JP2010255595A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧縮を回避し破損を防止するスクリュー圧縮機を提供する。
【解決手段】制御部4は、スクリューロータ2の溝2a内の圧力を検出して、この検出された圧力が設定値を超えたときに、スライドバルブ6の吐出タイミングを早めるように駆動機構5を制御する。このため、多量の液冷媒をスクリューロータ2の溝2a内に吸い込んだ場合、溝2a内の圧力が異常に上昇しても、スライドバルブ6の吐出タイミングを早めることで、液圧縮によるスクリューロータ2やゲートロータ等の破損を防止する。
【選択図】図1

Description

この発明は、スクリュー圧縮機に関する。
従来、スクリュー圧縮機としては、ケーシングと、このケーシング内に配置されたスクリューロータと、このスクリューロータの内部容積比を変えるスライドバルブとを備えたものがある(特許第4147891号公報:特許文献1参照)。
特許第4147891号公報
しかしながら、上記従来のスクリュー圧縮機では、上記スライドバルブは、上記スクリューロータの内部容積比を変えるだけであり、多量の液冷媒をスクリューロータの溝(圧縮室)内に吸い込んだ場合、圧縮室が吐出ポートに開口する前に、圧縮室の内圧がスクリューロータ等の破壊強度を超えてしまい、破損に至る問題があった。
そこで、この発明の課題は、液圧縮を回避し破損を防止するスクリュー圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のスクリュー圧縮機は、
ケーシングと、
このケーシング内に配置されたスクリューロータと、
このスクリューロータの溝内の圧縮流体を吐出するタイミングを調整するスライドバルブと、
このスライドバルブを駆動する駆動機構と、
上記スクリューロータの溝内の圧力を検出して、この検出された圧力が設定値を超えたときに、上記スライドバルブの吐出タイミングを早めるように上記駆動機構を制御する制御部と
を備えることを特徴としている。
この発明のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部は、上記スクリューロータの溝内の圧力を検出して、この検出された圧力が設定値を超えたときに、上記スライドバルブの吐出タイミングを早めるように上記駆動機構を制御するので、多量の液状流体(液冷媒)をスクリューロータの溝(圧縮室)内に吸い込んだ場合、圧縮室内の圧力が異常に上昇しても、スライドバルブの吐出タイミングを早めることで、液圧縮によるスクリューロータ等の破損を防止する。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、上記スライドバルブに、上記スクリューロータの溝に連通するポートを設け、上記制御部は、上記ポートからの圧力を検出している。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部は、上記スライドバルブのポートからの圧力を検出するので、スライドバルブの吐出口の位置とポートの位置とを相対的に固定でき、スライドバルブの吐出タイミングとポートの連通タイミングとの間の関係を一定にできる。例えば、スライドバルブによる圧縮室の吐出開始直前に、常に、圧縮室にポートを連通できて、軽度の液圧縮に対応できる。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、上記ケーシングに、上記スクリューロータの溝に連通するポートを設け、上記制御部は、上記ポートからの圧力を検出している。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部は、上記ケーシングのポートからの圧力を検出するので、スクリューロータの圧縮位置とポートの位置とを相対的に固定でき、スクリューロータの圧縮タイミングとポートの連通タイミングとの間の関係を一定にできる。例えば、スクリューロータの圧縮開始直後に、常に、圧縮室にポートを連通できて、重度の液圧縮に対応できる。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、
上記スライドバルブに、上記スクリューロータの溝に連通するバルブ側ポートを設け、
上記ケーシングに、上記スクリューロータの溝に連通するケーシング側ポートを設け、
