JP6613870B2 - ガラス積層体、及び表示装置用保護材 - Google Patents

ガラス積層体、及び表示装置用保護材 Download PDF

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Description

本発明はガラス積層体に係り、詳しくは耐衝撃性、耐薬品性、ガスバリア性、耐擦傷性、表面平滑性、透明性及び硬度に優れ、過酷な環境下においても液晶表示装置やタッチパネル等の電子機器の保護材として好適に使用されうるガラス層、接着層、及び樹脂層との積層体に関する。
近年、液晶表示装置や、スマートフォン、電子ブック、タブレットPC、車載用ディスプレイ等のようにタッチ入力機能を備えたタッチパネルが広く使用されている。これら電子機器の最表面側には、機器を保護するための保護材が配置されている。持ち歩いたり、手に持って操作したりすることの多い上記機器においては、軽量、かつ、耐擦傷性、耐衝撃性および硬度に優れる保護材が求められている。
液晶表示装置やタッチパネル等の電子機器の保護材には、ガラス基板やプラスチック基板が使用されている。
ガラス基板には、通常のガラスよりも強度を増した強化ガラスが使用されている。ガラス基板は、耐衝撃性、耐薬品性、ガスバリア性、耐擦傷性、表面平滑性、透明性及び硬度に優れているものの、比重が高く、重いという問題があり、軽量化のために厚みを薄くすると、強度が低下するという問題がある。
また、強化ガラスは、切断、穴あけ等が困難であり、加工上の問題もある。
プラスチック基板は、軽量で加工性、透明性、耐衝撃性に優れているものの、耐薬品性、ガスバリア性、耐擦傷性、硬度についてはガラス基板には及ばない。
そこで、最近では、厚みの薄いガラス(以下、薄膜ガラス)にプラスチック材料を積層させて、軽量で加工性に優れ、且つ耐衝撃性、耐擦傷性、耐薬品性等を向上させた積層体が提案されている。
薄膜ガラスとプラスチック材料の積層体としては、例えば以下の開示がある。
特許文献1には、20μm〜200μmの厚みを有するガラスと、ガラスの片側に、比重が0.9g/cm〜1.5g/cm、且つ曲げ弾性率が1000MPa〜8000MPaの樹脂層を備え、ガラスと樹脂層との間に接着層を備える表示装置用保護基板が開示されている。
特許文献2には、ガラスシートで構成される層と、樹脂層で構成される層と、ガラスシートと樹脂層とを接着する接着層とを含むガラス積層体であって、接着層が430〜680nmの波長域における分光透過率が90%以上であり、接着層の厚みが50〜800μmであるガラス積層体が開示されている。
特開2013−37207号公報 国際公開第2014/007313号パンフレット
しかしながら、本発明者等の検討によれば、上記特許文献1及び特許文献2に開示された表示装置用保護基板やガラス積層体では、ガラスと樹脂層の熱膨張係数及び湿度膨張係数が異なるために、高温高湿の環境に曝すとガラスや樹脂層に応力が発生し、基板が反ったり、ガラスにかかる応力によってガラスが破損したりして、高温高湿環境下での使用も想定される液晶表示装置やタッチパネル等の電子機器の保護材として使用できないおそれがあるという問題が判明した。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、高温高湿の環境に曝しても反り発生やガラスの破損を抑制でき、且つ耐衝撃性に優れたガラス積層体、及び表示装置用保護材を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、薄膜ガラスの一方の面に、基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzにおける貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が特定の範囲にある接着層を介して、その厚みが接着層の厚みと特定の関係にある樹脂層を備え、これにより得られた積層体は、高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境に曝しても、反り発生やガラスの破損を抑制でき、且つ耐衝撃性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1] 厚み10μm以上、200μm以下の薄膜ガラスの一方の面に接着層を介して樹脂層を備える積層体であって、
該接着層の基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)の比(G’(1.59Hz)/G’(1.59×10−4Hz))が6以上であり、
貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が5.0×10−1MPa以下であり、
接着層厚みと樹脂層厚みの比(接着層厚み/樹脂層厚み)が0.08以上、2以下であり、
該積層体を温度60℃相対湿度95%の恒温恒湿槽に24時間静置した後、温度23℃相対湿度50%の恒温恒湿槽に3時間静置した後の積層体の反り量が2.0mm以下であることを特徴とするガラス積層体。
[2] 前記接着層の基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hz及び1.59×10−7Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−7Hz)の比(G’(1.59×10−4Hz)/G’(1.59×10−7Hz))が20以下であることを特徴とする[1]に記載のガラス積層体。
[3] 前記接着層の基準温度20℃、周波数1.59Hzにおける貯蔵弾性率G’(1.59Hz)が8.0×10−2MPa以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のガラス積層体。
[4] 積層体の厚みが100μm以上、4500μm以下であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のガラス積層体。
[5] 前記接着層が、アクリル系硬化性樹脂を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のガラス積層体。
[6] 前記接着層が、シリコーン系硬化性樹脂を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のガラス積層体。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載されたガラス積層体を用いてなる表示装置用保護材。
[8] [1]〜[6]のいずれかに記載されたガラス積層体を形成するための離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート。
[9] [1]〜[6]のいずれかに記載されたガラス積層体を用いてなる表示装置。
本発明によれば、薄膜ガラスの一方の面に、基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzにおける貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が特定の範囲にある接着層を介して、その厚みが接着層の厚みと特定の関係にある樹脂層を備えているので、これにより得られた積層体は、高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境に曝しても反りの発生やガラスの破損が抑制でき、耐衝撃性、耐薬品性、ガスバリア性、耐擦傷性、表面平滑性、透明性及び表面硬度に優れたガラス積層体を提供でき、液晶表示装置やタッチパネル等の電子機器の保護材として好適に使用できる。
本発明の好ましい実施形態によるガラス積層体の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による表示装置用保護材を使用したタッチパネルの概略断面図である。 は、本発明の実施形態によるガラス積層体の湿熱試験の反り量を測定する様子を示す概略図である。
以下に本発明のガラス積層体、及び表示装置用保護材の実施形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)を説明するものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
なお、本明細書においては、簡便のために、「ガラス積層体」を「本積層体」と称することがある。
また、本明細書においては、厚みの薄いガラス、具体的には厚みが200μm以下のガラスを「薄膜ガラス」と記す。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるガラス積層体の概略断面図である。ガラス積層体10は、薄膜ガラス13の一方の面に接着層12を介して、樹脂層11を備えている。
図2は、本発明の好ましい実施形態による表示装置用保護材を使用したタッチパネルの概略断面図である。表示装置用保護材20は、薄膜ガラス23の一方の面に接着層22を介して、樹脂層21を備えており、また、光学透明粘着層24、26を介して、タッチパネルセンサー部25や、液晶表示部27と積層され、タッチパネル28を形成している。
以下では、本発明のガラス積層体、及び表示装置用保護材において、薄膜ガラス、接着層、樹脂層はじめ、用いられる材料等について詳細に説明する。後述するガラス積層体の製造方法では、これらの材料等が用いられる。
(1)樹脂層
本発明に用いられる樹脂層は、接着層を介して薄膜ガラスの一方の面に貼着される層であり、強度の低い薄膜ガラスを保護する役割を担う。
本発明に用いられる樹脂層の厚みは10μm以上であることが好ましい。50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましく、150μm以上が特に好ましい。一方、4000μm以下であることが好ましい。2000μm以下がより好ましく、1000μm以下がさらに好ましく、500μm以下が特に好ましい。
樹脂層の厚みが10μm以上であれば、薄膜ガラスに貼着した場合、強度の低い薄膜ガラスを保護し耐衝撃性を向上させると共に、ガラス積層体の剛性を確保することができる傾向がある。厚みが4000μm以下であれば、薄膜ガラスに貼着した場合、全体厚みの小さなガラス積層体が得られ、表示装置等の電子機器の保護材として用いた場合、電子機器全体の厚みを抑制することができる傾向がある。
