JP6617739B2 - 遠心振り子式ダンパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、中心軸回りに回転する環状のプレート部材と、該プレート部材における上記中心軸の軸方向に対向する2つのプレート面のうち少なくとも一方のプレート面に配設された振り子質量体と、該振り子質量体を上記プレート部材に対して該プレート部材の周方向に相対的に揺動可能に支持するローラピンとを備えた遠心振り子式ダンパ装置に関する。
従来より、中心軸回りに回転するプレート部材と、該プレート部材に配設された振り子質量体と、該振り子質量体を上記プレート部材に対して相対的に揺動可能に支持するローラピンとを備えた遠心振り子式ダンパ装置が知られている。
例えば、特許文献1には、中心軸回りに回転する振り子フランジ(プレート部材)と、該振り子フランジの上記中心軸方向の両側にそれぞれ配設されかつ該振り子フランジに設けられた貫通孔内に収容されるスペーサピンにより連結された振り子質量体とを備え、該振り子質量体は、少なくとも2つの転がり要素(ローラピン)により上記振り子フランジに対して旋回可能であり、上記転がり要素は、上記振り子質量体に設けられた案内軌道及び上記振り子フランジに相補的に形成された案内軌道内に収容されて転動可能であり、上記スペーサピンの、上記振り子フランジに設けられた上記貫通孔内に位置する部分に、上記貫通孔への上記スペーサピンの衝突を緩衝する緩衝手段が設けられている、遠心振り子式ダンパ装置が開示されている。
また、特許文献1に記載の遠心振り子式ダンパ装置では、スペーサピンが配置される貫通孔と転がり要素が配置される案内軌道とが、振り子フランジの周方向に並んで配置されている。
独国特許出願公開第102009042836号明細書
ところで、上記特許文献1に記載のような遠心振り子式ダンパ装置に対して、振り子質量体の重量を出来る限り大きくして、振り子質量体のイナーシャを増加させることで、遠心振り子式ダンパ装置による振動低減効果を高くしたいという要求がある。また、上記振動低減効果を適切に得るために、振り子質量体の振れ角設定の自由度を出来る限り高くしたいという要求もある。
一方で、振り子質量体の重量を増加した結果、遠心振り子式ダンパ装置全体の重量が増加してしまうと、該遠心振り子式ダンパ装置が設けられる装置(例えば、車両の変速機)の重量が増加してしまうため、遠心振り子式ダンパ装置全体の重量の増加ついては避ける必要がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遠心振り子式ダンパ装置全体の重量増加を防止しつつ、振り子質量体のイナーシャを増加させるとともに、振り子質量体の振れ角設定の自由度を出来る限り高くして、遠心振り子式ダンパ装置による振動低減効果を向上させることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、中心軸回りに回転する環状のプレート部材と、該プレート部材における上記中心軸の軸方向に対向する2つのプレート面のうち少なくとも一方のプレート面に配設された振り子質量体と、該振り子質量体を上記プレート部材に対して該プレート部材の周方向に相対的に揺動可能に支持するローラピンとを備えた遠心振り子式ダンパ装置を対象として、上記ローラピンは、上記プレート部材における上記振り子質量体が配設される部分に、上記周方向に延びるように形成されたプレート側ガイド溝と、上記振り子質量体における該プレート側ガイド溝に対応する部分に形成された質量体側ガイド溝との両方に挿通されるとともに、上記プレート側ガイド溝及び上記質量体側ガイド溝に沿って上記周方向に移動可能に配設され、上記振り子質量体が上記プレート部材に対して上記周方向に揺動したときに、上記ローラピンと上記プレート部材との衝突を緩衝するための緩衝部材をさらに備え、上記プレート部材における上記プレート側ガイド溝よりも径方向外側の部分には、上記周方向に延びかつ上記プレート部材の上記径方向外側の端部から上記径方向内側に向かって凹んだ凹部が、上記プレート側ガイド溝と上記径方向に並ぶように形成され、上記緩衝部材は、上記周方向において上記凹部内に位置するように、固定手段により上記振り子質量体に固定されており、上記緩衝部材は、周縁に曲面を有する形状をなし、上記プレート部材の凹部における上記径方向内側の部分には、上記径方向外側に向かって膨出する複数の膨出部により凹凸が形成され、上記複数の膨出部は、相隣接する膨出部の間に、上記緩衝部材の周縁に対応する凹形状が形成されるように構成されている、という構成とした。
この構成によると、緩衝部材が配設される凹部が、プレート部材におけるプレート側ガイド溝よりも径方向外側の部分に形成されるとともに、緩衝部材が配置される凹部とローラピンが配置されるプレート側ガイド溝とが径方向に並ぶように形成されているため、プレート部材の外周部分に、緩衝部材を配設するための孔を、上記プレート側ガイド溝とプレート部材の周方向に並べて形成する場合と比較して、プレート部材の強度を維持したまま、該プレート部材の外周部分を大きく削りやすい。これにより、プレート部材の重量を減少させて、該プレート部材の重量が減少した分だけ振り子質量体の重量を増加させることができる。この結果、遠心振り子式ダンパ装置全体の重量増加を防止しつつ振り子質量体のイナーシャを増加させることができる。
また、プレート部材に、緩衝部材が配設される凹部とローラピンが配置されるプレート側ガイド溝とが径方向に並ぶように形成されているため、上記凹部と上記プレート側ガイド溝とをプレート部材の周方向に並べて形成する場合と比較して、振り子質量体の該周方向の大きさを小さくすることができる。また、凹部は、プレート部材の径方向外側の端部から径方向内側に向かって凹んだ凹部であるため開空間となっている。このため、緩衝部材を上記周方向において凹部内に位置するように配設することにより、緩衝部材の形状及び大きさを凹部よりも径方向外側にはみ出すような形状及び大きさにすることもでき、緩衝部材の形状及び大きさの自由度が向上される。これにより、緩衝部材によって振り子質量体の揺動範囲が制限される場合において、該揺動範囲の設定の自由度が向上される。これらの結果、振り子質量体の上記周方向の振れ角設定の自由度を向上させることができる。
