JP6623267B2 - 眼科装置 - Google Patents

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本発明は、2つ機能を複合化した眼科装置に関する。
眼の疾患等の診断に利用される眼科装置として走査型レーザ検眼鏡(SLO=Scanning Laser Ophthalmoscope)と網膜の断層状態の観察が行える光断層干渉撮影装置(OCT=Optical Coherence Tomography)が知られている。走査型レーザ検眼鏡(SLO)は、レーザ光を走査しつつ眼底を照射し、眼底からの反射光を検出することで、正面から見た眼底(網膜)の状態を観察する装置である。光断層干渉撮影装置(OCT)は、光の干渉を利用して眼底の断層構造の観察を行う装置である。
また、収差の影響を補正する機構を備えたAO(Adaptive Optics)-SLOやAO-OCTも知られている。また、走査型レーザ検眼鏡(SLO)と光断層干渉撮影装置(OCT)とを複合化した眼科装置も知られている(例えば、特許文献1および2を参照)。
特表2013−517842号公報 特開2011−161007号公報
走査型レーザ検眼鏡(SLO)と光断層干渉撮影装置(OCT)とを複合化した眼科装置では、眼底を正面から見た状態の観察画像と眼底の断層状態を観察画像とを得ることができる。両者を複合化した構造としては、走査型レーザ検眼鏡(SLO)の光学系と光断層干渉撮影装置(OCT)の光学系を組み合わせたものが考えられる。しかしながら、個別に2つの光学系を備えた構造は、複雑化、大型化、コストの上昇といった問題がある。
上記の複合機において、走査型レーザ検眼鏡(SLO)と光断層干渉撮影装置(OCT)とで、光学系の一部を共有する構造が考えられる。この場合、SLOとOCTの光を分離する仕組みが必要とされる。SLOとOCTの光を分離する方法としては、異なる2波長を用いる方法が考えられる。しかしながら、光学系は特定の波長において最適化されて設計されるので、異なる2波長を併用する構造では、収差の問題や波長分離時のエネルギー損失等において妥協した設計とならざるを得ない。すなわち、SLOとOCTの性能を共に追求することができない。
また、同一の波長を用い、光路を切り替えることで、SLOとOCTの一方を選択的に利用できる構成も提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この構成では、同時に両方が利用できない。つまり、SLOを用いて観察を行っている期間は、OCTを停止させなくてはならず、操作性の悪さや診断に時間がかかるといった問題がある。また、SLOとOCTの一方を選択的に利用できる構成は、眼球運動やアライメントずれのためにSLOとOCTの画像に撮影位置の差が発生する問題がある。
また、SLOとOCTとで同一波長を用いる構成として、ビームの分離を偏光ビームスプリッターにより行う構成が考えられる。しかしながら、眼底からの反射光は、偏光の状態が乱れているので、SLOをOCTの検出光を偏光ビームスプリッターで分離することは難しい。
このような背景において、本発明では、2種類の測定手段を複合化した構成において、両者で同じ波長を用い、且つ、少なくとも一部の光学系を共有した光学装置を得ることを課題とする。
本発明は、2種類の測定手段を複合化した構成を有する眼科装置であって、それぞれ測定点で集光する第1の光路および前記第1の光路に近接する第2の光路と、前記第1の光路と前記第2の光路において共用される光学部材を有した光学系と、第1の反射面と第2の反射面を備えた反射鏡とを備え、前記第1の光路が前記2種類の測定手段の一方の光路であり、前記第2の光路が前記2種類の測定手段の他方の光路であり、前記第1の光路の光は、前記第1の反射面の前記第1の光路における測定点と共役な第1の反射点で反射され、前記第2の光路の光は、前記第2の反射面の前記第2の光路における測定点と共役で前記第1の反射点に隣接する第2の反射点で反射され、前記第1の光路が走査型レーザ検眼鏡の光路であり、前記第2の光路が光断層干渉撮影装置の光路であり、前記第1の反射面と前記第2の反射面は隣接した状態で互いに異なる方向を向いており、前記第1の光路の光と前記第2の光路の光が並走した状態において、前記第1の光路の光は前記第2の反射面には当たらずに前記第1の反射面で反射され、且つ、前記第2の光路の光は前記第1の反射面には当たらずに前記第2の反射面で反射されることを特徴とする眼科装置である。
本発明によれば、2種類の測定手段を複合化した構成において、両者で同じ波長を用い、且つ、少なくとも一部の光学系を共有した光学装置が得られる。
実施形態の概念図である。 実施形態における視野分離ミラーの斜視図(A)、正面図(B)および側面図(C)である。 SLO光とOCT光の合流および分離の原理を示す概念図である。 SLO観察視野とOCT観察視野との関係を示す図である。 SLOとOCTの観察画像を示す図である。 視野分離ミラーの他の例を示す概念図である。 視野分離ミラーの他の例を示す概念図である。
(構成)
図1には、実施形態の眼科装置100が示されている。眼科装置100は、補償光学走査型レーザ検眼鏡(AO-SLO)と補償光学光断層干渉撮影装置(AO-OCT)とを複合化した構成を有している。眼科装置100では、AO-SLOとAO-OCTとで光学系の一部を共用している。なお、図1において、×印は、OCTの眼底共役位置であり、+印は、SLOの眼底共役位置であり、*印は、瞳共役位置である。なお、光学系および利用するレンズ等の光学部材は、後述する光源101と201が出力する光の波長において最適な性能が得られるように、その材質や反射防止膜等の特性が最適化されている。
眼科装置100において、SLOの光路とOCTの光路は、同一ではなく、一方を光学系(視野分離ミラー151より被検眼300の側の光学系)の軸上光(光軸に合致した光路)とし、他方を当該光学系の光軸から僅かに離れた軸外光とする。すなわち、SLO光とOCT光とは、眼底面内において僅かに集光位置がずれている。これは、後に説明する視野分離ミラー151を光学系内のある眼底共役位置に置き、SLO光とOCT光の集光点を眼底共役面内で僅かにずらしていることによる。なお、この例においては、SLO光を軸上光とし、OCT光を光軸から僅かに離れた軸外光としているが、勿論OCT光を軸上光とし、SLO光を軸外光としても良い。