樹脂層は、温度60℃相対湿度95%で120時間保持した時の収縮率が、1.5%以下であることが好ましい。1%以下がより好ましく、0.5%以下がさらに好ましい。一方、下限は特に制限されないが、通常は、0%以上である。
樹脂の温度60℃相対湿度95%で120時間保持した時の収縮率が1.5%以下であれば、高温高湿下での樹脂層収縮に由来するガラス積層体の反りを抑制することができる傾向にある。
なお、樹脂層の収縮率は、JIS K 7133に準拠して測定することができる。
樹脂層の線膨張係数は70ppm/K以下が好ましい。50ppm/K以下がより好ましく、30ppm/K以下がさらに好ましい。一方、下限は特に制限されないが、通常は、0.01ppm/K以上である。
樹脂層の線膨張係数が70ppm/K以下であれば、温度変化によるガラスと樹脂層の伸縮差を接着層が緩和でき、ガラス積層体の反りを抑制することができる傾向にある。
なお、樹脂層の線膨張係数は、JIS K 7197に準拠して測定することができる。
樹脂層の湿度膨張係数は20ppm/%RH以下が好ましく、15ppm/%RH以下がさらに好ましい。一方、下限は特に制限されないが、通常は、0.01ppm/%RH以上である。
樹脂層の湿度膨張係数が20ppm/%RH以下であれば、湿度変化によるガラスと樹脂層の伸縮差を接着層が緩和でき、ガラス積層体の反りを抑制することができる傾向にある。
湿度膨張率は、熱機械分析装置を用いて、例えば、サンプルを温度60℃、相対湿度0%に9時間保持したのち、温度60℃、相対湿度95%に設定して、3時間後のサンプルの膨張率を測定することで、算出できる。
樹脂層の吸水率は2%以下が好ましい。1%以下がより好ましく、0.5%以下がさらに好ましい。一方、下限は特に制限されないが、通常は、0.01%以上である。
樹脂層の吸水率が2%以下であれば、高温高湿下での樹脂層の湿度膨張を抑制することができる傾向にある。
なお、樹脂層の吸水率の測定は、JIS K 7209に準拠して測定することができる。
樹脂層を構成する材料は、前記特性を満たし、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切な樹脂が採用できる。上記樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱または活性エネルギー線により硬化した硬化樹脂等が挙げられ、耐衝撃性や加工性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂の具体例としては、フッ素系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルシリコン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。
このうち、透明性及び高温高湿環境下での膨張収縮特性の観点から、ポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。中でも、樹脂層としては、ポリエステル系樹脂を主成分として含むポリエステルフィルムがさらに好ましく、ポリエチレンテレフタレートを主成分として含むポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
なお主成分とは、通常樹脂層を形成する成分のうち最も多く含有する成分をいい、各層において50質量%以上占めるものを主成分としてもよく、80質量%以上占めるものを主成分としてもよく、90質量%以上占めるものを主成分としてもよい。
上記熱又は活性エネルギー線により硬化した硬化樹脂の具体例としては、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられ、透明性及び高温高湿環境下での膨張収縮特性の観点から、アクリル系樹脂が好ましい。
これらは一種類又は二種類以上の樹脂を組み合わせて使用することができる。
樹脂層として、本積層体を高温高湿環境下に曝しても反らないよう、高温高湿下での膨張収縮を緩和するためのアニール処理がなされた樹脂層を使用することも可能である。
樹脂層を薄膜ガラスと積層する前に、予め樹脂層にアニール処理を施すことにより、樹脂層の高温高湿下での熱収縮を緩和させ、本積層体を高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境下に曝した場合の反りを抑制することができる傾向にある。
中でも、熱収縮を緩和するためのアニール処理がなされた、2軸延伸ポリエステルフィルム、特に2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは樹脂層として好ましい一例である。
樹脂層のアニール処理は、該樹脂層のガラス転移温度をTgとした際、Tg〜Tg+100℃の温度で0.1〜180分間、該樹脂層を加熱処理するのが好ましい。
アニール処理の具体的手法は、必要な温度、時間を維持できる方法であれば特に限定されない。例えば、必要な温度に設定したオーブンや恒温室で保管する方法、熱風を吹き付ける方法、赤外線ヒーターで加熱する方法、ランプで光を照射する方法、熱ロールや熱板と接触させて直接的に熱を付与する方法、マイクロ波を照射する方法などが使用できる。また、取扱が容易な大きさに樹脂層を切断してから加熱処理しても、樹脂層を巻いてロール形状のままで加熱処理してもよい。さらに、必要な時間と温度を得ることができる限りにおいては、コーター、スリッター等の樹脂層製造装置の一部分に加熱装置を組み込み、製造過程で加熱を行うこともできる。
樹脂層には、上記樹脂の他に、本発明の目的を損なわない範囲で、シランカップリング剤、増感剤、架橋剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、界面活性剤、充填剤、離型剤を任意で添加することができる。なお、これらは1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
樹脂層には、後述する接着層とは別に、必要に応じて表面処理を施してもよい。表面処理としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤などによるカップリング剤処理、オゾン処理、イオン処理などの化成処理、プラズマ処理、グロー放電処理、アーク放電処理、コロナ処理などの放電処理、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理、レーザー処理などの電磁波照射処理など各種表面処理があげられる。特に、接着層との密着性を向上させる観点から、樹脂層の接着層側の面にコロナ処理などの放電処理されていることが好ましい。
(2)接着層
本発明に用いられる接着層は、薄膜ガラスと樹脂層を接着させる層であり、接着層は、基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)の比(G’(1.59Hz)/G’(1.59×10−4Hz))が6以上であり、貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が5.0×10−1MPa以下であり、接着層厚みと樹脂層厚みの比(接着層厚み/樹脂層厚み)が0.08以上、2以下であることを特徴とする。
ガラスと樹脂層を有する積層体を高温高湿の環境に曝すと、ガラスと樹脂層の熱膨張係数及び湿度膨張係数が異なり、一般的にはガラスよりも樹脂層の熱膨張係数及び湿度膨張係数が大きいために、ガラスに対して樹脂層が伸縮し、積層体が反ってしまうことがあった。
しかしながら、本ガラス積層体は、接着層の貯蔵弾性率G’(1.59Hz)及び貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が上記範囲にあり、接着層厚みと樹脂層厚みの比(接着層厚み/樹脂層厚み)が上記範囲にあることにより、本ガラス積層体を高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境に曝すことで薄膜ガラスに対して樹脂層が伸縮したとしても、接着層が樹脂層に追従して変形できるために薄膜ガラス及び樹脂層に発生する応力を緩和でき、反りの発生を抑制することができ、また耐衝撃性に優れる。
接着層における基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)は、5.0×10−1MPa以下であることが重要である。なかでも、1.5×10−1MPa以下であることが好ましく、5.0×10−2MPa以下であることがより好ましい。
一方下限は、通常1.0×10−4MPa以上である。
接着層における基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が5.0×10−1MPa以下であれば、本積層体を高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)環境に曝しても、接着層が樹脂層の伸縮に追従して変形できるため、反りの発生を抑制することができる。
また、接着層における基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が1.0×10−4MPa以上であれば、高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境に曝しても、接着層の形状を保つことができる。
接着層における基準温度20℃、周波数1.59Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)は、8.0×10−2MPa以上であることが好ましく、5.0×10−1MPa以上であることがより好ましく、1.0MPa以上であることがさらに好ましい。一方上限は特に限定されないが、通常は10MPa以下である。
接着層における基準温度20℃、周波数1.59Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)が8.0×10−2MPa以上であれば、短時間でかかる応力に対して接着層が弾性を示すため、耐衝撃性に優れたガラス積層体を得ることができる。
さらには、接着層における基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)の比(G’(1.59Hz)/G’(1.59×10−4Hz))が6以上であることが重要である。なかでも7.6以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、50以上であることがさらに好ましい。一方上限は特に制限されないが、通常10000以下であり、好ましくは5000以下である。
