JP6619643B2 - 粉粒体質量検査装置及び検査方法、並びに粉粒体含有物品の製造装置及び製造方法 - Google Patents

粉粒体質量検査装置及び検査方法、並びに粉粒体含有物品の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、粉粒体の質量検査装置及び検査方法に関する。また本発明は、粉粒体含有物品の製造装置及び製造方法に関する。
粉粒体の検査装置に関し、検査目的に合わせて幾つかの提案がこれまでになされてきた。例えば特許文献1には、100μm以下の粉体試料の粒度分布を測定する装置が記載されている。この装置は、試料を自由落下させ、透過撮像手段で試料を撮像することで粒度分布を知ることを目的としている。散布後の試料は試料回収箱で回収される。またこの装置は、試料のベルトコンベアへの付着や落下中の浮遊防止のため、振動フィーダと筒状の試料落下誘導手段を有している。
特許文献2には、赤外線又は近赤外線CCDカメラを用いて、搬送コンベア上の還元鉄ペレット等の高温粒状物集合体の質量等を測定する方法が記載されている。この方法では、温度差による画像濃度の違いをカメラが捉え、前記集合体の面積を求め検量線により質量へ換算している。これにより、粒状物集合体の搬出元であるロータリーキルン内壁の付着物の成長状況を把握するようにしている。
特許文献3には、製品を構成する粉粒体の質量を散布中に連続検知できる粉粒体の質量検査装置が記載されている。この装置においては、二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、粉粒体の落下軌道の下方で質量測定部により所定時間に測定される粉粒体の質量とに基づいて、画素と質量との対応関係を一次関数で示す検量線を予め作成している。そして、撮像された各二値化画像データの画素から、検量線に基づいて粉粒体の質量値を算出している。
特開2001−74638号公報 特開2002−5637号公報 特開2015−111088号公報
特許文献1及び2に記載の検査装置や検査方法はいずれも、製品の連続製造工程において、製品に含有させる粉粒体の検査を目的としていない。製品の連続製造工程において粉粒体を散布により製品に含有させる場合、粉粒体の均一散布が、製品の品質や性能の安定性の観点から重要となる。しかし、特許文献1及び2に記載の技術では、製品の連続製造工程において散布される粉粒体の質量を散布状況から正確に把握することはできない。
特許文献3に記載の技術によれば、粉粒体の質量を散布中に連続検知できるという利点がある。しかし同文献に記載の技術は、粉粒体の二次元形状から取得される画像の面積に基づき作成された検量線を用いて粉粒体の質量を算出しているので、経時変化等の理由によって実際に計測される個々の粒子の大きさが、検量線作成時の粒子の大きさと異なる場合には、検量線に基づく粉粒体の算出質量に誤差が生じるおそれがある。
したがって本発明の課題は、粉粒体の質量をその散布中に連続検知する技術の改良に関し、更に詳細には、粒子の大きさが検量線作成時の粒子の大きさと異なる場合であっても、散布された粉粒体の質量を正確に把握することにある。
本発明は、製品を構成する散布対象物へ散布された粉粒体の質量を該粉粒体の散布中に検査する粉粒体質量検査装置であって、
前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像し画像データとして保存する撮像処理部と、
前記撮像処理部で撮像される撮像領域を照らす照明部と、
前記撮像処理部が保存する前記画像データにおける、粉粒体が映り込まない領域の濃度を検出し、照明の異常を判定する濃度判定処理部と、
前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成し、前記撮像処理部に保存させる二値化処理部と、
検査初期段階において、前記撮像処理部で所定時間に蓄積された前記二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、粉粒体の落下軌道の下方に位置する質量測定部によって前記所定時間に測定された粉粒体の質量とに基づいて、画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線を作成する基準検量線作成部と、
前記所定時間に蓄積される検査初期段階の前記二値化画像データから、検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasを作成し、記憶する基準粒径作成・記憶領域部と、
前記基準検量線と検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、検査対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、検査対象となる粉粒体の粒径Dと検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する補正検量線作成部と、
前記基準検量線及び前記補正検量線を記憶する検量線記憶領域部と、
前記補正検量線の存在下で、撮像され二値化処理された検査対象となる粉粒体の各二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、検査対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算部と、
前記質量演算部における演算結果に基づいて、所定時間に自由落下する、検査対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理部と、
を有する粉粒体質量検査装置を提供するものである。
また本発明は、製品を構成する散布対象物へ散布された粉粒体の質量を該粉粒体の散布中に検査する粉粒体質量検査方法であって、
照明部により照らされ、前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像手段で撮像する撮像処理工程と、
前記撮像手段が撮像した画像データにおける、前記粉粒体が映り込まない撮像領域の濃度を検出し、前記照明部の照明の異常を判定する濃度判定処理工程と、
前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成する二値化処理工程と、
検査初期段階に生成された二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、検査初期段階に質量測定部によって測定された粉粒体の質量と、により作成される画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線、及び検査初期段階において二値化画像データから算出される検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、検査対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、検査対象となる粉粒体の粒径Dと検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する基準検量線補正処理工程と、
前記補正検量線の存在下で、前記二値化処理工程で二値化処理された検査対象となる粉粒体の前記二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、検査対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算処理工程と、
前記質量演算処理工程で演算された質量に基づいて、所定時間に自由落下する、検査対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理工程と、
を有する粉粒体質量検査方法を提供するものである。
更に本発明は、粉粒体を散布対象物に散布することで、該粉粒体を含む物品を製造する、粉粒体含有物品の製造装置であって、
前記散布対象物に向けて粉粒体を散布する粉粒体散布部と、
前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像し画像データとして保存する撮像処理部と、
前記撮像処理部で撮像される撮像領域を照らす照明部と、
前記撮像処理部が保存する前記画像データにおける、粉粒体が映り込まない領域の濃度を検出し、照明の異常を判定する濃度判定処理部と、
前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成し、前記撮像処理部に保存させる二値化処理部と、
検査初期段階において、前記撮像処理部で所定時間に蓄積された前記二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、粉粒体の落下軌道の下方に位置する質量測定部によって前記所定時間に測定された粉粒体の質量とに基づいて、画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線を作成する基準検量線作成部と、
前記所定時間に蓄積される検査初期段階の前記二値化画像データから、検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasを作成し、記憶する基準粒径作成・記憶領域部と、
前記基準検量線と検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、検査対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、検査対象となる粉粒体の粒径Dと検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する補正検量線作成部と、
前記基準検量線及び前記補正検量線を記憶する検量線記憶領域部と、
前記補正検量線の存在下で、撮像され二値化処理された検査対象となる粉粒体の各二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、検査対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算部と、
前記質量演算部における演算結果に基づいて、所定時間に自由落下する、検査対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理部と、
前記質量判定処理部が粉粒体の質量異常と判定した場合に、質量異常に対応する散布対象物を特定し、製造ラインから前記質量異常に対応する散布対象物を排出する不良品排出処理部と、
を有する粉粒体含有物品の製造装置を提供するものである。
更にまた本発明は、粉粒体を散布対象物に散布することで、該粉粒体を含む物品を製造する、粉粒体含有物品の製造方法であって、
前記散布対象物に向けて粉粒体を散布する粉粒体散布工程と、
照明部により照らされ、前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像手段で撮像する撮像処理工程と、
前記撮像手段が撮像した画像データにおける、前記粉粒体が映り込まない撮像領域の濃度を検出し、前記照明部の照明の異常を判定する濃度判定処理工程と、
前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成する二値化処理工程と、
