも一方にセンサ異常が有ると判定する。判定温度差は、例えば、3℃である。
次に、制御装置15によって異常判定制御が実行される場合について、燃料電池システム1が電源オンであるとともに、バイパス弁25aが閉状態(各開閉器18a,18bがオン状態)であり、かつ、給湯装置40の給湯が行われていないときから、図6に示すフローチャートに沿って説明する。
制御装置15は、ステップS102にて、給湯が行われたか否かを判定する。制御装置15は、具体的には、給湯装置40からの給湯開始信号を取得したか否かを判定する(給湯情報取得部15a)。給湯装置40からの給湯開始信号を取得していない場合、給湯が行われていない。この場合、制御装置15は、ステップS102にて「NO」と判定し、ステップS102を繰り返し実行する。一方、給湯装置40からの給湯開始信号を取得した場合、給湯が開始されたため、給湯が行われている。この場合、制御装置15は、ステップS102にて「YES」と判定し、ステップS104にて温度調整制御を開始する(温度調整制御部15b)。制御装置15は、具体的には、各開閉器18a,18bをオン状態(オン状態を継続)としてバイパス弁25aを閉状態(閉状態を継続)とし、かつ、第二検出温度を所定温度とするように混合弁50を制御する。
続けて、制御装置15は、ステップS106にて第二温度センサ24d1の第二検出温度が第一判定温度以上であるか否かを判定する(温度判定部15e)。温度調整制御によって第二検出温度が所定温度となるように混合弁50が制御されているため、混合弁50の異常が発生していない場合、第二検出温度が第一判定温度より低くなる。この場合、制御装置15は、ステップS106にて「NO」と判定し、ステップS108にて給湯が停止されたか否かを判定する。制御装置15は、具体的には、給湯装置40からの給湯停止信号を取得したか否かを判定する(給湯情報取得部15a)。給湯装置40からの給湯停止信号を取得していない場合、給湯が行われている。この場合、制御装置15は、ステップS108にて「NO」と判定し、ステップS104,106を繰り返し実行する。
一方、給湯装置40からの給湯停止信号を取得した場合、給湯が停止されたため、制御装置15は、ステップS108にて「YES」と判定する。そして、制御装置15は、ステップS110にて温度調整制御を停止し(温度調整制御部15b)、プログラムをステップS102に戻す。このように、混合弁50の異常が発生していない場合、制御装置15は、ステップS102〜110を繰り返し実行する。
給湯装置40の給湯が行われている場合において、弁体52の位置が所望する位置と異なっていることにより、混合湯の温度が所定温度より大きくなるときがある。その結果、第二検出温度が第一判定温度以上となった場合、制御装置15は、ステップS106にて「YES」と判定し、ステップS112にて異常判定制御を実行する。異常判定制御について、図7に示すフローチャートに沿って説明する。
異常判定制御が開始された場合、制御装置15は、ステップS202にて温度低下制御を実行する(温度低下制御部15f)。制御装置15は、具体的には、第二開閉器18bをオフ状態(第一開閉器18aはオン状態)とすることによりバイパス弁25aを開状態とし、かつ、弁体52を湯全閉位置P1に駆動させる。続けて、制御装置15は、ステップS204にて混合弁50の異常があるか否かを判定する(第一異常判定部15g)。制御装置15は、具体的には、弁体52の位置が湯全閉位置P1であるか否かを判定する。混合弁50の異常がある場合、弁体52の実際の駆動量が目標駆動量と異なる。その結果、弁体52が湯全閉位置P1に位置しない場合、弁体位置検出装置60からオン信号が出力されない。この場合、制御装置15は、弁体52の位置が湯全閉位置P1でないため、混合弁50の異常があると判定する。よって、制御装置15は、ステップS204にて「YES」と判定し、プログラムをステップS206に進める。温度低下制御が行われた時の弁体52の位置が湯全閉位置P1でない場合、この時の弁体52の実際の位置である第一位置は、湯全閉位置P1に比べて湯の量の割合が高いため、この時の混合湯の温度は、弁体52が湯全閉位置P1である場合に比べて高くなる。
