JP6357747B2 - ポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリフェニレンスルフィド(以下、「PPS」と略記することがある。)を主成分とする樹脂からなり、難燃性や耐薬品性に優れた繊維から構成されるポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布に関するものである。
PPS樹脂は、耐熱性、難燃性および耐薬品性に優れた特性を有し、エンジニアリングプラスチック、フィルム、繊維および不織布等として好適に用いられている。
不織布については、これらの特性を活かした種々の不織布が提案され、産業用途への利用が広がりつつある。特に、繊維径の細い不織布が要求される高捕集効率のフィルター濾布や電池セパレータ等の用途では、繊維の暴露表面が大きく劣化が進行しやすいため、PPS樹脂の耐熱性や耐薬品性を活かした長寿命化の取り組みが進められている。
極細繊維不織布は捕集効率や多孔性能に優れる反面、引張強力や剛性等では劣るため、従来、これらを向上させる手段の一つとして、複数枚の不織布を積層加工して多層構造不織布とする方法が用いられている。例えば、繊維径が細く、高捕集性能のフィルター濾布として使用されるメルトブロー不織布に、フィルター製品に加工する際の優れた折り加工性や剛性を付与すべくスパンボンド不織布を張り合わせたスパンボンド不織布(S)/メルトブロー不織布(M)のSM積層不織布、あるいはスパンボンド不織布(S)/メルトブロー不織布(M)/スパンボンド不織布(S)のSMS積層不織布等の多層構造不織布が挙げられる。
PPS繊維不織布でも極細繊維不織布の高機能化を始め、様々な分野で使用用途に合わせた要求特性を実現すべく、種々の多層構造不織布が提案されている。
不織布同士の積層加工には生産効率の面から熱接着が用いられることが多い。しかしながら、PPS繊維不織布は熱接着時の収縮が大きく、巾入りやシワが発生しやすいという課題がある。熱接着時の収縮を抑えるには、熱接着前の不織布に対して熱処理を施し、繊維の結晶性を上げる必要があるが、合成繊維においては一般に、結晶性を高くすると熱に対する寸法安定性は向上するが熱接着性は低下し、両特性はいわばトレードオフの関係にある。特にPPS繊維においては、両特性を両立させることが困難であった。
これまでにPPS繊維不織布について、結晶化度25〜50%のPPS長繊維からなる層と、結晶化度10〜50%であるPPS微細繊維からなる層とを積層一体化してなる多層構造不織布が提案されている(特許文献1参照。)。この提案では、特定範囲の結晶化度を有するPPS繊維では熱収縮が低下することを見出し、また、メルトブロー法によるPPS微細繊維をPPS長繊維からなる層に直接吹き付け、長繊維層へ微細繊維を侵入させることにより、層間の剥離を防止できるとしている。しかしながら、当該提案では、長繊維層が高目付の場合にPPS微細繊維を長繊維からなる層に捕集することが困難である他、目付CVが大きい場合にも接着にむらがでるため、汎用性が低いという課題があった。
また近年、鞘成分に芯成分よりも低融点の共重合PPS樹脂を使用したPPS複合繊維からなるPPS繊維不織布が提案されている(特許文献2参照。)。確かに、この提案を用いることによりPPS繊維間の熱接着性を改善させることができる。しかしながら、当該提案で得られるPPS複合繊維は繊維径が太く、高捕集効率のフィルター濾布や電池セパレータ等の用途には適さないという課題があった。
特許第4852104号公報 国際公開第2012/127997号
そこで本発明の目的は、PPS樹脂の難燃性および耐薬品性等を活かしつつ、繊維径が細く、かつ不織布同士の積層加工時の熱接着性に優れたポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布を提供することにある。
すなわち本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布は、p−フェニレンスルフィドを主単位とし、前記p−フェニレンスルフィド以外に少なくとも1種以上の共重合単位を含有する共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂を主成分とするポリフェニレン長繊維不織布積層用ポリフェニレンスルフィド繊維から構成されてなるメルトブロー不織布であって、前記共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂の融点が190〜270℃であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布である。
本発明において、「主単位とする」とは、「当該単位を65モル%以上含有すること」を意味し、「主成分とする」とは、「当該成分を85質量%以上含有し、当該成分のみからなる場合も含まれること」を意味する。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布の好ましい態様によれば、前記の共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂は、くり返し単位の65〜97モル%がp−フェニレンスルフィドからなり、3〜35モル%がm−フェニレンスルフィドからなる共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂である。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布の好ましい態様によれば、前記のポリフェニレンスルフィド繊維の平均繊維径は、0.1〜17μmである。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維不織布積層体は、前記のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布の層の少なくとも1層以上と、ポリフェニレンスルフィドを主成分とする長繊維不織布の層の少なくとも1層以上とが、積層一体化されてなる不織布積層体である。
