JP6616403B2 - 一酸化窒素供与カルノシン化合物 - Google Patents
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Description
[式中、
Rは、
1)−(Y)−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
2)−(Y)−(CH2)n−X−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2であり、
Yは、O、NH、又は共有単結合であり、好ましくは、Yは、共有単結合であり、
nは、1〜10、好ましくは、1〜4の整数であり、ただし、式2)において、YがO又はNHである場合には、nは、1ではないという条件であり、
n1は、1〜10、好ましくは、1〜4の整数であり、
pは、0又は1であり、
Xは、O、NH、又はS、好ましくは、Oであり、
R1は、OH、−OR2、−NH2、−NHR2であり、R2は、(C1〜C10)の直線状又は分岐状アルキルであり、好ましくは、R1は、OH又は−OR2であり、R2は、(C1〜C4)の直線状アルキル、好ましくは、−CH3である]
で表示されるカルノシン類似物又はその薬学的に許容し得る塩もしくは立体異性体に関する。
A)式(I)[式中、R1は、−OR2、−NH2、−NHR2である]で表示される化合物
上記で定義された式(I)[式中、R1は、−OR2、−NH2、−NHR2であり、R2は、上記で定義された通りであり、Rは、上記で定義された通りであり、Yは、共有単結合であり、Xは、O又はSであり、n、n1、及びpは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、式(II):
[式中、R1は、上記で定義された通りである]
で表示される化合物を、式(IIIa、b)
(IIIa)HOOC−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
(IIIb)HOOC−(CH2)n−X−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、n1、X、及びpは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物と、カップリング試薬、例えば、DCC、EDC、HBTU、HATU、及び、触媒量のDMAP又はSc(OTf)3の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCH2Cl2中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、スキーム1で示されたように、あるいは、
ii)式(IVa、b):
(IVa)Za−OC−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
(IVb)Za−OC−(CH2)n−X−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、n1、p、及びXは、上記で定義された通りであり、Zaは、N3、F、Cl、Brから選択される活性化基又は式(Za1)もしくは(Za2)
の基であり、好ましくは、Zaは、Cl又は(Za1)である]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はK2CO3、Cs2CO3の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCH2Cl2中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、スキーム1で示されたように、調製することができる。
(Va)HO−CH2−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
(Vb)HO−CH2−(CH2)n−X−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、n1、p、及びXは、上記で定義された通りである]
で表示される対応するアルコール等から、公知の作用剤、例えば、TEMPOによる酸化により調製することができる。
(VIa)Za−OC−(CH2)n−CH2−Hal
(VIb)Za−OC−(CH2)n−X−(CH2)n1−CH2−Hal
[式中、Zaは、(Za1)又は(Za2)で表示される基であり、n、n1、及びXは、上記で定義された通りであり、Halは、ハロゲン原子、例えば、Cl又はBrである]
で表示される対応する化合物を、AgNO3により、当技術分野において周知の反応条件下において、ニトロ化することにより調製することができる。
i)式(IIIc)
(IIIc)HOOC−(CH2)n−[NHBoc]−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、n1、及びpは、上記で定義された通りであり、Bocは、t−ブチルオキシカルボニル保護基である]
で表示される化合物と、カップリング試薬、例えば、DCC、EDC、HBTU、HATU、及び、触媒量のDMAP又はSc(OTf)3の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCH2Cl2中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、又は、
ii)式(IVc)
(IVc)Za−OC−(CH2)n−[NHBoc]−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、n1、p、Za、及びBocは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はK2CO3、Cs2CO3の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCH2Cl2中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、反応させて、式(VIIa)
[式中、RbBocは、−(CH2)n−[NHBoc]−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2であり、n、n1、p、及びBocは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物を得て、最終的に、Boc保護基を、当技術分野において公知の方法、例えば、酸処理により除去することにより調製することができる。
