JP6614872B2 - 光音響波用プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、光音響波用プローブ、及びそれを備えた光音響装置、前記光音響波用プローブに備えられるトランスデューサユニットに関する。
被検体に光を照射して、光音響効果により被検体中の測定対象から音響波(典型的には超音波であるが、本明細書中では光音響波と記載する)を発生させ、発生した光音響波を半球状の超音波プローブを用いて受信する測定システムがある(特許文献1)。半球状の超音波プローブは、半球内の表面上に配置した複数の超音波トランスデューサ素子で構成されている。
特許文献1の光音響イメージングデバイスの概要について図19を用いて説明する。図19において、10は被検体、11は光源、12は超音波プローブ、13は超音波トランスデューサ、21は光線、22は光音響波、30は媒質(音響マッチング材)である。複数の超音波トランスデューサ13と、光源11は半球状に配置されている。また、図19において超音波トランスデューサ13の面のなす半球状の曲線を実線で示す。
被検体10は、超音波プローブ12の半球に一部囲まれるように配置され、被検体10と超音波プローブ12との間には、媒質30が充填さていれる。光源11から被検体10に光21を照射して、被検体で発生した光音響波22を、超音波プローブ12が有する複数の超音波トランスデューサ13で受信して、被検体の画像化を行う。
米国特許公開2011−0306865号公報
被検体から発生した光音響波を受信するためには、超音波トランスデューサを、半球表面上に分散させて、所定の位置に配置する必要がある。特許文献1のように支持部材によって超音波トランスデューサを支持すれば簡易に所定の位置に配置できるが、ここで本発明者は課題を見いだした。すなわち、もし、超音波トランスデューサが半球状の支持部材の上に設けられると、媒質30として水を用いた場合、乱流が発生したり、それに伴って媒質30の温度斑が発生する可能性がある。その結果、被検体の画像にノイズが生じることがある。
そこで本発明は、簡易な構成で、かつ音響マッチング材の乱流の発生、それに伴う温度斑の抑制された光音響波用プローブ、及びそれを備えた光音響装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光音響波用プローブは、光源からの光が被検体に照射されることにより発生する光音響波を受信して電気信号を出力するトランスデューサを備えるトランスデューサユニットを複数有し、複数の前記トランスデューサの指向軸が集まるように、前記複数のトランスデューサユニットを支持する支持部材を有する光音響波用プローブであって、
複数の前記トランスデューサユニットが前記支持部材に設けられた孔部の内部に設けられ、かつ、複数の前記トランスデューサユニットが前記支持部材から前記指向軸が集まる側に突出しないように設けられている。
本発明に係る光音響装置は、光源と、前記光源からの光が被検体に照射されることにより発生する光音響波を受信して電気信号を出力するトランスデューサを備えるトランスデューサユニットを複数有し、複数の前記トランスデューサの指向軸が集まるように、前記複数のトランスデューサユニットを支持する支持部材を有する光音響波用プローブであって、
複数の前記トランスデューサユニットが前記支持部材に設けられた孔部の内部に設けられ、かつ、複数の前記トランスデューサユニットが前記支持部材から前記指向軸が集まる側に突出しないように設けられた光音響波用プローブと、前記電気信号から前記被検体の情報を取得する情報処理部とを有する。
本発明に係る光音響波用プローブ、及びそれを備えた光音響装置によれば、簡易な構成で、かつ音響マッチング材の乱流の発生、それに伴う温度斑が抑制される。
(a)本発明の第1の実施形態に係る光音響波用プローブの斜視図、(b)A−A’断面図(c)光音響波用プローブが有する超音波トランスデューサの斜視図、(d)別の実施形態の光音響波用プローブのA−A’断面図、(e)超音波トランスデューサの斜視図である。 (a)本発明の第1の実施形態におけるCMUTの断面模式図、(b)別の構成のCMUTの断面模式図である。 (a)本発明の第2の実施形態に係る超音波トランスデューサの断面図、(b)超音波トランスデューサが備える回路の回路図である。 (a)〜(d)本発明の第3の実施形態に係る超音波トランスデューサが備える回路の回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る超音波トランスデューサの断面図である。 (a)本発明の第5の実施形態に係る超音波トランスデューサの斜視図、(b)断面図である。 本発明の第6の実施形態におけるトランスデューサユニットの断面模式図である。 (a)本発明の第7の実施形態におけるトランスデューサユニットの断面の模式図(b)トランスデューサユニットの別の構成を示す断面模式図である。 本発明の第8の実施形態におけるトランスデューサユニットの断面模式図である。 本発明の第9の実施形態におけるトランスデューサユニットの説明をするための模式図である。 本発明の第10の実施形態におけるトランスデューサユニットの説明をするための模式図である。 本発明の第11の実施形態におけるトランスデューサの模式図である。 本発明の第12の実施形態におけるトランスデューサの模式図である。 本発明の第13の実施形態におけるトランスデューサを説明するための図である。 本発明の第14の実施形態におけるトランスデューサを説明するための図である。 本発明の第15の実施形態におけるトランスデューサを説明するための図である。 本発明の第16の実施形態に係る光音響装置の断面模式図である。 本発明の第17の実施形態に係る光音響装置の断面模式図である。 従来の超音波プローブを説明するための断面模式図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る光音響波用プローブは、光源からの光が被検体に照射されることにより発生する光音響波を受信して電気信号を出力するトランスデューサを備えるトランスデューサユニットを複数有する。複数のトランスデューサユニットを支持する支持部材は、複数の前記トランスデューサは、複数のトランスデューサユニットの指向軸が集まるように構成されている。複数のトランスデューサユニットは、支持部材に設けられた孔部の内部に設けられ、かつ、複数のトランスデューサユニットが支持部材から指向軸が集まる側に突出しないように設けられている。突出していないため、支持部材と被検体との間に設けられる音響マッチング材の乱流の発生、それに伴う温度斑が抑制される。以下、詳細な構成について説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)から(e)を用いて、本発明の第1の実施形態に係る光音響波用プローブ100について説明する。図1(a)は、本実施形態に係る光音響波用プローブ100の外形を示す模式図、図1(b)は、図1(a)の光音響波用プローブ100のA−A’断面の断面模式図、図1(c)はトランスデューサユニット103の模式図である。また、図1(d)は本実施形態に係る光音響波用プローブの別の構成例、図1(e)はトランスデューサユニット103の別の構成例を示す模式図である。なお、図1(a)は、ケーブルなど省略して示している。
図1(a)から(e)において、101は半球状の支持部材、102は孔部(貫通孔)、103はトランスデューサユニット、160はケーブル、104はそれらケーブルの束、170はコネクタ、106は光源、110はトランスデューサである。
半球状の支持部材101はトランスデューサ110を所定の位置に設けるための複数の貫通孔102を有する。
トランスデューサユニット103の外形は、貫通孔102の形状に対応しており、それぞれの貫通孔102に挿入されて固定されている。トランスデューサユニット103は、トランスデューサ110を備えており、トランスデューサ110の指向軸が、支持部材の形成する半球の中央付近を通るように配置されている。
なお、トランスデューサユニットは、柱形状の筐体130を有し、筐体の一方の底面に、チップと、チップの上に設けられたCMUTとを備えた構成とすることができる。また、後述するようにCMUTがインターポーザ上に設けられ、インターポーザの有する面のうち、CMUTが設けられた面とは逆の面側(裏面側)に、CMUTの検出回路を設けても良い。
さらに、筐体の側面にOリングを備えることで、水などの音響マッチング材の流入を抑制し、筐体を支持部材に固定することができる。また、図2(a)に示すように、チップの有する主面の面積より、インターポーザの有する主面の面積の方を大きくした構成をとることができる。
