JP6614959B2 - ガス供給アダプタ - Google Patents

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Description

本発明は、複数のガスセンサに各別にガスを供給するガス供給アダプタに関する。
特許3839325号公報(特許文献1)には、ガス供給口からガス排出口までをつなぐ主ガス流通路と、主ガス流通路から分岐した、複数のガスセンサに各別にガスを供給する分岐ガス流通路と、を備えたガス供給アダプタが記載されている。
ガスセンサの種類によっては、供給されるガスの量によって検知するガス濃度が変わりやすいものがあるなどガス量に対する特性が異なり、用いるガスセンサの種類によっては個々のガス量に対する特性に合わせた形態でガスを供給する必要がある。しかし、特許文献1のガス供給アダプタは各分岐ガス流通路がすべて同一の形状で設けられているため、供給するガス量などのガスの供給形態をガスセンサの種類ごとに異ならせることができるものではなかった。
特許3839325号公報
ガスセンサの種類に応じた適切な量のガスを供給可能なガス供給アダプタの実現が望まれる。
本発明に係るガス供給アダプタは、
複数のガスセンサに各別にガスを供給するガス供給アダプタであって、
ガスを流入させるガス流入部と、
ガスを排出させるガス排出部と、
前記ガス流入部と前記ガス排出部との間でガスを通流させるガス流通路と、を備え、
前記ガス流通路は、前記ガス流入部から前記ガス排出部に向かう流通路を形成する主流通路と、前記ガスセンサに対向する向きに開口する複数のガス供給口とそれぞれ連通する副流通路と、前記主流通路を前記主流通路と前記副流通路とに分岐する複数の分岐部と、を備え、
前記分岐部は、少なくとも、当該分岐部から延びる前記主流通路が当該分岐部へのガスの流入方向と異なる方向に延び、且つ、当該分岐部から延びる前記副流通路が当該分岐部へのガスの流入方向と同じ方向に延びる状態で、前記主流通路を分岐する第1分岐部と、当該分岐部から延びる前記主流通路及び前記副流通路がそれぞれ当該分岐部へのガスの流入方向と異なる方向に延びる状態で、前記主流通路を分岐する第2分岐部と、を備える。
この構成によれば、第1分岐部から延びる副流通路については、第1分岐部へのガスの流入方向と同じ方向に延びるため、流れが曲げられることなくそのまま副流通路にガスが流れることになり、その結果、これに連通するガス供給口から供給されるガスの量が多くなる。一方、第2分岐部から延びる副流通路については、第2分岐部へのガスの流入方向と異なる方向に延びるため、副流通路に至るガスの流れが屈曲させられ、またこれにより流れの乱れが生じることになり、その結果、第1分岐部における場合と比べ、これに連通するガス供給口から供給されるガスの量が少なくなる。このように、この構成によれば、第1分岐部と第2分岐部との異なる種類の分岐部を設けることによりそれにつながるガス供給口からのガス量を変えることができるため、ガスセンサの種類に応じた適切な量のガスを供給することが可能になる。
1つの態様として、前記第2分岐部から分岐する前記主流通路の断面積と前記副流通路の断面積とでは、前記副流通路の断面積の方が小さく形成されていると好適である。
この構成によれば、第2分岐部から延びる主流通路と副流通路とでは副流通路に分配されるガスの量が少なくなるため、第2分岐部から延びる副流通路からのガス量をより少なくできる。
1つの態様として、前記第1分岐部から分岐する前記主流通路の断面積と前記副流通路の断面積とでは、前記副流通路の断面積の方が大きく形成されていると好適である。
これにより、第1分岐部から延びる主流通路と副流通路とでは副流通路に分配されるガスの量が多くなるため、第1分岐部から延びる副流通路からのガス量をより多くできる。
1つの態様として、前記第1分岐部から分岐する前記副流通路の断面積と前記第2分岐部から分岐する前記副流通路の断面積とでは、前記第2分岐部から分岐する前記副流通路の断面積の方が小さく形成されていると好適である。
この構成によれば、第1分岐部から延びる副流通路と第2分岐部から延びる副流通路とでは後者の方が流れるガスの量が少なくなるため、第2分岐部から延びる副流通路からのガス量をより少なくできる。
1つの態様として、前記第1分岐部から延びる前記主流通路は、前記第1分岐部へのガスの流入方向と垂直な方向に延び、前記第2分岐部は、前記第1分岐部から延びる前記主流通路を分岐するものであり、且つ、前記第2分岐部から延びる前記副流通路は前記第1分岐部へのガスの流入方向と同じ方向に延びると好適である。