(VIIIa)Zb(OC)O−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
(VIIIb)Zb(OC)O−(CH2)n−X−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、n1、X、及びpは、上記で定義された通りであり、Zbは、Clであるか、又は、式(Za1)もしくは(Za2)で表示される基である]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はK2CO3、Cs2CO3の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCH2Cl2中で、又は、−80℃〜60℃の範囲の温度において、カルバマート形成について公知なように、反応させることにより調製することができる。
(VIIIc)Zb(OC)O−(CH2)n−[NHBoc]−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、Boc、n1、p、及びZbは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はK2CO3、Cs2CO3の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCH2Cl2中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、カルバマート形成について公知の方法に従って反応させ、最終的に、Boc保護基を、得られた式(VIIb):
[式中、R1は、上記で定義された通りであり、RdBocは、−O−(CH2)n−[NHBoc]−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2である]
で表示される化合物から、当技術分野において公知の方法に従って除去することにより、調製することができる。
(IXc)HO−(CH2)n−[NHBoc]−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、Boc、n1、及びpは、上記で定義された通りである]
で表示される対応するアルコールを、ホスゲン、トリホスゲン、又はp−ニトロフェニルカーボナートもしくはN,N’−ジスクシンイミジルカーボナートと反応させる等により、調製することができる。
(Xa)Zc(OC)NH−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
(Xb)Zc(OC)ONH−(CH2)n−[X]−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、n1、X、及びpは、上記で定義された通りであり、Zcは、Clであるか、又は、上記で定義された式(Za1)で表示される基もしくは式(Za3):
で表示される基である]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はK2CO3、Cs2CO3の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCH2Cl2中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、尿素形成について当技術分野において公知の方法に従って、反応させることにより調製することができる。
(XIa)H2N−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
(XIb)H2N−(CH2)n−X−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
を、ホスゲン、トリホスゲン、又はp−ニトロフェニルクロロホルマートもしくはフェニルクロロホルマートと、当技術分野において公知の方法に従って反応させることにより調製される。
(Xc)Zc(OC)ONH−(CH2)n−[NHBoc]−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
[式中、n、n1、Boc、p、及びZcは、上記で定義された通りである]
で表示される化合物と、塩基、例えば、DMAP、ピリジンもしくはトリエチルアミン、又はK2CO3、Cs2CO3の存在下において、非プロトン性/非極性溶媒、例えば、THF、DMF、又はCH2Cl2中で、−80℃〜60℃の範囲の温度において、尿素形成について当技術分野において公知の方法に従って反応させ、最終的に、Boc保護基を、得られた化合物(VIIc):
[式中、RfBocは、−NH−(CH2)n−[NHBoc]−(CH2)n1−−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2である]
から除去することにより調製することができる。
(XIc)H2N−(CH2)n−[NHBoc]−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
から、ホスゲン、トリホスゲン、又はp−ニトロフェニルクロロホルマートもしくはフェニルクロロホルマートと、公知の方法に従って反応させることにより調製することができる。
[同スキーム中、R及びR2は、上記で定義された通りであり、Aは、−OH、Cl、又は上記で定義されたZa1である]
に従って得ることができる。
に従って、式(XIV)で表示される対応する化合物の塩基性加水分解により、調製することができる。次に、式(XIV)で表示される化合物は、アミド、カルバマート、又は尿素の形成について当技術分野において公知の方法により、式(XV)で表示される市販の化合物を、式(XVI):
[式中、R基中のYが共有単結合である場合、Zは、上記で定義されたZaであり、
R基中のYがOである場合、Zは、上記で定義されたZbであり、
R基中のYがNHである場合、Zは、上記で定義されたZcである]
で表示される化合物と反応させることにより、調製することができる。
[式中、R基中のYが共有単結合である場合、Zは、上記で定義されたZaであり、
R基中のYがOである場合、Zは、上記で定義されたZbであり、
R基中のYがNHである場合、Zは、上記で定義されたZcである]
で表示される化合物と反応させることにより、調製することができる。
