<第1実施形態>
以下、光源装置における第1の実施形態について、図1〜図8を参酌して説明する。なお、各図(図9〜図20も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る光源装置1は、レーザ光L1を発する発光素子2と、発光素子2を保持する素子保持体3と、発光素子2が発するレーザ光L1が直接に入射されるレンズ4と、レンズ4を保持するレンズ保持体5とを備えている。また、光源装置1は、レンズ4をレンズ保持体5に固定する固定体6と、素子保持体3とレンズ保持体5とを接着する接着体7とを備えている。
発光素子2は、レーザ光L1を発する発光部21を備えており、発光部21は、レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直な発光面21aを備えている。発光面21aは、長方形状に形成されている。また、発光素子2は、電源を供給されるための端子22を備えている。本実施形態においては、発光素子2は、半導体レーザであって、具体的には、発光部21を一つ有するCANタイプ(シングルエミッタタイプ)の半導体レーザである。
図1〜図4(図5〜図20も同様)において、第1方向D1は、発光面21aの最大幅となる方向(本実施形態では、発光面21aの長手方向)であり、第2方向D2は、発光面21aと平行な方向で且つ第1方向D1と直交する方向(本実施形態では、発光面21aの短手方向)である。また、第3方向D3は、第1方向D1及び第2方向D2と直交する方向、即ち、レーザ光L1の光軸LX1と平行な方向である。
発光素子2から発するレーザ光L1は、発散する光である。そして、レーザ光L1において、発光面21aの長手方向D1の発散角度は、発光面21aの短手方向D2の発散角度よりも、小さい。即ち、発光素子2においては、発光面21aの長手方向D1は、遅軸方向であり、発光面21aの短手方向D2は、速軸方向である。
素子保持体3は、発光素子2を収容する素子収容部31と、レンズ4及びレンズ保持体5を収容するレンズ収容部32とを備えている。そして、素子保持体3は、遮光性を有している。例えば、素子保持体3は、アルミニウム、真鍮等で形成されている。
素子収容部31は、筒状に形成されている。そして、素子収容部31は、発光素子2の一部を収容している。また、素子収容部31は、発光素子2が内部に圧入されることで、発光素子2を固定している。なお、発光素子2は、接着剤を硬化したもので、素子保持体3に固定されてもよい。
レンズ収容部32は、筒状に形成されている。そして、レンズ収容部32は、レンズ4及びレンズ保持体5の全体を収容している。即ち、レンズ収容部32の第3方向D3(即ち、レーザ光L1の光軸LX1と平行な方向)の寸法は、レンズ保持体5の第3方向D3の寸法よりも、大きくなっている。
レンズ4の入射面41は、平面状に形成されており、レンズ4の出射面42は、凸面状(具体的には、球面状の一部)に形成されている。そして、レンズ4の入射面41側は、円柱状に形成され、レンズ4の出射面42側は、球状の一部で形成されている。本実施形態においては、レンズ4は、入射面41に入射された発散するレーザ光L1を平行光にして出射面42から出射するコリメートレンズである。
レンズ保持体5は、レンズ4を支持するレンズ支持部51と、レンズ支持部51から突出する突出部52とを備えている。そして、レンズ保持体5は、透光性を有している。例えば、レンズ保持体5は、ガラス、ポリカーボネート等で形成されている。
レンズ支持部51は、筒状に形成されており、レンズ4を内部に収容している。そして、レンズ支持部51は、内周面に、レンズ4を支持するレンズ支持面51aを備えている。また、突出部52は、レンズ支持部51の一方側の端部から径方向外方に向けてフランジ状に突出している。
レンズ4の外周面43とレンズ支持面51aとのそれぞれは、レーザ光L1の光軸LX1に対して平行となるように形成されている。また、レンズ支持部51の内径は、レンズ4の外径よりも僅かに大きくなっている。これにより、レンズ4は、レンズ保持体5に対して固定される前に、レーザ光L1の光軸LX1と平行な方向D3に沿って変位できる。
レンズ支持部51は、他方側に、内径がレンズ支持面51aの内径よりも大きい大径部51bを備えている。そして、固定体6は、大径部51bとレンズ4との間に配置されている。なお、固定体6は、接着剤を硬化したものであり、レンズ4とレンズ保持体5とを接着して固定している。本実施形態においては、固定体6は、光硬化性を有する接着剤に光を照射させて硬化したものである。
素子保持体3及びレンズ保持体5は、接着体7により、互いに接着される接着面33,53をそれぞれ備えている。そして、接着面33,53のそれぞれは、平面状に形成されている。さらに、接着面33,53のそれぞれは、レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直となるように、配置されている。