この構成によれば、第1分岐部から延びる副流通路と第2分岐部から延びる副流通路とが隣接して同じ方向を向いた状態となるため、これらに対応するガスセンサも隣接して並設されたものとすることができ、警報器の構造の簡素化、コンパクト化が可能となる。
ガス供給アダプタを装着した警報器の斜視図 警報器及びガス供給アダプタの分解斜視図 ケース部の正面図 中間プレートの正面図 底部プレートの正面図 ガス供給アダプタの流路を示す図 ガス供給アダプタを装着した警報器の部分断面図
本発明に係るガス供給アダプタ20について、図面を参照して説明する。本実施形態に係るガス供給アダプタ20は、複数のガスセンサ12a〜12dに各別にガスを供給するガス供給アダプタ20である。ガス供給アダプタ20は、ガスを流入させるガス流入部51と、ガスを排出させるガス排出部52と、ガス流入部51とガス排出部52との間でガスを通流させるガス流通路60と、を備える。そして、ガス流通路60は、ガス流入部51からガス排出部52に向かう流通路を形成する主流通路70と、ガスセンサ12a〜12dに対向する向きに開口する複数のガス供給口31a〜31dとそれぞれ連通する副流通路80と、主流通路70を主流通路70と副流通路80とに分岐する複数の分岐部S1〜S4と、を備える。さらに、分岐部S1〜S4は、少なくとも、当該分岐部から延びる主流通路70が当該分岐部へのガスの流入方向と異なる方向に延び、且つ、当該分岐部から延びる副流通路80が当該分岐部へのガスの流入方向と同じ方向に延びる状態で、主流通路70を分岐する第1分岐部S1,S4と、当該分岐部から延びる主流通路70及び副流通路81がそれぞれ当該分岐部へのガスの流入方向と異なる方向に延びる状態で、主流通路70を分岐する第2分岐部S2,S3と、を備える。これにより、第1分岐部S1,S4と第2分岐部S2,S3とによりガスの供給形態を変えることができるため、ガスセンサの種類に応じた適切な量のガスを供給できる。以下、本実施形態に係るガス供給アダプタ20について、詳細に説明する。
本実施形態に係るガス供給アダプタは、図1,2に示すように、複数のガスセンサ(本実施形態では4つ)12a〜12dを備えた警報器10に装着され、警報器10の複数のガスセンサ12a〜12dに各別にガスを供給するものである。
警報器10は、警報器本体11と、警報器本体11の下部に設けられたセンサ部12と、センサ部12を収容するセンサカバー13と、を備える。警報器本体11は、センサ部12が検出する各種ガスの濃度を演算し、ガス濃度が所定値を上回っているときに警報を発報可能に構成されている。センサ部12には4つのガスセンサ12a〜12dが一方向に並んで設けられており、具体的には、酸素を検知する酸素センサ12a、硫化水素を検知する硫化水素センサ12b、COを検知するCOセンサ12c、可燃性ガスを検知する可燃性ガスセンサ12dの順に並んでいる。可燃性ガスセンサ12d用の回路と他の回路との間には仕様上一定の間隔を設ける必要があるところ、本実施形態では、可燃性ガスセンサ12dを端に設けることにより、仕様上必要となる間隔をその回路の片方側にのみ設ければよいようにしてある。これにより、回路の両側に間隔を設ける場合に比べ、コンパクト化を達成できる。
ガス供給アダプタ20は、センサ部12及びセンサカバー13を収容するケース部30と、ガスの流路の一部を形成する中間プレート40と、対象ガスの流入と排出が行われる底部プレート50と、を備える。
図2,3に示すように、ケース部30は、その底部にガスセンサ12a〜12dに対向する向きに開口する複数の(本実施形態では4つの)ガス供給口31a〜31dが形成されている。硫化水素センサ12b及びCOセンサ12cに対応するガス供給口31b,31cは、酸素センサ12a及び可燃ガスセンサ12dに対応するガス供給口31a,31dに比べ、開口面積が小さく形成されている。各ガス供給口31a〜31dの外側にはOリング32が設けられており、このOリング32によって、ガス供給アダプタ20に警報器10が装着されたときに、各ガスセンサ12a〜12dと各ガス供給口31a〜31dとの間を密閉可能になっている。また、ケース部30はその外側面に左右一対の抜け止め部材33が設けられており、この抜け止め部材33により警報器10を固定可能になっている。
