以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同装置の機構部の平面説明図、図2は同じく要部側面説明図、図3は同じくヘッド構成の説明に供する平面説明図である。なお、図3はヘッドを上方から透過した状態で示している。
この装置は、シリアル型装置であり、主ガイド部材1などのガイド機構でキャリッジ3を主走査方向に移動可能に保持している。キャリッジ3は、主走査移動機構を構成する、主走査モータ5によって駆動プーリ6と従動プーリ7間に架け渡したタイミングベルト8を介して主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動される。
キャリッジ3には、2つの液体吐出ユニット40A、40B(区別しないときは、「液体吐出ユニット40」という。他の部材も同様とする)を搭載している。液体吐出ユニット40は、液体吐出手段としての液体吐出ヘッド41と、液体吐出ヘッド41に液体を供給するヘッドタンク42とを一体化して構成している。
液体吐出ヘッド41は、図3に示すように、それぞれ複数のノズル41nを配列した2つのノズル列Na、Nbを有している。液体吐出ユニット40Aのヘッド41Aの一方のノズル列Naはブラック(K)の液滴を、他方のノズル列Nbはシアン(C)の液滴を、それぞれ吐出する。また、液体吐出ユニット40Bのヘッド41Bの一方のノズル列Naはマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列Nbはイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
なお、液体吐出手段としては、1つの液体吐出ヘッドのノズル面に複数のノズルを並べた各色の液滴を吐出する複数のノズル列を備えるものなどを用いることもできる。
ヘッドタンク42は、それぞれ各ヘッド41の2つのノズル列Na、Nbに対応して、各色の液体を収容する2つのタンク部を対にした複数のタンク部を備える構成である。
そして、装置本体側には、各色の液体を収容したメインタンク(液体カートリッジ)50(50y、50m、50c、50k)が交換可能に装着されるカートリッジホルダ51が配置されている。
このカートリッジホルダ51には送液ポンプ部52が設けられ、メインタンク50から送液ポンプ部52によって各色の供給チューブ(液体供給経路ともいう。)56を介して各ヘッドタンク42のタンク部に各色の液体が供給される。
一方、シート材Pを搬送するために、シート材Pを吸着して液体吐出ユニット40のヘッド41に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12によるシート材Pの吸着は、静電吸着やエアー吸着で行うことができる。
搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されている。そして、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には搬送ベルト12の側方にヘッド41の維持回復を行う回復手段の1つである維持回復機構20が配置されている。キャリッジ3の主走査方向の他方側には搬送ベルト12の側方にヘッド41から予備吐出(空吐出)される液体を受ける空吐出受け81がそれぞれ配置されている。なお、ヘッドの状態を維持回復するための吐出を空吐出といい、装置本来の目的(例えば印刷)を達するための吐出を本吐出という。
維持回復機構20は、例えばヘッド41のノズル面41aをキャッピングする吸引キャップ21、保湿キャップ22、ノズル面41aを払拭するワイパ部材23、空吐出される液体を受ける空吐出受け24などで構成されている。なお、空吐出は、吸引キャップ21に行う構成とすることもできる。
また、搬送ベルト12と維持回復機構20との間で、ヘッド41に対向可能な領域には、ヘッド41のノズル41nの吐出状態を検知する吐出検知手段を構成する吐出検知ユニット100が配置されている。
吐出検知ユニット100は、詳細は後述するが、ヘッド41のノズル41nから吐出された吐出検知用の液体を受ける付着部材としての電極101を備えている。また、吐出検知ユニット100には電極101の表面である液体付着面(以下、これを「着弾面」という。)を払拭して清浄化する清浄化手段としての払拭ユニット200を備えている。