また、柱形状の筐体は図1(c)のように円柱形状でもよいし、図1(e)のように互いに径の異なる少なくとも2つの円柱形状が連結した構造でもよい。さらに、筐体が図10(c)のように角柱形状でもよい。また、円柱形状の筺体の側面に凸部を有していても良い。
本実施形態において、貫通孔102の断面形状は真円状である。トランスデューサユニット103は円筒状の筐体を有し、トランスデューサ110は円筒の面の中央に配置されている。
光源106は、半球状の支持部材101の中央(頂点)に配置されている。光源106は、固体レーザ、気体レーザ、半導体レーザ、LEDなど光を出射できるものを用いることができる。なお、外部に配置した発光部から光ファイバーや、間接部分にミラーを設けた多関節アームを用いて、光を導波させる構成も本実施形態における光源に含まれる。本実施形態では、半球状の支持部材101の中央(頂点)に光源106を配置した構成で説明するが、本発明はこれに限らない。例えば、半球状の支持部材101のうち、トランスデューサユニット103が配置されていない領域であれば、任意の位置に単数または複数の光源106を配置できる。また、本明細書の図1などでは、光源が被検体側に突出した構成を示しているが、支持部材よりも被検体側に突出しない構成であってもよい。また、光源の位置は、半球状の支持部材の中央(頂点)以外の位置であっても良い。
本実施形態によると、支持部材101の貫通孔102に、支持部材101とは別体のトランスデューサユニット103を取り付ける構成である。そのため、支持部材101の構成を、半球状の部材に穴をあけるだけの非常に単純な形状とすることができる。また、支持部材101と、トランスデューサユニット103とが別体であるため、動作が確認済みのトランスデューサユニット103を選択でき、光音響波用プローブ100の歩留まりを容易に向上させることもできる。更に、トランスデューサユニット103が故障した際に、交換が容易である。また、支持部材101における貫通孔102の位置を変えるだけで、異なるセンサ間隔の光音響波用プローブ100を容易に提供できる。同様に、半球の半径が異なるプローブも、異なる半径を持つ支持部材101を用意すればよいため、支持部材の構成に依らず同じトランスデューサユニット103を用いることができる。
(支持部材の形状)
本実施形態において、支持部材は半球状の例を示しているが、トランスデューサの指向軸が集まるように形成されていれば、その例に限られない。円錐台形状や、角錐台形状、かまぼこ形状であってもよい。また、半球における、球の中心と球の頂点とを結ぶ線と、球の中心と半球の淵とを結ぶ線とのなす角度xが90°に限定されず、90°より小さくてもよいし、90°より大きくてもよい。なお、本明細書において球面とは真球に限られず、球面と見なせる程度に表面上に凹凸があってもよいし、楕円体であってもよい。本実施形態及び他の実施形態では支持部材が半球状である場合について説明する。
(孔部の形状)
本実施形態において支持部材101に有する孔部120は貫通孔であるが、貫通していなくてもよい。また、上記で貫通孔120の孔の断面として真円状を例に説明したが、楕円や、三角形、四角形、多角形、台形など矩形でも良い。
(トランスデューサ)
本実施形態のトランスデューサ110として、超音波の受信や送信を行うことができるものであればどのような超音波トランスデューサを用いてもよい。例えば、PZTやPVDF型の超音波探触子を用いることができるが、特に静電容量型トランスデューサ(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducers、以下CMUTと略す)を用いることが望ましい。以下では、トランスデューサがCMUTである場合の説明を行う。
トランスデューサユニットを表す図1(c)において、120はチップ、130は筺体、140はインターポーザ、160はケーブル、170はコネクタである。また、後述するようにチップ120とインターポーザ140とは、接着剤で接着されている。
トランスデューサユニット103は、円筒形状の筺体130を有しており、筐体130の内部にチップ120を備えている。チップ120の上には、CMUT110が形成されている。円筒形状の筺体130の一方の底面には、チップ120が、CMUT110が外側に向くように配置されている。このCMUT110の表面は、筺体130により覆われておらず、トランスデューサユニット103の外部からの光音響波が到達する構成となっている。また、もう一方の底面からは、外部と接続するためのケーブル160が引き出されている。
(筐体130の形状)
図1(c)では、トランスデューサユニット103は、円筒型として説明したが、本発明はこれに限らない。例えば図1(e)で示すように、ケーブル160が引き出されている側の径が、貫通孔102の径より大きくなっている形状のものを用いることができる。これにより、支持部材101に対して、トランスデューサユニット103の位置を簡易な構成で、精度よく決めることができる。そのため、容易な構成で、半球状に複数のトランスデューサ110を精度よく配置することができ、被検体からの情報を正確に取得することが可能になる。
(CMUT)
CMUTは、半導体プロセスを応用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを用いて、シリコンのチップ上に作製される。図2(a)(b)を用いてCMUT110について説明する。
図2(a)は、CMUT110の模式図である。図2において、120はチップ(基板)、201は振動膜、202は第1の電極(上部電極)、203は第2の電極(下部電極)、204は振動膜を支持する支持部である。そして、205は空隙、301は第1の電極202に接続される第1の配線、302は第2の電極に接続される第2の配線である。第1の配線301、第2の配線302は、後述する直流電圧発生手段(図4の401)、検出回路(電流電圧変換回路、図3の402)である。
振動膜201は、支持部204によりチップ120上に支持されており、超音波を受けて振動する構成となっている。振動膜201上には第1の電極202が配置されており、チップ120上の第1の電極202に対向する位置には第2の電極203が配置されている。振動膜201と空隙205を挟んで対向する第1の電極202と第2の電極203を1組として、セル200と呼ぶ。図2(a)では3つのセル200でCMUT110が構成されているが、1つ、2つ、または4つ以上のセルを有する構成であってもよい。複数のセルから構成されるCMUTをCMUTアレイと呼ぶこともできる。また、複数のセルから構成されるセル群を素子(エレメント)ということもできる。
第1の電極202は、第1の配線301を介してチップ120外部に引き出され、直流電圧発生手段(図4の401)に接続される。第2の電極203は、第2の配線302を介してチップ120外部に引き出され、受信回路(図3の402)に接続される。直流電圧発生手段を用いて、第1の電極202と第2の電極203との間には、数十ボルトから数百ボルトの電位差を発生させる。振動膜201と第1の電極201が振動することにより、第1の電極201と第2の電極203間の距離が変化して、電極間の静電容量が変化する。電極間には電位差があるため、容量変化に対応して、微小な電流が発生する。発生したこの微小な電流は、第2の電極203に接続された検出回路で、電流から電圧に変換されて出力される。
本実施形態で用いるCMUT110は、現在広く用いられているピエゾ型の超音波トランスデューサに比べて、超音波受信時の応答性が良く、受信周波数の帯域が広いという特徴がある。
チップ120は、インターポーザ140上に、接着剤141により固定されている。チップ上のCMUT110の電極と、インターポーザ140上の配線間は、ワイヤー142により電気的に接続されている。ワイヤー142は、金ワイヤーなどを用いることができ、ワイヤーボンディング技術により容易に実現することができる。本実施形態において、インターポーザ140として、ガラスエポキシ樹脂と銅薄膜の導電層を積層した多層回路基板を用いている。インターポーザ140の表面のCMUT110に接続された配線は、インターポーザ140の内部の配線(不図示)を介して、インターポーザ140裏面のコネクタ150に電気的に接続されている。本実施形態では、チップ120からの配線を、一旦インターポーザ140で中継し、インターポーザ140の裏面に配置したコネクタ150でケーブル160に接続している。
従って、本実施形態では、インターポーザ140内の配線を介することで、チップ120上に配置したCMTU110の微細な電極から、光音響装置を構成する外部の装置(不図示)に接続するための太いケーブルに簡易な構成で接続して、外部に引き出せる。
