以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<画像形成装置>
図1は、実施形態に係る画像形成装置1の構成を例示する図である。
画像形成装置1は、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K,10S、トナー供給ユニット20Y,20M,20C,20K,20S、定着装置50、操作部60を有し、給紙ユニット30,31から給紙搬送される用紙Pに画像を形成する。
なお、図中に示されるY,M,C,K,Sといった符号は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、特色といったトナーの色を表しており、以下では省略して説明する場合がある。また、特色とは、例えば白以外の色紙に白色の画像を形成するための白色トナーや、画像の光沢度を上げるために用いられる透明トナー等、従来のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックで色再現できない色の再現に用いられるトナーの色である。
画像形成ユニット10は、感光体ドラム2、帯電装置3、現像装置4、1次転写ローラ5、クリーニング装置6、除電装置7を有し、中間転写ベルト8の表面に各色のトナー像を形成する。
感光体ドラム2は、図中矢印方向に回転し、帯電装置3によって表面が帯電した後、不図示の書き込み装置によって画像データに基づいて静電潜像が形成される。感光体ドラム2の表面に形成された静電潜像は、現像装置4によって各色のトナーが付与されてトナー像となり、1次転写ローラ5との間で中間転写ベルト8に転写される。
トナー像が中間転写ベルト8に転写された感光体ドラム2は、引き続き回転してクリーニング装置6によって表面に残留しているトナーが除去された後、除電装置7によって表面が除電され、次回の画像形成に用いられる。
中間転写ベルト8には、各色の画像形成ユニット10において形成されたトナー像が重ねて転写される。中間転写ベルト8の表面に重ねて形成されたトナー像は、回転駆動する中間転写ベルト8によって2次転写ローラ9まで搬送され、給紙ユニット30,31から搬送ローラ40等によって給紙搬送される用紙Pに転写される。
表面にトナー像が転写された用紙Pは、定着装置50に搬送されて加熱及び加圧されることで表面にトナー像が定着された後、装置外に排出される。
画像形成装置1に設けられている操作部60は、例えば液晶パネル等の表示装置や複数のハードキー等を有し、ユーザからの画像形成装置1の各種操作、設定変更等を受け付ける。
画像形成装置1では、画像形成ユニット10の現像装置4等の各部、中間転写ベルト8、2次転写ローラ9、定着装置50等が、本体から着脱可能に設けられており、必要に応じて取り外して交換等することができるように構成されている。
現像装置4等の着脱可能なユニットは、それぞれ駆動軸に設けられているカップリングが本体側のカップリングと嵌合するように本体に設けられ、本体側に設けられているモータからカップリングを介して駆動力が伝達される。例えば現像装置4は、カップリングを介して本体側のモータから駆動力が伝達されて駆動軸が回転し、駆動軸に接続されている現像ローラや撹拌スクリュ等が回転駆動するように構成されている。
<駆動装置>
次に、画像形成装置1に設けられている駆動装置100の構成について説明する。以下で説明する駆動装置100は、着脱可能に設けられている現像装置4を駆動させる。
図2は、実施形態に係る駆動装置100の構成を例示する図である。
図2に示されるように、駆動装置100は、制御装置110、モータドライバ120、モータ130、駆動軸140、回転位置検知センサ150、駆動側カップリング160を有する。
制御装置110は、モータ速度設定部111、モータ制御部112、回転位置取得部113、トナー残量取得部114を有する。制御装置110は、例えばCPU,ROM,RAM等を有し、CPUがRAMと協働してROMに記憶されているプログラムを実行することで、各部の機能が実現される。
モータ速度設定部111は、画像形成装置1において設定されている画像形成条件等に応じて、現像装置4の現像ローラ410等を回転させるモータ130の回転速度を設定する。
モータ制御部112は、駆動制御手段の一例であり、モータ速度設定部111により設定された回転速度でモータ130が回転するように、モータドライバ120に制御信号を送信する。モータ制御部112は、例えばCLOCK信号、PWM信号等を制御信号としてモータドライバ120に送信する。CLOCK信号は、信号の周波数を変えることでモータ130の回転速度を制御できる。また、PWM信号は、アクティブレベルのDutyを変えることでモータ130の回転速度を制御できる。
また、モータ制御部112は、例えばEnable信号をモータドライバ120に送信することで、モータ130を回転開始又は回転停止させることができる。モータ制御部112は、例えばLowレベルのEnable信号を送信してモータ130を回転開始させ、HighレベルのEnable信号を送信してモータ130を回転停止させる。