初期段階に生成された二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、初期段階に質量測定部によって測定された粉粒体の質量と、により作成される画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線、及び初期段階において前記二値化画像データから算出される初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、対象となる粉粒体の粒径Dと初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する基準検量線補正処理工程と、
前記補正検量線の存在下で、前記二値化処理工程で二値化処理された対象となる粉粒体の前記二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算処理工程と、
前記質量演算処理工程で演算された質量に基づいて、所定時間に自由落下する、対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理工程と、
粉粒体の質量異常と判定した場合に、質量異常に対応する散布対象物を特定し、製造ラインから前記質量異常に対応する散布対象物を排出する不良品排出処理工程と、
を有する粉粒体含有物品の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、粉粒体の質量を散布中に連続検知するときに、計測対象の粒子の大きさが検量線作成時の粒子の大きさと異なる場合であっても、散布された粉粒体の質量を正確に把握することができる。
図1は、本発明の粉粒体質量検査装置の好ましい一実施形態の概要を示した構成図である。 図2は、本発明の粉粒体質量検査方法の好ましい一実施形態における検査初期工程(検量線作成工程)A1を示したフローチャートである。 図3は、本発明の粉粒体質量検査方法の好ましい一実施形態における検量線作成後の検査工程B1を示したフローチャートである。 図4は、本実施形態の粉粒体含有物品の製造方法において用いられる粉粒体含有物品の製造装置を示す模式図である。 図5は、粉粒体の粒子の粒径を測定する方法を示す模式図である。 図6は、粒子を撮像した画像の一例である。 図7は、図6に示す画像を二値化した画像である。 図8は、二値化閾値と測定される画素との関係を示すグラフである。 図9は、粉粒体の粒度分布を示すグラフである。 図10は、粉粒体の粒径を計測する際の撮像領域を示す図である。 図11(a)は、落下方向に沿う長さを変更したときの、粉粒体の粒径の計測値を示すグラフであり、図11(b)は、落下方向に沿う長さLを変更したときの、粉粒体の最大値正規化粒径を示すグラフである。 図12は、撮像領域の落下方向に沿う長さを変化させたときの粒径の測定時間を示すグラフである。 図13は、実施例1で得られた基準検量線を示すグラフである。 図14(a)は、実施例1及び比較例1における製品粉粒体の粒径の経時変化を示すグラフであり、図14(b)は、実施例1及び比較例1におけるロードセルの実測質量の経時変化を示すグラフであり、図14(c)は、実施例1及び比較例1におけるラインカメラを用いた計測量の経時変化を示すグラフである。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の粉粒体質量検査装置の好ましい一実施形態の概要を示した構成図である。同図に示す粉粒体質量検査装置100(以下単に「検査装置100」ともいう。)は、撮像処理部10、照明部20、濃度判定処理部30、二値化処理部40、基準検量線作成部50、基準粒径作成・記憶領域部90、補正検量線作成部55、検量線記憶領域部60、質量演算部70及び質量判定処理部80を有する。これらの各構成部10から90のうち、照明部20と、撮像処理部10が備える後述の撮像手段11とを除いた部分を画像処理制御部110と総称する。つまり、検査装置100は、画像処理制御部110、照明部20及び撮像手段11を有している。画像処理制御部110としては、構成部ごとに分割された装置の集合体からなるものであってもよく、1つの装置からなるものであってもよい。画像処理制御部110は、例えば、画像処理ソフトウェア等がインストールされたコンピュータや画像コントローラをもとに構築した装置などが挙げられる。
検査装置100は、基準検量線作成機能A、基準粒径作成機能B、質量判定機能C、濃度判定機能D及び検量線補正機能Eの5つの機能を具備している。
基準検量線作成機能Aは、撮像手段11により撮像され、二値化処理された二値化画像データが示す粉粒体の画素と、質量測定部130により測定された粉粒体の質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線を作成する機能である。基準検量線は、後述する粉粒体散布部300の切り出し量等の散布条件の設定の都度、検査初期段階において作成される。「検査初期段階」とは、製品の生産前の準備段階のことであり、製品製造ライン全体を稼働させる前の段階のことをいう。この基準検量線作成機能Aは、撮像処理部10、照明部20、濃度判定処理部30、二値化処理部40、基準検量線作成部50、検量線記憶領域部60及び質量測定部130の協働により発揮される。
基準粒径作成機能Bは、検査初期段階に撮像され、二値化された粉粒体の二値化画像データから、検査初期段階の粉粒体(以下、基準粉粒体ともいう)の平均粒径Dbasを作成する機能である。平均粒径Dbasは、検査初期段階において作成され、基準検量線を作成するのと同時に作成するとよい。この基準粒径作成機能Bは、撮像処理部10、照明部20、濃度判定処理部30、二値化処理部40、基準粒径作成・記憶領域部90の協働により発揮される。
質量判定機能Cは、基準検量線の補正によって得られた補正検量線を基に実際の製品製造ラインにおいて散布される粉粒体(以下、製品用粉粒体ともいう)の質量を算出し、所定時間に自由落下する製品用粉粒体の総質量に対する質量判定を行う機能である。これは、基準検量線の補正後、撮像処理部10、照明部20、濃度判定処理部30、二値化処理部40、検量線記憶領域部60、質量演算部70及び質量判定処理部80の協働により発揮される。
濃度判定機能Dは、基準検量線作成機能A、基準粒径作成機能B及び質量判定機能Cの前提となる画像データの濃度(明るさ)判定の機能である。これは、撮像処理部10、照明部20及び濃度判定処理部30の協働により発揮される。
検量線補正機能Eは、上述した検量線作成機能Aによって作成された検量線を、実際に検査対象となる製品用粉粒体の大きさに応じて補正する機能である。基準検量線の補正は、自由落下する製品用粉粒体の二値化画像データを基に、一定周期で行われる。基準検量線の補正は、製品用粉粒体の平均粒径Dと、検査初期段階の基準粉粒体の平均粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づいて行われる。これは、濃度判定処理後、撮像処理部10、照明部20、濃度判定処理部30、二値化処理部40、検量線記憶領域部60及び補正検量線作成部55の協働により発揮される。
前記5つの機能を組み合わせて具備する検査装置100は、製品を構成する散布対象物へ連続散布された粉粒体の質量を散布中に時機よく好適に検査することができる。以下に、検査装置100の各構成部について詳述する。なお、以下の説明において単に「粉粒体」というときには、文脈に応じ、検量線の作成のために用いられる基準粉粒体若しくは実際の検査対象となる製品用粉粒体を指すか、又はそれら両者を指す。
撮像処理部10は、粉粒体を撮像する撮像手段11、撮像手段11が撮像した粉粒体の画像データを保存する保存部12及び撮像手段11と保存部12を制御する撮像制御部13を有する。これにより、散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像し画像データ10Wとして保存することができる。
撮像手段11は、散布される粉粒体のすべてを撮像の対象としてもよいが、それに代えて、ある一部の領域を撮像対象としてもよい。例えば、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、製品用粉粒体203の落下方向に沿う撮像領域を設定してもよい。このように設定することで、散布される粉粒体のすべてを撮像の対象とした場合よりも撮像領域が小さく(狭く)なり、画像データを二値化処理する際の負荷を軽減することができ、計測時間も短縮化することができる。
撮像手段11としては、自由落下する粉粒体を静止画像として撮像できる種々の手段を特に制限なく採用できる。例えば、CCD方式のエリアカメラやラインスキャンカメラなどが挙げられる。特に、画像処理しやすくするために、撮像素子を有する撮像装置を用いることが好ましく、ラインスキャンカメラを用いることがより好ましい。撮像素子としては、電荷結合素子(CCD)であってもCMOSセンサであってもよい。撮像素子は、必ずしもカラー撮像素子である必要はなく、例えば256階調のグレースケールでの階調表現ができる撮像素子が好ましく、更に高階調な階調表現ができる撮像素子がより好ましい。また、撮像する粒子に対する分解能を上げることが、より鮮明な画像を得るために好ましい。
保存部12は、撮像手段11で連続的に撮像された画像データ10Wをその撮像サンプリング数10C及び撮像サンプリング時間10Tとともに時系列で保存する。サンプリング数10Cをカウントすることにより1枚1枚撮像できているか確認する。また、保存部12は、二値化処理部40で生成された二値化画像データ40Wを、サンプリング数及びサンプリング時間ともに時系列で保存する。
撮像制御部13は、撮像手段11による撮像スピード、撮像開始及び停止の制御、画像データ10W及び二値化画像データ40Wの保存部12への書き込み及び保存部12からの読み出しの制御など、撮像処理及び画像データに関する制御を行う。撮像スピードは、自由落下する粉粒体の落下スピード等に合わせて適宜設定すればよい。なお本明細書において、画像データ10Wのうち、基準検量線作成用のものを11W、質量演算及び質量判定用のものを12W、基準検量線補正用のものを13Wとして区別していうこともある。
照明部20は、撮像手段11で撮像される撮像領域、すなわち粉粒体が自由落下する軌道上の所定の撮像領域を照らす機能を備える。照明部20としては、撮像処理部10による撮像に十分な明るさを提供できるものを特に制限なく採用できる。図1に示す本実施形態では、撮像手段11に対向配置される透過照明方式が用いられている。照明部20は、画像処理制御部110(例えば撮像制御部13)に接続され、照明強度を制御するようにすることが好ましい。これにより、照明の照度が下がり、画像データから検出される濃度が下がった際に、照明強度を上げ、反対に照明の照度が上がり、画像データから検出される濃度が上がった際に、照明強度を下げることができる。具体的には、例えば濃度判定処理部30で検出している濃度値が、最低基準濃度30Qの1.1倍以下の値になった場合、撮像制御部13にて照明強度を上昇させ、検出濃度値が最低基準濃度30Qの1.25倍〜2倍の間となるように変更する。このように、撮像制御部13で照明部20の照明強度を変更することで、所望の明るさを得られるように照明部20を制御することができる。また、撮像手段11と照明部20とは、各々が対向するように角度や配置を調整できる機構が設けられている。また、照明部20の照明方式は、本実施形態の透過照明方式でなくともよく、例えば反射型照明方式であってもよい。また、照明部20は、検査装置100の他の構成と接続されていなくてもよく、例えば撮像処理部10や照度判定処理部30等を有する画像処理制御部110に接続されていてもよい。
