JP2012033806A - 電気機械変換装置 - Google Patents

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貴弘 秋山
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Abstract

【課題】電気機械変換エレメント間の静電容量を低減して、エレメント間の信号のクロストークを低減することができる電気機械変換装置を提供する。
【解決手段】電気機械変換装置10では、絶縁部7を介して対向する位置に設けられた第1電極3と第2電極6とを含む電気機械変換エレメント2が半導体基板1の一方の面に形成された絶縁層5上に複数形成されている。第1電極3とは絶縁されて絶縁層5上のエレメント2間に配設された導体配線4と、導体配線4に電圧を印加する第1電圧印加部12と、導体配線4とは極性の異なる電圧を第1電極3に印加する第2電圧印加部13が設けられている。半導体基板1の他方の面の一部は接地されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静電容量型超音波変換装置などの電気機械変換装置及びそれを用いた検体診断装置などに関する。
超音波変換装置は、超音波を送信、受信するものであり、例えば、生体内の腫瘍などを診断する診断装置などに用いられている。近年、マイクロマシンニング技術を用いた静電容量型超音波変換装置(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducers:CMUT)が研究されている。CMUTは、従来の圧電体を利用した超音波変換器と比較して広帯域特性が容易に得られる点で優れている。このCMUTの特徴は、軽量の振動膜を用いて超音波を送信、受信することである。このCMUTを利用し、従来の医用診断モダリティより高精度な超音波診断が有望な技術と注目されつつある。
CMUTにおいて、その寄生容量がS/N比を低下させる要因となる場合がある。こうした劣化を防ぐ手段として、特許文献1に記載の装置では、半導体基板に、電極と基板間にPNジャンクションを形成する為に不純物をドーピングしている。これにより、基板と電極の間のギャップを広げ、低寄生容量化している。また、寄生容量の他に、素子間のクロストークの低減も課題であり、その要因の1つは素子間の静電容量結合である。特許文献2に記載の装置では、複数ある素子のシグナルを基板裏面で取り出す方法として貫通配線基板を用いる構成において、貫通配線部分と基板との間に電位差をつけて反転層を形成し、静電容量結合を低減化している。
米国特許第6836020号 特開2006-190761号公報
静電容量型超音波変換装置として、平滑な基板上に半導体製造プロセスを用いて形成されるものがある。セルを含むエレメントをアレイ化した際に、エレメント間の容量結合によるクロストークが信号のノイズ源となり、送信波形や受信信号の劣化を引き起こすことがある。基板がガラス等の絶縁物であれば電気的クロストークはほぼ皆無である。しかしながら、プロセス温度の制限や加工精度の観点、半導体製造プロセスの自由度の観点から、シリコン(Si)などの半導体ウエハが基板として用いられることが多い。こうした構成では、半導体基板上に絶縁膜を形成し、その上に超音波変換エレメントを作製するが、絶縁膜と半導体基板を介して、エレメント間に容量結合が発生することになる。半導体基板が、使用信号の周波数帯において導体として挙動するのであれば、基板の一部を接地することでエレメント間の電気的容量結合が小さくなる。一方、半導体基板が使用周波数帯で半導体ないし絶縁体として挙動する場合は、エレメント間に容量結合が発生し、クロストークの要因となる。
上記課題に鑑み、本発明の電気機械変換装置では、絶縁部を介して対向する位置に設けられた第1電極と第2電極とを含む電気機械変換エレメントが半導体基板の一方の面に形成された絶縁層上に複数形成されている。そして、前記第1電極とは絶縁されて前記絶縁層上の前記電気機械変換エレメント間に配設された導体配線と、前記導体配線に電圧を印加するための第1電圧印加部と、前記導体配線とは極性の異なる電圧を前記第1電極に印加するための第2電圧印加部を備える。また、前記一方の面とは反対側の前記半導体基板の他方の面の一部が接地されている。
