JP2020006294A - フィルター濾材貼り合わせ用不織布および積層不織布ならびにそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貼り合わせ加工後も濾過性能を低下させることなく、貼り合わせ加工性に優れるフィルター濾材貼り合わせ用不織布およびフィルター積層体ならびにそれらの製造方法の提供。【解決手段】熱可塑性樹脂を主成分としてなるメルトブロー不織布であって、通気量が5cm3/(cm2・sec)以上50cm3/(cm2・sec)以下であり、一方の面が、KES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面であって、他方の面が、前記平滑面に対してKES法による表面粗さSMDが0.23μm以上高い非平滑面であるフィルター濾材貼り合わせ用不織布。【選択図】なし
Description
本発明は、濾過性能に優れ、かつ、貼り合わせ加工性に優れるフィルター濾材貼り合わせ用不織布および積層不織布ならびにそれらの製造方法に関するものである。
近年、中華人民共和国をはじめとした経済成長の著しい国において、環境に対する意識が高くなってきている。その一例として、石炭ボイラー等から排出されるダストであるPM2.5の増加に対する環境政策が挙げられる。この政策では厳しい排出基準を達成することが求められており、これらの環境規制を背景として、より高濾過性能なフィルターが要求されている。
このようなフィルターとして、例えば、海島繊維を脱海し得られた繊維径が200〜2000nmの極細繊維を含むスパンレース不織布を濾材とし、基材と貼り合わせたバグフィルターが挙げられる(特許文献1参照。)。
また、ダスト捕集層をポリフェニレンスルフィドからなるメルトブロー不織布とし、耐熱性を有する繊維から構成される不織布、フェルト、織物または編み物を強度保持層とし、水流交絡法により積層してなるバグフィルター用ろ布が提案されている。
確かにこれらの提案によれば、従来よりも優れた濾過性能を有するバグフィルターろ布を得ることができる。
確かにこれらの提案によれば、従来よりも優れた濾過性能を有するバグフィルターろ布を得ることができる。
しかしながら、前記の特許文献1では、2000nm以下の極細繊維からなりかつ、熱圧着による貼り合わせを実施しており、濾過性能は優れるものの、濾過層が緻密であるため圧力損失の上昇が早く、長時間の使用が困難である。また、特許文献2では、交絡による積層加工を実施しており、絡合部よりダストが漏れ出し濾過性能の低下する懸念がある。さらにメルトブロー不織布であるダスト捕集層は熱処理を実施していないため、逆洗時に破れが発生したり、90℃以上の環境下での使用時に著しく熱収縮したりと、十分な濾過性能が発揮できないといった課題がある。
そこで本発明の目的は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、貼り合わせ加工時の毛羽立ちによる性能低下をさせることのない、フィルター濾材へ貼り合わせるためのフィルター濾材貼り合わせ用不織布を提供すること、および、貼り合わせ加工性後も濾過性能に優れるフィルター積層体を提供すること、ならびに、それらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、特定の条件で不織布を熱処理することによって、フィルター濾材を貼り合わせる際の接着性と加工性に優れるフィルター濾材貼り合わせ用不織布が得られることを見出し、さらにこの不織布が濾過性能の低下を大幅に抑制できるという知見を得た。
本発明は、これら知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布は、熱可塑性樹脂を主成分としてなるメルトブロー不織布であるフィルター濾材貼り合わせ用不織布であって、通気量が5cm3/(cm2・sec)以上50cm3/(cm2・sec)以下であり、一方の面が、KES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面であって、他方の面が、前記の平滑面に対してKES法による表面粗さSMDが0.23μm以上高い非平滑面である。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の好ましい態様によれば、前記の平滑面が、JIS L0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」 9.2「摩擦試験機II形(学振形)法」に準じて測定を行う毛羽立ち試験の評価が5であり、かつ、平滑面の毛羽立ち試験の評価と非平滑面の毛羽立ち試験の評価との間の差である耐摩耗性差が1以上である。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の好ましい態様によれば、前記のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の破裂強度が20kPa以上である。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の好ましい態様によれば、前記の熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンスルフィドまたはポリエステルからなる。
本発明のフィルター積層体は、前記のいずれかに記載のフィルター濾材貼り合わせ用不織布と、強度保持層とが貼り合わせられてなるフィルター積層体であり、前記のフィルター濾材貼り合わせ不織布の平滑面が濾過面であって、前記非平滑面と強度保持層とが互いに接する面の表面のみが熱融着されてなる。
本発明のフィルター積層体の好ましい態様によれば、前記の強度保持層が、ポリフェニレンスルフィド、メタアラミド、ポリイミド、フッ素およびガラスのうち少なくとも1つを主成分としてなる、不織布、フェルト、織物、または編物である。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法は、熱可塑性樹脂を主成分とする繊維からなるメルトブロー不織布を形成する製布工程と、ベルトプレス装置を通過させることによって前記のメルトブロー不織布を熱処理する熱処理工程と、を有するフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法であって、前記のベルトプレス装置として、表面が平滑で可とう性を有する素材からなるベルトからなる2組のベルトコンベアを有するものを用い、さらに、前記の2組のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアの表面温度を冷結晶化温度以上(融点−3℃)以下となるよう加熱し、他方のベルトコンベアの表面温度を(軟化点温度−3℃)以下とすることで、前記のメルトブロー不織布の一方の面にKES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面を形成し、他方の面に、前記平滑面に対してKES法による表面粗さSMDが0.23μm以上高い非平滑面を形成する。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法の好ましい態様によれば、前記の熱処理工程において、前記のメルトブロー不織布の前記の他方のベルトコンベア側の面に離型性を有するシートを全幅において重ね合わせ、該シートが前記のメルトブロー不織布と前記の他方のベルトコンベアの間に挟まれるよう搬送する。
本発明のフィルター積層体の製造方法は、前記の製布工程、および、前記の熱処理工程の後に、さらに、ポリフェニレンスルフィド、メタアラミド、ポリイミド、フッ素およびガラスのうち少なくとも1つを主成分としてなる、不織布、フェルト、織物、または編物である強度保持層と前記のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の非平滑面とを貼り合わせる、貼り合わせ工程を有する。
本発明のフィルター積層体の製造方法の好ましい態様によれば、前記の貼り合わせ工程において、火炎溶融法により貼り合わせる。
本発明によれば、貼り合わせ加工時の毛羽立ちによる性能低下をさせることのない、フィルター濾材貼り合わせ用不織布を提供し、貼り合わせ加工後も濾過性能に優れるフィルター積層体を得ることができる。特に、本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布およびフィルター積層体は、フィルター濾材貼り合わせ用不織布層が極細繊維からなり、貼り合わせ面が規定の表面粗さを有する非平滑面となるという特徴から、フィルター濾材貼り合わせ用不織布層を緻密化することなく貼り合わせ可能となるので、フィルター等の産業用途に好適に用いることができる。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布は、熱可塑性樹脂を主成分としてなるメルトブロー不織布であって、通気量が5cm3/(cm2・sec)以上50cm3/(cm2・sec)以下であり、一方の面が、KES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面であって、他方の面が、前記平滑面に対してKES法による表面粗さSMDが0.23μm以上高い非平滑面である。以下に、この詳細について説明する。
(熱可塑性樹脂)
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の熱可塑性樹脂の主成分としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、およびポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂や、これらを共重合した熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の熱可塑性樹脂の主成分としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、およびポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂や、これらを共重合した熱可塑性樹脂が挙げられる。
