JP6614699B2 - 有害生物防除剤の製造方法およびその中間体 - Google Patents

有害生物防除剤の製造方法およびその中間体 Download PDF

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Description

本発明は、一般式(4):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基であり;
は、C1〜C4ハロアルキル基である。)
の化合物の製造方法およびその中間体に関する。
特に、本発明は、上記一般式(4)の化合物の製造中間体である、
一般式(2):
(式中、RおよびRは上記で定義した通りである。)
の化合物、および
一般式(3):
(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
の化合物、および
一般式(5):
(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
の化合物に関する。
上記一般式(4)の化合物は、農薬等としての有害生物防除剤およびその製造中間体として有用である(特許文献1の実施例12、13、17、18、26および27参照)。
特許文献1では、例えば、6−チオシアナトヘキシル−[2,4−ジメチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテルとトリフルオロメチルトリメチルシランをテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドの存在下、反応させることにより、実施例26の生成物を得る方法が開示されている。
この方法では、原料となる6−チオシアナトヘキシル−[2,4−ジメチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテルの工業的な製造における問題点がある。例えば、原料となるボロン酸誘導体の大量使用には特殊な装置が必要であり、また高価な試薬の大量使用、特殊な試薬の使用、過剰量の試薬の使用を要するなどの問題点が挙げられる(特許文献1の実施例21、24、および25参照)。
さらに、先行技術では一般式(4)の化合物の製造に、1−ヨード−2,2,2−トリフルオロエタンおよびp−トルエンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチルなどのハロアルキル化剤が用いられるが、これらのハロアルキル化剤は高価であり、一般式(4)の化合物の工業的製造にあたってその大量使用はコスト面でも大きな課題となる。例えば、特許文献1は製造方法6および7を実施例により具体的に開示している。しかし、これらの製造方法では、最終目的化合物である有害生物防除剤の製造ルートの早い段階で、これらのハロアルキル化剤を用いるハロアルキル化反応を行うため、結果的に高価なハロアルキル化剤の大量使用量が必要になるという問題を有する。
更に一般的に、含硫黄有機化合物は特徴的な悪臭を有する場合が多く、この悪臭の防除も工業的製造に際しては配慮する必要がある。
このように、工業的製造のスケールで反応を行うには様々な問題点がある。
こうした状況から、特殊な設備や複雑な操作などを必要としない簡便な方法であって、安価に一般式(4)の化合物を工業的に製造する方法の確立が切望されていた。
国際公開第2013/157229号公報
本発明の目的は、工業的に好ましい上記一般式(4)の製造中間体を提供することにある。言い換えれば、本発明の目的は、工業生産における大スケールでの製造に適した製造中間体を提供することにある。
本発明の他の目的は、工業的に好ましい上記一般式(4)の化合物の製造方法を提供することにある。
上記のような状況に鑑み、本発明者が上記一般式(4)の化合物の製造方法について鋭意研究した。その結果、意外にも、上記一般式(2)の化合物、一般式(3)および/または一般式(5)の化合物を提供することにより、並びにそれらの化合物を利用する上記一般式(4)の化合物の製造方法を提供することにより、前記課題が解決可能であることが見出された。本発明者はこの知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕一般式(2):
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基である。)で表される化合物。
〔2〕RおよびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子であるか、または
およびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基である、
上記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕Rがフッ素原子であり;
が塩素原子であるか、または
およびRが、それぞれメチルである、
上記〔1〕に記載の化合物。
〔4〕RおよびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子である、
上記〔1〕に記載の化合物。
〔5〕Rがフッ素原子であり;
が塩素原子である、
上記〔1〕に記載の化合物。
〔6〕RおよびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基である、
上記〔1〕に記載の化合物。
〔7〕RおよびRが、それぞれメチルである、
上記〔1〕に記載の化合物。
〔8〕一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)で表される化合物。
〔9〕RおよびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子であり;
がC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基であるか、または
およびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基であり;
がC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である、
上記〔8〕に記載の化合物。
〔10〕Rがフッ素原子であり;
が塩素原子であり;
が5−トリフルオロメチルチオペンチルであるか、または
およびRが、それぞれメチルであり;
が6−トリフルオロメチルチオヘキシルである、
上記〔8〕に記載の化合物。
〔11〕RおよびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子であり;
がC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である、
上記〔8〕に記載の化合物。
〔12〕Rがフッ素原子であり;
が塩素原子であり;
が5−トリフルオロメチルチオペンチルである、
上記〔8〕に記載の化合物。
〔13〕RおよびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基であり;
がC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である、
上記〔8〕に記載の化合物。
〔14〕RおよびRが、それぞれメチルであり;
が6−トリフルオロメチルチオヘキシルである、
上記〔8〕に記載の化合物。
〔15〕一般式(5):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)で表される化合物。
〔16〕RおよびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子であり;
がC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基であるか、または
およびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基であり;
がC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である、
上記〔15〕に記載の化合物。
〔17〕Rがフッ素原子であり;
が塩素原子であり;
が5−トリフルオロメチルチオペンチルであるか、または
およびRが、それぞれメチルであり;
が6−トリフルオロメチルチオヘキシルである、
上記〔15〕に記載の化合物。
〔18〕RおよびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子であり;
がC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である、
上記〔15〕に記載の化合物。
〔19〕Rがフッ素原子であり;
が塩素原子であり;
が5−トリフルオロメチルチオペンチルである、
上記〔15〕に記載の化合物。
〔20〕RおよびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基であり;
がC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である、
上記〔15〕に記載の化合物。
〔21〕RおよびRが、それぞれメチルであり;
が6−トリフルオロメチルチオヘキシルである、
上記〔15〕に記載の化合物。
〔22〕一般式(4):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキル基である。)で表される化合物を製造する方法であって、以下の工程:
(i) 一般式(1):
(式中、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物から、一般式(2):
(式中、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物を製造する工程;
(ii) 前記一般式(2)の化合物を、塩基の存在下で、一般式(a):
(式中、
は上記で定義した通りであり;
Xはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させて、一般式(3):
(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物を製造する工程;および
(iii) 前記一般式(3)の化合物を前記一般式(4)の化合物へ変換する工程、
を含む方法。
〔23〕工程(iii)が、以下の工程:
(iii−a) 一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を、塩基の存在下で、一般式(b):
(式中、
はC1〜C4ハロアルキル基であり;
Yはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させることにより、前記一般式(3)の化合物を前記一般式(4)の化合物へ変換する工程である、
上記〔22〕に記載の方法。
〔24〕工程(iii)が、以下の工程:
(iii−b) 一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を、一般式(5):
(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物に変換させる工程;および
(iii−c) 前記一般式(5)の化合物を、塩基の存在下で、一般式(b):
(式中、
はC1〜C4ハロアルキル基であり;
Yはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させることにより、前記一般式(5)の化合物を前記一般式(4)の化合物へ変換する工程、
を含む、
上記〔22〕に記載の方法。
〔25〕RおよびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子であるか、または
およびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基である、
上記〔23〕または〔24〕に記載の方法。
〔26〕Rがフッ素原子であり;
が塩素原子であり;
が5−トリフルオロメチルチオペンチルであり;
が2,2,2−トリフルオロエチルであり;
Xが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであり;
Yが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであるか、または
およびRが、それぞれメチルであり;
が6−トリフルオロメチルチオヘキシルであり;
が2,2,2−トリフルオロエチルであり;
Xが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであり;
Yが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシである、
上記〔23〕または〔24〕に記載の方法。
〔27〕RおよびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子である、
上記〔23〕または〔24〕に記載の方法。
〔28〕Rがフッ素原子であり;
が塩素原子であり;
が5−トリフルオロメチルチオペンチルであり;
が2,2,2−トリフルオロエチルであり;
Xが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであり;
Yが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシである、
上記〔23〕または〔24〕に記載の方法。
〔29〕RおよびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基である;
上記〔23〕または〔24〕に記載の方法。
〔30〕RおよびRが、それぞれメチルであり;
が6−トリフルオロメチルチオヘキシルであり;
が2,2,2−トリフルオロエチルであり;
Xが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであり;
Yが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシである、
上記〔23〕または〔24〕に記載の方法。
〔31〕一般式(1):
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基である。)
で表される化合物を酸化することを特徴とする、一般式(2):
(式中、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物を製造する方法。
〔32〕一般式(2):
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基である。)
で表される化合物を、塩基の存在下で、一般式(a):
(式中、
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基であり;
Xはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させることを特徴とする、一般式(3):
(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物を製造する方法。
〔33〕一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を、塩基の存在下で、一般式(b):
(式中、
はC1〜C4ハロアルキル基であり;
Yはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させることを特徴とする、一般式(4):
(式中、R、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物を製造する方法。
〔34〕一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を還元することを特徴とする、
一般式(5):
(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物を製造する方法。
〔35〕一般式(5):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を、塩基の存在下で、一般式(b):
(式中、
はC1〜C4ハロアルキル基であり;
Yはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させることを特徴とする、一般式(4):
(式中、R、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物を製造する方法。
本発明によれば、有害生物防除剤およびその製造中間体として有用である一般式(4)の化合物の新規な製造中間体が提供される。
さらに、本発明によれば、有害生物防除剤およびその製造中間体として有用である一般式(4)の化合物の新規な製造方法が提供される。
さらに本発明によれば、本発明の一般式(2)、(3)および/または(5)の化合物を用いることにより、有害生物防除剤製造ルートの後の段階でハロアルキル化反応が行われるため、高価なハロアルキル化剤の使用量を大幅に減少させることができ、そして製造コストを著しく低減することができたのである。したがって、本発明は経済的であり、高い工業的な利用価値を有する。
また、本発明の実施例1で製造されるビス(2,4−ジメチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドは、ほとんど悪臭を有さない。さらに、ビス(2,4−ジメチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドは十分に融点が高い固体である。高い融点は、その化合物が保存に好ましいこと、並びに単離方法および/または精製方法として再結晶という選択肢が提供されること意味する。本発明では、ビス(2,4−ジメチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドは、このような複数の利点を同時に持つことが見出されたのである。本発明の実施例6で製造されるビス(2−クロロ−4−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドもまた同様の性質と利点を有する。したがって、ビス(2,4−ジメチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドおよびビス(2−クロロ−4−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドに代表される一般式(2)の化合物は、工業的に有用である。
本発明によれば、一般式(4)の化合物の製造中間体となる一般式(2)、(3)および(5)の化合物は、特殊な反応条件や特殊な高価な試薬を使うことなく、収率よく製造できるため、工業的製造に適しており、従ってこれらの中間体を用いることにより一般式(4)の化合物の工業的製造にもコスト面等において大きなメリットとなる。
本発明が提供されたときに、一般式(2)、(3)および(5)の化合物およびそれらを用いる製造方法が、初めて現実のものとなったのである。さらに、本発明により、一般式(2)、(3)および(5)の化合物およびそれらを用いる製造方法の工業的な利用価値が、初めて現実化されたのである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書において用いられる用語および記号について以下に説明する。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。生成物の有用性等の観点から、ハロゲン原子の好ましい例としては、フッ素原子および塩素原子が挙げられる。
「Ca〜Cb」とは炭素原子数がa〜b個であることを意味する。例えば、「C1〜C4アルキル基」の「C1〜C4」とは、アルキル基の炭素原子数が1〜4であることを意味する。