上記のように、本実施形態では複数の貫通孔を有する半球状の支持部材に、貫通孔に挿入して固定したトランスデューサユニットで構成されるので、簡易な構成で、トランスデューサを所定の位置に配置できる光音響波用プローブを提供できる。
CMUT110の構成の別の例を、図2(b)を用いて説明する。本構成では、チップ120が貫通配線210を有していることが特徴である。チップ120は、貫通配線210を有しており、チップ120上のCMUT110の電極に接続した配線301、302を、チップ120の裏面に引き出すことができる。チップ120の裏面と、インターポーザ140上は、ハンダバンプ145によりインターポーザ上の電気接続用電極143と電気的に接続されている。チップ120の裏面と、インターポーザ140間は、絶縁材料のアンダーフィル材146により充填されている構成が望ましい。アンダーフィル材146により、電気接続部と外部の絶縁性を高めることができ、電気接続部が湿度などの影響を受けて、接続不良が発生する可能性を低減することができる。
本実施形態の別の形態によると、CMUT110の表面側、すなわち、被検体側から見て突起がなく、突起部による光音響波の受信特性の劣化がない光音響波用プローブを提供することができる。
尚、図2(b)では、ハンダバンプを用いて説明したが、これに限られず、金バンプや導電ペーストなどを用いることができる。これにより、ハンダを用いる際のフラックスによる汚染やリフローの処理温度が問題になる場合は、これらを回避して、電気接続部を構成することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、インターポーザ140が備える回路に関する。
図3は、本実施形態に係る光音響波用プローブにおける、トランスデューサユニット103の断面模式図である。
本実施形態では、図3(a)で示すように、インターポーザ140の有する面のうちCMUTが設けられていない方の面に、CMUT110に接続された検出回路402を備えていることが特徴である。CMUT110は、超音波トランスデューサとして広く用いられているピエゾ型のトランスデューサに比べて、受信可能な周波数帯域が広いという特徴がある。しかし、CMUT110は、CMUT110と検出回路402を電気的に接続する配線302の寄生容量により、受信性能が低下しやすい。本実施形態では、インターポーザ140を挟んで、チップ120と検出回路402を配置しているので、静CMUT110と検出回路402を最短距離に近接して配置することができる。
本実施形態に係る光音響波用プローブは、CMUT110の近くに検出回路402が一体化されているので、広い帯域で優れた受信特性を有するCMUT110を提供することができる。
次に、図3(a)における検出回路を、図3(b)を用いて説明する。図3(b)では、検出回路402が、オペアンプ411を用いたトランスインピーダンス回路であることが特徴である。
検出回路402は、図3(b)で示すように、オペアンプを用いたトランスインピーダンス回路で構成することができる。オペアンプ411を用いたトランスインピーダンス回路は、オペアンプの負帰還部に抵抗412とコンデンサ413がパラレルに配置されており、帰還部で入力された電流を電圧に変換される。オペアンプの帰還特性があるため、広帯域なオペアンプを用いることで、電流電圧変換効率が入力の配線にある寄生容量の影響を小さくすることができる。そのため、広い周波数幅を持つ受信特性をCMUTについて、受信感度の低下が少ない優れた受信特性を得ることができる。本実施形態によると、検出回路402にオペアンプ411を用いたトランスインピーダンス回路を用いるので、検出回路402の入力端子に寄生する容量の影響を受けにくい。そのため、寄生容量による、受信特性の劣化が少ない光音響用プローブを提供することができる。
オペアンプ411を用いたトランスインピーダンス回路は、高速なオペアンプを用いることで、回路が有する電流電圧変換特性が配線302の寄生容量からの影響を受けにくくすることができる。そのため、CMUT110に、優れた受信特性を持たせることができる。
本実施形態では、受信特性がより優れたCMUT110を提供することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、インターポーザ140が備える回路に関する。それ以外は、第2の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る光音響波用プローブが備える回路を表す回路図である。
本実施形態では、図4(a)で示すように、インターポーザ140上に、直流電圧を安定化する回路420を備えていることが特徴である。
本実施形態のケーブル160内には、直流電圧印加線161(不図示)と電流電圧変換回路用の電源供給線162、163と、出力の信号線310を1組として備えている。
半球状の支持部材101に分散して配置されているトランスデューサユニット103から、外部の装置(不図示)と接続するコネクタ170までは、距離が離れているため、その間を繋ぐケーブル160の長さは、ある程度の長さを要する。そのため、ケーブル160内の配線が有する配線抵抗により、インターポーザ140側での直流電圧Vb1が、装置側のコネクタ170での直流電圧Vb0と異なってしまう。CMUT110は、第1の電極202と第2の電極203に印加される電位差により、受信特性が大きく影響を受ける。そのため、CMUT110に印加される直流電圧Vb1が、直流電圧印加手段401で生成する直流電圧Vb0と異なると、所望の受信特性が得られなくなってしまう。本実施形態では、直流電圧用安定化回路420を有しているので、CMUT110に印加される直流電圧Vb1を、直流電圧発生手段401で生成する直流電圧Vb0と一致させることができる。そのため、ケーブル160の有する配線抵抗により、CMUT110の受信特性が受ける影響を低減することができる。
本実施形態の直流電圧用安定化回路420は、直流電圧用安定化回路420での入力インピーダンスが、ケーブル160が有する配線抵抗より十分小さいものであればよい。具体的には、図4(a)で示すように、高耐圧コンデンサ421と、抵抗422により容易に構成することができる。本実施形態は、図4(a)に限るものではなく、インターポーザ140側での直流電圧Vb1が、装置側のコネクタでの直流電圧Vb0を近づけることができる回路であれば、同様に用いることができる。
本実施形態によると、CMUT110の受信特性劣化が少ない光音響波プローブを提供することができる。
(本実施形態の別の例)
本実施形態の別の形態を、図4(b)を用いて説明する。図4(b)では、インターポーザ140上に、検出回路電源(オペアンプ)用の安定化回路430を備えていることが特徴である。検出回路402の電源には、回路を駆動するための電流を安定に供給する必要がある。ケーブル160に配線抵抗があると、検出回路402に供給している電流が不安定になり、検出回路402での電流−電圧変換特性に影響を与えることがある。本実施形態では、検出回路電源用の安定化回路430を有しているので、検出回路402に必要な電流を安定して供給することができ、検出回路402で所望の電流−電圧変換特性を得ることができる。本実施形態における検出回路電源用の安定化回路430は、図4(b)で示すように、コンデンサ431と、コイル432により容易に構成することができる。なお、本実施形態の回路は、図4(b)の構成の回路に限ったものではなく、同様の機能を有するものであれば用いることができる。
本実施形態の別の形態によると、CMUT110から出力された電流を、検出回路402において、電流−電圧変換を効率よくできるので、優れた受信特性を得ることができる。
(本実施形態のさらに別の例)
本実施形態の更に別の形態を、図4(c)(d)を用いて説明する。図4(c)では、検出回路402の出力端子と配線310間に、配線310とのインピーダンス整合抵抗441が接続されていることが特徴である。検出回路402からの出力信号を装置側に出力する配線310は、同軸ケーブル164を用いることが望ましい。同軸ケーブル164を用いることで、外部からのノイズが信号線310に重畳することを防ぐことができるが、配線長が長くなると配線内で反射などが発生して、信号の特性を劣化させることがある。図4(c)では、同軸ケーブルである配線310が持つ配線インピーダンスと、マッチングが取れたインピーダンス整合抵抗441を備えている。このように、検出回路402の出力端子がインピーダンスマッチング回路を備えた構成をとることで、インターポーザ140と配線310との間のインピーダンスの不整合により、出力信号の劣化を低減できる。そのため、ケーブル160で検出信号の劣化が少ない超音波トランスデューサユニット103を提供することができる。
