JP6620603B2 - 織物及びこの織物を備えた内装部品 - Google Patents
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Description
そして、ここでは、光ファイバーは、普通糸の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、光源からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定することにより、発光ムラを効果的に低減できるとしている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光ファイバー糸を構成糸とする前記経糸又は前記緯糸が多重に織られた多重織構造をなし、前記光ファイバー糸は、前記発光領域では、前記意匠面をなす最外層の前記意匠面側に露出され、且つ、前記端末処理領域で、前記最外層に対して前記非意匠面側の内層を構成して、前記意匠面に露出されていないことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記光ファイバー糸を除く他の構成糸が、透光阻害成分を含むことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の発明において、前記発光領域と、前記端末処理領域と、で織柄が異なることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、基体と、前記基体の少なくとも一部の表面を覆うように張着された意匠材と、を有し、前記意匠材は、その意匠面に、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の織物を備え前記織物のうち、前記端末処理領域が、前記基体の端部で、屈曲して配置されていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内装部品がドアトリムであることを要旨とする。
また、本発明の織物では、発光領域と、端末処理領域と、で織柄が異ならしめることができる。この場合には、織柄の変化により、発光領域及び端末処理領域を容易に目視確認することができるため、これら2つの領域が区別し易くなり、組み付けをスムーズに行うことができる。
また、この内装部品がドアトリムである場合には、本発明の上述の作用を特に顕著に得ることができる。
本実施形態に係る織物(10、10A)は、経糸(22、32)及び緯糸(21、31)を含む構成糸から製織されるとともに、意匠面(101)とその反対面である非意匠面(102)とを有する織物(10、10A)であって、一部の経糸、又は、一部の緯糸、として、光ファイバー糸(40)を含み、光ファイバー糸(40)が、意匠面(101)に露出するように織り込まれた発光領域(11、11A、15A)と、発光領域の端部に配置され、光ファイバー糸(40)が、意匠面(101)に露出されないように織り込まれた端末処理領域(12、12A、17A、18A)と、を有する(図1〜図5参照)。
尚、本明細書では、経糸及び緯糸をまとめて構成糸ともいう。また、光ファイバー糸40を除いた構成糸を、他の構成糸ともいう。
更に、織物10は、この意匠面101に、発光領域11と、端末処理領域12と、を有する。発光領域11は、光ファイバー糸40による発光が意匠面101側から視認できる領域であり、端末処理領域12は発光領域11の端部に配置された領域であり、光ファイバー糸40による発光が意匠面101側から視認できないか、或は、発光領域11に比べて劣る、領域である。具体的には、光ファイバー糸40は、発光領域11では、意匠面101に露出するように織り込まれ、端末処理領域12では、意匠面101に露出されないように織り込まれている。この端末処理領域12における光ファイバー糸40が意匠面101に露出されない織り込み形態等については後述する。
また、光ファイバー糸40の直径は特に限定されないが、製織性を好適に得る観点から、例えば、0.01mm以上2.0mm以下とすることができ、0.05mm以上1.5mm以下が好ましく、0.1mm以上1.0mm以下がより好ましい。
他の構成糸の繊度は特に限定されないが、例えば、100dtex以上1000dtex以下とすることができ、200dtex以上700dtex以下が好ましく、300dtex以上500dtex以下がより好ましい。
具体的には、着色剤(顔料、染料等)、吸光剤、増量剤(各種フィラー類等)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。このうち、例えば、顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、アンスラキノン系等の有機顔料、及び、カーボンブラック、群青、ベンガラ、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料を挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、染料としては、アンスラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、アゾ系、メチン系、キノリン系等の染料を挙げることができる。これらのなかでは、より濃色な染料が好ましく、黒色系染料が特に好ましい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
即ち、図1に示す織物10は、意匠面101をなす最外層LAと、非意匠面側102をなす内層LBとを有した二重構造に織られた織組織である。この織物10では、経糸22として光ファイバー糸40が利用され、経糸32として他の構成糸が利用されている。更に、緯糸21及び緯糸31も他の構成糸である。そして、発光領域11では、光ファイバー糸40が最外層LAを構成するように織り込まれることで、意匠面101に露出されている。一方、端末処理領域12では、光ファイバー糸40が内層LBを構成するように織り込まれることで、内層LBは、最外層LAの層下に配置されて、意匠面101に露出されないように構成されている。