また、上記課題に鑑み、本発明の検体診断装置は、前記電気機械変換装置と、パルス状に光を発生する光源と、前記電気機械変換装置によって検出された信号を処理する信号処理部で構成される。そして、前記光源から発せられて検体にあてられた光による光音響効果によって生じる超音波などの光音響波を前記電気機械変換装置で検出し、該検出された信号を前記信号処理部で処理することで検体内部の物理情報を取得する。
本発明の電気機械変換装置では、隣接する電気機械変換エレメント間に導体配線が配され、この導体配線とエレメントの第1電極とに夫々異なる極性の電圧が印加される。従って、半導体基板内において、第1電極の近傍と導体配線の近傍に夫々極性の異なる電荷が集まり、エレメント間の静電容量が低減される。これにより、エレメント間の信号のクロストークが低減される。
本発明の電気機械変換装置の第1の実施形態の構成を示す図。 第1の実施形態のエレメント間の静電容量の周波数特性を示すグラフ。 本発明の電気機械変換装置の第2の実施形態のエレメントの構成例を示す図。 本発明の電気機械変換装置の第3の実施形態を示す上面構成図。 本発明の電気機械変換装置の第4の実施形態を示す断面構成図。 本発明の検体診断装置の実施形態を示す構成図。
本発明の電気機械変換装置の特徴は、半導体基板の一方の面に形成された絶縁層上において、電気機械変換エレメントの第1電極とは絶縁されて、エレメント間に導体配線が配設され、他方、半導体基板の他方の面の一部が接地されていることにある。こうした構成により、エレメント間の静電容量を低減し、エレメント間の信号のクロストーク(隣のエレメントに信号が乗ってしまうこと)を低減することができる。一般に、静電容量は(誘電率)*(面積)/(ギャップ)で表され、ここでギャップは電極間距離である。よって、ギャップが広がると静電容量が低下する。本発明において、低下させたい静電容量は電気機械変換エレメント間のものである。ギャップは、電極間が真空であれば幾何学的距離と一致し、電極間が誘電体ならば幾何学的距離/比誘電率と一致するが、本発明の様に半導体の場合には、半導体にかかる電場によって変化する。つまり、エレメントの第1電極及び導体配線に夫々印加される逆極性の電圧によって半導体にかかる電場により形成される空乏層や反転層といったものによる電気的ギャップが前記ギャップにあたる。従って、本発明では、上記逆極性の電圧印加によって、少しでも電気的ギャップを広げて、エレメント間の容量を低下しようとする。こうした考え方に基づいて、本発明の電気機械変換装置は、上記課題を解決するための手段のところで述べた様な基本的な構成を有する。
図を用いて本発明の実施形態を以下に説明する。
図1に、本発明の電気機械変換装置の第1の実施形態である超音波変換装置10を示す。図1(a)は上面図であり、(b)は断面図である。図1は、セルを含む電気機械変換エレメント2を1列に3つ並べたものを示しているが、一列でも複数列でも、碁盤の目状でも、千鳥状でも、エレメントの並べ方や数は問わない。この様に、エレメント2は、絶縁部7を介して対向する位置に設けられた下部電極(第1電極)3と上部電極(第2電極)6とを含み、半導体基板1の一方の面に形成された絶縁層5上に複数形成されている。本実施形態では、半導体基板1上に作製された複数の超音波変換用のエレメント2の基板1側の電極3と、エレメント2間に配設された導体配線4に極性の異なる電圧を印加する。ここで、半導体基板1は、一般的な集積回路や光デバイスを作製するために使用されるウエハであってもよく、例えばシリコン(Si)、ガリウム砒素(GaAs)などの材料が挙げられるが、半導体ならば材料は問わない。半導体基板1の抵抗率は高い方が望ましいが、使用する超音波の周波数帯によって異なる。例えば、3MHz程度の周波数を利用する場合には、半導体基板1の抵抗率は1kΩcm以上が望ましい。これは、半導体から絶縁体の挙動を示す周波数帯で半導体基板1を用いるためである。このとき、半導体基板1とエレメント2は半導体基板1上に形成された絶縁層5によって絶縁されている。この絶縁層5の材料は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物などが挙げられるが、絶縁体ならば材料は問わない。
