JP6620570B2 - 金属ボンディッド磁石の製造方法 - Google Patents

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本発明は、金属ボンディッド磁石の製造方法に関する。
金属ボンディッド磁石は、ハードフェライトや希土類磁石材料などの磁性粉末に金属バインダーを混合し、温間で成形することで製造される。ハードフェライトや希土類磁石材料の焼結磁石に比べて、磁性をもたない金属バインダーを含むため磁気特性は劣るが、寸法精度が高く複雑な形状に成形できることや高い歩留まり等の利点を有している。
最近では、希土類磁石材料の中でも比較的安価であるSmFe17磁石が注目を浴びている。このような希土類磁石を材料とする金属ボンディッド磁石は、音響・映像機器、回転機器、通信機器、計測機器、自動車部品等の多分野で用いられ、需要が高まるにつれ、磁気特性向上のほか、工業的生産性、機械的強度、耐食性等の向上が要求されている。
この金属ボンディッド磁石の成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形などがある。圧縮成形では射出および押出成形に比べて磁性粉末の充填率を高くすることができる。
金属ボンディッド磁石の従来の作製法の磁場中温間成形法では、磁性粉末と金属バインダーの混合物を金型に充填し、磁場を印加することで磁性粉末を配向し、金型を熱媒として混合物を加熱し、所定の成形圧力で加圧することで成形体を得る。金型からの熱伝導で混合物を加熱するため、金型内の混合物の表面と内部に温度勾配が生じ、加圧後の金属ボンディッド磁石に密度ムラが生じるため高い密度をもつ金属ボンディッド磁石を得ることができなかった。
また、上記の金型を加熱する温間圧縮成形法では、成形を終えた後に金型を金属バインダーの融点より低い温度に冷却しないと、次の混合物を金型に充填するときに金属バインダーが金型と接触すると金属バインダーが融解して金型に付着し、混合物を金型に均一に充填することができない。したがって、金型の加熱と冷却を毎回の成形で行わなければならず、1回の成形時間が非常に長くなる。すなわち、単位時間当たりの生産個数が著しく減少する。
混合物を金型に充填する前に金型の外で混合物を雰囲気対流加熱などの方法で加熱する場合、加熱に時間がかかり、磁性粉末の酸化が進むことで磁気特性の低下を招く。
対策として磁性粉末を金型中で磁場を印加して配向させ、加圧することで得られる成形体に赤外線を照射し、成形体全体を均一に加熱して焼結させる方法が知られている(特許文献1)。しかし、一旦成形体を金型から取り出した後に焼結を行うため、成形体の変形が避けられず、十分な生産性をあげられなかった。
特開2009−76631
本発明は、上記の従来技術に存在する問題点を解決し、密度と磁気特性の優れた金属ボンディッド磁石を製造することが可能な製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の金属ボンディッド磁石の製造方法は、磁性粉末と金属バインダーを混合して混合物を得る混合工程と前記混合物を赤外線加熱、マイクロ波加熱、高周波誘導加熱から選択される少なくとも1種の方法で所定の温度に加熱する加熱工程と前記所定の温度で加熱した混合物を加圧して成形体を得る成形工程と、を有することを特徴とする。
このように本発明によれば加熱工程において混合物を赤外線加熱、マイクロ波加熱、高周波誘導加熱から選択される1種類以上の加熱方法で加熱するため、混合物を短時間で均一に昇温することができ、高い密度の金属ボンディッド磁石を得ることができる。また、短時間で所定の温度まで昇温することができるので、処理時間を短縮するとともに磁性粉末の酸化を抑制することができる。その結果、密度と磁気特性に優れた金属ボンディッド磁石を得ることができる。
