JP6618638B2 - シングルスクリュー圧縮機及びそれを備えた冷凍空調装置 - Google Patents

シングルスクリュー圧縮機及びそれを備えた冷凍空調装置 Download PDF

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Description

本発明は、シングルスクリュー圧縮機及びそれを備えた冷凍空調装置に関するものである。
シングルスクリュー圧縮機は、容積形圧縮機の一つの形式として知られており、例えば冷凍空調装置に内蔵された冷媒回路の構成部材として使用される。このシングルスクリュー圧縮機は、螺旋状の歯溝を有するスクリューと、スクリューの歯溝に嵌り合う複数のゲートローター歯部を有するゲートローターと、が外郭を形成するケーシングの内部に収納された構成である。このシングルスクリュー圧縮機には、スクリューの歯溝と、ゲートローターの歯部が相互に噛み合い係合されて圧縮室が形成されている。
シングルスクリュー圧縮機は、圧縮室内に液冷媒が吸い込まれると液圧縮が発生し、圧縮室の内圧が急上昇する。圧縮室は、気化冷媒に比べて密度が高い液冷媒が室内に吸い込まれると、ガス圧縮では到達できない圧力まで内圧が高くなる。シングルスクリュー圧縮機は、一般的に、ケーシングとスクリューが例えば鉄材等の金属材で構成され、ゲートローターが合成樹脂材で構成されており、スクリューとゲートローターとの金属接触を避ける構成としている。そのため、シングルスクリュー圧縮機は、材料強度が低い合成樹脂材のゲートローターが破壊されて圧縮動作が不能となり、運転が停止してしまう。
ここで、ゲートローターの破壊によるシングルスクリュー圧縮機の運転停止から復旧するための作業内容を簡単に説明する。まず、閉ループで構成された冷媒回路において、作業者は、シングルスクリュー圧縮機の高低圧側の止め弁を全閉にしてシングルスクリュー圧縮機を冷媒回路から遮断し、シングルスクリュー圧縮機内の冷媒を回収する。次に、作業者は、シングルスクリュー圧縮機内の冷凍機油を回収し、シングルスクリュー圧縮機を冷媒回路の配管系から取り外し、保守サービスを安全にかつ効率的にできる作業場へ搬送する。作業者は、作業場において、シングルスクリュー圧縮機を全分解し、ケーシング内のゲートローターの破断片を除去する作業を行う。作業者は、破断片を除去し、シングルスクリュー圧縮機を再び組み立てた後、冷媒回路に再び設置する。これら一連の復旧作業は、多大な時間を要し、さらにユーザも冷凍空調装置の使用ができず、加えて費用も必要となり、ユーザにとって大きな課題である。
そこで、例えば、特許文献1には、専用の検出器を用いて圧縮室の内圧を検出し、検出した圧力が予め設定した設定値を超過した場合に、液圧縮が発生したと判断し、吐出タイミングが早くなるようにスライドバルブの位置を制御して、圧縮室の内圧の上昇を抑制するスクリュー圧縮機が開示されている。
特開2010−255595号公報
特許文献1のスクリュー圧縮機では、専用の検出器が検出した検出値を用いて圧縮室の内圧を抑制するために、圧縮室の内圧のサンプリング周波数を高くしておく必要がある。それは、時々刻々と変化する圧縮室の内圧の検出値と、予め設定した設置値の大きさを比較し、検出値が設定値より大きい場合に液圧縮しているとの判断を行うため、サンプリング周波数が低いと液圧縮の判定が遅れ、圧縮室の内圧が上昇してゲートローターが破壊するためである。したがって、このスクリュー圧縮機は、圧縮室の内圧を検出する専用の検出器が必要であり、更に電気信号を出力できる圧力センサ又は電気信号を受信して判定する制御部が必要となり、コスト高になる。
また、特許文献1のスクリュー圧縮機は、検出値が設定値を超過して液圧縮の発生と判定した場合に、専用の制御装置でスライドバルブの位置を機械的に調整する構成である。つまり、このスクリュー圧縮機では、液圧縮が発生して圧縮室の内圧が上昇してから、スライドバルブを目標の位置に移動させるまでに時間を要するため、運転を長期停止後の寝込み起動等の急激な液圧縮の場合において、ゲートローターの破壊に至る前に圧縮室の内圧の上昇を抑制することが困難である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、液圧縮による圧縮室の内圧の上昇を抑制し、ゲートローターの破壊を防止できるシングルスクリュー圧縮機及びそれを備えた冷凍空調装置を提供することを目的とする。
本発明に係るシングルスクリュー圧縮機は、外郭を構成するケーシングと、外周面に螺旋状の歯溝を有するスクリューと、前記歯溝に嵌り合う複数のゲートローター歯部を有し、前記ケーシング及びスクリューと共に圧縮室を形成するゲートローターと、複数の前記ゲートローター歯部と対向して設けられた複数のゲートローターサポート歯部を有し、前記ゲートローターを支持するゲートローターサポートと、を備え、少なくとも1つの前記ゲートローター歯部に、ゲートローター孔が歯厚方向に貫通させて形成されており、前記ゲートローターサポート歯部には、一方が前記ゲートローター孔と連通し、他方が前記ケーシング内に設けられた低圧空間と連通するゲートローターサポート孔が、歯厚方向に貫通させて形成されており、前記ゲートローターサポート孔には、前記ゲートローターサポート孔に圧入されて嵌め込まれたピンが設けられており、前記圧縮室の内圧の高まりに応じて前記ゲートローターサポート孔から前記ピンが外れ、前記圧縮室と前記低圧空間とが連通される構成としたものである。