本発明によれば、PPS樹脂の難燃性と耐薬品性を有しながら、繊維径が細く、かつ熱接着性に優れたポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布が得られる。また、従って本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布は、高機能化を目的とした不織布同士の貼り合わせ加工が容易であり、各種工業用フィルター、電気絶縁材、電池セパレータおよび水処理用膜基材等の様々な産業用途への利用が可能となる。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布は、p−フェニレンスルフィドを主単位とし、前記p−フェニレンスルフィド以外に少なくとも1種以上の共重合単位を含有する共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂を主成分とするポリフェニレンスルフィド繊維から構成され、前記共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂の融点が190〜270℃のポリフェニレンスルフィド繊維不織布である。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布は、上記のとおり、p−フェニレンスルフィドを主単位とする共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂を主成分とするポリフェニレンスルフィド繊維からからなることが重要である。このようにすることにより、優れた難燃性および耐薬品性を得ることができる。
また、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布を構成する共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その融点が190〜270℃であること重要である。このようにすることにより、p−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分を含まないポリフェニレンスルフィド繊維よりも熱による接着性を向上させることができる。
本発明において、共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂とは、p−フェニレンスルフィドを主たる繰り返し単位として、当該単位以外に1種以上の共重合単位を共重合して構成されたものをいう。当該共重合PPS樹脂におけるp−フェニレンスルフィド単位の含有量は、全繰り返し単位に対して35〜97モル%であることが好ましい。p−フェニレンスルフィド単位の含有量を65モル%以上、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上とすることにより、耐熱性の低下を抑制することができる。一方、p−フェニレンスルフィド単位の含有量を97モル%以下、より好ましくは96モル%以下、さらに好ましくは95モル%以下とすることにより、熱接着性に優れた不織布を得ることができる。
共重合単位としては、下記の式(1)に示すm−フェニレンスルフィド単位や、その他には下記の式(2)〜(5)に示すもの等を好ましく挙げることができる。
Figure 0006357747
Figure 0006357747
Figure 0006357747
(ここでXは、アルキレン基、COまたはSOを表す。)
Figure 0006357747
Figure 0006357747
(ここでRは、アルキル基、ニトロ基、フェニレン基またはアルコキシ基を表す。)。
また、これらのようなp−フェニレンスルフィド以外の共重合単位成分が複数種存在していてもよい。中でも、熱接着性と耐熱性とのバランスのとれた融点が得られやすく、かつ繊維の曳糸性に優れる点からm−フェニレンスルフィドが好ましく用いられる。
共重合PPS樹脂における共重合量は、3〜35モル%が好ましい。共重合量を3モル%以上、より好ましくは4モル%以上、さらに好ましくは5モル%以上とすることにより、熱接着性に優れた繊維を得ることができる。一方、共重合量を35モル%以下、より好ましくは25モル%以下、さらに好ましくは20モル%以下とすることにより、耐熱性の低下を抑制することができる。
また、例えば下記式(6)に代表される3官能性フェニルスルフィドは、共重合PPS樹脂の1モル%以下に抑えることが、繊維の曳糸性に優れる点から好ましい態様である。
Figure 0006357747
本発明においては、中でも上記の共重合単位のうち、上記の式(1)に示すm−フェニレンスルフィド単位のものが特に好ましい。
また、共重合PPS樹脂における共重合の態様としては、ランダム共重合やブロック共重合等を挙げることができるが、中でも、熱接着性と耐熱性とのバランスのとれた融点に制御しやすい点から、ランダム共重合が好ましく用いられる。