上記で定義された式(I)[式中、R1は、−OHであり、R、Y、X、n、n1、及びpは、上記で定義された通りである]で表示される化合物は、式(I)、(VIIa)、(VIIb)、又は(VIIc)[式中、R1は、OR2である]で表示される対応する化合物を、NaOH又はKOHと、水性媒体中において、エステルの加水分解について当技術分野において公知の方法により反応させ、最終的に、存在する場合には、Boc保護基を除去することにより、調製することができる。
ACN アセトニトリル
Cy シクロヘキサン
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC*HCl N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド 塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
iPrOH 2−プロパノール
MTBE tert−ブチルメチルエーテル
RT 室温
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(化合物(1))の合成
工程1:4−ニトロフェニル 5−ブロモペンタノアートの合成
DCM(200mL)中の5−ブロモ吉草酸(5g、27.6mmol)及びDCC(5.7g、27.6mmol)の溶液に、p−ニトロフェノール(4.23g、30.4mmol)を、少量ずつ加えた。混合物を、RTで一晩攪拌した。ついで、沈殿物をろ過した。溶媒を、減圧下で除去した。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン中のEtOAc 5%〜50%)により精製して、7.1g 所望の化合物(収率:85%)を与えた。
MS:m/z=303[M+H]+
TLC:(Cy/EtOAc 9:1) Rf=0.40
暗所で保持された、CH3CN(145mL)中の4−ニトロフェニル 5−ブロモペンタノアート(5g、16.6mmol)の溶液に、AgNO3(2g、12mmol)を加えた。混合物を、80℃で加熱した。15分後、AgNO3(1g、6mmol)を加えた。1時間後、最後の部分のAgNO3(1.25g、7.3mmol)を加えた。反応を、攪拌下に2時間置いた。
MS:m/z=285[M+H]+
TLC:(100% DCM) Rf=0.30
0℃で冷却した、無水MeOH(100mL)中のL−カルノシン(3g、13.2mmol)の懸濁液に、SOCl2(1.13mL、15.6mmol)を滴下した。混合物を、10分間攪拌した。ついで、溶液を、1時間還流した。室温に冷却した後に、溶媒を、減圧下で除去した。生成物を、DCM/MTBE 1/1中において、rtで2時間粉砕し、ろ過し、真空中で乾燥させて、所望の生成物を、定量的収率で与えた。
MS:m/z=241[M+H]+
0℃で冷却した、DMF(16mL)中の4−ニトロフェニル 5−(ニトロオキシ)ペンタノアート(2g、7.04mmol)及びメチル (2S)−2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−3−(4H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 塩酸塩(2.2g、7.04mmol)の溶液に、TEA(3.2mL、21.12mmol)を滴下した。この溶液を、15分間攪拌し、DMAP(84mg、0.7mmol)を加えた。この溶液を、RTで一晩攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(85:15 DCM:MeOH−1% NH4OH)により精製して、1.8g (S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(収率:66%)を与えた。
MS:m/z=386[M+H]+
TLC:(DCM/MeOH/NH4OH 79:20:1) Rf=0.55
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.96 (s, 1H), 8.41 (d, J = 7.9, 1H), 7.82 (t, J= 5.5, 1H), 7.38 (s, 1H), 4.67 - 4.53 (m, 1H), 4.49 (t, J = 6.2, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.22 - 2.90 (m, 4H), 2.31 - 2.18 (m, 2H), 2.06 (t, J = 7.0, 2H), 1.70 - 1.43 (m, 4H).
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(2)に相当する化合物(2a))及び(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸アセタート(アセタートとしての化合物(2)に相当する化合物(2b))の合成
0℃で冷却した、H2O/ジオキサン(1:3)中の(実施例1で記載された)化合物(1)(0.3g、0.78mmol)の溶液に、2.5M KOH溶液(0.9mL、1.44mmol)を滴下した。この溶液を、1時間攪拌した。反応が完了した時点で、溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、DCM及びiPrOH(1%)中に溶解させ、フラッシュクロマトグラフィー(60:40 DCM:iPrOH−2% 酢酸)により精製して、アセタート(2b)として、89mg 表記化合物を与えた。
MS:m/z=372[M+H]+
TLC:(DCM/iPrOH/酢酸 60:38:2) Rf=0.20
カラム:Kinetex AXIA 21.2×250mm 5ミクロン C18
A:H2O 0.05% TFA
B:ACN 0.05% TFA
流速:16mL/分
勾配:
10分で、95% A〜50% A
2分で、50% A〜95% A
検出:UV@210nm
により精製して、0.100mg 表記化合物(2a)を与えた。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.96 (s, 1H), 8.26 (m, 1H), 7.82 (m, 1H), 7.33 (s, 1H), 4.71 - 4.35 (m, 3H), 3.32 - 2.81 (m, 4H), 2.36 - 2.12 (m, 2H), 2.12-1.90 (m, 2H), 1.81 - 1.28 (m, 4H).