本発明に係るシングルスクリュー圧縮機及びそれを備えた冷凍空調装置は、圧縮室の内圧の高まりに応じてゲートローターサポート孔からピンが外れ、ゲートローター孔とゲートローターサポート孔を通じて、圧縮室と低圧空間とが連通される構成なので、液圧縮によって圧縮室の内圧が上昇しても圧縮室の内圧の上昇を抑制でき、ゲートローターの破壊を防止できる。
本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機を備えた冷凍空調装置の冷媒回路図である。 本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機の内部構造を示した断面図である。 図2に示したA−A線矢視の拡大断面図である。 本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローターを示した平面図である。 図4に示したB−B線矢視断面図である。 本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローター及びゲートローターサポートの断面図である。 本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機であって、ゲートローターサポート孔にピンを圧入した状態におけるゲートローター及びゲートローターサポートの断面図である。 本発明の実施の形態2に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローター及びゲートローターサポートの断面図である。 本発明の実施の形態3に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローター及びゲートローターサポートの断面図である。 本発明の実施の形態4に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローターを示した平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機を備えた冷凍空調装置の冷媒回路図である。実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機1は、図1に示す冷凍空調装置100に内蔵された冷媒回路200の構成部材として使用される。冷媒回路200は、図1に示すように、冷媒を圧縮して吐出するシングルスクリュー圧縮機1、冷媒を凝縮させる凝縮器20、液冷媒とガス冷媒とに分離する液溜め(図示省略)、冷媒を減圧させる膨張弁21、及び冷媒を蒸発させる蒸発器22等の構成部品を、順次冷媒配管で接続し、閉ループとした構成である。また、冷凍空調装置100は、図示しないインバータと、インバータと通信して、信号を受信又は発信できる制御部23と、を備えている。冷凍空調装置100は、冷媒回路200を流れる冷媒として、R410冷媒、R32冷媒又は二酸化炭素冷媒が使用されている。
図2は、本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機の内部構造を示した断面図である。図3は、図2に示したA−A線矢視の拡大断面図である。図4は、本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローターを示した平面図である。図5は、図4に示したB−B線矢視断面図である。図6は、本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローター及びゲートローターサポートの断面図である。図7は、本発明の実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機であって、ゲートローターサポート孔にピンを圧入した状態におけるゲートローター及びゲートローターサポートの断面図である。
実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機1では、単段シングルスクリュー圧縮機を例に説明するが、これに限るものではなく、二段シングルスクリュー圧縮機に適用してもよい。実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機1は、図2及び図3に示すように、外郭を構成する円筒形状のケーシング2と、ケーシング2の内部に設けられた圧縮部3及び駆動部4と、で構成されている。ケーシング2内には、冷媒回路200の蒸発器22から低圧のガス冷媒が流入されるとともに低圧ガスを圧縮部3へ案内する低圧空間13が区画形成されている。
圧縮部3は、図2及び図3に示すように、スクリュー5と、回転軸6と、一対のゲートローター7、7と、ゲートローターサポート8、8と、を備えている。スクリュー5は、円柱体の表面に複数の螺旋状の歯溝(スクリュー溝)を有している。回転軸6は、スクリュー5を軸支するものであって、一方の軸端部が軸受50により回転自在に支持され、他方の軸端部が駆動部4に連結されている。ゲートローター7は、図4に示すように、スクリュー5の歯溝に嵌り合う複数のゲートローター歯部7aが外周部に形成されており、図2及び図3に示すように、スクリュー5を径方向に挟むように配置されている。ゲートローターサポート8は、複数のゲートローター歯部7aと対向して設けられた複数のゲートローターサポート歯部8aを有し、ゲートローター7を支持するものである。