C1〜C4アルキル基とは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。C1〜C4アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルが挙げられる。生成物の有用性等の観点から、C1〜C4アルキル基の好ましい例としては、メチルが挙げられる。
C2〜C10アルキル基とは、2〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味する。C2〜C10アルキル基としては、例えば、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、へキシル、へプチル、オクチル、ノニル、デカニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
C1〜C4ハロアルキル基とは、同一または異なる1〜9のハロゲン原子により置換された炭素原子数が1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を意味する(ここで、ハロゲン原子は上記と同じ意味を有する。)。C1〜C4ハロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3−フルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル、2,2,3,3,4,4,4−へプタフルオロブチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
C1〜C4ハロアルキルチオ基とは、(C1〜C4ハロアルキル)−S−基を意味する(ここで、C1〜C4ハロアルキルは上記と同じ意味を有する。)。C1〜C4ハロアルキルチオ基としては、例えば、フルオロメチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、クロロジフルオロメチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、3−フルオロプロピルチオ、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルチオ、ヘプタフルオロプロピルチオ、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルチオ、2,2,3,3,4,4,4−へプタフルオロブチルチオ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
C1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基とは、C1〜C4ハロアルキルチオ基により置換されたC2〜C10アルキル基を意味する(ここで、C1〜C4ハロアルキルチオ基およびC2〜C10アルキル基は上記と同じ意味を有する。)。C1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基としては、例えば、2−トリフルオロメチルチオエチル、3−トリフルオロメチルチオプロピル、4−トリフルオロメチルチオブチル、5−ジフルオロメチルチオペンチル、5−トリフルオロメチルチオペンチル、5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)ペンチル、5−ペンタフルオロエチルチオペンチル、5−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルチオ)ペンチル、5−(2,2,3,3,4,4,4−へプタフルオロブチルチオ)ペンチル、6−ジフルオロメチルチオヘキシル、6−トリフルオロメチルチオヘキシル、6−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)ヘキシル、6−ペンタフルオロエチルチオヘキシル、6−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルチオ)ヘキシル、6−(2,2,3,3,4,4,4−へプタフルオロブチルチオ)ヘキシル、7−トリフルオロメチルチオへプチル、8−トリフルオロメチルチオオクチル、9−トリフルオロメチルチオノニル、10−トリフルオロメチルチオデカニル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。生成物の有用性等の観点から、C1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基の好ましい例としては、5−トリフルオロメチルチオペンチルおよび6−トリフルオロメチルチオヘキシルが挙げられる。
C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基とは、(C1〜C4アルキル)−SO−O−基を意味する(ここで、C1〜C4アルキルは上記と同じ意味を有する。)。C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基としては、例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基とは、(C1〜Cハロアルキル)−SO−O−基を意味する(ここで、C1〜C4ハロアルキルは上記と同じ意味を有する。)。C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基としては、例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
C1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基とは、C1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニル−SO−O−基を意味する(ここで、C1〜C4アルキルおよびハロゲン原子は上記と同じ意味を有する。)。C1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基としては、例えば、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシおよびp−クロロベンゼンスルホニルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明におけるRとしては、例えば、ハロゲン原子及びC1〜C4アルキル基が挙げられる。
生成物の有用性等の観点から、一つの実施態様では、本発明における好ましいRとしては、例えば、ハロゲン原子、より好ましくはフッ素原子が挙げられる。
上記と同様の観点から、別の実施態様では、本発明における好ましいRとしては、例えば、C1〜C4アルキル基、より好ましくはメチルが挙げられる。
本発明におけるRとしては、例えば、ハロゲン原子及びC1〜C4アルキル基が挙げられる。
生成物の有用性等の観点から、一つの実施態様では、本発明における好ましいRとしては、例えば、ハロゲン原子、より好ましくは塩素原子が挙げられる。
上記と同様の観点から、別の実施態様では、本発明における好ましいRとしては、例えば、C1〜C4アルキル基、より好ましくはメチルが挙げられる。
本発明におけるRとしては、例えば、C1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基が挙げられる。
生成物の有用性等の観点から、一つの実施態様では、本発明における好ましいRとしては、例えば、5−トリフルオロメチルチオペンチルが挙げられる。
上記と同様の観点から、別の実施態様では、本発明における好ましいRとしては、例えば、6−トリフルオロメチルチオヘキシルが挙げられる。
本発明におけるRとしては、例えば、C1〜C4ハロアルキル基が挙げられる。
生成物の有用性等の観点から、本発明における好ましいRとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルが挙げられる。
本発明におけるXとしては、例えば、ハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、並びにC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基が挙げられる。
反応性、収率および経済効率等の観点から、本発明における好ましいXとしては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシおよびp−クロロベンゼンスルホニルオキシ、
より好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシおよびp−クロロベンゼンスルホニルオキシ、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、
さらに好ましくは臭素原子およびヨウ素原子、
特に好ましくは臭素原子が挙げられる。
本発明におけるYとしては、例えば、ハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、並びにC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基が挙げられる。
反応性、収率および経済効率等の観点から、本発明における好ましいXとしては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシおよびp−クロロベンゼンスルホニルオキシ、
より好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシおよびp−クロロベンゼンスルホニルオキシ、さらに好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、
さらに好ましくは臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、
さらに好ましくはヨウ素原子、p−トルエンスルホニルオキシ、
特に好ましくはp−トルエンスルホニルオキシが挙げられる。
(工程(i))
まず、工程(i)について説明する。
工程(i)は、一般式(1):
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基である。)で表される化合物から、一般式(2):
(式中、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物を製造する工程である。
ここで、工程(i)は、一般式(1)の化合物を酸化することにより、一般式(2)の化合物を製造する工程である。言い換えれば、工程(i)は、一般式(1)の化合物を酸化剤と反応させることにより、一般式(2)の化合物を製造する工程である。
(原料;一般式(1)の化合物)
本発明方法の原料として、一般式(1)の化合物を用いる。一般式(1)の化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法により製造することができる化合物である。一般式(1)の化合物としては、具体的には例えば、
2,4−ジフルオロ−5−メルカプトフェノール、
2,4−ジクロロ−5−メルカプトフェノール、
4−クロロ−2−フルオロ−5−メルカプトフェノール、
2−クロロ−5−メルカプト−4−メチルフェノール、
2−フルオロ−5−メルカプト−4−メチルフェノール、
5−メルカプト−2,4−ジメチルフェノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(工程(i)の酸化剤)
工程(i)で使用される酸化剤は、反応が進行する限りは、いずれの酸化剤でもよい。工程(i)で使用できる酸化剤としては、例えば、過酸化水素;過酢酸およびm−クロロ過安息香酸等の有機過酸;酸素および空気;次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩;塩素酸ナトリウム等の塩素酸塩;塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン;二酸化マンガン等の金属酸化物;過マンガン酸カリウム;フェリシアン化カリウム(ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム);塩化鉄(III);ジメチルスホキシド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。反応性、選択性および経済効率等の観点から、工程(i)の酸化剤の好ましい例としては、過酸化水素および酸素が挙げられる。
工程(i)の酸化剤は、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(i)の酸化剤の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(i)の酸化剤の形態は、当業者により適切に選択されることができる。工程(i)の酸化剤の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。一般式(1)の化合物1モルに対して、0.5〜5モル、好ましくは0.5〜2モル、より好ましくは0.5〜1.5モルの範囲を例示できるが、工程(i)の酸化剤の使用量は、当業者により適切に調整されることができる。
工程(i)の酸化剤として過酸化水素を用いるときは、過酸化水素の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。危険性と経済効率を考慮して、過酸化水素の形態としては、例えば、5%以上40%未満の濃度の水溶液、好ましくは10%以上35%以下の濃度の水溶液が挙げられる。
工程(i)の酸化剤として過酸化水素を用いるときは、過酸化水素の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(1)の化合物1モルに対して、0.5〜1.5モル、好ましくは0.5〜1.0モル、より好ましくは0.5〜0.6モルの範囲を例示できる。
工程(i)の酸化剤として過酸化水素を用いるときは、反応を触媒量のヨウ化物類の存在下で行ってもよい。ヨウ化物類は用いなくてもよい。ヨウ化物類を用いるか否かは、当業者により適切に決定されることができる。ヨウ化物類としては、例えば、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウム、好ましくはヨウ化ナトリウムが挙げられる。ヨウ化物類の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。ヨウ化物類の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(1)の化合物1モルに対して、0(ゼロ)〜0.1モル、好ましくは0〜0.05モル、より好ましくは0〜0.03モルの範囲を例示できる。ヨウ化物類を用いる場合は、一般式(1)の化合物1モルに対して、0.001〜0.1モル、好ましくは0.001〜0.05モル、より好ましくは0.005〜0.03モルの範囲もまた例示できる。
工程(i)の酸化剤として酸素を用いるときは、空気を用いることができる。つまり、空気酸化が使用できる。
(工程(i)の溶媒)
反応の円滑な進行等の観点から、工程(i)の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程(i)の溶媒は、工程(i)の反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。
工程(i)の溶媒としては、例えば、
水、
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等)、
エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、
ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、
アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等)、
アルキル尿素類(例えば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、
スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、
スルホン類(例えば、スルホラン等)、
ケトン類(例えば、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等)、
カルボン酸エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、
カルボン酸類(例えば、酢酸等)、
炭酸エステル類(例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、
芳香族炭化水素誘導体類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン等)、
ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン等)、
および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性および経済効率等の観点から、工程(i)の溶媒の好ましい例としては、水、アルコール類、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類、ケトン類、カルボン酸エステル類、カルボン酸類、芳香族炭化水素誘導体類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。工程(i)の溶媒の好ましい具体的な例としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルスルホキシド、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
工程(i)の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が充分にできる限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(1)の化合物1モルに対して、0.01〜10.0L(リットル)、好ましくは0.1〜5.0Lの範囲を例示できる。2種以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2種以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
工程(i)の酸化剤として過酸化水素または酸素などを用いるときは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属の水溶液中において一般式(1)の化合物をナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩として、この水溶液中で反応を行うことができる。
(工程(i)の反応温度)
工程(i)の反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、−30℃(マイナス30℃)〜160℃、好ましくは−10℃〜80℃の範囲を例示できる。
(工程(i)の反応時間)
工程(i)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、0.5時間〜48時間、好ましくは0.5時間〜24時間、より好ましくは1時間〜12時間の範囲を例示できる。
工程(i)関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(社)日本化学会編、「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応 III」、第1736〜1738頁(1978年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社
