JP6357747B2 - ポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布 - Google Patents
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Description
本発明において、共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂とは、p−フェニレンスルフィドを主たる繰り返し単位として、当該単位以外に1種以上の共重合単位を共重合して構成されたものをいう。当該共重合PPS樹脂におけるp−フェニレンスルフィド単位の含有量は、全繰り返し単位に対して35〜97モル%であることが好ましい。p−フェニレンスルフィド単位の含有量を65モル%以上、より好ましくは75モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上とすることにより、耐熱性の低下を抑制することができる。一方、p−フェニレンスルフィド単位の含有量を97モル%以下、より好ましくは96モル%以下、さらに好ましくは95モル%以下とすることにより、熱接着性に優れた不織布を得ることができる。
(1)メルトフローレート(MFR)(g/10分)
使用したポリフェニレンスルフィド樹脂のMFRは、ASTM D1238−70に準じて、樹脂の融点+30℃以上、融点+35℃以下の温度範囲内において、測定荷重5kgの条件で測定した。
共重合PPS樹脂の融点は、示差走査熱量計(TA Instruments社製Q100)を用いて、次の条件で測定し、吸熱ピーク頂点温度の平均値を算出して、測定対象の融点とした。繊維形成前の樹脂において吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側のピーク頂点温度とする。また、繊維を測定対象とする場合には、同様に測定し、複数の吸熱ピークから各成分の融点を推定することができる。
・測定雰囲気:窒素流(150ml/分)
・温度範囲 :30〜350℃
・昇温速度 :20℃/分
・試料量 :5mg
(3)平均繊維径(μm)
コンベア上に捕集したシートからランダムに小片サンプル10個を採取し、マイクロスコープで500〜1000倍の表面写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維の幅を測定し、平均値を算出した。
JIS L1913(2010年)6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
積層した不織布を手で剥離し、層間の熱接着性を確認した。接着性良好の場合(表1では「○」で表記)は、手で剥離した際にきれいに2層以上に分離することが困難であった。一方、接着不良の場合(表1では「×」で表記)は、容易に各層に分離することができた。
(原料)
p−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分としてm−フェニレンスルフィドを15モル%含有する共重合PPS樹脂を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥し、原料として使用した。この共重合PPS樹脂の融点は239℃で、上記乾燥前に温度270℃において測定したMFRは、270g/10分であった。
上記の共重合PPS樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度275℃で、孔径(直径)が0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.35g/分で押し出し、空気加熱器で283℃の温度に加熱した空気を圧力0.18MPaで吹き当てて、上記の口金からの距離130mmの位置にある移動するコンベア上に捕集して、目付80g/m2のシートを得た。得られたPPS繊維の平均繊維径は8.0μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。結果を表1に示す。
採取した不織布の両端をピンテンターで把持しながら、加熱温度150℃で60秒間の緊張熱処理を施した後、他に準備した目付が100g/m2で、繊維径が18μmのスパンボンド不織布で両面から挟み込み、積層加工を行った。積層加工には、片方がフラットロールで、他方が彫刻ロールからなる熱エンボスロールを使用し、加工温度は215℃とした。上記の熱接着による積層加工で得られた不織布積層体を層間剥離した結果、層間の熱接着性は良好であった。
(原料)
実施例1と同じ共重合PPS樹脂を、原料として用いた。
単孔吐出量0.18g/分としたこと以外は、実施例1と同じ条件で、紡糸し、シート化した。得られたPPS繊維の平均繊維径は4.2μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。
採取した不織布を実施例1と同じ手順で緊張熱処理し、不織布の積層加工を行った。得られた不織布積層体を層間剥離した結果、層間の熱接着性は良好であった。結果を表1に示す。
(原料)
p−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分としてm−フェニレンスルフィドを10モル%含有する共重合PPS樹脂を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥し、原料として使用した。この共重合PPS樹脂の融点は257℃で、上記の乾燥前に温度290℃において測定したMFRは300g/10分、であった。
上記の共重合PPS樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度292℃で、孔径(直径)が0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.38g/分で押し出し、空気加熱器で300℃の温度に加熱した空気を圧力0.18MPaで吹き当てて、上記の口金からの距離130mmの位置にある移動するコンベア上に捕集して、目付80g/m2のシートを得た。得られたPPS繊維の平均繊維径は8.5μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。
採取した不織布を実施例1と同じ手順で緊張熱処理し、不織布の積層加工を行った。得られた不織布積層体を層間剥離した結果、層間の熱接着性は良好であった。結果を表1に示す。
(原料)
p−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分としてm−フェニレンスルフィドを5モル%含有する共重合PPS樹脂を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥し、原料として使用した。この共重合PPS樹脂の融点は263℃で、上記乾燥前に温度295℃において測定したMFRは290g/10分、であった。
上記の共重合PPS樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度298℃で、孔径φ0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.38g/分で押し出し、空気加熱器で306℃の温度に加熱した空気を圧力0.18MPaで吹き当てて、上記の口金からの距離130mmの位置にある移動するコンベア上に捕集して、目付80g/m2のシートを得た。得られたPPS繊維の平均繊維径は8.7μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。
採取した不織布を実施例1と同じ手順で緊張熱処理し、不織布の積層加工を行った。得られた不織布積層体を層間剥離した結果、層間の熱接着性は良好であった。結果を表1に示す。
(原料)
p−フェニレンスルフィドを主単位とし、共重合成分を含まないPPS樹脂を、窒素雰囲気中で160℃の温度で10時間乾燥し、原料として使用した。このPPS樹脂の融点は281℃で、上記乾燥前に温度315.5℃において測定したMFRは600g/10分、であった。
上記のPPS樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度310℃で、孔径φ0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.38g/分で押し出し、空気加熱器で318℃の温度に加熱した空気を圧力0.15MPaで吹き当てて、上記の口金からの距離130mmの位置にある移動するコンベア上に捕集して、目付80g/m2のシートを得た。得られたPPS繊維の平均繊維径は7.0μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性良好であった。
採取した不織布を実施例1と同じ手順で緊張熱処理し、不織布の積層加工を行った。得られた不織布積層体を層間剥離した結果、容易に3層に分離でき、熱接着性不良であった。結果を表1に示す。
Claims (4)
- p−フェニレンスルフィドを主単位とし、前記p−フェニレンスルフィド以外に少なくとも1種以上の共重合単位を含有する共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂を主成分とするポリフェニレン長繊維不織布積層用ポリフェニレンスルフィド繊維から構成されてなるメルトブロー不織布であって、前記共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂の融点が190〜270℃であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布。
- 共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂が、くり返し単位の65〜97モル%がp−フェニレンスルフィドからなり、3〜35モル%がm−フェニレンスルフィドからなる共重合ポリフェニレンスルフィド樹脂である請求項1記載のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布。
- ポリフェニレンスルフィド繊維の平均繊維径が、0.1〜17μmである請求項1または2記載のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリフェニレンスルフィド繊維からなるメルトブロー不織布の層の少なくとも1層以上と、ポリフェニレンスルフィドを主成分とする長繊維不織布の層の少なくとも1層以上とが、積層一体化されてなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド繊維不織布積層体。
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