(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド) 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(3)に相当する化合物(3a))の合成
工程1:4−ニトロフェニル 6−ブロモヘキサノアートの合成
DCM中の6−ブロモヘキサン酸及びDCCの溶液に、p−ニトロフェノールを少量ずつ加えた。混合物を、RTで一晩攪拌した。進行を、TLC(Cy/AcOEt 5:5)によりチェックした。反応が完了した時点で、混合物をろ過し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(勾配:Cy/AcOEt 5%〜50%)により精製して、4−ニトロフェニル 6−ブロモヘキサノアートを生成した(1.301g、80.3%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.33 - 8.21 (m, 2H), 7.33 - 7.23 (m, 2H), 3.45 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.93 (dt, J = 14.6, 6.8 Hz, 2H), 1.86 - 1.74 (m, 2H), 1.65 - 1.54 (m, 2H).
暗所で保持された、CH3CN(30mL)中の4−ニトロフェニル 6−ブロモヘキサノアート(1.301g、4.12mmol)の溶液に、AgNO3(840.85mg、4.95mmol)を加えた。この混合物を、一晩還流した。ついで、塩をろ過した。溶媒を濃縮した。EtOAcを、この残留物に加え、再度、塩をろ過した。この溶液を濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(100% DCM)により精製して、1.2g 4−ニトロフェニル 6−(ニトロオキシ)ヘキサノアート(収率:97.6%)を与えた。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ 8.28 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 4.49 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.64 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.82 (q, J = 7.7 Hz, 4H), 1.56 (td, J = 8.7, 4.1 Hz, 2H).
0℃で冷却した、DMF(16mL)中の4−ニトロフェニル 6−(ニトロオキシ)ヘキサノアート(工程2)(656.1g、2.2mmol)及び(実施例1、工程3で得られた)メチル−(2S)−2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−3−(4H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 塩酸塩(0.538.7、2.2mmol)の溶液に、TEA(0.306mL、2.2mmol)を滴下した。この溶液を、RTで一晩攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。ついで、粗製物を、水中に溶解させ、逆相HPLC(相A:H2O+0.1% TFA;相B:MeOH+0.1% TFA;直線勾配 t=0:95% A、5% B、t=20’:100% B、t=25’ 100% B;流速 14mL/分)により精製して、399mg 表記化合物(収率:36.5%)を与えた。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.98 (s, 1H), 8.42 (d, J = 7.7, 1H), 7.80 (t, J= 5.7, 1H), 7.39 (s, 1H), 4.68 - 4.53 (m, 1H), 4.48 (t, J = 6.6, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.20 - 2.89 (m, 6H), 2.33 - 2.13 (m, 2H), 2.02 (t, J = 7.3, 2H), 1.72 - 1.55 (m, 2H), 1.55 - 1.38 (m, 2H), 1.36 - 1.18 (m, 2H).
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(4)に相当する化合物(4a))の合成
0℃に冷却した、ジオキサン/H2O(3:1)中の(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(実施例3)(150mg、0.302mmol)の溶液に、KOH溶液(2.5N、041mL)を滴下した。この溶液を、室温で3.5時間反応させた。ついで、この溶液を、0℃に冷却し、濃HClでpH=2に酸性化した。ジオキサンを、減圧下で蒸発させた。ついで、粗製物を、逆相HPLCにより精製した。ついで、粗製物を、逆相HPLC(相A:H2O+0.1% TFA;相B:MeOH+0.1% TFA;直線勾配 t=0:95% A、5% B、t=20’:100% B、t=25’ 100% B;流速:14mL/分)により精製して、表記化合物を生成した(76mg、52%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.97 (s, 1H), 8.29 (d, J = 8.1, 1H), 7.77 (t, J= 5.7, 1H), 7.36 (s, 1H), 4.65 - 4.40 (m, 3H), 3.26 - 2.83 (m, 4H), 2.35 - 2.11 (m, 2H), 2.02 (t, J = 7.3, 2H), 1.73 - 1.54 (m, 2H), 1.54 - 1.37 (m, 2H), 1.37 - 1.16 (m, 2H).
