JP6613826B2 - 光源装置、露光装置、光発生方法、照明方法、露光方法、およびデバイス製造方法 - Google Patents

光源装置、露光装置、光発生方法、照明方法、露光方法、およびデバイス製造方法 Download PDF

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本発明は、光源装置、露光装置、光発生方法、照明方法、露光方法、およびデバイス製造方法に関する。
半導体素子等のデバイスの製造に用いられる露光装置では、光源から射出された光が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の小光源からなる二次光源を形成する。二次光源からの光は、コンデンサー光学系により集光された後、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクを透過した光は投影光学系を介してウェハ上に結像し、ウェハ上にはマスクパターンが投影露光(転写)される。
マスクに形成されたパターンは微細化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布(露光量分布)を得ることが要求される。しかしながら、光源から供給される光のコヒーレンスが高い場合、すなわち高コヒーレンス光源を用いる場合、フライアイレンズを構成するレンズレット間の干渉などに起因して、照明光学系の被照射面(投影光学系の物体面)には不均一な照度分布が形成される(例えば、特許文献1を参照)。
米国特許第6,552,774号
第1形態では、パターン形成装置を介した光で物体にパターン像を投影する投影光学系と共に用いられる光源装置であって、
互いに異なる中心周波数を有する複数種類の光を供給する光源部を備え、
前記投影光学系の色収差の許容範囲と、前記光源部からの光の周波数の幅とから、前記光源部が射出する前記複数種類の光の種類の数が定められている、光源装置を提供する。
第2形態では、パターン形成装置を介した光で物体にパターン像を投影する投影光学系と共に用いられる光源装置であって、
互いに異なる中心周波数を有する複数種類の光を供給する光源部を備え、
前記投影光学系の色収差の許容範囲と、前記光源部が射出する前記複数種類の光の種類の数とから、前記複数種類の前記光のそれぞれの周波数幅が定められている、光源装置を提供する。
第3形態では、パターン形成装置を介した光源装置からの光で物体にパターン像を投影する投影光学系を備える露光装置であって、
前記光源装置は、互いに異なる中心周波数を有する複数種類の光を供給する光源部を備え、
前記投影光学系の色収差の許容範囲は、前記光源部が射出する前記複数種類の前記光の種類数と、前記複数種類の前記光のそれぞれの周波数の幅とから定められている、露光装置を提供する。
第4形態では、第1形態または第2形態の光源装置と、
前記光源装置からの前記複数種類の光で前記パターン形成装置を照明する照明光学系と、
前記パターン形成装置を介した前記光で前記物体にパターン像を投影する投影光学系とを備える、露光装置を提供する。
第5形態では、パターン形成装置を介した光で物体を露光する露光装置において、
パルス光を供給する光源と、
前記光源から供給された1つのパルス光から時間的に多重化された複数のパルス光を生成する生成部と、
前記生成部からのパルス光で前記パターン形成装置を照明する照明光学系と、
前記パターン形成装置を介した前記パルス光で前記物体にパターン像を投影する投影光学系と、
前記物体を保持して移動する移動体と、
前記パルス光で前記パターン像を前記物体に投影しているときに前記移動体を移動させる制御部と、を備え、
前記物体上に投影される前記パターン像がぶれないための前記パルス光の発光時間の最大値を発光可能時間幅とするとき、前記発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数は、前記パルス光のパルス発光時間から定められる、露光装置を提供する。
第6形態では、投影光学系およびパターン形成装置を介した光でパターン像を物体に投影する際に、前記パターン形成装置に照射する光を発生させる光発生方法であって、
互いに異なる中心周波数を有する複数種類のパルス光を供給することを含み、
前記投影光学系の色収差の許容範囲と、前記光源部からの光の周波数の幅とから、前記複数種類のパルス光の種類数を定めている、光発生方法を提供する。
第7形態では、投影光学系およびパターン形成装置を介した光でパターン像を物体に投影する際に、前記パターン形成装置に照射する光を発生させる光発生方法であって、
互いに異なる中心周波数を有する複数種類のパルス光を供給することを含み、
前記投影光学系の色収差の許容範囲と、前記光源部が射出する前記複数種類の光の種類の数とから、前記複数種類の前記光のそれぞれの周波数幅が定められている、光発生方法を提供する。
第8形態では、第6形態または第7形態の光発生方法を用いて、前記光を発生させることと、
前記発生した光で前記パターン形成装置を照明することと、を含む、照明方法を提供する。
第9形態では、第8形態の照明方法を用いて照明された前記パターン形成装置からの光を投影光学系に導き、
前記投影光学系を介した光で物体にパターン像を露光する、露光方法を提供する。
第10形態では、投影光学系およびパターン形成装置を介した光でパターン像を物体に露光する露光方法であって、
互いに異なる中心周波数を有する複数種類の光を供給することと、
前記複数種類の光で前記パターン形成装置を照明することと、
前記投影光学系を用いて、前記パターン形成装置からの光で前記物体に前記パターン像を投影することと、
を含み、
前記投影光学系の色収差の許容範囲は、前記光源部が射出する前記複数種類の前記光の種類数と、前記複数種類の前記光のそれぞれの周波数の幅とから定められている、露光方法を提供する。
第11形態では、パターン形成装置を介した光で物体を露光する露光方法において、
光源から供給された1つのパルス光から時間的に多重化された複数のパルス光を生成することと、
生成されたパルス光で前記パターン形成装置を照明することと、
投影光学系を介した前記パターン形成装置からの前記パルス光で前記物体にパターン像を投影することと、
前記パルス光で前記パターン像を前記物体に投影しているときに前記物体を移動させることと、
を含み、
前記物体上に投影される前記パターン像がぶれないための前記パルス光の発光時間の最大値を発光可能時間幅とするとき、前記発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数Rは、前記パルス光のパルス発光時間をから定められる、露光方法を提供する。
第12形態では、第4形態または第5形態の露光装置を用いて、所定のパターンを前記物体としての基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
第13形態では、第10形態または第11形態の露光方法を用いて、所定のパターンを前記物体としての基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