これらの中でも、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびポリエステル樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂は、繊維の曳糸性に優れている一方、製布後の不織ウェブは熱寸法安定性が非常に低いという課題があるが、本発明のメルトブロー不織布の製造方法を用いることにより熱寸法安定性を付与することでき、高温下での使用が可能となる好ましい態様の一例である。
また、本発明において、「主成分とする」とは、「当該成分を85質量%以上含有し、当該成分のみからなる場合も含まれること」を意味する。
よって、前記の熱可塑性樹脂には、本発明の効果を発揮する範囲内において、所望の特性に合わせ、結晶核剤、艶消し剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、難燃剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤および親水剤等を添加することができる。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布を構成する繊維の主成分である熱可塑性樹脂は、融点+34.5℃の温度において、ASTM D1238−70(測定荷重5kg重)に準じて測定されるMFRが100g/10分以上2000g/10分以下であることが好ましい態様である。MFRを100g/10分以上、より好ましくは150g/10分以上とすることにより、良好な流動性をとり、容易に繊維状に細化することができる。一方、MFRを2000g/10分以下、より好ましくは1500g/10分以下とすることにより、口金の背面圧を適度に有し、紡糸安定性に優れるものとなる。
(メルトブロー不織布と製布工程)
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法においては、前記の熱可塑性樹脂を主成分とする繊維からなるメルトブロー不織布を形成する製布工程を有することが重要である。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法においては、前記の熱可塑性樹脂を主成分とする繊維からなるメルトブロー不織布を形成する製布工程を有することが重要である。
前記のメルトブロー不織布は、一般的に、紡糸口金から紡出された糸条に加熱した圧空を吹き付け、繊維を細化し自己融着させ、吐出された繊維を捕集装置上に堆積させて製布されるものである。圧空を吹き付けられることにより細化されるため、スパンボンドやフラッシュ紡糸のような長繊維不織布よりも繊維径分布にバラツキのある不織布である。すなわち、繊維径の細いものから太いものまで一定のばらつきを持って含有されることから、少なくとも単峰性以上の繊維径分布となり、捕集性能に優れかつ通気性にも優れる不織布を得ることができる。
一般に、メルトブロー不織布以外の不織布形態として、例えば、スパンボンド不織布、フラッシュ紡糸不織布、湿式不織布、カード不織布およびエアレイド不織布等を挙げることができるが、スパンボンド不織布、カード不織布およびエアレイド不織布は、繊維径が太く目付均一性に劣るため、表面粗さが大きくなりやすい。また、フラッシュ紡糸不織布は、高密度であるため通気量が低下し圧力損失が向上するという傾向がある。
本発明に係るメルトブロー不織布においては、メルトブロー不織布を構成する繊維の平均単繊維径が0.1μm以上10.0μm以下であることが好ましい。平均単繊維径を好ましくは10.0μm以下、より好ましくは8.0μm以下、さらに好ましくは6.0μm以下とすることにより、メルトブロー不織布の目付の均一性を向上させ、捕集効率に優れるフィルター濾材貼り合わせ用不織布を得ることができる。一方、平均単繊維径を好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上とすることにより、製造過程においてポリマーを引き伸ばして細化する際に、繊維が切れてショット(ポリマー塊状物)が発生することを抑制することができ、またフィルター濾材として使用する際には圧損の上昇を防ぐことができる。
メルトブロー不織布の厚さは、2.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mm以下である。厚さをこのように設定することにより、メルトブロー不織布の厚さ方向中央部の加熱が不十分となることを防ぎ、内部まで熱結晶化させ、メルトブロー不織布全体に十分な熱寸法安定性を付与することができる。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法によれば、メルトブロー不織布の目付が低くても地合を悪化や波打ちを発生させることなく熱処理加工を施すことができるが、実用に供し得る機械的強度のメルトブロー不織布を得るため、目付は10g/m2以上であることが好ましく、より好ましくは20g/m2以上である。一方、目付は、より好ましくは400g/m2以下であり、さらに好ましくは200g/m2以下とすることで、後述する熱処理工程において、内部まで厚み方向に加熱ムラを生じさせることなく十分に熱結晶化させることができる。
本発明に係る製布工程において、樹脂を溶融する押出機および紡糸口金の温度は、(使用する樹脂の融点+10℃)以上(該融点+50℃)以下であることが好ましい。この範囲とすることで、樹脂の固化、低流動化、あるいは、高温による樹脂の劣化を防ぐことができる。
また、本発明に係る製布工程において、加熱高速ガスの温度は、紡糸温度よりも0℃以上高くすることにより、繊維を効率よく細化できるとともに、繊維同士の自己融着により実用に耐えうる強度のメルトブロー不織布を得ることができる。また、加熱高速ガスの温度を紡糸温度よりも好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下、さらに好ましくは20℃以下に設定することにより、ショット(ポリマー塊状物)の発生を抑制し、不織布を安定して製造することができる。
(熱処理工程とフィルター濾材貼り合わせ用不織布)
続いて、本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法においては、後述するベルトプレス装置を通過させることによって前記のメルトブロー不織布を熱処理する熱処理工程を有することが重要である。以下に、さらに詳細を説明する。
続いて、本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法においては、後述するベルトプレス装置を通過させることによって前記のメルトブロー不織布を熱処理する熱処理工程を有することが重要である。以下に、さらに詳細を説明する。
(1)熱処理工程
本発明に係る熱処理工程においては、前記のベルトプレス装置として、表面が平滑で可とう性を有する素材からなるベルトからなる2組のベルトコンベアを有するものを用い、さらに、前記の2組のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアの表面温度を冷結晶化温度以上(融点−3℃)以下となるよう加熱し、他方のベルトコンベアの表面温度を(軟化点温度−3℃)以下とすることで、前記のメルトブロー不織布の一方の面にKES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面を形成し、他方の面に、前記の平滑面に対して0.23μm以上高い表面粗さSMDである非平滑面を形成することが重要である。
本発明に係る熱処理工程においては、前記のベルトプレス装置として、表面が平滑で可とう性を有する素材からなるベルトからなる2組のベルトコンベアを有するものを用い、さらに、前記の2組のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアの表面温度を冷結晶化温度以上(融点−3℃)以下となるよう加熱し、他方のベルトコンベアの表面温度を(軟化点温度−3℃)以下とすることで、前記のメルトブロー不織布の一方の面にKES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面を形成し、他方の面に、前記の平滑面に対して0.23μm以上高い表面粗さSMDである非平滑面を形成することが重要である。
ここで、「1組のベルトコンベア」とは、無端ベルトとベルトを回転させる駆動部とを備えた一式のベルトコンベア設備を意味する。従って、前記の2組のベルトコンベアとは、メルトブロー不織布に対し、上記の一式のベルトコンベア設備が上面側、下面側のそれぞれに設置されている設備群のことを指す。
前記のメルトブロー不織布を、2組のベルトコンベアによって挟み込み、不織ウェブの全面が十分に把持された状態で、加熱したベルト表面との接触加熱によって、不織ウェブが熱処理されることにすることによって、メルトブロー不織布の一部が把持された状態で行われる緊張熱処理と比較して、繊維の融着の度合いや目付ムラによる部分的なシートの収縮を抑制し、地合の悪化や波打ちを発生させることなく、メルトブロー不織布を熱処理することができる。
また、本発明に係る熱処理工程においては、メルトブロー不織布を挟み込むコンベアベルトが可とう性を有する素材からなるベルトであることが重要である。
ここで、「可とう性を有する」とは、1枚ものでベルトコンベアのベルトとして使用可能な程度の可とう性を意味する。好ましいベルトの素材の一例として、ガラス繊維などの繊維素材が芯材として編み込まれた“テフロン”(登録商標)樹脂(ポリ四フッ化エチレン樹脂)ベルトなどが挙げられる。可とう性を有するベルトは、メルトブロー不織布の厚さムラにも柔軟に追従できるため、例えば複数の金属片をつなぎ合わせたり金属板を並べたりしたもののような可とう性を有していないベルトの場合のように、部分的にメルトブロー不織布の把持が甘い箇所が発生しにくく、メルトブロー不織布をベルトコンベアで挟み込んだ際にメルトブロー不織布全面を十分に把持することができる。