(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(5)に相当する化合物(5a))の合成
工程1:2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルナイトラートの合成
DCM(200mL)中のエチレングリコール(4g、37.7mmol)を、−30℃に冷却し、無水酢酸(10.7mL)中のHNO3(1.6mL、37.7mmol)の混合物を、激しい攪拌下で滴下した。この混合物を、−30℃で2時間反応させた。粗製物を、氷上に注ぎ、AcOEtで希釈した。2つの相を分離した。有機相を、NaHCO3、H2O、及びブラインで洗浄した。有機相を、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルナイトラートを含有する、赤みがかった油状物を与えた(2.28g、40%)。この油状物を、更なる精製を何らすることなく、次の工程に使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ 4.69 - 4.59 (m, 2H), 3.85 - 3.66 (m, 4H), 3.61 (dd, J = 5.2, 3.8 Hz, 2H).
0℃で冷却した、アセトン(25mL)中の2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルナイトラート(工程1)(1g、6.6mmol)の溶液に、NaHCO3飽和溶液(8mL)、NaBr(276.9mg、2.64mmol)、及びTEMPO(206mg、1.32mmol)を加えた。トリクロロイソシアヌル酸(3.1g、13.2mmol)を、少量ずつ加えた。反応を、RTに達するまで行い、3時間攪拌した。ついで、混合物を、0℃に冷却した。イソプロパノール 10mLを、ゆっくり加えた。この混合物を、0℃で30分間攪拌した。沈殿物をろ過した。溶媒を濃縮した。残留物を、2M NaOHで塩基性にし(pH≒12)、EtOAcで2回洗浄した。水相に、濃HClを、pH=2〜3まで加え、ついで、EtOAc(5×)で抽出した。組み合せた有機相を、Na2SO4で乾燥させ、濃縮して、表記化合物(875mg、80.3%)を、淡い黄色の油状物として与えた。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ 4.71 - 4.62 (m, 2H), 4.20 (s, 2H), 3.94 - 3.84 (m, 2H).
DCM中の2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)酢酸(工程2)(875mg、5.3mmol)及びDCC(1.093g、5.3mmol)の溶液に、p−ニトロフェノール(811mg、5.83mmol)を、少量ずつ加えた。この混合物を、RTで一晩攪拌した。ついで、この混合物をろ過し、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(勾配:Cy/AcOEt 5%〜50%)により精製して、表記化合物を生成した(1.43g、94.3%)。
4−ニトロフェニル 2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセタート(251.8mg、0.88mmol)(工程3)及びメチル (2S)−2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−3−(4H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 塩酸塩(211.42mg、0.88mmol)(実施例1、工程3で記載されたように調製)の溶液を、0℃に冷却し、N−メチル−モルホリン(0.097mL、0.88mmol)を、pH7〜8まで滴下した。この溶液を、RTで一晩攪拌した。ついで、粗製物を、蒸発させ、水中に溶解させ、逆相HPLC(相A:H2O+0.1% TFA;相B:MeOH+0.1% TFA;直線勾配 t=0:95% A、5% B、t=20’:100% B、t=25’ 100% B;流速:14mL/分)により精製して、表記化合物を与えた(186mg、43.5%)。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.95 (s, 1H), 8.44 (d, J = 7.8, 1H), 7.73 (t, J= 5.7, 1H), 7.38 (s, 1H), 4.82 - 4.49 (m, 3H), 3.86 (s, 2H), 3.81 - 3.69 (m, 2H), 3.58 (s, J = 21.8, 3H), 3.30 - 3.17 (m, 2H), 3.17 - 2.90 (m, 2H), 2.39 - 2.16 (m, 2H).
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(2,2,2−トリフルオロアセタートとしての化合物(6)に相当する化合物(6a))の合成
表記化合物を、(S)−メチル 3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパノアート(実施例5)から、実施例2及び4で記載されたのと同じ方法に従って得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 8.95 (s, 1H), 8.34-8.31 (m, 1H), 7.76-7.72 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 4.67 (m, 2H), 4.53 (m, 1H), 3.86 (s, 2H), 3.73 (m, 2H), 3.23 (m, 2H), 3.12 (m, 1H), 2.95 (m, 1H), 2.27 (m, 2H).