濃度判定処理部30は、撮像処理部10に接続されており、濃度判定機能Dの中核をなす。濃度判定処理部30は、保存部12に保存された画像データ10W内で粉粒体が映り込まない領域に検出領域30Pを定め、その検出領域30Pの濃度(明るさ)を検出する。更に濃度判定処理部30は、二値化処理部40による二値化処理に好適な濃度の最低基準濃度30Qを設定する。これにより濃度判定処理部30は、検出した濃度が設定された一定の明るさ(最低基準濃度30Q)未満の場合に照明異常判定を行う。この場合、濃度判定処理部30は、検査装置100による検査工程のすべてを停止するための照明不良信号30Xを撮像制御部13へ送る。一方、対象の画像データが一定の明るさ以上であった場合は、特に信号は発信しない。このような照明異常判定は、二値化処理の工程に進む前段階でなされる、二値化処理に適正な画像データであるかの判定である。照明異常判定は、照明部20の故障や照明劣化の検知や、撮像手段11と照明部20との位置関係のずれによるカメラ素子へ受光する光量の減少を検知するものである。本実施形態では、照度異常判定が発生した場合、検査装置100は検査を停止する。
二値化処理部40は、撮像処理部10に接続されており、保存部12に保存された画像データ10Wの二値化処理を行い、二値化画像データ40Wを生成する。二値化処理は、前述のとおり、照明不良信号30Xが発信されない限り行われる。具体的には、二値化閾値40Qを予め設定しておき、二値化閾値40Qよりも画像濃度(階調)の低い画素部分を「黒」(階調の下限値:例えば256階調であれば0階調)に変換して粉粒体の領域を示す。一方、前記二値化閾値40Qよりも画像濃度(階調)の高い画素部分を「白」(階調の上限値:例えば256階調であれば255階調)に変換して、粉粒体以外の背景領域を示す。このようにして、二階調からなる二値化画像データ40Wが生成される。生成された二値化画像データ40Wは、対応する画像データ10Wが有する撮像サンプリング時間10Tとともに、撮像処理部10の保存部12に書き込まれ保存される。前記の二値化閾値40Qは、適宜任意に設定でき、撮像された粉粒体の画素(撮像面積)を的確に把握できる数値に設定することができる。なお本明細書において、二値化画像データ40Wのうち、検量線作成用のものを41W、質量演算及び質量判定用のものを42W、検量線補正用のものを43Wとして区別していうこともある。この二値化処理部40においては、後述する、濃淡補正フィルタ処理の機能を備えていることが二値化処理の精度向上の観点から好ましい。
基準検量線作成部50は、撮像処理部10に接続されており、検査初期段階(製造ライン稼働前の段階)に実行される基準検量線作成機能Aの中核をなす。基準検量線作成部50は、基準粉粒体の画素Vと質量Gとの対応関係を一次関数で示す基準検量線50Fを作成する。前記「基準粉粒体の画素V」とは、二値化画像データ40Wで「黒」とされた画素数のことである。基準検量線50Fの作成に際し、前記一次関数の画素Vは、所定時間に、撮像処理部10に保存される二値化画像データ41Wから得られる累積した基準粉粒体の画素41Vに基づく。他方、前記一次関数の質量Gは、前記所定時間に、撮像対象とされた基準粉粒体の落下軌道の下方で質量測定部130により測定される基準粉粒体の質量50Gに基づく。質量測定部130は、基準検量線作成部50に接続され、所定時間経過後に、取得した質量値を基準検量線作成部50に送る。また、質量測定部130は、基準検量線作成部50に接続しなくとも、例えば基準粉粒体の落下軌道の下方に粉粒体を受け皿などで受け、受け皿に乗った基準粉粒体をはかりで測定し、その値を基準検量線作成部50に入力してもよい。質量測定と同時に、二値化画像データ41Wに基づき累積した基準粉粒体の画素41Vが基準検量線作成部50に蓄積される。所定時間経過後、基準検量線作成部50において、得られた基準粉粒体の画素41V及び質量50Gから、重み(質量G/画素V)を算出する。その重みが基準検量線50Fである一次関数の定数として検量線記憶領域部60に保持される。基準検量線作成部50における「所定時間」は、適宜任意に設定できる。散布対象物における1製品あたりの搬送速度に合わせた時間では測定質量が小さい場合は、それより長い時間を設定して、前記重み(質量G/画素V)を算出できる。例えば、1製品毎(0.2秒毎)では質量値が小さく測定できない場合、60秒間までの間で適宜設定することができる。検量線記憶領域部60は、基準検量線作成部50に接続されており、作成された基準検量線50Fを保存する。
基準粒径作成・記憶領域部90は、撮像処理部10及び補正検量線作成部55に接続されており、検査初期段階(製造ライン稼働前の段階)に実行される基準粒径作成機能Bの中核をなす。基準粒径作成・記憶領域部90は、基準粒径作成部91と、基準粒径記憶領域部92とを有しており、検査初期段階の基準粉粒体の平均粒径Dbasを作成し、これを保存する。基準粒径作成部91は、撮像処理部10の保存部12に保存された検査初期段階の二値化画像データ40Wから基準粉粒体の平均粒径Dbasを算出する。例えば、二値化処理部40で生成された二値化画像データ40Wにおける、検査初期段階の基準粉粒体の画像を対象とし、一方向とそれに直交する方向に沿う、それぞれの画像の寸法を測定する。そして、それぞれの寸法で確定される長方形の対角線の長さを算出し、この長さを粉粒体の粒径とし、これらの平均粒径Dbasを算出する。算出された平均粒径Dbasは、基準粒径記憶領域部92に書き込まれ、保存される。
補正検量線作成部55は、撮像処理部10及び検量線記憶領域部60に接続されており、検量線補正機能Eの中核をなす。補正検量線作成部55は、製品用粉粒体の画像データ13Wを二値化処理して得られる二値化画像データ43Wから製品用粉粒体の平均粒径Dを算出し、製品用粉粒体の平均粒径Dと基準粉粒体の平均粒径Dbasとから、基準検量線50Fの傾きを補正した補正検量線51Fを作成する。補正検量線51Fは、製品用粉粒体の質量Gと、製品用粉粒体の画素Vとの一次関数である。作成された補正検量線51Fは、検量線記憶領域部60に書き込まれ、保存される。
質量演算部70は、撮像処理部10及び検量線記憶領域部60に接続されており、質量判定処理部80とともに、補正検量線51Fの作成後の製造ライン稼働中の質量判定機能Cの中核をなす。質量演算部70は、補正検量線51Fの作成に用いられた二値化画像データ42Wに基づき累積した製品用粉粒体の画素43Vから、補正検量線51Fに基づいて総質量値77Gを算出する。具体的には、散布対象物の1製品に相当する部分が搬送される所定時間分(すなわち前記散布対象物の1製品に相当する部分が製品用粉粒体の散布位置を通過し終わる時間分)の累積した粉粒体の画素42Vに、検量線記憶領域部60に保存されている補正検量線51Fの重み(質量G/画素V)を乗算することにより、1製品単位当たりの製品用粉粒体の総質量77Gを算出する。質量演算部70における「所定時間」は、適宜任意に設定でき、搬送される製品となる散布対象物の速度に合わせて設定することが好ましい。前記散布対象物が長尺帯状である場合は、移動中の散布対象物の1製品に相当する領域面積に対して製品用粉粒体の粉粒体を散布する時間である。前記散布対象物が製品単位に既に区分けされて間欠的に搬送される場合は、間隔をあけて移動中の散布対象物の面積に対して製品用粉粒体の粉粒体を散布する時間である。例えば、300個/分の製品搬送速度ならば60/300=200ms(ミリ秒)、400個/分の速度ならば60/400=150ms(ミリ秒)となる。
質量判定処理部80は、質量演算部70及び後述する不良排出部120に接続されており、質量演算部70とともに、基準検量線50Fの補正によって補正検量線51Fを作成した後の質量判定機能Bの中核をなす。質量判定処理部80では、散布される製品用粉粒体の規定内質量80Qが設定される。この「規定内質量80Q」は1製品単位で含有されるべき製品用粉粒体の質量の許容範囲に相当する。質量判定処理部80は、前記の製品用粉粒体の総質量77Gのデータを質量演算部70から受信し、総質量77Gが規定内質量80Qであるか否かの判定を行う。その判定に基づいて、総質量77Gが規定内質量80Qの範囲外である場合は、質量不良信号80Xを発信する。一方、総質量77Gが規定内質量80Qの範囲内である場合は、質量良品信号80Yを発信する。例えば、規定内質量80Qを1製品当たりFg(グラム)の上下限値±10%の範囲と定めた場合、その範囲外のものをNG判定とする。
質量判定処理部80は、発信する質量不良信号80X及び質量良品信号80Yを、粉粒体質量検査装置100に接続される別の装置へと送信できるようにされている。その際、質量不良信号80X及び質量良品信号80Yに、対象となる製品(良品・不良製品)を特定するための情報(例えば、撮像サンプリング時間10Tなど)が含まれていることが好ましい。これにより、受信する側の装置は、質量不良となる製品に対処するための機能が発揮され得る。このようにして粉粒体質量検査装置100は、製品用粉粒体の散布状況から、製品を構成する散布対象物へ連続散布された製品用粉粒体の総質量を散布中に時機よく検知することができる。
図2及び図3に示すとおり、本実施形態の粉粒体質量検査方法は、検査初期工程A1と基準検量線作成後の検査工程B1とを有する。検査初期工程A1は、検査装置100の基準検量線作成機能A及び基準粒径作成機能Bを利用して行う一連の処理工程である。基準検量線作成後の検査工程B1は、検査初期工程A1にて基準検量線及び基準粒径が計測・記憶された後で、基準検量線及び基準粒径を用いて、製品用粉粒体の質量判定を行う工程である。すなわち、基準検量線作成後の検査工程B1は、基準検量線及び基準粒径の存在下で、検量線補正機能E及び質量判定機能Cを利用して行う一連の処理工程である。また、検査初期工程A1及び基準検量線作成後の検査工程B1はそれぞれ、検査装置100の濃度判定機能Dを利用する。この粉粒体質量検査方法については、粉粒体含有物品である、検査対象の製品である発熱体の概要をまず説明し、更に図4を参照して、発熱体の製造に用いられる製造装置としての散布装置について説明した上で詳述する。
まず、ここでの発熱体は、基材シートの少なくとも一面側に、酸化反応を起こす被酸化性金属、塩化ナトリウム等の電解質及び水を含む発熱組成物の層と、該層上に配置された、吸水性ポリマーの粉粒体を含む保水材の層とを備える。吸水性ポリマーの粒子の粉粒体の含有質量は、発熱体の発熱特性を左右する重要な要素の1つとなる。この発熱体の製造方法は、長尺の基材シート上に、鉄粉等の被酸化性金属、電解質及び水等を含むスラリー状の発熱組成物を塗布して発熱体を形成し、次いで該発熱体の上に、吸水性ポリマーの粉粒体を層状に散布し、保水材の層を形成する工程を有する。したがって、本製造方法において、前記基材シートに前記発熱組成物が塗布されたものが、粉粒体の散布対象物となる。