図2,4に示すように、中間プレート40には、ガス供給口31a〜31d(ガスセンサ12a〜12d)にそれぞれ対応する位置に貫通孔41a〜41dが形成されている。また、中間プレート40には、一方側(図4における右側)の2つの貫通孔41a,41bの間をつなぐ溝状の連通部42が形成される状態で貫通孔41a,41bを囲む囲い部43が形成されているとともに、他方側(図4における左側)の2つの貫通孔41c,41dの間をつなぐ溝状の連通部44が形成される状態で貫通孔41c,41dを囲む囲い部45が形成されている。囲い部43,45の外側にはOリング46が設けられており、Oリング46によって、ケース部30の下側に中間プレート40を配置したときに、ガス供給口31a,31bと貫通孔41a,41bと連通部42とが密閉可能であり、ガス供給口31c,31dと貫通孔41c,41dと連通部44とが密閉可能になっている。
図1,2,6,7に示すように、底部プレート50は、ガスを流入させるガス流入部としての流入用プラグ51と、ガスを排出させるガス排出部としての排出用プラグ52と、を備える。そして、図2,5,6に示すように、底部プレート50には、流入用プラグ51と連通するガス流入口53が貫通孔41aに対応する位置(即ちガス供給口31a、酸素センサ12aに対応する位置)に形成されており、排出用プラグ52と連通するガス排出口54が貫通孔41cに対応する位置(即ちガス供給口31c、COセンサ12cに対応する位置)に形成されている。また、底部プレート50には、ガス排出口54を迂回する状態のV字状の囲い部55が形成されている。囲い部55は、一端が貫通孔41bに対応する位置(即ちガス供給口31b、硫化水素センサ12bに対応する位置)に、他端が貫通孔41dに対応する位置(即ちガス供給口31d、可燃性ガスセンサ12dに対応する位置)に形成されている。即ち、囲い部55は、底部プレート50上に中間プレート40を配置したときに貫通孔41bと貫通孔41dとを連通状態にする連通部56を形成する。なお、ガス流入口53、ガス排出口54、及び、囲い部55の外側にはそれぞれOリング57が設けられており、Oリング57によって、底部プレート50上に中間プレート40を配置したときに、貫通孔41aとガス流入口53、貫通孔41bとガス排出口54、及び、貫通孔41c,41dと連通部56をそれぞれ密閉可能になっている。
このように構成することで、図7に示すように、ケース部30、中間プレート40、及び、底部プレート50を所定位置で互いに組み付ければ、ガス供給口31aと貫通孔41aとガス流入口53とが連通し、ガス供給口31bと貫通孔41bと連通部56の一端とが連通し、ガス供給口31cと貫通孔41cとガス排出口54とが連通し、ガス供給口31dと貫通孔41dと連通部56の他端とが連通する状態を現出できる。さらにこの場合、ガス供給口31aと貫通孔41aとから形成される流路とガス供給口31bと貫通孔41bとから形成される流路とが連通部42を介して連通する状態になる。また、貫通孔41bと貫通孔41dとが連通部56を介して連通する状態となる。そして、ガス供給口31dと貫通孔41dとから形成される流路とガス供給口31cと貫通孔41cとから形成される流路とが連通部44を介して連通する状態となっている。その結果、ガス供給アダプタ20では、このような連通状態にあるガス供給口12a〜12d、貫通孔41a〜41d、連通部42,44、ガス流入口53、ガス排出口54、及び、連通部56により、流入用プラグ51と排出用プラグ52との間でガスを通流させるガス流通路60が形成されている。以下、このガス流通路60について、図6,7を用いて説明する。
まず、流入用プラグ51から流入したガスが、互いに連通するガス流入口53と貫通孔41aとを通って流れる。そして、貫通孔41aを出たガスは、連通部42の貫通孔41a側の端部を分岐部S1として、ガス供給口31a側と連通部42側とに分岐して流れる。ガス供給口31aを通ったガスは酸素センサ12aに供給される。連通部42を流れるガスは、連通部42の貫通孔41b側の端部を分岐部S2として、ガス供給口31b側と貫通孔41b側とに分岐して流れ、ガス供給口31bを通ったガスは硫化水素センサ12bに供給される。貫通孔41bを流れるガスは連通部56に至り、連通部56を通って貫通孔41dまで流れる。貫通孔41dを流れるガスは、連通部44の貫通孔41d側の端部を分岐部S3として、ガス供給口31d側と連通部44側とに分岐して流れる。ガス供給口31dを通ったガスは可燃性ガスセンサ12dに供給される。連通部44を流れるガスは、連通部44の貫通孔41c側の端部を分岐部S4として、ガス供給口31c側と貫通孔41c側とに分岐して流れ、ガス供給口31cを通ったガスはCOセンサ12cに供給される。貫通孔41cを流れるガスはガス排出口54に至り、ガス排出口54を通って排出用プラグ52から排出される。
