JP6165221B2 - トランスデューサ、被検体情報取得装置 - Google Patents

トランスデューサ、被検体情報取得装置 Download PDF

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Description

本発明は、トランスデューサ及び被検体情報取得装置に関する。特に、音響波を送信又は受信するトランスデューサと、該トランスデューサを備えた被検体情報取得装置に関する。
マイクロマシニング技術を用いて作製されたCMUT(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer)は、圧電エレメントの代替品として研究されている。CMUT等の静電容量型トランスデューサは、振動膜の振動を用いて音響波(典型的には超音波)を送信又は受信することができる。
静電容量型トランスデューサの各セルは、キャビティと呼ばれる略真空に維持された間隙を挟むように設けられた2つの電極を備える。2つの電極のうち一方の電極はメンブレンに固定され、メンブレンと共に振動膜として機能する。
静電容量型トランスデューサは、2つの電極間にバイアス電圧が印加された状態で音響波を受信すると、各セルの振動膜が振動して2つの電極間の距離が変化し、静電容量の変化が生じる。複数のセルからなるエレメントは、この静電容量の変化を電流信号として出力する。また、2つの電極間に、時間的に振幅変化する電圧(つまり交流電圧)が印加されると、振動膜が振動することにより、エレメント単位で音響波を送信することもできる。
特許文献1には、複数のエレメントが1次元に配置されたCMUTについて開示されている。特許文献1のCMUTは、複数のエレメント間で電気的に接続されている下部電極(共通電極)にバイアス電圧が印加され、エレメント毎に分離された上部電極(信号電極)はグランドに繋がっている。また各電極はワイヤによりフレキシブル基板の配線に接続されている。
国際公開第09/008282号
静電容量型トランスデューサの各エレメントは、受信特性または送信特性(つまり、変換効率等の変換特性)が均一であることが好ましい。しかしながら、複数のエレメント間で電気的に接続されている電極(共通電極)ともう一方の電極間にバイアス電圧が印加された状態で、音響波を受信して振動膜が振動、または電極間に交流電圧が印加されると、複数のエレメントに電流が流れる。この場合に、共通電極間を繋ぐ配線の仕方によってはエレメント毎の過渡応答にばらつが生じる可能性があった。過渡応答にばらつきが生じると、各エレメントの受信特性または送信特性に影響が生じる。特に、エレメントが2次元に配列されている2次元アレイの場合、さらにエレメント毎の過渡応答ばらつきが大きくなる可能性がある。
そこで、本発明は、エレメント毎の過渡応答のばらつきによる変換特性への影響を低減したトランスデューサの提供を目的とする。
本発明のトランスデューサは、間隙を隔てて設けられた第一の電極と第二の電極とのうち一方の電極を含む振動膜が振動可能に支持された構造のセルを夫々有する複数のエレメントと、前記第一及び第二の電極間に電位差を設けるため前記第一の電極にバイアス電圧を供給し、且つ、前記複数のエレメントの第一の電極同士を電気的に接続するためのバイアス配線と、前記複数のエレメント毎に接続される信号配線と、を備え、前記バイアス配線は、前記複数のエレメントのうちの一部のエレメントの第一の電極がそれぞれ接続された少なくとも二つの枝配線と、前記枝配線同士をそれぞれ繋ぐ少なくとも二つの第一のコモン配線と、を含み、前記二つの枝配線には、それぞれ複数のエレメントが接続されていることを特徴とする。
本発明により、エレメント毎の過渡応答ばらつきによる変換特性への影響を低減することができる。
本発明の一実施形態のトランスデューサを説明するための模式図である。 本発明の一実施形態のエレメントを説明するための模式図である。 本発明の一実施形態のバイアス配線を説明するための回路図である。 本発明の一実施形態のバイアス配線を説明するための模式図である。 被検体情報取得装置を示す模式図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
(トランスデューサの構成)