図4には、粉粒体の散布装置500(以下、単に散布装置500ともいう。)が示されている。散布装置500は、前述のとおり、発熱体に含有される吸水性ポリマーの粉粒体202の散布装置であり、粉粒体の散布工程を実行する。散布装置500は、粉粒体散布部300、検査装置100及び不良品排出処理部120を備えており、本実施形態では、粉粒体散布部300は、吸水性ポリマーの粉粒体202を一時貯蔵するホッパ301、粉体供給装置400、筒状の排出口303、粉粒体を水平方向に搬送するトラフ304、トラフ304の一端側に片持ち梁の状態でトラフ304を振動させる振動体305を有する。トラフ304と振動体305とを合わせて振動フィーダ306という。
粉粒体散布部300においては、ホッパ301内の粉粒体202が、粉体供給装置400により搬出される。搬出された粉粒体202はトラフ304における任意の位置で受け取られ、電磁フィーダ305の振動で好適に分散されながらトラフ304の終端部304A側へ移動する。粉粒体202は終端部304Aから自由落下し、搬送コンベア(図示せず)で搬送されてくる散布対象物206に連続的に散布される。散布対象物206は、前述のとおり、基材シート201上に非酸化性金属の粒子、塩化ナトリウム等の電解質及び水を含む発熱組成物205を塗布したものである。
この粉粒体散布部300に対して粉粒体質量検査装置100は、図4に示すとおり、粉粒体202の落下軌道空間を間に挟んで撮像手段11と照明部20とが対向するように配置されている。
不良品排出処理部120は、粉粒体質量検査装置100の質量判定処理部80に接続されており、質量判定処理部80が発信した質量不良信号80Xを受信すると、製造ラインから質量不良信号80Xに対応する散布対象物を特定し、特定した散布対象物を製造ラインから排出する。本実施形態では、不良品排出処理部120は、フライトコンベア(図示せず)等から構成されている。
ここで、本実施形態の粉粒体質量検査方法における検査初期工程A1について、図4の装置の概要構成図と図2のフローチャートとを参照して、詳細に説明する。
検査初期工程A1は、基準粉粒体202の散布部300の切り出し量等の散布条件の設定の都度、検査初期段階において実行される。したがって検査初期工程A1は、散布装置500の設定条件にあった適正な検量線が得られる限り、発熱体の製造ライン上、製造ライン以外のいずれで実施されてもよい。
まず、各装置を図4のように配置した状態で、粉粒体202の落下軌道の下方に質量測定部130を設置する。質量測定部130としては、受け取る基準粉粒体の質量を時系列で計測できるものであれば特に制限なく採用できる。例えば、ロードセルに粉粒体受け皿又は検量皿のみを設置したものなどが挙げられる。質量測定部130は、散布装置500が有する構成であってもよく、散布装置500と別体とする構成であってもよい。
基準粉粒体の平均粒径Dbasは、基準検量線の作成と平行して、又は基準検量線の作成に先立ち、二値化処理部40において取得された画素41Wに基づいて測定される。詳細には、図5に示すとおり、二値化処理部40において取得された粉粒体の画像P1,P2,・・・,Pnを対象とし、一方向Xとそれに直交する方向Yに沿う画像Piの(iは自然数を表す。)の寸法xi,yiを測定する。そして寸法xi,yiで画定される長方形の対角線の長さdiを算出し、この値を画像Piの粒径とする。そして(1/n)ΣPiから基準粉粒体の平均粒径Dbasを算出する。平均粒径Dbasの算出に用いる粒子の数nは例えば100以上とする。
次いで、検査装置100を稼働させる。照明部20が検査装置100と連動していない場合は、照明部20の電源も入れる。次いで、撮像処理部10において、撮像スピードや検量線作成のための「所定時間」、その他の諸条件を入力する。また、濃度判定処理部30では検出領域30P及び濃度の最低基準濃度30Qの設定を行い、二値化処理部40では二値化閾値40Qの設定を行う。その後、散布部300を稼働し、検査装置100に撮像開始の入力を行い、撮像処理を実行する(撮像処理工程AB11)。この撮像処理工程AB11により、前述のとおり、撮像画像データ11Wが、その撮像サンプリング時間10Tとともに時系列で保存部12に保存される。
次いで、濃度判定処理工程D11を、濃度判定処理部30において設定されたタイミングで行う。すなわち、画像データ11Wの濃度を検出し、濃度の最低基準濃度30Qとの比較を行う。検出した濃度が設定された一定の明るさ(最低基準濃度30Q)以下の場合に照明異常判定D12を行う。この場合、濃度判定処理部30は、検査装置100による検査工程のすべてを停止するための照明不良信号30Xを撮像制御部13へ送る。これにより、検査装置100全体が停止する。停止後に、照明部30を調節して、再度、基準検量線作成工程A13を実行することとなる。一方、対象の画像データが一定の明るさ以上であった場合は、特に信号は発信されず次の二値化処理工程A12へと進む。
前述した濃度判定処理工程D11は、間断なく自由落下する微小な粉粒体を的確に捉えるためになされる。照明の故障や経時劣化により、明るさが暗くなった場合、粒子が抽出できない。そのため、濃度の最低基準濃度30Qは、検査対象の粉粒体202の粒径などによって、粒子を捉えられる明るさに決定する。一律には定められないが、例えば平均粒径が440μm〜550μm程度の粉粒体では、最低基準濃度30Qを、グレースケールの256階調において、濃度50と定めることができる。
次いで、二値化処理部40において、撮像処理部10の保存部12に保存された画像データ11Wの二値化処理工程AB12を行い、二値化画像データ41Wを生成する。二値化処理工程AB12においては、濃淡補正フィルタ処理がなされることが好ましい。これにより、二値化処理に対する濃度影響が非常に小さく抑えられる。この濃淡補正フィルタ処理とは、入力画像と、入力画像から作成された内部処理画像とを差分演算することで、背景の濃淡変化を除去し、照明ムラ・照明劣化の影響を抑制することができるフィルタ処理である。これにより、撮像画像データ10Wの明るさムラを低減して所望の粉粒体の画素部分のみを抽出することができ、濃度が広い範囲にふれても適正な二値化処理が可能である。
二値化処理の内容は前述したとおりであり、二値化閾値40Qを境に0階調と1階調とに変換する。図6は、撮像した粒子画像、すなわち撮像画像データ11Wであり、図7は、図6に示す撮像した粒子画像の二値化画像である。図7において黒色部分が粉粒体202を示している。図7に示す黒色部分の大きさや配置は、図6に示す撮像画像データ11Wに写った粉粒体202の大きさや配置と一致しており、適正な二値化処理がなされていることが確認できる。この二値化画像データ41Wから粉粒体の画素数を把握できる。二値化画像データ41Wは、次の基準検量線作成工程のため、撮像処理部10の保存部12に保存される。
二値化閾値40Qは、粉粒体202の粒径やその粒径のばらつき、すなわち、画像データでの粉粒体202部分の階調のばらつきによって決められる。図8に、二値化閾値40Qと測定される画素の関係を示す。二値化閾値40Qを下げていくと、検知量の減少に伴い画素数が減る。反対に、二値化閾値40Qを上げていくと、画素数が増えるが、撮像ノイズの影響を受けてしまう。二値化閾値40Qは一律には定められないが、例えば平均粒径が440μm〜550μm程度の粉粒体では、200階調から240階調までの間に設定することが好ましく、220階調に設定することがより好ましい。
次いで、基準検量線作成及び基準粒径計測工程AB13を、基準検量線作成部50において行う。ここでは、前述のとおり、基準粉粒体の画素Vと質量Gから得られた重み(質量G/画素V)を定数とする一次関数で表される基準検量線50Fを作成する。これは、基準検量線作成のための「所定時間」の間の、二値化画像データ41Wに基づいて累積した基準粉粒体の画素41Vと、質量測定部130で測定された基準粉粒体の質量50Gとに基づいてなされる。これにより、散布部300の散布条件に対応した基準検量線50Fが得られる。この基準検量線50Fを検量線記憶領域部60に保存して(基準検量線及び基準粒径記憶工程AB14)、本実施形態の粉粒体質量検査方法における基準検量線作成工程A1が終了する。
次に、本実施形態の基準検量線作成後の検査工程B1について、図3のフローチャートを参照して説明する。基準検量線作成後の検査工程B1は、基準検量線50Fが作成された後、質量測定部130を取り除き、製品の製造ライン全体を稼働させた状態で行われる。まず、検査装置100の電源を入れて質量判定の基準となる規定内質量80Qや質量演算のための「所定時間」等を設定入力する。ホッパ301内には、基準粉粒体を引き続き充填させたままにしておき、これを製品用粉粒体として用いてもよく、あるいは、ホッパ301内から基準粉粒体を除去し、該基準粉粒体と異なる粒径を有する別の種類の製品用粉粒体を新たに充填してもよい。次いで散布部300の電源を入れて、製造ライン全体を稼働させ、製品用粉粒体203を散布し始めて、検査装置100による検査を開始する。製造ラインでは、粉粒体散布部300が稼働し、搬送ベルト(図示せず)で搬送されてくる散布対象物206に対し、連続的に製品用粉粒体203を散布する。
次いで粉粒体質量検査装置100において、製品用粉粒体203を対象として、撮像処理工程CE11、濃度判定処理工程D11及び二値化処理工程CE12を、検査初期工程A1と同様にして行う。基準検量線作成後の検査工程B1においても、二値化処理工程CE12で濃淡補正フィルタ処理がなされることが好ましい。これにより、二値化処理に対する濃度影響が非常に小さく抑えられている。そのため、濃度の最低基準濃度30Qを基準検量線作成工程A1よりもかなり低水準に抑えることができる。すなわち照明異常による検査中止の可能性が低く、且つ、適正な二値化処理で製品用粉粒体203の画素の的確な把握が可能となる。これにより、製品の連続生産ラインの稼働中に、連続散布される粉粒体202の散布量を更に時機よく検査することができる。また、照明の長寿命化にもつながる。
撮像処理工程CE11においては、散布される製品用粉粒体203のすべてを撮像の対象としてもよいが、それに代えて、ある一部の領域を撮像領域としてもよい。具体的には、図9に示すように、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、製品用粉粒体203の落下方向に沿う撮像領域を狭く設定するとよい。
図10は、粉粒体の粒径を計測する際の撮像領域Wを示している。図10に示すように、粉粒体203の落下方向に沿う長さをL、落下方向と直交する幅方向に沿う長さをXとしたときの撮像領域をWとした場合、落下方向に沿う長さL及び幅方向に沿う長さXの一方又は両方の長さを小さくすることで撮像領域Wが小さく(狭く)なる。撮像領域Wを小さくすることで、二値化処理工程CE12等における処理の負荷を軽減することができ、計測時間も短縮することができる。
図11(a)は、落下方向に沿う長さLを変更したときの、製品用粉粒体203の粒径Dの計測値を示しており、図11(b)は、落下方向に沿う長さLを変更したときの、粉粒体の最大値正規化粒径を示している。なお、最大値正規化粒径とは、撮像領域Wにおける平均粒径を全ウィンドウ時の平均粒径で除した値である。図11(a)に示すように、落下方向に沿う長さLを大きくした場合、すなわち、落下方向に沿う長さLを大きくして撮像領域Wを大きくした場合、粉粒体203の粒径Dの計測値は、落下方向に沿う長さLが所定の長さを超えると漸近する。これは、最大値正規化粒径についても同様である(図11(b)参照)。