本発明に係る熱処理工程においては、前記の平滑面と接触するベルト表面のベック平滑度は、0.5秒以上であることが好ましく、より好ましくは1秒以上であり、さらに好ましくは2秒以上である。このようにすることにより、加熱によって軟化したメルトブロー不織布に、ベルト表面の凹凸を転写することを防ぐことができる。また、ベック平滑度を好ましくは1000秒以下、より好ましくは500秒以下、さらに好ましくは300秒以下とすることにより、熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布がベルト表面に貼り付き、加工性が悪化することを防ぐことができる。
製布された後のメルトブロー不織布が熱処理されると、繊維同士の融着が進行して厚さが薄くなることから、熱処理している間、常にメルトブロー不織布全面が把持された状態を維持するため、メルトブロー不織布を挟み込む2組のベルトコンベアのベルト間の隙間(クリアランス)は、2mm以下で、かつ熱処理工程後のメルトブロー不織布であるフィルター濾材貼り合わせ用不織布の厚さよりも小さいことが好ましい。
また、メルトブロー不織布が挟み込まれるコンベアベルトの厚さは、0.1mm以上3mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1mm以上2mm以下であり、さらに好ましくは0.1mm以上1mm以下である。コンベアベルトの厚さをこのようにすることにより、コンベアベルトに柔軟性を持たせ、メルトブロー不織布の厚さムラにも柔軟に追従し、メルトブロー不織布全体を十分に把持させることができる。
本発明に係る熱処理工程においては、前記の前記2組のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアの表面温度を冷結晶化温度以上(融点−3℃)以下となるよう加熱し、他方のベルトコンベアの表面温度を(軟化点温度−3℃)以下とすることが重要である。このようにすることで、冷結晶化温度以上で加熱されたメルトブロー不織布の表面を構成する繊維を熱結晶化させ平滑な面となり、もう一方の軟化点温度以下で処理された面は表面が粗く、毛羽立ち性のあるフィルター濾材貼り合わせ用不織布とすることができる。
さらに、平滑面となる片面のベルトコンベアの表面温度を(前記の熱可塑性樹脂の融点−3℃以下)とすることが重要であり、より好ましくは(融点−30℃)以下、さらに好ましくは(融点−60℃)以下とすることにより、繊維の熱結晶化が進行する前に不織布が軟化し、繊維同士が融着してフィルム状のものとなったり、繊維の結晶化が過度に進行してシートの風合いを張りのある破れやすいものになったりすることを防ぐことができる。
また、非平滑面となるもう片面のベルトコンベアの表面温度を、(前記の熱可塑性樹脂の軟化点温度の−3℃以下)とすることが重要であり、より好ましくは(軟化点温度の−10℃以下)、さらに好ましくは(軟化点温度の−20℃以下)とすることにより、接触面側の繊維面の熱結晶化が十分されることなく、貼り合わせ性に優れるフィルター濾材貼り合わせ用不織布とすることができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、熱処理前の不織ウェブやコンベアベルトの表面に離型剤を塗布したり、“テフロン”(登録商標)(ポリ四フッ化エチレン)シート等の離型シートを重ねて加工したりすることにより、離型性を向上させることもできる。
さらに、本発明に係る熱処理工程において、前記のメルトブロー不織布の前記の他方のベルトコンベア側の面に離型性を有するシートを全幅において重ね合わせ、該シートが前記のメルトブロー不織布と前記の他方のベルトコンベアの間に挟まれるよう搬送する態様がより好ましい。このようにすることで、さらに熱による結晶化の影響を妨げ、ベルト跡が転写することなく、不織布の繊維の状態を保つことができる。また、ここでの離型性を有すシートとは表面平滑であり、十分結晶化し、フィルター濾材貼り合わせ用不織布と熱処理時に貼り付かないシートである。
また、本発明に係る熱処理工程においては、ベルトコンベア表面の温度を(軟化点温度−3℃)以下の範囲で段階的に変化させ、徐々にメルトブロー不織布を加熱あるいは冷却することができる。
さらに、熱処理工程の前に、ベルトコンベア表面の温度が前記の熱可塑性樹脂の軟化点温度以下である予熱工程を設けることができる。このようにすることで、フィルター濾材貼り合わせ用不織布の大半を占める非晶部を結晶化させることなく緻密化させることを抑制することができる。
本発明に係る熱処理工程において、前記のベルトコンベアと前記のメルトブロー不織布の接触時間は、メルトブロー不織布を構成する繊維の熱可塑性樹脂の種類や、不織布の目付と厚さに応じて適宜調整されるものであるが、この接触時間は少なくとも3秒以上であることが好ましく、より好ましくは5秒以上であり、さらに好ましくは10秒以上である。接触時間をこのように設定することにより、メルトブロー不織布の平滑面を十分熱処理し、優れた熱寸法安定性を付与することができる。また、接触時間を好ましくは600秒以下、より好ましくは300秒以下、さらに好ましくは100秒以下とすることにより、非平滑面の熱結晶化を防ぐことができる。
ベルトコンベアによるメルトブロー不織布の搬送速度は、0.1m/分以上とすることが好ましく、より好ましくは0.5m/分以上であり、さらに好ましくは1.0m/分以上である。搬送速度をこのように設定することにより、非平滑面の熱結晶化を抑えることができる。一方、メルトブロー不織布の搬送速度を、好ましくは10.0m/分以下、より好ましくは8.0m/分以下、さらに好ましくは6.0m/分以下とすることにより、繊維の熱結晶化が進行する前に急激な加熱によってメルトブロー不織布が軟化し、厚みがつぶされたり、繊維同士が融着してフィルム状のものになったりすることを防ぐことができる。
また、前記の2組のベルトコンベアによってメルトブロー不織布を搬送する際に、2組のベルトコンベアの両面からかかる圧力を調整する方法、またはベルトコンベア出口付近にニップロールを設置し、熱処理後のメルトブロー不織布を加圧する方法、あるいはこれら2通りの方法を併用することにより、熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の見掛け密度が0.1g/cm3以上0.4g/cm3以下となる範囲で、厚みを目的の用途に応じて適宜調整することができる。
(2)フィルター濾材貼り合わせ用不織布
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布は、一方の面が、KES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面であって、他方の面が、前記平滑面に対してKES法による表面粗さSMDが0.23μm以上高い非平滑面であることが重要である。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布は、一方の面が、KES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面であって、他方の面が、前記平滑面に対してKES法による表面粗さSMDが0.23μm以上高い非平滑面であることが重要である。
平滑面と非平滑面を有することにより、平滑面を濾材側、非平滑面を貼り合わせ面とすることで、平滑面は加工時等で発生する毛羽立ちを防ぎ濾過性能の低下を防ぐことができる。また、非平滑面を貼り合わせ面とすることにより、フェルトのような起毛繊維とよく絡み、貼り合わせ時に十分接着可能となり、かつ接着面での熱収縮による緻密の形成を抑制することができる。
平滑面のKES法による表面粗さSMDを1.20μm以下とすることにより、表面の耐摩耗性を向上させるとともに、フィルターとして使用した場合にダスト払い落し性や逆洗性を向上させることができ、フィルターライフを向上させることができる。また、本発明のメルトブロー不織布を、PTFE膜等の膜や後述する強度保持層と貼り合わせて使用する場合には、貼り合わせ性が良く、耐摩耗性にも優れた不織布とすることができる。
また、平滑面のKES法による表面粗さSMDの下限は特に定めるものではないが、製造時の加熱や加圧の強化によって不織布に歪みが発生することを防ぐため、0.10μm以上であることが好ましい。一方、平滑面のKES法による表面粗さSMDを1.60μm以下とすることが好ましい。KES法による表面粗さSMDを1.60μm以下、好ましくは1.40μm以下、さらに好ましくは1.20μm以下とすることにより、ダストが濾過不織布の空隙に混入することなく表層でダスト層を形成し、長期において安定した濾過性能を得ることができる。
平滑面と非平滑面の差が0.23μm以上、より好ましくは0.30μm以上、さらに好ましくは0.35μm以上とすることにより、非平滑面の不織布層がフェルトのような起毛層と絡み合いやすく接着性に優れるものとなる。
非平滑面のKES法による表面粗さSMDの上限を3.00μm以下、好ましくは2.50μm以下、さらに好ましくは2.00μm以下とすることにより、平滑面の物性に影響を与えることのないフィルター濾材貼り合わせ用不織布を得ることができる。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布は、通気量が5cm3/(cm2・sec)以上50cm3/(cm2・sec)以下であることが重要である。通気量を50cm3/(cm2・sec)以下、好ましくは45cm3/(cm2・sec)以下、より好ましくは40cm3/(cm2・sec)以下とすることにより、濾過性能を低下させることのない濾材となる。一方、通気量を5cm3/(cm2・sec)以上、好ましくは10cm3/(cm2・sec)以上、より好ましくは15cm3/(cm2・sec)以上とすることにより、濾材不織布の高密度化を抑制し圧力損失の低いフィルター濾材貼り合わせ用不織布となる。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布はJIS L0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」 9.2「摩擦試験機II形(学振形)法」に準じて測定した毛羽立ち試験においての毛羽立ち性が5であることが好ましい。それにより、濾過面層のダストの侵入を防ぎかつ払い落とし性に優れた不織布となる。
また、前記平滑面が、JIS L0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」 9.2「摩擦試験機II形(学振形)法」に準じて測定を行う毛羽立ち試験の評価が5であり、かつ、平滑面の毛羽立ち試験の評価と非平滑面の毛羽立ち試験の評価との間の差である耐摩耗性差が1以上、より好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上とすることにより、強度保持層等との貼り合わせ性に優れたフィルター濾材貼り合わせ用不織布となる。
ここで、前記の毛羽立ち試験における評価は、JIS L0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」 9.2「摩擦試験機II形(学振形)法」に準じて、学振形摩擦試験を実施し、不織布表面を、摩擦用白綿布を取り付けた摩擦子で500回往復摩擦し、試験前後の試験片の表面状態を、目視と走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、SEM観察でも試験前後で表面状態に変化が見られない場合は「5」、目視では不明瞭であるがSEM観察ではわずかに毛羽立ちが確認できる場合は「4」、目視では不明瞭であるがSEM観察では明らかに毛羽立ちが確認できる場合は「3」、目視で毛羽立ちが確認できる場合は「2」、シート形態を保持できていない場合は「1」としている。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の破裂強度は20kPa以上、より好ましくは30kPa以上、さらに好ましくは40kPa以上とすることにより、逆洗時のパルスや衝撃を与えても破れることのないフィルター濾材貼り合わせ用不織布となる。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の見掛け密度は0.40g/cm3以下、好ましくは0.38g/cm3以下、より好ましくは0.35g/cm3以下とすることにより、通気量の低下を抑え、圧力損失の小さいフィルターとなり長寿命化を可能とする。一方、見掛け密度を0.10g/cm3以上、好ましくは0.12g/cm3以上、より好ましくは0.14g/cm3以上とすることにより、繊維同士の接着点の減少による強力の低下を抑え、実用に耐え得る強力やハンドリング性を有する不織布とすることができる。
また、本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の200℃の温度における乾熱収縮率は、2%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以下である。このようにすることにより、高温環境下でも使用中の寸法変化や不織布内部の構造変化がない不織布とすることができる。また、加熱による張力緩和等で不織布が伸長する場合があり、上記同様、高温環境下での使用中の寸法変化や不織布内部の構造変化を防ぐため、乾熱収縮率は好ましくは−2%以上、より好ましくは−1%以上であり、乾熱収縮率は0%に近いことが好ましい態様である。
(貼り合わせ工程とフィルター積層体)
本発明のフィルター積層体の製造方法においては、前記製布工程、および、前記熱処理工程の後に、さらに、ポリフェニレンスルフィド、メタアラミド、ポリイミド、フッ素およびガラスのうち少なくとも1つを主成分としてなる、不織布、フェルト、織物、または編物である強度保持層と前記フィルター濾材貼り合わせ用不織布の非平滑面とを貼り合わせる、貼り合わせ工程を有することが重要である。前記のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の非平滑面と、これら強度保持層とを貼り合わせることによって、前記のフィルター濾材貼り合わせ用不織布において平滑面であった濾過面層は、平滑であるから、ダスト払落し性に優れるフィルター積層体とすることができる。
本発明のフィルター積層体の製造方法においては、前記製布工程、および、前記熱処理工程の後に、さらに、ポリフェニレンスルフィド、メタアラミド、ポリイミド、フッ素およびガラスのうち少なくとも1つを主成分としてなる、不織布、フェルト、織物、または編物である強度保持層と前記フィルター濾材貼り合わせ用不織布の非平滑面とを貼り合わせる、貼り合わせ工程を有することが重要である。前記のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の非平滑面と、これら強度保持層とを貼り合わせることによって、前記のフィルター濾材貼り合わせ用不織布において平滑面であった濾過面層は、平滑であるから、ダスト払落し性に優れるフィルター積層体とすることができる。
また、予め熱処理されたフィルター濾材貼り合わせ用不織布を用いて貼り合わせ工程をすることにより、貼り合わせ時に強度保持層との接着面の密度が過度に高いものとならず、濾材性能の低下を抑制することができる。また、予め熱処理を実施していることで、高温下で使用する際において、フィルター積層体が熱収縮し、濾材が破れてしまうこと等の不良を防止することができる。
一般に、不織布とその他布帛との接合方法には、熱圧着による接着やニードルパンチや水流交絡による絡合処理が挙げられるが、本発明に係る貼り合わせ工程においては、フィルター積層体の貼り合わせ面で緻密層の形成を抑止し、交絡による不織布の空隙部の発生による濾過性能が低下することを防ぐため、フレームラミネートのような火炎溶融法により前記の強度保持層を溶融させ、フィルター濾材貼り合わせ用不織布と貼り合わせる方法がより好ましい。
本発明に係る強度保持層としては、ポリフェニレンスルフィド、メタアラミド、ポリイミド、フッ素およびガラスの少なくとも1つを主成分としてなる不織布、フェルト、織物、または編み物が好ましい。このようにすることにより、高温化での濾材として耐えうるフィルター積層体となる。
強度保持層の不織布の目付は200g/cm2以上、好ましくは250g/cm2以上、さらに好ましくは、300g/cm2以上とすることにより、取り扱い時や加工時にも十分耐えうる強度となる。
本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布は、貼り合わせ加工性に優れ、フィルター積層体においても貼り合わせ時の緻密層を形成することなく、濾過性能に優れることからフィルター等の産業用途に好適に使用することができる。また、耐熱性や耐薬品性が必要でより高濾過性能が求められている石炭ボイラー等のフィルター材やゴミ焼却廃棄フィルター等の用途に好適に用いることができる。
次に、実施例に基づき本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布ならびにフィルター積層体の製造方法について、具体的に説明する。本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[測定方法]
(1)メルトフローレート(MFR)(g/10分):
ポリフェニレンスルフィド樹脂のMFRは、ASTM D1238−70に準じて、測定温度が315.5℃で、測定荷重が5kgの条件で3回測定し、その平均値をMFRとした。
(1)メルトフローレート(MFR)(g/10分):
ポリフェニレンスルフィド樹脂のMFRは、ASTM D1238−70に準じて、測定温度が315.5℃で、測定荷重が5kgの条件で3回測定し、その平均値をMFRとした。
(2)固有粘度(IV):
ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度IVは、次の方法で3回測定し、その平均値をとった。オルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを、下記式により求めた。
・ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
ここで、ηはポリマー溶液の粘度、η0はオルソクロロフェノールの粘度、tは溶液の落下時間(秒)、dは溶液の密度(g/cm3)、t0はオルソクロロフェノールの落下時間(秒)、d0はオルソクロロフェノールの密度(g/cm3)を、それぞれ表す。
次いで、上記の相対粘度ηrから下記式により、固有粘度IVを算出した。
・IV=0.0242ηr+0.2634。
ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度IVは、次の方法で3回測定し、その平均値をとった。オルソクロロフェノール100mlに対し試料8gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを、下記式により求めた。
・ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
ここで、ηはポリマー溶液の粘度、η0はオルソクロロフェノールの粘度、tは溶液の落下時間(秒)、dは溶液の密度(g/cm3)、t0はオルソクロロフェノールの落下時間(秒)、d0はオルソクロロフェノールの密度(g/cm3)を、それぞれ表す。
次いで、上記の相対粘度ηrから下記式により、固有粘度IVを算出した。
・IV=0.0242ηr+0.2634。
(3)融点(℃):
使用した熱可塑性樹脂の融点は、示差走査熱量計(TA Instruments社製Q100)を用いて、次の条件で3回測定し、吸熱ピーク頂点温度の平均値を算出して、測定対象の融点とした。繊維形成前の熱可塑性樹脂において吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側のピーク頂点温度とする。また、繊維を測定対象とする場合には、同様に測定し、複数の吸熱ピークから各成分の融点を推定することができる。
・測定雰囲気:窒素流(150ml/分)
・温度範囲 :30〜350℃
・昇温速度 :20℃/分
・試料量 :5mg。
使用した熱可塑性樹脂の融点は、示差走査熱量計(TA Instruments社製Q100)を用いて、次の条件で3回測定し、吸熱ピーク頂点温度の平均値を算出して、測定対象の融点とした。繊維形成前の熱可塑性樹脂において吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側のピーク頂点温度とする。また、繊維を測定対象とする場合には、同様に測定し、複数の吸熱ピークから各成分の融点を推定することができる。
・測定雰囲気:窒素流(150ml/分)
