JP6623821B2 - メルトブロー不織布積層体の製造方法 - Google Patents

メルトブロー不織布積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、部分的な目付ムラが小さく、品位の安定したメルトブロー不織布積層体の製造方法に関するものである。
メルトブロー不織布は、紡糸口金から紡出された糸条に加熱した圧空を吹き付け、繊維を細化し自己融着させ、このようにして吐出された繊維を捕集装置上に堆積させて製布される紡糸直結型の長繊維不織布である。
メルトブロー不織布は、紡糸直結型の長繊維不織布の中でも繊維径が細く、比較的地合の良い不織布が得られやすいという特徴を有しており、この特徴を活かして、現在、フィルター、研磨布および電池セパレータ等、さまざまな工業用途で使用されている。
例えば、メルトブロー不織布からなる電池セパレータが提案されている(特許文献1参照。)。電池セパレータ用に使用される不織布では、その性能としては、一般には、電極間の分離と短絡防止と電解液の保液性とイオン透過性が求められており、繊維径の細いメルトブロー不織布では、緻密な内部構造を形成し、高いイオン透過性や電解液保持性を有するセパレータを得ることができる。また、この提案ではポリフェニレンスルフィド樹脂を用いており、従来のポリオレフィン系セパレータと比較して高い耐熱温度を達成することができる。
しかしながら、近年電池の高電圧、高容量化が進んでおり、これにともなってより電極の分離性が高く、安全性に優れたセパレータが求められるようになってきた。このような状況下において、ポリフェニレンスルフィドからなるメルトブロー不織布を積層してなる電池セパレータが提案されている(特許文献2参照。)。確かにこの提案によれば、単層よりも地合が均一で、安全性に優れるセパレータが得ることができる。
特開2004−047280号公報 特開2002−343329号公報
しかしながら、ポリフェニレンスルフィドからなるメルトブロー不織布は、熱収縮率が大きいため、この提案では、不織布にあらかじめ熱処理してから積層加工を実施する必要があり、製造工程が煩雑となる。また、この提案では、得られるセパレータは薄膜化された高密度品のみであり、不織布の特徴である高い空隙率が失われるという課題がある。

そこで本発明の目的は、熱収縮の大きいメルトブロー不織布でもあらかじめ熱処理を施す必要がなく、優れた加工性で積層できるメルトブロー不織布積層体の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、不織布を積層した後でも厚みが厚く高通気量で、部分的な目付ムラが少ないメルトブロー不織布積層体が得られるメルトブロー不織布積層体の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法は、熱可塑性樹脂を主成分とするメルトブロー不織布を、二枚以上重ね合わせ、表面が平滑で可とう性を有するベルトからなる2組のベルトコンベアの間に挟み込んで搬送し、搬送路の少なくとも一部に、2組のベルトコンベアの一方または両方の表面温度が前記の熱可塑性樹脂の冷結晶化温度以上でかつ融点−3℃以下に加熱された熱処理ゾーンを有し、前記の熱処理ゾーンで二枚以上重ね合わせた不織布の両面にベルトコンベアが接触して不織布を加熱かつ積層一体化する工程を有することを特徴とするメルトブロー不織布積層体の製造方法である。
本発明のメルトブロー不織布積層体の好ましい態様によれば、前記のベルトのベック平滑度は0.5秒以上である。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法の好ましい態様によれば、前記のメルトブロー不織布の搬送速度は、0.1〜10m/分である。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法の好ましい態様によれば、前記の熱処理ゾーンにおけるメルトブロー不織布とベルトコンベアの接触時間は、3秒以上である。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法の好ましい態様によれば、前記のメルトブロー不織布を構成する繊維の主成分は、ポリフェニレンスルフィド樹脂またはポリエステル樹脂である。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法の好ましい態様によれば、積層一体化する前のメルトブロー不織布の見掛け密度は、0.1〜0.4g/cmである。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法の好ましい態様によれば、積層一体化する前のメルトブロー不織布の厚さの合計は、0.01〜2mmである。
