JP6618909B2

JP6618909B2 - 継手

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Publication number: JP6618909B2
Application number: JP2016539071A
Authority: JP
Inventors: パーカー、シモン
Original assignee: Punk Couplings Ltd
Current assignee: Punk Couplings Ltd
Priority date: 2013-12-13
Filing date: 2014-12-12
Publication date: 2019-12-11
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Description

本発明は、継手に関する。

機械式継手は、周知である。例には、角度不整合のシャフトを結合する継手、ユニバーサル・ジョイント、等速ジョイント、駆動シャフトを被駆動シャフトに結合する継手、例えばサスペンション・システムの構造要素にトルク・シャフトを連結する継手を含む。

本発明は、継手を提供することを目的とする。

本発明によれば、継手は、内側部材及び外側環状部材を有し、
・内側部材及び外側部材の一方又は両方を含んでも含まなくてもよい一対又は複数対の部材を備え、各対は、共通軸を有する第１の部材及び第２の環状部材であり、共通の第１の中心を軸上に有し、
・第１の部材は、外側凸状球形周辺部を有し、
・第２の環状部材は、第１の環状部材の外側凸状周辺部が中に受け入れられる内側球形凹状周辺部を有し、
・外側凸状周辺部及び内側凹状周辺部は、第１の中心を中心として同心で、互いに補完形であり、互いに一緒に作用して、外側凸状周辺部と内側凹状周辺部との間のねじり軸に沿って作用する軸方向荷重を伝達し、
・直径方向に対向する一対の心棒は、第１の部材及び第２の部材を結合する対の部材の共通中心の径方向に配設され、互いに対するねじり荷重を伝達し、第１の環状部材及び第２の環状部材は、心棒（複数可）によって、心棒（複数可）周りで互いに対し強制的に回転可能にされる。

最も実用的な用途として、外側部材以外の前記部材は、共通中心を含む球形区分を備える。球形区分は、一対の平行平面の間の球形の一部である。しかし、いくつかの状況では、平面が平行ではないが交差しない球形区分、又は頂点が共通軸上にある円錐によって切断される球形区分を使用する状況を考慮することが可能であるが、そのような代替形態は、製造、組立て及び使用の両方で欠点を有すると思われ、利用可能性が低いと思われる。

内側部材及び外側環状部材は、少なくとも１つの心棒によって結合された一対の部材を備えることができるか、又は内側部材と外側部材との間に配設された１つ若しくは複数の中間部材があってもよく、各対の隣接する部材は、心棒によって一緒に結合された一対の部材を備える。

心棒（複数可）は、トルクを支持し、第１の部材及び第２の部材の球形面は、軸方向及び径方向の荷重を支持する。あらゆる軸方向荷重の大部分は、球形面によって支持される。心棒（複数可）は、軸方向荷重の一部も支持することができる。したがって、径方向荷重及び軸方向荷重は、ねじり荷重から分離される。一実施形態では、心棒（複数可）は、結合された部材間の径方向荷重を伝達しないように構成され、そのため、径方向荷重は、心棒によって支持されない。したがって、径方向荷重は、球形面によってほとんど又は全面的に支持される。

本発明の他の特徴は、特許請求の範囲に示されており、以下の例に限定されない。

記載する本発明の様々な実施形態による継手は、少なくとも１つの回転自由度で結合しなければならない、あらゆる２つの構造要素を結合するために使用することができる。いくつかの例は、要素を固定構造体に結合する「構造体の静的継手」として有用である。他の例は、２つの回転要素を結合する、回転に「順応性がある継手」として有用である。本発明による継手は、例えば、角度不整合のシャフトを結合するために使用することができるか、又はユニバーサル・ジョイント、等速ジョイント、駆動シャフトを被駆動シャフトに結合する継手、及び操舵されるハブをサスペンション・システムのサスペンション・アーム等の固定構造要素に連結する継手として使用できる。