制御装置15は、ステップS206にて、バイパス弁25aの異常があるか否かを判定する(第二異常判定部15h)。制御装置15は、具体的には、第二検出温度が第二判定温度以上であるか否かを判定する。バイパス弁25aの異常がある場合、ステップS202の温度低下制御においてバイパス弁25aが開状態となっておらず閉状態のままであることにより、バイパス路25からの水が混合湯導出路24dに供給されないため、バイパス路25からの水による混合湯の温度低下が生じない。その結果、第二検出温度が第二判定温度以上である場合、制御装置15は、バイパス弁25aの異常があると判定する。よって、この場合、制御装置15は、ステップS206にて「YES」と判定し、ステップS208にて混合弁50の異常およびバイパス弁25aの異常があると判定する。
一方、バイパス弁25aの異常がない場合、ステップS202の温度低下制御においてバイパス弁25aが開状態となることにより、バイパス路25からの水が混合湯導出路24dに供給されるため、バイパス路25からの水による混合湯の温度低下が生じる。その結果、第二検出温度が第二判定温度より低い場合、制御装置15は、バイパス弁25aの異常がないと判定する。よって、この場合、制御装置15は、ステップS206にて「NO」と判定し、ステップS210にて混合弁50の異常だけがあると判定する。
ステップS204(第一異常判定部15g)に戻って説明を続ける。混合弁50の異常がない場合、ステップS202の温度低下制御によって、弁体52が湯全閉位置P1に位置するため、弁体位置検出装置60からオン信号が出力される。この場合、制御装置15は、弁体52の位置が湯全閉位置P1であるため、混合弁50の異常がないと判定する。よって、制御装置15は、ステップS204にて「NO」と判定し、プログラムをステップS212に進める。
制御装置15は、ステップS212にて給湯が行われたか否かを判定する。制御装置15は、ステップS102と同様に、給湯装置40からの給湯開始信号を取得したか否かを判定する(給湯情報取得部15a)。給湯装置40からの給湯開始信号を取得していない場合、制御装置15は、ステップS212にて「NO」と判定し、ステップS212を繰り返し実行する。一方、給湯装置40からの給湯開始信号を取得した場合、制御装置15は、ステップS212にて「YES」と判定し、ステップS214にてセンサ異常があるか否かを判定する(第三異常判定部15i)。
制御装置15は、具体的には、第一検出温度と第二検出温度との温度差が判定温度差以上であるか否かを判定する。混合弁50の異常がない場合、弁体52の位置が湯全閉位置P1であることにより、混合湯の実際の温度が水源Wからの水の実際の温度とおよそ同じとなるため、センサ異常が無い場合、第一検出温度と第二検出温度と温度差が比較的小さい。その結果、第一検出温度と第二検出温度との温度差が判定温度差より小さい場合、制御装置15は、ステップS214にて「NO」と判定し、ステップS216にて、異常なし(混合弁50の異常、バイパス弁25aの異常およびセンサ異常のいずれの異常も無い状態)と判定する。なお、異常がないにも関わらず、ステップS106にて第二温度センサ24d1の第二検出温度が第一判定温度以上となった理由としては、水源Wの圧力の一時的な上昇により、弁体52の駆動量が制限されたことが考えられる。
一方、センサ異常がある場合、第一検出温度と第二検出温度と温度差が比較的大きくなる。その結果、第一検出温度と第二検出温度との温度差が判定温度差以上である場合、制御装置15は、ステップS214にて「YES」と判定し、ステップS218にて、センサ異常であると判定する。
図6のフローチャートに戻って説明を続ける。
制御装置15は、ステップS114にて、異常判定制御の判定結果が混合弁50およびバイパス弁25aの異常であるか否かを判定する。異常判定制御の判定結果が混合弁50およびバイパス弁25aの異常である場合、バイパス弁25aが閉状態であるため、混合湯の温度が水源Wからの水によって低下しない。この場合、制御装置15は、ステップS114にて「YES」と判定し、ステップS116にて燃料電池システム1の即時停止を行う。燃料電池システム1の即時停止は、後述する停止運転を行わずに即時に燃料電池システム1の運転を停止する停止方法である。
