JP6623324B2 - 等温増幅反応産物の多項目同時検出方法 - Google Patents

等温増幅反応産物の多項目同時検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6623324B2
JP6623324B2 JP2017538881A JP2017538881A JP6623324B2 JP 6623324 B2 JP6623324 B2 JP 6623324B2 JP 2017538881 A JP2017538881 A JP 2017538881A JP 2017538881 A JP2017538881 A JP 2017538881A JP 6623324 B2 JP6623324 B2 JP 6623324B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
primer
sequence
nucleic acid
reaction
lamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017538881A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017043114A1 (ja
Inventor
一人 高崎
一人 高崎
リズティアン
布藤 聡
聡 布藤
恭孝 峯岸
恭孝 峯岸
知香 西川
知香 西川
文典 牧
文典 牧
晋治 金山
晋治 金山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Gene KK
Fasmac Co Ltd
Original Assignee
Nippon Gene KK
Fasmac Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Gene KK, Fasmac Co Ltd filed Critical Nippon Gene KK
Publication of JPWO2017043114A1 publication Critical patent/JPWO2017043114A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6623324B2 publication Critical patent/JP6623324B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M1/00Apparatus for enzymology or microbiology
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

本発明は等温増幅反応産物の多項目同時検出方法に関するものである。より詳細には、同一反応液中に存在する複数の等温増幅反応産物を同時に検出する方法に関するものである。
LAMP(Loop-Mediated Isothermal amplification)法は、等温反応で目的遺伝子を増幅させる方法である(特許文献1、特許文献2)。昨今、遺伝子の増幅にはPCR法が利用されてきたが、PCR法は反応に時間がかかるとともに、高価な機器等を必要としていた。これに対し、LAMP法は短時間に一定の温度で増幅が可能であり、高価な機器等を必要としない。また、PCR法と比較して、LAMP法は非常に検出感度が高いため、微量サンプルを検出することも可能である。PCR法は1つの検出対象につき2種類のプライマーで増幅反応をおこなう。これに対しLAMP法は検出感度や精度を向上させるため、1つの検出対象に対し4-6種類のプライマーを使用する。LAMP法による増幅反応は1つの検出対象に必要とするプライマー数が多いため、同一反応液中に多数検出対象を含む結果、さらに多数のプライマーを含むこととなる多項目同時検出には向かないと考えられてきた。
従来、LAMP法による増幅産物の検出方法には、濁度検出法及びインターカレーター法を用いるのが一般的である。
濁度検出法は、核酸増幅反応の副産物であるピロリン酸をマグネシウムにて析出した白濁を、透過光の強弱によって濁度として検出する方法である。
インターカレーター法は、核酸増幅反応液中にSYBR(登録商標) GreenI等のDNAインターカレーターを共存させておくことで、DNA増幅反応を蛍光強度の増加として検出する方法である。これらの方法は、1つの検出対象を検出するものであり、多項目を同時検出するものではない。
非特許文献1には、RT-LAMP法による複数の増幅産物を異なる抗原で修飾し、各抗原に対する抗体を固相に固定したクロマト紙上で展開して分離するイムノクロマト法で検出したことが記載されている。しかしながら、イムノクロマト法による検出は、別途標識物質に対する抗体を用意する必要があって、操作が煩雑であり、より簡便な方法が望まれている。
クロマトPAS(PAS:Printed Array-Strip)法は、1つの標的遺伝子に対して1種のタグ配列で標識したプライマーと、標識物質結合物質で標識したプライマーを用いてPCR法などで増幅反応を行い、検出対象にタグ配列を付加すると共に検出対象を増幅した後、反応産物に色素等の標識物質と展開液を添加した後に、タグ配列と相補的な配列を有する一本鎖DNA(以下検出プローブという)を固定化(PAS)したクロマト紙上で展開することで、固定化しておいた各タグ配列の相補鎖を有する検出プローブと各タグ配列において一本鎖DNA同士のハイブリ反応(STH:Single Tag Hybridization)がおこり、検出対象を標識物質により例えば可視化されたバンドとして検出することが可能な方法である(特許文献3)。クロマトPAS法は、PCR法において各検出対象別に異なるタグでプライマーを標識することにより、多検体同時検出に応用することが可能である。
しかしながら、上述のようにLAMP法はPCR法と比較して1つの検出対象に必要とするプライマー数が多いため、複数の対象を検出する為に、各検出対象別に異なるタグ配列をプライマーに結合させ、さらに検出対象ごとに、タグ配列を結合させたプライマーとは別のプライマーに、検出の為の標識物質結合物質を結合させた場合に、それらのプライマーによって増幅反応が進まなくなる、または増幅反応の最適化が難しくなることが予測され、適用することは出来ないと考えられていた。
また従来、核酸増幅法において、例えばPCR法サイクル数が50を越えると理論的には1コピーの鋳型DNAからでも検出可能なレベルのDNAを増幅できることから、試薬や試料へのDNAのコンタミネーション防止策をとる必要があるという基本的問題が存在する。特に、臨床検査室などでDNA診断のためにPCRを繰り返し行うような場合、PCR増幅産物によるコンタミネーション(キャリーオーバー)が大きな問題となる。LAMP法はPCR法と比較してさらに高感度であるため、コンタミネーションのリスクを低減させたいという要請が強い。
PCR法についてはウラシルNグリコシダーゼを用いたDNAのキャリーオーバーの防止法が提案されている(非特許文献2)。しかしながら同様の防止法がLAMP法とクロマトPAS法との組合せにおいても有効かどうか検討された例はない。
特許第3313358号 特開2002-345499 特許第5503021号
Jung JH, Oh SJ, Kim YT, Kim SY, Kim WJ, Jung J, Seo TS. Combination of multiplex reverse-transcription loop-mediated isothermal amplification with an immunochromatographic strip for subtyping influenza A virus. Anal Chim Acta. 853:541-7, 2015 PMID:25467501. Longo, M. C.、Berninger, M. S. and Hartley, J. L. Use of uracil DNA glycosylase to control carry-over contamination in polymerase chain reactions. Gene. 1990 Sep 1;93(1):125-8.
本発明は、従来難しいとされてきたLAMP法による多項目同時検出について、クロマトPASを利用することにより、迅速・簡便にかつ多項目同時に検出する方法を提供することを課題とする。また、従来のPCRとDNAクロマトを組合せたSTHクロマトPAS法と比較して、微量サンプルに関しても高感度に多項目を同時に検出することが出来る方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、従来の予測に反してLAMP法に使用する特定のプライマーに標識をすれば、プライマーの標識がLAMP法の増幅反応に影響を与えないことを見いだした。またLAMP法とクロマトPAS法を組み合わせてLAMP法による多項目同時検出を行うことが出来ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
さらに、本発明者等は、高感度な検出方法であるLAMP法において、増幅反応を繰り返す際に、前の増幅反応の反応産物によるコンタミネーション(キャリーオーバーによるコンタミネーション)を防ぐ為にウラシルNグリコシラーゼ(UNG)を利用したコンタミネーション防止工程が有効であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]同一検体内に1又は2以上含まれる標的核酸配列の検出方法であって、
下記(a)〜(d):
(a)標的核酸配列ごとに第1プライマー及び第2プライマーのセットを準備する工程であって、
前記第1プライマーにはタグ配列が結合しており、標的核酸配列が2以上含まれる場合は、前記タグ配列は、標的核酸配列ごとに異なり、
前記第2プライマーには標識物質結合物質が結合している前記工程、
(b)1又は2以上の第1プライマー及び第2プライマーのセットを用いて同一反応液中でLAMP法により核酸等温増幅を行う工程、
(c)前記核酸等温増幅産物を含有する増幅反応液と前記標識物質結合物質に結合する標識物質を含む展開媒体を準備して固相担体上で核酸クロマトグラフィーを行い、