上記制御部は、上記バルブ側ポートからの圧力と上記ケーシング側ポートからの圧力との内の高い方の圧力を検出している。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記スライドバルブに、バルブ側ポートを設けるので、スライドバルブの吐出口の位置とバルブ側ポートの位置とを相対的に固定でき、スライドバルブの吐出タイミングとバルブ側ポートの連通タイミングとの間の関係を一定にできる。例えば、スライドバルブによる圧縮室の吐出開始直前に、常に、圧縮室にバルブ側ポートを連通できる。
また、上記ケーシングに、ケーシング側ポートを設けるので、スクリューロータの圧縮位置とケーシング側ポートの位置とを相対的に固定でき、スクリューロータの圧縮タイミングとケーシング側ポートの連通タイミングとの間の関係を一定にできる。例えば、スクリューロータの圧縮開始直後に、常に、圧縮室にケーシング側ポートを連通できる。
したがって、上記制御部は、上記バルブ側ポートからの圧力と上記ケーシング側ポートからの圧力との内の高い方の圧力を検出するので、軽度の液圧縮および重度の液圧縮に対応できる。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、上記駆動機構は、シリンダと、このシリンダ内に配置されると共に上記スライドバルブに機械的に連結されたピストンとを有し、
上記制御部は、上記スクリューロータの溝内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を、上記シリンダ内において上記ピストンを境界とした一方側の第1室に導いて、上記ピストンを介して、上記スライドバルブを、この吐出タイミングを早めるように、移動させる。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記駆動機構は、シリンダとピストンとを有し、上記制御部は、上記スクリューロータの溝内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を上記シリンダの第1室に導いて、上記スライドバルブを移動させるので、スライドバルブを機械的に制御できる。また、駆動機構が、ピストンをガス圧で駆動させる機構であるときに、有効である。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、上記駆動機構は、シリンダと、このシリンダ内に配置されると共に上記スライドバルブに機械的に連結されたピストンとを有し、
上記制御部は、上記スクリューロータの溝内の圧力が設定値を超えたときに、上記シリンダ内において上記ピストンを境界とした他方側の第2室の圧力を抜いて、上記ピストンを介して、上記スライドバルブを、この吐出タイミングを早めるように、移動させる。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記駆動機構は、シリンダとピストンとを有し、上記制御部は、上記スクリューロータの溝内の圧力が設定値を超えたときに、上記シリンダの第2室の圧力を抜いて、上記スライドバルブを移動させるので、スライドバルブを機械的に制御できる。また、駆動機構が、ピストンをガス圧または油圧で駆動させる機構であるときに、有効である。
また、一実施形態のスクリュー圧縮機では、上記駆動機構は、シリンダと、このシリンダ内に配置されると共に上記スライドバルブに機械的に連結されたピストンとを有し、
上記制御部は、上記スクリューロータの溝内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を、上記シリンダ内において上記ピストンを境界とした一方側の第1室に導くと共に、上記シリンダ内において上記ピストンを境界とした他方側の第2室の圧力を抜いて、上記ピストンを介して、上記スライドバルブを、この吐出タイミングを早めるように、移動させる。
この実施形態のスクリュー圧縮機によれば、上記駆動機構は、シリンダとピストンとを有し、上記制御部は、上記スクリューロータの溝内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を上記シリンダの第1室に導くと共に、上記シリンダの第2室の圧力を抜いて、上記スライドバルブを移動させるので、スライドバルブを機械的に制御できる。また、スクリューロータの溝内の圧力が設定値を超えたときのスライドバルブの応答が早くなって、液圧縮を一層早く回避できる。
この発明のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部は、上記スクリューロータの溝内の圧力を検出して、この検出された圧力が設定値を超えたときに、上記スライドバルブの吐出タイミングを早めるように上記駆動機構を制御するので、液圧縮を回避し破損を防止できる。
