JP6623534B2 - インフルエンザウイルスrna検出用結合因子 - Google Patents

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Description

本発明は、インフルエンザウイルスRNAを特異的に検出可能な結合因子に関するものである。
インフルエンザウイルスは、オルトミクソウイルス科に属するRNAウイルス(ゲノムとしてRNAを有するウイルス)であり、A型、B型およびC型に分類される。さらにA型は、ウイルス表面上のHAタンパク質およびNAタンパク質に基づいて、亜型へと分類される。インフルエンザウイルスのうちA型(中でもH1N1亜型およびH3N2亜型)ならびにB型は、季節性インフルエンザとして毎年流行を繰り返している。
インフルエンザに対する治療法としては、抗インフルエンザウイルス薬の投与が効果的である。しかしながら抗インフルエンザウイルス薬の多くはウイルスの増殖を阻害する作用機構のため、発症後早期に投与する必要がある。また類似の症状を示す他のウイルスや病原菌に対しては効果がない。従って、季節性インフルエンザウイルスを迅速かつ高感度に検出することが、臨床上重要である。
インフルエンザウイルスの検出法としては種々の方法が知られており、中でも臨床的にはイムノクロマト法による検出法が最も用いられている。しかしながら、イムノクロマト法による検出法は検出感度が低く、インフルエンザウイルス数が少ない感染初期では検出できないことが課題となっている。
イムノクロマト法よりも高感度にインフルエンザウイルスを検出する方法として、RT−PCR法、TMA法(特許文献1)、TRC法(特許文献2、非特許文献1)、NASBA法(特許文献3および4)等の核酸増幅法を利用した検出法が知られている。核酸増幅法を利用した検出法は、インフルエンザウイルスRNAを特異的に増幅して検出するため、インフルエンザウイルスを迅速かつ高感度に検出できる可能性を有している。しかしながらインフルエンザウイルスを迅速かつ高感度に検出するには、増幅したインフルエンザウイルスRNAを特異的に捕捉可能なオリゴヌクレオチドを最適化する必要がある。
特許第3241717号公報 特許第4438110号公報 特許第2650159号公報 特許第3152927号公報
Ishiguro,T.et al,Analytical Biochemistry,314,77−86(2003)
本発明の目的は、増幅したインフルエンザウイルスRNAを特異的に捕捉し、かつ高感度な検出が可能なオリゴヌクレオチド、および前記オリゴヌクレオチドを用いたインフルエンザウイルスRNA検出法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、インフルエンザウイルスRNAを特異的に捕捉し、かつ高感度な検出が可能な結合因子セット(オリゴヌクレオチドの組み合わせ)を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第一の態様は、試料中に含まれるインフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第1の結合因子および第2の結合因子からなる、前記特定塩基配列を含む核酸を検出するための結合因子セットであって、
第1の結合因子および第2の結合因子が、それぞれ、配列番号7から9のいずれかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイス可能な一つ以上のオリゴヌクレオチドである、前記結合因子セットである。
また本発明の第二の態様は、第1の結合因子および第2の結合因子が、それぞれ、配列番号30から32のいずれかに記載の塩基配列中、少なくとも連続する18塩基からなる一つ以上のオリゴヌクレオチドである、前記第一の態様に記載の結合因子セットである。
また本発明の第三の態様は、第1の結合因子および第2の結合因子が、それぞれ、配列番号10から26のいずれかに記載の塩基配列からなる一つ以上のオリゴヌクレオチドである、前記第二の態様に記載の結合因子セットである。
また本発明の第四の態様は、第1の結合因子および第2の結合因子が、それぞれ、配列番号10から21のいずれかに記載の塩基配列からなる一つ以上のオリゴヌクレオチド、および配列番号22から26のいずれかに記載の塩基配列からなる一つ以上のオリゴヌクレオチドである、前記第三の態様に記載の結合因子セットである。
また本発明の第五の態様は、第1の結合因子には標識物質が結合されており、第2の結合因子にはメンブレンが結合されている、前記第一から第四の態様のいずれかに記載の結合因子セットである。
また本発明の第六の態様は、標識物質が可視光を吸収または反射する物質である、前記第五の態様に記載の結合因子セットである。
さらに本発明の第七の態様は、
インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定核酸の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーを用いて、前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅する工程、および
増幅した前記核酸と前記第五または第六の態様に記載の結合因子キットとをハイブリダイズさせ、前記核酸と第1の結合因子および第2の結合因子との複合体を形成することで、前記核酸を検出する工程を含む、試料中に含まれるインフルエンザウイルスRNAの検出方法である。
また本発明の第八の態様は、
第一のプライマーが、配列番号1、3、5のいずれかに記載の塩基配列からなる、一つ以上のオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが、配列番号2、4、6のいずれかに記載の塩基配列からなる、一つ以上のオリゴヌクレオチドである、
前記第七の態様に記載の検出方法である。
さらに本発明の第九の態様は、
インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定核酸の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーと、第一のプライマーおよび第二のプライマーにより増幅された前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を検出するための前記特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第1の結合因子および第2の結合因子とを含む、インフルエンザウイルスRNAの検出キットであって、
第一のプライマーが、配列番号1、3、5のいずれかに記載の塩基配列からなる、一つ以上のオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが、配列番号2、4、6のいずれかに記載の塩基配列からなる、一つ以上のオリゴヌクレオチドであり、