さらに、モータ130がブレーキ機能を有する場合には、モータ制御部112は、BRAKE信号をモータドライバ120に送信してモータ130のブレーキ機能を作動させることができる。モータ制御部112は、Enable信号を送信してモータ130を無制御状態にして惰性でモータ130を停止させるよりも、BRAKE信号を送信してブレーキ機能を作動させることで、モータ130をより早く停止させることができる。
回転位置取得部113は、モータ130に接続されて回転する駆動軸140の所定の回転位置を検知する回転位置検知センサ150から検知結果を取得する。
トナー残量取得部114は、トナー供給ユニット20に設けられている残量検知センサ23から、サブホッパ22に残っているトナー残量を取得する。
モータドライバ120は、モータ制御部112から送信される制御信号に基づいてモータ130を回転駆動させる。また、モータドライバ120は、例えばモータ130が設定された回転速度に達していない場合にはLowレベルのLOCK信号をモータ制御部112に送信し、モータ130が設定された回転速度に達した場合にはHighレベルのLOCK信号をモータ制御部112に送信する。
モータ130は、駆動手段の一例であり、モータ制御部112によってモータドライバ120を介して制御されて回転駆動する。モータ130には、駆動軸140が接続されており、モータ130が駆動すると駆動軸140も回転駆動する。
モータ130は、例えばDCモータであり、ブレーキ機能を有することが好ましい。ブレーキ機能を有する場合には、モータ制御部112に制御されてブレーキ機能が作動することで、回転状態からより早く停止することが可能になる。
回転位置検知センサ150は、回転位置検知手段の一例であり、回転部材151、透過型フォトセンサ152を有する。回転部材151は、例えば棒状の部材であり、駆動軸140の回転軸中心から半径方向外側に向かって延伸するように固定され、駆動軸140と共に回転する。
透過型フォトセンサ152は、発光部と受光部とを有し、駆動軸140と共に回転する回転部材151によって発光部と受光部との間の光路が遮断されることで、回転部材151を検知して制御装置110の回転位置取得部113に検知結果を送信する。
回転位置検知センサ150は、駆動軸140に設けられている駆動側カップリング160が所定の回転位置で、透過型フォトセンサ152が回転部材151を検知するように設けられている。なお、回転位置検知手段としては、駆動側カップリング160が所定の回転位置にあることを検知可能であれば、本実施形態に係る回転位置検知センサ150とは異なる構成であってもよい。
駆動側カップリング160は、駆動軸継手の一例であり、駆動軸140の一端に固定して設けられ、モータ130によって駆動軸140と共に回転する。また、駆動側カップリング160は、現像装置4の現像側カップリング430に嵌合することで、モータ130からの駆動力を現像装置4に伝達する。
現像装置4は、被駆動装置の一例であり、被駆動軸継手としての現像側カップリング430が設けられている被駆動軸420に、現像ローラ410や不図示の現像剤搬送スクリュ等が接続されている。現像ローラ410は、駆動装置100のモータ130からの駆動力が伝達されて、所定の速度で回転駆動する。
現像ローラ410は、現像手段の一例であり、例えばトナーとキャリアとを含む現像剤を担持して回転し、現像バイアスが印加されて感光体ドラム2の表面に形成されている静電潜像にトナーを付与してトナー像を形成する。また、現像装置4には、余剰トナーが排出される排出口411が設けられている。
トナー供給ユニット20は、トナー供給手段の一例であり、トナーボトル21、サブホッパ22、残量検知センサ23を有する。
トナーボトル21は、現像装置4に対応する色のトナーを収容し、例えば回転することでサブホッパ22にトナーを排出する。サブホッパ22は、トナーボトル21から排出されるトナーを一時的に貯留し、現像装置4にトナーを供給する。サブホッパ22から現像装置4へは、例えば不図示のダイアフラムポンプによって必要に応じた量のトナーが供給される。
残量検知センサ23は、残量検知手段の一例であり、サブホッパ22に残っているトナーの量を検知し、トナー残量の検知結果を制御装置110のトナー残量取得部114に送信する。残量検知センサ23は、例えばサブホッパ22の内壁面に設けられる圧電センサ、光センサ等であるが、トナー残量を検知可能であればこれらに限られない。
<カップリング>
次に、駆動装置100と現像装置4とを連結する駆動側カップリング160及び現像側カップリング430の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る駆動側カップリング160を例示する図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