本発明のスクリュー圧縮機の第1実施形態を示す断面図である。 スクリューロータ溝内の圧力が設定値を超えたときのスクリュー圧縮機を示す断面図である。 本発明のスクリュー圧縮機の第2実施形態を示す断面図である。 スクリューロータ溝内の圧力が設定値を超えたときのスクリュー圧縮機を示す断面図である。 本発明のスクリュー圧縮機の第3実施形態を示す断面図である。 スクリューロータ溝内の圧力が設定値を超えたときの制御部を示す断面図である。 本発明のスクリュー圧縮機の第4実施形態を示す断面図である。 本発明のスクリュー圧縮機の第5実施形態を示す断面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明のスクリュー圧縮機の第1実施形態である断面図を示している。このスクリュー圧縮機は、ケーシング1内にスクリューロータ2を配置し、このスクリューロータ2は、回転軸3を介して図示しないモータで回転駆動されるように形成されている。
上記スクリューロータ2は、螺旋状の溝2aを有し、この溝2aに図示しないゲートロータの歯部が噛合し、溝2a内のゲートロータの歯部とケーシング1とで囲まれた空間が、圧縮室を構成する。
上記スクリューロータ2の外周側に、このスクリューロータ2の溝2a内の圧縮流体を吐出するタイミングを調整するスライドバルブ6を設けている。このスライドバルブ6は、スクリューロータ2の吐出タイミングを変えて負荷に応じた最大効率運転を行う。
上記スライドバルブ6は、回転軸3に直交する断面において、スクリューロータ2側以外の三方をケーシング1に囲まれている。上記スライドバルブ6は、回転軸3の軸方向の両端面に、冷媒や冷凍機油からなる流体の低圧LPと高圧HPを各々受けて、矢印Xで示すように低圧LP方向である左方に付勢されている。
なお、上記スクリューロータ2の一端の流体吸入側(左側)が、低圧LP側であり、上記スクリューロータ2の他端の流体吐出側(右側)が、高圧HP側である。
上記スライドバルブ6は、スクリューロータ2の溝2aと高圧HP側とに連通する吐出口6bを有し、この吐出口6bのスクリューロータ2の溝2aに対する相対的な位置を変更することで、上記スクリューロータ2の吐出タイミングを変更できる。
上記スライドバルブ6は、駆動機構5により、駆動されている。この駆動機構5は、シリンダ12と、このシリンダ12内に配置されると共に上記スライドバルブ6に機械的に連結されたピストン10とを有する。
上記スライドバルブ6は、連結部材8およびロッド9を介して、シリンダ12内のピストン10に連結されている。
上記シリンダ12内において、ピストン10を境界とした一方側の第1室14と、ピストン10を境界とした他方側の第2室15とを形成する。各室15,14は、絞り部S1,S2によって、高圧HP側に連通している。
上記ピストン10に関してロッド9の反対側には、このロッド9の軸と略一直線上に位置する軸を有する突出部17が一体に形成されている。上記ロッド9、ピストン10および突出部17には、軸貫通孔18が形成されている。
この軸貫通孔18の低圧LP側端は、上記スクリューロータ2の端面に形成された開口2bに連通するように形成されている。このスクリューロータ2の端面の開口2bは、このスクリューロータ2および回転軸3に形成されたスクリューロータ軸貫通孔21を介して低圧LP側に連通している。
上記ロッド9は、上記ピストン10の連結部近傍に、径方向に延びて一端が第1室14に開口する制御通路22を備え、この制御通路22の他端が、上記軸貫通孔18に開口している。
この軸貫通孔18に、パイロット弁体20を軸方向に摺動自在に嵌合している。このパイロット弁体20は、高圧HP側に配置された駆動部23によって軸方向に駆動される。この駆動部23によって上記パイロット弁体20を軸方向に駆動し、このパイロット弁体20にピストンを追従させて、上記スライドバルブ6を所定位置に駆動するように形成している。
上記駆動機構5は、制御部4により、制御される。この制御部4は、スクリューロータ2の溝2a内の圧力を検出して、この検出された圧力が設定値を超えたときに、スライドバルブ6の吐出タイミングを早めるように駆動機構5を制御する。
上記スライドバルブ6に、スクリューロータ2の溝2aに連通するポート6aを設け、上記制御部4は、ポート6aからの圧力を検出する。このポート6aは、吐出口6bの低圧LP側に設けられている。例えば、ポート6aは、スライドバルブ6による圧縮室の吐出開始直前に、圧縮室に連通するような位置に、設けられている。