燃料電池システム1の即時停止が行われる場合、制御装置15は、第一開閉器18aをオフ状態とする(バイパス弁制御部15d)。これにより、各補機類の全部が非通電状態となるため、燃料電池システム1の運転が即時に停止する。また、バイパス弁25aが非通電状態となることにより、バイパス弁25aが開状態となるため、混合湯の温度が水源Wからの水によって低下する。
一方、異常判定制御の判定結果が混合弁50およびバイパス弁25aの異常でない場合、バイパス弁25aが開状態となるため、混合湯の温度が水源Wからの水によって低下する。この場合、制御装置15は、ステップS114にて「NO」と判定し、プログラムをステップS118に進める。
制御装置15は、ステップS118にて異常判定制御の判定結果が混合弁50の異常またはセンサ異常であるか否かを判定する。異常判定制御の判定結果が混合弁50の異常またはセンサ異常である場合、制御装置15は、ステップS118にて「YES」と判定し、ステップS120にて燃料電池システム1の通常停止を行う。燃料電池システム1の通常停止は、燃料電池システム1の停止運転を行うことにより燃料電池システム1を待機状態とする燃料電池システム1の停止方法である。燃料電池システム1の停止運転は、改質用原料および改質水の蒸発部32への供給が停止され、改質ガスおよび空気の燃料電池34への供給が停止される。残原料による燃料電池34の発電が終了すれば、停止運転は終了する。停止運転においては、第一開閉器18aは、オン状態のままである。燃料電池システム1の運転が停止している場合、混合弁50の異常、バイパス弁25aの異常およびセンサ異常を確認することができる。
一方、異常判定制御の判定結果が混合弁50の異常またはセンサ異常でない場合、いずれの異常もないため、制御装置15は、ステップS118にて「NO」と判定し、プログラムをステップS104に戻す。
本実施形態によれば、燃料電池システム1は、熱を発生する燃料電池34および燃焼部36を備えた燃料電池モジュール30と、湯を貯湯する貯湯槽21と、燃料電池モジュール30からの排熱を用いて、貯湯槽21に貯湯された湯を加熱する熱交換器12と、水源Wからの水を貯湯槽21に供給する給水路23と、貯湯槽21の湯が導出される湯導出路24aおよび給水路23にそれぞれ接続され、貯湯槽21からの湯と給水路23からの水とを混合し、かつ、弁体52の駆動により貯湯槽21からの湯の量と給水路23からの水の量との比を調整した混合湯を生成するとともに、混合湯を導出する混合弁50と、混合弁50から導出された混合湯を給湯装置40に導出する混合湯導出路24dと、給水路23と混合湯導出路24dとを接続することにより、混合弁50を迂回し、かつ、水源Wからの水を混合湯導出路24dに供給するバイパス路25と、バイパス路25に設けられ、バイパス路25の水の流れを許容する開状態およびバイパス路25の水の流れを規制する閉状態を有するバイパス弁25aと、混合湯導出路24dにおけるバイパス路25との接続部より給湯装置40側に設けられ、混合湯の温度を検出する第二温度センサ24d1と、混合弁50における弁体52の位置を検出する弁体位置検出装置60と、混合弁50を少なくとも制御する制御装置15と、を備えている。制御装置15は、給湯装置40に混合湯が供給されている場合、バイパス弁25aを閉状態とし、かつ、第二温度センサ24d1の第二検出温度を所定温度とするように、混合弁50の弁体52を駆動させる温度調整制御を行う温度調整制御部15bと、温度調整制御部15bによって温度調整制御が行われている場合において、第二温度センサ24d1の第二検出温度が所定温度より高い第一判定温度以上であるか否かを判定する温度判定部15eと、温度判定部15eによって第二温度センサ24d1の第二検出温度が第一判定温度以上であると判定された場合、バイパス弁25aを開状態とし、かつ、温度判定部15eによって第二温度センサ24d1の第二検出温度が第一判定温度以上であると判定された時点の弁体52の第一位置から、第一位置より湯の量の割合が低下する弁体52の湯全閉位置P1に弁体52を駆動することにより、給湯装置40に供給される混合湯の温度を低下させる温度低下制御を行う温度低下制御部15fと、温度低下制御部15fによって温度低下制御が行われた場合において、弁体位置検出装置60によって検出された弁体52の位置が弁体52の湯全閉位置P1でないとき、混合弁50の異常が有ると判定する第一異常判定部15gと、第一異常判定部15gによって、混合弁50の異常が有ると判定された場合において、第二温度センサ24d1の第二検出温度が第二判定温度以上であるとき、バイパス弁25aの異常が有ると判定する第二異常判定部15hと、を備えている。
これによれば、温度調整制御部15bによって第二温度センサ24d1の第二検出温度を所定温度とする温度調整制御が行われている場合において、温度判定部15eによって第二温度センサ24d1の第二検出温度が所定温度より高い第一判定値温度以上であると判定されたとき、温度低下制御部15fによって混合湯の温度を低下させる温度低下制御が行われる。温度低下制御が行われた場合において、弁体位置検出装置60によって検出された弁体52の位置が湯全閉位置P1でないとき、混合弁50の異常があると第一異常判定部15gによって判定される。このときの弁体52の実際の位置である第一位置は、湯全閉位置P1に比べて湯の量の割合が高いため、このときの混合湯の温度は、弁体52が湯全閉位置P1である場合に比べて高くなる。この混合弁50の異常があると判定された時の弁体52の実際の位置の湯の量の割合が湯全閉位置P1の湯の量の割合と比べて高いため、このときの混合湯の温度は、弁体52が湯全閉位置P1である場合に比べて高くなる。さらに、このときにおいて、バイパス弁25aの異常により、バイパス路25からの水が混合湯導出路24dに供給されない場合、バイパス路25からの水による混合湯の温度低下が生じない。その結果、第二温度センサ24d1の第二検出温度が第二判定温度以上であるとき、第二異常判定部15hは、バイパス弁25aの異常があると判定することができる。よって、燃料電池システム1は、混合弁50の異常がある場合においても、バイパス弁25aの異常が有るか否かを判定することができる。
また、制御装置15は、第二温度センサ24d1の第二検出温度が第一判定温度以上となった場合、異常判定制御によって、混合弁50、バイパス弁25a、各温度センサ23a,24d1のうち異常がある部位を判別するとともに、異常がある部位に基づいて燃料電池システム1の停止方法を決定する。これにより、第一判定温度以上の温度の混合湯が給湯装置40に供給されることを抑制することができる。
また、バイパス弁25aは、通電状態である場合に閉状態となり、かつ、非通電状態である場合に開状態となるノーマルオープン型の電磁弁である。燃料電池システム1は、バイパス弁25aと電力変換装置13との間に設けられ、オン状態である場合にバイパス弁25aを通電状態とし、かつ、オフ状態である場合にバイパス弁25aを非通電状態とする第一開閉器18aをさらに備えている。制御装置15は、バイパス弁25aの通電状態と非通電状態との切替を制御するバイパス弁制御部15dをさらに備えている。バイパス弁制御部15dは、第二異常判定部15hによってバイパス弁25aの異常が有ると判定された場合(燃料電池システム1の即時停止が行われる場合)、第一開閉器18aをオフ状態とすることにより、バイパス弁25aを非通電とする。
これによれば、バイパス弁25aの異常が有ると第二異常判定部15hによって判定された場合、バイパス弁25aが非通電状態とされることにより、バイパス弁25aが開状態となるため、混合湯導出路24dへの水の供給が行われる。よって、給湯装置40に供給される混合湯の温度を確実に低下させることができる。