第1の結合因子が、標識物質を結合した配列番号10から26のいずれかに記載の塩基配列からなる一つ以上のオリゴヌクレオチドであり、
第2の結合因子が、メンブレンに結合された配列番号10から26のいずれかに記載の塩基配列からなる一つ以上のオリゴヌクレオチドである、
前記検出キットである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において特定塩基配列とは、インフルエンザウイルスRNAのうち、第1の結合因子(または第2の結合因子)との相同領域の5’末端側から第2の結合因子(または第1の結合因子)との相同領域の3’末端側までの塩基配列を少なくとも含む塩基配列をいう。特に本発明の結合因子セットを、インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーおよび前記特定核酸の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーにより増幅された核酸に対し適用する場合は、インフルエンザウイルスRNAのうち、第二のプライマーとの相同領域の5’末端から第一のプライマーとの相補領域の3’末端までの塩基配列のことをいう。
本発明におけるストリンジェントな条件の例として、42℃において、50%(v/v)ホルムアミド、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%フィコール、0.1%のポリビニルピロリドン、50mMリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5)、150mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムが存在する条件や、本明細書の実施例に記載の核酸増幅条件があげられる。
本発明は、試料中に含まれるインフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第1の結合因子および第2の結合因子として、配列番号7(GenBank No.FJ969536(H1N1亜型A型インフルエンザウイルスRNA(−鎖))の640番目から718番目までの塩基配列)、配列番号8(GenBank No.KJ741989(H3N2亜型A型インフルエンザウイルスRNA(−鎖))の685番目から759番目までの塩基配列)、配列番号9(GenBank No.CY115184(B型インフルエンザウイルスRNA(−鎖))の464番目から540番目までの塩基配列)のいずれかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能な一つ以上のオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いることを特徴としている。すなわち、前述したストリンジェントな条件下で、前記塩基配列と、十分に特異的かつ高効率にハイブリダイゼーション可能であれば、塩基配列の置換、欠失、付加、修飾があってもよい。オリゴヌクレオチドの長さは任意に設定できるが、好ましくは10塩基から50塩基までの範囲、さらに好ましくは15塩基から30塩基までの範囲、最も好ましくは18塩基から20塩基の範囲である。
なお本発明の結合因子セットは、第1の結合因子および第2の結合因子とも、インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列、すなわち前記特定塩基配列の相補鎖とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである。従って、第1の結合因子が前記特定塩基配列の相補鎖にハイブリダイズする領域と、第2の結合因子が前記特定塩基配列の相補鎖にハイブリダイズする領域とは重ならないほうが好ましく、重なるとしても3塩基以内が好ましい。
本発明の結合因子セットは、検出対象とするインフルエンザウイルスRNAの種類により、前述したオリゴヌクレオチドの中から適宜選択して用いればよい。例えば、
検出対象とするインフルエンザウイルスRNAがH1N1亜型A型インフルエンザウイルスRNAであれば、第1の結合因子および第2の結合因子として、配列番号7に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いればよく、
検出対象とするインフルエンザウイルスRNAがH3N2亜型A型インフルエンザウイルスRNAであれば、第1の結合因子および第2の結合因子として、配列番号8に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いればよく、
検出対象とするインフルエンザウイルスRNAがB型インフルエンザウイルスRNAであれば、第1の結合因子および第2の結合因子として、配列番号9に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いればよい。さらに複数の種類のインフルエンザウイルスRNAを同時に検出したい場合は、前述した各種インフルエンザウイルスRNAに適した検出因子セット(オリゴヌクレオチドの組み合わせ)を選択すればよい。例えば、A型(H1N1亜型およびH3N2亜型)インフルエンザウイルスRNAとB型インフルエンザウイルスRNAとを合わせて検出したい場合は、第1の結合因子および第2の結合因子として、
配列番号7に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドと、
配列番号8に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドと、
配列番号9に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドと、
をそれぞれ用いればよい。