眼科装置100は、光源101と201を備えている。光源101は、AO-SLO用の光源であり、光源201は、AO-OCT用の光源である。光源101と201は、同じ中心波長の光を出力する。光源101と光源201は、例えば、波長500nm〜1500nmの範囲から選ばれる指向性の高い光、すなわち拡がり角の小さい光を発するものが用いられる。光源101,201としては、固体レーザ、ガスレーザ、レーザダイオード(LD)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)、レーザドリブンライトソース(LDLS)等が挙げられる。光源101と光源201の選択においては、出力、帯域幅、偏光の状態等が異なるものを選択可能である。なお、OCTは光源波長幅内の異なる波長での干渉を利用するので、光源201として波長幅が広い光を発光するタイプのものが用いられる。
まず光源101に係る光路について説明する。光源101には、光を導く光ファイバ102が接続されている。光ファイバ102としては、単一モード光ファイバが採用されている。光ファイバ102の先には、光ファイバ102から出射したレーザ光を平行光にするためのレンズ(コリメータレンズ)103が配置されている。
光源101からの光は、レンズ103によって平行光とされ、ハーフミラー104に入射する。ハーフミラー104は、投光系と波面検出系とを分岐する光量分割ミラーである。ここで、投光系とは、被検眼300へ光を照射する光学系のことであり、光源101、光ファイバ102およびレンズ103により構成されている。波面検出系とは、被検眼300の眼底301からの反射光(検出光)から波面の情報を検出するための光学系のことであり、波面検出部105および光学系109により構成されている。
ハーフミラー104は、光源101からのレーザ光(投光)の一部を後述するハーフミラー110の側に透過すると共に、ハーフミラー110の側から入射する検出光の一部を波面検出部105の側に反射する。なお、ハーフミラー104の分岐比(分割される光量の比)は、1:1に限定されず、必要に応じて任意に設定可能である。なお、ハーフミラー104の代わりに偏光ビームスプリッターを用いることも可能である。
波面検出部105は、撮像装置であるCCD107と、その手前のレンズアレイ106を有している。レンズアレイ106は、ハルトマン板であり、波面検出部105は、シャックハルトマンセンサーとして機能する。レンズアレイ106は、小さなレンズを格子状に配列したもので、入射光を多数の光束に分割しそれぞれ集光する。レンズアレイ106によって集光された光はCCD107により撮像され、各レンズの焦点位置を解析することで、レンズアレイ106に入射した光の波面収差を知ることができる。すなわち、レンズアレイ106を介して被検眼300の眼底301からの反射光を観察することで、被検眼の波面の乱れを知ることができる。
CCD107が撮像した画像は、補償光学制御部108内の画像解析部(図示省略)に送られる。図示省略した画像解析部では、CCD107が撮像した画像に基づいて眼底301の波面の乱れが解析される。補償光学制御部108は、図示省略したデフォーマブルミラー制御部を備えており、このデフォーマブルミラー制御部からは、上述した波面の乱れに関する解析結果に基づく制御信号が出力される。この制御信号により、検出した波面収差が抑えられるように、後述するデフォーマブルミラー117が制御される。
ハーフミラー104と波面検出部105との間には、一対のレンズと、その間のピンホール(光学絞り)を有した光学系109が配置されている。光学系109により、波面検出部105で検出される眼底301からの反射光束の深さ方向の位置を制限することができる。また、光学系109により、光学系及び被検眼300からの反射ノイズが軽減される。
ハーフミラー104の被検眼300の側には、別のハーフミラー110が配置されている。ハーフミラー110は、投光系と網膜撮像系(眼底撮像系)とを分岐する光量分割ミラーである。網膜撮像系は、眼底301からの反射光(検出光)から、眼底301にある網膜の画像情報を検出する。
網膜撮像系は、レンズ111、ピンホール(光学絞り)112および眼底反射光検出器113を備えている。眼底反射光検出器113は、眼底301からの微弱な反射光を検出する光検出素子であり、例えばAPD(アバランシュフォトダイオード)や光電子増倍管により構成されている。眼底反射光検出器113からの検出信号は、網膜画像作成部160に送られる。スキャンしながら眼底301に光源101からの光を照射することで、眼底反射光検出器113からは、反射光のスキャンデータが得られる。網膜画像作成部160は、眼底反射光検出器113が検出した反射光のスキャンデータに基づき、網膜の画像を作成する。この網膜の画像は、図示しないディスプレイに送られ、そこに表示される。
眼底反射光検出器113の前には、光学絞りとして機能するピンホール112が配置され、ピンホール112の前には、ピンホール112の光学絞り孔の部分に眼底共役位置がくるように光束を絞るレンズ111が配置されている。
ハーフミラー110の被検眼300の側には、走査系を構成する第1スキャナ114、第2スキャナ120および第3スキャナ123が配置されている。第1スキャナ114は、縦方向(上下方向)のスキャンを行う。このスキャンは、第2スキャナおよび第3スキャナよりも高速で行われる。第1スキャナ114は、レゾナンススキャナにより構成されている。レゾナンススキャナ114(共振型スキャナ)は、ミラーを共振運動により往復回転させ、反射光の反射方向の走査を行う光学素子である。レゾナンススキャナは、スキャン中心を動かすことができないが、走査を高速に行える優位性がある。
第2スキャナ120は、横方向(左右方向)のスキャンを行うためのもので、ガルバノススキャナにより構成されている。ガルバノススキャナは、回転軸に取り付けたミラーをモータで駆動する構造を有している。ガルバノススキャナは、レゾナンススキャナに比較して高速動作は行えないが、スキャン中心を任意に設定できる優位性がある。