接着層における貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)の比が6以上であれば、低周波数領域において貯蔵弾性率G’が低いために、本積層体を高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境に曝しても、樹脂層の伸縮に追従して接着層が変形できるため、反り発生やガラスの破損を抑制でき、且つ、衝撃に対する応答に寄与する周波数領域(例えば1.59Hz)では貯蔵弾性率G’が高いために、本積層体は耐衝撃性にも優れる。
接着層厚みと樹脂層厚みの比(接着層厚み/樹脂層厚み)は0.08以上、2以下であることが重要である。
接着層厚みと樹脂層厚みの比は、0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがさらに好ましく、0.4以上であることが特に好ましく、0.5以上であることがとりわけ好ましい。
一方、1.5以下であることが好ましく、1以下であることがさらに好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
接着層厚みと樹脂層厚みの比(接着層厚み/樹脂層厚み)が0.08以上であれば、樹脂層厚みに対して接着層厚みが充分なため、本積層体を高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)環境に曝した場合の薄膜ガラス及び樹脂層の膨張収縮挙動の差を接着層で充分に緩和できる程度に変形可能であり、積層体の反りの発生を抑制することができる。一方、2以下であれば、接着層厚みに対して樹脂層厚みが充分なため、積層体の耐衝撃性や剛性を確保することができる。
上述したように、接着層の基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)の比(G’(1.59Hz)/G’(1.59×10−4Hz))が6以上であり、貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が5.0×10−1MPa以下であり、接着層厚みと樹脂層厚みの比(接着層厚み/樹脂層厚み)が0.08以上、2以下であることにより、本積層体を高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境に曝しても、反り発生やガラスの破損を抑制でき、且つ耐衝撃性に優れた積層体を得ることができる。
接着層における基準温度20℃、周波数1.59×10−7Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−7Hz)は、5.0×10−1MPa以下であることが好ましく、1.5×10−1MPa以下であることがより好ましく、5.0×10−2MPa以下であることがさらに好ましい。一方、上限は特に限定されないが、通常は1.0×10−4MPa以上である。
接着層における基準温度20℃、周波数1.59×10−7Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−7Hz)が5.0×10−1MPa以下であれば、高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境中においても、接着層が樹脂層の伸縮に追従して変形できるため、反りの発生を抑制することができる。
また、接着層における基準温度20℃、周波数1.59×10−7Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−7Hz)が1.0×10−4MPa以上であれば、高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境中においても、接着層の形状を保つことができる。
接着層における基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hz及び1.59×10−7Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−7Hz)の比(G’(1.59×10−4Hz)/G’(1.59×10−7Hz))は20以下であることが好ましい。なかでも10以下であることがより好ましく、5.0以下であることがさらに好ましい。一方下限は特に制限されないが、通常1.0以上である。
接着層における貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−7Hz)の比が20以下であれば、高温高湿の環境(例えば温度60℃相対湿度95%)及び室内(例えば温度23℃相対湿度50%)における樹脂層の伸縮に対する接着層の追従変形挙動に大きな差が現れないため、本積層体を高温高湿の環境から、室内に取り出したときの反り発生やガラスの破損をより抑制することができる傾向にある。
高温高湿の環境(例えば温度60℃相対湿度95%)から室内(例えば温度23℃相対湿度50%)に取り出したときの反り発生やガラスの破損をより抑制し、且つ耐衝撃性に優れた積層体を得る観点から、本積層体において、接着層の基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)の比(G’(1.59Hz)/G’(1.59×10−4Hz))が6以上であり、
貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が5.0×10−1MPa以下であり、
接着層厚みと樹脂層厚みの比(接着層厚み/樹脂層厚み)が0.08以上、2以下であり、
さらに接着層の基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hz及び1.59×10−7Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−7Hz)の比(G’(1.59×10−4Hz)/G’(1.59×10−7Hz)が20以下であり、
接着層の貯蔵弾性率G’(1.59Hz)は、8.0×10−2MPa以上であることが特に好ましい。
接着層における基準温度20℃、周波数1.59Hz、周波数1.59×10−4Hz及び周波数1.59×10−7Hzでの貯蔵弾性率G’は、粘弾性測定装置、例えばレオメトリックス社製の粘弾性測定装置「ダイナミックアナライザーRDAII」を用いて、周波数及び温度を変更しながら貯蔵弾性率Gを測定し、20℃を基準温度として温度−時間換算のマスターカーブを作成することで読み取ることができる。
接着層における貯蔵弾性率G’を調整する方法としては、例えば、接着層の原料となるモノマーやオリゴマーの分子量、官能基数を適宜選択することにより適当な架橋密度に調整する方法、接着層の原料として架橋剤や粘着付与剤の添加量を適宜調整する方法などが挙げられる。
接着層を構成する材料は、上述した物性を満たす限り、特に限定されないが
硬化性樹脂を含む接着剤樹脂組成物が好ましい。
硬化性樹脂としては、耐久性及び耐湿熱性の観点から、湿気硬化や、熱又は活性エネルギー線照射により硬化する硬化性樹脂が好ましく、特に硬化処理の簡便さから、活性エネルギー線照射により硬化する硬化性樹脂が好ましい。
湿気硬化や、熱又は活性エネルギー線照射により硬化する硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられるが、透明性、及び上述した貯蔵弾性率の調整が容易な点から、アクリル系、シリコーン系樹脂が好ましい。
また、接着剤樹脂組成物は、溶剤を含まない無溶剤系であって、接着剤樹脂組成物を熱融解(ホットメルト)させて製膜することが好ましい。該方法での使用に適するホットメルト型接着剤樹脂組成物は25℃では流動性がないが、50℃から150℃、あるいは70℃から130℃までの範囲の温度では流動性となる。
(シリコーン系硬化性樹脂を含む接着剤樹脂組成物)
シリコーン系硬化性樹脂を含む接着剤樹脂組成物は、ヒドロシリル化反応硬化性組成物、縮合反応硬化性組成物、またはそれらの組合せでもよく、該組成物を製膜後、付加反応または縮合反応させることで接着層を得ることができる。
中でも、ホットメルトさせて成膜可能であることから、縮合反応硬化性組成物であることが好ましく、縮合反応硬化性組成物は、ポリオルガノシロキサン樹脂、1分子あたり平均で少なくとも2個のケイ素結合加水分解性基を有するポリオルガノシロキサン、およびシラン架橋剤を含んでいることが好ましい。
ポリオルガノシロキサンの分子量、シラン架橋剤の量を任意に調整することによって、樹脂層の硬化後の貯蔵弾性率の調整することができる。
(ポリオルガノシロキサン樹脂)
ポリオルガノシロキサン樹脂としては、下記式で示す構造を有する。
(RSiO3/2(R SiO2/2(R SiO1/2(SiO4/2(X’)
各Rは上述されている置換または非置換一価炭化水素基を表し、X’は加水分解性基または例えばアルケニル基などの末端脂肪族不飽和を有する有機基である。X’としての適する加水分解性基はヒドロキシ基、例えばメトキシ、エトキシなどのアルコキシ基、例えばイソプロペニルオキシなどアルケニルオキシ基、例えばメチルエチルケトキシモなどのケトキシモ基、例えばアセトキシなどのカルボキシ基、例えばアセトアミドキシなどのアミドキシ基、例えばN,N−ジメチルアミノキシなどのアミノキシ基などが挙げられる。下付き文字oは0または正数であり、下付き文字pは0または正数であり、下付き文字qは0または正数であり、そして下付き文字rは0以上で、あるいは少なくとも2である。個数(p+q)は1以上であり、かつ個数(n+o)は1以上である。
ポリオルガノシロキサン樹脂は、液状有機溶剤、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘプタンなどによって例示される液状炭化水素などに、および液状有機ケイ素化合物、例えば低粘度、環状および直鎖状ポリジオルガノシロキサンなどに可溶である。ポリオルガノシロキサン樹脂は、R SiO1/2およびSiO4/2単位(0.5/1から1.5/1、あるいは0.6/1から0.9/1までの範囲のモル比で)を含む。これらのモル比は、Si29核磁気共鳴(n.m.r.)分光法によって便利に測定される。