本実施形態の電気機械変換エレメント2は、対向する下部電極3及び上部電極6とこれらの電極間の絶縁部7とで容量を形成する静電容量型である。電極3−電極6間にかける駆動電源(図示しない)からの電圧でエレメント2を駆動する。対向する電極間に交流電場を印加することで超音波が発生し、直流電場を印加させたときに超音波を受けると、電場と容量変化に比例した電流出力が得られる。
隣接する電気機械変換エレメント2間には、少なくとも1つの導体配線4が配されている。導体配線4はエレメント2の周囲を囲う様に配されていることが好ましいが、必ずしも閉じている必要はない。導体配線4の材料は、金属やその化合物、金属と半導体の合金などが挙げられるが、導体であれば材料の種類は問わない。この導体配線4と下部電極3には、接地部に対して極性の異なる電位が印加される。半導体基板1の裏面は接地されている。すなわち、絶縁層5が形成された一方の面とは反対側の半導体基板1の他方の面の一部が接地されている。接地部はオーミック接合されていることが望ましく、接合部のみに局所的な低抵抗部8があることが望ましい。この低抵抗部8はキャリア濃度が大きい領域である。導体配線4と下部電極3に夫々の電圧を印加する第1電圧印加部12と第2電圧印加部13は電源、電池などである。電圧の大きさは、導体配線4の近傍とエレメントの電極3の近傍のうち、少なくともどちらかの半導体基板1の表面に反転層や空乏層ができる程度であればよい。このとき、半導体基板1の上面側において、絶縁層5を挟んだ導体配線直下部分9とエレメント2の電極直下部分11とで異なる電荷が集まる。例えば、導体配線4に正、エレメント2の電極3に負の電圧を印加すると、半導体基板1内部では導体配線近傍に負電荷(電子)が、エレメント近傍には正電荷(正孔)が集まる。
図2に、極性の異なる電圧をかけたとき(図2中(1))及び極性の同じ電圧を印加したとき(図2中(2))の、エレメント(素子)間の静電容量vs周波数の両対数グラフを示す。2つの隣り合うエレメント2間の容量は、異なる極性の電圧印加によって生じる電荷の分布により、エレメント2の電極3間の電気的ギャップが広がり、エレメント2間の静電容量が低下する。
図3は、本発明の第2の実施形態の電気機械変換エレメント2の構造を示す。本実施形態では、図1で説明したエレメント2の有する絶縁部7が少なくとも1つの空隙14を内在し、空隙14の上部に、上下に振動可能な振動膜15が配されている。空隙14は、大気圧より低い圧力であることが望ましい。こうすれば、超音波を発振するときに振動膜15が上下に大きく振動する分、小さな駆動電圧で大きな発生力が生じる。また、超音波を受信するときにも電極(3、6)間距離が大きく変化するため、大きな出力電流が得られる。図3(a)中の空隙14は絶縁部7の内部にあるが、空隙14の下面若しくは上面、またはその両方が、電極(3、6)に対して露出していてもよい(図3(b)の変形例参照)。振動膜15の支持部を除いて、空隙14が絶縁部7の一部となる。この様に、本実施形態の静電容量型の電気機械変換装置では、絶縁部7の一部に少なくとも1つの空隙14が存在し、空隙14の上部に、上下に振動する振動膜15が設けられている。
振動膜15は単層でもよいが複数膜の層でもよい。密度が小さく、剛性が高いものが望ましく、弱い圧縮応力から引張応力を有することが望ましい。材料としては、ダイヤモンド、シリコン(Si)、SiC、SiN、酸化アルミニウム、ポリイミドなどが挙げられるが、材料の種類は問わない。振動膜が導体であれば単層でもよいが、絶縁体若しくは比較的抵抗率の大きい半導体であれば振動膜の一部に電極として導体膜が必要となる。このときの導体膜は、Al、Cu、Ti、Mo、Pt、Crなどの金属若しくはその化合物、その合金、低抵抗の半導体(例えば高濃度不純物を有するSi)等でもよいが、その抵抗率は0.01Ωcm以下であることが望ましい。図3(a)中の振動膜15は絶縁体の上に電極6がある構成であるが、電極6のみの単層でもよい。また、図3(b)に示す様に、電極6の上に、電極6とは異なる材料の層16が1層以上あっても構わない。
1つの電気機械変換エレメント2において、振動膜15は複数あるのが一般的であり、振動膜15上の上部電極6及びそれに対向する下部電極3は各エレメント2の中では夫々導通している。つまり、このエレメント2は電気的には1つのキャパシタであり、機械的には複数の振動膜15と振動膜15の下の空隙14とで構成されている。電極6と電極3は図3(a)ではエレメント2の全面についているが、図3(b)の様に、何れかが各一部(エレメント中の各セル)あってもよい。振動膜15の形状は、円形、矩形、多角形等の何れであっても構わない。