第3スキャナ123は、第1スキャナ114のスキャン範囲の拡大、およびスキャン位置を任意に設定できるように用いられるもので、縦方向(上下方向)のスキャンを行う。第3スキャナ123は、第1スキャナ114よりも低速のスキャンを行う。第3スキャナ123は、第1スキャナ114のような高速スキャンの必要はないが、スキャン位置の制御が必要であるので、ガルバノススキャナが用いられる。符号115,116,118,119,121,122,124は、光路を形成するリレーレンズである。なお、各スキャナの動作については後述する。
第1スキャナ114と第2スキャナ120の間には、波面補正デバイスであるデフォーマブルミラー117が配置されている。デフォーマブルミラー117は、波面補正を行うための可変形鏡である。デフォーマブルミラー117は、複数のアクチュエータによって表面の形状を変形させることが可能なミラーである。デフォーマブルミラー117は、補償光学制御部108からの制御信号により駆動され、その反射面を変形させることで、反射する光の波面の補正を行う。波面補正デバイスとしては、空間位相変調器やバイモルフミラー等を用いることもできる。
補償光学制御部108は、CCD107が撮像した撮像画像に歪み(波面の歪み)がある場合、その歪みの状態を解析し、それに基づき、この歪みを減少させるようにデフォーマブルミラー117の表面形状を変形させる制御を行う。すなわち、眼底反射光検出器113が検出する眼底301の画像の解像度・コントラストが向上するように、デフォーマブルミラー117の表面形状の変形が行なわれる。こうして、収差の影響を抑えるための波面補償が行われる。
本実施形態では、以下に述べる関係となるように、反射面151aの位置、リレーレンズ115から反射面151aに至るSLO光の光路、レンズ210から反射面151aに至るOCT光の光路、視野分離ミラー151から被検眼300の側におけるSLO光とOCT光の光路、およびSLO光とOCT光における集光点(眼底共役位置)が設定されている。この設定により、SLOの集光点とOCTの集光点は、眼底面内及び眼底共役面内において僅かにずれており、そのため、視野分離ミラー151から被検眼300の側の光学系においてSLOとOCTの光路は同一ではない。例えば、SLO光を視野分離ミラー151より被検眼300の側の光学系の軸上光とし、OCT光を当該光軸から僅かに離れた軸外光としている。
以下、構成要素各部や光路の関係について説明する。まず、リレーレンズ115と116の間には、視野分離ミラー151が配置されている。図2には、視野分離ミラー151の斜視図(A)、正面図(B)および側面図(C)が示されている。視野分離ミラー151の反射面151aは、OCTの光路における測定点(眼底301)と共役な位置に配置されている。つまり、反射面151aにおけるOCT光の反射点は、OCTの光路における測定点(眼底301)と共役な位置にある。反射面151aは、OCT光を反射し、且つ、SLO光を反射しない。また反射面151aは、SLOの光路における測定点(眼底301)と共役な位置に僅かな距離を隔てて隣接している。
視野分離ミラー151は、半円状の反射面151aを有している。反射面151aは、OCT光の光路上にあり、且つ、その反射位置にOCT光学系の眼底共役位置が位置する。他方において、反射面151aは、SLO光の光路と交差しない。また、SLO光学系の眼底共役位置が、視野分離ミラー151におけるOCT光の反射点とSLOの光路とが近接する位置にある。
SLO光学系とOCT光学系とにおいて、眼底301は集光点である。よって、SLO光学系およびOCT光学系の眼底共役位置では、光束の径が最少となっている。この例では、光束の径が最少となっている眼底共役位置を利用して、SLO光が反射面151aに当たらず、OCT光が反射面151aに当たる状態を得ている。
眼底共役位置では、光束の径が最少であるので、OCT光の反射に要する反射面151aの面積は僅かで済む。このため、OCT光の反射を反射面151aの縁近くの部分、すなわちエッジの部分で行うことができる。他方において、SLO光の眼底共役位置ではSLO光の光束径が小さいので、SLO光の光路から反射面151aを僅かに逸らすことで、SLO光は、OCT光が反射する反射面151aのエッジの部分を外れ、SLO光と反射面151aとが干渉しない状態とできる。
こうして、光束の径が最少となる眼底共役位置の僅かなずれを利用して、SLOの光束が反射面151aの縁をかすめ、反射面151aに当たらないようにし、他方において、OCT光をその眼底共役位置において反射面151aの縁近くで反射させている。なお、ずれた位置関係にあるSLOとOCTの光路の位置は、SLO光とOCT光のアイソレーションが確保できる範囲で極力近いことが望ましい。
図2において、αの方向から到来したSLO光は、視野分離ミラー151の影響を受けずに直進する。この際、SLO光の視野分離ミラー151に近接する部分は、眼底共役位置であり、光束が狭まっているのでSLO光は視野分離ミラー151と干渉せず、視野分離ミラー151で反射されない。他方において、αとは異なるβの方向から到来したOCT光は、反射面151aの縁近くの部分で反射され、SLO光と僅かにずれた位置でSLOの光路と並走する。この際、視野分離ミラー151でのOCT光の反射点は、OCT光学系の眼底共役位置であり、光束が狭まっているので反射点の位置を反射面151aの縁近くぎりぎりの部分にまで寄せることができる。こうして、異なる方向から到来するSLO光とOCT光の合流が行われる。
他方、γの方向から到来した僅かにずれた光路の関係におけるSLO光とOCT光において、SLO光は視野分離ミラー151で反射されず、視野分離ミラー151をかすめて直進する。そして、OCT光は、視野分離ミラー151で反射され、光路の方向が変更される。こうして、同一方向から到来したSLO光とOCT光の分離が行われる。なお、この例では、αとβが直交する角度関係にある例が示されているが、αとβが直交しない関係とすることもできる。
