JP6616403B2 - 一酸化窒素供与カルノシン化合物 - Google Patents

一酸化窒素供与カルノシン化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP6616403B2
JP6616403B2 JP2017512006A JP2017512006A JP6616403B2 JP 6616403 B2 JP6616403 B2 JP 6616403B2 JP 2017512006 A JP2017512006 A JP 2017512006A JP 2017512006 A JP2017512006 A JP 2017512006A JP 6616403 B2 JP6616403 B2 JP 6616403B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
nitrooxy
imidazol
propanamide
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017512006A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017525735A5 (ja
JP2017525735A (ja
Inventor
アルミランテ,ニコレッタ
ストローニ,ラウラ
バスティア,エレナ
ブランビッラ,ステファーニア
ロメオ,セルジオ
Original Assignee
ニコックス エス.エー.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ニコックス エス.エー. filed Critical ニコックス エス.エー.
Publication of JP2017525735A publication Critical patent/JP2017525735A/ja
Publication of JP2017525735A5 publication Critical patent/JP2017525735A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6616403B2 publication Critical patent/JP6616403B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D233/00Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings
    • C07D233/54Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings having two double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D233/64Heterocyclic compounds containing 1,3-diazole or hydrogenated 1,3-diazole rings, not condensed with other rings having two double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with substituted hydrocarbon radicals attached to ring carbon atoms, e.g. histidine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/04Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
    • C07K5/06Dipeptides
    • C07K5/06008Dipeptides with the first amino acid being neutral
    • C07K5/06017Dipeptides with the first amino acid being neutral and aliphatic
    • C07K5/06026Dipeptides with the first amino acid being neutral and aliphatic the side chain containing 0 or 1 carbon atom, i.e. Gly or Ala
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/05Dipeptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K45/00Medicinal preparations containing active ingredients not provided for in groups A61K31/00 - A61K41/00
    • A61K45/06Mixtures of active ingredients without chemical characterisation, e.g. antiphlogistics and cardiaca
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0048Eye, e.g. artificial tears
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • A61P27/06Antiglaucoma agents or miotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

本発明は、緑内障及び高眼圧の治療及び/又は予防に使用するための、式(I)で表示される一酸化窒素供与カルノシン類似物に関する。
また、本発明は、緑内障及び高眼圧の治療及び/又は予防に使用するための、式(I)で表示される一酸化窒素供与体化合物と、1つ以上の更なる活性成分とを含む組み合わせに関する。
正常眼圧性及び高眼圧性緑内障を含む緑内障は、視神経に対する不可逆的損傷による、視野の進行的な喪失により特徴付けられる眼の疾患であり、適切に処置しなかった場合、全盲をもたらすおそれがある。高眼圧性緑内障は、眼の中での流体(眼房水)の生成及び排出の不均衡が病的なレベルに眼圧を上昇させた場合に生じる。
対照的に、正常眼圧性緑内障は、眼内圧が適度に低いレベルに維持されているにも関わらず生じる。
その病因に基づいて、高眼圧性緑内障は、原発性又は続発性と分類されてきた。例えば、成人における原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角又は急性もしくは慢性の閉塞隅角のいずれかである場合がある。続発性緑内障は、既存の眼疾患、例えば、ブドウ膜炎、眼内腫瘍、又は拡大した白内障から生じる。
原発性緑内障の原因は、未だに分かっていない。眼内圧の上昇は、眼房水流出の障害による。慢性の開放隅角緑内障では、前眼房及びその解剖学的構造は正常であるようだが、眼房水流出が妨害される。急性又は慢性の閉塞隅角緑内障では、前眼房が浅く、ろ過隅角が狭まっており、虹彩が、シュレム管の入口において、線維柱帯網を塞いでいる場合がある。瞳孔散大は、虹彩根部を隅角に向かって前方に押すことがあり、瞳孔ブロックを生じさせることにより、急性発作を引き起こす場合がある。狭い前眼房角を有する眼は、種々の度合いの重症度の急性閉塞隅角緑内障発作になりやすい。
続発性緑内障は、後眼房から、前眼房内、続けて、シュレム管内への眼房水の流れの何らかの妨害により生じる。続発性緑内障の一般的な原因は、眼内腫瘍、拡大した白内障、網膜中心静脈閉塞症、眼に対する外傷、手術法、及び眼内出血である。
正常眼圧性緑内障は、典型的な視神経乳頭変化、網膜神経線維層異常、及び特徴的な視野異常をもたらす、慢性の進行性視神経症である。加えて、前房隔角は開いており、IOP値は、統計学的な正常値(22mmHg未満)内である(Lee et al. 1998(非特許文献1);レビューについては、Hoyng and Kitazawa 2002(非特許文献2)を参照のこと)。IOPを低下させることによる正常眼圧性緑内障の処置が緑内障の進行を遅らせ得るという証拠が存在する。IOPの少なくとも30%の低下は、この疾患の望ましい改変を誘引するのに必要とされる。
上昇した眼内圧(高眼圧症)は、眼の外科手術、例えば、経扁平部ガラス体切除術、網膜ガラス体手術、網膜剥離手術、汎網膜光凝固後に一般的な術後合併症である。
加えて、上昇した眼内圧の他の一般的な原因は、眼内炎症、瞳孔ブロック、及びステロイド処置である。特に、トリアムシノロンのガラス体内注射は、眼内圧の上昇に関連している。
緑内障の処置及び眼内圧の低下に有効であることが証明されている薬物治療は、眼房水の生成を減少させる薬剤及び房水流出能を向上させる薬剤の両方、例えば、ベータブロッカー、アルファ作動薬、コリン作用薬、炭酸脱水素酵素阻害剤、又はプロスタグランジン類似物を含む。
しかしながら、薬学的な抗眼圧アプローチは、種々の望ましくない副作用を示してきた。例えば、局所的なベータブロッカーは、重篤な肺の副作用、うつ病、疲れ、意識障害、性的不能、脱毛、心不全、及び徐脈を示す。
局所的なアルファ作動薬は、著しく高い発生率のアレルギー性又は毒性反応を有する。局所的なコリン作用薬(縮瞳薬)は、視覚的な副作用を生じるおそれがある。
経口での炭酸脱水素酵素阻害剤に関連する副作用は、疲れ、食欲不振、うつ病、感覚異常、及び血清電解質異常を含む(The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, Seventeenth Edition, M. H. Beers and R. Berkow Editors, Sec. 8, Ch. 100)。
最後に、緑内障の処置に使用される、局所的なプロスタグランジン類似物(ビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト、タフルプロスト、及びウノプロストン)は、眼の副作用、例えば、虹彩における色素沈着の増加、視覚刺激、結膜充血、虹彩炎、ブドウ膜炎、及び黄斑浮腫を生じさせるおそれがある(Martindale, Thirty-third edition, p. 1445)。
眼において、一酸化窒素(NO)は、特定の生理学的プロセス、例えば、眼房水動態の調節、血管緊張、網膜神経伝達、アポトーシスによる網膜神経節細胞死、光伝達、及び眼の免疫応答において需要な役割を有することが公知である。ただし、NOの過生成は、眼の複数の疾患に関与している。Takahata K et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2003 Apr;44(4):1760-6。Kashiwagi K et al. Curr Eye Res. 2001 Oct;23(4):233-9。
米国特許第4,590,207号には、高眼内圧及び緑内障を治療及び/又は予防するための活性成分として、硝酸イソソルビドを含有する点眼液が開示されている。
米国特許出願公開公報第2002/0168424号には、緑内障又は高眼圧を処置するための、一酸化窒素(NO)供与体、例えば、ミノキシジル、ニトログリセリン、L−アルギニン、二硝酸イソソルビド、又はニトロプルシド等のニトロ血管拡張剤と、サイクリックグアノシン 3’,5’−モノホスファート(cGMP)特異的ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害剤、例えば、クエン酸シルデナフィルとの混合物の使用が開示されている。開示された組み合わせに従うと、全身性の血管弛緩、視神経に対する血流増大、線維柱帯網、シュレム管、及びブドウ膜強膜流出路組織の散大、眼房水の流出の促進により、哺乳類の眼における眼内圧(IOP)を低下させる。
国際公開公報第95/10294号には、N−アセチルカルノシンがL−カルノシン用のプロドラッグであることが開示されており、白内障の予防及び治療に有用なN−アセチルカルノシンを含有する局所医薬が提案されている。
米国特許出願公開公報第2011/0245177号には、眼疾患を処置するための、セルロース化合物との組み合わせにおいて、N−アセチルカルノシンを含有する、点眼組成物の使用が開示されている。特に、米国特許出願公開公報第2011/0245177号には、N−アセチルカルノシンとカルボキシメチルセルロースとを含有する製剤の局所適用に基づいて、成人患者におけるグレア感度の改善傾向が存在したことを示す臨床試験結果が報告されている。
Gasco A. et al.,(European Journal of Medicinal Chemistry, 54 (2012) 103-112)には、NO供与部分構造を含有するカルノシンアミド誘導体の分類が開示されている。同文献には、これらの化合物の抗酸化及び血管拡張活性が開示されている。これらの活性は、NOの生物学的利用能が低下している慢性の血管及び神経変性疾患を処置するための可能性あるツールとしての使用を示唆している。
国際公開公報第2000/061537号には、NO供与カルノシン構造を含有する薬剤の誘導体が開示されている。これらの化合物は、抗酸化特性を有し、酸化性ストレス及び内皮障害に関連する病因を処置するのに使用することができる。
国際公開公報第2008/095841号には、種々の疾患の処置のためのNO供与体としてアミノ酸のニトロオキシ誘導体が開示されている。薬理学的データは報告されてない。
しかしながら、緑内障及び高眼圧用の上記で言及された治療剤は、眼圧低下効果及び作用の持続性の効能の観点から、決して満足のいくものではない。現在、緑内障又は高眼圧を処置するのに承認されている一酸化窒素供与体に基づく薬剤は存在しない。
したがって、緑内障及び高眼圧を効率的に処置することができる化合物に対する対処されていない要求が未だに存在する。
したがって、本発明の基礎をなす技術的課題は、高眼圧性緑内障、正常眼圧性緑内障、及び高眼圧の治療及び/又は予防に使用するのに有効な治療剤を提供することである。
これまでに、本発明の一酸化窒素供与カルノシン類似物が眼内圧を低下させるのに非常に有効であることが見出されてきた。
本発明は、当技術分野において記載された一酸化窒素供与体のそれより、眼内圧を低下させる優れた効能及び良好な薬理学的特性を有する、一酸化窒素供与体を提供する。
本発明は、式(I):
Figure 0006616403