配列番号7に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドの一例として、配列番号30(GenBank No.FJ969536の640番目から718番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列中、少なくとも連続する18塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号10(GenBank No.FJ969536の699番目から718番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号11(GenBank No.FJ969536の699番目から716番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号12(GenBank No.FJ969536の697番目から714番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号13(GenBank No.FJ969536の682番目から701番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号14(GenBank No.FJ969536の681番目から698番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号15(GenBank No.FJ969536の679番目から696番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号16(GenBank No.FJ969536の661番目から680番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号17(GenBank No.FJ969536の652番目から669番目までの塩基配列の相補配列)および配列番号18(GenBank No.FJ969536の640番目から659番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
配列番号8に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドの一例として、配列番号31(GenBank No.KJ741989の685番目から759番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列中、少なくとも連続する18塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号13(GenBank No.KJ741989の727番目から746番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号14(GenBank No.KJ741989の726番目から743番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号15(GenBank No.KJ741989の724番目から741番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号19(GenBank No.KJ741989の742番目から759番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号20(GenBank No.KJ741989の706番目から725番目までの塩基配列の相補配列)および配列番号21(GenBank No.KJ741989の685番目から704番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
配列番号9に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドの一例として、配列番号32(GenBank No.CY115184の464番目から540番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列中、少なくとも連続する18塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号22(GenBank No.CY115184の521番目から540番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号23(GenBank No.CY115184の502番目から519番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号24(GenBank No.CY115184の488番目から505番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号25(GenBank No.CY115184の483番目から500番目までの塩基配列の相補配列)および配列番号26(GenBank No.CY115184の464番目から481番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
本発明の結合因子セットは、試料中に含まれるインフルエンザウイルスRNAを特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドの組み合わせとして有用である。特に本発明の結合因子セットによる検出の前に、インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定核酸の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーを用いて、前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅する工程を行なうと、試料中に含まれるインフルエンザウイルスRNAを高感度に検出できるため、好ましい。第一のプライマーの具体例として、配列番号1(GenBank No.FJ969536の616番目から635番目までの塩基配列)、配列番号3(GenBank No.KJ741989の662番目から681番目までの塩基配列)、配列番号5(GenBank No.CY115184の432番目から452番目までの塩基配列)のいずれかに記載の塩基配列からなる一つ以上のオリゴヌクレオチドがあげられ、
第二のプライマーの具体例として、配列番号2(GenBank No.FJ969536の717番目から743番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号4(GenBank No.KJ741989の762番目から788番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号6(GenBank No.CY115184の542番目から565番目までの塩基配列の相補配列)のいずれかに記載の塩基配列からなる一つ以上のオリゴヌクレオチドがあげられる。また第一のプライマーの5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターをさらに付加させると、RNAポリメラーゼのプロモーターを付加した前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸が合成されるため、これら核酸からNASBA法、TMA法、TRC法といった一定温度でRNAを増幅する方法を用いて、RNAを増幅させることができる点で好ましい。RNAポリメラーゼのプロモーターの例として、T7 RNAポリメラーゼのプロモーター(T7プロモーター)である配列番号33に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