添付の図面を参照しながら本発明のいくつかの例を以下で説明する。

本発明の実施形態による継手の基準動作枠の図である。本発明による継手の一例であり、継手要素が整合しない軸方向図である。本発明による継手の一例であり、軸Ａ３に沿った図２Ａの断面図である。本発明による継手の一例であり、軸Ａ２に沿った図２Ａの断面図である。図２による継手の一例を含むハブ・センター・ステアリング機構である、等角図である。図２による継手の一例を含むハブ・センター・ステアリング機構である、断面図である。本発明による継手の別の例であり、図１の軸Ａ１に沿った軸方向図である。本発明による継手の別の例であり、図４Ａの平面Ａ−Ａに沿った断面図である。本発明による継手の別の例であり、図４Ａの平面Ｂ−Ｂに沿った断面図である。本発明による継手の別の例であり、不整合の継手要素を示す軸方向図である。本発明による継手の別の例であり、図４Ａの継手の軸方向断面図である。本発明による継手の別の例であり、図４Ｄの平面Ａ−Ａに沿った断面図である。一緒に連結された図４の一対の継手の断面図である。一緒に連結された図４の一対の継手の断面図である。本発明による継手の更なる例であり、図１の軸Ａ１に沿った軸方向図である。本発明による継手の更なる例であり、図６Ａの平面Ａ−Ａに沿った断面図である。本発明による継手の更なる例であり、図６Ａの平面Ｂ−Ｂ上の断面図である。本発明による継手の更なる例である、側面図である。本発明による継手の更なる例であり、図６Ｄの平面Ｃ−Ｃに沿った断面図である。本発明による継手の更なる例であり、図６Ｄの平面Ｄ−Ｄに沿った継手の側部断面図である。本発明による継手の１つの典型を示す部材上の軸受けである、継手の等角図である。本発明による継手の１つの典型を示す部材上の軸受けである、軸方向断面図である。本発明による継手の１つの典型を示す部材上の軸受けである、分解図である。本発明による継手要素の相対的な回転を制限する手段の図である。本発明による継手に適用することができる一修正形態の断面図である。軸受け内の本発明による典型を示す継手の断面図である。前述の例に記載した継手の組立て方を示す図である。前述の例に記載した継手の組立て方を示す図である。

図１に示す基準枠との関係で、図面における本発明の例を説明する。

基準枠は、軸方向を画定する第１の軸Ａ１を有する。第２の軸Ａ２は、第１の軸Ａ１に直交する。第１の軸と第２の軸との交点は、継手の同心部材の同心球状面の中心点Ｃである。第１の軸及び第２の軸並びに中心点は、第１の平面Ｐ１内にあり、第１の軸及び中心点は、第１の平面に直交する第２の平面Ｐ２内にある。中心点Ｃを通る第３の平面Ｐ３は、他の平面に直交する。軸Ａ１及び軸Ａ２に直交して画定される第３の軸Ａ３は、第３の平面内にあり、中心点Ｃを通る。

第１の軸Ａ１は、例えば駆動シャフト又は被駆動シャフトが継手に連結される、ねじり軸であり、第２の軸Ａ２及び第３の軸Ａ３は、継手部材の相対回転軸である。

更なる例では、継手は、中心点Ｃを中心とするいくつかの部材、及び更なる中心点Ｃ２を中心とする他の部材を有し、この更なる中心点Ｃ２は、部材が整合する場合に第１の軸Ａ１に沿ってＣからずれる。Ｃ２のＣからのずれは、わずかなものであってもよく、例えば１ミリメートルの何分の１かである。軸Ａ２及びＡ３のそれぞれに対して平行な更なる軸Ａ２１及びＡ３１は、中心点Ｃ２を通る。

図２では、継手は、第１の軸Ａ１の周囲に内側環状部材２０１を備える。内側部材２０１は、中心点Ｃを中心とする球形区分を備え、第１の軸上に中心点Ｃを中心とする凸状球形の外側周辺部面Ｓ１を有する。内側部材２０１は、中心円筒開口４０を有し、中心円筒開口４０は、本例では、対応するスプライン・シャフトを係合するスプライン４２を有する。

外側環状部材２０２は、内側周辺部面Ｓ２１を有し、内側周辺部面Ｓ２の凸状球形は、第１の部材２０１の外側面Ｓ１と相補形である。凹状球形面Ｓ２１は、内側リングの球形面と同じ軸上の中心点Ｃを中心とする。本例では、外側リングの内側球形面Ｓ２１及び内側部材２０１の外側球形面Ｓ１は、連続する平滑な支承面である。