また、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール123を張り渡し、キャリッジ3にはエンコーダスケール123のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ124を設けている。これらのエンコーダスケール123とエンコーダセンサ124によってキャリッジ3の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、搬送ローラ13の軸にはコードホイール125を取り付け、このコードホイール125に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ126を設けている。これらのコードホイール125とエンコーダセンサ126によって搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
このように構成した装置においては、シート材Pが搬送ベルト12上に給紙されて吸着され、搬送ベルト12の周回移動によって副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じてヘッド41を駆動することにより、停止しているシート材Pに液体を吐出して1行分を記録する。そして、シート材Pを所定量搬送後、次の行の記録を行う。
記録終了信号又はシート材Pの後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、印字動作を終了して、シート材Pを図示しない排紙トレイに排紙する。
次に、この装置の制御部の概要について図4を参照して説明する。同図は同制御部のブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
また、制御部500は、書き換え可能な不揮発性メモリ(NVRAM)505と、PCなどのホスト(情報処理装置)600との間でデータの転送を司るホストI/F506を備えている。
また、制御部500は、ヘッド41を駆動制御する画像出力制御部511と、エンコーダ解析部512を備えている。エンコーダ解析部512は、主走査エンコーダセンサ124、副走査エンコーダセンサ126からの検出信号を入力して解析する。
また、制御部500は、主走査モータ5を駆動する主走査モータ駆動部513と、副走査モータ16を駆動する副走査モータ駆動部514と、温度検出手段518、各種センサ・アクチュエータ517との間のI/O516なども備えている。
を備えている。
また、制御部500は、吐出検知ユニット100の電極101に液体が付着(着弾ともいう。)したときの電気的変化を検出して吐出/不吐出などの吐出状態を判別する吐出検知部531を備えている。また、制御部500は、吐出検知ユニット100の電極101を払拭する払拭ユニット200の駆動モータ203を駆動する払拭ユニット駆動部532を備えている。
画像出力制御部511は、印刷データを生成するデータ生成手段、ヘッド41を駆動制御するための駆動波形を発生する駆動波形生成手段、駆動波形から所要の駆動信号を選択するためのヘッド制御信号及び印刷データを転送するデータ転送手段などを含む。
そして、画像出力制御部511は、キャリッジ3側に搭載されたヘッド41を駆動するためのヘッド駆動回路であるヘッドドライバ510に対して駆動波形、ヘッド制御信号、印刷データなどを出力して、ヘッド41のノズル41nから印刷データに応じて液体を吐出させる。
また、エンコーダ解析部512は、検出信号から移動方向を検知する方向検知部520と、移動量を検知するカウンタ部521とを備えている。
制御部500は、エンコーダ解析部512からの解析結果に基づいて、主走査モータ駆動部513を介して主走査モータ5を駆動制御することでキャリッジ3の移動制御を行う。また、副走査モータ駆動部514を介して副走査モータ16を駆動制御することでシート材Pの送り制御を行う。
この制御部500の主制御部500Aは、吐出検知手段を構成する吐出制御手段を兼ねており、ヘッド41の吐出検出を行うときには、ヘッド41を吐出検知ユニット100の電極101に対向する位置まで移動させる。そして、主制御部500Aは、画像出力制御部511を介してヘッド41の所要のノズルから順次吐出を行わせて吐出検知部531からの検知信号によって滴吐出状態(吐出/不吐出)を判別する制御を行う。
また、主制御部500Aは、清浄化手段である払拭ユニット200による清浄化動作である払拭動作を制御する手段を兼ねており、払拭ユニット駆動部532を介して払拭ユニット200の駆動モータ203を駆動制御して払拭動作(清浄化動作)を行わせる。
主制御部500Aによる吐出検知動作の制御や払拭動作(清浄化動作)の制御は、ROM502に格納保持している本発明に係るプログラムに従って行われる。
次に、この装置における吐出検知手段に係る構成について図5を参照して説明する。図5は同構成の説明に供するブロック説明図である。
