JP6618428B2 - スタータ - Google Patents

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本発明はスタータに係り、特に、内燃機関始動用として用いられるものに好適なスタータに関するものである。
内燃機関始動用として用いられるスタータとしては、特許文献1に開示にされたものが知られている。
この特許文献1に開示されているスタータは、モータ部と、減速機構部と、ピニオンシャフト及びピニオンからなる動力伝達機構部と、動力伝達機構部を収容するギアケースとから成り、上記減速機構部は、モータ部のアーマチャシャフトと一体的に構成された外歯車と、内歯車と、ピニオンシャフトに回転可能に支持された複数の遊星歯車とから構成され、内歯車は、センタブラケットに収容保持され、このセンタブラケットは、中心部に軸受を備えピニオンシャフトを回転可能に支持すると共に、ギアケースに収容される構成となっている。
ところで、近年、自動車の燃料消費低減として、信号待ち等にエンジンを停止するアイドルストップシステムが注目されているが、上述した特許文献1では、エンジン始動頻度増加に対応した動力伝達機構の信頼性向上とエンジン始動時の騒音抑制を目的に、減速機構の内歯車の外周にダンパーを装着して内歯車への衝撃荷重を吸収することで、ギアケースへの荷重伝播を抑制し騒音低減するようにしている。
特開2003―307168号公報
しかしながら、上述した特許文献1においては、エンジン始動時におけるスタータのピニオンシャフトのセンタブラケットにダンパーを設けているので、センタブラケットをギアケースに挿入する際にダンパーが離脱する恐れがあり、ダンパーの組み立て性に課題があった。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、エンジン始動時におけるスタータのピニオンシャフトのセンタブラケットにダンパーを設けて騒音の抑制を図ったものであっても、センタブラケットをギアケースに挿入する際のダンパーの離脱を防止でき、ダンパーの組み立て性が向上するスタータを提供することにある。
本発明のスタータは、上記目的を達成するために、マグスイッチと動力伝達部及びモータから成り、前記動力伝達部がギアケースに収納され、前記モータのシャフトの回転力が、前記動力伝達部のセンタブラケットに回転可能に支持されているピニオンシャフトを介して前記動力伝達部のピニオンに伝達され、前記ピニオンは、前記マグスイッチの励磁コイルに電流が流れるとプランジャが吸引され、シフトレバーを介してエンジンに装着されているリングギアに噛み合わされるスタータであって、前記ピニオンシャフトを回転支持するすべり軸受を装着し、前記動力伝達部内の遊星歯車減速機構の内歯を一体に形成する前記センタブラケットの側面から軸方向に突出し、その軸方向に突出した部分が前記センタブラケットの外周表面より径方向に突出した突起を周方向に所定間隔をもって複数個設け、前記センタブラケットの外周表面より径方向に突出した前記突起のそれぞれを囲み、かつ、前記動力伝達部を前記ギアケースに収納する際に、前記ギアケースを受ける受け部が前記ピニオン側の側面に形成されて周方向に連続して一体に形成され、かつ、前記センタブラケットに装着されて前記動力伝達部の外郭を形成する前記ギアケースに収納されている弾性変形可能なゴムダンパーを備え、前記突起は、前記ゴムダンパーに形成された凹部に篏合することで囲まれており、前記ゴムダンパーは、前記ギアケースの内周に接触可能で、かつ、回転方向に弾性変形可能なように嵌合されていることを特徴とする。
本発明によれば、エンジン始動時におけるスタータのピニオンシャフトのセンタブラケットにダンパーを設けて騒音の抑制を図ったものであっても、センタブラケットをギアケースに挿入する際のダンパーの離脱を防止でき、ダンパーの組み立て性が向上する。
本発明のスタータの実施例1を一部破断して示す正面図である。 本発明のスタータの実施例1に採用される動力伝達機構及びギアケースの分解斜視図である。 本発明のスタータの実施例1に採用される動力伝達機構のセンタブラケットとゴムダンパーを組立てた状態を示す斜視図である。
以下、図示した実施例に基づいて本発明のスタータを説明する。なお、各図において、同一構成部品には同符号を使用する。
図1に、本発明のスタータの実施例1の全体構成を、図2に、本発明のスタータの実施例1に採用される動力伝達機構及びギアケースを分解した状態を、図3に、本発明のスタータの実施例1に採用される動力伝達機構のセンタブラケットとゴムダンパーを組立てた状態を、それぞれ示す。
該図に示す如く、本実施例のスタータ1は、マグスイッチ2と動力伝達部3及びモータ4から成り、動力伝達部3がギアケース19に収納され、モータ4のシャフト11の回転力が、動力伝達部3のセンタブラケット17に回転可能に支持されているピニオンシャフト14を介して動力伝達部3のピニオン6に伝達され、このピニオン6は、マグスイッチ2の励磁コイル(図示せず)に電流が流れるとプランジャ5が吸引され、シフトレバー7を介してエンジンに装着されているリングギア15に噛み合わされるように構成されている。
そして、本実施例では、ピニオンシャフト14を回転支持するセンタブラケット17の外周に複数個の突起17aを設け、この突起17aのそれぞれを囲み、かつ、動力伝達部3をギアケース19に収納する際に、ギアケース19を受ける受け部18aがピニオン6側の側面に形成されているゴムダンパー18を備えている。
更に詳述すると、スタータ1は、マグスイッチ2、動力伝達部3、モータ4から構成され、バッテリーからマグスイッチ2の内部に収納された励磁コイル(図示せず)に電流が流れると、プランジャ5が吸引され、動力伝達部3をの構成するピニオン6がシフトレバー7を介してエンジンに装着されたリングギア15に向かって軸方向に移動し、ピニオン6がリングギア15に噛み合わされる。
モータ4は、積層されたコア8、コイル9、コンミテータ10、シャフト11で成るアーマチャー12が、すべり軸受12a、12bに回転可能に支承され、シャフト11の先端には外歯11aが形成され、この外歯11aが動力伝達部3内の遊星歯車減速機構13の遊星歯車13aと噛合い、所定の減速比を以ってピニオンシャフト14にモータ4の回転力が伝達され、ピニオンシャフト14上のヘリカルスプラインを経てピニオン6に回転が伝達される。
上述した遊星歯車減速機構13の内歯13bは、ピニオンシャフト14を回転可能に支承するすべり軸受16を組み込んだセンタブラケット17と一体に形成され、センタブラケット17の外周には突起17aが周方向に所定の間隔をもって複数個設けられ、この各々の突起17aを弾性変形可能なゴムダンパー18が囲む(突起17aがゴムダンパー18に形成された凹部に嵌合することで囲まれている)ようになっている。
このゴムダンパー18は、動力伝達部3をギアケース19に収納する際に、ギアケース19を受ける受け部18aがピニオン6側の側面に形成されて周方向に連続して一体に形成され、かつ、センタブラケット17に装着されて動力伝達部3の外郭を成すギアケース19に収納される。そして、ゴムダンパー18は、ギアケース19内周に接触可能で、かつ、回転方向に弾性変形可能に嵌合されている。
このような本実施例の構成により、エンジン始動要求によりスタータ1に通電が開始し、ピニオン6がリングギア15に噛合う際に発生する衝撃荷重は、遊星歯車減速機構13の内歯13bに伝達すると共に、ピニオンシャフト14を回転可能に支承するすべり軸受16にも印加されるが、内歯13bを一体に形成しすべり軸受16を装着するセンタブラケット17の外周にゴムダンパー18が装着されているので、上記双方の衝撃荷重のギアケース19への伝播を遮断することが可能となり、スタータ1の動作時の騒音抑制に高い効果が得られる。
しかも、本実施例では、センタブラケット17の外周には突起17aが周方向に所定の間隔をもって複数個設けられ、この各々の突起17aを弾性変形可能なゴムダンパー18が囲むようになっていると共に、このゴムダンパー18は、動力伝達部3をギアケース19に収納する際に、ギアケース19を受ける受け部18aがピニオン6側の側面に形成されて周方向に連続して一体に形成されているので、センタブラケット17をギアケース19に挿入する際に、ギアケース19を受け部18aが受けて案内となり、ゴムダンパー18の位置ずれ及び脱落を防止することができ、ゴムダンパー18の組み立て性が向上する。
従って、本実施例によれば、エンジン始動時におけるスタータ1のピニオンシャフト14のセンタブラケット17にゴムダンパー18を設けて騒音の抑制を図ったものであっても、センタブラケット17をギアケース19に挿入する際のゴムダンパー18の離脱を防止し、ゴムダンパー18の組み立て性が向上する。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成を置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…スタータ、2…マグスイッチ、3…動力伝達部、4…モータ、5…プランジャ、6…ピニオン、7…シフトレバー、8…コア、9…コイル、10…コンミテータ、11…シャフト、11a…外歯、12…アーマチャー、12a、12b…すべり軸受、13…遊星歯車減速機構、13a…遊星歯車、13b…内歯、14…ピニオンシャフト、15…リングギア、16…すべり軸受、17…センタブラケット、17a…突起、18…ゴムダンパー、18a…受け部、19…ギアケース。