本発明の不織布を構成する樹脂における共重合PPS樹脂の含有量は、難燃性、耐薬品性などの点から、85質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布を構成するポリフェニレンスルフィド樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲でPPS樹脂以外の熱可塑性樹脂をブレンドすることができる。PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂をブレンドすることができる。PPS以外の熱可塑以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィンおよびポリエーテルエーテルケトンなどの各種熱可塑性樹脂を挙げることができる。
また、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布を構成するポリフェニレンスルフィド樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、結晶核剤、艶消し剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤および難燃剤または親水剤等を添加することができる。
また、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布を構成する共重合PPS樹脂は、融点+30℃以上、融点+35℃以下の温度範囲内においてASTM D1238−70(測定荷重5kg荷重)に準じて測定されるMFRが100〜2000g/10分であることが好ましい。MFRを100g/10分以上、より好ましくは150g/10分以上とすることにより、良好な流動性をとり、容易に繊維状に細化することができる。一方、MFRを2000g/10分以下、より好ましくは1500g/10分以下とすることにより、口金の背面圧を適度に有し、紡糸安定性に優れるものとなる。
共重合PPS樹脂の融点は、190〜270℃であることが重要である。共重合PPS樹脂の融点を190℃以上、より好ましくは210℃以上、さらに好ましくは220℃以上とすることにより、耐熱性の低下を抑制することができる。一方、融点を270℃以下、より好ましくは265℃以下とすることにより、熱接着性に優れたポリフェニレンスルフィド繊維不織布を得ることができる。共重合PPS樹脂の融点は、共重合成分のモル比によって適宜調製することができる。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布を構成するPPS繊維の平均繊維径は、目的の用途に応じて適宜調整されるものであるが、0.1〜17μmであることが好ましい。平均繊維径を0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上とすることにより、ポリマーを引き伸ばして細化する際に、繊維が切れてショット(ポリマー塊状物)が発生することを抑制することができる。また、平均繊維径を17μm以下、より好ましくは14μm以下、さらに好ましくは10μm以下とすることにより、目付の均一性が低下するのを抑制するとともに、捕集性能や多孔性能の低下を防ぐことができる。
不織布の形態としては、例えば、ニードルパンチ不織布、湿式不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、レジンボンド不織布、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、トウ開繊式不織布およびエアレイド不織布等を挙げることができる。中でも、生産性が高く、かつ繊維径が細い不織布が得られ易いことからメルトブロー不織布が用いられる。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布の目付は、目的の用途に応じて適宜調整されるものであるが、10〜300g/mであることが好ましい。目付を10g/m以上、より好ましくは15g/m以上、さらに好ましくは20g/m以上とすることにより、実用に供し得る機械的強度の不織布を得ることができる。一方、目付を300g/m以下、より好ましくは250g/m以下、さらに好ましくは200g/m以下とすることにより、適度な通気性を有し、フィルター等で使用する場合には高圧損となることを抑制することができる。
また本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布の厚みを、好ましくは0.01〜1.2mm、より好ましくは0.02〜1.1mm、さらに好ましくは0.03〜1mmとすることにより、適度なハンドリング性を付与することができる。
次に、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布を製造する方法について、好ましい態様を説明する。
本発明で用いられる共重合PPS樹脂の重合方法としては、種々の方法があるが、硫化アルカリとp−ジハロルベンゼン(主成分モノマ)および副成分モノマを前述のような共重合率に対応したモル比率で配合し、極性溶媒中、重合助剤の存在化下で、高温、高圧で重合する方法が、得られるポリマーの重合度を上昇させやすく好ましい態様である。特に、硫化アルカリとして硫化ナトリウムを用い、主成分モノマとしてp−ジクロベンゼンを用い、溶媒としてN−メチルピロリドンを用いることが好ましい。
また、副成分モノマとしては、前述の式(1)のm−フェニレンスルフィド単位を導入するには、次式(7)に示すモノマを用いることができる。
Figure 0006357747
また、前述の式(2)の共重合単位を導入するには、次式(8)に示すモノマを用いることができる。
Figure 0006357747
また、前述の式(3)の共重合単位を導入するには、次式(9)示すモノマを用いることができる。
Figure 0006357747
(ここでXは、アルキレン基、COまたはSOを表す。)。
また、前述の式(4)の共重合単位を導入するには、次式(10)に示すモノマを用いることができる。