ポリオルガノシロキサン樹脂の所望の流動特性を達成するための数平均分子量Mは、少なくとも一つには、この成分に存在するポリオルガノシロキサン樹脂の分子量およびRで表わされる炭化水素基のタイプに依存する。ここに使われるMはゲル透過クロマトグラフィー(ネオペンタマーを示すピークを測定から除去して)を用いて測定される分子量を表す。ポリオルガノシロキサン樹脂のMは3,000より大きく、あるいはMは4500から7500までの間である。
ポリオルガノシロキサン樹脂は任意の適する方法にて製造することができる。そのような樹脂は相当するシランを共加水分解により、または当技術分野で公知であるシリカヒドロゾルキャッピング法により製造されうる。例えば、ダウト他の米国特許第2,676,182号明細書;リバーズ−ファレル他の米国特許第4,611,042号明細書;そしてバットラーの米国特許第4,774,310号明細書のシリカヒドロゾルキャッピング法を用いることができる。
その樹脂を製造するに用いられる中間体は、式R SiX”、(式中、X”は加水分解性基を表す)のトリオルガノシラン、および4個の加水分解性基、例えばハロゲン、アルコキシもしくはヒドロキシなどを有するシランまたはアルカリ金属ケイ酸塩のいずれかでありうる。
ポリオルガノシロキサン樹脂中のケイ素結合ヒドロキシ基(例、HOR SiO1/2またはHOSiO3/2基)は樹脂の重量の0.7%以下、あるいは0.3%以下であることが好ましい。樹脂の製造中に形成されたケイ素結合ヒドロキシ基は、樹脂と適当な末端基を有するシラン、ジシロキサンまたはジシラザンを反応させることにより、トリヒドロカルビルシロキシ基または加水分解性基に変換されうる。加水分解性基を有するシランは、通常樹脂のケイ素結合ヒドロキシ基と反応させるために要する量の過剰を添加される。
1種のポリオルガノシロキサン樹脂または2種以上の、次の特性の少なくとも一つが異なるポリオルガノシロキサン樹脂からなる組合せであってもよい。接着剤樹脂組成物を100質量部とした場合、ポリオルガノシロキサン樹脂は、通常、55〜75質量部である。
(ケイ素結合加水分解性基を有するポリオルガノシロキサン)
ポリオルガノシロキサンは式 RSiOの二官能性単位および式 R 3−SSiG−の末端または分岐単位から構成される。(式中、Rはアルコキシ基または一価非置換もしくは置換炭化水素基、例えばアルキル基もしくはアルケニル基などであり、Rは非置換または置換一価炭化水素基であり、RはアミノアルキルまたはRであり、Xは加水分解性基であり、Gは末端単位のケイ素原子と他のケイ素原子とを結ぶ二価の基であり、そして下付け文字sは0または1である)。ポリオルガノシロキサンは任意に式RSiO3/2(式中、Rは前に記述されたとおりである)の三官能性単位を全体に基づいて約20%まで含むことができる。RSiO単位中のRおよびRで表わされる基の少なくとも50%、あるいは少なくとも80%は、1個から6個の炭素原子のアルキル基、例えばメチルなどでありうる。
ポリオルガノシロキサンの末端単位は式 R 3−SSiG−で表わされる(式中、X、R、G、および下付き文字sは上述されているとおりである)。
で表わされる加水分解性基は、以下に限定されないが、ヒドロキシ、メトキシそしてエトキシなどのアルコキシ、イソプロペニルオキシなどのアルケニルオキシ基、メチルエチルケトキシモなどのケトキシモ基、アセトキシなどのカルボキシ基、アセトアミドキシなどのアミドキシ基、そして、N,N−ジメチルアミノキシなどのアミノキシ基が挙げられる。
末端基で、sが0であれば、Xで表わされる基はアルコキシ、ケトキシモ、アルケニルオキシ、カルボキシ、アミノオキシ、またはアミドキシでありうる。sが1であるなら、Xはアルコキシで、Rは例えばメチルもしくはエチルなどのアルキル、または例えばアミノプロピルもしくは3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルなどのアミノアルキルでありうる。アミノアルキル基のアミノ部分は第一級、第二級または第三級である。
末端単位の式中、Gは二価の基または加水分解的に安定な原子である。加水分解的に安定とは、末端単位が組成物の硬化中に取り去られることなく、硬化反応が悪影響を及ばされないように、加水分解性ではなく、ポリオルガノシロキサンにおいて末端単位のケイ素原子と他のケイ素原子に連結するということを意味する。Gで表わされる加水分解的に安定な連結として、以下に限定されないが、酸素原子、アルキレンおよびフェニレンなどのヒドロカルビレン基、酸素、窒素および硫黄から選ばれたヘテロ原子を1個以上含有するヒドロカルビレン、ならびにそれら連結基の組合せが挙げられる。Gはシルアルキレン連結基、例えば−(OSiMe)CHCH−、−(CHCHSiMe)(OSiMe)CHCH−、−(CHCHSiMe)O−、−(CHCHSiMe)(OSiMe)O−、−(CHCHSiMe)CHCH−、そして−CHCH−など、およびシロキサン連結基、例えば−(OSiMe)O−などを表す。
好ましい末端単位の具体例として、以下に限定されないが、(MeO)SiCHCH−、(MeO)SiO−、Me(MeO)SiO−、HNCHCHN(H)(CHSiO−、(EtO)SiO−、(MeO)SiCHCHSi(Me)OSi(Me)CHCH−、(MeO)SiCHCHSi(Me)OSi(Me)CHCH−、MeNOSiO−、MeC(O)N(H)SiO−そしてCH=C(CH)OSiO−が挙げられる。これらの式中、Meはメチルを表し、Etはエチルを表す。
がアルコキシ基を有するときは、このX基を一番近いシロキサン単位から例えばエチレンなどのアルキレン基によって離しておくことが望ましい。この場合、R 3−SSiG−は(MeO)SiCHCHSi(Me)O−となってもよい。ヒドロキシ基をトリアルコキシシリルアルキル基に変換する方法は当技術分野では公知である。例えば、式 (MeO)SiO−およびMe(MeO)SiO−を有する湿分反応基は、それぞれ式 (MeO)SiおよびMe(MeO)Siを有する化合物によって、シラノール末端ポリオルガノシロキサンに導入することができる。あるいは、式 (MeO)SiHおよびMe(MeO)SiHを有する化合物それぞれは、ポリオルガノシロキサンがシラノール基または例えばアルケニル基(例、ビニル)などの脂肪族不飽和有機基を含有し、かつ例えばヒドロシリル化反応触媒を含むときに、使用することができる。他の加水分解性基、例えばジアルキルケトキシモ、アルケニルオキシそしてカルボキシなどがアルコキシ基を置き換えられることは理解されるであろう。
該ポリオルガノシロキサンの粘度は、25℃で0.02Pa・sから100Pa・s、あるいは0.35Pa・sから60Pa・sまでの間でありうる。
ケイ素結合加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンは1種のポリオルガノシロキサンまたは次の特性の少なくとも一つが異なる2種以上のポリオルガノシロキサンからなる組合せでありうる。
接着剤樹脂組成物を100質量部とした場合、ケイ素結合加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンは、通常、25〜45質量部である。
(シラン架橋剤)
シラン架橋剤は、式 R SiZ(4−t)で表わされる(式中、Rは前に記述されているとおりであり、Zは硬化物質を形成するために周囲条件下で少なくともポリオルガノシロキサンの末端基と反応する加水分解性基であり、かつtは0、1または2である)。Zで表わされ、適する加水分解性基として、以下に限定されないが、1個から4個の炭素原子を有するアルコキシ、アセトキシなどであるカルボキシ、メチルエチルケトキシモなどのケトキシモ、そしてアミノキシが挙げられる。シラン架橋剤でtが2のときは、該ポリオルガノシロキサンは3個のX基(すなわち、sが0である)を含有しうる。
適するシラン架橋剤として、以下に限定されないが、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、および例えばオルトケイ酸エチルなどのオルトケイ酸塩が挙げられる。
使用されるシラン架橋剤は、ポリオルガノシロキサン樹脂及びケイ素結合加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンの合計含有量に対して、通常、含まないか、あるいは0.5〜15%まで添加する。
架橋剤が15%以下で添加されていると、接着剤樹脂組成物における硬化前の強度や、硬化速度の減少が抑制できる傾向にある。シラン架橋剤が揮発性であれば、最終の接着剤樹脂組成物中に0.5〜15%に達するために加工中は過剰量を用いることが必要である。
(その他添加剤)
シリコーン系硬化性樹脂を含む接着剤樹脂組成物は、任意にさらに1種以上の追加成分を含み得る。追加成分は、反応触媒、接着促進剤、充填剤、ポリオルガノシロキサンワックス、その他樹脂、またはそれらの組合せによって例示される。
(アクリル系硬化性樹脂を含む接着剤組成物)
アクリル系硬化性樹脂を含む接着剤樹脂組成物は、粘着性、透明性及び耐候性などの観点から、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(共重合体を含む意で、以下「アクリル酸エステル系(共)重合体」と称する。)をベース樹脂として用いるのが好ましい。
ベース樹脂としての、アクリル酸エステル系(共)重合体は、これを重合するために用いる(メタ)アクリルモノマーやその他モノマーの種類、組成比率、さらには重合条件等を適宜選択することによって、ガラス転移温度(Tg)や分子量等の物性を適宜調整して調製することが可能である。アクリル酸エステル系共重合体はマクロモノマーを用いたグラフト共重合体や、アクリル酸エステルランダム共重合体であることが好ましい。
また、アクリル酸エステル系(共)重合体の中でも、マクロモノマーを用いたグラフト共重合体やアクリル酸エステルランダム共重合体、またその中でも、共重合体を構成する各モノマー成分のガラス転移温度(Tg)、すなわちアクリルエステルランダム共重合体を構成する各モノマー成分について、其々単一のモノマーだけで重合させたポリマーのガラス転移温度(Tg)の差が大きい2種類のモノマーを含むマクロモノマーを用いたグラフト共重合体やアクリル酸エステルランダム共重合体を用いるのが好ましい。
この際、2種類のモノマー成分のガラス転移温度(Tg)の差は25〜300℃であるのが好ましく、特に40℃以上或いは200℃以下、中でも特に60℃以上或いは180℃以下、さらには100℃以上或いは180℃以下であるのがより一層好ましい。