図3に示されるように、駆動側カップリング160は、円柱部161、円柱部161の外周面から突出する突出部170を有し、駆動軸140の一端に固定され、モータ130により駆動軸140と共に回転する。
円柱部161は、中心軸方向が駆動軸140に平行になるように、駆動軸140の一端に固定されている。突出部170は、円柱部161の外周面において周方向に等間隔に3箇所に設けられ、それぞれ円柱部161の中心軸方向に平行に延伸するように形成されている。各突出部170は、駆動軸140とは反対側に突出する先端部171を頂点として、傾斜面172、駆動伝達面173を有する。
図4は、現像側カップリング430を例示する図であり、(A)は正面図、(B)は(A)のA−A断面図である。
図4に示されるように、現像側カップリング430は、円筒部431、円筒部431の内周面から突出する突出部440を有し、現像装置4の被駆動軸420の一端に固定されている。
円筒部431は、被駆動軸420側が塞がれた中空円筒状の形状を有し、中心軸方向が被駆動軸420に平行になるように、被駆動軸420の一端に固定されている。突出部440は、円筒部431の内周面において周方向に等間隔に3箇所に設けられ、それぞれ円筒部431の中心軸方向に平行に延伸するように形成されている。各突出部440は、被駆動軸420とは反対側に突出する先端部441を頂点として、傾斜面442、被駆動伝達面443を有する。
駆動側カップリング160と、現像側カップリング430とは、駆動側カップリング160の突出部170が現像側カップリング430の突出部440の間に入るように円柱部161が円筒部431に挿入されることで嵌合する。
駆動側カップリング160と現像側カップリング430とが嵌合した状態で、駆動装置100のモータ130が回転すると、駆動軸140と共に駆動側カップリング160が回転する。駆動側カップリング160が回転すると、駆動側カップリング160の駆動伝達面173と現像側カップリング430の被駆動伝達面443とが当接して係り合うことでモータ130の駆動力が伝達され、現像側カップリング430及び被駆動軸420が回転する。
ここで、例えば新しい現像装置4を画像形成装置1に取り付ける際に、駆動側カップリング160及び現像側カップリング430の回転位置によっては、互いの突出部170,440がぶつかり合うように挿入される場合がある。
例えば駆動側カップリング160の先端部171が現像側カップリング430の先端部441又は傾斜面442に衝突し、現像側カップリング430の先端部441が駆動側カップリング160の先端部171又は傾斜面172に衝突すると、衝突部分が損傷する可能性がある。
そこで、本実施形態に係る駆動装置100では、少なくとも現像装置4が取り外される場合には、駆動側カップリング160が所定の回転位置で停止するようにモータ130が制御される。駆動側カップリング160が所定の回転位置で停止することで、新たに取り付ける現像装置4の現像側カップリング430の回転位置を調整しておくことで、現像装置4の交換時に上記した衝突が発生せず互いの損傷を回避することが可能になる。
本実施形態に係る現像側カップリング430は、図5に示されるように、突出部440が周方向に60度間隔で形成されている。したがって、駆動側カップリング160は、例えば図5に示される中心点Oからの角度が0度の位置から±30度の範囲に先端部171が停止することで、先端部171が現像側カップリング430の突出部440に衝突することなく嵌合することが可能になる。
ただし、現像装置4の現像側カップリング430の回転位置ばらつきも考慮して、駆動側カップリング160は、例えば図5に示される中心点Oからの角度が0度の位置から±15度の範囲内で先端部171が停止するように制御されることが好ましい。
本実施形態では、モータ制御部112がHighレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信することでモータ130を回転停止させる。モータドライバ120は、HighレベルのEnable信号に応じてモータ130を無制御状態にして惰性でモータ130を停止させる。
モータ130は、無制御状態になって惰性で空走した後に停止するため、停止位置にばらつきが生じる。モータ130の停止位置のばらつきは、モータ130と共に回転する駆動側カップリング160の停止位置のばらつきであり、このような停止位置ばらつきはモータ130の回転速度に依存する。
図6は、駆動側カップリング160の停止位置ばらつきとモータ130の回転速度との関係を例示する図である。
図6に示されるように、モータ130が高速で回転するほど停止位置ばらつきは大きくなり、モータ130が低速で回転するほど停止位置ばらつきは小さくなる。したがって、例えば駆動側カップリング160を目標とする回転位置から±15度で合計30度の範囲内で停止させる場合には、モータ130を回転速度V1以下に制御する必要がある。