第1実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 光源部の内部構成を概略的に示す図である。 回折光学素子に4種類のパルス光が入射する様子を示す図である。 空間光変調器の構成および作用を説明する図である。 空間光変調器の要部の部分斜視図である。 第1実施形態におけるパルス光の周波数的な多重化を説明する図である。 所定の周波数帯域幅の範囲に収まるパルス光の種類数と独立なスペックルパターンの数との関係を示す図である。 第1実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 遅延光学系の内部構成を概略的に示す図である。 第2実施形態におけるパルス光の時間的な多重化を説明する図である。 所定の発光可能時間幅の範囲に収まるパルス光の数と独立なスペックルパターンの数との関係を示す図である。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
以下、実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1では、その紙面に垂直な方向にX軸を、図1の紙面において鉛直方向にY軸を、図1の紙面において水平方向にZ軸をそれぞれ設定している。感光性基板であるウェハWの転写面(露光面)は、XZ平面に平行に設定されている。第1実施形態にかかる露光装置は、可変パターン形成用の空間光変調器(spatial light modulator:SLM)を使用するマスクレス方式の露光装置である。
図1を参照すると、第1実施形態の露光装置では、光源部1から露光光(照明光)が供給される。光源部1は、図2に示すように、互いに異なる中心周波数を有するパルス光を射出する複数の光源を備えている。以下、説明の理解を容易にするための一例として、光源部1は、4つの光源LS1,LS2,LS3,LS4を有し、中心周波数が等間隔に設定された4種類のパルス光を供給するものとする。図2を参照すると、光源LS2〜LS4からの各パルス光が、それぞれ一対の光路折曲げミラーを経て、光源LS1からのパルス光と合流した状態で、光源部1から射出される。ここで、各光源LS1〜LS4には、1又は複数の電源部(不図示)が接続されている。露光装置の制御系CRは、パルス発光のタイミング及び光量(パルスエネルギー)を指示する発光トリガパルスを電源部に供給する。その発光トリガパルスに同期して電源部は、指示されたタイミング及び光量で各光源LS1〜4にパルス発光を行わせる。
光源LS1〜LS4として、例えば米国特許第5,838,709B1号明細書、米国特許第6,590,698B1号明細書、米国特許第6,901,090B1号明細書、米国特許第6,947,123B1号明細書、米国特許第7,098,992B2号明細書、米国特許第7,397,598B2号明細書、および米国特許第7,136,402B1号明細書、米国特許公開第2006/050748A1号公報、および米国特許公開第2009/185583A1号公報等に開示されているように、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。
また、各光源LS1〜LS4ごとに基本波レーザ光を射出するシード光源としての固体レーザ光源を設けるのではなく、共通のシード光源を用いてもよい。この場合、共通のシード光源(固体レーザ光源)からの基本波レーザ光を4つに分岐した後、各光源LS1〜LS4が備える光増幅部に導けばよい。この構成では、各光源LS1〜LS4から射出されるパルス光の発光タイミングを揃えることができる。
光源部1から供給された高コヒーレンスの4種類のパルス光は、ビーム送光部2および光路折曲げミラーMR1を経て、回折光学素子3において互いに異なる4つの領域に入射する。一例として、図3に示すように、光源LS1から射出されたパルス光は領域Laに入射し、光源LS2から射出されたパルス光は領域Lbに入射し、光源LS3から射出されたパルス光は領域Lcに入射し、光源LS1から射出されたパルス光は領域Ldに入射する。ここで、高コヒーレンス光とは、エキシマレーザ光源が供給するレーザ光の横モード数よりも少ない横モード数の光とすることができる。
ビーム送光部2は、光源部1から入射した光束を適切な大きさおよび形状の断面を有する光束に変換しつつ回折光学素子3へ導くとともに、回折光学素子3に入射する光の位置変動および角度変動をアクティブに補正する。回折光学素子3は、基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。すなわち、回折光学素子3は、入射光を空間的に変調して射出する空間光変調素子である。
具体的に、円形照明用(輪帯照明用、複数極照明用など)の回折光学素子は、例えば矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に円形状(輪帯状、複数極状など)の光強度分布を形成する機能を有する。一例として、回折光学素子3は、円形照明用の回折光学素子であり、輪帯照明用の回折光学素子、複数極照明用の回折光学素子などと交換可能に設置されている。回折光学素子3を経た光は、リレー光学系4により集光された後に、マイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)5に入射する。
リレー光学系4は、その前側焦点位置が回折光学素子3の近傍に位置し、且つその後側焦点位置がマイクロフライアイレンズ5の入射側の面に位置している。すなわち、リレー光学系4は、回折光学素子3とマイクロフライアイレンズ5の入射側の面とを光学的にフーリエ変換の関係に位置決めしている。円形照明用の回折光学素子3を経た光は、例えば照明光学系の光軸AXを中心とした円形状の光強度分布(照野)を、マイクロフライアイレンズ5の入射側の面に形成する。すなわち、回折光学素子3の領域La〜Ldを経た4種類のパルス光は、マイクロフライアイレンズ5の入射側の面に重畳される。
マイクロフライアイレンズは、二次元的に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子であり、平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成されている。マイクロフライアイレンズでは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズが互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、レンズレット(レンズ要素)が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
具体的に、マイクロフライアイレンズ5は、例えば矩形状の断面を有する多数のレンズレット5aを縦横に且つ稠密に配列することにより構成されている。ただし、図1では、図示および説明の簡単のために、実際よりもはるかに少ないレンズレット5aによりマイクロフライアイレンズ5を構成した例を示している。マイクロフライアイレンズ5として、例えばシリンドリカルマイクロフライアイレンズを用いることもできる。シリンドリカルマイクロフライアイレンズの構成および作用は、例えば米国特許第6913373号明細書に開示されている。
マイクロフライアイレンズ5に入射した光束は多数のレンズレット5aにより二次元的に分割され、光が入射したレンズレット(光分割要素)5aの射出面の近傍にはそれぞれ1つのスポット光(小光源)が形成される。すなわち、マイクロフライアイレンズ5の後側焦点面(レンズレット5aの入射側の屈折面と射出側の屈折面との合成光学系の後側焦点位置)またはその近傍の照明瞳には、入射側の面に形成された光強度分布とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源(多数の小光源からなる実質的な面光源:瞳強度分布)が形成される。
マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳に形成された二次光源からの光は、コンデンサー光学系6を介して、マスクブラインド7を照明する。コンデンサー光学系6は、その前側焦点位置がマイクロフライアイレンズ5の後側焦点面に位置し、且つその後側焦点位置がマスクブラインド7の面に位置している。すなわち、コンデンサー光学系6は、マイクロフライアイレンズ5の後側焦点面とマスクブラインド7の面とを光学的にフーリエ変換の関係に位置決めしている。その結果、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳に形成された多数の小光源からの光は、コンデンサー光学系6を介して、マスクブラインド7を重畳的に照明する。
照明視野絞りとしてのマスクブラインド7の矩形状の開口部(光透過部)を経た光は、光路折曲げミラーMR2、結像光学系8、および光路折曲げミラーMR3を介して、可変パターン形成用の空間光変調器9の複数のミラー要素の配列面(ミラー配列面)を重畳的に照明する。すなわち、結像光学系8は、マスクブラインド7の矩形状の開口部の像を、空間光変調器9のミラー配列面に形成することになる。こうして、照明光学系(2〜8)は、光源部1から供給されるパルス光により、空間光変調器9のミラー配列面(被照射面)上に矩形状の照明領域を形成する。
空間光変調器9は、図4に示すように、照明光学系(2〜8)の被照射面(投影光学系PLの物体面)に沿って二次元的に配列された複数のミラー要素9aと、複数のミラー要素9aを保持する基盤9bと、基盤9bに接続されたケーブル(不図示)を介して複数のミラー要素9aの姿勢(位置、傾きなど)を個別に制御駆動する駆動部9cとを備えている。空間光変調器9では、制御系CRからの指令に基づいて作動する駆動部9cの作用により、複数のミラー要素9aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素9aがそれぞれ所定の向き(または位置)に設定される。
空間光変調器9は、図5に示すように、二次元的に配列された複数の微小なミラー要素9aを備え、入射したパルス光に対して、その入射位置に応じた空間的な変調を可変的に付与して射出する。説明および図示を簡単にするために、図4および図5では空間光変調器9が4×4=16個のミラー要素9aを備える構成例を示しているが、実際には16個よりもはるかに多数のミラー要素9aを備えている。
一例によれば、空間光変調器9は、図5に示すように、平面状の反射面を上面にした状態で1つの平面に沿って規則的に且つ二次元的に配列された多数の微小な反射素子であるミラー要素9aを含む可動マルチミラーである。各ミラー要素9aは可動であり、その反射面の傾き、すなわち反射面の傾斜角および傾斜方向は、制御系CRからの制御信号に基づいて作動する駆動部9cの作用により独立に制御される。各ミラー要素9aは、その反射面に平行な二方向であって互いに直交する二方向(X方向,Z方向)を回転軸として、所望の回転角度だけ連続的(または離散的)に回転することができる。すなわち、各ミラー要素9aの反射面の傾斜を二次元的に制御することが可能である。
図5には外形が正方形状のミラー要素9aを示しているが、ミラー要素9aの外形形状は正方形に限定されない。ただし、光利用効率の観点から、ミラー要素9aの隙間が少なくなるように配列可能な形状(最密充填可能な形状)とすることができる。また、光利用効率の観点から、隣り合う2つのミラー要素9aの間隔を必要最小限に抑えることができる。
第1実施形態では、可変パターン形成用の空間光変調器9として、二次元的に配列されて平面状の反射面を有する複数のミラー要素の向きを連続的または離散的にそれぞれ変化させる空間光変調器を用いることができる。この場合、複数の光学要素は、少なくとも1つの軸廻りに傾斜可能な平面状の反射面をそれぞれ有する。このようなチルトミラー型の空間光変調器として、たとえば米国特許第6,522,454号明細書および第7,405,862号明細書に開示される空間光変調器を用いることができる。
また、可変パターン形成用の空間光変調器9として、たとえば二次元的に配列されて平面状の反射面を有する複数のミラー要素の反射面の高さ(位置)を個別に制御可能な空間光変調器を用いることもできる。この場合、複数のミラー要素は、空間光変調器に入射する光の進行方向における位置を変更するように移動する平面状の反射面をそれぞれ有する。このようなピストン型の空間光変調器として、例えば米国特許第5,312,513号および第7,206,117号明細書並びに米国特許公開第2013/0278912号明細書に開示される空間光変調器を用いることができる。
また、可変パターン形成用の空間光変調器9として、二次元的に配列されて段差状の反射面を有する複数のミラー要素の向きを連続的または離散的にそれぞれ変化させる空間光変調器を用いることもできる。この場合、複数のミラー要素は、少なくとも1つの軸廻りに傾斜可能であり且つ段差状の反射面をそれぞれ有する。このような位相段差型の空間光変調器として、たとえば米国特許第7,110,159号明細書に開示される空間光変調器を用いることができる。また、可変パターン形成用の空間光変調器として、二次元的に配列されて個別に制御される複数の透過光学要素を備えた透過型の空間光変調器を用いることもできる。
パターン形成装置としての空間光変調器9では、制御系CRからの制御信号(複数のミラー要素9aの駆動データ)にしたがって、複数のミラー要素9aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素9aがそれぞれ所定の向き(または位置)に設定される。投影光学系PLは、照明光学系(2〜8)により照明された空間光変調器9からの反射光により、フォトレジストが塗布されたウェハ(感光性基板)Wの単位露光領域に、複数のミラー要素9aが形成したミラーパターン(複数のミラー要素9aの傾きパターン、凹凸パターンなど)に対応した所定のパターン像を投影する。
ウェハWは、ウェハステージWS上においてXZ平面とほぼ平行に保持されている。ウェハステージWSには、X方向、Y方向、Z方向、X軸廻りの回転方向、Y軸廻りの回転方向およびZ軸廻りの回転方向に、ウェハステージWS(ひいてはウェハW)を移動させる機構が組み込まれている。第1実施形態にかかる露光装置は、マスクレス方式で、且つステップ・アンド・スキャン方式にしたがって所定のパターンを基板(ウェハW)に走査露光する露光装置である。
ステップ・アンド・スキャン方式では、制御系CRは、投影光学系PLの投影倍率に応じて、空間光変調器9のミラーパターンおよびウェハステージWSを例えばZ方向に移動させつつ、空間光変調器9のミラーパターンに対応したデバイスパターンをウェハWの1つの単位露光領域に走査露光する。その後、制御系CRは、ウェハステージWSをXZ平面に沿ってステップ移動させることにより、ウェハWの別の単位露光領域を投影光学系PLに対して位置決めする。こうして、空間光変調器9のミラーパターンに対応したデバイスパターンをウェハWの単位露光領域に走査露光する動作を繰り返す。