また、図4(d)で示すように、また、検出回路402の出力端子が交流カップリング回路を有する構成、具体的には検出回路402の出力端子と配線310間に、コンデンサ442が接続されている構成を取ることができる。CMUT110は、光音響波を受信するために、一定の周波数(例えば10kHz以上100MHz以下、100kHz以上20MHz以下)以上の信号を検出できれば良い。図4(d)では、検出回路402の出力端子にコンデンサ442を備えているので、出力電圧の直流成分をカットすることができる。出力電圧に直流成分があると、常時、配線内に電流が流れるため消費電力が大きくなる。一方、図4(d)の回路構成では、出力電圧の直流成分をカットしているので、常時、配線内に流れる電流を無くすことができ、消費電力を下げることができる。そのため、消費電力の小さい超音波トランスデューサユニット103を提供できる。
(第4の実施形態)
本実施形態は、CMUT110の表面に配置する部材に関する。それ以外は、第1から第3の何れかと同じである。
図5は、本実施形態に係る光音響波用プローブの模式図である。図5において、260は絶縁フィルム、261はシリコーンゴム層である。
本実施形態では、トランスデューサ110の上に、シリコーンゴム層261を介して絶縁フィルム260を配置していることが特徴である。
絶縁フィルム260は、薄膜の絶縁フィルムにより構成することができる。例えば、PET(Polyethyleneterephthalate)、PI(Polyimide)、PE(Polyethylene)、TPX(Polymethylpentene)など薄膜にできる材料を用いることができる。絶縁フィルム260の厚さは、使用する超音波の波長に対して十分薄い厚さであればよく、数マイクロメータから十数マイクロメータの厚さであることがより望ましい。
シリコーンゴム層261は、光音響波の透過特性が優れており、且つ絶縁フィルム260とCMUT110とを強く接着できる。ここで、絶縁フィルム260と接着するCMUT110側の振動膜201は薄く、振動膜201上に配置している部材の影響を大きくうける。そのため、一般的なエポキシ系などの硬化後の硬度が高い接着剤を用いると、振動膜201の振動特性が影響を受けて、受信感度が大幅に劣化するおそれがある。シリコーンゴムは硬化後の硬度が低いので、シリコーンゴムをCMUT110の表面に設けると、CMUT110の振動膜201の振動特性に影響を与えにくい。また、シリコーンゴム層261の厚さは、四十マイクロメータ以下であれば、超音波の透過特性に与える影響が少ないため、より望ましい。また、チップ120と絶縁フィルム260の間隔が狭すぎると振動膜201の光音響波(超音波)の受信特性が影響を受けるため、シリコーンゴム層261の厚さdは二十マイクロメータ以上であることが望ましい。これらの理由から、光音響波用プローブで用いることを想定すると、本実施形態のシリコーンゴム層261の厚さは、二十マイクロメータから四十マイクロメータの間であることが特に望ましい。
本実施形態では、絶縁フィルム260を備えていることで、高電圧が電極に印加されるCMUT110の表面と、外部を電気的に絶縁することができる。そのため、被検体に対する安全性が高い光音響波用プローブを提供することができる。
また、本実施形態の構成では、絶縁フィルム260とチップ120との間にシリコーンゴム層261を配置している。そのため、チップ120に対して絶縁フィルム260の接着力を確保したまま、光音響波(超音波)の受信特性をほとんど劣化させることがない光音響波用プローブを提供することができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態は、図1における支持部材101へのトランスデューサユニット103の取り付け部に関する。それ以外は、本発明の第1から第4の実施形態何れかと同じである。
図6(a)は、本実施形態に係る超音波トランスデューサの斜視図であり、図6(b)は図6(a)のC−C’断面及び、支持部材101とその間に設けられたOリング131を示した断面図である。
本実施形態では、トランスデューサユニット103と、支持部材101が有する貫通孔102の間に、Oリング131を配置していることが特徴である。トランスデューサユニット103の筺体130は、Oリング131を設けるための溝132を有している。溝132内にOリング131を配置したトランスデューサユニット103は、半球の支持部材101の外側(被検体がある側と逆側)から、押し当てリング133により支持部材101側に押し当てられて、固定されている。貫通孔102とトランスデューサユニット103の筺体130の間は、Oリングの太さより、狭くなるように設定されている。そのため、Oリング131は、それぞれの貫通孔102の内側の面と筺体130の外壁により、少し潰されており、貫通孔102の内側の面と筺体130の外壁間の隙間は、Oリング131により完全に塞がれている。
光音響波用プローブ100では、半球状の支持部材101と被検体間で光音響波の減衰が発生しないように、超音波の透過性が高い超音波ゲルで充填して使用する。本実施形態では、支持部材101の被検体側と逆側を、Oリング131があることで液体の流動が発生しない構成としているため、被検体と逆側への超音波ゲルの漏れが抑制される。そのため、支持部材101の外側にある、装置の電気部品や機械部品に超音波ゲルが付着して、特性の変化や故障などを減らせる。また、超音波ゲルの漏れが抑制されるため、半球状の支持部材101と被検体間を超音波ゲルで確実に充填することができ、光音響波を確実に検出する光音響波用プローブを提供することができる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態は、トランスデューサユニット103内の部材に関する。それ以外は、第1から第5の何れかと同じであるため、説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る光音響波用プローブの模式図である。
本実施形態では、トランスデューサユニット103内のインターポーザ140と筺体130、ケーブル160の引き出し部で囲まれた領域に、ポッティング材134が充填されていることが特徴である。ポッティング材134は、電子機器内の絶縁、防湿対策を行う用途の材料を用いることができ、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などの材料を用いることができる。本実施形態によると、CMUT110からケーブル160を接続する配線部を、トランスデューサユニット103の外部と完全に絶縁することができる。また、トランスデューサユニット103の外部の湿気の配線部への侵入を防ぐことができるので、湿度による配線の不良が発生しにくく、配線の信頼性を高めることができる。更に、第2や第3の実施形態と併用した構成にすることで、検出回路402での不良発生を減らすことができる。
また、本実施形態は、第5の実施形態の構成と併用することにより、特に信頼性の高い、トランスデューサユニット103を提供することができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態は、チップ120を支持する部材の形状に関する。それ以外は、第1から第6の何れかと同じである。
図8は、本実施形態に係る光音響波用プローブの有するトランスデューサユニットの断面模式図である。
本実施形態では、図8(a)で示すように、インターポーザ140は、凸部144を有していることが特徴である。前記インターポーザ140が有する凸部144上に、CMUT110を備えたチップ120は配置されている。本実施形態の筺体130は、凸部144を備えたインターポーザ140の形状に対応して、凸形状となっている。
半球状の支持部材101の厚さは、筺体130の凸部135の高さ以下となっており、支持部材101にトランスデューサユニット103を挿入すると、筺体130の凸部135のみが貫通孔102内に埋もれる構造となっている。また、トランスデューサユニット103の凸部135以外の部分は、支持部材の外側に飛び出して配置されている。このように本実施形態では、トランスデューサユニット103のチップ120を配置した凸部135のみ径が小さいので、支持部材101の有する貫通孔102は、小さな径で良く、支持部材101自体の機械的な強度を高くすることができる。そのため、半球状の支持部材101で撓みが発生し難く、配置しているCMUT103の位置関係を高精度に保って、光音響波を受信することができる。そのため、被検体からの光音響波の情報を正確に取得することができる光音響波用プローブを提供することができる。