[式中、
Rは、
1)−(Y)−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONO
2)−(Y)−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、
Yは、O、NH、又は共有単結合であり、好ましくは、Yは、共有単結合であり、
nは、1〜10、好ましくは、1〜4の整数であり、ただし、式2)において、YがO又はNHである場合には、nは、1ではないという条件であり、
は、1〜10、好ましくは、1〜4の整数であり、
pは、0又は1であり、
Xは、O、NH、又はS、好ましくは、Oであり、
は、OH、−OR、−NH、−NHRであり、Rは、(C〜C10)の直線状又は分岐状アルキルであり、好ましくは、Rは、OH又は−ORであり、Rは、(C〜C)の直線状アルキル、好ましくは、−CHである]
で表示されるカルノシン類似物又はその薬学的に許容し得る塩もしくは立体異性体に関する。
カルノシンは、光学活性アミノ酸であるヒスチジンを含有するベータ−アラニン−ヒスチジンのジペプチドである。したがって、カルノシンは、L−カルノシン(ベータ−アラニル−L−ヒスチジン)及びD−カルノシン(ベータ−アラニル−D−ヒスチジン)として存在する。
Figure 0006616403
したがって、式(I)は、L−カルノシン(ベータ−アラニル−L−ヒスチジン)の類似物及びD−カルノシン(ベータ−アラニル−D−ヒスチジン)の類似物を包含するのを意図している。
本発明により提供される式(I)で表示される好ましいカルノシン類似物は、L−カルノシン誘導体及びその薬学的に許容し得る塩である。
本発明は、塩形成基を有する式(I)で表示されるそれらの化合物の塩、特に、カルボキシル基又は塩基性窒素原子を有する化合物の塩を提供する。該塩は、特に、生理学的に許容される塩、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、及びマグネシウムの塩)、アンモニウム塩、及び適切な有機アミン又はアミノ酸との塩(例えば、アルギニン、プロカインの塩)、ならびに、適切な有機酸又は無機酸、例えば、塩酸、硫酸、カルボン酸、及びスルホン有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸)により形成された付加塩である。
本発明は、可能性のある全ての立体異性体及びそのラセミ体又は光学活性混合物を包含する。
(C〜C10)の直線状又は分岐状アルキルは、好ましくは、C〜Cアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、又はtert−ブチル、特にメチル又はエチルである。
本発明の実施態様は、上記で定義された式(I)[式中、R、n、n、p、及びRは、上記で定義された通りであり、Yは、共有単結合であり、Xは、Oである]で表示される化合物を提供する。
本発明の別の実施態様は、上記で定義された式(I)[式中、R、n、n、p、及びXは、上記で定義された通りであり、Yは、共有単結合であり、Rは、OHである]で表示される化合物を提供する。
本発明の別の実施態様は、上記で定義された式(I)[式中、R、n、n、p、及びXは、上記で定義された通りであり、Yは、共有単結合であり、Rは、−OCHである]で表示される化合物を提供する。
本発明の別の実施態様は、上記で定義された式(I)[式中、Rは、−(Y)−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、Yは、共有単結合であり、n、n、pは、上記で定義された通りであり、Rは、OHである]で表示される化合物を提供する。
本発明の別の実施態様は、上記で定義された式(I)[式中、Rは、−(Y)−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、Yは、共有単結合であり、Xは、Oであり、n、n、pは、上記で定義された通りであり、Rは、OHである]で表示される化合物を提供する。
本発明の別の実施態様は、上記で定義された式(I)[式中、Rは、1)−(Y)−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、Yは、共有単結合であり、n、n、pは、上記で定義された通りであり、Rは、−OCHである]で表示される化合物を提供する。
本発明の別の実施態様は、上記で定義された式(I)[式中、Rは、−(Y)−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、Yは、共有単結合であり、Xは、Oであり、n、n、pは、上記で定義された通りであり、Rは、−OCHである]で表示される化合物を提供する。
本発明の式(I)で表示される好ましい化合物は、
Figure 0006616403

からなる群より選択される。
また、本発明は、高眼圧性緑内障、正常眼圧性緑内障、及び高眼圧の治療及び/又は予防に使用するための、式(I)で表示される化合物又はその立体異性体に関する。
高眼圧は、眼窩浮腫、眼内炎症、瞳孔ブロック、及びステロイド処置、ならびに、眼の外科手術後の合併症から生じる高眼内圧状態を含む。
また、本発明は、アルファアドレナリン作動薬、ベータブロッカー、炭酸脱水素酵素阻害剤、プロスタグランジン類似物、非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド系抗炎症薬からなる群より選択される更なる活性成分の内の1つ以上との組み合わせで、上記で定義された式(I)で表示される一酸化窒素供与体を含む組成物に関する。
適切なアルファアドレナリン作動薬の例は、ブリモニジン、アプラクロニジン、クロニジンである。
適切なベータブロッカーの例は、チモロール、カルテオロール、ベタキソロール、レボブノロールである。
適切な炭酸脱水素酵素阻害剤の例は、ドルゾラミド、アセタゾラミド、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、ジクロルフェナミド、メタゾラミドである。
適切なプロスタグランジン類似物の例は、ビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン、及びタフルプロストである。
非ステロイド系抗炎症薬の例は、ブロムフェナク、フルルビプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェンである。
ステロイド系抗炎症薬の例は、デキサメタゾン、フルオシノロン、アセトニド、フルオシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムシノロン、ブデソニド、プレドニゾロンである。
本発明の別の実施態様は、高眼圧性緑内障、正常眼圧性緑内障、及び高眼圧を治療及び/又は予防に使用するための、上記で定義された組成物である。
本発明の別の実施態様は、少なくとも式(I)で表示される一酸化窒素供与体と、少なくとも眼に許容し得る成分及び/又は眼に許容し得る媒体とを含む、局所、眼周囲、又は眼内投与のための医薬製剤を提供する。
本発明の別の実施態様は、少なくとも式(I)で表示される一酸化窒素供与体と、アルファアドレナリン作動薬、ベータブロッカー、炭酸脱水素酵素阻害剤、プロスタグランジン類似物、非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド系抗炎症薬からなる群より選択される1つ以上の更なる活性成分と、少なくとも眼に許容し得る成分及び/又は眼に許容し得る媒体とを含む、局所、眼周囲、又は眼内投与のための医薬製剤を提供する。
眼への局所投与用に適合した製剤の例は、点眼剤、眼軟膏、及び眼科用ゲルを含むが、これらに限定されない。
本発明の化合物及び組成物の好ましい投与経路は、局所である。
「眼に許容し得る」成分は、意図した濃度において、意図した使用期間にわたって、著しい眼の傷害又は眼の不快感を何ら生じさせない成分を意味する。可溶化剤及び安定剤は、非反応性であるべきである。「眼に許容し得る媒体」は、本化合物と非反応性であり、患者への投与に適した、任意の物質又は物質の組み合わせを意味する。
本発明の一酸化窒素供与体は、一般的には、本明細書で想到される局所、眼周囲、又は眼内製剤中に、約0.001〜約10.0%重量/体積の量で含有される。好ましい濃度は、約0.1〜約5.0% w/vの範囲である。
全体的な合成
A)式(I)[式中、Rは、−OR、−NH、−NHRである]で表示される化合物
上記で定義された式(I)[式中、Rは、−OR、−NH、−NHRであり、Rは、上記で定義された通りであり、Rは、上記で定義された通りであり、Yは、共有単結合であり、Xは、O又はSであり、n、n、及びpは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、式(II):
Figure 0006616403