第1実施形態の露光装置は、ウェハステージWSおよび空間光変調器9を制御し且つ露光装置の動作を統括的に制御する制御系CRを備えている。第1実施形態では、マイクロフライアイレンズ5により形成される二次光源を光源として、照明光学系(2〜8)の被照射面に配置される空間光変調器9のミラー配列面(ひいてはウェハWの露光面)をケーラー照明する。マイクロフライアイレンズ5による波面分割数が比較的大きい場合、マイクロフライアイレンズ5の入射側の面に形成される大局的な光強度分布と、マイクロフライアイレンズ5の直後の照明瞳に形成される二次光源全体の大局的な光強度分布(瞳強度分布)とが高い相関を示す。
第1実施形態の露光装置では、制御系CRからの指令にしたがって空間光変調器9が可変的に形成するミラーパターンに対応するデバイスパターンを、投影光学系PLを介して、ウェハWに走査露光(スキャン露光)する。二次元的に配列されて個別に制御される複数のミラー要素(光学要素)を有する空間光変調器が可変的に形成するミラーパターンに対応するデバイスパターンを、投影光学系を介して基板に露光するマスクレス方式の露光装置の詳細については、米国特許第8,792,081B2号明細書などを参照することができる。
光源部1が高コヒーレンスのパルス光を供給するため、マイクロフライアイレンズ5のレンズレット5a間の干渉などに起因して、照明光学系(2〜8)の被照射面である空間光変調器9のミラー配列面には、不均一な照度分布が形成される。この不均一な照度分布のコントラストは、照度分布における独立なスペックルパターンの数に依存する。具体的に、照度分布のコントラストCと、独立なスペックルパターンの数Nsの間には、次の式(a)に示すような関係が成立する。ちなみに、照度分布のコントラストCは、照度分布における光強度の平均値をAとするとき、照度分布における強度平均値Aからの光強度の分散σの平方根、すなわち標準偏差σを用いて、C=σ/Aと定義される。
Figure 0006613826
式(a)を参照すると、照度分布のコントラストCを低減するには、独立なスペックルパターンの数Nsを増やす必要があることがわかる。第1実施形態では、パルス光の周波数的な多重化により、独立なスペックルパターンの数Nsを増やし、ひいては照度分布のコントラストCを低減する。具体的に、パルス光の周波数的な多重化では、図6に示すように、光源1から供給された互いに異なる中心周波数を有する複数種類(第1実施形態では一例として4種類)のパルス光が所定の周波数帯域幅Ωの範囲に収まるように設定される。周波数帯域幅Ωは、投影光学系PLが許容する周波数帯域幅であって、例えば投影光学系PLの色収差により求められる。ここで、周波数帯域幅Ωは、投影光学系の色収差の許容範囲とみなすことができる。
光源からのパルス光の中心波長をλ、光速をcとするとき、パルス光の中心周波数ωは、ω=2πc/λとなる。この光源からのパルス光の中心波長は、このパルス光のスペクトル分布(波長に対する光強度の変化の分布)における、光強度のピーク値としてもよい。また、このパルス光のスペクトル分布のピーク値に対して光強度が1/2に低下するときの2つの波長の平均値としてもよい。また、このパルス光の95%エネルギ純度幅E95における下限側波長と上限側波長との平均値としてもよい。なお、パルス光の95%エネルギ純度幅E95とは、パルス光のスペクトル分布をピーク値よりも低い所定レベルでスライスしたときの2つの波長の幅内の光強度の積分値が、そのパルス光のスペクトル分布の全積分値に対して95%になるときの幅である。
そして、周波数帯域幅Ωは、例えば以下の通り定めることができる。
投影光学系の波長ずれ量に対する光軸方向および光軸直交方向の色収差量をそれぞれ求める。そして、実施形態の露光装置で基板上に形成可能な最小線幅のパターンに関して、波長ずれ量に対する線幅変化量を求める。次に、この線幅変化量がその最小線幅のパターンについての線幅誤差の許容範囲内に収まるような波長ずれの許容量を求める。この求められた波長ずれの許容量の逆数が、投影光学系PLが許容する周波数帯域幅Ωとなる。
本発明者は、周波数帯域幅Ωの範囲に収まるパルス光の種類数Bを増やしても、独立なスペックルパターンの数Nsを増やす効果、ひいては照度分布のコントラストCを低減する効果が頭打ちになるという知見を得た。具体的に、光源部1から射出される各パルス光の強度分布の標準偏差(1σ)に対応する周波数幅をσωとするとき、コントラストCが次の式(b)で表されることを見出した。ただし、式(b)の導出に際して、各パルス光の強度分布をガウス分布と想定している。この点は、後述の式(d)および(f)の導出に際しても同様である。
Figure 0006613826
したがって、周波数帯域幅Ωの範囲に収まるパルス光の種類数Bを無限大に近づけたときのコントラストCの極限値(上限値)は、次の式(c)で表される。式(a)と式(c)とを参照すると、パルス光の周波数的な多重化により達成される独立なスペックルパターンの数Nsの上限値は、M(Ω/2σω)で表されることがわかる。
Figure 0006613826
図7は、周波数帯域幅Ωの範囲に収まるパルス光の種類数Bと独立なスペックルパターンの数Nsとの関係を示す図である。図7において、横軸はパルス光の種類数Bを示し、縦軸は独立なスペックルパターンの数Nsを示している。ただし、図7におけるBおよびNsの数値は、種類数Bとパターン数Nsとの関係の理解を容易にするための一例に過ぎない。参照符号41はパルス光の種類数Bと独立なスペックルパターンの数Nsとの関係を表す曲線を示し、参照符号42はパルス光の種類数Bが無限大に近づいたときの独立なスペックルパターンの数Nsの上限値に対応する破線を示している。
第1実施形態では、パルス光の周波数的な多重化に際して、次の式(1)に示す条件を満足するようにパルス光の種類数Bを決定することにより、光源のコヒーレンスの低下を図ることができ、ひいては照明光学系(2〜8)の被照射面に配置される空間光変調器9のミラー配列面に形成される照度分布のコントラストを低減することができる。換言すれば、パルス光の周波数的な多重化に際して、周波数帯域幅Ωの範囲に収めるべきパルス光の種類数Bを過度に増大させることなく効率的な多重化により、被照射面に形成される照度分布のコントラストCを低減することができる。
Figure 0006613826
あるいは、周波数帯域幅Ωの範囲に収めるべきパルス光の種類数Bを過度に増大させることなく効率的な多重化により、被照射面に形成される照度分布のコントラストCを低減するために、次の式(2)に示す条件を満足するようにパルス光の種類数Bを決定しても良い。
Figure 0006613826
また、上述の第1実施形態では、周波数帯域幅Ωと周波数幅σωとが所与の値である場合、光源部1が射出する複数種類のパルス光の種類数Bを、投影光学系PLが許容する周波数帯域幅(投影光学系の色収差の許容範囲)Ωと、パルス光の周波数幅σωとから定めている。また、第1実施形態において、パルス光の種類数Bと、周波数幅σωとが所与の値である場合、投影光学系PLが許容する周波数帯域幅(投影光学系の色収差の許容範囲)Ωを、光源部1が射出する複数種類のパルス光の種類数Bと、パルス光の周波数幅σωとから定めてもよい。また、第1実施形態において、パルス光の種類数Bと、周波数帯域幅Ωとが所与の値である場合、パルス数の周波数幅σωを、光源部1が射出する複数種類のパルス光の種類数Bと、投影光学系PLが許容する周波数帯域幅(投影光学系の色収差の許容範囲)Ωとから定めてもよい。
