JP6617522B2 - 集光シート及び採光装置 - Google Patents
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Description
また、集光シートと同様に製造される光散乱シートを用いた採光装置に関する。
本発明者らは、建物の窓が真南に向いている建物においては、上述の先行技術を有効利用することができるが、建物の窓が向いている方位(即ち、窓の向き)によっては、上述の先行技術では太陽光や人工光等を有効利用することができない場合があることに着目した。即ち、上述の先行技術では、水平方向において、屋内に充分採光可能な光の窓に対する入射角度が小さいという問題があった。
また、本発明は、集光シートと同様の工程で製造される光散乱シートと鉛直方向光変向部とを組み合わせることで光を有効利用可能とする採光装置を提供する。
[1]建物壁面に開口部を有し、前記開口部の鉛直方向をZ軸方向、前記開口部と平行かつZ軸方向と垂直方向をX軸方向とし、XZ平面に対して垂線方向をY軸方向としたとき、シートが建物開口部のXZ平面に配置される透光性を有する集光シート用のシートであって、該シートの少なくとも一方の面に微細凹凸が形成され、前記微細凹凸はZ軸方向に互いに非平行に蛇行しながら延在し、不規則に形成された複数の凸条部と、該複数の凸条部間の凹条部とを有する微細凹凸形成シートを使用した集光シート。
[2]建物壁面に開口部を有し、前記開口部の鉛直方向をZ軸方向、前記開口部と平行かつZ軸方向と垂直方向をX軸方向とし、XZ平面に対して垂線方向をY軸方向としたとき、シートが建物開口部のXZ平面に配置される透光性を有する集光シート用のシートであって、
シートの少なくとも一方の面に微細凹凸が形成され、前記微細凹凸はZ軸方向に互いに非平行に蛇行しながら延在し、不規則に形成された複数の凸条部と、該複数の凸条部間の凹条部とを有する微細凹凸形成シートであって、該シートとして次に示す式(4)を満たすことを特徴とする微細凹凸形成シートを使用した集光シート。
x:前記建物の内部から開口部を見たとき、開口部の左端をXY面の原点(0,0)とし、前記建物の内部から開口部を見たとき、X軸上の右側方向を正とする実数
y:原点(0,0)からY軸上の室外から室内に向かう方向を正とする実数
W:前記開口部のX軸方向の長さ(単位:m)
θins:XY平面においてY軸を基準とした平行光の点光源から前記集光シートへの入射角度
θouts:ピーク角度であって、θinsで入射した光が前記集光シートから出射する拡散光の中で最大の出射光の、XY平面におけるY軸を基準とした出射角度
K:X軸上にある任意の点Px0のx
tan−1((K−x)/y):Y軸を基準としたXY面における点Pxy(x,y)と点Px0との角度
I(x,y):室外から室内に向けて前記開口部へ入射する太陽光のような平行光が前記集光シートに入射し、該集光シートから室内へ出射する拡散光を、XY面にある点Pxy(x,y)の位置で前記開口部のXZ面に対して垂線方向で測定したときのXY面における相対照度の百分率
E0:平行光の点光源から垂直に出光する出射光(出光角度0°)の照度
Eθinstan-1((K−x)/y):前記集光シートに対して角度θinsで点光源から平行光を入射したとき、前記集光シート上の点Px0(K,0)から角度tan−1((K−x)/y)で、XY面における点Pxy(x,y)方向へ出射される光の照度
I(0.75W,0.5W):室外から室内に向けて前記開口部から入射する前記平行光あるいは前記集光シートから室内へ出射する拡散光を、前記開口部の長さWを基準とした、XY面にある座標(0.75W,0.5W)の位置で前記開口部のXZ面に対して垂線方向で測定したときのXY面における相対照度の百分率。
[3]前記集光シートにおいてXY面においてY軸を基準とした平行光の点光源から前記集光シートへの入射角度θinsとXY面におけるY軸を基準とした前記集光シートから出射する拡散光のピーク角度θoutsが、次に示す式(5)を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の集光シート。