本発明の製造方法を実施することにより、熱収縮の大きいメルトブロー不織布でも低温で、優れた加工性の積層が可能であり、かつ積層後のメルトブロー不織布積層体に熱寸法安定性を付与することができる。さらに、熱処理と積層を同工程で実施できるため、工程簡略化が可能な製造方法で、従来の熱処理後にカレンダー積層した積層体よりも厚みが厚く、高通気量で、部分的な目付ムラが少ない品位の安定したメルトブロー不織布積層体を得ることができ、より高度な電池セパレータやフィルター等の産業用途への利用が可能となる。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法は、熱可塑性樹脂を主成分とする繊維からなるメルトブロー不織布を、二枚以上重ね合わせ、表面が平滑で可とう性を有する素材からなるベルトからなる2組のベルトコンベアの間に挟み込んで搬送し、搬送路の少なくとも一部に、前記の2組のベルトコンベアの一方または両方の表面温度が前記の熱可塑性樹脂の冷結晶化温度以上でかつ融点−3℃以下に加熱された熱処理ゾーンを有し、前記の熱処理ゾーンで二枚以上重ね合わせた不織布の両面にベルトコンベアが接触して、前記の不織布を加熱かつ積層一体化する工程を有するメルトブロー不織布積層体の製造方法である。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法は、熱可塑性樹脂を溶融し、それを紡糸口金から押し出した後、押し出された溶融樹脂からなる糸状に加熱高速ガス流体等を吹き当てて繊維状に細化し、細化された繊維を移動するコンベア上に捕集してシート状にする(以下、前記工程を“製布する”と記載することがある。)ことにより得られたメルトブロー不織布を二枚以上重ね合わせ、これを、2組のベルトコンベアによって挟み込み、メルトブロー不織布の全面が十分に把持された状態で、加熱したベルト表面との接触加熱によって、メルトブロー不織布が積層一体化されることが重要である。このようにすることにより、均一にメルトブロー不織布同士を接着することができかつ、目付ムラによる部分的なメルトブロー不織布の収縮を抑制し、地合の悪化や波打ちを発生させることなく、メルトブロー不織布を熱処理することができる。
「1組のベルトコンベア」とは、無端ベルトとベルトを回転させる駆動部とを備えた一式のベルトコンベア設備を意味する。本発明では、この1組のベルトコンベアを2組使用する。
製布された後のメルトブロー不織布の収縮を抑制し、地合の悪化や波打ちを発生させることなく、メルトブロー不織布が熱処理されると、繊維同士の融着が進行して厚さが薄くなることから、加熱積層している間常にメルトブロー不織布の収縮を抑制し、地合の悪化や波打ちを発生させることなく、メルトブロー不織布全体が把持された状態を維持するため、メルトブロー不織布を挟み込む2組のベルトコンベアのベルト間の隙間(クリアランス)は、2mm以下で、かつ加熱積層後のメルトブロー不織布積層体の厚さよりも小さいことが好ましい。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法は、メルトブロー不織布を挟み込む2組のベルトコンベアのベルト表面が平滑であることが重要であり、コンベアベルトのメルトブロー不織布と接触する面のベック平滑度が0.5秒以上であることが好ましく、より好ましくは1秒以上であり、さらに好ましくは2秒以上である。このようにすることにより、メルトブロー不織布とすることができる。また、加熱によって軟化した不織メルトブロー不織布に、ベルト表面の凹凸を転写することを防ぐことができる。また、ベック平滑度を好ましくは1000秒以下、より好ましくは500秒以下、さらに好ましくは300秒以下とすることにより、加熱積層のメルトブロー不織布積層体がベルト表面に貼り付き、加工性が悪化することを防ぐことができる。
また、重ね合わせるメルトブロー不織布の枚数は、2枚以上であり、好ましくは2〜5枚であり、より好ましくは2〜3枚である。メルトブロー不織布の重ね合わせる枚数を増やすことにより、加熱積層時に内層のメルトブロー不織布の繊維に熱が伝わりにくくなり、熱融着しにくくなる。また、メルトブロー不織布は積層する前に不織布同士をあらかじめ接着剤等で仮接着せておくこともできる。
メルトブロー不織布の重ね合わせは、いずれの面同士を重ね合わせてもよいが、製布する際の捕集コンベアと反対側の面同士を重ね合わせる方が好ましい。このようにすることにより、捕集コンベアと反対側の面は毛羽立ちやすいため、メルトブロー不織布表面が搬送中に毛羽立ち、品位が悪化することを防ぐことができる。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法は、メルトブロー不織布を挟み込むコンベアベルトが、可とう性を有する素材からなるベルトであることが重要である。「可とう性を有する」とは、1枚ものでベルトコンベアのベルトとして使用可能な程度の可とう性を意味する。好ましいベルトの素材の一例として、ガラス繊維などの繊維素材が芯材として編み込まれた“テフロン”(登録商標)樹脂(ポリ四フッ化エチレン樹脂)ベルトなどが挙げられる。
