JP6620603B2 - 織物及びこの織物を備えた内装部品 - Google Patents

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Description

本発明は、織物及びこの織物を備えた内装部品に関し、さらに詳しくは、構成糸として光ファイバーを含んだ織物及びこの織物を備えた内装部品に関する。
従来、構成糸として、側面発光型の光ファイバーを含んだ織物が提案されている。この織物では、一端から光を入射すると、その入射光が他端に至るまでの間の光ファイバー側面から外部へ漏洩される。これにより、織物の表面が発光してみえるよう構成されている。このように側面発光の光ファイバーを含んだ織物では、場合により発光ムラを防止する対策が必要となる。具体的には、下記特許文献1として、発光ムラを低減した光ファイバー照明装置が提案されている。
特開2010−267573号公報
特許文献1に記載の光ファイバー照明装置は、経糸又は緯糸として光ファイバーを少なくとも部分的に含み普通糸と共に織られた光ファイバー織物と、光ファイバーの少なくとも一端部に光を照射する光源とを備え、光源からの光を、光ファイバー内に入光させることにより、光ファイバー織物が照明装置として機能するよう構成されている。
そして、ここでは、光ファイバーは、普通糸の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、光源からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定することにより、発光ムラを効果的に低減できるとしている。
しかしながら、上述の技術は、意匠面となる発光領域では、発光ムラを低減できるものの、屈曲量が多くなる部位の発光ムラまでは低減することができない。即ち、側面発光型の光ファイバーは、屈曲が大きくなると、その箇所の反射量が増し、漏出する光量が多くなる「屈曲輝度上昇」を起こす。そして、実際に、内装部品等に、このような織物を利用するには、光源を非意匠面に配置し、意匠面から光源が見えないような処理を施す必要がある。そのため、非意匠面から意匠面へ至る領域では、導光性を維持しながら、光ファイバーを大きく屈曲させて加工を行う必要が生じる場合がある。これに対し、何ら対策が施されていない織物では、屈曲量が大きくなりがちな端末領域では、上述の屈曲輝度上昇を生じたままとなり、主たる意匠領域よりも高い輝度を有することになり、意匠構成の自由度が低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、側面発光型の光ファイバーを構成糸として備えた織物において、端末処理領域における輝度上昇に起因する発光ムラを防止することができる織物及びこの織物を備えた内装部品を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、経糸及び緯糸を含む構成糸から製織されるとともに、意匠面とその反対面である非意匠面とを有する織物であって、一部の前記経糸、又は、一部の前記緯糸、として、光ファイバー糸を含み、前記光ファイバー糸が、前記意匠面に露出するように織り込まれた発光領域と、前記発光領域の端部に配置され、前記光ファイバー糸が、前記意匠面に露出されないように織り込まれた端末処理領域と、を有することを特徴とする織物であることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記光ファイバー糸を構成糸とする前記経糸又は前記緯糸が多重に織られた多重織構造をなし、前記光ファイバー糸は、前記発光領域では、前記意匠面をなす最外層の前記意匠面側に露出され、且つ、前記端末処理領域で、前記最外層に対して前記非意匠面側の内層を構成して、前記意匠面に露出されていないことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記光ファイバー糸を除く他の構成糸が、透光阻害成分を含むことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の発明において、前記発光領域と、前記端末処理領域と、で織柄が異なることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、基体と、前記基体の少なくとも一部の表面を覆うように張着された意匠材と、を有し、前記意匠材は、その意匠面に、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の織物を備え前記織物のうち、前記端末処理領域が、前記基体の端部で、屈曲して配置されていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内装部品がドアトリムであることを要旨とする。