吐出検知手段は、ヘッド41と対向可能な位置に配置された電極101と、吐出検知部531に含まれる、電極101に接続された検知波形検出回路551と、検知波形検出回路551を通して電極101に電圧を印加する電圧印加手段552を有している。電極101の表面(ヘッド41に対向する側の表面)が前述したように着弾面101aとなる。
次に、この吐出検知手段による吐出検知動作について図6も参照して説明する。図6は同説明に供する説明図である。
ヘッド41の吐出状態を検知するときには、図6(a)に示すように、例えば電極101に正の電荷を与える極性の電圧を電圧印加手段552によって印加する。
電極101が正の電荷で帯電すると共に、吐出された液体700の電極101側には負の電荷が誘起され、液体700のヘッド41側には正の電荷が誘起される。つまり、ノズル41nの近傍の液体700の電極101側には、電極101の電荷とは逆極性の電荷が誘起される。
このとき、ヘッド41内の液体はGNDに接続されているため、液体700とヘッド41が離れるまで、液体700のヘッド41側の正の電荷はGNDに移動する。ヘッド41から吐出された液体700がヘッド41から離れた状態では、液体700のヘッド41側の正の電荷は一部分が液体700のヘッド41側に残った状態で吐出される。つまり、吐出された液体700の電荷は負の電荷の方が多くなる。
この状態で液体700が電極101上に吐出されて着弾することで、図6(b)に示すように電極101の正の電荷と、液体700の負の電荷が打ち消しあう。このとき、図6(c)に示すように電極101の電気的変化が現れる。これを検知波形検出回路551で検知することで、液滴の吐出/不吐出を検知することができる。
次に、この装置の吐出検知ユニットの一例について図7及び図8を参照して説明する。図7は同吐出検知ユニットの待機状態での斜視説明図、図8は同じく払拭動作を行っているときの斜視説明図である。
吐出検知ユニット100は、ヘッド41のノズル41nから吐出される液体(液体700)を受ける付着部材である電極101が付着部材保持部材であるホルダ部材102に保持されている。ホルダ部材102は、電極101がヘッド41のノズル面41aと対向可能な位置に配置される。
ホルダ部材102は、例えばプラスチック等の絶縁材料で形成されている。電極101は、導電性の金属板で、錆びにくく、液体に対して変質しにくい材料で形成することが好ましい。電極101は、例えば、SUS304、銅合金にNiメッキを施したもの、あるいは、Pdメッキを施したものなどで形成できる。また、電極101の着弾面101aには撥水処理を施すことが好ましい。
電極101は、リード線により前述した検知波形検出回路551などが実装された後述する吐出検知基板555に電気的に接続されている。
ホルダ部材102には、払拭ユニット200の払拭部材であるワイパ部材201による払拭方向の終端側に廃液収容部となる開口部103が形成されている。そして、この開口部103の払拭方向上流側に、ワイパ部材201から廃液(ワイパ部材201に付着した液体)を除去して清掃する清掃部材である複数のワイパクリーナ104を設けている。ワイパクリーナ104により除去された廃液はホルダ部材102の開口部103に貯留される。
一方、払拭ユニット200は、電極101の表面(着弾面101a)を払拭する払拭部材であるワイパ部材201を保持したスライダ部材202を備えている。
スライダ部材202は、ホルダ部材102の長手方向(ノズル配列方向に沿う方向)に沿って配置されたガイドレール221、221に移動可能に保持されている。そして、スライダ部材202の一部は、駆動プーリ222と従動プーリ223との間に掛け回されたタイミングベルト224に取付けられている。駆動プーリ222は、駆動源である駆動モータ203でウオームギヤ225を介して回転駆動される。
これにより、スライダ部材202は付着部材保持部材であるホルダ部材102に対向してホルダ部材102の長手方向に沿って移動する。つまり、スライダ部材202は付着部材保持部材に対して相対的に移動する部材である。
ワイパ部材201は、例えばEPDMで形成している。EPDMは撥水性がそれほど高くなく、ワイパ部材201の撥水性よりも電極101の着弾面101aの撥水性の方を高くすることができる。ワイパ部材201の撥水性よりも電極101の着弾面101aの撥水性の方を高くすることによって、電極101から液体を払拭し易くなる。
次に、払拭ユニットによる払拭動作について図9も参照して説明する。図9は同払拭動作の説明に供する模式的説明図である。
払拭ユニット200による払拭動作を開始するときには、スライダ部材202を図7に示すホーム位置から矢印A方向に移動させて、ワイパ部材201を図9(a)の仮想線図示の位置まで移動させる。