まず、図1及び図2を用いて本実施形態の静電容量型のトランスデューサのエレメントと配線について説明する。図1は、複数のエレメントが2次元に配置された静電容量型のトランスデューサを模式的に示す上面図、図2(a)はトランスデューサの一部のエレメントが配置されている様子を示す上面図、図2(b)は図2(a)のAB断面図である。
本実施形態のトランスデューサは、基板100と、基板100に形成された複数のエレメント101と、バイアス配線103及び信号配線104と、を備える。また、基板100には、バイアス配線103が接続される端子105が設けられている。この端子105とフレキシブル基板等の配線基板とが、ワイヤやACF(異方性導電膜)、貫通配線等により接続され、トランスデューサの外部に設けられるバイアス電源102からバイアス電圧が端子105に供給される。
本実施形態のバイアス配線103は、過渡応答に影響を与える時定数のばらつきが小さくなるよう配置が工夫されている。この点については、後で詳細に説明する。
信号配線104は、図1ではエレメントから引き出される様子のみ簡略化して示している。信号配線104は、信号配線用の端子(不図示)まで引き回された後、ワイヤ等を介して配線基板との接続が行われる。信号配線104を、基板100内を貫通する貫通配線とし、基板100の裏面側で貫通配線と配線基板との接続が行なわれてもよい。
(エレメントの構成)
本実施形態のエレメント101の構成について説明する。本実施形態のエレメント101は、互いに電気的に接続されたセル1を複数備える。図2(a)では、エレメント101は、9個のセル1から構成されているが、個数は1つでもよく、いくつであっても構わない。また、エレメント数も、図2(a)では4つのエレメント101のみ記載しているが、複数であれば個数はいくつでも構わない。セル1の形状は、図2では円形であるが、四角形、六角形等の形状でも構わない。
各セル1は、間隙としてのキャビティを隔てて設けられた一対の電極のうち一方の電極を含む振動膜が振動可能に支持された最小単位の構造である。具体的に図2(b)では、各セル1は、第一の電極13と、第一の電極13と間隙を隔てて対向する第二の電極4と、を含む。第一の電極13は基板100上に第一の絶縁膜12を介して形成されており、第一の電極13上には第二の絶縁膜14が形成されている。また、第二の電極4は、メンブレン15とともに振動膜として機能する。メンブレン15は、メンブレン支持部16により支持されおり、第二の絶縁膜14とキャビティ3を隔てて配置されている。
エレメント101は、1つ以上のセルを備え、電気的に独立した一つの構成単位を示す。つまり、1つのセルを1つの容量と考えた場合、エレメント内の複数セルの容量は電気的に並列接続されており、このエレメント単位で信号の入力や出力が行われる。また、エレメント101を複数有する場合、各エレメントは電気的に独立している。
本実施形態では、第一の電極13はエレメント間で電気的に接続された共通電極として機能し、バイアス電圧が印加される。第二の電極4はエレメント毎の出力が取り出される信号電極として機能する。つまり、第一の電極13同士は、図1で示されるバイアス配線103によりエレメント間で電気的に接続されており、第二の電極4は、エレメント毎に電気的に分離され、信号配線104同士は接続されていない。
また、本実施形態の第一の電極13は、トランスデューサが有する複数のエレメント間で電気的に接続されているが、必ずしもトランスデューサが有する全てのエレメント間で電気的に接続されている必要はない。つまり、全エレメントをいくつかのグループに分け、各グループ内の複数のエレメントはそれぞれ第一の電極13同士が電気的に接続され、グループ間では第一の電極13同士は電気的に接続されていない構成でもよい。例えば、トランスデューサの全エレメント数がm個(mは4以上の整数)とし、n個(nは2以上の整数であり、n<m)のエレメント群からなる第一のグループと、l個(lは2以上の整数であり、n<m)のエレメント群からなる第二のグループと、を有するとする。この場合、第一のグループと第二のグループとは、それぞれのバイアス配線が1つの同じ端子105に接続されることにより第一のグループと第二のグループの第一の電極同士が電気的に接続されてもよいし、別々の端子105に接続されてもよい。
さらに、本実施形態では、基板側の電極を第一の電極13(共通電極)とし、振動膜側の電極を第二の電極4(信号電極)としているが、逆の構成にしても構わない。つまり、基板側の電極を、エレメント毎に分離された信号電極とし、振動膜側の電極をエレメント間で導通した共通電極としてもよい。