本発明の織物によれば、光ファイバー糸が、意匠面に露出するように織り込まれた発光領域と、光ファイバー糸が、意匠面に露出されないように織り込まれた端末処理領域と、を有する。このため、端末処理領域における輝度上昇に起因する発光ムラを防止できる。即ち、光ファイバーの屈曲が特に顕著となり易い端末処理に利用される領域において、この端末処理領域の光ファイバーを意匠面に露出されないように織り込むことで、屈曲により輝度上昇を生じたとしても、意匠面側から視認できないように覆い隠すことができ、その結果、発光ムラを防止できる。
また、多重織構造をなし、光ファイバー糸が、発光領域では意匠面をなす最外層の意匠面側に露出され、端末処理領域では最外層に対して非意匠面側の内層を構成し、意匠面に露出されていない場合には、端末処理領域における輝度上昇に起因する発光ムラをより効果的に防止できる。即ち、光ファイバーを経糸として利用する場合には、経糸が多重となった経多重織構造の織物にし、光ファイバーを緯糸として利用する場合には、緯糸が多重となった緯多重織構造の織物にすることができる。このような多重織構造とすることで、発光領域では、光ファイバーが意匠面に露出されるよう製織し、端末処理領域では光ファイバーが内層を構成するよう製織でき、光ファイバーの織物内における層位置を用意にコントロールできる。従って、光ファイバーの屈曲が特に顕著となり易い端末処理領域では、光ファイバーを、意匠面に露出されないように多重織にされた織物の内層へ潜り込ませることができ、屈曲により輝度上昇を意匠面側から視認できないように、より確実に覆い隠すことができる。その結果、より確実な発光ムラの防止を行うことができる。
更に、光ファイバー糸を除く他の構成糸が、透光阻害成分を含むものである場合には、端末処理領域における輝度上昇に起因する発光ムラをより効果的に防止できる。即ち、光ファイバー糸を覆い隠すこととなる他の構成糸の光遮蔽性が向上されることで、より確実な発光ムラの防止を行うことができる。
また、本発明の織物では、発光領域と、端末処理領域と、で織柄が異ならしめることができる。この場合には、織柄の変化により、発光領域及び端末処理領域を容易に目視確認することができるため、これら2つの領域が区別し易くなり、組み付けをスムーズに行うことができる。
本発明の内装部品では、基体の少なくとも一部の表面を覆うように張着された意匠材を有して、この意匠材の意匠面に本発明の織物を備えている。そして、この織物のうち、端末処理領域が基体の端部で屈曲して配置されている。従って、前述した織物における発光ムラ防止作用をそのまま享受することができる。即ち、光ファイバーの屈曲が顕著となる基体の端部に、屈曲による輝度上昇を意匠面側から視認できないようにしてある織物の端末処理領域を配置することで、発光ムラを防止することができる。
また、この内装部品がドアトリムである場合には、本発明の上述の作用を特に顕著に得ることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係る織物の織構造を説明する説明図ある。 実施例に係る織物を備えるドアトリムの模式的な斜視図である。 図2のX−X線断面図である。 図2のドアトリムにおいて張着される織物の模式的な正面図である。 他例のドアトリムにおいて張着される織物の模式的な正面図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]織物
本実施形態に係る織物(10、10A)は、経糸(22、32)及び緯糸(21、31)を含む構成糸から製織されるとともに、意匠面(101)とその反対面である非意匠面(102)とを有する織物(10、10A)であって、一部の経糸、又は、一部の緯糸、として、光ファイバー糸(40)を含み、光ファイバー糸(40)が、意匠面(101)に露出するように織り込まれた発光領域(11、11A、15A)と、発光領域の端部に配置され、光ファイバー糸(40)が、意匠面(101)に露出されないように織り込まれた端末処理領域(12、12A、17A、18A)と、を有する(図1〜図5参照)。