ここで、回転速度V1は、例えば画像形成装置1における画像形成時のような通常駆動時でのモータ130の回転速度よりも低い値となる。なお、通常駆動とは、例えば画像形成装置1における画像形成時に現像装置4が駆動する場合等であり、モータ130に接続される被駆動装置がその機能を果たすように動作している状態を指す。
このように、モータ130が通常駆動時よりも低い回転速度V1以下に制御されることで、目標範囲内でモータ130及び駆動側カップリング160を停止させることが可能になる。
なお、駆動側カップリング160及び現像側カップリング430は、本実施形態において例示される形状に限定されるものではなく、嵌合して回転することでモータ130の駆動力を被駆動軸420に伝達可能であればよい。
また、駆動側カップリング160の停止位置は、現像側カップリング430との嵌合形状に応じて適宜設定される。さらに、モータ130の回転速度は、駆動側カップリング160及び現像側カップリング430の形状等によって変化する停止位置ばらつきに基づいて適宜設定される。
<モータ制御処理>
次に、例えば現像装置4を取り外す場合におけるモータ130の制御処理の実施例1〜3について説明する。
[実施例1]
図7は、実施例1におけるモータ制御処理のフローチャートを例示する図である。
例えば画像形成装置1において現像装置4を取り外して交換する場合には、図7に示されるように、まずステップS101にて、モータ速度設定部111が、モータ130の回転速度を設定する。モータ130の回転速度は、例えば画像形成装置1における画像形成時等の通常駆動時の回転速度よりも低く、駆動側カップリング160の停止位置ばらつきを所定範囲内で抑えることができる速度V1以下に設定される。
次にステップS102にて、モータ制御部112が、LowレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信し、モータ130をモータ速度設定部111により設定された回転速度で回転させる。
ステップS103では、モータ制御部112が、モータドライバ120から送信されるLOCK信号に基づいて、モータ130が設定された回転速度に達したか否かを判断する。
モータ130が設定された回転速度に達した場合には、ステップS104に進み、回転位置取得部113が、回転位置検知センサ150による検知結果を取得し、駆動軸140及び駆動側カップリング160が所定の回転位置に達したか否かを判断する。
回転位置検知センサ150は、検知後にモータ130が無制御状態で惰性により停止したときに目標とする停止位置の範囲内になるような駆動側カップリング160の回転位置を検知するように設けられている。すなわち、駆動側カップリング160が所定の回転位置に到達したときに、透過型フォトセンサ152が回転部材151を検知するように構成されている。
駆動側カップリング160が所定の回転位置にあることが回転位置検知センサ150によって検知されると、ステップS105にて、モータ制御部112が、HighレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信し、モータ130を停止させる。
図8は、実施例1におけるモータ制御を例示する図である。
図8は、モータ130を通常駆動後に停止させ、現像装置4を取り外すために図7に示した制御処理を実行した場合のタイミングチャートを例示する図である。図8に示されるように、モータ制御部112は、例えばモータ速度設定部111によって設定された速度でモータ130が回転する周波数のCLOCK信号をモータドライバ120に出力する。現像装置4の取り外し時には、通常駆動時よりもCLOCK信号の周波数が低く設定される。また、モータ制御部112は、現像装置4を取り外す場合には、LowレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信して、モータ130の回転を開始させる。
モータ130が設定された回転速度に達すると、モータドライバ120からHighレベルのLOCK信号がモータ制御部112に送信される。現像装置4の取り外し時には、モータ130が設定された回転速度で回転している状態で、回転位置取得部113が回転位置検知センサ150からの検知信号を受信すると、モータ制御部112がHighレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信してモータ130を停止させる。ここで、モータ130の回転速度が設定された回転速度より低くなると、モータドライバ120からLowレベルのLOCK信号がモータ制御部112に送信される。
なお、通常駆動時には、回転位置取得部113が回転位置検知センサ150から検知信号を受信しても、モータ制御部112はモータ130を停止させることはない。また、現像装置4の取り外し時において、モータドライバ120からHighレベルのLOCK信号がモータ制御部112に送信されてから、所定時間(例えば数秒)待機した後に、回転位置取得部113が回転位置検知センサ150から検知信号の受信を開始してもよい。