また、振動膜は、図2ではメンブレン15と第二の電極4とから構成されているが、少なくとも第二の電極4を有し振動膜が振動可能な構成であればよい。例えば、第二の電極4だけで振動膜を構成してもよいし、あるいは、複数のメンブレン間に第二の電極4が挟まれた構成にしてもよい。
また、本実施形態では、第一の電極13は基板100上に第一の絶縁膜12を介して設けられ、第一の電極13上には、第二の絶縁膜14が設けられている。しかしながら、第一の電極13は基板100上に第一の絶縁膜12を介さずに直接設けられていても良く、また、第一の電極13上に第二の絶縁膜14が設けられず第一の電極13が露出していてもよい。
基板100としては、シリコン基板、ガラス基板等を用いることができる。第一の電極13、第二の電極4、バイアス配線103、信号配線104としては、チタン、アルミ等の金属や、アルミシリコン合金等を用いることができる。第一の絶縁膜12、第二の絶縁膜14、メンブレン15は、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜等を用いることができる。また、トランスデューサは、犠牲層をエッチングすることによりキャビティを形成する犠牲層型や、SOI基板の活性層(表面シリコン層)をメンブレンとして用いる接合型等の公知の方法で作製することができる。
(トランスデューサの駆動原理)
ここで、静電容量型トランスデューサの駆動原理を説明する。静電容量型トランスデューサで超音波を受信する場合、まず、第一の電極13と第二の電極4との間に電位差を生じさせる。具体的には、バイアス電源102からバイアス電圧(直流電圧)が第一の電極13に印加され、第二の電極4は受信回路(不図示)を介して、グランド電位につながっている状態にする。この状態で超音波を受信すると、第二の電極4を有する振動膜が振動するため、第二の電極4と第一の電極13との間の距離が変わり、静電容量が変化する。この静電容量変化によって、第二の電極4から信号(電流)が出力され信号配線104に電流が流れる。この電流を、受信回路(不図示)が有する、オペアンプを用いたトランスインピーダンス回路等の電流−電圧変換手段(不図示)によって電圧に変換し、受信信号として外部の信号処理部(不図示)に送信される。
また、超音波を送信する場合、送信回路(不図示)から、第一の電極13と第二の電極4との間に電位差がある状態で、第二の電極4に交流電圧が印加される。第二の電極4に印加される交流電圧は、一定の波数のパルスや正弦波が印加される。この交流電圧の印加による静電気力によって振動膜が振動し、超音波を送信することができる。本実施形態の静電容量型トランスデューサは、超音波(音響波)の送信及び受信のうち少なくとも一方を行うことが可能である。
(バイアス配線の構成)
次に、本実施形態のバイアス配線103の構成について説明する。まず、エレメント毎の過渡応答のばらつきの影響について説明する。
共通電極である第一の電極13が、バイアス配線103により電気的に接続されているエレメント間では、あるエレメント101の振動膜が振動すると、バイアス配線103やバイアス配線103に接続されているその他のエレメント101の影響も受ける。例えば、あるエレメント101で音響波を受信した場合、あるエレメント101の振動膜が振動することにより、第一の電極13と第二の電極4との間の間隔に変化が生じる。この間隔の変化後にも電極間の電位差をバイアス電圧に保つために、各電極間にバイアス電源102から電荷が供給または吸収される必要がある。この電荷が供給(吸収)され、電極間の電位差が所定のバイアス電圧に戻るまでの応答時間(つまり過渡応答)には、電荷の供給経路の配線が有する抵抗やその供給経路に接続されているエレメント101の容量の影響を受ける。通常は、複数のエレメント101がほとんど時間差なく音響波を受信するため、電荷が変化する応答時間が短いエレメントと、応答時間が長いエレメントとが発生する。
複数のエレメント101の振動膜が振動すると、電荷が変化する応答時間が長いエレメントは、応答時間が短いエレメントへの電荷を供給する影響を受け、更に応答時間が長くなる。つまり、ある1つのエレメント101(仮に「第一のエレメント」と呼ぶ)の電流の過渡応答は、バイアス配線103が繋がっている他のエレメント101の電流の過渡応答の影響を受けることになる。上記では、受信時の場合を説明したが、送信を行う際にも同様のことが発生する。このように、エレメント毎の過渡応答にばらつきが生じると、トランスデューサの音響波の送信特性や受信特性に影響が生じる。具体的には送信する音響波の波形や、音響波を受信した際にトランスデューサから出力される信号の波形に影響が生じる。