上記「織物(10)」は、経糸と緯糸とを用いて製織された布帛である。そして、これら経糸10及び緯糸22の一部として光ファイバー糸40が利用されている。光ファイバー糸40は、経糸10の全部であってもよく、緯糸22の全部であってもよいが、本発明では、経糸10のうちの一部として光ファイバー糸40が配合されるか、又は、緯糸22のうちの一部として光ファイバー糸40が配合されるか、のどちらかである。経糸10のうちの一部として、又は、緯糸22のうちの一部として、光ファイバー糸40を用いる場合、経糸本数に占める光ファイバー糸40の割合、又は、緯糸本数に占める光ファイバー糸40の割合、は10%以上90%以下が好ましく、20%以上80%以下がより好ましく、30%以上70%以下が更に好ましい。
尚、本明細書では、経糸及び緯糸をまとめて構成糸ともいう。また、光ファイバー糸40を除いた構成糸を、他の構成糸ともいう。
そして、この織物10は、外観として人の目に触れる意匠面101と、その反対面で外観として人の目に触れない非意匠面102を有している。
更に、織物10は、この意匠面101に、発光領域11と、端末処理領域12と、を有する。発光領域11は、光ファイバー糸40による発光が意匠面101側から視認できる領域であり、端末処理領域12は発光領域11の端部に配置された領域であり、光ファイバー糸40による発光が意匠面101側から視認できないか、或は、発光領域11に比べて劣る、領域である。具体的には、光ファイバー糸40は、発光領域11では、意匠面101に露出するように織り込まれ、端末処理領域12では、意匠面101に露出されないように織り込まれている。この端末処理領域12における光ファイバー糸40が意匠面101に露出されない織り込み形態等については後述する。
上記「光ファイバー糸(40)」は、糸の一端から光を入射させることができ、その入射した光を、糸内で導光し、糸の他端まで届けることができる糸である。加えて、この織物10に利用される光ファイバー糸40は、側面発光型の光ファイバー糸40であることが好ましい。即ち、一端から他端へ光を導光させながら、その側面から発光させることができる光ファイバー糸40であることが好ましい。具体的には、芯(コア)と鞘(クラッド)との芯鞘構造(二層構造)を有し、これら芯と鞘との屈折率が異なっている種々の光ファイバー糸を利用できる。
本発明の織物10に利用される光ファイバー糸40は、製織できるという特性を得る観点から、樹脂製の側面発光型の光ファイバー糸40であることが好ましい。具体的には、例えば、コア材に光散乱物質を配合した光ファイバー糸40を利用できる。即ち、散乱物質の配合により、芯鞘界面で光画全反射せず、光ファイバー糸40の側面から散乱光が漏れ出る構造となった側面発光型の光ファイバー糸40である。尚、このような光ファイバー糸40では、コア材に配合する光散乱物質の濃度の調整により側面発光輝度をコントロールすることができる。
また、光ファイバー糸40の直径は特に限定されないが、製織性を好適に得る観点から、例えば、0.01mm以上2.0mm以下とすることができ、0.05mm以上1.5mm以下が好ましく、0.1mm以上1.0mm以下がより好ましい。
上記「他の構成糸」(即ち、光ファイバー糸を除く他の構成糸)は特に限定されず、適宜の糸を用いることができる。糸を構成する材料は限定されず、天然繊維であってもよいし、合成繊維であってもよい。合成繊維である場合、その構成樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
他の構成糸の繊度は特に限定されないが、例えば、100dtex以上1000dtex以下とすることができ、200dtex以上700dtex以下が好ましく、300dtex以上500dtex以下がより好ましい。
他の構成糸は、透光阻害成分を含むことができる。他の構成糸が、透光阻害成分を含むことで、光ファイバー糸40に対する遮光性を向上させることができる。従って、端末処理領域12における光ファイバー糸40の遮光性をより効果的に向上させることができる。特に、他の構成糸が、合成繊維である場合には、透光阻害成分を含むことが好ましい。具体的には、他の構成糸をなす繊維材料内に透光阻害成分が含有されてもよいし、コーティング等の方法により他の構成糸の表面に透光阻害成分が付着されていてもよいし、これらの両方であってもよい。
また、透光阻害成分は、他の構成糸における透光を阻害できる成分であることが好ましい。即ち、光が他の構成糸内を通過することを阻害できる成分であることが好ましい。例えば、反射により透光阻害してもよく、吸光により透光阻害してもよく、その他の作用により透光阻害してもよい。