内側環状部材２０１及び外側環状部材２０２は、直径方向に対向する一対の心棒Ｘ１及びＸ１１を備える心棒構成によって結合され、心棒Ｘ１及びＸ１１は、中心点Ｃを通る共通軸、この場合は軸Ａ３上にある。対の心棒は、軸Ａ３周りで、内側リング及び外側リングを互いに対し強制的に回転可能にする。

心棒Ｘ１及びＸ１１のそれぞれは、心棒シャフトＸＳを備え、心棒シャフトＸＳは、外側環状部材２０２の孔Ｂ２に固定され、外側環状部材２０２の中で自由に回転する内側部材２０１の孔Ｂ１内に延在する。シャフトは、シャフトが内側リングと外側リングとの間の径方向荷重を伝達しないように構成される。このことは、心棒の端部と径方向に隣接する球形面との間に径方向間隙を設けること、及びシャフトＸＳと内側部材２０１との間に孔Ｂ１における径方向の多少の自由移動を与えることによって行われる。これらの構成により、心棒は径方向及び軸方向両方の荷重から隔離される。

シャフトは、締り嵌めによって外側環状部材２０２内に固定されるか、又は別の方法で、例えば常温圧接によって固定することができる。

心棒は、他の形態を取ることもできる。シャフトＸＳは、外側部材２０２の外側面のくぼみ内に、外側面の上に突出しないような頭部を有することができ、外側部材の孔Ｂ２内にねじ入れ係合することによって、外側部材２０２内に固定することができる。

心棒は、内側部材２０１を軸方向で外側部材２０２内に保持する。更に、内側部材及び外側部材の球形面は、一緒に作用して、内側部材を軸方向で外側部材内に保持する。

隣接する凸状球形面及び凹状球形面の中心点Ｃは、内側部材２０１の軸方向対向面Ｆ１とＦ３との間、及び外側部材２０２の面Ｆ２とＦ４との間にある。この結果、軸方向対向面Ｆ１とＦ３との間の中間にある内側凸状球形面の周辺部は、外側部材２０２の軸方向対向面Ｆ２及びＦ４の、外側部材２０２の凹状面の周辺部よりも大きな半径にある。したがって、内側部材２０１は、内側環状部材２０１の回転動作範囲にわたり、第２の軸及び／又は第１の軸周りで、外側環状部材２０２内に軸方向で保持される。

図２に示す例では、内側部材２０１は、その中心円筒孔内に、シャフトを係合するスプラインを有する。スプライン（図示せず）は、追加又は代替として、最外部材（この場合外側環状部材２０２）の外側周辺部上に設け、別のシャフトを係合することができる。継手は、シャフト（複数可）に対して摺動可能にしてもよく、軸方向の自由度をもたらす。

第１の環状部材及び第２の環状部材のそれぞれは、第１の軸Ａ１と第２の軸Ａ２との交点で、中心点Ｃを中心とする球形区分である。

図２では、図示のように、継手に対する荷重を共有する２つの直径方向に対向する心棒Ｘ１及びＸ１１がある。心棒は、継手が軽荷重下で動作するように設計されている場合、省くことができる。

図２の例は、図３に示すハブ・センター・ステアリング等の静的な用途を有する。

図３では、操舵される車輪ハブ６２は、本例ではサスペンション・アームである支持部材６４によって支持される。図２を参照して説明する継手Ｅ１は、操舵される車輪ハブ６２にサスペンション・アーム６４を結合する。アーム６４は、例えばスプラインによって、継手Ｅ１の内側リング２０１の中心孔４０内に係合される。心棒（複数可）Ｘ１、Ｘ１１（Ｘ１のみ図示される）は、内側環状部材２０１及びアーム６４に対する、外側環状部材２０２の一方の軸（操舵軸）周りの回転を可能にする。外側環状部材２０２は、軸受け６３上で自由に回転する車輪６２を支持する。操舵アーム６０は、外側環状部材２０２を内側リング及びアーム６４に対して回転させるために、外側環状部材２０２に固定される。

本例では、心棒（複数可）Ｘ１、Ｘ１１は、相対回転を可能にする支持をもたらすが、車輪ハブ６２を駆動するものではない。

第１の軸を中心とする内側環状部材４０１を備える継手の更なる例を図４に示し、内側環状部材４０１は、軸Ａ１上の点Ｃを中心として凸状球形である外側球形面Ｓ１を有する。内側環状部材４０１は、中心円筒孔４０を有し、中心円筒孔４０は、対応するスプライン・シャフトを係合するスプラインを有する。