本発明の結合因子セットのうち、第1の結合因子に標識物質が、第2の結合因子にメンブレンが、それぞれ結合されていると、インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の相補配列を含む核酸と第1の結合因子および第2の結合因子とのハイブリダイゼーションを、展開液を用いたクロマトグラフィーにより行なえるため、検出工程が容易となる点で好ましい。第1の結合因子に結合させる標識物質は、メンブレンに結合した第2の結合因子および前記第1の結合因子と標的核酸とが結合し、前記第1の結合因子が前記メンブレンに一定量集まることで検出可能となる物質であればよく、着色高分子粒子、金コロイド、色素、蛍光物質が例示できる。特に可視光を吸収または反射する物質を標識物質として用いると、前記第1の結合因子が一定量集まることで目視での検出が可能となるため、好ましい。第1の結合因子と標識物質との結合は、結合因子の態様により、適宜選択でき、例えば、共有結合、静電気力による結合、抗原−抗体結合、リガンド−レセプター結合、ビオチン−アビジン結合、ヌクレオチド間のハイブリダイズ、またそれらの組み合わせがあげられる。また第2の結合因子を固定させるメンブレンは、
第2の結合因子と直接または間接的に結合可能な物質であり、
前記(1)の工程で得られた、標的核酸と第1の結合因子との複合体を含む溶液から展開液を用いたクロマトグラフィーにより前記複合体を分離可能な物質であり、
かつ前記複合体と第2の結合因子とが結合した際、第1の結合因子に結合した標識物質を集積可能な物質、
であれば限定はなく、例えば、ニトロセルロース、ナイロンなどの多孔質メンブレンがあげられる。さらに第2の結合因子との結合を強固にするために、前記固相に適当な加工や官能基、結合因子の導入を行なってもよい。第2の結合因子と固相との結合は、結合因子の態様により適宜選択でき、例えば、共有結合、静電気力による結合、抗原−抗体結合、リガンド−レセプター結合、ビオチン−アビジン結合、ヌクレオチド間のハイブリダイズ、またそれらの組み合わせがあげられる。
前述した第一のプライマーと第二のプライマーを用いたインフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅させる工程と、標識物質を結合した第1の結合因子とメンブレンに結合した第2の結合因子とを用いて検出する工程を組み合わせることで、試料中に含まれるインフルエンザウイルスRNAを行なう場合、
前記核酸を増幅させる工程と増幅した前記核酸と第1の結合因子とのハイブリダイゼーション(すなわち、前記核酸と第1の結合因子との複合体の形成)とを同時に行なった後、第2の結合因子とのハイブリダイゼーションを行なうことで、前記核酸と第1の結合因子および第2の結合因子との複合体を形成させてもよいし、
前記核酸を増幅させる工程の後、増幅した前記核酸と第1の結合因子および第2の結合因子とのハイブリダイゼーションを第1の結合因子、第2の結合因子の順、または同時に行なうことで、前記核酸と第1の結合因子および第2の結合因子との複合体を形成させてもよい。
展開液を用いたクロマトグラフィーを用いて、インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列を含む核酸と第1の結合因子および第2の結合因子との複合体を形成させる場合、前記展開液に非イオン界面活性剤を含ませるとよい。展開液に非イオン界面活性剤を添加することでクロマトグラフィーによる分離が促進されるからである。非イオン界面活性剤としては、当業者が通常用いる非イオン界面活性剤の中から適宜選択することができ、Tween 20、Tween 60、Tween 80、Triton X−100(以上、商品名)が例示できる。中でもTween 20が、展開液に添加する非イオン界面活性剤として好ましい。
本発明の結合因子セットは、第1の結合因子および第2の結合因子が、それぞれ、配列番号7から9のいずれかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイス可能な一つ以上のオリゴヌクレオチドであり、試料中に含まれるインフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の相補配列を含む核酸に特異的に捕捉することで、インフルエンザウイルスRNAを特異的に検出することができる。
さらに第1の結合因子に標識物質を、第2の結合因子にメンブレンを、それぞれ結合させることで、前記核酸と第1の結合因子および第2の結合因子との複合体を形成する工程を、展開液を用いたクロマトグラフィーにより行なえるため、検出を容易に行なえる。さらに前記標識物質が可視光を吸収または反射する物質であると、前記検出を目視で行なうことができる。
また本発明の結合因子セットによる検出を行なう前に、インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと前記特定核酸の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーとを用いて前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸をあらかじめ増幅させると、インフルエンザウイルスRNAを高感度に検出することができる。
本発明の結合因子セットを用いた、インフルエンザウイルスRNAの目視検出結果を示す図(クロマトストリップ)。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1 インフルエンザウイルス標準RNAの調製
後述の実施例で使用する、インフルエンザウイルスRNA(以下、標準RNAと表記)は、以下に示す方法で調製した。
(1)配列番号27(H1N1亜型A型インフルエンザウイルス、セグメント5、cDNA部分配列、GenBank No.FJ969536の410番目から930番目までの塩基配列)、配列番号28(H3N2亜型A型インフルエンザウイルス、セグメント5、cDNA部分配列、GenBank No.NC_007369の455番目から975番目までの塩基配列(ただし663番目のCはT))および配列番号29(B型インフルエンザウイルス、セグメント7、cDNA部分配列、GenBank No.CY115184の206番目から735番目までの塩基配列)に記載の塩基配列からなる2本鎖DNAを調製し、それぞれT−Vector pMD20(タカラバイオ製)へ挿入した(なお、当該cDNA配列の相補鎖の5’末端側にはSP6プロモーターを付加している)。
(2)(1)で調製したプラスミドDNAを、挿入したインフルエンザウイルスcDNA配列の5’末端側で制限酵素消化し、直鎖状のDNAを調製した。