図3は、SLO光とOCT光の分離及び合流の状態を示す斜視図である。図3には、第1スキャナ114によってスキャンが行われ、スキャンによって生じる3つのビームが概念的に示されている。なお、実際には、より細かくスキャンが行われ、スキャン方向におけるビームの数はより多いが、図3では作図の関係で3つのビームが記載されている。
まず、光源から被検眼の方向に向かう光(つまり被検眼への照射光)の向きで考えた場合を説明する。この場合、図3に示すように、リレーレンズ115から出たSLO光は、反射面151aの縁をかすめリレーレンズ116に至る。これに対して、レンズ210から視野分離ミラー151に向かって照射されたOCT光は、反射面151aの縁近くの部分で反射され、リレーレンズ116に入射する。このリレーレンズ116に入射するOCT光の光路は、SLO光の光路と同じ向きとなり、またその位置は、SLO光の光路と僅かにずれたものとなる。以上のようにして、SLOとOCTに係る照射光の合流が行われる。
次に、被検眼からの反射光(つまり観察される検出光)の向きで考えた場合を説明する。この場合、リレーレンズ116からリレーレンズ115の方向にSLO光とOCT光が向かう。SLO光とOCT光の光路は、並走しており、その位置はわずかにずれている。ここで、上述した光路の位置、眼底共役位置および視野分離ミラー151の位置関係の設定に起因して、SLO光は、視野分離ミラー151の縁近くをかすめるように通過し、リレーレンズ115に入射する。他方において、リレーレンズ116から出射したOCT光は、視野分離ミラー151で反射され、レンズ210の方向、すなわちOCT専用光学系の方向に向かう。以上のようにして、SLOとOCTに係る検出光の分離が行われる。なお、視野分離ミラー151に係るSLOの眼底共役位置とOCTの眼底共役位置は、図2および図3に示すSLO光とOCT光の分離と合流が行える範囲で正確な位置からずらすことができる。
この例では、SLO光の光路とOCT光の光路とは、光軸の方向から見て、反射面151aの縁151bを間に挟んで隣接している。そして、縁151bは、第1スキャナ114によるSLO光のスキャン方向に延在している。
また、図3に示すように、反射面151aの直線状の縁151bの延長方向が第1スキャナ114のスキャン方向に沿った状態となるように、視野分離ミラー151(反射面151a)の形状と位置が決められている。この構造によれば、第1スキャナ114によるスキャンが行われても、SLO光の光路は、反射面151aの直線状の縁151bの延長方向に沿って移動し、SLO光は、反射面151aと干渉しない。仮に第1スキャナ114のスキャン方向と縁151bの延長方向とが直交していると、第1スキャナ114のスキャン動作に従いSLO光の光路が移動すると、反射面151aとSLO光とが干渉する可能性が生じ、第1スキャナ114のスキャン幅や2つの光路の位置関係に制約が生じる。
縁151bの延長方向が第1スキャナ114のスキャン方向に沿った状態としては、2つの方向が平行となる関係が最良であるが、スキャンされるSLO光と縁151bが干渉しない範囲であれば、2つの方向が完全な平行でなくてもよい。
なお、視野分離ミラー151の光源側のスキャナは、第1スキャナ114しかないので、第2スキャナ120と第3スキャナ123によるスキャン動作は、SLO光と視野分離ミラー151との関係には影響しない。
視野分離ミラー151の縁151bが曲線状であってもよい。この場合もスキャンされるSLO光と視野分離ミラーとが干渉しない形状に視野分離ミラーの形状と位置を決めればよい。これに関連し、反射面151aの形状は、SLO光とOCT光との分離ができる形状であれば、図示する形状に限定されず、楕円形状や矩形形状等であってもよい。
図1に戻り、リレーレンズ116から被検眼300の側では、SLOとOCTとで光学系が共用される。この際、SLOとOCTとで光路の位置がわかずにずれているが、そのずれはわずかであるので、光路のずれの起因する共有する光学系における悪影響の発生は最小限に抑えられる。
以上が視野分離ミラー151に関する説明である。次に、視野分離ミラー151によってSLOと分離されるOCT専用の光学系について説明する。OCTは、マイケルソン干渉計を基本としている。OCT専用の光学系は、光源101と同一波長の光源201を備えている。OCT光源である光源201は、時間的に低コヒーレンスである光を出力する光源が選択される。光源201から出射した光は、光ファイバ202によりファイバーカプラー203に送られる。ファイバーカプラー203は、光ファイバで伝送される光の分岐および合成を行う光学素子である。ファイバーカプラー203は、光源201からの光を参照光と測定光とに分岐する。参照光と測定光の光量比は、例えば、80:20とされている。
参照光は、ファイバーカプラー203から、リファレンスユニット205に送られる。リファレンスユニット205は、分散補償部材206、可動ミラー207および参照ミラー208を備えている。分散補償部材206は、測定光および検出光が光学系の中で受ける分散と同じ分散を参照光に与えるために部材である。分散補償部材206中を参照光が通過することで、測定光および検出光が光路の途中で受ける分散と同じ分散が参照光にも生じる。
可動ミラー207は、光軸方向に移動が可能な構造を有している。後述する視度補正系125で生じる測定光および検出光の光路長の変化に対応させて、可動ミラー207を光軸方向に可動させることで、参照光の光路長を調整し、測定に係るOCT光の光路長と参照光の光路長が同じになるように調整される。リファレンスユニット205に送られた参照光は、参照ミラー208で反射され、光路長が調整された状態でファイバーカプラー203に戻ってくる。
ところで、光源201から出射し、ファイバーカプラー203で分岐された光の他方は、測定光としてレンズ209,210を介して、OCT用光として視野分離ミラー151に照射される。このOCT光は、図2および図3に関連して説明した原理により、SLO光と合流し、共用される光学系を通って被検眼300に向かう。