こうして、第1実施形態にかかる照明光学系(2〜8)では、パルス光の周波数に関する効率的な多重化により、空間光変調器9のミラー配列面(被照射面)に形成される照度分布のコントラストを低減することができる。また、第1実施形態にかかる露光装置では、被照射面に形成される照度分布のコントラストを低減する照明光学系(2〜8)を用いて、ウェハ(基板)Wに露光されるパターン線幅の均一性を良好にすることができる。
なお、上述の実施形態では、各パルス光の強度分布をガウス分布と想定したが、各パルス光の強度分布はガウス分布に限定されず、任意の強度分布でよい。
また、上述の実施形態では、光源から供給される光をパルス光としたが、連続光(CW(continuous wave)光)としてもよい。
さて、上述では、光の周波数的な多重化により、独立なスペックルパターンの数Nsを増やすように、露光装置、照明光学系または光源の設計値を定めたが、投影光学系PLが許容する周波数帯域幅(投影光学系の色収差の許容範囲)Ω、光源部1が射出する複数種類のパルス光の種類数B、パルス光の周波数幅σωを能動的に調整(変更)してもよい。
たとえば光源部1が供給する複数種類のパルス光の種類数Bを変更するために、光源部1中の各光源LS1〜LS4の発光を独立にON/OFFしてもよい。このとき、各光源LS1〜LS4がそれぞれ供給する光の中心波長を変更してもよい。これらの中心波長を変更するために、各光源LS1〜LS4の内部または各光源LS1〜LS4の射出側に能動的な調整が可能な分光器等を設けてもよい。また、各光源LS1〜LS4の内部の光学素子の位置や姿勢等を変更することによって中心波長を変更してもよい。
ここで、各光源LS1〜LS4からの光の中心波長と、波長スペクトル幅または波長スペクトルのプロファイルを検出する計測器(波長計)を設けてもよい。このような計測器(波長計)は、たとえば米国特許第5,856,991号に開示されている。
また、たとえば、各光源LS1〜LS4からの光の周波数幅σωを変更するために、各光源LS1〜LS4の内部または各光源LS1〜LS4の射出側に能動的な調整が可能な分光器等を設けてもよい。また、各光源LS1〜LS4の内部の光学素子の位置や姿勢等を変更することによって光の周波数幅σωを変更してもよい。光の周波数幅σωを変更する場合においても、上記波長計を設けてもよい。
また、能動的な調整が可能な光学素子(例えば回折光学素子等)を用いて、投影光学系の色収差の許容範囲を変更してもよい。
図8は、第2実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。第2実施形態は第1実施形態と類似の構成を有するが、光源部1に代えて、1つの光源LSおよび遅延光学系10が配置されていることが、第1実施形態と相違している。図9では、図1の第1実施形態における構成要素と同様の機能を果たす要素に図1と同じ参照符号を付している。以下、第1実施形態との相違点に着目して、第2実施形態の構成および作用を説明する。
第2実施形態の露光装置では、光源LSから露光光(照明光)が供給される。光源LSとして、第1実施形態における光源LS1〜LS4と同様に、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザなどの固体レーザ光源、ファイバーアンプなどを有する光増幅部、及び波長変換部などを含み、波長193nmのパルス光を出力する高調波発生装置を用いてもよい。
遅延光学系10は、図9に示すように、光の入射側に設けられたハーフミラー11aを備えている。光源LSから供給された1つのパルス光L1は、ハーフミラー11aにより、透過光L11と反射光L12とに分割される。ハーフミラー11aを透過した光L11は、直進して別のハーフミラー11bに入射する。ハーフミラー11aで反射された光L12は、一対のミラー12a,12bが配置された光路、すなわち光L11の光路よりも長い遅延光路を経て、ハーフミラー11bに入射する。
光L11は、ハーフミラー11bにより、透過光L111と反射光L112とに分割される。ハーフミラー11bを透過した光L111は、直進して偏光ビームスプリッタ13に入射する。ハーフミラー11bで反射された光L112は、一対のミラー12c,12dおよび半波長板14が配置された光路、すなわち光L111の光路よりも長い遅延光路を経て、偏光ビームスプリッタ13に入射する。
一方、ハーフミラー11aで反射されてミラー12a,12bを含む遅延光路を経た光L12は、ハーフミラー11bにより、透過光L122と反射光L121とに分割される。ハーフミラー11bを透過した光L122は、光L112と同じ遅延光路を経て、偏光ビームスプリッタ13に入射する。ハーフミラー11bで反射された光L121は、光L111と同じ直進光路を経て、偏光ビームスプリッタ13に入射する。光源LSから供給されたパルス光L1は、偏光ビームスプリッタ13の偏光分離面13aに対してp偏光に設定されている。
したがって、半波長板14を経ることなく偏光ビームスプリッタ13に入射したp偏光の光L111およびL121は、偏光ビームスプリッタ13を透過し、互いにほぼ同じ光路に沿って、遅延光学系10から射出される。半波長板14を経て偏光ビームスプリッタ13に入射したs偏光の光L112およびL122は、偏光ビームスプリッタ13で反射され、光L111およびL121とほぼ同じ光路に沿って、遅延光学系10から射出される。
ここで、一対のハーフミラー11a,11bを透過した光L111は、最も短い光路を経て遅延光学系10から射出される。ハーフミラー11aを透過し且つハーフミラー11bで反射された光L112は、二番目に短い光路を経て射出される。一対のハーフミラー11a,11bで反射された光L121は、三番目に短い光路を経て射出される。ハーフミラー11aで反射され且つハーフミラー11bを透過した光L122は、最も長い光路を経て射出される。
こうして、遅延光学系10は、光源LSから供給された1つのパルス光L1から、時間的に多重化された4つのパルス光L111,L112,L121,L122を生成する動作を繰り返す。なお、図9では、入射した1つのパルス光から時間的に多重化された4つのパルス光を生成する構成を例示したが、分割部材としてのハーフミラーと、一対のミラー(必要に応じて、一対のリレーレンズも含む)を有する遅延光路との組を付設することにより、時間的に多重化された所望数のパルス光を生成することができる。
以下、説明の理解を容易にするために、光源LSと遅延光学系10との協働作用により、互いに同じ光強度を有する多数のパルス光が、一定の時間間隔にしたがって射出されるものとする。換言すれば、光源LSおよび遅延光学系10は、光源LSがパルス光を出力する周期よりも短い周期にしたがって、光源LSが出力するパルス光の強度よりも小さい強度のパルス光を供給する。
第2実施形態では、パルス光の時間的な多重化により、独立なスペックルパターンの数Nsを増やし、ひいては照度分布のコントラストCを低減する。具体的に、パルス光の時間的な多重化では、図10に示すように、所定の発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数Rを所要の範囲に規定する。発光可能時間幅Tは、例えばウェハWに対するパターン像の像ブレの許容範囲から求められる。図10では、一例として、遅延光学系10から等時間間隔で射出された3つのパルス光が発光可能時間幅Tの範囲に収まっている様子を示している。