第一のエレメントの過渡応答は、バイアス電源102と第一のエレメントとの間の時定数に依存する。時定数が小さければ過渡応答への影響は小さく、時定数が大きければ過渡応答への影響は大きい。時定数τは、電気抵抗Rと容量Cの積(τ=R×C)で示すことができる。つまり、第一のエレメントの過渡応答を小さくするには、バイアス電源102と第一のエレメントとの間に存在する電気抵抗と容量を低減する。ただし、バイアス電源102から基板100上の端子105までの経路の時定数はどのエレメントに対しても一定であると考えられる。また、振動により生じる上記電位変化は基板100上のエレメント101で生じる。よって、エレメント毎の過渡応答のばらつきを考える場合は、端子105を入力とし複数のエレメント夫々を出力とした経路のエレメント毎の時定数を考える。
つまり、任意のエレメントの過渡応答に影響を与える時定数は、端子105から任意のエレメントまでのバイアス供給経路の配線抵抗と、前記バイアス供給経路沿いの前記バイアス供給経路に接続されている容量(前記任意のエレメント以外のエレメントの総容量)と、の積で近似することができる。
本実施形態は、この時定数のばらつきを小さくすることを特徴とする。具体的には、時定数が大きなエレメントの時定数を低減させることで結果的に時定数ばらつきが小さくなる。時定数の大きなあるエレメントの時定数を低減するためには、
1.あるエレメントに繋がるバイアス供給経路に接続されるエレメントの容量の和を小さくする
2.あるエレメントに繋がるバイアス供給経路の配線抵抗を小さくする
等の方法が考えられる。
ここで、時定数ばらつきを小さくするための本実施形態の一側面について図3を用いて説明する。図3は、エレメント101が複数並べられた場合の等価回路を表す。エレメント101にパルス波が入力されると、隣接するエレメント101間で流れる電流の位相がずれる。このため、配線に接続するエレメントの数が増加すると、個々のエレメント101に入力されるパルス波形も歪んでくる。
そこで、パルス発生源である送信回路から複数のエレメントに至るバイアス配線200に対して、このバイアス配線200をバイパスする別のバイアス配線300を設ける。このバイアス配線300をパルス発生源から遠い位置のエレメント101Aに接続すると、このエレメント101Aから出力される電流の位相は、パルス発生源に最も近いエレメント101Bとほとんど同位相になる。これは静電容量成分が少ないバイアス配線300を設けることにより、エレメント101の過度特性のバラツキを抑制したことになり、時定数を小さくしたことと同じとなる。
上述した原理を、2次元アレイ素子において説明するための図を図4に示す。図4(a)は、図1の構成と同じであり、図4(b)は参考例として、静電容量成分が少ない経路を設けていない形態を示す。図4(a)(b)において、端子105からエレメント101Aにバイアス電圧を供給するための経路を点線で示している。
図4(b)では、エレメント101Aには、エレメントが複数接続されたバイアス配線を通ってパルス波が入力される。一方、図4(a)の場合は、エレメント101Aにはパルス波が入力される経路沿いにはエレメントがほとんど接続されていない。よって、端子105の近傍のエレメントとエレメント101Aとに流れる電流の位相差は、図4(b)に比較して抑制されている。
このように、本実施形態では、時定数の小さな経路を設けてエレメント毎の時定数ばらつきを低減する。本実施形態の一側面は、第一のコモン配線として機能するバイアス配線を複数設けていることを特徴とする。第一のコモン配線とは、図1において紙面横方向に延びる3本のバイアス配線103のそれぞれを示す。この第一のコモン配線は、所定数のエレメント(複数のエレメントのうちの一部のエレメント)が接続された縦方向に一列に延びるバイアス配線103A同士を繋いでいる。以下、バイアス配線103Aを「枝配線」と呼ぶ。
また、本実施形態は、第一のコモン配線同士を繋ぐ第二のコモン配線を設けている。第二のコモン配線は、図1において縦方向に延びる、エレメントが接続されていない外側の2本の配線のそれぞれを示す。