図4に本発明の第3の実施形態を示す。本実施形態では、電気機械変換エレメント2の空隙より上側の上部電極6と、エレメント2間に配設された導体配線4とが電気的に導通している。ここでは、エレメント間容量の低減のための一方の電源とエレメント2を駆動する為の直流電源を共通にしている。つまり、第1電極である下部電極3はエレメント間で電気的に絶縁されており、第2電極である上部電極6はエレメント間で電気的に導通されている。そして、上部電極6と導体配線4が電気的に導通している。
図5に本発明の第4の実施形態を示す。本実施形態では、半導体基板1が1つ以上の貫通配線20を有し、電気機械変換エレメント2の基板側の下部電極3と貫通配線20が導通している。貫通配線20と半導体基板1は絶縁層5により絶縁されている。こうした構成では、超音波受信時の電流信号を半導体基板1の裏面に引き出すことで、エレメント2の配置を最密化できる効果がある。この貫通配線20の材料としては、Al、Cu、Ni、Wなどの金属やSiなどの半導体などが挙げられるが、抵抗率が0.01Ωcm以下であれば材料は問わない。貫通配線20と半導体基板1とを絶縁する絶縁層5は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物などが挙げられるが、絶縁体ならば材料は問わない。
ところで、医療分野では、光イメージング技術の1つとして、Photoacoustic Tomography(PAT:光音響トモグラフィー)が提案されている。PATとは、光源から発生したパルス光を被検体に照射し、検体内で伝播・拡散した光のエネルギーを吸収した検体組織から発生した音響波を複数の個所で検出し、それらの信号を解析処理し、検体内部の光学特性値に関連した情報を可視化する技術である。これにより、検体内の光学特性値分布、特に光エネルギー吸収密度分布を得ることができる。上述した電気機械変換装置は、こうした技術に基づく検体診断装置に用いることができる。図6はその実施形態の構成を示す。光源40から発せられた光41が検体42内部の光吸収体46にあたることによって、光音響効果により光音響波と呼ばれる超音波43などが発せられる。超音波43は液体47を通り、電気機械変換装置10で検出される。電流・電圧増幅された信号は信号線44を介して信号処理部45に送られる。検出された信号は信号処理部45で信号処理され、検体情報が抽出される。
以下、より具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
図1と図3を用いて、本発明の電気機械変換装置の実施例1である超音波変換装置を説明する。図1において、半導体基板1は、例えば、単結晶シリコン基板を用いる。半導体基板1の厚さは、使用する超音波の周波数によって制限されるが、作製工程も勘案し、200乃至400μm程度がよい。半導体基板1上の絶縁層5は、例えば、シリコン酸化膜であり、熱酸化、CVD等で成膜される。この厚さは1μm程度でよい。
電気機械変換エレメント2と導体配線4は、絶縁層5を成膜した半導体基板1上に形成される。エレメント2は、電極(3、6)と絶縁部7で形成される容量型の超音波変換エレメントである。絶縁部7の構成は、図3の様に空隙14を有する構成であると、電気機械変換効率が大きくなる。エレメント2の大きさは様々であるが、数百μm角程度〜数mm角であり、図3に示す様に、その中に複数の空隙14及び振動膜15がある構成である。エレメント2を上から見た形は、正方形、長方形などである。エレメント2の下部電極3は低抵抗の導体であればよいが、金属のスパッタリング等で成膜する場合は、あまり厚いと表面状態が悪くなり、その上に形成されるエレメント2の性能を劣化させる。よって、この場合は100nm以下であることが望ましい。半導体基板1上の絶縁層5が熱酸化膜、電極3を単結晶シリコンとした構成の場合、つまり、SOI(Silicon On Insulator)ウエハを利用した構造であれば、電極3は平滑であるため厚さは問わない。絶縁部7のうち、振動膜15の支持部を除くと、上部電極6と下部電極3の平行平板キャバシタ構造となる。このとき、絶縁部7に求められるのは絶縁耐圧であり、絶縁部の絶縁強度が数MV/cmであることから100V程度のバイアス電圧をかけるため、その厚さは数百nm以上とする。振動膜15の構成主材料は、シリコン(Si)が最良であり、SiN、SiCなどでもよい。厚さは0.5乃至2.0μm程度である。