具体的には、一方のモノマー成分のガラス転移温度(Tg)が−100〜0℃、特に−80〜−20℃であり、他方のモノマー成分のガラス転移温度(Tg)が0〜250℃、特に20〜180℃、中でも特に30〜120℃であるのが好ましい。この際、モノマー成分のTgとは、モノマー成分のみを共重合して得られるポリマーのガラス転移温度をさす。
アクリル酸エステルランダム共重合体成分である(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリート、イソオクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを挙げることができる。これらに、親水基や有機官能基などをもつヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルアクリレート、アクリルアミド、N、N-ジメチルアクリルアミド、アクリルニトリル、メタクリロニトリル等を用いることもできる。
また、上記アクリルモノマーやメタクリルモノマーと共重合可能な酢酸ビニルやアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル等の各種ビニルモノマー等を用いることができる。
上述した貯蔵弾性率を示す接着層を得るためには、アクリル酸エステルランダム共重合体成分として(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリル酸を含有することが好ましく、加えてビニルモノマーを含有することがより好ましい。
(架橋剤)
アクリル系硬化性樹脂を含む接着剤組成物は、架橋剤を含むことが好ましい。
接着層を介して薄膜ガラス及び樹脂層を貼合した後、架橋剤を架橋させることで、接着層は高温環境下における高い凝集力を発現することができる傾向にある。
架橋剤としては、例えばエポキシ架橋剤やイソシアネート架橋剤、オキセタン化合物、シラン化合物、アクリル化合物等からなる架橋剤を適宜選択可能である。中でも、反応性や得られる硬化物の強度の点で、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリングリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオ
キシエチル(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリ
ロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の紫外線硬化型の多官能モノマー類のほか、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の多官能アクリルオリゴマー類を挙げることができる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤は、上述の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の重合反応や、架橋剤を含む場合は、架橋反応における反応開始助剤としての機能を果たす。光重合開始剤は、現在公知のものを適宜使用することができる。中でも、波長380nm以下の紫外線に感応する光重合開始剤が、架橋反応の制御のしやすさの観点から好ましい。
(その他添加剤)
アクリル系硬化性樹脂を含む接着剤組成物は、ベース樹脂、架橋剤、光重合開始剤以外にも粘着付与樹脂や、酸化防止剤、光安定化剤、金属不活性化剤、老化防止剤、吸湿剤などの各種の添加剤を適宜含有させることが可能である。
また、必要に応じて反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)を適宜含有してもよい。
接着層は、全体として上述した物性を満たす限り、例えば、薄膜ガラス側の層/樹脂層側の層や、外層/中層/外層のような複数の層を積層した構成であってもよい。
接着層を例えば、外層/中層/外層を備えた積層構成とする場合には、外層は反り低減性と耐衝撃性を兼ね備えているのが好ましい。外層の材料としては、上述した接着剤樹脂組成物が挙げられる。具体的には、ベース樹脂として、 (メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリル酸を共重合体成分として含むアクリル酸エステルランダム共重合体を含有する接着剤樹脂組成物が好ましく、さらには、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリル酸に加えて、ビニルモノマーを共重合体成分として含むアクリル酸エステルランダム共重合体をベース樹脂とする接着剤樹脂組成物がさらに好ましい。
中層は、本積層体を表示装置用保護材として用いた場合、表示装置構成部材との接着には寄与しないため、透明性を損なわず、外層の硬化反応を阻害しない程度の光透過性を有し、外層との接着性を確保でき、カット性及びハンドリング性を高める性質を有しているのが好ましい。中層の材料としては上述した接着剤樹脂組成物が挙げられる。具体的には、外層と同様にアクリル酸エステルランダム共重合体をベース樹脂とする接着剤樹脂組成物が好ましく、カット性及びハンドリング性を高めるために、架橋剤を含んでいることがさらに好ましい。
本発明に用いられる接着層の厚みは、20μm以上であることが好ましい。50μm以上がより好ましく、100μm以上がさらに好ましい。一方、500μm以下であることが好ましく、400μm以下がより好ましく、300μm以下がさらに好ましい。
接着層の厚みが20μm以上であれば、薄膜ガラスに貼着した場合、薄膜ガラス及び樹脂層の膨張収縮差を緩和することができる傾向にあり、厚みが500μm以下であれば、薄膜ガラスに貼着した場合、全体厚みの薄いガラス積層体が得られ、表示装置等の電子機器の保護材として用いた場合、電子機器全体の厚みを抑制することができる傾向がある。
(3)薄膜ガラス
本発明に用いられる薄膜ガラスは、厚みが10μm以上、200μm以下のガラスであれば、任意の適切なものが採用されうる。
薄膜ガラスの厚みは、10μm以上であることが重要であり、好ましくは30μm以上、より好ましくは50μm以上である。一方で、200μm以下であることが重要であり、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下である。10μm以上とすることで、機械的強度の極度の低下を防ぎ、一方で200μm以下とすることで、ガラス単体での製造効率を悪化させず、ハンドリング性に優れた薄膜ガラスを得ることができる。
薄膜ガラスの材料は特段限定されず、例えばソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等ほぼすべてのガラス組成のものが適用でき、強化、表面処理等の二次加工を施したものも適用可能であり、いずれも用途により使い分けられる。二次加工としては例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などによるカップリング剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、イオン処理などの化成処理、プラズマ処理、グロー放電処理、アーク放電処理、コロナ処理などの放電処理、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理、レーザー処理などの電磁波照射処理、その他火炎処理などの表面処理などの各種表面処理があげられる。特に、接着層との密着性を向上させる観点から、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。
市販されている薄膜ガラスの具体例としては、無アルカリガラスである日本電気硝子株式会社性の商品名「OA−10G」が挙げられる。
(4)ガラス積層体
本発明のガラス積層体は、薄膜ガラスの一方の面に、接着層を介して、樹脂層を備える構成を有しており、接着層の基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が特定の範囲にあり、且つ、樹脂層と接着層の厚み比が特定の範囲にあることで、高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境下に曝しても、反りの発生を抑制でき、耐衝撃性に優れることを特徴とする。
本発明のガラス積層体は、高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境下に曝しても、反りの発生を抑制できることが重要であり、具体的には、本積層体を、温度60℃相対湿度95%の恒温恒湿槽に24時間静置した後、温度23℃相対湿度50%の恒温恒湿槽に3時間静置した後の反り量が2.0mm以下であることが重要である。好ましくは1.0mm以下であり、より好ましくは0.5mm以下である。一方、下限は特に制限されないが0.0mm以上である。
本積層体において、温度60℃相対湿度95%の恒温恒湿槽に24時間静置した後、温度23℃相対湿度50%の恒温恒湿槽に3時間静置した後の反り量が2.0mm以下であれば、高温高湿の環境に曝される可能性の有る用途に用いることができ、例えば、液晶表示装置やタッチパネルなどの表示装置用保護材として用いた場合、表示装置が高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)の環境下に曝されたとしても、保護材と他部材との間で剥離や気泡が発生したり、装置自体が変形したりする可能性が低い。よって本積層体を表示装置用保護材として好適に用いることができる。
本発明のガラス積層体の厚みは、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、さらに好ましくは250μm以上、特に好ましくは300μm以上である。一方で、好ましくは4500μm以下、より好ましくは3000μm以下、さらに好ましくは1500μm以下、特に好ましくは1000μm以下である。
本発明のガラス積層体の厚みが、100μm以上であれば、耐衝撃性他、表示装置等の電子機器の保護材として必要な物性を確保できる傾向があり、4500μm以下であれば、表示装置等の電子機器の保護材として用いた場合、電子機器の全体厚みを抑制である傾向がある。
本発明のガラス積層体の全光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。また、ヘイズ値は、2%以下が好ましく、1%以下が特に好ましい。このような光学特性を有することによって、例えば、液晶表示装置やタッチパネルといった表示装置の保護材として本積層体を好適に用いることができる。