・温度範囲 :30〜350℃
・昇温速度 :20℃/分
・試料量 :5mg。
(4)平均単繊維径(μm):
コンベアベルト上に捕集した不織ウェブからランダムに小片サンプル10個を採取し、キーエンス社製VE7800の走査型電子顕微鏡で1000〜2000倍で表面写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維の幅を測定し、その平均値を算出した。単繊維の幅平均値から、小数点以下第二位を四捨五入して繊維径とした。
コンベアベルト上に捕集した不織ウェブからランダムに小片サンプル10個を採取し、キーエンス社製VE7800の走査型電子顕微鏡で1000〜2000倍で表面写真を撮影し、各サンプルから10本ずつ、計100本の繊維の幅を測定し、その平均値を算出した。単繊維の幅平均値から、小数点以下第二位を四捨五入して繊維径とした。
(5)不織布の目付(g/m2):
JIS L1913(2010年版)6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
JIS L1913(2010年版)6.2「単位面積当たりの質量」に基づき、20cm×25cmの試験片を、試料の幅1m当たり3枚採取し、標準状態におけるそれぞれの質量(g)を量り、その平均値を1m2当たりの質量(g/m2)で表した。
(6)不織布およびコンベアベルトの厚さ(mm):
JIS L1906(2000年版)5.1に準じて、直径10mmの加圧子を使用し、荷重10kPaで不織布およびコンベアベルトの幅方向等間隔に10点の厚さを0.01mm単位で測定し、その平均値の小数点以下第三位を四捨五入した。
JIS L1906(2000年版)5.1に準じて、直径10mmの加圧子を使用し、荷重10kPaで不織布およびコンベアベルトの幅方向等間隔に10点の厚さを0.01mm単位で測定し、その平均値の小数点以下第三位を四捨五入した。
(7)ベルト表面のベック平滑度(秒):
ベック平滑度試験機を用い、JIS P8119(1998年版)に準じて、コンベアベルトの不織ウェブ接触面について、幅方向等間隔に10点の測定を実施し、その平均値の小数点以下第二位を四捨五入した値をベック平滑度とした。
ベック平滑度試験機を用い、JIS P8119(1998年版)に準じて、コンベアベルトの不織ウェブ接触面について、幅方向等間隔に10点の測定を実施し、その平均値の小数点以下第二位を四捨五入した値をベック平滑度とした。
(8)不織布の通気量(cm3/(cm2・sec)):
JIS L1913(2010年)フラジール形法に準じて、15cm角にカットした繊維シート10枚を、テクステスト社製の通気性試験機FX3300を用いて、試験圧力125Paで測定した。得られた値の平均値から、小数点以下第二位を四捨五入して通気量とした。
JIS L1913(2010年)フラジール形法に準じて、15cm角にカットした繊維シート10枚を、テクステスト社製の通気性試験機FX3300を用いて、試験圧力125Paで測定した。得られた値の平均値から、小数点以下第二位を四捨五入して通気量とした。
(9)不織布の乾熱収縮率(%):
JIS L1913(2010年版)6.10.3に準じて測定した。恒温乾燥機内の温度を200℃とし、10分間熱処理した。
JIS L1913(2010年版)6.10.3に準じて測定した。恒温乾燥機内の温度を200℃とし、10分間熱処理した。
(10)KES法による表面粗さSMD(μm):
不織布を20cm角に切り取り、カトーテック社製KES−FB4−AUTO−A自動化表面試験機を用いて、シート両面の表面粗さを測定した。試料は400gの荷重をかけてセットし、10g加重をかけた表面粗さ検出用接触子を試料に接触させて、タテ方向とヨコ方向を3回ずつ測定し、その平均を表面粗さ(μm)とした。
不織布を20cm角に切り取り、カトーテック社製KES−FB4−AUTO−A自動化表面試験機を用いて、シート両面の表面粗さを測定した。試料は400gの荷重をかけてセットし、10g加重をかけた表面粗さ検出用接触子を試料に接触させて、タテ方向とヨコ方向を3回ずつ測定し、その平均を表面粗さ(μm)とした。
(11)不織布の耐摩耗性:
JIS L0849(2013年版)9.2に準じて、学振形摩擦試験を行った。不織布表面を、摩擦用白綿布を取り付けた摩擦子で500回往復摩擦し、試験前後の試験片の表面状態を、目視と走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。表1では、SEM観察でも試験前後で表面状態に変化が見られない場合は「5」、目視では不明瞭であるがSEM観察ではわずかに毛羽立ちが確認できる場合は「4」、目視では不明瞭であるがSEM観察では明らかに毛羽立ちが確認できる場合は「3」、目視で毛羽立ちが確認できる場合は「2」、シート形態を保持できていない場合は「1」で表記した。
JIS L0849(2013年版)9.2に準じて、学振形摩擦試験を行った。不織布表面を、摩擦用白綿布を取り付けた摩擦子で500回往復摩擦し、試験前後の試験片の表面状態を、目視と走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。表1では、SEM観察でも試験前後で表面状態に変化が見られない場合は「5」、目視では不明瞭であるがSEM観察ではわずかに毛羽立ちが確認できる場合は「4」、目視では不明瞭であるがSEM観察では明らかに毛羽立ちが確認できる場合は「3」、目視で毛羽立ちが確認できる場合は「2」、シート形態を保持できていない場合は「1」で表記した。
(12)破裂強度:
JIS L1906(2010年版)8.18に準じて、ミューレン法により破裂強度測定を実施した。
JIS L1906(2010年版)8.18に準じて、ミューレン法により破裂強度測定を実施した。
(13)貼り合わせ接着性
貼り合わせた積層不織布を手で剥がしフィルター濾材貼り合わせ用不織布と強度保持層の接着性を比較した。表1では、手で各層に剥離することができないレベルにまで十分接着されている場合は「○」、端部や一部のみが剥離あるいは各層が容易に剥離する場合は「×」と表記し、「○」を合格とした。
貼り合わせた積層不織布を手で剥がしフィルター濾材貼り合わせ用不織布と強度保持層の接着性を比較した。表1では、手で各層に剥離することができないレベルにまで十分接着されている場合は「○」、端部や一部のみが剥離あるいは各層が容易に剥離する場合は「×」と表記し、「○」を合格とした。
(14)濾過性能評価
VDI3926に準じてフィルター積層体の性能測定を実施した。測定用サンプルは直径150mmとし、入口ダスト濃度を5.0±0.5g/cm3、濾過風速2m/分とし、1000Paに到達するとパルスにより濾過材表面のダストを払い落とす作業を実施し、初期30回+老化5000回+最後30回実施し、最後30回分のパルス洗浄が終了するまでの循環時間、圧力損失、出口濃度、集塵効率を下記の方法により求めた。
・循環時間(秒):最後30回分の払い落としが終了するまでの時間
・圧力損失(Pa):最後30回目の払い落とし後の圧力損失
・出口ダスト濃度(mg/m3)=濾過材貫通ダスト重量/(1.85×循環時間(秒)/3600)
・捕集効率(%)=(1−出口ダスト濃度/5)×100
[実施例1]
(紡糸とシート化)
MFRが600g/10分で、融点が281℃のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂を、窒素雰囲気中で150℃の温度で24時間乾燥して用いた。このポリフェニレンスルフィド樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度が310℃で、孔径(直径)φが0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.23g/分で紡出し、これに空気加熱器で加熱した325℃の温度の圧縮空気を圧力0.18MPaで吹き当てて、上記の紡糸口金からの距離100mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が40g/m2の不織ウェブ得た。得られた不織ウェブを構成する繊維の平均繊維径は3.4μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった。
VDI3926に準じてフィルター積層体の性能測定を実施した。測定用サンプルは直径150mmとし、入口ダスト濃度を5.0±0.5g/cm3、濾過風速2m/分とし、1000Paに到達するとパルスにより濾過材表面のダストを払い落とす作業を実施し、初期30回+老化5000回+最後30回実施し、最後30回分のパルス洗浄が終了するまでの循環時間、圧力損失、出口濃度、集塵効率を下記の方法により求めた。
・循環時間(秒):最後30回分の払い落としが終了するまでの時間
・圧力損失(Pa):最後30回目の払い落とし後の圧力損失
・出口ダスト濃度(mg/m3)=濾過材貫通ダスト重量/(1.85×循環時間(秒)/3600)
・捕集効率(%)=(1−出口ダスト濃度/5)×100
[実施例1]
(紡糸とシート化)
MFRが600g/10分で、融点が281℃のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂を、窒素雰囲気中で150℃の温度で24時間乾燥して用いた。このポリフェニレンスルフィド樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度が310℃で、孔径(直径)φが0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.23g/分で紡出し、これに空気加熱器で加熱した325℃の温度の圧縮空気を圧力0.18MPaで吹き当てて、上記の紡糸口金からの距離100mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が40g/m2の不織ウェブ得た。得られた不織ウェブを構成する繊維の平均繊維径は3.4μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった。
(不織布の熱処理)