(S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(化合物(9)に相当、(S)異性体)の合成
工程1:ヘキサ−5−エニル−4−ニトロベンゾアートの合成
0℃でのジクロロメタン(300mL)中のヘキサ−5−エノール(21.25g、200mmol)及び4−ニトロベンゾイルクロリド(37.11g、200mmol)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(28mL、200mmol)を加えた。反応物を、RTで4時間攪拌し、水、1M HCl、水、及びブラインで洗浄した。溶媒を、減圧下で除去して、粗製の油状物を与えた。同油状物を、n−ヘキサンで処理して、固体を与えた。同固体をろ過した。母液を蒸発させて、表記化合物を黄色の油状物として与えた(41g、82%)。
MS:m/z=250[M+H]+
TLC:100% DCM Rf=0.4
tBuOH/H2Oの混合物(各227mL)中のAD−Mix α(50g)の攪拌溶液を、室温で10分間攪拌し、ついで、4℃に冷却した。15分後、ヘキサ−5−エニル 4−ニトロベンゾアート(工程1)(8.8g、35.5mmol)を加えた。反応物を、4℃で一晩攪拌した。ついで、酢酸エチル(200mL)を加え、続けて、メタ重亜硫酸ナトリウム(12g)を注意深く加えた。反応物を、4℃で30分間静置し、ついで、水(200mL)で処理した。有機層を抽出し、水相を、酢酸エチルで2回(2×100mL)抽出した。組み合せた有機相を、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、白色の固体(9.7g、97%)を与えた。
MS:284[M+H]+
TLC:(DCM/MeOH−0.5%) Rf=0.36
0℃でのジクロロメタン(3mL)中の発煙硝酸(3.6mL、88mmol、5当量)の攪拌溶液に、無水酢酸(13.7mL)を加え、10分の攪拌後、ジクロロメタン(2mL)中の(5S)−5,6−ジヒドロキシヘキシル 4−ニトロベンゾアート(工程2)(5g、17.6mmol)の溶液を加えた。反応物を、この温度で60分間攪拌した。ついで、粗製の混合物を、氷上に注いだ。有機層を抽出し、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、表記化合物を淡い黄色の油状物(6.4g、99%)として与えた。得られた残留物を、更なる精製をすることなく、次の工程に使用した。
MS:374[M+H]+
TLC:(100% DCM) Rf=0.37
0℃でのエタノール/THFの1/1混合物(各33mL)中の(5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル 4−ニトロベンゾアート(工程3)(7.4g、19.82mmol)の攪拌溶液に、2M 水酸化ナトリウム溶液(19.8mL、2当量)を加えた。反応物を、2時間攪拌した。反応物を、酢酸エチル及び水(各100mL)で希釈し、抽出した。有機層を、水及びブラインで連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。油状の残留物を、カラムクロマトグラフィー(勾配システム 4/6 酢酸エチル/Cy〜60/40 酢酸エチル/Cy)により精製して、表記化合物を無色の油状物として与えた(4.1g、92%)。
TLC:(EtOAc/Cy−50%) Rf=0.31
CHCl3、ACN、H2O(1:1:1)中の(2S)−6−ヒドロキシ−2−(ニトロオキシ)ヘキシルナイトラート(工程4)(3g、13.4mmol)及び過ヨウ素酸ナトリウム(8.4g、40.2mmol)の溶液に、ルテニウム(IV)酸化物(180mg、1.34mmol)を加えた。混合物を、RTで一晩攪拌した。沈殿物をろ過した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、DCM中に溶解させ、水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン中のEtOAc 5%〜50%)により精製して、2.4g (5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサン酸(収率:75%)を与えた。
TLC:(DCM/MeOH−0,5%) Rf=0.34
0℃で冷却した、DMF(40mL)中の(5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサン酸(2.4g、10mmol)及びメチル−(2S)−2−[(3−アミノプロパノイル)アミノ]−3−(4H−イミダゾール−4−イル)−プロパノアート(実施例1、工程3)(3.1g、10mmol)の溶液に、TEA(5.5mL、40mmol)を滴下した。この溶液を、15分間攪拌した。EDC*HCl(1.91g、10mmol)及びDMAP(1.22g、10mmol)を加えた。この溶液を、RTで一晩攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(80:20 DCM:MeOH−1% NH4OH)により精製して、1.9g (S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(収率:41%)を与えた。
MS:m/z=461[M+H]+
TLC:(DCM/MeOH/NH4OH 79:20:1) Rf=0.40
1H NMR (600 MHz, cd3od) δ 7.61 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 5.42 (m, 1H), 4.94 - 4.85 (m, 1H), 4.72 - 4.64 (m, 1H), 4.64 - 4.54 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.49 - 3.35 (m, 2H), 3.16 - 3.07 (m, 1H), 3.07 - 2.97 (m, 1H), 2.50 - 2.35 (m, 2H), 2.30 - 2.19 (m, 2H), 1.82 - 1.66 (m, 4H).