中間環状部材４０２は、内側周辺部面Ｓ２１を有し、内側周辺部面Ｓ２１の凹状球形は、内側部材４０２の外側面Ｓ１と相補形である。本例では、第２の部材の内側球形面Ｓ２１及び内側部材４０１の外側球形面Ｓ１は、連続する平滑な支承面である。

直径方向に対向する第１の対の心棒Ｘ１及びＸ１１は、第３の軸Ａ３上で第１の軸Ａ１の径方向に延在し、内側部材４０１を中間部材４０２に結合する。第１の心棒及び第２の心棒は、第３の軸Ａ３周りで、内側部材及び中間部材を互いに対し強制的に回転させる。中間部材４０２は、凸状球形である外側周辺部Ｓ２２を有する。外側環状部材４０３は、内側周辺部面Ｓ３１を有し、内側周辺部面Ｓ３１の凹状球形は、中間部材４０２の外側面Ｓ２２と相補形である。本例では、外側部材４０３の内側球形面Ｓ３１及び中間部材４０２の外側球形面Ｓ２２は、連続する平滑な支承面である。

直径方向に対向する第２の対の心棒Ｘ２及びＸ２１は、第３の軸Ａ３に直交する第２の軸Ａ２に沿って第１の軸Ａ１の径方向に延在し、中間部材４０２を外側部材４０３に結合する。心棒Ｘ２及びＸ２１は、中心点Ｃを通り第１の軸Ａ１及び第３の軸Ａ３に直交する第２の回転軸Ａ２（図１を参照）周りで、中間部材４０２及び外側部材４０３を互いに対し強制的に回転可能にする。第２の対の心棒は、内側部材４０１及び中間部材４０２を備える対の部材とは無関係に、中間部材４０２及び外側部材４０３を備える対の部材の相対回転を可能にする。

図２を参照して説明したのと同様に、球形面Ｓ１、Ｓ２１、Ｓ２２及びＳ３１は、軸Ａ１の径方向に作用する荷重及び軸Ａ１の方向で作用する荷重を支持する。心棒は、内側部材４０１と中間部材４０２と外側部材４０３との間のトルクを伝達する。

図２の内側部材２０１が外側部材２０２内に保持されるのと同様に、内側部材４０１は中間部材４０２内に保持され、中間部材４０２は外側部材４０３内に保持される。

第１のシャフト又は他の構造要素は、第１の環状部材４０１の中心孔に係合でき、第２のシャフト又は他の構成要素は、外側部材４０３と係合できる。この目的では、外側部材４０３は、フランジ（図示せず）に固定されるか若しくはそれと一体化することができ、又は他の手段、例えば構造要素に結合するための外部スプラインを備えることができる。

図４の継手の１つの使用法は、ユニバーサル・ジョイントとしてである。この継手は、中間部材４０２及び外側部材４０３が第３の軸Ａ３及び第２の軸Ａ２それぞれの周りに相対的に回転することによって、角度不整合のシャフトを可能にする。

内側部材４０１及び中間部材４０２の両方は、中心点Ｃを中心とする球形区分を備える。

図５Ａ及び図５Ｂでは、図４に示す種類の２つの継手を備える継手構成を示す。

図５Ａでは、図４の２つの継手Ｅ２は、連結構造体６６によって一緒に連結される。構造体は、２つの継手を厳密に連結する。連結構造体６６は、外側部材４０３を結合する管である。別の例では、一方の継手の外側部材４０３は、管ではなく、例えば図５Ｂに示すように、連結構造体６７によってもう一方の継手の第１の部材４０１に連結される。

図５Ａの継手構成は、個々の継手Ｅ２の一方の対の心棒が、対応するもう一方の対の心棒に直交しない場合、二重カルダン・ジョイントの近似形態である。

図４の継手Ｅ２を使用せず、図２の継手を使用する場合、２つの継手の心棒が同じ向きにあれば、継手構成は、クランク・ハンドルである。他の例では、一方の継手の心棒（複数可）は、もう一方の継手の突起（複数可）に直交する。