このようなガス流通路60を、流入用プラグ51から排出用プラグ52に向かう流通路を形成する主流通路70と、ガス供給口31a〜31dと連通する副流通路80,81と、に分けるとすると、ガス流入口53、貫通孔41a、連通部42、貫通孔41b、連通部56、貫通孔41c、連通部44、貫通孔41d、ガス排出口54がこの順番で主流通路70を形成し、分岐部S1〜S4からガス供給口31a〜31dに向かって延びる流路が副流通路80,81となっている。そして、分岐部S1〜S4は、その上流側の主流通路70を、主流通路70と副流通路80,81とに分岐するものとなっている。
そして、この分岐部S1〜S4のうち、連通部42の貫通孔41a側の端部である分岐部S1と連通部44の貫通孔41d側の端部である分岐部S4については、当該分岐部S1,S4から延びる主流通路70(連通部42,44が形成する流路)が当該分岐部S1,S4へのガスの流入方向(貫通孔41a,41dの開孔方向、図6では鉛直上向きの方向)と異なる方向(本実施形態では流入方向と垂直な方向、即ち水平方向)に延び、且つ、当該分岐部S1,S4から延びる副流通路80(ガス供給口31a,31dに至る流路)が当該分岐部S1,S4へのガスの流入方向と同じ方向(図6では鉛直上向きの方向)に延びる状態で、主流通路70(貫通孔41a,41dが形成する流路)を分岐している(第1分岐部に相当)。このように構成されることにより、分岐部S1,S4(第1分岐部)から延びる副流通路80(ガス供給口31a,31dに至る流路)については、分岐部S1,S4(第1分岐部)へのガスの流入方向と同じ方向に延びるため、流れが曲げられることなくそのまま副流通路80にガスが流れることになる。その結果、副流通路80におけるガスの流量が多くなって、これに連通するガス供給口31a,31dから供給されるガスの量が多くなる。
これに対し、連通部42の貫通孔41b側の端部である分岐部S2と連通部44の貫通孔41c側の端部である分岐部S3については、当該分岐部S2,S3から延びる主流通路70(貫通孔41b,41cが形成する流路)及び副流通路81(ガス供給口31b,31cに至る流路)がそれぞれ当該分岐部S2,S3へのガスの流入方向(連通部42,44の延在方向、図6では水平方向)と異なる方向(本実施形態では主流通路70が鉛直下向き方向で副流通路81が鉛直上向き方向)に延びる状態で、主流通路70(連通部42,44が形成する流路)を分岐している(第2分岐部に相当)。これにより、分岐部S2,S3(第2分岐部)から延びる副流通路81については、分岐部S2,S3(第2分岐部)へのガスの流入方向と異なる方向に延びるため、副流通路81に至るガスの流れが屈曲させられることになる。その結果、分岐部S1,S4(第1分岐部)における場合と比べ、副流通路81におけるガスの流量が少なくなって、これに連通するガス供給口31b,31cから供給されるガスの量が少なくなる。このように、異なる種類の分岐部S1〜S4を設けることによりガスの供給形態を変えることができるため、ガスセンサ12a〜12dの種類に応じた適切な流量のガスを供給することが可能になる。
また、本実施形態では、分岐部S2,S3(第2分岐部)は、分岐部S1,S4(第1分岐部)から延びる主流通路70(連通部42,44が形成する流路)を分岐するものとなっている。また、分岐部S2,S3(第2分岐部)から延びる副流通路81は分岐部S1,S4(第1分岐部)へのガスの流入方向、即ち、副流通路80と同じ方向に延びたものとなっている。これにより、副流通路80,81が互いに隣接して同じ方向を向いた状態となるため、これらに対応するガスセンサ12a〜12dも隣接して並設されたものとすることができ、警報器10の構造の簡素化、コンパクト化が可能となる。
また、図7に示すように、分岐部S2,S3(第2分岐部)から分岐する主流通路70(貫通孔41b,41cが形成する流路)の断面積と副流通路81(分岐部からガス供給口31b,31cに至る流路)の断面積とでは、副流通路81の断面積の方が小さく形成されている。これにより、分岐部S2,S3(第2分岐部)から延びる主流通路70と副流通路81とでは副流通路81に分配されるガスの量が少なくなるため、分岐部S2,S3(第2分岐部)から延びる副流通路81からのガスの供給形態をより流量が少ない供給形態とできる。