ガラス繊維を芯材として編み込んだ“テフロン”(登録商標)樹脂ベルトからなり、ベルトの厚さが0.31mmで、ベルト表面のベック平滑度が2.6秒の2組のベルトコンベアを、ベルト間のクリアランスが0となるように上下に配置した。採取した不織ウェブをPTFE加工した離型紙を非平滑面となる側全面に貼り合わせ、このベルトコンベア間に通し、全面把持した状態で速度2m/分で搬送し、上のベルト表面の温度を140℃に、下の離型紙の表面温度を40℃にし、加熱した長さ1mの熱処理ゾーンを通過させて30秒間熱処理を施した。乾熱処理後のメルトブロー不織布の熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表1に示す。
ガラス繊維を芯材として編み込んだ“テフロン”(登録商標)樹脂ベルトからなり、ベルトの厚さが0.31mmで、ベルト表面のベック平滑度が2.6秒の2組のベルトコンベアを、ベルト間のクリアランスが0となるように上下に配置した。採取した不織ウェブをPTFE加工した離型紙を非平滑面となる側全面に貼り合わせ、このベルトコンベア間に通し、全面把持した状態で速度2m/分で搬送し、上のベルト表面の温度を140℃に、下の離型紙の表面温度を40℃にし、加熱した長さ1mの熱処理ゾーンを通過させて30秒間熱処理を施した。乾熱処理後のメルトブロー不織布の熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表1に示す。
(不織布の物性)
熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の通気量は35cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が0.99μmで、非平滑面が1.72μmであり、破裂強度は42kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が2であった。
熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の通気量は35cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が0.99μmで、非平滑面が1.72μmであり、破裂強度は42kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が2であった。
(不織布の積層方法)
平均繊維径14.5μmのPPS短繊維をカード、クロスラップを実施し、目付120g/m2、2.2TのPPS織物の両面にニードルパンチ加工を施し、550g/m2のPPSフェルト(強度保持層)を得た。この強度保持層の片面を火炎加工によりフィルター濾材貼り合わせ用不織布の非平滑面を貼り合わせ面とし、貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
平均繊維径14.5μmのPPS短繊維をカード、クロスラップを実施し、目付120g/m2、2.2TのPPS織物の両面にニードルパンチ加工を施し、550g/m2のPPSフェルト(強度保持層)を得た。この強度保持層の片面を火炎加工によりフィルター濾材貼り合わせ用不織布の非平滑面を貼り合わせ面とし、貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
(濾過性能評価)
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間13456s、圧力損失213Pa、出口濃度0.07g/m3、集塵率99.9986%であった。
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間13456s、圧力損失213Pa、出口濃度0.07g/m3、集塵率99.9986%であった。
[実施例2]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(不織布の熱処理)
実施例1と同じベルトコンベアを使用し、離型紙を用いず、下面のベルトの表面温度を70℃とした以外は同じ条件で熱処理した。乾熱処理後のメルトブロー不織布の熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表1に示す。
実施例1と同じベルトコンベアを使用し、離型紙を用いず、下面のベルトの表面温度を70℃とした以外は同じ条件で熱処理した。乾熱処理後のメルトブロー不織布の熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表1に示す。
(不織布の物性)
熱処理後の不織布の通気量は32cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が0.95μmで、非平滑面が1.52μmであり、破裂強度は45kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が3であった。
熱処理後の不織布の通気量は32cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が0.95μmで、非平滑面が1.52μmであり、破裂強度は45kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が3であった。
(不織布の積層方法)
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
(濾過性能評価)
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間11895s、圧力損失248Pa、出口濃度0.10g/m3、集塵率99.9982%であった。
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間11895s、圧力損失248Pa、出口濃度0.10g/m3、集塵率99.9982%であった。
[実施例3]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じポリフェニレンスルフィド樹脂を、原料として用いた。単孔吐出量を0.30g/分とし、上記の紡糸口金からの距離130mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が40g/m2の不織ウェブ得た。得られた不織ウェブを構成する繊維の平均繊維径は4.6μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった
(不織布の熱処理)
実施例1と同じ条件で熱処理加工を実施し、乾熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表1に示す。
(紡糸とシート化)
実施例1と同じポリフェニレンスルフィド樹脂を、原料として用いた。単孔吐出量を0.30g/分とし、上記の紡糸口金からの距離130mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が40g/m2の不織ウェブ得た。得られた不織ウェブを構成する繊維の平均繊維径は4.6μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった
(不織布の熱処理)
実施例1と同じ条件で熱処理加工を実施し、乾熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表1に示す。
(不織布の物性)
熱処理後の不織布の通気量は45cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が1.10μmで、非平滑面が2.08μmであり、破裂強度は39kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が3であった。
熱処理後の不織布の通気量は45cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が1.10μmで、非平滑面が2.08μmであり、破裂強度は39kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が3であった。
(不織布の積層方法)
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
(濾過性能評価)
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間12044s、圧力損失236Pa、出口濃度0.09g/m3、集塵率99.9973%であった。
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間12044s、圧力損失236Pa、出口濃度0.09g/m3、集塵率99.9973%であった。
[実施例4]
(紡糸とシート化)
固有粘度がIV0.51で、融点が260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を、窒素雰囲気中で150℃の温度で24時間乾燥して用いた。このポリエチレンテレフタレート樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度が300℃で、孔径(直径)φが0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.21g/分で紡出し、空気加熱器で加熱した320℃の温度の圧縮空気を圧力0.13MPaで吹き当てて、上記の紡糸口金からの距離150mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が40g/m2の不織ウェブを得た。得られた不織ウェブの平均繊維径は2.8μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった。
(紡糸とシート化)