(社)日本化学会編、「実験化学講座24 有機合成VI」第4版、第330〜331頁(1992年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社
(工程(i)の生成物;一般式(2)の化合物)
工程(i)で得られる一般式(2)の化合物としては、具体的には例えば、
ビス(2,4−ジフルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、
ビス(2,4−ジクロロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、
ビス(2−クロロ−4−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、
ビス(4−フルオロ−2−メチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、
ビス(4−クロロ−2−メチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、
ビス(2,4−ジメチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、ビス(2,4−ジフルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドは、5,5’−ジチオビス(2,4−ジフルオロフェノール)とも呼ばれる。
ビス(2,4−ジクロロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドは、5,5’−ジチオビス(2,4−ジクロロフェノール)とも呼ばれる。
ビス(2−クロロ−4−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドは、5,5’−ジチオビス(4−クロロ−2−フルオロフェノール)とも呼ばれる。
ビス(4−フルオロ−2−メチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドは、5,5’−ジチオビス(2−フルオロ−4−メチルフェノール)とも呼ばれる。
ビス(4−クロロ−2−メチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドは、5,5’−ジチオビス(2−クロロ−4−メチルフェノール)とも呼ばれる。
ビス(2,4−ジメチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドは、5,5’−ジチオビス(2,4−ジメチルフェノール)とも呼ばれる。
工程(i)の生成物である一般式(2)の化合物は、工程(ii)の原料として使用することができる。工程(i)で得られる一般式(2)の化合物は、単離して次工程に用いてもよく、さらに精製して次工程に用いてもよく、または単離することなく次工程に用いてもよい。
(工程(ii))
次に、工程(ii)について説明する。
工程(ii)は、一般式(2):
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基である。)
で表される化合物を、塩基の存在下で、一般式(a):
(式中、RはC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基であり;
Xはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させて、一般式(3):
(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物を製造する工程である。
(一般式(a)の化合物)
一般式(a)の化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる化合物である。一般式(a)の化合物としては、具体的には例えば、
1−クロロ−5−トリフルオロメチルチオペンタン、
1−ブロモ−5−トリフルオロメチルチオペンタン、
1−ヨード−5−トリフルオロメチルチオペンタン、
1−メタンスルホニルオキシ−5−トリフルオロメチルチオペンタン、
1−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5−トリフルオロメチルチオペンタン、
1−(p−トルエンスルホニルオキシ)−5−トリフルオロメチルチオペンタン、
1−クロロ−6−トリフルオロメチルチオヘキサン、
1−ブロモ−6−トリフルオロメチルチオヘキサン、
1−ヨード−6−トリフルオロメチルチオヘキサン、
1−メタンスルホニルオキシ−6−トリフルオロメチルチオヘキサン、
1−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−6−トリフルオロメチルチオヘキサン、
1−(p−トルエンスルホニルオキシ)−6−トリフルオロメチルチオヘキサン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(a)の化合物の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(2)の化合物1モルに対して、2.0〜3.0モル、好ましくは2.0〜2.4モルの範囲を例示できる。
(工程(ii)の塩基)
工程(ii)で使用される塩基は、反応が進行する限りは、いずれの塩基でもよい。工程(ii)で使用できる塩基としては、例えば、
アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、
アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等)、
アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、
アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)、
アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、
アルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム等)、
リン酸塩(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム等)、
リン酸水素塩(例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素カルシウム等)、
金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等)、
金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)および
アミン類(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデカ−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、N,N‐ジメチルアニリン、N,N‐ジエチルアニリン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン、2,6−ルチジン等)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率および経済効率等の観点から、工程(ii)の塩基の好ましい例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属炭酸水素塩、より好ましくはアルカリ金属水酸化物およびアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。工程(ii)の塩基の好ましい具体的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウム、より好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムが挙げられる。
工程(ii)の塩基は、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(ii)の塩基の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(ii)の塩基の形態は、当業者により適切に選択されることができる。
工程(ii)の塩基の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(2)の化合物1モルに対して、0.5〜3.0モル、好ましくは0.5〜2.4モルの範囲を例示できる。
(工程(ii)の相間移動触媒)
工程(ii)の反応は、相間移動触媒の存在下で行ってもよい。相間移動触媒は用いなくてもよい。相間移動触媒を用いるか否かは、当業者により適切に決定されることができる。相間移動触媒としては、例えば、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、クラウンエーテル類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムブロミド、ベンジルラウリルジメチルアンモニウムクロリド(ベンジルドデシルジメチルアンモニウムクロリド)、ベンジルラウリルジメチルアンモニウムブロミド(ベンジルドデシルジメチルアンモニウムブロミド)、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド(テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド)、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド(テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド(ベンジルオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド)、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムブロミド(ベンジルオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド)等が挙げられる。
四級ホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラオクチルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムブロミド等が挙げられる。
クラウンエーテル類としては、例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6等が挙げられる。
反応性、収率および経済効率等の観点から、相間移動触媒は、好ましくは四級アンモニウム塩、より好ましくはテトラブチルアンモニウムブロミドまたはテトラブチルアンモニウムヨージドである。
相間移動触媒は、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。相間移動触媒の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。相間移動触媒の形態は、当業者により適切に選択されることができる。
工程(ii)の相間移動触媒の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(2)の化合物1モルに対して、0(ゼロ)〜0.3モルの範囲を例示できるが、工程(ii)の相間移動触媒の使用量は、当業者により適切に調整されることができる。
(工程(ii)の溶媒)
反応の円滑な進行等の観点から、工程(ii)の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程(ii)の溶媒は、工程(ii)の反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。工程(ii)の溶媒としては、例えば、
アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等)、
アルキル尿素類(例えば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、
スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、
スルホン類(例えば、スルホラン等)、
エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、
ケトン類(例えば、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等)、
カルボン酸エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、
ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等)、
芳香族炭化水素誘導体類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン等)、
ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン等)、
水、
および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性および経済効率等の観点から、工程(ii)の溶媒の好ましい例としては、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素誘導体類、水、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。工程(ii)の溶媒の好ましい具体的な例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、水、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
工程(ii)の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が充分にできる限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(2)の化合物1モルに対して、0.01〜10.0L(リットル)、好ましくは0.1〜5.0Lの範囲を例示できる。2種以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2種以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
(工程(ii)の反応温度)
工程(ii)の反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、−10℃(マイナス10℃)〜160℃、好ましくは10℃〜120℃の範囲を例示できる。
(工程(ii)の反応時間)
工程(ii)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、0.5時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲を例示できる。
(工程(ii)の生成物;一般式(3)の化合物)
工程(ii)で得られる一般式(3)の化合物としては、具体的には例えば、
ビス[2,4−ジフルオロ−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[2,4−ジフルオロ−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[2,4−ジクロロ−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[2,4−ジクロロ−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[2−クロロ−4−フルオロ−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[2−クロロ−4−フルオロ−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[4−フルオロ−2−メチル−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[4−フルオロ−2−メチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[4−クロロ−2−メチル−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[4−クロロ−2−メチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[2,4−ジメチル−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)フェニル]ジスルフィド、
ビス[2,4−ジメチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(ii)の生成物である一般式(3)の化合物は、工程(iii)の原料として使用することができる。すなわち、工程(ii)の生成物である一般式(3)の化合物は、工程(iii−a)および工程(iii−b)の原料として使用することができる。工程(ii)で得られる一般式(3)の化合物は、単離して次工程に用いてもよく、さらに精製して次工程に用いてもよく、または単離することなく次工程に用いてもよい。
(工程(iii))
次に、工程(iii)について説明する。
工程(iii)は、一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を一般式(4):
(式中、
、RおよびRは上記で定義した通りであり;
は、C1〜C4ハロアルキル基である。)
で表される化合物へ変換する工程である。
ここで、工程(iii)は、工程(iii−a)であるか、または工程(iii−b)および工程(iii−c)を包む。
一つの実施態様では、工程(iii)が、以下の工程:
(iii−a) 一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を、塩基の存在下で、一般式(b):
(式中、
はC1〜C4ハロアルキル基であり;
Yはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させることにより、前記一般式(3)の化合物を前記一般式(4)の化合物へ変換する工程である。
別の実施態様では、工程(iii)が、以下の工程:
(iii−b) 一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を、一般式(5):
(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物に変換させる工程;および
(iii−c) 前記一般式(5)の化合物を、塩基の存在下で、一般式(b):
(式中、
はC1〜C4ハロアルキル基であり;
Yはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させることにより、前記一般式(5)の化合物を前記一般式(4)の化合物へ変換する工程、
を含む。具体的には、例えば、工程(iii)では、工程(iii−b)が行われた後、工程(iii−c)が行われる。
(工程(iii−a))
次に、工程(iii−a)について説明する。
工程(iii−a)は、一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を、塩基の存在下で、一般式(b):
(式中、
はC1〜C4ハロアルキル基であり;
Yはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させることにより、前記一般式(3)の化合物を一般式(4):
(式中、R、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物へ変換する工程である。
(工程(iii−a)の一般式(b)の化合物)
工程(iii−a)の一般式(b)の化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる化合物である。工程(iii−a)の一般式(b)化合物としては、具体的には例えば、
1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、
1−ブロモ−2,2,2−トリフルオロエタン、
1−ヨード−2,2,2−トリフルオロエタン、
メタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル、
トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル、
p−トルエンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(iii−a)の一般式(b)の化合物の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1モルに対して、2.0〜3.0モル、好ましくは2.0〜2.4モルの範囲を例示できる。
(工程(iii−a)の塩基)
工程(iii−a)で使用される塩基は、反応が進行する限りは、いずれの塩基でもよい。工程(iii−a)で使用できる塩基としては、例えば、
アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、
アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等)、
アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、
アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)、
アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、
アルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム等)、
リン酸塩(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム等)、
リン酸水素塩(例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素カルシウム等)、
金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等)、
金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)、
アミン類(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデカ−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、N,N‐ジメチルアニリン、N,N‐ジエチルアニリン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン、2,6−ルチジン等)および
後述するラジカル開始剤のうち塩基としても適切なラジカル開始剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、ロンガリット(商品名)(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート2水和物)等)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率および経済効率等の観点から、工程(iii−a)の塩基の好ましい例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属炭酸水素塩が挙げられる。工程(iii−a)の塩基の好ましい具体的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムが挙げられる。
工程(iii−a)の塩基は、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(iii−a)の塩基の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(iii−a)の塩基の形態は、当業者により適切に選択されることができる。
工程(iii−a)の塩基の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1モルに対して、0.5〜3.0モル、好ましくは0.5〜2.4モル、より好ましくは1.0〜2.4モルの範囲を例示できる。
(工程(iii−a)のラジカル開始剤)
工程(iii−a)の反応は、ラジカル開始剤の存在下または非存在下で、好ましくはラジカル開始剤の存在下で行われる。しかしながら、工程(iii−a)においてラジカル開始剤を用いるか否かは、当業者により適切に決定されることができる。工程(iii−a)で使用されるラジカル開始剤は、反応が進行する限りは、いずれのラジカル開始剤でもよい。工程(iii−a)で使用できるラジカル開始剤としては、例えば、亜硫酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ロンガリット(商品名)(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート2水和物)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、当該ラジカル開始剤は還元剤と理解してもよい。ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート2水和物は、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム2水和物と同じ意味を有する。収率、反応性、入手性、価格および取り扱いの容易さ等の観点から、工程(iii−a)で使用されるラジカル開始剤の好ましい例としては、ロンガリットが挙げられる。
工程(iii−a)のラジカル開始剤は、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(iii−a)のラジカル開始剤の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(iii−a)のラジカル開始剤の形態は、当業者により適切に選択されることができる。工程(iii−a)のラジカル開始剤の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1モルに対して、0(ゼロ)〜6.0モル、好ましくは0.01〜6.0モル、より好ましくは0.1〜4.0モル、さらに好ましくは1.0〜4.0モルの範囲を例示できるが、工程(iii−a)のラジカル開始剤の使用量は、当業者により適切に調整されることができる。工程(iii−a)の上記のような適切なラジカル開始剤は、上記の工程(iii−a)の塩基を兼ねて使用することもできる。工程(iii−a)のラジカル開始剤と上記の工程(iii−a)の塩基は、併用してもよい。
(工程(iii−a)の溶媒)
反応の円滑な進行等の観点から、工程(iii−a)の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程(iii−a)の溶媒は、工程(iii−a)の反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。工程(iii−a)の溶媒としては、例えば、
アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等)、
アルキル尿素類(例えば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、
スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、
スルホン類(例えば、スルホラン等)、
エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、
ケトン類(例えば、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等)、
カルボン酸エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、
ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等)、
芳香族炭化水素誘導体類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン等)、
ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン等)、
水、
および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性および経済効率等の観点から、工程(iii−a)の溶媒の好ましい例としては、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素誘導体類、水、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。工程(iii−a)の溶媒の好ましい具体的な例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、水、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
工程(iii−a)の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が充分にできる限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1モルに対して、0.01〜10.0L(リットル)、好ましくは0.1〜5.0Lの範囲を例示できる。2種以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2種以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
(工程(iii−a)の反応温度)
工程(iii−a)の反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、−10℃(マイナス10℃)〜160℃、好ましくは10℃〜120℃の範囲を例示できる。
(工程(iii−a)の反応時間)
工程(iii−a)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、0.5時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲を例示できる。
(工程(iii−a)の生成物;一般式(4)の化合物)
工程(iii−a)で得られる一般式(4)の化合物としては、具体的には例えば、
5−トリフルオロメチルチオペンチル−[2,4−ジフルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[2,4−ジフルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
5−トリフルオロメチルチオペンチル−[2,4−ジクロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[2,4−ジクロロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
5−トリフルオロメチルチオペンチル−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
5−トリフルオロメチルチオペンチル−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[2−フルオロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
5−トリフルオロメチルチオペンチル−[2−クロロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[2−クロロ−4−メチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
5−トリフルオロメチルチオペンチル−[2,4−ジメチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル、
6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[2,4−ジメチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(工程(iii−b))
次に、工程(iii−b)について説明する。
工程(iii−b)は、一般式(3):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を、一般式(5):
(式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物に変換させる工程である。
ここで、工程(iii−b)は、一般式(3)の化合物を還元することにより、一般式(5)の化合物を製造する工程である。言い換えれば、工程(iii−b)は、一般式(3)の化合物を還元剤と反応させることにより、一般式(5)の化合物を製造する工程である。
(工程(iii−b)の還元剤)
工程(iii−b)で使用される還元剤は、反応が進行する限りは、いずれの還元剤でもよい。工程(iii−b)で使用できる還元剤としては、例えば、金属(例えば、亜鉛、鉄、スズ等);水素化ホウ素化合物(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ボラン・テトラヒドロフラン錯体等);水素化アルミニウム化合物(例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等);トリフェニルホスフィン−含水アルコール;3級ホスファイト(例えば、トリフェニルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト等);ヒドラジン水和物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。収率、反応性、入手性、価格および取り扱いの容易さ等の観点から、工程(iii−b)の還元剤の好ましい例としては、金属および水素化ホウ素化合物、より好ましくは金属が挙げられる。工程(iii−b)の還元剤の好ましい具体的な例としては、亜鉛、鉄、スズ、水素化ホウ素ナトリウム、より好ましくは亜鉛、鉄、スズが挙げられる。
工程(iii−b)の還元剤は、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(iii−b)の還元剤の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(iii−b)の還元剤の形態は、当業者により適切に選択されることができる。工程(iii−b)の還元剤の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。一般式(3)の化合物1モルに対して、0.25〜10モル、好ましくは0.25〜2モル、好ましくは0.5〜1.5モルの範囲を例示できるが、工程(iii−b)の還元剤の使用量は、当業者により適切に調整されることができる。
工程(iii−b)の還元剤として金属(例えば、亜鉛、鉄、スズ等)を用いるときは、金属の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。しかし、反応性、入手性および取り扱いの容易さ等の観点から、粉状の金属が好ましい。したがって、工程(iii−b)の還元剤としての金属の好ましい具体的な例としては、亜鉛粉末、鉄粉、スズ粉末等が挙げられる。工程(iii−b)の還元剤として金属(例えば、亜鉛、鉄、スズ等)を用いるときは、金属の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1モルに対して、1.0〜10モル、好ましくは1.0〜3.0モル、より好ましくは1.0〜2.0モルの範囲を例示できる。
工程(iii−b)の還元剤として金属(例えば、亜鉛、鉄、スズ等)を用いるときは、好ましくは酸の存在下で反応が行われる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、酢酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。収率、反応性、入手性、価格および取り扱いの容易さ等の観点から、好ましい酸の例としては塩酸および硫酸、より好ましくは塩酸が挙げられる。酸の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。酸の形態としては、例えば、酸のみの液体若しくは固体、または水溶液若しくは水以外の後述する工程(iii−b)の溶媒の溶液等が挙げられる。入手性、価格および取り扱いの容易さ等の観点から、酸の形態の好ましい例としては、酸のみの液体(例えば、濃硫酸など)または5〜50%の水溶液(例えば、濃塩酸(すなわち35%塩酸)など)が挙げられるが、酸の形態は、当業者により適切に選択されることができる。酸の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1モルに対して、1〜100モル、好ましくは1〜30モルの範囲を例示できるが、酸の使用量は、当業者により適切に調整されることができる。
工程(iii−b)の還元剤として金属(例えば、亜鉛、鉄、スズ等)を用いるときは、水および/またはアルコールを使用することが好ましい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。水および/またはアルコールは、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。水および/またはアルコールの使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1モルに対して、1〜50モルの範囲を例示できるが、水および/またはアルコールの使用量は、当業者により適切に調整されることができる。加えて、後述する溶媒を兼ねて水および/またはアルコールを使用するときは、ここに例示の範囲と関係なく、大過剰量の水および/またはアルコールを用いてもよい。
工程(iii−b)の還元剤として水素化ホウ素ナトリウム等を用いるときは、アルコール等を使用することが好ましい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルコールは、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。アルコールの使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1モルに対して、1〜10モルの範囲を例示できるが、アルコールの使用量は、当業者により適切に調整されることができる。加えて、後述する溶媒を兼ねてアルコールを使用するときは、ここに例示の範囲と関係なく、大過剰量のアルコールを用いてもよい。
(工程(iii−b)の溶媒)
反応の円滑な進行等の観点から、工程(iii−b)の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程(iii−b)の溶媒は、工程(iii−b)の反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。工程(iii−b)の溶媒としては、例えば、