そして、分岐部S1,S4(第1分岐部)から分岐する主流通路70(貫通孔41a,41dが形成する流路)の断面積と副流通路80(分岐部からガス供給口31a,31dに至る流路)の断面積とでは、副流通路80の断面積の方が大きく形成されている。これにより、分岐部S1,S4(第1分岐部)から延びる主流通路70と副流通路80とでは副流通路80に分配されるガスの量が大きくなるため、分岐部S1,S2(第1分岐部)から延びる副流通路80からのガスの供給形態をより流量が多い供給形態とできる。
さらに、分岐部S1,S4(第1分岐部)から分岐する副流通路80と分岐部S2,S3(第2分岐部)から分岐する副流通路81の断面積とでは、分岐部S2,S3(第2分岐部)から分岐する副流通路81の断面積の方が小さく形成されている。これにより、副流通路80と副流通路81とでは後者の方が分配されるガスの量が少なくなるため、分岐部S2,S3(第2分岐部)から延びる副流通路81からのガスの供給形態をより流量が少ない供給形態とできる。
以上のような流路が形成されることにより、ガス供給口31a,31dから供給されるガスの量は多いものとなり、一方、ガス供給口31b,31cから供給されるガスの量は少ないものとなる。特に、ガス供給口31b,31cから供給されるガスの量は、上記の分岐部S2,S3の構成や各流路間の断面積の大小関係により、相当程度少ないものとなっている。このように、副流通路81におけるガスの流量を少なくして、供給されるガス量を少なくすることで、ガス供給口31b,31cから硫化水素センサ12bとCOセンサ12cの領域へは、例えばガスが拡散されるような形態でガスを供給させることができる。その結果、流入用プラグ51から流入しガス供給アダプタ20内を流れるガスの流量が時間変動したとしても、副流通路81を流れガス供給口31b,31cから供給されるガスは量が少ない分、その変動の幅も小さくでき、ある程度安定したガスの供給が可能となる。そして、本実施形態では、供給されるガスが高流量であることが望まれる酸素センサ12aと可燃性ガスセンサ12dについては、供給されるガスの量が多いガス供給口31a,31dに対応する位置に配置され、ガス量の変動による影響を受けやすく一定量のガスを供給することが望まれる硫化水素センサ12bとCOセンサ12cについては、供給されるガスの量が少なく供給されるガス量の変動幅が小さいガス供給口31b,31cに対応する位置に配置される。このように、本実施形態のガス供給アダプタ20によれば、ガスセンサの種類に応じた適切な流量のガスを供給することが可能となっている。
また、本実施形態では、警報器10において、酸素センサ12a、硫化水素センサ12b、COセンサ12c、可燃性ガスセンサ12dの順でセンサを並べ、ガス供給アダプタ20において、ガスが酸素センサ12a、硫化水素センサ12b、可燃性ガスセンサ12d、COセンサ12cの順で流れるようにしてあることで、警報器10のコンパクト化と、ガス検知上の要請と、ガス供給アダプタ20における流路のコンパクト化と、を同時に達成している。
これについて説明すると、まず、上記したように、警報器10では、回路の仕様上の問題から、コンパクト化のため可燃性ガスセンサ12dを端に置くことが望ましい。これに加え、ガスセンサ12a〜12dに用いるフィルターの関係上、ガスを流通させる順番は、(1)酸素センサ12a、(2)硫化水素センサ12b、(3)可燃性ガスセンサ12d(又は(2)可燃性ガスセンサ12d、(3)硫化水素センサ12b)、(4)COセンサ12cの順にする必要がある。また、第1分岐部(分岐部S1,S4)と第2分岐部(分岐部S2,S3)とが交互に並ぶようにすれば、第1分岐部から分岐して水平方向を向く主流通路70が第2分岐部で分岐されることで、余分な経路変更を要することなく、第2分岐部から延びる副流通路81を第1分岐部から延びる副流通路80と同じ方向を向かせることができ、流路をコンパクト化できる。