また、本実施形態のインターポーザによると、チップを保持する凸部と、検出回路402を配置する裏面側の形状を変えることができる。そのため、凸部は、チップ120を配置するために最小限の大きさに最適化でき、上述したように、半球状の支持部材101の機械強度を高めることができる。一方、検出回路402を配置して配線する領域は、貫通孔の大きさの制約を受けないので、必要な面積を確保することができ、特性に最適な配線の構成を取ることができる。そのため、受信特性の優れたCMUTを提供することができる。
本実施形態では、支持部材101が有する貫通孔102は、トランスデューサユニット103の凸部135以外の部分は、支持部材の外側に飛び出して配置されている構成で説明したが、本発明はこれに限らない。例えば図8(b)で示すように、支持部材101が有する貫通孔102に加えて、トランスデューサユニット103の形状に合った凹部(ザグリ)を有する構成とすることができる。これにより、支持部材101の厚さが、トランスデューサユニット103の凸部の高さより厚い構成でも、トランスデューサユニット103を配置することができる。そのため、支持部材101自体の機械的な強度をより高くすることができる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態は、チップ120を支持する部材の形状に関する。それ以外は、第7の実施形態と同じである。
図9は、本実施形態に係る光音響波用プローブにおけるトランスデューサユニットの断面模式図である。図9では、筐体の図示は省略する。本実施形態では、第7の実施形態で説明した、チップ120を支持する凸部を有したインターポーザが、第1のインターポーザ148と、第2のインターポーザ149から構成されていることが特徴である。本実施形態では、第1のインターポーザ148は、成型品の表面に配線を形成したMID(Molded Interconnect Device)であり、第2のインターポーザ149は、ガラスエポキシと銅薄膜で構成された多層回路基板である。
この第1のインターポーザ148上には、MID技術を用いることで、任意の部品形状を成型し、その表面上に配線を容易に形成することができる。そのため、チップ120からの配線を、第2のインターポーザ149近傍まで容易に引き出すことができる。第1のインターポーザ148の配線と、第2のインターポーザ149上の電極間は、ハンダ180を用いることで簡易に電気的に接続できる。
第1のインターポーザ148は、成型により部材を形成するので、高さの高い突起を容易に製造できる。そのため、トランスデューサユニット103が有する凸部を高くすることが容易になり、支持部材101の厚さを厚くしても、トランスデューサユニット103の下側が干渉することなく配置することができる。そのため、半球状の支持部材101の厚さを厚くすることができるので、半球状の支持部材101で撓みが発生し難く、配置している複数のCMUT110の位置関係を高精度に保って、光音響波を受信できる。そのため、被検体からの光音響波の情報を正確に取得することができる光音響波用プローブを提供することができる。
(第9の実施形態)
本実施形態は、貫通孔の形状に関する。それ以外は、第1から第8の何れかの実施形態と同じであるため、共通事項は説明を省略する。
図10は、本実施形態に係る光音響波用プローブの模式図である。図10(a)、(b)は、支持部材101が有する貫通孔102に、トランスデューサユニット103を取り付けた状態での、貫通孔102の内壁と、トランスデューサユニット103の外形の関係を説明するための上面模式図である。
本実施形態では、図10(a)で示すように、トランスデューサユニット103の有する筐体130の側面に、支持部材101への位置合わせ用に突起136が付いていることが特徴である。また、支持部材101の貫通孔102には、突起136に対応した形状となっている。本実施形態によると、半球の中心から見たトランスデューサユニット103の外形に対して、CMUT110の位置が中央からずれていても、半球内での静電容量型トランスデューサ110の位置を正確に設定することができる。
本実施形態によると、CMUT110がトランスデューサユニット103の中央からずれていても、CMUT110を所定の位置に配置できる光音響波用プローブを提供できる。
(本実施形態の別の例)
本実施形態の別の形態を、図10(b)を用いて説明する。図10(b)では、貫通孔102の、孔の形成方向の断面が台形の形状をしていることが特徴である。貫通孔102の形状に合わせて、トランスデューサユニット103の筺体103の断面も、台形の形状をしている。貫通孔102及びトランスデューサユニット103の断面が台形であるため、支持部材101に超音波トランスデューサユニット103を固定する際、所定の向きと異なる向きに取り付けることを防ぐことができる。そのため、トランスデューサユニット103の中心からCMUT110がずれた位置に設けられた構成でも、支持部材101にトランスデューサユニット103設置する際に、各トランスデューサユニットを間違いなく固定することができる。そのため、トランスデューサユニット103の組みつけの不良が起こりにくく、組立の作業効率がよい光音響波用プローブを提供することができる。
本実施形態の別の形態を、図10(c)を用いて説明する。図10(c)は、貫通孔102の断面形状が長方形の形状をしていること以外は、第7の実施形態と同様の構成である。貫通孔102の断面形状に対応する、トランスデューサユニット103の凸部の外形は、四角形の形状となっており、トランスデューサユニット内部の第1のインターポーザ148の外形も同様に四角形である。CMUT110を配置したチップ120は、製造上最も容易に構成できる形状は、四角形である。そのため、図10(c)の構成では、トランスデューサユニット103の凸部を、最小にすることができる。対応する貫通孔102を最小限の大きさできるため、支持部材101自体の機械的な強度を高くすることができる。
(第10の実施形態)
第10の実施は、チップ120上のCMUT110と、接続される検出回路402に関する。それ以外は、第2から第9の何れかと同じである。
図11(a)は、本実施形態に係る光音響波用プローブにおけるトランスデューサユニットの上面模式図である。図11(b)は、トランスデューサユニットのうち、CMUT部分の断面図である。
図11(c)は、本実施形態に係る光音響波用プローブの備える回路の回路図である。
本実施形態では、チップ120上に複数の第1のCMUT111、第2のCMUT112を備え、それぞれに複数の検出回路451、452が接続されていることが特徴である。チップ120上には、図11(a)(b)で示すように、第1の電極202が電気的に接続されたグループが複数ある。第1のCMUT111は指向軸の方向から見て円形であり、ドーナツ状の第2のCMUT112により囲まれている。
一方、インターポーザ140上には、図11(c)で示すように、複数の検出回路451、452を有している。第1のCMUT111は、検出回路451に接続され、第2のCMUT112は、検出回路452にそれぞれ接続されている。検出回路452の出力電圧は、スイッチ453を介して、加算機454に接続されている。加算機454では、検出回路451の出力電圧と、スイッチ453からの電圧が加算される。このスイッチ453について、接続、非接続を切り替えることによって、音響波の受信に用いるCMUTのエレメントサイズを簡単に変更することができる。
被検体からの光音響波を受信する際には、CMUTの最適なサイズが異なる。CMUTのサイズにより、音響波(超音波)を受信する指向性が異なるため、被検体から取得したい情報に応じて、受信に用いるトランスデューサのサイズ、すなわち数を変更することが望ましい。トランスデューサの数を増やし検出領域を広げると低周波帯域の受信をしやすく、数を減らして検出領域を狭くすると高周波帯域の受信がしやすい。本実施形態によると、光音響波を受信するCMUTのサイズを容易に変更することができるので、取得する対象、目的に応じて、トランスデューサの指向性を切り替えることができ、被検体からの取得したい最適な情報を得ることができる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態ではCMUTの直流電圧発生手段に関する。それ以外は、第1から第10の何れかと同じであるため、説明を省略する。
図12(a)において、460は印加電圧の調整手段である。本実施形態では、直流電圧発生手段401と第2の電極203の間に、印加電圧の調整手段460を備えていることが特徴である。印加電圧調整手段460は、直流電圧発生手段401から出力されたVbを、第2の電極203に印加する端子では、Voに調整する機能を有している。