また、接着体7は、接着面33,53の間のみに配置されている。接着体7は、光硬化性を有する接着剤のみを硬化したものであり、素子保持体3の接着面33とレンズ保持体5の接着面53とを接着して固定している。なお、接着体7においては、厚み寸法(接着面33,53が対面する方向、即ち、第3方向D3の寸法)は、接着面33,53と平行な方向の寸法(例えば、第1方向D1の寸法、第2方向D2の寸法)よりも、小さい。
本実施形態に係る光源装置1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る光源装置1の製造方法について、図5〜図8を参酌して、説明する。
図5に示すように、レンズ4は、位置合わせ機構91により、レンズ保持体5に対して位置合わせされる。位置合わせ機構91は、レンズ4の出射面42に平行な光L2を入射させる光源92と、レンズ保持体5の接着面53を支持する接着面支持部93と、発光素子2の発光面21aに相当する位置に配置され、レンズ4の入射面41から出射された光L2を受光する受光部94とを備えている。
まず、レンズ4がレンズ保持体5のレンズ支持面51aに支持された状態で、レンズ保持体5の大径部51bとレンズ4との間に、光硬化性を有する接着剤60が塗布される。そして、光源92からの光L2が受光部94の位置で焦点となるように、受光部94の受光量に基づいて、レンズ4は、第3方向D3に沿って変位され、レンズ保持体5に対して位置合わせされる。このとき、レンズ4は、レンズ支持面51aをスライドすることで、レンズ保持体5に対して位置合わせされる。
そして、図6に示すように、光L3が、レンズ保持体5を透過して、又は、直接的に、接着剤60に照射される。これにより、接着剤60は、硬化して固定体6となり、レンズ4をレンズ保持体5に固定する。本実施形態においては、該接着剤60は、紫外光(例えば、315nm〜380nm)硬化性を有する接着剤であって、光源92が発する光L2は、該接着剤60を硬化させない光(例えば、630nm〜650nmの光)である。
次に、図7に示すように、レンズ4が固定されたレンズ保持体5の接着面53に、接着剤70が塗布され、レンズ保持体5の接着面53が、接着剤70により、発光素子2が固定された素子保持体3の接着面33に仮接着(加力により接着が解除される程度の接着)される。そして、レンズ4は、第1方向D1及び第2方向D2に沿って変位され、発光素子2に対して位置合わせされる。
このとき、発光素子2がレーザ光L1を発しており、受光部95が、レンズ4から出射した当該レーザ光L1を受光している。そして、受光部95の受光量に基づいて、レンズ4(レンズ保持体5)は、発光素子2(素子保持体3)に対して位置合わせされる。
その後、図8に示すように、光L4が、レンズ保持体5を透過して、接着面33,53の間の接着剤70に照射される。これにより、接着剤70は、硬化して接着体7となり、レンズ保持体5を素子保持体3に固定する。このようにして、光源装置1が製造される。なお、本実施形態においては、該接着剤70は、紫外光(例えば、315nm〜380nm)硬化性を有する接着剤であって、発光素子2が発するレーザ光L1は、該接着剤70を硬化させない光(例えば、630nm〜650nmの光)である。
ところで、接着体7(接着剤70)は、接着面33,53の間のみに配置されており、接着面33,53のそれぞれは、第3方向D3に対して垂直となるように、配置されている。これにより、接着剤70が硬化して接着体7になる際に収縮する方向は、接着面33,53が対面する第3方向D3のみになる。
以上より、本実施形態に係る光源装置1の製造方法は、レーザ光L1を発する発光素子2と、前記発光素子2が発するレーザ光L1が入射されるレンズ4と、前記発光素子2を保持する素子保持体3と、前記レンズ4を保持するレンズ保持体5と、前記素子保持体3と前記レンズ保持体5とを接着する接着体7と、を備える光源装置1の製造方法であって、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5は、前記接着体7により、互いに接着される接着面33,53をそれぞれ備え、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5の少なくとも一方(本実施形態では、レンズ保持体5)は、透光性を有し、前記接着面33,53のそれぞれは、前記レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直又は平行(本実施形態では、垂直)となるように、配置され、前記製造方法は、光硬化性を有する接着剤70のみを、前記接着面33,53の間に配置することと、前記接着剤70を硬化して前記接着体7となるように、光L4を、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5の少なくとも一方(本実施形態では、レンズ保持体5)を透過させて、前記接着剤70に照射することと、を含む。