前記固相担体上に固定された1以上の検出用プローブと、前記核酸等温増幅産物とを、ハイブリダイズさせる工程と前記核酸等温増幅産物に標識物質を標識する工程を含む工程及び、
(d)前記工程(c)で生成したハイブリダイズ産物を前記標識物質により検出する検出工程を含み、
前記標的核酸配列の3’末端から5’末端方向に配置する任意配列F3c、F2c、LF、F1c、B1、LBc、B2及びB3について
前記第1及び第2プライマーが下記(i)〜(iv):
(i)F2cと相補的な配列F2及びF2の5’側にF1cと同じ配列を含むFIPプライマー、
(ii)B2と同じ配列及びB2の5’側にB1と相補的な配列B1cを含むBIPプライマー、
(iii)LF領域と同じ配列をもつLFプライマー及び
(iv)LBc領域と相補的な配列をもつLBプライマー
からなる群より任意に選択される方法。
[2]第1プライマー及び第2プライマーのセットが、第1プライマーがFIPプライマー且つ第2プライマーがBIPプライマーまたは第1プライマーがBIPプライマー且つ第2プライマーがFIPプライマーである、前記[1]に記載の方法。
[3]各標的核酸配列の第1プライマー及び第2プライマーのセットが、第1プライマーがFIPプライマー且つ第2プライマーがBIPプライマーまたは第1プライマーがBIPプライマー且つ第2プライマーがFIPプライマーであって、前記核酸等温増幅工程において各標的核酸配列の第1プライマー及び第2プライマーのセット以外のプライマーを使用しない前記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記標識物質結合物質は、抗原抗体反応における抗体並びにビオチン、ジゴキシゲニン及びFITCを含むハプテンからなる群から選択される1種又は2種以上であり、
前記標識物質は、前記標識物質結合物質と結合可能な部位を備えて、蛍光、放射能、酵素、燐光、化学発光及び着色からなる群から選択される1種又は2種以上を利用する標識物質である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]核酸等温増幅工程をdUTPの存在下で行い、核酸等温増幅工程の前にウラシルDNAグリコシラーゼ(UNG)処理を行う、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]前記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の検出方法を実施する為に用いられ、少なくとも第1プライマー及び第2プライマーのセットを含むことを特徴とする測定試薬又は試薬キット。
[7]さらに、固相担体上に固定された1以上の検出用プローブを含むことを特徴とする前記[6]に記載の測定試薬又は試薬キット。
従来難しいとされてきたLAMP法による多項目同時検出を簡便な方法で実現することが出来る。また、従来のPCR法とDNAクロマトを組合せたSTHクロマトPAS法と比較してより高感度な多項目同時検出方法を提供することが出来る。さらにLAMP法による多項目同時検出方法において、キャリーオーバーによるコンタミネーションを防止することが出来る。
LAMP法において使用するプライマー設計の為の標的核酸配列上の領域設定を図示したものである。 LAMP法において使用するプライマーを図示したものである。 LAMP法による増幅産物のクロマト展開結果を示したものである。 検出プライマーの特異性について検討した結果を示したものである。 標識プライマーの組み合わせについて検討した結果を示したものである。 SALとSTAの検出感度の検討結果を示したものである。 SALとSTAのマルチプレックスによる検出感度の検討結果を示したものである。 標識の位置についての検討結果を示したものである。 dUTP添加によるLAMP反応への影響を示したものである。 UNG処理を行った際のキャリーオーバー軽減効果を示したものである。 UNG処理によるLAMP反応産物のクロマト展開結果を示したものである。 インナープライマーのみ、ループプライマーのみ又はアウタープライマーのみを使用した場合のLAMP反応への影響を示したものである。
本発明の方法は
同一検体内に1又は2以上含まれる標的核酸配列の検出方法であって、
下記(a)〜(d):
(a)標的核酸配列ごとに第1プライマー及び第2プライマーのセットを準備する工程であって、
前記第1プライマーにはタグ配列が結合しており、標的核酸配列が2以上含まれる場合は、前記タグ配列は、標的核酸配列ごとに異なり、
前記第2プライマーには標識物質結合物質が結合している前記工程、
(b)1又は2以上の第1プライマー及び第2プライマーのセットを用いて同一反応液中でLAMP法により核酸等温増幅を行う工程、
(c)前記核酸等温増幅産物を含有する増幅反応液と前記標識物質結合物質に結合する標識物質を含む展開媒体を準備して固相担体上で核酸クロマトグラフィーを行い、
前記固相担体上に固定された1以上の検出用プローブと、前記核酸等温増幅産物とを、ハイブリダイズさせる工程と前記核酸等温増幅産物に標識物質を標識する工程を含む工程及び、
(d)前記工程(c)で生成したハイブリダイズ産物を前記標識物質により検出する検出工程を含み、
前記標的核酸配列の3’末端から5’末端方向に配置する任意配列F3c、F2c、LF、F1c、B1、LBc、B2及びB3について
前記第1及び第2プライマーが下記(i)〜(iv):
(i)F2cと相補的な配列F2及びF2の5’側にF1cと同じ配列を含むFIPプライマー、
(ii)B2と同じ配列及びB2の5’側にB1と相補的な配列B1cを含むBIPプライマー、
(iii)LF領域と同じ配列をもつLFプライマー及び
(iv)LBc領域と相補的な配列をもつLBプライマー
からなる群より任意に選択される方法である。
本明細書において「検体」とは、標的核酸を含む可能性のある検体をいう。検体の採取源は特に限定されず、例えば植物や動物など各種生体由来の検体をいう。こうした各種の検体からの核酸を含む画分は当業者であれば適宜従来技術を参照して取得することができる。
本明細書において「核酸」とは、ヌクレオチドの重合体を意味しており、その重合数は特に限定されない。
また、本明細書において「標的核酸」とは、その存在及び/又は量を検出する対象とする任意の核酸である。
(核酸等温増幅工程)
本発明の方法において核酸増幅はLAMP法を用いた核酸等温増幅によって行う。LAMP(Loop-Mediated Isothermalamplification)法では、4から6種類のオリゴヌクレオチドプライマー、鎖置換型DNA合成酵素、核酸モノマー等の試薬と標的核酸配列を含む鋳型核酸鎖を混合し、一定温度(65℃付近)で保温することによって核酸増幅反応を行う方法である。
LAMP法プライマーの設計は 標的核酸配列の 3’末端から5’末端方向に任意の配列F3c、F2c、F1c、B1、B2及びB3という6つの領域を設定し、それらを利用して実施する。基本的なLAMP法ではインナープライマー2種類とアウタープライマー2種類の計4種類のプライマーを使う。インナープライマーは、F2cと相補的な配列F2及びF2の5’側にF1cと同じ配列を含むFIPプライマーとB2と同じ配列及びB2の5’側にB1と相補的な配列B1cを含むBIPプライマーであり、アウタープライマー はF3cと相補的な配列を含むF3プライマーとB3と同じ配列を含むB3プライマーである。
さらに増幅効率を向上させる為に前記4種類のプライマーに加えて2種類のプライマー、すなわちループプライマー2種類を使用し、計6種類のプライマーを用いて増幅反応を行っても良い。この場合、標的核酸配列のF2cとF1cの間の任意の配列LFおよびB1とB2の間の任意の配列LBcを設定する。ループプライマーは、LFと同じ配列LFを含むLFプライマーと、LBcに対する相補的な配列LBを含むLBプライマーである(図1および図2参照)。
本発明の方法においては、以下に述べる第1プライマーおよび第2プライマーを用いる以外は通常のLAMP法と同様に核酸増幅反応を行うことが出来る。プライマーの設計やLAMP法による増幅の増幅機構などについては、例えば、特許第3313358号や特開2002-345499号公報に記載されている。
本発明の方法において、タグ配列を結合させた第1プライマーを用いる。標的核酸配列が2以上含まれる場合は、前記タグ配列は、標的核酸配列ごとに異なる。
タグ配列は、増幅産物が、後述する検出用プローブとハイブリダイゼーションを可能とするための一本鎖核酸配列であり、標的核酸配列を検出するものであるため、標的核酸ごとに異なる検出用プローブの検出用配列にハイブリダイズ可能に設定される。典型的には、検出用プローブの検出用配列に相補的な塩基配列を有する。タグ配列の塩基長は、好ましくは検出用プローブの検出用配列の塩基長に一致し、好ましくは、20塩基以上50塩基以下であり、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。
また本発明において、標識物質結合物質が結合された第2プライマーを用いる。ここで標識物質結合物質とは標識物質と結合可能な物質であり、詳しくは後述する。
本明細書において「標識物質」とは、検出しようとする物質あるいは分子を他と識別することを可能とする物質である。標識物質は、特に限定しないが、典型的には、蛍光、放射能、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ等)、燐光、化学発光、着色などを利用した標識物質が挙げられる。
標識物質は、検出を迅速かつ簡易に行う観点から、目視で検出可能な発光又は発色を提示する発光物質又は発色物質であることが好ましい。こうした物質としては、典型的には、各種の顔料や染料などの各種の着色剤が挙げられる。また、これに準ずる、金、銀などの貴金属ほか、銅などの各種金属又は合金、あるいは当該金属を含む有機化合物(錯体化合物であってもよい)が挙げられる。また、着色剤に準ずる、マイカ等の無機化合物が挙げられる。