したがって、遠心振り子式ダンパ装置全体の重量増加を防止しつつ、振り子質量体のイナーシャを増加させるとともに、振り子質量体の振れ角設定の自由度を出来る限り高くして、遠心振り子式ダンパ装置による振動低減効果を向上させることができる。
上記遠心振り子式ダンパ装置において、上記振り子質量体は、上記プレート部材における上記凹部が形成された部分を上記軸方向に挟んで該軸方向に対向するように、上記2つのプレート面にそれぞれ配設され、上記軸方向に対向した振り子質量体同士は、上記凹部の位置に設けられたスペーサピンにより、上記軸方向に隙間を空けて互いに連結されており、上記緩衝部材は、上記連結された振り子質量体における上記隙間側の面にそれぞれ接した状態で、上記軸方向における上記隙間の位置に配設されている、ことが望ましい。
すなわち、遠心振り子式ダンパ装置では、振り子質量体自体の振動についても低減させることが望まれるところ、緩衝部材が、上記軸方向に対向した振り子質量体の隙間側の面にそれぞれ接した状態で配設されていれば、上記軸方向に対向した振り子質量体と緩衝部材とで、緩衝部材が振り子質量体で挟まれた3層構造が形成され、いわゆる制振鋼板と同様の構造が形成される。これにより、振り子質量体自体の振動を低減させることができる。この結果、遠心振り子式ダンパ装置による振動低減効果をより向上させることができる。
スペーサピンが設けられた遠心振り子式ダンパ装置では、上記固定手段は、上記スペーサピンにより構成されており、上記緩衝部材は、上記スペーサピンが挿通する貫通孔を有している、ことが望ましい。
この構成によると、スペーサピンと緩衝部材とを上記周方向の同じ位置に配置することができ、緩衝部材の周囲の構成をコンパクトにできるため、緩衝部材の形状及び大きさの自由度がより向上される。これにより、振り子質量体の揺動範囲の設定の自由度がより向上される。また、緩衝部材によって、ローラピンとプレート部材との衝突だけでなく、スペーサピンとプレート部材との衝突も緩衝することができる。
固定手段がスペーサピンで構成された遠心振り子式ダンパ装置の一実施形態では、上記スペーサピンは、上記凹部の位置において、上記周方向に離間して2つ設けられており、上記緩衝部材は、上記2つのスペーサピン同士を繋ぐような一体的な形状をなしている。
この構成によると、振り子質量体の振れ角設定の自由度を低下させない範囲で、緩衝部材の大きさを出来る限り大きくすることができる。これにより、緩衝部材の耐久性を向上させることができる。
固定手段がスペーサピンで構成された遠心振り子式ダンパ装置の他の実施形態では、上記スペーサピンは、上記凹部の位置において、上記周方向に離間して2つ設けられており、上記緩衝部材は、上記2つのスペーサピンのそれぞれに対して1つずつ設けられている。
この構成によると、緩衝部材が、2つのスペーサピンのそれぞれに対して1つずつ設けられているため、振り子質量体が揺動して、緩衝部材がプレート部材に衝突するときに、各緩衝部材が略同時にプレート部材に衝突するように、各緩衝部材及びプレート部材の凹部を構成すれば、プレート部材からの衝突荷重を各緩衝部材で分散して受けるようにすることができる。この結果、緩衝部材による緩衝効果を向上させることができる。
上記遠心振り子式ダンパ装置の一実施形態では、上記緩衝部材は、上記振り子質量体が上記プレート部材に対して上記周方向に相対的に揺動して、該揺動した振り子質量体に固定された上記緩衝部材が上記プレート部材に衝突したときにおいて、該衝突した緩衝部材が衝突荷重により撓んだ後に、上記揺動した振り子質量体を支持する上記ローラピンが上記プレート部材に衝突するような大きさ及び弾性を有している。
また、上記遠心振り子式ダンパ装置の他の実施形態では、上記緩衝部材は、上記振り子質量体が上記プレート部材に対して上記周方向に相対的に揺動して、該揺動した振り子質量体に固定された上記緩衝部材が上記プレート部材に衝突したときに、上記揺動した振り子質量体を支持する上記ローラピンが上記プレート部材に衝突しないような大きさ及び弾性を有している。
これら構成によると、振り子質量体が揺動したときには、先ず、該揺動した振り子質量体に固定された緩衝部材がプレート部材に衝突する。緩衝部材がプレート部材に衝突すると、プレート部材からの衝突荷重によって緩衝部材が撓んで、該緩衝部材によって衝突荷重が吸収される。そして、上記揺動した振り子質量体を支持するローラピンは、緩衝部材が撓んだ後でプレート部材に衝突するか、又は、緩衝部材が撓んだ後でもプレート部材に衝突しない。これにより、ローラピンに入力される衝突荷重が軽減されるか、又は、ローラピンに衝突荷重がほとんど入力されなくなる。この結果、緩衝部材によって、ローラピンとプレート部材との衝突が適切に緩衝される。
特に、緩衝部材が、該緩衝部材が衝突荷重により撓んだ後に、ローラピンがプレート部材に衝突するような大きさ及び弾性を有していれば、ローラピンの変形を防止するために、緩衝部材の大きさを過度に大きくする必要がないため、振り子質量体の振れ角設定の自由度の低下も抑制することができる