[式中、R1は、上記で定義された通りである]
で表示される化合物を、式(IIIa、b)
(IIIa)HOOC−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONO
(IIIb)HOOC−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、n、X、及びpは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物と、カップリング試薬、例えば、DCC、EDC、HBTU、HATU、及び、触媒量のDMAP又はSc(OTf)の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、スキーム1で示されたように、あるいは、
ii)式(IVa、b):
(IVa)Z−OC−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONO
(IVb)Z−OC−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、n1、p、及びXは、上記で定義された通りであり、Zは、N、F、Cl、Brから選択される活性化基又は式(Za1)もしくは(Za2
Figure 0006616403

の基であり、好ましくは、Zは、Cl又は(Za1)である]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はKCO、CsCOの存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、スキーム1で示されたように、調製することができる。
Figure 0006616403
式(II)で表示される化合物は、当技術分野において公知であり、又は公知の方法によりカルノシンから調製することができる。
式(IIIa、b)で表示される化合物は、当技術分野において公知であり、又は公知の化合物から公知の方法により、例えば、式(Va、b)
(Va)HO−CH−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONO
(Vb)HO−CH−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、n、p、及びXは、上記で定義された通りである]
で表示される対応するアルコール等から、公知の作用剤、例えば、TEMPOによる酸化により調製することができる。
式(IVa、b)で表示される化合物は、式(IIIa、b)で表示される化合物から、当技術分野において周知の方法により調製することができる。あるいは、式(IVa、b)[式中、Zは、式(Za1)又は(Za2)で表示される基であり、pは、0である]で表示される化合物は、式(VIa、b):
(VIa)Z−OC−(CH−CH−Hal
(VIb)Z−OC−(CH−X−(CHn1−CH−Hal
[式中、Zは、(Za1)又は(Za2)で表示される基であり、n、n1、及びXは、上記で定義された通りであり、Halは、ハロゲン原子、例えば、Cl又はBrである]
で表示される対応する化合物を、AgNOにより、当技術分野において周知の反応条件下において、ニトロ化することにより調製することができる。
式(VIa、b)で表示される化合物を、公知の化合物からエステル化することにより容易に調製することができる。
式(Va、b)で表示される化合物は、当技術分野において公知であり、又は、公知の化合物から公知の方法により調製することができる。
上記で定義された式(I)[式中、Rは、−OR、−NH、−NHRであり、Rは、上記で定義された通りであり、Rは、上記で定義された通りであり、Yは、共有単結合であり、Xは、NHであり、n、n、及びpは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、上記で定義された式(II)で表示される化合物を、
i)式(IIIc)
(IIIc)HOOC−(CH−[NHBoc]−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、n1、及びpは、上記で定義された通りであり、Bocは、t−ブチルオキシカルボニル保護基である]
で表示される化合物と、カップリング試薬、例えば、DCC、EDC、HBTU、HATU、及び、触媒量のDMAP又はSc(OTf)の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、又は、
ii)式(IVc)
(IVc)Z−OC−(CH−[NHBoc]−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、n1、p、Z、及びBocは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はKCO、CsCOの存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、反応させて、式(VIIa)
Figure 0006616403

[式中、RbBocは、−(CH−[NHBoc]−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、n、n、p、及びBocは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物を得て、最終的に、Boc保護基を、当技術分野において公知の方法、例えば、酸処理により除去することにより調製することができる。
式(IVc)で表示される化合物は、式(IIIc)で表示される化合物から、当技術分野において公知の方法により調製することができる。化合物(IIIc)は、当技術分野において公知であり、又は、公知の化合物により公知の方法で調製することができる。
上記で定義された式(I)[式中、Rは、−OR、−NH、−NHRであり、Rは、上記で定義された通りであり、Rは、上記で定義された通りであり、Yは、Oであり、Xは、O又はSであり、n、n、pは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、上記で定義された化合物(II)を、式(VIIIa、b):
(VIIIa)Z(OC)O−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONO
(VIIIb)Z(OC)O−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、n、X、及びpは、上記で定義された通りであり、Zは、Clであるか、又は、式(Za1)もしくは(Za2)で表示される基である]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はKCO、CsCOの存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、又は、−80℃〜60℃の範囲の温度において、カルバマート形成について公知なように、反応させることにより調製することができる。
化合物(VIIIa、b)は、当技術分野において公知であり、又は、公知の化合物から公知の方法により、例えば、上記で定義された式(Va、b)[式中、n、n1、p、及びXは、上記で定義された通りである]で表示される対応するアルコールを、ホスゲン、トリホスゲン、又はp−ニトロフェニルカーボネートもしくはN,N’−ジスクシンイミジルカーボネートと反応させる等により、調製することができる。
上記で定義された式(I)[式中、Rは、−OR、−NH、−NRであり、Rは、上記で定義された通りであり、Rは、上記で定義された通りであり、Yは、Oであり、Xは、NHであり、n、n、及びpは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、上記で定義された式(II)で表示される化合物を、式(VIIIc)
(VIIIc)Z(OC)O−(CH−[NHBoc]−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、Boc、n、p、及びZは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はKCO、CsCOの存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、カルバマート形成について公知の方法に従って反応させ、最終的に、Boc保護基を、得られた式(VIIb):
Figure 0006616403

[式中、Rは、上記で定義された通りであり、RdBocは、−O−(CH−[NHBoc]−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONOである]
で表示される化合物から、当技術分野において公知の方法に従って除去することにより、調製することができる。
化合物(VIIIc)は、当技術分野において公知であり、又は、公知の化合物から公知の方法により、例えば、式(IXc):
(IXc)HO−(CH−[NHBoc]−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、Boc、n、及びpは、上記で定義された通りである]
で表示される対応するアルコールを、ホスゲン、トリホスゲン、又はp−ニトロフェニルカーボナートもしくはN,N’−ジスクシンイミジルカーボナートと反応させる等により、調製することができる。
化合物(IXc)は、当技術分野において公知であり、又は、公知の化合物から公知の方法により調製することができる。
上記で定義された式(I)[式中、Rは、−OR、−NH、−NHRであり、Rは、上記で定義された通りであり、Rは、上記で定義された通りであり、Yは、NHであり、Xは、O又はSである]で表示される化合物は、上記で定義された式(II)で表示される化合物を、式(Xa、b)
(Xa)Z(OC)NH−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONO
(Xb)Z(OC)ONH−(CH−[X]−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、n1、X、及びpは、上記で定義された通りであり、Zは、Clであるか、又は、上記で定義された式(Za1)で表示される基もしくは式(Za3):
Figure 0006616403

で表示される基である]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はKCO、CsCOの存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、尿素形成について当技術分野において公知の方法に従って、反応させることにより調製することができる。
化合物(Xa−b)は、対応するアミン(XIa、b):
(XIa)HN−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONO
(XIb)HN−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
を、ホスゲン、トリホスゲン、又はp−ニトロフェニルクロロホルマートもしくはフェニルクロロホルマートと、当技術分野において公知の方法に従って反応させることにより調製される。
化合物(XIa、b)は、当技術分野において公知であり、又は、公知の製品から公知の方法により容易に調製することができる。
上記で定義された式(I)[式中、Rは、−OR、−NH、−NHRであり、Rは、上記で定義された通りであり、Yは、NHであり、Xは、NHであり、n、n、及びpは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、上記で定義された式(II)で表示される化合物を、式(Xc):
(Xc)Z(OC)ONH−(CH−[NHBoc]−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
[式中、n、n、Boc、p、及びZは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はKCO、CsCOの存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、尿素形成について当技術分野において公知の方法に従って反応させ、最終的に、Boc保護基を、得られた化合物(VIIc):
Figure 0006616403