本発明によれば、密度と磁気特性の優れた金属ボンディッド磁石の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の金属ボンディッド磁石の製造方法のおける好適な加熱装置を示す模式図である。
本発明の金属ボンディッド磁石の製造方法について以下の工程ごとに説明する。
(1) 混合物の準備
(磁性粉末)
磁性粉末は特に限定されず、Sm−Fe−N系、Nd−Fe−B系、Sm−Co系などの希土類磁石材料の磁性粉末やハードフェライト系、Mn−Al系、Mn−Bi系などの磁性粉末などが挙げられる。これら磁性粉末が1種類でもよいし、2種類以上の混合物でもよい。磁性粉末は異方性粉末であることが好ましい。異方性粉末は磁場を印加することで磁化方向を揃えることができ、磁力の強い金属ボンディッド磁石を作製することができる。
磁性粉末の粒度も広範囲に適用可能であるが、平均粒径は0.5μm以上200μm以下であることが好ましい。粒径が0.5μm以上では酸化が抑制されるとともに生産性が向上する。200μm以下では、粒子同士の接点が増え、加熱時間を短縮化できるので生産性が向上する
(金属バインダー)
金属バインダーは特に限定されないが、銅、コバルト、スズ、リン、亜鉛、銀、ニッケル、鉄、アルミニウム、モリブデン、クロム、チタン、マンガン、ガリウム、ビスマスおよびタングステンから選択される1種または2種以上の金属もしくはそれらの合金を用いることができる。金属バインダーは、150℃〜300℃の低融点金属が好ましい。金属ボンディッド磁石の磁性粉末と金属バインダーとの界面は拡散相が形成されている。磁性粉末と同じ元素が金属バインダーに含まれていると、金属ボンディッド磁石の拡散相の機械的強度が向上するので好ましい。金属バインダーを低融点かつあるいは微粉とすることで、磁性粉末の表面拡散をわずかに抑えることができる。これにより、磁性粉末の磁石特性の劣化を抑えることが可能になる。
(添加剤)
添加剤を使用することは必須ではないが、必要に応じて使用しても良い。添加剤の種類は特に限定されないが、界面活性剤、カップリング剤、潤滑剤、離型剤、難燃剤、安定剤、無機充填剤や顔料等を用いることができる。この添加剤は、金型へ充填するための流動性、磁場をかけて磁化方向を揃えるための滑り性、金型から取り出す際の離型性、成形体の撥水性、密度向上或いは強度向上を示すものであればよく、複数種類の添加剤を組み合わせて用いてもよい。
(2)混合工程
上記磁性粉末と金属バインダーをアトライター、ヘンシェルミキサー又はV型混合機等で混合させ混合物を得る。特に金属バインダーおよび添加剤を均一に混合するため、有機溶剤などで混合脱気し、造粒粉を作製することが好ましい。
磁性粉末と金属バインダーとの混合比率は、磁性粉末85〜99wt%に対して、金属バインダー1〜15wt%とすることが好ましい。すなわち、磁性粉末の量を85wt%以上、金属バインダーの量を15wt%以下とすることで高い磁気特性を得ることができる。一方、磁性粉末の量を99wt%以下、金属バインダーの量を1wt%以上とすることで強度の高い成形体を得ることができる。
(3)加熱工程
本実施形態では、混合物を赤外線加熱、マイクロ波加熱、高周波誘導加熱から選択される1種類以上の加熱方法を用いて加熱する。混合物を短時間で均一に加熱することができるので、磁気特性の高い金属ボンディッド磁石を得ることができる。
加熱方法として赤外線加熱を用いる場合、波長のピークが0.75〜2.0μmの赤外線を用いることが好ましい。波長のピークを0.75μmよりも短いと可視光線に近くなる。波長のピークを2.0μmよりも短くすることで加熱速度が上がり、混合物の加熱時間が短くなることで磁性粉末の酸化が抑制され、磁気特性の低下を低減することができる。
加熱方法としてマイクロ波加熱を用いる場合、マイクロ波は1〜30GHz以下であることが好ましい。アーク放電の発生を抑制でき、混合物を所望の温度範囲内に昇温することができる。
加熱方法として高周波誘導加熱を用いる場合、粒径が数μmの粉末を仮成形することなく加熱するときには高周波誘導加熱の周波数が2〜10MHzであることが好ましい。