本発明者は、発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数Rを増やしても、独立なスペックルパターンの数Nsを増やす効果、ひいては照度分布のコントラストCを低減する効果が頭打ちになるという知見を得た。具体的に、遅延光学系10から一定の時間間隔にしたがって射出される各パルス光の強度分布の標準偏差(1σ)に対応するパルス発光時間をσとするとき、コントラストCが次の式(d)で表されることを見出した。
Figure 0006613826
したがって、発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数Rを無限大に近づけたときのコントラストCの極限値(上限値)は、次の式(e)で表される。式(a)と式(e)とを参照すると、パルス光の時間的な多重化により達成される独立なスペックルパターンの数Nsの上限値は、M(T/2σ)で表されることがわかる。
Figure 0006613826
図11は、発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数Rと独立なスペックルパターンの数Nsとの関係を示す図である。図11において、横軸はパルス光の数Rを示し、縦軸は独立なスペックルパターンの数Nsを示している。ただし、図11におけるRおよびNsの数値は、パルス光の数Rとパターン数Nsとの関係の理解を容易にするための一例に過ぎない。参照符号51はパルス光の数Rと独立なスペックルパターンの数Nsとの関係を表す曲線を示し、参照符号52はパルス光の数Rが無限大に近づいたときの独立なスペックルパターンの数Nsの上限値に対応する破線を示している。
第2実施形態では、パルス光の時間的な多重化に際して、次の式(3)に示す条件を満足するようにパルス光の数Rを決定することにより、光源のコヒーレンスの低下を図ることができ、ひいては照明光学系(2〜8)の被照射面に配置される空間光変調器9のミラー配列面に形成される照度分布のコントラストを低減することができる。換言すれば、パルス光の時間的な多重化に際して、発光可能時間幅Tの範囲に収めるべきパルス光の数Rを過度に増大させることなく効率的な多重化により、被照射面に形成される照度分布のコントラストCを低減することができる。
Figure 0006613826
あるいは、発光可能時間幅Tの範囲に収めるべきパルス光の数Rを過度に増大させることなく効率的な多重化により、被照射面に形成される照度分布のコントラストCを低減するために、次の式(4)に示す条件を満足するようにパルス光の数Rを決定しても良い。
Figure 0006613826
また、物体W上に投影されるパターン像がぶれないためのパルス光の発光時間の最大値である発光可能時間幅Tと、前記パルス光のパルス発光時間とが所与の値であるとき、第2実施形態では、前記発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数Rを、前記パルス光のパルス発光時間から定めている。
こうして、第2実施形態にかかる照明光学系(2〜8)では、パルス光の時間に関する効率的な多重化により、空間光変調器9のミラー配列面(被照射面)に形成される照度分布のコントラストを低減することができる。また、第2実施形態にかかる露光装置においても、被照射面に形成される照度分布のコントラストを低減する照明光学系(2〜8)を用いて、ウェハ(基板)Wに露光されるパターン線幅の均一性を良好にすることができる。
第2実施形態では、遅延光学系10を用いて、光源LSが供給する1つのパルス光から時間的に多重化された複数のパルス光を生成している。しかしながら、光源LSが供給するパルス光の周期が十分に小さい場合には、遅延光学系10の設置を省略することができる。
また、第2実施形態の遅延光学系10に代えて、たとえば米国特許第6,238,063号明細書および第6,587,182号明細書等に開示される遅延光学系を用いてもよい。
さて、上述では、光の周波数的な多重化により、独立なスペックルパターンの数Nsを増やすように、露光装置、照明光学系または光源の設計値を定めたが、露光時のウェハステージWS(移動体)の移動速度、パルス光の発光可能時間幅T、パルス光の数R、パルス発光時間σを能動的に調整(変更)してもよい。ここで、遅延光学系10の各遅延光路にシャッタを設け、特定のシャッタを閉じることでパルス光の数Rを変更してもよい。
また、別の特定のシャッタを閉じることで、複数のパルス光全体の発光時間の幅を変更することができる。
また、たとえば、各光源LS1〜LS4からの光の発光時間σを変更するために、各光源LS1〜LS4の内部の光学素子の位置や姿勢等を変更してもよい。
第1実施形態ではパルス光の周波数的な多重化により光源のコヒーレンスを低下させ、第2実施形態ではパルス光の時間的な多重化により光源のコヒーレンスを低下させている。しかしながら、これに限定されることなく、パルス光の周波数的な多重化とパルス光の時間的な多重化とを併用することにより、光源のコヒーレンスを低下させることもできる。この場合、被照射面に形成される照度分布のコントラストCは、次の式(f)で表される。
Figure 0006613826
したがって、周波数帯域幅Ωの範囲に収まるパルス光の種類数Bおよび発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数Rを無限大に近づけたときのコントラストCの極限値(上限値)は、次の式(g)で表される。
Figure 0006613826
なお、関数M(x)は、x>2程度のとき、次の式(h)で示すように一次関数で近似することができる。
Figure 0006613826
さて、不確定性原理からパルス発光時間σと周波数帯域幅σωの積(時間帯域幅積)は一定値以上の値をとる。この時間帯域幅積は、パルス発光時間σとパルスの形状によって決定される。最小の時間帯域幅積は、下記(i)式のフーリエ変換限界(Fourier Transform Limit)で与えられる。
Figure 0006613826
上記の実施形態では、パルス発光時間σと周波数帯域幅σωとを所与の値として、パルス光の種類数Bまたはパルス数Rの関係を説明したが、パルス光の種類数Bを所与の値として、周波数帯域幅σωが満足すべき条件を決定してもよい。
この場合、周波数帯域幅Ωから、バンドルを構成している各光源の最適な周波数帯域幅σωを上記式(1)または式(2)から求める。そして、この周波数帯域幅σωが得られるように各光源を調整すると、パルス発光時間σを決定できる。時間帯域幅積が上記(i)式において下限となる場合、次の式(j)を得ることができる。
Figure 0006613826
上記(j)式で求めたパルス発光時間σと発光可能時間幅Tから、最適な時間方向の多重化数であるパルス数Rを、式(3)又は式(4)から求めることができる。
例えば、露光装置に要求される光源部LSの出力値から必要な光源の数が定められる場合には、パルス光の種類数Bを所与の条件として、上述の通り、各パラメータを決定すればよい。
なお、パルス光の種類数Bは光源部LSが有する光源の数以下であれば良く、パルス光の種類数Bと光源部LSが有する光源の数とは等しくなくてもよい(光源部LSが有する光源のうちの少なくとも2つが同じ周波数のパルス光を出力するものであってもよい)。