可とう性を有するベルトは、メルトブロー不織布の厚さムラにも柔軟に追従できるため、メルトブロー不織布をベルトコンベアで挟み込んだ際に、メルトブロー不織布全体を十分に把持することができる。これに対し、例えば複数の金属片をつなぎ合わせたり金属板を並べたりしたもののような、可とう性を有していないベルトの場合は、ベルトの柔軟性が低いため、メルトブロー不織布の細かい厚さムラに追従することができず、部分的にメルトブロー不織布の把持が甘い箇所が発生しやすくなる。
メルトブロー不織布が挟み込まれるコンベアベルトの厚さは、0.1〜3mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜2mmであり、さらに好ましくは0.1〜1mmである。コンベアベルトの厚さをこのようにすることにより、コンベアベルトに柔軟性を持たせ、メルトブロー不織布の厚さムラにも柔軟に追従し、不織メルトブロー不織布全体を十分に把持させることができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、加熱積層前のメルトブロー不織布やコンベアベルトの表面に離型剤を塗布したり、“テフロン”(登録商標)(ポリ四フッ化エチレン)シート等の離型シートを重ねて加工したりすることにより、離型性を向上させることもできる。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法において、メルトブロー不織布の熱処理ゾーンでは、2組のベルトコンベアの一方または両方の表面温度が、メルトブロー不織布の主成分である熱可塑性樹脂の冷結晶化温度以上に加熱されていることが重要である。表面温度をこのようにすることにより、メルトブロー不織布を構成する繊維を熱結晶化させ、熱寸法安定性を付与することができる。
一方、ベルトコンベアの表面温度を、前記の熱可塑性樹脂の融点−3℃以下とすることが重要であり、より好ましくは融点−30℃以下、さらに好ましくは融点−60℃以下とすることにより、繊維の熱結晶化が進行する前にメルトブロー不織布が軟化し、繊維同士が融着してフィルムライクとなったり、繊維の結晶化が過度に進行してシートの風合いがパリパリとしたものになったりすることを防ぐことができる。
また、熱処理ゾーンでベルトコンベア表面の温度を段階的に変化させ、徐々にメルトブロー不織布を加熱あるいは冷却することができる。また、熱処理ゾーンの前に、ベルトコンベア表面の温度が前記の熱可塑性樹脂の冷結晶化温度以下である予熱ゾーンを設けることができる。
熱処理ゾーンにおけるベルトコンベアとメルトブロー不織布の接触時間はメルトブロー不織布を構成する繊維の熱可塑性樹脂の種類や、メルトブロー不織布の目付と厚さに応じて適宜調整されるものであるが、この接触時間は3秒以上であることが好ましく、より好ましくは5秒以上であり、さらに好ましくは10秒以上である。接触時間をこのように設定することにより、メルトブロー不織布全体を十分熱処理し、優れた熱寸法安定性を付与することができる。また、接触時間を好ましくは600秒以下、より好ましくは300秒以下、さらに好ましくは100秒以下とすることにより、生産性の低下を防ぐことができる。
ベルトコンベアによるメルトブロー不織布の搬送速度は、0.1m/分以上とすることが好ましく、より好ましくは0.5m/分以上であり、さらに好ましくは1m/分以上である。搬送速度をこのように設定することにより、生産能力の低下を抑えることができる。一方、メルトブロー不織布の搬送速度を、好ましくは10m/分以下、より好ましくは8m/分以下、さらに好ましくは6m/分以下とすることにより、繊維の熱結晶化が進行する前に急激な加熱によってメルトブロー不織布が軟化し、厚みがつぶされたり、繊維同士が融着してフィルムライクになったりすることを防ぐことができる。
本発明により製造されるメルトブロー積層体不織布を構成する繊維の主成分としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、およびポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂や、これらを共重合した熱可塑性樹脂が挙げられ、異なる熱可塑性樹脂を主成分とするメルトブロー不織布同士を積層することも許容される。