(3)(2)で調製したDNAを鋳型として、SP6 RNAポリメラーゼによるインビトロ転写を行なった。その後、DNase I処理により前記鋳型DNAを完全消化し、精製することで標準RNAを調製した。調製したRNAは、260nmにおける吸光度を測定して定量した。
なお、本例で調製した標準RNAの全長は約500塩基と、インフルエンザウイルスRNAの全長(セグメント5:約1500塩基、セグメント7:約1100塩基)の一部であるが、インフルエンザウイルスRNAの測定には十分適用可能である。
実施例2 標識物質を結合した第1の結合因子の作製
標識物質として、直径500nmのラテックス粒子Estapor(メルク製)を使用し、以下に示す方法で、当該標識物質をインフルエンザウイルスRNAとストリンジェントな条件でハイブリダイス可能なオリゴヌクレオチド(第1の結合因子)に結合させた。
(1)ラテックス粒子1.4×1010個に対し、3’末端側をアミノ基で修飾した配列番号10から26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをそれぞれ150ng添加し、30分室温で静置した。
(2)さらに水溶性カルボジイミドを終濃度10mg/mLとなるよう添加し、室温で2時間反応させ、ラテックス粒子を当該オリゴヌクレオチドに結合させた。
(3)遠心により得られた沈殿(標識物質を結合した第1の結合因子)は、Tween 20およびSDSを含む溶液により洗浄し、バッファー(0.5mM EDTA、1M NaCl、および0.05% Tween 20を含む10mM Tris−HCl(pH7.4))中に保存した。
実施例3 メンブレンに結合した第2の結合因子の作製
メンブレンとして、ニトロセルロースメンブレンHF120(メルク製)を台紙(メルク製)に結合させたものを使用し、以下に示す方法で当該メンブレンにインフルエンザウイルスRNAとストリンジェントな条件でハイブリダイス可能なオリゴヌクレオチド(第2の結合因子)を結合させた。
(1)配列番号10から26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチド50μMを塗布機を用いて、メンブレンに塗布した。
(2)UVを2分間照射後、37℃で2時間乾燥することで、前記オリゴヌクレオチドをメンブレンに結合させた。
実施例5 A型(H1N1亜型)インフルエンザウイルスRNAの目視検出
下記に示す方法で、A型(H1N1亜型)ウイルスRNAを増幅させた後、目視による検出を試みた。
(1)実施例1で調製したA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルス標準RNA(配列番号27)を、TEバッファーを用いて10コピー/5μLとなるように希釈し、これをRNA試料として用いた。
(2)以下の組成を含む反応液14μL、3μLの0.5%(w/v)のTween 20および実施例2で作製した標識物質を結合した第1の結合因子10個(2μL)を0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注した後、前記RNA試料5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始剤添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl緩衝液(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、GTP、TTP
3.06mM ITP
90mM トレハロース
0.2μM 第一のプライマー(配列番号1)(当該プライマーには、各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側にT7プロモーター配列(配列番号33)が付加されている
0.2μM 第二のプライマー(配列番号2)
6.4U AMV逆転写酵素(ライフサイエンス製)
142U T7 RNAポリメラーゼ(自社製)
(3)上記の反応液を46℃で4分間保温後、以下の組成からなる開始剤8μLを添加した。
開始剤の組成:濃度は開始剤添加後(30μL中)の最終濃度
21.2mM 塩化マグネシウム
102.7mM 塩化カリウム
1.2% グリセロール
11.5% DMSO
(4)引き続きPCRチューブを46℃で8分間保温することで、増幅反応を行なった。
(5)増幅反応後、実施例3で作製した第2の結合因子を結合したメンブレンをPCRチューブに入れ、クロマトグラフィーを1から2分間実施した。
結果を表1に示す。
第1の結合因子として配列番号10に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号15、16または17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号11に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号16または17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号12に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号13に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号16または17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号15に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号10、11、12または17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号16に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号10に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号10、12、13または15に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
それぞれ目視検出できることを確認した。特に、第1の結合因子と第2の結合因子との組み合わせとして、配列番号10と配列番号16との組み合わせ、配列番号10と配列番号17との組み合わせ、配列番号11と配列番号17との組み合わせ、配列番号15と配列番号17との組み合わせ、配列番号17と配列番号10との組み合わせ、のいずれかを用いたときに、良好な目視検出ができた。
Figure 0006623534
実施例6 A型(H3N2亜型)インフルエンザウイルスRNAの目視検出