圧縮部3には、スクリュー5の歯溝と、ゲートローター7のゲートローター歯部7aが相互に噛み合い係合されて圧縮室9、9が形成されている。シングルスクリュー圧縮機1は、1本のスクリュー5に対し、2本のゲートローター7、7を180度対向させて配置した構成である。そのため、圧縮室9、9は、回転軸6の上側と、回転軸6の下側とで、180度対向して2つ形成されている。
ゲートローター7は、図4及び図5に示すように、11枚のゲートローター歯部7aを有する星形形状である。そのため、ゲートローターサポート8も、ゲートローター7と同じく11枚のゲートローターサポート歯部8aを有した星形形状である。ゲートローター7は、金属材料で構成されたスクリュー5との金属接触を避けるために、合成樹脂材で構成されている。ゲートローター7は、材料強度が金属材料に比べて低いため、金属材料で構成したゲートローターサポート8のゲートローターサポート歯部8aの上面に固定されて強度が補われている。勿論、ゲートローターサポート8は、ゲートローターサポート歯部8aとスクリュー5の歯溝とが干渉して金属接触しないように設けられている。なお、図3に示すように、ゲートローターサポート8は、軸部の両端が、軸受16、17で支持されている。
シングルスクリュー圧縮機1は、図2及び図3に示すように、冷媒の吐出タイミングを調整するために、内部の容積比を可変させる2つの可変弁11、11を圧縮室9、9に備えている。可変弁11は、図3に示すように、断面形状が三日月形の棒状であり、ケーシング2の一部を径方向に部分的に突出させた空間内に摺動自在に収容されている。各可変弁11は、端面にロッド12が固定されており、ロッド12の軸方向の移動動作によって、回転軸6と並行に移動自在に構成されている。圧縮室9、9の室内に吸い込んだ冷媒の吐出タイミングは、可変弁11が回転軸6と並行に移動することで調整することができる。つまり、可変弁11は、制御部23によって、エネルギー効率が高くなるように吐出タイミングを調整する目的で位置が制御される。
駆動部4は、電動機10によって構成されている。電動機10は、ケーシング2内に内接して固定され、径方向に隙間を有するステーター10aと、ステーター10aの内側に回転自在に配置されたモーターローター10bと、で構成されている。モーターローター10bは、回転軸6の軸端部に接続されており、スクリュー5と同一軸線上に配置されている。シングルスクリュー圧縮機1は、電動機10が駆動して回転軸6を回転させることで、スクリュー5を回転させる。なお、電動機10は、図示することは省略したインバータによって回転速度を可変に駆動されており、回転軸6の回転速度を加減速させて運転される。
次に、実施の形態1に係るシングルスクリュー圧縮機1の動作について説明する。シングルスクリュー圧縮機1は、インバータから電気が入力されて電動機10が起動する。シングルスクリュー圧縮機1は、電動機10が起動すると、冷媒が一対の圧縮室9内にほぼ同一の質量の冷媒が吸い込まれ、同一のタイミングで冷媒の吸入が完了する。各圧縮室9は、冷媒の吸入を完了した後に、圧縮室9の容積が減じられ、内圧が高められていく。シングルスクリュー圧縮機1は、圧縮室9が設定された容積まで減じられると、圧縮室9が可変弁11、11によって吐出口と連通し、吐出ガスが吐出される。各圧縮室9の冷媒を吐出させるタイミングは、可変弁11、11を制御することによって調整される。
シングルスクリュー圧縮機1は、通常では、気体の冷媒ガスのみが圧縮室9内に吸い込まれる。しかし、シングルスクリュー圧縮機1は、蒸発器22から気液2相冷媒が戻り、シングルスクリュー圧縮機1内に液冷媒が流入する場合がある。シングルスクリュー圧縮機1は、圧縮室9内に液冷媒が吸込まれると液圧縮が発生し、圧縮室9の内圧が急上昇する。圧縮室9では、室内に吸い込まれた液冷媒が気化冷媒に比べて密度が高いため、ガス圧縮では到達できない圧力まで内圧が高くなる。上記構成のシングルスクリュー圧縮機1では、圧縮室9の構成要素のうちで最も材料強度が低い合成樹脂製のゲートローター7が破損して、運転できない状況に至ってしまう場合がある。
ここで、ゲートローター7が破壊した場合の復旧作業について説明する。シングルスクリュー圧縮機1は、ケーシング2の内部でゲートローター7が破壊され、ゲートローター7の破壊片が甚だ飛散している場合がある。その場合、ゲートローター7の破壊片は、冷媒回路200側へ流出している可能性が考えられる。この場合、冷媒回路200の配管洗浄の必要性が発生する。配管洗浄の運転は、別の圧縮機を据付けて行われる。シングルスクリュー圧縮機内で飛散したゲートローターの破断片を取り除くため、一旦シングルスクリュー圧縮機を全て分解する必要がある。分解した部品は、洗浄されて、再び組み立てられる。組み立てたシングルスクリュー圧縮機は、洗浄後の冷媒回路に取り付けられて試運転される。以上のように、シングルスクリュー圧縮機は、ゲートローター7が破壊すると復旧に多くの手間と時間を要し、さらに復旧作業に要する多大な費用も発生することになる。