継手の一方は、管６６内で軸方向に自由に移動することができる。

図６の継手は、内側環状部材６０１、第１の中間環状部材６０２、第２の中間環状部材６０３、第３の中間環状部材６０４及び外側環状部材６０５を備える。

第３の中間部材６０４及び外側部材６０５は、部材が整合する場合に（図６Ｄを参照）、内側部材６０１及び第１の中間部材６０２に対して軸Ａ１に沿ってずらすべきであることがわかっている。ずれはわずかなものでよい。このことは、第２の中間部材６０３の外側球形面Ｓ３２を、第２の中間部材６０３の内側球形面Ｓ３１から軸方向にずらすことによって達成することができる。したがって、図１の枠基準を用いると、内側部材６０１及び第１の中間部材６０２は、中心点Ｃを中心とし、第２の中間部材６０３及び第３の中間部材６０４は、点Ｃ２を中心とする。

第１の環状部材６０１は、第１の軸Ａ１上の中心点Ｃを中心とする凸状球形の外側周辺部面Ｓ１を有する。第１の環状部材６０１は、中心円筒孔４０を有し、中心円筒孔４０は、本例では、対応するスプライン・シャフトを係合するスプライン４２を有する。

第１の中間環状部材６０２は、内側周辺部面Ｓ２１を有し、内側周辺部面Ｓ２１の凹状球形は、内側部材６０１の外側面Ｓ１と相補形である。表面Ｓ１及びＳ２１は、連続する平滑な支承面である。

直径方向に対向する第１の対の心棒Ｘ１及びＸ１１は、第３の軸Ａ３に沿って第１の軸Ａ１の径方向に延在し、内側部材６０１と第１の中間部材６０２とを結合する。第１の対の心棒は、第１の軸Ａ１を通り第１の軸に直交する第３の回転軸Ａ３周りで、内側部材６０１及び第１の中間部材６０２を備える対の部材を互いに対し強制的に回転可能にする。

第１の中間部材６０２は、凸状球形である外側周辺部Ｓ２２を有する。第２の中間環状部材６０３は、内側周辺部面Ｓ３１を有し、内側周辺部面Ｓ３１の凹状球形は、第１の中間環状部材６０２の外側面Ｓ２２と相補形である。本例では、第２の中間部材６０３の内側球形面Ｓ３１及び第１の中間環状部材６０２の外側球形面Ｓ２２は、連続する平滑な支承面である。

直径方向に対向する第２の対の心棒Ｘ２及びＸ２１は、第２の軸Ａ２に沿って第１の軸Ａ１の径方向に延在し、第１の中間部材６０２及び第２の中間部材６０３を備える対の部材を結合する。第２の対の心棒は、中心点Ｃを通り第１の軸Ａ１及び第３の軸Ａ３に直交する第２の回転軸Ａ２周りで、第１の中間部材６０２及び第２の中間部材６０３を互いに対し強制的に回転可能にする。第２の対の心棒は、対の部材６０１と６０２とは無関係に、対の部材６０２と６０３の相対回転を可能にする。

第２の中間部材６０３は、凸状球形である外側周辺部Ｓ３２を有する。第３の中間環状部材６０４は、内側周辺部面Ｓ４１を有し、内側周辺部面Ｓ３１の凹状球形は、第２の中間部材６０３の外側面Ｓ３２と相補形である。本例では、第３の中間環状部材６０４の内側球形面Ｓ４１及び第２の中間環状部材６０３の外側球形面Ｓ３２は、連続する平滑な支承面である。

直径方向に対向する第３の対の心棒Ｘ３及びＸ３１は、第２の軸Ａ２に沿って第１の軸Ａ１の径方向に延在し、第２の中間部材６０３及び第３の中間部材６０４を備える対の部材を結合する。第３の対の心棒は、中心点Ｃ２を通り軸Ａ２に平行な回転軸Ａ２１周りで、部材６０３及び部材６０４を互いに対し強制的に回転可能にする。したがって、第３の対の心棒は、軸Ａ２１周りで、対の部材６０３と６０４を互いに対し強制的に回転可能にする。第３の対の心棒により、第１の中間部材及び第２の中間部材とは無関係に、第２の中間部材及び第３の中間部材の相対回転を可能にする。