[式中、RfBocは、−NH−(CH−[NHBoc]−(CHn1−−[CH(ONO)]−CH−ONOである]
から除去することにより調製することができる。
式(Xc)で表示される化合物を、対応するアミン(XIc):
(XIc)HN−(CH−[NHBoc]−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONO
から、ホスゲン、トリホスゲン、又はp−ニトロフェニルクロロホルマートもしくはフェニルクロロホルマートと、公知の方法に従って反応させることにより調製することができる。
化合物(XIc)は、当技術分野において公知であり、又は、公知の製品から公知の方法により容易に調製することができる。
あるいは、式(I)[式中、Rは、−ORであり、Rは、上記で定義された通りであり、Rは、上記で定義された通りであり、Yは、上記で定義された通りであり、Xは、O又はSであり、n、n、及びpは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、以下のスキーム2:
Figure 0006616403

[同スキーム中、R及びRは、上記で定義された通りであり、Aは、−OH、Cl、又は上記で定義されたZa1である]
に従って得ることができる。
Aが、−OHである場合、この反応を、カップリング試薬、例えば、DCC、EDC、HBTU、HATU、及び、触媒量のDMAP又はSc(OTf)の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において行う。
Aが、Cl又はZa1である場合、この反応を、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はKCO、CsCOの存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCHCl中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において行う。
式(XIII)で表示される化合物は、市販されているか、又は、当技術分野において公知である。
上記で定義された式(XII)[式中、Aは、Cl又は(Za1)である]で表示される化合物は、上記で定義された式(XII)[式中、Aは、OHである]で表示される化合物から、公知の方法により調製することができる。
式(XII)[式中、Aは、OHであり、Rは、上記で定義された通りである]で表示される化合物を、下記スキーム3:
Figure 0006616403

に従って、式(XIV)で表示される対応する化合物の塩基性加水分解により、調製することができる。次に、式(XIV)で表示される化合物は、アミド、カルバマート、又は尿素の形成について当技術分野において公知の方法により、式(XV)で表示される市販の化合物を、式(XVI):
[式中、R基中のYが共有単結合である場合、Zは、上記で定義されたZであり、
R基中のYがOである場合、Zは、上記で定義されたZであり、
R基中のYがNHである場合、Zは、上記で定義されたZである]
で表示される化合物と反応させることにより、調製することができる。
式(XVI)で表示される化合物は、先に記載された化合物(IVa、b)、(VIIIa、b)、(Xa、b)に相当する。
あるいは、上記で定義された式(I)[式中、Rは、−ORであり、Rは、上記で定義された通りであり、Rは、2)−(Y)−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、Yは、上記で定義された通りであり、Xは、NHであり、n、n、及びpは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、式VII[式中、RBocは、上記で定義されたRbBoc、RdBoc、RfBocである]で表示される対応する化合物から、上記で記載されたように、Boc保護基を除去することにより、調製することができる。
上記で定義された式VIIで表示される化合物は、スキーム4に従って、式(XII)[式中、Rは、上記で定義された通りである]で表示される市販の化合物を、式(XVII)[式中、Aは、−OH、Cl、又は上記で定義されたZa1である]で表示される化合物と反応させることにより、調製することができる。
Figure 0006616403
化合物(XVII)[同化合物中、Aは、Cl又は(Za1)である]は、化合物(XVII)[同化合物中、Aは、OHである]から、公知の方法により調製することができる。
化合物(XVII)[同化合物中、Aは、OHである]は、下記スキーム5に従って、対応する化合物(XVIII)の塩基性加水分解により、調製することができる。次に、化合物(XVIII)は、アミド、カルバマート、又は尿素の形成について当技術分野において公知の方法により、式(XV)で表示される市販の化合物を、式(XIX):
[式中、R基中のYが共有単結合である場合、Zは、上記で定義されたZであり、
R基中のYがOである場合、Zは、上記で定義されたZであり、
R基中のYがNHである場合、Zは、上記で定義されたZである]
で表示される化合物と反応させることにより、調製することができる。
Figure 0006616403
式(XIX)で表示される化合物は、先に記載された化合物(IVc)、(VIIIc)、(Xc)に相当する。
B)式(I)[式中、Rは、−OHである]で表示される化合物
上記で定義された式(I)[式中、Rは、−OHであり、R、Y、X、n、n、及びpは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、式(I)、(VIIa)、(VIIb)、又は(VIIc)[式中、Rは、ORである]で表示される対応する化合物を、NaOH又はKOHと、水性媒体中において、エステルの加水分解について当技術分野において公知の方法により反応させ、最終的に、存在する場合には、Boc保護基を除去することにより、調製することができる。
用語集
ACN アセトニトリル
Cy シクロヘキサン
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDCHCl N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド 塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
iPrOH 2−プロパノール
MTBE tert−ブチルメチルエーテル
RT 室温
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
実施例1
(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(化合物(1))の合成
Figure 0006616403

工程1:4−ニトロフェニル 5−ブロモペンタノアートの合成
Figure 0006616403

DCM(200mL)中の5−ブロモ吉草酸(5g、27.6mmol)及びDCC(5.7g、27.6mmol)の溶液に、p−ニトロフェノール(4.23g、30.4mmol)を、少量ずつ加えた。混合物を、RTで一晩攪拌した。ついで、沈殿物をろ過した。溶媒を、減圧下で除去した。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン中のEtOAc 5%〜50%)により精製して、7.1g 所望の化合物(収率:85%)を与えた。
MS:m/z=303[M+H]
TLC:(Cy/EtOAc 9:1) R=0.40
工程2:4−ニトロフェニル 5−(ニトロオキシ)ペンタノアートの合成
Figure 0006616403

暗所で保持された、CHCN(145mL)中の4−ニトロフェニル 5−ブロモペンタノアート(5g、16.6mmol)の溶液に、AgNO(2g、12mmol)を加えた。混合物を、80℃で加熱した。15分後、AgNO(1g、6mmol)を加えた。1時間後、最後の部分のAgNO(1.25g、7.3mmol)を加えた。反応を、攪拌下に2時間置いた。
ついで、塩をろ過し、溶媒を濃縮した。EtOAcを、残留物に加えた。再度、塩をろ過した。溶液を濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(100% DCM)により精製して、4.12g 所望の化合物(収率:87%)を与えた。
MS:m/z=285[M+H]+
TLC:(100% DCM) Rf=0.30
工程3:メチル (2S)−2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−3−(4H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート塩酸塩の合成
Figure 0006616403

0℃で冷却した、無水MeOH(100mL)中のL−カルノシン(3g、13.2mmol)の懸濁液に、SOCl(1.13mL、15.6mmol)を滴下した。混合物を、10分間攪拌した。ついで、溶液を、1時間還流した。室温に冷却した後に、溶媒を、減圧下で除去した。生成物を、DCM/MTBE 1/1中において、rtで2時間粉砕し、ろ過し、真空中で乾燥させて、所望の生成物を、定量的収率で与えた。
MS:m/z=241[M+H]
工程4:(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(化合物(1)に相当)の合成
0℃で冷却した、DMF(16mL)中の4−ニトロフェニル 5−(ニトロオキシ)ペンタノアート(2g、7.04mmol)及びメチル (2S)−2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−3−(4H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 塩酸塩(2.2g、7.04mmol)の溶液に、TEA(3.2mL、21.12mmol)を滴下した。この溶液を、15分間攪拌し、DMAP(84mg、0.7mmol)を加えた。この溶液を、RTで一晩攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(85:15 DCM:MeOH−1% NHOH)により精製して、1.8g (S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(収率:66%)を与えた。
MS:m/z=386[M+H]
TLC:(DCM/MeOH/NHOH 79:20:1) R=0.55
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.96 (s, 1H), 8.41 (d, J = 7.9, 1H), 7.82 (t, J= 5.5, 1H), 7.38 (s, 1H), 4.67 - 4.53 (m, 1H), 4.49 (t, J = 6.2, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.22 - 2.90 (m, 4H), 2.31 - 2.18 (m, 2H), 2.06 (t, J = 7.0, 2H), 1.70 - 1.43 (m, 4H).
実施例2
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(2)に相当する化合物(2a))及び(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸アセタート(アセタートとしての化合物(2)に相当する化合物(2b))の合成
Figure 0006616403