この種の標識物質としては、典型的には、各種染料、各種顔料、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウム化合物、オレフィン、エノールエーテル、エナミン、アリールビニルエーテル、ジオキセン、アリールイミダゾール、ルシゲニン、ルシフェリン及びエクリオンを包含する化学発光物質が挙げられる。また、こうした標識物質でラベルされているラテックス粒子などの粒子も挙げられる。さらに、金コロイド若しくはゾル又は銀コロイド若しくはゾルを包含するコロイド若しくはゾル等が挙げられる。さらにまた、金属粒子、無機粒子等が挙げられる。
標識物質結合物質としては、例えばタンパク質−タンパク質相互作用、低分子化合物−タンパク質相互作用等を利用して標識物質と結合できるものを選択することが出来る。例えば、抗原抗体反応における抗体や、アビジン(ストレプトアビジン)−ビオチンシステムにおけるビオチン、抗ジゴキシゲニン(DIG)−ジゴキシゲニン(DIG)システムにおけるジゴキシゲニン、又は抗FITC−FITCシステムにおけるFITC等に代表されるハプテン類などが挙げられる。この場合、最終的に検出のために用いられる標識物質は、標識物質結合物質と相互作用する他方の分子又は物質(例えば、抗原、すなわち、ストレプトアビジン、抗FITCなど)を、標識物質結合物質との結合のための部位として備えるように修飾される。増幅産物が標識物質結合物質を備える場合には、ハイブリダイゼーション工程において、あるいはこの工程に先立って、あるいはこの工程後に、増幅産物の標識物質結合物質と、標識物質結合物質と結合する部位を備える標識物質との複合体を形成させて、標識物質により増幅産物を検出する。
第1プライマー及び第2プライマーは、標的核酸配列の3’末端から5’末端方向に配置する任意配列F3c、F2c、LF、F1c、B1、LBc、B2及びB3について、(i)F2cと相補的な配列F2及びF2の5’側にF1cと同じ配列を含むFIPプライマー、(ii)B2と同じ配列及びB2の5’側にB1と相補的な配列B1cを含むBIPプライマー、(iii)LF領域と同じ配列をもつLFプライマー及び(iv)LBc領域と相補的な配列をもつLBプライマーからなる群から任意に選択される。
すなわち第1プライマー及び第2プライマーはインナープライマー 2種類(FIP、BIP)とループプライマー 2種類(LF、LB)から任意に選択される。第1プライマー及び第2プライマーの種類の組み合わせは特に限定されない。
なお、本発明の方法は各標的核酸配列の第1プライマー及び第2プライマーのセットが、第1プライマーがFIPプライマー且つ第2プライマーがBIPプライマーまたは第1プライマーがBIPプライマー且つ第2プライマーがFIPプライマーの場合、核酸等温増幅工程において各標的核酸配列の第1プライマー及び第2プライマーのセット以外のプライマーを使用せずに行うことができる。
第1プライマーにおけるタグ配列の結合位置、第2プライマーにおける標識物質結合物質の結合位置はいずれもプライマーの5’末端、プライマーの3’末端、プライマーの配列内部のいずれであっても良い。
(核酸クロマトグラフィー)
本明細書において、核酸クロマトグラフィーとは、キャピラリー現象により液体(展開媒体)を拡散・移動可能な多孔質状の固相担体を用いて、前記液体により核酸を固相担体内を移動させて固相担体に固定化されている検出用プローブとの特異的な塩基対合によってハイブリダイズ産物を形成させて前記核酸を固相担体に補足するクロマトグラフィーをいう。
検出用プローブは、一本鎖の核酸配列であり、検出用配列の長さは、特に限定しないが、20塩基以上50塩基以下であることが好ましい。この範囲であれば、各検出用配列の特異性を確保しつつハイブリダイゼーション効率も確保できる。例えば、こうした検出用配列の設計方法や例は、特許5503021号公報に開示されている。
なお、第1プライマーに結合しているタグ配列は、検出用プローブ配列と対合する塩基配列であるため、タグ配列の塩基長は、検出用配列と同様、20塩基以上50塩基以下であることが好ましく、より好ましくは、20塩基以上25塩基以下である。
検出用プローブは、固相担体に固定化されている。例えば、固相担体はプラスチックであってもよいし、ガラスであってもよく、材質は特に限定されない。また、セルロース、ニトロセルロース、ナイロン等の多孔質体であってもよい。この種の多孔質担体は、特に、アフィニティークロマトグラフィーにより、固相担体に固定化した検出用プローブと増幅断片とをハイブリダイゼーションさせるのに好適である。
検出用プローブを固定化した固相担体は商業的に入手することも可能であり、例えばクロマトPAS(F4)(株式会社TBA社製)、クロマトPAS(F8)(株式会社TBA社製)等が挙げられる。
(ハイブリダイゼーション工程)
ハイブリダイゼーション工程は、核酸等温増幅産物を含有する増幅反応液と前記標識物質結合物質に結合する標識物質を含む展開媒体を準備して核酸クロマトグラフィーを行い、固相担体上に固定された1以上の検出用プローブと、前記核酸等温増幅産物とを、ハイブリダイズさせる工程である。さらに展開媒体に標識物質が含まれることで、核酸クロマトグラフィーの工程中に核酸等温増幅産物には標識物質が標識される。
展開媒体は、クロマトグラフィー本体の固相担体をキャピラリー現象により拡散移動する液体であり、固相担体上で増副産物を移動させるための媒体である。展開媒体は、水性媒体である。水性媒体は、特に限定しないが、例えば、水、水と相溶する有機溶媒、又は水と1種又は2種以上の前記有機溶媒の混液が挙げられる。水と相溶する有機溶媒は、当業者において周知であるが、例えば、炭素数1〜4程度の低級アルコール、DMSO、DMF、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、アセトン等が挙げられる。展開媒体は、好ましくは水を主体とする。
展開媒体は、そのpHを一定範囲にするための成分を含むことができる。緩衝塩は、意図するpHにもよるが通常は、6.0以上8.0以下の範囲である。より好ましくは、7.0以上8.0以下である。こうしたpHを得るための成分は、例えば、酢酸と酢酸ナトリウム(酢酸緩衝液)、クエン酸とクエン酸ナトリウム(クエン酸緩衝液)、リン酸とリン酸ナトリウム(リン酸緩衝液)等である。さらに、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等が挙げられる。なお、展開媒体として、増幅反応液をそのまま採用してもよい。また、増幅反応液に対して、界面活性剤や適当な塩等の追加の成分や溶媒を加えたりすることで、組成や濃度の調整をして展開媒体として使用してもよい。
検出工程は、最終的なハイブリダイズ産物を、標識物質に基づいて検出する工程である。より具体的には、検出用プローブが固定化された領域の着色及び位置を確認する工程である。標識物質によるシグナルを検出するには、標識物質の種類に応じて適宜選択される。特異的結合反応や酵素による発色反応が必要な場合には、適宜そうした操作が行われる。
(コンタミネーション防止)
本発明の方法は、核酸等温増幅工程(LAMP反応)をdUTPの存在下で行い、核酸等温増幅工程(LAMP反応)の前にウラシルDNAグリコシラーゼ(UNG)処理を行うことで、先行する核酸等温増幅工程からの「キャリーオーバー」コンタミネーションを防ぐことができる。
本方法は、増幅された核酸を容易に分解させるように修飾することによってコンタミネーションを防ぐ方法である。
まず、潜在的なキャリーオーバー汚染源である、先行するLAMP反応の増幅産物である単位複製配列がウラシルを含有するように、先行するLAMP反応工程においてヌクレオチドとしてdTTPの代わりにdUTPを用いて増幅反応を行う。先行するLAMP反応はdUTPの存在下で行い、反応においてdTTPの一部分または全てをdUTPに置換させる。
後続するLAMP反応においてもdUTPを用いて増幅反応を行い、反応液にウラシル−N−DNAグリコシラーゼを添加する。増幅反応(例えば65℃、30分)の前にUNGが活性である温度範囲内でインキュベートされる(例えば室温、5分)。先行する反応からのウラシル含有汚染物質が存在する場合、UNGはウラシルを開裂させ脱塩基部位を残す。脱塩基部位をもつDNAは、高いpH条件下では高温で不安定であることが知られており、増幅反応が開始した時点で、このようなDNAは分解される。UNG酵素は増幅反応を行う温度で不活性化され、ウラシルを含有する新しいDNA単位複製配列を生成させる。これ以降のLAMP反応においても同様にウラシル−N−DNAグリコシラーゼ処理を行うことで「キャリーオーバー」コンタミネーションを防ぐことができる。
以下本発明を具体的に説明する為に実施例を示すが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
1.目的
LAMP反応産物がC-PASで検出可能かどうか検討した。
2.材料
<LAMP反応で使用する試薬類>
・100μM フォワード インナープライマー (FIP)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP)
・100μM フォワード ループプライマー (LF)_タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード ループプライマー (LB)_ビオチン結合(5’末端)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3)
・Isothermal Master Mix (OptiGene社)
・Salmonella enterica(SAL) ゲノムDNA
・Staphylococcus aureus(STA) ゲノムDNA
< STHクロマトPAS法で使用する試薬類>(株式会社TBA社製)
・クロマトPAS(F4)
・クロマト展開バッファー
・クロマト展開用色素
3.方法
はじめに、Salmonella enterica(SAL)ゲノムDNA(配列番号1)とStaphylococcus aureus(STA)ゲノムDNA(配列番号2)のそれぞれを特異的に検出可能なプライマーセット(FIP、BIP、LF、LB、F3及びB3)の設計を行った。各プライマーセットの設計は、Primer Explorer(栄研化学)を使用した。
Salmonella entericaゲノムDNAを検出可能なプライマーセット(SAL検出用プライマーセット)の配列は以下の表の通りである。