[5]少なくとも一方の面に微細凹凸が形成され、該微細凹凸は、互いに非平行に蛇行しながら延在し、不規則に形成された複数の凸条部と、該複数の凸条部間の凹条部とを有する微細凹凸形成シートが光散乱シートとして前記鉛直方向光変向部の光反射部材の光反射面の少なくとも一部を覆うように設けられていることを特徴とする採光装置。
[6]請求項4に記載の採光装置であって、少なくとも一方の面に微細凹凸が形成され、該微細凹凸は、互いに非平行に蛇行しながら延在し、不規則に形成された複数の凸条部と、該複数の凸条部間の凹条部と、を有する微細凹凸形成シートが光散乱シートとして前記鉛直方向光変向部の光反射部材の光反射面の少なくとも一部を覆うように設けられていることを特徴とする採光装置。
開口部OpeのX軸方向における幅はWとする。
また、本発明では、太陽光等の光が集光シート6に入射する角度(即ち、光の集光シート6に対する入射角度であり、光の方位)が変わっても、XY面に沿って室内Riに光を採り込むことが可能な集光シートを提供することを目的としている。そのため、XY面、即ち水平方向における光のふるまい等について言及しているため、特に断りのない限り、XY面上の任意の点の座標は、z=0を省略した形式で表記し、例えば、任意の点のxをA、yをBとした場合、(A,B)と表記する。
また、室外RoからXY面上の任意の角度θinで集光シート6に入射した平行光は、ピーク角度θoutで集光シート6から室内Riへ出射する。θinおよびθoutについては、Z軸方向とは反対方向に(即ち、開口部Ope上方から)見てY軸を基準に時計周りの方向を正とする。
Xxyは、点Pxyから点Px0へのX軸方向のベクトル値を示す。Xxyは、次に示す式(6)で表され、図4に示すXY面では(即ち、X軸方向とは反対方向に向かう場合は)負の値を取る。
平行光が点光源から発せられる場合、FWHMは例えば配光特性測定装置(例えば、GENESIA Gonio Far Field Profiler(株式会社ジェネシア製))を用いて、以下の方法により測定することができる。
図6に示すように、XZ面に設置された集光シート6に対して何れか一方の面、即ち平滑面6a側又は反対側の微細凹凸面6b側に、Y軸を基準としたXY面上における任意の角度θinsで集光シート6へ平行光を点光源20から入射する。任意の角度θinsで入射した平行光は、集光シート6への光の入射面とは反対側の面からY軸に対してピーク角度θoutsを有する拡散光として出射する。ピーク角度θoutsとは、角度θinsで入射した光が集光シート6から出射する拡散光の中で最大照度の出射光の、XY平面におけるY軸を基準とした出射角度のことをいう。集光シート6から出射した拡散光について、XY面上におけるY軸を基準とした−90°から+90°の範囲内で任意の測定角度φsにおける出射光の照度Eθinsφsを検出器21で測定する。そして、XY面における出射光を基準値E0の相対照度(Eθinsφs/E0)としてプロットすれば、相対照度分布が得られる。
上述の測定方法によれば、例えば平行光がY軸を基準として入射角度θins=40°で集光シート6に入射した場合の相対照度E40°φs/E0の分布が図7に示すグラフのように得られる。
なお、図8では、説明の簡略化のため、XY面上で一列に存在する多数の点光源の各々から発せられる平行光L1のうち、三つの平行光L1α,L1β,L1γを例示している。
本発明においては、集光シート6に入射した平行光は、集光シート6の出射点(例えば、点α(xα,0)、点β(xβ,0)、点γ(xγ,0)等)から拡散光として出射することから、集光シート6の出射点を拡散光の光源とみなすことができる。
即ち、式(31)中のxα、xβ、xγはそれぞれKに、xmはxに、ymはy、θinmはθinsとなり、式(29)、式(30)、式(31)は、次に示す式(32)で表される。