そこで、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1では、図4及び図5に示すように、複数のゲートローター歯部7aのうち、一つのゲートローター歯部7aに、ゲートローター孔70が歯厚方向に貫通させて形成されている。そして、図6に示すように、ゲートローターサポート8のゲートローターサポート歯部8aには、一方がゲートローター孔70と連通し、他方がケーシング2内に設けられた低圧空間13と連通するゲートローターサポート孔80が、歯厚方向に貫通させて形成されている。ゲートローター孔70及びゲートローターサポート孔80は、断面が円形状を成し、円の中心が同一軸線上となるような位置関係で形成されている。但し、ゲートローター孔70及びゲートローターサポート孔80は、円孔に限定されず、例えば角孔であってもよい。
ゲートローターサポート8のゲートローターサポート孔80は、図6に示すように、ゲートローター孔70と連通する第1ゲートローターサポート孔81と、一方が第1ゲートローターサポート孔81と繋がり、他方が低圧空間13と連通する第2ゲートローターサポート孔82と、で構成されている。第1ゲートローターサポート孔81は、ゲートローター孔70よりも小径である。第2ゲートローターサポート孔82は、第1ゲートローターサポート孔81よりも大径である。但し、第1ゲートローターサポート孔81及び第2ゲートローターサポート孔82の孔径は、これに限定されるものでない。
第1ゲートローターサポート孔81には、図7に示すように、第1ゲートローターサポート孔81に圧入されて嵌め込まれたピン14が設けられている。ピン14は、ゲートローター7のゲートローター孔70から挿入され、ゲートローター孔70と第1ゲートローターサポート孔81との間を跨がるように配置されて、第1ゲートローターサポート孔81で圧入される。そのため、ピン14の外径は、ゲートローター孔70の内径よりも小さく、且つ第1ゲートローターサポート孔81の内径よりも大きい寸法となる。この寸法により、ピン14とゲートローター孔70との間には、異種材料であるピン14とゲートローター7とが圧入されないように隙間が形成される。また、ピン14が、ゲートローター孔70と第1ゲートローターサポート孔81と間を跨がるように配置した理由は、ゲートローター7に設けたゲートローター孔70が、流体が滞留しやすいデッドボリュームとなるため、このデッドボリュームをできる限り抑制するためである。
なお、ピン14とゲートローターサポート8とは、線膨張係数がほぼ同一の金属材料で構成されている。ピン14とゲートローターサポート8の線膨張係数が異なると、熱の影響によって、ピン14とゲートローターサポート8が異なる膨張率となり、圧縮室9の内圧に関わらず、ピン14の圧入状態が解除されて、第1ゲートローターサポート孔81からピン14が抜け落ちる不具合が生じるからである。
実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1では、液圧縮が発生して圧縮室9の内圧が上昇した場合に、ゲートローターサポート8に圧入したピン14が、目標の差圧によって第1ゲートローターサポート孔81から鉛直下方に抜け落ちるように、ピン外周面の接触面圧、ピン外径、第1ゲートローターサポート孔81との接触幅を設定する。
ここで、円筒状のピン14の外径及び高さと、ゲートローターサポート8への圧入力の関係について説明する。ピン14の外径を2r(mm)、図7に示すピン14の外周と第1ゲートローターサポート孔81の内周の接触幅をL(mm)、ピン14を第1ゲートローターサポート孔81に圧入することでピン14の外周面に発生する接触面圧をP(MPa)とする。ピン14の外周面への作用力Fは、下記数式(1)となる。
[数式1]
F=P×2πrL ・・・・・・(1)
また、ピン14の静止摩擦力F’は、静止摩擦係数をμとすると下記数式(2)となる。
[数式2]
F’=μ×F ・・・・・・(2)
また、液圧縮時における圧縮室9の内圧をP’(MPa)、低圧空間13の圧力をPs(MPa)とすると、液圧縮時にピン14の作用力F”は、下記数式(3)となる。
[数式3]
F”=(P’−Ps)×πr ・・・・・・(3)
また、液圧縮時にピン14が第1ゲートローターサポート孔81から抜けるための条件は、F”>F’であり、上記数式(1)〜(3)の式を代入して算式整理すると、下記数式(4)の関係が成立する。
[数式4]
L/r<(P’−Ps)/2μP ・・・・・・(4)
そこで、数式(4)式を用いて、ピン14の半径r(mm)、接触幅L(mm)を設定すると、圧縮室9の内圧が目標値以上になったときに、ピン14が第1ゲートローターサポート孔81から外れる動作を実現できる。つまり、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1では、ゲートローター7とゲートローターサポート8が、上記数式(4)が成立するように加工される。
また、図1に示す実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機を備えた冷凍空調装置100では、シングルスクリュー圧縮機1の回転数を検知する回転数検知手段24と、膨張弁21の開度を検知する開度検知手段25と、ピン14が第1ゲートローターサポート孔81から外れていることを報知する報知手段26と、を備えている。制御部23は、回転数検知手段24が予め設定した最大回転速度に到達したと判断すると、その時点における開度検知手段25が検知した開度と予め設定した目標の開度との差を求め、その開度の差が目標値よりも大きいか否か判断する。制御部23は、膨張弁21の前記開度の差が目標値よりも大きいと判断すると、ピン14が第1ゲートローターサポート孔81から外れていると判断し、報知手段26を報知させる。