固有粘度がIV0.51で、融点が260℃のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を、窒素雰囲気中で150℃の温度で24時間乾燥して用いた。このポリエチレンテレフタレート樹脂を押出機で溶融し、紡糸温度が300℃で、孔径(直径)φが0.40mmの紡糸口金から単孔吐出量0.21g/分で紡出し、空気加熱器で加熱した320℃の温度の圧縮空気を圧力0.13MPaで吹き当てて、上記の紡糸口金からの距離150mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が40g/m2の不織ウェブを得た。得られた不織ウェブの平均繊維径は2.8μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった。
(不織布の熱処理)
採取した不織ウェブを、実施例1と同じ条件で熱処理した。熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の乾熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表1に示す。
採取した不織ウェブを、実施例1と同じ条件で熱処理した。熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の乾熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表1に示す。
(不織布の物性)
熱処理後の不織布の通気量は28cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が1.12μmで、非平滑面が1.94μmであり、破裂強度は49kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が3であった。
熱処理後の不織布の通気量は28cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が1.12μmで、非平滑面が1.94μmであり、破裂強度は49kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が3であった。
(不織布の積層方法)
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
(濾過性能評価)
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間9984s、圧力損失266Pa、出口濃度0.06g/m3、集塵率99.9982%であった。
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間9984s、圧力損失266Pa、出口濃度0.06g/m3、集塵率99.9982%であった。
[比較例1]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(不織布の熱処理)
不織ウェブを搬送するベルト上下の表面温度を140℃としたこと以外は同じ条件で熱処理した。また乾熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表2に示す。
不織ウェブを搬送するベルト上下の表面温度を140℃としたこと以外は同じ条件で熱処理した。また乾熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表2に示す。
(不織布の物性)
熱処理後の不織布の通気量は30cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さはそれぞれ0.95μm、1.10μmであり、破裂強度は49kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態はいずれも5であった。
熱処理後の不織布の通気量は30cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さはそれぞれ0.95μm、1.10μmであり、破裂強度は49kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態はいずれも5であった。
(不織布の積層方法)
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は手で剥がすと一部でシートと剥離が発生していた。
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は手で剥がすと一部でシートと剥離が発生していた。
(濾過性能評価)
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間12824s、圧力損失290Pa、出口濃度0.07g/m3、集塵率99.9984%であった。
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間12824s、圧力損失290Pa、出口濃度0.07g/m3、集塵率99.9984%であった。
[比較例2]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じポリフェニレンスルフィド樹脂を、原料として用いた。単孔吐出量を0.38g/分とし、上記の紡糸口金からの距離150mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が40g/m2の不織ウェブ得た。得られた不織ウェブを構成する繊維の平均繊維径は8.0μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった。
(紡糸とシート化)
実施例1と同じポリフェニレンスルフィド樹脂を、原料として用いた。単孔吐出量を0.38g/分とし、上記の紡糸口金からの距離150mmの位置にある移動するベルトコンベア上に捕集して、目付が40g/m2の不織ウェブ得た。得られた不織ウェブを構成する繊維の平均繊維径は8.0μmであり、1時間の紡糸においてショット(ポリマー塊状物)の発生はなく、紡糸性は良好であった。
(不織布の熱処理)
実施例1と同じ条件で熱処理加工を実施し、乾熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表2に示す。
実施例1と同じ条件で熱処理加工を実施し、乾熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の熱収縮率は0%であり、波打ち発生、地合の悪化および表面凹凸の発生は見られなかった。結果を表2に示す。
(不織布の物性)
熱処理後の不織布の通気量は70cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が1.17μm、非平滑面が1.96μmであり、破裂強度は32kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が2であった。
熱処理後の不織布の通気量は70cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が1.17μm、非平滑面が1.96μmであり、破裂強度は32kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が5、非平滑面が2であった。
(不織布の積層方法)
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
(濾過性能評価)
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、試験測定中に圧力上昇が著しくなり、最後30回の性能評価まで到達できなかった。
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、試験測定中に圧力上昇が著しくなり、最後30回の性能評価まで到達できなかった。
[比較例3]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(不織布の熱処理)
ピンテンター装置により不織ウェブ両端のみをピンで把持した状態で、速度1m/分で搬送し、温度180℃の熱風を60秒間吹き付け、熱処理を行った。熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の乾熱収縮率は0%であった。また、表面凹凸の発生は見られなかったが、シート全体に波打ちが発生し、地合が悪化していた。結果を表2に示す。
ピンテンター装置により不織ウェブ両端のみをピンで把持した状態で、速度1m/分で搬送し、温度180℃の熱風を60秒間吹き付け、熱処理を行った。熱処理後のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の乾熱収縮率は0%であった。また、表面凹凸の発生は見られなかったが、シート全体に波打ちが発生し、地合が悪化していた。結果を表2に示す。
(不織布の物性)
熱処理後の不織布の通気量は37cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が1.62μm、非平滑面が1.84μmであり、破裂強度は35kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が4、非平滑面が4であった。
熱処理後の不織布の通気量は37cm3/(cm2・sec)であり、表面粗さは平滑面が1.62μm、非平滑面が1.84μmであり、破裂強度は35kPaであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が4、非平滑面が4であった。
(不織布の積層方法)
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は手で剥がすと一部でシートと剥離が発生していた。
実施例1と同じ条件で、強度保持層と貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は手で剥がすと一部でシートと剥離が発生していた。
(濾過性能評価)
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間10726s、圧力損失290Pa、出口濃度0.07g/m3、集塵率99.9978%であった。
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間10726s、圧力損失290Pa、出口濃度0.07g/m3、集塵率99.9978%であった。