被検眼300の眼底301で反射されたOCT光は、検出光として測定光(照射光)と逆の経路をたどり、ファイバーカプラー203に戻ってくる。この検出光は、リファレンスユニット205から得られる参照光とファイバーカプラー203において合成される。この合成により、干渉光が得られ、この干渉光は、干渉光検出系211に送られる。
干渉光検出系211は、回折格子により構成される分光器212、分光器212で分光された干渉光を平行光とするレンズ系213、レンズ系213からの光が入射するラインセンサ(CCDセンサ)214を備えている。
時間的に低コヒーレンスである光を用いた場合、参照光路と測定光の光路長がほぼ等しいときに干渉信号が得られる。眼底のような多層構造の対象を測定する場合、異なる層からの反射光あるいは後方散乱した光は、光源波長幅内の異なる波長で干渉する。この干渉光の波長スペクトルをスペクトル分光器で取得し、スペクトル強度分布に対してフーリエ変換することで、実空間での深さに関する情報を得ることができる。
本実施形態では、分光器212で分光された干渉光がラインセンサ214で検出される。ラインセンサ214の出力は、デジタル信号処理を行う電子回路を備えた干渉光分析部215に送られる。干渉光分析部215では、上述した原理に従ってデジタル信号処理により、眼底310の深さ方向の情報(網膜の層構造の情報)を得る。層画像作成部216は、デジタル処理により断層画像を作成する機能を有しており、干渉光分析部215での処理の結果に基づき、網膜の層構造に係る断層画像を作成する。この網膜の層構造に係る断層画像は、図示しないディスプレイに送られ、そこに表示される。
次に、リレーレンズ124の被検眼300側の構成について説明する。リレーレンズ124の被検眼300の側には、視度補正系125が設けられている。視度補正機構125は、眼底301の被観察点が光学系の焦点となるように調整を行う。すなわち、視度補正機構125は、レーザ光を眼底301上に略点像として照射するように調整を行う。視度補正機構125は、くの字形状の視度補正ミラー126,127を備えている。
視度補正ミラー126を視度補正ミラー127に対して相対的に遠近させることで、眼底301に焦点がくるように調整が行われる。視度には、個人差や個体差があるが、この視度に違いがあっても、視度補正ミラー126の位置を動かすことで、眼底301に焦点がくるように、つまり眼底301上に照射光が略点像として集光して照射されるように調整が行われる。また、視度補正機構125により、被検眼300の屈折異常への対応、観察対象となる特定の層への集光位置の微調整が行われる。
視度補正機構125の被検眼300の側には、レンズ系128を介して、ダイクロイックミラー129,130が配置されている。ダイクロイックミラー129は、光源101,201からの光を反射し、図示しない近赤外光源により照明された前眼部からの反射光を透過する。例えば、ダイクロイックミラー129は、光源101,201からの波長840nmの光を反射し、図示しない近赤外光源により照明され前眼部から反射される波長950nm光を透過する。
ダイクロイックミラー130は、光源101,201および図示しない光源から前眼部に照射され前眼部で反射された近赤外光を反射し、後述する固視標132からの光を透過する。例えば、ダイクロイックミラー130は、光源101,201からの波長840nmの光および前眼部で反射された波長950nmの光を反射し、後述する固視標132からの波長550nmの光を透過する。
被検眼300の前には、対物レンズ131が配置されている。対物レンズ131は、収差を抑えるために複数のレンズを組み合わせた構造を有している(勿論、1枚のレンズで構成されていてもよい)。対物レンズ131により、被検眼300の瞳位置にSLOとOCTの光学系の瞳が合致するように設定される。
被検眼300は、ダイクロイックミラー130を介して固視標132を視認する。固視標132は、被検眼300の向き(視線)を固定させるための視認目標である。固視標132は、被検眼300が視認できる波長の光(400nm〜600nm程度)を発光するフィルムや有機EL素子により構成され、光軸に垂直な方向に移動可能とされている。固視標132を移動させることで、被検眼300の視線の方向を観察者が意図する方向に誘導することができる。
被検眼300の前眼部は、図示しない光源から近赤外光(例えば、波長950nm)が照射されており、被検眼300からの反射光はダイクロイックミラー130、129を介して、前眼部観察系の撮像素子133に結像される。このように被検眼の前眼部(瞳)の近赤外光による撮像が行われる。撮像素子133は、CCDやCMOSイメージセンサーにより構成されている。
(AO-SLOの動作)
まず、補償光学走査型レーザ検眼鏡(AO-SLO)の基本的な動作について説明する。光源101からのSLO測定光は、ハーフミラー110→第1スキャナ114→デフォーマブルミラー117→第2スキャナ120→第3スキャナ123→視度補正系125→対物レンズ131を経て、被検眼300の眼底301に集光した状態で照射される。眼底301に照射されたSLO測定光は、眼底301の集光点で反射される。この反射光は、SLO検出光として、上記と逆の経路をたどり、ハーフミラー110を透過して眼底反射光検出器113で検出される。
また、SLO検出光の一部は、ハーフミラー110でハーフミラー104の側に反射され、更にハーフミラー104で反射されて波面検出部105で検出される。波面検出部105では、SLO検出光における波面の乱れが検出され、その検出信号は、補償光学制御部108に送られる。補償光学制御部108は、波面検出部105が検出した波面の乱れを抑えるようデフォーマブルミラー117を制御する。これにより、SLO検出光の波面の乱れが抑えられる。こうして、眼底からの反射光の検出を行いつつ検出光における波面の補正が行われる。
この波面の補正は、リレーレンズ116より被検眼300側で同じ光学系を利用するOCT光についても行われる。すなわち、SLO光とOCT光は、リレーレンズ116より被検眼300の側で同じ光学系を共用しているので、SLO光に生じた収差と同様の収差がOCT光にも生じる。したがって、SLO検出光に基づくデフォーマブルミラー117による波面補正の効果は、OCT光にも同様に有効となる。