Figure 0006357747
また、前述の式(5)の共重合単位を導入するには、次式(11)に示すモノマを用いることができる。
Figure 0006357747
(ここでRは、アルキル基、ニトロ基、フェニレン基またはアルコキシ基を表す。)。
中でも、m−フェニレンスルフィドを共重合単位とすることにより、熱接着性と耐熱性とのバランスのとれた融点が得られやすく、かつ繊維の曳糸性に優れることから、上記の式(7)に示す副成分モノマが好ましく用いられる。また、これらの複数の副成分モノマが存在してもかまわない。
次に、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維不織布の好ましい態様として、メルトブロー法により不織布を製造する方法を、次に説明する。
メルトブロー法は、樹脂を溶融し、紡糸口金から押し出した後、該溶融樹脂に加熱高速ガス流体等を吹き当てて引き伸ばすことにより繊維状に細化し、移動するコンベア上に捕集してシート状にする工程を要する製造方法である。
樹脂を溶融し、紡糸する際の紡糸温度は、使用する共重合PPS樹脂の融点により適宜調整されるものである。例えば、PPS樹脂を溶融する押出機および紡糸口金の温度は、使用する樹脂の融点よりも10〜50℃高い温度であることが好ましい。PPS樹脂を溶融する押出機の温度が低すぎると、PPS樹脂が固化または低流動化し、また高すぎるとPPS樹脂の劣化が促進される。
加熱高速ガスの温度は、紡糸温度よりも0℃以上高くすることにより、繊維を効率よく細化できるとともに、繊維同士の自己融着により実用に耐えうる強度の不織布を得ることができる。また、加熱高速ガスの温度を紡糸温度よりも好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下、さらに好ましくは20℃以下に設定することにより、ショット(ポリマー塊状物)の発生を抑制し、不織布を安定して製造することができる。
また、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布は、後工程で緊張下での熱処理を行い、結晶化度を向上させて熱に対する寸法安定性を向上させることもできる。この熱処理の方法としては、例えば、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布をピンテンターやクリップテンター等の機械を使用し、シート端を把持しながら、不織布の結晶化温度以上、融点以下の温度、より好ましくは結晶化温度以上、融点−20℃以下の温度で、時間にして好ましくは1〜600秒間、より好ましくは5〜60秒間熱処理する方法が挙げられる。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布を構成するPPS繊維は、熱接着性に優れることから、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維不織布の層の少なくとも1層以上と、本発明とは異なる不織布の層の少なくとも1層以上とを熱接着により積層一体化することにより、引張強力や剛性等の強化を図ることができる。
積層する不織布の層の数は、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布の1〜2層と、本発明とは異なる不織布の1〜2層の組み合わせが生産効率の面から好ましい態様である。この積層加工は、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維不織布の片面に施すことができ、また、本発明のポリフェニレンスルフィド繊維不織布を両面から挟み込むようにして施すこともできる。
積層に用いる本発明とは異なる不織布の層の1層当たりの目付は10〜300g/mとすることが好ましい。目付を10g/m以上、より好ましくは20g/m以上とすることにより、実用に供し得る引張強力や剛性等を有する不織布積層体を得ることができる。一方、目付を300g/m以下、より好ましくは250g/m以下、さらに好ましくは200g/m以下とすることにより、適度な通気性を有し、フィルター等で使用する場合には高圧損となることを抑制することができる。
積層した後の不織布の厚さは、積層する前の不織布の目付や厚さによって変わるものであるが、ハンドリング性や剛性の面から0.02〜1mmの範囲内とすることが好ましい。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布と積層する不織布の形態としては、好ましい形態の一例として、ポリフェニレンスルフィドを主成分とするスパンボンド不織布が挙げられる。スパンボンド不織布は、難燃性と耐薬品性を保ちつつ、積層後の剛性や機械強度等を高めることができ、かつ生産性にも優れる。
上記のスパンボンド不織布の平均繊維径は、5〜30μmとすることが好ましい。平均繊維径を5μm以上、より好ましくは10μm以上とすることにより、不織布積層体の通気量や剛性の低下を防ぐことができる。また、平均繊維径を30μm以下とすることにより、スパンボンド不織布製造時に、糸条の冷却不足による糸切れを防ぐことができる。
不織布を積層して一体化する熱接着の方法としては、例えば、上下一対のロール表面にそれぞれ彫刻が施された熱エンボスロール、片方のロール表面がフラット(平滑)なロールと他方のロール表面に彫刻が施されたロールとの組み合わせからなる熱エンボスロール、上下一対のフラット(平滑)ロールの組み合わせからなる熱カレンダーロールなど各種ロールによる熱圧着や、不織ウェブの厚み方向に熱風を通過させるエアスルー方式を適用することができる。カレンダーロールとしては、上下金属ロールの組み合わせでも良いし、金属ロールと樹脂あるいはペーパーロールとの組み合わせのものを用いることもできる。この熱接着は不織布の全面に施すことができ、また、部分的に施すこともできる。