なお、制御部23には、冷媒回路200の凝縮温度及び蒸発温度に基づくシングルスクリュー圧縮機1の最高回転速度で運転したときの膨張弁21の目標パルス数のテーブルが内蔵されている。制御部23は、実運転時おける凝縮温度、蒸発温度、及びシングルスクリュー圧縮機1の最高回転速度における膨張弁21の実際のパルス数の信号を受け、目標パルス数と比較演算し、その比較結果をもとに指令を決定し、信号を発信する制御プログラムが内蔵されている。
シングルスクリュー圧縮機1では、圧縮室9内に液冷媒が吸込まれると液圧縮が発生し、圧縮室9の内圧が急上昇する。圧縮室9では、室内に吸い込まれた液冷媒が気化冷媒に比べて密度が高いため、ガス圧縮では到達できない圧力まで内圧が高くなる。
このとき、ピン14には、上端に圧縮室9の圧力が作用し、下端に低圧空間13の圧力が作用しているため、圧縮室9と低圧空間13の差圧による作用力がピン軸方向に作用する。実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1では、液圧縮が発生して圧縮室9の内圧が上昇した場合に、ゲートローターサポート8の第1ゲートローターサポート孔81に圧入したピン14が目標の差圧によって鉛直下方に抜け落ちるように、ピン外周面の接触面圧、ピン外径、接触幅Lが設定されている。よって、シングルスクリュー圧縮機1では、2つの圧縮室9、9に、均等に冷媒が吸入されるため、液圧縮が発生して圧縮室9の内圧が目標差圧を超過すると各圧縮室9におけるピン14が抜け落ちるよう動作する。
したがって、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1では、ピン14が外れると、圧縮室9内の冷媒が、ゲートローター7に設けたゲートローター孔70を通り、ゲートローターサポート8のゲートローターサポート孔80から低圧空間13へ流れてゆく。したがって、このシングルスクリュー圧縮機1は、液圧縮が発生して圧縮室9の内圧が上昇した場合に、ゲートローター7の破壊強度よりも小さい発生応力で第1ゲートローターサポート孔81からピン14が外れて、圧縮室9と低圧空間13とが連通されるので、圧縮室9の内圧を低圧空間13へリリーフして、圧縮室9の内圧の上昇を防止することができ、ゲートローター7の破壊を防止できる。
ここで、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1では、第1ゲートローターサポート孔81からピン14が外れると、圧縮室9と低圧空間13とがゲートローターサポート8を介して常時連通する。よって、このシングルスクリュー圧縮機1は、圧縮室9に吸い込まれた冷媒が、常時、低圧側に漏れるため、ピン14が外れる前と比べて、同一の高低圧又は回転速度の運転において、冷凍能力が低下してしまう。
シングルスクリュー圧縮機1では、前述したようピン14が外れると圧縮室9と低圧空間13とが連通するため、圧縮室9内の冷媒が低圧空間13に漏れてゆく。シングルスクリュー圧縮機1は、吐出される冷媒循環量が低下するため、不足の冷凍能力を補うように制御部23からインバータへ増速する指令の信号が発信される。シングルスクリュー圧縮機1は、順次増速してゆき、制御プログラムで冷凍能力が不足の判定が繰り返されると、いずれ最高回転速度に到達する。制御部23は、シングルスクリュー圧縮機1が最高回転速度に到達すると、そのときの膨張弁21の実パルス数を受信し、目標パルス数と比較する。制御部23は、実パルス数と目標パルス数との差が目標値よりも大きいと判断した場合に、ピン14が外れたと判定し、報知手段26により警報を報知する。作業者は、報知手段26からの警報を受けて、シングルスクリュー圧縮機1の点検の必要性を認識できる。
作業者は、警報を受けた場合に、一旦、シングルスクリュー圧縮機1の運転を停止させる。次に、作業者は、シングルスクリュー圧縮機1の吐出側止め弁27と吸入側止め弁28を全閉にし、閉ループの冷媒回路200を二分する。作業者は、シングルスクリュー圧縮機1の内部の冷媒のみを回収し、油を取り除いた後に、シングルスクリュー圧縮機1の内部からゲートローター7とゲートローターサポート8の組立品を取外し、新品に交換する。
なお、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機を備えた冷凍空調装置100は、ピン14が第1ゲートローターサポート孔81から外れた場合に、シングルスクリュー圧縮機1の駆動を停止させる構成とし、冷凍能力の低下を防止する構成でもよい。具体的には、制御部23は、回転数検知手段24が予め設定した最大回転速度に到達したと判断すると、開度検知手段25が検知した開度と予め設定した目標の開度との差を求め、その開度の差が目標値よりも大きいか否かを判断し、その開度の差が目標値よりも大きいと判断するとピン14が第1ゲートローターサポート孔81から外れていると判断して、シングルスクリュー圧縮機1の駆動を停止させる。