表1 SAL検出用プライマーセット
Staphylococcus aureusゲノムDNAを検出可能なプライマーセット(STA検出用プライマーセット)の配列は以下の表の通りである。

表2 STA検出用プライマーセット
設計後のプライマーは、ダイマー形成の可能性の有無を確認した上で、STHクロマトPAS法にて検出できるように、常法によりタグ配列をLFプライマーの5’末端に、ビオチンをLBプライマーの5’末端にそれぞれ結合させた。なおタグ配列はSAL検出用とSTA検出用で異なるものを用いた。
次にProbe Mixtureの調製を行った。Probe Mixtureは1反応あたり、FIPを0.4μL、BIPを0.4μL、LFを0.4μL、LBを0.4μL、F3を0.05μL、B3を0.05μL及び滅菌水を0.8μL添加した。次にLAMP反応液の調製を行った。LAMP反応用Tube Stripに、調製済みProbe Mixtureを2μL、Isothermal Master Mixを8μL、Temp. DNAを2μL添加して混合した。マルチプレックス(同一検体中に複数の検出対象核酸を含む場合)で反応を行う場合は、SAL検出用とSTA検出用のProbe Mixtureをそれぞれ1:1で混合させた。LAMP等温反応にはGenieII(OptiGene社)を使用した。反応温度を65℃とし、30分間反応させた。
反応後のLAMP産物を滅菌水で1/10希釈を行った。希釈産物を1μL、滅菌水を9μL、クロマト展開用色素1μL及びクロマト展開バッファーを10μL添加した後に混合した。混合した反応液にクロマト紙を浸して、室温で20分間クロマト展開を行った。
4.結果
LAMP用プライマーのLFとLBにそれぞれタグ配列とビオチンを結合させたものを用いてLAMP反応を行った。LAMP反応産物のクロマト展開結果を図3に示す。図3において、レーン1は検体内にSAL ゲノムDNAのみが含まれるもの、レーン2は検体内にSTA ゲノムDNAのみが含まれるもの、レーン3は検体内にSAL ゲノムDNAとSTA ゲノムDNAが含まれるもの、レーン4はネガティブコントロール1(Escherichia coli)、レーン5はネガティブコントロール2(D.W.)である。
SALゲノムDNAとSTAゲノムDNAについてそれぞれ特異的なバンドを検出することができた(図3、レーン1及びレーン2)。また、マルチプレックスにてLAMP反応を行った場合、SALゲノムDNAとSTAゲノムDNAをともに検出することができた(図3、レーン3)。なお、ネガティブコントロールはSALゲノムDNAとSTAゲノムDNAともに検出されなかった(図3、レーン4及びレーン5)。
さらに検出プライマーの特異性を検討した結果を図4に示す。図4において、レーン1〜3はSAL検出用プライマーを使用し、検体内にSAL ゲノムDNAのみが含まれるもの(レーン1)、検体内にSTA ゲノムDNAのみが含まれるもの(レーン2)、ネガティブコントロール(レーン3)である。またレーン1〜3はSTA検出用プライマーを使用し、検体内にSAL ゲノムDNAのみがふくまれるもの(レーン4)、検体内にSTA ゲノムDNAのみが含まれるもの(レーン5)、ネガティブコントロール(レーン6)である。
SAL及びSTA検出用プライマーについてLFとLBにそれぞれタグ配列とビオチンを結合させたものを使用してLAMP反応を行った場合、それぞれSALゲノムDNAとSTAゲノムDNAが存在している時にのみバンドとして検出された(図4、レーン1及びレーン5)。
これにより、LAMP用プライマーにタグ配列やビオチン等の標識物質結合物質を結合させた場合でもLAMPの反応は阻害されないことが明らかとなった。また、LAMPの反応産物はSTHクロマトPAS法で検出することが可能であった。さらに、プライマーを複数混合させることにより、マルチプレックスで検出を行うことが可能であることが明らかとなった。また、SAL及びSTA検出用プライマーによる反応は特異的なものであることが示された。
(実施例2)
1.目的
LAMPプライマーのうち、どのプライマーにタグ配列又はビオチンを結合させればよいか検討を行った。
2.材料
<LAMP反応で使用する試薬類>
・100μM フォワード インナープライマー (FIP)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP)
・100μM フォワード インナープライマー (FIP)_タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP) _ビオチン結合(5’末端)
・100μM フォワード ループプライマー (LF)
・100μM バックワード ループプライマー (LB)
・100μM フォワード ループプライマー (LF) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード ループプライマー (LB) _ビオチン結合(5’末端)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3)
・Isothermal Master Mix (OptiGene社)
・Staphylococcus aureus(STA) ゲノムDNA
<STHクロマトPAS法で使用する試薬類>(株式会社TBA社製)
・クロマトPAS(F4) 1本
・クロマト展開バッファー
・クロマト展開用色素
3.方法
使用したSTA検出用プライマーセットのプライマー配列は実施例1と同じである。以下の表に従って、常法により各プライマーの5’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたプライマーを準備した。
表3 タグ配列又はビオチンを結合させたプライマーの組み合わせ及び検出結果
検出可:+ 検出不可:− Probe Mixtureの調製は”表3上段に示すプライマーの組み合わせ”の通りに行った。(i)はインナープライマーであるFIPプライマーとBIPプライマーの5’末端部位にそれぞれタグ配列又はビオチンが結合している。(ii)はインナープライマーのFIPとループプライマーのLBにそれぞれタグ配列又はビオチンが結合している。(iii)はインナープライマーのBIPとループプライマーのLFにそれぞれタグ配列又はビオチンが結合している。Probe Mixtureは1反応あたり、FIPを0.4μL、BIPを0.4μL、LFを0.4μL、LBを0.4μL、F3を0.05μL、B3を0.05μL及び滅菌水を0.8μL添加した。次にLAMP反応液の調製を行った。LAMP反応用Tube Stripに、調製済みProbe Mixtureを2μL、Isothermal Master Mixを8μL、Temp. DNAを2μL添加して混合した。LAMP等温反応にはGenieII(OptiGene社)を使用した。反応温度を65℃とし、30分間反応させた。
反応後のLAMP産物を滅菌水で1/10希釈を行った。希釈産物を1μL、滅菌水を9 μL、クロマト展開用色素 1μL及びクロマト展開バッファーを10μL添加した後に混合した。混合した反応液にクロマト紙を浸して、室温で20分間クロマト展開を行った。
4.結果
結果を図5に示す。LAMPプライマーのうち、(i)第1プライマー及び第2プライマーのセットがフォワードとバックワード 共にインナープライマーの場合(図5、レーン1)、STAゲノムDNAの特異的なバンドが検出された。同様に、(ii)第1プライマー及び第2プライマーのセットがフォワード インナープライマーとバックワード ループプライマーの組み合わせの場合(図5、レーン3)や(iii)第1プライマー及び第2プライマーのセットがフォワード インナープライマーとバックワード ループプライマーの組み合わせの場合(図5、レーン5)でもSTAゲノムDNAの特異的なバンドが検出された。なお、図5のレーン2、4及び6はそれぞれ(i)、(ii)及び(iii)のプライマーの組み合わせを使用したときのネガティブコントロール(D.W.)である。さらに実施例1で使用した第1プライマー及び第2プライマーのセットはフォワードとバックワード 共にループプライマーの場合であることから、インナープライマー及びループプライマーのいずれにおいてタグ配列又はビオチンを結合させても検出可能であることがわかった。なお、結果を示さないが、同様に5’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたアウタープライマーを使用した場合は検出できなかった。
(実施例3)
1.目的
LAMP_C-PASの検出感度の確認を行った。
2.材料
<LAMP反応で使用する試薬類>
・100μM フォワード インナープライマー (FIP)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP)
・100μM フォワード ループプライマー (LF) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード ループプライマー (LB) _ビオチン結合(5’末端)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3)
・Isothermal Master Mix (OptiGene社)
・Salmonella enterica(SAL) ゲノムDNA (10ng、1ng、100pg、10pg、1pg、100fg、10fg及び1fg)
・Staphylococcus aureus(STA) ゲノムDNA (10ng、1ng、100pg、10pg、1pg、100fg、10fg、1fg)