なお、図8には、モータ130が停止した状態からモータ制御処理を実行する場合が例示されているが、モータ130が駆動している状態で現像装置4の交換モードに入って上記した実施例1に係るモータ制御処理が実行されてもよい。この場合には、モータ制御部112は、現像装置4の取り外しが指示されると、CLOCK信号の周波数を低くする。CLOCK信号の周波数が低くなると、モータ130が通常駆動時の設定速度で回転していない状態となるため、モータドライバ120からLowレベルのLOCK信号が出力される。その後、現像装置取り外し時の設定速度になると、モータドライバ120からHighレベルのLOCK信号が出力される。モータドライバ120からHighレベルのLOCK信号が出力された後に、回転位置取得部113が回転位置検知センサ150からの検知信号を受信すると、モータ制御部112がHighレベルのEnable信号を送信してモータ130を停止させる。
画像形成装置1では、例えば現像装置4を取り外して交換する場合に、上記した実施例1に係るモータ制御処理が実行されることで、駆動側カップリング160が目標とする回転位置の範囲内で停止する。
したがって、新しい現像装置4の現像側カップリング430の回転位置を調整しておくことで、現像装置4の取り付け時における駆動側カップリング160及び現像側カップリング430の突出部170,440同士の衝突による損傷を低減することが可能になる。
[実施例2]
次に、モータ130がブレーキ機能を有する場合のモータ制御処理について説明する。
モータ130がブレーキ機能を有する場合には、モータ制御部112がBRAKE信号をモータドライバ120に送信してブレーキ機能を作動させることで、回転しているモータ130をより早く停止させることが可能になる。
図9は、駆動側カップリング160の停止位置ばらつきとモータ130の回転速度との関係を例示する図である。図9には、モータ130がブレーキ機能を有する場合と、モータ130がブレーキ機能を持たない場合とが例示されている。
図9に示されるように、モータ130がブレーキ機能を有する場合には、ブレーキ機能なしの場合に比べて、同じ回転速度でも停止位置のばらつきが小さくなる。したがって、同様に停止位置ばらつきを30度以内に抑える場合において、モータ130の最大回転速度を、ブレーキ機能なしの場合における最大値V1よりも大きいV2にすることが可能になる。
このように、モータ130がブレーキ機能を有する場合には、モータ130を通常駆動時の回転速度よりも低い速度範囲内でより高速回転させた状態からばらつきを抑えて停止することが可能になり、モータ制御処理に要する時間を短縮することができる。
図10は、実施例2におけるモータ制御処理のフローチャートを例示する図である。
例えば画像形成装置1において現像装置4を取り外して交換する場合には、図10に示されるように、まずステップS201にて、モータ速度設定部111が、モータ130の回転速度を設定する。モータ130の回転速度は、例えば画像形成装置1における画像形成時等の通常駆動時の回転速度よりも低く、駆動側カップリング160の停止位置ばらつきを所定範囲内で抑えることができる速度V2以下に設定される。
次にステップS202にて、モータ制御部112が、LowレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信し、モータ130をモータ速度設定部111により設定された回転速度で回転させる。
ステップS203では、モータ制御部112が、モータドライバ120から送信されるLOCK信号に基づいて、モータ130が設定された回転速度に達したか否かを判断する。
モータ130が設定された回転速度に達した場合には、ステップS204に進み、回転位置取得部113が、回転位置検知センサ150による検知結果を取得し、駆動軸140及び駆動側カップリング160が所定の回転位置に達したか否かを判断する。
駆動側カップリング160が所定の回転位置にあることが回転位置検知センサ150によって検知されると、ステップS205にて、モータ制御部112が、BRAKE信号をモータドライバ120に送信し、モータ130のブレーキ機能を作動させる。次にステップS206にて、モータ制御部112が、HighレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信し、モータ130を停止させる。
図11は、実施例2におけるモータ制御を例示する図である。図11には、現像装置取り外し時のタイミングチャートが示されている。
図11に示されるように、モータ制御部112は、例えばモータ速度設定部111によって設定された速度でモータ130が回転する周波数のCLOCK信号をモータドライバ120に出力する。また、モータ制御部112は、LowレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信することで、モータ130の回転を開始させる。