また、上述とは逆に、パルス数Rを所与の値として、パルス発光時間σ、周波数帯域幅σω、およびパルス光の種類数Bを求めてもよい。
なお、この場合においても、パルス数R、パルス発光時間σ、周波数帯域幅σω、およびパルス光の種類数Bを能動的に変更してもよい。
上述の実施形態では、マイクロフライアイレンズ5の入射側の面に所要形状の照野を固定的に形成する回折光学素子3を用いている。しかしながら、回折光学素子3に代えて、チルトミラー型の空間光変調器、ピストン型の空間光変調器、位相段差型の空間光変調器、または透過型の空間光変調器を用いて、マイクロフライアイレンズ5の入射側の面に所要形状の照野を可変的に形成しても良い。
上述の実施形態では、パターン形成装置として、二次元的に配列されて個別に制御される複数のミラー要素(光学要素)9aを有する空間光変調器9を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、転写すべきパターンが形成されたマスク(レチクル)を、パターン形成装置として投影光学系の物体面に設置しても良い。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行っても良い。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図12は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図12に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の投影露光装置を用い、可変パターン形成用の空間光変調器のミラーパターン(あるいはマスクに形成されたパターン)に応じた所定のパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。
その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の投影露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の投影露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを感光性基板としてパターンの転写を行う。
図13は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図13に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の投影露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
上述の実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書に開示されているように、投影光学系PLの先端の光学部材とウェハWとの間に照明光ILを透過する液体(例えば純水)を供給して回収する局所液浸装置が設けられる。液浸型の場合には解像度をさらに高めることができる。
上述の実施形態において、米国公開公報第2006/0170901号及び第2007/0146676号に開示されるいわゆる偏光照明方法を適用することも可能である。ここでは、米国特許公開第2006/0170901号公報及び米国特許公開第2007/0146676号公報の教示を参照として援用する。
また、上述の実施形態において、光源LSとして、波長193nmのパルス光を供給するArFエキシマレーザ光源や、波長248nmのパルス光を供給するKrFエキシマレーザ光源を用いることもできる。
なお、上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成をとり得る。
1 光源部
2 ビーム送光部
3 回折光学素子
4 リレー光学系
5 マイクロフライアイレンズ(オプティカルインテグレータ)
6 コンデンサー光学系
7 マスクブラインド
8 結像光学系
9 可変パターン形成用の空間光変調器(パターン形成装置)
10 遅延光学系
LS;LS1〜LS4 光源
CR 制御系
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ

Claims (28)

  1. パターン形成装置を介した光で物体を露光する露光装置において、
    パルス光を供給する光源と、
    前記光源から供給された1つのパルス光から時間的に多重化された複数のパルス光を生成する生成部と、
    前記生成部からのパルス光で前記パターン形成装置を照明する照明光学系と、
    前記パターン形成装置を介した前記パルス光で前記物体にパターン像を投影する投影光学系と、
    前記物体を保持して移動する移動体と、
    前記パルス光で前記パターン像を前記物体に投影しているときに前記移動体を移動させる制御部と、を備え、
    前記物体上に投影される前記パターン像がぶれないための前記パルス光の発光時間を発光可能時間幅Tとするとき、前記発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数は、前記パルス光のパルス発光時間から定められる、露光装置
  2. 前記発光可能時間幅をTとするとき、前記発光可能時間幅Tの範囲に収まる前記パルス光の数をRと、前記パルス光の強度分布の標準偏差1σに対応するパルス発光時間をσ との少なくとも一方は、次の式(3)に示す条件を満足している、請求項1に記載の露光装置
    Figure 0006613826
  3. 前記発光可能時間幅Tの範囲に収まる前記パルス光の数Rと、前記パルス光の強度分布の標準偏差1σに対応するパルス発光時間σ とは、次の式(4)に示す条件を満足している、請求項2に記載の露光装置
    Figure 0006613826
  4. 前記発光可能時間幅Tは、前記物体に対する前記パターン像の像ブレの許容範囲から求められる、請求項2または3に記載の露光装置
  5. 前記生成部は、前記複数のパルス光を等時間間隔で射出するように構成されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の露光装置
  6. 前記生成部は、前記光源から供給された1つのパルス光を2つのパルス光に分割する分割部材と、該分割部材を経た一方のパルス光を第1光路に沿って導くとともに前記分割部材を経た他方のパルス光を前記第1光路よりも長い第2光路に沿って導く導光光学系と、を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の露光装置
  7. パターン形成装置を介した光源装置からの光で物体にパターン像を投影する投影光学系を備える露光装置であって、
    前記光源装置は、互いに異なる中心周波数を有する複数種類の光を供給する光源部を備え、
    前記投影光学系の色収差の許容範囲は、前記光源部が射出する前記複数種類の前記光の種類数と、前記複数種類の前記光のそれぞれの周波数の幅とから定められており、
    前記光源部が射出する前記複数種類の光の種類数Bと、前記投影光学系の前記色収差の許容範囲を周波数で表した幅Ωと、前記光源部からの光の強度分布の標準偏差1σに対応する周波数幅σ ω とは、次の式(1)に示す条件を満足している、露光装置。
    Figure 0006613826