また、集光シート6におけるピークP1とピークP2とのZ軸方向における距離の平均値(以下、平均深さBとする)の最頻ピッチAに対する比(所謂、アスペクト比である)は、0.1以上が好ましく、0.3以上であることがより好ましく、0.5以上であることがさらに好ましい。アスペクト比が0.1未満であると、凸条部10と室内Ri又は室外Roとの界面での光の屈折が不十分となる。即ち、室内Riに接して配置された凸条部10から出射する光が室内Riに向けて進むための屈折角、あるいは、室外Roに接して配置された凸条部10から入射する光が室内Riに向けて進むための屈折角が得にくくなる)。そのため、太陽光の方位が変わっても室内の水平方向に太陽光を採り込むことが困難になる。また、アスペクト比が高い程、光が十分に屈折される(即ち、集光シート6の凸条部10から出射する光が室内Riに向けて進むための屈折角が得られる)ため、アスペクト比は0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがさらに好ましいが、製造の容易性の観点から、アスペクト比は3.0以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。
平均深さBを測定する方法としては、AFMにより撮影した集光シート6の凹凸構造11の断面の画像にて複数の凸条部10の深さを測定し、それらの平均値を求める方法等が挙げられる。
また、図16に示すYZ面において、点光源からの平行光の入射角度θzinsを−90°から+90°まで範囲内の任意の角度から入射して相対照度分布を得ることもできる。
逆に、X軸方向における光の拡散が大きくなる、即ちXHが大きくなると、Z軸方向における拡散、即ちZHが相対的に小さくなる。本発明において、太陽光等の平行光の方位(即ち、集光シート6への平行光の入射角度)が変わっても、室内Riの水平方向(即ち、XY面)に平行光を採り込み可能とするためには、Z軸方向(上下方向)に拡散される光の角度よりも、X軸方向(水平方向)に拡散される光の角度が大きいことが好ましい。また、Z軸方向(上下方向)に拡散される光の相対照度の積分値よりも、X軸方向(水平方向)に拡散される光の相対照度の積分値が高いことが好ましい。これにより、室内RiのX軸方向(水平方向)に採り込める平行光が多くなる、つまり相対照度が高くなる。
まず、デジタルマイクロスコープ等を用いて凹凸構造11の平面パターンを撮影し、得られた画像をグレースケールのファイル(例えば、tiff形式等)に変換する。グレースケール変換画像では、白度が低い程、凹凸構造11の微細凹凸面6bにおける相対高さが低く(即ち、ピークP1が深く)、白度が高いところ程、凹凸構造11の微細凹凸面6bにおける相対高さが高い(即ち、ピークP2が高い)ことを表している。次に、グレースケールのファイルの画像をフーリエ変換する。フーリエ変換画像を解析することにより、ピークP2の配向度が得られる。
配向度を0.3以上1.0以下にするためには、例えば微細凹凸形成シートの製造の際に必要なシート基材への圧縮応力の作用のさせ方を適宜選択・調整すればよい。
なお、上述のようにフーリエ変換を利用して求めた凹凸構造11の最頻ピッチAは、平均ピッチと略同等となる。
また、労働安全衛生法の第604条によると、精密な作業では300ルクス以上、普通の作業では150ルクス以上、粗な作業では70ルクス以上であることが推奨され、「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」によると、「書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上とすること。」となっている。
上記のことから本発明における集光シート6から出射する拡散光のXY平面における相対照度の百分率I(x,y)は0.025以上が好ましい。
点P7に太陽光のような光を室内Riに到達させるためには、集光シート6はZ軸方向に光を広げずにX軸方向に光を広げる、つまり、XHとZHとの比(XH/ZH)が8以上であり、且つ、θinsで入射する光の向きをY軸方向に向けること、即ち、式(5)を満たすことが好ましい。これにより、と太陽光の方位が変わっても室内Riの水平方向に太陽光をより多く採り込むことが可能になる。