上記制御部4は、開閉弁であり、弁部41とこの弁部41を付勢するバネ部42とを有する。この制御部4と上記ポート6aとは、第1流路51により接続されている。制御部4と第1室14とは、第2流路52により接続されている。そして、弁部41は、バネ部42の弾性力により、第1流路51と第2流路52との連通を遮断する一方、弁部41は、第1流路51からの圧力により、バネ部42の弾性力に抗して、移動して、第1流路51と第2流路52とを連通する。
上記制御部4は、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を、シリンダ12の第1室14に導いて、ピストン10を介して、スライドバルブ6を、この吐出タイミングを早めるように、移動させる。つまり、バネ部42の弾性力は、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、第1流路51と第2流路52とを連通するように、設定されている。スクリューロータ2の溝2a内の圧力の設定値は、スクリューロータ2やゲートロータ等の破損が発生する値よりも小さい値である。
上記構成のスクリュー圧縮機の動作について説明する。
図1に示すように、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えていないとき、制御部4の弁部41は閉じて、第1流路51と第2流路52とは連通していない。このとき、第1室14には、絞り部S1を介して、高圧HP側の流体が流入し、第2室15には、絞り部S2を介して、高圧HP側の流体が流入する。
上記ピストン10に連結されたスライドバルブ6には、矢印X方向の力が作用しているので、ピストン10は、左方のスクリューロータ2側に移動して、ロッド9に形成された制御通路22の開口が、上記パイロット弁体20の先端20aよりもスクリューロータ2側に位置する。この結果、制御通路22が軸貫通穴18に連通して、第1室14内の流体圧力が低下する。
そして、上記スライドバルブ6に作用する力と、上記ピストン10に作用する力とが釣り合って、ピストン10およびスライドバルブ6が、基準位置に、停止する。このピストン10およびスライドバルブ6の停止位置は、パイロット弁体20の先端20aの軸方向位置で設定される。
図2に示すように、スクリューロータ2の溝2a内に多量の液状流体(液冷媒)を吸い込んで、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたとき、制御部4の弁部41は開いて、第1流路51と第2流路52とは連通する。このとき、第1室14には、第2流路52を介して、溝2a内の高圧の流体が流入して、第1室14内の圧力は、上昇する。一方、第2室15には、絞り部S2を介して、高圧HP側の流体が流入するだけであり、第2室15内の圧力は、一定である。
この結果、上記ピストン10には、左方のスクリューロータ2側に力が作用して、上記スライドバルブ6は、矢印X方向に移動する。そして、上記スライドバルブ6の吐出口6bが、スクリューロータ2の低圧側に移動して、スライドバルブ6の吐出タイミングを早めて、液圧縮を防止する。
その後、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を下回ると、図1に示すように、制御部4の弁部41が閉じて、スライドバルブ6が基準位置に停止する。
上記構成のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部4は、上記スクリューロータ2の溝2a内の圧力を検出して、この検出された圧力が設定値を超えたときに、上記スライドバルブ6の吐出タイミングを早めるように上記駆動機構5を制御するので、多量の液状流体(液冷媒)をスクリューロータ2の溝2a(圧縮室)内に吸い込んだ場合、圧縮室内の圧力が異常に上昇しても、スライドバルブ6の吐出タイミングを早めることで、液圧縮によるスクリューロータ2やゲートロータ等の破損を防止する。
また、上記制御部4は、上記ポート6aからの圧力を検出するので、スライドバルブ6の吐出口6bの位置とポート6aの位置とを相対的に固定でき、スライドバルブ6の吐出タイミングとポート6aの連通タイミングとの間の関係を一定にできる。例えば、スライドバルブ6による圧縮室の吐出開始直前に、常に、圧縮室にポート6aを連通できて、軽度の液圧縮に対応できる。
また、上記駆動機構5は、シリンダ12とピストン10とを有し、上記制御部4は、上記スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を上記シリンダ12の第1室に導いて、上記スライドバルブ6を移動させるので、スライドバルブ6を機械的に制御できる。また、駆動機構5が、ピストン10をガス圧で駆動させる機構であるときに、有効である。