第３の中間部材６０４は、凸状球形である外側周辺部Ｓ４２を有する。

外側環状部材６０５は、内側周辺部面Ｓ５１を有し、内側周辺部面Ｓ５１の凹状球形は、第３の中間部材６０４の外側面Ｓ４２と相補形である。本例では、外側部材６０５の内側球形面Ｓ５１及び第３の中間環状部材６０４の外側球形面Ｓ４２は、連続する平滑な支承面である。

直径方向に対向する第４の対の心棒Ｘ４、Ｘ４１は、軸Ａ３に平行であるが中心点Ｃ２を通る回転軸Ａ３１に沿って延在する。第４の対の心棒は、軸Ａ３１周りで且つ軸Ａ２１に直交して、部材６０４及び６０５を互いに対し強制的に回転可能にする。したがって、第４の対の心棒は、軸Ａ３１周りで、部材６０４及び６０５を互いに対し強制的に回転可能にする。第４の対の心棒は、対の部材６０３と６０４とは無関係に、対の部材６０４と６０５の相対回転を可能にする。

部材は、図２を参照して上記で説明したのと同じように継手内に保持される。

心棒Ｘ１からＸ４１は、図２の心棒Ｘ１及びＸ１１と同一である。

図６Ａから図６Ｆでは、内側部材６０１及び第１の中間部材６０２は、中心点Ｃを中心とする球形区分を備え、第２の中間部材６０３及び第３の中間部材６０４も、球形区分を備えるが、中心点Ｃ２を中心とする。しかし、第２の中間部材６０３の中心開口は、中心点Ｃを中心とする球形区分であり、第１の中間部材６０２は、この開口内に受け入れられる。

図６の継手の１つの例示的使用法は、二重カルダン・ジョイントとしてである。

図２から図６の例では、球形面は全て、連続する平滑な支承面である。転動体軸受けを隣接する球形面の間に設けてもよい。図７では、１つ又は複数のケージ１０１内に保持される玉軸受け１００を継手部材の表面に設けることができる。図７の例では、ボールは、内側部材７０１及び外側部材７０２の心棒Ｘ１及びＸ１１とすることができる心棒Ｘの間で、半分球形部品である２つのボール・バスケット内に保持される。したがって、球形面は、径方向及び軸方向荷重を支持する転動体を有する。径方向荷重の軌道は、加えられるトルク荷重とは無関係である。この手法は、ねじり及び径方向荷重の両方を支持するために溝内でボールを使用することよりも効率的である。図示のように、図７は、２つの部材の継手であるが、図７の原理は、図４又は図６に示す１つ又は複数の中間部材を有する軸受けに拡大することができる。

代替として又は更に、転動体軸受け１０２を心棒上に組み付け、摩擦を低減することもできる。

内側部材７０１は、中心点Ｃを中心とする球形区分を備える。図７では、心棒Ｘ１及びＸ１１は、外側部材７０２に嵌め込まれた頭部Ｈ及び外側部材７０２の孔内でねじを係合するねじ山を有する。

例では、隣接する部材の球形面は、協働して径方向及び軸方向の荷重を支持する。継手が所望の軸方向及び径方向荷重を支持できることを保証するために、球形面は、十分に重なっている必要がある。したがって、本発明の実施形態では、隣接する部材の相対回転を制限する手段を設けることができる。そのような制限手段は、関連する外側リング内に各内側リングを保持することも支援する。そのような制限手段の例には、継手内の停止部を含む。例えば図８に示すように、一例では、固定ピンＮは、外側部材２から内側部材１の溝穴Ｌ内に突出する。あらゆる他の適切な相対回転を制限する手段を使用できることは了解されよう。いくつかの例では、継手は、相対回転を制限する支持構造体によって支持される。他の例では、継手によって結合された構造要素が相対回転を制限する。

図９に示すように、相対回転の動作範囲を増大させるために、隣接する部材１及び２又は２及び３の外側部材２又は３は、内側部材１又は２よりも軸方向に大きくすることができる。図９は、図４と同様の３つの環状部材１、２及び３を示す。この図９の原理は、本発明の例の対の環状部材のいずれかに適用できる。

