JP2023072301A - 光透過性意匠材および照明付き装飾品 - Google Patents

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Hironori Matsubara
光希 柚原
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Abstract

【課題】種々の形状の物品の意匠面に採用可能で、裏面側からの光の有無に依らず繊維柄の意匠を明確に表現可能な光透過性意匠材を提供する。【解決手段】光透過性を有する材料からなるフィルム基材50上に繊維柄が印刷されて、意匠面を構成する表層44と、フィルム基材50の裏面に接着され、少なくとも天然繊維60が絡み合わされてマット状に成形された繊維層46と、を備え構成とする。これにより、裏面側から光が照射されていない場合、表層44に設けられた繊維柄によって、天然繊維感を表現する。一方で、裏面側から光が照射されている場合には、表層44に設けられた繊維柄と、繊維層46における天然繊維60が表層44の表面に浮き出て、天然繊維感を表現することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、物品の意匠面に表皮のように用いる光透過性意匠材に関し、その光透過性意匠材を用いた物品である照明付き装飾品に関する。
従来から、交絡させたケナフなどの植物繊維の繊維間を、熱可塑性樹脂によって結着させた構成の成形体が知られている。この成形体は、軽量化を主な目的として、植物繊維を含有させたものであり、この成形体を用いて製造された部材は、下記特許文献1に記載された車両用内装材のように、表面を表皮材や樹脂製の表面材で覆って、視認できない状態で用いられることが多い。一方で、下記特許文献2のように、上記のような植物繊維を含有させた成形体を、例えば乗物の内装材や家具等の意匠面に採用し、繊維柄の意匠の物品等を実現することが検討されている。なお、特許文献1に記載の車両用内装材は、透光性を有する基材に、印刷によって加飾されたフィルムを接着するとともに、そのフィルムの裏面側に照明手段を配した構成とされており、裏面側から光を照射することで、非照明時には表現されていない図柄等の意匠を浮き上がらせることができるものとなっている。
特開2015-003662号公報 特開2021-160118号公報
上記特許文献1に記載の車両用内装材は、柄が印刷されたフィルムに光を照射する構成の場合、光によって柄が薄くなったり、光が強い箇所や柄の色相によっては、柄が消えてしまったりする場合がある。つまり、このような構成の場合、意匠の明度や色相が制限されるという問題がある。また、上記特許文献2に記載の成形体は、目付を低くすることで光を透過する構成となり、裏面側からの光の有無に依らず繊維柄の意匠を明確に表現することは可能であるが、凹凸部を有する形状に成形する際に破断してしまう虞があり、成形可能な形状が限定されるという問題がある。また、成形できたとしても、凹凸部において薄肉な部分が生じやすく、凹凸部と平面状の個所とで光の強度が相違してしまうという問題がある。
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、種々の形状の物品の意匠面に採用可能で、裏面側からの光の有無に依らず繊維柄の意匠を明確に表現可能な光透過性意匠材を提供することを課題とする。また、裏面側からの光の有無に依らず繊維柄の意匠を明確に表現可能な照明付き装飾品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の光透過性意匠材は、
光透過性を有する材料からなるフィルム基材上に繊維柄が印刷されて、意匠面を構成する表層と、
前記フィルム基材の裏面に接着され、少なくとも天然繊維が絡み合わされてマット状に成形された繊維層と、
を備えたことを特徴とする。
この構成の光透過性意匠材は、裏面側から光が照射されていない場合、表層に設けられた繊維柄によって、天然繊維感を表現する。一方で、裏面側から光が照射されている場合には、表層に設けられた繊維柄は、光によって一部がぼやけてしまったり、消えてしまったりすることになるが、繊維層における天然繊維が表層の表面に浮き出て、天然繊維感を表現することができる。