<STHクロマトPAS法で使用する試薬類>(株式会社TBA社製)
・クロマトPAS(F4) 1本
・クロマト展開バッファー
・クロマト展開用色素
3.方法
使用したSAL検出用およびSTA検出用プライマーセットのプライマー配列は実施例1と同じである。常法によりタグ配列をLFプライマーの5’末端に、ビオチンをLBプライマーの5’末端にそれぞれ結合させた。なおタグ配列は実施例1と同様、SAL検出用とSTA検出用で異なるものを用いた。
SAL ゲノムDNA及びSTA ゲノムDNAをそれぞれ10ng、1ng、100pg、10pg、1pg、100fg、10fg及び1fgとなるように希釈系列を作製した。SALゲノムDNAとSTAゲノムDNAを混合状態で検出を行う場合は、両者を同じ濃度ずつ混合させた。
次にProbe Mixtureの調製を行った。Probe Mixtureは1反応あたり、FIPを0.4μL、BIPを0.4μL、LFを0.4μL、LBを0.4μL、F3を0.05μL、B3を0.05μL及び滅菌水を0.8μL添加した。次にLAMP反応液の調製を行った。LAMP反応用Tube Stripに、調製済みProbe Mixtureを2μL、Isothermal Master Mixを8μL、Temp. DNAを2μL添加して混合した。マルチプレックスで反応を行う場合は、SALとSTA検出用のProbe Mixtureをそれぞれ1:1で混合させた。LAMP等温反応にはGenieII(OptiGene社)を使用した。反応温度を65℃とし、30分間反応させた。
反応後のLAMP産物を滅菌水で1/10希釈を行った。希釈産物を1μL、滅菌水を9 μL、クロマト展開用色素 1μL及びクロマト展開バッファーを10μL添加した後に混合した。混合した反応液にクロマト紙を浸して、室温で20分間クロマト展開を行った。
4.結果
SALゲノムDNA及びSTAゲノムDNAを希釈してLAMP反応を行い、LAMP反応産物をクロマト展開した結果を図6に示す。図6において、レーン1〜4はSALゲノムDNAを順に1ng、1pg、10fg、1fg含むもので、レーン6〜9はSTAゲノムDNAを順に1ng、1pg、10fg、1fg含むものでレーン5及びレーン10はそれぞれネガティブコントロールである。
SALゲノムDNA及びSTAゲノムDNA共に10fgまで検出することができた。
なおSALゲノムDNAまたはSTAゲノムDNAを希釈してLAMP反応を行い、SYBRGreenを利用した従来法により増幅産物の検出を行ったところ、共に10fgまで検出することができた。
またSAL ゲノムDNA及びSTA ゲノムDNAを混合し同一検体に含むものを希釈して、LAMP反応を行い、LAMP反応産物をクロマト展開した結果を図7に示す。図7においてレーン1〜5はSALゲノムDNA+STAゲノムDNAを順に1ng、1pg、100fg、10fg、1fg含むもので、レーン6はネガティブコントロールである。検体に含まれるSALゲノムDNAとSTAゲノムDNAのいずれも1pgまでは検出可能であった。100fg以下の場合は、いずれか一方のみが検出された。
(実施例4)
1.目的
プライマー配列内の結合の位置による影響を検討した。
2.材料
・100μM フォワード インナープライマー (FIP) _タグ配列結合(3’末端)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP) _ビオチン結合(3’末端)
・100μM フォワード インナープライマー (FIP) _タグ配列結合(5’末端及び3’末端)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP) _ビオチン結合(5’末端及び3’末端)
・100μM フォワード インナープライマー (FIP) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP) _ビオチン結合(34位T、B2内部)
・100μM フォワード インナープライマー (FIP) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP) _ビオチン結合(10位T、B1c内部)
・100μM フォワード ループプライマー (LF) _タグ配列結合(3’末端)
・100μM バックワード ループプライマー (LB) _ビオチン結合(3’末端)
・100μM フォワード ループプライマー (LF) _タグ配列結合(5’末端及び3’末端)
・100μM バックワード ループプライマー (LB) _ビオチン結合(5’末端及び3’末端)
・100μM フォワード ループプライマー (LF) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード ループプライマー (LB) _ビオチン結合(10位T、LB内部)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3) _ビオチン結合(5’末端)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3) _タグ配列結合(3’末端)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3) _ビオチン結合(3’末端)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3) _タグ配列結合(5’末端及び3’末端)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3) _ビオチン結合(5’末端及び3’末端)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3) _ビオチン結合(11位T、B3内部)
・100μM フォワード インナープライマー (FIP)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP)
・100μM フォワード ループプライマー (LF)
・100μM バックワード ループプライマー (LB)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3)
・Isothermal Master Mix(OptiGene社)
・Staphylococcus aureus(STA) ゲノムDNA
< STHクロマトPAS法で使用する試薬類>(株式会社TBA社製)
・クロマトPAS(F4) 1本
・クロマト展開バッファー
・クロマト展開用色素
3.方法
LAMP反応に必要なプライマーのうち、プライマー配列にビオチン又はタグ配列を結合する位置の検討を行った。
使用したSTA検出用プライマーセットのプライマー配列は実施例1と同じである。常法によりプライマーの5’末端、3’末端、5’末端及び3’末端の両方及びプライマーの配列内部に結合させたものを調製した。なおタグ配列は実施例1と同様、SAL検出用とSTA検出用で異なるものを用いた。