CMUT110は、振動膜201の厚さばらつきや、空隙205のばらつきにより、素子(エレメント)毎に印加する直流電圧の最適値が異なる。本実施形態に係る超音波プローブでは、複数のセルで構成されるCMUTの素子(エレメント)毎に、最適な直流電圧Voを印加する機能を有している。図12(b)を用いて、印加電圧の調整手段460の回路構成を説明する。
印加電圧の調整手段460は、3つの分圧抵抗により構成される。直流電圧発生手段401と第2の電極203の間には、第1の抵抗461が挿入されている。そして、第2の抵抗462と、第3の抵抗463が直列に接続され、第2の電極203側の配線302と、GND端子間に配置されている。第1の抵抗461値をR1、第2の抵抗462の抵抗値をR2、第3の抵抗463の抵抗値をR3とすると、第2の電極203側の配線302に印加される電圧値Voは、Vo=(R2+R3)/(R1+R2+R3)×Vbとでき、印加電圧が調節可能である。したがって、素子毎に異なる最適な電圧をCMUTに印加することができる。
本実施形態では、R2の値をR3の値より小さくしていることが特徴である。それにより、第2の抵抗462での降下電圧は、第3の抵抗463での降下電圧より小さくなる。そのため、第1の抵抗461と、第3の抵抗463は、高い耐圧(数十ボルトから数百ボルト)である必要があるが、第2の抵抗462は、それに比べて低い耐圧を用いることができる。第1の抵抗461と、第3の抵抗463は、高い耐圧の抵抗であるため大きな部品となってしまうが、第2の抵抗462は小型な部品を用いることができる。
第2の抵抗462があることで、第1の抵抗461と第3の抵抗463の抵抗値を固定していても、第2の抵抗462の抵抗値を変更するだけで、印加電圧を変更できる。第2の抵抗462は、素子毎に対応した印加電圧になるような抵抗値に設定すればよく、第2の抵抗462は、小型な部品であるため交換が容易である。
また、第1の高圧コンデンサ464、第2の高耐圧コンデンサ465は、各端子の電圧の変動や、外部からのノイズの混入を抑える目的で、配置されている。
本実施形態に係る光音響波用プローブでは、素子毎に最適な直流電圧を印加することができるので、CMUTの特性を均一にすることができ、高精度なデータの取得を行うことができる。そのため、本実施形態に係る光音響波用プローブを用いると、高画質な画像を取得できる。
本実施形態では、第1の抵抗461と第3の抵抗463は、装置本体999内に配置している。第2の抵抗462は、インターポーザ140上に配置されており、素子毎に対応した印加電圧になるような抵抗値に設定されており、素子毎に異なる値が用いられている。そのため、支持部材101に配置するトランスデューサユニットを変更しても、装置本体999が有する抵抗の値を変えることなく、素子毎に最適な印加電圧に設定できる。また、第2の抵抗462は、耐圧が小さく、小型の部品であるので、インターポーザ140上に、小さな実装面積で配置することができる。
支持部材101とフレキシブル部とを接続する配線は、CMUTの第1の電極202と接続する第1の配線301と、CMUTの第2の電極203に接続する第2の配線303に加えて、第2の抵抗462に接続された第3の配線303を有している。これにより、インターポーザ140上に配置した第2の抵抗462により、静電容量型トランスデューサに印加する電圧Voを調整することができる。なお、本例では抵抗を3つ用いた例を示したが、少なくとも2つあればよい。
本実施形態によると、曲面表面に複数の超音波トランスデューサを備えたプローブについて、それぞれの素子と外部と接続するための配線を簡易な構成で実現でき、受信周波数特性が均一で優れている超音波トランスデューサのプローブを提供することができる。
(第12の実施形態)
本発明の第12の実施形態では、光音響波を受信するCMUT110だけでなく、超音波の送信を行うCMUT113を備えていることが、異なる。その他は、第9から第11までの何れかの実施形態と同じである。図13を用いて説明する。
図13で、113は超音波の送受信を行うCMUT、411は第2の直流電圧印加手段、412は駆動回路である。図13は、1つのチップ120上受信用CMUT110、送信用CMUT113が1素子(エレメント)ずつ配置された模式図を表している。CMUT113は、超音波の送信に適した特性を有している。第2の直流電圧印加手段411は、超音波の送信効率が最も適したものになる印加電圧に設定されている。また、駆動手段412は、第2の電極203に高電圧のパルスを印加することができる。CMUT113の第1の電極202は、チップ120毎に駆動手段412と電気的に接続されている。これにより、駆動手段412により、第1の電極202と第2の電極203間に発生する静電引力が変化して、それにより振動膜201が振動し、超音波が送信される。
一方、CMUT110は、光音響波に加えて、超音波の受信に適した構成となっており、光音響波や超音波を受けて、振動膜201が振動し、検出回路401で振動を検出することができる。
本実施形態では、超音波イメージングデータ像の形成時には、送信用CMUT113から超音波を被検体に向けて送信し、被検体で反射した超音波を受信用CMUT110により受信する。一方、超音波イメージング像の取得時には、光源103により被検体で発生した光音響波を受信用CMUT110により受信する。
本実施形態に係る光音響波用プローブによると、光音響波の受信と、超音波の送受信を1つのプローブで行うことができる。そのため、検出したデータを元に光音響イメージング像、超音波イメージング像を形成することができる。また、超音波の送信に適したCMUT113と、超音波や光音響波の受信に、受信に適したCMUT110とを分けている。そのため、優れた超音波の送信特性と、優れた受信特性を両立できるため、高画質な画像を取得できる。更に、超音波の送受信と光音響波の受信に用いるCMUT113、110を同じチップ120上に形成しているため、光音響イメージング像、超音波イメージング像の位置ズレが少ない画像を得ることができる。
(第13の実施形態)
本発明の第13の実施形態では、CMUT110が超音波の送受信を行う機能も有していることが、異なる。その他は、第1から第12までの何れかの実施形態と同じである。図14(a)(b)を用いて説明する。
図14(b)において、470は駆動検出回路、471はオペアンプ、472は帰還抵抗、473は帰還容量、474、475は高耐圧スイッチ、476、477はダイオード、478は高耐圧ダイオードである。図14(a)は、1つのチップ120上に配置されたCMUT110を表わす模式図である。1つのチップ上には、CMUT110が1素子(エレメント)配置されており、CMUT110の第1の電極202は、駆動検出回路451に接続されている。駆動検出回路451は、装置側から超音波の送信に用いる高電圧パルスをCMUT110に印加し、CMUT110からの微小電流を検出信号とし装置側に出力する機能を有している。
図14(b)は、図11(c)の検出回路451の別の形態について説明するための回路図である。オペアンプ471の負帰還部に、帰還抵抗472と帰還容量473が並列に配置されており、電流電圧変換を行う機能を有している。オペアンプの入力と出力端子には、高耐圧スイッチ474、475と、ダイオード476、477がそれぞれ接続されている。高耐圧ダイオード478は、端子間に所定の電圧(1ボルト弱)以下の場合は、端子間の配線接続が切断される。また、高耐圧スイッチ474、475は、所定の電圧(数ボルト程度)より高い電圧が印加されると、スイッチの入出力端子間の配線が切断される。
送信のための高電圧パルスが印加されていない時、高耐圧ダイオード478は、端子間にはほとんど電位差がないため、高耐圧ダイオード478では入出力端子での配線は切断されている状態になっている。一方、高耐圧スイッチ474、475は、外部から高い電圧が印加されていないので、スイッチ間の配線が接続されている。そのため、トランスデューサからの微小電流をオペアンプで電流電圧変換して、外部に接続した装置(不図示)に検出信号を出力することができる。
一方、送信のための高電圧パルスが装置(不図示)側から印加されると、高耐圧ダイオード478内部の配線は接続され、高耐圧スイッチ474、475には、所定の電圧(数ボルト程度)より高い電圧が印加される。高耐圧スイッチ474、475は、スイッチ内部の配線を切断することができるため、オペアンプへ高電圧が印加されてオペアンプが破損しにくくなる。オペアンプからの信号出力は、高耐圧スイッチ475でカットされるために、送信のために印加した高電圧パルスに影響を与えることがない。そのため、トランスデューサの第1の電極に、超音波を送信するための高電圧パルスを印加することができる。