(i)加熱収縮可能な樹脂層と硬質層が積層した積層シートの、樹脂層を加熱収縮させて得た凹凸構造体を集光シート6とする方法。
(ii)加熱収縮可能な樹脂層と硬質層とが積層された積層シートの、樹脂層を加熱収縮させて得た凹凸構造体の凹凸構造を転写する方法。
上記各方法における硬質層としては、加熱収縮させる樹脂層よりガラス転移温度が高い樹脂層、金属又は金属化合物の層が挙げられる。
以下、(i)及び(ii)の各々の方法について説明する。
先ず、ガラス転移温度以上に加熱することにより収縮可能な第1の樹脂層(ガラス転移温度Tg1)の片面に、表面が平滑な第2の樹脂層(ガラス転移温度Tg2)を設けて積層シートを形成する。
ここで、(Tg2−Tg1)は10℃以上であり、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましい。また、(Tg2−Tg1)は550℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
ガラス転移温度Tg1は、−150℃以上300℃以下であることが好ましく、−120℃以上200℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度Tg2は40℃以上400℃以下であることが好ましく、80℃以上250℃以下であることがより好ましい。
第1の樹脂層の厚みは、0.3μm以上500μm以下であることが好ましい。第2の樹脂層の厚みは、0.05μmよりも大きく、5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
これにより、第2の樹脂層の表面に凹凸構造11が形成された凹凸構造体が得られる。なお、第2の樹脂層は、第1の樹脂層を熱収縮させる際の温度では軟化しないため、折りたたまれるように変形する。そのため、第1の樹脂層の第2の樹脂層側も凹凸構造11に追従した凹凸構造11が形成される。
第1の樹脂層を構成する透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン等が挙げられる。
第1の樹脂層を構成する樹脂の種類にもよるが、第2の樹脂層を構成する透明樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂等が挙げられる。
まず、ガラス転移温度以上に加熱することにより収縮可能な樹脂層(ガラス転移温度Tg1)の片面に、表面が平滑な金属または金属化合物の層を設けて積層シートを形成する。
ここで、Tg1は−150℃以上300℃以下であることが好ましく、−120℃以上200℃以下であることがより好ましい。
樹脂層の厚みは、0.3μm以上500μm以下であることが好ましい。金属または金属化合物の層の厚みは、0.01μmより大きく、0.2μm以下であることが好ましく、0.02μm以上0.1μm以下であることがより好ましい。
これにより、金属または金属化合物の層の表面に凹凸構造11が形成された凹凸構造体が得られる。なお、金属または金属化合物の層は、樹脂層を熱収縮させる程度の温度では軟化しないため、折りたたまれるように変形する。そのため、樹脂層の金属または金属化合物の層側も凹凸構造11に追従した凹凸構造が形成される。
樹脂層を構成する透明樹脂としては、第1の樹脂層を構成する透明樹脂と同様のものが挙げられる。金属または金属化合物の層を構成する金属としては、金、アルミニウム、銀、炭素、銅、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、ニオブ、パラジウム、鉛、白金、シリコン、スズ、チタン、バナジウム、亜鉛、ビスマスよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属が好ましい。