例えば、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子の平均粒径D95における落下方向に沿う長さL95を超えると、粉粒体203の粒径Dの計測値は、漸近している。そのため、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子の平均粒径D95から、この平均粒径D95のときの落下方向に沿う長さL95を求め、L≧L95とすればよい。また、落下方向に沿う方向の長さLは、大きくするほど撮像領域Wが大きくなり、撮像精度が向上するが、二値化処理工程等における処理の負荷も増す。そのため、撮像領域Wにおける落下方向に沿う長さLは、L95以上となるL95の近傍の値に設定することが好ましい。
また製品1枚毎に検査するためには、長さLは、検査時間を考慮した値にする必要がある。図12は、撮像領域Wの幅方向Xの長さを固定した状態で長さLを変化させたときの粒径の測定時間を示すグラフである。図12に示すように、粉粒体の粒径の測定時間は、撮像領域Wの長さLに応じて線形に増加する。粉粒体の質量検査には、粒径の計測以外に面積計測や濃淡計測等の画像処理が含まれるため、それらすべての処理を製品1枚の加工速度内に終了させる必要がある。例えば、加工速度100ms/枚、粒径の計測以外の画像処理時間が約80msの場合、粒径の計測時間は100ms−80ms=20ms以下に抑制することで、製品1枚毎に検査をすることができる。すなわち、この場合、撮像領域Wの長さLを21mmにする必要がある。
検査工程B1においては、二値化処理工程CE12と質量演算処理工程C13との間で、二値化処理工程CE12において二値化処理された各二値化画像データから得られる製品用粉粒体203の画素に基づき、基準検量線補正工程E11を行う。基準検量線補正工程E11は、以下の処理を以下の順序で含んでいる。
・E12:製品用粉粒体203の粒径の測定
・E13:測定された粒径の複数のデータに基づく製品用粉粒体203の平均粒径Dの算出
・E14:製品用粉粒体の平均粒径Dと、基準粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値、すなわち粒径変動率αの算出
・E15:粒径変動率αに基づく基準検量線50Fの補正による補正検量線51Fの作成
工程E12における製品用粉粒体203の粒径の測定は、先に述べた図5に示す方法によって行われる。このようにして、画像データ13Wから得られる累積した製品用粉粒体203の画素43Vに基づき、製品用粉粒体203の数の平均値としての粒径が求められる。この平均値としての粒径の値をそのまま用いてもよいが、補正の精度を一層高めることを目的として、工程E13において製品用粉粒体203の粒径Dを、複数の二値化画像データを基にした単純移動平均によって算出することが好ましい。例えば、現在の撮像で取得された二値化画像データを含み、且つ過去に遡る合計30個の二値化画像データの単純移動平均粒径D’を算出することができる。
このようにして製品用粉粒体203の平均粒径D(すなわち移動平均粒径D’)が求められたら、工程E14において、平均粒径D(すなわち移動平均粒径D’)と、基準粉粒体の粒径Dbasとの比D(D’)/Dbasの値である粒径変動率αを算出する。引き続き、工程E15において基準検量線50Fの補正が行われる。基準検量線50Fは、先に述べたとおり一次関数であるところ、補正においては、一次関数の傾きaに粒径変動率αを乗じた値であるaαを補正検量線51Fの傾きa’(=aα)として用いる。なお検量線51Fの切片は、基準検量線50Fの切片と同様にゼロである。
基準検量線50Fを粒径変動率αで補正することには次に述べる意義がある。本発明では、三次元形状を有する物体である粉粒体の散布質量を、粒子の二次元投影像に基づき算出している。したがって、粉粒体の散布の全期間にわたり粒子の投影面積が不変であれば、すなわち粒子の粒径が不変であれば、投影面積と散布質量との相関関係が維持される。一方、粉粒体の散布中に何らかの原因によって粒子の粒径が変化した場合には、投影面積と散布質量との相関関係が崩れてしまう。例えば、検量線作成時の粒子の半径をdとし、粒径変動率をα(=d’/d)と定義した場合、変動後の粒径はd’=αdとなる。したがって、粒径の変動の前後での面積比S’/Sは、πd’2/πd2=(αd)2/d2=α2となる。また、粒径の変動の前後での体積比V’/Vは、{(π/6)d’3}/{(π/6)d3}=(αd)3/d3=α3となる。したがって、粒径変動率αが例えば1.1の場合、つまり粒径が10%増加した場合には、面積比S’/Sは1.21となり、体積比V’/Vは1.33となる。すなわちΔ=V’/V−S’/Sで定義される誤差が12%となる。要するに、粒径が10%増加した場合には、検量線から算出される散布質量に12%の誤差が生じることになる。この現象は、同質量の粉粒体を散布しているにもかかわらず、粒径変動率αが1を超えると、撮像処理によって取得される二値化画像データの面積が相対的に小さくなり(画素数が少なくなり)、実際よりも少量の粉粒体が散布されていると誤認されてしまうこと、及び粒径変動率αが1を下回ると、撮像処理によって取得される二値化画像データの面積が相対的に大きくなり(画素数が多くなり)、実際よりも多量の粉粒体が散布されていると誤認されてしまうことに起因している。そこで本発明では、誤差の発生を極力小さくすべく、基準となる検量線の傾きaに粒径変動率αを乗じることで、粒径変動率αが1を超えた場合には検量線の傾きを大きくする補正をして、実際の散布質量との乖離を小さくしている。また、粒径変動率αが1を下回った場合には検量線の傾きを小さくする補正をして、実際の散布質量との乖離を小さくしている。
基準検量線補正処理工程E11での処理が完了したら、次いで、質量演算処理工程C13を質量演算部70にて行う。前述のとおり、質量演算のための「所定時間」の間に、二値化画像データ42Wに基づいて累積した粉粒体の画素42V(すなわち図3における面積x)から、補正検量線51Fに基づいて、総質量77G(すなわち1製品単位当たりの総質量77G)を算出する。すなわち図3の画素42Vをそのまま用いてもよいが、総質量77Gの算出の精度を一層高めることを目的として、複数の二値化画像データを基にした単純移動平均によって画素42Vを算出し、算出された画素42Vと補正検量線51Fに基づいて、製品用粉粒体203の総質量77Gを算出することが好ましい。例えば、現在の撮像で取得された二値化画像データを含み、且つ過去に遡る合計30個の二値化画像データの単純移動平均を算出することができる。
次いで、質量判定処理工程C14を質量判定処理部80にて行う。これにより、散布された製品用粉粒体203の総質量77Gが規定内質量80Qの範囲外であれば質量異常判定を行い、質量不良信号80Xを発信する(質量不良信号発信C15)。一方、総質量77Gが規定内質量80Qの範囲内であれば、質量良品信号80Yを発信する(質量良品信号発信C16)。質量不良信号80X及び質量良品信号80Yには、対象となる製品(良品・不良製品)を特定する情報(撮像サンプリング時間10Tなど)が含まれていることが好ましい。以上の「検量線作成後の検査工程B1」における各工程は、製造ライン稼働中繰り返し行われ、検査中止の操作により本実施形態の粉粒体質量検査が終了する。
上述した質量不良信号80X若しくは質量良品信号80Yは、本実施形態において検査装置100に接続された制御装置400で受信される(図4参照)。制御装置400は、受信信号に基づき、不良品排出処理部であるフライトコンベア(図示せず)に指示を出す。具体的には、質量不良信号80Xに基づく排出信号400Xを出す。これを受けたフライトコンベア(図示せず)は、排出信号400Xに基づいて、対象となる製品を特定し製造ラインから排出する(不良品排出処理工程)。すなわち、制御装置400及び排出装置であるフライトコンベア(図示せず)とで不良品排出処理工程が実行される。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態は、本発明を発熱体の製造方法に適用した例であったが、本発明を他の物品の製造に適用してもよい。
また前記実施形態においては、検査工程B1の撮像処理工程CE11において、製品用粉粒体203の落下方向に沿う撮像領域を狭く設定したが、これに代えて、又はこれに加えて、検査初期工程A1の撮像処理工程AB11において、基準粉粒体202の落下方向に沿う撮像領域を狭く設定してもよい。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の粉粒体質量検査装置及び検査方法、並びに粉粒体含有物品の製造装置及び製造方法を開示する。
<1>
製品を構成する散布対象物へ散布された粉粒体の質量を該粉粒体の散布中に検査する粉粒体質量検査装置であって、
前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像し画像データとして保存する撮像処理部と、
前記撮像処理部で撮像される撮像領域を照らす照明部と、
前記撮像処理部が保存する前記画像データにおける、粉粒体が映り込まない領域の濃度を検出し、照明の異常を判定する濃度判定処理部と、
前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成し、前記撮像処理部に保存させる二値化処理部と、
検査初期段階において、前記撮像処理部で所定時間に蓄積された前記二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、粉粒体の落下軌道の下方に位置する質量測定部によって前記所定時間に測定された粉粒体の質量とに基づいて、画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線を作成する基準検量線作成部と、
前記所定時間に蓄積された検査初期段階の前記二値化画像データから、検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasを作成し、記憶する基準粒径作成・記憶領域部と、
前記基準検量線と検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、検査対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、検査対象となる粉粒体の粒径Dと検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する補正検量線作成部と、
前記基準検量線及び前記補正検量線を記憶する検量線記憶領域部と、
前記補正検量線の存在下で、撮像され二値化処理された検査対象となる粉粒体の各二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、検査対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算部と、
前記質量演算部における演算結果に基づいて、所定時間に自由落下する、検査対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理部と、
有する粉粒体質量検査装置。
<2>
前記撮像処理部は、前記撮像領域のうちの一部の領域を撮像対象とする前記<1>に記載の粉粒体質量検査装置。
<3>