本実施形態に係る光音響波用プローブによると、光音響波の受信と、超音波の送受信を1つのプローブで行うことができる。そのため、検出したデータを元に光音響イメージング像、超音波イメージング像を形成することができる。また、超音波の送信と、超音波や光音響波の受信に用いるCMUT110を1つで行うことができるため、チップ120のサイズを小さくすることができる。そのため、CMUT110のセル間をより近接して配置することができ、素子の数を増やすことができ、あるいは同じ素子数であればより小さな径の半球を実現することができる。また、CMUT110を兼用しているので、光音響イメージング像、超音波イメージング像の位置ズレをより少ない画像を得ることができる。
(第14の実施形態)
本発明の第14の実施形態は、チップ120上のCMUT110と、接続される駆動検出回路402に関する。それ以外は、第2から第9の何れかと同じである。
図15(a)は、本実施形態に係る光音響波用プローブのうち、CMUT部分を拡大した模式図である。図15(b)は第2の実施形態で示した検出回路402の別の実施形態である駆動検出回路480の回路構成を示した図である。 本実施形態では、チップ120上に、複数に分割したCMUT115、116を備えていることが特徴である。具体的には、チップ120上には、CMUT110の第2の電極203同士が電気的に接続されているグループが複数配置されている。それぞれのグループの第2の電極203からの配線は、インターポーザ140上に配置された駆動検出回路480の異なる入力端子に接続されている。超音波の送信時には、外部装置からの高電圧駆動信号が、駆動検出回路480内の複数の送信ダイオードを介して、それぞれの端子からCMUT110の第1の電極202に印加される。
一方、受信時には、それぞれの第2の電極203からの信号をオペアンプ471で増幅して、各オペアンプからの電圧として出力される。それぞれの出力電圧は、加算器481で電圧信号を合算して、ケーブル160内の配線310から出力される。
ここで、それぞれのオペアンプの入力端子に接続できる容量の最大値は、帰還部の抵抗やコンデンサの大きさと、オペアンプのゲイン周波数特性により決まる。本実施形態では、CMUT110を分割して、それぞれにオペアンプを接続しているので、各オペアンプに接続されたCMUTの容量を小さくできる。これにより、オペアンプの帰還部のパラメータをより最適に設定でき、受信の周波数帯域を広くでき、帯域が広いCMUT110の特徴をより生かすことができる。
また、オペアンプを用いたトランスインピーダンス回路では、オペアンプの入力端子に接続された容量によって、出力ノイズが変化する。本実施形態では、CMUT110を分割して、それぞれにオペアンプを接続しているので、1つの電流−電圧変換回路での出力ノイズを低減することができる。それぞれのオペアンプからの出力を加算器481で加算した際には、出力ノイズは分割数Xとすると1/√X程度に減らすことができるので、全体として出力ノイズを低減して、高精度な受信信号の検出を行うことができる。
このように、図15(b)に示すような本実施形態の回路構成を用いることで、外部からの制御信号なしで、CMUTから超音波の送信と受信を行うことができる。このような構成によって、受信時の電流−電圧変換の周波数特性が優れており、出力信号のノイズが少ない受信動作が優れた光音響波用プローブを提供することができる。
(第15の実施形態)
本発明の第15の実施形態では、超音波の送信に用いるセル数と、光音響波と超音波の受信に用いるセル数を変えることが異なる。その他は、第13の実施形態と同じである。
図16に示すように、1つのチップ120上に超音波の送受信に用いる第1のCMUT117、及び受信に用いる第2のCMUTが設けられている。
第1のCMUT117の第2の電極203は、駆動検出回路495の第1の端子491と接続されている。第2のCMUT118の第2の電極203は、駆動検出回路495の第2の端子と接続されている。駆動検出回路495は、第10の実施形態で説明した回路に、更にオペアンプを用いた電流電圧変換回路(トランスインピーダンス回路)と加算器471が追加された構成となっている。以下、第13の実施形態と異なる点のみを説明する。
図16(b)は、本実施形態に係る光音響波用プローブの駆動検出回路495を説明する回路図である。光音響波を受信する際には、高耐圧ダイオード478はOFFにしており、オペアンプ471の前後の配線はONとしているので、第1のCMUT117からの電流は電圧に変換される。第1のCMUT117の電圧信号と、第2のCMUT118から電流を電圧変換した受信信号を、加算回路491で合算した信号542を、受信信号として用いる。これにより、第1のCMUT117と第2のCMUT118全体で超音波を受信することができる。
一方、超音波の送受信を行う際は、超音波の駆動信号を541として、駆動検出回路495に入力する。高電圧が印加された際は、オペアンプは高電圧から保護され、高耐圧ダイオード478はONにされるので、配線321に接続された第1のCMUT117のみに、駆動電圧が印加され、振動膜から超音波が送信される。被検体(測定対象)で反射した超音波により、振動膜が振動した際には、超音波の送信(駆動)信号541は印加されていないので、高耐圧ダイオード478はOFFとしている。その際、オペアンプの前後の配線はONしているので、電流電圧変換を行い、超音波の受信信号542として出力される。
本実施形態に係る光音響波用プローブは、光音響波の受信に用いる素子の大きさと、超音波の送受信に用いる素子の大きさを変えることができる。そのため、それぞれの信号取得に適した大きさの素子で、光音響波の受信と超音波の送受信を行うことができるので、高画質な光音響イメージング像、超音波イメージング像を生成するために必要なデータを取得することができる。
また、本実施形態では、超音波の送信に用いるCMUT117のセル数より、光音響波の受信に用いる第1のCMUT117及び第2のCMUT118のセル数を大きくしている。光音響波の受信では、素子の大きさが大きいため、同じ周波数で使用する場合、受信する光音響波の指向性を高くすることができる。一方、超音波の送受信では、小さな径の素子を用いても、素子の送信時の指向性と、素子の受信時の指向性の掛け合わせとなる。そのため、受信だけを行う同じ径の素子に比べて、送受信後の指向性を高くすることができる。そのため、本実施形態に係る光音響波用プローブを用いると、光音響イメージング像と超音波イメージング像の解像度がより近い画像を得ることができる。
本実施形態の別の形態として、図16(c)で示す駆動検出回路452を用いることができる。本実施形態の駆動検出回路495は、第2のCMUT118に接続されたオペアンプ431と、加算器496の間に、スイッチ440を有していることが特徴である。スイッチ440は、スイッチの制御信号510によりON、OFFが制御される。具体的には、超音波の送受信時にOFF、光音響波の受信時にONとなるように制御信号510が入力される。このスイッチ440は、低電圧のアナログスイッチを用いることで、容易に実現することができる。
本実施形態では、超音波の送受信信号と光音響波の出力信号を、1本の配線(信号551)で兼用することができ、プローブのケーブル内の配線数を削減することができる。なお、スイッチの制御信号510は、必ずしも外部の装置から入力される必要はない。光音響波用プローブ内に駆動信号である高電圧パルスが印加されたことを検出して、一定期間の間スイッチのOFF信号を生成する手段を有することで、外部からの信号入力を無くすことができる。
本実施形態の別の形態として、図16(d)で示すように、光音響波の受信に第1のCMUT117のみを用いて、超音波の送受信には第1のCMUT117と第2のCMUT118を用いる構成にも同様に用いることができる。
これにより、送受信に用いる素子サイズが大きく、より大きな超音波を送信することができ、また受信感度も高くすることができるので、高精度な送受信信号を取得することができる。本実施形態では、送受信に用いる超音波の中心周波数を、光音響波の受信信号の中心周波数より高く設定して使用する。これにより、光音響イメージング像と超音波イメージング像の解像度がより近く、超音波イメージング像がより高精度である画像を得ることができる。
(第16の実施形態)
第1から第15の何れかの実施形態に記載の光音響波用(超音波)プローブは、光音響効果を利用した光音響波(超音波)の受信に用いることができ、それを備えた光音響装置(被検体情報取得装置)に適用できる。