また上記の過程において、3つのスキャナの動作により以下のスキャン動作が行われる。まず、第1スキャナ114の相対的に高速に行われる縦スキャンと、相対的に低速で行われる第2スキャナ120の横スキャンの組み合わせにより、2次元の第1所定エリアのスキャンが行われる。次いで第3スキャナ123によって、上記のスキャンエリアの縦方向における位置が変更され、第1所定エリアに縦方向で隣接する領域において、第1スキャンエリアと同様の第2スキャンエリアのスキャンが行われる。この処理を繰り返すことで、縦方向に高いスキャン密度を確保しつつ、広いスキャンエリアが確保したAO-SLOの動作が行われる。更に第2スキャナ120の横スキャンのスキャン中心位置を変更することで、横方向にも広いスキャンエリアを持たせることができる。
(AO-OCTの動作)
上記の補償光学走査型レーザ検眼鏡(AO-SLO)による眼底像(網膜像)の観察と同時に補償光学光断層干渉撮影装置(AO-OCT)による眼底(網膜)の断層構造の観察が行われる。以下、AO-OCTの動作について説明する。AO-OCTにおいて、光源201からのOCT測定光は、視野分離ミラー151→デフォーマブルミラー117→第2スキャナ120→第3スキャナ123→視度補正系125→対物レンズ131を経て、被検眼300の眼底301に集光されて照射される。また、光源201からのOCT測定光の一部はリファレンスユニット205に送られる。
眼底301から反射されたOCT反射光は、検出光として、上記と逆の経路をたどり、ファイバーカプラー203に至る。一方、リファレンスユニット205から戻ってきた反射光もファイバーカプラー203に至り、上記の眼底301から反射してきたOCT反射光と合成される。眼底301からのOCT反射光とリファレンスユニット205からの参照光とは干渉し、その干渉光が分光器212で分光され、この分光された光がラインセンサ214で検出される。そして、ラインセンサ214の出力に基づき、干渉光分析部215で干渉の状態が分析され、その結果に基づき、層画像作成部216で眼底310の層構造、すなわち被検眼300の網膜の層構造を示す断層画像が作成される。
上記のOCTの動作は、SLOと同時に行われ、SLOとOCTの観察画像が同時に得られる。この際、図2および図3に関して説明した原理により、SLO光とOCT光の分離が行われるので、2つの観察内容が干渉する不都合が防止される。また、補償光学走査型レーザ検眼鏡(AO-SLO)における波面補償が行われるのと同時に補償光学光断層干渉撮影装置(AO-OCT)における波面補償も行われる。
また、OCTにおけるスキャンが第2スキャナ120と第3スキャナ123によって行われる。すなわち、第2スキャナ120による横方向におけるスキャンによって、SLOにおける第1所定エリアの縦方向の中心におけるOCTの横方向のスキャンが行われる。また、第3スキャナ123による縦方向のスキャンによって、第1所定エリアに縦方向で隣接する第2所定エリアについて同様のスキャンが行われる。これが繰り返されることで、被観察領域の全体についてのOCTのスキャンが行われる。
SLOとOCTは、光路の位置がずれている非同光路な関係にあるので、眼底上の視野関係は、図4のようになる。図4の視野の関係性をもってSLOとOCTの観察を同時に行うことができる。例えば、ディスプレイの右半分にSLOの観察画像を表示し、左半分にOCTの観察画像を表示するといったことが可能となる。なお、SLOとOCTの視野のずれは、視野分離ミラー151の位置での両集光点の間隔に関係する。
SLOとOCTの同時撮影を行った場合の画像の例を図5に示す。図5には、SLO画像と、その中央付近を水平に切断した断面の構造を示すOCT画像とを同時にディスプレイ上に表示した例が示されている。図5に示す画像において、撮影画角は7度であり、SLO画像とOCT画像の視野ズレは横方向に0.4度である。図5の画像表示は、図1では図示されない画像処理部において、網膜画像作成部160が作成したSLO画像と、層画像作成部216が作成したOCT画像とを合成する処理を行うことで得られる。図5の画像を観察することで、正面から見た網膜の拡大画像(SLO画像)とその断面構造の画像(OCT画像)とを同時に観察することができ、眼底の状態の三次元情報を視覚的に把握できる。特に図5に示すSLO画像とOCT画像は、個別のスキャンではなく、同一のスキャンにより得られるため、眼球運動による両撮影箇所のズレがなく、眼底診断に有効な眼底の3次元情報を迅速に取得できる。
(優位性)
本実施形態の構成では、SLO光の視野分離ミラー151に近接する部分は、眼底共役位置であり、光束が狭まっている。このため、SLO光を視野分離ミラー151に近づけることができる。また、OCT光の反射点は、眼底共役位置であり、光束が狭まっている。このため、OCT光の反射点を反射面151aの縁の近傍に設定できる。つまり、眼底共役位置を利用することで、SLO光を視野分離ミラー151に極力近づけ、且つ、OCT光の反射点を反射面151aの縁の近傍に設定することが可能となる。この構成によれば、SLO光に極力近い位置でOCT光を反射させることができ、合流した状態におけるSLO光の光路とOCT光の光路の位置ずれを小さく抑えることができる。また、眼底共役位置でSLO光とOCT光の反射点とを近接させることで、両者を近接させていながらSLO光とOCT光の分離を高い効率で行うことができる。
(その他1)
図1に示す構成において、波面制御を行うための構成を省いた構成も可能である。また、SLOとOCTで個別に波面制御を行う構成も可能である。この場合、SLOとOCTのそれぞれにおいて、視野分離ミラー151の光源側にデフォーマブルミラーと波面検出系を配置し、SLOにおける波面制御とOCTにおける波面制御とを独立に行う。また、SLOとOCTの一方のみにおいて波面制御を行う構成も可能である。この場合、SLOとOCTのいずれか一方において、視野分離ミラー151の光源側にデフォーマブルミラーと波面検出系を配置し、SLOとOCTのいずれか一方において波面制御を行う。
(その他2)