図１０を参照すると、図２、図４及び図６の例のいずれかは、軸受け１１０内に固定することができ、軸受け１１０は、固定構造体１１２、例えば隔壁、床又は壁に固定することができる。このことにより、固定構造体１１２の各側を少なくとも２つの回転自由度で結合させなければならない、あらゆる２つの構造要素に対して継手が結合可能になる。例えば、固定構造体は、車両の隔壁とすることができ、継手は、車両のステアリング機構の区分を結合する。

軸受け１１０は、図１０の継手Ｅの固定構造体１１２内での回転を可能にする。

図１１Ａ及び図１１Ｂは、継手の組立てを示す。継手は、一対の環状部材１と２を備え、外側部材２は、内側部材１の外側にある。部材２は、２つの直径方向に対向する荷重溝穴Ｌ１及びＬ２を有する。荷重溝穴は、外側部材２の幅部にわたる途中まで延在する（荷重溝穴は図７Ｃにもみられる）。溝穴は、溝穴の直径方向に対向する床６が内側部材１の（図７のようにケージ１０１が設けられる場合、このケージ１０１を含めた）外側面Ｓ１の直径だけ離間するように寸法決定される。各溝穴の幅は、内側部材の幅と等しいか又はそれよりもわずかに大きい。内側部材１は、図１１Ａに示すように溝穴に横向きに導入し、次に外側部材２と同じ平面内に回転させる。一対の部材１と２の心棒の孔（複数可）は、組立て工程の適切な段階で整合される。

このオプションは、各部材を１つの中実材料から機械加工することを可能にし、半部同士を一緒に接合することによる破損の危険性を最小にする。記載する方法は、本明細書に記載する全ての支承面が連続することを可能にする、即ち、２つの半部を一緒にボルト締め又は溶接して組み立てた部材の接合場所に接合部（したがって脆弱な領域）が一切ないようにする。

図１１では、対の部材１と２は、それぞれ、図２の対の部材２０１と２０２、図４の４０１と４０２、４０２と４０３、図６の６０１と６０２、６０２と６０３、６０３と６０４、６０４と６０５、図７の７０１と７０２の各部材の典型を示す。

上記例では、平坦な支承面に関して、対合する凸状球形面と凹状球形面は、正確に一致すべきである。これには、適切で正確な継手の製造を必要とする。

内張り材料は、球形支承面の間に注入することができる。凸状球形面は、正確に機械加工することができる。凹状球形面は、大まかに機械加工して、伽藍天井形としても公知である湾曲面にも区分的線形近似する粗面を形成することができ、内張り材料を、正確に機械加工した凸状面と大まかな凹状面との間に注入して、正確に一致する凹状球形面を形成する。凸状球形面は、内張り材料を継手内に注入する前に、離型剤で被覆される。

内張り材料はプラスチックでもよい。プラスチックのいくつかの組成は、供給業者が商品の組成について慎重に扱うことが多いため、公知ではない。しかし、Ｄｅｌｒｉｎ（登録商標）は、使用できる１つの公知の製品であり、又はＰＴＦＥベースの材料を使用することができる。

上記で示したものに対する代替実施形態では、シャフト等の構造要素は、継手の内側部材に固定されるか又はそれと一体化される。代替実施形態では、シャフト等の構成要素は、継手の外側部材に固定するか又はそれと一体化される。構造要素は、継手の内側部材及び外側部材の両方に固定するか又はそれらと一体化される。

上記の例は、継手の内側リング又は最外周辺部面にスプラインを有し、結合すべき構造要素に継手を連結することができる。

代替的に、構造要素に継手を連結する任意の他の適切な手段を使用することができる。例えば、外側周辺部は、ねじ山を有し、対応するねじ付き構造要素に外側周辺部を連結することができる。同様に、内側部材は、中心孔を有することができ、この中心孔は、シャフトを係合するため、ねじ山が付けられるか又はくさびが用いられる。内側部材は、他の構造要素に連結するためにねじ山が付けられたシャフトと一体化することができる。継手の外側部材は、あらゆる適切な手段によって構造要素に連結することができる。

上述の継手は、あらゆる適切な材料から作製することができる。平坦な支承面を有する例は、金属、例えば高性能鋼、真鍮、青銅、アルミニウム、チタン等から作製できるか、又はプラスチック、例えばナイロン、ガラス充填ナイロン、アセタール、ＡＢＳ、Ｄｅｌｒｉｎ（登録商標）から作製することができる。