例えば乗物用内装材の軽量化を目的として基材に天然繊維が用いられる場合、天然繊維の繊維間を熱可塑性樹脂によって結着させて板状に成形した構成の成形体とされる。それに対して、この構成の光透過性意匠材における「繊維層」は、熱可塑性樹脂によって結着されておらず、また、光によって表層に浮き出させるものであることから厚みを薄くすることが可能であり、この構成の光透過性意匠材は、比較的自由に形状を変更することが可能なものとなる。つまり、この構成の光透過性意匠材は、種々に形状の物品の表面に接着することが可能となる。
なお、この構成の光透過性意匠材における「繊維層」は、1種あるいは2種以上の天然繊維で成形されたものであってもよく、合成繊維を混合させたものであってもよい。また、この繊維層は、天然繊維感を表現するという観点からすれば、いわゆる不織布が望ましく、ニードルパンチも施されていないものであることが望ましい。
上記構成において、前記繊維層は、単位面積当たりの質量が8g/m以上20g/m以下である構成とすることができる。
例えば、乗物用内装材の軽量化を目的として基材に天然繊維が用いられる場合、天然繊維の繊維間を熱可塑性樹脂によって結着させて板状に成形した構成の成形体とされるが、その成形体の単位面積当たりの質量(目付け)は、400~600g/m程度とされる場合が多い。この構成の光透過性意匠材に用いられる繊維層は、そのような基材として用いられる場合に比較して、目付が非常に小さいものとされており、種々の形状の物品に沿わせるのに好適である。なお、繊維層の目付けは、できる限り小さい方が望ましいが、フィルム基材への接着性やマット状への成形性の観点から、8g/m~12g/mであることが望ましい。
上記構成において、前記繊維層は、前記天然繊維である第1繊維と、前記天然繊維の繊維径より細い繊維である第2繊維とが絡み合わされたものである構成とすることができる。
この構成の光透過性意匠材における繊維層は、繊維径の細い第2繊維が、第1繊維の間や第1繊維自体に、絡み合った構成となっている。この第2繊維の存在によって、表層のフィルム基材への接着や、当該光透過性意匠材の基材等への接着時に、接着面積を確保することができ、繊維層の接着性を高めることが可能である。また、繊維径が比較的大きい天然繊維は、フィルム基材上に凹凸を生じさせる虞があるが、この構成の光透過性意匠材によれば、天然繊維の間に第2繊維が入り込んで、そのようなフィルム基材上への凹凸の発生を抑制することができる。
上記構成において、前記第1繊維は、繊維径が80μm以上100μm以下のものとされ、前記第2繊維は、繊維径が10μm以上30μm以下のものとされた構成とすることができる。
この構成の光透過性意匠材は、第1繊維に対して第2繊維が絡み易く、繊維層の接着性を高めるのに好適である。
上記構成において、前記繊維層における前記第1繊維の含有率は、50%以上80%以下とされた構成とすることができる。
裏面側からの光照射時に天然繊維感を表層に表現するためには、天然繊維は多いほどが望ましいが、この構成の光透過性意匠材によれば、第2繊維による接着力を十分に確保するとともに、第1繊維によって十分に天然繊維感を表現することができる。なお、第1繊維の含有率は、65~75%であることが、より望ましい。
上記構成において、前記第2繊維は、光透過性を有する合成樹脂繊維とすることができる。
この構成の光透過性意匠材は、第2繊維が光透過性を有するため、裏面側からの光照射時において、第2繊維が表層に浮き出ることがなく、第1繊維による天然繊維感を際立たせつつ、表層等への接着力を高めることができる。
上記構成において、前記第2繊維は、前記第1繊維とは異なる天然繊維であり、前記繊維層は、前記表層側に前記第1繊維が前記第2繊維より多くなるように混合されたものである構成とすることができる。
この構成の光透過性意匠材は、裏面側からの光照射時において、繊維径の小さい第2繊維の存在によって、表層に表現される像に奥行き感を出すことができ、意匠性を高めることができる。
上記構成において、前記繊維層は、同系色で濃淡の異なる2以上の天然繊維が混合されて成形されたものであり、表層側に、相対的に色の濃い天然繊維が多くなるように混合されている構成とすることができる。