[比較例4]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(不織布の熱処理)
比較例3と同じ条件で熱処理加工を実施した。
比較例3と同じ条件で熱処理加工を実施した。
(不織布の積層方法)
実施例1と同じ強度保持層を用いニードルパンチ加工により貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
実施例1と同じ強度保持層を用いニードルパンチ加工により貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。得られたフィルター積層体は十分に接着しており、貼り合わせ性良好であった。
(濾過性能評価)
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間8726s、圧力損失186Pa、出口濃度0.20g/m3、集塵率99.9960%であった。
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間8726s、圧力損失186Pa、出口濃度0.20g/m3、集塵率99.9960%であった。
[比較例5]
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(紡糸とシート化)
実施例1と同じ条件で、不織ウェブを製布した。
(不織布の物性)
熱処理後の不織布の通気量は42cm3/(cm2・sec)であり、乾熱収縮率は50%、表面粗さは平滑面が1.61μm、非平滑面が1.72μmであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が2、非平滑面が2であった。
熱処理後の不織布の通気量は42cm3/(cm2・sec)であり、乾熱収縮率は50%、表面粗さは平滑面が1.61μm、非平滑面が1.72μmであった。また、学振型摩擦試験の前後で試験片の表面状態は平滑面が2、非平滑面が2であった。
(不織布の積層方法)
実施例1と同じ条件で貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。
実施例1と同じ条件で貼り合わせ加工を実施し、フィルター積層体を得た。
(不織布の熱処理)
熱処理加工は貼り合わせ後に、ピンテンター装置により不織ウェブ両端のみをピンで把持した状態で、速度1m/分で搬送し、温度180℃の熱風を60秒間吹き付け、熱処理を行った。
熱処理加工は貼り合わせ後に、ピンテンター装置により不織ウェブ両端のみをピンで把持した状態で、速度1m/分で搬送し、温度180℃の熱風を60秒間吹き付け、熱処理を行った。
(濾過性能評価)
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間9563s、圧力損失321Pa、出口濃度0.06g/m3、集塵率99.9980%であった。
得られたフィルター積層体を用い濾過性能評価を実施した結果、循環時間9563s、圧力損失321Pa、出口濃度0.06g/m3、集塵率99.9980%であった。
(注)“テフロン”(登録商標)樹脂:ポリ四フッ化エチレン樹脂。
<まとめ>
表1に示されるように、実施例1〜4の表面平滑差を設けたフィルター濾材貼り合わせ用不織布を用いることで低出口ダスト濃度、長循環時間、低圧損のフィルター濾過性能に優れる不織布であった。
表1に示されるように、実施例1〜4の表面平滑差を設けたフィルター濾材貼り合わせ用不織布を用いることで低出口ダスト濃度、長循環時間、低圧損のフィルター濾過性能に優れる不織布であった。
また、本発明のフィルター濾材貼り合わせ用不織布は、表2に示されるように比較例1のようにいずれも平滑な濾材では、濾過性能は良好であったものの、シートの一部で貼り合わせ不良が発生し長期使用時に破れが発生したりダストが濾材内部に侵入し、十分な性能が発揮できない可能性があった。また、比較例2のように高通気量のフィルター濾材貼り合わせ用不織布を用いると、濾材中にダストが侵入し短時間で濾過不良となった。また、比較例3のように、熱風処理した不織布を貼り合わせた際には、フィルター濾材貼り合わせ用不織布の濾過面層にダストが侵入しやすく(払落し性が低下し)、圧損、循環時間が悪化する結果となった。また、比較例4のように、交絡処理を実施すると交絡部よりダストが侵入し、循環時間、ダスト濃度が悪化した。また、比較例5のように、未熱処理のフィルター濾材を貼り合わせた後に熱処理を実施すると、熱収縮が貼り合わせ時に発生し緻密化することで、圧損、循環時間が悪化した。
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂を主成分としてなるメルトブロー不織布であるフィルター濾材貼り合わせ用不織布であって、通気量が5cm3/(cm2・sec)以上50cm3/(cm2・sec)以下であり、一方の面が、KES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面であって、他方の面が、前記平滑面に対してKES法による表面粗さSMDが0.23μm以上高い非平滑面である、フィルター濾材貼り合わせ用不織布。
- 前記平滑面が、JIS L0849:2013「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」 9.2「摩擦試験機II形(学振形)法」に準じて測定を行う毛羽立ち試験の評価が5であり、かつ、平滑面の毛羽立ち試験の評価と非平滑面の毛羽立ち試験の評価との間の差である耐摩耗性差が1以上である、請求項1に記載のフィルター濾材貼り合わせ用不織布。
- 前記フィルター濾材貼り合わせ用不織布の破裂強度が20kPa以上である、請求項1または2に記載のフィルター濾材貼り合わせ用不織布。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリフェニレンスルフィドまたはポリエステルからなる、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルター濾材貼り合わせ用不織布。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のフィルター濾材貼り合わせ用不織布と、強度保持層とが貼り合わせられてなるフィルター積層体であり、前記フィルター濾材貼り合わせ不織布の平滑面が濾過面であって、前記非平滑面と強度保持層とが互いに接する面の表面のみが熱融着されてなる、フィルター積層体。
- 前記強度保持層が、ポリフェニレンスルフィド、メタアラミド、ポリイミド、フッ素およびガラスのうち少なくとも1つを主成分としてなる、不織布、フェルト、織物、または編物である、請求項5に記載のフィルター積層体。
- 熱可塑性樹脂を主成分とする繊維からなるメルトブロー不織布を形成する製布工程と、ベルトプレス装置を通過させることによって前記メルトブロー不織布を熱処理する熱処理工程と、を有するフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法であって、前記ベルトプレス装置として、表面が平滑で可とう性を有する素材からなるベルトからなる2組のベルトコンベアを有するものを用い、さらに、前記2組のベルトコンベアのうち、一方のベルトコンベアの表面温度を冷結晶化温度以上(融点−3℃)以下となるよう加熱し、他方のベルトコンベアの表面温度を(軟化点温度−3℃)以下とすることで、前記メルトブロー不織布の一方の面にKES法による表面粗さSMDが1.20μm以下である平滑面を形成し、他方の面に、前記平滑面に対してKES法による表面粗さSMDが0.23μm以上高い非平滑面を形成する、フィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法。
- 前記熱処理工程において、前記メルトブロー不織布の前記他方のベルトコンベア側の面に離型性を有するシートを全幅において重ね合わせ、該シートが前記メルトブロー不織布と前記他方のベルトコンベアの間に挟まれるよう搬送する、請求項7に記載のフィルター濾材貼り合わせ用不織布の製造方法。
- 前記製布工程、および、前記熱処理工程の後に、さらに、ポリフェニレンスルフィド、メタアラミド、ポリイミド、フッ素およびガラスのうち少なくとも1つを主成分としてなる、不織布、フェルト、織物、または編物である強度保持層と前記フィルター濾材貼り合わせ用不織布の非平滑面とを貼り合わせる、貼り合わせ工程を有する、フィルター積層体の製造方法。
- 前記貼り合わせ工程において、火炎溶融法により貼り合わせる、請求項9に記載のフィルター積層体の製造方法。
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Cited By (2)
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WO2020116569A1 (ja) * | 2018-12-07 | 2020-06-11 | 東洋紡株式会社 | 長繊維不織布およびそれを用いたフィルター補強材 |
WO2022163747A1 (ja) * | 2021-01-29 | 2022-08-04 | 株式会社ワコール | 衣料用部材及び衣料用部材の製造方法 |
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2018
- 2018-07-04 JP JP2018127380A patent/JP2020006294A/ja active Pending
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JP7459800B2 (ja) | 2018-12-07 | 2024-04-02 | 東洋紡エムシー株式会社 | 長繊維不織布およびそれを用いたフィルター補強材 |
WO2022163747A1 (ja) * | 2021-01-29 | 2022-08-04 | 株式会社ワコール | 衣料用部材及び衣料用部材の製造方法 |
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