具体的には、着色剤(顔料、染料等)、吸光剤、増量剤(各種フィラー類等)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。このうち、例えば、顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、アンスラキノン系等の有機顔料、及び、カーボンブラック、群青、ベンガラ、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料を挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、染料としては、アンスラキノン系、ペリノン系、ペリレン系、アゾ系、メチン系、キノリン系等の染料を挙げることができる。これらのなかでは、より濃色な染料が好ましく、黒色系染料が特に好ましい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記「発光領域(11)」は、光ファイバー糸40が、意匠面101に露出するように織り込まれた織物領域である。従って、織物の意匠面101のうち、所望に応じて発光させることができる領域となる。発光領域11における織物表面全体における光ファイバー糸40の占める露出割合(露出面積率)は1%以上40%以下であることが好ましく、2%以上20%以下であることが更に好ましく、3%以上10%以下であることが特に好ましい。光ファイバーの露出面積率がこの範囲であれば、発光をコントロールし易く、また、端末処理領域12において光ファイバー糸40を遮光することもより容易となる。
光ファイバー糸40が、意匠面101に露出するように織り込む方法は特に限定されず、公知の各種織組織や織構造を利用できる。具体的には、例えば、図1に例示されるように、光ファイバー糸40が経糸22として利用され、緯糸が2層構造となった緯二重織構造の織物とする場合、光ファイバー糸40が最外層LAの組織を構成するように織り込むことで、発光領域11を形成できる。
即ち、図1に示す織物10は、意匠面101をなす最外層LAと、非意匠面側102をなす内層LBとを有した二重構造に織られた織組織である。この織物10では、経糸22として光ファイバー糸40が利用され、経糸32として他の構成糸が利用されている。更に、緯糸21及び緯糸31も他の構成糸である。そして、発光領域11では、光ファイバー糸40が最外層LAを構成するように織り込まれることで、意匠面101に露出されている。一方、端末処理領域12では、光ファイバー糸40が内層LBを構成するように織り込まれることで、内層LBは、最外層LAの層下に配置されて、意匠面101に露出されないように構成されている。
図1の織物10では、光ファイバー糸40は、最外層LAの緯糸21を1本おきに織り込む形態を例示しているが、織り方は、この形態に限定されない。例えば、クリンプの多い織り方とすれば、クリンプに伴った輝度上昇により発光領域11の発光を増大させることができる。一方、クリンプのより少ない織り方とすれば、クリンプに伴った輝度上昇を生じ難くより穏やかな発光の発光領域11を形成できる。
上記「端末処理領域(12)」は、光ファイバー糸40が、意匠面101に露出されないように織り込まれた領域である。従って、意匠面101において視認できる光ファイバー糸40による光量が発光領域11よりも少なくされた領域となる。
光ファイバー糸40を、意匠面101に露出しないように織り込む方法は特に限定されず、公知の各種織組織や織構造を利用できる。具体的には、例えば、光ファイバー糸40を緯糸として利用した場合には、経糸により覆い隠すことができる。同様に、光ファイバー糸40を経糸として利用した場合には、緯糸により覆い隠すことができる。
また、図1に例示されるように、織物を多層構造にすることによって、より効果的に光ファイバー糸40を意匠面101から隠すことができる。即ち、光ファイバー糸40が経糸22として利用され、緯糸が2層構造となった緯二重織構造の織物とする場合、光ファイバー糸40が内層LBの組織を構成するように織り込むことで、この領域では、最外層LAが光ファイバー糸40を覆うこととなり、意匠面101に露出されない端末処理領域12を形成できる。
当然ながら、光ファイバー糸40を緯糸として利用し、経糸が2層構造となった経二重織構造の織物としてもよい。更に、3層以上の多層構造としてもよい。また、例えば、発光領域11を単層織で構成し、端末処理領域12を袋織構造として、その内層を光ファイバー糸40が構成するようにすることで、光ファイバー糸40が意匠面101に露出されないようにすることができる。