本方法は、上述の(i−1)、(i−2)の製造方法において得られた凹凸構造体を転写型として、凹凸構造体の凹凸構造11を転写した転写物を集光シート6や光散乱シートとする方法である。或いは、本方法は、上述の(i−1)、(i−2)において得られた凹凸構造体を射出成形用の型の一部として、凹凸構造体の凹凸構造11を転写した射出成形物を集光シート6や光散乱シートとする方法であってもよい。
転写回数は、特に限定されず、偶数回であっても奇数回であってもよい。電気鋳造法が利用できる観点から、転写回数は二回が好ましい。電気鋳造法は、(i−1)、(i−2)において得られた凹凸構造体の凹凸構造11の面に、ニッケル等でめっきを施し、ニッケルスタンパーを作製し、得られたニッケルスタンパーを型として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂に転写させる方法である。なお、ニッケルスタンパーに替えて樹脂スタンパーを作製し、得られた樹脂スタンパーを用いて熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂に凹凸構造11を転写してもよい。
なお、転写により凹凸構造11が形成される面の反対側の面に、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のポリマーからなる基材が積層されていてもよい。
<i>(i)の方法で得られる微細凹凸形成シート等そのものを使う方法。
<ii>(i)の方法で得られる凹凸構造体の転写物をスタンパーとして使用する方法。
(i−1)又は(i−2)の構成で積層された積層体のロールを巻き出すと共に所定の搬送方向に搬送しながら連続的に加熱収縮させ、得られた凹凸構造体をロールとして巻き取ることで、搬送方向に沿って長尺な微細凹凸形成シートを製造することができる。
また、(i−1)又は(i−2)の方法で得られる微細凹凸形成シートを所定の搬送方向に搬送されている樹脂フィルム等の基材に貼り合わせる、或いは別の基材等を用いて挟み込み、熱加工によって貼着してもよい。これにより、搬送方向に沿って長尺な微細凹凸形成シートを製造することができる。
本方法では、(i−1),(i−2)の方法で得られた転写物を転用し、ニッケルスタンパー、又は、樹脂スタンパーを転写ロールの外周面に設け、紫外線硬化樹脂を用いた賦形或いは熱賦形、或いは、射出成形等の方法によって、所定の搬送方向に搬送されている樹脂フィルム等の基材表面に転写物と同様の凹凸構造11を形成する。これにより、搬送方向に沿って長尺な微細凹凸形成シートを製造することができる。
熱賦形、射出成形による製造方法では、転写ロールの代わりにスタンパーをベルト状に繋げたものを元型として、ベルトプレス機により凹凸構造体の凹凸構造11を基材に形成することも可能である。
上述の熱賦形、射出成形による製造方法に使用するスタンパーとしては、ニッケルスタンパーが加熱による変形の恐れが少ないことから好ましい。
即ち、本発明では、長尺な基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成された微細凹凸と、を備え、前記微細凹凸は前記基材の長手方向に互いに非平行に蛇行しながら延在し、不規則に形成された複数の凸条部と、該複数の凸条部間の凹条部とを有する集光シート6を採用してもよい。
CD拡散タイプの微細凹凸形成シートで窓材を構成した場合、窓ガラスのX軸方向の寸法が長尺の素材や積層シートの幅寸法以下であれば、長手方向において任意の寸法で切り出した微細凹凸形成シートを、凸条部が鉛直方向に延びるように、窓ガラスに対して容易に貼着することができる(図18参照)。
即ち、本発明では、長尺な基材と、前記基材の少なくとも一方の面に形成された微細凹凸と、を備え、前記微細凹凸は前記基材の長手方向に直交する方向に互いに非平行に蛇行しながら延在し、不規則に形成された複数の凸条部と、該複数の凸条部間の凹条部とを有する集光シート6を採用してもよい。
MD拡散タイプの微細凹凸形成シートで窓材を構成した場合、窓ガラスのX軸方向の寸法によらず、長手方向において微細凹凸形成シートを窓ガラスのX軸方向の寸法に合わせて切り出し、凸条部が鉛直方向に延びるように、窓ガラスに対して容易に貼着することができる(図19参照)。