以上説明したように、本発明に係る遠心振り子式ダンパ装置では、プレート部材におけるプレート側ガイド溝よりも径方向外側の部分には、上記プレート部材の周方向に延びかつ上記プレート部材の上記径方向外側の端部から上記径方向内側に向かって凹んだ凹部が、上記プレート側ガイド溝と上記径方向に並ぶように形成され、ローラピンと上記プレート部材との衝突を緩衝するための緩衝部材は、上記周方向において上記凹部内に位置するように、固定手段により上記振り子質量体に固定されているため、遠心振り子式ダンパ装置全体の重量増加を防止しつつ、振り子質量体のイナーシャを増加させるとともに、振り子質量体の振れ角設定の自由度を出来る限り高くして、上記遠心振り子式ダンパ装置による振動低減効果を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る遠心振り子式ダンパ装置を備えた自動変速機における、遠心振り子式ダンパ周辺を示す拡大断面図である。 上記遠心振り子式ダンパの後側部分を斜め下側から見た斜視図である。 上記遠心振り子式ダンパの側面図である。 上記遠心振り子式ダンパ装置の振り子質量体周辺を示す分解斜視図である。 上記遠心振り子式ダンパの振り子質量体がプレート部材に対して相対移動した状態を示す図2相当図である。 本発明の実施形態2に係る遠心振り子式ダンパの後側部分を斜め下側から見た斜視図である。 上記実施形態2に係る遠心振り子式ダンパの振り子質量体がプレート部材に対して相対移動した状態を示す図6相当図である。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る遠心振り子式ダンパ10を備えた自動変速機1を示す。本実施形態1では、この自動変速機1は、FR式のハイブリッド車両(以下、単に車両という)の前部に、入力軸2が車両前後方向に延びるように搭載されている。尚、上記車両はFF式の車両であってもよい。
上記入力軸2は、内燃機関等の駆動源(図示省略)と連結されていて、その駆動源からの動力が伝達される。入力軸2は、上記駆動源の出力軸と直接接続されていてもよいし、トルクコンバータや断接クラッチ等を介して間接的に接続されていてもよい。尚、以下の説明では、単に軸方向といったときは,入力軸2の軸方向を意味し、入力軸2の軸方向における上記駆動源側(図1の左側)を前側といい、該駆動源とは反対側(図1の右側)を後側という。
自動変速機1は、上記駆動源の始動等を行う駆動ユニット部1aと、変速を行う変速部とを有しており(図1では駆動ユニット部1aのみを示している)、上記駆動源で生成された動力は、駆動ユニット部1a及び上記変速部を介して上記車両の駆動輪(本実施形態では後輪)に伝達されるようになっている。
上記駆動ユニット部1aと上記変速部とは入力軸2の軸方向に並んでおり、駆動ユニット部1aが上記変速部よりも前側に位置している。入力軸2は、駆動ユニット部1aに設けられる駆動ユニット側入力軸2aと上記変速部に設けられる変速部側入力軸2bとに2分されており、駆動ユニット側入力軸2aと変速部側入力軸2bとは、後述するクラッチ5によって断接可能となっている。
駆動ユニット部1aには、上記駆動源の回転変動やトルク変動による振動を吸収する遠心振り子式ダンパ10と、上記駆動源の始動等を行うためのモータ4と、駆動ユニット側入力軸2aと変速側入力軸2bとを断接するクラッチ5とが設けられている。遠心振り子式ダンパ10は、駆動ユニット部1aにおける前側寄りの位置に位置しており、遠心振り子式ダンパ10よりも前側には、駆動ユニット部1aと外部とを隔てる隔壁7が設けられている。モータ4は、遠心振り子式ダンパ10と軸方向に並んで配設されている。クラッチ5は、軸方向におけるモータ4と略同じ位置でかつモータ4よりも径方向内側の位置に配設されている。また、軸方向における、モータ4と遠心振り子式ダンパ10との間には、モータ4の駆動時に、該モータ4から発生する磁力により遠心振り子式ダンパ10が影響を受けないように、該磁力を規制するための磁力規制プレート8が設けられている。
上記モータ4は、上記駆動源の始動時にスタータモータとして機能したり、上記車両の減速時に減速回生を行う発電機として機能したりするモータである。モータ4は、図3に示すように、入力軸2と同心上に配置された環状のステータ4aと、該ステータ4aの内側に、該ステータ4と同心上(つまり、入力軸2と同心上)に配置された円筒状のロータ4bとを有している。尚、モータ4を上記車両の駆動輪を駆動させる駆動源として用いることもできる。
上記クラッチ5は、湿式多板式クラッチであって、油圧によって入力軸2の軸方向に進退駆動する締結ピストン5aと、該締結ピストン5aの進退によって、係合又は解放される複数の摩擦板5bとを有している。該複数の摩擦板5bが締結ピストン5aによって互いに係合したときに、クラッチ5が締結状態となり、入力軸2における、上記駆動ユニット部に設けられた部分と上記変速部に設けられた部分とがクラッチ5を介して接続される。
上記遠心振り子式ダンパ10は、中心軸回りに回転する環状のプレート部材11と、該プレート部材11における軸方向に対向する2つのプレート面11bの外周部分にそれぞれ配設された振り子質量体21と、該振り子質量体21を該プレート部材11に対して該プレート部材11の周方向に相対的に揺動可能に支持するローラピン30とを有している。遠心振り子式ダンパ10は、プレート部材11に対して、振り子質量体21が上記周方向に相対的に揺動することにより、上記駆動源の回転変動やトルク変動等によって発生する振動を吸収する。
プレート部材11は、図1に示すように、入力軸2にスプライン嵌合されかつ該スプライン嵌合された位置から入力軸2の径方向外側に向かって広がるブラケット6の該径方向外側の部分とボルト100によって締結されている。これにより、遠心振り子式ダンパ10が入力軸2に取り付けられる。プレート部材11が入力軸2に取り付けられた状態で、プレート部材11の中心軸は入力軸2の中心軸と一致しており、これにより、プレート部材11は、入力軸2と一体に中心軸回りに回転するようになる。
以下、上記遠心振り子式ダンパ10の構成について詳細に説明する。
遠心振り子式ダンパ10のプレート部材11は、図2、図3及び図5に示すように、環状の金属板を加工したものである。プレート部材11の中心には入力軸2が挿通する貫通孔11aが形成されており、プレート部材11の後側のプレート面11bの中央には、該貫通孔11aを覆うようにブラケット6が6つのボルト100によって取り付けられている。該ブラケット6の中心には、入力軸2が挿通する貫通孔6aが形成されている。尚、図2及び図5では、プレート部材11の貫通孔11aとブラケット6の貫通孔6aとは重なって見えている。
プレート部材11の外周部分には、プレート部材11の周方向に延びかつプレート部材11の径方向外側の端部から該径方向内側に向かって凹んだ凹部12が、上記周方向に離間して3つ形成されている。3つの凹部12は、上記周方向に等間隔に並んで形成されている。各凹部12はプレート部材11の径方向外側に向かって開放された開空間である。