なお、全光線透過率及びヘイズ値は、例えば、JIS K 7361に準拠する方法で測定することができる。このとき、例えば、透過率計(村上色彩技術研究所製「HR−100」)を用いることができる。
本発明のガラス積層体において、薄膜ガラス側表面の表面硬度(鉛筆硬度)は、好ましくは6H以上、より好ましくは8H以上である。
6H以上であれば、表示装置等の保護材として、好適に用いることができる。
表面硬度(鉛筆硬度)を調整する方法としては、例えば、薄膜ガラスの厚みの調整や、接着層の貯蔵弾性率を調整する方法が挙げられる。
なお表面硬度(鉛筆硬度)は、例えばJIS K−5600−5−4に準拠する方法で測定することができる。このとき、例えば、電動鉛筆引っかき硬度試験機(安田精機製作所製「533−M」)を用いることができる。
本発明のガラス積層体の見かけの曲げ弾性率は、好ましく500MPa以上、より好ましくは1000MPa以上、さらに好ましくは1500MPa以上、特に好ましくは2000MPa以上である。一方で、好ましくは10000MPa以下、より好ましくは9000MPa以下、さらに好ましくは8000MPa以下、特に好ましくは6000MPa以下である。
本積層体の見かけの弾性率が500MPa以上であれば、耐衝撃性が高く、衝撃を加えても薄膜ガラスが破損しにくい傾向にある。
本積層体の見かけの弾性率が10000MPa以下であれば、例えば、図3のように本積層体をタッチパネルの保護材として用いた場合、高温高湿(例えば温度60℃相対湿度95%)環境下に曝されて本積層体が反る方向に応力が発生しても、タッチパネルセンサー部と保護材との間の剥離が抑制される傾向にある。
ガラス積層体の見かけの曲げ弾性率を調整する方法としては、各層厚みの調整する方法、接着層の原料となるモノマーやオリゴマーの分子量、官能基数を適宜選択することにより適当な架橋密度に調整する方法などが挙げられる
なお、ガラス積層体の見かけの曲げ弾性率は、JIS K7074に準拠して測定することができる。具体的には、万能試験装置を用いて、100mm角の試験片を用い、試験間距離を50mmとして3点曲げ測定を行い、見かけの曲げ弾性率を算出することができる。
(5)ガラス積層体の製造方法
本発明のガラス積層体の製造方法は特に限定されない。例えば、樹脂層を塗工基材として接着剤樹脂組成物を塗工形成し、薄膜ガラスと貼着する方法、薄膜ガラスを塗工基材として接着剤樹脂組成物を塗工形成し、樹脂層と貼着する方法、樹脂層と薄膜ガラスで接着剤樹脂組成物を両側から挟み込みながら、ラミネートする方法が挙げられる。
また、一度、樹脂層と離型フィルムとの間に接着層を有する構成の積層シート(以下、離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シートとも称する)を作製した後、離型フィルムを剥離し、接着層面を薄膜ガラスに貼着することで、ガラス積層体を作製することもできる。
さらには、複数の層からなる接着層を用いる場合には、予め接着層を構成する各層を両側から離型フィルムで挟んだ積層シートを作製した後、離型フィルムを剥がして接着層を構成する各層を積層して接着層を作製し、最終的に樹脂層と薄膜ガラスで接着層を両側から挟み込みながらラミネートすることで、ガラス積層体を作製することもできる。
なお、接着層が硬化処理を必要とする場合は、必要に応じて硬化処理を施してもよいし、樹脂層、接着層及び薄膜ガラスを貼り合せた後、気泡除去による透明性の向上を目的として、さらにオートクレーブ処理を施してもよい。
上述した離型フィルムは、公知の離型フィルムなどでよく、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、脂肪族アミド系、シリカ系などの公知の離型剤などで剥離処理された、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルムが挙げられる。
(6)ガラス積層体の用途
本発明のガラス積層体は、保護材として、建築物、窓、額縁、展示ケース、電子機器のカバー等様々な用途が存在するが、特に電子機器、例えば、液晶表示装置やタッチパネルなど表示装置用保護材として好適に用いることができる。
例えば、図2に示すように本積層体を保護材として、表示装置の最表面に配置して用いた場合、本積層体は耐衝撃性、表面硬度に優れているため、表示装置に対して本積層体側から衝撃が加わったとしても、表示装置表面に傷がつきにくく、破損しにくい。また、例えば温度60℃相対湿度95%といった高温高湿環境下に曝されたとしても、本積層体は反りにくい、すなわち薄膜ガラスや樹脂層に発生する応力が小さいために、図2で示す樹脂層21と光学透明粘着層24との間、または光学透明粘着層24とタッチパネルセンサー部25との間で剥離や、これに起因する気泡の発生が抑えられるため、表示装置用保護材として好適に用いることができる。
本積層体を適用できる電子機器としては特に制限はなく、種々のものに本発明のガラス積層体を保護材として用いることができる。電子機器としては、例えば、液晶表示装置やタッチパネル等の表示装置を挙げることができる。液晶表示装置の詳細は、例えば、国際公開第2013/175917号公報、国際公開第2013/027548号公報、国際公開第2010/125703号公報、国際公開第2011/108437号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。タッチパネルの詳細は、例えば、特表2011−511357号公報、特開2010−164938号公報、特開2008−310550号公報、特表2003−511799号公報、特表2010−541109号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。
(用語の説明)
一般的に「フィルム」とは、長さおよび幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JIS K−6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明が以下の実施例に記載される態様に限定されるものではない。
(評価)
実施例及び比較例で得られたガラス積層体を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
なお、評価はすべて、接着層の硬化処理を行った後のガラス積層体を用いて実施した。
また、実施例及び比較例に用いた接着層について、接着剤樹脂組成物を剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルムで両側から挟み込んでラミネートし、シート状に賦形した後、硬化処理を行い、離型フィルムを剥離して、接着層単層を得た。得られた接着層単層について以下の方法で評価した。
(1)接着層の貯蔵弾性率G’の周波数依存性
接着層における各温度での貯蔵弾性率を、レオメトリックス社製の粘弾性測定装置「ダイナミックアナライザーRDAII」を用いて、以下の条件で測定した。
測定条件:
温度:0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃
パラレルプレート:25mmφ
歪み量:0.1%
角周波数:0.19〜314rad/sec
さらに20℃を基準温度として温度−時間換算のマスターカーブを作成し、基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hz(角周波数1.0×10−3rad/sec)、周波数1.59×10−7Hz(角周波数1.0×10−6rad/sec)及び周波数1.59Hz(角周波数10rad/sec)での貯蔵弾性率G’を読み取った。
なお、比較例1、比較例3、及び比較例4の接着層においては、貯蔵弾性率が高すぎるために、上記せん断モードでの貯蔵弾性率G’の測定ができなかったため、下記引張モードでの貯蔵弾性率E’を求めた。
(2)接着層の貯蔵弾性率E’の周波数依存性
JISK−7198A法に記載の動的粘弾性測定法により、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製 「DVA−200」)を用い、チャック刊距離25mm、歪み0.3%として、以下の条件で測定した。
測定条件:
温度:0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃
角周波数:0.19〜314rad/sec
さらに20℃を基準温度として温度−時間換算のマスターカーブを作成し、基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hz(角周波数1.0×10−3rad/sec)、周波数1.59×10−7Hz(角周波数1.0×10−6rad/sec)及び周波数1.59Hz(角周波数10rad/sec)での貯蔵弾性率E’を読み取った。
なお、比較例1、比較例3、及び比較例4の接着層のような等方材料の場合、E’は3G’と等しくなることが一般的に知られており、G’=1/3E’としてG’を算出した。
(3)湿熱試験後の反り量評価
サンプルサイズ10cm角のガラス積層体を温度60℃相対湿度95%の恒温恒湿槽に24時間入れて湿熱試験をおこなった。
湿熱試験後、ガラス積層体を温度23℃相対湿度50%の恒温恒湿槽に3時間入れた後、ガラス積層体を恒温恒湿槽から取り出し、水平な定盤上に静置した。なお、ガラス積層体が反っている場合は、図3に示すように、ガラス積層体の中央部が定盤に接し、端部が定盤から浮くように置いた。
図3に示すように、定盤からガラス積層体下面における各辺中央部分までの鉛直距離を測定し、その平均値を算出して、湿熱試験後のガラス積層体の反り量とした。
評価基準は以下の通りである。
◎:ガラス積層体の反り量が1.0mm以下。
○:ガラス積層体の反り量が2.0mm以下。
×:ガラス積層体の反り量が2.0mmより大きい。
ちなみに、実施例及び比較例で得られたガラス積層体について、湿熱試験前はいずれの積層体も反っておらず、反り量はゼロであった。
(4)落球衝撃試験
10cm角ガラス積層体の両端1cmを治具で挟み、落球が衝突する側が薄膜ガラスになるように、ガラス積層体を水平に固定した。
重量133g、直径3.17cmのスチール球を、ガラス積層体の表面を基準として高さ15cmの位置から、ガラス積層体表面に対して自由落下させ、スチール球と衝突後のガラス積層体の外観を観察した。また、高さ15cmの位置からの落球衝撃試験でガラス積層体の外観に変化がない場合は、スチール球の高さを20cmに変更して、さらに落球衝撃試験を実施した。