その後、図8に示す矢印B方向でもある払拭方向にスライダ部材202を移動させる。これにより、図9(a)に示すように、ワイパ部材201が電極101の着弾面101aに接触して払拭方向に移動されることで、図9(b)に示すように、電極101の着弾面101aの液体700が払拭除去される。
次に、吐出検知動作について図10ないし図13を参照して説明する。図10は制御部による吐出検知動作の制御を説明するフロー図、図11ないし図13は同吐出検知動作の説明に供する平面説明図である。
吐出検知動作を開始する前には、例えば、ヘッド41は図11(a)に示すように吐出検知ユニット100に対向していない位置、例えばキャッピング位置にある。
この状態から、吐出検知動作を開始するときには、図11(a)の矢印C方向にキャリッジ3を移動させ、図11(b)に示すように、ヘッド41を吐出検知ユニット100の電極101に対向した位置にする。
そして、吐出検知を行う。この吐出検知では、ヘッド41Aと電極101が対向した状態で電極101に電圧を印加し、ヘッド41から各ノズル列Na、Nbの順に、各ノズル41nから順次液体を吐出させる。そして、電極101の電気的変化を検出して吐出の有無を検知する。
なお、このとき、電極101の短手長さ(主走査方向長さ)が1つのヘッド41のノズル列Na、Nbの間隔(ノズル列間)より短いと、1つのノズル列の吐出検知が終わるとキャリッジ3を移動させる必要がある。そこで、電極101の短手長さは1つのヘッド41のノズル列間隔より長くして、1つのヘッド41については、キャリッジ3を移動させることなく吐出検知を行えるようにしている。これにより、吐出検知動作の所要時間を短くできる。
そして、ヘッド41Aについての吐出検知が完了したときには、図11(c)に示すように、キャリッジ3を移動させてヘッド41Bを吐出検知ユニット100の電極101に対向させて、ヘッド41Bについての吐出検知を同様にして行う。
このようにして2つのヘッド41A、41Bのすべての対象ノズル41nについての吐出状態を取得する。
その後、図11(c)に示すように、キャリッジ3を矢印C方向に移動させて、図12(a)に示すように、キャリッジ3を吐出検知ユニット100の上方から退避させる。
そして、払拭ユニット200による払拭動作を行う。払拭動作では、図12(a)に示すように、スライダ部材202を矢印A方向に移動させて、図12(b)に示すように、ワイパ部材201を払拭開始位置まで移動させる。
この払拭位置に向かう方向での移動においては、ワイパ部材201は電極101と接触せず、スライダ部材202の一部(ワイパ部材201の保持部材)がホルダ部材102の突き当て部111に突き当たることで、ワイパ部材201が回転し、電極101と接触するようになる。
この状態で、スライダ部材202を図12(b)に示す矢印B方向(払拭方向)に移動させることで、図13(a)に示すように、ワイパ部材201によって電極101の表面(着弾面101a)を払拭し、電極101上に堆積した液体を払拭、除去する。
着弾面101aの払拭動作にてワイパ部材201に転移した液体は、電極101の下流側に位置するワイパクリーナ104により掻き落とされ、ワイパ部材201は、図13(a)に示すように、ホーム位置に戻る。
なお、ワイパ部材201がホーム位置に移動することで、ワイパ部材201が回転して電極101から離間する。
払拭動作が完了したときには、図13(a)に示す矢印D方向にキャリッジ3を移動させ、図13(b)に示すように、ヘッド41をホーム位置に移動させて、吐出検知動作が完了する。
この場合、検知結果に応じて、吐出不良ノズルが所定数以下でなければ、維持回復動作を行って、再度吐出検知を行う。
次に、電極の着弾面への付着物によるメニスカスの破壊のメカニズムについて図14を参照して説明する。図14は同説明に供する説明図である。
上述したように、吐出検知動作を行うときには払拭ユニット200による払拭動作を行って電極101の着弾面101aを清浄化するが、吐出検知動作後に、電極101の着弾面101aに紙粉やほこりなどの異物が付着することがある。
そして、電極101の着弾面101aに付着する異物は、次の吐出検知動作が実施されるまでの間に、図14(a)に示すように、堆積して堆積物(付着物)701となることがある。
ここで、ヘッド41のノズル面41aと電極101との間隔は微小間隔であり、吐出検知動作の間で、印刷などのためにヘッド41が電極101上を通過する。そのため、図14(b)に示すように、ヘッド41のノズル面41aと付着物701が接触する。
このとき、図14(c)に示すように、ヘッド41のノズル41nの液体300と付着物701が接触すると、図14(d)に示すように、ノズル41nの液体300のメニスカスが付着部701で破壊される。この結果、吐出不良が発生するおそれがある。