各凹部12におけるプレート部材11の径方向内側の部分には、該径方向の凹凸が形成されている。具体的には、各凹部12における上記部分には、凹部12の長手方向中央の部分と、該長手方向中央の部分から該長手方向両側に僅かに離れて位置する2つの部分とに、それぞれ径方向外側に向かって膨出した膨出部12aが形成されている。また、各凹部12における上記部分における上記長手方向両側の2つの部分は、上記長手方向両側にそれぞれ位置する膨出部12aの形状に連続するような円弧状をなした円弧部12bとなっている。これら、膨出部12a及び円弧部12bの形状は、後述するラバー部材50の該周縁に対応した形状となっている。
プレート部材11の外周部分、具体的には、プレート部材11における、各凹部12の2つの円弧部12bよりも上記径方向内側にそれぞれ位置する2つの部分には、図2及び図5に示すように、ローラピン30が収容されるプレート側ガイド溝13が、近い位置にある凹部12と上記径方向に並ぶようにそれぞれ形成されている。
各プレート側ガイド溝13は、プレート部材11を軸方向に貫通した貫通孔で形成されている。各プレート側ガイド溝13は、図2、図4及び図5に示すように、プレート部材11の周方向に延びた円弧状をなしており、該円弧の円周方向中央部が上記径方向外側に向かって凹むように形成されている。
上記振り子質量体21は、図2及び図5に示すように、プレート部材11の外周部分における3箇所の凹部12の位置にそれぞれ2つずつ、合計で6つ設けられている。以下、各凹部12に対応して設けられた2つの振り子質量体21をまとめて振り子質量体対20ということがある。
各凹部12に対応して設けられた2つの振り子質量体21は、プレート部材11における凹部12が形成された部分を軸方向に挟んで該軸方向に対向するように配設されている。これにより、各振り子質量体21は、上記軸方向から見て、プレート部材11の凹部12と重複するように配設される。各振り子質量体21は、鉄や鉄を含む合金などの所定の質量を有する金属によって形成されている。
各振り子質量体21は、図2、図4及び図5に示めすように、プレート部材11の外周形状に沿うようなアーチ状をなしている。
各振り子質量体21の周方向の両側端部近傍に位置する2つの部分には、ローラピン30が収容される質量体側ガイド溝23がそれぞれ形成されている。各質量体側ガイド溝23は、振り子質量体21がプレート部材11に対して揺動していない中立位置に位置しているときのプレート側ガイド溝13の位置に対応する位置に形成されている。
各質量体側ガイド溝23は、振り子質量体21を上記軸方向に貫通した貫通孔で形成されている。各質量体側ガイド溝23は、図2、図4及び図5に示すように、振り子質量体21の周方向に延びた円弧状をなしており、該円弧の円周方向中央部が上記径方向内側に向かって凹むように形成されている。
各振り子質量体対20を構成する各2つの振り子質量体21には、図4に示すように、上記軸方向において他の振り子質量体21と対向した面に、当該対向した振り子質量体21側に向かって突出する4つの突起24がそれぞれ形成されている。4つの突起24のうち,各振り子質量体21の周方向中央の部分にそれぞれ形成された2つの突起24(以下、第1の突起24aという)は、後述するラバー部材50に形成された凹部52内に収容され、遠心振り子式ダンパ10を組み立てる際の上記ラバー部材50の位置決めを容易にするとともに、遠心振り子式ダンパ10の作動時に、プレート部材11の回転によりラバー部材50に作用する遠心力によって、該ラバー部材50がプレート部材11の径方向外側に移動することを抑制している。一方で、各振り子質量体21における2つの質量体側ガイド溝23の近傍にそれぞれ1つずつ形成された残り2つの突起24(以下、第2の突起24bという)は、図3に示すように、遠心振り子式ダンパ10が組み立てられた状態で、プレート部材11の前側又は後側の面と当接している。第2の突起24bがプレート部材11と当接することによって、各振り子質量体21とプレート部材11とが点接触するようになり、振り子質量体21がプレート部材11に対して揺動するときに、振り子質量体21に作用する摺動抵抗を小さくすることができる。尚、第2の突起24bを形成する代わりに、振り子質量体21とプレート部材11とが点接触となるような補助部材を該振り子質量体21に設けるようにしてもよい。
また、図4に示すように、各振り子質量体21において、振り子質量体21の周方向一側の第1の突起24aと該周方向一側の第2の突起24bとの間の部分、及び、上記周方向他側の第1の突起24aと該周方向他側の第2の突起24bとの間の部分には、貫通孔25がそれぞれ形成されている。該貫通孔25は後述するスペーサピン40が挿通する孔である。
また、各振り子質量体21には、図2、図4及び図5に示すように、各振り子質量体21の重心位置を調整するための3つの重心調整孔26がそれぞれ形成されている。具体的には、3つの重心調整孔26のうちの2つの重心調整孔26は、質量体側ガイド溝23と該質量体ガイド溝23に近い貫通孔25との間の箇所にそれぞれ設けられ、残り1つの重心調整孔26は、振り子質量体21の周方向における2つの貫通孔26の間の位置でかつ上記第1の突起24aよりも径方向外側の位置に設けられている。3つの重心調整孔26は、それぞれ楕円形状をなしている。2つの貫通孔26の間の位置に設けられた重心調整孔26は、質量体側ガイド溝23と貫通孔25との間に設けられた重心調整孔26よりも上記周方向に延びた細長い形状をなしている。
振り子質量体対20を構成する2つ振り子質量体21同士(つまり、上記軸方向において対向した振り子質量体21同士)は、図3及び図4に示すように、プレート部材11の周方向における凹部12の位置に設けられる2つのスペーサピン40により、軸方向に隙間27(図3参照)を空けて互いに連結されている。これにより、上記軸方向に対向した振り子質量体21同士は、一体となってプレート部材11に対して揺動するようになる。
各凹部12にそれぞれ配置された2つのスペーサピン40は、図2、図4及び図5に示すように、プレート部材11の周方向に互いに離間して配置されている。