振動膜15の材料の抵抗値が高い場合には、振動膜15上に導体膜を形成する必要がある。導体膜は振動膜の特性に影響するが、影響を小さく抑えるために厚さは0.1μm程度である。この導体膜の材料は金属、例えばAl、Ti、Cuである。或いは、それらの合金で、AlSi、AlSiCu、TiNなどであってもよい。また、図3(b)の様に電極6の上に層16を形成してもよい。空隙14の深さは0.1乃至0.3μm程度である。空隙14の圧力は、電気機械変換エレメント2の作製工程に依存するところであるが、大気圧の10分の1以下であればよい。空隙14を封止する工程において、例えばプラズマCVDのSiO膜やSiN膜の成膜で封止するのであれば、200Pa以下の空隙14を作製できる。
導体配線4は、電気機械変換エレメント2の周囲を囲む様に、かつ、下部電極3とは絶縁されている様に配される。導体配線4の幅は10乃至100μm程度である。また、例えば、導体配線4がエレメント2間に複数あってもよく、その場合は、例えば、配線幅が10乃至30μmのものが2、3本で構成される。半導体基板1の裏面の一部は接地されており、オーミック接合となる様に、低抵抗部8を不純物、例えば、リン、ホウ素等のドーピングで形成する。
作製された超音波変換装置10の上面図は図1(a)の様になる。例えば、各電気機械変換エレメント2に電圧印加部13から正の電圧を印加し、導体配線4に電圧印加部12から負の電圧を印加したとき、半導体基板1内の電極直下部分11には電子が、導体配線直下部分9には正孔が集中する。このときの印加電圧は、電圧印加部(12、13)の両方とも数V程度でよい。このとき、半導体基板1が半導体から絶縁体の特性を示す周波数帯域において、エレメント2同士の間の半導体基板1内部を通る結合部に、(マイナス)−(プラス)−(マイナス)という電荷分布による電気的ギャップが広がる。電圧印加部(12、13)の印加電圧の極性を逆にしてもよく、その場合は、半導体基板1内の電荷分布は(プラス)−(マイナス)−(プラス)となる。このときの電気機械変換エレメント2間の静電容量を表したグラフが図2の(1)である。一方、半導体基板1が導体の特性を示す周波数帯域では、基板が導体であるため、上記の様な電荷分離は関係なく、絶縁層5のみの容量結合を示す。半導体基板1が裏面で接地されていれば半導体基板1全体が接地されていることになるため、電気機械変換エレメント2間の容量結合は生じない。
本実施例では、半導体基板1上に形成した電気機械変換エレメント2間で、周波数帯域に係らず静電容量が小さくなり、クロストークが低減する効果が奏される。
(実施例2)
本発明の実施例2である電気機械変換装置10を説明する。本実施例は実施例1の変形例である。図5は本実施例を表し、ここでは図1の半導体基板1に、その2つの面を導通する貫通配線20が形成されている。貫通配線20は、半導体基板1とは絶縁層5で絶縁されており、電気機械変換エレメント2の下部電極3と導通している。貫通配線20の材質はCu、Ni、W等の金属である、或いは、低抵抗の半導体等でもよい。
実施例1と同様に電圧印加部(12、13)で電圧を印加すると、半導体基板1内部の貫通配線20の近傍11に電荷集中部が生じる。これにより、半導体基板1が半導体から絶縁体の特性を示す周波数帯域において、エレメント2同士の間の半導体基板1内部を通る結合部で、(マイナス)−(プラス)−(マイナス)という電荷分布による電気的ギャップが広がる。ここでも、電圧印加部(12、13)の印加電圧の極性を逆にしてもよく、その場合は、半導体基板1内の電荷分布は(プラス)−(マイナス)−(プラス)となる。このときの電気機械変換エレメント2間の静電容量を表したグラフが図2の(1)である。