図４の継手の内側環状部材４０１及び外側環状部材４０３は、それぞれのシャフト又は他の構成要素に連結でき、そのため、中間部材６０２が他の２つの部材に対して自由に移動する唯一の部品であることに留意されたい。このことにより、設計者が、移動する中間リングとして真鍮又は青銅を選択し、内側部材及び外側部材として鉄鋼を選択することにつながる可能性がある。同じ理念は継手の他の例にも適用することができる。

金属環状部材リングは、従来の潤滑剤、例えばグリースによって潤滑することができる。代替的に、上述したプラスチック内張り等、潤滑剤を用いない表面を設けることができる。材料及び潤滑剤の選択は、継手の意図する使用によって異なる。

全ての例における内側部材は、シャフトを受け入れる中心開口を有する環状球形部材を備える。しかし、内側部材は、中心開口を有さなくてもよいが、例えば、シャフト上でフランジにボルト締めすることができる。

図示の例では、最大限小型にするために、一対の部材の各部材は、区分が整合する場合に共通平面で平行な側部を有する球形区分を備える。具体的には、
・図２の構成では、一対の部材の各部材は、整合する場合に共通平面で平行な側部を有する球形区分を備える。
・図４の構成では、各部材は、整合する場合に共通平面で平行な側部を有する球形区分を備える。
・図６の構成では、第１の対の部材（６０１、６０２）はそれぞれ、整合する場合に共通平面で平行な側部を有する球形区分を備え、第３の対の部材（６０３、６０４）及び第４の対の部材（６０４、６０５）はそれぞれ、整合する場合に共通平面で平行な側部を有する球形区分を備える。とはいえ、このことは、第２の対の部材（６０２、６０３）には適用されない。

Claims

内側環状部材、中間環状部材、及び外側環状部材を備える継手であって、
前記内側環状部材、中間環状部材、及び外側環状部材は、各部材が整合する場合に共通軸を有し、
前記内側環状部材は、第１外側凸状球形周辺部を有し、
前記中間環状部材は、前記内側環状部材の前記第１外側凸状球形周辺部を中に受け入れると共に前記内側環状部材を内部に保持する第１内側球形凹状周辺部を有し
前記中間環状部材は、第２外側凸状球形周辺部を有し、
前記外側環状部材は、前記中間環状部材の前記第２外側凸状球形周辺部を中に受け入れると共に前記中間環状部材を内部に保持する第２内側球形凹状周辺部を有し
前記第1外側凸状球形周辺部と、前記第１内側球形凹状周辺部は、前記共通軸の共通中心に関して同心であって、
前記第２外側凸状球形周辺部と、前記第２内側球形凹状周辺部は、前記共通軸の前記共通中心に関して同心であって、
前記内側環状部材、中間環状部材、及び外側環状部材は、互いに一緒に作用して前記共通軸に沿って作用する軸方向荷重を伝達し、
前記共通軸の半径方向に配置された前記共通軸と直交する第１軸上において、１つ又は直径方向に対向する一対の第１心棒を有して、前記内側環状部材に関する前記中間環状部材の回転を前記第１軸の周りに拘束し、
前記共通軸の半径方向に配置された前記共通軸及び前記第１軸と直交する第２軸上において、１つ又は直径方向に対向する一対の第２心棒を有して、前記中間環状部材に関する前記外側環状部材の回転を前記第２軸の周りに拘束し、
前記内側環状部材及び中間環状部材は、中心が前記共通中心にある球形区分を備え、
前記中間環状部材は、直径方向に対向する一対の荷重溝穴を有し、前記荷重溝穴によって、前記内側環状部材は前記中間環状部材と係合し継手内に保持される継手であって、
２つの前記継手の組のうちの一方の継手が、連結構造体によって他方の継手と連結され、前記連結構造体は、前記各継手の前記外側環状部材を結合するか、又は一方の前記継手の前記外側環状部材を他方の前記継手の前記内側環状部材に結合する
ことを特徴とする継手。
前記中間環状部材の前記荷重溝穴は、前記第１軸と直交する向きである
請求項１に記載の継手。
前記中間環状部材の前記荷重溝穴は、前記第２軸と直交する向きである
請求項１又は２に記載の継手。