評価基準は以下の通りである。
◎:スチール球の高さを20cmに変更した場合でも、外観に変化なし。
○:外観に変化なし(スチール球の高さ15cm)
△:薄膜ガラスに傷やクラックは生じないが、落球衝撃試験後にガラス積層体が変形する。(スチール球の高さ15cm)
×:ガラス積層体が破損する、または薄膜ガラスに傷やクラックが生じる。(スチール球の高さ15cm)
(5)ガラス積層体の見かけの曲げ弾性率
JIS K7074に準拠し、測定サンプルのサイズと試験間距離を変更して3点曲げ試験を行った。このとき、万能試験装置を使用した。
具体的には、100mm角のガラス積層体を用い、試験間距離は50mmとして、薄膜ガラス表面に対して、試験片中央の圧子の一定の速度(1mm/min)での変位(たわみ)の伴う強度を計測し、変位と強度の直線関係が成立する領域で下記計算式により見かけの曲げ弾性率を求めた。
見かけの曲げ弾性率=(直線部の荷重×支点間距離)/(4×試験片幅×試験片厚さ×たわみ量)
(6)表面硬度(鉛筆硬度)の評価
ガラス積層体における薄膜ガラス側の表面硬度(鉛筆硬度)の測定をJIS K−5600−5−4に準拠して行った。試験時の負荷荷重は1000gfとした。
[実施例1]
(離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート1の作製)
湿気硬化性シリコーン系樹脂を含む接着剤樹脂組成物(東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名「HM2510」)を剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(「離型フィルム」と称する)(パナック株式会社製「NP75Z01」、厚み:75μm)と、温度200℃で10分間アニール処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂株式会社製 商品名「ダイアホイルO−300」 厚み:250μm)(以下、樹脂層1と称する)で挟み、ラミネーターを用いて当該接着剤樹脂組成物を厚さ140μmとなるようシート状に賦形して、離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート1を作製し、23℃50RH%に7日間放置し、接着剤樹脂組成物を湿気硬化させた。
なお、樹脂層1について、流れ方向(MD)の200℃30分間での収縮率を測定した結果、0.3%であった。
(ガラス積層体の作製)
薄膜ガラス(日本電気硝子株式会社製 商品名「OA−10G」 厚み:50μm)と、離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート1の離型フィルムを剥離した面とを合わせるよう貼り合わせた後、オートクレーブ処理(80℃、ゲージ圧0.2MPa、20分)を施して仕上げ貼着し、ガラス積層体を作製した。仕上げ貼着した後の接着層の厚みは140μmであった。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
[実施例2]
薄膜ガラス(日本電気硝子株式会社製 商品名「OA−10G」)の厚みを50μmから100μmに変更した以外は、実施例1と同様にしてガラス積層体を作製した。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
[実施例3]
(マクロモノマーの合成)
撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水900質量部、メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム60質量部、メタクリル酸カリウム10質量部及びメタクリル酸(MMA)12質量部を入れて撹拌し、重合装置内を窒素置換しながら、50℃に昇温した。その中に、重合開始剤として2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.08質量部を添加し、更に60℃に昇温した。昇温後、滴下ポンプを使用して、MMAを0.24質量部/分の速度で75分間連続的に滴下した。反応溶液を60℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分10質量%の分散剤1を得た。
撹拌機、冷却管、温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水145質量部、硫酸ナトリウム0.1質量部及び分散剤1(固形分10質量%)0.25質量部を入れて撹拌し、均一な水溶液とした。次に、メタクリル酸を100質量部、連鎖移動剤としてビス[(ジフルオロボリル)ジフェニルグリオキシメイト]コバルト(II)を0.004質量部、重合開始剤として1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂株式会社製 商品名「パーオクタO」)0.4質量部を加え、水性懸濁液とした。
次に、重合装置内を窒素置換し、80℃に昇温して1時間反応し、さらに重合率を上げるため、90℃に昇温して1時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、ポリマーを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、脱水し、40℃で16時間乾燥して、マクロモノマーを得た。このマクロモノマーの数平均量は2.5×10であった。
(アクリル系共重合体の製造)
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四つ口フラスコに、酢酸エチル40質量部、イソプロパノール4.5質量部、上述の合成で得られたマクロモノマー15質量部、窒素ガス通気下で85℃に昇温した。85℃に達した後、酢酸エチル20質量部、アクリル酸n−ブチル81質量部、アクリル酸4質量部、ベンゾイルパーオキサイド0.04質量部からなる混合物を4.5時間かけて滴下した。滴下終了後1時間保持した後、パーオクタO0.5質量部と酢酸エチル10質量部からなる混合物を1時間かけて添加した。その後、2時間保持した後、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF社製 商品名「イルガノックス1010」)を0.5質量部、酢酸エチルを20.5質量部添加後、室温まで冷却してメタアクリル系共重合体を得た。
得られたメタアクリル系共重合体の重量平均分子量は24万であった。
作製したアクリル系共重合体を脱溶剤し、固形樹脂を得た。
アクリル系共重合体の固形樹脂1kgに対し、架橋剤として、グリセリンジメタクリレート100g、光重合開始剤として、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド15gを均一混合し、アクリル系硬化性樹脂を含む接着剤樹脂組成物を作製した。
(離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート2の作製)
当該接着剤樹脂組成物を、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(「離型フィルム」と称する)と樹脂層1で挟み、ラミネーターを用いて当該接着剤樹脂組成物を厚さ100μmとなるようシート状に賦形して、離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート2を作製した。
(ガラス積層体の作製)
離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート1に代えて、離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート2を用い、オートクレーブ処理した後、高圧水銀ランプにて365nmの積算光量が2000mJ/cmとなるよう高圧水銀ランプにて紫外線を照射した以外は実施例1と同様にしてガラス積層体を得た。仕上げ貼着した後の接着層の厚みは100μmであった。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
[実施例4]
(接着層(中層)形成用積層シート1)
2−エチルヘキシルアクリレート75質量部と、酢酸ビニル20質量部と、アクリル酸5質量部とをランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体を用意した。得られたアクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は44万であった。
このアクリル酸エステル共重合体1kgに、架橋剤として紫外線硬化性樹脂であるプロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業株式会社製 商品名「ATM−4PL」)100gと、光重合開始剤として4−メチルベンゾフェノン15gとを混合してアクリル系硬化性樹脂を含む接着層(中層)用接着剤樹脂組成物を調製した。
剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム1(パナック株式会社製 商品名「NP75Z01」、厚み:75μm)に、前記接着層(中層)用接着剤樹脂組成物を加熱溶融して、厚さ110μmとなるようアプリケータにて塗工した後、剥離処理したPETフィルム2(東洋紡株式会社製 商品名「E7006」、厚み:38μm)を被覆し、PETフィルム1/接着層(中層)A(厚さ76μm)/PETフィルム2からなる接着層(中層)形成用積層シート1を作製した。
(接着層(外層)形成用積層シート1)
前記アクリル酸エステル共重合体1kgに、光重合開始剤としての4−メチルベンゾフェノン20gを添加混合して、アクリル系硬化性樹脂を含む接着層(外層)用接着剤樹脂組成物を調製した。
この接着層(外層)用接着剤樹脂組成物を加熱溶融して、塗工基材としての剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム3(三菱樹脂株式会社製 商品名「MRA75」、厚み:75μm)上に、厚みが37μmとなるようにシート状に塗工して成形し、樹脂層1を被覆し、PETフィルム3/接着層(外層)B(厚さ37μm)/樹脂層1からなる接着層(外層)形成用積層シート1を作製した。