次にProbe Mixtureの調製を行った。Probe Mixtureは1反応あたり、FIPを0.4μL、BIPを0.4μL、LFを0.4μL、LBを0.4μL、F3を0.05μL、B3を0.05μL及び滅菌水を0.8μL添加した。次にLAMP反応液の調製を行った。LAMP反応用Tube Stripに、調製済みProbe Mixtureを2μL、Isothermal Master Mixを8μL、Temp. DNAを2μL添加して混合した。マルチプレックスで反応を行う場合は、SALとSTA検出用のProbe Mixtureをそれぞれ1:1で混合させた。LAMP等温反応にはGenieII(OptiGene社)を使用した。反応温度を65℃とし、30分間反応させた。
反応後のLAMP産物を滅菌水で1/10希釈を行った。希釈産物を1μL、滅菌水を9 μL、クロマト展開用色素 1μL及びクロマト展開バッファーを10μL添加した後に混合した。混合した反応液にクロマト紙を浸して、室温で20分間クロマト展開を行った。
4.結果
結果を図8に示す。図8におけるタグ配列又はビオチンを結合させたプライマーの組み合わせ及び検出結果は以下の表4にまとめる通りである。レーン1はアウタープライマーの5’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたもの、レーン2はアウタープライマーの3’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたもの、レーン3はアウタープライマーの5’末端と3’末端の両方にタグ配列又はビオチンを結合させたもの、レーン4はインナープライマーの3’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたもの、レーン5はインナープライマーの5’末端と3’末端の両方にタグ配列又はビオチンを結合させたもの、レーン6はループプライマーの3’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたものもの、レーン7はループプライマーの5’末端と3’末端の両方にタグ配列又はビオチンを結合させたもの、レーン8はインナープライマーの5’末端にタグ配列、インナープライマーのB1c内にビオチンを結合させたもの、レーン9はインナープライマーの5’末端にタグ配列、インナープライマーのB2内にビオチンを結合させたもの、レーン10はループプライマーの5’末端にタグ配列、ループプライマーのLB内にビオチンを結合させたもの、レーン11はアウタープライマーの5’末端にタグ配列、アウタープライマーのB3内にビオチンを結合させたものを使用したものである。
インナープライマーの3’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたもの(レーン4)、インナープライマーの5’末端と3’末端の両方にタグ配列又はビオチンを結合させたもの(レーン5)、インナープライマーの5’末端にタグ配列、インナープライマーの内部にビオチンを結合させたもの(レーン9)を使用した場合はバンドが検出された。同様に、ループプライマーの3’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたもの(レーン6)、ループプライマーの5’末端と3’末端の両方にタグ配列又はビオチンを結合させたもの(レーン7)、ループプライマーの5’末端にタグ配列、ループプライマーの内部にビオチンを結合させたものを使用した場合(レーン8)もバンドが検出された。一方、アウタープライマーの5’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたもの(レーン1)、アウタープライマーの3’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたもの(レーン2)、アウタープライマーの5’末端と3’末端の両方にタグ配列又はビオチンを結合させたもの(レーン3)、アウタープライマーの5’末端にタグ配列、アウタープライマーの内部にビオチンを結合させたもの(レーン11)を使用した場合のいずれについてもバンドが検出されなかった。
た。
表4 図8におけるタグ配列又はビオチンを結合させたプライマーの組み合わせ及び検出結果