  8. 前記パルス光の種類数Bと、前記幅Ωと、前記周波数幅σ ω とは、次の式(2)に示す条件を満足している、請求項7に記載の露光装置。
    Figure 0006613826
  9. 前記光源部は、前記中心周波数が等間隔に設定された前記複数種類の光を供給する複数の光源を有する、請求項7または8に記載の露光装置。
  10. 前記光源部はパルス光を供給する、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の露光装置。
  11. 前記光源装置からの前記複数種類の光で前記パターン形成装置を照明する照明光学系を備える、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の露光装置。
  12. パターン形成装置を介した光で物体にパターン像を投影する投影光学系と共に用いられる光源装置であって、
    互いに異なる中心周波数を有する複数種類の光を供給する光源部を備え、
    前記投影光学系の色収差の許容範囲と、前記光源部からの光の周波数の幅とから、前記光源部が射出する前記複数種類の光の種類の数が定められており、
    前記光源部が射出する前記複数種類の光の種類数Bと、前記投影光学系の前記色収差の許容範囲を周波数で表した幅Ωと、前記光源部からの光の強度分布の標準偏差1σに対応する周波数幅σ ω とは、次の式(1)に示す条件を満足している、光源装置
    Figure 0006613826
  13. パターン形成装置を介した光で物体にパターン像を投影する投影光学系と共に用いられる光源装置であって、
    互いに異なる中心周波数を有する複数種類の光を供給する光源部を備え、
    前記投影光学系の色収差の許容範囲と、前記光源部が射出する前記複数種類の光の種類の数とから、前記複数種類の前記光のそれぞれの周波数幅が定められており、
    前記光源部が射出する前記複数種類の光の種類数Bと、前記投影光学系の前記色収差の許容範囲を周波数で表した幅Ωと、前記光源部からの光の強度分布の標準偏差1σに対応する周波数幅σ ω とは、次の式(1)に示す条件を満足している、光源装置
    Figure 0006613826
  14. 前記パルス光の種類数Bと、前記幅Ωと、前記周波数幅σ ω とは、次の式(2)に示す条件を満足している、請求項12または13に記載の光源装置
    Figure 0006613826
  15. 前記光源部は、前記中心周波数が等間隔に設定された前記複数種類の光を供給する複数の光源を有する、請求項12乃至14のいずれか1項に記載の光源装置
  16. 前記光源部はパルス光を供給する、請求項12乃至15のいずれか1項に記載の光源装置
  17. 請求項12乃至16のいずれか1項に記載の光源装置と、
    前記光源装置からの前記複数種類の光で前記パターン形成装置を照明する照明光学系と、
    前記パターン形成装置を介した前記光で前記物体にパターン像を投影する投影光学系とを備える、露光装置。
  18. 投影光学系およびパターン形成装置を介した光でパターン像を物体に露光する露光方法であって、
    互いに異なる中心周波数を有する複数種類の光を供給することと、
    前記複数種類の光で前記パターン形成装置を照明することと、
    前記投影光学系を用いて、前記パターン形成装置からの光で前記物体に前記パターン像を投影することと、
    を含み、
    前記投影光学系の色収差の許容範囲は、前記光源部が射出する前記複数種類の前記光の種類数と、前記複数種類の前記光のそれぞれの周波数の幅とから定められており、
    前記複数種類の光の種類数Bと、前記投影光学系の前記色収差の許容範囲を周波数で表した幅Ωと、前記光源部からの光の強度分布の標準偏差1σに対応する周波数幅σ ω とのうち少なくとも1つを、次の式(1)に示す条件を満足するように決定する、露光方法
    Figure 0006613826
  19. 次の式(2)に示す条件を満足するように、前記パルス光の種類数Bと、前記幅Ωと、前記周波数幅σ ω とのうち少なくとも1つを決定する、請求項18に記載の露光方法
    Figure 0006613826
  20. 前記供給することは、前記中心周波数が等間隔に設定された前記複数種類のパルス光を供給することを含む、請求項18または19に記載の露光方法
  21. パターン形成装置を介した光で物体を露光する露光方法において、
    光源から供給された1つのパルス光から時間的に多重化された複数のパルス光を生成することと、
    生成されたパルス光で前記パターン形成装置を照明することと、
    投影光学系を介した前記パターン形成装置からの前記パルス光で前記物体にパターン像を投影することと、
    前記パルス光で前記パターン像を前記物体に投影しているときに前記物体を移動させることと、
    を含み、
    前記物体上に投影される前記パターン像がぶれないための前記パルス光の発光時間を発光可能時間幅Tとするとき、前記発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数Rは、前記パルス光のパルス発光時間をから定められる、露光方法
  22. 前記発光可能時間幅Tの範囲に収まるパルス光の数Rと、前記パルス光の強度分布の標準偏差1σに対応するパルス発光時間σ との少なくとも一方は、次の式(3)に示す条件を満足する、請求項21に記載の露光方法
    Figure 0006613826
  23. 次の式(4)に示す条件を満足するように、前記パルス光の数Rと、前記パルス光の強度分布の標準偏差1σに対応するパルス発光時間σ とのうち少なくとも1つを決定する、請求項22に記載の露光方法
    Figure 0006613826
  24. 前記発光可能時間幅Tは、前記物体に対する前記パターン像の像ブレの許容範囲から求められる、請求項21乃至23のいずれか1項に記載の露光方法
  25. 前記生成することは、前記複数のパルス光を等時間間隔で射出する、請求項21乃至24のいずれか1項に記載の露光方法
  26. 前記生成することは、前記光源から供給された1つのパルス光を2つのパルス光に分割することと、該2つのパルス光のうちの一方のパルス光を第1光路に沿って導くとともに他方のパルス光を前記第1光路よりも長い第2光路に沿って導くことと、を含む請求項21乃至25のいずれか1項に記載の露光方法
  27. 請求項1乃至11および17のいずれか1項に記載の露光装置を用いて、所定のパターンを前記物体としての基板に露光することと、
    前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
    前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むデバイス製造方法
  28. 請求項18乃至26のいずれか1項に記載の露光方法を用いて、所定のパターンを前記物体としての基板に露光することと、
    前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
    前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むデバイス製造方法
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