更に、図1の織物では、端末処理領域12において、光ファイバー糸40は、内装LBの緯糸21を1本おきに織り込む形態を例示しているが、端末処理領域12を構成する光ファイバー糸40は、クリンプの少ない織り方であることが好ましい。この観点からは、緯糸21を2本以上おきに織り込む形態であることがより好ましい。即ち、例えば、緯糸2本飛び、緯糸2本潜り、のように形成される2/2組織や、緯糸3本飛び、緯糸3本潜り、のように形成される3/3組織等を利用することができる。このようなクリンプがより少ない織り方とすることによって、組織に起因したクリンプによって生じる輝度上昇を抑えることができる。
端末処理領域12は、織物10において、例えば、図4に示すように、その外周に配置することができる。図4においては、織物10の外周の全周を囲むよう端末処理領域12が配置されている。また、図5に示すように、内部に織物10を貫通する貫通孔60を備える場合には、この貫通孔60の周囲にも、端末処理領域12を設けることができる。こうすることで、貫通孔60をパーツ取付け孔として利用した場合等にも、その端部処理による屈曲輝度上昇を、端末処理領域12によって防止することができる。
尚、図5に例示するような貫通孔60を備える形態では、この領域を横断する光ファイバー糸40が存在しないため、光の連絡が途切れてしまう。このため、例えば、必要に応じて、図5の紙面の左側及び右側の両方の光ファイバー糸40の端部から光を入射させることによって、貫通孔60を備えることによる上記の問題を解消することができる。更に、必要な場合は、光ファイバー糸40のみを切断することなく、連続させて残しておき、貫通孔60をパーツ取付け孔として利用する場合において、このパーツの背後に余った光ファイバー糸40を通すことで、上記の問題を解消することができる。
[2]内装部品
本実施形態に係る内装部品(1)は、基体(50)と、基体(50)の少なくとも一部の表面を覆うように張着された意匠材(55)と、を有し、意匠材(55)は、その意匠面(551)に、織物(10)を備え、織物(10)のうち、端末処理領域(12)が、基体(50)の端部(501)で、屈曲して配置されている。
上記「基体(50)」は、意匠材55の支持体となるものである。例えば、全体として略一様な厚みを有したボード等を利用できる。基体50を構成する材料は特に限定されないが、通常、成形性の観点から、熱可塑性樹脂を含む。基体50は、熱可塑性樹脂のみから形成されてもよいが、熱可塑性樹脂以外の材料との複合体であってもよい。
熱可塑性樹脂のみから形成された基体50としては、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を発泡させたオレフィン系発泡材等が挙げられる。
また、複合体としては、例えば、無機繊維(ガラス繊維等)や有機繊維(植物性繊維等)の繊維材料を、熱可塑性樹脂によって結着してなる繊維質多孔材が挙げられる。繊維質多孔材は、ガラス繊維、PET繊維、植物性繊維等の硬質繊維を熱可塑性樹脂により結着した材料であり、例えば、硬質繊維と熱可塑性樹脂繊維と、を混合した後、熱可塑性樹脂繊維を溶融させて得られる。
基体50に含まれる熱可塑性樹脂の種類は特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
意匠材55は、その意匠面551に織物10を備えればよく、その他の構成については限定されない。意匠材55は、織物10のみの1層からなってもよく、織物10以外の他層を備えた2層以上からなってもよい。2層以上からなる場合、他層としては、例えば、クッション層(意匠材55の非意匠面側に配置される)が挙げられる。クッション層は、意匠材55において、織物10の層下に配置されて、意匠材55に弾性を与える機能を有する。即ち、クッション層を有することで、意匠材55の意匠面551側からの触感に対して弾力感を与えることができる。クッション層を構成する材料は限定されないが、例えば、軟質ポリウレタンフォームを用いることができる。その他、十分なクッション性を有する限り、他の軟質樹脂フォームや不織布シート等を用いることもできる。その他、必要に応じて、不織布層、通気止層等が設けることもできる。
本発明の内装部品は、車両(自動車及び鉄道車両等)、航空機、船舶、建築等の各種分野における内装部品として広く利用できるが、とりわけ、車両用途の各種トリム類として好適である。具合的には、図2及び図3に示すように、本発明の内装部品1は、車両(例えば、自動車)用途のドアトリムに利用できる。