この構成の光透過性意匠材は、裏面側からの光照射時において、色の薄い第2繊維の存在によって、表層に表現される像に奥行き感を出すことができ、意匠性を高めることができる。
上記構成において、前記表層は、前記フィルム基材の表面側に、前記繊維柄に合わせて凹凸形状が光透過性を有する樹脂材料によって形成されている構成とすることができる。
この構成の光透過性意匠材は、天然繊維柄が立体形状を持っており、意匠性の高いものとなる。
上記課題を解決するために、本発明の照明付き装飾品は、
上記構成の光透過性意匠材を表面に用いた装飾品であって、
光透過性を有する材料からなり、当該装飾品の外郭の少なくとも一部を構成する基材と、
前記基材の表面を覆う前記光透過性意匠材と、
前記基材の裏面側に配されて、前記基材に向けて光を照射する照明装置と、
を備えたことを特徴とする。
この構成の照明付き装飾品は、外郭の少なくとも一部が、照明装置の非点灯時においては、光透過性意匠材の表層の天然繊維柄によって天然繊維感を表現し、照明装置の点灯時においては、視認し難くなる表層の天然繊維柄と表層に浮き出た繊維層の天然繊維によって天然繊維感を表現したものとなる。
上記構成の照明付き装飾品において、前記基材は、乗物室内の内装材を構成する主体となる内装材本体であり、前記照明装置は、前記内装材本体の乗物室外側に配されており、乗物室の意匠面を構成する乗物用内装材である構成とすることができる。
この構成の照明付き装飾品によれば、乗物室内の内装に天然繊維感を表現することができ、乗物室内の意匠性を高めることができる。
本発明によれば、種々の形状の物品の意匠面に採用可能で、裏面側からの光の有無に依らず繊維柄の意匠を明確に表現可能な光透過性意匠材を提供することができるとともに、裏面側からの光の有無に依らず繊維柄の意匠を明確に表現可能な照明付き装飾品を提供することができる。
本発明の光透過性意匠材が用いられた車両を車室内からの視点において示す図 図1に示したオーナメントを車両後方側からの視点において示す断面図 本発明の光透過性意匠材を概略的に示す拡大断面図 本発明の光透過性意匠材を構成する繊維層を概略的に示す平面図
本発明の光透過性意匠材を用いた実施形態である乗物用内装材(照明付き装飾品)を図1に示す。本実施形態の乗物用内装材は、車両(自動車)のサイドドア10における車室(乗物室)内面を構成するドアトリム12に用いられている。サイドドア10は、運転席側(車幅方向右側)と助手席側(車幅方向左側)とにそれぞれ設けられ、車両前方側の概して上下方向に延びる回動軸を中心として回動することで、開閉可能な構成とされている。それら運転席側のサイドドア10およびその運転席側のサイドドア10のいずれのドアトリム12も、本実施形態の乗物用内装材が用いられている。以下に説明においては、運転席側のサイドドア10のドアトリム12を代表して説明することとする。
ドアトリム12は、サイドドア10の車室内側部分を構成するものであり、ドアインナパネルに対して車室内側から取り付けられるものである。ドアトリム12は、図1に示すように、ロアボード14、アッパボード15と、オーナメント16とを、含んで構成されている。なお、ロアボード14の上端には、アームレスト17が形成されており、オーナメント16は、そのアームレスト17の上方に配されている。
このオーナメント16が、本実施形態の乗物用内装材である。オーナメント16は、内部に空間が形成されたハウジング20を主体として構成される。ハウジング20は、図1に示すように、車両前後方向の延びる長手状のものであり、ドアトリム12を構成するロアボード14とアッパボード15との間に固定されて、ハウジング20の一面が車室内面の一部を構成している。
ハウジング20は、図2に示すように、概して箱状のものであり、車室内側の部分を構成する第1ハウジング部材21と、車室外側の部分を構成する第2ハウジング部材22と、からなる。詳しく言えば、第2ハウジング部材22は、底面部23(車室外側の部分)と、その底面部23の周縁から立設する壁部24と、を有し、概して皿状の部材とされている。一方、第1ハウジング部材21は、皿状に成形された第2ハウジング部材22の開口を塞ぐ蓋状の部材とされている。具体的には、第1ハウジング部材21は、車室内外方向における視点において、第2ハウジング部材22と同じ外形形状のものとされ、周縁において第2ハウジング部材22の壁部24の先端に接合されている。