前記撮像処理部は、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、粉粒体の落下方向に沿う前記撮像領域を設定する前記<1>又は<2>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査装置。
<4>
前記補正検量線作成部は、検査対象となる粉粒体の粒径Dを、複数の前記二値化画像データを基にした単純移動平均によって算出する前記<1>ないし<3>に記載の粉粒体質量検査装置。
<5>
前記二値化処理部は、撮像された画像データの明るさムラを低減する濃淡補正フィルタ処理をした後に前記二値化処理を行う前記<1>ないし<4>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査装置。
<6>
前記照明部を前記撮像手段に対向配置し、透過照明方式で自由落下する粉粒体を撮像する前記<1>ないし<5>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査装置。
<7>
前記撮像処理部は、粉粒体を撮像する前記撮像手段と、該撮像手段を制御する撮像制御部とを有し、前記照明部は、前記撮像制御部により照明強度が制御される前記<1>ないし<6>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査装置。
<8>
前記撮像制御部は、前記撮像領域の照度が下がることで前記画像データから検出される濃度が下がった際に、前記照明部の照明強度を上げ、前記撮像領域の照度が上がることで、前記画像データから検出される濃度が上がった際に、前記照明部の照明強度を下げる前記<1>ないし<7>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査装置。
<9>
前記撮像処理部は、前記撮像手段が撮像した粉粒体の画像データを保存する保存部を有し、該保存部は、前記撮像手段で連続的に撮像された前記画像データを、撮像サンプリング数及び撮像サンプリング時間とともに時系列で保存する前記<1>ないし<8>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査装置。
<10>
撮像手段は、撮像素子を有するラインスキャンカメラを用いることが好ましい前記<1>ないし<9>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査装置。
<11>
前記撮像素子は、256階調のグレースケールでの階調表現ができる撮像素子が好ましい前記<10>に記載の粉粒体質量検査装置。
<12>
前記撮像素子として、電荷結合素子(CCD)が用いられる前記<10>又は<11>に記載の粉粒体質量検査装置。
<13>
前記製品は、基材シートの少なくとも一面側に、酸化反応を起こす被酸化性金属、塩化ナトリウム等の電解質及び水を含む発熱組成物の層と、該層上に配置された、吸水性ポリマーの粉粒体を含む保水材の層とを備える発熱体である前記<1>ないし<12>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査装置。
<14>
製品を構成する散布対象物へ散布された粉粒体の質量を該粉粒体の散布中に検査する粉粒体質量検査方法であって、照明部により照らされ、前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像手段で撮像する撮像処理工程と、前記撮像手段が撮像した画像データにおける、前記粉粒体が映り込まない撮像領域の濃度を検出し、前記照明部の照明の異常を判定する濃度判定処理工程と、前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成する二値化処理工程と、検査初期段階に生成された二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、検査初期段階に質量測定部によって測定された粉粒体の質量と、により作成される画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線、及び検査初期段階において二値化画像データから算出される検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、検査対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、検査対象となる粉粒体の粒径Dと検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する基準検量線補正処理工程と、前記補正検量線の存在下で、前記二値化処理工程で二値化処理された検査対象となる粉粒体の前記二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、検査対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算処理工程と、前記質量演算処理工程で演算された質量に基づいて、所定時間に自由落下する、検査対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理工程と、を有する粉粒体質量検査方法。
<15>
前記撮像処理工程は、前記撮像領域のうちの一部の領域を撮像対象として設定する前記<14>に記載の粉粒体質量検査方法。
<16>
前記撮像処理工程は、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、粉粒体の落下方向に沿う前記撮像領域を設定する前記<14>又は<15>に記載の粉粒体質量検査方法。
<17>
前記基準検量線補正処理工程は、検査対象となる粉粒体の粒径Dを、複数の前記二値化画像データを基にした単純移動平均によって算出する前記<14>ないし<16>の何れか一に記載の粉粒体質量検査方法。
<18>
前記二値化処理工程は、撮像された画像データの明るさムラを低減する濃淡補正フィルタ処理をした後に前記二値化処理を行う前記<14>ないし<17>の何れか一に記載の粉粒体質量検査方法。
<19>
前記濃度判定処理工程は、濃度の最低基準濃度を、前記粉粒体の粒径などに基づいて明るさを設定する前記<14>ないし<18>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査方法。
<20>
前記濃度判定処理工程は、平均粒径が440μm〜550μm程度の粉粒体では、最低基準濃度を、グレースケールの256階調において、濃度50に設定する前記<19>に記載の粉粒体質量検査方法。
<21>
前記撮像手段は、自由落下する前記粉粒体を静止画像として撮像できる種々の手段により構成される前記<14>ないし<20>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査方法。
<22>
前記撮像手段は、CCD方式のエリアカメラやラインスキャンカメラなどにより構成される前記<14>ないし<21>のいずれか一に記載の粉粒体質量検査方法。
<23>
粉粒体を散布対象物に散布することで、該粉粒体を含む物品を製造する、粉粒体含有物品の製造装置であって、前記散布対象物に向けて粉粒体を散布する粉粒体散布部と、前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像し画像データとして保存する撮像処理部と、前記撮像処理部で撮像される撮像領域を照らす照明部と、前記撮像処理部が保存する前記画像データにおける、粉粒体が映り込まない領域の濃度を検出し、照明の異常を判定する濃度判定処理部と、前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成し、前記撮像処理部に保存させる二値化処理部と、検査初期段階において、前記撮像処理部で所定時間に蓄積された前記二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、粉粒体の落下軌道の下方に位置する質量測定部によって前記所定時間に測定された粉粒体の質量とに基づいて、画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線を作成する基準検量線作成部と、前記所定時間に蓄積される検査初期段階の前記二値化画像データから、検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasを作成し、記憶する基準粒径作成・記憶領域部と、前記基準検量線と検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、検査対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、検査対象となる粉粒体の粒径Dと検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する補正検量線作成部と、前記基準検量線及び前記補正検量線を記憶する検量線記憶領域部と、前記補正検量線の存在下で、撮像され二値化処理された検査対象となる粉粒体の各二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、検査対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算部と、前記質量演算部における演算結果に基づいて、所定時間に自由落下する、検査対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理部と、前記質量判定処理部が粉粒体の質量異常と判定した場合に、質量異常に対応する散布対象物を特定し、製造ラインから前記質量異常に対応する散布対象物を排出する不良品排出処理部と、を有する粉粒体含有物品の製造装置。
<24>
前記撮像処理部は、前記撮像領域のうちの一部の領域を撮像対象とする前記<23>に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<25>
前記撮像処理部は、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、粉粒体の落下方向に沿う前記撮像領域を設定する前記<23>又は<24>に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<26>
前記補正検量線作成部は、検査対象となる粉粒体の粒径Dを、複数の前記二値化画像データを基にした単純移動平均によって算出する前記<23>ないし<25>に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<27>
前記二値化処理部は、撮像された画像データの明るさムラを低減する濃淡補正フィルタ処理をした後に前記二値化処理を行う前記<23>ないし<26>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<28>
前記照明部を前記撮像手段に対向配置し、透過照明方式で自由落下する粉粒体を撮像する前記<23>ないし<27>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<29>
前記撮像処理部は、粉粒体を撮像する前記撮像手段と、該撮像手段を制御する撮像制御部とを有し、前記照明部は、前記撮像制御部により照明強度が制御される前記<23>ないし<28>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<30>