図17を用いて、本実施形態の超音波測定装置の動作を具体的に説明する。まず、発光指示信号701に基づいて、光源805から光702(パルス光)を発生させることにより、測定対象物(被検体)800に光702を照射する。測定対象物800では光702の照射により光音響波(超音波)703が発生し、この超音波703を超音波プローブが有する複数のCMUT802で受信する。受信信号の大きさや形状、時間の情報が光音響波受信信号704として情報処理部803に送られる。一方、光源805で発生させた光702の大きさや形状、時間の情報(発光情報)が、光音響信号の情報処理部803内の記憶部(不図示)に記憶される。光音響信号の情報処理部803では、光音響波受信信号704と、光源805から照射された光に関する情報を基に測定対象物800の画像信号を生成して、光音響信号による再現画像情報705として出力する。画像表示部804では、光音響信号による再現画像情報705を基に、測定対象物800を画像として表示する。
本実施形態に係るは、簡単な構成で、広い周波数範囲の光音響波を受信できる特性を有している。そのため、小型なプローブから、光音響波から多くの情報を取得できるため、装置の取り回しが良く、高画質な画像を生成することができる。
(第17の実施形態)
本実施形態は、第12から第15の何れかの超音波の送受信を行うことができる光音響波用プローブを、第16の実施形態の光音響装置に用いたものである。
図18に、本実施形態に係わる光音響装置の模式図を示す。図18において、706は超音波の送受信信号、707は送信した超音波、708は被検体から反射した超音波、709は超音波の送受信による再現画像情報である。
本実施形態の光音響装置は、光音響波の受信に加えて、パルスエコー(超音波の送受信)を行い、画像を形成する。光音響波の受信については、第12の実施形態と同じであるため、ここではパルスエコー(超音波の送受信)について説明する。
超音波の送信信号706を元にして、複数のCMUT802から、測定対象物800に向かって超音波707が出力(送信)される。測定対象物800の内部において、内在する物体の固有音響インピーダンスの差により、超音波が反射する。反射した超音波708は、複数のCMUT802で受信され、受信信号の大きさや形状、時間の情報が超音波受信信号706として画像情報生成装置803に送られる。一方、送信超音波の大きさや形状、時間の情報は超音波送信情報として、情報処理部803内の記憶部で記憶される。情報処理部803では、超音波受信信号706と超音波送信情報を基に測定対象700の画像信号を生成して、超音波送受信の再現画像情報709として出力する。
画像表示部804では、光音響信号による再現画像情報705と、超音波送受信による再現画像情報708の2つの情報を基に、測定対象物800を画像として表示する。
本実施形態によると、広い周波数範囲の光音響波を受信できる特性を超音波プローブ用いて、異なる測定方法の受信情報を取得して画像を形成するため、より情報量の多い画像を取得、表示することができる。
本明細書中での説明では、第1の電極202は振動膜201上に、第2の電極203は基板100上に配置されていたが、本発明はこの構成に限らない。例えば、振動膜201上に第2の電極203が、基板100上に第1の電極202が配置された構成でも同様に用いることができる。
100 光音響波用プローブ
101 支持部材
102 孔部
103 トランスデューサユニット
106 光源
110 トランスデューサ

Claims (18)

  1. 光源からの光が被検体に照射されることにより発生する光音響波を受信して電気信号を出力するトランスデューサを備えるトランスデューサユニットを複数有し、複数の前記トランスデューサの指向軸が集まるように、前記複数のトランスデューサユニットを支持する支持部材を有する光音響波用プローブであって、
    前記トランスデューサの上にシリコーンゴム層が設けられ、前記シリコーンゴム層の上に絶縁フィルムが設けられ、前記シリコーンゴム層の厚さが、二十マイクロメータ以上、四十マイクロメータ以下であり、
    複数の前記トランスデューサユニットが、前記支持部材を貫通するように設けられた孔部の内部に設けられ、かつ、複数の前記トランスデューサユニットが前記支持部材から前記指向軸が集まる側に突出しないように設けられ、前記トランスデューサユニットが筒状の筐体を有し、前記筐体のうち、前記指向軸が集まる側とは逆側の底面の径が前記孔部の径より大きい光音響波用プローブ。
  2. 前記支持部材が半球状であり、前記トランスデューサユニットの、前記指向軸が集まる側の表面が、半球状の曲面に沿って設けられている請求項1に記載の光音響波用プローブ。
  3. 前記絶縁フィルムがPETを有する請求項1または2に記載の光音響波用プローブ。
  4. 前記トランスデューサが、インターポーザ上に設けられている請求項1乃至3の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  5. 前記トランスデューサがチップ上に設けられ、前記トランスデューサと前記インターポーザを電気的に接続する配線が、前記チップの中に設けられている請求項1乃至4の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  6. 前記インターポーザが、電流電圧変換回路を備える請求項4または5に記載の光音響波用プローブ。
  7. 前記光音響波用プローブが、前記トランスデューサに印加する直流電圧を安定化する回路を有する請求項1乃至6の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  8. 前記トランスデューサユニットが、Oリングを設けるための溝を有している請求項1乃至の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  9. 前記トランスデューサユニットと、前記支持部材の有する孔部との間に、Oリングが設けられている請求項に記載の光音響波用プローブ。
  10. 前記トランスデューサが、インターポーザの上に設けられ、前記インターポーザと、前記トランスデューサユニットの有する筺体との間に、ポッティング材を有する請求項1乃至の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  11. 前記トランスデューサが、インターポーザの上に設けられ、前記インターポーザが凸部を有し、前記凸部にトランスデューサが設けられている請求項1乃至10の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  12. 前記支持部材が有する孔部が貫通孔であり、前記指向軸が集まる側の径が、それとは逆側の径より小さい請求項1乃至11の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  13. 前記トランスデューサが、インターポーザの上に設けられ、前記インターポーザが、成型品の表面に導電層を形成した第1のインターポーザと、ガラスエポキシを有する多層回路基板である第2のインターポーザとを有する請求項1乃至12の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  14. 前記トランスデューサユニットの、前記孔の形成方向の断面形状が台形または長方形である請求項1乃至13の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  15. 第1の分圧抵抗と、第2の分圧抵抗と、第3の分圧抵抗を有しており、前記第1の分圧抵抗、前記第2の分圧抵抗、及び前記第3の分圧抵抗を用いて、前記トランスデューサに印加する直流電圧を調節可能に構成されている請求項1乃至14の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  16. 前記トランスデューサが、インターポーザの上に設けられ、前記インターポーザ上に、前記第2の分圧抵抗を備えている請求項1乃至15の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  17. 前記トランスデューサユニットが、前記静電容量型トランスデューサの信号を検出する検出回路を有し、前記検出回路への出力端子が、インピーダンスマッチング回路を有している請求項1乃至16の何れかに記載の光音響波用プローブ。
  18. 前記トランスデューサユニットが、前記静電容量型トランスデューサの信号を検出する検出回路を有し、前記検出回路への出力端子が、交流カップリング回路を有している請求項1乃至16の何れかに記載の光音響波用プローブ。
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