(接着層(外層)形成用積層シート1’)
塗工基材を、剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム5(三菱樹脂株式会社製 商品名「MRF50」、厚み:50μm)に、樹脂層1を、剥離処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム2(東洋紡績製「E7006」、厚み38μm)に代えた以外は、上記接着層(外層)形成用積層シート1と同様にして、PETフィルム5/接着層(外層)B’(厚み35μm)/PETフィルム2からなる接着層(外層)形成用積層シート1’を作製した。
(離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート3の作製)
接着層(中層)形成用積層シート1における接着層(中層)Aの両側のPETフィルム1及び2を順次剥離除去すると共に、接着層(外層)形成用積層シート1及び1’における接着層(外層)Bの剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム及びB’の一側のPETフィルム3及び2を剥がして、露出した粘着面を接着層(中層)Aの両表面にラミネーターにて順次貼合し、樹脂層1/接着層(外層)B/接着層(中層)A/接着層(外層)B’/PETフィルム5からなる多層シートを作製した。
接着層(外層)B及びB’の表面に残るポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム4及び5を介して、365nmの積算光量が1000mJ/cmとなるよう高圧水銀ランプにて紫外線を照射し、接着層(外層)B、接着層(中層)A及び接着層(外層)B’を紫外線架橋させて、離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート3(2次硬化前透明両面粘着シート)(総厚み150μm)を作製した。
(ガラス積層体の作製)
離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート2に代えて、離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート3を用いた以外は実施例3と同様にして、紫外線硬化を行い、ガラス積層体を作製した。
仕上げ貼着した後の接着層の厚みは150μmであった。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
[実施例5]
実施例3で得られたアクリル系共重合体の固形樹脂700gに対し、粘着付与樹脂としてアクリル酸変性ロジン(荒川化学工業株式会社製 商品名「パインクリスタルKE−604」)300g、架橋剤として、グリセリンジメタクリレート10g、光重合開始剤として、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド10gを均一混合し、アクリル系硬化性樹脂を含む接着剤樹脂組成物を作製し、薄膜ガラスの厚みを100μmに変更した以外は、実施例3と同様にして、ガラス積層体を作製した。
仕上げ貼着した後の接着層の厚みは180μmであった。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
[実施例6]
接着層を湿気硬化性シリコーン系樹脂を含む接着剤樹脂組成物(東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名「HM2500」)に変更した以外は、実施例2と同様にしてガラス積層体を作製した。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
[比較例1]
接着剤樹脂組成物として紫外線硬化性エポキシ系樹脂(株式会社ADEKA製、商品名「KRX−690−5」)を樹脂層1上にバーコータ―で塗布し、薄膜ガラス(日本電気硝子株式会社製 商品名「OA−10G」 厚み:50μm)を樹脂層1の塗布面に向けてハンドロール(硬度:90°)でラミネートした。高圧水銀ランプ(積算光量:370mJ/cm)を照射し、接着層の厚みが10μmであるガラス積層体を作製した。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
[比較例2]
仕上げ貼着後の接着層の厚みを10μmに調整した以外は実施例3と同様にしてガラス積層体を得た。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
[比較例3]
エチレン酢酸ビニル共重合体(三井・デュポン ポリケミカル株式会社製 商品名エバフレックス「EV560」)をシート状に成形した。薄膜ガラス(日本電気硝子株式会社製 商品名「OA−10G」 厚み:100μm)と樹脂層1でエチレン酢酸ビニル共重合体シートを挟みながらラミネートし、ガラス積層体を得た。得られたガラス積層体の接着層、すなわちエチレン酢酸ビニル共重合体からなる層の厚みは150μmであった。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
[比較例4]
樹脂層として、樹脂層1に代えてポリカーボネート板(旭硝子株式会社製 商品名「カーボグラスポリッシュ」 厚み:1000μm)を用いた以外は、比較例3と同様にして、ガラス積層体を得た。
得られたガラス積層体について評価を行った。結果は表1に示す。
なお、得られたガラス積層体について湿熱試験を実施した結果、温度60℃相対湿度95%の恒温恒湿槽から出した直後にガラスにヒビが入ったため、積層体の反り量が測定不可だった。


































Figure 0006613870
(考察1)
実施例1〜5、実施例6及び比較例1〜4の結果から、接着層において基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)の比(G’(1.59Hz)/G’(1.59×10−4Hz))が6以上であり、貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が5.0×10−1MPa以下であり、接着層厚みと樹脂層厚みの比(接着層厚み/樹脂層厚み)が0.08以上、2以下であることで、湿熱試験後の反り量が抑制され、かつ耐衝撃性に優れるガラス積層体が得られることがわかった。
(考察2)
実施例1〜5及び実施例6の結果から、接着層の貯蔵弾性率G’(1.59Hz)が8.0×10−2MPa以上、さらには5.0×10−1MPa以上であることで、より耐衝撃性に優れるガラス積層体が得られることがわかった。
(考察3)
実施例1〜6の結果から、接着層において基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hz及び1.59×10−7Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−7Hz)の比(G’(1.59×10−4Hz)/G’(1.59×10−7Hz))が20以下であることで、より湿熱試験後の反り量が抑制されるガラス積層体が得られることがわかった。
本発明のガラス積層体は、透明性、耐衝撃性、表面硬度に優れ、高温高湿の環境に曝した後でも反りの発生が抑制される。
よって、表示装置等の電子機器の保護材として好適に用いることができる。
10、30 ガラス積層体
20 表示装置用保護材
11、21 樹脂層
12、22 接着層
13、23 薄膜ガラス
24、26 光学透明粘着層
25 タッチパネルセンサー部
27 液晶表示部
28 タッチパネル
38 定盤
39 鉛直距離

Claims (8)

  1. 厚み10μm以上、200μm以下の薄膜ガラスの一方の面に接着層を介して樹脂層を備える積層体であって、
    該接着層が、シリコーン系硬化性樹脂を含み、
    該接着層の基準温度20℃、周波数1.59Hz及び1.59×10−4Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)の比(G’(1.59Hz)/G’(1.59×10−4Hz))が6以上であり、
    貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)が5.0×10−1MPa以下であり、
    接着層厚みと樹脂層厚みの比(接着層厚み/樹脂層厚み)が0.08以上、2以下であり、
    該積層体を温度60℃相対湿度95%の恒温恒湿槽に24時間静置した後、温度23℃相対湿度50%の恒温恒湿槽に3時間静置した後の積層体の反り量が2.0mm以下であることを特徴とするガラス積層体。
  2. 前記接着層の基準温度20℃、周波数1.59×10−4Hz及び1.59×10−7Hzでの貯蔵弾性率G’(1.59×10−4Hz)と貯蔵弾性率G’(1.59×10−7Hz)の比(G’(1.59×10−4Hz)/G’(1.59×10−7Hz))が20以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラス積層体。
  3. 前記接着層の基準温度20℃、周波数1.59Hzにおける貯蔵弾性率G’(1.59Hz)が8.0×10−2MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス積層体。
  4. 積層体の厚みが100μm以上、4500μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス積層体。
  5. 前記シリコーン系硬化性樹脂が、湿気硬化性シリコーン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス積層体。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載されたガラス積層体を用いてなる表示装置用保護材。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載されたガラス積層体を形成するための離型フィルム付き薄膜ガラス保護用積層シート。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載されたガラス積層体を用いてなる表示装置。
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