これらの中でも、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂は、繊維の曳糸性に優れている一方、製布後のメルトブロー不織布は熱寸法安定性が非常に低いという課題がある。従来、これらの熱可塑性樹脂からなるメルトブロー不織布を加熱積層する場合、あらかじめ熱処理しておかなければ収縮やシワ入り等により加工は困難であったが、本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法を用いることにより、熱処理と積層一体化を同工程で優れた加工性で実施することが可能であり、好ましい態様の一例である。
本発明において、「主成分とする」とは、「当該成分を85質量%以上含有し、当該成分のみからなる場合も含まれること」を意味する。
また、メルトブロー不織布積層体を構成する繊維には、結晶核剤、艶消し剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、難燃剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤および親水剤等を添加することができる。
本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法によれば、積層一体化する前のそれぞれのメルトブロー不織布の見掛け密度は、0.10〜0.40g/cmが好ましくより好ましくは0.15〜0.38g/cmである。メルトブロー不織布の見掛け密度が0.10g/cmより低い場合、積層一体化は可能であるが、メルトブロー不織布の機械的強度が低いため、加工時にメルトブロー不織布切れ等の搬送性の問題が生じる。また、メルトブロー不織布の見掛け密度が0.40g/cmよりも高い場合は、メルトブロー不織布の特徴である高い空隙率や通気量が損なわれる。
積層一体化する前のメルトブロー不織布の厚さの合計は、0.01〜2mmであることが好ましく、より好ましくは0.01〜1.5mmである。厚さの合計を2mm以下とすることにより、良好な接着性が得られるとともに、重ね合わせたメルトブロー不織布の厚さ方向中央部の加熱が不十分となることを防ぎ、内部まで熱結晶化させ、メルトブロー不織布積層体全体に十分な熱寸法安定性を付与することができる。また、厚みを0.01mm以上にすることにより、加熱積層時に必要なハンドリング性と搬送性を付与することができる。
また、2組のベルトコンベアによってメルトブロー不織布を搬送する際に、2組のベルトコンベアの両面からかかる圧力を調整する方法、またはベルトコンベア出口付近にニップロールを設置し、熱処理後のメルトブロー不織布を加圧する方法、あるいはこれら2通りの方法を併用することにより、メルトブロー不織布積層体の厚みを目的の用途に応じて適宜調整することができる。
積層一体化する前のメルトブロー不織布の目付の合計は、10〜400g/m以下であることが好ましく、より好ましくは20〜200g/mである。目付の合計を400g/m以下にすることにより、良好な接着性が得られるとともに、重ね合わせたメルトブロー不織布の厚さ方向中央部の加熱が不十分となることを防ぎ、内部まで熱結晶化させ、メルトブロー不織布積層体全体に十分な熱寸法安定性を付与することができる。目付の合計を10g/m以上にすることにより、加熱積層時に必要なハンドリング性、搬送性を付与することができる。また、目付がそれぞれ異なるメルトブロー不織布同士を重ね合わせてもよい。また、重ね合わせるメルトブロー不織布の接着性に応じて熱処理ゾーンの上下のベルトの温度に差を設けてもよい。
次に、積層するために用いるメルトブロー不織布の製布方法について、好ましい態様を説明する。
メルトブロー法は、樹脂を溶融し、紡糸口金から押し出した後、この溶融樹脂に加熱高速ガス流体等を吹き当てて引き伸ばすことにより繊維状に細化し、移動するコンベア上に捕集してシート状にする工程を要する不織布の製造方法である。
本発明のメルトブロー不織布を構成する繊維の主成分である熱可塑性樹脂は、融点+34.5℃の温度において、ASTM D1238−70(測定荷重5kg重)に準じて測定されるMFRが100〜2000g/10分であることが好ましい態様である。MFRを100g/10分以上、より好ましくは150g/10分以上とすることにより、良好な流動性をとり、容易に繊維状に細化することができる。一方、MFRを2000g/10分以下、より好ましくは1500g/10分以下とすることにより、口金の背面圧を適度に有し、紡糸安定性に優れるものとなる。
樹脂を溶融する押出機および紡糸口金の温度は、使用する樹脂の融点よりも10〜50℃高い温度であることが好ましい。樹脂を溶融する押出機の温度が低すぎると、樹脂が固化または低流動化し、また温度が高すぎると樹脂の劣化が促進される。
加熱高速ガスの温度は、紡糸温度よりも0℃以上高くすることにより、繊維を効率よく細化できるとともに、繊維同士の自己融着により実用に耐えうる強度のメルトブロー不織布を得ることができる。また、加熱高速ガスの温度を紡糸温度よりも好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下、さらに好ましくは20℃以下に設定することにより、ショット(ポリマー塊状物)の発生を抑制し、不織布を安定して製造することができる。