スペーサピン40は、軸部40aとネジ部40bとを有している。スペーサピン40の軸部40a及びネジ部40bは、図3に示すように、軸方向に対向した2つの振り子質量体21と該2つの振り子質量体21の間の隙間27に配設された後述のラバー部材50を、後側から前側に向かってそれぞれ貫通している。軸部40aの長さは、2つの振り子質量体21の各厚みと後述のラバー部材50の厚みとを合計した値と同じ値か、該値よりも僅かに大きい値になる長さに設定されている。軸部40aが上記長さに設定されていることにより、スペーサピン40が上記2つの振り子質量体21と後述のラバー部材50を貫通した状態では、上記ネジ部40bが前側の振り子質量体21よりも前側に突出するようになる。上記ネジ部40bには、ナット42が螺合される。尚、スペーサピン40はリベットで構成されていてもよい。
上記ローラピン30は、各振り子質量体対20に2つずつ(つまり、全体で6つ)割り当てられている。
各ローラピン30は、図4に示すように、大径部31と、該大径部31の両端に設けられた2つの小径部32とを有している。図2及び図5に示すように、大径部31はプレート部材11のプレート側ガイド溝13に、該プレート側ガイド溝13に沿って、プレート部材11の周方向に移動可能に挿通されている。一方、2つの小径部32は、軸方向両側のプレート面11bにそれぞれ位置する2つの振り子質量体21の質量体側ガイド溝23に、該質量体側ガイド溝23に沿って移動可能にそれぞれ挿通されている。これにより、各振り子質量体対20の2つの振り子質量体21は、ローラピン30を介してプレート部材11に対して支持されるとともに、プレート部材11に対して該プレート部材11の周方向に相対的に揺動可能になっている。
また、本実施形態1の遠心振り子式ダンパ10は、図2〜図5に示すように、振り子質量体21がプレート部材11に対して相対的に、該プレート部材11の周方向に揺動したときに、該ローラピン30とプレート部材11との衝突を緩衝するラバー部材(緩衝部材)50を備えている。
上記ラバー部材50は、3箇所の凹部12に対応して3つ設けられている。各ラバー部材50は、図2に示すように、プレート部材11の周方向において対応する凹部12内に位置するように、振り子質量体21にスペーサピン40によって固定されている。つまり、本実施形態では、スペーサピン40が、ラバー部材50を振り子質量体21に固定する固定手段を構成している。
各ラバー部材50は、図3に示すように、対応する凹部12に位置する振り子質量体対20を構成する2つ振り子質量体21の間の隙間27に配設されている。また、各ラバー部材50は、図3に示すように、上記2つの振り子質量体21の隙間27側の面にそれぞれ接した状態で、上記軸方向における上記隙間27の位置に配設されている。具体的には、各ラバー部材50が、上記隙間27に配設された状態で、各ラバー部材50の前側の面の略全体が、前側の振り子質量体21の隙間27側の面(後側の面)と接している一方、各ラバー部材50の後側の面の略全体が、後側の振り子質量体21の隙間27側の面(前側の面)と接している。これにより、2つの振り子質量体21とラバー部材50とによる3層構造がそれぞれ形成されている。尚、必ずしも、各ラバー部材50の前側及び後側の面の略全体が、振り子質量体21の隙間27側の面と接触している必要はなく、各ラバー部材50の前側及び後側の面が部分的に、振り子質量体21の隙間27側の面と接触している構成であってもよい。
各ラバー部材50は、図2、図4及び図5に示すように、対応する凹部12に配設された2つのスペーサピン40同士を繋ぐような一体的な形状をなしている。具体的には、振り子質量体21の外周形状に対応したような円弧状をなしている。ラバー部材50における周方向両側端部の近傍に位置する2つの部分には、スペーサピン40が挿通する貫通孔51がそれぞれ形成されている。そして、該貫通孔51にスペーサピン40が挿通することで、2つのスペーサピン40同士がラバー部材50によって繋がれたような状態になる。尚、本実施形態1では、ラバー部材50の径方向外側の縁部は、振り子質量体21の径方向外側の縁部に沿うような形状をなしているが、ラバー部材50の径方向外側の部分が振り子質量体21の径方向外側の縁部よりも径方向外側にはみ出すような形状であってもよい。
各ラバー部材50の周方向中央の部分には、該ラバー部材50の厚さ方向内側に凹んだ2つの凹部52が、該ラバー部材50の前側の面及び後側の面の両方にそれぞれ形成されている(つまり、1つのラバー部材50に対して4つの凹部52が形成されている)。前側及び後側の各2つの凹部52は、ラバー部材50の周方向に並んでそれぞれ形成されている。上記各2つの凹部52は、振り子質量体21に形成された2つの第1の突起24aをそれぞれ収容する。
各ラバー部材50は、振り子質量体21がプレート部材11の周方向に揺動して、該揺動した振り子質量体21に設けられたラバー部材50がプレート部材11に衝突したときにおいて、当該ラバー部材50が衝突荷重により撓んだ後に、上記揺動した振り子質量体21を支持するローラピン30がプレート部材11に衝突するような大きさ及び弾性を有している。これにより、各ラバー部材50は、振り子質量体21がプレート部材11の周方向に揺動したときに、ローラピン30とプレート部材11との衝突を緩衝している。
具体的には、例えば、図5に示すように(図5では、ラバー部材50の状態を見やすくするために、後側の振り子質量体21の記載を省略している)、振り子質量体21がプレート部材11の周方向一側に揺動してラバー部材50とプレート部材11とが衝突したとする。このとき、ラバー部材50における上記周方向一側の部分は、凹部12の上記周方向一側に位置する円弧部12cに当接するとともに、ラバー部材50における上記周方向他側の部分は、凹部12の長手方向中央に位置する膨出部12aに当接する。
振り子質量体21がプレート部材11の周方向一側に揺動したときには、ローラピン30の小径部32が、質量体側ガイド溝23の上記周方向他側の端部に、上記周方向一側に向かって押されるため、ローラピン30(厳密には、ローラピン30の大径部31)は、プレート側ガイド溝13に沿って上記周方向一側に向かって移動する。