また、本実施形態に係る光源装置1は、レーザ光L1を発する発光素子2と、前記発光素子2が発するレーザ光L1が入射されるレンズ4と、前記発光素子2を保持する素子保持体3と、前記レンズ4を保持するレンズ保持体5と、前記素子保持体3と前記レンズ保持体5とを接着する接着体7と、を備え、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5は、前記接着体7により、互いに接着される接着面33,53をそれぞれ備え、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5の少なくとも一方(本実施形態では、レンズ保持体5)は、透光性を有し、前記接着体7は、光硬化性を有する接着剤70のみを硬化したものであって、前記接着面33,53の間のみに配置され、前記接着面33,53のそれぞれは、前記レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直又は平行(本実施形態では、垂直)となるように、配置される。
斯かる構成によれば、光硬化性を有する接着剤70は、素子保持体3及びレンズ保持体5の少なくとも一方(本実施形態では、レンズ保持体5)を透過した光L4に照射されることで、硬化して接着体7になる。これにより、素子保持体3及びレンズ保持体5は、接着体7により、互いに接着される。
そして、接着体7は、接着面33,53の間のみに配置され、接着面33,53のそれぞれは、レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直又は平行(本実施形態では、垂直)となるように、配置されている。これにより、接着剤70が硬化して接着体7になる際に収縮する方向が、接着面33,53が対面する方向D3になるため、接着剤70硬化により発生する発光素子2及びレンズ4間の位置ずれが、焦点距離ずれ又は光軸ずれの何れか一方(本実施形態では、焦点距離ずれ)に限定できる。
また、接着剤70が硬化して接着体7になる際に収縮する方向が、一方向(本実施形態では、第3方向D3)で特定できるため、その収縮量も予測することが可能になる。これにより、例えば、その収縮量を考慮して、発光素子2に対するレンズ4の位置を合わせた後、接着剤70を硬化させて接着体7にすることで、発光素子2に対してレンズ4を適正な位置にすることができる。
また、本実施形態に係る光源装置1においては、前記レンズ4を前記レンズ保持体5に固定する固定体6を備え、前記接着面33,53のそれぞれは、前記レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直となるように、配置され、前記レンズ保持体5は、前記レンズ4を支持するレンズ支持面51aを備え、前記レンズ4の外周面43と前記レンズ支持面51aとのそれぞれは、前記レンズ4が前記レンズ保持体5に対して固定される前に前記レーザ光L1の光軸LX1と平行な方向に沿って変位可能に、前記レーザ光L1の光軸LX1に対して平行となるように形成される、という構成である。
斯かる構成によれば、接着面33,53のそれぞれが、レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直となるように、配置されているため、接着剤70が硬化して接着体7になることで、レンズ4は、発光素子2に対して、レーザ光L1の光軸LX1と平行な方向D3にずれること(焦点距離ずれ)になる。そこで、レンズ4の外周面43とレンズ支持面51aとのそれぞれが、レーザ光L1の光軸LX1に対して平行となるように、形成されている。
これにより、固定体6がレンズ4をレンズ保持体5に固定する前に、レンズ4は、レンズ保持体5に対して、レーザ光L1の光軸LX1と平行な方向D3に沿って変位できる。したがって、レーザ光L1の光軸LX1と平行な方向D3で、レンズ保持体5の接着面53に対するレンズ4の位置を合わせることができる。そして、レンズ保持体5の接着面53が、発光素子2の位置の基準となるため、その結果、発光素子2に対してレンズ4を適正な位置にすることができる。
<第2実施形態>
次に、光源装置1における第2の実施形態について、図9〜図16を参酌して説明する。なお、図9〜図16において、図1〜図8の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と略同様の構成又は略同様の機能(作用)を有する要素を表し、その説明は、繰り返さない。
図9〜図12に示すように、レンズ4の入射面41側は、四角柱状に形成され、レンズ4の出射面42側は、球状の一部で形成されている。本実施形態においては、レンズ4は、入射面41に入射された発散するレーザ光L1を平行光にして出射面42から出射するコリメートレンズである。例えば、本実施形態に係るレンズ4は、第1実施形態に係るレンズ4の円状の外周を切断して、四角形状にした構成である。