本発明の製造方法より得られるメルトブロー不織布積層体は、通気量が高く、部分的な目付バラツキが小さく地合に優れかつ熱寸法安定性に優れることから、フィルターや電池セパレータ等の産業用途に好適に使用することができる。
次に、実施例に基づき本発明のメルトブロー不織布積層体の製造方法について、具体的に説明する。
[測定方法]
(1)メルトフローレート(MFR)(g/10分):
ポリフェニレンスルフィド樹脂のMFRは、ASTM D1238−70に準じて、測定温度が315.5℃で、測定荷重が5kgの条件で3回測定し、その平均値をMFRとした。
(2)固有粘度(IV):
ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度IVは、次の方法で3回測定し、その平均値をとった。オルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηを、下記式により求めた。
・η=η/η=(t×d)/(t×d
ここで、ηはポリマー溶液の粘度、ηはオルソクロロフェノールの粘度、tは溶液の落下時間(秒)、dは溶液の密度(g/cm)、 tはオルソクロロフェノールの落下時間(秒)、dはオルソクロロフェノールの密度(g/cm)を、それぞれ表す。
次いで、上記の相対粘度ηから、下記式により固有粘度IVを算出した。
・IV=0.0242η+0.2634。
(3)融点(℃):
使用した熱可塑性樹脂の融点は、示差走査熱量計(TA Instruments社製Q100)を用いて、次の条件で3回測定し、吸熱ピーク頂点温度の平均値を算出して、測定対象の融点とした。繊維形成前の熱可塑性樹脂において吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側のピーク頂点温度とする。また、繊維を測定対象とする場合には、同様に測定し、複数の吸熱ピークから各成分の融点を推定することができる。
・測定雰囲気:窒素流(150ml/分)
・温度範囲 :30〜350℃
・昇温速度 :20℃/分
・試料量 :5mg。
(4)平均単繊維径(μm):
コンベアベルト上に捕集した不織ウェブ(メルトブロー不織布)からランダムに小片サンプル10個を採取し、マイクロスコープで1000〜2000倍で表面写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維の幅を測定し、その平均値を算出した。単繊維の幅平均値から、小数点以下第二位を四捨五入して繊維径とした。
(5)メルトブロー不織布の目付(g/m):
JIS L1913(2010年版)6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、9cm×50cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
(6)メルトブロー不織布およびコンベアベルトの厚さ(mm):
JIS L1906(2000年版)5.1に準じて、直径10mmの加圧子を使用し、荷重10kPaで不織布およびコンベアベルトの幅方向等間隔に10点の厚さを0.01mm単位で測定し、その平均値の小数点以下第三位を四捨五入した。
(7)メルトブロー不織布の見掛け密度(g/cm):
不織布の目付を厚さで除して、見掛け密度を求めた。
(8)ベルト表面のベック平滑度(秒):
ベック平滑度試験機を用い、JIS P8119(1998年版)に準じて、コンベアベルトのメルトブロー不織布接触面について、幅方向等間隔に10点の測定を実施し、その平均値の小数点以下第二位を四捨五入した値をベック平滑度とした。
(9)不織布の通気量(cc/cm/秒):
JIS L1913(2010年)フラジール形法に準じて、15cm角にカットした繊維シート10枚を、テクステスト社製の通気性試験機FX3300を用いて、試験圧力125Paで測定した。得られた値の平均値から、小数点以下第二位を四捨五入して通気量とした。
(10)不織布の乾熱収縮率(%):
JIS L1913(2010年版)6.10.3に準じて、恒温乾燥機内の温度を200℃とし、熱処理時間を10分間とし、3箇所で測定を行った。得られた値の平均値から、小数点以下第一位を四捨五入して乾熱収縮率とした。
(11)メルトブロー不織布の接着性評価:
積層後のメルトブロー不織布積層体について、メルトブロー不織布同士の接着性を比較した。表1では、手で各層に剥離することができないレベルにまで十分接着されている場合は「○」、端部や一部のみが剥離する場合は「△」、各層に容易に分離できる場合は「×」で表記し、「○」を合格とした。