続いて、モータ130が設定された回転速度に達すると、モータドライバ120からHighレベルのLOCK信号がモータ制御部112に送信される。モータ130が設定された回転速度で回転している状態で、回転位置取得部113が回転位置検知センサ150からの検知信号を受信すると、モータ制御部112がBRAKE信号をモータドライバ120に送信してモータ130のブレーキ機能を作動させる。続いて、モータ制御部112は、HighレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信してモータ130を停止させる。ここで、モータ130の回転速度が設定された回転速度より低くなると、モータドライバ120からLowレベルのLOCK信号がモータ制御部112に送信される。
なお、図11には、モータ130が停止した状態からモータ制御処理を実行する場合が例示されているが、実施例1において示したように、モータ130が駆動している状態で上記した実施例2に係るモータ制御処理が実行されて停止するように制御されてもよい。
実施例2のモータ制御処理によれば、実施例1と同様に、駆動側カップリング160を目標とする回転位置の範囲内で停止させることができる。したがって、現像装置4の交換時において、駆動側カップリング160及び現像側カップリング430の突出部170,440同士の衝突による損傷を低減できる。
また、実施例2では、モータ130に設けられているブレーキ機能を作動させることで、モータ130を速やかに停止させることができる。したがって、モータ制御処理を短時間で実行することが可能になる。
[実施例3]
次に、例えば白色のトナーを現像する現像装置4Sを、透明トナーを現像する現像装置4Sに交換する場合のモータ制御処理について説明する。
画像形成装置1において現像装置4Sを異なる色に交換する場合には、トナーボトル21Sは交換すればよいが、サブホッパ22とサブホッパ22から現像装置4Sへのトナー供給経路にトナーが残っていると、異なる色のトナーが混ざってしまう可能性がある。
そこで、実施例3におけるモータ制御処理では、交換される現像装置4Sが取り外される前に、サブホッパ22及びサブホッパ22から現像装置4Sへのトナー供給経路からトナーを除去する処理を実行する。
図12は、実施例3におけるモータ制御処理のフローチャートを例示する図である。
例えば画像形成装置1において現像装置4Sを異なる色に交換する場合には、まずステップS301にて、サブホッパ22Sに貯留されているトナーが、現像装置4Sに排出される。
サブホッパ22Sから現像装置4Sにトナーが排出されている状態で、ステップS302にて、モータ速度設定部111が、モータ130の回転速度を例えばVr1に設定する。次にステップS303にて、モータ制御部112が、LowレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信し、モータ130をモータ速度設定部111により設定された回転速度Vr1で回転させる。
現像装置4Sでは、例えばモータ130により回転する被駆動軸420に伝達手段を介して接続されている現像剤搬送スクリュが回転し、サブホッパ22Sから排出されたトナーが排出口411から現像装置4Sの外に排出される。
ここで、ステップS302において、モータ速度設定部111は、サブホッパ22Sのトナーが現像装置4Sから速やかに排出されるように、モータ130の回転速度Vr1を可能な範囲で大きい値に設定することが好ましい。サブホッパ22Sからのトナー排出時には、駆動側カップリング160の停止位置ばらつきについては考慮しなくてもよいため、回転速度Vr1は、例えば図9に示される速度V2又はV1よりも大きい値に設定されることが好ましい。
次に、ステップS304にて、トナー残量取得部114が、トナー供給ユニット20Sの残量検知センサ23Sの検知結果を取得し、サブホッパ22S内のトナー残量が所定量未満になったか否かを判断する。サブホッパ22S内のトナー残量が所定量未満になるまで、トナーがサブホッパ22から現像装置4Sに送られて排出口411から排出される。
サブホッパ22内のトナー残量が所定量未満になると、ステップS305にて、モータ制御部112が、BRAKE信号をモータドライバ120に送信し、モータ130のブレーキ機能を作動させる。次にステップS306にて、モータ制御部112が、HighレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信し、モータ130を停止させる。
次に、ステップS307にて、モータ速度設定部111が、モータ130の回転速度を例えばVr2に設定する。続いてステップS308にて、モータ制御部112が、LowレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信し、モータ130をモータ速度設定部111により設定された回転速度Vr2で回転させる。
ここで、ステップS307において、モータ速度設定部111は、駆動側カップリング160が目標とする停止位置の範囲内で停止できるように、例えば画像形成装置1における画像形成時等の通常駆動時の回転速度よりも低く、且つ図9に示される速度V2以下に回転速度Vr2を設定する。