レンズ保持体5は、レンズ4を支持するレンズ支持面51aを備えている。そして、レンズ保持体5は、平板状に形成されている。また、レンズ保持体5は、透光性を有している。
レンズ4の外周面43とレンズ支持面51aとのそれぞれは、レーザ光L1の光軸LX1に対して平行となるように形成されている。これにより、レンズ4は、レンズ保持体5に対して固定される前に、レーザ光L1の光軸LX1と平行な方向D3に沿って変位できる。
固定体6は、レンズ4の外周面43とレンズ保持体5のレンズ支持面51aとの間に配置されている。なお、固定体6は、接着剤を硬化したものであり、レンズ4とレンズ保持体5とを接着して固定している。本実施形態においては、固定体6は、光硬化性を有する接着剤に光を照射して硬化したものである。
素子保持体3及びレンズ保持体5は、接着体7により、互いに接着される接着面33,53をそれぞれ備えている。そして、接着面33,53のそれぞれは、平面状に形成されている。さらに、接着面33,53のそれぞれは、レーザ光L1の光軸LX1に対して平行となるように、配置されている。しかも、接着面33,53のそれぞれは、発光面21aの最大幅となる方向D1に対して平行となるように、配置されている。
接着体7は、接着面33,53の間のみに配置されている。なお、接着体7は、光硬化性を有する接着剤のみを硬化したものであり、素子保持体3の接着面33とレンズ保持体5の接着面53とを接着して固定している。
本実施形態に係る光源装置1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る光源装置1の製造方法について、図13及び図14を参酌して、説明する。
図13に示すように、レンズ4が固定体6でレンズ保持体5に固定され、発光素子2が素子保持体3に固定されている。そして、接着剤70が、レンズ保持体5の接着面53に塗布され、レンズ保持体5の接着面53が、接着剤70により、素子保持体3の接着面33に仮接着(加力により接着が解除される程度の接着)される。その後、レンズ4は、第1方向D1及び第3方向D3に沿って変位され、発光素子2に対して位置合わせされる。
このとき、発光素子2がレーザ光L1を発しており、受光部95が、レンズ4から出射した当該レーザ光L1を受光している。そして、受光部95の受光量に基づいて、レンズ4(レンズ保持体5)は、発光素子2(素子保持体3)に対して位置合わせされる。
その後、図14に示すように、光L4が、レンズ保持体5を透過して、接着面33,53の間の接着剤70に照射される。これにより、接着剤70は、硬化して接着体7となり、レンズ保持体5を素子保持体3に固定する。このようにして、光源装置1が製造される。
ところで、接着体7(接着剤70)は、接着面33,53の間のみに配置されており、接着面33,53のそれぞれは、第1方向D1及び第3方向D3に対してそれぞれ平行となるように、配置されている。これにより、接着剤70が硬化して接着体7になる際に収縮する方向は、接着面33,53が対面する第2方向D2のみになる。
次に、レンズ(コリメートレンズ)4の平行度と、本実施形態に係る光源装置1の作用効果について、図15及び図16を参酌して説明する。
図15に示すように、発光面21aのうち、光軸LX1上の位置P1から発せられたレーザ光L11は、レンズ(コリメートレンズ)4を透過した後、光軸LX1と平行なレーザ光L11となる。しかしながら、図16に示すように、発光面21aのうち、光軸LX1から離れた位置P2から発せられたレーザ光L12は、レンズ4を透過した後、光軸LX1に対して傾斜したレーザ光L12となる。
そして、光軸LX1から離れた位置ほど、発せられた光は、レンズ4を透過した後、光軸LX1に対して大きく傾斜する。したがって、発光面21aのうち、光軸LX1から最も離れる位置を有する方向、即ち、発光面21aの最大幅となる方向で、レンズ4が発光素子2に対して位置ずれすることを抑制すれば、レンズ4を透過した後のレーザ光L1の平行度を維持することができる。
そこで、本実施形態に係る光源装置1においては、接着面33,53のそれぞれは、発光素子2の発光面21aの最大幅となる方向(第1方向D1)に対して平行となるように、配置されている。これにより、接着剤70硬化により、発光素子2の発光面21aの最大幅となる方向D1で、レンズ4が発光素子2に対して位置ずれすることを抑制することができる。したがって、接着剤70硬化により、レンズ4を透過した後のレーザ光L1の平行度が低下することを抑制できる。