(12)透過光輝度変動係数(%)
10cm×10cmの不織布を3個採取して、各試料を黒色画用紙が背景となるように重ね合わせ、スキャナ(EPSON社製GT−X750)にセットし、1200dpiの解像度でイメージスキャナにより読み込む。さらに、読み込んだ画像ファイルを画像処理ソフト(AT−Image Ver.3.2)により、輝度平均値を数値化し、その標準偏差から変動係数を求め、小数点以下第二位を四捨五入した。
[実施例1]
(紡糸とシート化)
MFRが600g/10分で、融点が281℃のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂を、窒素雰囲気中で150℃の温度で24時間乾燥して用いた。このポリフェニレンスルフィド樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度が310℃で、孔径(直径)φが0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.23g/分で紡出し、これに空気加熱器で加熱した325℃の温度の圧縮空気を圧力0.15MPaで吹き当てて、上記の紡糸口金からの距離100mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が25g/mで、厚さが0.12mmで、見掛け密度が0.21g/cmのメルトブロー不織布を得た。得られた不織ウェブを構成する繊維の平均繊維径は2.8μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった。
(不織布の熱処理積層)
ガラス繊維を芯材として編み込んだ“テフロン”(登録商標)樹脂ベルトからなり、ベルトの厚さが0.31mmで、ベルト表面のベック平滑度が2.6秒の2組のベルトコンベアを、ベルト間のクリアランスが0となるように上下に配置した。採取したメルトブロー不織布を、捕集コンベアの面と反対側の面を2枚重ね合わせ、このベルトコンベア間に通し、全面把持した状態で速度2m/分で搬送し、上下のベルト表面の温度を140℃に加熱した長さ1mの熱処理ゾーンを通過させて30秒間加熱した。得られたメルトブロー不織布積層体の厚さは0.15mmで、上下層は強固に接着しており、手で分離することは不可能であった。また、波打ち発生等の、品位の悪化は見られなかった。
(不織布の物性)
熱処理積層後のメルトブロー不織布積層体の見掛け密度は0.35g/cmであり、通気量は11.3cc/cm/秒であり、乾熱収縮率は0%であり、透過高輝度変動係数は2.84%であった。結果を表1に示す。
[実施例2]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、ベルトコンベアの搬送速度を調整し、目付が49gで、厚さが0.18mmで、見掛け密度が0.27g/cmのメルトブロー不織布を得た。
(不織布の熱処理積層)
実施例1と同じ条件で、熱処理積層加工を実施した。熱処理後のメルトブロー不織布積層体の厚さは0.31mmで、上下層は強固に接着しており、手で分離することは不可能であった。また、波打ち発生等の品位の悪化は見られなかった。
(不織布の物性)
熱処理後のメルトブロー不織布積層体の見掛け密度は0.33g/cmであり、通気量は5.7cc/cm/秒であり、乾熱収縮率は0%であり、透過高輝度変動係数は2.15%であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、ベルトコンベアの搬送速度を調整し、目付が120gで、厚さが0.56mmで、見掛け密度が0.22g/cmのメルトブロー不織布を得た。
(不織布の熱処理積層)
採取したメルトブロー不織布を、実施例1と同じ条件で熱処理積層加工した。熱処理後のメルトブロー不織布積層体の厚さは0.79mmであり、上下層は強固に接着しており、手で分離することは不可能であった。また、波打ち発生等の、品位の悪化は見られなかった。
(不織布の物性)
熱処理後のメルトブロー不織布積層体の見掛け密度は0.31g/cmであり、通気量は2.5cc/cm/秒であり、乾熱収縮率は0%であり、透過高輝度変動係数は1.87%であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、メルトブロー不織布を得た。
(不織布の熱処理積層)
メルトブロー不織布を4枚重ね合わせ熱処理したこと以外は、実施例1と同じ条件で熱処理した。熱処理後のメルトブロー不織布積層体の厚さは0.63mmであり、上下層は強固に接着しており、手で分離することは不可能であった。また、波打ち発生等の、品位の悪化は見られなかった。
(不織布の物性)
熱処理後のメルトブロー不織布積層体の見掛け密度は0.33g/cmであり、通気量は6.7cc/cm/秒であり、乾熱収縮率は0%であり、透過高輝度変動係数は1.85%であった。結果を表1に示す。