したがって、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1では、圧縮室9の内圧の高まりに応じて第1ゲートローターサポート孔81からピン14が外れ、ゲートローター孔70と流路孔83とが連通される構成なので、寝込み起動のような急激な液圧縮によって圧縮室9内の内圧が通常のガス圧縮では到達しない圧力になった場合であっても、ゲートローター孔70及びゲートローターサポート孔80で、圧縮室9と低圧空間13とを連通させることができる。よって、このシングルスクリュー圧縮機1は、ゲートローター孔70及びゲートローターサポート孔80がバイパス孔として機能し、圧縮室9の内圧の上昇を防止でき、ゲートローター7の破壊を防止でき、圧縮動作を良好に行うことができる。
また、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1は、特に圧縮室9内の内圧が高くなりやすいR410冷媒、R32冷媒又は二酸化炭素冷媒を、冷媒回路を流れる冷媒として使用することで、効果を発揮することができる。
また、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1では、ピン14とゲートローターサポート8とが、線膨張係数が同一の材料で構成されているので、熱の影響によってピン14の圧入状態が解除されて、第1ゲートローターサポート孔81からピン14が抜け落ちる不具合を防止することができる。
また、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1を備えた冷凍空調装置100によれば、制御部23は、回転数検知手段24が予め設定した最大回転速度に到達したと判断すると、開度検知手段25が検知した開度と予め設定した目標の開度との差を求め、その開度の差が目標値よりも大きいと判断するとピン14が第1ゲートローターサポート孔81から外れていると判断して、報知手段26を報知させる。よって、作業者は、報知手段26からの警報を受けてシングルスクリュー圧縮機1の点検の必要性を認識でき、メンテナンスサービスを実施してシングルスクリュー圧縮機1を復旧させることができる。
また、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1を備えた冷凍空調装置100によれば、制御部23は、回転数検知手段24が予め設定した最大回転速度に到達したと判断すると、開度検知手段25が検知した開度と予め設定した目標の開度との差を求め、その開度の差が目標値よりも大きいと判断するとピン14が第1ゲートローターサポート孔81から外れていると判断して、シングルスクリュー圧縮機1の駆動を停止させる。そして、作業者は、メンテナンスサービスを実施してシングルスクリュー圧縮機1を復旧させることができる。
なお、詳細に図示することは省略したが、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機1は、1つのスクリュー5に対して、1枚のゲートローター7を備えたモノゲートローター方式でも実施できる。本発明は、そのようなモノゲートローター方式のシングルスクリュー圧縮機においても、同じ作用及び同じ効果を発揮することができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係るシングルスクリュー圧縮機を、図8に基づいて説明する。図8は、本発明の実施の形態2に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローター及びゲートローターサポートの断面図である。なお、実施の形態1で説明したシングルスクリュー圧縮機1と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態2のシングルスクリュー圧縮機1は、図8に示すように、上述した実施の形態1の構成に加えて、低圧空間13と第2ゲートローターサポート孔82とを連通させる流路孔83が、ゲートローターサポート歯部8aに形成されている。そして、第2ゲートローターサポート孔82には、第2ゲートローターサポート孔82を塞ぐプラグ15が嵌め込まれている。
流路孔83は、ゲートローターサポート歯部8aの側面から第2ゲートローターサポート孔82と交差するように形成されている。流路孔83の断面内径は、第1ゲートローターサポート孔81の内径より僅かに小さい寸法とすることが望ましい。第1ゲートローターサポート孔81から抜け落ちたピン14を流路孔83で受け止めてゲートローターサポート8の内部に留め、ピン14がゲートローターサポート8の外部へ飛び出すこと防止できるからである。外れたピン14は、その後回収される。
プラグ15は、圧縮室9の内圧によって外れたピン14が、ゲートローターサポート8から抜け出して鉛直下方から飛び出さないように、ピン14をゲートローターサポート8の内部に保持するために設けたものである。プラグ15は、第2ゲートローターサポート孔82の内部に圧入、焼嵌め、又は溶接等で固定されている。また、プラグ15は、外周面をネジ状とした構成とし、第2ゲートローターサポート孔82の内周面に形成したネジ溝にネジ込む構成でもよい。なお、プラグ15は、ピン14がゲートローターサポート8から抜け出さない他の構造を有する場合、例えば上記したように流路孔83でピン14を保持する構造を有する場合には、設ける必要はない。