(S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(10)に相当する化合物(10a)、(S)異性体、2,2,2−トリフルオロアセタート)及び(S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸アセタート(化合物(10)に相当する化合物(10b)、(S)異性体、アセタート)の合成
0℃で冷却した、H2O/ジオキサン(1:3)中の(S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(実施例7)(0.6g、1.3mmol)の溶液に、2.5M KOH溶液(1.5mL、3.9mmol)を滴下した。この溶液を、1時間攪拌した。溶媒を、減圧下で除去した。粗製物を、DCM/水中に溶解させた。ついで、HClを、pH1〜2まで加えた。溶媒を、減圧下で除去した。残留物を、DCM及びiPrOH(1%)中に溶解させ、フラッシュクロマトグラフィー(50:40 DCM:iPrOH−2% 酢酸)により精製して、400mg (S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸アセタート(10b)(収率:69%)を与えた。
カラム:Kinetex AXIA 21.2×250mm 5ミクロン C18
A:H2O 0.05% TFA
B:ACN 0.05% TFA
流速:16mL/分.
勾配:
10分で、95% A〜50% A
2分で、50% A〜95% A
95% A 3分間保持
検出 UV@210nm
MS:m/z=447[M+H]+
1H NMR (600 MHz, d2o) δ 8.49 (s, 1H), 7.18 (s, 1H), 5.42 - 5.21 (m, 2H), 4.82 - 4.72 (m, 1H), 4.68 - 4.58 (m, 1H), 4.57 - 4.47 (m, 1H), 3.34 - 3.14 (m, 2H), 3.12 - 2.96 (m, 1H), 2.43 - 2.27 (m, 2H), 2.18 - 2.08 (m, 2H), 1.68 - 1.51 (m, 4H).
ウサギでの高浸透圧生理食塩水誘引IOP増大における眼内圧(IOP)低下活性
本試験では、本発明の2つの化合物(化合物(1a)及び化合物(4a))ならびに2つの参照化合物の単回適用の、同じ濃度における、誘引されたIOP増大を有するウサギでの、眼内圧低下効果を評価した。
化合物(1a)は、(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート 塩酸塩であり、実施例1で得られた化合物(1)及び塩酸から、公知の方法により調製した。化合物(4a)を、実施例4で記載されたように調製した。
正常眼圧のニュージーランド白ウサギにおける眼内圧(IOP)低下活性
本試験では、本発明の2つの化合物(化合物(1a)及び化合物(4a))の単回適用の、従来の化合物に対する同じ濃度における、正常眼圧の動物モデル(ウサギ)での、長期持続性の眼内圧低下効果を評価した。
化合物(1a)は、(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート 塩酸塩であり、実施例1で得られた化合物(1)及び塩酸から、公知の方法により調製した。
眼内圧(IOP)低下活性
化合物(9)の単回適用の、眼内圧低下効果及びその効果の持続性を、一時的な高眼圧ウサギモデル及び正常眼圧ウサギモデルのそれぞれにおいて評価した。
化合物(9):(S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート。この化合物を、実施例7で記載されたように調製した。
成体のオスのニュージーランド白ウサギ(体重1.8〜2.0kg)を、実験に使用した。
成体のオスのニュージーランド白(NZW)ウサギ(体重1.8〜2.0kg)を、実験に使用した。
表3の結果から、化合物(9)の単回適用により、顕著なIOP低下がもたらされたことが示される。化合物(9)ならびに参照化合物であるISMN及びチモロールのIOP低下効果を比較すると、より高いIOP低下が、参照化合物であるISMN及びチモロールにより誘引されたIOP低下に対して、化合物(9)の局所適用後に観察された。
Claims (17)
- 式(I):
[式中、
Rは、
1)−(Y)−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2
2)−(Y)−(CH2)n−X−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2であり、
Yは、O、NH、又は共有単結合であり、
nは、1〜10の整数であり、ただし、式2)において、YがO又はNHである場合には、nは、1ではないという条件であり、
n1は、1〜10の整数であり、
pは、0又は1であり、
Xは、O、NH、又はSであり、
R1は、OH、−OR2、−NH2、−NHR2であり、R2は、(C1〜C10)の直線状又は分岐状アルキルである]
で表示されるカルノシン類似物又はその薬学的に許容し得る塩もしくは立体異性体。 - Yが、共有単結合であり、Xが、Oである、請求項1記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
- Yが、共有単結合であり、R1が、OHである、請求項1記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
- Rが、1)−(Y)−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2である、請求項3記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
- Rが、2)−(Y)−(CH2)n−X−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2であり、Xが、Oである、請求項3記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
- Yが、共有単結合であり、R1が、−OCH3である、請求項1記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
- Rが、1)−(Y)−(CH2)n−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2である、請求項6記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
- Rが、2)−(Y)−(CH2)n−X−(CH2)n1−[CH(ONO2)]p−CH2−ONO2であり、Xが、Oである、請求項6記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