RNA試料として、実施例1で調製したA型(H3N2亜型)インフルエンザウイルス標準RNA(配列番号28)をTEバッファーを用いて10コピー/5μLにしたものを、第一のプライマーとして配列番号3に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、第二のプライマーとして配列番号4に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いた他は、実施例5と同様な方法で、A型(H3N2亜型)インフルエンザウイルスRNAの増幅および目視検出を試みた。
結果を表2に示す。
第1の結合因子として配列番号13に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号17または21に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号15に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号17、19または21に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号13、15または19に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号19に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号17または21に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号20に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号21に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号21に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号13、15または19に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
それぞれ目視検出できることを確認した。特に、第1の結合因子と第2の結合因子との組み合わせとして、配列番号13と配列番号17との組み合わせ、配列番号13と配列番号21との組み合わせ、配列番号15と配列番号21との組み合わせ、配列番号17と配列番号19との組み合わせ、配列番号21と配列番号19との組み合わせ、のいずれかを用いたときに、良好な目視検出ができた。
Figure 0006623534
実施例7 B型インフルエンザウイルスRNAの目視検出
RNA試料として、実施例1で調製したB型インフルエンザウイルス標準RNA(配列番号29)をTEバッファーを用いて10コピー/5μLにしたものを、第一のプライマーとして配列番号5に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、第二のプライマーとして配列番号6に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いた他は、実施例5と同様な方法で、B型インフルエンザウイルスRNAの増幅および目視検出を試みた。
結果を表3に示す。
第1の結合因子として配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号24または26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号23に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号22または26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号22または26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号25に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号22または23に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
第1の結合因子として配列番号26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを用いたときは、配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを第2の結合因子としたときに、
それぞれ目視検出できることを確認した。特に、第1の結合因子と第2の結合因子との組み合わせとして、配列番号22と配列番号26との組み合わせ、配列番号23と配列番号22との組み合わせ、配列番号24と配列番号22との組み合わせ、配列番号25と配列番号22との組み合わせ、配列番号26と配列番号22との組み合わせ、のいずれかを用いたときに、良好な目視検出ができた。
Figure 0006623534
実施例8 結合因子セットの交差検出
実施例5から7の結果、各型のインフルエンザウイルスRNAの目視検出が確認された、第1の結合因子と第2の結合因子との組み合わせ(結合因子セット)が、他の型のインフルエンザウイルスRNAも検出するか確認した。実験は、A型(H1N1亜型)インフルエンザウイルスRNAの検出については実施例5と同様な方法で、A型(H3N2亜型)インフルエンザウイルスRNAの検出については実施例6と同様な方法で、B型インフルエンザウイルスRNAの検出については実施例7と同様な方法で、それぞれ実施した。
結果を表4に示す。
第1の結合因子と第2の結合因子との組み合わせとして、配列番号13と配列番号17との組み合わせ、配列番号15と配列番号17との組み合わせ、配列番号19と配列番号17との組み合わせ、のいずれかを用いたときは、A型インフルエンザウイルスRNAを亜型(H1N1、H3N2)に関係なく検出することができた。また配列番号22と配列番号26との組み合わせ、配列番号24と配列番号26との組み合わせ、配列番号25と配列番号22との組み合わせ、のいずれかを用いたときは、B型インフルエンザウイルスRNAを特異的に検出することができた。そして配列番号23と配列番号22との組み合わせ、または配列番号26と配列番号22との組み合わせを用いたときは、インフルエンザウイルスRNAを型(A型、B型)に関係なく検出することができた。
Figure 0006623534
実施例9 A型およびB型インフルエンザウイルスRNAの目視検出
(1)実施例1で調製したA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルス標準RNA(配列番号27)、A型(H3N2亜型)インフルエンザウイルス標準RNA(配列番号28)およびB型インフルエンザウイルス標準RNA(配列番号29)を、TEバッファーを用いてそれぞれ10コピー/5μLとなるように希釈し、これらをRNA試料として用いた。