(第2の実施形態)
図3は、この発明のスクリュー圧縮機の第2の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、制御部の構成が相違する。なお、この第2の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
図3に示すように、制御部4Aは、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、シリンダ12内においてピストン10を境界とした他方側の第2室15の圧力を抜いて、ピストン10を介して、スライドバルブ6を、この吐出タイミングを早めるように、移動させる。なお、図3では、ケーシングを省略して描いている。
上記制御部4Aは、開閉弁であり、弁部41Aとこの弁部41を付勢するバネ部42とを有する。弁部41Aは、孔部411Aを有する。
この制御部4Aと上記ポート6aとは、第1流路51Aにより接続されている。制御部4Aと第2室15とは、第2流路52Aにより接続されている。制御部4Aと低圧LP側とは、第3流路53Aにより接続されている。
そして、弁部41Aは、バネ部42の弾性力により、第2流路52Aと第3流路53Aとの連通を遮断する一方、弁部41Aは、第1流路51Aからの圧力により、バネ部42の弾性力に抗して、移動して、第2流路52Aと第3流路53Aとを孔部411Aを介して連通する。バネ部42の弾性力は、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、第2流路52Aと第3流路53Aとを連通するように、設定されている。
上記構成のスクリュー圧縮機の動作について説明する。
図3に示すように、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えていないとき、制御部4Aの弁部41Aは閉じて、第2流路52Aと第3流路53Aとは連通していない。そして、上記第1実施形態の図1で説明したように、ピストン10およびスライドバルブ6は、基準位置に、停止する。
図4に示すように、スクリューロータ2の溝2a内に多量の液状流体(液冷媒)を吸い込んで、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたとき、制御部4Aの弁部41Aは開いて、第2流路52Aと第3流路53Aとは連通する。このとき、第2室15内の高圧の流体は、第2流路52Aを介して、低圧LP側に流入して、第2室15内の圧力は、下降する。一方、第1室14には、絞り部S1(図1参照)を介して、高圧HP側の流体が流入するだけであり、第2室15内の圧力は、一定である。
この結果、上記ピストン10には、左方のスクリューロータ2側に力が作用して、上記スライドバルブ6は、矢印X方向に移動する。そして、上記スライドバルブ6の吐出口6bが、スクリューロータ2の低圧側に移動して、スライドバルブ6の吐出タイミングを早めて、液圧縮を防止する。
その後、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を下回ると、図1に示すように、制御部4Aの弁部41Aが閉じて、スライドバルブ6が基準位置に停止する。
上記構成のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部4Aは、上記スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、上記シリンダ10の第2室15の圧力を抜いて、上記スライドバルブ6を移動させるので、スライドバルブ6を機械的に制御できる。
なお、上記駆動機構5を、ガス圧以外の油圧で、ピストン10を駆動させる機構としてもよい。
(第3の実施形態)
図5は、この発明のスクリュー圧縮機の第3の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第3の実施形態では、制御部の構成が相違する。なお、この第3の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、制御部4Aは、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を、シリンダ12内においてピストン10を境界とした一方側の第1室14に導くと共に、シリンダ12内においてピストン10を境界とした他方側の第2室15の圧力を抜いて、ピストン10を介して、スライドバルブ6を、この吐出タイミングを早めるように、移動させる。なお、図5では、ケーシングを省略して描いている。