図20に示す採光装置50Aでは、開口部Ope近傍(図20では、開口部Opeの室内Ri側)に集光シート6を配置し、集光シート6の室内Ri側に、間隔をあけて鉛直方向光変向部30として反射型ブラインド30を配置する。即ち、採光装置50Aでは、反射型ブラインド30の光の入射面側の少なくとも一部を覆うように集光シート6を設置する。このとき、集光シート6と反射型ブラインド30との距離が大きいと集光シート6で集光、拡散された光の一部が、反射型ブランド30に到達せず、反射型ブランド30で反射されない場合がある。集光シート6で拡散された太陽光をより多く反射型ブラインド30で室内Riの天井方向に反射させるためには、集光シート6と反射型ブラインド30との距離は、5cm以内であることが好ましく、3cm以内であることがより好ましい。また、反射型ブラインド30の開口部Opeに対する面積は、集光シート6の開口部Opeに対する面積より広いことがより好ましい。なお、開口部Opeには所謂窓ガラス等が装着されることが殆どなので、上述の説明では、開口部Ope近傍と記載し、以下同様とする。また、開口部Opeに窓ガラス等が装着されている場合、接着剤、粘着剤により、集光シート6を窓ガラス等に直接設置することもできる。
採光装置50A,50Bにおいては、構造が複雑な反射型ブラインド30を大面積にするより、集光シート6を大面積にする方が容易である点から、集光シート6の面積がより大きい方が好ましい。
スラット31の反射面全体が光散乱シート6Bによって覆われることが好ましいが、スラット31の反射面の少なくとも一部が光散乱シート6Bによって覆われていれば、有る程度の光は天井に向けて散乱される。また、スラット31毎に光散乱シート6Bの設置面積を変える、或いは、設置パターンを変えてもよい。そのような変更等により、光の散乱がより、ランダムになり、好ましい。
ポリエチレンテレフタレート一軸方向加熱収縮性フィルム(製品名:ヒシペットLX−14S、厚さ:30μm、ガラス転移温度75℃、三菱樹脂株式会社製)の片面に、トルエンで希釈したアクリル樹脂A(ガラス転移温度128℃)を塗工乾燥後の硬質層の厚みが1μmになるようにバーコーターにより塗工し、積層シートを得た。
次いで、熱風式オーブンを用いて積層シートを95℃で1分間加熱することにより、ポリエチレンテレフタレート一軸方向加熱収縮性フィルムを、加熱前の長さの40%に熱収縮させ(変形率として60%)、硬質層を折り畳むように変形させた。これにより、波状の凹凸構造が層の表面に形成された波状凹凸パターンシート(原版)を得た。
波状凹凸パターンの凸条部は、それぞれが略平行であるが蛇行し、不規則に形成された。
次に、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)基材(製品名:A4300、厚さ:188μm、東洋紡株式会社製)の片面に未硬化の紫外線硬化性樹脂B(ソニーケミカル社製)を厚さ20μmとなるように塗布し、塗布された紫外線硬化性樹脂Bに対して、ニッケル二次原版の反転パターンを有する面を押し当て、紫外線を照射して硬化させた。硬化後、ニッケル二次原版を剥離することにより、透明PET基材上に、紫外線硬化性樹脂の硬化物を材料とする表面層が形成され、該表面層の表面に、上述の波状凹凸パターンシート(原版)と同じ波状凹凸パターンが形成されたシートAを得た。
シートAの波状凹凸パターン形成面のAFMによる表面及び断面の画像から求めた凸条部の平均ピッチおよび平均深さは、それぞれ10μm、7μmであり、アスペクト比は0.7であった。
実施例1で得られた波状凹凸パターンシート(原版)を、熱風式オーブンを用いて120℃で2分間加熱しながら、収縮方向と直交する方向に張力をかけ、収縮方向と直交する方向の長さが張力をかける前の2倍になるように延伸し、波状凹凸パターンシート(原版2)を得た以外は、実施例1と同様の方法によりシートBを得た。
シートBの波状凹凸パターン形成面のAFMによる表面及び断面の画像から求めた凸条部の平均ピッチおよび平均深さは、それぞれ5μm、4μmであり、アスペクト比は0.8であった。