ラバー部材50がプレート部材11と当接した瞬間には、ラバー部材50は撓んでおらず、このときは、ローラピン30はプレート部材11と衝突していない。
ラバー部材50がプレート部材11と当接した後、ラバー部材50が、プレート部材11との衝突による衝突荷重によって上記周方向に撓むと、ローラピン30がプレート側ガイド溝13に沿って上記周方向一側に向かってさらに移動して、ローラピン30とプレート部材11とが衝突する。つまり、ローラピン30は、ラバー部材50の撓みによってプレート部材11からの衝突荷重が吸収された後で、該プレート部材11に衝突することになる。これにより、ローラピンに入力される衝突荷重が軽減される。したがって、ラバー部材50によって、ローラピン30とプレート部材11とが衝突する際に該ローラピン30に入力される衝突荷重が軽減される。これにより、ラバー部材50によって、ローラピン30とプレート部材11との衝突が緩衝される。
本実施形態1では、各ラバー部材50は上記のような弾性及び大きさに設定されているが、各ラバー部材50の大きさ及び弾性を、ラバー部材50が撓んだときでもローラピン30がプレート部材11と衝突しないような大きさ及び弾性に設定することも可能である。この場合は、プレート部材11からの衝突荷重のほぼ全てがラバー部材50によって吸収され、ローラピン30には衝突荷重がほとんど入力されなくなる(厳密には、振り子質量体21がプレート部材11の周方向に揺動したときには、ローラピン30の大径部31がプレート側ガイド溝13に接触して移動するため、ローラピン30に僅かに衝突荷重が入力される)。つまり、上述のラバー部材50による緩衝とは、ローラピン30に入力される衝突荷重を軽減することだけでなく、ローラピン30に衝突荷重がほとんど入力されないようにすることも含んでいる。
ここで、遠心振り子式ダンパ10には、振り子質量体21の重量を出来る限り大きくして、振り子質量体21のイナーシャを増加させることで、遠心振り子式ダンパ10による振動低減効果を高くしたいという要求がある。また、遠心振り子式ダンパ10による振動低減効果を適切に得るために、振り子質量体21の振れ角設定の自由度を出来る限り高くしたいという要求もある。
一方で、振り子質量体21の重量を増加させた結果、遠心振り子式ダンパ10全体の重量が増加してしまうと、該遠心振り子式ダンパが設けられる装置(本実施形態1では、上記車両の自動変速機1)の重量が増加してしまうため、遠心振り子式ダンパ10全体の重量の増加については避ける必要がある。
本実施形態1では、プレート部材11におけるプレート側ガイド溝13よりも径方向外側の部分に、プレート部材11の周方向に延びかつ上記径方向外側の端部から上記径方向内側に向かって凹んだ凹部12が形成されており、プレート部材11の外周部分に緩衝部材を配設するための貫通孔を形成する場合と比較して、該プレート部材11の強度を維持したまま、該プレート部材11の外周部分を大きく削りやすい。このため、プレート部材11の重量を減少させて、プレート部材11の重量が減少した分だけ振り子質量体21の重量を増加させることができる。これにより、遠心振り子式ダンパ10全体の重量増加を防止しつつ振り子質量体21のイナーシャを増加させることができる。
また、上記凹部12が、プレート側ガイド溝13と径方向に並ぶように形成され、凹部12とプレート側ガイド溝13とをプレート部材11の周方向に並べて形成する場合と比較して、振り子質量体21の、プレート部材11の周方向における大きさを小さくすることができる。また、凹部12は径方向外側が開放された開空間であるため、ラバー部材50を上記周方向において凹部12内に位置するように配設したことにより、ラバー部材50の形状及び大きさを凹部12よりも径方向外側にはみ出すような形状及び大きさにすることもでき、ラバー部材50の形状及び大きさの自由度が向上される。これにより、ラバー部材50によって振り子質量体21の揺動範囲が制限される場合において、揺動範囲の設定の自由度が向上される。これらの結果、振り子質量体21の振れ角設定の自由度を向上させることができる。
また、遠心振り子式ダンパ10では、各振り子質量体21自体が振動することがあるため、各振り子質量体21自体の振動についても低減させることが望まれる。
本実施形態1では、ラバー部材50は、振り子質量体対20を構成する2つの振り子質量体21の隙間27側の面にそれぞれ接した状態で、該隙間27に配置され、上記2つの振り子質量体21とラバー部材50とによる3層構造がそれぞれ形成されているため、上記2つの振り子質量体21とラバー部材50とで、いわゆる制振鋼板と同様の構造が形成されている。これにより、振り子質量体21自体の振動を低減させることができ、この結果、遠心振り子式ダンパ10による振動低減効果をより向上させることができる。
さらに、本実施形態1では、各ラバー部材50には、スペーサピン40が挿通される貫通孔51が設けられ、各ラバー部材50は、スペーサピン40によって振り子質量体21に固定されているため、スペーサピン40とラバー部材50とをプレート部材11の周方向における同じ位置に配置することができ、ラバー部材50の周囲の構成をコンパクトにできるため、ラバー部材50の形状及び大きさの自由度がより向上される。これにより、振り子質量体21の揺動範囲の設定の自由度がより向上される。
また、本実施形態1では、各振り子質量体21に2つの第1の突起24aが設けられるとともに、該第1の突起部24aは、該ラバー部材50の2つの凹部52に収容されているため、遠心振り子式ダンパ10の作動時に、プレート部材11の回転によりラバー部材50に作用する遠心力によって、該ラバー部材50がプレート部材11の径方向外側に移動することが抑制される。これにより、上記遠心力の影響により、上記ラバー部材50と上記プレート部材の衝突モードが変化してしまうことが抑制される。また、振り子質量体21の第1の突起24aとラバー部材50凹部52とにより、遠心振り子式ダンパ10を組み立てる際のラバー部材50の位置決めを容易になるため、遠心振り子式ダンパ10の組み立て性が向上される。