SLO光を視野分離ミラー151で反射させ、OCT光を視野分離ミラー151で反射させない光路設計も可能である。この場合、視野分離ミラー151に対するSLO光とOCT光の関係を逆転させ、更にSLO専用光学系とOCT専用光学系の位置関係を逆転させる。この場合、リレーレンズ115と116の間におけるSLO光の眼底共役位置に視野分離ミラー151の反射面151aのエッジ近くを位置させ、反射面151aでのSLO光の反射が行われる。他方でOCT光は、リレーレンズ116の側から見て、その眼底共役位置において視野分離ミラー151のエッジ近くで近接するが、視野分離ミラー151と干渉せずに直進する。
(その他3)
SLOの光源とOCTの光源は、厳密に同一波長である必要は必ずしもない。両者の光源の波長を同じにする優位性は、光学系の設計を特定の波長に対して最適化できる点にある。よって、波長の違いによる不利益が許容できる(あるいは生じない)範囲で、SLOの光源とOCTの光源の波長を違うものとすることは可能である。また、同じ波長であるが、発光原理の異なる光源をSLOとOCTにおいて用いることも可能である。
(その他4)
光源101と光源201とを一つの光源で兼ねることも可能である。この場合、一つの光源からの光をファイバーカプラーで2つの光ファイバに分岐させる。ここで、一方の光ファイバを光ファイバ102とし、他方の光ファイバを光ファイバ202とする。また、光源101と光源201とを一つの光源で兼ねる構成において、同一光源からのビームをハーフミラー等のビームスプリッターによりを二つに分け、一方の光路のビームがレンズ103に入射し、他方の光路のビームがレンズ209に入射するようにしてもよい。
(その他5)
以上の説明では、SLOとOCTを複合化した場合の例を説明したが、複合化の対象となる光学測定手段として、線状のビームで眼底をスキャンするSLOであるLSLO(Line Scanning Laser Ophthalmoscope)等を挙げることができる。LSLOについては、例えば特表2005−529669号公報に記載されている。
以下、LSLOとOCTとを組み合わせた場合の一例を説明する。この場合、図2の状態において、SLO光としてLSLO光が利用される。このLSLO光は、反射面151aに近接する眼底共役位置において、反射面の縁151bの延在方向に延びた線状のビーム形状を有している。このような線状のビームは、例えば、図示しない光学系により作り出される。このLSLO光は、図3のSLO光と同様に反射面151aと干渉せずに直進する。すなわち、図3には、第1スキャナ114によって反射面の縁151bの延在方向にスキャンされたSLO光が記載されているが、このスキャンされるSLO光の代わりに当該スキャン方向(反射面の縁151bの延在方向)に延在する線状のLSLO光が利用される。この場合、図1の第1スキャナ114は必要なく、第2スキャナ120と第3スキャナ123によってLSLO光とOCT光のスキャンが行われる。また、LSLOの場合160の網膜撮像系への集光もライン状であるため、SLOのような点検出ではなくライン検出となる。よって検出器113は光ビームの集光ラインに対応する光検出器アレイとなり、ピンホール112はラインの短手方向を制限するスリット形状となる。なお、OCT光に関しては、図3に示すものと同じである。
(その他6)
図1の構成では、OCT光のスキャン方向が水平方向であるが、OCT光のスキャン方向を垂直方向とすることもできる。この場合、図1の光学系を光軸周りに90度回転させた構造とすればよい。この場合、第1スキャナ114で水平方向の光速スキャンを行い、第2スキャナ120で縦方向のスキャンを行い、第3スキャナ123で水平方向のスキャンを行う。この場合、OCT光は、第2スキャナにより縦方向にスキャンされ、例えば、図5のOCT画像として、縦方向の切断断面のものが得られる。
(その他7)
図6には、視野分離ミラーの他の例が示されている。図6の例では、直交する2つの反射面を用いて、SLO光とOCT光との分離と合流を行っている。この例では、SLO光とOCT光の両方を反射面で反射させている。この例において、それぞれの光路における反射点は、眼底(集光点)と共役な位置に設定されている。また、2つの反射点は、アイソレーションが確保できる範囲で、図の頂部に極力近い位置が選択される。
図7には、視野分離ミラーの他の例が示されている。図7の例では、交線1〜光線4の4つの光束の分離と合流を行う例が示されている。この例では、四角錐形状の反射鏡を用い、4つの斜面の部分の三角形状の反射面を利用する。すなわち、四角錐の頂部近くにおいて、各斜面の反射面のそれぞれに一つの光束を割り当てる。非同一光路で近接する関係にある4つの光束のそれぞれは、4つの反射面のそれぞれで個別に4方向に反射される。
4つの反射点は、アイソレーションが確保できる範囲で、四角錐の頂部に極力近い位置が選択される。また、各反射面における反射点は、光学系の集光点と共役な位置が選択されている。この例のように角錐形状の反射鏡を用いることで、3以上の光線の分離と合流を行うことができる。
(明細書に記載された内容の要旨)
(第1の開示内容)
本明細書には、それぞれ測定点で集光する第1の光路および前記第1の光路に近接する第2の光路と、前記第1の光路と前記第2の光路において共用される光学部材を有した光学系と、前記第2の光路における測定点と共役な位置に配置され、前記第2の光路の光を反射し、且つ、前記第1の光路における測定点と共役な位置に隣接し、前記第1の光路の光を反射しない反射面とを備えることを特徴とする眼科装置が開示されている。
この構成によれば、集光する測定点と共役な位置で光束が収束することを利用し、第1の光路の光を当該反射面で反射させず、第2の光路の光を当該反射面で反射させ、2つの光路の分離と合流を行う。集光する測定点と共役な位置では、光束が絞られ断面が小さくなっているので、2つの光路がわずかにずれた位置関係であっても一方を当該反射面に当てず、他方を当該反射面に当てて反射させることが可能となる。また、第1の光路と第2の光路を近接させることができるので、光学系、特にレンズ等の屈折光学系を2つの光路で共用することができる。ここで、光路とは、光が進む経路と見なせる線である。例えば、断面が円形で偏りのない光束であれば、進行方向から見た光束の中心部分を光路が通る。