以上より、本実施形態に係る光源装置1の製造方法は、レーザ光L1を発する発光素子2と、前記発光素子2が発するレーザ光L1が入射されるレンズ4と、前記発光素子2を保持する素子保持体3と、前記レンズ4を保持するレンズ保持体5と、前記素子保持体3と前記レンズ保持体5とを接着する接着体7と、を備える光源装置1の製造方法であって、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5は、前記接着体7により、互いに接着される接着面33,53をそれぞれ備え、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5の少なくとも一方(本実施形態では、レンズ保持体5)は、透光性を有し、前記接着面33,53のそれぞれは、前記レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直又は平行(本実施形態では、水平)となるように、配置され、前記製造方法は、光硬化性を有する接着剤70のみを、前記接着面33,53の間に配置することと、前記接着剤70を硬化して前記接着体7となるように、光L4を、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5の少なくとも一方(本実施形態では、レンズ保持体5)を透過させて、前記接着剤70に照射することと、を含む。
また、本実施形態に係る光源装置1は、レーザ光L1を発する発光素子2と、前記発光素子2が発するレーザ光L1が入射されるレンズ4と、前記発光素子2を保持する素子保持体3と、前記レンズ4を保持するレンズ保持体5と、前記素子保持体3と前記レンズ保持体5とを接着する接着体7と、を備え、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5は、前記接着体7により、互いに接着される接着面33,53をそれぞれ備え、前記素子保持体3及び前記レンズ保持体5の少なくとも一方(本実施形態では、レンズ保持体5)は、透光性を有し、前記接着体7は、光硬化性を有する接着剤70のみを硬化したものであって、前記接着面33,53の間のみに配置され、前記接着面33,53のそれぞれは、前記レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直又は平行(本実施形態では、水平)となるように、配置される。
斯かる構成によれば、光硬化性を有する接着剤70は、素子保持体3及びレンズ保持体5の少なくとも一方(本実施形態では、レンズ保持体5)を透過した光L4に照射されることで、硬化して接着体7になる。これにより、素子保持体3及びレンズ保持体5は、接着体7により、互いに接着される。
そして、接着体7は、接着面33,53の間のみに配置され、接着面33,53のそれぞれは、レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直又は平行(本実施形態では、水平)となるように、配置されている。これにより、接着剤70が硬化して接着体7になる際に収縮する方向が、接着面33,53が対面する方向D2になるため、接着剤70硬化により発生する発光素子2及びレンズ4間の位置ずれが、焦点距離ずれ又は光軸ずれの何れか一方(本実施形態では光軸ずれ)に限定できる。
また、接着剤70が硬化して接着体7になる際に収縮する方向が、一方向(本実施形態では、第2方向D2)で特定できるため、その収縮量も予測することが可能になる。これにより、例えば、その収縮量を考慮して、発光素子2に対するレンズ4の位置を合わせた後、接着剤70を硬化させて接着体7にすることで、発光素子2に対してレンズ4を適正な位置にすることができる。
また、本実施形態に係る光源装置1においては、前記発光素子2は、前記レーザ光L1の光軸LX1に対して垂直な発光面21aを備え、前記レンズ4は、入射されたレーザ光L1を平行光にするコリメートレンズであって、前記接着面33,53のそれぞれは、前記レーザ光L1の光軸LX1に対して平行で、且つ、前記発光面21aの最大幅となる方向D1に対して平行となるように、配置される、という構成である。
斯かる構成によれば、接着面33,53のそれぞれが、レーザ光L1の光軸LX1に対して平行となるように、配置されているため、接着剤70が硬化することで、レンズ4は、発光素子2に対して、レーザ光L1の光軸LX1と垂直な方向にずれること(光軸ずれ)になる。そして、レンズ4は、入射されたレーザ光L1を平行光にするコリメートレンズである。
ところで、レンズ4に入射されるレーザ光L1は、発光面21aから発せられる位置において、光軸LX1から離れるほど、レンズ4から出射する際に、平行度が低下してしまう。そこで、接着面33,53のそれぞれは、発光素子2の発光面21aの最大幅となる方向D1に対して平行となるように、配置されている。
これにより、接着剤70が硬化しても、発光素子2の発光面21aの最大幅となる方向D1で、光軸ずれが発生することを抑制することができる。したがって、レンズ4から出射されるレーザ光L1の平行度が低下することを抑制することができる。
なお、光源装置1は、上記した第2実施形態に係る光源装置1の構成及び作用に限定されるものではない。例えば、上記した第2実施形態に係る光源装置1に対して、以下のような変更が行われてもよい。