上記制御部4Aは、開閉弁であり、弁部41Aとこの弁部41Aを付勢するバネ部42とを有する。弁部41Aは、孔部411Aを有する。
この制御部4Aと上記ポート6aとは、第1流路51Aにより接続されている。制御部4Aと第2室15とは、第2流路52Aにより接続されている。制御部4Aと低圧LP側とは、第3流路53Aにより接続されている。制御部4Aと第1室14とは、第4流路54Aにより接続されている。
そして、弁部41Aは、バネ部42の弾性力により、第2流路52Aと第3流路53Aとの連通を遮断すると共に第1流路51Aと第4流路54Aとの連通を遮断する一方、弁部41Aは、第1流路51Aからの圧力により、バネ部42の弾性力に抗して、移動して、第2流路52Aと第3流路53Aとを孔部411Aを介して連通すると共に、第1流路51Aと第4流路54Aとを連通する。バネ部42の弾性力は、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、第2流路52Aと第3流路53Aとを連通すると共に第1流路51Aと第4流路54Aとを連通するように、設定されている。
上記構成のスクリュー圧縮機の動作について説明する。
図5に示すように、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えていないとき、制御部4Aの弁部41Aは閉じて、第2流路52Aと第3流路53Aとは連通しておらず、かつ、第1流路51Aと第4流路54Aとは連通していない。そして、上記第1実施形態の図1で説明したように、ピストン10およびスライドバルブ6は、基準位置に、停止する。
図6に示すように、スクリューロータ2の溝2a内に多量の液状流体(液冷媒)を吸い込んで、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたとき、制御部4Aの弁部41Aは開いて、第2流路52Aと第3流路53Aとは連通し、かつ、第1流路51Aと第4流路54Aとは連通する。このとき、第2室15内の高圧の流体は、第2流路52Aを介して、低圧LP側に流入して、第2室15内の圧力は、下降する。一方、第1室14には、第4流路54Aを介して、溝2a内の高圧の流体が流入して、第1室14内の圧力は、上昇する。
この結果、上記ピストン10には、左方のスクリューロータ2側に力が作用して、上記スライドバルブ6は、矢印X方向に移動する。そして、上記スライドバルブ6の吐出口6bが、スクリューロータ2の低圧側に移動して、スライドバルブ6の吐出タイミングを早めて、液圧縮を防止する。
その後、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を下回ると、図1に示すように、制御部4Aの弁部41Aが閉じて、スライドバルブ6が基準位置に停止する。
上記構成のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部4Aは、上記スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を上記シリンダ10の第1室14に導くと共に、上記シリンダ10の第2室15の圧力を抜いて、上記スライドバルブ6を移動させるので、スライドバルブ6を機械的に制御できる。また、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときのスライドバルブ6の応答が早くなって、液圧縮を一層早く回避できる。
(第4の実施形態)
図7は、この発明のスクリュー圧縮機の第4の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第4の実施形態では、ケーシングおよびスライドバルブの構成が相違する。なお、この第4の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
図7に示すように、ケーシング1Aに、スクリューロータ2の溝2aに連通するポート1aを設け、制御部4は、ポート1aからの圧力を検出する。このポート1aは、スクリューロータ2の低圧LP側に設けられている。例えば、ポート1aは、スクリューロータ2の圧縮開始直後に、圧縮室に連通するような位置に、設けられている。スライドバルブ6Aには、上記第1実施形態の図1に示すポート6aがない。
上記制御部4と上記ポート1aとは、第1流路51Bにより接続されている。制御部4と第1室14とは、第2流路52Bにより接続されている。