加熱に際して、雰囲気対流加熱などの補助加熱手段を併用して加熱を行うようにすることも場合によっては好ましく、このような加熱方法を併用することでむらのない一層加熱効率の良い加熱を行うことができる。このように磁性粉末と金属バインダーを選択的かつ急速に自己発熱させることによって、150℃〜350℃まで数十秒で昇温する。
このとき、混合物全体が均一に昇温することにより、高い密度の金属ボンディッド磁石を得ることができる。また、短時間で所定の温度まで昇温することができるので、処理時間を短縮するとともに磁性粉末の酸化を抑制することができる。
図1は本実施形態の金属ボンディッド磁石の加熱装置の一実施形態を示すものであって、この金属ボンディッド磁石の加熱装置1は、断熱材もしくは断熱層を内包させた金属製の炉体壁3aをそなえかつ図示上側に循環雰囲気流出口2aと循環雰囲気流入口2bを有し、さらに図示右側に加熱品搬入口3bを有すると共に図示左側に加熱品排出口3cを有し、内部が混合物収容空間3dとなっている炉体3と、混合物を載置したトレイ5を搬送するベルトコンベア6と、ベルトコンベア6の上方に設けた複数の赤外線加熱源(赤外線ランプ)もしくはマイクロ波加熱源4、トレイ5の上面及び下面に配置されたコイル7a、コイル7bをそなえた構造をなすものである。コイル7a、コイル7bに所望の周波数の交流電流を流すことにより、トレイ5に載置された混合物が誘導加熱される。
ベルトコンベア上に搬送される混合物は赤外線加熱、マイクロ波加熱、高周波誘導加熱から選択される1種以上の方法で加熱されるとともに、循環雰囲気噴出出口から噴出する加熱された循環雰囲気によってむらなく加熱されることになる。そして、この加熱時間は0.5〜3分程度の短時間であるため、磁性粉末の酸化が抑制され、磁気特性が優れた金属ボンディッド磁石を得ることができる。
)成形工程
本発明の成形工程は、加熱工程で所定の温度に加熱された混合物を金型に充填し、混合物を加圧して、金属ボンディッド磁石を得る工程である。10MPa以上の高い成形圧力で加圧を行うことで高い密度の金属ボンディッド磁石を得ることができる。好ましくは50MPa以上成形圧力で加圧を行うことで、密度の高い金属ボンディッド磁石を得ることができる。また、金型の耐久性を考慮すると1000MPa以下の成形圧力で成形することが好ましい。

また、コンベアで搬送される搬送形態が前記混合物の状態であっても良いし、金型に混合物が充填された状態でも良い。赤外線加熱やマイクロ波加熱の場合、金型キャビティー内の混合物に直接照射しても良いし、高周波加熱の場合、金型に混合物が充填された状態で、金型と混合物を同時に加熱しても良い。また、加熱工程と成形工程の一部が同時に行われても良いが、加熱工程が先に開始されることが好ましい。
混合工程、加熱工程、成形工程は磁性粉末の酸化を防止するため不活性ガス雰囲気中で行われることが好ましい。
得られた金属ボンディッド磁石には、必要により塗装やめっきなどの表面処理を施す。
以下、実施例により本発明の効果を例証する。実施例および比較例で用いた磁性粉末は下記の方法により得た異方性の磁性粉末である。
(MnBi異方性粉末)
純度99.9%のMnと純度99.9%のBiをそれぞれ電子天秤で規定量秤量し、アーク溶解でインゴットを作製した。作製したインゴットをAr雰囲気中で高周波溶解を用いて溶解し、液体急冷法でMnBi薄帯を作製した。得られた薄帯をAr雰囲気中で300℃×12時間加熱を行った。その後、ボールミルで20時間粉砕し、平均粒径が5μmの異方性粉末を得た。
(SmFe17異方性粉末)
住友金属鉱山製のSmFe17粉末を使用した。平均粒径は5μmである。
(NdFe14B異方性粉末)
原子分率で13%のNd、12%のCo、1%のGa、6%のB、残部がFeとなるNd−Fe−B合金を970〜1170Kの水素ガス中に保持して、Nd水素化物、FeB、Feに分解した。次に、この温度領域で水素圧を下げ、Nd水素化物から水素を解離させ、微細なNdFe14B結晶体の磁性粉末を得た。得られた磁性粉末をさらに機械的に粉砕して、平均粒径150μmの磁性粉末を得た。