上記第2実施形態に係る光源装置1においては、レンズ4の入射面41側は、四角柱状に形成され、レンズ4の出射面42側は、球状の一部で形成されている、という構成である。しかしながら、光源装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、図17及び図18に示すように、第1実施形態に係るレンズ4と同様に、レンズ4の入射面41側は、円柱状に形成され、レンズ4の出射面42側は、球状の一部で形成されている、という構成でもよい。
図17及び図18のレンズ保持体5は、筒状に形成されており、レンズ4を内部に収容している。そして、レンズ保持体5は、内周面に、レンズ4を支持するレンズ支持面51aを備えている。また、接着剤60を硬化した固定体6は、レンズ4とレンズ支持面51aとの間に配置され、レンズ4とレンズ保持体5とを固定している。
また、上記第2実施形態に係る光源装置1においては、接着面33,53のそれぞれは、レーザ光L1の光軸LX1に対して平行で、且つ、発光面21aの最大幅となる方向D2に対して平行となるように、配置されている、という構成である。しかしながら、光源装置1は、斯かる構成に限られない。例えば、接着面33,53のそれぞれは、レーザ光L1の光軸LX1に対して平行で、且つ、発光面21aの最大幅となる方向D2に対して交差するように、配置されている、という構成でもよい。
なお、光源装置及びその製造方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、光源装置及びその製造方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る各構成や各方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
上記各実施形態に係る光源装置1においては、素子保持体3とレンズ保持体5とは、接着体7のみで、固定されている、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、図19に示すように、素子保持体3とレンズ保持体5とは、接着体7と、接着剤(光硬化性を有する接着剤を除く)を硬化した補強接着体8とで、固定されている、という構成でもよい。
補強接着体8は、接着面33,53の間以外の位置に配置されている。例えば、補強接着体8は、素子保持体3の接着面33とレンズ保持体5の外周面との間に配置されている。また、補強接着体8は、例えば、熱硬化性を有する接着剤や二液混合により硬化する接着剤等を硬化したものである。
なお、図19に係る光源装置1の製造方法においては、接着面33,53の間の接着剤70に、光を照射し、当該接着剤70が硬化して接着体7となった後に、補強接着体8になる接着剤が、素子保持体3とレンズ保持体5との間(接着面33,53の間を除く)に塗布される。そして、当該接着剤が硬化して補強接着体8になることで、素子保持体3とレンズ保持体5とは、より強固に固定される。
また、上記各実施形態に係る光源装置1においては、固定体6は、接着剤60を硬化したものである、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、固定体6は、図20に示すように、レンズ4を押すことで、レンズ4がレンズ保持体5に加圧接触して固定される、という構成でもよい。図20に係る固定体6は、レンズ保持体5に螺合する螺子体としている。
また、上記各実施形態に係る光源装置1においては、素子保持体3は、遮光性を有し、レンズ保持体5は、透光性を有する、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、素子保持体3は、透光性を有し、レンズ保持体5は、遮光性を有する、という構成でもよい。また、例えば、素子保持体3及びレンズ保持体5は、それぞれ透光性を有する、という構成でもよい。また、例えば、保持体3,5の全体が透光性を有する、という構成でもよく、さらに、保持体3,5の一部が、接着面33,53の間の接着剤70に光を照射できるように、透光性を有する、という構成でもよい。
また、上記各実施形態に係る光源装置1においては、レンズ4は、入射されたレーザ光L1を平行光にするコリメートレンズである、という構成である。しかしながら、光源装置は、斯かる構成に限られない。例えば、レンズ4は、入射されたレーザL1を集束させる集光レンズでもある、という構成でもよい。
また、上記実施形態に係る光源装置1の製造方法においては、発光素子2及び素子保持体3の固定の後で、且つ、レンズ4及びレンズ保持体5の固定の後に、素子保持体3とレンズ保持体5とが固定される、という方法である。しかしながら、製造方法は、斯かる方法に限られない。例えば、発光素子2及び素子保持体3の固定、レンズ4及びレンズ保持体5の固定、素子保持体3及びレンズ保持体5の固定の順番は、限定されない。例えば、当該三つの固定のうち、レンズ4及びレンズ保持体5の固定が、最後でもよい。