[実施例5]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、メルトブロー不織布を得た。
(不織布の熱処理積層)
実施例1と同じベルトコンベアを使用し、搬送速度を10m/分とし、6秒間熱処理し熱処理積層加工した。熱処理後のメルトブロー不織布積層体の厚さは0.11mmであり、実施例1で得られたメルトブロー不織布よりも厚みが減少しており、地合はわずかに劣るものであった。また、上下層は強固に接着しており、手で分離することは不可能であった。
(不織布の物性)
熱処理後のメルトブロー不織布積層体の見掛け密度は0.46g/cmであり、通気量は8.6cc/cm/秒であり、乾熱収縮率は0%であり、透過高輝度変動係数は3.04%であった。結果を表1に示す。
[実施例6]
(紡糸とシート化)
固有粘度がIV0.51で、融点が260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を、窒素雰囲気中で150℃の温度で24時間乾燥して用いた。このポリエチレンテレフタレート樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度が300℃で、孔径(直径)φが0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.23g/分で紡出し、空気加熱器で加熱した320℃の温度の圧縮空気を圧力0.15MPaで吹き当てて、上記の紡糸口金からの距離150mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が25g/mで、厚さが0.12mmで、見掛け密度が0.23g/cmのメルトブロー不織布を得た。
得られた不織ウェブを構成する繊維の平均繊維径は2.8μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった。
(不織布の熱処理)
採取したメルトブロー不織布を、実施例1と同じ条件で熱処理積層加工した。熱処理後のメルトブロー不織布の厚さは0.23mmであり、上下層は強固に接着しており、手で分離することは不可能であった。また、波打ち発生等の、品位の悪化は見られなかった。
(不織布の物性)
熱処理後のメルトブロー不織布積層体の見掛け密度は0.23g/cmであり、通気量は8.8cc/cm/秒であり、乾熱収縮率は0%であり、透過高輝度変動係数は2.55%であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(不織布の熱処理積層)
メルトブロー不織布を単層で熱処理したこと以外は、実施例1と同じ条件で熱処理した。熱処理後のメルトブロー不織布の厚さは0.10mmであり、また、波打ち発生等の、品位の悪化は見られなかった。
(不織布の物性)
熱処理後のメルトブロー不織布の見掛け密度は0.27g/cmであり、通気量は26.2cc/cm/秒であり、乾熱収縮率は0%であり、透過高輝度変動係数は4.62%であった。結果を表2に示す。
[比較例2]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(不織布の熱処理積層)
熱処理温度を110℃としたこと以外は、実施例1と同じ条件で熱処理した。熱処理後のメルトブロー不織布の上下層は強固に接着しており、手で分離することは不可能であったが、厚みが0.07mmまで減少しており、部分的にフイルム化が発生し、品位が悪化していた。
(不織布の物性)
熱処理後のメルトブロー不織布積層体の見掛け密度は0.76g/cmであり、通気量は0.4cc/cm/秒であり、乾熱収縮率は80%であり、透過高輝度変動係数は4.02%であった。結果を表2に示す。
[比較例3]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(不織布の熱処理積層)
ベルト間のクリアランスを1mmとしたこと以外は、実施例1と同じ条件で熱処理した。熱処理後のメルトブロー不織布積層体は大きく収縮し品位が悪化しており、シート全体に波打ちが発生し、物性の測定は困難であった。また、各層に容易に分離できるものであった。結果を表2に示す。
[比較例4]
(紡糸とシート化)
空気加熱器で加熱した325℃の温度の圧縮空気を圧力0.18MPaで吹き当てて、紡糸口金からの距離90mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集したこと以外は、実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。得られたメルトブロー不織布は、目付が25g/mで、厚さが0.11mmで、見掛け密度が0.22g/cmのメルトブロー不織布であった。得られた不織ウェブを構成する繊維の平均繊維径は4.0μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった。