ハウジング20には、照明装置30が設けられている。照明装置30は、図2に示すように、長手状の基板31とその基板31上に長手方向に沿って配列された複数のLED32とからなるLEDテープ33を複数本含んで構成される。それらLEDテープ33は、上下方向に間隔をおいて、車両前後方向に延びる状態で第2ハウジング部材22の底面23に貼着されている。なお、この第2ハウジング部材22は、合成樹脂からなり、光を透過させず、また、光を反射させないものとなっている。そして、照明装置30は、LED32の点灯状態を制御すること、具体的には、LED32の点灯・消灯を切り替え可能とされるとともに、照度を一定範囲で変更可能であり、点灯時においては、相対的に明るい高照度から暗い低照度の範囲で段階的に照度を変更可能とされている。
第1ハウジング部材21は、表皮材40と、基材42とからなるボード部材であり、その表皮材40が、本発明の光透過性意匠材である。基材42は、透光性の高い合成樹脂(例えば、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト)からなる。なお、本実施例においては、基材42は、アクリルからなる。この基材42は、図2に示すように、上下方向における中央が室内側に膨らんで、断面山形の形状のものとされている。そして、この基材42の室内側面に、光透過性意匠材である表皮材40が接着されている。
表皮材40は、図3に示すように、意匠面を構成する表層44と、表層44の裏面に接着された繊維層46とからなる。表層44は、光透過性を有する材料からなるフィルム基材50を主体とするものである。なお、フィルム基材50は、特に限定されないが、本実施例においては、ポリ塩化ビニルから成形されている。そして、表層44は、そのフィルム基材50の表面側(車室内側)に、印刷により繊維層46を模した繊維柄がインクジェット塗料によって成形された印刷層52と、その印刷層52の表面側に、印刷層52の繊維柄に合わせて凹凸形状が光透過性を有する樹脂材料(例えば、UV硬化樹脂)によって成形された立体形状層54と、が積層されたものとなっている。なお、本実施形態において、この表層44の厚みは、130μm~230μm程度となっている。より詳しく言えば、フィルム基材50の厚みが、70μm~90μm程度、印刷層52の厚みが、15μm~40μm程度、立体形状層54の厚みが、45μm~100μm程度となっている。
また、繊維層46は、第1繊維としての天然繊維である植物繊維60と、第2繊維としての樹脂繊維62とが絡み合わされてマット状に成形されている。その植物繊維60には、ケナフ等の靭皮植物繊維や木材等を解繊して得た木質繊維等を例示することができる。また、天然繊維として植物繊維60を例示しているが、動物繊維や鉱物繊維であってもよい。なお、本実施形態の繊維層46においては、天然繊維である植物繊維60はケナフ繊維である。また、樹脂繊維62は、透明あるいは半透明で光透過性を有する樹脂材料からなり、その熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂)等を例示することができる。なお、本実施形態においては、樹脂繊維62は、ポリプロピレン(PP)からなる。
本実施形態において、ケナフ繊維である植物繊維60には、平均繊維径が80μm以上100μm以下のものが用いられるのに対して、樹脂繊維62は、植物繊維60の繊維径よりも小さいものとされている。樹脂繊維62の繊維径は、10μm以上30μm以下のものとされている。また、図4に示すように、植物繊維60が、比較的直線的な形状の繊維であるのに対して、樹脂繊維62は、縮れたような形状の繊維となっている。
繊維層46は、植物繊維60と樹脂繊維62とを、所定の割合で混合し、その混合したものをカード機によって開繊して積層することで成形されている。なお、繊維層46は、ニードルパンチは行われておらず、そのニードルパンチによる孔等が形成されていないものとなっている。また、本実施形態においては、それらを混合した混合繊維の総質量を100wt%とした場合、その混合繊維は、例えば、植物繊維60を70wt%、樹脂繊維62を30wt%の割合で含有したものとすることができる。さらに、本実施形態において、繊維層46は、単位面積当たりの質量が10g/m程度となるように成形されている。なお、繊維層46は、後に詳しく説明するが、第1ハウジング部材21の意匠面に天然繊維の像を表現するためのものであるため、繊維層46の単位面積当たりの質量は、比較的小さく、8g/m以上20g/m以下であることが望ましい。さらに言えば、8g/m以上12g/m以下であることが、より望ましい。