また、吐出不良が発生した後も電極101の着弾面101aに付着物701が残留する場合、電極101の上方をヘッド41が通過するたびに、ノズル41nのメニスカスが破壊されることになり、吐出不良が繰り返し発生することになる。
次に、本発明の第1実施形態における払拭動作の制御について図15のフロー図を参照して説明する。
本実施形態では、吐出検知動作に伴わない清浄化動作としての払拭動作を行うための発動条件を予め定めている。なお、以下では、清浄化動作としてワイパ部材201で電極101の着弾面101aを払拭する払拭動作を「着弾面払拭動作」といい、着弾面払拭動作を実行する条件を「着弾面払拭動作の発動条件」という。
図15を参照して、印刷を開始した後、着弾面払拭動作の発動条件を検出したか否かを判別する。ここで、着弾面払拭動作の発動条件を検出したときには、ワイパ部材201によって電極101の着弾面101aに対する払拭動作を行う(着弾面払拭動作実行)。
その後、また、着弾面払拭動作の発動条件を検出していないときにはそのまま、吐出検知動作の発動条件を検出したか否かを判別する。ここで、吐出検知動作の発動条件を検出したときには、例えば前述した吐出検知動作(吐出検知シーケンス)を実行する。
その後、また、吐出検知動作の発動条件を検出していないときにはそのまま、印刷完了か否かを判別する。
そして、印刷が完了するまでは着弾面払拭動作の発動条件の検出処理に戻り、印刷が完了したときには、この処理を終了する。
このように、吐出検知動作に伴わない清浄化動作を実施する。つまり、吐出検知動作の一環としての払拭動作を実行するタイミング以外の所定のタイミング(発動条件)で電極101の着弾面101aを払拭して清浄化する動作を実施する。
これにより、電極101の着弾面101aに付着物が付着した場合、次の吐出検知動作が実施される前に、電極101の着弾面101aを払拭して付着物を除去し清浄化することができる。
したがって、電極101の着弾面101a上に堆積した付着物にヘッド41のノズル面41aに接触してメニスカスが破壊され、吐出不良が生じることを低減ないし防止できる。
次に、本発明の第2実施形態について図16を参照して説明する。図16は同実施形態における払拭ユニットの構成を払拭動作とともに説明する模式的説明図である。
本実施形態では、払拭ユニット200のスライダ部材202に、ワイパ部材201よりも払拭方向で上流側に、電極101の着弾面101aを除電する除電部材205を備えている。
そして、図16(a)に示すように、ワイパ部材201によって電極101の着弾面101aを払拭するとき、ワイパ部材201で払拭された状態の着弾面101aに除電部材205が接触しながら移動する。これにより、図16(b)に示すように、着弾面101aの清浄化後に残留している電荷が除電される。
すなわち、ヘッド41の吐出状態を検知するときには、前述したように、電極101に電荷を与える極性の電圧を電圧印加手段552によって印加する。電圧印加手段552は、吐出検知動作中のみ電圧印加を行うため、電極101に印加された電荷は吐出検知動作後に減衰し始め、最終的には0V(GND)に落ちる。
しかしながら、電極101が0Vに落ちるまでは、電極101に残留している電荷によって、周辺のごみ(例えば、紙粉やほこり)を引き寄せ、着弾面101aに付着する現象が生じる。この付着物は、次の吐出検知動作に伴う着弾面払拭動作、もしくは、着弾面払拭動作の発動条件が検出されるまでの間、着弾面101aに残留し、この間に付着物とノズル41nが接触した場合は吐出不良が発生することになる。
そこで、着弾面101aを払拭する払拭部材(ワイパ部材201)に加え、着弾面101aの除電を行う除電部材205を備え、着弾面101aの払拭に続けて着弾面101aの除電を実施する。
これにより、吐出検知動作直後から着弾面101aが0Vに落ちるまでの間に紙粉やほこりが引き寄せられて着弾面101aに付着することを防ぎ、ひいては、付着物とノズル41nが接触することによる吐出不良の発生を防ぐことができる。
次に、本発明の第3実施形態について図17ないし図19を参照して説明する。図17は同実施形態の説明に供する払拭方向に沿う方向から見た正面説明図、図18は同じく動作説明に供する側面説明図、図19は同じく残留電荷による付着物の付着を説明する説明図である。
本実施形態では、付着部材保持部材であるホルダ部材102に対向して相対的に移動する部材であるスライダ部材202は、吐出検知ユニット100のホルダ部材102の上面102aに対向する架橋部202aを有している。
そして、吐出検知ユニット100のホルダ部材102の上面102aとスライダ部材202の架橋部202aの下面をそれぞれ対向面とするとき、対向面の距離を「間隔a」とする。
また、吐出検知ユニット100のホルダ部材102の上面102aとヘッド41のノズル面41aとの距離を間隔bとする。