そして、本実施形態では、警報器10において、酸素センサ12a、硫化水素センサ12b、COセンサ12c、可燃性ガスセンサ12dの順でセンサを並べてあるので、可燃性ガスセンサ12dを端に置くことでコンパクト化を可能にしてある。そして、ガス供給アダプタ20において、連通部55を設けてCOセンサ12cより先に可燃性ガスセンサ12dにガスが流れるようにしてあるので、ガス検知上の要請を満たしている。さらに、酸素センサ12a、硫化水素センサ12b、可燃性ガスセンサ12d、COセンサ12cの順で流れるようにしてあるので、第1分岐部(分岐部S1,S4)と第2分岐部(分岐部S2,S3)とが流路において交互に並ぶようになっており、流路のコンパクト化が可能になっている。このように、本実施形態によれば、警報器10のコンパクト化と、ガス検知上の要請と、ガス供給アダプタ20における流路のコンパクト化と、を同時に達成することができる。
〔その他の実施形態〕
上記の実施形態では、4つのガスセンサ12a〜12dを備える警報器10に対して使用するガス供給アダプタ20を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明に係るガス供給アダプタは、異なる複数の数のガスセンサを有する警報器に対しても、構造を適宜改変して適用可能である。
上記の実施形態では、ガス供給アダプタ20内においてガスが分岐部S1(第1分岐部)→分岐部S2(第2分岐部)→分岐部S4(第1分岐部)→分岐部S3(第2分岐部)の順番で流れる構成を例に説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第1分岐部と第2分岐部は必ずしも交互に並ぶ必要はなく、第1分岐部と第2分岐部との順番は適宜改変して適用可能である。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、例えば複数のガスセンサに各別にガスを供給するガス供給アダプタに利用することができる。
12a〜12d ガスセンサ
20 ガス供給アダプタ
31a〜31d ガス供給口
51 流入用プラグ(ガス流入部)
52 排出用プラグ(ガス排出部)
60 ガス流通路
70 主流通路
80 副流通路
S1〜S4 分岐部

Claims (5)

  1. 複数のガスセンサに各別にガスを供給するガス供給アダプタであって、
    ガスを流入させるガス流入部と、
    ガスを排出させるガス排出部と、
    前記ガス流入部と前記ガス排出部との間でガスを通流させるガス流通路と、を備え、
    前記ガス流通路は、前記ガス流入部から前記ガス排出部に向かう流通路を形成する主流通路と、前記ガスセンサに対向する向きに開口する複数のガス供給口とそれぞれ連通する副流通路と、前記主流通路を前記主流通路と前記副流通路とに分岐する複数の分岐部と、を備え、
    前記分岐部は、少なくとも、当該分岐部から延びる前記主流通路が当該分岐部へのガスの流入方向と異なる方向に延び、且つ、当該分岐部から延びる前記副流通路が当該分岐部へのガスの流入方向と同じ方向に延びる状態で、前記主流通路を分岐する第1分岐部と、当該分岐部から延びる前記主流通路及び前記副流通路がそれぞれ当該分岐部へのガスの流入方向と異なる方向に延びる状態で、前記主流通路を分岐する第2分岐部と、を備えるガス供給アダプタ。
  2. 前記第2分岐部から分岐する前記主流通路の断面積と前記副流通路の断面積とでは、前記副流通路の断面積の方が小さく形成されている請求項1に記載のガス供給アダプタ。
  3. 前記第1分岐部から分岐する前記主流通路の断面積と前記副流通路の断面積とでは、前記副流通路の断面積の方が大きく形成されている請求項1又は2に記載のガス供給アダプタ。
  4. 前記第1分岐部から分岐する前記副流通路の断面積と前記第2分岐部から分岐する前記副流通路の断面積とでは、前記第2分岐部から分岐する前記副流通路の断面積の方が小さく形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス供給アダプタ。
  5. 前記第1分岐部から延びる前記主流通路は、前記第1分岐部へのガスの流入方向と垂直な方向に延び、
    前記第2分岐部は、前記第1分岐部から延びる前記主流通路を分岐するものであり、且つ、前記第2分岐部から延びる前記副流通路は前記第1分岐部へのガスの流入方向と同じ方向に延びる請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス供給アダプタ。
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