水、
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等)、
エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、
ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、
アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等)、
アルキル尿素類(例えば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、
スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、
スルホン類(例えば、スルホラン等)、
ケトン類(例えば、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等)、
カルボン酸エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、
カルボン酸類(例えば、酢酸等)、
炭酸エステル類(例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、
芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、
ハロゲン化芳香族炭化水素類(例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等)、
ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン等)、
および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性および経済効率等の観点から、工程(iii−b)の溶媒の好ましい例としては、水、アルコール類、エーテル類、ニトリル類、アミド類、カルボン酸エステル類、カルボン酸類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。工程(iii-b)の溶媒の好ましい具体的な例としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
工程(iii−b)の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が充分にできる限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1モルに対して、0.01〜10.0L(リットル)、好ましくは0.1〜5.0Lの範囲を例示できる。2種以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2種以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
(工程(iii−b)の反応温度)
工程(iii−b)の反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、−10℃(マイナス10℃)〜160℃、好ましくは10℃〜120℃の範囲を例示できる。
(工程(iii−b)の反応時間)
工程(iii−b)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、0.5時間〜48時間、好ましくは0.5時間〜24時間、より好ましくは1時間〜12時間の範囲を例示できる。
工程(iii−b)に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(社)日本化学会編、「新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応 III」、第1699〜1700頁(1978年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社
(社)日本化学会編、「実験化学講座24 有機合成VI」第4版、第325頁(1992年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社
(工程(iii−b)の生成物;一般式(5)の化合物)
工程(iii−b)で得られる一般式(5)の化合物としては、具体的には例えば、
2,4−ジフルオロ−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)ベンゼンチオール、
2,4−ジフルオロ−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)ベンゼンチオール、
2,4−ジクロロ−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)ベンゼンチオール、
2,4−ジクロロ−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)ベンゼンチオール、
2−クロロ−4−フルオロ−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)ベンゼンチオール、
2−クロロ−4−フルオロ−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)ベンゼンチオール、
4−フルオロ−2−メチル−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)ベンゼンチオール、
4−フルオロ−2−メチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)ベンゼンチオール、
4−クロロ−2−メチル−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)ベンゼンチオール、
4−クロロ−2−メチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)ベンゼンチオール、
2,4−ジメチル−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)ベンゼンチオール、
2,4−ジメチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)ベンゼンチオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(iii−b)の生成物である一般式(5)の化合物は、工程(iii−c)の原料として使用することができる。工程(iii−b)で得られる一般式(5)の化合物は、単離して次工程に用いてもよく、さらに精製して次工程に用いてもよく、または単離することなく次工程に用いてもよい。
(工程(iii−c))
次に、工程(iii−c)について説明する。
工程(iii−c)は、一般式(5):
(式中、
およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基である。)
で表される化合物を、塩基の存在下で、一般式(b):
(式中、
はC1〜C4ハロアルキル基であり;
Yはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
で表される化合物と反応させることにより、前記一般式(5)の化合物を一般式(4):
(式中、R、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
で表される化合物へ変換する工程である。
(工程(iii−c)の一般式(b)の化合物)
工程(iii−c)の一般式(b)の化合物は公知の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法に準じて製造することができる化合物である。工程(iii−c)の一般式(b)の化合物としては、具体的には、工程(iii−a)において上記したとおりである。
工程(iii−c)の一般式(b)の化合物の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(5)の化合物1モルに対して、1.0〜1.5モル、好ましくは1.0〜1.2モルの範囲を例示できる。
(工程(iii−c)の塩基)
工程(iii−c)で使用される塩基は、反応が進行する限りは、いずれの塩基でもよい。工程(iii−c)で使用できる塩基としては、例えば、
アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、
アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等)、
アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、
アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)、
アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、
アルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム等)、
リン酸塩(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム等)、
リン酸水素塩(例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素カルシウム等)、
金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等)、
金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)、
アミン類(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデカ−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、N,N‐ジメチルアニリン、N,N‐ジエチルアニリン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン、2,6−ルチジン等)および
後述するラジカル開始剤のうち塩基としても適切なラジカル開始剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、ロンガリット(商品名)(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート2水和物)等)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率および経済効率等の観点から、工程(iii−c)の塩基の好ましい例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩が挙げられる。工程(iii−c)の塩基の好ましい具体的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムが挙げられる。
工程(iii−c)の塩基は、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(iii−c)の塩基の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(iii−c)の塩基の形態は、当業者により適切に選択されることができる。
工程(iii−c)の塩基の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(5)の化合物1モルに対して、0.5〜1.5モル、好ましくは0.5〜1.2モルの範囲を例示できる。
(工程(iii−c)のラジカル開始剤)
工程(iii−c)の反応は、ラジカル開始剤の存在下または非存在下で、好ましくはラジカル開始剤の存在下で行われる。しかしながら、工程(iii−c)においてラジカル開始剤を用いるか否かは、当業者により適切に決定されることができる。工程(iii−c)で使用されるラジカル開始剤は、反応が進行する限りは、いずれのラジカル開始剤でもよい。工程(iii−c)で使用できるラジカル開始剤としては、例えば、亜硫酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、ロンガリット(商品名)(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート2水和物)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ここで、当該ラジカル開始剤は還元剤と理解してもよい。ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート2水和物は、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム2水和物と同じ意味を有する。収率、反応性、入手性、価格および取り扱いの容易さ等の観点から、工程(iii−c)で使用されるラジカル開始剤の好ましい例としては、ロンガリットが挙げられる。
工程(iii−c)のラジカル開始剤は、単独でまたは任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(iii−c)のラジカル開始剤の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(iii−c)のラジカル開始剤の形態は、当業者により適切に選択されることができる。工程(iii−c)のラジカル開始剤の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(5)の化合物1モルに対して、0(ゼロ)〜2.0モル、好ましくは0.01〜2.0モル、より好ましくは0.1〜1.5モルの範囲を例示できるが、工程(iii−c)のラジカル開始剤の使用量は、当業者により適切に調整されることができる。工程(iii−c)の上記のような適切なラジカル開始剤は、上記の工程(iii−c)の塩基を兼ねて使用することもできる。工程(iii−c)のラジカル開始剤と上記の工程(iii−c)の塩基は、併用してもよい。
(工程(iii−c)の溶媒)
反応の円滑な進行等の観点から、工程(iii−c)の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程(iii−c)の溶媒は、工程(iii−c)の反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。工程(iii−c)の溶媒としては、例えば、
アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等)、
アルキル尿素類(例えば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、
スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、
スルホン類(例えば、スルホラン等)、
エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、
ケトン類(例えば、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等)、
カルボン酸エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、
ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等)、
芳香族炭化水素誘導体類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン等)、
ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン等)、
水、
および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性および経済効率等の観点から、工程(iii−c)の溶媒の好ましい例としては、アミド類、スルホキシド類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、アルコール類、芳香族炭化水素誘導体類、水、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。工程(iii−c)の溶媒の好ましい具体的な例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2−プロパノール、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、水、および任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
工程(iii−c)の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が充分にできる限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、一般式(5)の化合物1モルに対して、0.01〜10.0L(リットル)、好ましくは0.1〜5.0Lの範囲を例示できる。2種以上の溶媒の組み合わせを用いるときは、2種以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りは、いずれの割合でもよい。
(工程(iii−c)の反応温度)
工程(iii−c)の反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、−10℃(マイナス10℃)〜160℃、好ましくは10℃〜120℃の範囲を例示できる。
(工程(iii−c)の反応時間)
工程(iii−c)の反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制および経済効率等の観点から、0.5時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲を例示できる。
(工程(iii−c)の生成物;一般式(4)の化合物)
工程(iii−c)で得られる一般式(4)の化合物としては、具体的には例えば、上述の工程(iii−a)で得られる一般式(4)の化合物の具体的な例が挙げられるが、これに限定されるものではない。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
ビス(2,4−ジメチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドの製造
反応フラスコに5−メルカプト−2,4−ジメチルフェノール4.32g(28.0mmol)、ヨウ化ナトリウム42mg(0.28mmol)および酢酸エチル80mLを加えた。混合物を室温下で撹拌しながら、そこに30%過酸化水素水1.59g(14mmol)をゆっくり滴下した。混合物を室温下で1時間撹拌した。反応混合物に飽和亜硫酸ナトリウム水溶液5mLを加え、混合物を室温下で10分間撹拌した後、そこに濃塩酸を加えることにより水層のpHをpH1〜2程度に調整した。得られた混合物を有機層と水層に分配し、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、3.03gのビス(2,4−ジメチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドを収率71%で得た。
H‐NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):6.94(s,2H),6.90(s,2H),4.87(s,2H),2.30(s,6H),2.17(s,6H).