ステップS309では、モータ制御部112が、モータドライバ120から送信されるLOCK信号に基づいて、モータ130が設定された回転速度に達したか否かを判断する。
モータ130が設定された回転速度に達した場合には、ステップS310に進み、回転位置取得部113が、回転位置検知センサ150による検知結果を取得し、駆動軸140及び駆動側カップリング160が所定の回転位置に達したか否かを判断する。
駆動側カップリング160が所定の回転位置にあることが回転位置検知センサ150によって検知されると、ステップS311にて、モータ制御部112が、BRAKE信号をモータドライバ120に送信し、モータ130のブレーキ機能を作動させる。次にステップS312にて、モータ制御部112が、HighレベルのEnable信号をモータドライバ120に送信し、モータ130を停止させる。
なお、モータ130はブレーキ機能が設けられていなくてもよく、この場合にはステップS305及びステップS311の処理は省略され、ステップS307で設定されるモータ130の回転速度は、例えば画像形成装置1における画像形成時等の通常駆動時の回転速度よりも低く、且つ図6及び図9に示される速度V1以下に設定される。
また、上記した例では、ステップS305,S306にてモータ130を一旦停止させているが、モータ130が駆動している状態で上記した実施例2に係るモータ制御処理が実行されて停止するように制御されてもよい。
実施例3のモータ制御処理によれば、現像装置4Sを異なる色に交換する場合に、サブホッパ22Sに貯留されているトナーが現像装置4Sから速やかに排出され、交換後に異なる色のトナーが混ざることがない。また、実施例1及び実施例2と同様に、駆動側カップリング160を目標とする回転位置の範囲内で停止させることができる。したがって、現像装置4Sの交換時において、駆動側カップリング160及び現像側カップリング430の突出部170,440同士の衝突による損傷を低減できる。
上記した実施例1及び実施例2に係るモータ制御処理は、モータ130の通常駆動から連続して現像装置4を回転状態から停止させる際に常に実行されてもよく、画像形成装置1の操作部60が現像装置4の交換モードを受け付けた場合に実行されてもよい。また、実施例1及び実施例2に係るモータ制御処理は、現像装置4の停止状態から、例えばユーザから現像装置4の交換モードを受け付けた場合に実行される。実施例3に係るモータ制御処理は、例えばユーザから現像装置4Sの交換モードを受け付けた場合に実行される。
以上で説明したように、本実施形態に係る駆動装置100によれば、例えば被駆動装置としての現像装置4が交換される場合に、駆動側カップリング160が所定の回転位置で停止するように、モータ130が制御される。
このため、取り付ける現像装置4の現像側カップリング430の回転位置を調整することで、駆動側カップリング160の突出部170と現像側カップリング430の突出部440との衝突による互いの損傷を低減できる。したがって、被駆動装置である現像装置4との連結部分である駆動装置100の駆動側カップリング160の耐久性が確保される。
例えば、本実施形態に係る画像形成装置1において現像装置4Sの交換を頻繁に行っても、駆動側カップリング160及び現像側カップリング430の損傷が低減される。このため、画像形成装置1によれば、現像装置4Sの着脱を繰り返しスムーズに行うことが可能であり、駆動装置100のモータ130の駆動力が、例えば駆動側カップリング160や現像側カップリング430で損なわれることなく現像装置4Sに伝達される。
なお、上記した実施形態では、駆動装置100が現像装置4を駆動させる構成を例示したが、同様の構成で、感光体ドラム2、中間転写ベルト8、2次転写ローラ9、定着装置50等の着脱可能なユニットを駆動させる構成であってもよい。また、画像形成装置1に設けられている駆動装置100を例示したが、駆動装置100は、着脱可能なユニットを有する装置であれば、画像形成装置1以外の装置に設けられてもよい。
また、上記した実施形態では、画像形成装置1が電子写真方式でフルカラー画像を形成する構成を例示したが、着脱可能なユニットを備える構成であれば本実施形態とは異なる構成であってもよく、画像形成方式は電子写真方式に限定されるものではない。
さらに、上記実施形態に係る駆動装置100が有する機能は、上記した各処理手順を、実施形態に係る駆動装置100にあったプログラミング言語でコード化したプログラムとしてコンピュータで実行することで実現できる。上記した実施形態に係る駆動装置100を実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納することができる。
以上、実施形態に係る駆動装置、画像形成装置、駆動制御方法及びプログラムについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。