0℃で冷却した、HO/ジオキサン(1:3)中の(実施例1で記載された)化合物(1)(0.3g、0.78mmol)の溶液に、2.5M KOH溶液(0.9mL、1.44mmol)を滴下した。この溶液を、1時間攪拌した。反応が完了した時点で、溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、DCM及びiPrOH(1%)中に溶解させ、フラッシュクロマトグラフィー(60:40 DCM:iPrOH−2% 酢酸)により精製して、アセタート(2b)として、89mg 表記化合物を与えた。
MS:m/z=372[M+H]
TLC:(DCM/iPrOH/酢酸 60:38:2) Rf=0.20
トリフルオロアセタート誘導体(2a)を得るために、0℃で冷却した、HO/ジオキサン(1:3)中の(実施例1で記載された)化合物(1)(0.3g、0.78mmol)の溶液を、2.5M KOH溶液(0.9mL、1.44mmol)の滴下により処理した。この溶液を、1時間攪拌した。反応が完了した時点で、溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、DCM及びiPrOH(1%)中に溶解させ、調製用HPLC:
カラム:Kinetex AXIA 21.2×250mm 5ミクロン C18
A:HO 0.05% TFA
B:ACN 0.05% TFA
流速:16mL/分
勾配:
10分で、95% A〜50% A
2分で、50% A〜95% A
検出:UV@210nm
により精製して、0.100mg 表記化合物(2a)を与えた。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.96 (s, 1H), 8.26 (m, 1H), 7.82 (m, 1H), 7.33 (s, 1H), 4.71 - 4.35 (m, 3H), 3.32 - 2.81 (m, 4H), 2.36 - 2.12 (m, 2H), 2.12-1.90 (m, 2H), 1.81 - 1.28 (m, 4H).
実施例3
(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド) 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(3)に相当する化合物(3a))の合成
Figure 0006616403

工程1:4−ニトロフェニル 6−ブロモヘキサノアートの合成
Figure 0006616403

DCM中の6−ブロモヘキサン酸及びDCCの溶液に、p−ニトロフェノールを少量ずつ加えた。混合物を、RTで一晩攪拌した。進行を、TLC(Cy/AcOEt 5:5)によりチェックした。反応が完了した時点で、混合物をろ過し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(勾配:Cy/AcOEt 5%〜50%)により精製して、4−ニトロフェニル 6−ブロモヘキサノアートを生成した(1.301g、80.3%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.33 - 8.21 (m, 2H), 7.33 - 7.23 (m, 2H), 3.45 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.93 (dt, J = 14.6, 6.8 Hz, 2H), 1.86 - 1.74 (m, 2H), 1.65 - 1.54 (m, 2H).
工程2:4−ニトロフェニル 6−(ニトロオキシ)ヘキサノアートの合成
Figure 0006616403

暗所で保持された、CHCN(30mL)中の4−ニトロフェニル 6−ブロモヘキサノアート(1.301g、4.12mmol)の溶液に、AgNO(840.85mg、4.95mmol)を加えた。この混合物を、一晩還流した。ついで、塩をろ過した。溶媒を濃縮した。EtOAcを、この残留物に加え、再度、塩をろ過した。この溶液を濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(100% DCM)により精製して、1.2g 4−ニトロフェニル 6−(ニトロオキシ)ヘキサノアート(収率:97.6%)を与えた。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ 8.28 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 4.49 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.82 (q, J = 7.7 Hz, 4H), 1.56 (td, J = 8.7, 4.1 Hz, 2H).
工程3:(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタートの合成
0℃で冷却した、DMF(16mL)中の4−ニトロフェニル 6−(ニトロオキシ)ヘキサノアート(工程2)(656.1g、2.2mmol)及び(実施例1、工程3で得られた)メチル−(2S)−2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−3−(4H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 塩酸塩(0.538.7、2.2mmol)の溶液に、TEA(0.306mL、2.2mmol)を滴下した。この溶液を、RTで一晩攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。ついで、粗製物を、水中に溶解させ、逆相HPLC(相A:HO+0.1% TFA;相B:MeOH+0.1% TFA;直線勾配 t=0:95% A、5% B、t=20’:100% B、t=25’ 100% B;流速 14mL/分)により精製して、399mg 表記化合物(収率:36.5%)を与えた。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.98 (s, 1H), 8.42 (d, J = 7.7, 1H), 7.80 (t, J= 5.7, 1H), 7.39 (s, 1H), 4.68 - 4.53 (m, 1H), 4.48 (t, J = 6.6, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.20 - 2.89 (m, 6H), 2.33 - 2.13 (m, 2H), 2.02 (t, J = 7.3, 2H), 1.72 - 1.55 (m, 2H), 1.55 - 1.38 (m, 2H), 1.36 - 1.18 (m, 2H).
実施例4
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(4)に相当する化合物(4a))の合成
Figure 0006616403

0℃に冷却した、ジオキサン/HO(3:1)中の(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(実施例3)(150mg、0.302mmol)の溶液に、KOH溶液(2.5N、041mL)を滴下した。この溶液を、室温で3.5時間反応させた。ついで、この溶液を、0℃に冷却し、濃HClでpH=2に酸性化した。ジオキサンを、減圧下で蒸発させた。ついで、粗製物を、逆相HPLCにより精製した。ついで、粗製物を、逆相HPLC(相A:HO+0.1% TFA;相B:MeOH+0.1% TFA;直線勾配 t=0:95% A、5% B、t=20’:100% B、t=25’ 100% B;流速:14mL/分)により精製して、表記化合物を生成した(76mg、52%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.97 (s, 1H), 8.29 (d, J = 8.1, 1H), 7.77 (t, J= 5.7, 1H), 7.36 (s, 1H), 4.65 - 4.40 (m, 3H), 3.26 - 2.83 (m, 4H), 2.35 - 2.11 (m, 2H), 2.02 (t, J = 7.3, 2H), 1.73 - 1.54 (m, 2H), 1.54 - 1.37 (m, 2H), 1.37 - 1.16 (m, 2H).
実施例5
(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(5)に相当する化合物(5a))の合成
Figure 0006616403

工程1:2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルナイトラートの合成
Figure 0006616403

DCM(200mL)中のエチレングリコール(4g、37.7mmol)を、−30℃に冷却し、無水酢酸(10.7mL)中のHNO(1.6mL、37.7mmol)の混合物を、激しい攪拌下で滴下した。この混合物を、−30℃で2時間反応させた。粗製物を、氷上に注ぎ、AcOEtで希釈した。2つの相を分離した。有機相を、NaHCO、HO、及びブラインで洗浄した。有機相を、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、濃縮して、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルナイトラートを含有する、赤みがかった油状物を与えた(2.28g、40%)。この油状物を、更なる精製を何らすることなく、次の工程に使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ 4.69 - 4.59 (m, 2H), 3.85 - 3.66 (m, 4H), 3.61 (dd, J = 5.2, 3.8 Hz, 2H).
工程2:2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)酢酸の合成
Figure 0006616403

0℃で冷却した、アセトン(25mL)中の2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルナイトラート(工程1)(1g、6.6mmol)の溶液に、NaHCO飽和溶液(8mL)、NaBr(276.9mg、2.64mmol)、及びTEMPO(206mg、1.32mmol)を加えた。トリクロロイソシアヌル酸(3.1g、13.2mmol)を、少量ずつ加えた。反応を、RTに達するまで行い、3時間攪拌した。ついで、混合物を、0℃に冷却した。イソプロパノール 10mLを、ゆっくり加えた。この混合物を、0℃で30分間攪拌した。沈殿物をろ過した。溶媒を濃縮した。残留物を、2M NaOHで塩基性にし(pH≒12)、EtOAcで2回洗浄した。水相に、濃HClを、pH=2〜3まで加え、ついで、EtOAc(5×)で抽出した。組み合せた有機相を、NaSOで乾燥させ、濃縮して、表記化合物(875mg、80.3%)を、淡い黄色の油状物として与えた。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ 4.71 - 4.62 (m, 2H), 4.20 (s, 2H), 3.94 - 3.84 (m, 2H).
工程3:4−ニトロフェニル 2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセタートの合成
Figure 0006616403