このように、枝配線同士を繋ぐ複数の第一のコモン配線と、第一のコモン配線同士を繋ぐ第二のコモン配線と、を設けることにより、端子105から遠い位置のエレメントに対しても、接続されているエレメント数が少ないバイアス供給経路を設けることができる。よって、エレメント毎の時定数のばらつきを低減することができる。
また、第一のコモン配線として機能するバイアス配線103は、複数の枝配線の端部同士を繋ぐように設けられていることが好ましい。図1では、紙面横方向に延びる上中下の3つの第一のコモン配線のうち上下の2つがそれに相当する。以下、特に、この枝配線の端部同士を繋ぐ上下2つの第一のコモン配線をそれぞれ端部コモン配線と呼ぶ。この端部コモン配線により、特に、端子105から遠い列に存在する枝配線に接続されているエレメントの時定数を小さくすることができ、さらにエレメント毎の時定数ばらつきが低減する。
また、第二のコモン配線は複数設けられていることが好ましく、特に、図1に示すように、端部コモン配線の端部同士を繋ぐように2本以上設けられていることが好ましい。この場合、端部コモン配線と第二のコモン配線とを含む最外周のバイアス配線103は、電気的に第一の電極同士が接続されている複数のエレメントを包囲するように、閉路となる。最外周のバイアス配線103には、エレメントが接続されていない構成とすることにより、エレメント毎の時定数ばらつきがさらに低減する。
また、第一及び第二のコモン配線は、枝配線よりも、電気抵抗(配線抵抗)が小さいことが好ましい。具体的には、枝配線よりも第一及び第二のコモン配線のほうが太いことが好ましい。本実施形態の場合、図1のような上面図において、枝配線は、複数の信号配線104が延びる方向(紙面縦方向)と平行に延びている。信号配線104は、エレメント毎に出力を取り出すため、端部コモン配線側に近づくほどエレメント毎の信号配線104が複数配置されることになる。よって、エレメント間における枝配線のためのスペース(横方向の幅)が狭くなり、枝配線の配線幅は細くならざるを得ない。
もちろん信号配線104と枝配線との間に絶縁膜を介して、バイアス配線103と信号配線104とが垂直方向に重なるように配置することは可能である。例えば図2(b)のような断面図で見た場合に、信号配線104とバイアス配線103とがメンブレン支持部16等の絶縁体を介して上下に重なるように配置することが考えられる。しかしながら、その場合は、配線間の寄生容量が大きくなってしまう。よって、寄生容量を増加させず、信号配線104が延びる方向と平行に枝配線を設けるためには、枝配線の配線幅は細くならざるをえない。
しかしながら、2次元アレイのエレメント間隔が同じ場合(つまりエレメントが縦横均等に2次元配置されている場合)であっても、第一のコモン配線については、配線幅を太くすることが可能である。これは、縦方向においてエレメントとエレメントとの間に信号配線104が設けられていないためである。また、第二のコモン配線も、枝配線より外側に設け、枝配線よりも太くすることが好ましい。なお、「信号配線104が延びる方向と平行」とは、完全に信号配線104と平行な場合だけでなく、信号配線104と交差しない範囲の実質的に平行とみなせる範囲を含む。
また、本実施形態では、各枝配線を横切り、各枝配線を2分割する第一のコモン配線が形成されていることが好ましい。以下、各枝配線を2分割する第一のコモン配線を、特に中央コモン配線と呼ぶ。具体的に図1では、最外周のバイアス配線103により形成される閉路内を2分割するように中央コモン配線が設けられている。この中央コモン配線を設けることにより、特に各枝配線の中央部分に設けられたエレメントの時定数を小さくでき、エレメントばらつきを低減することができる。
また、この中央コモン配線は、各枝配線の中心を横切り各枝配線を2等分する位置に設けられていることが好ましい。また、この中央コモン配線を設けるために、複数の信号配線104は、接続されている夫々のエレメント101に近いほうの端部コモン配線側に延びるよう形成されることが好ましい。
具体的に、図1では、複数の信号配線104のうち縦方向中心より上側のエレメントの信号配線104はそれぞれ、中央コモン配線側から上側の端部コモン配線側に延びるよう形成される。また、縦方向中心より下側のエレメントの信号配線104はそれぞれ、中央コモン配線側から下側の端部コモン配線側に延びるように形成されている。このような構成により、縦方向の中央には信号配線104が設けられていないため、中央コモン配線と信号配線104とが交差しないため好ましい。