(SmCo17異方性粉末)
Sm(Co0.59Cu0.07Fe0.22Zr0.028.3で表されるSmCo17系金属間化合物合金を溶解、鋳造し、これをアルゴンガス雰囲気炉中にて1160℃で4時間加熱した後、200℃まで毎分35℃の速度で急冷して析出硬化処理を行った。常温まで冷却されたインゴットを、アルゴンガス雰囲気炉中にて800℃で2時間、740℃で3時間の2段加熱により時効処理し、常温まで毎分65℃の速度で冷却した。その後、このインゴットを機械的に粉砕して平均粒径50μmの磁性粉末を得た。
(フェライト異方性粉末)
戸田工業製のストロンチウムフェライト粉末を使用した。平均粒径は1.4μmである。
実施例および比較例で用いた金属バインダーは以下のようにして得た。
(Bi粉末およびSn粉末)
Bi粉末(高純度化学製、純度:3N、粒径:30μm)およびSn粉末(高純度化学製、純度:3N、粒径:60μm)はいずれも高純度化学製のものを使用した。
(Bi−Sn合金粉末)
Bi(高純度化学製、純度:3N、粒径:2〜3mm)とSn(高純度化学製、純度:3N、粒径:2〜3mm)を70:30wt%に秤量して混合を行い、溶解して得られたインゴットを機械的に粉砕して、130μmの合金粉末を得た。
(Sn−Zn合金粉末)
Sn(高純度化学製、純度:3N、粒径:2〜3mm)とZn(高純度化学製、純度:3N、粒径:3〜5mm)を10:90wt%に秤量して混合を行い、溶解して得られたインゴットを機械的に粉砕して、110μmの合金粉末を得た。
(混合物の作製)
磁性粉末と金属バインダーを表1、2に示す比率でそれぞれ電子天秤を用いて量り取り、Ar雰囲気中でV型混合器を用いて1時間分散混合を行い、混合物を作製した。
Figure 0006620570
Figure 0006620570
(金属ボンディッド磁石の作製)
上記の方法で得られた粉末状の混合物を図1に示す加熱装置を用いて加熱し、加熱された混合物を金型に充填し、10kOeの磁場をかけながら成形圧力を加えることで成形体を得た。
表3、4に記載の加熱方法、加熱時間、雰囲気温度で混合物の加熱を行った。次いで、加熱された混合物を表3、4に記載の金型温度に加熱した金型に充填した後、ただちに磁場を印加しながら成形圧力を加えて金属ボンディッド磁石の試料を作製した。成形圧力の保持時間は1分とした。
Figure 0006620570
Figure 0006620570
得られた金属ボンディッド磁石について、下記の方法により、(1)磁気特性と(2)密度を測定した。測定結果を表5、6示す。
Figure 0006620570
Figure 0006620570
(1) 磁気特性
得られた10mm立方の試料を用いてBHトレーサにより残留磁束密度(Br)と最大エネルギー積(BH)maxを測定した。また、試料作成に用いた磁性粉末の(BH)maxとBrは振動試料型磁力計(VSM)で測定した。磁性粉末の(BH)maxと配合比率の積を合計した値を(BH)maxの基準値とし、基準値に対する試料の(BH)maxの比率が50%以上である場合、良好な磁気特性が得られたと判断した。前記(BH)maxの基準値算出に用いた配合比率は、表1、2に記載の磁性粉末と金属バインダーの比率および磁性粉末1と磁性粉末2の比率、表7、8に記載の磁性粉末と金属バインダーの比重を用いて換算した体積比率である。
(2) 密度
得られた試料の重量と体積を測定し、密度を算出した。
Figure 0006620570
Figure 0006620570
本発明によれば加熱工程において混合物を赤外線加熱、マイクロ波加熱、高周波誘導加熱から選択される1種類以上の加熱方法で加熱するため、混合物を短時間で均一に昇温することができた。その結果、短時間で均一に磁性粉末と金属バインダーを融解させることができ、密度と磁気特性に優れた試料を得ることができた。