融点:125−127℃
実施例2
ビス[2,4−ジメチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィドの製造
反応フラスコにビス(2,4−ジメチル−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド2.60g(8.5mmol)、1−ブロモ−6−トリフルオロメチルチオヘキサン4.73g(17.9mmol)、炭酸カリウム2.58g(18.7mmol)、テトラブチルアンモニウムヨージド0.63g(1.7mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド17mLを加えた。混合物を窒素雰囲気下、80℃で20時間撹拌した。反応混合物に希塩酸、水およびジエチルエーテルを加え、混合物を有機層と水層に分配し、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、4.95gのビス[2,4−ジメチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィドを収率86%で得た。
H‐NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):6.92(s,2H),6.90(s,2H),3.78(t,4H),2.88(t,4H),2.30(s,6H),2.14(s,6H),1.72(m,8H),1.45(m,8H).
実施例3
6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[2,4−ジメチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテルの製造
反応フラスコにビス[2,4−ジメチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィド337.4mg(0.50mmol)、p−トルエンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル266.9mg(1.05mmol)、炭酸カリウム152.0mg(1.10mmol)、ロンガリット(商品名)(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート2水和物)231.2mg(1.50mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド2mLを加えた。混合物を窒素雰囲気下、50℃で16時間撹拌した。反応混合物に希塩酸、水およびジエチルエーテルを加え、混合物を有機層と水層に分配し、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、242.0mgの6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[2,4−ジメチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテルを収率58%で得た。
H‐NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):6.96(s,1H),6.70(s,1H),3.94(t,2H),3.30(q,2H),2.90(t,2H),2.38(s,3H),2.17(s,3H),1.71−1.82(m,4H),1.49−1.53(m,4H).
実施例4
2,4−ジメチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)ベンゼンチオールの製造
反応フラスコにビス[2,4−ジメチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)フェニル]ジスルフィド337.4mg(0.50mmol)、濃塩酸1mLおよびメタノール2mLを加えた。混合物を室温で撹拌しながら、そこに亜鉛粉末32.7mg(0.50mmol)を添加した。混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物に水およびジエチルエーテルを加え、混合物を有機層と水層に分配し、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、176.0mgの2,4−ジメチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)ベンゼンチオールを収率52%で得た。
H‐NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):6.92(s,1H),6.74(s,1H),3.90(t,2H),3.22(s,1H),2.89(t,2H),2.24(s,3H),2.13(s,3H),1.76(m,4H),1.49(m,4H).
実施例5
6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[2,4−ジメチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテルの製造
反応フラスコに2,4−ジメチル−5−(6−トリフルオロメチルチオヘキシルオキシ)ベンゼンチオール176.0mg(0.52mmol)、p−トルエンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル138.8mg(0.55mmol)、炭酸カリウム79.1mg(0.57mmol)、ロンガリット(商品名)(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート2水和物)40.1mg(0.26mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド2mLを加えた。混合物を窒素雰囲気下、50℃で15時間撹拌した。反応混合物に希塩酸、水およびジエチルエーテルを加え、混合物を有機層と水層に分配し、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、188.0mgの6−トリフルオロメチルチオヘキシル−[2,4−ジメチル−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテルを収率86%で得た。
H‐NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):6.96(s,1H),6.70(s,1H),3.94(t,2H),3.30(q,2H),2.90(t,2H),2.38(s,3H),2.17(s,3H),1.71−1.82(m,4H),1.49−1.53(m,4H).
実施例6
ビス(2−クロロ−4−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドの製造
反応フラスコに4−クロロ−2−フルオロ−5−メルカプトフェノール44.7mg(0.25mmol)および水1mLを加えた。混合物を室温下で撹拌しながら、そこに35%過酸化水素水26.7mg(0.28mmol)をゆっくり滴下した。混合物を室温下で1時間撹拌した。反応混合物をろ過した後、ろ物を水洗、乾燥し、39.9mgのビス(2−クロロ−4−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドを収率90%で得た。
H‐NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm): 7.22(d,J=8.7Hz,2H),7.16(d,J=9.6Hz,2H).
融点:160℃
実施例7
ビス[2−クロロ−4−フルオロ−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)フェニル]ジスルフィドの製造
反応フラスコにビス(2−クロロ−4−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド177.6mg(0.50mmol)、1−ブロモ−5−トリフルオロメチルチオペンタン263.7mg(1.05mmol)、炭酸カリウム152.0mg(1.10mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド1mLを加えた。混合物を窒素雰囲気下、50℃で15時間撹拌した。反応混合物に希塩酸、水およびジエチルエーテルを加え、混合物を有機層と水層に分配し、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、277.0mgのビス[2−クロロ−4−フルオロ−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)フェニル]ジスルフィドを収率80%で得た。
H‐NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):7.21(d,J=8.4Hz,2H),7.12(d,J=10.2Hz,2H),3.97(t,J=6.3Hz,4H),2.90(t,J=7.2Hz,4H),1.78(m,8H),1.56(m,4H).
実施例8
5−トリフルオロメチルチオペンチル−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテルの製造
反応フラスコにビス[2−クロロ−4−フルオロ−5−(5−トリフルオロメチルチオペンチルオキシ)フェニル]ジスルフィド277.0mg(0.40mmol)、p−トルエンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル213.5mg(0.84mmol)、炭酸カリウム121.6mg(0.88mmol)、ロンガリット(商品名)(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート2水和物)184.9mg(1.20mmol)、水72.0mg(4.0mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド1mLを加えた。混合物を窒素雰囲気下、50℃で12時間撹拌した。反応混合物に希塩酸、水およびジエチルエーテルを加え、混合物を有機層と水層に分配し、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、306.0mgの5−トリフルオロメチルチオペンチル−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテルを収率89%で得た。
H‐NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm): 7.23(d,J=8.4Hz,1H),7.21(d,J=10.8Hz,1H),4.03(t,J=6.3Hz,2H),3.41(d,J=9.6Hz,2H),2.92(t,J=7.5Hz,2H),1.82(m,4H),1.61(m,2H).
参考例1
1−ブロモ−6−トリフルオロメチルチオヘキサンの製造
(1)6−ブロモヘキシルアセテートの製造
反応フラスコに6−ブロモ−1−ヘキサノール16.27g(89.9mmol)、無水酢酸9.63g(94.3mmol)およびトルエン180mLを加えた。反応混合物に氷冷下撹拌しながら、無水炭酸ナトリウム10.48g(98.9mmol)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン0.55g(4.5mmol)を加えた。その後、混合物を氷冷下で3時間撹拌した。得られた反応混合物に希塩酸および水を加え、トルエンと水に分配し、6−ブロモヘキシルアセテートを含有するトルエン層が得られた。得られた6−ブロモヘキシルアセテートを含有するトルエン層は、次の反応に使用した。
(2)6−チオシアナトヘキシルアセテートの製造
反応フラスコに(1)で得られた6−ブロモヘキシルアセテートを含有するトルエン層の全量、チオシアン酸ナトリウム8.75g(107.9mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド2.90g(9.0mmol)および水100mLを加えた。その後、混合物を80℃で5時間撹拌した。得られた反応混合物をトルエンと水に分配し、トルエン層を分離した。続いて、トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でトルエンを留去し、6−チオシアナトヘキシルアセテートを得た。得られた6−チオシアナトヘキシルアセテートは、精製せずに次の反応に使用した。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):4.07(t,J=6.6Hz,2H),2.96(t,J=6.9Hz,2H),2.06(s,3H),1.85(quin,J=6.6Hz,2H),1.66(quin,J=6.9Hz,2H),1.43(m,4H).