前記撮像制御部は、前記撮像領域の照度が下がることで前記画像データから検出される濃度が下がった際に、前記照明部の照明強度を上げ、前記撮像領域の照度が上がることで、前記画像データから検出される濃度が上がった際に、前記照明部の照明強度を下げる前記<23>ないし<29>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<31>
前記撮像処理部は、前記撮像手段が撮像した粉粒体の画像データを保存する保存部を有し、該保存部は、前記撮像手段で連続的に撮像された前記画像データを、撮像サンプリング数及び撮像サンプリング時間とともに時系列で保存する前記<23>ないし<30>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<32>
撮像手段は、撮像素子を有するラインスキャンカメラを用いることが好ましい前記<23>ないし<31>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<33>
前記撮像素子は、256階調のグレースケールでの階調表現ができる撮像素子が好ましい前記<32>に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<34>
前記撮像素子として、電荷結合素子(CCD)が用いられる前記<32>又は<33>に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<35>
前記粉粒体含有物品は、長尺の基材シート上に、鉄粉等の被酸化性金属、電解質及び水等を含むスラリー状の発熱組成物が塗布された発熱体を有し、該発熱体の上に、吸水性ポリマーの粉粒体が層状に散布された保水材の層が形成されている請求項<23>ないし<34>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
<36>
粉粒体を散布対象物に散布することで、該粉粒体を含む物品を製造する、粉粒体含有物品の製造方法であって、前記散布対象物に向けて粉粒体を散布する粉粒体散布工程と、照明部により照らされ、前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像する撮像処理工程と、前記撮像手段が撮像した画像データにおける、前記粉粒体が映り込まない撮像領域の濃度を検出し、前記照明部の照明の異常を判定する濃度判定処理工程と、前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成する二値化処理工程と、初期段階に生成された二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、初期段階に質量測定部によって測定された粉粒体の質量と、により作成される画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線、及び初期段階において前記二値化画像データから算出される初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、対象となる粉粒体の粒径Dと初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する基準検量線補正処理工程と、前記補正検量線の存在下で、前記二値化処理工程で二値化処理された対象となる粉粒体の前記二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算処理工程と、前記質量演算処理工程で演算された質量に基づいて、所定時間に自由落下する、対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理工程と、粉粒体の質量異常と判定した場合に、質量異常に対応する散布対象物を特定し、製造ラインから前記質量異常に対応する散布対象物を排出する不良品排出処理工程と、を有する粉粒体含有物品の製造方法。
<37>
前記撮像処理工程は、前記撮像領域のうちの一部の領域を撮像対象として設定する前記<36>に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
<38>
前記撮像処理工程は、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、粉粒体の落下方向に沿う前記撮像領域を設定する前記<36>又は<37>に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
<39>
前記基準検量線補正処理工程は、検査対象となる粉粒体の粒径Dを、複数の前記二値化画像データを基にした単純移動平均によって算出する前記<36>ないし<38>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
<40>
前記二値化処理工程は、撮像された画像データの明るさムラを低減する濃淡補正フィルタ処理をした後に前記二値化処理を行う前記<36>ないし<39>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
<41>
前記濃度判定処理工程は、濃度の最低基準濃度を、前記粉粒体の粒径などに基づいて明るさを設定する前記<36>ないし<40>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
<42>
前記濃度判定処理工程は、平均粒径が440μm〜550μm程度の粉粒体では、最低基準濃度を、グレースケールの256階調において、濃度50に設定する前記<41>に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
<43>
前記撮像手段は、自由落下する前記粉粒体を静止画像として撮像できる種々の手段により構成される前記<36>ないし<42>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
<44>
前記撮像手段は、CCD方式のエリアカメラやラインスキャンカメラなどにより構成される前記<36>ないし<43>のいずれか一に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
図1に示す粉粒体質量検査装置100と図5に示す粉粒体散布部300とを用いて実施した。検査初期工程(基準検量線作成工程)A1においては図5における質量測定部130としてのロードセルを設置し、基準検量線作成後の検査工程B1においてはロードセルを取り除いた。撮像手段11にはラインスキャンカメラを使用し、照明部20にはライン照明を使用した。具体的な設定条件は次のとおりとした。
ワークディスタンス:450mm
ライトワークディスタンス:30mm
分解能:16画素/mm(0.06mm/画素)
基準粉粒体(吸水性ポリマー)の粒径Dbas:500μm
トリガ種類:内部トリガ
撮像周期:100ms
ライントリガ周期:82μs/ライン
ライン数:1200ライン
シャッタースピード:40μs
照明ボリューム(照度):50
前記の「撮像周期」とは製品の搬送速度である。また、「ライン数」とはラインスキャンカメラを用いて1枚の画像を形成するために必要なライントリガの回数である。このライン数は、撮像周期/ライントリガ周期を基に決定した。ライン数=100ms/82μs=1220ラインとなるが、応答速度が追い付かずに検査抜けが発生するのを防ぐため、若干ライン数を減らし前記の数値とした。
また、実施条件は次のとおりとした。
製品質量:0.074g/セル(5.328kg/h)
検量時間:60秒(600枚/分)
散布量:0.018g/セル〜0.117g/セル
二値化閾値40Q:220
前記「セル」は、散布の幅方向に2分割された左側又は右側の計測ウィンドウを意味する。ここでは2セルが1枚(1製品)となる。
前記の条件のもと、基準検量線作成工程AB13を実施し、図13に示す一次関数で表される基準検量線を得た。次いで、基準検量線作成後の検査工程B1を実施した。具体的には、撮像周期:150ms、切り出し量:3.552kg/hとして、連続散布される製品用粉粒体を撮像し続けた。製品用粉粒体は、基準粉粒体と概ね同じ平均粒径を有するが、粒径の変動の程度が大きいものである。この製品用粉粒体を連続散布している状態下、画像データ12Wに基づく二値化画像データ42Wを生成した。二値化画像データ42Wの累積した粉粒体の画素43Vに基づき粒径変動率αを算出し、基準検量線の補正を行った。粒径変動率αの経時変化を図14(a)に示す。そのときの、ロードセルの実測質量の経時変化を図14(b)に示す。また、二値化画像データ42Wの累積した粉粒体の画素42Vと、補正された検量線とに基づき、対応する質量Gを算出した。その結果を図14(c)に示す。なお、図14(b)及び図14(c)における縦軸の散布量(%)は、目標散布量を100%としたときの実測散布量又は計測散布量の相対表示である。
〔比較例1〕
実施例1において、検査工程B1での基準検量線の補正を行わずに計測を行った。その結果を図14(c)に示す。
図14(c)に示す結果から明らかなとおり、実施例1においては、製品粉粒体の粒径が経時的に変動しても、ラインカメラを用いた計測量が、目標散布量とほぼ一致していることが判る。これに対して比較例1では、製品粉粒体の粒径が基準粉粒体の粒径よりも大きくなっていることに起因して、ラインカメラを用いた計測量が、目標散布量よりも少なくなっていることが判る。
10 撮像処理部
11 撮像手段
12 保存部
13 撮像制御部
20 照明部
30 濃度判定処理部
40 二値化処理部
50 検量線作成部
55 補正検量線作成部
60 検量線記憶領域部
70 質量演算部
80 質量判定処理部
59 質量測定部
90 基準粒径作成記憶部
100 粉粒体質量検査装置
110 画像処理制御部
202 基準粉粒体(吸水性ポリマー)
203 製品用粉粒体(吸水性ポリマー)
206 散布対象物
300 粉粒体散布部
500 粉粒体散布装置

Claims (16)

  1. 製品を構成する散布対象物へ散布された粉粒体の質量を該粉粒体の散布中に検査する粉粒体質量検査装置であって、
    前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像し画像データとして保存する撮像処理部と、
    前記撮像処理部で撮像される撮像領域を照らす照明部と、
    前記撮像処理部が保存する前記画像データにおける、粉粒体が映り込まない領域の濃度を検出し、照明の異常を判定する濃度判定処理部と、
    前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成し、前記撮像処理部に保存させる二値化処理部と、
    検査初期段階において、前記撮像処理部で所定時間に蓄積された前記二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、粉粒体の落下軌道の下方に位置する質量測定部によって前記所定時間に測定された粉粒体の質量とに基づいて、画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線を作成する基準検量線作成部と、