- pが、0である、請求項2〜8のいずれか一項記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
- pが、1である、請求項2〜8のいずれか一項記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物。
- カルノシンが、L-カルノシンである、請求項1〜10のいずれか一項記載のカルノシン類似物。
- 下記
(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート(化合物(1));
(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパノアート塩酸塩(化合物1a);
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸(化合物(2));
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(5−(ニトロオキシ)ペンタンアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(2a));
(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)(化合物(3));
(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド) 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(3a));
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)プロパン酸(化合物(4));
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(6−(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(4a));
(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパノアート(化合物(5));
(S)−メチル−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(5a));
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパン酸(化合物(6));
(S)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−(3−(2−(2−(ニトロオキシ)エトキシ)アセトアミド)プロパンアミド)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(6a));
(S)−メチル 2−(3−(2−((S)−2,3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)アセトアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(化合物7);
(S)−メチル 2−(3−(2−((S)−2,3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)アセトアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物7a);
(S)−2−(3−(2−((S)−2,3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)アセトアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸(化合物8);
(S)−2−(3−(2−((S)−2,3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)アセトアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物8a);
(S)−メチル 2−(3−((5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート(化合物(9));
(S)−メチル 2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノアート 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(9a));
(S)−2−(3−((5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸(化合物(10));
(S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸 2,2,2−トリフルオロアセタート(化合物(10a));
(S)−2−(3−((S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサンアミド)プロパンアミド)−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸アセタート(化合物(10b))からなる群より選択される、請求項1記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物又は薬学的に許容し得る塩。 - 請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物と、アルファアドレナリン作動薬、ベータブロッカー、炭酸脱水素酵素阻害剤、プロスタグランジン類似物、非ステロイド系抗炎症薬、ステロイド系抗炎症薬からなる群より選択される少なくとも1種の更なる活性成分とを含む、
組成物。 - 少なくとも1種の請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)で表示されるカルノシン類似物と、少なくとも1種の眼に許容し得る成分及び/又は眼に許容し得る媒体とを含む、
医薬組成物。 - 少なくとも1種の請求項13記載の組成物と、少なくとも1種の眼に許容し得る成分及び/又は眼に許容し得る媒体とを含む、
医薬組成物。 - 高眼圧性緑内障、正常眼圧性緑内障、及び高眼圧の治療及び/又は予防に使用するための、請求項14記載の医薬組成物。
- カルノシン類似物が請求項12記載のカルノシン類似物である、請求項14〜16のいずれか一項記載の医薬組成物。
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