(2)以下の組成を含む反応液14μL、3μLの0.5%(w/v)のTween 20ならびに標識物質を結合した配列番号13、19および22に記載の配列からなる第1の結合因子(実施例2で作製)各10個を含む溶液2μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、これに前記RNA試料のいずれかを5μL添加した。
反応液の組成:濃度は開始液添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl緩衝液(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、GTP、TTP
3.06mM ITP
70mM トレハロース
各0.2μM 第一のプライマー(配列番号1、3および5):当該プライマーには、各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側にT7プロモーター配列(配列番号33)が付加されている
各0.2μM 第二のプライマー(配列番号2、4および6)
6.4U AMV逆転写酵素(ライフサイエンス製)
(3)上記の反応液を46℃で4分間保温後、以下の組成の開始液8μLを添加した。
開始液の組成:濃度は開始剤添加後(30μL中)の最終濃度
21.2mM 塩化マグネシウム
102.7mM 塩化カリウム
1.2% グリセロール
11.5% DMSO
(4)引き続きPCRチューブを46℃で8分間保温することで、増幅反応を行なった。
(5)増幅反応後、配列番号17および26に記載の配列からなる第2の結合因子を結合したメンブレン(実施例3で作製した)をPCRチューブに入れ、クロマトグラフィーを1から2分間実施した。
結果を図1に示す。A型(H1N1亜型)インフルエンザウイルス標準RNAおよびA型(H3N2亜型)インフルエンザウイルス標準RNAをRNA試料としたときは、配列番号17(A型インフルエンザウイルス検出用オリゴヌクレオチド)を結合したメンブレンの位置に、B型インフルエンザウイルス標準RNAをRNA試料としたときは、配列番号26(B型インフルエンザウイルス検出用オリゴヌクレオチド)を結合したメンブレンの位置に、それぞれ目視検出可能なバンドを確認した。

Claims (6)

  1. 試料中に含まれるインフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第1の結合因子および第2の結合因子からなる、前記特定塩基配列を含む核酸を検出するための結合因子セットであって、
    前記第1の結合因子および第2の結合因子の組み合わせが、以下から選択される1以上である、結合因子セット:
    第1の結合因子が配列番号10に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号15、16、および17から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号11に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号16および17から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号12に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;第1の結合因子が配列番号13に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号16および17から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号15に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号10、11、12および17から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号10、12、13および15から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号13に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号17および21から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号15に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号17、19および21から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号13、15および19から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号19に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号17および21から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号21に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号13、15および19から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号24および26から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号23に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号22および26から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号22および26から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号25に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号22および23から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;並びに
    第1の結合因子が配列番号26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ。
  2. 第1の結合因子には標識物質が結合されており、第2の結合因子にはメンブレンが結合されている、請求項1に記載の結合因子セット。
  3. 標識物質が可視光を吸収または反射する物質である、請求項2に記載の結合因子セット。
  4. インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定核酸の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーを用いて、前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅する工程、および