また、端部コモン配線側に引き出された信号配線104が接続される信号配線用の端子(不図示)は、端部コモン配線より内側(閉路内)に設けられることが好ましい。信号配線用の端子は、ワイヤ等によりフレキシブル配線等の配線基板に接続される。あるいは、信号配線用の端子は、基板100を貫通した貫通配線を介して基板100裏面側に設けられる回路基板に接続されてもよい。また、信号配線104は、第一の電極13から基板100上に引き出されるように形成されるのではなく、信号配線104自体を貫通配線とし、第一の電極13の下部から貫通配線で基板100裏面まで引き出されてもよい。
一方、エレメント毎の時定数のばらつきを低減するための本実施形態の別の側面としては、1つのエレメントに対して、バイアス電圧を供給する経路が複数あることを特徴とする。上記した一側面では、複数の第一のコモン配線と、第二のコモン配線と、を設けることにより時定数ばらつきを低減したが、コモン配線以外の手段により、1つのエレメントに対して、複数のバイアス電圧の供給経路を設けてもよい。
また、さらに別の側面として、本発明者は鋭意研究の結果、各エレメントの時定数が、トランスデューサの中心周波数の逆数の10分の1以下であることが好ましいことを見出した。エレメントの中心周波数の逆数とは、エレメントから出力される信号の周期を示す。つまり、時定数が大きいと過渡応答が大きくなるため、エレメントから所定の周期で出力される信号の波形を十分に再現できない。
よって、共通電極が電気的に接続されている各エレメントの時定数は、トランスデューサの中心周波数fの逆数の10分の1以下(つまり、τ≦1/10f)であることが好ましい。また、各エレメントの時定数は、トランスデューサの中心周波数fの逆数の100分の1以下であることがより好ましい。トランスデューサの中心周波数は、典型的には1MHz以上20MHz以下である。ただし、後述の光音響効果により発生する音響波を受信するトランスデューサとしては、1MHz以上10MHz以下であることがより好ましい。
(被検体情報取得装置)
上記第一の実施形態で説明したトランスデューサは、超音波を含む音響波を用いた被検体情報取得装置に適用することができる。被検体からの音響波をトランスデューサで受信し、トランスデューサから出力される電気信号を用いて、光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した被検体情報や、音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報を取得することができる。
図5(a)は、光音響効果を利用した被検体情報取得装置を示したものである。光源2010から発生したパルス光は、レンズ、ミラー、光ファイバー等の光学部材2012を介して、被検体2014に照射される。被検体2014の内部にある光吸収体2016は、パルス光のエネルギーを吸収し、音響波である光音響波2018を発生する。プローブ2022内のトランスデューサ2020は、光音響波2018を受信して電気信号に変換し、信号処理部2024に出力する。信号処理部2024は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部2026へ出力する。データ処理部2026は、入力された信号を用いて被検体情報(光吸収係数などの被検体の光学特性値を反映した特性情報)を画像データとして取得する。なお、ここでは、信号処理部2024とデータ処理部2026を含めて、処理部という。表示部2028は、データ処理部2026から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。なお、図1に示されているバイアス電源102は図5(a)の被検体情報取得装置に含まれていても良く、被検体情報取得装置とは別に用意されてもよい。