ここで、スライダ部材202の架橋部202aは、ホルダ部材102の上面102aからの高さが、a<bの関係になる高さにしている。つまり、付着部材保持部材と相対的に移動する部材との間の間隔aが、液体吐出ヘッドのノズル面と付着部材保持部材との間隔bよりも小さい。
これにより、ワイパ部材201を移動させて払拭を行うとき、図18に示すように、スライダ部材202の架橋部202aがホルダ部材102の上面102aの上方を通過するときに、ホルダ部材102の上面102aに付着した付着物701を叩き落として除去することができる。
つまり、前述したように、吐出検知ユニット100は、搬送機構51と維持回復機構20との間なお、紙粉やミストの影響を受けやすい位置に配置されている。そのため、着弾面101aだけでなく、図18に示すように、ホルダ部材102の上面102aにも紙粉やミストなどの異物が堆積して付着物701となる。
また、図19(a)に示すように、吐出検知を行うとき、電極101に対する電圧印加によって、着弾面101aの周辺のホルダ部材102の上面102aには、着弾面101aとは逆極性の電荷が誘起される。その後、図19(b)に示すように、吐出検知動作が完了すると、電極101に対する電圧印加は停止され、着弾面101aの電荷はGNDに逃げるが、ホルダ部材102の上面102aの電荷は残留したままになる。この残留電荷により、周辺の紙粉やミスト、ほこりなどの異物702が引き寄せられ、ホルダ部材102の上面に堆積していくことになる。
着弾面101aに堆積した付着物は着弾面払拭動作によってワイパ部材201で払拭して除去できるが、ホルダ部材102の例えば縁部分の上面102aの付着物は除去できない。
このホルダ部材102の除去できない部分に堆積した付着物701が、ヘッド41のノズル面41aとホルダ部材102の上面102aの間隔bよりも高くなると、付着物701とヘッド41のノズル面41aが接触し、吐出不良が発生することがある。
そこで、ホルダ部材102の上面102aとこれに対向するスライダ部材202の架橋部202aの下面との距離(間隔a)を、ヘッド41のノズル面41aとホルダ部材102の上面102aの距離(間隔b)よりも短く(小さく)している。
これにより、ホルダ部材102の上面102aに堆積した付着物701がヘッド41のノズル面41aに接触する高さに成長する前に、図18に示すように、着弾面払拭動作に伴ってスライダ部材202によって、ホルダ部材102の上面102aに堆積した付着物701を叩き落とすことができる。
つまり、ホルダ部材に堆積した付着物とノズルが接触することによる吐出不良の発生を防ぐことができる。
次に、本発明の第4実施形態について図20を参照して説明する。図20は同実施形態の説明に供する払拭方向に沿う方向から見た正面説明図である。
本実施形態では、スライダ部材202にホルダ部材102の上面102aを除電する除電部材206を備えている。
このように構成したので、着弾面101aを払拭するときにホルダ部材102の上面102aを除電することができる。これにより、吐出検知動作によりホルダ部材102に誘起された電荷を除去し、紙粉やミストがホルダ部材に引き寄せられることを防ぎ、ホルダ部材102に付着物が堆積しにくくすることができる。
次に、本発明の第5実施形態について図21を参照して説明する。図21は同実施形態の説明に供する払拭方向に沿う方向から見た正面説明図である。
本実施形態では、スライダ部材202に、着弾面101aを除電する除電部206aと、ホルダ部材102の上面102aを除電する除電部206bを有する除電部材206を備えている。
このように構成したので、着弾面101aを払拭するときに、着弾面101aを除電することができるとともに、ホルダ部材102の上面102aを除電することができる。これにより、吐出検知動作により着弾面101及びホルダ部材102に誘起された電荷を除去し、紙粉やミストがホルダ部材に引き寄せられることを防ぎ、着弾面101aやホルダ部材102に異物が堆積することを低減できる。
次に、本発明の第6実施形態について図22のフロー図を参照して説明する。
本実施形態は、着弾面払拭動作の発動条件を、所定時間内におけるヘッド41に対する所定の維持回復動作の実施回数が所定回数以上になったときとするものである。
ここで、所定の維持回復動作とは、ユーザーの指示を条件として行う維持回復動作(これを「手動CL動作」という。)としている。
この処理では、手動CLを発動して、所要の維持回復動作(クリーニング動作)を行う。このとき、経過時間t1、実施回数n1の各カウント値をリセットする。そして、手動CL発動からの経過時間t1のカウントを開始する。なお、クリーニング動作の内容は適宜設定すればよい。