DCM中の2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)酢酸(工程2)(875mg、5.3mmol)及びDCC(1.093g、5.3mmol)の溶液に、p−ニトロフェノール(811mg、5.83mmol)を、少量ずつ加えた。この混合物を、RTで一晩攪拌した。ついで、この混合物をろ過し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(勾配:Cy/AcOEt 5%〜50%)により精製して、表記化合物を生成した(1.43g、94.3%)。
工程4:(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタートの合成
4−ニトロフェニル 2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセタート(251.8mg、0.88mmol)(工程3)及びメチル (2S)−2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−3−(4H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 塩酸塩(211.42mg、0.88mmol)(実施例1、工程3で記載されたように調製)の溶液を、0℃に冷却し、N−メチル−モルホリン(0.097mL、0.88mmol)を、pH7〜8まで滴下した。この溶液を、RTで一晩攪拌した。ついで、粗製物を、蒸発させ、水中に溶解させ、逆相HPLC(相A:HO+0.1% TFA;相B:MeOH+0.1% TFA;直線勾配 t=0:95% A、5% B、t=20’:100% B、t=25’ 100% B;流速:14mL/分)により精製して、表記化合物を与えた(186mg、43.5%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.95 (s, 1H), 8.44 (d, J = 7.8, 1H), 7.73 (t, J= 5.7, 1H), 7.38 (s, 1H), 4.82 - 4.49 (m, 3H), 3.86 (s, 2H), 3.81 - 3.69 (m, 2H), 3.58 (s, J = 21.8, 3H), 3.30 - 3.17 (m, 2H), 3.17 - 2.90 (m, 2H), 2.39 - 2.16 (m, 2H).
実施例6
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(6)に相当する化合物(6a))の合成
Figure 0006616403

表記化合物を、(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパノアート(実施例5)から、実施例2及び4で記載されたのと同じ方法に従って得た。
粗製物を、逆相HPLC(相A:HO+0.1% TFA;相B:MeOH+0.1% TFA;直線勾配 t=0:95% A、5% B、t=20’:100% B、t=25’ 100% B;流速:14mL/分)により精製して、表記化合物を与えた(70mg、47.6%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.95 (s, 1H), 8.34-8.31 (m, 1H), 7.76-7.72 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 4.67 (m, 2H), 4.53 (m, 1H), 3.86 (s, 2H), 3.73 (m, 2H), 3.23 (m, 2H), 3.12 (m, 1H), 2.95 (m, 1H), 2.27 (m, 2H).
実施例7
(S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(化合物(9)に相当、(S)異性体)の合成
Figure 0006616403

工程1:ヘキサ−5−エニル−4−ニトロベンゾアートの合成
Figure 0006616403

0℃でのジクロロメタン(300mL)中のヘキサ−5−エノール(21.25g、200mmol)及び4−ニトロベンゾイルクロリド(37.11g、200mmol)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(28mL、200mmol)を加えた。反応物を、RTで4時間攪拌し、水、1M HCl、水、及びブラインで洗浄した。溶媒を、減圧下で除去して、粗製の油状物を与えた。同油状物を、n−ヘキサンで処理して、固体を与えた。同固体をろ過した。母液を蒸発させて、表記化合物を黄色の油状物として与えた(41g、82%)。
MS:m/z=250[M+H]
TLC:100% DCM R=0.4
工程2:(5S)−5,6−ジヒドロキシヘキシル 4−ニトロベンゾアートの合成
Figure 0006616403

tBuOH/HOの混合物(各227mL)中のAD−Mix α(50g)の攪拌溶液を、室温で10分間攪拌し、ついで、4℃に冷却した。15分後、ヘキサ−5−エニル 4−ニトロベンゾアート(工程1)(8.8g、35.5mmol)を加えた。反応物を、4℃で一晩攪拌した。ついで、酢酸エチル(200mL)を加え、続けて、メタ重亜硫酸ナトリウム(12g)を注意深く加えた。反応物を、4℃で30分間静置し、ついで、水(200mL)で処理した。有機層を抽出し、水相を、酢酸エチルで2回(2×100mL)抽出した。組み合せた有機相を、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、白色の固体(9.7g、97%)を与えた。
残留物を、ジエチルエーテル(100mL)中に溶解させ、一晩攪拌して、表記化合物を白色の固体として与えた(8.1g、84%)。
MS:284[M+H]
TLC:(DCM/MeOH−0.5%) R=0.36
工程3:(5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル 4−ニトロベンゾアートの合成
Figure 0006616403

0℃でのジクロロメタン(3mL)中の発煙硝酸(3.6mL、88mmol、5当量)の攪拌溶液に、無水酢酸(13.7mL)を加え、10分の攪拌後、ジクロロメタン(2mL)中の(5S)−5,6−ジヒドロキシヘキシル 4−ニトロベンゾアート(工程2)(5g、17.6mmol)の溶液を加えた。反応物を、この温度で60分間攪拌した。ついで、粗製の混合物を、氷上に注いだ。有機層を抽出し、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、表記化合物を淡い黄色の油状物(6.4g、99%)として与えた。得られた残留物を、更なる精製をすることなく、次の工程に使用した。
MS:374[M+H]
TLC:(100% DCM) R=0.37
工程4:(2S)−6−ヒドロキシ−2−(ニトロオキシ)ヘキシルナイトラートの合成
Figure 0006616403

0℃でのエタノール/THFの1/1混合物(各33mL)中の(5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル 4−ニトロベンゾアート(工程3)(7.4g、19.82mmol)の攪拌溶液に、2M 水酸化ナトリウム溶液(19.8mL、2当量)を加えた。反応物を、2時間攪拌した。反応物を、酢酸エチル及び水(各100mL)で希釈し、抽出した。有機層を、水及びブラインで連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。油状の残留物を、カラムクロマトグラフィー(勾配システム 4/6 酢酸エチル/Cy〜60/40 酢酸エチル/Cy)により精製して、表記化合物を無色の油状物として与えた(4.1g、92%)。
TLC:(EtOAc/Cy−50%) R=0.31
工程5:(5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサン酸の合成
CHCl、ACN、HO(1:1:1)中の(2S)−6−ヒドロキシ−2−(ニトロオキシ)ヘキシルナイトラート(工程4)(3g、13.4mmol)及び過ヨウ素酸ナトリウム(8.4g、40.2mmol)の溶液に、ルテニウム(IV)酸化物(180mg、1.34mmol)を加えた。混合物を、RTで一晩攪拌した。沈殿物をろ過した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、DCM中に溶解させ、水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン中のEtOAc 5%〜50%)により精製して、2.4g (5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサン酸(収率:75%)を与えた。
TLC:(DCM/MeOH−0,5%) R=0.34
工程6:(S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(化合物(9)に相当、(S)異性体)の合成
0℃で冷却した、DMF(40mL)中の(5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサン酸(2.4g、10mmol)及びメチル−(2S)−2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−3−(4H−イミダゾール−4−イル)−プロパノアート(実施例1、工程3)(3.1g、10mmol)の溶液に、TEA(5.5mL、40mmol)を滴下した。この溶液を、15分間攪拌した。EDCHCl(1.91g、10mmol)及びDMAP(1.22g、10mmol)を加えた。この溶液を、RTで一晩攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(80:20 DCM:MeOH−1% NHOH)により精製して、1.9g (S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(収率:41%)を与えた。
MS:m/z=461[M+H]
TLC:(DCM/MeOH/NHOH 79:20:1) R=0.40
1H NMR (600 MHz, cd3od) δ 7.61 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 5.42 (m, 1H), 4.94 - 4.85 (m, 1H), 4.72 - 4.64 (m, 1H), 4.64 - 4.54 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.49 - 3.35 (m, 2H), 3.16 - 3.07 (m, 1H), 3.07 - 2.97 (m, 1H), 2.50 - 2.35 (m, 2H), 2.30 - 2.19 (m, 2H), 1.82 - 1.66 (m, 4H).
実施例8
(S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(10)に相当する化合物(10a)、(S)異性体、2,2,2−トリフルオロアセタート)及び(S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸アセタート(化合物(10)に相当する化合物(10b)、(S)異性体、アセタート)の合成
Figure 0006616403