図2及び図3の内装部品1は、アッパートリム51とロアトリム52から構成される基体(ドアトリム基体)50を有している。そして、ロアトリム52の一部の表面を覆うように張着された意匠材55の意匠面551を構成する織物10を備えている。
図3に示すように、織物10のうち、端末処理領域12が、アッパートリム51とロアトリム52の挟着部で挟着され、基体50の一部であるロアトリム52の端部501で、屈曲して配置されている。
内装部品1は、図示しない発光源を用いて、織物10の導光部13を通して導光すると、発光領域11が発光される。そして、アッパートリム51とロアトリム52の挟着部で挟着され、基体50の端部501で屈曲して配置された部位では、光ファイバー糸40の屈曲輝度上昇を生じているが、この領域は、織物10の意匠面101に、光ファイバー糸40が露出されないように織り込まれた端末処理領域12であるため、織物10の意匠面101側からは、その屈曲輝度上昇は視認されることがなく、自然な端末処理を行うことができる。
この意匠材55を構成する織物10では、図4に示すように、発光領域11と、端末処理領域12とで、織柄が異なるように形成することができる。こうすることで、これらの領域を目視により容易に区別できるようになる。従って、織物10を、基体50に組み付ける際の取着箇所の目印としても役立つものとなる。
本発明の織物及び内装部品は、車両(自動車及び鉄道車両等)、航空機、船舶、建築等の各種分野における内装部品及びその意匠面を構成する織物として広く利用される。
具体的には、自動車のドアトリム、アームレスト、アッパートリム、加飾パネル、オーナメントパネル、ロアトリム、ポケット(ドアトリムポケット)、クォータートリム等のトリム系部品;ピラーガーニッシュ;カウルサイドガーニッシュ(カウルサイドトリム);サイドエアバッグ周辺部品等のシート系部品;センタークラスター、レジスター、センターボックス(ドア)、グラブドア、エアバッグ周辺部品等のインストルメントパネル系部品;センターコンソール;オーバヘッドコンソール;サンバイザー;デッキボード(ラゲージボード)、アンダートレイ;パッケージトレイ;CRSカバー;シートサイドガーニッシュ;アシストグリップ;パッシングライトレバー等が挙げられる。
1;内装部品(ドアトリム)、
10;織物、101;意匠面、102;非意匠面、
11;発光領域、
12;端末処理領域、
13;導光部、
21、31;緯糸、
22、32;経糸、
50;基体、501;端部、
51;アッパートリム、52;ロアトリム、
55;意匠材、551;意匠面、
60;貫通孔、
LA;最外層、
LB;内層。

Claims (6)

  1. 経糸及び緯糸を含む構成糸から製織されるとともに、意匠面とその反対面である非意匠面とを有する織物であって、
    一部の前記経糸、又は、一部の前記緯糸、として、光ファイバー糸を含み、
    前記光ファイバー糸が、前記意匠面に露出するように織り込まれた発光領域と、
    前記発光領域の端部に配置され、前記光ファイバー糸が、前記意匠面に露出されないように織り込まれた端末処理領域と、を有することを特徴とする織物。
  2. 前記光ファイバー糸を構成糸とする前記経糸又は前記緯糸が多重に織られた多重織構造をなし、
    前記光ファイバー糸は、前記発光領域では、前記意匠面をなす最外層の前記意匠面側に露出され、且つ、前記端末処理領域で、前記最外層に対して前記非意匠面側の内層を構成して、前記意匠面に露出されていない請求項1に記載の織物。
  3. 前記光ファイバー糸を除く他の構成糸が、透光阻害成分を含む請求項1又は2に記載の織物。
  4. 前記発光領域と、前記端末処理領域と、で織柄が異なる請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の織物。
  5. 基体と、前記基体の少なくとも一部の表面を覆うように張着された意匠材と、を有し、
    前記意匠材は、その意匠面に、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の織物を備え
    前記織物のうち、前記端末処理領域が、前記基体の端部で、屈曲して配置されていることを特徴とする内装部品。
  6. ドアトリムである請求項5に記載の内装部品。
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