図5(b)は、音響波の反射を利用した超音波エコー診断装置等の被検体情報取得装置を示したものである。プローブ内のトランスデューサ2120から被検体2114へ送信された音響波は、反射体2116により反射される。トランスデューサ2120は、反射された音響波2118を受信して電気信号に変換し、信号処理部2124に出力する。信号処理部2124は、入力された電気信号に対して、A/D変換や増幅等の信号処理を行い、データ処理部2126へ出力する。データ処理部2126は、入力された信号を用いて被検体情報(音響インピーダンスの違いを反映した特性情報)を画像データとして取得する。なお、ここでは、信号処理部2124とデータ処理部2126を含めて、処理部という。表示部2128は、データ処理部2126から入力された画像データに基づいて、画像を表示する。なお、図1に示されているバイアス電源102は図5(b)の被検体情報取得装置に含まれていても良く、被検体情報取得装置とは別に用意されてもよい。
なお、プローブは、機械的に走査するものであっても、医師や技師等のユーザが被検体に対して移動させるもの(ハンドヘルド型)であってもよい。また、図5(b)のように反射波を用いる装置の場合、音響波を送信するプローブは受信するプローブと別に設けても良い。
さらに、図5(a)と図5(b)の装置の機能をどちらも兼ね備えた装置とし、被検体の光学特性値を反映した被検体情報と、音響インピーダンスの違いを反映した被検体情報と、をどちらも取得するようにしてもよい。この場合、図5(a)のトランスデューサ2020が光音響波の受信だけでなく、音響波の送信と反射波の受信を行うようにしてもよい。
1 セル
4 第二の電極
13 第一の電極
100 基板
101 エレメント
102 バイアス電源
103 バイアス配線
104 信号配線

Claims (9)

  1. 間隙を隔てて設けられた第一の電極と第二の電極とのうち一方の電極を含む振動膜が振動可能に支持された構造のセルを夫々有する複数のエレメントと、
    前記第一及び第二の電極間に電位差を設けるため前記第一の電極にバイアス電圧を供給し、且つ、前記複数のエレメントの第一の電極同士を電気的に接続するためのバイアス配線と、
    前記複数のエレメント毎に接続される信号配線と、
    を備え、
    前記バイアス配線は、前記複数のエレメントのうちの一部のエレメントの第一の電極がそれぞれ接続された少なくとも二つの枝配線と、前記枝配線同士をそれぞれ繋ぐ少なくとも二つの第一のコモン配線と、を含み、前記二つの枝配線には、それぞれ複数のエレメントが接続されていることを特徴とするトランスデューサ。
  2. 前記バイアス配線は、前記第一のコモン配線同士を接続する第二のコモン配線を更に有することを特徴とする請求項1に記載のトランスデューサ。
  3. 前記二つの第一のコモン配線と、前記第二のコモン配線と、は前記二つの枝配線にそれぞれ接続された複数のエレメントを包囲するように閉路を構成することを特徴とする請求項2に記載のトランスデューサ。
  4. 前記第一のコモン配線は、前記枝配線よりも配線幅が太いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
  5. 前記第二のコモン配線は、前記枝配線よりも配線幅が太いことを特徴とする請求項2または3に記載のトランスデューサ。
  6. 前記複数のエレメントは2次元アレイを構成することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載のトランスデューサ。
  7. 前記複数のエレメントを第一のグループとし、前記第一のグループとは異なる第二のグループの複数のエレメントをさらに有し、
    前記第二のグループの複数のエレメントのそれぞれの第一の電極同士はバイアス配線により電気的に接続されており、
    前記第一のグループのエレメントの第一の電極と前記第二のグループのエレメントの第一の電極とは電気的に接続されていないことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
  8. 前記トランスデューサの中心周波数は1MHz以上10MHz以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のトランスデューサ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のトランスデューサと、処理部と、を有し、
    前記トランスデューサは、被検体からの音響波を受信して電気信号に変換し、
    前記処理部は、前記電気信号を用いて被検体の情報を取得することを特徴とする被検体情報取得装置。
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