本発明のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布は、PPS樹脂の難燃性、耐薬品性を有しながら、熱接着性に優れるため、各種工業用フィルター、電気絶縁材、電池セパレータおよび水処理用膜基材等の繊維径が細く、貼り合わせ加工性が必要とされる用途に好適である。
次に、実施例に基づき本発明ポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布とその製造方法を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[測定方法]
(1)メルトフローレート(MFR)(g/10分)
使用したポリフェニレンスルフィド樹脂のMFRは、ASTM D1238−70に準じて、樹脂の融点+30℃以上、融点+35℃以下の温度範囲内において、測定荷重5kgの条件で測定した。
(2)融点(℃)
共重合PPS樹脂の融点は、示差走査熱量計(TA Instruments社製Q100)を用いて、次の条件で測定し、吸熱ピーク頂点温度の平均値を算出して、測定対象の融点とした。繊維形成前の樹脂において吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側のピーク頂点温度とする。また、繊維を測定対象とする場合には、同様に測定し、複数の吸熱ピークから各成分の融点を推定することができる。
・測定雰囲気:窒素流(150ml/分)
・温度範囲 :30〜350℃
・昇温速度 :20℃/分
・試料量 :5mg
(3)平均繊維径(μm)
コンベア上に捕集したシートからランダムに小片サンプル10個を採取し、マイクロスコープで500〜1000倍の表面写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維の幅を測定し、平均値を算出した。
(4)不織布の目付(g/m
JIS L1913(2010年)6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m当たりの質量(g/m)で表した。
(5)層間剥離
積層した不織布を手で剥離し、層間の熱接着性を確認した。接着性良好の場合(表1では「○」で表記)は、手で剥離した際にきれいに2層以上に分離することが困難であった。一方、接着不良の場合(表1では「×」で表記)は、容易に各層に分離することができた。
[実施例1]
(原料)
p−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分としてm−フェニレンスルフィドを15モル%含有する共重合PPS樹脂を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥し、原料として使用した。この共重合PPS樹脂の融点は239℃で、上記乾燥前に温度270℃において測定したMFRは、270g/10分であった。
(紡糸とシート化)
上記の共重合PPS樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度275℃で、孔径(直径)が0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.35g/分で押し出し、空気加熱器で283℃の温度に加熱した空気を圧力0.18MPaで吹き当てて、上記の口金からの距離130mmの位置にある移動するコンベア上に捕集して、目付80g/mのシートを得た。得られたPPS繊維の平均繊維径は8.0μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。結果を表1に示す。
(不織布の積層加工)
採取した不織布の両端をピンテンターで把持しながら、加熱温度150℃で60秒間の緊張熱処理を施した後、他に準備した目付が100g/mで、繊維径が18μmのスパンボンド不織布で両面から挟み込み、積層加工を行った。積層加工には、片方がフラットロールで、他方が彫刻ロールからなる熱エンボスロールを使用し、加工温度は215℃とした。上記の熱接着による積層加工で得られた不織布積層体を層間剥離した結果、層間の熱接着性は良好であった。
[実施例2]
(原料)
実施例1と同じ共重合PPS樹脂を、原料として用いた。
(紡糸とシート化)
単孔吐出量0.18g/分としたこと以外は、実施例1と同じ条件で、紡糸し、シート化した。得られたPPS繊維の平均繊維径は4.2μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。
(不織布の積層加工)
採取した不織布を実施例1と同じ手順で緊張熱処理し、不織布の積層加工を行った。得られた不織布積層体を層間剥離した結果、層間の熱接着性は良好であった。結果を表1に示す。
[実施例3]
(原料)
p−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分としてm−フェニレンスルフィドを10モル%含有する共重合PPS樹脂を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥し、原料として使用した。この共重合PPS樹脂の融点は257℃で、上記の乾燥前に温度290℃において測定したMFRは300g/10分、であった。
(紡糸とシート化)