検出可:+ 検出不可:−
実施例2においてインナープライマーの5’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたもの、ループプライマーの5’末端にタグ配列又はビオチンを結合させたものを使用した場合に検出可能であったことと合わせて、プライマー配列内の標識の位置による検出可能性への影響をまとめると以下の表2の通りとなる。
表5
検出可:+ 検出不可:−
(実施例5)
コンタミネーション防止策について
1.目的
Uracil-DNA Glycosylase(UNG)を利用したLAMP_C-PAS反応系の検討
2.材料
・Isothermal Master Mix(OptiGene社)
・2×LAMP Master Mix (株式会社ニッポンジーン)
・Uracil-DNA Glycosylase(UNG)1Units/μL(株式会社ニッポンジーン)
・100μM フォワード インナープライマー (FIP)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP)
・100μM フォワード ループプライマー (LF) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード ループプライマー (LB) _ビオチン結合(5’末端)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3)
・Staphylococcus aureus ゲノムDNA
< STHクロマトPAS法で使用する試薬類>(株式会社TBA社製)
・クロマトPAS(F8)
・クロマト展開バッファー 10μL
・クロマト展開用色素 1μL
3.方法
(1)LAMP反応系においてdTTPのかわりにdUTPを添加した場合でもLAMP用ポリメラーゼが反応するかどうかを確認するためにヌクレオチドとして、dNTPsを使用したもの、dTTP:dUTP=1:1となるようにdNTPsに含まれるdTTPをdUTPで置換したもの、dNTPsに含まれるdTTPをすべてdUTPに置換したものを比較した。
使用したSTA検出用プライマーセットのプライマー配列は実施例1と同じである。常法によりタグ配列をLFプライマーの5’末端に、ビオチンをLBプライマーの5’末端にそれぞれ結合させた。
Probe Mixtureは1反応あたり、FIPを0.2μL、BIPを0.2μL、LFを0.1μL、LBを0.1μL、F3を0.025μL、B3を0.025μL及び滅菌水を1.85μL添加した。次にLAMP反応液の調製を行った。LAMP反応用Tube Stripに、調製済みProbe Mixtureを2.5μL、2×LAMP Master Mix(Bst DNA polymeraseを含む)を12.5μL、Temp. DNAを2.5μL、滅菌水を6.5μL添加して混合した。
LAMP等温反応にはLightCycler96(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)を使用した。反応温度を65℃とし、60分間反応させた。
(2)キャリーオーバーによるコンタミネーションを防ぐために、LAMP反応系にUracil-DNA Glycosylase(UNG)(株式会社ニッポンジーン)を添加してLAMP反応への影響を確認した。Probe Mixtureは1反応あたり、FIPを0.4μL、BIPを0.4μL、LFを0.2μL、LBを0.2μL、F3を0.05μ、B3を0.05μL及び滅菌水を1.2μL添加した。次にLAMP反応液の調製を行った。LAMP反応用Tube Stripに、調製済みProbe Mixtureを2.5μL、2×LAMP Master Mix(Bst polymeraseまたはCsa polymeraseを含む)を12.5μL、UNGを1.0μL、Temp. DNAを2.5μL添加して混合した。LAMP等温反応にはLightCycler96(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)を使用した。反応温度を65℃とし、60分間反応させた。LAMP等温反応の前に室温で10分間インキュベートすることによってUNG処理をおこなった。
反応後のLAMP産物を滅菌水で1/10希釈を行った。希釈産物を1μL、滅菌水を9μL、クロマト展開用色素1μL及びクロマト展開バッファーを10μL添加した後に混合した。混合した反応液にクロマト紙を浸して、室温で20分間クロマト展開を行った。
4.結果
ヌクレオチドとしてdNTPsに含まれるdTTPをdUTPで置換した場合のLAMP反応への影響を図9に示す。
ヌクレオチドとしてdNTPsを使用した通常のLAMP反応(図9の(1))と同様に、dTTP:dUTP=1:1となるようにdNTPsに含まれるdTTPをdUTPで置換したもの(図9の(2))、dNTPsに含まれるdTTPをすべてdUTPに置換したもの(図9の(3))でもLAMP反応が問題なく進むことが確認された。
また、UNG処理の有無によるキャリーオーバーへの影響を検討した結果を図10及び図11に示す。図10はBst DNA PolymeraseまたはCsa DNA Polymeraseの2種類の酵素を使用したLAMP Master Mixを用いて、UNGを添加しないものと添加したものでLAMP反応産物を鋳型としたLAMP反応が起こるかどうかを検討したものである。いずれの酵素を使用したLAMP Master Mixを使用した場合でもUNGを添加して反応を行った場合はLAMP反応は進まなかった。
図11において、レーン1はSTAゲノムDNAを鋳型としてUNGを添加して反応したもの、レーン2はSTAゲノムDNAと、STA LAMP増幅産物を鋳型としてUNGを添加して反応したもの、レーン3はSTA LAMP増幅産物を鋳型としてUNGを添加して反応したもの、レーン4はSTAゲノムDNAを鋳型としてUNGを添加せずに反応したもの、レーン5はSTAゲノムDNAと、STA LAMP増幅産物を鋳型としてUNGを添加せずに反応したもの、レーン6はSTA LAMP増幅産物を鋳型としてUNGを添加せずに反応したものである。いずれもUNGを添加した系、すなわちUNG処理を行った系では、LAMP反応が見られず(図10、図11のレーン3)、キャリーオーバーが起こっていないことが確認された。
(実施例6)
1.目的
LAMP反応にインナープライマー、ループプライマーまたはアウタープライマーのいずれかのみを使用した場合の検討
2.材料
<LAMP反応で使用する試薬類>
・Isothermal Master Mix (OptiGene社製)
・100μM フォワード インナープライマー (FIP) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード インナープライマー (BIP) _ビオチン結合(5’末端)
・100μM フォワード ループプライマー (LF) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード ループプライマー (LB) _ビオチン結合(5’末端)
・100μM フォワード アウタープライマー (F3) _タグ配列結合(5’末端)
・100μM バックワード アウタープライマー (B3) _ビオチン結合(5’末端)
・Staphylococcus aureus ゲノムDNA (STA)
< STHクロマトPAS法で使用する試薬類>(株式会社TBA社製)
・クロマトPAS(F8)
・クロマト展開バッファー 10μL
・クロマト展開用色素 1μL
3.方法
インナープライマー、ループプライマーまたはアウタープライマーのいずれかのみを使用した場合に、LAMP反応が進むかどうかを確認した。
使用したSTA検出用プライマーセットのプライマー配列は実施例1と同じである。タグ配列又はビオチンを結合させる位置はすべてプライマーの5’末端であった。Primer Mixtureの調製では、1反応あたり、FIPを0.4μLとBIPを0.4μLまたはLFを0.4μLとLBを0.4μLまたはF3を0.4μLとB3を0.4μL添加し、滅菌水を添加して計2.5μLとした。次にLAMP反応液の調製を行った。LAMP反応用Tube Stripに、調製済みPrimer Mixtureを2.5μL、Isothermal Master Mixを8μL、Temp. DNAを2μL添加して混合した。マルチプレックスで反応を行う場合は、Salmonella entericaとStaphylococcus aureus用のPrimer Mixtureをそれぞれ1:1で混合させた。LAMP等温反応にはGenieII(OptiGene社)を使用した。反応温度を65℃とし、30分間反応させた。
反応後のLAMP産物を滅菌水で1/10希釈を行った。希釈産物を1μL、滅菌水を9 μL、クロマト展開用色素 1μL及びクロマト展開バッファーを10μL添加した後に混合した。混合した反応液にクロマト紙を浸して、室温で20分間クロマト展開を行った。
4.結果
結果を図12に示す。図12はインナープライマーのみを使用した場合のSTA ゲノムDNA(レーン1)、ネガティブコントロール(レーン2)、ループプライマーのみを使用した場合のSTA ゲノムDNA(レーン3)、ネガティブコントロール(レーン4)、アウタープライマープライマーのみを使用した場合のSTA ゲノムDNA(レーン5)、ネガティブコントロール(レーン6)を示す。
インナープライマー(FIP及びBIP)、ループプライマー(LF及びLB)そしてアウタープライマー(F3及びB3)のいずれかの組合せをLAMP反応に使用した結果、インナープライマー(FIP及びBIP)のみを使用した場合(レーン1)にのみバンドとして検出することができた。

Claims (8)

  1. 同一検体内に以上含まれる標的核酸配列の検出方法であって、
    下記(a)〜(d):
    (a)標的核酸配列ごとに第1プライマー及び第2プライマーのセットを準備する工程であって、
    前記第1プライマーにはタグ配列が結合しており、前記タグ配列は、標的核酸配列ごとに異なり、
    前記第2プライマーには標識物質結合物質が結合している前記工程、
    (b)以上の第1プライマー及び第2プライマーのセットを用いて同一反応液中でLAMP法により核酸等温増幅を行う工程、
    (c)前記核酸等温増幅産物を含有する増幅反応液と前記標識物質結合物質に結合する標識物質を含む展開媒体を準備して固相担体上で核酸クロマトグラフィーを行い、
    前記固相担体上に固定された、2以上の検出用プローブ(前記タグ配列に相補的な配列を有する一本鎖DNA)と、前記核酸等温増幅産物とを、ハイブリダイズさせる工程と前記核酸等温増幅産物に標識物質を標識する工程を含む工程及び、
    (d)前記工程(c)で生成したハイブリダイズ産物を前記標識物質により検出する検出工程を含み、