したがって、本実施形態1では、振り子質量体21がプレート部材11に対して上記周方向に揺動したときに、ローラピン30とプレート部材11との衝突を緩衝するためのラバー部材50を備え、プレート部材11におけるプレート側ガイド溝13よりも径方向外側の部分に、上記径方向外側の端部から上記径方向内側に向かって凹んだ凹部12が、プレート側ガイド溝13と径方向に並ぶように形成され、ラバー部材50は、上記周方向において凹部12内に位置するように、スペーサピン40により振り子質量体21に固定されているため、遠心振り子式ダンパ10全体の重量増加を防止しつつ、振り子質量体21のイナーシャを増加させるとともに、振り子質量体21の振れ角設定の自由度を出来る限り高くして、遠心振り子式ダンパ10による振動低減効果を向上させることができる。
(実施形態2)
図6及び図7は、本実施形態2に係る遠心振り子式ダンパ110の後側部分を示す。図6及び図7において上記実施形態1と共通の部分については同じ符号を付している。以下の説明では、上記実施形態1と共通の部分については詳細な説明を省略する。
本実施形態2に係る遠心振り子式ダンパ110は、特にラバー部材150の形状及び数が上記実施形態1とは異なっている。
具体的には、本実施形態2のラバー部材150は、図6に示すように、入力軸12の軸方向から見て、円形をなしている。また、本実施形態2の各ラバー部材150は、対応する凹部112に位置する2つのスペーサピン40のそれぞれに対して1つずつ(つまり、合計で6つ)設けられている。図示は省略しているが、各ラバー部材150は、上記実施形態1と同様に、振り子質量体対120を構成する2つの振り子質量体121の隙間27側の面にそれぞれ接した状態で、上記2つの振り子質量体121の間の隙間に配置されている。
また、本実施形態2では、ラバー部材150の形状及び数が上記実施形態1とは異なることにより、該ラバー部材150が固定される振り子質量体121の構成も上記実施形態1と異なっている。具体的には、上記実施形態1の振り子質量体121には、周方向中央の部分に2つの突起(上記実施形態1の第1の突起24a)が形成されていたが、本実施形態2の振り子質量体121には,該2つの突起に対応する突起が設けられていない。まが、上記2つの突起を設けないようにしたことにより、振り子質量体121の重心位置を調整する重心調整孔126の形状が上記実施形態1とは異なっている。具体的には、本実施形態2では、振り子質量体121における2つスペーサピン40が挿通する2つ貫通孔(図6及び図7では、ラバー部材150と重なって見えていない)の間に設けられる重心調整孔126の形状が、質量体側ガイド溝123と該質量体側ガイド溝123に近い上記貫通孔との間に位置する重心調整孔126と略同じ楕円形状をなしている。
本実施形態2に係る遠心振り子式ダンパ110でも、上記実施形態1と同様に、プレート部材111に設けられた各凹部112には、3つの膨出部112aと、各凹部112における上記長手方向両側の2つの部分に、上記長手方向両側にそれぞれ位置する膨出部112aの形状と連続するように円弧状をなした円弧部112bとが設けられている。各膨出部112a及び各円弧部112bは、図7に示すように(図7では、ラバー部材150の状態を見やすくするために、後側の振り子質量体121の記載を省略している)、振り子質量体121がプレート部材111に対して揺動したときに、当該振り子質量体121に固定された2つラバー部材150が略同時にプレート部材111に衝突するような形状をなしている。
本実施形態2の構成でも、上記実施形態1と同等の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態2では、各ラバー部材150は、対応する凹部112に位置する2つのスペーサピン40のそれぞれに対して1つずつ設けたことにより、振り子質量体121がプレート部材111に対して揺動して、該振り子質量体121に固定されたラバー部材150がプレート部材111に衝突するときに、上記揺動した振り子質量体121に固定された2つのラバー部材150が略同時にプレート部材111に衝突するように、該各ラバー部材150及びプレート部材111の凹部112を構成すれば、プレート部材111からの衝突荷重を各ラバー部材150で分散して受けるようにすることができる。この結果、ラバー部材150による緩衝効果を向上させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、プレート部材11(111)に対して凹部12(112)が3箇所に設けられ、振り子質量体21(121)は3箇所の凹部12(112)にそれぞれ対応して、プレート部材11(111)の周方向の3箇所に配設されていたが、これに限らず、プレート部材11(111)に対して凹部12(112)が設けられる箇所が、2箇所以下であってもよく、4箇所以上であってもよい。この場合、振り子質量体21(121)が配設される箇所も、凹部12(112)の数に対応して増減される。ただし、凹部12(112)の数が多すぎると、振り子質量体21(121)の配設箇所が多くなりすぎて、各振り子質量体21(121)の振れ角設定の自由度を低下させるおそれがあるため、各振り子質量体21(121)の振れ角設定の自由度を出来る限り高くするという観点からは、1つのプレート部材11(111)に対して凹部12(112)が設けられる箇所を、3箇所程度にすることが望ましい。
また、上記実施形態では、振り子質量体21(121)は、プレート部材11の上記軸方向両側に位置する2つのプレート面11bにそれぞれ配設されていたが、これに限らず、上記2つのプレート面11bのうち一方のプレート面11bにのみ配設されていてもよい。尚、上記実施形態のように、振り子質量体21(121)をプレート部材11の周方向に並べて複数設ける場合には、全ての振り子質量体21(121)が前側のプレート面11b又は後側のプレート面11bの一方に設けられていることが望ましい。