実施の形態2のシングルスクリュー圧縮機1では、ピン14が第1ゲートローターサポート孔81から外れると、圧縮室9内の冷媒が、ゲートローター7に設けたゲートローター孔70を通り、ゲートローターサポート8のゲートローターサポート孔80から流路孔83を通って、低圧空間13へ流れてゆく。したがって、このシングルスクリュー圧縮機1は、液圧縮が発生して圧縮室9の内圧が上昇した場合に、ゲートローター7の破壊強度よりも小さい発生応力で第1ゲートローターサポート孔81からピン14が外れて、圧縮室9と低圧空間13とが連通されるので、圧縮室9の内圧を低圧空間13へリリーフして、圧縮室9の内圧の上昇を防止することができ、ゲートローター7の破壊を防止できる。
また、実施の形態2のシングルスクリュー圧縮機1では、第2ゲートローターサポート孔82を塞ぐプラグ15が嵌め込まれているので、第1ゲートローターサポート孔81から外れたピン14がゲートローターサポート8の外部へ飛び出すこと防止できる。第1ゲートローターサポート孔81から外れたピン14は、その後回収することができる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3に係るシングルスクリュー圧縮機を、図9に基づいて説明する。図9は、本発明の実施の形態3に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローター及びゲートローターサポートの断面図である。なお、図9に示す実施の形態3に係るシングルスクリュー圧縮機は、実施の形態2で説明したシングルスクリュー圧縮機の構成をベースとしているが、これに限定されず、実施の形態1のシングルスクリュー圧縮機にも適用できる。また、実施の形態1及び2で説明したシングルスクリュー圧縮機と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態3のシングルスクリュー圧縮機は、図9に示すように、ゲートローター孔70が、ゲートローター7の圧縮室9側に形成された第1ゲートローター孔71と、第1ゲートローター孔71よりも大径であり、一方が第1ゲートローター孔71に繋がり、他方がゲートローターサポート孔80と連通する第2ゲートローター孔72と、で構成されている。
シングルスクリュー圧縮機では、ゲートローター孔70の圧縮室9側が、流体が滞留しやすいデッドボリュームとなるため、エネルギー効率がわずかに低下する。そこで、実施の形態3のシングルスクリュー圧縮機では、ゲートローター孔70を第1ゲートローター孔71と第2ゲートローター孔72とで構成し、第1ゲートローター孔71を第2ゲートローター孔72よりも小径としているので、デッドボリュームを抑制することができる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4に係るシングルスクリュー圧縮機を、図10に基づいて説明する。図10は、本発明の実施の形態4に係るシングルスクリュー圧縮機のゲートローターを示した平面図である。なお、実施の形態1〜3で説明したシングルスクリュー圧縮機と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
実施の形態4のシングルスクリュー圧縮機は、図10に示すように、全てのゲートローター歯部7aに、ゲートローター孔70が歯厚方向に貫通させて形成されており、全てのゲートローターサポート歯部8aに、ゲートローター孔70と連通するゲートローターサポート孔80が、歯厚方向に貫通させて形成された構成である。図10に示すように、ゲートローターサポート8の歯数が11枚の場合には、各々のゲートローターサポート8の第1ゲートローターサポート孔81にピン14が圧入される。
したがって、実施の形態4のシングルスクリュー圧縮機は、実施の形態1〜3のシングルスクリュー圧縮機に比べると圧縮室9から低圧空間13への連通する流路面積を増加させることができるので、液圧縮が発生して圧縮室9の内圧が上昇した場合であっても、圧縮室9の内圧の上昇をより低下させることができる。よって、実施の形態4のシングルスクリュー圧縮機は、ゲートローター7が破壊される事態をより効果的に防止することができる。
以上に本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、図1に示した冷媒回路200は、他の構成部材を含んだ構成でもよい。また、冷媒回路200を流れる冷媒は、好ましくはR410冷媒、R32冷媒又は二酸化炭素冷媒であるが、他の冷媒を使用してもよい。要するに、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
1 シングルスクリュー圧縮機、2 ケーシング、3 圧縮部、4 駆動部、5 スクリュー、6 回転軸、7 ゲートローター、7a ゲートローター歯部、8 ゲートローターサポート、8a ゲートローターサポート歯部、9 圧縮室、10 電動機、10a ステーター、10b モーターローター、11 可変弁、12 ロッド、13 低圧空間、14 ピン、15 プラグ、16、17 軸受、20 凝縮器、21 膨張弁、22 蒸発器、23 制御部、24 回転数検知手段、25 開度検知手段、26 報知手段、27 吐出側止め弁、28 吸入側止め弁、50 軸受、70 ゲートローター孔、71 第1ゲートローター孔、72 第2ゲートローター孔、80 ゲートローターサポート孔、81 第1ゲートローターサポート孔、82 第2ゲートローターサポート孔、83 流路孔、100 冷凍空調装置、200 冷媒回路。