光ファイバー糸40を、意匠面101に露出しないように織り込む方法は特に限定されず、公知の各種織組織や織構造を利用できる。具体的には、例えば、光ファイバー糸40を緯糸として利用した場合には、経糸により覆い隠すことができる。同様に、光ファイバー糸40を経糸として利用した場合には、緯糸により覆い隠すことができる。
当然ながら、光ファイバー糸40を緯糸として利用し、経糸が2層構造となった経二重織構造の織物としてもよい。更に、3層以上の多層構造としてもよい。また、例えば、発光領域11を単層織で構成し、端末処理領域12を袋織構造として、その内層を光ファイバー糸40が構成するようにすることで、光ファイバー糸40が意匠面101に露出されないようにすることができる。
尚、図5に例示するような貫通孔60を備える形態では、この領域を横断する光ファイバー糸40が存在しないため、光の連絡が途切れてしまう。このため、例えば、必要に応じて、図5の紙面の左側及び右側の両方の光ファイバー糸40の端部から光を入射させることによって、貫通孔60を備えることによる上記の問題を解消することができる。更に、必要な場合は、光ファイバー糸40のみを切断することなく、連続させて残しておき、貫通孔60をパーツ取付け孔として利用する場合において、このパーツの背後に余った光ファイバー糸40を通すことで、上記の問題を解消することができる。
本実施形態に係る内装部品(1)は、基体(50)と、基体(50)の少なくとも一部の表面を覆うように張着された意匠材(55)と、を有し、意匠材(55)は、その意匠面(551)に、織物(10)を備え、織物(10)のうち、端末処理領域(12)が、基体(50)の端部(501)で、屈曲して配置されている。
熱可塑性樹脂のみから形成された基体50としては、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を発泡させたオレフィン系発泡材等が挙げられる。
また、複合体としては、例えば、無機繊維(ガラス繊維等)や有機繊維(植物性繊維等)の繊維材料を、熱可塑性樹脂によって結着してなる繊維質多孔材が挙げられる。繊維質多孔材は、ガラス繊維、PET繊維、植物性繊維等の硬質繊維を熱可塑性樹脂により結着した材料であり、例えば、硬質繊維と熱可塑性樹脂繊維と、を混合した後、熱可塑性樹脂繊維を溶融させて得られる。
基体50に含まれる熱可塑性樹脂の種類は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
図2及び図3の内装部品1は、アッパートリム51とロアトリム52から構成される基体(ドアトリム基体)50を有している。そして、ロアトリム52の一部の表面を覆うように張着された意匠材55の意匠面551を構成する織物10を備えている。
図3に示すように、織物10のうち、端末処理領域12が、アッパートリム51とロアトリム52の挟着部で挟着され、基体50の一部であるロアトリム52の端部501で、屈曲して配置されている。
この意匠材55を構成する織物10では、図4に示すように、発光領域11と、端末処理領域12とで、織柄が異なるように形成することができる。こうすることで、これらの領域を目視により容易に区別できるようになる。従って、織物10を、基体50に組み付ける際の取着箇所の目印としても役立つものとなる。
具体的には、自動車のドアトリム、アームレスト、アッパートリム、加飾パネル、オーナメントパネル、ロアトリム、ポケット(ドアトリムポケット)、クォータートリム等のトリム系部品;ピラーガーニッシュ;カウルサイドガーニッシュ(カウルサイドトリム);サイドエアバッグ周辺部品等のシート系部品;センタークラスター、レジスター、センターボックス(ドア)、グラブドア、エアバッグ周辺部品等のインストルメントパネル系部品;センターコンソール;オーバヘッドコンソール;サンバイザー;デッキボード(ラゲージボード)、アンダートレイ;パッケージトレイ;CRSカバー;シートサイドガーニッシュ;アシストグリップ;パッシングライトレバー等が挙げられる。
10;織物、101;意匠面、102;非意匠面、
11;発光領域、
12;端末処理領域、
13;導光部、
21、31;緯糸、
22、32;経糸、
50;基体、501;端部、
51;アッパートリム、52;ロアトリム、
55;意匠材、551;意匠面、
60;貫通孔、
LA;最外層、
LB;内層。
Claims (6)
- 経糸及び緯糸を含む構成糸から製織されるとともに、意匠面とその反対面である非意匠面とを有する織物であって、
一部の前記経糸、又は、一部の前記緯糸、として、光ファイバー糸を含み、
前記光ファイバー糸が、前記意匠面に露出するように織り込まれた発光領域と、
前記発光領域の端部に配置され、前記光ファイバー糸が、前記意匠面に露出されないように織り込まれた端末処理領域と、を有することを特徴とする織物。 - 前記光ファイバー糸を構成糸とする前記経糸又は前記緯糸が多重に織られた多重織構造をなし、
前記光ファイバー糸は、前記発光領域では、前記意匠面をなす最外層の前記意匠面側に露出され、且つ、前記端末処理領域で、前記最外層に対して前記非意匠面側の内層を構成して、前記意匠面に露出されていない請求項1に記載の織物。 - 前記光ファイバー糸を除く他の構成糸が、透光阻害成分を含む請求項1又は2に記載の織物。
- 前記発光領域と、前記端末処理領域と、で織柄が異なる請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の織物。
- 基体と、前記基体の少なくとも一部の表面を覆うように張着された意匠材と、を有し、
前記意匠材は、その意匠面に、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の織物を備え
前記織物のうち、前記端末処理領域が、前記基体の端部で、屈曲して配置されていることを特徴とする内装部品。 - ドアトリムである請求項5に記載の内装部品。
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