0℃で冷却した、HO/ジオキサン(1:3)中の(S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(実施例7)(0.6g、1.3mmol)の溶液に、2.5M KOH溶液(1.5mL、3.9mmol)を滴下した。この溶液を、1時間攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗製物を、DCM/水中に溶解させた。ついで、HClを、pH1〜2まで加えた。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、DCM及びiPrOH(1%)中に溶解させ、フラッシュクロマトグラフィー(50:40 DCM:iPrOH−2% 酢酸)により精製して、400mg (S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸アセタート(10b)(収率:69%)を与えた。
150mg (10b)から、110mg (10a)を、下記条件に従って、調製用HPLCにより得た。
カラム:Kinetex AXIA 21.2×250mm 5ミクロン C18
A:HO 0.05% TFA
B:ACN 0.05% TFA
流速:16mL/分.
勾配:
10分で、95% A〜50% A
2分で、50% A〜95% A
95% A 3分間保持
検出 UV@210nm
MS:m/z=447[M+H]
1H NMR (600 MHz, d2o) δ 8.49 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 5.42 - 5.21 (m, 2H), 4.82 - 4.72 (m, 1H), 4.68 - 4.58 (m, 1H), 4.57 - 4.47 (m, 1H), 3.34 - 3.14 (m, 2H), 3.12 - 2.96 (m, 1H), 2.43 - 2.27 (m, 2H), 2.18 - 2.08 (m, 2H), 1.68 - 1.51 (m, 4H).
実施例9
ウサギでの高浸透圧生理食塩水誘引IOP増大における眼内圧(IOP)低下活性
本試験では、本発明の2つの化合物(化合物(1a)及び化合物(4a))ならびに2つの参照化合物の単回適用の、同じ濃度における、誘引されたIOP増大を有するウサギでの、眼内圧低下効果を評価した。
試験化合物
化合物(1a)は、(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート 塩酸塩であり、実施例1で得られた化合物(1)及び塩酸から、公知の方法により調製した。化合物(4a)を、実施例4で記載されたように調製した。
チモロール及び5−ISMNを、参照化合物として試験した。
チモロールは、緑内障及び高眼圧の処置に一般的に使用される薬剤である。硝酸イソソルビド(5−ISMN)は、一般的に使用される一酸化窒素供与体薬である。
成体のオスのニュージーランド白ウサギ(体重1.8〜2.0kg)を、実験に使用した。
IOPの一時的な増大を、ガラス体の両側内への、高浸透圧生理食塩水(5%) 0.1mLの注入により誘引した(Krauss et al., 2011、Orihashi et al., 2005)。
IOPを、高浸透圧生理食塩水注入前(ベース)、ならびに、注入後30、60、120、及び240分において、Tono-Pen XLを使用して測定した。媒体(5% cremophor-EL;0.3% DMSO;0.2mg/mL PBS(pH6.0)中の塩化ベンザルコニウム)又は化合物(1.0%)を、高浸透圧生理食塩水の注入後直ちに、点眼として滴下した。眼を、種々の処置群にランダムに割り当てた。媒体及び化合物を、所望の用量で結膜ポケット内に直接滴下した。1滴の0.4% オキシブプロカイン 塩酸塩(Novesine, Sandoz)を、各セットの圧力測定直前に、各眼に滴下した。
結果を、表1に報告する。結果を、(局所投与後60、120、及び240分での)媒体に対するIOP変化と、高浸透圧生理食塩水注入前のベースにおけるIOPに対するIOP変化として表わす。化合物(1a)及び(4a)の1回の適用により、ISMN及びチモロールと比較して、顕著なIOP低下がもたらされた。
実験結果から、滴下後4時間において、本発明の化合物は、その眼圧低下活性を維持したこと、ならびに、本発明の化合物で処置した群におけるIOP低下効果は、チモロール及び5−ISMNで処置した群におけるより高いことが示された。このことは、参照化合物に対する、本発明の化合物の持続性のIOP低下効果を証明している。
実験結果から、強力な眼圧低下効果及び持続性作用が、本発明の化合物を使用することにより得られたことが証明された。
Figure 0006616403
実施例10
正常眼圧のニュージーランド白ウサギにおける眼内圧(IOP)低下活性
本試験では、本発明の2つの化合物(化合物(1a)及び化合物(4a))の単回適用の、従来の化合物に対する同じ濃度における、正常眼圧の動物モデル(ウサギ)での、長期持続性の眼内圧低下効果を評価した。
試験化合物
化合物(1a)は、(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート 塩酸塩であり、実施例1で得られた化合物(1)及び塩酸から、公知の方法により調製した。
化合物(4a)を、実施例4で記載されたように調製した。
従来技術の化合物は、(R)−3−((S)−2−(3−アミノプロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパンアミド)プロパン−1,2−ジイル ジナイトラート 2,2,2−トリフルオロアセタート(参照化合物)であり、M. Bertinaria et al., European Journal of Medicinal Chemistry, 54(2012) 103-112に開示されている。
成体のオスのニュージーランド白(NZW)ウサギ(体重1.8〜2.0kg)を、実験に使用した。
IOPを、局所適用前(ベース)、及び、適用後の種々の時点(30、60、120、240、及び300分)において、pneumatonometer 30 CLASSIC(商標)を使用して測定した。媒体(5% cremophor-EL;0.3% DMSO;0.2mg/mL PBS(pH6.0)中のbac)又は本発明の化合物を、点眼として結膜ポケット内に滴下した。眼を、種々の処置群にランダムに割り当てた。1滴の0.4% オキシブプロカイン塩酸塩(Novesine, Sandoz)を、各セットの圧力測定直前に、各眼に滴下した。結果を、表2に報告する。結果を、(局所投与後60、120、180、及び240分での)媒体に対するIOP変化と、ベースでのIOPに対するIOP変化として表わす。
化合物(1a)及び化合物(4a)の1回の適用により、参照化合物と比較して、顕著なより長いIOP低下がもたらされた。
実験結果から、本発明の化合物は、参照化合物に対して、より高い持続性のIOP低下効果を示したことが証明された。
Figure 0006616403
実施例11
眼内圧(IOP)低下活性
化合物(9)の単回適用の、眼内圧低下効果及びその効果の持続性を、一時的な高眼圧ウサギモデル及び正常眼圧ウサギモデルのそれぞれにおいて評価した。
試験化合物
化合物(9):(S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート。この化合物を、実施例7で記載されたように調製した。
高浸透圧生理食塩水誘引IOP増大ウサギモデル
成体のオスのニュージーランド白ウサギ(体重1.8〜2.0kg)を、実験に使用した。
IOPの一時的な増大を、ガラス体の両側内への、高浸透圧生理食塩水(5%) 0.1mLの注入により誘引した(Krauss et al., 2011、Orihashi et al., 2005)。
IOPを、高浸透圧生理食塩水注入前(ベース)、ならびに、注入後30、60、120、及び240分において、Tono-Pen XLを使用して測定した。媒体(5% cremophor-EL;0.3% DMSO;0.2mg/mL PBS(pH6.0)中の塩化ベンザルコニウム)又は化合物(9)(1.0%)を、高浸透圧生理食塩水の注入後直ちに、点眼として滴下した。眼を、種々の処置群にランダムに割り当てた。媒体及び化合物(9)を、所望の用量で結膜ポケット内に直接滴下した。1滴の0.4% オキシブプロカイン 塩酸塩(Novesine, Sandoz)を、各セットの圧力測定直前に、各眼に滴下した。
実験データを、表3に報告する。実験データを、(局所投与後60、120、及び240分での)媒体に対するIOP変化と、高浸透圧生理食塩水注入前のベースにおけるIOPに対するIOP変化として表わす。
正常眼圧ウサギモデル
成体のオスのニュージーランド白(NZW)ウサギ(体重1.8〜2.0kg)を、実験に使用した。
IOPを、局所適用前(ベース)、及び、適用後の種々の時点(30、60、120、240、及び300分)において、pneumatonometer 30 CLASSIC(商標)を使用して測定した。媒体(5% cremophor-EL;0.3% DMSO;0.2mg/mL PBS(pH6.0)中のbac)又は化合物(9)(1%)を、点眼として結膜ポケット内に滴下した。眼を、種々の処置群にランダムに割り当てた。1滴の0.4% オキシブプロカイン 塩酸塩(Novesine, Sandoz)を、各セットの圧力測定直前に、各眼に滴下した。
実験データを、表4に報告する。実験データを、(局所投与後60、120、180、及び240分での)媒体に対するIOP変化と、ベースでのIOPに対するIOP変化として表わす。
結果
表3の結果から、化合物(9)の単回適用により、顕著なIOP低下がもたらされたことが示される。化合物(9)ならびに参照化合物であるISMN及びチモロールのIOP低下効果を比較すると、より高いIOP低下が、参照化合物であるISMN及びチモロールにより誘引されたIOP低下に対して、化合物(9)の局所適用後に観察された。
化合物(9)ならびにISMN及びチモロールの圧力低下効果を、同じ一時的な高眼圧ウサギモデル(実施例9を参照のこと)を使用するが、別の群の高眼圧ウサギにおいて評価した。
表4で報告された正常眼圧ウサギモデルの実験結果から、化合物(9)は、長く持続するIOP低下効果を示したことが示される。化合物(9)の局所適用により誘引されたIOP低下効果の持続性と、従来技術の化合物である(R)−3−((S)−2−(3−アミノプロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパンアミド)プロパン−1,2−ジイル ジナイトラート 2,2,2−トリフルオロアセタート(参照化合物)によるIOP低下効果の持続性とを比較した場合、より高い持続性のIOP低下効果が、参照化合物に対して、化合物(9)について観察された。
化合物(9)及び参照化合物のIOP低下効果を、同じ正常眼圧ウサギモデル(実施例10を参照のこと)において、別の群の高眼圧ウサギを使用して評価した。
Figure 0006616403
Figure 0006616403