上記の共重合PPS樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度292℃で、孔径(直径)が0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.38g/分で押し出し、空気加熱器で300℃の温度に加熱した空気を圧力0.18MPaで吹き当てて、上記の口金からの距離130mmの位置にある移動するコンベア上に捕集して、目付80g/mのシートを得た。得られたPPS繊維の平均繊維径は8.5μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。
(不織布の積層加工)
採取した不織布を実施例1と同じ手順で緊張熱処理し、不織布の積層加工を行った。得られた不織布積層体を層間剥離した結果、層間の熱接着性は良好であった。結果を表1に示す。
[実施例4]
(原料)
p−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分としてm−フェニレンスルフィドを5モル%含有する共重合PPS樹脂を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥し、原料として使用した。この共重合PPS樹脂の融点は263℃で、上記乾燥前に温度295℃において測定したMFRは290g/10分、であった。
(紡糸とシート化)
上記の共重合PPS樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度298℃で、孔径φ0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.38g/分で押し出し、空気加熱器で306℃の温度に加熱した空気を圧力0.18MPaで吹き当てて、上記の口金からの距離130mmの位置にある移動するコンベア上に捕集して、目付80g/mのシートを得た。得られたPPS繊維の平均繊維径は8.7μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。
(不織布の積層加工)
採取した不織布を実施例1と同じ手順で緊張熱処理し、不織布の積層加工を行った。得られた不織布積層体を層間剥離した結果、層間の熱接着性は良好であった。結果を表1に示す。
[比較例1]
(原料)
p−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分を含まないPPS樹脂を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥し、原料として使用した。このPPS樹脂の融点は281℃で、上記乾燥前に温度315.5℃において測定したMFRは600g/10分、であった。
(紡糸と不織ウェブ化)
上記のPPS樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度310℃で、孔径φ0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.38g/分で押し出し、空気加熱器で318℃の温度に加熱した空気を圧力0.15MPaで吹き当てて、上記の口金からの距離130mmの位置にある移動するコンベア上に捕集して、目付80g/mのシートを得た。得られたPPS繊維の平均繊維径は7.0μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。
(不織布の積層加工)
採取した不織布を実施例1と同じ手順で緊張熱処理し、不織布の積層加工を行った。得られた不織布積層体を層間剥離した結果、容易に3層に分離でき、熱接着性不良であった。結果を表1に示す。
Figure 0006357747
共重合PPS樹脂を使用した実施例1〜4のメルトブロー不織布は、比較例1のp−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分を含まないPPS樹脂を使用した不織布と比較して、積層加工時の熱接着性が改善されていた。

Claims (4)

  1. p−フェニレンスルフィドを主単位とし、前記p−フェニレンスルフィド以外に少なくとも1種以上の共重合単位を含有する共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂を主成分とするポリフェニレン長繊維不織布積層用ポリフェニレンスルフィド繊維から構成されてなるメルトブロー不織布であって、前記共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂の融点が190〜270℃であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布。
  2. 共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂が、くり返し単位の65〜97モル%がp−フェニレンスルフィドからなり、3〜35モル%がm−フェニレンスルフィドからなる共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂である請求項1記載のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布。
  3. ポリフェニレンスルフィド繊維の平均繊維径が、0.1〜17μmである請求項1または2記載のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布の層の少なくとも1層以上と、ポリフェニレンスルフィドを主成分とする長繊維不織布の層の少なくとも1層以上とが、積層一体化されてなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維不織布積層体。
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