実施例1〜8からわかるように、表3の範囲内で赤外線加熱の波長および加熱時間を変更した場合、十分な磁気特性をもつ試料を得ることができた。特に、波長のピークを0.75〜2.0μmの範囲では高い磁気特性をもつ試料を得ることができた。
実施例1と実施例9、10を比較するとわかるように、加熱工程における雰囲気温度や成形工程における金型温度が高いほど試料の密度が上がり、磁気特性が向上した。
実施例1と実施例11〜15を比較するとわかるように、成形工程における成形圧力が高いほど試料の密度が高くなり、磁気特性が高くなった。特に10MPa以上の成形圧力で成形することで磁気特性の高い試料を得ることができた。
実施例16〜18のように、実施例1に対して金属バインダーをBi粉末からSn粉末、Bi−Sn合金粉末、Zn−Sn合金粉末に変更した場合でも十分な磁気特性を得られることが分かる。
比較例1のように雰囲気対流加熱のみで加熱を行った場合、加熱に時間がかかり、酸化による磁気特性の低下が生じたため、十分な磁気特性をもつ試料が得られなかった。
比較例2および3のように比較例1に比べて加熱時間の短時間化および加熱温度の低温化を行った場合でも、十分に混合物が加熱されないため十分な密度が得られず、磁気特性の高い試料を得ることができなかった。
比較例4のように成形工程前に混合物を加熱せずに成形を行うと、混合物が加熱されていないために十分な密度をとることができず、磁気特性の高い試料を得ることができなかった。
比較例5のように雰囲気対流加熱のみで加熱を行った場合、金属バインダーをSnに変更しても十分な磁気特性をもつ試料が得られなかった。
実施例19〜28のように、磁性粉末をMnBiとSmFe17からMnBiとNdFe14B、MnBiとSmCo17、MnBi、フェライト、フェライトとSmFe17、フェライトとNdFe14B、SmFe17、NdFe14B、SmCo17に変更した場合でも、比較例6〜15のように赤外線加熱を行わなかったものに比べて磁気特性と密度が高い金属ボンディッド磁石を得ることができた。
実施例29〜35のように、実施例1に対して加熱方法をマイクロ波加熱に変更した場合も赤外線加熱を行った場合と同等の磁気特性をもつ試料を得ることができた。
実施例36〜42のように、実施例1に対して加熱方法を高周波誘導加熱に変更した場合も赤外線加熱を行った場合と同等の磁気特性をもつ試料を得ることができた。周波数が2〜10MHzの範囲で比較的磁気特性の高い試料を得ることができた。
また、実施例43、44のように、実施例1に対して加熱方法を赤外線加熱と高周波誘導加熱、マイクロ波加熱と高周波誘導加熱の組み合わせに変更した場合も磁気特性の高い試料を得ることができた。
本発明の金属ボンディッド永久磁石の製造方法は電気・電子機器の素子用の永久磁石の製造方法として用いられる。
1.金属ボンディッド磁石の加熱装置
2.循環雰囲気機構
2a.循環雰囲気流出口
2b.循環雰囲気流入口
3.炉体
3a.断熱材もしくは断熱層を内包させた金属製の炉体壁
3b.加熱品搬入口
3c.加熱品搬出口
3d.混合物収容空間
4.赤外線加熱源もしくはマイクロ波加熱源
5.トレイ
6.ベルトコンベア
7a,7b.コイル

Claims (1)

  1. 磁性粉末と金属バインダーを混合して混合物を得る混合工程と
    前記混合物を赤外線加熱、マイクロ波加熱、高周波誘導加熱から選択される少なくとも1種の方法で所定の温度に加熱する加熱工程と
    前記所定の温度で加熱した混合物を金型に充填し、加圧して成形体を得る成形工程と、
    を有し、
    前記磁性粉末と前記金属バインダーとの混合比率は、前記磁性粉末85〜99wt%に対して、前記金属バインダー1〜15wt%とし、
    前記加熱工程が前記成形工程よりも先に開始されることを特徴とする金属ボンディッド磁石の製造方法。
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