Claims (17)

  1. 式(I):
    Figure 0006616403

    [式中、
    Rは、
    1)−(Y)−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONO
    2)−(Y)−(CH−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、
    Yは、O、NH、又は共有単結合であり、
    nは、1〜10の整数であり、ただし、式2)において、YがO又はNHである場合には、nは、1ではないという条件であり、
    は、1〜10の整数であり、
    pは、0又は1であり、
    Xは、O、NH、又はSであり、
    は、OH、−OR、−NH、−NHRであり、Rは、(C〜C10)の直線状又は分岐状アルキルである]
    で表示されるカルノシン類似物又はその薬学的に許容し得る塩もしくは立体異性体。
  2. Yが、共有単結合であり、Xが、Oである、請求項1記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
  3. Yが、共有単結合であり、Rが、OHである、請求項1記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
  4. Rが、1)−(Y)−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONOである、請求項3記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
  5. Rが、2)−(Y)−(CH)n−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、Xが、Oである、請求項3記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
  6. Yが、共有単結合であり、Rが、−OCHである、請求項1記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
  7. Rが、1)−(Y)−(CH−[CH(ONO)]−CH−ONOである、請求項6記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
  8. Rが、2)−(Y)−(CH)n−X−(CHn1−[CH(ONO)]−CH−ONOであり、Xが、Oである、請求項6記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
  9. pが、0である、請求項2〜8のいずれか一項記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
  10. pが、1である、請求項2〜8のいずれか一項記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
  11. カルノシンが、L-カルノシンである、請求項1〜10のいずれか一項記載のカルノシン類似物。
  12. 下記
    (S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(化合物(1));
    (S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート塩酸塩(化合物1a);
    (S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸(化合物(2));
    (S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(2a));
    (S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)(化合物(3));
    (S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド) 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(3a));
    (S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)プロパン酸(化合物(4));
    (S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(4a));
    (S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパノアート(化合物(5));
    (S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(5a));
    (S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパン酸(化合物(6));
    (S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(6a));
    (S)−メチル 2−(3−(2−((S)−2,3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)アセトアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(化合物7);
    (S)−メチル 2−(3−(2−((S)−2,3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)アセトアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物7a);
    (S)−2−(3−(2−((S)−2,3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)アセトアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸(化合物8);
    (S)−2−(3−(2−((S)−2,3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)アセトアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物8a);
    (S)−メチル 2−(3−((5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(化合物(9));
    (S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(9a));
    (S)−2−(3−((5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸(化合物(10));
    (S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(10a));
    (S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸アセタート(化合物(10b))からなる群より選択される、請求項1記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物又は薬学的に許容し得る塩。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物と、アルファアドレナリン作動薬、ベータブロッカー、炭酸脱水素酵素阻害剤、プロスタグランジン類似物、非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド系抗炎症薬からなる群より選択される少なくとも1種の更なる活性成分とを含む、
    組成物。
  14. 少なくとも1種の請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物と、少なくとも1種の眼に許容し得る成分及び/又は眼に許容し得る媒体とを含む、
    医薬組成物。
  15. 少なくとも1種の請求項13記載の組成物と、少なくとも1種の眼に許容し得る成分及び/又は眼に許容し得る媒体とを含む、
    医薬組成物。
  16. 高眼圧性緑内障、正常眼圧性緑内障、及び高眼圧の治療及び/又は予防に使用するための、請求項14記載の医薬組成物。
  17. カルノシン類似物が請求項12記載のカルノシン類似物である、請求項14〜16のいずれか一項記載の医薬組成物。
JP2017512006A 2014-09-04 2015-09-02 一酸化窒素供与カルノシン化合物 Active JP6616403B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14183478.8A EP2993172B1 (en) 2014-09-04 2014-09-04 Nitric oxide donating carnosine compounds
EP14183478.8 2014-09-04
PCT/EP2015/070040 WO2016034619A1 (en) 2014-09-04 2015-09-02 Nitric oxide donating carnosine compounds

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2017525735A JP2017525735A (ja) 2017-09-07
JP2017525735A5 JP2017525735A5 (ja) 2018-09-20
JP6616403B2 true JP6616403B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=51483284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017512006A Active JP6616403B2 (ja) 2014-09-04 2015-09-02 一酸化窒素供与カルノシン化合物

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10093696B2 (ja)
EP (1) EP2993172B1 (ja)
JP (1) JP6616403B2 (ja)
CN (1) CN106795122B (ja)
CA (1) CA2959795C (ja)
ES (1) ES2632808T3 (ja)
WO (1) WO2016034619A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210041596A (ko) 2018-08-06 2021-04-15 니콕스 에스아 산화질소 방출 포스포디에스테라제 타입 5 억제제
CN111217834B (zh) * 2020-02-21 2021-10-26 维眸生物科技(上海)有限公司 Rock激酶抑制剂的硝基氧衍生物

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60149521A (ja) 1984-01-18 1985-08-07 Eisai Co Ltd 高眼圧・緑内障治療・予防用点眼剤
IT1270905B (it) 1993-10-15 1997-05-13 Bruschettini Srl Composizioni farmaceutiche contenenti n-acetilcarnosina per il trattamento della cataratta
IT1311924B1 (it) * 1999-04-13 2002-03-20 Nicox Sa Composti farmaceutici.
US20020168424A1 (en) 2002-07-31 2002-11-14 Dr. Mohsen Shahinpoor Nitric oxide (NO) donor+cGMP-PDE5 inhibitor as a topical drug for glaucoma
US7795203B2 (en) 2002-09-30 2010-09-14 Babizhayev Mark A Method for topical treatment of eye disease and composition and device for said treatment
ES2604562T3 (es) 2007-02-05 2017-03-07 Nicox Science Ireland Compuestos donantes de óxido nítrico
DE102007007029A1 (de) * 2007-02-08 2008-08-14 Bundesdruckerei Gmbh Sicherheits- und/oder Wertdokument mit photonischem Kristall

Also Published As

Publication number Publication date
US20170291920A1 (en) 2017-10-12
EP2993172A1 (en) 2016-03-09
CN106795122A (zh) 2017-05-31
WO2016034619A1 (en) 2016-03-10
CA2959795A1 (en) 2016-03-10
EP2993172B1 (en) 2017-04-19
CN106795122B (zh) 2019-09-27
CA2959795C (en) 2022-11-29
US10093696B2 (en) 2018-10-09
ES2632808T3 (es) 2017-09-15
JP2017525735A (ja) 2017-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100850133B1 (ko) 프로스타글란딘 나이트로옥시 유도체
US11980618B2 (en) Nitric oxide releasing phosphodiesterase type 5 inhibitor
ES2708571T3 (es) Derivados de aminoácidos sustituidos con N-urea como moduladores del receptor de péptido formilado
WO2008071421A1 (en) Nitrate esters of carbonic anhydrase inhibitors
JP2009501150A (ja) プロスタグランジン誘導体
CA2918179C (en) Ophthalmic compositions containing a nitric oxide donor
JP6616403B2 (ja) 一酸化窒素供与カルノシン化合物
JP2009525970A (ja) α2−アドレナリン受容体アゴニストとしてのアプラクロニジンおよびブリモドニジンのニトロオキシ含有誘導体
US9598349B2 (en) Quinone based nitric oxide donating compounds for ophthalmic use
JP5955774B2 (ja) プロスタグランジンアゴニストのプロドラッグの安定した水性組成物およびその使用方法
JP2010513262A (ja) カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤誘導体
RU2785776C2 (ru) Ингибитор фосфодиэстеразы 5 типа, высвобождающий оксид азота
Blangetti et al. Quinone based nitric oxide donating compounds
WO2015155234A1 (en) Quinone based nitric oxide donating compounds

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180807

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180807

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20181228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190416

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190708

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6616403

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250