(3)6−トリフルオロメチルチオヘキシルアセテートの製造
反応フラスコに(2)で得られた6−チオシアナトヘキシルアセテートの全量、トリフルオロメチルトリメチルシラン25.60g(180mmol)およびテトラヒドロフラン90mLを加えた。続いて、混合物を氷冷下撹拌しながら、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液)9mLを滴下した。その後、混合物を氷冷下で1時間撹拌した。得られた反応混合物から減圧下でテトラヒドロフランを留去した。得られた残渣にジエチルエーテルおよび水を加え、ジエチルエーテルと水に分配し、ジエチルエーテル層を分離した。続いて、ジエチルエーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジエチルエーテルを留去し、6−トリフルオロメチルチオヘキシルアセテートを得た。得られた6−トリフルオロメチルチオヘキシルアセテートは、精製せずに次の反応に使用した。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):4.06(t,J=6.6Hz,2H),2.88(t,J=7.2Hz,2H),2.05(s,3H),1.67(m,4H),1.41(m,4H).
(4)6−トリフルオロメチルチオヘキサン−1−オールの製造
反応フラスコに(3)で得られた6−トリフルオロメチルチオヘキシルアセテートの全量、炭酸カリウム13.68g(99mmol)およびメタノール90mLを加えた。その後、混合物を室温下で14時間撹拌した。得られた反応混合物から減圧下でメタノールを留去した。得られた残渣にジエチルエーテルおよび水を加え、ジエチルエーテルと水に分配し、ジエチルエーテル層を分離した。続いて、ジエチルエーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジエチルエーテルを留去し、6−トリフルオロメチルチオヘキサン−1−オールを得た。得られた6−トリフルオロメチルチオヘキサン−1−オールは、精製せずに次の反応に使用した。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):3.66(t,J=6.6Hz,2H),2.89(t,J=7.5Hz,2H),1.72(quin,J=7.5Hz,2H),1.59(quin,J=6.6Hz,2H),1.43(m,4H).
(5)1−ブロモ−6−トリフルオロメチルチオヘキサンの製造
反応フラスコに(4)で得られた6−トリフルオロメチルチオヘキサン−1−オールの全量、48%臭化水素酸45.51g(270mmol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド2.90g(9.0mmol)を加えた。その後、混合物を130℃で4時間撹拌した。得られた反応混合物にジクロロメタンおよび水を加え、ジクロロメタンと水に分配し、ジクロロメタン層を分離した。続いて、ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジクロロメタンを留去した。得られた残渣を減圧蒸留により精製し、20.51gの1−ブロモ−6−トリフルオロメチルチオヘキサンを得た。5工程の収率は、86%であった。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):3.41(t,J=6.9Hz,2H),2.89(t,J=7.2Hz,2H),1.87(quin,J=7.2Hz,2H),1.72(quin,J=6.9Hz,2H),1.47(m,4H).
参考例2
5−メルカプト−2,4−ジメチルフェノールの製造
(1)2,4−ジメチルフェニルメタンスルホネートの製造
反応フラスコに2,4−ジメチルフェノール12.22g(100.0mmol)、メタンスルホニルクロリド11.68g(102.0mmol)およびジクロロメタン100mLを加えた。続いて、混合物を氷冷下撹拌しながら、トリエチルアミン11.13g(110.0mmol)のジクロロメタン50mL溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、混合物を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合物に水を加え、ジクロロメタンと水に分配し、ジクロロメタン層を分離した。続いて、ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジクロロメタンを留去することで、19.78gの2,4−ジメチルフェニルメタンスルホネートを収率99%で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):7.16(d,J=8.1Hz,1H),7.07(d,J=0.6Hz,1H),7.01(dd,J=8.1,0.6Hz,1H),3.17(s,3H),2.32(s,3H),2.31(s,3H).
(2)5−クロロスルホニル−2,4−ジメチルフェニルメタンスルホネートの製造
反応フラスコに30%発煙硫酸5.91g(22.2mmol)およびジクロロメタン10mLを加えた。続いて、混合物を氷冷下撹拌しながら、2,4−ジメチルフェニルメタンスルホネート4.35g(21.7mmol)をジクロロメタン12mLで溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、混合物を氷冷下で1時間撹拌した。その後、混合物に塩化チオニル6.45g(54.3mmol)を加えた。続いて、混合物を50℃で3時間撹拌した。得られた反応混合物を氷水に滴下した後、ジクロロメタンと水に分配し、ジクロロメタン層を分離した。続いて、ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジクロロメタンを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、5.65gの5−クロロスルホニル−2,4−ジメチルフェニルメタンスルホネートを収率87%で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):7.93(s,1H),7.35(s,1H),3.30(s,3H),2.75(s,3H),2.45(s,3H).
(3)5−メルカプト−2,4−ジメチルフェニルメタンスルホネートの製造
反応フラスコに5−クロロスルホニル−2,4−ジメチルフェニルメタンスルホネート610.0mg(2.0mmol)、18%塩酸2mLおよびメタノール2mLを加えた。続いて、混合物を室温で撹拌しながら、スズ粉末484.8mg(4.1mmol)を加えた。その後、混合物を80℃で1時間撹拌した。得られた反応混合物から減圧下でメタノールを留去した。得られた残渣にジクロロメタンおよび水を加え、ジクロロメタンと水に分配し、ジクロロメタン層を分離した。続いて、ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジクロロメタンを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、400.0mgの5−メルカプト−2,4−ジメチルフェニルメタンスルホネートを収率84%で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):7.22(s,1H),7.06(s,1H),3.18(s,3H),2.28(s,3H),2.27(s,3H).
(4)5−メルカプト−2,4−ジメチルフェノールの製造
反応フラスコに5−メルカプト−2,4−ジメチルフェニルメタンスルホネート2.32g(10.0mmol)、水酸化ナトリウム4.00g(100.0mmol)および水15mLを加えた。その後、混合物を80℃で1時間撹拌した。得られた反応混合物に塩酸を加え、pH1程度に調整した。続いて、そこにジクロロメタンを加え、ジクロロメタンと水に分配し、ジクロロメタン層を分離した。続いて、ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジクロロメタンを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.48gの5−メルカプト−2,4−ジメチルフェノールを収率96%で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):6.90(s,1H),6.74(s,1H),3.19(s,1H),2.22(s,1H),2.17(s,1H).
参考例3
1−ブロモ−5−トリフルオロメチルチオペンタンの製造
(1)5−ブロモペンチルアセテートの製造
反応フラスコに5−ブロモ−1−ペンタノール20.30g(121.5mmol)、無水酢酸13.03g(127.6mmol)およびトルエン120mLを加えた。反応混合物に氷冷下撹拌しながら、無水炭酸ナトリウム14.17g(133.7mmol)およびN,N−ジメチル−4−アミノピリジン0.74g(6.1mmol)を加えた。その後、混合物を氷冷下で2時間撹拌した。得られた反応混合物に希塩酸および水を加え、トルエンと水に分配し、5−ブロモペンチルアセテートを含有するトルエン層が得られた。得られた5−ブロモペンチルアセテートを含有するトルエン層は、次の反応に使用した。
(2)5−チオシアナトペンチルアセテートの製造
反応フラスコに(1)で得られた5−ブロモペンチルアセテートを含有するトルエン層の全量、チオシアン酸ナトリウム14.78g(182.3mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド3.92g(12.2mmol)および水120mLを加えた。その後、混合物を80℃で3時間撹拌した。得られた反応混合物をトルエンと水に分配し、トルエン層を分離した。続いて、トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でトルエンを留去し、5−チオシアナトペンチルアセテートを得た。得られた5−チオシアナトペンチルアセテートは、精製せずに次の反応に使用した。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):4.09(t,J=6.3Hz,2H),2.96(t,J=7.2Hz,2H),2.06(s,3H),1.88(m,2H),1.71(m,2H),1.53(m,2H).
(3)5−トリフルオロメチルチオペンチルアセテートの製造
反応フラスコに(2)で得られた5−チオシアナトペンチルアセテートの全量、トリフルオロメチルトリメチルシラン25.81g(181.5mmol)およびテトラヒドロフラン100mLを加えた。続いて、混合物を氷冷下撹拌しながら、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液)12mLを滴下した。その後、混合物を氷冷下で2時間撹拌した。得られた反応混合物から減圧下でテトラヒドロフランを留去した。得られた残渣にジエチルエーテルおよび水を加え、ジエチルエーテルと水に分配し、ジエチルエーテル層を分離した。続いて、ジエチルエーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジエチルエーテルを留去し、5−トリフルオロメチルチオペンチルアセテートを得た。得られた5−トリフルオロメチルチオペンチルアセテートは、精製せずに次の反応に使用した。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):4.07(t,J=6.3Hz,2H),2.89(t,J=7.5Hz,2H),2.05(s,3H),1.70(m,4H),1.48(m,2H).