(不織布の熱処理積層)
ピンテンター装置によりメルトブロー不織布両端のみをピンで把持した状態で、速度1m/分で搬送し、温度140℃の熱風を60秒間吹き付け、熱処理を行った。得られた熱処理メルトブロー不織布を非捕集ネット面同士、逆方向に2枚重ね合わせ、上部が金属ロール、下部がペーパーロールであるカレンダーロールを用い、上下のカレンダー温度をそれぞれ150℃と90℃とし、線圧100kg/cmで速度2m/分で熱圧着した。積層後のメルトブロー不織布は、熱圧着されているため、厚さは0.07mmと薄いものであった。
また、端部は十分接着されておらず、手で部分的に容易に剥離可能であった。
(不織布の物性)
熱処理後のメルトブロー不織布積層体の見掛け密度は0.73g/cmであり、通気量は0.7cc/cm/秒であり、乾熱収縮率は0%であり、透過高輝度変動係数は3.32%であった。結果を表2に示す。
[比較例5]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(不織布の熱処理積層)
得られたメルトブロー不織布を、捕集コンベアの面と反対側の面を2枚重ね合わせ、上部が金属ロール、下部がペーパーロールであるカレンダーロールを用い、上下のカレンダー温度をそれぞれ150℃と90℃とし、線圧100kg/cmで速度2m/分で熱圧着した。その結果、メルトブロー不織布積層体がロールに張り付き、加工は困難であった。結果を表2に示す。
Figure 0006623821
(注)“テフロン”(登録商標)樹脂:ポリ四フッ化エチレン樹脂。
Figure 0006623821
(注)“テフロン”(登録商標)樹脂:ポリ四フッ化エチレン樹脂。
<まとめ>
表1に示されるように、可とう性を有するベルトからなるベルトコンベアで十分にメルトブロー不織布全面を把持した状態で、加熱積層することにより得られた実施例1〜6のメルトブロー不織布積層体は、波打ち発生等の品位の悪化は見られず、手で剥離できないレベルまで強固に接着し、熱寸法安定性にも優れたものであった。
また、表2に示されるように、比較例1のメルトブロー不織布は、透過高輝度変動係数が大きく地合に劣るものであった。比較例2の熱処理温度が低いメルトブロー不織布積層体は、熱収縮が大きく品位も劣るものであった。比較例3のベルト間のクリアランスが広いメルトブロー不織布積層体は、大きく収縮し品位に劣るものであった。比較例4のピンテンター熱処理後にカレンダー加工したメルトブロー不織布積層体は、厚みが薄く、また透過高輝度変動係数も大きく、地合の劣るものであった。比較例5のとおり、熱処理を実施せずにカレンダー加工を行った場合は、加工が困難であった。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂を主成分とするメルトブロー不織布を、二枚以上重ね合わせ、表面が平滑で可とう性を有するベルトからなる2組のベルトコンベアの間に挟み込んで搬送し、搬送路の少なくとも一部に、前記2組のベルトコンベアの一方または両方の表面温度が前記熱可塑性樹脂の冷結晶化温度以上でかつ融点−3℃以下に加熱された熱処理ゾーンを有し、前記熱処理ゾーンで二枚以上重ね合わせた不織布の両面にベルトコンベアが接触して不織布を加熱かつ積層一体化する工程を有することを特徴とするメルトブロー不織布積層体の製造方法。
  2. ベルトのベック平滑度が0.5秒以上である請求項1記載のメルトブロー不織布積層体の製造方法。
  3. メルトブロー不織布の搬送速度が0.1〜10m/分である請求項1または2記載の不織布積層体の製造方法。
  4. 熱処理ゾーンにおけるメルトブロー不織布とベルトコンベアの接触時間が、3秒以上である請求項1〜3のいずれかに記載のメルトブロー不織布積層体の製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂の主成分がポリフェニレンスルフィド樹脂またはポリエステル樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のメルトブロー不織布積層体の製造方法。
  6. 積層一体化する前のメルトブロー不織布の見掛け密度が、0.1〜0.4g/cmである請求項1〜5のいずれかに記載のメルトブロー不織布積層体の製造方法。
  7. 積層一体化する前のメルトブロー不織布の厚さの合計が、0.01〜2mmである請求項1〜6のいずれかに記載のメルトブロー不織布積層体の製造方法。
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