    増幅した前記核酸と請求項またはに記載の結合因子セットとをハイブリダイズさせ、前記核酸と第1の結合因子および第2の結合因子との複合体を形成することで、前記核酸を検出する工程を含む、試料中に含まれるインフルエンザウイルスRNAの検出方法。
  5. 第一のプライマーおよび第二のプライマーが、以下の組み合わせから選択される1以上である、
    請求項4に記載の検出方法:
    第一のプライマーが配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドであって、第二のプライマーが配列番号2に記載のオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第一のプライマーが配列番号3に記載のオリゴヌクレオチドであって、第二のプライマーが配列番号4に記載のオリゴヌクレオチドである組み合わせ;並びに
    第一のプライマーが配列番号5に記載のオリゴヌクレオチドであって、第二のプライマーが配列番号6に記載のオリゴヌクレオチドである組み合わせ。
  6. インフルエンザウイルスRNAの特定塩基配列の一部と相補的な配列を有する第一のプライマーと、前記特定核酸の一部と相同的な配列を有する第二のプライマーと、第一のプライマーおよび第二のプライマーにより増幅された前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を検出するための前記特定塩基配列の一部と相同的な配列を有する第1の結合因子および第2の結合因子とを含む、インフルエンザウイルスRNAの検出キットであって、
    第一のプライマーおよび第二のプライマーの組み合わせが、
    第一のプライマーが配列番号1に記載のオリゴヌクレオチドであって、第二のプライマーが配列番号2に記載のオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第一のプライマーが配列番号3に記載のオリゴヌクレオチドであって、第二のプライマーが配列番号4に記載のオリゴヌクレオチドである組み合わせ;並びに
    第一のプライマーが配列番号5に記載のオリゴヌクレオチドであって、第二のプライマーが配列番号6に記載のオリゴヌクレオチドである組み合わせ
    から選択される1以上であり、
    前記第1の結合因子および第2の結合因子の組み合わせが、
    第1の結合因子が配列番号10に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号15、16、および17から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号11に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号16および17から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号12に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号13に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号16および17から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号15に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号10、11、12および17から選択されるいずれかに記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号10、12、13および15から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号13に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号17および21から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号15に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号17、19および21から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号17に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号13、15および19から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号19に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号17および21から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号21に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号13、15および19から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号24および26から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号23に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号22および26から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号24に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号22および26から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;
    第1の結合因子が配列番号25に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号22および23から選択される1以上に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ;並びに
    第1の結合因子が配列番号26に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドであって、第2の結合因子が配列番号22に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドである組み合わせ
    から選択される1以上である、
    前記検出キット。
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