また、燃料電池システム1は、第一開閉器18aとバイパス弁25aとの間に設けられ、オン状態である場合にバイパス弁25aを通電状態とし、かつ、オフ状態である場合にバイパス弁25aを非通電状態とする第二開閉器18bをさらに備えている。バイパス弁制御部15dは、温度調整制御部15bがバイパス弁25aを閉状態とする場合、第一開閉器18aをオン状態、かつ、第二開閉器18bをオン状態とすることによりバイパス弁25aを通電状態とする。また、バイパス弁制御部15dは、温度低下制御部15fがバイパス弁25aを開状態とする場合、第一開閉器18aをオン状態とし、かつ、第二開閉器18bをオフ状態とすることによりバイパス弁25aを非通電状態とする。
これによれば、バイパス弁制御部15dは、温度低下制御部15fがバイパス弁25aを開状態とする場合、第二開閉器18bをオフ状態とする。一方、バイパス弁制御部15dは、第二異常判定部15hによってバイパス弁25aの異常が有ると判定された場合、バイパス弁制御部15dは、第一開閉器18aをオフ状態として、バイパス弁25aを開状態とする。このように、バイパス弁制御部15dは、バイパス弁25aの異常が有ると判定された場合、第二開閉器18bではなく第一開閉器18aをオフ状態とするため、バイパス弁25aの異常が第二開閉器18bの異常(オフ状態とならない異常)や第二開閉器18bとの通信異常であるときにおいても、バイパス弁25aが開状態となる。よって、バイパス弁25aの異常が有ると判定された場合においても、混合湯の温度が水源Wからの水によって低下する。したがって、給湯装置40に供給される混合湯の温度をさらに確実に低下させることができる。
また、本発明の熱源部は、燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池34であり、本発明の熱源装置は、燃料電池34と、改質水から水蒸気を生成する蒸発部32と、供給源Gsからの改質用原料と蒸発部32からの水蒸気とから燃料を生成して燃料電池34に供給する改質部33と、を備えた燃料電池モジュール30である。
なお、上述した実施形態において、コジェネレーションシステムの一例を示したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を採用することもできる。例えば、上述したコジェネレーションシステムの発電ユニット10は、燃料電池34を用いているが、これに代えて、ガスエンジン等の内燃機関を用いるようにしても良い。この場合、ガスエンジン等の内燃機関が本発明の熱源装置に相当するとともに、ガスエンジン等の内燃機関の燃焼部(燃焼室)が本発明の熱源部に相当する。
また、上述した実施形態において、貯湯槽21に貯湯された湯は、熱交換器12によって加熱されているが、これに代えて、ヒータ等を用いた加熱器によって湯を加熱するようにしても良い。
また、上述した実施形態において、給湯装置40の給湯が行われているか否かの判定を、給湯装置40からの信号によって行っているが、これに代えて、第二検出温度に基づいて行うようにしても良い。
また、上述した実施形態において、弁体位置検出装置60は、ホールICを含む磁気スイッチ62を用いて構成されているが、これに代えて、弁体位置検出装置60を、近接センサ(例えば、誘導形近接センサ)用いて構成しても良い。
また、上述した実施形態において、混合湯における湯の量と水の量との比において、弁体52を湯全閉位置P1に位置させることにより、湯の割合がゼロまで低下可能に設定されているが、これに代えて、低下可能な湯の割合をゼロより大きい所定割合とするようにしても良い。またこの場合、規制部51dを、所定割合となる弁体52の位置に接触するように設けるようにしても良い。さらにこの場合、所定割合となる弁体52の位置を本発明の第二位置としても良い。
また、上述した実施形態において、燃料電池システム1は、第一開閉器18aおよび第二開閉器18bを備えているが、これに代えて、第二開閉器18bのみを備えるようにしても良い。この場合、第二開閉器18bが、本発明の第一開閉器および第二開閉器に相当する。
また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、弁体位置検出装置60の位置や個数、開閉器18a,18bの個数を変更しても良い。