その後、手動CLの実施回数n1が予め定めた所定回数a1以上(n1≧a1)になったか否かを判別する。
ここで、手動CLの実施回数n1が所定回数a1以上であれば、ワイパ部材201による着弾面101aの払拭動作を行い、実施回数n1をリセットする。
その後、また手動CLの実施回数n1が所定回数a1以上でなければそのまま、経過時間t1が所定時間b1以上(t1≧b1)になる前、すなわち、所定時間経過前に手動CLが実施(発動)されたか否かを判別する。
ここで、所定時間経過前に手動CLが実施されたときには、実施回数n1が所定回数a1以上になったか否かの判別に戻る。
また、所定時間経過前に手動CLが実施されたものでないときには、そのまま実施回数n1をリセットして、この処理を終了する。
つまり、前述したように、吐出検知ユニット100は、シート材の搬送機構51と維持回復機構20との間に配置している。したがって、ヘッド41の吐出不良を回復するためにクリーニング動作を実施した後、吐出が回復したかを確認するために、シート材Pにノズルチェックパターンを印刷するとき、着弾面101aやホルダ部材102の上方をヘッド41が移動することになる。
このとき、ヘッド41のノズル面41aと接触するような付着物が着弾面101aやホルダ部材102の上面102aに付着していると、キャリッジ3が吐出検知ユニット100の上方を移動するたびに、付着物がノズル41と接触して吐出不良を発生させるおそれがある。
その結果、クリーニング動作で吐出を回復しても、搬送領域にキャリッジ3が移動する途中で吐出異常が発生し、クリーニング動作とノズルチェック動作を繰り返すことになる。
したがって、所定時間以内に所定回数以上の手動CL動作が実施されたときには、着弾面101aやホルダ部材102の上面102aに異物(付着物)が付着していることによる吐出異常である可能性がある。
そこで、吐出検知動作を行わないときであっても、着弾面払拭動作を実行することで着弾面やホルダ部材の上面を清掃し、異物などの付着物を除去することで、上記のような吐出異常の発生を防止することができる。
次に、本発明の第7実施形態について図23のフロー図を参照して説明する。
本実施形態は、着弾面払拭動作の発動条件を、前回の着弾面払拭動作からの印刷枚数が所定の印刷枚数以上になったときとするものである。
まず、前回の着弾面払拭動作を行った以後の印刷枚数n2を読み出す。印刷枚数nは、NVRAMなどの不揮発性メモリに保持している。
そして、印刷を開始し、印刷枚数n2をインクリメント(+1)する。
その後、印刷枚数n2が所定枚数a2以上(n2≧a2)になったか否かを判別する。
ここで、印刷枚数n2が所定枚数a2以上であれば、ワイパ部材201による着弾面101aの払拭動作を行い、印刷枚数n2をリセットする。
その後、また印刷枚数n2が所定枚数a2以上でなければそのまま、吐出検知動作の発動タイミングを検出したか否かを判別する。
ここで、吐出検知動作の発動タイミングを検出していれば、ワイパ部材201による着弾面101aの払拭動作を行い、印刷枚数n2をリセットする。
その後、また吐出検知動作の発動タイミングを検出していなければそのまま、印刷完了か否かを判別する。
そして、印刷完了になるまで、吐出検知動作の発動タイミングを検出したか否かの判別処理に戻り、印刷完了になったときにこの処理を終了する。
つまり、印刷枚数が増加するに従って紙粉やミストなどが増加し、着弾面101aへの付着が多くなる傾向にある。
そこで、前回の着弾面払拭動作からの印刷枚数が所定枚数以上になったときには、着弾面払拭動作を実行することで、定期的に紙粉やミストなどの異物を除去してその堆積を防ぎ、吐出異常の発生を低減する。
次に、本発明の第8実施形態について図24のフロー図を参照して説明する。
本実施形態では、着弾面払拭動作の発動条件を、印刷中に空吐出動作を行う条件である空吐出発動条件を検出したときとするものである。つまり、印刷中に空吐出動作を行うときには着弾面払拭動作を併せて行う。
まず、印刷を開始する。そして、空吐出発動条件を検出したか否かを判別する。
ここで、空吐出発動条件を検出したときには、ヘッド41を吐出検知ユニット100の電極101に対向する吐出検知位置に移動する。その後、電極101に対して液体を吐出する空吐出を行い、印刷を継続する。併せて、ワイパ部材201による着弾面101aの払拭動作を行う。
その後、また空吐出発動条件を検出していないときにはそのまま、印刷完了か否かを判別する。
そして、印刷完了になるまで、空吐出発動条件を検出したか否かの判別処理に戻り、印刷完了になったときにこの処理を終了する。
つまり、着弾面101aに堆積した紙粉やミスト、吐出検知動作により堆積した液体は、長時間放置され乾燥することで、着弾面101aにこびりつき通常の着弾面払拭動作では完全に除去しきれないことがある。