Claims (1)

  1. マグスイッチと動力伝達部及びモータから成り、前記動力伝達部がギアケースに収納され、
    前記モータのシャフトの回転力が、前記動力伝達部のセンタブラケットに回転可能に支持されているピニオンシャフトを介して前記動力伝達部のピニオンに伝達され、
    前記ピニオンは、前記マグスイッチの励磁コイルに電流が流れるとプランジャが吸引され、シフトレバーを介してエンジンに装着されているリングギアに噛み合わされるスタータであって、
    前記ピニオンシャフトを回転支持するすべり軸受を装着し、前記動力伝達部内の遊星歯車減速機構の内歯を一体に形成する前記センタブラケットの側面から軸方向に突出し、その軸方向に突出した部分が前記センタブラケットの外周表面より径方向に突出した突起を周方向に所定間隔をもって複数個設け、前記センタブラケットの外周表面より径方向に突出した前記突起のそれぞれを囲み、かつ、前記動力伝達部を前記ギアケースに収納する際に、前記ギアケースを受ける受け部が前記ピニオン側の側面に形成されて周方向に連続して一体に形成され、かつ、前記センタブラケットに装着されて前記動力伝達部の外郭を形成する前記ギアケースに収納されている弾性変形可能なゴムダンパーを備え、
    前記突起は、前記ゴムダンパーに形成された凹部に篏合することで囲まれており、前記ゴムダンパーは、前記ギアケースの内周に接触可能で、かつ、回転方向に弾性変形可能なように嵌合されていることを特徴とするスタータ。
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