シートCとして等方性拡散シート(製品名:オパルスBS530、恵和株式会社製)を用意した。
シートCの粒子状凹凸パターン形成面のAFMによる表面および断面の画像から求めた凹凸の平均ピッチおよび平均深さは、それぞれ5μm、0.4μmであり、アスペクト比は0.08であった。
前述の建物の開口部Opeにシートを設置しない状態を比較例2とした。
また、実施例1、2及び比較例1、2について、前述の方法により、比XH/ZHについても検討した。
また、比較例2はシートを使用しないため、照度の変化が極端であり、太陽光の方位が変わった場合に、室内Riの水平方位に光を取り込む能力が不十分であり、室内Ri全体で十分な照度を維持することが不可能であった。
10・・・凸条部
11・・・凹凸構造
50A,50B,50C,50D・・・採光装置
Ope・・・開口部
Claims (4)
- 建物壁面に開口部を有し、前記開口部の鉛直方向をZ軸方向、前記開口部と平行かつZ軸方向と垂直方向をX軸方向とし、XZ平面に対して垂線方向をY軸方向としたとき、シートが建物開口部のXZ平面に配置される透光性を有する集光シート用のシートであって、
シートの少なくとも一方の面に微細凹凸が形成され、前記微細凹凸はZ軸方向に互いに非平行に蛇行しながら延在し、不規則に形成された複数の凸条部と、該複数の凸条部間の凹条部とを有する微細凹凸形成シートであって、該シートとして次に示す式(4)を満たすことを特徴とする微細凹凸形成シートを使用した集光シート。
x:前記建物の内部から開口部を見たとき、開口部の左端をXY面の原点(0,0)とし、前記建物の内部から開口部を見たとき、X軸上の右側方向を正とする実数
y:原点(0,0)からY軸上の室外から室内に向かう方向を正とする実数
W:前記開口部のX軸方向の長さ(単位:m)
θins:XY平面においてY軸を基準とした平行光の点光源から前記集光シートへの入射角度
θouts:ピーク角度であって、θinsで入射した光が前記集光シートから出射する拡散光の中で最大の出射光の、XY平面におけるY軸を基準とした出射角度
K:X軸上にある任意の点Px0のx
tan−1((K−x)/y):Y軸を基準としたXY面における点Pxy(x,y)と点Px0との角度
I(x,y):室外から室内に向けて前記開口部へ入射する太陽光のような平行光が前記集光シートに入射し、該集光シートから室内へ出射する拡散光を、XY面にある点Pxy(x,y)の位置で前記開口部のXZ面に対して垂線方向で測定したときのXY面における相対照度の百分率
E0:平行光の点光源から垂直に出光する出射光(出光角度0°)の照度
Eθinstan-1((K−x)/y):前記集光シートに対して角度θinsで点光源から平行光を入射したとき、前記集光シート上の点Px0(K,0)から角度tan−1((K−x)/y)で、XY面における点Pxy(x,y)方向へ出射される光の照度
I(0.75W,0.5W):室外から室内に向けて前記開口部から入射する前記平行光あるいは前記集光シートから室内へ出射する拡散光を、前記開口部の長さWを基準とした、XY面にある座標(0.75W,0.5W)の位置で前記開口部のXZ面に対して垂線方向で測定したときのXY面における相対照度の百分率 - 前記集光シートにおいてXY面においてY軸を基準とした平行光の点光源から前記集光シートへの入射角度θinsとXY面におけるY軸を基準とした前記集光シートから出射する拡散光のピーク角度θoutsが、次に示す式(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の集光シート。
- 請求項1又は請求項2に記載の集光シートが鉛直方向光変向部の光入射面側または光出射面側の何れか片方の面側の少なくとも一部を覆うように設けられていることを特徴とする採光装置。
- 光散乱シートとして、前記集光シートが前記鉛直方向光変向部の光反射部材の光反射面の少なくとも一部を覆うように設けられている、請求項3に記載の採光装置。
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