ちなみに、第1ハウジング部材21の意匠面に繊維感を表現するとういう観点からすれば、繊維層46は、植物繊維60のみあれば、樹脂繊維62は不要である。一方で、繊維層46が植物繊維60のみで構成された場合には、フィルム基材50を主体とするもので、比較的厚みの薄いものであるため、表層44の意匠面(室内側面)に、天然繊維による不自然な凹凸が発生し、天然繊維感を損ねてしまうという問題が生じた。また、繊維層46の表面は、天然繊維感を表現するために、天然繊維が不均一であることから、繊維層46の基材42あるいは表層44に対する接着において、接着ムラ(接着面上での接着力のばらつき)が生じるという問題が生じた。
本実施形態においては、上述したように、繊維層46が、植物繊維60を主体として、その植物繊維60より繊維径の細い樹脂繊維62を絡み合わせたものとされているため、植物繊維60と表層44との間や植物繊維60と基材42との間に植物繊維62が介在することで、植物繊維60によって表層44に凹凸が生じることを抑制することができる。また、樹脂繊維62の存在によって、繊維層46の表面積が増加する、つまり、接着面積が増加することになる。また、植物繊維60が少ない箇所も樹脂繊維62が分散することになるため、接着面上での接着力のばらつきを抑えることができる。したがって、本実施形態においては、繊維層46を、表層44および基材42に対して確実に接着することができる。なお、繊維感を表現しつつ、接着力を高めるためには、例えば、植物繊維60の含有率を50wt%以上80wt%以下とし、その植物繊維60に対して総質量100wt%となるように、樹脂繊維62を50wt%以下20wt%以上の割合で含有したものとすることが望ましい。さらに言えば、植物繊維60の含有率を65wt%以上75wt%以下とし、樹脂繊維62を35wt%以下25wt%以上の割合で含有したものとすることが、より望ましい。
以上のように構成された本光透過性意匠材である表皮材40は、照明装置30が消灯され裏面側から光が照射されていない場合、表層44に設けられた繊維柄によって、天然繊維感を表現する。一方で、照明装置30が点灯され、裏面側から光が照射されている場合には、表層44に設けられた繊維柄は、光によって一部がぼやけてしまったり、消えてしまったりすることになるが、繊維層46における植物繊維60が表層44の表面に浮き出て、天然繊維感を表現することができる。
例えば乗物用内装材の軽量化を目的として基材に天然繊維が用いられる場合、天然繊維の繊維間を熱可塑性樹脂によって結着させて板状に成形した構成の成形体とされる場合がある。それに対して、この本表皮材40における繊維層46は、熱可塑性樹脂によって結着されておらず、また、成形体の場合に比較して、厚みが薄くされている。したがって、本表皮材40は、比較的自由に形状を変更することが可能なものとなっており、本実施形態のように、湾曲した形状の基材(内装材本体)42に対して、しっかりと接着されたものとなっているのである。
<他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態においては、繊維層46が、第2繊維として樹脂繊維62を混合されたものとされていたが、それに限定されず、第1繊維である植物繊維60より繊維径の細い天然繊維(例えば、コットン)とすることもできる。この態様によれば、照明装置30の点灯時において、繊維径の異なる2種類の天然繊維によって、奥行き感を表現することができる。さらに言えば、混合繊維を開繊・積層する際に、表層44側ほど、繊維径の大きな第1繊維(ケナフ繊維)60が第2繊維(コットン)に比較して多くなるようなマット状に成形することで、より奥行き感を出すことができる。また、混合させる繊維は3種以上、例えば互いに繊維径の異なるものを混合させて、繊維層を成形してもよい。