このような乾燥した堆積付着物の除去性を向上するため、堆積物に液体を吐出することで堆積物をふやかし、除去しやすくすることが挙げられる。この堆積物をふやかすための液体吐出として、印刷中に実施する空吐出を、通常の維持回復機構ではなく、吐出検知手段の着弾面101aに吐出させることで、印刷以外に使用する液体消費量を増やすことなく、着弾面の清浄化性能を向上させることができる。
加えて、上記装置では、吐出検知ユニット100は維持回復機構20よりも搬送領域に近い位置に配置されている。したがって、吐出検知ユニット100の電極101に対して空吐出を行うことで、維持回復機構20のキャップなどに印刷中の空吐出を実施するよりも、キャリッジ3の移動量が少なくなり、空吐出動作に要する時間を短縮できる。
次に、本発明の第9実施形態について図25のフロー図を参照して説明する。
本実施形態は、着弾面払拭動作の発動条件を、前回の着弾面払拭動作からの経過時間が所定時間以上になったときとするものである。
まず、前回の着弾面払拭動作を行った以後の経過時間t2を読み出してカウンタにセットし、カウントをスタートする。経過時間t2は、NVRAM505などの不揮発性メモリに保持している。
そして、印刷を開始し、経過時間t2が所定時間b2以上(t2≧b2)になったか否かを判別する。
ここで、経過時間t2が所定時間b2以上であれば、ワイパ部材201による着弾面101aの払拭動作を行い、経過時間t2をリセットする。
その後、また経過時間t2が所定時間b2以上でなければそのまま、吐出検知動作の発動タイミングを検出したか否かを判別する。
ここで、吐出検知動作の発動タイミングを検出していれば、ワイパ部材201による着弾面101aの払拭動作を行い、経過時間t2をリセットする。
その後、また吐出検知動作の発動タイミングを検出していなければそのまま、印刷完了か否かを判別する。
そして、印刷完了になるまで、吐出検知動作の発動タイミングを検出したか否かの判別処理に戻り、印刷完了になったときにこの処理を終了する。
つまり、装置が長時間放置された場合、着弾面101aやホルダ部材102にほこりなどの汚れが堆積して、堆積物がヘッド41のノズル面41aに到達するまで成長し、ノズル面41aと接触して、吐出不良が発生するおそれがある。
そこで、前回の着弾面払拭動作からの経過時間が所定時間以上になったときには、着弾面払拭動作を実行する制御を行い、長時間放置後の着弾面払拭動作を実施することで、吐出不良の発生を抑制することができる。
次に、本発明の第10実施形態について図26のフロー図を参照して説明する。
本実施形態では、吐出検知動作を行う前に、着弾面払拭動作を行うようにしている。
まず、吐出検知を開始すると、ワイパ部材201による着弾面101aの払拭動作を行う。
その後、ヘッド41を吐出検知ユニット100側に移動させて、ヘッド41Aを吐出検知ユニット100の電極101に対向した位置にした後、吐出検知を行い、ヘッド41Aについての吐出検知が完了したときには、キャリッジ3を移動させてヘッド41Bを吐出検知ユニット100の電極101に対向させて、ヘッド41Bについての吐出検知を行う。このようにして2つのヘッド41のすべての対象ノズル41nについての吐出状態を取得する。
その後、キャリッジ3を移動させて吐出検知ユニット100の上方から退避させ、ワイパ部材201による着弾面払拭動作を行う。
そして、検知結果に応じて、吐出不良ノズルが所定数以下でなければ、維持回復動作を行って、再度吐出検知を行う。
つまり、前述したように、吐出検知を行うときには、ヘッド41のノズル面41aが電極101に対向する位置までキャリッジ3を移動させるが、このよき、電極101の着弾面101aに紙粉やほこりなどのごみが堆積していると、堆積物(付着物)による吐出不良が発生するおそれがある。
そこで、吐出検知動作実施前のタイミングで着弾面払拭動作を実行することで、着弾面の付着物が要因となる吐出不良の発生を抑えることができる。
これに付随して、吐出検知動作で所定数以上の吐出不良ノズルを検知したときに発動する維持回復動作の発生回数を減らすことができる。また、維持回復動作で使用する液体消費量を抑え、吐出検知に要する時間を短縮できる。
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、液体を吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、液体、処理液、DNA試料、レジスト、パターン材料、結着剤、造形液、又は、アミノ酸、たんぱく質、カルシウムを含む溶液及び分散液なども含まれる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。