    前記所定時間に蓄積された検査初期段階の前記二値化画像データから、検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasを作成し、記憶する基準粒径作成・記憶領域部と、
    前記基準検量線と検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、検査対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、検査対象となる粉粒体の粒径Dと検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する補正検量線作成部と、
    前記基準検量線及び前記補正検量線を記憶する検量線記憶領域部と、
    前記補正検量線の存在下で、撮像され二値化処理された検査対象となる粉粒体の各二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、検査対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算部と、
    前記質量演算部における演算結果に基づいて、所定時間に自由落下する、検査対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理部と、
    を有する粉粒体質量検査装置。
  2. 前記撮像処理部は、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、粉粒体の落下方向に沿う前記撮像領域を設定する請求項1に記載の粉粒体質量検査装置。
  3. 前記補正検量線作成部は、検査対象となる粉粒体の粒径Dを、複数の前記二値化画像データを基にした単純移動平均によって算出する請求項1又は2に記載の粉粒体質量検査装置。
  4. 前記二値化処理部は、撮像された画像データの明るさムラを低減する濃淡補正フィルタ処理をした後に前記二値化処理を行う請求項1ないし3のいずれか一項に記載の粉粒体質量検査装置。
  5. 製品を構成する散布対象物へ散布された粉粒体の質量を該粉粒体の散布中に検査する粉粒体質量検査方法であって、
    照明部により照らされ、前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像手段で撮像する撮像処理工程と、
    前記撮像手段が撮像した画像データにおける、前記粉粒体が映り込まない撮像領域の濃度を検出し、前記照明部の照明の異常を判定する濃度判定処理工程と、
    前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成する二値化処理工程と、
    検査初期段階に生成された二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、検査初期段階に質量測定部によって測定された粉粒体の質量と、により作成される画素と質量との対
    応関係を一次関数で示す基準検量線、及び検査初期段階において二値化画像データから算出される検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、検査対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、検査対象となる粉粒体の粒径Dと検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する基準検量線補正処理工程と、
    前記補正検量線の存在下で、前記二値化処理工程で二値化処理された検査対象となる粉粒体の前記二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、検査対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算処理工程と、
    前記質量演算処理工程で演算された質量に基づいて、所定時間に自由落下する、検査対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理工程と、
    を有する粉粒体質量検査方法。
  6. 前記撮像処理工程は、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、粉粒体の落下方向に沿う前記撮像領域を設定する請求項5に記載の粉粒体質量検査方法。
  7. 前記基準検量線補正処理工程は、検査対象となる粉粒体の粒径Dを、複数の前記二値化画像データを基にした単純移動平均によって算出する請求項5又は6に記載の粉粒体質量検査方法。
  8. 前記二値化処理工程は、撮像された画像データの明るさムラを低減する濃淡補正フィルタ処理をした後に前記二値化処理を行う請求項5ないし7のいずれか一項に記載の粉粒体質量検査方法。
  9. 粉粒体を散布対象物に散布することで、該粉粒体を含む物品を製造する、粉粒体含有物品の製造装置であって、
    前記散布対象物に向けて粉粒体を散布する粉粒体散布部と、
    前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像し画像データとして保存する撮像処理部と、
    前記撮像処理部で撮像される撮像領域を照らす照明部と、
    前記撮像処理部が保存する前記画像データにおける、粉粒体が映り込まない領域の濃度を検出し、照明の異常を判定する濃度判定処理部と、
    前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成し、前記撮像処理部に保存させる二値化処理部と、
    検査初期段階において、前記撮像処理部で所定時間に蓄積された前記二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、粉粒体の落下軌道の下方に位置する質量測定部によって前記所定時間に測定された粉粒体の質量とに基づいて、画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線を作成する基準検量線作成部と、
    前記所定時間に蓄積される検査初期段階の前記二値化画像データから、検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasを作成し、記憶する基準粒径作成・記憶領域部と、
    前記基準検量線と検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、検査対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、検査対象となる粉粒体の粒径Dと検査初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する補正検量線作成部と、
    前記基準検量線及び前記補正検量線を記憶する検量線記憶領域部と、
    前記補正検量線の存在下で、撮像され二値化処理された検査対象となる粉粒体の各二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、検査対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算部と、
    前記質量演算部における演算結果に基づいて、所定時間に自由落下する、検査対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理部と、
    前記質量判定処理部が粉粒体の質量異常と判定した場合に、質量異常に対応する散布対
    象物を特定し、製造ラインから前記質量異常に対応する散布対象物を排出する不良品排出処理部と、
    を有する粉粒体含有物品の製造装置。
  10. 前記撮像処理部は、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、粉粒体の落下方向に沿う前記撮像領域を設定する請求項9に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
  11. 前記補正検量線作成部は、検査対象となる粉粒体の粒径Dを、複数の前記二値化画像データを基にした単純移動平均によって算出する請求項9又は10に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
  12. 前記二値化処理部は、撮像された画像データの明るさムラを低減する濃淡補正フィルタ処理をした後に前記二値化処理を行う請求項9ないし11のいずれか一項に記載の粉粒体含有物品の製造装置。
  13. 粉粒体を散布対象物に散布することで、該粉粒体を含む物品を製造する、粉粒体含有物品の製造方法であって、
    前記散布対象物に向けて粉粒体を散布する粉粒体散布工程と、
    照明部により照らされ、前記散布対象物へ向けて自由落下する粉粒体を撮像する撮像処理工程と、
    前記撮像処理工程で撮像された画像データにおける、前記粉粒体が映り込まない撮像領域の濃度を検出し、前記照明部の照明の異常を判定する濃度判定処理工程と、
    前記画像データを所定の閾値に基づいて二値化処理して二値化画像データを生成する二値化処理工程と、
    初期段階に生成された二値化画像データから得られる粉粒体の画素と、初期段階に質量測定部によって測定された粉粒体の質量と、により作成される画素と質量との対応関係を一次関数で示す基準検量線、及び初期段階において前記二値化画像データから算出される初期段階の粉粒体の粒径Dbasの存在下で、対象となる粉粒体の粒径Dを算出し、対象となる粉粒体の粒径Dと初期段階の粉粒体の粒径Dbasとの比であるD/Dbasの値に基づき、前記基準検量線の傾きを補正した補正検量線を作成する基準検量線補正処理工程と、
    前記補正検量線の存在下で、前記二値化処理工程で二値化処理された対象となる粉粒体の前記二値化画像データの画素から、前記補正検量線に基づいて、対象となる粉粒体の質量を算出する質量演算処理工程と、
    前記質量演算処理工程で演算された質量に基づいて、所定時間に自由落下する、対象となる粉粒体の総質量に対する判定を下す質量判定処理工程と、
    粉粒体の質量異常と判定した場合に、質量異常に対応する散布対象物を特定し、製造ラインから前記質量異常に対応する散布対象物を排出する不良品排出処理工程と、
    を有する粉粒体含有物品の製造方法。
  14. 前記撮像処理工程は、個数基準で大粒径側から95%以上の粒子が計測されるように、粉粒体の落下方向に沿う前記撮像領域を設定する請求項13に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
  15. 前記基準検量線補正処理工程は、粉粒体の粒径Dを、複数の前記二値化画像データを基にした単純移動平均によって算出する請求項13又は14に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
  16. 前記二値化処理工程は、撮像された画像データの明るさムラを低減する濃淡補正フィル
    タ処理をした後に前記二値化処理を行う請求項13ないし15のいずれか一項に記載の粉粒体含有物品の製造方法。
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