Claims (10)

  1. 外郭を構成するケーシングと、
    外周面に螺旋状の歯溝を有するスクリューと、
    前記歯溝に嵌り合う複数のゲートローター歯部を有し、前記ケーシング及びスクリューと共に圧縮室を形成するゲートローターと、
    複数の前記ゲートローター歯部と対向して設けられた複数のゲートローターサポート歯部を有し、前記ゲートローターを支持するゲートローターサポートと、を備え、
    少なくとも1つの前記ゲートローター歯部に、ゲートローター孔が歯厚方向に貫通させて形成されており、
    前記ゲートローターサポート歯部には、一方が前記ゲートローター孔と連通し、他方が前記ケーシング内に設けられた低圧空間と連通するゲートローターサポート孔が、歯厚方向に貫通させて形成されており、
    前記ゲートローターサポート孔には、前記ゲートローターサポート孔に圧入されて嵌め込まれたピンが設けられており、
    前記圧縮室の内圧の高まりに応じて前記ゲートローターサポート孔から前記ピンが外れ、前記圧縮室と前記低圧空間とが連通される構成である、シングルスクリュー圧縮機。
  2. 前記ゲートローターサポート孔は、
    前記ゲートローター孔よりも小径であり、前記ゲートローター孔と連通する第1ゲートローターサポート孔と、
    前記第1ゲートローターサポート孔よりも大径であり、一方が前記第1ゲートローターサポート孔と繋がり、他方が前記低圧空間と連通する第2ゲートローターサポート孔と、で構成されており、
    前記ピンは、前記第1ゲートローターサポート孔に圧入されて嵌め込まれている、請求項1に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  3. 前記ゲートローターサポート歯部には、前記低圧空間と前記第2ゲートローターサポート孔とを連通させる流路孔が形成されている、請求項2に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  4. 前記第2ゲートローターサポート孔には、前記第2ゲートローターサポート孔を塞ぐプラグが嵌め込まれており、
    前記流路孔は、前記ピンと前記プラグとの間における前記第2ゲートローターサポート孔と、前記低圧空間とを連通させる構成である、請求項3に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  5. 前記ピンと前記ゲートローターサポートとは、線膨張係数が同一の金属材料で構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  6. 前記ゲートローター孔は、
    前記ゲートローターの前記圧縮室側に形成された第1ゲートローター孔と、
    第1ゲートローター孔よりも大径であり、一方が前記第1ゲートローター孔に繋がり、他方が前記ゲートローターサポート孔と連通する第2ゲートローター孔と、で構成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシングルスクリュー圧縮機。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のシングルスクリュー圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器が、順次冷媒配管で接続された冷媒回路と、
    前記シングルスクリュー圧縮機の駆動を制御する制御部と、を備えた、冷凍空調装置。
  8. 前記シングルスクリュー圧縮機の回転数を検知する回転数検知手段と、
    前記膨張弁の開度を検知する開度検知手段と、
    前記ピンが前記ゲートローターサポート孔から外れていることを報知する報知手段と、を更に備え、
    前記制御部は、前記回転数検知手段が予め設定した最大回転速度に到達したと判断すると、前記開度検知手段が検知した開度と予め設定した目標の開度との差を求め、その開度の差が目標値よりも大きいと判断すると前記ピンが前記ゲートローターサポート孔から外れていると判断して、前記報知手段を報知させる、請求項7に記載の冷凍空調装置。
  9. 前記シングルスクリュー圧縮機の回転数を検知する回転数検知手段と、
    前記膨張弁の開度を検知する開度検知手段と、を更に備え、
    前記制御部は、前記回転数検知手段が予め設定した最大回転速度に到達したと判断すると、前記開度検知手段が検知した開度と予め設定した目標の開度との差を求め、その開度の差が目標値よりも大きいと判断すると前記ピンが前記ゲートローターサポート孔から外れていると判断して、前記シングルスクリュー圧縮機の駆動を停止させる、請求項7に記載の冷凍空調装置。
  10. 前記冷媒回路を流れる冷媒として、R410冷媒、R32冷媒又は二酸化炭素冷媒が使用されている、請求項7〜9のいずれか一項に記載の冷凍空調装置。
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