(第2の開示内容)
上記の構成において、前記第1の光路が前記反射面における前記第2の光路の反射点と近接する位置に、前記第1の光路における測定点と共役な位置がある構成が挙げられる。
この構成によれば、第2の光路の反射点に第1の光路が最も近づく位置が第1の光路における集光点と共役な位置となる。この位置は、第1の光路の光束の大きさが最少となる位置であるので、第1の光路を当該反射面に近づけつつ第1の光路と当該反射面との干渉を効果的に避けることができる。
(第3の開示内容)
第3の開示内容は、第1または第2の開示内において、前記第1の光路に対して特定中心波長の光を出力する第1の光源と、前記第1の光源と同一波長とみなせる光を前記反射面に対して出力する第2の光源とを備えることを特徴とする。
第3の開示内容によれば、屈折光学系を同一とみなせる波長で最適化することができる。すなわち、レンズ等は、利用する波長で最適な性能が得られるようにその材質や反射防止膜等の特性が最適化されるが、同一とみなせる波長を第1の光路と第2の光路とで用いることで、両光路において最適化された光学系(特に屈折光学系)を用いることができ、2つの光路における光学系の特性を追及することができる。なお、同一とみなせる波長というのは、文字通りの同一の波長である場合、および波長は僅かに異なるが、光学系の設計の上では、同一と扱って不都合が生じない場合のことをいう。
第4の開示内容は、第3の開示内容において、前記第1の光路が走査型レーザ検眼鏡の光路であり、前記第2の光路が光断層干渉撮影装置の光路であり、前記光学系には、測定対象物に向かう方向に向かって、第1の方向のスキャンを行う第1スキャナ、前記第1の方向と直交する第2の方向のスキャンを行う第2スキャナ、および前記第1スキャナに比較して低速で前記第1の方向のスキャンを行う第3スキャナが順に配置され、前記反射面は、前記第1スキャナと前記第2スキャナの間に配置されていることを特徴とする。
第4の開示内容によれば、第1スキャナ、第2スキャナおよび第3スキャナを用いて走査型レーザ検眼鏡(SLO)の高密度かつ広範囲のスキャンが行われ、このスキャンと同時に第2スキャナおよび第3スキャナによって光断層干渉撮影装置(OCT)のスキャンが行われる。すなわち、第4の開示内容によれば、SLOとOCTとにおいて個別にスキャンを行う必要がなく、SLOのスキャンを行った時に同時にOCTのスキャンも行われ、SLOとOCTの検出データを同時に得ることができる。
第5の開示内容は、第4の開示内容において、前記反射面よりも前記測定対象物の側に配置された波面補正デバイスを備えることを特徴とする。第5の開示内容では、SLOとOCTとで光学系が共有され、更に使う波長が同一とみなせる波長であるので、補償する波面の収差がSLOとOCTとで同じものとなる。この構成によれば、SLOとOCTにおける波面の収差が一つの波面補正デバイスにより波面補償される。
第6の開示内容は、第4または第5の開示内容において、前記反射面は、縁を有し、前記第1の光路と前記第2の光路とは、前記縁を間に挟んで隣接し、前記縁は前記第1スキャナによる前記第1の光路のスキャン方向に延在していることを特徴とする。第6の開示内容によれば、第1スキャナによる第1の光路のスキャンが行われても、反射面と第1の光路との干渉が生じない構造が得られる。
本発明は、眼科装置に利用することができる。
100…眼科装置、101…光源、102…光ファイバ、103…レンズ(コリメータレンズ)、104…ハーフミラー、105…波面検出器、106…レンズアレイ、107…CCD、108…補償光学制御部、109…光学系、110…ハーフミラー、111…レンズ(集光レンズ)、112…ピンホール、113…眼底反射光検出器、114…第1スキャナ、115…リレーレンズ、116…リレーレンズ、117…デフォーマブルミラー、118…リレーレンズ、119…リレーレンズ、120…第2スキャナ、121…リレーレンズ、122…リレーレンズ、123…第3スキャナ、124…リレーレンズ、125…視度補正系、126…視度補正ミラー、127…視度補正ミラー、128…レンズ系、129…ダイクロイックミラー、130…ダイクロイックミラー、131…対物レンズ、132…固視標、133…撮像素子、151…視野分離ミラー、151a…反射面、151b…反射面の縁、160…網膜画像作成部、201…光源、202…光ファイバ、203…ファイバーカプラー、205…リファレンスユニット、206…分散補償部材、207…可動ミラー、208…参照ミラー、209…レンズ、210…レンズ、211…干渉光検出系、212…分光器、213…レンズ系、214…ラインセンサ、215…干渉光分析部、216…層画像作成部、300…被検眼、301…眼底。

Claims (1)

  1. 2種類の測定手段を複合化した構成を有する眼科装置であって、
    それぞれ測定点で集光する第1の光路および前記第1の光路に近接する第2の光路と、
    前記第1の光路と前記第2の光路において共用される光学部材を有した光学系と、
    第1の反射面と第2の反射面を備えた反射鏡と
    を備え、
    前記第1の光路が前記2種類の測定手段の一方の光路であり、
    前記第2の光路が前記2種類の測定手段の他方の光路であり、
    前記第1の光路の光は、前記第1の反射面の前記第1の光路における測定点と共役な第1の反射点で反射され、
    前記第2の光路の光は、前記第2の反射面の前記第2の光路における測定点と共役で前記第1の反射点に隣接する第2の反射点で反射され、
    前記第1の光路が走査型レーザ検眼鏡の光路であり、
    前記第2の光路が光断層干渉撮影装置の光路であり、
    前記第1の反射面と前記第2の反射面は隣接した状態で互いに異なる方向を向いており、
    前記第1の光路の光と前記第2の光路の光が並走した状態において、前記第1の光路の光は前記第2の反射面には当たらずに前記第1の反射面で反射され、且つ、前記第2の光路の光は前記第1の反射面には当たらずに前記第2の反射面で反射されることを特徴とする眼科装置。
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