そして、上記第1実施形態の説明と同様に、上記制御部4は、スクリューロータ2の溝2a内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を、シリンダ12の第1室14に導いて、ピストン10を介して、スライドバルブ6Aを、この吐出タイミングを早めるように、移動させる。
上記構成のスクリュー圧縮機によれば、上記制御部4は、上記ケーシング1Aのポート1aからの圧力を検出するので、スクリューロータ2の圧縮位置とポート1aの位置とを相対的に固定でき、スクリューロータ2の圧縮タイミングとポート1aの連通タイミングとの間の関係を一定にできる。例えば、スクリューロータ2の圧縮開始直後に、常に、圧縮室にポート1aを連通できて、重度の液圧縮に対応できる。
(第5の実施形態)
図8は、この発明のスクリュー圧縮機の第5の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第5の実施形態では、ケーシングおよび制御部の構成が相違する。なお、この第5の実施形態において、上記第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
図8に示すように、ケーシング1Aに、スクリューロータ2の溝2aに連通するケーシング側ポート1aを設けている。スライドバルブ6は、スクリューロータ2の溝2aに連通するバルブ側ポート6aを有する。
制御部4は、上記バルブ側ポート6aからの圧力と上記ケーシング側ポート1aからの圧力との内の高い方の圧力を検出する。
上記制御部4と上記ケーシング側ポート1aとは、第1流路51Bにより接続されている。制御部4と第1室14とは、第2流路52Bにより接続されている。制御部4とバルブ側ポート6aとは、第3流路53Bにより接続されている。
上記バルブ側ポート6aは、スライドバルブ6による圧縮室の吐出開始直前に、圧縮室に連通するような位置に、設けられている。上記ケーシング側ポート1aは、スクリューロータ2の圧縮開始直後に、圧縮室に連通するような位置に、設けられている。
そして、上記制御部4は、上記バルブ側ポート6aからの圧力と上記ケーシング側ポート1aからの圧力との内の高い方の圧力を検出し、この圧力が設定値を超えたときに、上記第1実施形態の説明と同様に、この圧力を、シリンダ12の第1室14に導いて、ピストン10を介して、スライドバルブ6Aを、この吐出タイミングを早めるように、移動させる。
上記構成のスクリュー圧縮機によれば、上記スライドバルブ6に、バルブ側ポート6aを設けるので、スライドバルブ6の吐出口6bの位置とポート6aの位置とを相対的に固定でき、スライドバルブ6の吐出タイミングとポート6aの連通タイミングとの間の関係を一定にできる。例えば、スライドバルブ6による圧縮室の吐出開始直前に、常に、圧縮室にポート6aを連通できて、軽度の液圧縮に対応できる。
また、上記ケーシング1Aに、ケーシング側ポート1aを設けるので、スクリューロータ2の圧縮位置とポート1aの位置とを相対的に固定でき、スクリューロータ2の圧縮タイミングとポート1aの連通タイミングとの間の関係を一定にできる。例えば、スクリューロータ2の圧縮開始直後に、常に、圧縮室にポート1aを連通できて、重度の液圧縮に対応できる。
したがって、上記制御部4は、上記バルブ側ポート6aからの圧力と上記ケーシング側ポート1aからの圧力との内の高い方の圧力を検出するので、軽度の液圧縮および重度の液圧縮に対応できる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記第1から上記第5の実施形態の特徴点を、様々に組み合わせてもよい。また、制御部は、スクリューロータの溝内の圧力を検出する圧力センサを有し、この圧力が設定値を超えたときに、駆動機構を電気的に制御するようにしてもよい。また、駆動機構は、ガス圧以外に油圧で駆動するようにしてもよい。また、スライドバルブは、吐出タイミングを可変する機能に加えて、スクリューロータの内部容積比(VI)を可変する機能を有していてもよい。また、スクリュー圧縮機としては、1つのスクリューロータとゲートロータとの噛合により圧縮室を形成するシングルスクリュー圧縮機以外に、2つのスクリューロータの噛合により圧縮室を形成するツインスクリュー圧縮機であってもよい。
1,1A ケーシング
1a ポート
2 スクリューロータ
2a 溝
2b 開口
3 回転軸
4,4A 制御部
41,41A 弁部
411A 孔部
42 バネ部
5 駆動機構
6,6A スライドバルブ
6a ポート
6b 吐出口