また、繊維層は、同系色で濃淡の異なる2種類以上の天然繊維を混合して成形したものとすることができる。この態様によれば、濃淡の異なる2種類の天然繊維によって、奥行き感を表現することができる。さらに言えば、混合繊維を開繊・積層する際に、表層44側ほど、色の濃い天然繊維が色の薄い天然繊維に比較して多くなるようなマット状に成形することで、より奥行き感を出すことができる。
上記の実施形態においては、繊維層46は、第1繊維である植物繊維60の他に、第2繊維である樹脂繊維62も混合されていたが、フィルム基材50の裏面に直接接着可能なものであれば、天然繊維のみでもよい。
上記実施形態において、光透過性意匠材は、車両用のドアトリム12に採用されていたが、それに限定されず、車両の天井材やインパネなど、他の車両用内装材に採用することもできる。また、車両に限定されず、他の乗物の内装材に採用することもできる。さらに言えば、乗物の内装材に限定されず、建築物の内装や家具などに採用することもできる。
16…オーナメント〔乗物用内装材(照明付き装飾品)〕、21…第1ハウジング部材、30…照明装置、40…表皮材〔光透過性意匠材〕、42…基材、44…表層、46…繊維層、50…フィルム基材、52…印刷層、54…立体形状層、60…植物繊維〔天然繊維,第1繊維〕、62…樹脂繊維〔第2繊維〕

Claims (11)

  1. 光透過性を有する材料からなるフィルム基材上に繊維柄が印刷されて、意匠面を構成する表層と、
    前記フィルム基材の裏面に接着され、少なくとも天然繊維が絡み合わされてマット状に成形された繊維層と、
    を備えた光透過性意匠材。
  2. 前記繊維層は、単位面積当たりの質量が8g/m以上20g/m以下である請求項1に記載の光透過性意匠材。
  3. 前記繊維層は、前記天然繊維である第1繊維と、前記天然繊維の繊維径より細い繊維である第2繊維とが絡み合わされたものである請求項1または請求項2に記載の光透過性意匠材。
  4. 前記第1繊維は、繊維径が80μm以上100μm以下のものとされ、前記第2繊維は、繊維径が10μm以上30μm以下のものとされた請求項3に記載の光透過性意匠材。
  5. 前記繊維層における前記第1繊維の含有率は、50%以上80%以下とされた請求項3または請求項4に記載の光透過性意匠材。
  6. 前記第2繊維は、光透過性を有する樹脂繊維である請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の光透過性意匠材。
  7. 前記第2繊維は、前記第1繊維とは異なる天然繊維であり、
    前記繊維層は、前記表層側に前記第1繊維が前記第2繊維より多くなるように混合されたものである請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の光透過性意匠材。
  8. 前記繊維層は、同系色で濃淡の異なる2以上の天然繊維が混合されて成形されたものであり、表層側に、相対的に色の濃い天然繊維が多くなるように混合されている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光透過性意匠材。
  9. 前記表層は、前記フィルム基材の表面側に、前記繊維柄に合わせて凹凸形状が光透過性を有する樹脂材料によって形成されている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光透過性意匠材。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載された光透過性意匠材を表面に用いた装飾品であって、
    光透過性を有する材料からなり、当該装飾品の外郭の少なくとも一部を構成する基材と、
    前記基材の表面を覆う前記光透過性意匠材と、
    前記基材の裏面側に配されて、前記基材に向けて光を照射する照明装置と、
    を備えた照明付き装飾品。
  11. 前記基材は、乗物室内の内装材を構成する主体となる内装材本体であり、
    前記照明装置は、前記内装材本体の乗物室外側に配されており、
    乗物室の意匠面を構成する乗物用内装材である請求項10に記載の照明付き装飾品。
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