さらに、上記実施形態では、ローラピン30は、各振り子質量体対20(120)に2つずつ割り当てられていたが、これに限らず、ローラピン30が、各振り子質量体対20(120)に1つずつ割り当てられていてもよい。この場合、プレート側ガイド溝13は各凹部12(112)に対応して1つずつ(全体で3つ)設けられ、質量体側ガイド溝23は各振り子質量体21(121)に1つずつ設けられる。
また、上記実施形態では、ラバー部材50(150)は、スペーサピン40により振り子質量体21(121)に固定されていたが、これに限らず、ラバー部材50(150)が、振り子質量体21(121)に接着されていてもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、中心軸回りに回転する環状のプレート部材と、該プレート部材における上記中心軸の軸方向に対向する2つのプレート面のうち少なくとも一方のプレート面に配設された振り子質量体と、該振り子質量体を上記プレート部材に対して該プレート部材の周方向に相対的に揺動可能に支持するローラピンとを備えた遠心振り子式ダンパ装置として有用である。
10,110 遠心振り子式ダンパ
11,111 プレート部材
11b プレート面
12,112 凹部
13 プレート側ガイド溝
21,121 振り子質量体
23,123 質量体側ガイド溝
27 隙間(連結された振り子質量体における隙間)
30 ローラピン
40 スペーサピン(固定手段)
50,150 ラバー部材(緩衝部材)
51 貫通孔

Claims (7)

  1. 中心軸回りに回転する環状のプレート部材と、該プレート部材における上記中心軸の軸方向に対向する2つのプレート面のうち少なくとも一方のプレート面に配設された振り子質量体と、該振り子質量体を上記プレート部材に対して該プレート部材の周方向に相対的に揺動可能に支持するローラピンとを備えた遠心振り子式ダンパ装置であって、
    上記ローラピンは、上記プレート部材における上記振り子質量体が配設される部分に、上記周方向に延びるように形成されたプレート側ガイド溝と、上記振り子質量体における該プレート側ガイド溝に対応する部分に形成された質量体側ガイド溝との両方に挿通されるとともに、上記プレート側ガイド溝及び上記質量体側ガイド溝に沿って上記周方向に移動可能に配設され、
    上記振り子質量体が上記プレート部材に対して上記周方向に揺動したときに、上記ローラピンと上記プレート部材との衝突を緩衝するための緩衝部材をさらに備え、
    上記プレート部材における上記プレート側ガイド溝よりも径方向外側の部分には、上記周方向に延びかつ上記プレート部材の上記径方向外側の端部から上記径方向内側に向かって凹んだ凹部が、上記プレート側ガイド溝と上記径方向に並ぶように形成され、
    上記緩衝部材は、上記周方向において上記凹部内に位置するように、固定手段により上記振り子質量体に固定されており、
    上記緩衝部材は、周縁に曲面を有する形状をなし、
    上記プレート部材の凹部における上記径方向内側の部分には、上記径方向外側に向かって膨出する複数の膨出部により凹凸が形成され、
    上記複数の膨出部は、相隣接する膨出部の間に、上記緩衝部材の周縁に対応する凹形状が形成されるように構成されていることを特徴とする遠心振り子式ダンパ装置。
  2. 請求項1に記載の遠心振り子式ダンパ装置において、
    上記振り子質量体は、上記プレート部材における上記凹部が形成された部分を上記軸方向に挟んで該軸方向に対向するように、上記2つのプレート面にそれぞれ配設され、
    上記軸方向に対向した振り子質量体同士は、上記凹部の位置に設けられたスペーサピンにより、上記軸方向に隙間を空けて互いに連結されており、
    上記緩衝部材は、上記連結された振り子質量体における上記隙間側の面にそれぞれ接した状態で、上記軸方向における上記隙間の位置に配設されていることを特徴とする遠心振り子式ダンパ装置。
  3. 請求項2に記載の遠心振り子式ダンパ装置において、
    上記固定手段は、上記スペーサピンにより構成されており、
    上記緩衝部材は、上記スペーサピンが挿通する貫通孔を有していることを特徴とする遠心振り子式ダンパ装置。
  4. 請求項3に記載の遠心振り子式ダンパ装置において、
    上記スペーサピンは、上記凹部の位置において、上記周方向に離間して2つ設けられており、
    上記緩衝部材は、上記2つのスペーサピン同士を繋ぐような一体的な形状をなしていることを特徴とする遠心振り子式ダンパ装置。
  5. 請求項3に記載の遠心振り子式ダンパ装置において、
    上記スペーサピンは、上記凹部の位置において、上記周方向に離間して2つ設けられており、
    上記緩衝部材は、上記2つのスペーサピンのそれぞれに対して1つずつ設けられていることを特徴とする遠心振り子式ダンパ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の遠心振り子式ダンパ装置において、
    上記緩衝部材は、上記振り子質量体が上記プレート部材に対して上記周方向に相対的に揺動して、該揺動した振り子質量体に固定された上記緩衝部材が上記プレート部材に衝突したときにおいて、該衝突した緩衝部材が衝突荷重により撓んだ後に、上記揺動した振り子質量体を支持する上記ローラピンが上記プレート部材に衝突するような大きさ及び弾性
    を有していることを特徴とする遠心振り子式ダンパ装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の遠心振り子式ダンパ装置において、
    上記緩衝部材は、上記振り子質量体が上記プレート部材に対して上記周方向に相対的に揺動して、該揺動した振り子質量体に固定された上記緩衝部材が上記プレート部材に衝突したときに、上記揺動した振り子質量体を支持する上記ローラピンが上記プレート部材に衝突しないような大きさ及び弾性を有していることを特徴とする遠心振り子式ダンパ装置。
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