(4)5−トリフルオロメチルチオペンタン−1−オールの製造
反応フラスコに(3)で得られた5−トリフルオロメチルチオペンチルアセテートの全量、炭酸カリウム15.93g(115.3mmol)およびメタノール100mLを加えた。その後、混合物を室温下で5時間撹拌した。得られた反応混合物から減圧下でメタノールを留去した。得られた残渣にジエチルエーテルおよび水を加え、ジエチルエーテルと水に分配し、ジエチルエーテル層を分離した。続いて、ジエチルエーテル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジエチルエーテルを留去し、5−トリフルオロメチルチオペンタン−1−オールを得た。得られた5−トリフルオロメチルチオペンタン−1−オールは、精製せずに次の反応に使用した。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm): 3.67(t,J=6.0Hz,2H),2.90(t,J=7.2Hz,2H),1.74(m,2H),1.54(m,4H).
(5)1−ブロモ−5−トリフルオロメチルチオペンタンの製造
反応フラスコに(4)で得られた5−トリフルオロメチルチオペンタン−1−オールの全量および48%臭化水素酸53.12g(315mmol)を加えた。その後、混合物を140℃で6時間撹拌した。得られた反応混合物にジクロロメタンおよび水を加え、ジクロロメタンと水に分配し、ジクロロメタン層を分離した。続いて、ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジクロロメタンを留去した。得られた残渣を減圧蒸留により精製し、14.11gの1−ブロモ−5−トリフルオロメチルチオペンタンを得た。5工程の収率は、46%であった。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):3.42(t,J=6.9Hz,2H),2.90(t,J=7.2Hz,2H),1.90(m,2H),1.74(m,2H),1.57(m,2H).
参考例4
4−クロロ−2−フルオロ−5−メルカプトフェノールの製造
(1)4−クロロ−5−クロロスルホニル−2−フルオロフェノールの製造
反応フラスコに30%発煙硫酸6.67g(25.0mmol)およびジクロロメタン2.5mLを加えた。続いて、混合物を室温で撹拌しながら、4−クロロ−2−フルオロフェノール732.8mg(5.0mmol)をジクロロメタン2.5mLで溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、混合物を室温で1時間撹拌した。その後、混合物に塩化チオニル5.95g(50.0mmol)を加えた。続いて、混合物を50℃で1時間撹拌した。得られた反応混合物を氷水に滴下した後、ジクロロメタンと水に分配し、ジクロロメタン層を分離した。続いて、ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジクロロメタンを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、941.0mgの4−クロロ−5−クロロスルホニル−2−フルオロフェノールを収率77%で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):7.83(d,J=8.4Hz,1H),7.38(d,J=9.9Hz,1H).
(2)4−クロロ−2−フルオロ−5−メルカプトフェノールの製造
反応フラスコに4−クロロ−5−クロロスルホニル−2−フルオロフェノール245.1mg(1.0mmol)、18%塩酸1mLおよびメタノール1mLを加えた。続いて、混合物を室温で撹拌しながら、スズ粉末237.4mg(2.0mmol)を加えた。その後、混合物を80℃で1時間撹拌した。得られた反応混合物から減圧下でメタノールを留去した。得られた残渣にジクロロメタンおよび水を加え、ジクロロメタンと水に分配し、ジクロロメタン層を分離した。続いて、ジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下でジクロロメタンを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、152.0mgの4−クロロ−2−フルオロ−5−メルカプトフェノールを収率85%で得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm): 7.14(d,J=10.2Hz,1H),7.01(d,J=8.7Hz,1H),3.82(s,1H).
参考例5
5−トリフルオロメチルチオペンチル−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)フェニル]エーテルの製造
反応フラスコに5−トリフルオロメチルチオペンチル−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルチオ)フェニル]エーテル86.2mg(0.20mmol)およびジクロロメタン2mLを加えた。混合物を室温下で撹拌しながら、そこにm−クロロ過安息香酸50.6mg(0.22mmol)を加えた。混合物を室温下で2時間撹拌した。反応混合物に亜硫酸ナトリウム水溶液、水およびジクロロメタンを加え、混合物を有機層と水層に分配し、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、68.0mgの5−トリフルオロメチルチオペンチル−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル)フェニル]エーテルを収率76%で得た。
H‐NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):7.54(d,J=8.1Hz,1H),7.21(d,J=9.9Hz,1H),4.13(t,J=6.3Hz,2H),3.72(m,1H),3.37(m,1H),2.92(t,J=7.2Hz,2H),1.84(m,4H),1.62(m,2H).
本明細書中、実施例および参考例の各物性の測定には、次の機器を用いた。
H核磁気共鳴スペクトル(H‐NMR);JEOL JMN‐Lambda 300またはJEOL JMN‐Lambda‐400(日本電子株式会社製)、内部基準物質:テトラメチルシラン
融点;MP‐500V(株式会社アナテック・ヤナコ製)。
(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析方法)
HPLC分析方法に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(社)日本化学会編、「新実験化学講座9 分析化学 II」、第86〜112頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な充填剤−移動相の組合せに関しては、第93〜96頁を参照できる。)
(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第130〜151頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、逆相クロマトグラフィー分析の具体的な使用方法および条件に関しては、第135〜137頁を参照できる。)
(ガスクロマトグラフィー(GC)分析方法)
GC分析方法に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(社)日本化学会編、「新実験化学講座9 分析化学 II」、第60〜86頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な固定相液体に関しては、第66頁を参照できる。)
(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第121〜129頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、中空キャピラリー分離カラムの具体的な使用方法に関しては、第124〜125頁を参照できる。)
(pHの測定方法)
pHはガラス電極式水素イオン濃度指示計により測定した。ガラス電極式水素イオン濃度指示計としては、例えば、東亜ディーケーケー株式会社製、形式:HM−20Pが使用できる。
本発明によれば、農薬等としての有害生物防除剤およびその製造中間体として有用である一般式(4)の新規な製造方法および新規なその製造中間体が提供される。
したがって、本発明は経済的であり、環境にも優しく、高い工業的な利用価値を有する。

Claims (14)

  1. 一般式(2):
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基である。)で表される化合物。
  2. およびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子であるか、または
    およびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基である、
    請求項1に記載の化合物。
  3. がフッ素原子であり;
    が塩素原子であるか、または
    およびRが、それぞれメチルである、
    請求項1に記載の化合物。
  4. およびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子である、
    請求項1に記載の化合物。
  5. がフッ素原子であり;
    が塩素原子である、
    請求項1に記載の化合物。
  6. およびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基である、
    請求項1に記載の化合物。
  7. およびRが、それぞれメチルである、
    請求項1に記載の化合物。
  8. 一般式(4):
    (式中、
    およびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子またはC1〜C4アルキル基であり;
    はC1〜C4ハロアルキルチオC2〜C10アルキル基であり;
    はC1〜C4ハロアルキル基である。)で表される化合物を製造する方法であって、以下の工程:
    (i) 一般式(1):
    (式中、RおよびRは上記で定義した通りである。)
    で表される化合物を過酸化水素および酸素から選ばれる酸化剤で酸化し、一般式(2):
    (式中、RおよびRは上記で定義した通りである。)
    で表される化合物を製造する工程;
    (ii) 前記一般式(2)の化合物を、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる塩基の存在下で、一般式(a):
    (式中、
    は上記で定義した通りであり;
    Xはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
    で表される化合物と反応させて、一般式(3):
    (式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
    で表される化合物を製造する工程;および
    (iii) 前記一般式(3):
    (式中、R、RおよびRは上記で定義した通りである。)
    で表される化合物を、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属炭酸水素塩から選ばれる塩基の存在下で、一般式(b):
    (式中、
    はC1〜C4ハロアルキル基であり;
    Yはハロゲン原子、C1〜C4アルキルスルホニルオキシ基、C1〜C4ハロアルキルスルホニルオキシ基、またはC1〜C4アルキル基若しくはハロゲン原子により置換されていてもよいフェニルスルホニルオキシ基である。)
    で表される化合物と反応させることにより、前記一般式(3)の化合物を前記一般式(4)の化合物へ変換する工程、
    を含む方法。
  9. およびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子であるか、または
    およびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基である、
    請求項8に記載の方法。
  10. がフッ素原子であり;
    が塩素原子であり;
    が5−トリフルオロメチルチオペンチルであり;
    が2,2,2−トリフルオロエチルであり;
    Xが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであり;
    Yが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであるか、または
    およびRが、それぞれメチルであり;
    が6−トリフルオロメチルチオヘキシルであり;
    が2,2,2−トリフルオロエチルであり;
    Xが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであり;
    Yが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシである、
    請求項8に記載の方法。
  11. およびRが、それぞれ独立して、ハロゲン原子である、
    請求項8に記載の方法。
  12. がフッ素原子であり;
    が塩素原子であり;
    が5−トリフルオロメチルチオペンチルであり;
    が2,2,2−トリフルオロエチルであり;
    Xが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであり;
    Yが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシである、
    請求項8に記載の方法。
  13. およびRが、それぞれ独立して、C1〜C4アルキル基である;
    請求項8の記載の方法。
  14. およびRが、それぞれメチルであり;
    が6−トリフルオロメチルチオヘキシルであり;
    が2,2,2−トリフルオロエチルであり;
    Xが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシであり;
    Yが塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシまたはp−クロロベンゼンスルホニルオキシである、
    請求項8に記載の方法。
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