10 ピストン
12 シリンダ
14 第1室
15 第2室
20 パイロット弁体
51,51A,51B 第1流路
52,52A,52B 第2流路
53A,53B 第3流路
54A 第4流路

Claims (7)

  1. ケーシング(1,1A)と、
    このケーシング(1,1A)内に配置されたスクリューロータ(2)と、
    このスクリューロータ(2)の溝(2a)内の圧縮流体を吐出するタイミングを調整するスライドバルブ(6,6A)と、
    このスライドバルブ(6,6A)を駆動する駆動機構(5)と、
    上記スクリューロータ(2)の溝(2a)内の圧力を検出して、この検出された圧力が設定値を超えたときに、上記スライドバルブ(6,6A)の吐出タイミングを早めるように上記駆動機構(5)を制御する制御部(4,4A)と
    を備えることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
    上記スライドバルブ(6)に、上記スクリューロータ(2)の溝(2a)に連通するポート(6a)を設け、
    上記制御部(4,4A)は、上記ポート(6a)からの圧力を検出することを特徴とするスクリュー圧縮機。
  3. 請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
    上記ケーシング(1A)に、上記スクリューロータ(2)の溝(2a)に連通するポート(1a)を設け、
    上記制御部(4)は、上記ポート(1a)からの圧力を検出することを特徴とするスクリュー圧縮機。
  4. 請求項1に記載のスクリュー圧縮機において、
    上記スライドバルブ(6)に、上記スクリューロータ(2)の溝(2a)に連通するバルブ側ポート(6a)を設け、
    上記ケーシング(1A)に、上記スクリューロータ(2)の溝(2a)に連通するケーシング側ポート(1a)を設け、
    上記制御部(4)は、上記バルブ側ポート(6a)からの圧力と上記ケーシング側ポート(1a)からの圧力との内の高い方の圧力を検出することを特徴とするスクリュー圧縮機。
  5. 請求項1から4の何れか一つに記載のスクリュー圧縮機において、
    上記駆動機構(5)は、シリンダ(12)と、このシリンダ(12)内に配置されると共に上記スライドバルブ(6,6A)に機械的に連結されたピストン(10)とを有し、
    上記制御部(4)は、上記スクリューロータ(2)の溝(2a)内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を、上記シリンダ(12)内において上記ピストン(10)を境界とした一方側の第1室(14)に導いて、上記ピストン(10)を介して、上記スライドバルブ(6,6A)を、この吐出タイミングを早めるように、移動させることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  6. 請求項1から4の何れか一つに記載のスクリュー圧縮機において、
    上記駆動機構(5)は、シリンダ(12)と、このシリンダ(12)内に配置されると共に上記スライドバルブ(6)に機械的に連結されたピストン(10)とを有し、
    上記制御部(4A)は、上記スクリューロータ(2)の溝(2a)内の圧力が設定値を超えたときに、上記シリンダ(12)内において上記ピストン(10)を境界とした他方側の第2室(15)の圧力を抜いて、上記ピストン(10)を介して、上記スライドバルブ(6)を、この吐出タイミングを早めるように、移動させることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  7. 請求項1から4の何れか一つに記載のスクリュー圧縮機において、
    上記駆動機構(5)は、シリンダ(12)と、このシリンダ(12)内に配置されると共に上記スライドバルブ(6)に機械的に連結されたピストン(10)とを有し、
    上記制御部(4A)は、上記スクリューロータ(2)の溝(2a)内の圧力が設定値を超えたときに、この圧力を、上記シリンダ(12)内において上記ピストン(10)を境界とした一方側の第1室(14)に導くと共に、上記シリンダ(12)内において上記ピストン(10)を境界とした他方側の第2室(15)の圧力を抜いて、上記ピストン(10)を介して、上記スライドバルブ(6)を、この吐出タイミングを早めるように、移動させることを特徴とするスクリュー圧縮機。
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