一方、半導体基板1が導体の特性を示す周波数帯域では、基板が導体であるため、上記の様な電荷分離は関係なく、絶縁層5のみの容量結合を示す。このとき、エレメント2の電極3と半導体基板1との間では寄生容量があり、ノイズの要因となる。本実施例の構造では、半導体基板1上に形成した複数のエレメント2間で、貫通配線20が下部電極3に導通している場合でも、クロストークを低減することができる。同時に、電極3−半導体基板1間の寄生容量も低減化できる。その結果、半導体基板1の裏側に各電気機械変換エレメント2の電気信号を取り出すことで、複数のエレメント2を二次元的に、かつ、密に並べられるため、より多数のエレメントの信号取得が可能となる。
(実施例3)
図6を用いて、本発明の実施例3である検体診断装置を説明する。本実施例は、上述した電気機械変換装置10を用いた検体診断装置である。光源40は、例えば、レーザ光の光源であり、光41は例えばパルス状のレーザ光である。光41が検体42内部の光吸収体46にあたることによって、光音響波とよばれる超音波43が発せられる。ここでは、この超音波43の周波数は光吸収体46を構成する物質や個体の大きさによって異なるが、300kHz乃至10MHz程度である。超音波43は、その伝播の良好な液体47を通り、電気機械変換装置10で検出される。液体47は、検体42と音響インピーダンスの整合が取れている。音響インピーダンスの整合が取れているということの意味するところは、2つの異なる物質の音響インピーダンスの値の差が20%以下であることを意味する。電流電圧増幅された信号は、信号線44を介して信号処理部45に送られる。検出された信号は、信号処理部45で信号処理され、検体情報が抽出される。信号処理部45は主に計算機であるが、一部は集積回路になっていてもよく、2次元や3次元のイメージの再構成が可能なものである。
本実施例では、隣接するエレメント2間のクロストークの小さいことで、鮮明な検体の物理情報が多次元で抽出できる。
1…半導体基板、2…電気機械変換エレメント、3…下部電極(第1電極)、4…導体配線、5…絶縁層、6…上部電極(第2電極)、7…絶縁部、8…低抵抗部(半導体基板の他方の面の一部)、10…電気機械変換装置、12…第1電圧印加部、13…第2電圧印加部

Claims (5)

  1. 絶縁部を介して対向する位置に設けられた第1電極と第2電極とを含む電気機械変換エレメントが半導体基板の一方の面に形成された絶縁層上に複数形成された電気機械変換装置であって、
    前記第1電極とは絶縁されて、前記絶縁層上の前記電気機械変換エレメント間に配設された導体配線と、
    前記導体配線に電圧を印加するための第1電圧印加部と、
    前記第1電極に前記導体配線とは極性の異なる電圧を印加するための第2電圧印加部と、
    を有し、
    前記一方の面とは反対側の前記半導体基板の他方の面の一部が接地されている、
    ことを特徴とする電気機械変換装置。
  2. 前記絶縁部の一部に少なくとも1つの空隙が存在し、
    前記空隙の上部に、上下に振動する振動膜が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気機械変換装置。
  3. 前記第1電極は前記電気機械変換エレメント間で電気的に絶縁されており、
    前記第2電極は前記電気機械変換エレメント間で電気的に導通されており、
    前記第2電極と前記導体配線が電気的に導通している、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気機械変換装置。
  4. 前記半導体基板の2つの面を導通する貫通配線が設けられ、
    前記貫通配線は、前記第1電極と電気的に導通し、前記半導体基板と絶縁されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電気機械変換装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載された電気機械変換装置と、
    パルス状に光を発生する光源と、
    前記電気機械変換装置によって検出された信号を処理する信号処理部と、
    で構成され、
    前記光源から発せられて検体にあてられた光による光音響効果によって生じる光音響波を前記電気機械変換装置で検出し、該検出された信号を前記信号処理部で処理することで検体内部の物理情報を取得する、
    ことを特徴とする検体診断装置。
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