    前記標的核酸配列の3’末端から5’末端方向に配置する任意配列F3c、F2c、LF、F1c、B1、LBc、B2及びB3について
    前記第1及び第2プライマーが下記(i)〜(iv):
    (i)F2cと相補的な配列F2及びF2の5’側にF1cと同じ配列を含むFIPプライマー、
    (ii)B2と同じ配列及びB2の5’側にB1と相補的な配列B1cを含むBIPプライマー、
    (iii)LF領域と同じ配列をもつLFプライマー及び
    (iv)LBc領域と相補的な配列をもつLBプライマー、
    からなる群より任意に選択される方法。
  2. 第1プライマー及び第2プライマーのセットが、第1プライマーがFIPプライマー且つ第2プライマーがBIPプライマーまたは第1プライマーがBIPプライマー且つ第2プライマーがFIPプライマーである、請求項1に記載の方法。
  3. 各標的核酸配列の第1プライマー及び第2プライマーのセットが、第1プライマーがFIPプライマー且つ第2プライマーがBIPプライマーまたは第1プライマーがBIPプライマー且つ第2プライマーがFIPプライマーであって、前記核酸等温増幅工程において各標的核酸配列の第1プライマー及び第2プライマーのセット以外のプライマーを使用しない請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記タグ配列の塩基長が20塩基以上50塩基以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記標識物質結合物質は、抗原抗体反応における抗体並びにビオチン、ジゴキシゲニン及びFITCを含むハプテンからなる群から選択される1種又は2種以上であり、
    前記標識物質は、前記標識物質結合物質と結合可能な部位を備えて、蛍光、放射能、酵素、燐光、化学発光及び着色からなる群から選択される1種又は2種以上を利用する標識物質である、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 核酸等温増幅工程をdUTPの存在下で行い、核酸等温増幅工程の前にウラシルDNAグリコシラーゼ(UNG)処理を行う、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の検出方法を実施する為に用いられ、少なくとも第1プライマー及び第2プライマーのセットを含むことを特徴とする測定試薬又は試薬キット。
  8. さらに、固相担体上に固定された以上の検出用プローブを含むことを特徴とする請求項に記載の測定試薬又は試薬キット。
JP2017538881A 2015-09-07 2016-03-25 等温増幅反応産物の多項目同時検出方法 Active JP6623324B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015175937 2015-09-07
JP2015175937 2015-09-07
PCT/JP2016/059749 WO2017043114A1 (ja) 2015-09-07 2016-03-25 等温増幅反応産物の多項目同時検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017043114A1 JPWO2017043114A1 (ja) 2018-09-27
JP6623324B2 true JP6623324B2 (ja) 2019-12-25

Family

ID=58239432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017538881A Active JP6623324B2 (ja) 2015-09-07 2016-03-25 等温増幅反応産物の多項目同時検出方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6623324B2 (ja)
WO (1) WO2017043114A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022225220A1 (ko) * 2021-04-20 2022-10-27 재단법인 아산사회복지재단 마이크로입자 기반 핵산 검출용 키트 및 핵산 증폭산물 검출 방법

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106893787A (zh) * 2017-04-20 2017-06-27 广西壮族自治区兽医研究所 鉴别口蹄疫病毒和水泡性口炎病毒的二重荧光rt‑lamp检测引物组、试剂盒及其应用
US20230257813A1 (en) * 2019-11-15 2023-08-17 Public University Corporation Yokohama City University Sensitive Detection Method for Undifferentiated Marker Genes
WO2021132596A1 (ja) 2019-12-27 2021-07-01 株式会社カネカ プライマーセット及びそれを用いて標的核酸を検出する方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7700282B2 (en) * 2004-10-11 2010-04-20 Epigenomics Ag Method for the carry-over protection in DNA amplification systems targeting methylation analysis achieved by a modified pre-treatment of nucleic acids
JP2007075052A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Eiken Chem Co Ltd 単一蛍光標識オリゴヌクレオチドを用いた核酸の検出法
WO2009079703A1 (en) * 2007-12-20 2009-07-02 Human Genetic Signatures Pty Ltd Elimination of contaminants associated with nucleic acid amplification
US8669061B2 (en) * 2008-06-26 2014-03-11 Roche Molecular Systems, Inc. Method for the prevention of carryover contamination in nucleic acid amplification technologies
JP4528885B1 (ja) * 2009-06-29 2010-08-25 株式会社東芝 検体解析方法およびそれに用いるアッセイキット
TW201231672A (en) * 2010-09-16 2012-08-01 Toshiba Kk Primer, probe, and method for multi-specimen analysis
WO2012108961A1 (en) * 2011-02-09 2012-08-16 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy Detection of hepatitis b virus in blood using lamp method
JP2012200223A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Toshiba Corp 核酸定量法
WO2013039228A1 (ja) * 2011-09-14 2013-03-21 日本碍子株式会社 標的核酸の検出方法
JP6298040B2 (ja) * 2013-03-01 2018-03-20 株式会社ヤクルト本社 病原性真菌の一括検出方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022225220A1 (ko) * 2021-04-20 2022-10-27 재단법인 아산사회복지재단 마이크로입자 기반 핵산 검출용 키트 및 핵산 증폭산물 검출 방법
KR20220144608A (ko) * 2021-04-20 2022-10-27 재단법인 아산사회복지재단 마이크로입자 기반 핵산 검출용 키트 및 핵산 증폭산물 검출 방법
KR102625074B1 (ko) 2021-04-20 2024-01-16 재단법인 아산사회복지재단 마이크로입자 기반 핵산 검출용 키트 및 핵산 증폭산물 검출 방법

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017043114A1 (ja) 2017-03-16
JPWO2017043114A1 (ja) 2018-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhang et al. Visual detection for nucleic acid-based techniques as potential on-site detection methods. A review
Miyamoto et al. Method for colorimetric detection of double-stranded nucleic acid using leuco triphenylmethane dyes
Knez et al. Emerging technologies for hybridization based single nucleotide polymorphism detection
Tanner et al. Simultaneous multiple target detection in real-time loop-mediated isothermal amplification
EP0567635B1 (en) Rapid assays for amplification products
JP4268944B2 (ja) 核酸の検出あるいは定量方法
JP2020530779A5 (ja)
JP6623324B2 (ja) 等温増幅反応産物の多項目同時検出方法
Wang et al. Detection of nucleic acids and elimination of carryover contamination by using loop-mediated isothermal amplification and antarctic thermal sensitive uracil-DNA-glycosylase in a lateral flow biosensor: application to the detection of Streptococcus pneumoniae
US20210198723A1 (en) Methods of detecting an analyte
CN114085896A (zh) 使用非干扰性噪音消除性多核苷酸鉴定标签的多重焦磷酸测序
JPH04503158A (ja) 核酸配列又はその中の変化の検出
Garrido‐Maestu et al. Naked‐eye detection strategies coupled with isothermal nucleic acid amplification techniques for the detection of human pathogens
Jauset-Rubio et al. Solid-phase primer elongation using biotinylated dNTPs for the detection of a single nucleotide polymorphism from a fingerprick blood sample
Lee et al. A lateral flow assay for nucleic acid detection based on rolling circle amplification using capture ligand-modified oligonucleotides
Wang et al. A label-free technique for accurate detection of nucleic acid–based self-avoiding molecular recognition systems supplemented multiple cross-displacement amplification and nanoparticles based biosensor
US20180223381A1 (en) Diagnostic methods and compositions
Soliman et al. Detection of fish pathogens by loop-mediated isothermal amplification (LAMP) technique
Choi et al. Point-of-care COVID-19 testing: colorimetric diagnosis using rapid and ultra-sensitive ramified rolling circle amplification
Pang et al. Nucleic acid amplification-based strategy to detect foodborne pathogens in milk: a review
Gong et al. Advances in loop-mediated isothermal amplification: integrated with several point-of-care diagnostic methods
JP3789317B2 (ja) 特定の核酸を検出定量するための等長プライマー伸長法およびキット
JP2015100332A (ja) 核酸の検出方法
US20240011083A1 (en) Looped primer and loop-de-loop method for detecting target nucleic acid
JP2018078806A (ja) ノロウイルスrnaの検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20180515

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190513

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190813

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6623324

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250